JP2010132082A - ゴムクローラ - Google Patents
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Abstract
【課題】走行時の振動が抑えられかつ耐久性を有するゴムクローラを提供する。
【解決手段】クローラ式走行車両に装着されるゴムクローラ1であって、ゴムにより無端帯状に形成されたクローラ本体3と、クローラ本体の周方向に間隔を有しその長手方向をクローラ本体の幅方向に一致させてクローラ本体内に埋め込まれた複数の芯金2,…,2と、芯金に対してクローラ本体における内周側に配され芯金の長手方向の両側でそれぞれが芯金と周方向において重なる1対の転動面形成材4,4と、を有し、転動面形成材は、内周側に露出しクローラ式走行車両の転輪が転動する転動面19と、転動面が向く側と反対側に突出してその突出端が芯金に当接する揺動軸部18と、を有して、突出端が幅方向を軸として揺動可能にクローラ本体内に埋め込まれている。
【選択図】 図1
【解決手段】クローラ式走行車両に装着されるゴムクローラ1であって、ゴムにより無端帯状に形成されたクローラ本体3と、クローラ本体の周方向に間隔を有しその長手方向をクローラ本体の幅方向に一致させてクローラ本体内に埋め込まれた複数の芯金2,…,2と、芯金に対してクローラ本体における内周側に配され芯金の長手方向の両側でそれぞれが芯金と周方向において重なる1対の転動面形成材4,4と、を有し、転動面形成材は、内周側に露出しクローラ式走行車両の転輪が転動する転動面19と、転動面が向く側と反対側に突出してその突出端が芯金に当接する揺動軸部18と、を有して、突出端が幅方向を軸として揺動可能にクローラ本体内に埋め込まれている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、クローラ走行式の農業機械、建設機械および運搬車に装着されるゴムクローラに関する。
農作業で使用される農業用作業機等、または宅地造成、道路建設、および河川整備等で使用される土木用作業機および建設用作業機等は、無端帯状に形成され周方向(循環方向)に等間隔に埋め込まれた芯金を有するゴムクローラが装着される。
このようなゴムクローラが装着されたこれらのクローラ式走行車両は、その転輪が間隔を有する芯金上および芯金間を交互に通過する際の上下動により振動が発生し、これが騒音の原因となり、作業者に不快感を与えるものとなっていた。
この、芯金を有するゴムクローラにおける走行時の振動を軽減させるために、転輪走行面をゴム等の弾性体による緩衝材で形成する技術が開示されている(特許文献1)。
特開2002−166863号公報
このようなゴムクローラが装着されたこれらのクローラ式走行車両は、その転輪が間隔を有する芯金上および芯金間を交互に通過する際の上下動により振動が発生し、これが騒音の原因となり、作業者に不快感を与えるものとなっていた。
この、芯金を有するゴムクローラにおける走行時の振動を軽減させるために、転輪走行面をゴム等の弾性体による緩衝材で形成する技術が開示されている(特許文献1)。
特許文献1に開示されたような転輪走行面が弾性体で形成されたゴムクローラは、例えば未整地を走行する土木用作業機に装着された場合に、転輪と転輪走行面との間に入り込んだ小石および砂等が、転輪に加わる車両の荷重によって転輪走行面に埋め込まれ、転輪走行面に虫食い(チップカット)が生じ亀裂に成長してゴムクローラの耐久性を低下させるという問題がある。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたもので、走行時の振動が抑えられかつ耐久性を有するゴムクローラを提供することを目的とする。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたもので、走行時の振動が抑えられかつ耐久性を有するゴムクローラを提供することを目的とする。
本発明に係るゴムクローラは、クローラ式走行車両に装着されるゴムクローラであって、ゴムにより無端帯状に形成されたクローラ本体と、前記クローラ本体の周方向に間隔を有しその長手方向を前記クローラ本体の幅方向に一致させて前記クローラ本体内に埋め込まれた複数の芯金と、前記芯金に対して前記クローラ本体における内周側に配され前記芯金の長手方向の両側でそれぞれが前記芯金と前記周方向において重なる1対の転動面形成材と、を有し、前記転動面形成材は、前記内周側に露出し前記クローラ式走行車両の転輪が転動する転動面と、前記転動面が向く側と反対側に突出してその突出端が前記芯金に当接する揺動軸部と、を有して、前記突出端が前記幅方向を軸として揺動可能に前記クローラ本体内に埋め込まれる。
前記転動面は、前記幅方向に折り目を有して前記内周側に対して凹状となるように折れ、または前記幅方向に母線が伸びた前記内周側に対して凹状となる湾曲面としてもよい。
前記転動面形成材は、合成樹脂、ガラス繊維もしくは炭素繊維で強化された合成樹脂、または金属で形成される。
前記転動面形成材は、合成樹脂、ガラス繊維もしくは炭素繊維で強化された合成樹脂、または金属で形成される。
本発明によると、走行時の振動が抑えられかつ耐久性を有するゴムクローラを提供することができる。
図1はゴムクローラ1を接地側の反対側から見た図、図2は図1におけるA−A矢視断面図、図3は図1におけるB−B矢視断面図である。
以下の説明において、クローラ式走行車両に装着されたときにおけるゴムクローラ1の接地側を「外周側」といい、接地側の反対側を「内周側」という。また、クローラ式走行車両が走行するときにゴムクローラ1が循環する方向を「周方向」、周方向に直交し、かつクローラ式走行車両の転輪等の回転軸に平行な方向を「幅方向」というものとする。
