JP2010120857A - 皮膚外用剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡便な手法を用いて、肌なじみの良い、保存安定性の高い皮膚外用剤を提供する。
【解決手段】常温で液状の高級アルコールおよび/または常温で液状の高級脂肪酸、非イオン性親水性界面活性剤、水溶性二価アルコール、水を混合してラメラ液晶相を形成させ、該ラメラ液晶を水性溶媒で希釈することによって得られる皮膚外用剤。
【選択図】なし

Description

本発明は皮膚外用剤、特にその有効性と経時の安定性とを両立し、さらに塗布時の使用感触を向上させた皮膚外用剤に関する。
近年、製剤の皮膚に対する有効性の向上と、製剤の経時安定性の向上とを両立するために、油性成分を微細に乳化した皮膚外用剤の開発が実施されている。特に、皮膚に有効であると考えられている油性の成分を、乳化粒子内に配合したO/W型製剤の開発が盛んに行われている(特許文献1〜3)。
特開2003−113393号公報 特開2006−143656号公報 特開2008−120731号公報
特許文献1に記載の技術では角質層のバリア機能を高める目的で、セラミドを水性溶媒中に安定に分散配合しているが、この手法では界面活性剤等のバリエーションが限られるため、皮膚外用剤としての使用感触の表現幅が狭められており、満足のゆく使用感触を得るに至っていない。
特許文献2に記載の技術では、抗老化作用等の目的で補酵素Q10を配合しているが、この成分に比して界面活性剤の配合量が多く、肌に塗布した際のべたつきが避けられない。
特許文献3に記載の技術では、ベシクルを形成させてその中にセラミドを配合する手法が記載されているが、ベシクル部の組成バリエーションが限られ、多様な使用感触が表現できないおそれがある。
本発明の目的は、簡便な手法を用いて、肌なじみの良い、保存安定性の高い皮膚外用剤を提供することである。
上記事情を鑑み、本発明者等が鋭意検討を行った結果、常温で液状の高級アルコールおよび/または常温で液状の高級脂肪酸、非イオン性親水性界面活性剤、水溶性二価アルコール、水を混合してラメラ液晶相を形成させ、該ラメラ液晶を水性溶媒で希釈することによって得られる皮膚外用剤が、効果性、使用感触、製剤の安定性に優れていることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
1)次の成分(a)〜(d);
(a)常温で液状の高級アルコールおよび/または常温で液状の高級脂肪酸
(b)非イオン性親水性界面活性剤
(c)水溶性二価アルコール
(d)水
を混合してラメラ液晶相を形成させ、該ラメラ液晶を水性溶媒で希釈することによって、滴中の(a)の含有量が50重量%以上である脂肪滴を含有することを特徴とする皮膚外用剤、
2)さらに成分(e)および/または(f)を脂肪滴中に含む1)に記載の皮膚外用剤、
(e)フィトステロールおよび/またはコレステロール
(f)油溶性薬剤
3)さらに(g)抱水性油剤を脂肪滴中に含む1)または2)記載の皮膚外用剤、
4)水性成分中に分散された脂肪滴構成成分の総量が、組成物中0.1〜10重量%である1)〜3)のいずれかに記載の皮膚外用剤、
5)脂肪滴の平均粒径が、400nm以下である1)〜4)のいずれかに皮膚外用剤、
6)成分(a)が、イソステアリン酸および/またはイソステアリルアルコールである1)〜5)のいずれかに記載の皮膚外用剤、
7)成分(b)が、成分(b)が、ポリオキシエチレン(20〜100)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(10〜50)フィトステロールエーテル、ポリオキシエチレン(10〜50)ジヒドロコレステロールエーテルより選ばれる1種または2種以上の非イオン性親水性界面活性剤である1)〜6)のいずれかに皮膚外用剤、
に関する。
本発明によれば、常温で液状の高級アルコールおよび/または常温で液状の高級脂肪酸、非イオン性親水性界面活性剤、水溶性二価アルコール、及び必要によりフィトステロールおよび/またはコレステロール、油溶性薬剤、抱水性油剤を配合することにより、400nm以下の平均粒径を有する脂肪滴を形成させることができ、この脂肪滴を分散させた水性製剤は、油溶性薬剤による肌改善効果を期待できると同時に使用感触が良好であり、且つ経時の安定性が確保されている。
以下、本発明の実施の形態について詳述する。
本発明中の、常温で液状の高級アルコールおよび/または常温で液状の高級脂肪酸とは、15〜25℃の範囲で液状を呈し、皮膚外用剤として許容な高級アルコールおよび高級脂肪酸を指す。
本発明において、常温で液状の高級アルコールとしては、例えば、2−オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、ホホバアルコール、エライジルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール等が挙げられる。常温で液状の高級脂肪酸としては、例えば、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、2−オクチルドデカン酸等の、不飽和脂肪酸や分岐鎖を有する脂肪酸が挙げられる。これらは一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて用いることができる。
においや色などについて皮膚外用剤への影響の少ない、イソステアリルアルコール、イソステアリン酸が特に好適である。
