JP2010129623A - ウエーハの加工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ウエーハに付着物を付着させることなく、ウエーハの加工品質の悪化を防止可能なウエーハの加工方法を提供することである。
【解決手段】 表面に複数の切削予定ラインが格子状に形成されているとともに該複数の切削予定ラインによって区画された複数の領域にそれぞれデバイスが形成されたウエーハを、該切削予定ラインに沿って切削し個々のチップに分割するウエーハの分割方法であって、ウエーハの表面にシリコンからなる保護部材を配設する保護部材配設工程と、ウエーハの裏面をウエーハ支持手段によって支持するウエーハ支持工程と、該ウエーハ支持手段によって支持されたウエーハをチャックテーブルで吸引保持するウエーハ保持工程と、該チャックテーブルで吸引保持されたウエーハを該保護部材と共に該切削予定ラインに沿って切削して、個々のチップに分割する分割工程と、該分割工程を実施した後、該保護部材をウエーハの表面から除去する保護部材除去工程と、を具備したことを特徴とする。
【選択図】図3
【解決手段】 表面に複数の切削予定ラインが格子状に形成されているとともに該複数の切削予定ラインによって区画された複数の領域にそれぞれデバイスが形成されたウエーハを、該切削予定ラインに沿って切削し個々のチップに分割するウエーハの分割方法であって、ウエーハの表面にシリコンからなる保護部材を配設する保護部材配設工程と、ウエーハの裏面をウエーハ支持手段によって支持するウエーハ支持工程と、該ウエーハ支持手段によって支持されたウエーハをチャックテーブルで吸引保持するウエーハ保持工程と、該チャックテーブルで吸引保持されたウエーハを該保護部材と共に該切削予定ラインに沿って切削して、個々のチップに分割する分割工程と、該分割工程を実施した後、該保護部材をウエーハの表面から除去する保護部材除去工程と、を具備したことを特徴とする。
【選択図】図3
Description
本発明は、表面に格子状に形成された複数の切削予定ラインによって区画された領域にそれぞれデバイスが形成されたウエーハを、複数の切削予定ラインに沿って分割するウエーハの加工方法に関する。
例えば、半導体デバイス製造工程においては、ウエーハの表面に格子状に形成されたストリートと呼ばれる切削予定ラインによって区画された複数の領域にそれぞれIC、LSI、CCD、CMOS等のデバイスを形成し、デバイスが形成された各領域をストリートに沿って分割することで個々のチップを製造している。
ウエーハを分割する分割装置としては一般にダイシング装置と呼ばれる切削装置が用いられており、この切削装置はダイヤモンドやCBN等の超砥粒をメタルやレジンで固めて厚さ30μm程度とした切削ブレードによってウエーハを切削予定ラインに沿って切削し、ウエーハを個々のチップに分割する。このようにして分割されたチップはパッケージングされて、携帯電話やパソコン等の電気機器に広く利用されている。
ダイシング装置を用いてウエーハを切削し個々のチップに分割する際には、ウエーハのハンドリングを容易にするため、ウエーハの裏面を環状のフレームに装着されたダイシングテープの表面に貼着した状態でダイシング装置のチャックテーブル上に吸引保持し、ウエーハを切削予定ラインに沿って切削加工を行う。また、切削ブレードでウエーハを切削加工する際に発生する加工熱を冷却するために、切削ブレードへ切削水を供給しながら切削が遂行される。
ところが、切削によって生成される切削屑を含む切削水がウエーハの表面に付着して、デバイスの品質を低下させるという問題がある。特にデバイスがCCDやCMOS等の固体イメージセンサである場合には、切削屑等の付着物が付着するとデバイス不良となり、非常に大きな問題となる。
この問題を解決するために、特開2007−134390号公報では、ウエーハの表面に保護テープを貼着し、保護テープごとウエーハを切削して個々のチップに分割するウエーハの加工方法が提案されている。
特開平8−88202号公報
特開2007−134390号公報
