JP2010106808A - 燃料噴射ポンプ - Google Patents

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将 小林
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Abstract

【課題】従来より、エンジンに搭載される燃料噴射ポンプにおいて、加圧室内の燃料を圧縮するプランジャと該プランジャを駆動するためのカムとの間に介設したタペットの外周面と、該タペットが往復摺動するタペット室の内周壁との間のシール性が十分ではなく、タペット室内の燃料とタペット外周面の潤滑油とが相互に混入し、燃料黒色化等が発生する、という問題があった。
【解決手段】タペット室4の内周壁17と、タペット10の外周面との間の隙間を封止するシール部材19が設けられ、シール部材19は、加圧室15からリークする燃料を封止する燃料シール部191と、カム11からの潤滑油を封止する潤滑油シール部192という二種の異なるシール部が別体で形成され、燃料シール部191と潤滑油シール部192とが間座193を介して並設される二重シール構造とされるものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンに搭載される燃料噴射装置の燃料噴射ポンプに関し、より詳細には、燃料噴射ポンプにおける燃料と潤滑油間の相互混入を防止可能なシール構造に関する。
従来より、燃料噴射ポンプは、エンジンに搭載される燃料噴射装置に備えられており、プランジャバレル内にプランジャが往復摺動可能に設けられ、該プランジャの一端と前記プランジャバレルとの間に燃料の加圧室が形成されている一方、前記プランジャの他端は、前記加圧室と反対方向にプランジャバレルから突出してタペットに連動可能な構成とされ、該タペットは、揺動部材であるカムによる直接駆動により、前記プランジャバレルとプランジャを収容する空間(以下、「タペット室」とする。)内を往復摺動可能とされている上で、前記プランジャバレルとプランジャの外周面間を液密にシールするための単一のシール部材を環状に備え、これにより、前記加圧室からリークする燃料と、前記揺動部材やタペットを潤滑するエンジンオイル等の潤滑油とが互いに混入しないようにする技術が公知となっている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、このように、プランジャバレルとプランジャの外周面間にシール部材を介設するシール構造の場合、狭いスペースにシール部材の取り付けを可能にするために、シール部材の形状が制約を受け、シール性と耐久性を両立させることが困難である。そこで、前記シール部材を前記タペット室の内周壁とタペットの外周面との間に設け、前記加圧室からプランジャとプランジャバレル間の隙間を通ってタペット室内にリークしてきた燃料と、前記カム側からタペットの往復摺動部に潤滑のため浸入してきた潤滑油とが、相互に混入しないようにする対応が考えられる。
特開2004−340052号公報
しかしながら、タペットには、前記プランジャとは異なりカムの揺動による振動が直接作用することから、該タペットの外周面が摺動するシール部材については、より優れたシール性が要求される。
これに対し、従来のような単一のシール部材の場合、タペットの変位に対しシール部材全体が変形して追従しようとするため、振動しながら摺動するタペットの変位に対する追従性(以下、「変位追従性」とする。)が十分とはいえず、瞬間的にタペットとシール部材間の隙間が拡大して燃料と潤滑油が相互に混入し、燃料の黒色化、不完全燃焼による燃料噴射ノズル噴口部へのカーボンフラワー付着に起因する排気煙の悪化、および潤滑油の希釈化による潤滑性能の低下等が発生する、という問題があった。
前記変位追従性を向上させるには、シール部材においてタペットと接触する部分を硬めに設定することが有効であるが、同時に、タペットとシール部材間における衝撃力も増加し、タペットが擦過したりシール部材が損耗しやすくなって部品寿命が短くなり、部品の交換頻度が増えてメンテナンスコストが増加する、という問題があった。
また、シール部材の材質や構造を、成分や粘性等の特性が大きく異なる燃料と潤滑油に対して同時に最適化することは困難であり、シール性の向上には限界がある、という問題もあった。
