JP2010121089A - ゴム組成物およびそれを用いたタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】天然ゴムが本来有する物性を低下させることなく加工性を向上させた天然ゴムと、ブルーミング等の問題を生じる可能性のあるCTPのような加硫遅延剤を使用することなく、DCBSと同等以上の加硫遅延効果を有する加硫促進剤とを用いて、ゴム物性の低下を防止しつつ優れた加工性を発揮し得るゴム組成物、およびこれを用いたタイヤを提供すること。
【解決手段】本発明のゴム組成物は、天然ゴムラテックスを脱蛋白処理して得られる天然ゴムであり、かつ該天然ゴム中の総窒素含有量が0.12〜0.30質量%であるように調整された天然ゴムを含むゴム成分と、式(I)で表されるスルフェンアミド系加硫促進剤と、硫黄とを含有してなることを特徴とする。
Figure 2010121089

【選択図】なし

Description

本発明は、特定の天然ゴムとスルフェンアミド系加硫促進剤とを含有してなり、優れた加工性を発現し得るゴム組成物、およびこれを用いたタイヤに関する。
乗用車、トラック、バス、二輪車等のタイヤに用いられるゴム組成物には、種々の高い物性を有することが望まれる。こうしたゴム組成物のゴム成分として、機械的特性、低発熱性、耐摩耗性に優れた天然ゴムが多く採用されている。しかしながら、一般に天然ゴムの加工性は、合成ゴムと比較すると劣っている。これは、原料となる天然ゴムラテックスの非ゴム成分中に存在する蛋白質に含まれるポリペプチド結合を介してポリマー分子同士の絡み合いが増加し、見かけの分子量が非常に大きくなり、ゴムのムーニー粘度上昇をもたらすためである。
従来より、このような天然ゴムの物性を改良すべく、例えば特許文献1〜3に開示されるように、非ゴム成分を除去することが行われている。ところが、これらはほぼ完全に蛋白質を取り除くと同時に、老化防止作用や加硫促進作用を有する非ゴム成分もほぼ完全に取り去られるためにゴム物性が大きく低下するおそれがある。こうした点を改良するため、特定の処理を施した天然ゴムが開発されている(特許文献4参照)。
一方、タイヤのようなゴム製品を製造する際に不可欠な加硫促進剤としては、特に接着性などの物性の向上に寄与するスルフェンアミド系加硫促進剤が有用である。現在、市販されているスルフェンアミド系加硫促進剤の中で、最も加硫反応に遅効性を与える加硫促進剤としては、たとえば、N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(以下、「DCBS」と略す)が知られている。さらに、遅効性を必要するような場合には、スルフェンアミド系加硫促進剤と、N−(シクロヘキシルチオ)フタルイミド(以下、「CTP」と略す)のような加硫遅延剤とを併用することも行われている。
特開平8−143606号公報 特開平11−714078号公報 特開2000−19801号公報 特許第3732496号公報
しかしながら、上記のような特定の処理を施した天然ゴムを採用しても、従来の加硫促進剤を併用すると、ムーニー粘度が必要以上に上昇して良好な混練作業を実現できない傾向にあり、好適なムーニースコーチタイムをも同時に確保するのは困難な状況にあると考えられる。また、さらに上記のような加硫遅延剤を併用した場合には、加硫遅延剤の配合量によっては加硫ゴムの物理的物性に悪影響を及ぼし、かつ、加硫ゴムの外観の悪化および接着性に悪影響を及ぼすブルーミングの原因になるという問題が生じる。
そこで、本発明は、天然ゴムが本来有する物性を低下させることなく加工性を向上させた天然ゴムと、ブルーミング等の問題を生じる可能性のあるCTPのような加硫遅延剤を使用することなく、DCBSと同等以上の加硫遅延効果を有する加硫促進剤とを用いて、ゴム物性の低下を防止しつつ優れた加工性を発揮し得るゴム組成物、およびこれを用いたタイヤを提供することを目的としている。
本発明者は、上記課題を解決すべく、特定の処理を施した天然ゴムと特定の加硫促進剤とを併用したゴム組成物を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明のゴム組成物は、天然ゴムラテックスを脱蛋白処理して得られる天然ゴムであり、かつ該天然ゴム中の総窒素含有量が0.12〜0.30質量%であるように調整された天然ゴムを含むゴム成分と、式(I)で表されるスルフェンアミド系加硫促進剤と、硫黄とを含有してなることを特徴とする。
Figure 2010121089
(式(I)中、R1は、炭素数3〜12の分岐アルキル基を示し、R2は炭素数1〜10の直鎖アルキル基または炭素数3〜10の分岐アルキル基を示す。nは0または1を示し、xは1または2を示す。)。
前記天然ゴムは、脱蛋白処理後の天然ゴムラテックスを、非ゴム成分を遠心分離せずに凝固し、乾燥処理して得られるものであるのが望ましく、ゴムのムーニー粘度(ML1+4)及び応力緩和時間(T80)が、下記の式(A)及び式(B)を満たすものであるのが望ましい。
40≦ML1+4≦100 ・・・(A)
80<0.0035exp(ML1+4/8.2)+20 ・・・(B)
〔ただし、ML1+4は100℃におけるムーニー粘度測定値、T80はML1+4測定直後にローター回転を停止し、ML1+4の値が80%低減するまでに必要な時間(秒)である。〕。
また、前記ゴム成分100質量部に対し、前記スルフェンアミド系加硫促進剤を0.1〜10質量部の量で含有してなるのが好ましく、前記硫黄を0.3〜10質量部の量で含有してなるのが好ましい。
前記式(I)中、R1がtert−アルキル基であり、かつnが0であってもよく、R1がtert−アルキル基であり、かつR2が炭素数1〜6の直鎖アルキル基または炭素数3〜6の分岐アルキル基であってもよい。
