JP2010119070A - 位相雑音補償受信機 - Google Patents

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Abstract

【課題】シングルキャリアで周波数領域等化を用いた伝送方式において,受信信号の位相が位相雑音により大きく変動する環境においても,高信頼な伝送を実現できる受信機を提供する。
【解決手段】初回チャネル推定器2により送受信で既知なパイロット信号を用いて受信信号からチャネル推定値を求め,判定指向形位相雑音推定器17により,誤り訂正復号後の信号を用いて生成された送信信号レプリカとチャネル推定値を用いて,局部発振器で発生する位相雑音を推定し,位相雑音補償器4により推定された位相雑音を用いて受信信号から位相雑音を取り除くことで,周波数領域等化前に位相雑音を除去することができ,誤り訂正復号結果を用いて判定指向形位相雑音推定器17と位相雑音補償器4により位相雑音補償を繰り返し行うことで位相雑音をほぼ完全に除去することが可能で,位相雑音に対して非常に優れた耐性を持つ位相雑音補償受信機を実現する。
【選択図】図1

Description

本発明は,局部発振器によって発生する位相雑音を補償する受信機に関するものである.
一般に,無線機器では情報を担うベースバンド信号を高周波である無線周波数バンドに変換する必要がある.そのため,無変調の高周波キャリア信号が必要である.このキャリア信号は局部発振器を用いて生成しているので局部発振信号と呼ばれている.ベースバンド信号と局部発振信号とを用いて直交変調器により得られる変調された信号のキャリア成分は正弦波であり,その周波数はキャリア周波数と呼ばれており,局部発振信号の周波数に等しい.キャリア成分の周波数と位相は局部発振信号に直接関係している.
また,無線通信においては無線周波数(RF)帯域が逼迫しており,より高い周波数の周波数帯域を目指して伝送方式の研究開発が行われている.さらに,近年の微細加工技術の進展に伴って,RF−CMOS集積化による無線機器の小形化,低価格化が進んでいる.しかしながら,これらの高周波化やシリコンCMOSなどによる集積化によって,一般に局部発振器の位相雑音が増大し,変調された信号のキャリア位相変動が増大してしまうという問題がある.
ところで,近年,60GHz帯ミリ波を用いて近距離通信を実現するため,IEEE802.15.3cにより無線PANの標準化が進められている.IEEE802.15.3cでは伝搬路においてマルチパスが存在し,遅延波を等化する必要があるため,OFDM(直交周波数分割多重)と,シングルキャリア周波数領域等化(SC−FDE)が採用されている.SC−FDEは従来のシングルキャリア(SC)伝送に加えて,送信側で変調信号系列の後半の一部を前方に付加するサイクリック・プレフィクス(CP)を導入し,受信側で受信信号を高速フーリエ変換(FFT)してOFDMのように周波数領域で等化を行い,等化された信号を逆高速フーリエ変換(IFFT)して通常のSC伝送と同じように信号検出を行う方式である.
OFDMはシンボル長の長い狭帯域サブキャリア信号に分割して伝送を行うため,位相雑音の影響を非常に受けやすいことが知られている.これは位相雑音によりFFT周期内において受信信号の位相変動が発生し,その結果,サブキャリア間でキャリア間干渉(ICI)が発生して伝送特性が劣化するためである.そのため,位相雑音の影響を低減するOFDM受信機の検討が盛んに行われている.
一方,通常のSC伝送では,広帯域の単一キャリアにより信号を伝送するため,マルチパス遅延波を等化するための複雑な等化器は必要となるが,各サンプルにおける位相雑音の影響はそんなに大きくないため,等化後の判定信号を用いて位相雑音に対して追従し補償を行うことが容易であることが知られている.
SC−FDE伝送では,複雑な等化器を周波数領域等化(FDE)に置き換え,長いマルチパス遅延波に対しても少ない演算量で等化を行うことができるが,一方,受信機ではFFT処理が必要となるため,OFDMと同様に位相雑音によりFFT区間内において受信信号の位相変動が発生し,伝送特性が劣化する.FDEでは,FFT区間内の変調信号をブロックとして一括で等化するため,通常のSC伝送用に提案された等化後の判定信号を用いて位相雑音を補償する方法を適用しても大きな位相変動があった後のため,判定誤りが多く,良好な伝送特性を実現することはできない.従って,SC−FDE伝送用の位相雑音補償技術を有する受信機が必要不可欠である.