本発明の解決しようとする課題は以上のとおりであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
すなわち、請求項1においては、プランジャバレル内にプランジャが往復摺動可能に設けられ、該プランジャの一端と前記プランジャバレルとの間に燃料の加圧室が形成されている一方、前記プランジャの他端は、前記加圧室と反対方向にプランジャバレルから突出してタペットに連動可能な構成とされ、該タペットは、揺動部材による直接駆動により、前記プランジャバレルとプランジャを収容するタペット室内を往復摺動可能とされた燃料噴射ポンプにおいて、前記タペット室の内周壁と、前記タペットの外周面との間の隙間を封止するシール部材が設けられ、該シール部材は、前記加圧室からリークする燃料を封止する燃料シール部と、前記揺動部材からの潤滑油を封止する潤滑油シール部という二種の異なるシール部が別体で形成され、前記燃料シール部と前記潤滑油シール部とが間座を介して並設される二重シール構造とされるものである。
請求項2においては、前記シール部材の収納部がスリーブに設けられ、該収納部に前記シール部材が取り付けられたスリーブが、前記タペット室に挿嵌固定されるシール部材組込構成を有するものである。
請求項3においては、前記タペット室を外部に連通する息抜き通路が設けられているものである。
請求項4においては、前記タペット室の圧力脈動を低減するアキュムレータが前記息抜き通路に設けられているものである。
請求項5においては、請求項3または請求項4に記載の燃料噴射ポンプが複数配置され、該複数の燃料噴射ポンプは、前記プランジャのストロークに位相差が生じるように配置されているとともに、前記息抜き通路が連通管によって相互に連通されているものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、燃料シール部および潤滑油シール部が各シール部の接触するタペットの各部分の変位に応じて迅速に変形し、シール部材全体としての変位追従性を向上させることができ、タペットとシール部材間の隙間を縮小して燃料と潤滑油が相互に混入するのを防止し、燃料の黒色化、不完全燃焼による燃料噴射ノズル噴口部へのカーボンフラワー付着に起因する排気煙の悪化、および潤滑油の希釈化による潤滑性能の低下を確実に抑制できる。そして、シール部材を硬めに設定しなくても、このように十分な変位追従性を確保でき、タペットとシール部材間の衝撃力の増加を抑制し、タペットの擦過やシール部材の損耗による部品寿命の劣化を防ぎ、メンテナンスコストを低減できる。また、燃料シール部の材質や構造を燃料に適正化し、潤滑油シール部の材質や構造を潤滑油に適正化することにより、シール部材を両油に対して同時に最適化できるため、シール性の向上を図ることができる。さらに、燃料シール部と潤滑油シール部とが間座を介して設けられているため、燃料シール部と潤滑油シール部の距離を容易に最適値に調整でき、シール性のさらなる向上を図ることができる。
請求項2においては、シール部材組込構成をスリーブによる嵌装方式とすることにより、シール部材用の組込部材を別途設けることなく、簡単な構成でシール部材をタペットに近接して取り付けることができるため、部品点数の減少による部品コストの低減や、構成の簡素化によるメンテナンス性の向上を図ることができる。
請求項3においては、タペットの往復動によって生じるタペット室内の燃料圧力の脈動を、息抜き通路によって低減できるため、燃料シール部への負荷圧力が低下して、シール部材の寿命が向上する。
請求項4においては、タペットの往復動によって生じるタペット室内の燃料圧力の脈動を、アキュムレータによって低減できるため、燃料シール部への負荷圧力が低下して、シール部材の寿命が向上する。
請求項5においては、プランジャによる燃料の吸入行程と吐出行程がプランジャ毎にずれて行われて、息抜き通路を介してタペット室内の圧力を相殺することができるため、燃料シール部への負荷圧力が低下して、シール部材の寿命が向上する。
次に、発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1は本発明の第一実施例に係る燃料噴射ポンプを示す正面断面図、図2は複数の燃料噴射ポンプの各息抜き通路を連通した構成を示す正面図、図3はタペット周囲の構成を示す正面拡大断面図、図4は本発明の第二実施例に係る燃料噴射ポンプを示す正面断面図である。