さらに、前記ゴム成分は、ポリイソプレンゴムを含むのが望ましく、ゴム成分100質量%中、前記天然ゴムを5質量%以上の量で含んでもよい。
本発明のタイヤは、これらゴム組成物をタイヤ部材に用いることを特徴とする。
本発明のゴム組成物によれば、天然ゴムが本来有する良好な物性を保持しつつ加工性を改良した天然ゴムと、DCBSと同等以上の加硫遅延効果を有する加硫促進剤とを併用してなるので、ムーニー粘度の上昇が効果的に抑制されて混練作業が容易となるとともに、適度なムーニースコーチタイムを保持することができる。また、ブルーミング等の問題を生じる可能性のあるCTPのような加硫遅延剤を使用する必要がないため、加硫ゴムの物性に悪影響を及ぼすおそれもない。そのため、これら天然ゴムと加硫促進剤との相乗効果により、良好なゴム物性を保持しつつ、優れた加工性を発揮するゴム組成物を得ることができる。
したがって、上記ゴム組成物を用いれば、こうした優れた加工性によって高性能なタイヤを容易に得ることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のゴム組成物は、天然ゴムラテックスを脱蛋白処理して得られる天然ゴムであり、かつ該天然ゴム中の総窒素含有量が0.12〜0.30質量%であるように調整された天然ゴムを含むゴム成分と、式(I)で表されるスルフェンアミド系加硫促進剤と、硫黄とを含有してなることを特徴としている。
Figure 2010121089
[天然ゴム]
本発明で用いる天然ゴムは、天然ゴムラテックスの脱蛋白処理により、総窒素含有量が0.12〜0.30質量%であるように調整して得られたものである。原料となる天然ゴムラテックスは特に限定されず、フィールドラテックスや市販のラテックスなどを用いることができる。
天然ゴムラテックスの脱蛋白化は公知の方法で行なうことができる。例えば、酵素を用いた分解処理方法、界面活性剤を用い繰り返し洗浄する方法、酵素と界面活性剤とを併用する方法、ナトリウムメトキシドを用いたエステル交換処理方法、水酸化ナトリウム,水酸化カリウム等を用いたケン化法などがある。
上記酵素としては、プロテアーゼの他、ペプチターゼ、セルラーゼ、ペクチナーゼ、リパーゼ、エステラーゼ、アミラーゼ等を単独又は組み合わせて用いることができる。これらの酵素の酵素活性は0.1〜50APU/gの範囲が適当である。
蛋白分解酵素の添加量は、天然ゴムラテックス中の固形成分100質量部に対して0.005〜0.5質量部、好ましくは0.01〜0.2質量部の範囲で用いるのが適当である。蛋白分解酵素の添加量が上記下限値未満であると、蛋白質の分解反応が不十分になるおそれがあり、上記上限値を超えると、脱蛋白化が進みすぎて目的の加工性と物性のバランスがとれなくなるおそれがある。
本発明において、蛋白分解処理を行なう際には、蛋白分解酵素と共に界面活性剤を添加しても良い。界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、両性界面活性剤等を添加することができる。
本発明においては、上記の脱蛋白手法により、ラテックス固形分中の前記総窒素含有量が0.12〜0.30質量%、好ましくは0.18〜0.25質量%になるように調整することが必要とされる。
この窒素は、ポリペプチド結合の窒素に由来するものである。ポリペプチド結合の定量は赤外分光分析により蛋白質のポリペプチド結合による3280cm-1の吸光度を測定することにより行なうことができる。ここで、総窒素含有量0.12質量%はポリペプチド結合をほぼ80%分解することを意味している。また、総窒素含有量0.30質量%はポリペプチド結合をほぼ20%分解することを意味している。
総窒素含有量が上記範囲内であると、機械的特性や耐老化特性などの物性が悪化するおそれがなく、ペプチド結合の分解によりゴム粘度が適度に低下して、好適な値のムーニー粘度を有するゴム組成物を得ることができる。また、さらに微粒化カーボンブラックなどの充填剤を配合する場合、充填剤とゴムとの相互作用の増大にも寄与して、充填剤のゴムへの分散性を向上させることができる。一方、上記上限値を超えると加工性が劣るおそれがある。
なお、ポリペプチド分解率としては20〜80%、特に30〜70%であるのが好ましい。
上記の如く脱蛋白処理された天然ゴムラテックスは、非ゴム成分を分離することなく、凝固することが好ましい。非ゴム成分を分離した場合には、耐老化特性等のゴム物性が劣ることがある。次いで、得られたゴム成分を洗浄後、真空乾燥機、エアドライヤー、ドラムドライヤー等の通常の乾燥機を用いて乾燥することにより、本発明で用いる天然ゴムを得ることができる。
また、ゴム加工性の観点からは、入力の緩和時間を短くすることが挙げられるが、上記天然ゴムは、部分的に脱蛋白を行うことにより分岐点が選択的に切断され、ゴム組成物の応力緩和時間の低減に大きく寄与し、優れた加工性を発現させることができる。
本発明において、天然ゴムの応力緩和時間は、ムーニー粘度測定時のML1+4値との関係で規定され、下記の式(A)及び式(B)の双方を満たすことが好ましい。
40≦ML1+4≦100 ・・・(A)
80<0.0035exp(ML1+4/8.2)+20 ・・・(B)
〔ただし、ML1+4は100℃におけるムーニー粘度測定値、T80はML1+4測定直後にローター回転を停止し、ML1+4の値が80%低減するまでに必要な時間(秒)である。〕
さらに、上記天然ゴムには、ヒドラジド化合物を含有させることにより、恒粘度効果を向上させることができる。
このように特定の処理を介して得られる特定の総窒素含有量を有する上記天然ゴムは、後述する特定のスルフェンアミド系加硫促進剤とも相まって、ゴム組成物に優れた加工性を付与することができる。
[ゴム成分]
