JP2010112243A - サプライポンプ - Google Patents

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将 小林
Hajime Imanaka
肇 今中
Hokuto Kusaka
北斗 日下
Mitsuyoshi Kawarabayashi
光義 河原林
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Abstract

【課題】従来より、エンジンに搭載される蓄圧式燃料噴射装置のサプライポンプにおいて、加圧室内の燃料を圧縮するプランジャと該プランジャを駆動するためのカムとの間に介設したタペットの外周面と、該タペットが往復摺動するタペット室の内周壁との間のシール性が十分ではなく、タペット室内の燃料とタペット外周面の潤滑油とが相互に混入し、燃料黒色化等が発生する、という問題があった。
【解決手段】タペット室11の内周壁18と、タペット7の外周面との間の隙間を封止するためのシール部材17を配設すると共に、該シール部材17は、加圧室25側で主に燃料を封止する燃料シール部17aと、カム10側で主に潤滑油を封止する潤滑油シール部17bという二種の異なるシール部を別体で形成して並設配置して成る二重シール構造とした。
【選択図】図3

Description

本発明は、エンジンに搭載される蓄圧式燃料噴射装置のサプライポンプに関し、特に、該サプライポンプにおける燃料と潤滑油間の相互混入を防止可能なシール構造に関する。
従来より、サプライポンプは、エンジンに搭載される蓄圧式燃料噴射装置に備えられており、プランジャバレル内にプランジャを往復摺動可能に設け、該プランジャの一端と前記プランジャバレルとの間に燃料の加圧室を形成する一方、前記プランジャの他端は、前記加圧室と反対方向にプランジャバレルから突出してタペットに連動可能な構成とし、該タペットは、揺動部材であるカムによる直接駆動により、前記プランジャバレルとプランジャを収容する空間(以下、「タペット室」とする。)内を往復摺動可能とした上で、前記プランジャバレルとプランジャの外周面間を液密にシールするための単一のシール部材を環状に備え、これにより、前記加圧室からリークする燃料と、前記揺動部材やタペットを潤滑するエンジンオイル等の潤滑油とが互いに混入しないようにする技術が公知となっている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、このように、プランジャバレルとプランジャの外周面間にシール部材を橋設するシール構造の場合、シール部材の配置空間の分だけタペット室が拡大し、その分だけ、タペット室内を往復摺動するタペット等の可動部の重量も増加する。このため、該可動部を介して前記プランジャをカムに迅速に追従させるには、該カムに対する可動部の押圧力も増加させる必要があり、カムが受ける面圧も増加してカムの耐久性が大きく低下する。そこで、これを防止するには、前記シール部材を前記タペット室の内周壁とタペットの外周面との間に介設し、前記加圧室からプランジャとプランジャバレル間の隙間を通ってタペット室内にリークしてきた燃料と、前記カム側からタペットの往復摺動部に潤滑のため浸入してきた潤滑油とが、相互に混入しないようにする対応が考えられる。
特開平8−68370号公報
しかしながら、タペットには、前記プランジャとは異なりカムの揺動による振動が直接作用することから、該タペットの外周面が摺動するシール部材については、より優れたシール性が要求される。
これに対し、従来のような単一のシール部材の場合、タペットの変位に対しシール部材全体が変形して追従しようとするため、振動しながら摺動するタペットの変位に対する追従性(以下、「変位追従性」とする。)が十分とはいえず、瞬間的にタペットとシール部材間の隙間が拡大して燃料と潤滑油が相互に混入し、燃料の黒色化、不完全燃焼による燃料噴射ノズル噴口部へのカーボンフラワー付着に起因する排気煙の悪化、及び潤滑油の希釈化による潤滑性能の低下等が発生する、という問題があった。
前記変位追従性を向上させるには、シール部材においてタペットと接触する部分を硬めに設定することが有効であるが、同時に、タペットとシール部材間における衝撃力も増加し、タペットが擦過したりシール部材が損耗しやすくなって部品寿命が短くなり、部品の交換頻度が増えてメンテナンスコストが増加する、という問題があった。