先ず、本発明の第一実施例に係る燃料噴射ポンプ1の全体構成ついて、図1により説明する。
図1に示すように、燃料噴射ポンプ1では、ポンプ本体2の下部が取付台3を介してエンジンのシリンダブロック(図示省略)に取り付けられている。ポンプ本体2には、タペット室4が上下方向に形成されている。タペット室4の上部には、プランジャバレル5が挿嵌されている。プランジャバレル5内には、プランジャ6が上下方向に往復摺動可能に設けられている。プランジャ6の下部は、プランジャバレル5の下端部から下方に突出している。
そして、プランジャ6の下端部には、下部バネ受け7がプランジャバレル5の下面に対向するように配置されている。下部バネ受け7は、プランジャ6の下端部に嵌合されて、プランジャ6と共に上下方向に往復動可能に設けられている。また、プランジャバレル5の下部には、上部バネ受け8が下部バネ受け7に対向するように配置されている。上部バネ受け8は、プランジャバレル5の下部に嵌合されて、タペット室4の上端部に下方から当接している。そして、下部バネ受け7の上面と上部バネ受け8の下面との間には、バネ9がプランジャ6と同一軸心上に圧縮状態で介装されている。これにより、バネ9の弾性力によってプランジャ6が下部バネ受け7を介して下方へ付勢されている。
また、プランジャ6の下部には、上方に開口した円筒状のタペット10が、プランジャ6と同一軸心上に、タペット室4内を上下方向に往復動可能に設けられている。タペット10内には、下部バネ受け7が嵌設されている。これにより、下部バネ受け7を介してバネ9の弾性力によってタペット10がプランジャ6と共に下方へ付勢されている。そして、タペット10の下側で取付台3内には、カム軸(図示省略)に取り付けられた揺動部材となるカム11が配置されている。これにより、タペット10がプランジャ6に連動すると共に、カム11に対してタペット10の下面が、バネ9の弾性力によって常に圧接された状態に保持されている。
そして、プランジャバレル5の上部内には、等圧弁12がプランジャ6と同一軸心上に設けられている。等圧弁12は、ホルダ13を介してプランジャバレル5の上部に固定されている。等圧弁12の下方にあってプランジャバレル5とプランジャ6との間には、燃料タンク(図示省略)に燃料ギャラリ14を介して連通された加圧室15が形成されている。これにより、等圧弁12は噴射終了時に逆止弁となって、噴射管(図示省略)内の燃料が加圧室15に流出するのを防止している。
また、タペット室4内と燃料噴射ポンプ1の外部(燃料噴射ポンプ1周囲の外気)とは、息抜き通路23を介して連通され、タペット10の往復動によって生じるタペット室4内の燃料圧力の脈動が低減されるように構成されている。息抜き通路23は、第一息抜き孔231と、第二息抜き孔232と、第三息抜き孔233と、第四息抜き孔234とにより構成されている。第一息抜き孔231は、ポンプ本体2においてタペット室4から外方向(半径方向)に穿設されている。第一息抜き孔231の外端部には、第二息抜き孔232が連通接続されており、この第二息抜き孔232は、ポンプ本体2において上下方向に穿設されている。第二息抜き孔232の下端部には、第三息抜き孔233が連通接続されており、この第三息抜き孔233は、取付台3において上下方向に穿設されている。第三息抜き孔233の下端部には、第四息抜き孔234が連通接続されており、この第四息抜き孔234は、取付台3において水平方向に穿設されている。第四息抜き孔234の一端部は、取付台3の外周面において燃料噴射ポンプ1周囲の外気と接続可能に構成されている。
このような構成において、カム11が回転されると、カム11によってタペット10が往復動され、タペット10に嵌設された下部バネ受け7を介して、プランジャ6も往復動される。そして、プランジャ6の往復動によって、加圧室15への燃料の吸入行程と加圧室15からの燃料の吐出行程とが交互に行われる。つまり、吸入行程においては、プランジャ6がバネ9の付勢力によって下方へ付勢され、上死点61から下降すると、前記燃料タンクからの燃料が燃料ギャラリ14を介して、加圧室15に吸入される。そして、吐出行程においては、プランジャ6がバネ9の付勢力に抗してカム11によって押し上げられ、下死点62から上昇すると、加圧室15に吸入されている燃料が加圧され、等圧弁12を介して前記噴射管へと圧送される。