本発明のゴム組成物には、ゴム成分として上記天然ゴムが含まれる。上記特定の天然ゴムは、ゴム成分100質量%中に、少なくとも5質量%、好ましくは10質量%以上の量で含まれるのが望ましい。5質量%未満であると、所望の物性を有するゴム組成物が得られない場合がある。
上記特定の天然ゴムと併用されるゴム成分としては、通常の天然ゴム及びジエン系合成ゴムが挙げられ、ジエン系合成ゴムとしては、例えばスチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR),エチレン−プロピレン共重合体及びこれらの混合物等が挙げられる。なかでもより加工性を向上させるという観点から、ポリイソプレンゴムが好適である。
[スルフェンアミド系加硫促進剤]
本発明に用いる上記式(I)で表されるスルフェンアミド系加硫促進剤は、下記式(X)で表される従来のスルフェンアミド系加硫促進剤であるDCBSと同等の加硫遅延効果を有しており、かつ、ムーニー粘度の上昇を効果的に抑制するとともに好適なムーニースコーチタイムをも確保することができる。また、スチールコード等の金属補強材との直接加硫接着における接着耐久性にも優れ、肉厚のゴム製品のコーティング用等のゴム組成物にも好適に使用することができる。
Figure 2010121089
本発明において、上記式(I)で表されるスルフェンアミド系加硫促進剤中のRは、炭素数3〜12の分岐アルキル基を示す。R1が炭素数3〜12の分岐アルキル基であれば、上記スルフェンアミド系加硫促進剤の加硫促進性能が良好であるとともに、接着性能をも高めることができる。
1としては、具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、トリイソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソアミル基(イソペンチル基)、ネオペンチル基、tert−アミル基(tert−ペンチル基)、イソヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、tert−デシル基、イソウンデシル基、tert−ウンデシル基、イソドデシル基、tert−ドデシル基などが挙げられる。これらの中でも、好適なムーニースコーチタイムが得られるなどの効果の点から、炭素数1〜12のtert−アルキル基が好ましく、特に、tert−ブチル基、tert−アミル基(tert−ペンチル基)、tert−ドデシル基、トリイソブチル基が好ましく、中でもtert−ブチル基が、合成面、原料入手の観点から経済的に優れており望ましい。
上記式(I)で表されるスルフェンアミド系加硫促進剤中のnは、0または1を示し、合成のし易さや原材料コストなどの効果の点から、0であるのが好ましい。また式(I)中のxは1または2の整数を示す。xが3以上になると反応性が高くなり過ぎるためスルフェンアミド系加硫促進剤の安定性が低下し、作業性が悪化するおそれがある。
これらは、R1に隣接する−N−の近傍にかさ高い基が存在するほど、良好なムーニースコーチタイムを付与できる傾向にあるためと推定される。したがって、たとえば上記式(I)中のR1がtert−ブチル基であり、nが0であると、R1がシクロヘキシル基であり、nが0であるDCBSと比べて、−N−の近傍は前者の方がよりかさ高く、より好適なムーニースコーチタイムを付与し得るものと考えられる。
本発明において、上記式(I)で表されるスルフェンアミド系加硫促進剤中のR2は、炭素数1〜10の直鎖アルキル基または炭素数3〜10の分岐アルキル基を表す。R2が炭素数1〜10の直鎖または炭素数3〜10の分岐アルキル基であれば、上記スルフェンアミド系加硫促進剤の加硫促進性能が良好であると共に、接着性能をも高めることができる。
2としては具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基,tert−ブチル基、n−アミル基(n−ペンチル基)、イソアミル基(イソペンチル基)、ネオペンチル基、tert−アミル基(tert−ペンチル基)、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、n−オクチル基、イソ−オクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基などが挙げられる。これらの中でも、合成のし易さや原材料コストなどの効果の点から、炭素数1〜8の直鎖または炭素数3〜8の分岐アルキル基であるのが好ましく、さらに炭素数1〜6の直鎖または炭素数3〜6の分岐アルキル基であるのがより好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基が挙げられる。特に、好適なムーニースコーチタイムが得られ、かつ高いスチールコード接着が得られる点で、上記炭素数の分岐アルキル基よりも上記炭素数の直鎖アルキル基が好ましくい。これは分岐アルキル基であると加硫がさらに遅れるため、生産性が低下したり、直鎖アルキル基と同じ炭素数で比較した場合には接着性が低下したりするおそれがある。これらの中でも、メチル基、エチル基、n−プロピル基が最も望ましい。
したがって、上記式(I)中のR2がHのような従来のスルフェンアミド系加硫促進剤であると、加硫速度が速すぎるおそれがあるとともに良好な接着性が得られない傾向にある。また、R2がシクロヘキシル基のようなかさ高い基や上記範囲外の長鎖の基であるような従来のスルフェンアミド系加硫促進剤であると、逆に加硫速度が遅すぎる傾向にある。