本発明における、常温で液状の高級アルコールおよび/または常温で液状の高級脂肪酸は、皮膚外用剤全量に対し、0.1〜8重量%の範囲内で配合することが好ましく、さらに好ましくは0.5〜4重量%の範囲である。配合量が0.1重量%を下回ると、形成させ得る脂肪滴の量がごく微量になってしまい、本発明の優位性を発揮することができない。また、8重量%を上回ると脂肪滴を形成するために非イオン性親水性界面活性剤を多量に要し、皮膚に塗布した際にべたつく感触が表出してしまうばかりか、皮膚に対して刺激をもたらすおそれがあり、皮膚外用剤として好ましくない。
本発明中の、非イオン性親水性界面活性剤としてはポリオキシエチレン(以下、POE)付加タイプの界面活性剤が好適であり、例えば、POE(10〜50モル)フィトステロールエーテル、POE(10〜50モル)ジヒドロコレステロールエーテル、POE(10〜50モル)2−オクチルドデシルエーテル、POE(10〜50モル)デシルテトラデシルエーテル、POE(10〜50モル)オレイルエーテル、POE(10〜50モル)セチルエーテル、POE(5〜30モル)ポリオキシプロピレン(5〜30モル)2−デシルテトラデシルエーテル、POE(10〜50モル)ポリオキシプロピレン(2〜30モル)セチルエーテル、POE(20〜60モル)ソルビタンモノオレート、POE(10〜60モル)ソルビタンモノイソステアレート、POE(10〜80モル)グリセリルモノイソステアレート、POE(10〜30モル)グリセリルモノステアレート、POE(20〜100)ヒマシ油、POE(20〜100)硬化ヒマシ油、POE蜜ロウ誘導体、ポリオキシプロピレン変性シリコーン、POE・ポリオキシプロピレン変性シリコーン、POE・アルキル変性シリコーンなどが挙げられる。
経時安定性の高い製剤を提供することができる、POE(20〜100)硬化ヒマシ油、POE(10〜50モル)フィトステロールエーテル、POE(10〜50モル)ジヒドロコレステロールエーテルのうちの一種または二種以上を用いることが好適である。
非イオン性親水性界面活性剤は皮膚外用剤全量に対し、0.01〜2重量%の範囲内で配合することが好ましい。配合量が0.01重量%を下回ると、形成させ得る脂肪滴の量がごく微量になってしまい、本発明の優位性を発揮することができない。また、2重量%を上回ると、非イオン性親水性界面活性剤のべたつきを伴う感触が表出してしまうばかりか、皮膚に対して刺激をもたらすおそれがあり、皮膚外用剤として好ましくない。
POE(20〜100)硬化ヒマシ油として市販されているものとしては、NIKKOL HCO−60(日光ケミカルズ株式会社製)などが挙げられる。
POE(10〜50モル)フィトステロールエーテルとして市販されているものとしては、NIKKOL BPS−30(日光ケミカルズ株式会社製)などが挙げられる。
POE(10〜50モル)ジヒドロコレステロールエーテルとして市販されているものとしては、NIKKOL DHC−30(日光ケミカルズ株式会社製)などが挙げられる。
水溶性二価アルコールとしては、特に1,3−ブチレングリコールやジプロピレングリコールが好適である。
水溶性二価アルコールは皮膚外用剤全量に対し、0.1〜30重量%の範囲内で配合することが好ましい。0.1重量%を下回ると、形成させ得る脂肪滴の量が制限され、本発明の優位性を充分に発揮することができない。また30重量%を上回ると、皮膚に塗布した際に重い感触となってしまい好ましくないばかりか、皮膚に対して刺激をもたらすおそれがあり、皮膚外用剤として好ましくない。
水溶性二価アルコールは、配合される全量をラメラ液晶形成に用いても良いし、配合される一部のみをラメラ液晶形成に用いて、残量を水相へ直接配合しても良い。
本発明の皮膚外用剤は、抱水性油剤を配合することが好ましい。
抱水性油剤は、脂肪滴の安定化に寄与するのみならず、非イオン性親水性界面活性剤等による塗布時のべたつきをさらに抑制せしめるとともに、皮膚に対してオクルージョン効果をもたらすことによって皮膚の保湿性を高め、持続させることができる成分である。
抱水性を評価する指標として、抱水力の測定がある。抱水力の測定方法は、まず50℃に加熱した試料10gを100mlビーカーに秤り取り、ミキサーで撹拌しながら、50℃に加熱した水を徐々に添加する。水が試料から排液されてくるまで水の添加を続け、水が排液しない最大量(重量)を測定し、この数値を試料重量である10gで除し、100を掛けて抱水力(%)を算出する。本試験を5回以上繰り返し、得られた抱水力の平均値を採用した。
抱水性油剤としては、抱水性を有していればどのような油剤でも構わないが、抱水力の高い油剤ほど有効であり、抱水力が100%以上の油剤であると好ましい。本発明の実施に適用できる抱水性油剤の例として、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ラノリン脂肪酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、リシノール酸コレステリル、マカデミアナッツ油脂肪酸コレステリル等のコレステロールエステル、12−ヒドロキシステアリン酸フィトステリル、ラノリン脂肪酸フィトステリル、イソステアリン酸フィトステリル、リシノール酸フィトステリル、マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル等のフィトステロールエステル、ラノリン、ラノリンアルコール、水添ラノリンアルコール、ラノリン脂肪酸等のラノリン類、ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル、(ヒドロキシステアリン酸/イソステアリン酸)ジペンタエリスリチル等のジペンタエリトリット誘導体、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル又はフィトステリル/ベヘニル/オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル又はフィトステリル/オクチルドデシル)等のアミノ酸誘導体などが挙げられ、これらは一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
