JP2010121082A - ゴム組成物 - Google Patents

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JP2010121082A JP2008298013A JP2008298013A JP2010121082A JP 2010121082 A JP2010121082 A JP 2010121082A JP 2008298013 A JP2008298013 A JP 2008298013A JP 2008298013 A JP2008298013 A JP 2008298013A JP 2010121082 A JP2010121082 A JP 2010121082A
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啓男 中原
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Abstract

【課題】天然ゴムが本来有する物性を低下させることなく恒粘度性を向上させた天然ゴムと、ブルーミング等の問題を生じる可能性のあるCTPのような加硫遅延剤を使用することなく、DCBSと同等以上の加硫遅延効果を有する加硫促進剤とを用いて、ゴム物性の低下を防止しつつ優れた加工性を発揮し得るゴム組成物を提供すること。
【解決手段】本発明のゴム組成物は、恒粘度剤であるヒドラジド化合物を配合してなる天然ゴムを含むゴム成分と、式(I)で表されるスルフェンアミド系加硫促進剤と、硫黄とを含有してなることを特徴としている。
Figure 2010121082

【選択図】なし

Description

本発明は、恒粘度性を付与した天然ゴムと特定のスルフェンアミド系加硫促進剤とを含有してなり、粘度上昇を抑制して優れた作業性を発現するゴム組成物に関する。
乗用車、トラック、バス、二輪車等のタイヤに用いられるゴム組成物には、種々の高い物性を有することが望まれる。こうしたゴム組成物のゴム成分として、機械的特性、低発熱性、耐摩耗性に優れた天然ゴムが多く採用されているが、産出された直後の天然ゴムは、ムーニー粘度が60〜70と低いものの、日本などに貯蔵・輸送される数カ月間にムーニー粘度が90〜100近くまで上昇(ゲル化)してしまう(これを貯蔵硬化〔storage hardening〕という)という問題を有している。
こうした天然ゴム特有の問題を解決すべく、特定の恒粘度剤を添加したり(特許文献1参照)、硫酸ヒドロキシルアミンで処理したりすることにより、天然ゴムの恒粘度性の向上を図ることもなされている。さらに、特許文献2には、より好適な恒粘度剤を添加して粘度上昇を抑制した天然ゴムも開示されている。
一方、タイヤのようなゴム製品を製造する際に不可欠な加硫促進剤としては、特に接着性などの物性の向上に寄与するスルフェンアミド系加硫促進剤が有用である。現在、市販されているスルフェンアミド系加硫促進剤の中で、最も加硫反応に遅効性を与える加硫促進剤としては、たとえば、N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(以下、「DCBS」と略す)が知られている。さらに、遅効性を必要するような場合には、スルフェンアミド系加硫促進剤と、N−(シクロヘキシルチオ)フタルイミド(以下、「CTP」と略す)のような加硫遅延剤とを併用することも行われている。
英国特許第1472064号明細書 特許第3585536号公報
しかしながら、たとえ上記のような粘度上昇を抑制した天然ゴムを採用しても、従来の加硫促進剤と併用すると、ムーニー粘度が必要以上に上昇して良好な混練作業を実現できない傾向にあり、好適なムーニースコーチタイムをも同時に確保するのは困難な状況にあると考えられる。また、さらに上記のような加硫遅延剤を併用した場合には、加硫遅延剤の配合量によっては加硫ゴムの物理的物性に悪影響を及ぼし、かつ、加硫ゴムの外観の悪化および接着性に悪影響を及ぼすブルーミングの原因になるという問題が生じる。
そこで、本発明は、天然ゴムが本来有する物性を低下させることなく恒粘度性を向上させた天然ゴムと、ブルーミング等の問題を生じる可能性のあるCTPのような加硫遅延剤を使用することなく、DCBSと同等以上の加硫遅延効果を有する加硫促進剤とを用いて、ゴム物性の低下を防止しつつ優れた加工性を発揮し得るゴム組成物を提供することを目的としている。
本発明者は、上記課題を解決すべく、特定の恒粘度剤を添加した天然ゴムまたは乾燥前後におけるゲル変化を抑制した特定の値を示す天然ゴムと、特定の加硫促進剤とを併用したゴム組成物を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明のゴム組成物は、恒粘度剤であるヒドラジド化合物を配合してなる天然ゴムを含むゴム成分と、式(I)で表されるスルフェンアミド系加硫促進剤と、硫黄とを含有してなることを特徴とする。
Figure 2010121082
(式(I)中、R1は、炭素数3〜12の分岐アルキル基を示し、R2は炭素数1〜10の直鎖アルキル基または炭素数3〜10の分岐アルキル基を示す。nは0または1を示し、xは1または2を示す。)。
前記ヒドラジド化合物は、式(II)で表されるのが望ましい。
3−CONHNH2 ・・・(II)
(ただし、式中のR3は、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数3〜5のシクロアルキル基を示す。)。
また、本発明のゴム組成物は、天然ゴムとして、乾燥前後のゲル変化率が10%以下で乾燥処理されてなるものを用いることができ、該天然ゴムは分子量保持率が85%以上で乾燥処理されてなるものであってもよい。
さらに、前記ゴム成分100質量部に対し、前記スルフェンアミド系加硫促進剤が0.1〜10質量部であり、かつ前記硫黄が0.3〜10質量部であるのが望ましい。