ムーニースコーチタイムが早くなりすぎず加工時にゴム焦げを起こさず、作業性の低下を回避し、さらに良好な接着性をも保持し得る点等から、上記スルフェンアミド系加硫促進剤の中で好ましい態様からさらに好ましい態様を順番にまとめてみると、具体的には、1)上記式(I)中のR1がtert−アルキル基であり、R2が炭素数1〜10の直鎖アルキル基または炭素数3〜10の分岐アルキル基であり、n=0であるもの、2)上記式(I)中のR1がtert−アルキル基であり、R2が炭素数1〜6の直鎖アルキル基または炭素数3〜6の分岐アルキル基であり、nが0または1であるもの、3)上記式(I)中のR1がtert−アルキル基であり、R2が炭素数1〜6の直鎖アルキル基または炭素数3〜6の分岐アルキル基であり、n=0であるもの、4)上記式(I)中のR1がtert−アルキル基であり、R2がメチル基、エチル基、またはn−プロピル基のいずれかであり、n=0であるものが好ましいものとなる(降順する程、好適なスルフェンアミド系加硫促進剤となる)。
なお、上記式(I)で表されるスルフェンアミド系加硫促進剤中のR1が炭素数3〜12の分岐アルキル基以外の各官能基(例えば、n−オクタデシル基等)や炭素数が12を超える分岐アルキル基である場合、また、R2が炭素数1〜10の直鎖または分岐アルキル基以外の各官能基(例えば、n−オクタデシル基等)や炭素数10を超える直鎖または分岐アルキル基である場合、さらにnが2以上の場合には、本発明の目的の効果を充分に発揮し得ず、ムーニースコーチタイムが好適な範囲を超えて遅くなり加硫時間が必要以上に長くなることによって、生産性や接着性が低下したり、または促進剤としての加硫性能やゴム性能が低下したりするおそれがある。さらに、xが3以上であると、安定性の点で好ましくない。
本発明において、上記式(I)で表されるスルフェンアミド系加硫促進剤の代表例としては、N−メチル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(BMBS)、N−エチル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(BEBS)、N−n−プロピル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−イソプロピル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−n−ブチル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(BBBS)、N−イソブチル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−sec−ブチル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−メチル−N−イソアミルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(BMBS)、N−エチル−N−イソアミルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(BEBS)、N−n−プロピル−N−イソアミルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−イソプロピル−N−イソアミルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−n−ブチル−N−イソアミルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(BBBS)、N−イソブチル−N−イソアミルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−sec−ブチル−N−イソアミルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−メチル−N−tert−アミルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(BMBS)、N−エチル−N−tert−アミルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(BEBS)、N−n−プロピル−N−tert−アミルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−イソプロピル−N−tert−アミルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−n−ブチル−N−tert−アミルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(BBBS)、N−イソブチル−N−tert−アミルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−sec−ブチル−N−tert−アミルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−メチル−N−tert−ヘプチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(BMBS)、N−エチル−N−tert−ヘプチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(BEBS)、N−n−プロピル−N−tert−ヘプチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−イソプロピル−N−tert−ヘプチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−n−ブチル−N−tert−ヘプチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(BBBS)、N−イソブチル−N−tert−ヘプチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−sec−ブチル−N−tert−ヘプチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド等が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