図1ないし図3を参照して、ゴムクローラ1は、芯金2,…,2、クローラ本体3,転動面形成材4,…,4、ラグ5,…,5および1対の抗張体6,6等からなる。
以下の説明において、クローラ式走行車両に装着されたときにおけるゴムクローラ1の接地側を「外周側」といい、接地側の反対側を「内周側」という。また、クローラ式走行車両が走行するときにゴムクローラ1が循環する方向を「周方向」、周方向に直交し、かつクローラ式走行車両の転輪等の回転軸に平行な方向を「幅方向」というものとする。
図1ないし図3を参照して、ゴムクローラ1は、芯金2,…,2、クローラ本体3,転動面形成材4,…,4、ラグ5,…,5および1対の抗張体6,6等からなる。
芯金2は、金属等の硬質材料によって形成される。芯金2は、全体として略長い芯金本体11および1対の突起部12,12からなる。
芯金本体11は、他の部分に比べて肉厚となった中央部13、および中央部13両側からそれぞれ芯金2の長手方向の両端に伸びた翼部14,14で構成される。翼部14は、中央部13側の端近傍から長手方向の端に向けた所定の範囲における内周側の表面が、平面となっている。この平面を転動面形成材支持面15という。幅方向両側の転動面形成材支持面15,15は、同じ一つの仮想平面内に存在する。
芯金本体11は、他の部分に比べて肉厚となった中央部13、および中央部13両側からそれぞれ芯金2の長手方向の両端に伸びた翼部14,14で構成される。翼部14は、中央部13側の端近傍から長手方向の端に向けた所定の範囲における内周側の表面が、平面となっている。この平面を転動面形成材支持面15という。幅方向両側の転動面形成材支持面15,15は、同じ一つの仮想平面内に存在する。
突起部12,12は、芯金本体11における中央部13とその両側の翼部14,14とが連続する境界からそれぞれ内周側に突出する部分である。突起部12は、先細りの形状を有し、クローラ式走行車両が走行するときに、その転輪7がゴムクローラ1から脱落しないように転輪を案内するものである。芯金2は、その長手方向がクローラ本体3において幅方向となるようにして、クローラ本体3内に周方向に等間隔に埋め込まれている。
クローラ本体3は、肉厚帯状のゴムの両端が接合されて無端帯状に形成されたものである。クローラ本体3は、埋め込まれた隣り合う芯金2,2の間における幅方向の中央に、内周側と外周側とを貫通する係合孔16,…,16を備えている。係合孔16は、ゴムクローラ1が装着されるクローラ式走行車両の駆動輪の爪と係合して、駆動輪の回転によりゴムクローラ1を循環運動させるためのものである。
クローラ本体3は、肉厚帯状のゴムの両端が接合されて無端帯状に形成されたものである。クローラ本体3は、埋め込まれた隣り合う芯金2,2の間における幅方向の中央に、内周側と外周側とを貫通する係合孔16,…,16を備えている。係合孔16は、ゴムクローラ1が装着されるクローラ式走行車両の駆動輪の爪と係合して、駆動輪の回転によりゴムクローラ1を循環運動させるためのものである。
転動面形成材4は金属で形成され、転動面部17および揺動軸部18で構成される。
転動面部17は、矩形(長方形)板状の部分である。転動面部17は、その長手方向の長さLが、芯金2の翼部14における転動面形成材支持面15の幅W(ゴムクローラ1においては周方向の寸法である)よりも大きく、芯金2,2のピッチPよりも小さい。なお、芯金2においては、転動面形成材支持面15の幅Wは略翼部14の他の部分の幅に等しい。
揺動軸部18は、板状の転動面部17の一方の面においてその幅方向(長手方向に直交する方向)の両端縁間に渡り伸びた、帯状の突出する部分である。揺動軸部18は、その表面が、転動面部17の幅方向に延びる母線を有する湾曲面となっている。揺動軸部18は、転動面部17の長手方向の中央よりも長手方向の一方の側に偏って配されている。
転動面部17は、矩形(長方形)板状の部分である。転動面部17は、その長手方向の長さLが、芯金2の翼部14における転動面形成材支持面15の幅W(ゴムクローラ1においては周方向の寸法である)よりも大きく、芯金2,2のピッチPよりも小さい。なお、芯金2においては、転動面形成材支持面15の幅Wは略翼部14の他の部分の幅に等しい。
揺動軸部18は、板状の転動面部17の一方の面においてその幅方向(長手方向に直交する方向)の両端縁間に渡り伸びた、帯状の突出する部分である。揺動軸部18は、その表面が、転動面部17の幅方向に延びる母線を有する湾曲面となっている。揺動軸部18は、転動面部17の長手方向の中央よりも長手方向の一方の側に偏って配されている。
転動面形成材4は、その長手方向をゴムクローラ1における周方向に一致させ、揺動軸部18を芯金2における転動面形成材支持面15に当接させ、かつ転動面部17における揺動軸部18が突出する面とは反対側の面19を内周側に露出させて、クローラ本体3内に埋め込まれている。この「揺動軸部18が突出する面とは反対側の面19」を転動面19という。
なお、転動面形成材支持面15は、芯金2の長手方向の端に向けての幅(範囲)が、揺動軸部18の長さ(転動面部17の幅でもある)と同じまたはそれよりも若干大きく、揺動軸部18の全長を支持可能となっている。
なお、転動面形成材支持面15は、芯金2の長手方向の端に向けての幅(範囲)が、揺動軸部18の長さ(転動面部17の幅でもある)と同じまたはそれよりも若干大きく、揺動軸部18の全長を支持可能となっている。