無線周波数の高周波化に伴い移動通信や無線LANにおいても4GHz以上のキャリア周波数へ高周波化の検討が進められている.さらに,近距離な超高速無線回線を実現するため,60GHz帯のミリ波周波数の検討も進められている.しかしながら,これらの高周波化に伴って,一般に局部発振器の位相雑音が増大し,変調された信号のキャリア位相変動が増大する.例えば,60GHzミリ波帯用のシリコン・ゲルマニュウム(SiGe)で作成された局部発振器の位相雑音スペクトル電力は,そのキャリア周波数からのオフセット周波数が1MHzのとき,局部発振信号電力に対して,−85から−90dBc/Hz程度である.また,シリコン(Si)CMOSを用いた場合やRF−CMOSの高集積化に伴ってその位相雑音は更に増加する可能性がある.
このように位相雑音が増大すると,一般に受信側で信号判定に用いられる受信信号において位相変動が増大し,伝送特性が大幅に劣化する.特に,多値QAM等の高能率変調方式を実現する上で非常に問題となる.また,SC−FDEではFFTを用いてFDEを行うため,受信処理区間が長くなり,位相雑音の影響が顕著となる.さらに,複数の送受信アンテナを用いて信号を空間多重するMIMOとSC−FDEを組み合わせると,その影響が非常に深刻な問題となる.
本発明は,このような課題に鑑みてなされたものであり,SC−FE伝送において受信信号における位相雑音成分を推定し除去することで,位相雑音が大きい環境においても高信頼な伝送を実現する位相雑音補償受信機を提供することを目的とする.
本発明の位相雑音補償受信機は,シングルキャリアで周波数領域等化を用いた伝送において,送受信で既知なパイロット信号を用いて受信信号からチャネル推定値を求める初回チャネル推定器と,判定信号,或いは,誤り訂正復号後の信号から生成された送信信号レプリカと上記チャネル推定値を用いて,局部発振器で発生する位相雑音を推定する判定指向形位相雑音推定器と,推定された位相雑音を用いて受信信号から位相雑音を除去する位相雑音補償器とを有し,上記位相雑音補償器により周波数領域等化前に位相雑音を除去し,誤り訂正復号の結果を用いて位相雑音の推定と補償を繰り返すことで伝送特性を改善できることにより上述目的は達成される.
また,本発明の上述目的は,判定指向形位相雑音推定器が,上記送信信号レプリカと上記チャネル推定値を用いて位相雑音を含まない受信信号レプリカを生成し,受信信号と上記受信信号レプリカとの平均2乗誤差が最小になるように逐次最小2乗法により位相雑音を推定することにより,或いは,判定指向形位相雑音推定器において,逐次最小2乗法により推定した位相雑音に対して逆方向のスムージングを適用することで推定精度を向上することにより,或いは,初回チャネル推定器において,推定した上記チャネル推定値に対して,閾値より小さい場合にはチャネル推定値を0とし,閾値より大きい場合にはチャネル推定値をそのままとするパス検出を行い,チャネル推定の推定精度を向上することにより,或いは,位相雑音補償受信機が,上記位相雑音補償器によって位相雑音が除去された受信信号と上記送信信号レプリカを用いて,逐次最小2乗法により上記パス検出で閾値より大きいチャネル推定値のみに対して推定を行う判定指向形チャネル推定器を有し,上記判定指向形チャネル推定器が推定したチャネル推定値を上記判定指向形位相雑音推定器で用いることにより,或いは,位相雑音補償受信機が,周波数領域等化後に時間領域において判定帰還形適応等化器を導入し,上記適応等化器のタップ係数を逐次最小2乗法により適応的に制御することで,位相雑音補償と等化の性能向上を同時に実現することにより一層効果的に達成される.
本発明は,以下に記載されるような効果を奏する.
請求項1記載の発明である位相雑音補償受信機によれば,SC−FDE伝送において受信信号における位相雑音成分を誤り訂正復号後の信号を利用して推定し除去することで,位相雑音が大きい環境においても高信頼なSC−FDE伝送を実現できる.
