JP2010111271A - タイヤモデルの作成方法及びタイヤモデルの作成用コンピュータプログラム - Google Patents

タイヤモデルの作成方法及びタイヤモデルの作成用コンピュータプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】固有値解析して得られた複数の基底タイヤモデルを用いて評価に供するタイヤモデルを作成する場合、評価に供するタイヤモデルの形状の制限を小さくすること。
【解決手段】ステップS101で基本タイヤモデルを作成し、ステップS102で材料定数を設定する。次に、基本タイヤモデルよりも高い剛性を有するバックグラウンドモデルを作成し、ステップS104で材料定数を設定する。そして、ステップS105で基本タイヤモデルをバックグラウンドモデルへ埋め込み、ステップS106で、基本タイヤモデル及び基本タイヤモデルを埋め込んだバックグラウンドモデルを固有値解析する。ステップS107で、得られた各固有モードの基底形状から複数の基底タイヤモデルを作成する。そして、ステップS108で、この複数の基底タイヤモデルを組み合わせて、評価に供する評価用タイヤモデルを作成する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、コンピュータを用いてタイヤの諸性能を評価するタイヤのシミュレーションに関し、さらに詳しくは、前記シミュレーションに用いるタイヤモデルを作成することに関する。
タイヤの開発期間を短縮し開発コストを低減させるため、近年は、コンピュータを用いたシミュレーションによってタイヤの性能を評価する技術が用いられている。この場合、タイヤを、コンピュータで解析可能な解析モデル化する必要がある。例えば、特許文献1には、タイヤの有限要素モデルに対して固有値解析を実行して複数の基底タイヤモデルを作成し、これらの線形和によって新たな形状のタイヤモデルを作成する技術が開示されている。
特開2002−15010号公報
ところで、タイヤはゴムを金属繊維や有機繊維等の繊維材料で強化した複合材料であって、それぞれの材料の材料特性が異なり、また、タイヤは、ゲージの寸法も異なる。このため、実際のタイヤに基づいて作成されたタイヤモデルに対して固有値解析を実行すると、タイヤが複合材料であることに起因した剛性分布やタイヤゲージの寸法の影響等を受けた固有モードが抽出されてしまう。これによって、固有値解析において、タイヤモデルの変形する場所が、例えば、剛性の低い部分に特定されてしまい、全体が均等に変形しない形状の基底形状が抽出されることになる。
その結果、適切な基底タイヤモデルを作成できず、複数の基底タイヤモデルを組み合わせて必要なタイヤモデルを作成する場合には、作成したいタイヤモデルの形状に制限が生ずるおそれがある。この点について、特許文献1には開示も示唆もされておらず、改善の余地がある。本発明は、コンピュータで解析可能なタイヤモデルを固有値解析して得られた複数の基底タイヤモデルを用いてタイヤモデルを作成するにあたり、複数の基底タイヤモデルを用いて作成できるタイヤモデルの形状の制限を小さくすることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るタイヤモデルの作成方法は、コンピュータで解析可能な基本タイヤモデルを作成するとともに、当該基本タイヤモデルを含むことができ、かつ前記基本タイヤモデルよりも高い剛性を有する、コンピュータで解析可能なバックグラウンドモデルを作成する手順と、前記基本タイヤモデルを前記バックグラウンドモデルへ埋め込む手順と、前記基本タイヤモデル及び前記基本タイヤモデルを埋め込んだ前記バックグラウンドモデルを固有値解析して、複数の基底タイヤモデルを作成する手順と、前記基本タイヤモデルと、前記複数の基底タイヤモデルのうちから少なくとも一つとを組み合わせて、評価用タイヤモデルを作成する手順と、を含むことを特徴とする。
本発明の好ましい態様としては、前記タイヤモデルの作成方法において、前記バックグラウンドモデルの剛性に関する材料定数は、前記基本タイヤモデルの剛性に関する材料定数の2倍以上であることが望ましい。
本発明の好ましい態様としては、前記タイヤモデルの作成方法において、前記基本タイヤモデルを構成する部材の剛性に関する材料定数の大きさを略同一とすることが望ましい。
本発明の好ましい態様としては、前記タイヤモデルの作成方法において、前記基本タイヤモデルを構成する補強材の剛性に関する材料定数を、前記基本タイヤモデルを構成するゴム材料の剛性に関する材料定数と略同じ大きさとすることが望ましい。
本発明の好ましい態様としては、前記タイヤモデルの作成方法において、前記バックグラウンドモデルは、前記基本タイヤモデルの空洞部分に相当する領域を有することが望ましい。
本発明の好ましい態様としては、前記タイヤモデルの作成方法において、前記バックグラウンドモデルは、子午断面の形状が扇形であることが望ましい。
本発明の好ましい態様としては、前記タイヤモデルの作成方法において、前記バックグラウンドモデルは、前記基本タイヤモデルのカーカスラインの一部を、前記基本タイヤモデルの踏面の径方向外側の位置と、前記基本タイヤモデルの内面の径方向内側の位置とに配置して構成されることが望ましい。