皮膚外用剤の使用感触に好影響を与えるため、特にコレステロールエステル、フィトステロールエステルが好適である。
抱水性油剤の配合量は脂肪滴に含有され得る量であれば差し支えないが、0.01〜5重量%の範囲内が好ましい。0.01重量%以下の配合量であると、抱水性油剤を配合する利点が充分に発揮されないおそれがある。また5重量%以上の配合を試みると、相対的に非イオン性親水性界面活性剤や水溶性二価アルコールの配合量が増大し、皮膚刺激をもたらすような製剤になってしまう可能性が高く、好ましくない。
本発明における脂肪滴には、前述の成分に加えてフィトステロールおよび/またはコレステロールを配合してラメラ液晶を得、さらに脂肪滴含有の製剤を調製することができる。これらは使用感触を損なうことなく、製剤に温度安定性を賦与することができるため有用である。
フィトステロールおよび/またはコレステロールの配合量は、脂肪滴に含有され得る量であれば差し支えないが、0.01〜1重量%の範囲内が好ましい。0.01重量%以下の配合量であると、フィトステロールおよび/またはコレステロールの製剤安定化に対する寄与が充分に得られないおそれがある。また1重量%以上の配合を試みると、製剤を皮膚に塗布した際にきしみ感を生じてしまい、本発明の本来の優位性を充分に発揮できないおそれが生ずる。
油溶性薬剤としては、例えば、セラミド1、セラミド2、セラミド3、セラミド4、セラミド5、セラミド6I、セラミド6IIなどのセラミド類、スフィンゴシン、フィトスフィンゴシン、スフィンゴ糖脂質、スフィンゴリン脂質などの脂質類、グリチルレチン酸、グリチルレチン酸アルキル、ベツリン酸、ベツリン酸アルキル、オレアノール酸、オレアノール酸アルキル、ウルソル酸、ウルソル酸アルキル、ウルソル酸ベンジルなどの環式トリテルペン化合物とその誘導体、グラブリジンなどのイソフラバン類、補酵素Qなどのベンゾキノン誘導体、チオクト酸などの酵素補助因子、β−カロチン、β−カロテン、リコピン、アスタキサンチンなどのカロテノイド、レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノールなどのレチノール誘導体、リボフラビン酪酸エステル、ジカプリル酸ピリドキシン、ジパルミチン酸ピリドキシン、ジラウリン酸ピリドキシンなどのビタミンB類縁化合物の誘導体、ジパルミチン酸アスコルビル、テトラヘキシルデカン酸アスコルビルなどのアスコルビン酸誘導体、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロールなどのビタミンD関連化合物、トコフェロール類、酢酸トコフェロールなどのトコフェロール誘導体などが挙げられる。
本発明中の脂肪滴は、難油溶性薬剤を安定に配合せしめることも特長のひとつであるため、そのような薬剤、すなわちセラミド類、環式トリテルペン化合物類またはその誘導体の配合が好適である。油溶性薬剤は、この脂肪滴の構成成分として配合すると、薬剤の変質や結晶析出などの不安定化を抑えることができ、塗布した際に、皮膚に対する所期の有効性を発揮することができる。
油溶性薬剤の配合量は脂肪滴に含有され得る量であれば差し支えないが、0.001〜3重量%の範囲内が好ましい。0.001重量%以下の配合量であると、油溶性薬剤の皮膚に対する有効性が充分に発揮されないおそれがある。また3重量%以上の配合を試みると、相対的に非イオン性親水性界面活性剤や水溶性二価アルコールの配合量が増大し、皮膚刺激をもたらすような製剤になってしまう可能性が高く、好ましくない。
本発明において、ラメラ液晶を形成させる際に配合しうる成分であるフィトステロールおよび/またはコレステロール、油溶性薬剤、抱水性油剤は、製剤の安定性や効果性、使用感触の改善に役立つが、配合の際、これらの合計量が多すぎることでラメラ液晶の形成を阻害してしまうことのないよう、留意する必要がある。ラメラ液晶の形成を阻害しないために、これらの成分の合計量を、5重量%以下とするのが好ましい。
本発明の皮膚外用剤中の脂肪滴は、平均粒子径400nm以下である方が、肌なじみがよくべたつきのない使用感触を呈し、皮膚外用剤として好ましい。
また、この脂肪滴を平均粒径250nm以下に調整することで、低粘性の製剤、たとえばローション状の製剤中でも経時によるクリーミング等の不安定化を起こさず、安定性の高い製剤を得ることができる。
脂肪滴の平均粒子径は、本発明の要件を満たした組成および製造方法であれば、どれだけ小さくても構わないが、実施上限界がある。好ましくは120nm以上である。