次に、複数の燃料噴射ポンプ1の息抜き通路23を、相互に連通する連通管24について、図2により説明する。
図2に示すように、燃料噴射ポンプ1・1は、エンジンのシリンダブロック26上に並設されている。各燃料噴射ポンプ1のポンプ本体2の下部は、取付台3を介してシリンダブロック26に取り付けられている。燃料噴射ポンプ1・1は、プランジャ6・6のストロークに180度の位相差が生じるように配置されている。つまり、燃料噴射ポンプ1・1の燃料の圧縮タイミングを位相差で180度ずらすことにより、高圧燃料を連続して供給できるようにエンジンが構成されている。なお、本実施例においては、燃料噴射ポンプ1・1の位相差が180度に設定されているが、燃料噴射ポンプ1・1の個数や位相差は、特に限定されるものではない。
そして、シリンダブロック26上では、連通管24が略水平方向に配置されている。連通管24には、燃料噴射ポンプ1・1の息抜き通路23・23が接続具25・25を介して連通接続されている。接続具25の一端部は、息抜き通路23側への取付部251とされているとともに、接続具25の他端部は、連通管24側への取付部252とされている。接続具25の取付部251は、息抜き通路23の第四息抜き孔234の一端部(取付台3の外周端面)に取り付けられている。なお、図2においては、エンジンの気筒毎に燃料噴射ポンプ1・1を含む他の燃料噴射ポンプ(図示省略)が、シリンダブロック26上に並設されているものとし、連通管24の両端部側(図示省略)は、これら図示せぬ燃料噴射ポンプの息抜き通路と連通接続されているものとする。
このような構成において、一方(図2において左方)の燃料噴射ポンプ1でプランジャ6が下降して吸入行程となると、他方(図2において右方)の燃料噴射ポンプ1では、プランジャ6が上昇して吐出行程となる。そして、左方の燃料噴射ポンプ1では、吸入行程に伴ってタペット室4の内圧が低下すると共に、右方の燃料噴射ポンプ1では、吐出行程に伴ってタペット室4の内圧が増加する。つまり、左方の燃料噴射ポンプ1におけるタペット室4の内圧と、右方の燃料噴射ポンプ1におけるタペット室4の内圧とで、圧力差が生じる。そうすると、左方の燃料噴射ポンプ1では、連通管24内の空気が接続具25から息抜き通路23を経てタペット室4内に流入すると共に、右方の燃料噴射ポンプ1では、タペット室4内の空気が息抜き通路23から接続具25を経て連通管24内に流出する。その結果、左方の燃料噴射ポンプ1におけるタペット室4の内圧と、右方の燃料噴射ポンプ1におけるタペット室4の内圧との圧力差が解消される。なお、詳細な説明は省略するが、左方の燃料噴射ポンプ1が吐出行程、右方の燃料噴射ポンプ1が吸入行程となる場合は、上記とは反対の手順によりタペット室4・4の内圧の圧力差が解消される。
すなわち、燃料噴射ポンプ1は、タペット室4を外部に連通する息抜き通路23が設けられているものである。このような構成により、タペットの往復動によって生じるタペット室内の燃料圧力の脈動を、息抜き通路によって低減できるため、燃料シール部への負荷圧力が低下して、シール部材の寿命が向上する。
また、燃料噴射ポンプ1・1が複数配置され、複数の燃料噴射ポンプ1・1は、プランジャ6・6のストロークに位相差が生じるように配置されているとともに、息抜き通路23・23が連通管24によって相互に連通されているものである。このような構成により、プランジャ6・6による燃料の吸入行程と吐出行程がプランジャ6・6毎にずれて行われて、息抜き通路23・23および連通管24を介してタペット室4・4内の圧力を相殺することができるため、燃料シール部191・191への負荷圧力が低下して、シール部材19・19の寿命が向上する。
次に、燃料噴射ポンプ1における燃料と潤滑油の浸入状況、およびこの両油間の相互混入を防止可能なシール構造について、図3により説明する。
図3に示すように、燃料噴射ポンプ1においては、タペット10の内部とプランジャバレル5の下面との間で、下部バネ受け7およびバネ9が収容されている空間(以下、「バネ室」とする。)16内には、プランジャ6とプランジャバレル5との間の隙間を通って加圧室15(図1参照)からリークしてきた燃料が、流入して蓄積されている。