本発明の好ましい態様としては、前記タイヤモデルの作成方法において、前記バックグラウンドモデルの所定の領域に存在する節点には、完全固定の境界条件を設定して、前記固有値解析を実行することが望ましい。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るタイヤモデルの作成用コンピュータプログラムは、前記タイヤモデルの作成方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
本発明は、コンピュータで解析可能なタイヤモデルを固有値解析して得られた複数の基底タイヤモデルを用いてタイヤモデルを作成するにあたり、複数の基底タイヤモデルを用いて作成できるタイヤモデルの形状の制限を小さくできる。
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の内容によりこの発明が限定されるものではない。また、以下の構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。本発明の適用対象は空気入りタイヤに限られず、本発明はタイヤ全般に対して適用できる。
図1は、タイヤの回転軸を通る子午断面を示す断面図である。タイヤ1の子午断面には、カーカス2、ベルト3、ベルトカバー4、ビードコア5が現れている。タイヤ1は、母材であるゴムを、強化材であるカーカス2、ベルト3、あるいはベルトカバー4等の補強コードによって補強した複合材料の構造体である。ここで、カーカス2、ベルト3、ベルトカバー4等の、金属繊維や有機繊維等のコード材料で構成される層を、コード層という。
カーカス2は、タイヤ1に空気を充填した際に圧力容器としての役目を果たす強度メンバーである。そして、カーカス2は、その内圧によって荷重を支え、走行中の動的荷重に耐えるようになっている。ベルト3は、キャップトレッドとカーカス2との間に配置されたゴム引きコードを束ねた補強コードの層である。なお、バイアスタイヤの場合にはブレーカと呼ぶ。ラジアルタイヤにおいて、ベルト3は形状保持及び強度メンバーとして重要な役割を担っている。
ベルト3の接地面側には、ベルトカバー4が配置されている。ベルトカバー4は、例えば有機繊維材料を層状に配置したものであり、ベルト3の保護層としての役割や、ベルト3の補強層としての役割を持つ。ビードコア5は、内圧によってカーカス2に発生するコード張力を支えているスチールワイヤの束である。ビードコア5は、カーカス2、ベルト3、ベルトカバー4及びトレッドとともに、タイヤ1の強度部材となる。
キャップトレッド6の踏面9側には、溝7が形成される。これによって、雨天走行時の排水性を向上させる。また、タイヤ1の側部はサイドウォール8と呼ばれており、ビードコア5とキャップトレッド6との間を接続する。また、キャップトレッド6とサイドウォール8との間はショルダー部Shである。次に、本実施形態に係るタイヤモデルの作成方法を実行する装置について説明する。
図2は、本実施形態に係るタイヤモデル作成装置の構成を示す説明図である。図2に示すタイヤモデル作成装置50が、本実施形態に係るタイヤモデルの作成方法を実行し、本実施形態に係るタイヤモデルを作成する。タイヤモデル作成装置50は、処理部50pと記憶部50mとを備えて構成される。処理部50pと記憶部50mとは、入出力部(I/O)59を介して接続してある。
処理部50pは、モデル作成部51と、解析部52とを含んで構成される。これらが本実施形態に係るタイヤモデルの作成方法を実行する。モデル作成部51と、解析部52とは入出力部59に接続されており、相互にデータをやり取りできるように構成されている。また、入出力部59には、端末装置60が接続されている。そして、本実施形態に係るタイヤモデルの作成方法を実行するために必要な情報、例えば、タイヤ1を構成するゴムの物性値や繊維材料の物性値、あるいは固有値解析等における条件等が、端末装置60に接続された入力装置61から、入出力部59を介してタイヤモデル作成装置50へ与えられる。また、入出力部59は、タイヤモデル作成装置50からタイヤモデル作成データを受け取る。そしてタイヤモデル作成装置50は、入出力部59を介して、端末装置60に接続された表示装置62に、完成したタイヤモデルを表示する。
記憶部50mには、後述する本実施形態に係るタイヤモデルの作成方法の処理手順を含むコンピュータプログラムや材料物性等のデータが格納されている。ここで、記憶部50mは、RAM(Random Access Memory)のような揮発性のメモリ、フラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ、あるいはこれらの組み合わせにより構成できる。また、処理部50pは、メモリ及びCPU(Central Processing Unit)により構成できる。また、記憶部50mは、処理部50pに内蔵されるものであっても、他の装置(例えばデータベースサーバ)内にあってもよい。このように、上記タイヤモデル作成装置50は、通信回線を介して、端末装置60から処理部50pや記憶部50mにアクセスするものであってもよい。