転動面形成材4は、芯金2とは別個の独立したものであり、ゴムクローラ1においては、揺動軸部18が、転動面形成材支持面15のその幅方向(ゴムクローラ1における周方向である)の中央に当接する。転動面形成材4の転動面部17は、ゴムクローラ1において芯金2の翼部14(転動面形成材支持面15)に対して周方向の両側のいずれにも張り出しており、揺動軸部18が転動面部17の長手方向の一方に偏っていることから、芯金2の翼部14に対して周方向の一方に一層大きく張り出している。
この転動面部17の周方向における張出の程度の偏りは、幅方向両側の転動面形成材4,4でその張り出す方向が異なっている。すなわち、ゴムクローラ1においては、1つの芯金2に当接する幅方向両側の転動面形成材4,4の一方の転動面部17が翼部14に対して周方向の一方により大きく張り出しており、他方の転動面部17が翼部14に対して周方向の他方により大きく張り出している。
この転動面部17の周方向における張出の程度の偏りは、幅方向両側の転動面形成材4,4でその張り出す方向が異なっている。すなわち、ゴムクローラ1においては、1つの芯金2に当接する幅方向両側の転動面形成材4,4の一方の転動面部17が翼部14に対して周方向の一方により大きく張り出しており、他方の転動面部17が翼部14に対して周方向の他方により大きく張り出している。
これらのことから、芯金2と、芯金2の転動面形成材支持面15にその揺動軸部18が当接する転動面形成材4の転動面部17とは、クローラ本体における周方向に重なっていると言える。
また、ゴムクローラ1の全体について見れば、幅方向の一方の側における転動面形成材4,…,4の転動面部17,…,17は、いずれも周方向の一方の側に張り出しており、幅方向の他方の側における転動面形成材4,…,4の転動面部17,…,17は、これとは逆の周方向の他方の側に張り出している。
また、ゴムクローラ1の全体について見れば、幅方向の一方の側における転動面形成材4,…,4の転動面部17,…,17は、いずれも周方向の一方の側に張り出しており、幅方向の他方の側における転動面形成材4,…,4の転動面部17,…,17は、これとは逆の周方向の他方の側に張り出している。
転動面形成材4は、ゴムクローラ1が装着されたクローラ式走行車両が走行するとき、転動面形成材支持面15における内周側に露出する面を転輪7が転動し、揺動軸部18が、転輪7からのクローラ式走行車両等の荷重を支える芯金2に伝える。
ラグ5,5,5は、クローラ本体3の外周側の面から外方に突出し、全周に渡って等間隔に複数設けられている。
抗張体6は、複数のスチールコード等の抗張力コードが幅方向に1列に並べられて形成されている。1対の抗張体6,6は、それぞれが芯金2における翼部14の外周側を周方向全体にわたり巻回された状態で、クローラ本体3内に埋め込まれている。
ラグ5,5,5は、クローラ本体3の外周側の面から外方に突出し、全周に渡って等間隔に複数設けられている。
抗張体6は、複数のスチールコード等の抗張力コードが幅方向に1列に並べられて形成されている。1対の抗張体6,6は、それぞれが芯金2における翼部14の外周側を周方向全体にわたり巻回された状態で、クローラ本体3内に埋め込まれている。
芯金2から独立した上記転動面形成材4を有するゴムクローラ1は、芯金2と転動面形成材4との間にゴムが介在し、この介在するゴムにより転動面形成材4の転動面19を転輪7が通過するときの振動が吸収され、転動面19が金属製であることによる振動を軽減する。また、転動面形成材4を有するゴムクローラ1は、転輪7と転動面19との間に泥および砂が進入した場合でも、転動面19が金属で形成されていることから、転動面19の損傷が生じにくく、高い耐久性を期待することができる。
転動面形成材4を金属以外の材料、例えばウレタン樹脂、ABS樹脂、ABS樹脂等をガラス繊維もしくはカーボン繊維で強化した強化ABS樹脂等(FRP)、またはポリオキシメチレン(POM)等の合成樹脂で形成してもよい。
転動面形成材4を金属以外の材料、例えばウレタン樹脂、ABS樹脂、ABS樹脂等をガラス繊維もしくはカーボン繊維で強化した強化ABS樹脂等(FRP)、またはポリオキシメチレン(POM)等の合成樹脂で形成してもよい。
図4は他のゴムクローラ1Bを内周側から見た図、図5は図4におけるC−C矢視断面図である。
ゴムクローラ1Bは、その転動面形成材4Bがゴムクローラ1における転動面形成材4と異なる点を除き、ゴムクローラ1と同一の構成を有する。図4,5および以下の説明において、ゴムクローラ1と同一の構成を有する部分についてはゴムクローラ1と同一の符合を使用し、その説明を省略する。
転動面形成材4Bは、転動面形成材4と同じく、転動面部17Bおよび揺動軸部18で構成される。
ゴムクローラ1Bは、その転動面形成材4Bがゴムクローラ1における転動面形成材4と異なる点を除き、ゴムクローラ1と同一の構成を有する。図4,5および以下の説明において、ゴムクローラ1と同一の構成を有する部分についてはゴムクローラ1と同一の符合を使用し、その説明を省略する。
転動面形成材4Bは、転動面形成材4と同じく、転動面部17Bおよび揺動軸部18で構成される。
転動面部17Bは、矩形(長方形)板状の部分である。転動面部17Bは、その長手方向の長さLbが、芯金2の翼部14における転動面形成材支持面15の幅Wよりも大きく、芯金2,2のピッチPよりも小さい。
揺動軸部18は、転動面部17Bの長手方向略中央に、長手方向に直交して転動面部17Bの幅方向両端間に帯状に突出して伸びている。揺動軸部18は、その表面が、転動面部17Bの幅方向に延びる母線を有する湾曲面となっている。