ところが、特許文献2に開示されたウエーハの表面に保護テープを貼着して、保護テープごとウエーハを切削する方法では、保護テープは一般的にポリオリフィンや塩化ビニル等の樹脂基材にゴム系やアクリル系の糊が塗布された構造であり、軟性且つ粘性であるため、切削中の切削ブレードに含まれる砥粒に糊がまとわりつき、切削ブレードの目詰まりを起こすという現象がある。その結果、切削ブレードの切削能力を低下させ、ウエーハの加工品質を著しく悪化させるという問題がある。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ウエーハの表面に付着物を付着させることなく、ウエーハの加工品質を悪化させることのないウエーハの加工方法を提供することである。
請求項1記載の発明によると、表面に複数の切削予定ラインが格子状に形成されているとともに該複数の切削予定ラインによって区画された複数の領域にそれぞれデバイスが形成されたウエーハを、該切削予定ラインに沿って切削し個々のチップに分割するウエーハの分割方法であって、ウエーハの表面にシリコンからなる保護部材を配設する保護部材配設工程と、ウエーハの裏面をウエーハ支持手段によって支持するウエーハ支持工程と、該ウエーハ支持手段によって支持されたウエーハをチャックテーブルで吸引保持するウエーハ保持工程と、該チャックテーブルで吸引保持されたウエーハを該保護部材と共に該切削予定ラインに沿って切削して、個々のチップに分割する分割工程と、該分割工程を実施した後、該保護部材をウエーハの表面から除去する保護部材除去工程と、を具備したことを特徴とするウエーハの加工方法が提供される。
ウエーハ支持手段は環状のフレームと、環状のフレームの開口を覆うように環状のフレームに装着され表面に粘着層を有するダイシングテープとから構成され、ウエーハ支持工程はダイシングテープの表面にウエーハの裏面を貼着する。
好ましくは、保護部材は熱によって粘着力が低下する接着剤によってウエーハに接着されており、保護部材除去工程では、接着剤に熱を付与し該接着剤の粘着力を低減させることで保護部材をウエーハから除去可能とする。
好ましくは、保護部材は表裏面に研削、研磨、エッチングの少なくとも何れかの加工が施されたシリコンウエーハから構成される。好ましくは、ウエーハの加工方法は、ウエーハ支持工程を実施する前に、表面に保護部材が配設されたウエーハの裏面を研削して所定の厚さに加工する裏面研削工程を更に具備している。
本発明によると、ウエーハの表面に保護部材が配設された状態でウエーハが保護部材と共に切削されるため、切削屑等の付着物がウエーハ表面に付着することがなく、ウエーハの加工品質の悪化を防止することができる。
以下、本発明実施形態を図面を参照して詳細に説明する。図1(A)を参照すると、半導体ウエーハ2の表面2aにシリコンからなる保護部材8を配設する様子を示す分解斜視図が示されている。
半導体ウエーハ2は、例えば裏面2bが研削されてその厚さが100μm程度に形成されたシリコン基板の表面2aに複数の切削予定ライン(ストリート)4が格子状に形成され、複数のストリート4によって区画された複数の領域にCCDからなるデバイス6が形成されている。
本発明のウエーハの加工方法では、まず図1(A)に示すように、ウエーハ2の表面2aにシリコンウエーハからなる保護部材8をフィラー入りワックスを用いて貼着する保護部材配設工程を実施する。図1(B)は、その表面2aに保護部材8が配設されたウエーハ2を反転したウエーハ2の裏面側斜視図を示している。
フィラー入りワックスとしては、日化精工社製のアドフィックスワックスを使用可能である。フィラーはドレス効果を有する樹脂から構成され、例えばガラスビーズ、シリカ粒子、ホワイトアランダム粒子、グリーンカーボネート粒子等を好適に採用可能である。
図1に示した保護部材配設工程を実施後、図2に示すように、ウエーハ2の裏面2bをウエーハ支持手段10によって支持するウエーハ支持工程を実施する。ウエーハ支持手段10は、環状のフレーム12と、環状のフレーム12の開口部を覆うように外周部が環状フレーム12に貼着されたダイシングテープ14とから構成される。