上記コンピュータプログラムは、処理部50pが備えるモデル作成部51や解析部52へ既に記録されているコンピュータプログラムとの組み合わせによって、本実施形態に係るタイヤモデルの作成方法の処理手順を実現できるものであってもよい。また、このタイヤモデル作成装置50は、前記コンピュータプログラムの代わりに専用のハードウェアを用いて、処理部50pが備えるモデル作成部51や解析部52の機能を実現するものであってもよい。次に、このタイヤモデル作成装置50を用いて、本実施形態に係るタイヤモデルの作成方法を実現する手順を説明する。
図3は、本実施形態に係るタイヤモデルの作成方法の手順を示すフローチャートである。図4は、基本タイヤモデルの全体を示す斜視図である。図5は、図4に示すタイヤモデルの子午断面一部を示す一部断面図である。図6、図7は、本実施形態に係るタイヤモデルの作成方法において、基底タイヤモデルを作成する手順の説明図である。図8−1、図8−2、図8−3は、本実施形態に係るタイヤモデルの作成方法において、基本タイヤモデルをバックグラウンドモデルへ埋め込む手法の説明図である。
本実施形態に係るタイヤモデルの作成方法を実行するにあたり、ステップS101において、まず、タイヤモデル作成装置50が備える処理部50pのモデル作成部51は、コンピュータで解析可能な基本タイヤモデル10M(図4、図5)を作成する。本実施形態に係るタイヤモデルの作成方法では、このタイヤモデルに対して固有値解析を実行することで、複数の基底形状タイヤモデルを作成する。以下において、ステップS101で作成される基本タイヤモデル10Mを、基本タイヤモデル10Mという。
本実施形態において、基本タイヤモデル10Mとは、有限要素法や有限差分法等の数値解析手法を用いて固有値解析を行い、基底タイヤモデルを作成するために用いる、コンピュータで解析可能なモデル(解析モデル)である。基本タイヤモデル10Mには、数学的モデルや数学的離散化モデルが含まれる。なお、本実施形態では、タイヤモデルを作成する際に用いる解析手法として、有限要素法(Finite Element Method:FEM)を使用する。有限要素法は、構造解析に適した解析手法なので、特にタイヤのような構造体に対して好適に適用できる。
ステップS101において、モデル作成部51は、タイヤを複数の節点で構成される有限個の要素に分割して、図4、図5に示す基本タイヤモデル10Mを作成する。本実施形態においては、基本タイヤモデル10M及び基本タイヤモデル10Mから作成された基底タイヤモデルを用いて作成されたタイヤモデルを用いて転動解析や静荷重解析等を実行するので、基本タイヤモデル10Mは、図4に示すような3次元形状とする。
図5は、基本タイヤモデル10Mの回転軸(Y軸)を含む平面で基本タイヤモデル10Mを切った場合の断面(子午断面)のうち、赤道面に対して一方を示している。図5に示す基本タイヤモデル10Mは、2次元の解析モデルとして把握することもできる。本実施形態では、3次元の基本タイヤモデル10Mを作成し、これに対して固有値解析を実行することにより、複数の3次元の基底タイヤモデルを作成する。しかし、これに限定されず、例えば、2次元の基本タイヤモデル10Mを作成し、これをY軸(タイヤの回転軸)の周りに360度展開して、3次元の基本タイヤモデル10Mを作成してもよい。
基本タイヤモデル10Mを構成する要素には、例えば2次元平面では四辺形要素、3次元体では四面体ソリッド要素、五面体ソリッド要素、六面体ソリッド要素等のソリッド要素や三角形シェル要素、四角形シェル要素等のシェル要素、面要素等、コンピュータで用い得る要素とすることが望ましい。このようにして分割された要素は、解析の過程においては、3次元モデルでは3次元座標を用いて、2次元モデルでは2次元座標を用いて逐一特定される。
モデル作成部51は、解析に用いる手法(本実施形態では有限要素法)に基づき、性能(例えば、耐摩耗性能や耐偏摩耗性能等)を評価するタイヤを有限個の要素E1、E2、・・・En等に分割して、基本タイヤモデル10Mを作成する。なお、1〜nは要素の番号であり、個別の要素を示す場合を除いて番号は省略し、単に要素Eという。図5に示すように、それぞれの要素Eは、複数の節点N1によって構成される(図5においては一部の節点N1のみ示す)。例えば、2次元の解析モデルにおいて要素Eが四辺形要素である場合、一つの要素Eは4個の節点N1で構成される。また、3次元の解析モデルにおいて要素Eが六面体要素である場合、一つの要素Eは8個の節点N1で構成される。作成された基本タイヤモデル10Mは、モデル作成部51が記憶部50mへ格納する。
基本タイヤモデル10Mが作成されたらステップS102へ進む。ステップS102において、モデル作成部51は、基本タイヤモデルの材料定数を設定する。本実施形態においては、基本タイヤモデル10Mの変形する場所が限定されないように、すなわち、全体が一様に変形するように、基本タイヤモデル10Mを構成するそれぞれの部材(例えば、キャップトレッド、カーカスやベルト等)の材料定数(剛性に関する材料定数)が設定される。これによって、基本タイヤモデル10Mを固有値解析する際に、タイヤが複合材料であることによる剛性分布等の影響を低減する。剛性に関する材料定数は、例えば、弾性材料、あるいは弾性域であれば弾性係数を用いる。また、応力とひずみとの関係が非線形である材料の場合、剛性に関する材料定数を関数で表現してもよい。