また、シール部材の材質や構造を、成分や粘性等の特性が大きく異なる燃料と潤滑油に対して同時に最適化することは困難であり、シール性の向上には限界がある、という問題もあった。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
すなわち、請求項1においては、プランジャバレル内にプランジャを往復摺動可能に設け、該プランジャの一端と前記プランジャバレルとの間に燃料の加圧室を形成する一方、前記プランジャの他端は、前記加圧室と反対方向にプランジャバレルから突出してタペットに連動可能な構成とし、該タペットは、揺動部材による直接駆動により、前記プランジャバレルとプランジャを収容するタペット室内を往復摺動可能としたサプライポンプにおいて、前記タペット室の内周壁と、前記タペットの外周面との間の隙間を封止するためのシール部材を配設すると共に、該シール部材は、前記加圧室からリークする燃料を封止する燃料シール部と、前記揺動部材からの潤滑油を封止する潤滑油シール部という二種の異なるシール部を別体で形成し並設配置する二重シール構造としたものである。
請求項2においては、前記シール部材の収納部を前記タペット室の内周壁に設け、該収納部に取り付けたシール部材を、該シール部材に当接されたスリーブを介して、前記プランジャバレルにより押圧固定するシール部材組込構成を有するものである。
請求項3においては、前記シール部材の収納部をスリーブに設け、該収納部にシール部材を取り付けたスリーブを、前記タペット室に挿入し、該スリーブを、前記プランジャバレルにより押圧固定するシール部材組込構成を有するものである。
請求項4においては、前記シール部材の収納部をスリーブに設け、該収納部にシール部材を取り付けたスリーブを、前記プランジャバレルに固設し、該プランジャバレルを、前記タペット室に挿嵌固定するシール部材組込構成を有するものである。
請求項5においては、前記シール部材の収納部を前記プランジャバレルに設け、該収納部にシール部材を取り付けたプランジャバレルを、前記タペット室に挿嵌固定するシール部材組込構成を有するものである。
請求項6においては、前記タペット室は、前記加圧室への燃料供給経路の低圧側に連通するものである。
請求項7においては、前記サプライポンプには、前記タペット室の圧力脈動を低減する圧力ダンパを備えるものである。
請求項8においては、前記タペット室を外部に連通する息抜き通路を、タペット室間で連通させるものである。
請求項9においては、前記燃料シール部のリップと潤滑油シール部のリップとの間のリップ間距離は、前記プランジャのストロークよりも大きく設定するものである。
請求項10においては、前記揺動部材は、外周を平面状に切り欠いた平面部を有するカムリングを偏心軸に外嵌した偏心フェース型のカムとするものである。
本発明は、以上のように構成したので、以下に示す効果を奏する。
すなわち、請求項1においては、プランジャバレル内にプランジャを往復摺動可能に設け、該プランジャの一端と前記プランジャバレルとの間に燃料の加圧室を形成する一方、前記プランジャの他端は、前記加圧室と反対方向にプランジャバレルから突出してタペットに連動可能な構成とし、該タペットは、揺動部材による直接駆動により、前記プランジャバレルとプランジャを収容するタペット室内を往復摺動可能としたサプライポンプにおいて、前記タペット室の内周壁と、前記タペットの外周面との間の隙間を封止するためのシール部材を配設すると共に、該シール部材は、前記加圧室からリークする燃料を封止する燃料シール部と、前記揺動部材からの潤滑油を封止する潤滑油シール部という二種の異なるシール部を別体で形成し並設配置する二重シール構造としたので、 前記各シール部が該各シール部の接触するタペットの各部分の変位に応じて迅速に変形し、シール部材全体としての変位追従性を向上させることができ、タペットとシール部材間の隙間を縮小して燃料と潤滑油が相互に混入するのを防止し、燃料の黒色化、不完全燃焼による燃料噴射ノズル噴口部へのカーボンフラワー付着に起因する排気煙の悪化、及び潤滑油の希釈化による潤滑性能の低下を確実に抑制することができる。そして、シール部材を硬めに設定しなくても、このように十分な変位追従性を確保することができ、タペットとシール部材間の衝撃力の増加を抑制し、タペットの擦過やシール部材の損耗による部品寿命の劣化を防ぎ、メンテナンスコストを低減することができる。また、燃料シール部の材質や構造を燃料に適正化し、潤滑油シール部の材質や構造を潤滑油に適正化するようにして、シール部材を両油に対して同時に最適化することができ、シール性の更なる向上を図ることができる。