以下,本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する.
図1〜図2は発明を実施する形態の一例であって,図中の同一の名称を付した部分は同一物を表わしている.
まず,位相雑音補償受信機に係る第1の発明を実施するための最良の形態について説明する.図1に位相雑音補償受信機の機能構成を示し,また,図2に従来のSC−FDE送信機の機能構成を示す.位相雑音補償受信機の説明を容易にするため,SC−FDE送信機について簡単に説明する.SC−FDE送信機は情報ビット入力端子19に接続された巡回冗長検査(CRC)符号器20と,誤り訂正符号器21と,インターリーバ22と,変調信号生成器23と,送信信号出力端子25に接続されたCP挿入器24とから構成される.SC−FDEで伝送する情報ビット系列は情報ビット入力端子19から入力され,まず,CRC符号器20によりCRC符号化される.その後,CRC符号化されたビット系列は誤り訂正符号器21により誤り訂正符号化され,さらに,インターリーバ22によりインターリーブされる.なお,誤り訂正符号器21は特定の符号化率を実現するため,誤り訂正符号化されたビット系列の一部を送信しない間引き処理(パンクチャリング)も行っている.変調信号生成器23はインターリーブされたビット系列を多値PSKや多値QAM等の変調信号に割り当てる.最後に,SC−FDE送信機は,受信機でFDEを行えるようにするため,CP挿入器24によりCPを挿入する.CPはガード・インターバル(GI)とも呼ばれる.通常は,CPはFFT区間の変調信号系列の後方の一部を前方に付加することで実現される.一方,IEEE802.15.3cではFFT区間の変調信号系列の後方に既知なパイロット信号を挿入し,さらに,前方にそのパイロット信号を挿入することでCPとして機能させる.また,パケット伝送を仮定し,パケットの先頭に送受信で既知なプリアンブルが時間多重される.プリアンブルは,タイミング及び周波数同期用のパイロット信号とチャネル推定用のパイロット信号から構成される.
次に,位相雑音補償受信機について説明する.図1に示すように位相雑音補償受信機は受信信号入力端子1に接続された初回チャネル推定器2と,初回位相雑音推定器3と,位相雑音補償器4と,FFT器5と,周波数領域等化器6と,IFFT器7と,判定器8と,デインターリーバ9と,誤り訂正復号器10と,受信ビット出力端子12に接続されたCRC復号器11と,誤り訂正符号器13と,インターリーバ14と,変調信号生成器15と,CP挿入器16と,判定指向形位相雑音推定器17とから構成される.なお,本受信機はタイミング及び周波数同期はプリアンブルにより理想的に行えているとして,以降の説明を行う.実際にはそれらの同期処理が必要となる.
まず,サンプリングされたベースバンド受信信号は,受信信号入力端子1から入力される.初回チャネル推定器2は入力された受信信号からチャネル推定用のパイロット信号が挿入されている部分を抽出し,チャネル(伝送路)のインパルス応答を推定する.次に,そのチャネル推定値と受信信号は初回位相雑音推定器3に入力され,CPとして挿入されているパイロット信号を用いて,各FFT区間における位相雑音を推定する.推定された位相雑音は位相雑音補償器4により用いられ,推定された位相雑音の複素共役を受信信号に対して乗算することで位相雑音の補償を行う.位相雑音補償された受信信号はFFT器5により周波数領域の受信信号に変換され,さらに,周波数領域等化器6によりチャネル推定値をFFTした伝達関数を用いて等化される.等化された信号はIFFT器7により時間信号に変換された後,判定器8により軟判定される.デインターリーバ9は出力された軟判定値に対してデインターリーブを行い,誤り訂正復号器10に出力する.誤り訂正復号器10はその軟判定値を用いて誤り訂正復号を行い,受信された情報ビット系列を取り出し,CRC復号器11に出力する.CRC復号器11において,受信された情報ビット系列に対してCRCによりパケット内における判定誤りの検出が行われる.誤りがなかった場合には受信された情報ビット系列を受信ビット出力端子12により出力される.また,誤りがあった場合には受信機は繰り返し処理へと移行する.なお,以上の一連の受信処理を繰り返し処理に対して初回処理と呼ぶ.
