JP2010134003A - ポジ型感光性ペースト - Google Patents

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Abstract

【課題】厚膜でも無機物の微細パターン形成が可能なポジ型感光性ペーストを提供する。
【解決手段】アルカリ可溶性樹脂、光酸発生剤ならびに無機粉末を含むポジ型感光性ペーストであって、該アルカリ可溶性樹脂がアクリル樹脂を5〜40質量%の範囲内、およびノボラック樹脂を60〜95質量%の範囲内で含有することを特徴とするポジ型感光性ペーストとする。
【選択図】なし

Description

本発明は、微細な無機物の厚膜パターンを安定に形成することを可能にするポジ型感光性ペーストに関する。本発明のポジ型感光性ペーストは、電子部品やディスプレイに用いられる。
従来、無機材料のパターン形成方法として、ネガ型感光性ペーストを用いて形成することが多く提案されている(例えば、特許文献1)。しかしながら、ネガ型感光性ペーストには架橋剤が多く含まれているため、架橋の際に焼成収縮力が作用して、パターンの剥がれや断線などのパターン欠陥が発生しやすいという問題があった。さらに、特に導電パターンを形成するための導電ペーストのように、ネガ型感光性ペースト中に遮光性の導電粉末が多く含まれている場合は、露光光が塗布膜下部まで到達せず、塗布膜下部の耐現像液性が低下してパターン下部の細りやエッジカールが発生する問題や厚膜での導電パターンが形成できないといった問題があった。
これらの問題を解決する方法として、ポジ型の感光性ペーストを用いることが提案されている(例えば、特許文献2、3)。しかしながら、提案されているポジ型感光性ペーストを用いても厚膜では微細な導電パターン形成ができなかった。例えば、特許文献2の実施例1で示されているようにアルカリ可溶性樹脂としてノボラック樹脂のみを用いた場合、現像時の膜が脆く、現像時に未露光部が剥がれ、微細なパターンが形成できなかった。また、特許文献2の実施例8で示されているようにアルカリ可溶性樹脂としてアクリル樹脂のみを用いた場合、現像状態が溶解現像ではなく、剥離現像となるため、これもまた微細なパターンが形成できなかった。
特開平1−296534号公報 特開2004−110019号公報 特開2006−108072号公報
本発明は、厚膜でも無機物の微細パターン形成が可能なポジ型感光性ペーストを提供することを目的とする。
本発明は、アルカリ可溶性樹脂、光酸発生剤ならびに無機粉末を含むポジ型感光性ペーストであって、該アルカリ可溶性樹脂がアクリル樹脂を5〜40質量%の範囲内、およびノボラック樹脂を60〜95質量%の範囲内で含有することを特徴とするポジ型感光性ペーストである。
本発明によると、厚膜でも無機物の微細パターン形成が可能なポジ型感光性ペーストを提供できる。
本発明のポジ型感光性ペーストは、アルカリ可溶性樹脂、光酸発生剤および無機粉末を含み、アルカリ可溶性樹脂が、アクリル樹脂を5〜40質量%の範囲内、ノボラック樹脂を60〜95質量%の範囲内で含有することが必要である。
本発明で用いられるアルカリ可溶性樹脂としては、現像時に露光された部分がアルカリ可溶性であり、アルカリ現像液に溶出するもので、アクリル樹脂とノボラック樹脂を必須成分とする。
アクリル樹脂としては、例えばアルカリ可溶性基を有するモノマーであるヒドロキシスチレン、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸およびこれらの誘導体を重合して得られるアクリル樹脂等を用いることができる。また、アルカリ可溶性基を有するモノマーとアルカリ可溶性のないアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、マレイン酸エステル、ヒドロキシスチレンエステル、スチレン、ビニルアルコール、酢酸ビニル、ビニルエステル、およびこれらの誘導体等をアルカリ可溶性が保たれる範囲で共重合してもよい。
本発明においては、アルカリ可溶性樹脂として、ポリヒドロキシスチレンを用いることが好ましい。具体的には、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、2−(o−ヒドロキシフェニル)プロピレン、2−(m−ヒドロキシフェニル)プロピレン、2−(p−ヒドロキシフェニル)プロピレン等のヒドロキシスチレン類の単独または2種以上をラジカル重合開始剤、アニオン重合開始剤またはカチオン重合開始剤の存在下で重合したものを用いることができる。