本実施形態において、固有値解析において、基本タイヤモデル10Mの全体が一様に変形することが実現できれば、その範囲において、基本タイヤモデル10Mを構成する部材の材料定数が異なっていてもよい。しかし、タイヤが複合材料であることによる剛性分布等の影響をより効果的に低減するためには、基本タイヤモデル10Mを構成するそれぞれの部材の材料定数の大きさを揃えることが好ましい。より具体的には、基本タイヤモデル10Mを構成する部材の材料定数の大きさを略同一(±5%以内、好ましくは±1%以内)、好ましくは同一にする。
タイヤが複合材料であることによる剛性分布等の影響を低減するという観点から、基本タイヤモデル10Mには、補強を目的とした著しく剛性の高い材料(例えば、補強材であるベルトやカーカス等)を含まないようにすることが好ましい。このため、基本タイヤモデル10Mを構成するそれぞれの部材の材料定数を揃えるにあたって、基本タイヤモデル10Mを構成する補強材の材料定数を、基本タイヤモデル10Mを構成するゴム材料の材料定数と略同じ大きさ(±5%以内、好ましくは±1%以内)、好ましくは同一にすることが好ましい。モデル作成部51は、記憶部50mに格納されている基本タイヤモデル10Mの材料定数の情報に、上述したような材料定数を設定して、設定した材料定数の情報を記憶部50mへ格納する。
ステップS102において、基本タイヤモデル10Mの材料定数が設定されたらステップS103へ進む。ステップS103において、モデル作成部51は、図6、あるいは図7に示すバックグラウンドモデル(以下、必要に応じてBGモデルという)11M、11Maを作成する。なお、ステップS103においては、BGモデル11MあるいはBGモデル11Maのいずれか一方が作成されればよい。本実施形態において、BGモデル11M、11Maは、タイヤの形状、すなわち、基本タイヤモデル10Mの形状を模擬でき、かつ基本タイヤモデル10Mを内部に含むことのできる形状の解析モデルである。
基本タイヤモデル10Mと同様に、BGモデル11M、11Maは、コンピュータで解析可能なモデル(解析モデル)であって、解析に用いる手法(本実施形態では有限要素法)に基づいて、複数の節点N2、N3で構成される有限個の要素11E、11Eaで構成される。BGモデル11M、11Maを構成する複数の要素11E、11Eaの種類は、基本タイヤモデル10Mで説明した通りなので、説明を省略する。なお、図6、図7に示すBGモデル11M、11Maでは、一部の節点N2、N3及び一部の要素11E、11Eaを表示する。
図6、図7において、BGモデル11M、11Maは、それぞれ子午断面形状であって、赤道面の一方の側が示される。BGモデル11M、11Maが基本タイヤモデル10Mの形状を模擬できるとは、BGモデル11M、11Maが、基本タイヤモデル10Mの空洞部分Iに相当する領域(以下、バックグラウンドモデル空洞部分という)Dを有するということである。さらに、BGモデル11M、11Maは、内周面と外周面とが曲面で構成される(角部、より具体的には直角以下の角部を含まない)ことが好ましい。これによって、基本タイヤモデル10Mが埋め込まれたBGモデル11M、11Maを固有値解析する際には、BGモデル11M、11Maに変形が集中する部分を無くして、基本タイヤモデル10Mを一様に変形させることができる。その結果、固有値解析においては、全体が一様に変形した基底形状を抽出できるので、複数の基底タイヤモデルを用いてタイヤモデルを作成する場合には、作成できるタイヤモデルの形状の制限を小さくできる。
図6に示すBGモデル11Mは、子午断面の形状が扇形、より具体的には、子午断面の形状が同心円の扇形である。すなわち、扇形の外側における円弧(厳密には多角形)の中心Pと内側における円弧の中心Pとは同一である。そして、扇形の外側における円弧の半径はR2で、内側における円弧の半径はr1である。このように、BGモデル11Mは、子午断面の形状が扇形なので、内側の円弧よりも前記円弧の中心P側に、バックグラウンドモデル空洞部分Dが形成される。
図7に示すBGモデル11Maは、基本タイヤモデル10Mのカーカスライン10CLの一部を、基本タイヤモデル10Mの踏面CPの径方向外側(正方向)の位置と、内面IPの径方向内側(負方向)の位置とに、基本タイヤモデル10Mを囲むように配置して構成される。BGモデル11Maを構成する際に基本タイヤモデル10Mから抽出されるカーカスライン10CLの一部は、例えば、基本タイヤモデル10Mの内部側のカーカスラインであって、ビードモデル部5Mのトゥ部(すなわち、ビードモデル部5Mの底部の赤道面側)までにおける、基本タイヤモデル10Mのカーカスラインとする。
このように、BGモデル11Maは、基本タイヤモデル10Mのカーカスライン10CLを用いるので、径方向内側に配置されたカーカスライン10CLよりも回転軸(Y軸)側に、バックグラウンドモデル空洞部分Dが形成される。ここで、基本タイヤモデル10Mの径方向とは、基本タイヤモデル10Mの回転軸であるY軸と直交する方向である。
また、要素が存在しない溝に新たな要素を作成することは、基本タイヤモデル10Mと同形状のバックグラウンドモデル(基本タイヤモデル10Mの溝を埋めただけの解析モデル)に基本タイヤモデル10Mを埋め込むことと同じことを意味する。すなわち、基本タイヤモデル10Mの溝に新たな要素を作成して固有値解析を実行することで、基本タイヤモデル10MをBGモデル11M等に埋め込んで固有値解析を実行することと同様の結果が得られる。