繰り返し処理では,誤り訂正復号器10から出力される受信された情報ビット系列を用いて図2のSC−FDE送信機と同様に送信信号を生成する.なお,この送信信号は受信機で生成されるため,送信信号レプリカと呼ばれる.誤り訂正符号器13は受信された情報ビット系列を符号化し,インターリーバ14によりインターリーブされた後,変調信号生成器15により変調信号にマッピングされる.さらに,CP挿入器によりCPが挿入され,送信信号レプリカが生成される.ここでは,受信された情報ビット系列を用いて送信信号レプリカは生成する例を説明したが,誤り訂正復号器10から出力される符号化されたビットの軟判定値(対数尤度比)を用いる場合には,誤り訂正符号器13は不要となり,その軟判定値はインターリーブ後に変調信号にマッピングされる.また,判定器8から出力される軟判定値を直接,変調信号にマッピングさせる方法も可能である.生成された送信信号レプリカは,初回チャネル推定器2で推定されたチャネル推定値と一緒に判定指向形位相雑音推定器17により用いられ,位相雑音が推定される.判定指向形位相雑音推定器17で推定された位相雑音は再度,位相雑音補償器4により用いられ,位相雑音補償が行われる.その際には(繰り返し処理では),初回位相雑音推定器3で推定した位相雑音は用いない.FFT器5からCRC復号器11までで行われる以降の受信処理は初回処理と同様である.なお,繰り返し処理はCRCにより誤りが検出されなくなるか,予め決められた最大の繰り返し回数まで行われる.その間,受信信号はメモリに蓄えられ,受信信号入力端子1から繰り返し入力される.
以上のことから,本発明を実施するための最良の形態によれば,判定指向形位相雑音推定器17により誤り訂正復号後の信号から生成される送信信号レプリカを用いて位相雑音を推定し,位相雑音補償器4によりFFT前の受信信号から推定した位相雑音を取り除くことで位相雑音を補償し,位相雑音に対して優れた耐性を持った受信機を実現することができる.
次に,位相雑音補償受信機に係る第2と第3の発明を実施するための最良の形態について説明する.判定指向形位相雑音推定器17は,まず,送信信号レプリカとチャネル推定値を用いて位相雑音を含まない受信信号レプリカを生成する.位相雑音を含まない受信信号は送信信号とチャネルのインパルス応答の畳み込み積分となるため,送信信号レプリカと各パスのチャネル推定値を乗算し,全パス分加算することで位相雑音を含まない受信信号レプリカを生成することができる.さらに,位相雑音は乗法性の雑音であるため,位相雑音を含まない受信信号に対して位相雑音を乗算し,熱雑音を加算することで,受信信号は表現できる.従って,位相雑音を推定する一つの複素パラメータとして,受信信号と位相雑音を含まない受信信号レプリカの差を誤差信号とすると,誤差信号の平均2乗誤差が最小になるように逐次最小2乗法により位相雑音を推定することができる.逐次最小2乗法としてLMSアルゴリズムを用いる場合には,収束速度を決定するパラメータであるステップサイズを比較的大きめに設定することで変動の大きな位相雑音に対しても追従が可能である.すなわち,位相雑音のレベルに合わせて,或いは,誤り訂正復号の結果における判定誤りの量を考慮してLMSアルゴリズムのステップサイズを適応的に変更させることで,位相雑音の推定精度を向上できる.
さらに,逐次最小2乗法により推定した位相雑音に対して逆方向の逐次スムージングを適用する.LMSアルゴリズム等の逐次最小2乗法は過去のデータサンプルを用いて現在のパラメータを推定するため,未来のデータサンプルは用いられない.しかしながら,位相雑音補償受信機の繰り返し処理では,すでに誤り訂正復号した結果がわかっており,過去と未来の全てのデータサンプルを使用できる状態にある.そこで,FFT区間において逐次最小2乗法により推定した各サンプリング時刻における位相雑音を,未来から過去方向,すなわち,FFT区間の最終サンプルから最初のサンプルへ指数重み付け平均することでスムージングを実現する.実際にはこの処理は逐次的に行われ,指数重み付け平均の忘却係数を(1−LMSアルゴリズムのステップサイズ)とすることで実現する.また,推定された位相雑音の大きさは必ず1となるため,最終的な推定値を正規化する.なお,処理遅延は大きくなるものの,LMSアルゴリズムをパケットの最初から最後まで行い,その後,スムージングをパケットの最後から最初まで行っても良い.