アクリル樹脂の好ましい重量平均分子量は、ポリスチレン換算で5,000〜100,000、より好ましくは10,000〜50,000である。
ノボラック樹脂としては、種々のフェノール類の単独あるいはそれらの複数種の混合物と、ホルマリンやパラホルムアルデヒド等のアルデヒド類とを80〜200℃で重縮合することによって得ることができる。また、これらのポリマーを部分エーテル化、部分エステル化したポリマーも使用することができる。
ノボラック樹脂を構成するフェノール類としては、例えばフェノール、p−クレゾール、m−クレゾール、o−クレゾール、2,3−ジメチルフェノール、2,4−ジメチルフェノール、2,5−ジメチルフェノール、2,6−ジメチルフェノール、3,4−ジメチルフェノール、3,5−ジメチルフェノール、2,3,4−トリメチルフェノール、2,3,5−トリメチルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノール、2,4,5−トリメチルフェノール、メチレンビスフェノール、メチレンビス−p−クレゾール、レゾルシン、カテコール、2−メチルレゾルシン、4−メチルレゾルシン、m−メトキシフェノール、p−メトキシフェノール、p−ブトキシフェノール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、2,3−ジエチルフェノール、2,5−ジエチルフェノール、p−イソプロピルフェノール、α−ナフトール、β−ナフトール等が挙げられ、これらは単独あるいは複数の混合物として用いることができる。アルデヒド類としては、ホルムアルデヒドの他、パラホルムアルデイド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド等が挙げられ、これらは単独あるいは複数の混合物として用いることができる。
本発明のノボラック樹脂としては、例えば上述のフェノール類およびアルデヒド類の混合体を酸触媒下で縮合重合したものを用いることができる。
ノボラック樹脂の好ましい重量平均分子量は、ポリスチレン換算で1,000〜100,000、より好ましくは1,500〜25,000、さらに好ましくは4,000〜10,000である。
本発明においては、アルカリ可溶性樹脂が、アクリル樹脂を5〜40質量%の範囲内、ノボラック樹脂を60〜95質量%の範囲内で含有することが必要である。アクリル樹脂が5質量%に満たないか、ノボラック樹脂が95質量%を超えると膜質が脆くなり、現像時に未露光部が剥がれ、微細なパターンを得ることができない。一方、アクリル樹脂が40質量%を超えるか、ノボラック樹脂が60質量%に満たない場合、膜質が硬くなり、現像が剥離されたような状態になり、微細なパターンを得ることができなくなる。
本発明において用いられる光酸発生剤としては、オニウム塩、ハロゲン含有化合物、ジアゾメタン化合物、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、スルホンイミド化合物、ジアゾケトン化合物などを例として挙げることができる。
オニウム塩の具体的な例としては、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスニウム塩、オキソニウム塩などを挙げることができる。好ましいオニウム塩としてはジフェニルヨードニウムトリフレート、ジフェニルヨードニウムピレンスルホネート、ジフェニルヨードニウムドデシルベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムナフタレンスルホネート、(ヒドロキシフェニル)ベンジルメチルスルホニウムトルエンスルホネートなどが挙げられる。
ハロゲン含有化合物の具体的な例としては、ハロアルキル基含有炭化水素化合物、ハロアルキル基含有ヘテロ環状化合物などが挙げられる。好ましいハロゲン含有化合物としては1,1−ビス(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリクロロエタン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ナフチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンなどを挙げることができる。