これらのなかでも、最も長いムーニースコーチタイムと優れた接着性能を有する点で、N−メチル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(BMBS)、N−エチル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(BEBS)、N−n−プロピル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミドが好ましい。
これらスルフェンアミド系加硫促進剤は、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(TBBS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(CBS)、ジベンゾチアゾリルジスルフィド(MBTS)などの汎用の加硫促進剤と組み合わせて使用することも可能である。
上記スルフェンアミド系加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対し、0.1〜10質量部、好ましくは0.5〜5.0質量部、さらに好ましくは0.8〜2.5質量部の量である。この加硫促進剤の含有量が0.1質量部未満であると、充分に加硫しなくなるおそれがあり、一方、10質量部を超えると、ブルームが問題となるおそれがあり好ましくない。
上記スルフェンアミド系加硫促進剤の製造方法としては、下記方法を好ましく挙げることができる。
すなわち、対応するアミンと次亜塩素酸ソーダの反応によりあらかじめ調製したN−クロロアミンとビス(ベンゾチアゾール−2−イル)ジスルフィドを、アミンおよび塩基存在下、適切な溶媒中で反応させる。塩基としてアミンを用いた場合は、中和を行い、遊離のアミンに戻した後、得られた反応混合物の性状に従って、ろ過、水洗、濃縮、再結晶など適切な後処理をおこなうと、目的とするスルフェンアミドが得られる。
本製造方法に用いる塩基としては,過剰量用いた原料アミン、トリエチルアミンなどの3級アミン、水酸化アルカリ,炭酸アルカリ、重炭酸アルカリ、ナトリウムアルコキシドなどが挙げられる。特に、過剰の原料アミンを塩基として用いたり、3級アミンであるトリエチルアミンを用いて反応を行い、水酸化ナトリウムで生成した塩酸塩を中和し、目的物を取り出した後、ろ液からアミンを再利用する方法が望ましい。
本製造方法に用いる溶媒としては、アルコールが望ましく、特にメタノールが望ましい。
例えば、N−エチル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(BEBS)では、N−t−ブチルエチルアミンに次亜塩素酸ナトリウム水溶液を0℃以下で滴下し、2時間攪拌後油層を分取した。ビス(ベンゾチアゾール−2−イル)ジスルフィド、N−t−ブチルエチルアミンおよび前述の油層を、メタノ−ルに懸濁させ、還流下2時間攪拌した。冷却後、水酸化ナトリウムで中和し、ろ過、水洗、減圧濃縮した後、再結晶することで目的とするBEBS(白色固体)を得ることができる。
[硫黄]
本発明に用いる硫黄は、加硫剤として作用するものであり、その含有量は、ゴム成分100質量部に対し、0.3〜10質量部、好ましくは1.0〜7.0質量部、より好ましくは3.0〜7.0質量部の量である。硫黄の含有量が上記下限値未満であると、充分に加硫しなくなるおそれがあり、一方、上記上限値を超えると、ゴムの老化性能が低下するおそれがあり好ましくない。
[ゴム組成物]
本発明のゴム組成物には、上記天然ゴムを含むゴム成分、上記スルフェンアミド系加硫促進剤および硫黄のほか、さらに充填剤を配合するのが好ましい。充填剤としては特に限定されるものではないが、カーボンブラック、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、クレー、炭酸カルシウムなど通常ゴム工業に用いられるものが使用できる。
カーボンブラックを配合する場合、上記天然ゴムを含むゴム成分100質量部に対して、窒素吸着比表面積(N2AS)が80m2/g以上、好ましくは100m2/g以上、またはDBP吸油量(n−ジブチルフタレート吸油量)が110ml/100g以下、好ましくは90ml/100g以下のカーボンブラックを、20〜100質量部の量で配合するのが望ましい。
すなわち、本発明における部分的に脱蛋白を行った天然ゴムを用いた場合には、窒素吸着比表面積が80m2/g以上の微粒径のカーボンブラック、或いはDBP吸油量が100ml/100g以下の低ストラクチャーのカーボンブラックを配合しても、従来の天然ゴムを用いたときに比べて、カーボンブラックの分散性を向上させることができ、ゴム組成物の加工性だけでなく、耐摩耗性や低ロス性(低発熱性)等の物性を大幅に改善することもできる。
上記カーボンブラックとしては特に制限はなく、従来ゴムの補強用充填材として慣用されているものの中から任意のものを選択して用いることができる。具体的には、例えばFEF、SRF、HAF、ISAF、SAF等が挙げられる。耐摩耗性の点からは、HAF、ISAF、SAFが好ましい。