皮膚外用剤に含まれる前述の脂肪滴の配合割合は、好ましくは0.1〜10重量%であり、さらに好ましくは0.5〜5重量%である。0.1重量%より少量であると、脂肪滴に由来する使用感触の良さが発揮されず、また充分量の油溶性薬剤および抱水性油剤を配合することができないために不適である。10重量%よりも多量であると、非イオン性親水性界面活性剤の配合量を増さざるを得ないため、使用時のべたつきが増すばかりでなく、皮膚刺激をもたらすおそれがある。
この脂肪滴の構成成分の割合としては、常温で液状の高級アルコールおよび/または常温で液状の高級脂肪酸(成分(a))が、50重量%以上含まれている必要がある。ここで、脂肪滴の構成成分とは、成分(a)、非イオン性親水性界面活性剤(成分(b))、フィトステロールおよび/またはコレステロール(成分(e))、油溶性薬剤(成分(f))、抱水性油剤(成分(g))、およびその他の脂肪滴に取り込まれると考えられる油性成分および界面活性剤である。本発明に配合される水溶性二価アルコール(成分(c))や水(成分(d))は、形成させたラメラ液晶相を水性溶媒で希釈した際に、水性溶媒中に混和すると考えられるため、上記の「脂肪滴の構成成分」には該当しないものとする。
脂肪滴の構成成分に含まれる成分(a)が、50重量%より少ない構成割合であると、安定で微小な脂肪滴が形成できないばかりか、非イオン性親水性界面活性剤や油溶性薬剤などの割合が増すことによってべたつき感や皮膚刺激を発生させるおそれがある。また、この脂肪滴には抱水性油剤や油溶性薬剤および、一般に皮膚外用剤によく用いられている油剤を配合することもできるが、このような油剤を多量に配合して成分(a)の構成割合が50重量%未満となると、肌なじみが悪化し、従来の一般的な皮膚外用剤と変わらない使用感触となってしまうおそれがある。
脂肪滴の構成成分に含まれる成分(a)の割合は、50重量%よりも大きければ差し支えないが、実際の実施にあたっては成分(b)の配合が必須であり、また更なる安定性や感触改善のために成分(e)〜(g)を配合することもあるため、50〜80重量%の範囲内が好ましい。60〜80重量%の範囲内とすることが更に好ましい。
ラメラ液晶を形成させるためには、常温で液状の高級アルコールおよび/または常温で液状の高級脂肪酸(成分(a)、配合量を「a」と記す)、非イオン性親水性界面活性剤(成分(b)、配合量を「b」)、水溶性二価アルコール(成分(c)、配合量を「c」)、水(成分(d)、配合量を「d」)の相互の配合比率を調整することが極めて重要である。たとえば、a/bの値は1〜5、c/dの値は1〜5、a/cの値は0.8〜2.5の範囲内であると、ラメラ液晶を形成させやすい。液晶相の出現は温度に強く依存するため、ラメラ液晶に配合する油溶性薬剤の熱安定性や、添加する抱水性油剤やそのほかの油性成分の溶解性に考慮したうえで、一定の温度下で液晶相を調製することが望ましい。調製温度は皮膚外用剤の調合に適する範囲内であれば特に限定されないが、0℃〜90℃の範囲が現実的であり、ラメラ液晶の形成のしやすさから15℃〜80℃の範囲が好ましく、20℃〜40℃の範囲がさらに好ましい。
本発明で述べているラメラ液晶とは、界面活性剤と水(および、場合によっては油性成分などの他成分)が形成する、相(フェーズ)を指す。ラメラ液晶の形成は古くからひろく知られている[参考文献1((社)日本化学会編、妹尾学/辻井薫著「界面活性の化学と応用」、大日本図書(株)発行、1995年1月30日、参考p82)、参考文献2(界面活性剤評価・試験法編集委員会編、社団法人 日本油化学会発行、平成14年9月10日、参考p76)]。
ラメラ液晶の形成は、一般的に、小角X線散乱(SAXS)測定を実施して、規則構造の面間隔を測定することで確認することができる。また、二枚の直交させた偏光板の間に試料を置いて、一方の偏光板を通して光を照射したときに、他方の偏光板を光が抜けること、すなわち試料の旋光性を確認することで、ラメラ液晶相の存在を簡易に確かめることができる。
本発明の皮膚外用剤は、本発明の効果を損なわない限り、その他の成分を配合することができる。その他の成分として、油性成分が挙げられる。
油性成分は脂肪滴内に配合することができるが、使用感触を損なわない範囲に配合することが望ましい。油性成分の種類は特に制限されず、天然物由来のものでも合成のものでもよく、液体でも固体でもよい。液体の油性成分としては例えば、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリイソオクタン酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、イソパルミチン酸オクチル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸ヘキシル、イソステアリン酸ミリスチル、オクタン酸イソセチル、イソオクタン酸セチル、オクタン酸イソステアリル、イソノナン酸イソデシル、ジメチルオクタン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸オレイル、エルカ酸イソステアリル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸オクチル、パルミチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソセチル、パルミチン酸オクチル、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸デシル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