請求項2においては、前記シール部材の収納部を前記タペット室の内周壁に設け、該収納部に取り付けたシール部材を、該シール部材に当接されたスリーブを介して、前記プランジャバレルにより押圧固定するシール部材組込構成を有するので、シール部材用の組込部材を別途設けることなく、簡単な構成でタペットに近接してシール部材を固定配置することができ、部品点数の減少による部品コストの低減や、構成の簡素化によるメンテナンス性の向上を図ることができる。
請求項3においては、前記シール部材の収納部をスリーブに設け、該収納部にシール部材を取り付けたスリーブを、前記タペット室に挿入し、該スリーブを、前記プランジャバレルにより押圧固定するシール部材組込構成を有するので、シール部材用の組込部材を別途設けることなく、簡単な構成でタペットに近接してシール部材を固定配置することができ、部品点数の減少と構成の簡素化による部品コストの低減とメンテナンス性の向上を図ることができる。更に、シール部材をスリーブと一体的に取り扱うことができ、シール部材の組み込みや交換が容易に行え、組立性も向上させることができる。
請求項4においては、前記シール部材の収納部をスリーブに設け、該収納部にシール部材を取り付けたスリーブを、前記プランジャバレルに固設し、該プランジャバレルを、前記タペット室に挿嵌固定するシール部材組込構成を有するので、シール部材用の組込部材を別途設けることなく、簡単な構成でタペットに近接してシール部材を固定配置することができ、部品点数の減少と構成の簡素化による部品コストの低減とメンテナンス性の向上を図ることができる。更に、シール部材をスリーブを介してプランジャバレルと一体的に取り扱うことができ、シール部材の組み込みや交換が容易に行え、組立性も向上させることができる。
請求項5においては、前記シール部材の収納部を前記プランジャバレルに設け、該収納部にシール部材を取り付けたプランジャバレルを、前記タペット室に挿嵌固定するシール部材組込構成を有するので、シール部材用の組込部材を別途設けることなく、簡単な構成でタペットに近接してシール部材を固定配置することができ、部品点数の減少と構成の簡素化による部品コストの低減とメンテナンス性の向上を図ることができる。更に、シール部材をプランジャバレルと一体的に取り扱うことができ、シール部材の組み込みや交換が容易に行え、組立性も向上させることができる。
請求項6においては、前記タペット室は、前記加圧室への燃料供給経路の低圧側に連通するので、該燃料供給経路を介して、前記加圧室側からタペット室内にリークしてきた高圧の燃料圧力を減圧することができ、前記燃料シール部への負荷圧力が低下して、シール部材の寿命が向上する。
請求項7においては、前記サプライポンプには、前記タペット室の圧力脈動を低減する圧力ダンパを備えるので、該圧力ダンパにより、前記タペットの往復摺動で生じるタペット室内の燃料圧力の脈動を軽減することができ、前記燃料シール部への負荷圧力が低下して、シール部材の寿命が向上する。
請求項8においては、前記タペット室を外部に連通する息抜き通路を、タペット室間で連通させるので、プランジャによる燃料の吸入行程と加圧行程がプランジャ毎にずれて行われる場合に、前記息抜き通路を介してタペット室内の圧力を相殺することができ、前記燃料シール部への負荷圧力が低下して、シール部材の寿命が向上する。
請求項9においては、前記燃料シール部のリップと潤滑油シール部のリップとの間のリップ間距離は、前記プランジャのストロークよりも大きく設定するので、タペットがシール部材側面を往復摺動する際に、燃料シール部のリップによって掻き切られずに切り残された燃料が、潤滑油シール部のリップを超えてシール部材よりもカム側にリークするのを抑制すると共に、潤滑油シール部のリップによって掻き切られずに切り残された潤滑油が、燃料シール部のリップを超えてシール部材よりも加圧室側にリークするのを抑制することができ、燃料と潤滑油が相互に混入するのを一層確実に防止することができる。