ジアゾメタン化合物の具体的な例としては、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トリルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−キシリルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−クロロフェニルスルホニル)ジアゾメタン、メチルスルホニル−p−トルエンスルホニルジアゾメタン、シクロヘキシルスルホニル(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、フェニルスルホニル(ベンゾイル)ジアゾメタン等を挙げることができる。
スルホン化合物の具体的な例としては、β−ケトスルホン化合物、β−スルホニルスルホン化合物などが挙げられる。好ましい化合物としては、4−トリスフェナシルスルホン、メシチルフェナシルスルホン、ビス(フェニルスルホニル)メタンなどが挙げられる。
スルホン酸エステル化合物の例としては、アルキルスルホン酸エステル、ハロアルキルスルホン酸エステル、アリールスルホン酸エステル、イミノスルホネートなどが挙げられる。スルホン酸化合物の具体的な例としてはベンゾイントシレート、ピロガロールトリメシレート、ニトロベンジル−9,10−ジエトキシアントラセン−2−スルホネートなどを挙げることができる。
スルホンイミド化合物の具体的な例としてはN−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシルイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)フタルイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシルイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシルイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシルイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(2−フルオロフェニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシルイミド等を挙げることができる。
ジアゾケトン化合物の具体的な例としては、1,3−ジケト−2−ジアゾ化合物、ジアゾベンゾキノン化合物、ジアゾナフトキノン化合物などが挙げられる。
パターン形成性と低焼成残渣という観点から、光酸発生剤として特に好ましく用いられるのは、ジアゾナフトキノン化合物であり、中でも、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸と2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンとのエステル、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸と1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンとのエステル、テトラヒドロキシベンゾフェノンと2−ジアゾ−1−ナフトキノン−5−スルホン酸とのエステル、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン等を更に好ましい化合物として挙げることができる。
本発明に用いることのできる光酸発生剤は1種類を単独で使用しても良いし、2種類以上の複数種を混合して用いても良い。なお、光酸発生剤の配合比は、アルカリ可溶性樹脂100質量部に対し、好ましくは2〜50質量部、より好ましくは10〜40質量部の割合で配合する。光酸発生剤の配合比をアルカリ可溶性樹脂100質量部に対し2質量部以上にすることで高コントラストを実現し、50質量部以下にすることによって、感度を高く保つことができる。