一方、ポンプ本体2の下方においては、カム11が前記カム軸を介して前記シリンダブロック等に回転自在に支持されている。そして、カム11と前記カム軸との隙間には、配管(図示省略)等を通って潤滑油が外部から供給されている。この潤滑油は、カム11の外周面とタペット10の底面との隙間や、タペット10の外周面とタペット室4の内周壁17との隙間にも供給されている。
内周壁17は、タペット室4の下部にあってタペット10と同径の内側壁17aと、この内側壁17aよりも大径に形成された外側壁17bと、この外側壁17bと内側壁17aによって形成された段差部17cとを有している。また、取付台3は、内周壁17の外側壁17bの下側にあって外側壁17bと同径に形成された外側壁3aと、この外側壁3aよりも小径で内周壁17の内側壁17aと同径に形成された内側壁3bと、この内側壁3bと外側壁3aによって形成された段差部3cとを有している。
そして、段差部3cと段差部17cとの間には、シール部材19が予め取り付けられたリング状のスリーブ20が嵌め込まれている。スリーブ20の上半部には、タペット室4側に開いた凹状の収納部21が形成されており、この収納部21にシール部材19が嵌め込まれている。つまり、収納部21にシール部材19が取り付けられたスリーブ20は、タペット室4の段差部17cおよび取付台3の段差部3cに挿嵌固定されている。スリーブ20は、段差部3c・17cの深さ(段差)と同厚に形成されているとともに、タペット室4内では、スリーブ20、シール部材19、および内側壁3b・17aが面一に形成されている。つまり、タペット10は、スリーブ20、シール部材19、および内側壁3b・17aの面一に形成された内側面に沿って、上下方向に円滑に往復摺動できるようになっている。さらに、スリーブ20は、ポンプ本体2により常に取付台3側に押圧されている。これにより、シール部材19は、内周壁17の段差部17cとスリーブ20の収納部21との間に嵌め込まれた状態で固定されている。
シール部材19は、バネ室16からの燃料を封止する燃料シール部191と、タペット10の外周面からの潤滑油を封止する潤滑油シール部192と、この潤滑油シール部192と燃料シール部191との上下間に設けられたリング状の間座193とにより構成されている。この燃料シール部191と潤滑油シール部192とは、互いに別体に形成されているとともに、スリーブ20の収納部21内において、間座193を介して上下に並設された二重シール構造とされている。
この内の燃料シール部191は、複数の支持部材191A・191B・191Cと、この支持部材191A・191B・191Cによって形状が保持されるゴム等の弾性体からなるリップ部材191Dとにより構成されている。リップ部材191Dの内側には、リング状の上リップ191Daが内側に突設されている。上リップ191Daは、タペット10の外周面に弾力性を持って常に接触するように構成されている。さらに、燃料シール部191には、支持部材191A・191B・191Cとリップ部材191D、よび段差部17cの下面とによって囲まれた油溜まり191Eが形成されている。油溜まり191Eは、上リップ191Daの上方位置において開放されている。
潤滑油シール部192についても同様に、複数の支持部材192A・192B・192Cと、この支持部材192A・192B・192Cによって形状が保持されるゴム等の弾性体からなるリップ部材192Dとにより構成されている。リップ部材192Dの内側には、リング状の下リップ192Daが内側に突設されている。下リップ192Daは、タペット10の外周面に弾力性を持って常に接触するよう構成されている。さらに、潤滑油シール部192にも同様に、支持部材192A・192B・192Cとリップ部材192D、および収納部21の水平面21aとによって囲まれた油溜まり192Eが形成され、この油溜まり192Eは、下リップ192Daの下方位置において開放されている。
このような構成において、タペット10停止時には、シール部材19の上下のリップ部材191Da・192Daがタペット10の外周面に外嵌されており、上下のリップ191Da・192Daによって挟まれた範囲(以下、「シール域」とする。)22にあるタペット10の外周面が、シール部材19によってシールされた状態にある。