請求項10においては、前記揺動部材は、外周を平面状に切り欠いた平面部を有するカムリングを偏心軸に外嵌した偏心フェース型のカムとするので、偏心中心の位置を変更するだけで該カムによるプランジャの変位曲線を自在に変更することができ、種々の圧縮率、圧縮速度、及び供給量の高圧燃料を容易に供給することができ、汎用性に優れたサプライポンプを簡単な構造で提供することができる。そして、前記平面部を形成するので、該平面部にタペットが接する位置において、タペット下面から偏心軸の偏心中心までの距離が最短となり、プランジャのストロークを揺動部材側に拡大することができ、燃料の圧縮率、圧縮速度、及び供給量の変化幅を増加させて更に汎用性を高めることができる。また、タペットとカムリング間の接触面圧、及びカムリングと偏心軸間の接触面圧がいずれも低下し、これらタペット、カムリング、及び偏心軸の耐久性が向上する。
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の第一実施例に係わるサプライポンプの全体構成を示す正面断面図、図2は下死点における第一ポンプ部の全体構成を示す側面断面図、図3はタペット周囲の構成を示す正面拡大断面図、図4は第二実施例に係わる第一ポンプ部の全体構成を示す側面断面図、図5は第三実施例に係わる第一ポンプ部の全体構成を示す側面断面図、図6は第四実施例に係わる第一ポンプ部の全体構成を示す側面断面図である。
まず、本発明の第一実施例に係わるサプライポンプ1の全体構成について、図1、図2により説明する。
該サプライポンプ1において、ケーシング2に上下方向に形成された二個のタペット室11の上部には、それぞれプランジャバレル3が挿嵌され、該各プランジャバレル3の下半部の内部に、それぞれプランジャ4が上下方向に往復摺動可能に設けられるようにして、第一ポンプ部33と第二ポンプ部34が形成されると共に、該両ポンプ部33・34による燃料の圧縮タイミングを位相差で180度ずらすことにより、高圧燃料を連続して供給できるようにしている
そして、各プランジャ4の下部は、前記プランジャバレル3の下端部から下方へ突出されると共に、これらプランジャバレル3とプランジャ4の下方には、バネ受け5が対向するようにして配置されている。なお、両ポンプ部33・34の構造は略同一であるため、以下の説明では、一方の第一ポンプ部33を中心にして説明し、第二ポンプ部34については必要な場合にのみ説明する。
前記第一ポンプ部33において、バネ受け5は、プランジャ4の下端部に嵌合されて、該プランジャ4とともに上下方向に往復動可能に構成されると共に、このバネ受け5の上面と前記プランジャバレル3の下端部との間には、バネ6が前記プランジャ4と同一軸心上に圧縮状態で介装されており、該バネ6の弾性力によって、前記プランジャ4がバネ受け5を介して下方へ付勢されている。
更に下方には、上に開口した円筒状のタペット7が、前記プランジャ4と同一軸心上に、前記タペット室11内を上下方向に往復動可能に設けられ、このタペット7の上半部の筒部7a内に前記バネ受け5が嵌設されており、前記バネ6の弾性力によって、タペット7も、バネ受け5を介して前記プランジャ4と一緒に下方へと付勢されている。これにより、タペット7は、前記プランジャ4に連動すると共に、該タペットの下面は、カム軸8に外嵌されたカムリング9に対して、前記バネ6の弾性力によって常に圧接された状態に保持されている。
このカム軸8は、前記プランジャ4の軸心方向に対して直交するように、前記ケーシング2の下部に回転可能に支持されると共に、該カム軸8の一端側にはフィードポンプ15が設けられ、他端側には駆動ギヤ13が固設されている。そして、該駆動ギヤ13を介して、図示せぬエンジンのクランク軸からのエンジン動力がカム軸8に伝達され、該カム軸8が高速で回転駆動される。
このようなカム軸8とカムリング9とから成る各カム10が、ケーシング2内で各タペット7に対向する位置に、前述の如く、180度の位相差となるように並設されている。該二個のカム10・10は、カム軸8の回転に伴って一体的に回転されると共に、各カム10の回転は、前述したように、各タペット7の下面が各カムリング9に圧接した状態で行われる。なお、本説明における実施例のいずれも、位相差を180度としているが、サプライポンプ1によって高圧燃料を連続して安定供給可能な位相差であればよく、ポンプ部の個数や各ポンプ部間の位相差は、特に限定されるものではない。
