JP2010132812A - カーボンナノチューブインク組成物及びカーボンナノチューブインク組成物の噴霧方法 - Google Patents

カーボンナノチューブインク組成物及びカーボンナノチューブインク組成物の噴霧方法 Download PDF

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Abstract

【課題】保存安定性に優れ、かつ印刷装置を用いた印刷性にも優れたカーボンナノチューブ組成物及びカーボンナノチューブインク組成物の噴霧方法を提供する。
【解決手段】カーボンナノチューブインク組成物は、カーボンナノチューブを含有するカーボンナノチューブインク組成物であって、カーボンナノチューブと溶媒とフッ素を含有する化合物とを含む。このフッ素を含有する化合物は、少なくとも1つのヘプタフルオロイソプロピル基を含有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、カーボンナノチューブを分散質とするカーボンナノチューブインク組成物及びカーボンナノチューブインク組成物の噴霧方法に関する。
カーボンナノチューブは、グラフェンシートを円筒状に丸めた構造を有しており、一般的には、ストローもしくは麦わら状の構造を有している。カーボンナノチューブは単一のチューブからなるシングルウォールカーボンナノチューブ(SWCNT)、直径の異なる2本のチューブが積層した構造のダブルウォールカーボンナノチューブ(DWCNT)、直径の異なる多数のチューブが積層した構造のマルチウォールカーボンナノチューブ(MWCNT)に分類され、そのそれぞれの構造において特徴を活かした応用研究が進められている。
例えば、SWCNTは、グラフェンシートの巻き方により半導体特性を有する構造が存在し、高い移動度が期待されることから、薄膜トランジスタ(TFT)への応用が期待され活発に研究が進められている。例えば、カーボンナノチューブを用いたTFTがシリコンもしくはシリコン以上の性能を有することが開示されている(例えば、非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3、非特許文献4)。
カーボンナノチューブをチャネルの半導体材料として用いる場合、カーボンナノチューブを1本もしくは数本、あるいはカーボンナノチューブを多数本分散させてTFTを製造することになる。カーボンナノチューブを少数本用いる場合、一般的にカーボンナノチューブの長さが1μm程度もしくはそれ以下のものが多いため、TFTを作る際に微細加工が必要となり、ソース電極、ドレイン電極間いわゆるチャネル長をサブミクロンスケールで製造する必要がある。これに対して、カーボンナノチューブを多数本用いる場合、カーボンナノチューブのネットワークをチャネルとして利用するため、チャネル長を大きくすることが可能となり、簡便に製造することができるようになる。このような、多数本のカーボンナノチューブを分散させてTFTを製造する技術が開示されている(例えば、非特許文献5)。
また、DWCNTやMWCNTの場合、高い電気伝導性を示すため、電極材料や配線材料、帯電防止膜、透明電極への応用が期待され研究が進められている。カーボンナノチューブを多数本分散させて薄膜を形成させるためには、カーボンナノチューブの溶液や分散液を用いると容易に薄膜を形成させることができる。例えば、カーボンナノチューブの薄膜を溶液、分散液から形成する方法が開示されている(例えば、非特許文献6、非特許文献7、非特許文献8、非特許文献9)。
半導体層の材料としてカーボンナノチューブを使用し、カーボンナノチューブの薄膜を溶液、分散液をもちいた工程で形成することにより、素子・デバイス、製品の基板、材料もガラスなどの硬い材料はもちろんのこと、樹脂やプラスチックを適用することで素子、デバイス、製品全体にフレキシブル性を持たせることが可能となる。さらに、塗布プロセスを採用することができるため、塗布プロセス、印刷プロセスを適用した製造方法により素子・デバイス、製品の低コスト化を実現できる可能性を有している。
しかしながら、カーボンナノチューブの溶液や分散液を作製することは非常に困難であるという問題があった。この問題を解決し、保存安定性に優れたカーボンナノチューブの分散液を作製するために、界面活性剤や、特殊な構造を有する分散剤を用いる技術が開示されている(例えば、特許文献1)。
また、カーボンナノチューブの溶液の分散性を向上させるために、塩素、臭素やフッ素等を含有する化合物を含み、水等の溶媒に分散化するカーボンナノチューブ含有組成物の技術が開示されている(例えば、特許文献2、特許文献3)。