本発明における無機粉末は、目的とするペーストによって適宜選択する。例えば、電子部品の絶縁層やディスプレイの隔壁層等を形成するペーストでは、ガラス粉末、セラミックス粉末およびガラス粉末とセラミックス粉末を混合したものを用いることができる。ガラス粉末は、軟化温度が900℃以下、好ましくは、350〜800℃の範囲内のガラス粉末を用いることが好ましい。軟化温度350℃未満のガラスは化学的安定性が低く、また、軟化温度900℃を超えると、基板上で十分な軟化を行うことが困難になる。軟化温度が800℃以下、好ましくは、350〜800℃の範囲内のガラス粉末であれば、特に制限なく用いることができるが、基板としてガラスを用い、ポジ型感光性ペーストにアルカリ金属を含むガラス粉末を用いた場合には、焼成時に基板ガラスとのイオン交換反応により、基板の反りを生じることがあるため、アルカリ金属の含有量は10質量%以下とすることが好ましい。セラミック粉末としては、500〜1000℃程度の焼成温度で軟化しないものが広く使用でき、アルミナ、マグネシア、カルシア、コーディエライト、シリカ、ムライト、ジルコンおよびジルコニア等のセラミックス粉末が例示できる。また、多層化する際に絶縁層の識別のために無機顔料を含んでもよい。黒色にする場合は、Co−Cr−Fe、Co−Mn−Fe、Co−Cu−Mn、Co−Ni−Mn、Co−Ni−Cr−Mn、Co−Ni−Cu−Mnなどの化合物からなる黒色顔料、青色にする場合はCo−Al、Co−Al−Cr、Co−Al−Si、Zr−Si−V、Co−Zn−Si、Co−Zn−Al、Co−Zr−V、Co−Si、緑色にする場合はCa−Si−Cr、Sn−Zr−V、Zr−Si−Pr−V、Zr−Si−Pr−Cr−Fe、Cr−Al、Zr−Si−Pr−Cr、Cr−Co−Al−Zn、Cr−Al−Si、朱色にする場合はAl−Mn、Al−Cr−Zn、Sn−Cr、Zr−Si−Fe等の顔料を用いることができる。顔料の添加量は、顔料の種類にもよるが、通常0.1〜40質量%の範囲である。
電子部品やディスプレイの導電層を形成するペーストでは、導電性を示す無機粉末であれば何でも良く、金属酸化物や炭素系材料であってもよいが、好ましくは金属粉末を用いることができる。金属粉末としては、Ag、Au、Pd、Ni、Cu、AlおよびPtの群から選ばれるものが使用できる。これらは、単独、合金のいずれの状態であってもよい。また、本発明においては、焼成時における基板との結合成分として、あるいは低温での焼結を可能にする目的でフリットガラスを用いてもよいが、その添加量は感光性導電ペースト中に10質量%以下であることが好ましい。フリットガラスの添加量が10質量%を超えると感光性導電ペーストによって形成された導電パターンの比抵抗が高くなる場合がある。
フリットガラスとしては、特に限定されるものではないが、フリットガラスのガラス転移温度(Tg)および軟化点(Ts)は、それぞれ400〜800℃、450〜850℃であることが好ましい。Tg、Tsがそれぞれ400℃、450℃未満では、バインダー樹脂などの有機成分が蒸発する前にガラスの焼結が始まり、脱バインダーがうまくいかず、焼成後に残留炭素となり、導電パターンの剥がれ原因となることがあり、緻密かつ低抵抗の導電パターンを得るためには好ましくない。Tg、Tsがそれぞれ800℃、850℃を超えるガラスフリットでは、900℃以下の温度で焼き付けたときに、導電パターンと基板との充分な接着強度や緻密な電極膜が得られにくい。
これら無機粉末の粒子径としては、作製しようとする層の厚みや線幅を考慮して選ばれるが、体積基準分布の中心径が0.05〜5μm、最大粒子サイズが15μm以下であることが好ましい。
本発明のポジ型感光性ペーストでは、添加物成分として、有機溶剤、分散剤、チキソ剤、可塑剤、紫外線吸収剤、溶解促進剤、架橋剤等を目的に応じて適宜用いることができる。特に、本発明においては、溶解促進剤と架橋剤を添加することが好ましい。
溶解促進剤としては、アルカリ現像液に対する溶解速度を高めるものであれば、特に限定はされない。具体的には、テトラヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、ビスフェノールA、メチルガレート、クレゾール、トリヒドロキシフェニルメタン等のフェノール化合物やニコチン酸等の有機酸を挙げられる。溶解促進剤を添加することで、現像時間の調整が容易になる。
架橋剤としては、エチレン性不飽和二重結合を1つあるいは2つ以上含むものが好ましく用いられる。架橋剤を添加することで、露光後のポストベークで未露光部分の架橋剤と樹脂の架橋反応が進行し、耐現像液性を向上することができる。
本発明のポジ型感光性ペーストは、各種成分を所定の組成となるように調合した後、プラネタリーミキサー等のミキサーによって予備分散した後、3本ローラーなどの分散機で分散・混練手段によって均質に作製する。