前記式(I)中、R1がtert−アルキル基であり、R2が炭素数1〜6の直鎖アルキル基または炭素数3〜6の分岐アルキル基であり、かつnが0であってよく、R1がtert−アルキル基であり、R2がメチル基、エチル基またはn−プロピル基であり、かつnが0であってもよい。
また、前記ゴム成分100質量%中、前記天然ゴムを1〜100質量%の量で含んでもよく、50質量%以上100質量%未満の量で含んでもよい。
さらに、前記ゴム成分が合成ゴムを含むのが望ましくポリイソプレンゴムが好適である。
本発明のゴム組成物によれば、天然ゴムが本来有する良好な物性を保持しつつ恒粘度性を改良した天然ゴムと、DCBSと同等以上の加硫遅延効果を有する加硫促進剤とを併用してなるので、ムーニー粘度の上昇が極めて効果的に抑制されて混練作業が容易となるとともに、適度なムーニースコーチタイムを保持することができる。また、ブルーミング等の問題を生じる可能性のあるCTPのような加硫遅延剤を使用する必要がないため、加硫ゴムの物性に悪影響を及ぼすおそれもない。そのため、これら天然ゴムと加硫促進剤との相乗効果により、良好なゴム物性を保持しつつ、優れた加工性を発揮するゴム組成物を得ることができる。
したがって、上記ゴム組成物を用いれば、こうした優れた加工性によって高性能なタイヤを容易に得ることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のゴム組成物は、恒粘度剤であるヒドラジド化合物を配合してなる天然ゴムまたは乾燥前後のゲル変化率が10%以下で乾燥処理されてなる天然ゴムを含むゴム成分と、式(I)で表されるスルフェンアミド系加硫促進剤と、硫黄とを含有してなることを特徴としている。以下、恒粘度剤であるヒドラジド化合物を配合してなる天然ゴムを第一態様の天然ゴム、乾燥前後のゲル変化率が10%以下で乾燥処理されてなる天然ゴムを第二態様の天然ゴムという。
Figure 2010121082
[天然ゴム]
(i)第一態様の天然ゴム
本発明に用いる第一態様の天然ゴムは、恒粘度剤であるヒドラジド化合物を配合してなる。このようなヒドラジド化合物としては、例えば、アセトヒドラジド、プロピオン酸ヒドラジド、ブチルヒドラジド、酢酸ヒドラジド、ラウリン酸ヒドラジド、パルミチン酸ヒドラジド、ステアリン酸ヒドラジド、カルバミド酸ヒドラジド、シクロプロピルヒドラジド、シクロヘキシルヒドラジド、シクロヘプチルヒドラジド、安息香酸ヒドラジド、o−,m−,p−トリルヒドラジド、p−メトキシフェニルヒドラジド、3,5−キシリルヒドラジド、1−ナフチルヒドラジド等が挙げられる。なかでも式(II)で表されるヒドラジド化合物が好ましい。
3−CONHNH2 ・・・(II)
(ただし、式中のR3は、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数3〜5のシクロアルキル基を示す。)。
式(II)で表されるヒドラジド化合物としては、具体的には、炭素数1〜5のアルキル基のついた脂肪族ヒドラジド化合物として、例えば、酢酸ヒドラジド、プロピオン酸ヒドラジド、酪酸ヒドラジド、カプロン酸ヒドラジド等が挙げられる。また、炭素数3〜5のシクロアルキル基のついた環式ヒドラジド化合物として、例えば、シクロプロピルヒドラジド等が挙げられる。上述したヒドラジド化合物のなかでは、脂肪族ヒドラジド化合物がより好ましい。これらヒドラジド化合物は一種単独で用いてもよく、二種以上混合して用いてもよい。
これらの恒粘度剤を天然ゴムに配合すると、イソプレン鎖中の異種結合(アルデヒド基など)に反応してブロックすることにより貯蔵硬化の原因となる天然ゴム中のゲル化反応を阻害して、ゲル量の増加を抑制することができる。また、これらは安全に取り扱うことができ、天然ゴムに使用した場合には、添加した時点から恒粘度効果を発揮し、しかも長期間に亘ってその恒粘度効果が持続するものであり、さらに加硫物の物性を低下させることもない。
なお、上記脂肪族ヒドラジド化合物を天然ゴムに添加すると、天然ゴムの臭気濃度が1/10程度に低減することが判明し、この脂肪族ヒドラジド化合物が天然ゴム臭気防止剤として有効であることが確認された。
本発明のゴム組成物に用いる場合、上記式(II)で表されるヒドラジド化合物からなる恒粘度剤の含有量は、天然ゴム100質量部に対し、0.001質量部以上、より好ましくは0.01〜3.0質量部の量である。上記含有量未満であると、恒粘度効果を充分に達成することができないおそれがある。なお、この含有量は、使用する(産出される)天然ゴムの種類及び使用する恒粘度剤の種類により、適宜変動し得る。
また、上記式(II)において、R3が炭素数1〜5の各ヒドラジド化合物では、含有量は好ましくは0.01〜1.0質量部、より好ましくは0.03〜0.5質量部の量であり、炭素数1の酢酸ヒドラジドの場合には、0.04質量部以上の量であるのが望ましい。なお、上記恒粘度剤は上記含有量の範囲内で単独に、又は併用して天然ゴムに含有されるが、天然ゴムに直接添加してもよく、また、素練りゴムの段階で添加してもよい。なお、上記恒粘度剤を添加する天然ゴムとしては、特に制限されず、通常の天然ゴムを採用してもよいが、後述する第二態様の天然ゴムに添加してもよい。
上記恒粘度剤は、天然ゴムの製造工程、すなわち、タッピング−凝固−洗浄(水洗い)−脱水−乾燥−パッキングの順で生産されている天然ゴムの製造工程において、乾燥後の天然ゴムにミキサー、押出機等により混合するのが望ましく、混合後にストレーナー処理を施してもよい。これにより、分子量が高く、ゴミ分のない天然ゴムが得られる。
ここでいうストレーナー処理とは、恒粘度剤含有天然ゴム中に含まれるゴミ分を除去する処理をいう。ストレーナー処理の具体例としては、押出機の先端に設けられるメッシュ状部材に恒粘度剤含有天然ゴムを通過させることによりゴミ分を除去する処理を挙げることができる。メッシュのサイズは、ASTM E11に規定された0.355mm(N0.45)相当のものが好ましいが、産出される天然ゴム及び天然ゴム中に含まれるゴミ分の大きさ等により適宜メッシュのサイズを変えることができる。