また、シリカを配合する場合、上記天然ゴムを含むゴム成分100質量部に対して、20〜80質量部の量で配合するのが好ましい。すなわち、前記部分脱蛋白の天然ゴムに、シリカを配合した場合には、従来の天然ゴムを用いるよりも、シリカの分散性や、配合物の収縮性を大幅に向上させることができ、ゴム組成物の加工性だけでなく、耐摩耗性や低発熱性等の物性をも著しく改善することもできる。
上記シリカとしては特に限定されないが、湿式シリカ、乾式シリカ、コロイダルシリカが好ましい。このような充填剤は、単独でまたは二つ以上のものを混合して用いることもできる。
本発明のゴム組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望により、さらに通常ゴム工業界で用いられる各種薬品、例えばプロセス油、老化防止剤、スコーチ防止剤、亜鉛華、ステアリン酸などを含有させることができる。
本発明のゴム組成物は、上記各成分を、たとえば、バンバリーミキサー、ニーダー等により混練りすることにより製造することができる。
[タイヤ]
本発明におけるゴム組成物は、特にタイヤ用ゴムとして好適に使用され、例えばトレッドゴム(キャップゴム,ベースゴムを含む)、サイドゴム、プライゴム、ビードフィラーゴムなどあらゆるタイヤ部材に適用することができる。
タイヤ部材としては、特にタイヤケース部材及びタイヤトレッドに好適に用いられる。ここで、タイヤケース部材とは、トレッドゴムを除く全てのゴム部材が含まれるが、特にタイヤ内部部材が好ましく、例えばベルトコーティングゴム、カーカスプライコーティングゴム、プライ間のスキージーゴム、トレッドとベルト間のクッションゴム、ビードフィラーなどが挙げられる。
本発明のゴム組成物は著しく加工性が向上されているため、タイヤケース部材、例えばベルトやカーカスプライゴムのコーティングゴムに適用した場合には、走行後のタイヤにおけるコードセパレーション性、ゴム/コード接着性、ゴムの機械的特性(切断時伸びの保持率など)などの優れた物性を良好に保持した製品を、効率的かつ容易に製造することが可能となり、生産性の向上に寄与することとなる。
また、本発明におけるゴム組成物を、タイヤトレッドに適用した場合には、トレッドゴムの耐摩耗性、低発熱性、耐テアー性などを著しく向上させることができる。
なお、本発明のゴム組成物は、タイヤ以外にも、防振ゴム、ベルト、ホースその他の工業品等の用途にも適用可能である。
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、天然ゴム中の総窒素含有量の測定、ムーニー粘度(ML1+4)およびムーニースコーチタイムの評価方法、ならびに応力緩和時間(T80)の測定については、以下の方法にしたがって行った。
《総窒素含有量の測定》
ケルダール法によって総窒素含有量を測定し、全量に対する割合(質量%)として求めた。
《ムーニー粘度、ムーニースコーチタイムの評価方法》
JIS K 6300−1:2001に準拠して行った。
なお、ムーニースコーチタイムの評価は、比較例1の値を100として指数表示した。ムーニー粘度(ML1+4)は、値が小さいほど混練時の作業性が良好であることを示し、ムーニースコーチタイムは、値が大きいほど混練後の作業性が良好であることを示す。
《応力緩和時間の測定方法》
上記ムーニー粘度(ML1+4)を測定した直後、ローター回転を停止し、ムーニー粘度の値が80%低減するまでに必要な時間(秒)を測定した。応力緩和時間(T80)の値が小さいほど、加工性に優れることを示す。
[製造例1:N−メチル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(加硫促進剤1)の合成]
N−t−ブチルメチルアミン14.1g(0.162mol)に12%次亜塩素酸ナトリウム水溶液148gを0℃以下で滴下し、2時間攪拌後油層を分取した。ビス(ベンゾチアゾール−2−イル)ジスルフィド39.8g(0.120mol)、N−t−ブチルメチルアミン24.3g(0.240mmol)および前述の油層を、メタノ−ル120mlに懸濁させ、還流下2時間攪拌した。冷却後、水酸化ナトリウム6.6g(0.166mol)で中和し、ろ過、水洗、減圧濃縮した後、再結晶することで目的とするBMBSを46.8g(収率82%)の白色固体(融点56〜58℃)として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ=1.32(9H,s,CH3(t−ブチル))、3.02(3H,s,CH3(メチル))、7.24(1H,m)、7.38(1H,m)、7.77(1H,m)、7.79(1H,m).
13C−NMR(100MHz,CDCl)δ=27.3、41.9、59.2、120.9、121.4、123.3、125.7、135.0、155.5、180.8.
質量分析(EI,70eV)m/z;252(M+)、237(M+−CH3)、223(M+−C26)、195(M+−C49)、167(M+−C512N)、86(M+−C74NS2)。
[製造例2:N−エチル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(BEBS、加硫促進剤2)の合成]
N−t−ブチルメチルアミンの代わりにN−t−ブチルエチルアミン16.4g(0.162mol)を用いて実施例1と同様に行い、BEBSを41.9g(収率66%)の白色固体(融点60〜61℃)として得た。
得られたBEBSのスペクトルデータを以下に示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ=1.29(t,3H,J=7.1Hz,CH3(エチル))、1.34(s,9H,CH3(t−ブチル))、2.9−3.4(br−d,CH2)、7.23(1H,m)、7.37(1H,m)、7.75(1H,m)、7.78(1H,m).