再特WO2006/08978号公報 特開2004−167667号公報 特開2004−261713号公報 S.J.Tansら、NATURE 、393号、49〜52頁、1998年 R.Martelら、Appl.Phys.Lett.、73巻、17号、2447〜2449頁、1998年 S.windら、Appl.Phys.Lett.、80巻、20号、3817〜3819頁、2002年 K.Xiaoら、Appl.Phys.Lett.、83巻、1号、150〜152頁、2003年 S.Kumarら、Appl.Phys.Lett.、89巻、143501−1〜143501−3頁、2006年 N.Saranら、J.Am.Chem.Soc.、126巻、4462〜4463頁、2004年 Z.Wuら、SCIENCE、305号、1273〜1276頁、2004年 M.Zhangら、SCIENCE、309号、1215〜1219頁、2005年 Y.Zhouら、Appl.Phys.Lett.、88巻、123109−1〜123102−3頁、2006年
しかし、上記特許文献1の技術では、界面活性剤を用いている。この界面活性剤や分散剤は保存安定性を向上させることはできるが、界面活性剤や分散剤を含む分散液を用いてインクを印刷に用いると、印刷性が低下してしまうという問題及び印刷装置に影響を及ぼしてしまうという問題があった。
また、上記特許文献2及び特許文献3に記載の技術では、ある程度の分散安定性は得られるものの十分ではなく、特に、塩素、臭素やフッ素等を含有する化合物の親カーボンナノチューブ性が十分でないため、未だにカーボンナノチューブインクの分散安定性の課題を解決できないという問題があった。
本発明はこのような実情を鑑みてなされたものであり、保存安定性に優れ、かつ印刷装置を用いた印刷性にも優れたカーボンナノチューブインク組成物及びカーボンナノチューブインク組成物の噴霧方法を提供することを目的とする。
本発明のカーボンナノチューブインク組成物は、カーボンナノチューブを含有するカーボンナノチューブインク組成物であって、カーボンナノチューブと溶媒とフッ素を含有する化合物とを含み、フッ素を含有する化合物は、少なくとも1つのヘプタフルオロイソプロピル基を含有することを特徴とする。
本発明のカーボンナノチューブインク組成物の噴霧方法は、上記カーボンナノチューブインク組成物をインクジェットヘッド装置から噴霧させることを特徴とする。
本発明によれば、分散安定性に優れ、印刷特性にも優れたカーボンナノチューブインク組成物を実現することが可能となる。
以下に本発明の実施形態の例について、図面を用いて詳細に説明する。
(カーボンナノチューブ)
カーボンナノチューブは、SWCNT、DWCNT、MWCNTのいずれも使用でき、形状に限定されない。半導体材料として用いる場合にはSWCNTを、導電性材料として用いる場合にはSWCNT、DWCNT、MWCNTを用いる。また、カーボンナノチューブの製造方法もCVD法やレーザーアブレーション法等種々存在するが、どの製造方法で製造したカーボンナノチューブでも利用できる。
(カーボンナノチューブインク組成物)
本実施形態に係るカーボンナノチューブインク組成物は、カーボンナノチューブと溶媒とフッ素を含有する化合物とを含んでいる。このフッ素を含有する化合物を添加することによって、分散安定性に優れ、印刷特性にも優れたカーボンナノチューブインク組成物を得ることができる。
このカーボンナノチューブと溶媒とフッ素を含有する化合物とを含有するカーボンナノチューブインク組成物において、化合物に含有されるフッ素は、どのような官能基の形態でもある程度の分散安定性を得ることができる。しかし、フッ素を含有する置換基がヘプタフルオロイソプロピル基であり、化合物中に少なくとも1つのヘプタフルオロイソプロピル基を含有することが望ましい。フッ素を含有させることで親カーボンナノチューブ性と親溶媒性を得ることができるが、ヘプタフルオロイソプロピル基は官能基としてもある程度大きく、また、分岐構造を有しているため、特に親カーボンナノチューブ特性をもたせることができる。
また、フッ素を含有する置換基を有する化合物において、フッ素置換基を結合させる母体構造はポリオレフィン、ポリエーテル、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミドなどの高分子化合物や、低分子化合物でも良いが、ポリエチレングリコール構造を有するポリエーテル化合物を適用することが望ましい。フッ素置換基を結合させる母体構造として、ポリエチレングリコール構造を有するポリエーテル化合物の場合、特に高い分散安定性を得ることができる。さらに、水を分散溶媒として用いた場合、ポリエチレングリコールのエーテル基が高い親水性を有し、含フッ素置換基が親カーボンナノチューブ性を有するため非常に高い分散安定性を持たせることができる。また、水以外の分散溶媒を用いた場合には、含フッ素置換基が親溶媒性も付与させるため、分散安定性を保持することができる。