転動面形成材4Bは、その長手方向をゴムクローラ1Bにおける周方向に一致させ、揺動軸部18を芯金2における転動面形成材支持面15に当接させ、かつ転動面部17Bにおける揺動軸部18が突出する面とは反対側の転動面19Bを内周側に露出させて、クローラ本体3内に埋め込まれている。
揺動軸部18は、転動面部17Bの長手方向略中央に、長手方向に直交して転動面部17Bの幅方向両端間に帯状に突出して伸びている。揺動軸部18は、その表面が、転動面部17Bの幅方向に延びる母線を有する湾曲面となっている。
転動面形成材4Bは、その長手方向をゴムクローラ1Bにおける周方向に一致させ、揺動軸部18を芯金2における転動面形成材支持面15に当接させ、かつ転動面部17Bにおける揺動軸部18が突出する面とは反対側の転動面19Bを内周側に露出させて、クローラ本体3内に埋め込まれている。
転動面形成材4Bは、芯金2とは独立しており、ゴムローラ1Bにおいては、揺動軸部18が、転動面形成材支持面15におけるその幅方向の中央に当接する。したがって、転動面部17Bは、芯金2の翼部14に対して周方向の両側に略同じ長さで張り出している。
ゴムクローラ1Bも、ゴムクローラ1と同様に、高い耐久性および装着されたクローラ式走行車両の振動の軽減が期待できる。
図6は他のゴムクローラ1Cを内周側から見た図、図7は図6におけるD−D矢視断面図である。
ゴムクローラ1Bも、ゴムクローラ1と同様に、高い耐久性および装着されたクローラ式走行車両の振動の軽減が期待できる。
図6は他のゴムクローラ1Cを内周側から見た図、図7は図6におけるD−D矢視断面図である。
ゴムクローラ1Cは、2種類の転動面形成材、すなわち第1転動面形成材4Caと第2転動面形成材4Cbとを有する。ゴムクローラ1Cにおけるその他の部分の構成についてはゴムクローラ1と同じであり、図6,7および以下の説明においてゴムクローラ1と同一の符合を使用し、その説明を省略する。
第1転動面形成材4Caは、転動面部17Caおよび揺動軸部18で構成され、第2転動面形成材4Cbは、転動面部17Cbおよび揺動軸部18で構成される。
第1転動面形成材4Caにおける転動面部17Caおよび第2転動面形成材4Cbにおける転動面部17Cbは、いずれも矩形板状を呈する。転動面部17Caは、その長手方向の長さLcaが、芯金2の翼部14における転動面形成材支持面15の幅Wよりも大きく、芯金2,2のピッチPよりも小さい。一方、転動面部17Cbは、転動面部17Caの幅(長手方向に直交する方向における両端縁間の距離である)と略同じ幅を有し、その長さ(幅方向に直交する方向におけるものである)Lcbは、転動面部17Caの長さLcaよりも小さい。なお、第2転動面形成材4Cbにおける長さLcbを規定する方向を、便宜的に「(転動面部17Cbの)長手方向」というものとする。
第1転動面形成材4Caは、転動面部17Caおよび揺動軸部18で構成され、第2転動面形成材4Cbは、転動面部17Cbおよび揺動軸部18で構成される。
第1転動面形成材4Caにおける転動面部17Caおよび第2転動面形成材4Cbにおける転動面部17Cbは、いずれも矩形板状を呈する。転動面部17Caは、その長手方向の長さLcaが、芯金2の翼部14における転動面形成材支持面15の幅Wよりも大きく、芯金2,2のピッチPよりも小さい。一方、転動面部17Cbは、転動面部17Caの幅(長手方向に直交する方向における両端縁間の距離である)と略同じ幅を有し、その長さ(幅方向に直交する方向におけるものである)Lcbは、転動面部17Caの長さLcaよりも小さい。なお、第2転動面形成材4Cbにおける長さLcbを規定する方向を、便宜的に「(転動面部17Cbの)長手方向」というものとする。
第1転動面形成材4Caおよび第2転動面形成材4Cbのいずれも、揺動軸部18は、それぞれの転動面部17Ca,17Cbの長手方向略中央に、長手方向に直交して転動面部17Ca,17Cbの幅方向両端間に帯状に突出して伸びている。揺動軸部18は、その表面が、転動面部17Ca,17Cbの幅方向に延びる母線を有する湾曲面となっている。
第1転動面形成材4Caは、その長手方向をゴムクローラ1における周方向に一致させ、揺動軸部18を芯金2における両側の転動面形成材支持面15の一方に当接させ、かつ転動面部17Caにおける揺動軸部18が突出する面とは反対側の転動面19Caを内周側に露出させて、クローラ本体3内に埋め込まれている。
第1転動面形成材4Caは、その長手方向をゴムクローラ1における周方向に一致させ、揺動軸部18を芯金2における両側の転動面形成材支持面15の一方に当接させ、かつ転動面部17Caにおける揺動軸部18が突出する面とは反対側の転動面19Caを内周側に露出させて、クローラ本体3内に埋め込まれている。
第2転動面形成材4Cbは、揺動軸部18を芯金2における両側の転動面形成材支持面15の他方に当接させて、第1転動面形成材4Caと同様にしてクローラ本体3内に埋め込まれている。つまり、第1転動面形成材4Caおよび第2転動面形成材4Cbは、ゴムクローラ1Cにおいては、同一の芯金2の(ゴムクローラ1Cについての幅方向の)両側における転動面形成材支持面15,15の互いに異なる一方の内周側に配されている。
また、1転動面形成材4Ca,…,4Caおよび第2転動面形成材4Cb,…,4Cbは、ゴムクローラ1Cにおける幅方向の両側において周方向に交互に並んでおり、第1転動面形成材4Ca,…,4Caおよび第2転動面形成材4Cb,…,4Cbは、いずれも周方向について千鳥状に配されているといえる。