なお、上記恒粘度剤を充分に混入するためには、練る必要があり、また、ストレーナーにゴムを通すためには、練り及び加温(約120℃)が必要である。かかる観点から、恒粘度剤混入とストレーナー処理とは同時に行うのが効率的である。さらに、ゴム加温時のゲル化を防ぐためには、ストレーナー処理前に恒粘度剤を入れる必要がある。以上の理由により、恒粘度剤を混入した後、すぐにストレーナー処理するのが望ましい。
このように特定の恒粘度剤を配合してなる上記天然ゴムは、後述する特定のスルフェンアミド系加硫促進剤とも相まって、長期間に亘りゴム組成物に優れた加工性を付与することができる。
(ii)第二態様の天然ゴム
本発明に用いる第一態様の天然ゴムは、乾燥前後のゲル変化率が10%以下で乾燥処理されてなる。このような天然ゴムは、天然ゴムの製造工程において、乾燥前後のゲル変化率が10%以下、好ましくは5%以下で乾燥処理されてなる。さらに、分子量保持率が85%以上、好ましくは90%以上で乾燥処理してなる天然ゴムを用いるのがより好ましい。このような天然ゴムを採用すると、上記恒粘度剤を添加した天然ゴムと同様、効果的に天然ゴムの粘度上昇を抑制することができ、後述する特定のスルフェンアミド系加硫促進剤とも相まって、長期間に亘りゴム組成物に優れた加工性を付与することができる。
上記乾燥条件としては、具体的には、使用する(産出される)天然ゴムの種類・グレードにより異なるがゲル化の抑制及び分子量低下の防止の両面から考慮して、乾燥温度は90〜120℃、好ましくは90〜110℃で、できるだけ短時間であるのが望ましい。より具体的には、乾燥時間は2〜3時間であるのが好ましい。
乾燥温度は90〜120℃であるのが好ましいとしたのは、2〜3時間の乾燥の場合には、分子鎖の切断が120℃を超えると著しくなるからである。また、乾燥温度を90℃より低くすると、長期間にわたって乾燥しなければならず、高温の場合と比べてゲル生成量が多くなる。この乾燥条件により処理された天然ゴムは、ゲル化の抑制及び分子量低下の防止が効果的に図られる。
なお、上記乾燥処理した天然ゴムと上記恒粘度剤を併用すると、恒粘度剤が奏する効果がより充分に発揮され、さらに効果的に天然ゴムの粘度上昇を抑制することができるので望ましい。この場合、上記乾燥条件で処理された天然ゴムにできるだけ早く恒粘度剤を添加して混練りすることにより天然ゴムを作製するのが好適である。乾燥後の天然ゴムは、室温放置でもゲル化(貯蔵硬化等)が進行するため、長期にわたって保存する場合には特にできるだけ早く恒粘度剤を添加する必要がある。
[ゴム成分]
本発明のゴム組成物には、ゴム成分として上記第一態様または第二態様の天然ゴムが含まれる。上記特定の天然ゴムは、ゴム成分100質量%中に、1〜100質量%の量、好ましくは50質量%以上100質量部未満の量、より好ましくは75質量%以上100質量部未満の量で含まれ、残部が合成ゴムであるのが望ましい。上記特定の天然ゴムの含有量が上記範囲外の量であると、所望の物性を有するゴム組成物が得られない場合がある。
上記のように特定の天然ゴムと併用されるゴム成分としては、合成ゴムが好適であるが、そのほか通常の天然ゴムも併用することができる。合成ゴムとしてはジエン系合成ゴムが好適であり、より具体的には、例えばスチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR),エチレン−プロピレン共重合体及びこれらの混合物等が挙げられる。なかでもより加工性を向上させるという観点から、ポリイソプレンゴムが好適である。
[スルフェンアミド系加硫促進剤]
本発明に用いる上記式(I)で表されるスルフェンアミド系加硫促進剤は、下記式(X)で表される従来のスルフェンアミド系加硫促進剤であるDCBSと同等の加硫遅延効果を有しており、かつ、ムーニー粘度の上昇を効果的に抑制するとともに好適なムーニースコーチタイムをも確保することができる。また、スチールコード等の金属補強材との直接加硫接着における接着耐久性にも優れ、肉厚のゴム製品のコーティング用等のゴム組成物にも好適に使用することができる。
Figure 2010121082
本発明において、上記式(I)で表されるスルフェンアミド系加硫促進剤中のRは、炭素数3〜12の分岐アルキル基を示す。R1が炭素数3〜12の分岐アルキル基であれば、上記スルフェンアミド系加硫促進剤の加硫促進性能が良好であるとともに、接着性能をも高めることができる。
1としては、具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、トリイソブチル基、sec−ブチル基,tert−ブチル基、イソアミル基(イソペンチル基)、ネオペンチル基、tert−アミル基(tert−ペンチル基)、イソヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、tert−デシル基、イソウンデシル基、tert−ウンデシル基、イソドデシル基、tert−ドデシル基などが挙げられる。これらの中でも、好適なムーニースコーチタイムが得られるなどの効果の点から、炭素数1〜12のtert−アルキル基が好ましく、特に、tert−ブチル基、tert−アミル基(tert−ペンチル基)、tert−ドデシル基、トリイソブチル基が好ましく、中でもtert−ブチル基が、合成面、原料入手の観点から経済的に優れており望ましい。
上記式(I)で表されるスルフェンアミド系加硫促進剤中のnは、0または1を示し、合成のし易さや原材料コストなどの効果の点から、0であるのが好ましい。また式(I)中のxは1または2の整数を示す。xが3以上になると反応性が高くなり過ぎるためスルフェンアミド系加硫促進剤の安定性が低下し、作業性が悪化するおそれがある。
これらは、R1に隣接する−N−の近傍にかさ高い基が存在するほど、良好なムーニースコーチタイムを付与できる傾向にあるためと推定される。したがって、たとえば上記式(I)中のR1がtert−ブチル基であり、nが0であると、R1がシクロヘキシル基であり、nが0であるDCBSと比べて、−N−の近傍は前者の方がよりかさ高く、より好適なムーニースコーチタイムを付与し得るものと考えられる。