、セバシン酸ジオクチル、12−ステアロイルオキシステアリン酸オクチルドデシル、ステアロイルグルタミン酸ジオクチルドデシル、アジピン酸ジオクチル、リンゴ酸ジイソステアリル、乳酸オクチルドデシル、乳酸イソステアリル、パラジメチルアミノ安息香酸オクチル、流動パラフィン、スクワラン、イソパラフィン、α−オレフィンオリゴマー、ポリブテン、オレイルアルコール、2−オクチルドデカノール、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン、テトラデカメチルヘキサシロキサン、ヘキサデカメチルヘプタシロキサンなどのジメチルポリシロキサン類;オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、テトラデカメチルシクロヘプタシロキサンなどの環状ポリシロキサン類;メチルフェニルポリシロキサンなどが挙げられる。
また、常温で固体の油性成分を配合することができる。例えば、ベヘニルアルコール、ステアリルアルコール、セチルアルコール等の高級アルコール類、ベヘニン酸、ステアリン酸、ミリスチン酸等の高級脂肪酸類、カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、牛骨脂、モクロウ核油、硬化油、牛脚脂、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、カポックロウ、サトウキビロウ、ラウリン酸ヘキシル、ジョジョバロウ、セラックロウ、マイクロクリスタリンワックスなどを、脂肪滴の構造を損なわない範囲内において、単独または組み合わせて配合することができる。
さらにその他の油性成分として、油溶性の紫外線吸収剤を配合することもできる。油溶性紫外線吸収剤としては、メトキシ桂皮酸オクチル、メトキシ桂皮酸ブチル、メトキシ桂皮酸イソプロピル、トリメトキシ桂皮酸メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルイソペンチル、ジパラメトキシ桂皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、2,4,6−トリス[4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]1,3,5−トリアジン、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸ナトリウム、サリチル酸オクチル、サリチル酸ホモメンチル、メチルベンジリデンカンファー、2−シアノ−3,3−ジフェニルプロパ−2−エン酸−2−エチルへキシルエステル、2,4−ビス{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)1,3,5−トリアジン、2,2’−メチレン−ビス{6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール}などが挙げられる。これらは一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明において、その他の界面活性剤として、本発明の効果を損なわない範囲において、さらに親油性ノニオン界面活性剤を配合すると、長期安定性を高めることができる場合がある。親油性ノニオン界面活性剤は脂肪滴の構成成分のひとつとして、長期安定性の向上にはたらく。
親油性ノニオン界面活性剤として、例えば、ソルビタンモノオレート、ソルビタンセスキオレート、ソルビタントリオレート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンセスキイソステアレート、グリセリルモノオレート、グリセリルモノイソステアレート、グリセリルジイソステアレート、グリセリルモノエルケートジグリセリンモノオレート、ジグリセリンジオレート、ジグリセリンモノイソステアレート、ジグリセリンジイソステアレート、デカグリセリンペンタオレート、デカグリセリンペンタイソステアレート、デカグリセリンデカオレート、デカグリセリンデカイソステアレート、ショ糖モノオレート、POE(2モル)モノオレート、POE(6モル)ジイソステアレート、POE(3〜10モル)ヒマシ油等が挙げられる。
本発明の皮膚外用剤は、幅広い粘度の組成物を包含するが、これらのうち、30℃における粘度が2,000mPa・s以下である組成物は、化粧水として特に有用である。なぜならば、粘性を付与するためにはカルボキシビニルポリマーやキサンタンガム等の増粘剤を配合する方法が一般的であり、これらは粘性を付与できる代わりに、皮膚に塗布した際にべたつき感を生じることがあるため、場合によっては本発明の特長のひとつである使用感触の良さを損なうおそれがあるためである。