また、1転動面形成材4Ca,…,4Caおよび第2転動面形成材4Cb,…,4Cbは、ゴムクローラ1Cにおける幅方向の両側において周方向に交互に並んでおり、第1転動面形成材4Ca,…,4Caおよび第2転動面形成材4Cb,…,4Cbは、いずれも周方向について千鳥状に配されているといえる。
なお、第1転動面形成材4Caおよび第2転動面形成材4Cbのいずれの揺動軸部18,18も、転動面形成材支持面15のその幅方向の中央に当接している。
ゴムクローラ1Cは、ゴムクローラ1,1Bと同様に、高い耐久性および装着されたクローラ式走行車両の振動の軽減が期待できる。
ゴムクローラ1Cにおいて、第1転動面形成材4Caおよび第2転動面形成材4Cbのそれぞれの揺動軸部18,18を、それぞれの転動面部17Ca,17Cbの長手方向の中央に配するのではなく、いずれもまたはいずれかを長手方向の一方の側に偏らせて配してもよい。
ゴムクローラ1Cは、ゴムクローラ1,1Bと同様に、高い耐久性および装着されたクローラ式走行車両の振動の軽減が期待できる。
ゴムクローラ1Cにおいて、第1転動面形成材4Caおよび第2転動面形成材4Cbのそれぞれの揺動軸部18,18を、それぞれの転動面部17Ca,17Cbの長手方向の中央に配するのではなく、いずれもまたはいずれかを長手方向の一方の側に偏らせて配してもよい。
第1転動面形成材4Ca,…,4Caおよび第2転動面形成材4Cb,…,4Cbを、それぞれ周方向について千鳥状に配するのではなく、図8に示されるように、1つの芯金2における両側の転動面形成材支持面15,15の内周側のいずれにも、第1転動面形成材4Caまたは第2転動面形成材4Cbのいずれか一方が配され、周方向においては第1転動面形成材4Caおよび第2転動面形成材4Cbが交互に並ぶようにゴムクローラ1Dを形成してもよい。
ゴムクローラ1C,1Dにおいては、第1転動面形成材4Caの転動面19Caおよび第2転動面形成材4Cbの転動面19Cbのいずれも、芯金2に対して周方向の両側に張り出している。第1転動面形成材4Caの転動面19Caおよび第2転動面形成材4Cbの転動面19Cbを、それぞれ周方向の一方でのみ芯金2に対して張り出すように形成し、または、第2転動面形成材4Cbの転動面19Cbを、周方向の両側のいずれにも張り出さないように形成してもよい。
ゴムクローラ1C,1Dにおいては、第1転動面形成材4Caの転動面19Caおよび第2転動面形成材4Cbの転動面19Cbのいずれも、芯金2に対して周方向の両側に張り出している。第1転動面形成材4Caの転動面19Caおよび第2転動面形成材4Cbの転動面19Cbを、それぞれ周方向の一方でのみ芯金2に対して張り出すように形成し、または、第2転動面形成材4Cbの転動面19Cbを、周方向の両側のいずれにも張り出さないように形成してもよい。
図9は他のゴムクローラ1Eを内周側から見た図、図10は図9におけるE−E矢視断面図である。
ゴムクローラ1Eは、その転動面形成材4Eがゴムクローラ1における転動面形成材4と異なる点を除き、ゴムクローラ1と同一の構成を有する。図9,10および以下の説明において、ゴムクローラ1と同一の構成を有する部分についてはゴムクローラ1と同一の符合を使用し、その説明を省略する。
転動面形成材4Eは、転動面部17Eおよび揺動軸部18で構成される。
ゴムクローラ1Eは、その転動面形成材4Eがゴムクローラ1における転動面形成材4と異なる点を除き、ゴムクローラ1と同一の構成を有する。図9,10および以下の説明において、ゴムクローラ1と同一の構成を有する部分についてはゴムクローラ1と同一の符合を使用し、その説明を省略する。
転動面形成材4Eは、転動面部17Eおよび揺動軸部18で構成される。
転動面部17Eは、矩形板状を呈し、図10に示されるように、その長手方向の中央よりも長手方向の一方の側に偏った位置で、その幅方向に折り目20Eを有するようにその一方の表面側、すなわち転動面19E側に折れ角αで折れている。
転動面部17Eは、内周側から見たその長手方向の長さLが、芯金2の翼部14における転動面形成材支持面15の幅W(ゴムクローラ1においては周方向の寸法である)よりも大きく、芯金2,2のピッチPよりも小さい。
揺動軸部18は、転動面19Eと逆側の表面の転動面19Eにおける折り目20Eに一致する位置に、突出しながら折り目20Eの伸びた方向と同一方向に帯状に伸びている。揺動軸部18は、その表面が、転動面部17Eの幅方向に延びる母線を有する湾曲面である。
転動面部17Eは、内周側から見たその長手方向の長さLが、芯金2の翼部14における転動面形成材支持面15の幅W(ゴムクローラ1においては周方向の寸法である)よりも大きく、芯金2,2のピッチPよりも小さい。
揺動軸部18は、転動面19Eと逆側の表面の転動面19Eにおける折り目20Eに一致する位置に、突出しながら折り目20Eの伸びた方向と同一方向に帯状に伸びている。揺動軸部18は、その表面が、転動面部17Eの幅方向に延びる母線を有する湾曲面である。
転動面形成材4Eは、その長手方向をゴムクローラ1Eにおける周方向に一致させ、揺動軸部18を芯金2における転動面形成材支持面15の幅方向(ゴムクローラ1Eでは周方向)の中央に当接させ、転動面19Eを内周側に露出させて、クローラ本体3内に埋め込まれている。
転動面形成材4Eの転動面部17Eは、ゴムクローラ1Eにおいて芯金2の翼部14に対して周方向の両側のいずれにも張り出している。そして、揺動軸部18が転動面部17Eの長手方向の一方に偏っていることから、芯金2の翼部14に対して周方向の一方により大きく張り出している。
転動面形成材4Eの転動面部17Eは、ゴムクローラ1Eにおいて芯金2の翼部14に対して周方向の両側のいずれにも張り出している。そして、揺動軸部18が転動面部17Eの長手方向の一方に偏っていることから、芯金2の翼部14に対して周方向の一方により大きく張り出している。