このように、基本タイヤモデル10Mの溝に新たな要素を作成した解析モデルを用いれば、固有値解析においては、溝による基本タイヤモデル10Mのゲージ厚の差を排除できるので、基本タイヤモデル10Mの剛性分布の影響が低減される。その結果、基本タイヤモデル10Mの特定の部分が集中して変形せず、基本タイヤモデル10Mの全体が一様に変形した基底タイヤモデルを作成できる。この場合、基本タイヤモデル10Mの溝に新たな要素を作成するだけでよいので、比較的容易に基底タイヤモデルを作成できる。モデル作成部51は、作成されたBGモデル11M(あるいは11Ma)を、記憶部50mへ格納する。
ステップS103でBGモデルが作成されたら、ステップS104に進み、モデル作成部51は、BGモデルの材料定数(剛性に関する材料定数)を設定する。この場合、BGモデルの剛性が、基本タイヤモデル10Mの剛性よりも高くなるように材料定数が設定される。剛性に関する材料定数は、例えば、弾性材料、あるいは弾性域であれば弾性係数を用いる。また、応力とひずみとの関係が非線形である材料の場合、剛性に関する材料定数を関数fで表現してもよい。
本実施形態において、BGモデルの材料定数は、基本タイヤモデル10Mの2倍以上とし、好ましくは100倍以上、さらに好ましくは1000倍以上である。しかし、BGモデルの材料定数を大きくし過ぎると基本タイヤモデル10Mの必要な変形が得られなくなる場合があるので、BGモデルの材料定数は、基本タイヤモデル10Mの材料定数の10000倍以下とすることが好ましい。剛性に関する材料定数に弾性係数を用いる場合、BGモデルの弾性係数は、基本タイヤモデル10Mの弾性係数に、所定の倍数(例えば1000倍等)を乗ずればよい。また、剛性に関する材料定数に関数fを用いる場合、BGモデルの剛性に関する材料定数は、基本タイヤモデル10Mの剛性に関する材料定数を示す関数fに、所定の倍数(例えば1000倍等)を乗ずればよい。
本実施形態では、BGモデルの材料定数を基本タイヤモデル10Mの材料定数よりも大きい値に設定されるので、BGモデルの剛性が基本タイヤモデル10Mの剛性よりも高くなる。その結果、BGモデルに基本タイヤモデル10Mを埋め込んで固有値解析をした場合、基本タイヤモデル10Mの変形の影響を受けない(あるいは無視できる)基底形状が抽出できる。モデル作成部51は、記憶部50mに格納されているBGモデル11M(あるいは11Ma)の材料定数の情報に、上述したような材料定数を設定して、設定した材料定数の情報を記憶部50mへ格納する。
次にステップS105へ進み、モデル作成部51は、ステップS103及びステップS104で作成されたBGモデル11Mあるいは11Maに、ステップS101及びステップS102で作成された基本タイヤモデル10Mを埋め込む。BGモデル11M(あるいは11Ma)に基本タイヤモデル10Mを埋め込んだものを、埋込モデル12M(あるいは12Ma)という。図6は、BGモデル11Mに基本タイヤモデル10Mを埋め込んだ例を示し、図7は、BGモデル11Maに基本タイヤモデル10Mを埋め込んだ例を示す。いずれの図においても、要素及び節点は省略してある。
BGモデル11M(あるいは11Ma)に基本タイヤモデル10Mを埋め込むと、BGモデル11M(あるいは11Ma)の要素を構成する複数の節点内に、基本タイヤモデル10Mの節点が配置される。図8−1、図8−2に示す例では、BGモデル11M(あるいは11Ma)の要素11E(あるいは11Ea)を構成する複数の節点NB1、NB2、NB3、NB4内に、基本タイヤモデル10Mの節点NT1が配置される。なお、基本タイヤモデル10Mの他の節点NT2、NT3、NT4は、BGモデル11M(あるいは11Ma)の他の要素の内部に配置される。
本実施形態において、BGモデル11M(あるいは11Ma)に基本タイヤモデル10Mを埋め込むことは、次の(1)から(3)を満たす。
(1)BGモデルの要素の内部に、基本タイヤモデルの節点が配置される。
(2)BGモデルが変形してBGモデルを構成する要素の節点が移動した場合、BGモデルの要素の内部に存在する基本タイヤモデルの節点は、自身と隣接するBGモデルの節点で囲まれる範囲、すなわち、自身が配置されるBGモデルの要素内で移動する。
(3)基本タイヤモデルの節点の変位は、自身が配置されるBGモデルの要素を構成する複数の節点、すなわち、自身と隣接するBGモデルの節点の変位の内挿(線形内挿)により求められる。すなわち、基本タイヤモデルの節点の変位は、自身に隣接するBGモデルの節点に、有限要素法における内挿を用いて内挿される。
BGモデル11M(あるいは11Ma)に基本タイヤモデル10Mを埋め込むことにより、固有値解析では、基本タイヤモデル10Mの節点と、その節点を幾何学的に含むBGモデル11M(あるいは11Ma)の要素11E(あるいは11Ea)を構成する各節点との相対位置が変化しない拘束条件が付与されることになる(図8−2、図8−3)。