本発明の水中油型乳化組成物には上記成分のほか、一般の皮膚外用剤に用いられる成分、例えばタルク、カオリン、雲母、シリカ、ゼオライト等の無機粉末;ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、セルロース粉末等の有機粉末;二酸化チタン、酸化亜鉛等の無機白色顔料;酸化鉄(ベンガラ)等の無機赤色系顔料;黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料;黒酸化鉄、カーボンブラック等の黒色系顔料;酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等の無機緑色系顔料;群青、紺青等の無機青色系顔料;酸化チタンコーテッドマイカ、着色酸化チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等のパール顔料;アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等の金属粉末顔料;赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、及び青色404号等の有機顔料;赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号及び青色1号などのジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料;クロロフィル、β−カロチン等の天然色素;アラビアガム、トラガントガム、ガラクタン、グアガム、キャロブガム、カラヤガム、ジェランガム、カラギーナン等の植物系高分子;キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等の微生物系高分子;コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等の動物系高分子;カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子;メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース等のセルロース系高分子;アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子;ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドンとビニルアセテート共重合物、カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子;ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリル酸アルカノールアミン、アルキルメタクリレートとジメチルアミノエチルメタクリレート共重合物、ポリ2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ポリメタクリロイルオキシトリメチルアンモニウム等のアクリル系高分子、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンをモノマーとして含む高分子、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、アスコルビン酸グルコシド、ビタミンB6塩酸塩などの水溶性ビタミン類、キレート剤、殺菌剤、抗炎症剤、防腐剤、植物抽出液、アミノ酸、清涼剤等の薬剤、グリセリン、ジグリセリン、それ以上の分子量のポリグリセリン類;ソルビトール、マンニトール、マルチトール、キシリトール、エリスリトール等の糖アルコール類、フルクトース、グルコース、ガラクトース、マルトース、ラクトース、トレハロース等の糖類、エタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコールなどを本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合できる。
脂肪滴に配合され得る常温で液状の高級脂肪酸は、事前に、または脂肪滴内に配合して水性成分中に分散した後に、中和剤によって中和しても差し支えない。
中和剤としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属類の水酸化物、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、L−アルギニン、L−リジン、モルホリン、N−アルキルタウリン塩などの塩基性窒素含有化合物などが挙げられ、これらのうち一種又は二種以上を組み合わせて配合することができる。
本発明の皮膚外用剤は、安全性が高く塗布感触が良好なので、特に化粧料として好適に用いられる。例えば化粧水、美容液、乳液、クリーム、パック等の顔用化粧料、サンスクリーン化粧料、ボディー化粧料、香水などの芳香化粧料、浴用剤など、従来皮膚外用剤として用いることが知られているものであれば、いずれの形でも適用することもできる。
本発明について以下に具体的な実施例を挙げてさらに詳述するが、本発明はこれにより何ら限定されるものではない。配合量は特記しない限り、その成分が配合される系に対する重量%で示す。
実施例に先立ち、本発明における評価方法及び評価基準について述べる。
(1)平均乳化粒子径
脂肪滴の粒子の大きさが光学顕微鏡で判別できないほど小さい場合は、濃厚系粒径アナライザーFPAR−1000(大塚電子株式会社製)を用いて平均乳化粒子径を測定した。光学顕微鏡で目視できる乳化粒子の場合は、最も大きな粒子の径を確認した。
(2)長期安定性
0℃、室温、40℃及び50℃の各温度条件下に1ヶ月間保存後、目視により評価する。
◎:各温度で外観変化、粘度変化、分離等の異常は全く認められない。
○:50℃で保存の場合、僅かに外観変化、粘度変化、分離等の異常が認められる。
△:40℃及び50℃で保存の場合、外観変化、粘度変化、分離等の異常が認められる。
×:いずれの温度下でも、外観変化、粘度変化、分離等の異常が認められる。
(3)使用性