本発明において、上記式(I)で表されるスルフェンアミド系加硫促進剤中のR2は、炭素数1〜10の直鎖アルキル基または炭素数3〜10の分岐アルキル基を表す。R2が炭素数1〜10の直鎖または炭素数3〜10の分岐アルキル基であれば、上記スルフェンアミド系加硫促進剤の加硫促進性能が良好であると共に、接着性能をも高めることができる。
2としては具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基,tert−ブチル基、n−アミル基(n−ペンチル基)、イソアミル基(イソペンチル基)、ネオペンチル基、tert−アミル基(tert−ペンチル基)、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、n−オクチル基、イソ−オクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基などが挙げられる。これらの中でも、合成のし易さや原材料コストなどの効果の点から、炭素数1〜8の直鎖または炭素数3〜8の分岐アルキル基であるのが好ましく、さらに炭素数1〜6の直鎖または炭素数3〜6の分岐アルキル基であるのがより好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基が挙げられる。特に、好適なムーニースコーチタイムが得られ、かつ高いスチールコード接着が得られる点で、上記炭素数の分岐アルキル基よりも上記炭素数の直鎖アルキル基が好ましくい。これは分岐アルキル基であると加硫がさらに遅れるため、生産性が低下したり、直鎖アルキル基と同じ炭素数で比較した場合には接着性が低下したりするおそれがある。これらの中でも、メチル基、エチル基、n−プロピル基が最も望ましい。
したがって、上記式(I)中のR2がHのような従来のスルフェンアミド系加硫促進剤であると、加硫速度が速すぎるおそれがあるとともに良好な接着性が得られない傾向にある。また、R2がシクロヘキシル基のようなかさ高い基や上記範囲外の長鎖の基であるような従来のスルフェンアミド系加硫促進剤であると、逆に加硫速度が遅すぎる傾向にある。
ムーニースコーチタイムが早くなりすぎず加工時にゴム焦げを起こさず、作業性の低下を回避し、さらに良好な接着性をも保持し得る点等から、上記スルフェンアミド系加硫促進剤の中で好ましい態様からさらに好ましい態様を順番にまとめてみると、具体的には、1)上記式(I)中のR1がtert−アルキル基であり、R2が炭素数1〜10の直鎖アルキル基または炭素数3〜10の分岐アルキル基であり、n=0であるもの、2)上記式(I)中のR1がtert−アルキル基であり、R2が炭素数1〜6の直鎖アルキル基または炭素数3〜6の分岐アルキル基であり、nが0または1であるもの、3)上記式(I)中のR1がtert−アルキル基であり、R2が炭素数1〜6の直鎖アルキル基または炭素数3〜6の分岐アルキル基であり、n=0であるもの、4)上記式(I)中のR1がtert−アルキル基であり、R2がメチル基、エチル基、またはn−プロピル基のいずれかであり、n=0であるものが好ましいものとなる(降順する程、好適なスルフェンアミド系加硫促進剤となる)。
なお、上記式(I)で表されるスルフェンアミド系加硫促進剤中のR1が炭素数3〜12の分岐アルキル基以外の各官能基(例えば、n−オクタデシル基等)や炭素数が12を超える分岐アルキル基である場合、また、R2が炭素数1〜10の直鎖または分岐アルキル基以外の各官能基(例えば、n−オクタデシル基等)や炭素数10を超える直鎖または分岐アルキル基である場合、さらにnが2以上の場合には、本発明の目的の効果を充分に発揮し得ず、ムーニースコーチタイムが好適な範囲を超えて遅くなり加硫時間が必要以上に長くなることによって、生産性や接着性が低下したり、または促進剤としての加硫性能やゴム性能が低下したりするおそれがある。さらに、xが3以上であると、安定性の点で好ましくない。
本発明において、上記式(I)で表されるスルフェンアミド系加硫促進剤の代表例としては、N−メチル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(BMBS)、N−エチル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(BEBS)、N−n−プロピル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−イソプロピル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−n−ブチル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(BBBS)、N−イソブチル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−sec−ブチル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−メチル−N−イソアミルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(BMBS)、N−エチル−N−イソアミルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(BEBS)、N−n−プロピル−N−イソアミルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−イソプロピル−N−イソアミルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−n−ブチル−N−イソアミルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(BBBS)、N−イソブチル−N−イソアミルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−sec−ブチル−N−イソアミルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−メチル−N−tert−アミルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(BMBS)、N−エチル−N−tert−アミルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(BEBS)、N−n−プロピル−N−tert−アミルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−イソプロピル−N−tert−アミルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−n−ブチル−N−tert−アミルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(BBBS)、N−イソブチル−N−tert−アミルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−sec−ブチル−N−tert−アミルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−メチル−N−tert−ヘプチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(BMBS)、N−エチル−N−tert−ヘプチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(BEBS)、N−n−プロピル−N−tert−ヘプチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−イソプロピル−N−tert−ヘプチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−n−ブチル−N−tert−ヘプチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(BBBS)、N−イソブチル−N−tert−ヘプチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−sec−ブチル−N−tert−ヘプチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド等が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
これらのなかでも、最も長いムーニースコーチタイムと優れた接着性能を有する点で、N−メチル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(BMBS)、N−エチル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(BEBS)、N−n−プロピル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミドが好ましい。
これらスルフェンアミド系加硫促進剤は、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(TBBS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(CBS)、ジベンゾチアゾリルジスルフィド(MBTS)などの汎用の加硫促進剤と組み合わせて使用することも可能である。
上記スルフェンアミド系加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対し、0.1〜10質量部、好ましくは0.5〜5.0質量部、さらに好ましくは0.8〜2.5質量部の量である。この加硫促進剤の含有量が0.1質量部未満であると、充分に加硫しなくなるおそれがあり、一方、10質量部を超えると、ブルームが問題となるおそれがあり好ましくない。
上記スルフェンアミド系加硫促進剤の製造方法としては、下記方法を好ましく挙げることができる。
すなわち、対応するアミンと次亜塩素酸ソーダの反応によりあらかじめ調製したN−クロロアミンとビス(ベンゾチアゾール−2−イル)ジスルフィドを、アミンおよび塩基存在下、適切な溶媒中で反応させる。塩基としてアミンを用いた場合は、中和を行い、遊離のアミンに戻した後、得られた反応混合物の性状に従って、ろ過、水洗、濃縮、再結晶など適切な後処理をおこなうと、目的とするスルフェンアミドが得られる。
本製造方法に用いる塩基としては,過剰量用いた原料アミン、トリエチルアミンなどの3級アミン、水酸化アルカリ,炭酸アルカリ、重炭酸アルカリ、ナトリウムアルコキシドなどが挙げられる。特に、過剰の原料アミンを塩基として用いたり、3級アミンであるトリエチルアミンを用いて反応を行い、水酸化ナトリウムで生成した塩酸塩を中和し、目的物を取り出した後、ろ液からアミンを再利用する方法が望ましい。
本製造方法に用いる溶媒としては、アルコールが望ましく、特にメタノールが望ましい。
例えば、N−エチル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(BEBS)では、N−t−ブチルエチルアミンに次亜塩素酸ナトリウム水溶液を0℃以下で滴下し、2時間攪拌後油層を分取した。ビス(ベンゾチアゾール−2−イル)ジスルフィド、N−t−ブチルエチルアミンおよび前述の油層を、メタノ−ルに懸濁させ、還流下2時間攪拌した。冷却後、水酸化ナトリウムで中和し、ろ過、水洗、減圧濃縮した後、再結晶することで目的とするBEBS(白色固体)を得ることができる。
[硫黄]