そして、前記カム軸8は、該カム軸8の回転中心8aが断面中心8bからずれて偏心した偏心軸であって、カム軸8が回転するとカムリング9を介してタペット7が上下方向に往復動されるが、該タペット7の往復動の幅や速度は、断面内における前記回転中心8aの位置を調整することにより自在に変更することができ、従って、該タペット7に連動連結するプランジャ4の往復動の幅や速度も自在に変更することができる。
更に、該カムリング9の外周曲面で前記回転中心8aに近い側(以下、「偏心側」とする。)には、該外周曲面を平面状に切り欠いて成る平面部9aが形成されており、カム軸8が回転して該平面部9aに前記タペット7の下面が圧接した状態になると、回転中心8aとタペット7下面との間隔が最小となるように構成されている。
すなわち、揺動部材は、外周を平面状に切り欠いた平面部9aを有するカムリング9を偏心軸であるカム軸8に外嵌した偏心フェース型のカム10とするので、偏心中心である回転中心8aの位置を変更するだけで該カム10によるプランジャ4の変位曲線を自在に変更することができ、種々の圧縮率、圧縮速度、及び供給量の高圧燃料を容易に供給することができ、汎用性に優れたサプライポンプ1を簡単な構造で提供することができる。そして、前記平面部9aを形成するので、該平面部9aにタペット7が接する位置において、タペット7下面からカム軸8の回転中心8aまでの距離が最短となり、プランジャ4のストローク37をカム10側に拡大することができ、燃料の圧縮率、燃料の圧縮率、圧縮速度、及び供給量の変化幅を増加させて更に汎用性を高めることができる。また、タペット7とカムリング9間の接触面圧、及びカムリング9とカム軸8間の接触面圧がいずれも低下し、これらタペット7、カムリング9、及びカム軸8の耐久性が向上する。
また、前記プランジャバレル3の上部内には、吸入側逆止弁21、吐出側逆止弁22、及び継手23が、プランジャ4と同一軸心上に配置され、該プランジャ4側から順に上方に向かって配設されている。これらの部材のうちで最上位置の継手23は、プランジャバレル3から上方へ突出されている。
一方、最下位置の吸入側逆止弁21の下方においては、前記プランジャバレル3とプランジャ4との間に加圧室25が形成されている。該加圧室25は、ケーシング2やプランジャバレル3等に形成された燃料供給経路31から燃料吸入口43を介して、図示せぬ燃料タンクに連通されると共に、前記継手23やこれに接続された配管などで形成された燃料吐出経路32を介して、図示せぬ蓄圧室に連通されている。
このうちの燃料供給経路31には、前記フィードポンプ15と吸入側逆止弁21とが途中に設けられており、燃料吸入口43より流入してきた燃料が、前記フィードポンプ15によって圧送され、吸入側逆止弁21を介して燃料経路41から加圧室25に吸入されるようにしている。また、前記燃料吐出油路32には、前記吐出側逆止弁22が設けられており、加圧室25で高圧化された燃料が、該加圧室25から吐出側逆止弁22を介して吐出され、前記蓄圧室に圧送されるようにしている。
このような構成において、前記カム軸8が回転されると、該カム軸8に連動連結されたフィードポンプ15が駆動されると共に、該カム軸8に外嵌されたカムリング9が回転され、該カムリング9によりタペット7が往復動され、該タペット7に嵌設されたバネ受け5を介して、前記プランジャ4も往復動され、該往復動によって、加圧室25への燃料の吸入行程と、加圧室25からの燃料の吐出行程とが交互に行われる。
つまり、吸入行程においては、プランジャ4がバネ6の付勢力によって下方へ付勢され、図1の第一ポンプ部33に示すような上死点35から下降すると、前記フィードポンプ15によって圧送されてきた燃料が、前述の如く、吸入側逆止弁21等を介して加圧室25に吸入される。そして、吐出行程においては、プランジャ4がバネ6の付勢力に抗してカム10によって押し上げられ、図1の第二ポンプ部34に示すような下死点36から上昇すると、加圧室25に吸入されていた燃料が加圧され、前述の如く、吐出側逆止弁22等を介して蓄圧室へと圧送されるのである。
次に、このようなサプライポンプ1における燃料と潤滑油の浸入状況、及びこの両油間の相互混入を防止可能なシール構造について、図1乃至図3により説明する。
サプライポンプ1においては、前記タペット7の筒部7aの内側とプランジャバレル3の下面との間で前記バネ受け5とバネ6とが収容される空間(以下、「バネ室」とする。)11a内には、前記加圧室25からプランジャ4とプランジャバレル3との間の隙間を通ってリークしてきた燃料が、流入して蓄積されている。