このようにして得られるポジ型感光性ペーストは、次のようにパターン形成をすることができる。
まず、ガラスやアルミナ等の基板上に、ポジ型感光性ペーストを全面塗布、もしくは部分的に塗布する。塗布方法としては、スクリーン印刷法、バーコーター、ロールコーター、ダイコーター、ブレードコーターなど方法を用いることができる。塗布厚みは、塗布回数、スクリーンのメッシュ、ペースト粘度を選ぶことによって調整できる。
ここでペーストを基板上に塗布する場合、基板と塗布膜との密着性を高めるために基板の表面処理を行うことができる。表面処理液としては、シランカップリング剤、例えば、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、トリス(2−メトキシエトキシ)ビニルシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシランなど、あるいは有機金属例えば、有機チタン、有機アルミニウム、有機ジルコニウムなどである。シランカップリング剤あるいは有機金属を有機溶媒、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコールなどで0.1〜5質量%の濃度に希釈したものを用いる。次にこの表面処理液をスピナーなどで基板上に均一に塗布した後に80〜140℃で10〜60分間乾燥することによって表面処理ができる。
ポジ型感光性ペーストを塗布した後、乾燥を行う。乾燥は、熱風乾燥機や赤外線(IR)乾燥機、ホットプレート等を用いて、60〜150℃で30秒〜60分程度行う。
乾燥後、露光装置を用いて露光を行う。露光装置としては、プロキシミティ露光機などを用いることができる。また、大面積の露光を行う場合は、基板上にポジ型感光性ペーストを塗布した後に、搬送しながら露光を行うことによって、小さな露光面積の露光機で、大きな面積を露光することができる。
露光後、必要に応じてポストベークを行う。ポストベークは、熱風乾燥機やIR乾燥機、ホットプレート等を用いて、60〜150℃で30秒〜60分程度行う。
露光もしくはポストベーク後、露光部分と非露光部分のアルカリ現像液に対する溶解度差を利用して、現像を行うが、この場合、浸漬法やスプレー法、ブラシ法で行う。現像液は、水を主成分とすることが好ましい。アルカリ水溶液としては水酸化ナトリウムや炭酸ナトリウム、水酸化カルシウム水溶液などが使用できるが、有機アルカリ水溶液を用いた方が焼成時にアルカリ成分を除去しやすいので好ましい。
有機アルカリとしては、一般的なアミン化合物を用いることができる。具体的には、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどが挙げられる。
アルカリ水溶液の濃度は通常0.05〜10質量%、より好ましくは0.1〜3質量%である。アルカリ濃度が低すぎれば可溶部が除去されず、アルカリ濃度が高すぎれば、パターン部を剥離させ、また非可溶部を腐食させるおそれがある。また、現像時の現像温度は、20〜50℃で行うことが工程管理上好ましい。
次に焼成炉にて焼成を行う。焼成雰囲気や温度は、ペーストや基板の種類によって異なるが、空気中、窒素、水素などの雰囲気中で焼成する。焼成炉としては、バッチ式の焼成炉やベルト式の連続型焼成炉を用いることができる。
焼成温度は400〜1000℃で行う。アルミナ基板等の場合は、800〜1000℃で焼成可能であるが、ガラス基板を用いる場合は、520〜620℃の温度で10〜60分間保持して焼成を行う。
以下に、本発明を実施例により具体的に説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。
ノボラック系樹脂A:m−クレゾール/p−クレゾール/ホルムアルデヒドを、モル比60/40/80で混合し、シュウ酸触媒の存在下に還流下で常法に従って反応させ、次いで分別して得られた、ポリスチレン換算重量平均分子量が約8000のノボラック樹脂であって、ゲル浸透クロマトグラフ分析(GPC)パターンにおいて、未反応クレゾールのパターン面積を除いた全パターン面積に対するポリスチレン換算分子量6000以下の面積比が34%、そしてポリスチレン換算分子量1000以下の面積比が15%であるもの。