この状態でタペット10が下降すると、シール域22を境にして、それよりも上方の加圧室15側に位置するタペット10の外周面に付着した燃料が、燃料シール部191の上リップ191Daにより描き切られて、油溜まり191Eに排出され、カム11側への燃料のリークが軽減される。逆に、タペット10が上昇すると、シール域22よりも下方のカム11側に位置するタペット10の外周面に付着した潤滑油が、潤滑油シール部192の下リップ192Daにより描き切られて、油溜まり192Eに排出され、タペット室4側への潤滑油のリーク、つまり加圧室15側への潤滑油のリークが軽減される。
さらに、上リップ191Daと下リップ192Daとは、それぞれ、別体の燃料シール部191と潤滑油シール部192によって支持されているため、揺動するカム11に直接接触して大きく振動するタペット10の変位に対し、上リップ191Daと下リップ192Daとは、互いに他方の影響を受けることなく自由に伸縮変形して迅速に追従することができる。
加えて、燃料シール部191は、主としてバネ室16や油溜まり191E内にある燃料としか接触せず、潤滑油シール部192は、主としてタペット10の外周面や油溜まり192E内にある潤滑油としか接触せず、しかも、これらの燃料シール部191と潤滑油シール部192とは別体に構成されている。このため、必要に応じて、各シール部191・192、特にリップ部材191D・192Dの材質や構造を、それぞれ、燃料や潤滑油に適したものに構成することができる。
また、燃料シール部191と潤滑油シール部192とは、間座193を介して設けられている。これにより、燃料シール部191と潤滑油シール部192の距離を容易に最適値に調整することができる。
すなわち、燃料噴射ポンプ1は、プランジャバレル5内にプランジャ6が往復摺動可能に設けられ、プランジャ6の一端とプランジャバレル5との間に燃料の加圧室15が形成されている一方、プランジャ6の他端は、加圧室15と反対方向にプランジャバレル5から突出してタペット10に連動可能な構成とされ、タペット10は、揺動部材となるカム11による直接駆動により、プランジャバレル5とプランジャ6を収容するタペット室4内を往復摺動可能とされた燃料噴射ポンプ1において、タペット室4の内周壁17と、タペット10の外周面との間の隙間を封止するシール部材19が設けられ、シール部材19は、加圧室15からリークする燃料を封止する燃料シール部191と、カム11からの潤滑油を封止する潤滑油シール部192という二種の異なるシール部が別体で形成され、燃料シール部191と潤滑油シール部192とが間座193を介して並設される二重シール構造とされるものである。このような構成により、燃料シール部191および潤滑油シール部192が各シール部の接触するタペット10の各部分の変位に応じて迅速に変形し、シール部材19全体としての変位追従性を向上させることができ、タペット10とシール部材19間の隙間を縮小して燃料と潤滑油が相互に混入するのを防止し、燃料の黒色化、不完全燃焼による燃料噴射ノズル噴口部へのカーボンフラワー付着に起因する排気煙の悪化、および潤滑油の希釈化による潤滑性能の低下を確実に抑制できる。そして、シール部材19を硬めに設定しなくても、このように十分な変位追従性を確保でき、タペット10とシール部材19間の衝撃力の増加を抑制し、タペット10の擦過やシール部材19の損耗による部品寿命の劣化を防ぎ、メンテナンスコストを低減できる。また、燃料シール部191の材質や構造を燃料に適正化し、潤滑油シール部192の材質や構造を潤滑油に適正化することにより、シール部材19を両油に対して同時に最適化できるため、シール性の向上を図ることができる。さらに、燃料シール部191と潤滑油シール部192とが間座193を介して設けられているため、燃料シール部191と潤滑油シール部192の距離を容易に最適値に調整することができ、シール性のさらなる向上を図ることができる。