本発明に用いる硫黄は、加硫剤として作用するものであり、その含有量は、ゴム成分100質量部に対し、0.3〜10質量部、好ましくは1.0〜7.0質量部、より好ましくは3.0〜7.0質量部の量である。硫黄の含有量が上記下限値未満であると、充分に加硫しなくなるおそれがあり、一方、上記上限値を超えると、ゴムの老化性能が低下するおそれがあり好ましくない。
[ゴム組成物]
本発明のゴム組成物には、上記天然ゴムを含むゴム成分、上記スルフェンアミド系加硫促進剤および硫黄のほか、さらに充填剤を配合するのが好ましい。充填剤としては特に限定されるものではないが、カーボンブラック、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、クレー、炭酸カルシウムなど通常ゴム工業に用いられるものが使用できる。
カーボンブラックを配合する場合、上記天然ゴムを含むゴム成分100質量部に対して、窒素吸着比表面積(N2AS)が80m2/g以上、好ましくは100m2/g以上、またはDBP吸油量(n−ジブチルフタレート吸油量)が110ml/100g以下、好ましくは90ml/100g以下のカーボンブラックを、20〜100質量部の量で配合するのが望ましい。
すなわち、本発明における上記第一態様または第二態様の天然ゴムを用いた場合には、窒素吸着比表面積が80m2/g以上の微粒径のカーボンブラック、或いはDBP吸油量が100ml/100g以下の低ストラクチャーのカーボンブラックを配合しても、従来の天然ゴムを用いたときに比べて、カーボンブラックの分散性を向上させることができ、ゴム組成物の加工性だけでなく、耐摩耗性や低ロス性(低発熱性)等の物性を大幅に改善することもできる。
上記カーボンブラックとしては特に制限はなく、従来ゴムの補強用充填材として慣用されているものの中から任意のものを選択して用いることができる。具体的には、例えばFEF、SRF、HAF、ISAF、SAF等が挙げられる。耐摩耗性の点からは、HAF、ISAF、SAFが好ましい。
また、シリカを配合する場合、上記天然ゴムを含むゴム成分100質量部に対して、20〜80質量部の量で配合するのが好ましい。すなわち、前記恒粘度性を改良した天然ゴムに、シリカを配合した場合には、従来の天然ゴムを用いるよりも、シリカの分散性や、配合物の収縮性を大幅に向上させることができ、ゴム組成物の加工性だけでなく、耐摩耗性や低発熱性等の物性をも著しく改善することもできる。
上記シリカとしては特に限定されないが、湿式シリカ、乾式シリカ、コロイダルシリカが好ましい。このような充填剤は、単独でまたは二つ以上のものを混合して用いることもできる。
本発明のゴム組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望により、さらに通常ゴム工業界で用いられる各種薬品、例えばプロセス油、老化防止剤、スコーチ防止剤、亜鉛華、ステアリン酸などを含有させることができる。
本発明のゴム組成物は、上記各成分を、たとえば、バンバリーミキサー、ニーダー等により混練りすることにより製造することができる。
[タイヤ]
本発明におけるゴム組成物は、特にタイヤ用ゴムとして好適に使用され、例えばトレッドゴム(キャップゴム,ベースゴムを含む)、サイドゴム、プライゴム、ビードフィラーゴムなどあらゆるタイヤ部材に適用することができる。
本発明のゴム組成物は著しく加工性が向上されているだけでなく、長期間に亘って良好な物性をも保持し得るため、特に高度な寸法安定性を要求される、例えば、航空機用タイヤ、ビードインフレーションゴムの原料に好適に用いることができる。
なお、本発明のゴム組成物は、タイヤ以外にも、防振ゴム、ベルト、ホースその他の工業品等の用途にも適用可能である。
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、ムーニー粘度、ムーニースコーチタイムおよび恒粘度性の評価方法については、以下の方法にしたがって行った。
《ムーニー粘度、ムーニースコーチタイムの評価方法》
JIS K 6300−1:2001に準拠して行った。
なお、評価は、比較例1の値を100として指数表示した。ムーニー粘度は、値が小さいほど混練時の作業性が良好であることを示し、ムーニースコーチタイムは、値が大きいほど混練後の作業性が良好であることを示す。
《恒粘度性の評価方法》
JIS K 6300−1994に準拠して、天然ゴム製造直後の100℃におけるムーニー粘度:ML1+4(ORI)と、この天然ゴムを60℃のオーブンに7日間保管した後の100℃におけるムーニー粘度:ML1+4(AGED)を測定し、下記式に従って恒粘度性を数値化して評価した。値が小さいほど恒粘度性に優れることを示す。
恒粘度性 = {ML1+4(AGED)}−{ML1+4(ORI)}
[製造例1:N−メチル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(加硫促進剤1)の合成]
N−t−ブチルメチルアミン14.1g(0.162mol)に12%次亜塩素酸ナトリウム水溶液148gを0℃以下で滴下し、2時間攪拌後油層を分取した。ビス(ベンゾチアゾール−2−イル)ジスルフィド39.8g(0.120mol)、N−t−ブチルメチルアミン24.3g(0.240mmol)および前述の油層を、メタノ−ル120mlに懸濁させ、還流下2時間攪拌した。冷却後、水酸化ナトリウム6.6g(0.166mol)で中和し、ろ過、水洗、減圧濃縮した後、再結晶することで目的とするBMBSを46.8g(収率82%)の白色固体(融点56〜58℃)として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ=1.32(9H,s,CH3(t−ブチル))、3.02(3H,s,CH3(メチル))、7.24(1H,m)、7.38(1H,m)、7.77(1H,m)、7.79(1H,m).
13C−NMR(100MHz,CDCl)δ=27.3、41.9、59.2、120.9、121.4、123.3、125.7、135.0、155.5、180.8.