13C−NMR(100MHz,CDCl3)δ=15.12、28.06、47.08、60.41、120.70、121.26、123.23、125.64、134.75、154.93、182.63.
質量分析(EI、70eV):m/z;251(M+−CH4)、167(M+−C614N)、100(M+−C75NS2):IR(KBr,cm-1):3061,2975,2932,2868,1461,1429,1393,1366,1352,1309,1273,1238,1198,1103,1022,1011,936,895,756,727。
[製造例3:N−n−プロピル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(加硫促進剤3)の合成]
N−t−ブチルメチルアミンの代わりにN−n−プロピル−t−ブチルアミン18.7g(0.162mol)を用いて実施例1と同様に行い、N−n−プロピル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミドを白色固体(融点50〜52℃)として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ=0.92(t,J=7.3Hz,3H),1.34(s,9H),1.75(br,2H),3.03(brd,2H),7.24(t,J=7.0Hz,1H),7.38(t,J=7.0Hz,1H),7.77(d,J=7.5Hz,1H),7.79(d,J=7.5Hz,1H).
13C−NMR(100MHz,CDCl3)δ=11.7,23.0,28.1,55.3,60.4,120.7,121.3,123.3,125.7,134.7,154.8,181.3.
[製造例4:N−i−プロピル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(加硫促進剤4)の合成]
N−t−ブチルメチルアミンの代わりにN−i−プロピル−t−ブチルアミン18.7g(0.162mol)を用いて実施例1と同様に行い、N−i−プロピル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミドを白色固体(融点68〜70℃)として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ=1.20−1.25(dd,(1.22ppm:J=6.4Hz,1.23ppm:J=6.4Hz)6H),1.37(s,9H),3.78(m,J=6.3Hz,1H),7.23(t,J=7.0Hz,1H),7.38(t,J=7.0Hz,1H),7.77(d,J=7.5Hz,1H),7.79(d,J=7.5Hz,1H).
13C−NMR(100MHz,CDCl3)δ=22.3,23.9,29.1,50.6,61.4,120.6,121.2,123.2,125.6,134.5,154.5,183.3.
[製造例5:N,N−ジ−i−プロピルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(加硫促進剤5)の合成]
N−t−ブチルメチルアミンの代わりにN−ジ−i−プロピルアミン16.4g(0.162mol)を用いて実施例1と同様に行い、N,N−ジ−i−プロピルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミドを白色固体(融点57〜59℃)として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl)δ=1.26(d,J=6.5Hz,12H),3.49(dq,J=6.5Hz,2H),7.24(t,J=7.0Hz,1H),7.37(t,J=7.0Hz,1H),7.75(d,J=8.6Hz,1H),7.79(d,J=8.6Hz,1H).
13C−NMR(100MHz,CDCl3)δ=21.7,22.5,55.7,120.8,121.3,123.4,125.7,134.7,155.1,182.2.
質量分析(EI,70eV),m/z266(M+),251(M+−15),218(M+−48),209(M+−57),182(M+−84),167(M+−99),148(M+−118),100(M+−166:base).
[製造例6:N−n−ブチル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(加硫促進剤6)の合成]
N−t−ブチルメチルアミンの代わりにN−t−ブチル−n−ブチルアミン20.9g(0.162mol)を用いて実施例1と同様に行い、BBBSを42.4g(収率60%)の白色固体(融点55〜56℃)として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ=0.89(3H,t,J=7.32Hz,CH3(n−Bu))、1.2−1.4(s+m,11H,CH3(t−ブチル)+CH2(n−ブチル))、1.70(br.s,2H,CH2)、2.9−3.2(br.d,2H,N−CH2)、7.23(1H,m)、7.37(1H,m)、7.75(1H,m)、7.78(1H,m).
13C−NMR(100MHz,CDCl3)δ=14.0、20.4、27.9、31.8、53.0、60.3、120.6、121.1、123.1、125.5、134.6、154.8、181.2.