ダイシングテープ14は、例えば厚さが70μmのポリ塩化ビニル(PVC)からなるシート基材の表面に、アクリル樹脂系の粘着層が厚さ5μm程度に塗布されて構成されている。このように構成されたダイシングテープ14の表面にウエーハ2の裏面2bを貼着する。従って、ウエーハ2の表面2aに貼着された保護部材8が上側となる。
環状フレーム12でダイシングテープ14を介してウエーハ2を支持したなら、図3に示すように、ダイシング装置16のチャックテーブル18でダイシングテープ14を介してウエーハ2を吸引保持する。尚、図3では環状フレーム12が省略されている。実際には、環状フレーム12が図示しないクランプで固定される。
チャックテーブル18でウエーハ2を吸引保持したなら、保護部材8と共にウエーハ2をストリート4に沿って個々のチップに分割する分割工程を実施する。この分割工程は、例えば図3に示すダイシング装置16を用いて実施する。
ダイシング装置16は、吸引保持手段を備えたチャックテーブル18と、切削ブレード22を備えた切削手段20と、チャックテーブル18上に保持されたウエーハ2を撮像する撮像手段24を具備している。
チャックテーブル18は回転可能に構成され、更に図示しない切削送り機構によって図3において矢印Xで示す切削送り方向に移動される。切削手段20は、図示しない割り出し送り機構によって矢印Yで示す割り出し送り方向に移動される。撮像手段24は、切削ブレード22と矢印Xで示す切削送り方向の同一直線上に配設されている。
撮像手段24は、ウエーハ2に赤外線を照射する赤外線照射手段と、赤外線照射手段によって照射された赤外線を捕らえる光学系と、該光学系によって捕らえられた赤外線に対応した電気信号を出力する撮像素子(赤外線CCD)等で構成されており、撮像した画像信号を図示しない制御手段に入力する。
次に、ダイシング装置16を用いて実施する分割工程について図3及び図4を参照して説明する。チャックテーブル18が撮像手段24の直下に位置付けられると、撮像手段24及び図示しない制御手段によってウエーハ2の切削すべき領域を検出するアライメント工程を実行する。
即ち、撮像手段24及び図示しない制御手段は、ウエーハ2の所定方向に形成されているストリート4と、切削ブレード22との位置合わせを行うためのパターンマッチング等の画像処理を実行し、切削領域のアライメントを遂行する。チャックテーブル18を90度回転して、上記所定方向に対して直角に伸びるストリート4に対しても同様のアライメントを遂行する。
この時、ウエーハ2の表面2aにシリコンからなる保護部材8が貼着されているが、撮像手段24が上述したように赤外線照射手段と、赤外線を捕らえる光学系と、赤外線に対応した電気信号を出力する赤外線CCD等を含んでいるので、シリコンからなる保護部材8を透過してストリート4を撮像することができる。
全てのストリート4についてのアライメント終了後、図3に示すように、チャックテーブル18を矢印X方向に移動させるとともに、切削ブレード22を高速回転させながら切削手段20を下降させると、位置合わせされたストリート4が切削され、切削溝26が形成される。
メモリに記憶されたストリートピッチずつ切削ブレード22を矢印Y方向にインデクス送りしながら切削を行うことにより、同方向のストリート4が全て切削される。更に、チャックテーブル18を90度回転させてから、上記と同様の切削を行うと、ウエーハ2が個々のチップ(デバイス)6に分割される。
このウエーハ分割工程においては、切削ブレード22による切削により切削屑が生成され、この切削屑が切削部に供給される切削水に混合してウエーハ2上を流れるが、ウエーハ2の表面2aには保護部材8が貼着されているので、切削屑がウエーハ2の表面2aに形成されているデバイス6に付着することはない。
更に、保護部材8はフィラー入りワックスでウエーハ2の表面2aに貼着されているため、保護部材8を切削することで切削ブレード22は適度に磨耗して常に新しい砥粒が突出する、所謂自生発刃が促される。これにより、切削ブレード22の切削能力が低下することが抑制される。