フッ素を含有させた化合物の製造方法は、一般的に知られた化学反応を応用することができる。例えば、ポリエチレングリコールを主鎖とし、末端にヘプタフルオロイソプロピル基を含有する化合物の場合、ポリエチレングリコールと過剰のヘプタフルオロイソプロピルアルコールを混合し、酸触媒による縮合反応により得ることができる。また、ポリエチレングリコールを主鎖とし、側鎖としてヘプタフルオロイソプロピル基を導入する場合には、ジエチレングリコールと、1−(ヘプタフルオロイソプロピル)ジエチレングリコールを酸触媒の元、共重合させることにより得ることができる。この場合、反応時間、温度を制御することで、重合度(分子量)を制御することができ、反応の際にジエチレングリコールと、1−(ヘプタフルオロイソプロピル)ジエチレングリコールとの混合比を変えることで、ヘプタフルオロイソプロピル基の導入率を変えることができる。
本実施形態に係るカーボンナノチューブインク組成物において、カーボンナノチューブの含有量は特に限定されない。しかし、カーボンナノチューブの含有量が10%を超えると、インク組成物そのものが粘ちょう性を増し、ペースト状になってくる。印刷により利用を考慮した場合、1%程度までの濃度が扱いやすい。
フッ素を含有する化合物の含有量も同じく特に限定されないが、カーボンナノチューブに対する比率が著しく小さいと分散安定性が低下してくるため、重量比でカーボンナノチューブ量の10%程度の量が望ましい。重量比でカーボンナノチューブの1%以下になると分散安定性が低下し、カーボンナノチューブの析出・沈殿現象が起こる。
また、上述したカーボンナノチューブ組成物に、含フッ素化合物のほかに、炭素数が10以上のアルコキシ基を置換基として含有するポリエチレングリコール化合物をさらに含有させることにより、より高濃度での分散安定性を付与することができる。
炭素数が10以上のアルコキシ基としては飽和アルコキシ基でも不飽和アルコキシ基でもどちらでもよく、また、直鎖アルコキシ基でも分岐アルコキシ基でも高い分散安定性を得ることができるが、炭素数が18〜20の直鎖飽和アルコキシ基を用いた場合に特に高い分散安定性を有する。この炭素数が10以上のアルコキシ基を置換基として含有するポリエチレングリコール化合物を添加することにより、カーボンナノチューブの濃度が10%まで安定に分散させることができる。
また、炭素数が10以上のアルコキシ基を置換基として含有するポリエチレングリコール化合物の添加量に特に限定はないが、重量比でカーボンナノチューブの添加量と同量添加することで高い分散安定性を保持できる。
さらに、カーボンナノチューブと溶媒とフッ素を含有する化合物とを含むことを特徴とする本実施形態に係るカーボンナノチューブインク組成物は、インク組成物の表面張力を効果的に低減させることができるため、印刷装置に対する濡れ性が非常に良く、印刷装置を使用した場合に高い印刷特性を持たせることができる。例えば、インクジェットヘッド装置からの噴霧、吐出を行う場合に、表面張力が高いと、インクジェットヘッド内部へのインク充填、及び安定したインク噴霧、吐出が得られない。しかし、本実施形態のカーボンナノチューブインク組成物を用いることによって、インクジェットヘッド内部へのインク充填が容易となり、かつ安定したインク噴霧、吐出を行うことが可能となる。
以下、実施例をもとに本実施形態を詳細に説明するが、本実施形態はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されない。
(実施例1)
実施例1では、カーボンナノチューブインク組成物1を以下の手順で作製した。
まず、ガラス製の容器にHipco法で作成したシングルウォールカーボンナノチューブを10mg秤量し、末端にヘプタフルオロイソプロピル基を導入したポリエチレングリコール(分子量1000)を1mg加えた。ついで、ガラス容器に溶媒である水を10g添加し、超音波装置を用いて、1時間超音波処理を行った。超音波処理直後の分散液は均一な黒色形態を示し、残留物、沈殿物は見られなかった。また、この分散液を10日後、30日後に観察したところ、処理直後と同様に、残留物、沈殿物は見られなかった。
(比較例1)
末端にヘプタフルオロイソプロピル基を導入したポリエチレングリコール(分子量1000)を用いない以外は実施例1と全く同様にカーボンナノチューブインク組成物を作製し、カーボンナノチューブインク組成物101を得た。作製したカーボンナノチューブインク組成物101はカーボンナノチューブの分散はまったく見られず、しばらく静置すると、すべてのカーボンナノチューブが沈殿した。
(比較例2)