BGモデル11M(あるいは11Ma)に基本タイヤモデル10Mを埋め込むにあたって、モデル作成部51は、記憶部50mから基本タイヤモデル10M及びBGモデル11M(あるいは11Ma)を読み出して、BGモデル11M(あるいは11Ma)のそれぞれの要素内に基本タイヤモデル10Mの節点を配置して、埋込モデル12M(あるいは12Ma)を作成する。そして、モデル作成部51は、埋め込まれた基本タイヤモデル10Mの各節点の変位が、BGモデル11M(あるいは11Ma)の節点の変位の内挿で求められるように、埋込モデル12M(あるいは12Ma)の条件を設定する。モデル作成部51は、条件を設定した後における埋込モデル12M(あるいは12Ma)の情報を、記憶部50mへ格納する。
BGモデルに基本タイヤモデル10Mが埋め込まれたら、ステップS106へ進み、タイヤモデル作成装置50の解析部52は、埋込モデル12M(あるいは12Ma)に対して固有値解析を実行する。この場合、解析部52は、上述した条件が設定された埋込モデル12M(あるいは12Ma)を記憶部50mから読み出して、固有値解析を実行する。その後、ステップS107に進み、モデル作成部51は、各固有モードにおける基本タイヤモデル10Mの変形形状を基底形状として抽出して、抽出された基底形状を基底タイヤモデルとする。これによって、複数の基底タイヤモデルが作成される。モデル作成部51は、作成された基底タイヤモデルを記憶部50mへ格納する。ここで、それぞれの基底タイヤモデルを構成する各節点の座標は、各固有モードにおいて基本タイヤモデル10Mが変形した形状での各節点の座標となる。
なお、固有値解析においては、解析部52が、BGモデルの所定の領域に存在する節点に、完全固定の境界条件を設定して、固有値解析を実行してもよい。所定の領域は、例えば、基本タイヤモデル10Mの元になったタイヤにおいて設計変更しない領域である。例えば、図6、図7のFで示す領域(領域F)の設計を変更しない場合、解析部52は、少なくともBGモデル11M(あるいは11Ma)の領域Fにおける節点に、完全固定の境界条件を設定する。これによって、完全固定の境界条件が設定された節点は、各固有モードにおいて変位が0になる。したがって、完全固定の境界条件が設定されない領域のみが変形した基底形状を抽出できるので、基本タイヤモデル10Mの一部のみ変形した基底タイヤモデルが作成できる。なお、完全固定の境界条件を設定する節点は、少なくともBGモデル11M(あるいは11Ma)の節点であればよく、基本タイヤモデル10Mの節点にも完全固定の境界条件を設定してもよい。
図9は、本実施形態に係るタイヤモデルの作成方法によって作成された基底タイヤモデルを示す図である。図10は、基本タイヤモデルのみを固有値解析することによって得られた基底タイヤモデルを示す図である。いずれも、225/50R18のタイヤを解析モデル化した基本タイヤモデルを用いた。図9には、固有モード1に係る第1基底タイヤモデル15M1、固有モード2に係る第2基底タイヤモデル15M2、固有モード3、6に係る第3、第6基底タイヤモデル15M3、15M6が示される。また、図10には、固有モード1に係る第1基底タイヤモデル150M1、固有モード2に係る第2基底タイヤモデル150M2、固有モード3、6に係る第3、第6基底タイヤモデル150M3、150M6が示される。
図9と図10との間で、同じ固有モードに対する基底タイヤモデル同士を比較すると、本実施形態に係るタイヤモデルの作成方法によって作成された基底タイヤモデル15M1等は、基本タイヤモデルのみを固有値解析することによって得られた基底タイヤモデル150M1等と比較して、変形場所が剛性の低い部分に特定されないことが分かる。すなわち、基底タイヤモデル150M1等は、溝やサイドウォール部のように剛性の低い部分での変形が大きくなっているが、基底タイヤモデル15M1等は、このような部分での過大な変形がなく、全体として一様(均一)に変形していることが分かる。このように、本実施形態に係るタイヤモデルの作成方法は、基本タイヤモデル10Mの材料特性の違いや形状(ゲージ厚や溝の有無)の影響が最小限に抑制され、基本タイヤモデル10Mの剛性分布の影響が最小限に抑制された基底タイヤモデルを作成できる。
図11は、評価用タイヤモデルを作成する方法の説明図である。ステップS107において複数の基底タイヤモデルが作成されたら、ステップS108に進み、モデル作成部51は、評価用タイヤモデルを作成する。評価用タイヤモデルは、基本タイヤモデル10Mと、複数の基底タイヤモデル15M1、15M2等のうちから少なくとも一つとを組み合わせて構成される。そして、評価用タイヤモデルは、転動解析や静荷重解析等を実行されて、性能を評価される。
本実施形態において、評価用タイヤモデルは、基本タイヤモデル10Mと、複数の基底タイヤモデル15M1、15M2等との線形和で求める。評価用タイヤモデルの形状(例えば、各節点の座標、以下同様)をWn、基本タイヤモデル10Mの形状をWb、基底タイヤモデルの形状をNi(iは固有モードの番号)、αi(iは固有モードの番号)を重み係数とすると、評価用タイヤモデルの形状Wnは、式(A)で求めることができる。ここで、αiは、例えば、−1.5以上1.5以下の範囲で設定される。
Wn=Wb+Σαi×(Ni−Wb)[i=1〜n:nは使用する基底タイヤモデルの数]・・・(A)