また、燃料噴射ポンプ1は、シール部材19の収納部21がスリーブ20に設けられ、収納部21にシール部材19が取り付けられたスリーブ20が、タペット室4に挿嵌固定されるシール部材組込構成を有するものである。このような構成により、シール部材組込構成をスリーブ20による嵌装方式とすることにより、シール部材19用の組込部材を別途設けることなく、簡単な構成でシール部材19をタペット10に近接して取り付けることができるため、部品点数の減少による部品コストの低減や、構成の簡素化によるメンテナンス性の向上を図ることができる。
次に、本発明の第二実施例に係る燃料噴射ポンプ1について、図4により説明する。
図4に示すように、第二実施例に係る燃料噴射ポンプ1では、タペット室4の圧力脈動を低減するアキュムレータ27が息抜き通路23に設けられている。アキュムレータ27は、息抜き通路23において具体的には第一息抜き孔231と第二息抜き孔232の接続部に設けられている。アキュムレータ27は、ポンプ本体2の凹部2a内に収納され、蓋体28によって閉塞されている。アキュムレータ27は、タペット室4に第一息抜き孔231を介して連通された受圧ケース271と、この受圧ケース271をタペット室4側に常時付勢するバネ272とにより構成されている。アキュムレータ27は、タペット室4内から息抜き孔231を介して所定以上の圧力を受けると、受圧ケース271がバネ272の付勢力の抗して外方に移動することにより、受圧部分の容積が増加して、タペット室4内の燃料圧力の脈動を軽減するように構成されている。
すなわち、燃料噴射ポンプ1は、タペット室4の圧力脈動を低減するアキュムレータ27が息抜き通路23に設けられているものである。このような構成により、タペット10の往復動によって生じるタペット室4内の燃料圧力の脈動を、アキュムレータ27によって低減できるため、燃料シール部191への負荷圧力が低下して、シール部材19の寿命が向上する。
本発明の第一実施例に係る燃料噴射ポンプを示す正面断面図。 複数の燃料噴射ポンプの各息抜き通路を連通した構成を示す正面図。 タペット周囲の構成を示す正面拡大断面図。 本発明の第二実施例に係る燃料噴射ポンプを示す正面断面図。
符号の説明
1 燃料噴射ポンプ
4 タペット室
5 プランジャバレル
6 プランジャ
10 タペット
11 カム(揺動部材)
15 加圧室
17 内周壁
19 シール部材
20 スリーブ
21 収納部
23 息抜き通路
24 連通管
27 アキュムレータ
191 燃料シール部
192 潤滑油シール部
193 間座

Claims (5)

  1. プランジャバレル内にプランジャが往復摺動可能に設けられ、該プランジャの一端と前記プランジャバレルとの間に燃料の加圧室が形成されている一方、前記プランジャの他端は、前記加圧室と反対方向にプランジャバレルから突出してタペットに連動可能な構成とされ、該タペットは、揺動部材による直接駆動により、前記プランジャバレルとプランジャを収容するタペット室内を往復摺動可能とされた燃料噴射ポンプにおいて、前記タペット室の内周壁と、前記タペットの外周面との間の隙間を封止するシール部材が設けられ、該シール部材は、前記加圧室からリークする燃料を封止する燃料シール部と、前記揺動部材からの潤滑油を封止する潤滑油シール部という二種の異なるシール部が別体で形成され、前記燃料シール部と前記潤滑油シール部とが間座を介して並設される二重シール構造とされることを特徴とする燃料噴射ポンプ。
  2. 前記シール部材の収納部がスリーブに設けられ、該収納部に前記シール部材が取り付けられたスリーブが、前記タペット室に挿嵌固定されるシール部材組込構成を有することを特徴とする請求項1に記載のサプライポンプ。
  3. 前記タペット室を外部に連通する息抜き通路が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の燃料噴射ポンプ。
  4. 前記タペット室の圧力脈動を低減するアキュムレータが前記息抜き通路に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の燃料噴射ポンプ。
  5. 請求項3または請求項4に記載の燃料噴射ポンプが複数配置され、該複数の燃料噴射ポンプは、前記プランジャのストロークに位相差が生じるように配置されているとともに、前記息抜き通路が連通管によって相互に連通されていることを特徴とする燃料噴射ポンプ。
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