末端にヘプタフルオロイソプロピル基を導入しないポリエチレングリコール(分子量1000)を用いた以外は実施例1と全く同様にカーボンナノチューブインク組成物を作製し、カーボンナノチューブインク組成物102を得た。作製したカーボンナノチューブインク組成物102は、超音波処理直後はある程度分散が見られ、若干の残留物が見られただけであった。この分散液を10日後に観察したところ、すべてのカーボンナノチューブが沈殿していた。
(実施例2)
ヘプタフルオロイソプロピル基を導入したポリエチレングリコールとしてC7F15O(CH2CH2O)nOR(R=HもしくはC2H5もしくはC7F15)(分子量1000)を0.1mg加える以外は、実施例1と同様にカーボンナノチューブインク組成物を作製し、カーボンナノチューブ組成物2を得た。
(実施例3)
ヘプタフルオロイソプロピル基を導入したポリエチレングリコールとしてC7F15O(CH2CH2O)nOR(R=HもしくはC2H5もしくはC7F15)(分子量500)を1mg加える以外は、実施例1と同様にカーボンナノチューブインク組成物を作製し、カーボンナノチューブインク組成物3を得た。
(実施例4)
ヘプタフルオロイソプロピル基を導入したポリエチレングリコールとしてRO(CH2CH2O)m(CH2CH(C7F15)O)nOR(R=HもしくはC2H5)(分子量500、m:n=1:1)を1mg加える以外は、実施例1と同様にカーボンナノチューブインク組成物を作製し、カーボンナノチューブインク組成物4を得た。
(実施例5)
ヘプタフルオロイソプロピル基を導入したポリエチレングリコールとしてRO(CH2CH2O)m(CH2CH(C7F15)O)nOR(R=HもしくはC2H5)(分子量500、m:n=3:1)を1mg加える以外は、実施例1と同様にカーボンナノチューブインク組成物を作製し、カーボンナノチューブインク組成物5を得た。
(実施例6)
カーボンナノチューブをダブルウォールカーボンナノチューブとし、ヘプタフルオロイソプロピル基を導入したポリエチレングリコールとしてRO(CH2CH2O)m(CH2CH(C7F15)O)nOR(R=HもしくはC2H5)(分子量500、m:n=1:1)を1mg加える以外は、実施例1と同様にカーボンナノチューブインク組成物を作製し、カーボンナノチューブインク組成物6を得た。
(実施例7)
カーボンナノチューブをマルチウォールカーボンナノチューブとし、ヘプタフルオロイソプロピル基を導入したポリエチレングリコールとしてRO(CH2CH2O)m(CH2CH(C7F15)O)nOR(R=HもしくはC2H5)(分子量500、m:n=1:1)を1mg加える以外は、実施例1と同様にカーボンナノチューブインク組成物を作製し、カーボンナノチューブインク組成物7を得た。
(実施例8)
溶媒をジクロロエタンとし、ヘプタフルオロイソプロピル基を導入したポリエチレングリコールとしてC7F15O(CH2CH2O)nOR(R=HもしくはC2H5もしくはC7F15)(分子量1000)を1mg加える以外は、実施例1と同様にカーボンナノチューブインク組成物を作製し、カーボンナノチューブ組成物8を得た。
(実施例9)
溶媒をジクロロエタンとし、ヘプタフルオロイソプロピル基を導入したポリエチレングリコールとしてRO(CH2CH2O)m(CH2CH(C7F15)O)nOR(R=HもしくはC2H5)(分子量500、m:n=1:1)を1mg加える以外は、実施例1と同様にカーボンナノチューブインク組成物を作製し、カーボンナノチューブインク組成物9を得た。
(実施例10)
溶媒をジクロロエタンとし、ヘプタフルオロイソプロピル基を導入したポリエチレングリコールとしてRO(CH2CH2O)m(CH2CH(C7F15)O)nOR(R=HもしくはC2H5)(分子量500、m:n=3:1)を1mg加える以外は、実施例1と同様にカーボンナノチューブインク組成物を作製し、カーボンナノチューブインク組成物10を得た。
上記カーボンナノチューブインク組成物2〜10について、超音波処理直後、10日後、30日後の分散状態を観察した結果を下記の表1に示す。(A)はカーボンナノチューブ、(B)はフッ素含有化合物、(C)は溶媒を示す。また、表中の量とは、カーボンナノチューブインク組成物を作製する際に使用した重量を示している。評価欄の◎は残留物、沈殿物なし、△は残留物、沈殿物あり、×は全て沈殿、を示す。
また、フッ素化合物(B)は以下の通りである。
B−1:C7F15O (CH2CH2O)nOR、分子量1000(R=HもしくはC2H5もしくはC7F15
B−2:C7F15O (CH2CH2O)nOR、分子量500(R=HもしくはC2H5もしくはC7F15
B−3:RO(CH2CH2O)m(CH2CH(C7F15)O)nOR、分子量500(R=HもしくはC2H5
m:n=1:1