以上のことから,本発明を実施するための最良の形態によれば,判定指向形位相雑音推定器17において,計算量の少ないLMSアルゴリズム等の逐次最小2乗法により位相雑音を推定でき,さらに,逆方向の逐次スムージングより逐次最小2乗法を用いない未来データサンプルを使用することで位相雑音の推定精度を更に向上することできる.
位相雑音補償受信機に係る第4と第5の発明を実施するための最良の形態について説明する.初回チャネル推定器2は,受信信号とチャネル推定用のパイロット信号を用いて,チャネルのインパルス応答を推定する.IEEE802.15.3cではチャネル推定用のパイロット信号としてGolay符号が用いられているため,受信信号とGolay符号の相互相関値を計算することでチャネルのインパルス応答を推定することができる.なお,この手法ではマルチパス遅延の影響を無視できるようにするため,データ区間と同様にプリアンブル区間においてもCPを導入する必要がある.推定されたチャネルのインパルス応答であるチャネル推定値はCPのサンプル数と同程度パラメータ数となり,実際にはパスが存在せず,熱雑音や位相雑音により発生する推定誤差のみであるものもある.従って,それらの推定値を除外してチャネル推定の精度を向上させるため,有効なパスのみを抽出するパス検出を行う.チャネル推定値の大きさが閾値より小さい場合には,無効なパスとしてチャネル推定値を0とし,チャネル推定値の大きさが閾値より大きい場合には,有効なパスとしてそのチャネル推定値を保持し,また,その推定値のパス番号を有効パスとして記録する.さらに,有効なパスの最大遅延量についても求め,その値も初回位相雑音推定器3に出力する.なお,閾値は熱雑音電力及び位相雑音の分散に基づいて決定する.
繰り返し処理において判定指向形チャネル推定器18は,図1のように判定指向形位相雑音推定器17及び位相雑音補償器4により位相雑音が除去された受信信号と送信信号レプリカを用いてチャネル推定を行う.その際,推定精度の向上と計算量の削減の観点から,初回チャネル推定器2で検出された有効なパスのみに対してチャネル推定を行う.位相雑音が除去された受信信号が,チャネルのインパルス応答と送信信号との畳み込み成分で表現できるので,位相雑音が除去された受信信号のレプリカをチャネル推定値と送信信号レプリカの乗算により生成し,位相雑音が除去された受信信号とそのレプリカとの誤差の平均2乗値が最小になるように逐次最小2乗法によりチャネル推定値を求める.逐次最小2乗法としてLMSアルゴリズムを用いる場合には,ステップサイズを比較的小さめに設定することで,チャネルの変動がほとんどない場合には平均化効果によりチャネルの推定精度を向上できる.また,ある程度のチャネルの変動がある場合には,ステップサイズを大きくすることで変動に追従できる.また,判定指向形チャネル推定器18により初回チャネル推定器2より推定精度が向上したチャネル推定値を判定指向形位相雑音推定器17で用いることで更に位相雑音の推定精度も向上できる.
以上のことから,本発明を実施するための最良の形態によれば,初回チャネル推定器2において,チャネル推定値に対して閾値による有効パスの検出を行うことで,チャネル推定値の精度を向上でき,判定指向形チャネル推定器18における推定パラメータ数を減らすことができる.その結果,判定指向形チャネル推定器18におけるチャネル推定値の精度の向上と計算量の削減が実現でき,また,そのチャネル推定値を判定指向形位相雑音推定器17で用いることで位相雑音の推定精度も向上することができる.