一方、ケーシング2の下部においては、ベアリング等の玉軸受け12、スラストプレート14a・14b、スラストメタル16a・16b等が設けられており、該玉軸受け12、スラストプレート14a・14b、スラストメタル16a・16b等を介して、カム軸8がケーシング2に回転自在に支持されている。そして、これら玉軸受け12、スラストプレート14a・14b、スラストメタル16a・16b等とカム軸8との隙間には、図示せぬ配管等を通って潤滑油が外部から供給されると共に、該潤滑油は、タペット7の底面とカムリング9の外周面との隙間や、タペット7の外周面とタペット室11の内周壁18との隙間にも供給されている。
本発明に係わるシール部材17は、このようなバネ室11a内の燃料とタペット7の外周面の潤滑油とが相互に混入する位置に該当するタペット室11の内周壁18に、直接取り付けられている。該内周壁18は、前記タペット室11の下部にあって前記タペット7と同径の内側壁18aと、該内側壁18aよりも大径で前記プランジャバレル3が挿嵌される外側壁18bとを有し、該外側壁18bと前記内側壁18aとの間の段差部18cに、前記シール部材17が収納されている。
該シール部材17は、前記バネ室11aからの燃料を封止する燃料シール部17aと、前記タペット7の外周面からの潤滑油を封止する潤滑油シール部17bとから成り、該燃料シール部17aと潤滑油シール部17bとは、いずれも前記段差部18cと同厚であって、互いに別体に形成されると共に、前記段差部18c上に上から順に並設されて成る二重シール構造を構成している。
このうちの燃料シール部17aは、複数の支持部材26a・26b・26cと、該支持部材26a・26b・26cによって形状が保持されるリップ部材27とより構成され、該リップ部材27はゴム等の弾性体から成ると共に、該リップ部材27の内側にはリング状の上リップ27aが内側に突設されており、該上リップ27aが、前記タペット7の外周面に弾性力をもって常に接触されるようにしている。
更に、燃料シール部17aには、前記支持部材26a・26b・26cとリップ部材27、及び後述するスリーブ19の下面とによって囲まれた油溜まり17cが形成され、該油溜まり17cは、前記上リップ27aの上方位置において開口17eで開放されている。
前記潤滑油シール部17bについても同様に、複数の支持部材28a・28b・28cと、該支持部材28a・28b・28cによって形状が保持されるリップ部材29とより構成され、該リップ部材29はゴム等の弾性体から成ると共に、リップ部材29の内側にはリング状の下リップ29aが内側に突設されており、該下リップ29aが、前記タペット7の外周面に弾性力をもって常に接触されるようにしている。
更に、潤滑油シール部17bにも同様に、前記支持部材28a・28b・28cとリップ部材29、及び前記段差部18cの上面とによって囲まれた油溜まり17dが形成され、該油溜まり17dは、前記下リップ29aの下方位置において開口17fで開放されている。
そして、このような燃料シール部17aと潤滑油シール部17bを上下に並設して成るシール部材17の上部には、更に、リング状の前記スリーブ19が載置されている。該スリーブ19は、前記段差部18cの深さやシール部材17と同厚に形成されており、タペット7が、タペット室11内で面一に形成された内側壁18a、シール部材17、及びスリーブ19の内側面上を、上下方向に円滑に往復摺動できるようにしている。
更に、該スリーブ19は、タペット室11内に挿嵌された前記プランジャバレル3により、常にシール部材17側に押圧されており、これにより、該シール部材17を、前記外側壁18bや段差部18cとスリーブ19との間に、挟持された状態で固定することができる。
以上のような構成において、タペット7停止時には、前記シール部材17の上下のリップ部材27・29がタペット7の外周面に外嵌されており、前記上下のリップ27a・29aによって挟まれた範囲(以下、「シール域」とする。)40にあるタペット7の外周面が、シール部材17によってシールされた状態にある。