女性パネル20名に、調製直後の組成物の使用性について官能評価してもらい、次の基準に従って評価する。
◎:べたつきのない使用感触で且つ保湿効果があると評価したパネルが16名以上
○:べたつきのない使用感触で且つ保湿効果があると評価したパネルが10〜15名
△:べたつきのない使用感触で且つ保湿効果があると評価したパネルが6〜9名
×:べたつきのない使用感触で且つ保湿効果があると評価したパネルが5名以下
表1に示す組成の水中油型乳化組成物を以下の製法によって調製した。適宜加温して成分1〜4、6および7をよく混合して均一な油相とした。この油相を30℃に調整し、成分5を混合してラメラ液晶を形成させた。ラメラ液晶組成物をよく攪拌しながら、これに成分8を徐々に加え、皮膚外用剤とした。ラメラ液晶組成物の攪拌には特殊な機器を用いる必要はなく、一般的に汎用されているマグネティックスターラーあるいはモーターによる回転攪拌装置を使用した。得られた皮膚外用剤の特性を、上述の方法により評価した。
Figure 2010120857
表1の実施例1〜5のいずれもが、ラメラ液晶形成を経る製法で調製された、脂肪滴を有する製剤であり、使用性が良好であった。脂肪滴の粒子も非常に小さく、低粘度の製剤においても高い安定性を示した。
表2に示す組成の水中油型乳化組成物を以下の製法によって調製した。適宜加温して成分1〜4、6および7をよく混合して均一な油相とした。この油相を30℃に調整し、成分5を混合した。これに成分8を徐々に加え、皮膚外用剤とした。得られた皮膚外用剤の特性を、上述の方法により評価した。
Figure 2010120857
比較例1は成分8((d)成分)を加えずに、すなわちラメラ液晶相を形成させずに油相と水性溶媒とを混合した例である。脂肪滴が形成されないので使用感触に優れないばかりか、油滴が粗大な粒子となっているために、クリーミング等が発生する不安定な製剤となった。
比較例2は、植物性スクワランが多量に配合されたために、成分1((a)成分)の脂肪滴中における構成割合が50重量%を下回った例である。使用感触に多大な影響を及ぼしてしまい、本発明の優位点である使用感触の良さを打ち消してしまっている製剤しか得られなかった。
比較例3は成分1および2((a)成分)の配合量が少ないために、(a)成分の脂肪滴中における構成割合が50重量%を下回った例である。安定性の高い製剤ではあるが、非イオン性親水性界面活性剤の相対的な配合量が増えたために、べたつきのある伸びの悪い感触の製剤となってしまった。
比較例4は成分1、2((a)成分)の代わりに、常温で液状ではない成分3を用いた例である。調製中に成分3が析出してしまい、ラメラ液晶、脂肪滴の形成はまったく見られず、皮膚外用剤としても不適といえる製剤となってしまった。
比較例5は成分4((b)成分)の代わりに、親水性ではない非イオン性界面活性剤である成分5を用いた例である。ラメラ液晶を形成することができず、すなわち脂肪滴の形成にも至らず、粗大な油滴粒子を含有した不安定な製剤しか得られなかった。
比較例6は成分6((c)成分)の代わりに、成分7を用いた例である。ラメラ液晶の形成には二価アルコールが必須であり、三価アルコールである成分7は不適切であった。
(実施例6)
化粧水
(配合成分) (重量%)
1)イソステアリン酸 2.0
2)POE(60モル)硬化ヒマシ油 0.6
3)フィトステロール 0.2
4)マカデミアナッツ脂脂肪酸フィトステリル 0.05
5)セラミド2 0.02
6)1,3−ブチレングリコール 1.2
7)イオン交換水 0.5
8)クエン酸 0.02
9)クエン酸ナトリウム 0.08
10)エデト酸ナトリウム 0.01
11)フェノキシエタノール 適 量
12)ペンチレングリコール 適 量
13)グリセリン 5.0
14)マルチトール 1.5
15)ソルビトール70%水溶液 1.0
16)イオン交換水 残 余
(製造方法)
A:成分1〜5を均一溶解した後、30℃で成分6と7を混合しラメラ液晶を形成させた。
B:成分8〜16を均一溶解し、攪拌したAに添加して化粧水を得た。
実施例6の化粧水は、脂肪滴中に含まれる成分1の割合が70%であり、また脂肪滴の平均粒子径は185nmであった。この化粧水は使用感触に優れており、同時に経時安定性にも優れた皮膚外用剤であった。
(実施例7)
化粧水
(配合成分) (重量%)
1)オレイン酸 0.4
2)オレイルアルコール 0.2
3)イソステアリルアルコール 0.2
4)POE(30モル)フィトステロールエーテル 0.3
5)コレステロール 0.08
6)メトキシ桂皮酸エチルヘキシル 0.1
7)1,3−ブチレングリコール 0.6
8)ジプロピレングリコール 0.2
9)イオン交換水 0.25
10)クエン酸 0.1
11)クエン酸ナトリウム 0.9
12)フェノキシエタノール 0.15
13)ヘキシレングリコール 0.1
14)ヘキサメタリン酸ソーダ 0.05
15)グリセリン 7.0
16)ヒドロキシプロリン 0.2
17)加水分解ヒアルロン酸 0.1
18)1,3−ブチレングリコール 5.0
19)ジプロピレングリコール 2.0
20)キサンタンガム 0.1
21)ヒアルロン酸 0.04
22)イオン交換水 残 余
(製造方法)
A:成分1〜6を均一溶解した後、30℃で成分7〜9を混合しラメラ液晶を形成させた。
B:成分10〜22を均一溶解し、攪拌したAに添加して化粧水を得た。
実施例7の化粧水は、脂肪滴中に含まれる成分1〜3の割合が60%であり、また脂肪滴の平均粒子径は212nmであった。この化粧水は使用感触に優れており、同時に経時安定性にも優れた皮膚外用剤であった。