B−4:RO(CH2CH2O)m(CH2CH(C7F15)O)nOR、分子量500(R=HもしくはC2H5
m:n=3:1
Figure 2010132812
上記表1に示すように、実施例2〜10により得られた何れのカーボンナノチューブインク組成物でも良好な分散安定性を得ることができた。
(実施例11)
実施例11では、カーボンナノチューブインク組成物11を以下の手順で作製した。
まず、ガラス製の容器にHipco法で作成したシングルウォールカーボンナノチューブを100mg秤量し、末端にヘプタフルオロイソプロピル基を導入したポリエチレングリコール(分子量1000)を10mg加えた。さらに、末端にC18H37O(ラウリルアルコキシ基)を導入したポリエチレングリコール(分子量1000)を1g加えた。ついで、ガラス容器に水を10g添加し、超音波装置を用いて、1時間超音波処理を行った。超音波処理直後の分散液は均一な黒色形態を示し、残留物、沈殿物は見られなかった。また、この分散液を10日後、30日後に観察したところ、処理直後と同様に、残留物、沈殿物は見られなかった。
(実施例12)
実施例1で作製した、カーボンナノチューブインク組成物1をコニカミノルタ製のインクジェットヘッドに充填し、インクの充填状態、噴霧状態を観察した。カーボンナノチューブインク組成物1を充填したインクジェットヘッドを動作させたところ、安定したインク吐出状態が得られた。
(比較例3)
比較例1で作製した、カーボンナノチューブインク組成物101を用いた以外は、実施例12とまったく同様にインクの充填状態、噴霧状態を観察したところ、ヘッドへのインク充填性が非常に悪く、インクを噴霧させることができなかった。
(比較例4)
比較例2で作製した、カーボンナノチューブインク組成物102を用いた以外は、実施例12とまったく同様にインクの充填状態、噴霧状態を観察したところ、インクジェットヘッドからのインク吐出性が悪く、安定したインク液滴を形成させることはできなかった。
上述したように、本実施形態に係るカーボンナノチューブインク組成物によると、分散安定性に優れ、印刷特性にも優れたカーボンナノチューブインク組成物を提供することが可能となる。
以上、本発明をその好適な実施形態例に基づいて説明したが、本発明に係るカーボンナノチューブインク組成物及びカーボンナノチューブインク組成物の噴霧方法は、上記実施形態例の構成にのみ限定されるものではなく、上記実施形態例の構成から種々の修正及び変更を施したカーボンナノチューブインク組成物及びカーボンナノチューブインク組成物の噴霧方法も、本発明の範囲に含まれる。

Claims (9)

  1. カーボンナノチューブを含有するカーボンナノチューブインク組成物であって、
    カーボンナノチューブと溶媒とフッ素を含有する化合物とを含み、
    前記フッ素を含有する化合物は、少なくとも1つのヘプタフルオロイソプロピル基を含有することを特徴とするカーボンナノチューブインク組成物。
  2. 前記フッ素を含有する化合物は、ポリエチレングリコールを主鎖とする化合物であることを特徴とする請求項1記載のカーボンナノチューブインク組成物。
  3. 前記フッ素を含有する化合物の含有量は、重量比で前記カーボンナノチューブの1%〜10%であることを特徴とする請求項1又は2に記載のカーボンナノチューブインク組成物。
  4. 前記溶媒は、水であることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載のカーボンナノチューブインク組成物。
  5. 前記溶媒は、有機溶媒であることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載のカーボンナノチューブインク組成物。
  6. 炭素数が10以上のアルコキシ基を置換基として含有するポリエチレングリコール化合物を含むことを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載のカーボンナノチューブインク組成物。
  7. 前記炭素数が10以上のアルコキシ基を置換基として含有するポリエチレングリコール化合物の含有量は、重量比で前記カーボンナノチューブと同量であることを特徴とする請求項6記載のカーボンナノチューブインク組成物。
  8. 前記炭素数が10以上のアルコキシ基は、炭素数が18〜20の直鎖飽和アルコキシ基であることを特徴とする請求項6又は7に記載のカーボンナノチューブインク組成物。
  9. 請求項1から8の何れか1項に記載のカーボンナノチューブインク組成物をインクジェットヘッド装置から噴霧させることを特徴とするカーボンナノチューブインク組成物の噴霧方法。
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