なお、式(A)を用いて評価用タイヤモデルを作成する場合、評価用タイヤモデルの寸法が、予め設定された寸法の制約を満たすという条件が付与される。例えば、評価用タイヤモデルのタイヤ幅及び扁平率が所定の範囲に収まるという条件を付与しておき、式(A)によって得られた評価用タイヤモデルの寸法が前記条件を超えた場合、重み係数を変更して、前記条件内に収まるまで再計算する。
例えば、図11に示す例では、基本タイヤモデル10Mに基底タイヤモデル15M1、15M2の線形和をとることで、評価用タイヤモデルを作成する。この場合、基本タイヤモデル10Mの節点Nb、節点Nbに対応する基底タイヤモデル15M1の節点をNf1、節点Nbに対応する基底タイヤモデル15M2の節点をNf2とすると、節点Nbに対応する評価用タイヤモデルの節点Nbnの座標(xn、yn、zn)は、式(A)を用いて式(B)〜式(D)のようになる。
xn=x+α1×(x1−x)+α2×(x2−x)・・・(B)
yn=y+α1×(y1−y)+α2×(y2−y)・・・(C)
zn=z+α1×(z1−z)+α2×(z2−z)・・・(D)
基本タイヤモデル10Mが3次元の解析モデルである場合、式(B)〜式(D)を用いて、評価用タイヤモデルを構成するそれぞれの節点の座標を求めることができる。また、基本タイヤモデル10Mが2次元の解析モデルである場合には、式(B)、式(C)を用いて、評価用タイヤモデルを構成するそれぞれの節点の座標を求めることができる。
モデル作成部51は、記憶部50mから基本タイヤモデル10M及び複数の基底タイヤモデル15M1等を読み出し、基本タイヤモデル10Mに基底タイヤモデル15M1等の線形和をとる。例えば、モデル作成部51は、基本タイヤモデル10Mの節点と複数の基底タイヤモデル15M1等とのそれぞれに対応する節点の座標の線形和をとる。このとき、モデル作成部51は、評価用タイヤモデルの外表面における節点及び内表面における節点が、予め設定された寸法の制約を満たさない場合、重み係数を変更して前記制約を満たすように再計算する。
基本タイヤモデル10Mに基底タイヤモデル15M1等の線形和をとることにより作成された評価用タイヤモデルは、自身を構成する部材の剛性に関する材料定数が、すべて揃えられている。したがって、モデル作成部51は、評価用タイヤモデルを構成する部材の剛性に関する材料定数を、それぞれの部材に適した値に設定する。これによって、転動解析等に供する評価用タイヤモデルが完成する。その後、モデル作成部51は、評価用タイヤモデルを構成するそれぞれの節点の座標の情報及び材料定数の情報を、記憶部50mへ格納する。
ステップS108で評価用タイヤモデルが作成されたらステップS109へ進む。ステップS109において、解析部52は、ステップS108で作成された評価用タイヤモデルを用いて転動解析等の解析を実行する。この場合、解析部52は、記憶部50mから、評価用タイヤモデルの情報を読み出して、転動解析等を実行する。そして、評価用タイヤモデルを転動解析等することによって得られた物理量(例えば、ひずみや応力、変位等)から、評価用タイヤモデルの性能が評価される。
上述した本実施形態に係るタイヤモデルの作成方法において、基本タイヤモデル10Mの剛性に関する材料定数を設定する手順(ステップS102)は、基本タイヤモデル10Mを作成する手順(ステップS101)の後、かつ固有値解析が実行される手順(ステップS106)の前であればよい。また、BGモデル11M(あるいは11Ma)の剛性に関する材料定数を設定する手順(ステップS104)は、BGモデル11M(あるいは11Ma)を作成する手順(ステップS103)の後、かつ固有値解析が実行される手順(ステップS106)の前であればよい。したがって、基本タイヤモデル10Mの剛性に関する材料定数を設定する手順及びBGモデル11M(あるいは11Ma)の剛性に関する材料定数を設定する手順は、上述した条件を満たす範囲で順序を変更できる。
また、基本タイヤモデル10Mの剛性に関する材料定数を設定する手順(ステップS102)と、BGモデル11M(あるいは11Ma)を作成する手順(ステップS103)との順序は問わず、両者は同時であってもよい。さらに、基本タイヤモデル10Mの剛性に関する材料定数を設定する手順(ステップS102)及びBGモデル11M(あるいは11Ma)の剛性に関する材料定数を設定する手順(ステップS104)は同時であってもよい。
上述した例では、3次元の基本タイヤモデル10Mから3次元の評価用タイヤモデルを作成した。しかし、本実施形態に係るタイヤモデルの作成方法はこれに限定されるものではない。例えば、2次元の基本タイヤモデルを2次元のBGモデルに埋め込んで固有値解析して、2次元の基底タイヤモデルを複数作成する。そして、基本タイヤモデルと、複数の基底タイヤモデルのうち少なくとも一つとを組み合わせて、2次元の評価用タイヤモデルを作成した後、当該評価用タイヤモデルをその回転軸周りに360度展開して、3次元の評価用タイヤモデルを作成してもよい。また、評価用タイヤモデルは3次元に限定されるものではなく、2次元であってもよい。この場合、基本タイヤモデルやBGモデルは、2次元の解析モデルとなる。