ノボラック系樹脂B:m−クレゾール/p−クレゾール/ホルムアルデヒドを、モル比40/60/80で混合し、シュウ酸触媒の存在下に還流下で常法に従って反応させ、次いで分別して得られた、ポリスチレン換算重量平均分子量が約8000のノボラック樹脂であって、GPCパターンにおいて、未反応クレゾールのパターン面積を除いた全パターン面積に対するポリスチレン換算分子量6000以下の面積比が34%、そしてポリスチレン換算分子量1000以下の面積比が15%であるもの。
アクリル樹脂A:トリシクロデカニルメタクリレート/t−ブチルメタクリレート/メタクリル酸(仕込みモル比で50/20/30)の共重合体(重量平均分子量37,000)
アクリル樹脂B:ポリヒドロキシスチレン(アルドリッチ社製、重量平均分子量20,000)
光酸発生剤A:テトラヒドロキシベンゾフェノンと2−ジアゾ−1−ナフトキノン−5−スルホン酸とのエステル
光酸発生剤B:ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン
溶解促進剤:トリヒドロキシベンゾフェノン
導電粉末A:湿式還元法により製造された平均粒径1.2μm、比表面積1.12m/g、タップ密度4.8g/cmである銀粉末。
導電粉末B:平均粒径2.9μm、比表面積1.12m/g、タップ密度4.3g/cmである銅粉末。
有機溶剤:ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート。
(ポジ型感光性ペーストの作製)
導電粉末78質量%、光酸発生剤2質量%、溶解促進剤1質量%、有機溶剤9質量%および、ノボラック樹脂とアクリル樹脂の合計量が10質量%になるように表1に示す比率で加えたものを3本ローラーで混練して作製した。
(解像度測定)
基板(99.6パーセントアルミナ基板、60mm角、厚さ0.635mm)状にマイクロテック社製スクリーン印刷機及び200メッシュのスクリーン版を用いてポジ型感光性ペースト全面塗布し、タバイ社製熱風乾燥機を用いて100℃で20分乾燥した。乾燥後の膜厚は25μmとした。乾燥後、ラインアンドスペース(L/S)がそれぞれ10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60μmであるストライプパターンを形成したフォトマスクを介して露光を言った。露光機は、大日本スクリーン製露光機(光源:2kW超高圧水銀灯)を用いた。露光後、2.34質量%のテトラメチルアンモニウムハイドオキサイド水溶液を用いて、30分間シャワーで現像しパターンを得た(現像液温度は23℃とした)。その後、850℃で10分間光洋サーモテック社製ローラーハース焼成炉を用いて焼成した。焼成後、電子顕微鏡(キーエンス社製、VE−7800)を用いて解像度および形状を観察した。解像度の判定は、ラインのはがれがなく、スペース部分に残渣のない状態が得られる最小のL/Sを解像度とした。結果を表1に示す。
Figure 2010134003
(実施例1〜9、比較例1〜4)
アルカリ可溶性樹脂が、アクリル樹脂を5〜40質量%の範囲内、ノボラック樹脂を60〜95質量%の範囲内で含有したポジ型感光性ペーストを用いた実施例1〜9では、L/Sが15〜30μmの良好な解像性を示した。特に、アクリル樹脂として、ポリヒドロキシスチレンを用いた実施例1〜8では、L/Sが15〜20μmであり、さらに良好な解像度を示した。また、実施例1〜9のパターン形状は、パターン頂部よりパターン底部が大きい台形形状であった。
一方、アルカリ可溶性樹脂がノボラック樹脂のみの比較例1および3、アルカリ可溶樹脂がアクリル樹脂のみの比較例2、アクリル樹脂が40質量%を超え、ノボラック樹脂が60質量%に満たない比較例4では、L/Sが50〜60μmの解像性は得られるものの、30μm以下の解像性は得られなかった。

Claims (3)

  1. アルカリ可溶性樹脂、光酸発生剤ならびに無機粉末を含むポジ型感光性ペーストであって、該アルカリ可溶性樹脂がアクリル樹脂を5〜40質量%の範囲内、およびノボラック樹脂を60〜95質量%の範囲内で含有することを特徴とするポジ型感光性ペースト。
  2. 前記アクリル樹脂がポリヒドロキシスチレンである請求項1に記載のポジ型感光性ペースト。
  3. 前記無機粉末が、Ag、Au、Pd、Ni、Cu、AlまたはPtを含む請求項1または2に記載のポジ型感光性ペースト。
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