また、ゴムクローラ1Eにおいて、1つの芯金2に当接する幅方向両側の転動面形成材4E,4Eの一方の転動面部17Eが翼部14に対して周方向の一方により大きく張り出しており、他方の転動面部17Eが翼部14に対して周方向の他方により大きく張り出している。
ゴムクローラ1Eにおいてもゴムクローラ1と同様に、幅方向の一方の側における転動面部17E,…,17Eは、いずれも周方向の一方の側に張り出しており、幅方向の他方の側における転動面部17E,…,17Eは、これとは逆の周方向の他方の側に張り出している。
ゴムクローラ1Eにおいてもゴムクローラ1と同様に、幅方向の一方の側における転動面部17E,…,17Eは、いずれも周方向の一方の側に張り出しており、幅方向の他方の側における転動面部17E,…,17Eは、これとは逆の周方向の他方の側に張り出している。
ゴムクローラ1Eは、ゴムクローラ1等と同様に、高い耐久性および装着されたクローラ式走行車両の振動の軽減が期待できる。
1つの芯金2に対してゴムクローラ1Eの幅方向両側で転動面部17E,17Eが張り出す方向を周方向において異ならせず、1つの芯金2に対してゴムクローラ1Eの幅方向両側で転動面部17E,17Eが張り出す方向が同一となるようにゴムクローラを形成してもよい。
転動面部17Eは、転動面19Eに線として明確な折り目20Eを有するものではなく、転動面19Eが、折れ角αをなす2つの平面が湾曲する面により連続するように形成してもよい。
1つの芯金2に対してゴムクローラ1Eの幅方向両側で転動面部17E,17Eが張り出す方向を周方向において異ならせず、1つの芯金2に対してゴムクローラ1Eの幅方向両側で転動面部17E,17Eが張り出す方向が同一となるようにゴムクローラを形成してもよい。
転動面部17Eは、転動面19Eに線として明確な折り目20Eを有するものではなく、転動面19Eが、折れ角αをなす2つの平面が湾曲する面により連続するように形成してもよい。
さて、表1は、転動面形成材4,4B,4E、または第1転動面形成材4Caおよび第2転動面形成材4Cbを有するゴムクローラ1,1B,1C,1Eと、これらを有しないゴムクローラとにおける、耐虫食い性および装着されたクローラ式走行車両の走行時の振動を調べた結果である。
表1において、実施例1は図1〜3に示されたゴムクローラ1である。実施例2は図4,5に示されたゴムクローラ1B、実施例3は図6,7に示されたゴムクローラ1C、および実施例4は図9,10に示されたゴムクローラ1Eである。
表1における比較例1は図11に示されるゴムクローラ51、および比較例2は図12に示されるゴムクローラ61である。図11および図12において、(a)はゴムクローラ51,61を内周側から見た図であり、(b)はゴムクローラ51,61における周方向に直交する断面の図である。
表1における比較例1は図11に示されるゴムクローラ51、および比較例2は図12に示されるゴムクローラ61である。図11および図12において、(a)はゴムクローラ51,61を内周側から見た図であり、(b)はゴムクローラ51,61における周方向に直交する断面の図である。
比較例1におけるゴムクローラ51は、転輪7が走行する転動面52,52がクローラ本体53に設けられてクローラ本体53と同じゴムで形成されている。
比較例2におけるゴムクローラ61は、芯金64に転輪7の転動面62,62が設けられたものである。
ゴムクローラ1,1B,1C,1E,51,61における芯金2,54,64の翼部14の幅は同一であり、クローラ本体3,53,63に埋設された芯金2,54,64のピッチ(ゴムクローラの全周長さ÷埋設された芯金の数)Pも同一である。ゴムクローラ1,1B,1C,1E,51,61は、転動面形成材4等の有無、および芯金2,54,64に転動面62,62が一体化されているか否かを除いて、芯金、ラグの形状および大きさ等のその他の形態が同一となるように形成されている。
比較例2におけるゴムクローラ61は、芯金64に転輪7の転動面62,62が設けられたものである。
ゴムクローラ1,1B,1C,1E,51,61における芯金2,54,64の翼部14の幅は同一であり、クローラ本体3,53,63に埋設された芯金2,54,64のピッチ(ゴムクローラの全周長さ÷埋設された芯金の数)Pも同一である。ゴムクローラ1,1B,1C,1E,51,61は、転動面形成材4等の有無、および芯金2,54,64に転動面62,62が一体化されているか否かを除いて、芯金、ラグの形状および大きさ等のその他の形態が同一となるように形成されている。
表1における耐虫食い性は、各ゴムクローラ1,1B,1C,1E,51,61をクローラ式走行車両に装着し、走行させることにより調査した。調査は、転輪7が転動する部分に虫食いが生じるまでクローラ式走行車両を走行させ、その時間(耐久時間)を比較することにより行った。
耐虫食い性の評価は、図11に示されるゴムクローラ51である比較例1における耐久時間を100とし、他の実施例、比較例をこの値と比較することにより耐虫食い性の数値を求めた。耐虫食い性は、その値が大きければ大きい程、虫食いが生じるまでの時間が長く、虫食いが生じにくい。
耐虫食い性の評価は、図11に示されるゴムクローラ51である比較例1における耐久時間を100とし、他の実施例、比較例をこの値と比較することにより耐虫食い性の数値を求めた。耐虫食い性は、その値が大きければ大きい程、虫食いが生じるまでの時間が長く、虫食いが生じにくい。