以上、本実施形態では、基本タイヤモデルを含むことができ、かつ基本タイヤモデルよりも高い剛性を有するBGモデルに埋め込んで、BGモデル及びBGモデルに埋め込まれた基本タイヤモデルに対して固有値解析を実行する。これによって、基本タイヤモデルを構成する材料の相違や基本タイヤモデルの形状に起因する、基本タイヤモデルの剛性分布の影響が低減されるので、基本タイヤモデルの特定の部分が集中して変形せず、基本タイヤモデルの全体が一様に変形した基底タイヤモデルを作成できる。このような基底タイヤモデルを用いることにより、コンピュータで解析可能なタイヤモデルを固有値解析して得られた複数の基底タイヤモデルを用いてタイヤモデルを作成するにあたっては、複数の基底タイヤモデルを用いて作成できるタイヤモデルの形状の制限を小さくできる。
以上のように、本発明に係るタイヤモデルの作成方法及びタイヤモデルの作成用コンピュータプログラムは、コンピュータを用いたシミュレーションにおいて、固有値解析により得られた基底形状を用いたタイヤモデルを組み合わせて、評価に供するタイヤモデルを作成することに適している。
タイヤの回転軸を通る子午断面を示す断面図である。 本実施形態に係るタイヤモデル作成装置の構成を示す説明図である。 本実施形態に係るタイヤモデルの作成方法の手順を示すフローチャートである。 基本タイヤモデルの全体を示す斜視図である。 図4に示すタイヤモデルの子午断面一部を示す一部断面図である。 本実施形態に係るタイヤモデルの作成方法において、基底タイヤモデルを作成する手順の説明図である。 本実施形態に係るタイヤモデルの作成方法において、基底タイヤモデルを作成する手順の説明図である。 本実施形態に係るタイヤモデルの作成方法において、基本タイヤモデルをバックグラウンドモデルへ埋め込む手法の説明図である。 本実施形態に係るタイヤモデルの作成方法において、基本タイヤモデルをバックグラウンドモデルへ埋め込む手法の説明図である。 本実施形態に係るタイヤモデルの作成方法において、基本タイヤモデルをバックグラウンドモデルへ埋め込む手法の説明図である。 本実施形態に係るタイヤモデルの作成方法によって作成された基底タイヤモデルを示す図である。 基本タイヤモデルのみを固有値解析することによって得られた基底タイヤモデルを示す図である。 評価用タイヤモデルを作成する方法の説明図である。
符号の説明
1 タイヤ
10CL カーカスライ
10M 基本タイヤモデル(タイヤモデル)
11M、11Ma BGモデル(バックグラウンドモデル)
12M、12Ma 埋込モデル
15M1、15M2、15M3、15M6、150M1、150M2、150M3、150M6 基底タイヤモデル
50 タイヤモデル作成装置
50m 記憶部
50p 処理部
51 モデル作成部
52 解析部

Claims (9)

  1. コンピュータで解析可能な基本タイヤモデルを作成するとともに、当該基本タイヤモデルを含むことができ、かつ前記基本タイヤモデルよりも高い剛性を有する、コンピュータで解析可能なバックグラウンドモデルを作成する手順と、
    前記基本タイヤモデルを前記バックグラウンドモデルへ埋め込む手順と、
    前記基本タイヤモデル及び前記基本タイヤモデルを埋め込んだ前記バックグラウンドモデルを固有値解析して、複数の基底タイヤモデルを作成する手順と、
    前記基本タイヤモデルと、前記複数の基底タイヤモデルのうちから少なくとも一つとを組み合わせて、評価用タイヤモデルを作成する手順と、
    を含むことを特徴とするタイヤモデルの作成方法。
  2. 前記バックグラウンドモデルの剛性に関する材料定数は、前記基本タイヤモデルの剛性に関する材料定数の2倍以上であることを特徴とする請求項1に記載のタイヤモデルの作成方法。
  3. 前記基本タイヤモデルを構成する部材の剛性に関する材料定数の大きさを略同一とすることを特徴とする請求項1又は2に記載のタイヤモデルの作成方法。
  4. 前記基本タイヤモデルを構成する補強材の剛性に関する材料定数を、前記基本タイヤモデルを構成するゴム材料の剛性に関する材料定数と略同じ大きさとすることを特徴とする請求項3に記載のタイヤモデルの作成方法。
  5. 前記バックグラウンドモデルは、前記基本タイヤモデルの空洞部分に相当する領域を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のタイヤモデルの作成方法。
  6. 前記バックグラウンドモデルは、子午断面の形状が扇形であることを特徴とする請求項5に記載のタイヤモデルの作成方法。
  7. 前記バックグラウンドモデルは、前記基本タイヤモデルのカーカスラインの一部を、前記基本タイヤモデルの踏面の径方向外側の位置と、前記基本タイヤモデルの内面の径方向内側の位置とに配置して構成されることを特徴とする請求項5に記載のタイヤモデルの作成方法。
  8. 前記バックグラウンドモデルの所定の領域に存在する節点には、完全固定の境界条件を設定して、前記固有値解析を実行することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のタイヤモデルの作成方法。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載のタイヤモデルの作成方法をコンピュータに実行させることを特徴とするタイヤモデルの作成用コンピュータプログラム。
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