位相雑音補償受信機に係る第6の発明を実施するための最良の形態について説明する.周波数領域等化はFFT区間において一定の係数により等化を行うため,位相雑音が残留している場合には,そのIFFT後の出力には符号間干渉と位相雑音による変動が発生する.それを取り除くため,図3のように判定帰還形適応等化器26をIFFT器7の直後に導入し,判定器8の出力をフィードバックして利用する.さらに,判定帰還形適応等化器のタップ係数を逐次最小2乗法により適応的に制御することで位相雑音補償と等化の性能向上を同時に実現する.なお,判定帰還形適応等化器を周波数領域で導入することもできるが,その際にはFFT区間における全変調信号の判定値をフィードバックする必要があるため,送信信号レプリカを利用して判定帰還形適応等化を実現する.
以上のことから,本発明を実施するための最良の形態によれば,位相雑音が残留しており,周波数領域等化では完全に等化が行えない場合に,IFFT器の出力に対して判定帰還形適応等化を導入することで,位相雑音補償と等化の性能向上を同時に実現できる.
なお,上述した各発明を実施するための最良の形態に限らず,本発明の要旨を逸脱することなくその他種々の構成を採り得ることはもちろんである.
本発明による位相雑音補償受信機の機能構成を示すブロック図. 本発明によるシングルキャリア送信機の機能構成を示すブロック図. 本発明による判定帰還形適応等化器を用いた位相雑音補償受信機の機能構成を示すブロック図.
符号の説明
1:受信信号入力端子,2:初回チャネル推定器,3:初回位相雑音推定器,4:位相雑音補償器,5:FFT器,6:周波数領域等化器,7:IFFT器,8:判定器,9:デインターリーバ,10:誤り訂正復号器,11:CRC復号器,12:受信ビット出力端子,13:誤り訂正符号器,14:インターリーバ,15:変調信号生成器,16:CP挿入器,17:判定指向形位相雑音推定器,18:判定指向形チャネル推定器,19:情報ビット入力端子,20:CRC符号器,21:誤り訂正符号器,22:インターリーバ,23:変調信号生成器,24:CP挿入器,25:送信信号出力端子,26:判定帰還形適応等化器

Claims (6)

  1. シングルキャリアで周波数領域等化を用いた伝送において,送受信で既知なパイロット信号を用いて受信信号からチャネル推定値を求める初回チャネル推定器と,判定信号,或いは,誤り訂正復号後の信号から生成された送信信号レプリカと上記チャネル推定値を用いて,局部発振器で発生する位相雑音を推定する判定指向形位相雑音推定器と,推定された位相雑音を用いて受信信号から位相雑音を除去する位相雑音補償器とを有し,上記位相雑音補償器により周波数領域等化前に位相雑音を除去し,誤り訂正復号の結果を用いて位相雑音の推定と補償を繰り返すことで伝送特性を改善できることを特徴とする位相雑音補償受信機.
  2. 請求項1記載の判定指向形位相雑音推定器が,上記送信信号レプリカと上記チャネル推定値を用いて位相雑音を含まない受信信号レプリカを生成し,受信信号と上記受信信号レプリカとの平均2乗誤差が最小になるように逐次最小2乗法により位相雑音を推定することを特徴とする位相雑音補償受信機.
  3. 請求項2記載の判定指向形位相雑音推定器において,逐次最小2乗法により推定した位相雑音に対して逆方向のスムージングを適用することで推定精度を向上することを特徴とする位相雑音補償受信機.
  4. 請求項1記載の初回チャネル推定器において,推定した上記チャネル推定値に対して,閾値より小さい場合にはチャネル推定値を0とし,閾値より大きい場合にはチャネル推定値をそのままとするパス検出を行い,チャネル推定の推定精度を向上することを特徴とする位相雑音補償受信機.
  5. 請求項1記載の位相雑音補償受信機が,上記位相雑音補償器によって位相雑音が除去された受信信号と上記送信信号レプリカを用いて,逐次最小2乗法により上記パス検出で閾値より大きいチャネル推定値のみに対して推定を行う判定指向形チャネル推定器を有し,上記判定指向形チャネル推定器が推定したチャネル推定値を上記判定指向形位相雑音推定器で用いることを特徴とする位相雑音補償受信機.
  6. 請求項1記載の位相雑音補償受信機が,周波数領域等化後に時間領域において判定帰還形適応等化器を導入し,上記適応等化器のタップ係数を逐次最小2乗法により適応的に制御することで,位相雑音補償と等化の性能向上を同時に実現することを特徴とする位相雑音補償受信機.
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