(実施例8)
ジェル状美容液
(配合成分) (重量%)
1)イソステアリン酸 3.0
2)POE(60モル)硬化ヒマシ油 0.8
3)POE(30モル)硬化ヒマシ油 0.1
4)ジラウロイルグルタミン酸リシンNa 0.02
5)大豆ステロール 0.25
6)テトラヘキシルデカン酸アスコルビル 0.1
7)β−グリチルレチン酸 0.02
8)チオクト酸 0.04
9)ラウロイルグルタミン酸ジ(コレステリル/オクチルドデシル) 0.08
10)ジプロピレングリコール 1.7
11)イオン交換水 0.6
12)フェノキシエタノール 0.1
13)エチルパラベン 0.15
14)EDTA−3Na 0.01
15)グリセリン 5.0
16)カルボマー 0.3
17)(アクリル酸/アクリル酸アルキル(C10−30))コポリマー 0.15
18)PCA−Na 0.5
19)1,3−ブチレングリコール 7.0
20)ジプロピレングリコール 2.5
21)キサンタンガム 0.18
22)ヒアルロン酸 0.2
23)水酸化カリウム 0.17
24)イオン交換水 残余
(製造方法)
A:成分1〜9を均一溶解した後、30℃で成分10および11を混合しラメラ液晶を形成させた。
B:成分24の一部(20重量%程度)を、攪拌したAに添加して脂肪滴分散液を得た。
C:成分12〜23および24の残分を常法により溶解・混合し、透明ジェルベースを得た。
D:BとCとを常温でよく混合し、白濁した美容ジェルを得た。
実施例8のジェル状美容液は、脂肪滴中に含まれる成分1の割合が68%であり、また脂肪滴の平均粒子径は235nmであった。この化粧水は使用感触に優れており、同時に経時安定性にも優れた皮膚外用剤であった。
(実施例9)
美白用美容液
(配合成分) (重量%)
1)イソステアリン酸 2.0
2)イソステアリルアルコール 0.3
3)POE(30モル)フィトステロールエーテル 0.4
4)POE(40モル)オレイルエーテル 0.1
5)大豆ステロール 0.15
6)酢酸トコフェロール 0.02
7)ニコチン酸トコフェロール 0.02
8)アスタキサンチン 0.04
9)パルミチン酸レチノール 0.02
10)油溶性カンゾウエキス 0.2
11)1,3−ブチレングリコール 1.4
12)イオン交換水 0.5
13)フェノキシエタノール 0.1
14)ヘキシレングリコール 0.3
15)ココイルアルギニンエチルPCA 0.01
16)ピロ亜硫酸Na 0.01
17)グリセリン 5.0
18)カルボマー 0.3
19)カラギーナン 0.05
20)アルブチン 3.0
21)1,3−ブチレングリコール 6.0
22)MPCポリマー溶液 0.3
23)水酸化カリウム 0.17
24)イオン交換水 残余
※ MPCポリマー溶液とは、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)とメタクリル酸ブチルとをモノマー(構成比8:2の割合)とする共重合体(分子量60万)の5%水溶液を指す。日本油脂株式会社製。
(製造方法)
A:成分1〜10を均一溶解した後、30℃で成分11および12を混合しラメラ液晶を形成させた。
B:成分24の一部(20重量%程度)を、攪拌したAに添加して脂肪滴分散液を得た。
C:成分13〜23および24の残分を常法により溶解・混合し、透明ジェルベースを得た。
D:BとCとを常温でよく混合し、白濁した美白用美容液を得た。
実施例9の美白用美容液は、脂肪滴中に含まれる成分1および2の割合が71%であり、また脂肪滴の平均粒子径は220nmであった。この美容液は使用感触と美白効果に優れており、同時に経時安定性にも優れた皮膚外用剤であった。

Claims (7)

  1. 次の成分(a)〜(d);
    (a)常温で液状の高級アルコールおよび/または常温で液状の高級脂肪酸
    (b)非イオン性親水性界面活性剤
    (c)水溶性二価アルコール
    (d)水
    を混合してラメラ液晶相を形成させ、該ラメラ液晶を水性溶媒で希釈することによって、滴中の(a)の含有量が50重量%以上である脂肪滴を含有することを特徴とする皮膚外用剤。
  2. さらに成分(e)および/または(f)を脂肪滴中に含む請求項1に記載の皮膚外用剤。
    (e)フィトステロールおよび/またはコレステロール
    (f)油溶性薬剤
  3. さらに(g)抱水性油剤を脂肪滴中に含む請求項1または2記載の皮膚外用剤。
  4. 水性成分中に分散された脂肪滴構成成分の総量が、組成物中0.1〜10重量%である請求項1〜3のいずれか一項に記載の皮膚外用剤。
  5. 脂肪滴の平均粒径が、400nm以下である請求項1〜4のいずれか一項記載の皮膚外用剤。
  6. 成分(a)が、イソステアリン酸および/またはイソステアリルアルコールである請求項1〜5のいずれか一項記載の皮膚外用剤
  7. 成分(b)が、ポリオキシエチレン(20〜100)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(10〜50)フィトステロールエーテル、ポリオキシエチレン(10〜50)ジヒドロコレステロールエーテルより選ばれる1種または2種以上の非イオン性親水性界面活性剤である請求項1〜6のいずれか1項記載の皮膚外用剤。
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