表1における振動は、各ゴムクローラ1,1B,1C,1E,51,61を装着したクローラ式走行車両を走行させ、それぞれクローラ式走行車両に設置した加速度センサの測定値と運転者の体感とにより評価した。この評価は異なる複数の運転者について行った。表1における振動の数値は、比較例1における場合を100とし、比較例1と比べて振動の増加が加速度センサで認められ、運転者の一部に振動の増加が体感できた場合を95、振動の増加が運転者の全員に認められた場合を90、振動の増加が顕著に認められた場合を80とした。
表1に示される結果から、芯金2とは別にこれから独立した転動面形成材4,4B,4Eを備えたゴムクローラ1,1B,1C,1Eは、転輪7が転動する転動面52がゴムで形成されたゴムクローラ51(比較例1)に比べ、耐久性に優れることが判る。
一方、ゴムクローラ1,1B,1C,1Eは、金属製(または樹脂製)の転動面形成材4,4B,4E等における転動面19,19B,19Ca,19Cb,19E等を転輪7が転動するため、振動の点で転動面52がゴムで形成されたゴムクローラ51(比較例1)に比べて若干劣る。しかし、ゴムクローラ1,1B,1C,1Eは、芯金64と一体に設けられた転動面62,62を有するゴムクローラ61(比較例2)に比べ、振動は大幅に軽減され、耐虫食い性に優れることを考慮すると、その振動の程度は無視できるものである。
一方、ゴムクローラ1,1B,1C,1Eは、金属製(または樹脂製)の転動面形成材4,4B,4E等における転動面19,19B,19Ca,19Cb,19E等を転輪7が転動するため、振動の点で転動面52がゴムで形成されたゴムクローラ51(比較例1)に比べて若干劣る。しかし、ゴムクローラ1,1B,1C,1Eは、芯金64と一体に設けられた転動面62,62を有するゴムクローラ61(比較例2)に比べ、振動は大幅に軽減され、耐虫食い性に優れることを考慮すると、その振動の程度は無視できるものである。
ゴムクローラ1,1B,1C,1Eにおける走行時の振動が軽減される様子を、ゴムクローラ1Bを例として図13に示す。
ゴムクローラ1Bが装着されたクローラ式走行車両が走行し、その転輪7が転動面形成材4Bにおける揺動軸部18の直上(転輪7a)から図13における左側(M方向)に移動すると、転輪7から転動面19Bに加わる荷重により、転動面形成材4Bは、揺動軸部18における転動面形成材支持面15と当接する部分を支点としてM方向側が沈むように揺動する。この揺動の程度は、転輪7が揺動軸部18から離れるのに伴い大きくなるが、転動面形成材4Bと芯金2との間にゴムが介在していることにより、揺動の増加の程度は小さい。
ゴムクローラ1Bが装着されたクローラ式走行車両が走行し、その転輪7が転動面形成材4Bにおける揺動軸部18の直上(転輪7a)から図13における左側(M方向)に移動すると、転輪7から転動面19Bに加わる荷重により、転動面形成材4Bは、揺動軸部18における転動面形成材支持面15と当接する部分を支点としてM方向側が沈むように揺動する。この揺動の程度は、転輪7が揺動軸部18から離れるのに伴い大きくなるが、転動面形成材4Bと芯金2との間にゴムが介在していることにより、揺動の増加の程度は小さい。
転輪7は、M方向に移動して転動面19Bから外れると(転輪7b)、直ちに周方向隣の転動面形成材4Bにおける転動面19B上に乗り上がる。このとき、隣の転動面形成材4Bは、通過した転動面形成材4Bと略同程度で逆側に揺動した状態である。したがって、転輪7(7b)は、極めて円滑に隣の転動面19B上に乗り上がり、転輪7の下降は最小限に抑えられる。そして、転輪7が隣の転動面19B上に乗り上がったのちにM方向に転動するに伴い、転動面形成材4Bの揺動の程度が徐々に小さくなり、転輪7が転動面形成材4Bにおける揺動軸部18の直上に達したとき(転輪7c)、転動面形成材4Bは中立状態となる。
このように、ゴムクローラ1Bは、転輪7が周方向に並ぶ芯金2,…,2間を移動するとき、転輪7の下降および上昇のそれぞれの程度が急変することなく円滑に繰り返される。この転輪7の円滑な昇降は、比較例1における転動面52がゴムで形成されたゴムクローラ51におけるものと似ており、そのために、転輪7が金属の転動面19Bを転動しても、比較例2と異なり、走行時の振動の増加が抑えられるものと考えられる。
このようなゴムクローラ1Bにおける走行時の振動の増加の抑制は、他のゴムクローラ1,1C〜1Eについても共通するものである。
このようなゴムクローラ1Bにおける走行時の振動の増加の抑制は、他のゴムクローラ1,1C〜1Eについても共通するものである。
ゴムクローラ1,1B〜1Dにおける転動面形成材4,4Bおよび第1転動面形成材4Ca、第2転動面形成材4Cbの転動面部17,17B,17Ca,17Cbを、ゴムクローラ1Eにおける転動面形成材4Eのように、揺動軸部18に対応する位置に折り目を設けて内周側に折れ曲がったものとして形成してもよい。
また、ゴムクローラ1,1B〜1Dにおける転動面形成材4,4Bおよび第1転動面形成材4Ca、第2転動面形成材4Cbの転動面部17,17B,17Ca,17Cb、ならびにゴムクローラ1Eにおける転動面形成材4Eを、その転動面19,19B,19Ca,19Cb,19Eが折れ角を有して折れ曲がるのではなく、その母線が幅方向に伸びた内周側に凹状となる緩やかな湾曲面を有するように形成してもよい。
また、ゴムクローラ1,1B〜1Dにおける転動面形成材4,4Bおよび第1転動面形成材4Ca、第2転動面形成材4Cbの転動面部17,17B,17Ca,17Cb、ならびにゴムクローラ1Eにおける転動面形成材4Eを、その転動面19,19B,19Ca,19Cb,19Eが折れ角を有して折れ曲がるのではなく、その母線が幅方向に伸びた内周側に凹状となる緩やかな湾曲面を有するように形成してもよい。