質量分析(EI,70eV)m/z;252(M+)、237(M+−CH3)、223(M+−C26)、195(M+−C49)、167(M+−C512N)、86(M+−C74NS2)。
[製造例2:N−エチル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(BEBS、加硫促進剤2)の合成]
N−t−ブチルメチルアミンの代わりにN−t−ブチルエチルアミン16.4g(0.162mol)を用いて実施例1と同様に行い、BEBSを41.9g(収率66%)の白色固体(融点60〜61℃)として得た。
得られたBEBSのスペクトルデータを以下に示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ=1.29(t,3H,J=7.1Hz,CH3(エチル))、1.34(s,9H,CH3(t−ブチル))、2.9−3.4(br−d,CH2)、7.23(1H,m)、7.37(1H,m)、7.75(1H,m)、7.78(1H,m).
13C−NMR(100MHz,CDCl3)δ=15.12、28.06、47.08、60.41、120.70、121.26、123.23、125.64、134.75、154.93、182.63.
質量分析(EI、70eV):m/z;251(M+−CH4)、167(M+−C614N)、100(M+−C75NS2):IR(KBr,cm-1):3061,2975,2932,2868,1461,1429,1393,1366,1352,1309,1273,1238,1198,1103,1022,1011,936,895,756,727。
[製造例3:N−n−プロピル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(加硫促進剤3)の合成]
N−t−ブチルメチルアミンの代わりにN−n−プロピル−t−ブチルアミン18.7g(0.162mol)を用いて実施例1と同様に行い、N−n−プロピル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミドを白色固体(融点50〜52℃)として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ=0.92(t,J=7.3Hz,3H),1.34(s,9H),1.75(br,2H),3.03(brd,2H),7.24(t,J=7.0Hz,1H),7.38(t,J=7.0Hz,1H),7.77(d,J=7.5Hz,1H),7.79(d,J=7.5Hz,1H).
13C−NMR(100MHz,CDCl3)δ=11.7,23.0,28.1,55.3,60.4,120.7,121.3,123.3,125.7,134.7,154.8,181.3.
[製造例4:N−i−プロピル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(加硫促進剤4)の合成]
N−t−ブチルメチルアミンの代わりにN−i−プロピル−t−ブチルアミン18.7g(0.162mol)を用いて実施例1と同様に行い、N−i−プロピル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミドを白色固体(融点68〜70℃)として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ=1.20−1.25(dd,(1.22ppm:J=6.4Hz,1.23ppm:J=6.4Hz)6H),1.37(s,9H),3.78(m,J=6.3Hz,1H),7.23(t,J=7.0Hz,1H),7.38(t,J=7.0Hz,1H),7.77(d,J=7.5Hz,1H),7.79(d,J=7.5Hz,1H).
13C−NMR(100MHz,CDCl3)δ=22.3,23.9,29.1,50.6,61.4,120.6,121.2,123.2,125.6,134.5,154.5,183.3.
[製造例5:N,N−ジ−i−プロピルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(加硫促進剤5)の合成]
N−t−ブチルメチルアミンの代わりにN−ジ−i−プロピルアミン16.4g(0.162mol)を用いて実施例1と同様に行い、N,N−ジ−i−プロピルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミドを白色固体(融点57〜59℃)として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl)δ=1.26(d,J=6.5Hz,12H),3.49(dq,J=6.5Hz,2H),7.24(t,J=7.0Hz,1H),7.37(t,J=7.0Hz,1H),7.75(d,J=8.6Hz,1H),7.79(d,J=8.6Hz,1H).
13C−NMR(100MHz,CDCl3)δ=21.7,22.5,55.7,120.8,121.3,123.4,125.7,134.7,155.1,182.2.
質量分析(EI,70eV),m/z266(M+),251(M+−15),218(M+−48),209(M+−57),182(M+−84),167(M+−99),148(M+−118),100(M+−166:base).
[製造例6:N−n−ブチル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(加硫促進剤6)の合成]
N−t−ブチルメチルアミンの代わりにN−t−ブチル−n−ブチルアミン20.9g(0.162mol)を用いて実施例1と同様に行い、BBBSを42.4g(収率60%)の白色固体(融点55〜56℃)として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ=0.89(3H,t,J=7.32Hz,CH3(n−Bu))、1.2−1.4(s+m,11H,CH3(t−ブチル)+CH2(n−ブチル))、1.70(br.s,2H,CH2)、2.9−3.2(br.d,2H,N−CH2)、7.23(1H,m)、7.37(1H,m)、7.75(1H,m)、7.78(1H,m).
13C−NMR(100MHz,CDCl3)δ=14.0、20.4、27.9、31.8、53.0、60.3、120.6、121.1、123.1、125.5、134.6、154.8、181.2.