ウエーハ分割工程が終了すると、保護部材8が熱によって粘着力が低減される接着剤によってウエーハ2の表面2aに接着されている場合には、図5(A)に矢印Aで示すように保護部材8に温風を吹き付けて保護部材8を加熱する。
その結果、図5(B)に示すように、加熱により粘着力が低下した切削済みの保護部材8aをデバイス6上から除去することができる。接着剤の粘着力低減は、温風の吹き付けに限定されるものではなく、ウエーハ2を温水につけたり、ホットプレートで加熱して接着剤の粘着力を低減するようにしてもよい。
尚、上述した実施形態では、保護部材配設工程として、図1(A)に示すように裏面研削済みのウエーハ2の表面2aにシリコンからなる保護部材8を貼着する例について説明したが、本発明の保護部材配設工程はこれに限定されるものではない。即ち、保護部材配設工程は、裏面を研削する前の厚さ700μm程度のウエーハ2の表面2aにシリコンからなる保護部材8を貼着するようにしてもよい。
この場合には、図2に示すウエーハ支持工程の前に、保護部材8がその表面に貼着されたウエーハ2の保護部材8側を研削装置のチャックテーブルで吸引保持し、ウエーハ2の裏面2bを所定厚さ(例えば100μm)になるまで研削する裏面研削工程を実施する。
この実施形態によれば、保護部材8をウエーハ2の表面2aから剥離せずに貼着したままで、図3に示したダイシング装置16を使用したウエーハ分割工程を実施することができる。
2 半導体ウエーハ
4 切削予定ライン(ストリート)
6 デバイス
8 保護部材
10 支持手段
12 環状フレーム
14 ダイシングテープ
16 ダイシング装置
18 チャックテーブル
20 切削手段
22 切削ブレード
24 撮像手段
26 切削溝
4 切削予定ライン(ストリート)
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8 保護部材
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14 ダイシングテープ
16 ダイシング装置
18 チャックテーブル
20 切削手段
22 切削ブレード
24 撮像手段
26 切削溝
Claims (5)
- 表面に複数の切削予定ラインが格子状に形成されているとともに該複数の切削予定ラインによって区画された複数の領域にそれぞれデバイスが形成されたウエーハを、該切削予定ラインに沿って切削し個々のチップに分割するウエーハの分割方法であって、
ウエーハの表面にシリコンからなる保護部材を配設する保護部材配設工程と、
ウエーハの裏面をウエーハ支持手段によって支持するウエーハ支持工程と、
該ウエーハ支持手段によって支持されたウエーハをチャックテーブルで吸引保持するウエーハ保持工程と、
該チャックテーブルで吸引保持されたウエーハを該保護部材と共に該切削予定ラインに沿って切削して、個々のチップに分割する分割工程と、
該分割工程を実施した後、該保護部材をウエーハの表面から除去する保護部材除去工程と、
を具備したことを特徴とするウエーハの加工方法。 - 前記保護部材は熱によって接着力が低減される接着剤によってウエーハに接着されており、
前記保護部材除去工程では、該接着剤に熱を付与して該接着剤の粘着力を低減させることで該保護部材をウエーハから除去可能とする請求項1記載のウエーハの加工方法。 - 前記ウエーハ支持手段は環状のフレームと、該環状のフレームの開口を覆うように該環状のフレームに装着され表面に粘着層を有するダイシングテープとから構成され、
前記ウエーハ支持工程は該ダイシングテープの表面にウエーハの裏面を貼着する請求項1又は2記載のウエーハの加工方法。 - 前記保護部材は表裏面に研削、研磨、エッチングの少なくとも何れかの加工が施されたシリコンウエーハから構成される請求項1〜3の何れかに記載のウエーハの加工方法。
- 前記ウエーハ支持工程を実施する前に、ウエーハの表面に前記保護部材が配設されたウエーハの裏面を研削して所定の厚さに加工する裏面研削工程を更に具備した請求項1〜4の何れかに記載のウエーハの加工方法。
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