ゴムクローラ1,1B〜1Eにおいて、転動面形成材4,4B,4E、第1転動面形成材4Caおよび第2転動面形成材4Cbの揺動軸部18は、湾曲する面を有する形状に限られない。揺動軸部18は、芯金2の転動面形成材支持面15に当接し、その突出端が転動面形成材支持面15に対して幅方向(芯金2の長手方向)を軸として揺動可能な形状であれば、他の断面形状、例えば略二等辺三角形の断面形状を有するものとしてもよい。さらに、揺動軸部18は、転動面形成材支持面15に当接する突出端が、連続する直線状でなく、点の連続または途切れた線の連続であってもよい。なお、突出端について「直線状」、「点」または「途切れた線」とは、転動面19,19B,19Ca,19Cb,19Eを転輪7が転動するときの転動面形成材4,4B,4E、第1転動面形成材4Caまたは第2転動面形成材4Cbの円滑な揺動を妨げない程度の周方向の幅を有するものを含む意である。
転動面形成材4B,4Eおよび第1転動面形成材4Ca、第2転動面形成材4Cbを、金属以外の材料、例えばウレタン樹脂、ABS樹脂、ABS樹脂等をガラス繊維もしくはカーボン繊維で強化した強化ABS樹脂等(FRP)、またはポリオキシメチレン(POM)等の合成樹脂で形成することができる。
上述の実施形態において、ゴムクローラ1,1B〜1E、およびゴムクローラ1,1B〜1Eの各構成または全体の構造、形状、寸法、個数、材質などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
上述の実施形態において、ゴムクローラ1,1B〜1E、およびゴムクローラ1,1B〜1Eの各構成または全体の構造、形状、寸法、個数、材質などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
本発明は、クローラ走行式の農業機械、建設機械および運搬車に装着されるゴムクローラに利用することができる。
1,1B〜1E ゴムクローラ
2 芯金
3 クローラ本体
4,4B,4E 転動面形成材
4Ca 転動面形成材(第1転動面形成材)
4Cb 転動面形成材(第2転動面形成材)
18 揺動軸部
19,19B,19Ca,19Cb,19E 転動面
20E 折り目
2 芯金
3 クローラ本体
4,4B,4E 転動面形成材
4Ca 転動面形成材(第1転動面形成材)
4Cb 転動面形成材(第2転動面形成材)
18 揺動軸部
19,19B,19Ca,19Cb,19E 転動面
20E 折り目
Claims (3)
- クローラ式走行車両に装着されるゴムクローラであって、
ゴムにより無端帯状に形成されたクローラ本体と、
前記クローラ本体の周方向に間隔を有しその長手方向を前記クローラ本体の幅方向に一致させて前記クローラ本体内に埋め込まれた複数の芯金と、
前記芯金に対して前記クローラ本体における内周側に配され前記芯金の長手方向の両側でそれぞれが前記芯金と前記周方向において重なる1対の転動面形成材と、を有し、
前記転動面形成材は、
前記内周側に露出し前記クローラ式走行車両の転輪が転動する転動面と、
前記転動面が向く側と反対側に突出してその突出端が前記芯金に当接する揺動軸部と、を有して、
前記突出端が前記幅方向を軸として揺動可能に前記クローラ本体内に埋め込まれた
ことを特徴とするゴムクローラ。 - 前記転動面が、
前記幅方向に折り目を有して前記内周側に対して凹状となるように折れ、または前記幅方向に母線が伸びた前記内周側に対して凹状となる湾曲面である
請求項1に記載のゴムクローラ。 - 前記転動面形成材が、
合成樹脂、ガラス繊維もしくは炭素繊維で強化された合成樹脂、または金属で形成されている
請求項1または請求項2に記載のゴムクローラ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008308871A JP2010132082A (ja) | 2008-12-03 | 2008-12-03 | ゴムクローラ |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2010132082A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015105111A1 (ja) * | 2014-01-10 | 2015-07-16 | 住友ゴム工業株式会社 | 弾性クローラ |
WO2016060434A1 (ko) * | 2014-10-17 | 2016-04-21 | 동일고무벨트 주식회사 | 합성수지재 보강부재를 구비하는 러버트랙 |
JP2019142485A (ja) * | 2018-02-22 | 2019-08-29 | 矢崎化工株式会社 | クローラユニットとそれを使用した悪路用運搬台車 |
-
2008
- 2008-12-03 JP JP2008308871A patent/JP2010132082A/ja active Pending
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WO2015105111A1 (ja) * | 2014-01-10 | 2015-07-16 | 住友ゴム工業株式会社 | 弾性クローラ |
CN105899426A (zh) * | 2014-01-10 | 2016-08-24 | 住友橡胶工业株式会社 | 弹性履带 |
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