質量分析(EI,70eV)、m/z294(M+)、279(M+−CH3)、237(M+−C49)、167(M+−C818N)、128(M+−C74NS2):IR(neat):1707cm-1,3302cm-1
[製造例7:天然ゴム(NR−1)および(NR−2)の製造]
アンスモークドシートを表1に示される乾燥条件に従い天然ゴム(NR−1)および(NR−2)を作製した。
この天然ゴムの乾燥前、乾燥直後のゲル量、分子量を測定すると共に、カーボンブラック分散性及び加硫後のゴムの引張強力を測定した。また、上記天然ゴムを60℃下で所定日数放置した後のゲル量、分子量、カーボンブラック分散性及び加硫後のゴムの引張強力を測定した。これらの結果を表1に示す。
なお、ゲル量、分子量、カーボンブラック分散性及び加硫後のゴムの引張強力は、下記方法により測定した。
(i)ゲル量
ゴム片0.2gをトルエン1級(60cc)に溶解し、遠心分離法でゲル分を分離し、それを乾燥した後、ゲル量を測定した。
(ii)分子量
ゲル浸透クロマトグラフィー法により分子量を測定し、測定装置には、東ソー(株)製のゲルパーミエイションクロマトグラフ(Gel Permeation Chromatograph)HCL−8020、カラムには東ソー(株)製のGMHXL、較正には東ソー(株)製の標準ポリスチレン、溶媒にはTHF1級、溶液には0.01gサンプル/30ccTHFをそれぞれ用いた。
(iii)カーボンブラック分散性
ASTM D2663B法に準拠して顕微鏡で分散度を測定した。数値が大きい程良好なことを示す。
(iv)加硫後のゴムの引張強力
配合については、ASTM D3184に基づくテスト法により行い、標準配合処方(Standard Formula)2Aを使用して、加硫ゴムを作製した。
また、引張試験は、ASTM D1278法に準拠して行った。
Figure 2010121082
[実施例1〜7]
2200mlのバンバリーミキサーを使用して、上記製造例で得た天然ゴム(NR−1またはNR−2)、上記製造例で得た加硫促進剤、硫黄、その他の配合剤を表2に示す配合処方で混練り混合して、未加硫のゴム組成物を調製し、上記の方法したがって、ムーニー粘度、ムーニースコーチタイム、緩和時間を測定した。結果を表2に示す。
[比較例1]
通常の天然ゴム(NR−3)(RSS#3素練りゴム、乾燥前後におけるゲル変化率:25%)を使用し、加硫促進剤Aとして従来のもの(DCBS)を用いた以外、実施例1にしたがってゴム組成物を調製し、各項目につき測定した。結果を表2に示す。
[比較例2]
加硫促進剤として従来のもの(DCBS)を用いた以外、実施例1にしたがってゴム組成物を調製し、各項目につき測定した。結果を表2に示す。
Figure 2010121082
※1:カーボンブラックN326:青島亜東橡機有限公司製
※2:N−フェニル−N’−1,3−ジメチルブチル−p−フェニレンジアミン(ノクラック6C、大内新興化学工業(株)製)
※3:N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(ノクセラーDZ、大内新興化学工業(株)製)
表1の結果によれば、実施例1〜7はいずれも、恒粘度剤を添加しない従来の天然ゴムと従来の加硫促進剤とを併用した比較例1、および加硫促進剤のみ従来のものを用いた比較例2に比べ、良好なムーニー粘度とムーニースコーチタイムを発揮し、恒粘度性に優れ、加工性が向上されるとともに長期間に亘ってゴム組成物の粘度上昇を抑制できることがわかる。

Claims (11)

  1. 恒粘度剤であるヒドラジド化合物を配合してなる天然ゴムを含むゴム成分と、式(I)で表されるスルフェンアミド系加硫促進剤と、硫黄とを含有してなることを特徴とするゴム組成物;
    Figure 2010121082
    (式(I)中、R1は、炭素数3〜12の分岐アルキル基を示し、R2は炭素数1〜10の直鎖アルキル基または炭素数3〜10の分岐アルキル基を示す。nは0または1を示し、xは1または2を示す。)。
  2. 前記ヒドラジド化合物が、式(II)で表される請求項1に記載のゴム組成物;
    3−CONHNH2 ・・・(II)
    (ただし、式中のR3は、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数3〜5のシクロアルキル基を示す。)。
  3. 乾燥前後のゲル変化率が10%以下で乾燥処理されてなる天然ゴムを含むゴム成分と、式(I)で表されるスルフェンアミド系加硫促進剤と、硫黄とを含有してなることを特徴とするゴム組成物;
    Figure 2010121082
    (式(I)中、R1は、炭素数3〜12の分岐アルキル基を示し、R2は炭素数1〜10の直鎖アルキル基または炭素数3〜10の分岐アルキル基を示す。nは0または1を示し、xは1または2を示す。)。
  4. 前記天然ゴムが、分子量保持率が85%以上で乾燥処理されてなる請求項3に記載のゴム組成物。
  5. 前記ゴム成分100質量部に対し、前記スルフェンアミド系加硫促進剤が0.1〜10質量部であり、かつ前記硫黄が0.3〜10質量部である請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物。
  6. 前記式(I)中、R1がtert−アルキル基であり、R2が炭素数1〜6の直鎖アルキル基または炭素数3〜6の分岐アルキル基であり、かつnが0である請求項1〜5のいずれかに記載のゴム組成物。
  7. 前記式(I)中、R1がtert−アルキル基であり、R2がメチル基、エチル基またはn−プロピル基であり、かつnが0である請求項1〜6のいずれかに記載のゴム組成物。
  8. 前記ゴム成分100質量%中、前記天然ゴムを1〜100質量%の量で含む請求項1〜7のいずれかに記載のゴム組成物。
  9. 前記ゴム成分100質量%中、前記天然ゴムを50質量%以上100質量%未満の量で含む請求項項1〜7のいずれかに記載のゴム組成物。
  10. 前記ゴム成分が、合成ゴムを含む請求項1〜9のいずれかに記載のゴム組成物。
  11. 前記合成ゴムがポリイソプレンゴムである請求項10に記載のゴム組成物。
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