質量分析(EI,70eV)、m/z294(M+)、279(M+−CH3)、237(M+−C49)、167(M+−C818N)、128(M+−C74NS2):IR(neat):1707cm-1,3302cm-1
[製造例7:天然ゴム(NR−1)の製造]
(i)天然ゴムラテックスのペプチド結合分解工程
水136gにアニオン系界面活性剤[花王(株)製「デモール」、界面活性剤濃度は2.5質量%]24.7ml、プロテアーゼ(ノボザイムズ製「アルカラーゼ 2.5L、タイプDX」)の0.06gを加えて混合し、溶液を調製した。
次に、固形分20質量%の天然ゴムラテックス1000gをウォーターバス中にて40℃の恒温とし、攪拌しながら、該溶液を滴下し、5時間同温度で攪拌を続け、天然ゴムラテックス(A)を得た。
(ii)凝固・乾燥工程
酸凝固して得られたゴム分を、130℃に設定されたドラムドライヤーを5回通過させ、その後真空乾燥機にて40℃で8時間乾燥して天然ゴム(NR−1)を製造した。
[製造例8:天然ゴム(NR−2)の製造]
プロテアーゼの代わりにペプチターゼ(萬邦通商製「デビトラーゼ」)を用いた以外、製造例7と同様にして天然ゴムラテックス(B)を得た後、酸凝固・乾燥して天然ゴム(NR−2)を製造した。
[実施例1〜7]
2200mlのバンバリーミキサーを使用して、上記製造例で得た天然ゴム(NR−1またはNR−2)、上記製造例で得た加硫促進剤、硫黄、その他の配合剤を表1に示す配合処方で混練り混合して、未加硫のゴム組成物を調製し、上記の方法したがって、ムーニー粘度、ムーニースコーチタイム、応力緩和時間を測定した。結果を表1に示す。
[比較例1]
通常の天然ゴム(NR−3)(RSS#3素練りゴム:総窒素含有量0.42質量%)を使用し、加硫促進剤Aとして従来のもの(DCBS)を用いた以外、実施例1にしたがってゴム組成物を調製し、各項目につき測定した。結果を表1に示す。
[比較例2]
加硫促進剤として従来のもの(DCBS)を用いた以外、実施例1にしたがってゴム組成物を調製し、各項目につき測定した。結果を表1に示す。
Figure 2010121089
※1:カーボンブラックN326:青島亜東橡機有限公司製
※2:N−フェニル−N’−1,3−ジメチルブチル−p−フェニレンジアミン(ノクラック6C、大内新興化学工業(株)製)
※3:N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(ノクセラーDZ、大内新興化学工業(株)製)
表1の結果によれば、実施例1〜7はいずれも、従来の天然ゴムと従来の加硫促進剤とを併用した比較例1、および加硫促進剤のみ従来のものを用いた比較例2に比べ、良好なムーニー粘度とムーニースコーチタイムを発揮し、応力緩和時間を増大させ、加工性が向上されることがわかる。

Claims (12)

  1. 天然ゴムラテックスを脱蛋白処理して得られる天然ゴムであり、かつ該天然ゴム中の総窒素含有量が0.12〜0.30質量%であるように調整された天然ゴムを含むゴム成分と、式(I)で表されるスルフェンアミド系加硫促進剤と、硫黄とを含有してなることを特徴とするゴム組成物;
    Figure 2010121089
    (式(I)中、R1は、炭素数3〜12の分岐アルキル基を示し、R2は炭素数1〜10の直鎖アルキル基または炭素数3〜10の分岐アルキル基を示す。nは0または1を示し、xは1または2を示す。)。
  2. 前記天然ゴムが、脱蛋白処理後の天然ゴムラテックスを、非ゴム成分を遠心分離せずに凝固し、乾燥処理してなるものである請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記天然ゴムが、ゴムのムーニー粘度(ML1+4)及び応力緩和時間(T80)が、下記の式(A)及び式(B)を満たすものである請求項1または2に記載のゴム組成物;
    40≦ML1+4≦100 ・・・(A)
    80<0.0035exp(ML1+4/8.2)+20 ・・・(B)
    〔ただし、ML1+4は100℃におけるムーニー粘度測定値、T80はML1+4測定直後にローター回転を停止し、ML1+4の値が80%低減するまでに必要な時間(秒)である。〕。
  4. 前記ゴム成分100質量部に対し、前記スルフェンアミド系加硫促進剤を0.1〜10質量部の量で含有してなる請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物。
  5. 前記ゴム成分100質量部に対し、前記硫黄を0.3〜10質量部の量で含有してなる請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物。
  6. 前記式(I)中、R1がtert−アルキル基であり、かつnが0である請求項1〜5のいずれかに記載のゴム組成物。
  7. 前記式(I)中、R1がtert−アルキル基であり、かつR2が炭素数1〜6の直鎖アルキル基または炭素数3〜6の分岐アルキル基である請求項1〜6のいずれかに記載のゴム組成物。
  8. 前記式(I)中、R1がtert−アルキル基であり、R2が炭素数1〜6の直鎖アルキル基または炭素数3〜6の分岐アルキル基であり、かつnが0である請求項1〜7のいずれかに記載のゴム組成物。
  9. 前記式(I)中、R1がtert−アルキル基であり、R2がメチル基、エチル基またはn−プロピル基であり、かつnが0である請求項1〜6のいずれかに記載のゴム組成物。
  10. 前記ゴム成分が、ポリイソプレンゴムを含む請求項1〜9のいずれかに記載のゴム組成物。
  11. 前記ゴム成分100質量%中、前記天然ゴムを5質量%以上の量で含む請求項1〜10のいずれかに記載のゴム組成物。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載のゴム組成物をタイヤ部材に用いることを特徴とするタイヤ。
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