この状態でタペット7が下降すると、前記シール域40を境にして、それよりも上方の加圧室25側に位置するタペット7の外周面に付着した燃料が、燃料シール部17aの上リップ27aにより掻き切られて、前記開口17eから油溜まり17cに排出され、カム10側への燃料のリークが軽減される。逆に、タペット7が上昇すると、前記シール域40よりも下方のカム10側に位置するタペット7の外周面に付着した潤滑油が、潤滑油シール部17bの下リップ29aにより掻き切られて、前記開口17fから油溜まり17dに排出され、タペット室11側への潤滑油のリーク、つまり加圧室25側への潤滑油のリークが軽減される。
前記油溜まり17c内に排出された燃料は、充満すると、タペット7が下降して上端7bが下がり油溜まり17cがバネ室11a内に開放された際に、前記開口17eを通ってバネ室11a内に戻される。一方、前記油溜まり17dには、前記段差部18cで縦方向に穿孔された油路2aが接続され、該油路2aは、隣接するポンプ部33・34の各カム10のカムリング9外周面の間を連通する油路2bに接続されており、油溜まり17dに排出された潤滑油は、油路2a・2aから油路2bを通って各潤滑部分に再供給されるようにしている。
更に、前記上リップ27aと下リップ29aとは、それぞれ、別体の燃料シール部17aと潤滑油シール部17bによって支持されているため、揺動するカム10に直接接触して大きく振動するタペット7の変位に対し、該上リップ27aと下リップ29aとは、互いに他方の影響を受けることなく自由に伸縮変形して迅速に追従することができる。
加えて、燃料シール部17aは、主としてバネ室11aや油溜まり17c内にある燃料としか接触せず、潤滑油シール部17bは、主としてタペット7の外周面や油溜まり17d内にある潤滑油としか接触せず、しかも、これらの燃料シール部17aと潤滑油シール部17bとは別体に構成されているため、必要に応じて、各シール部17a・17b、特にリップ部材27・29の材質や構造を、それぞれ、燃料や潤滑油に適したものに構成することもできる。
すなわち、プランジャバレル3内にプランジャ4を往復摺動可能に設け、該プランジャ4の一端と前記プランジャバレル3との間に燃料の加圧室25を形成する一方、前記プランジャ4の他端は、前記加圧室25と反対方向にプランジャバレル3から突出してタペット7に連動可能な構成とし、該タペット7は、揺動部材であるカム10による直接駆動により、前記プランジャバレル3とプランジャ4を収容するタペット室11内を往復摺動可能としたサプライポンプ1において、前記タペット室11の内周壁18と、前記タペット7の外周面との間の隙間を封止するためのシール部材17を配設すると共に、該シール部材17は、前記加圧室25からリークする燃料を封止する燃料シール部17aと、前記カム10からの潤滑油を封止する潤滑油シール部17bという二種の異なるシール部を別体で形成し並設配置する二重シール構造としたので、前記各シール部17a・17bが該各シール部17a・17bの接触するタペット7の各部分の変位に応じて迅速に変形し、シール部材17全体としての変位追従性を向上させることができ、タペット7とシール部材17間の隙間を縮小して燃料と潤滑油が相互に混入するのを防止し、燃料の黒色化、不完全燃焼による燃料噴射ノズル噴口部へのカーボンフラワー付着に起因する排気煙の悪化、及び潤滑油の希釈化による潤滑性能の低下を確実に抑制することができる。
そして、シール部材17を硬めに設定しなくても、このように十分な変位追従性を確保することができ、タペット7とシール部材17間の衝撃力の増加を抑制し、タペット7の擦過やシール部材17の損耗による部品寿命の劣化を防ぎ、メンテナンスコストを低減することができる。また、燃料シール部17aの材質や構造を燃料に適正化し、潤滑油シール部17bの材質や構造を潤滑油に適正化するようにして、シール部材17を両油に対して同時に最適化することができ、シール性の更なる向上を図ることができる。
更に、前記シール部材17の収納部として段差部18cを前記タペット室11の内周壁18に設け、該段差部18cに取り付けたシール部材17を、該シール部材17に当接されたスリーブ19を介して、前記プランジャバレル3により押圧固定するシール部材組込構成を有するので、シール部材17用の組込部材を別途設けることなく、簡単な構成でタペット7に近接してシール部材17を固定配置することができ、部品点数の減少による部品コストの低減や、構成の簡素化によるメンテナンス性の向上を図ることができる。
また、前記上リップ27aと下リップ29aとの間の距離(以下、「リップ間距離」とする。)42は、前記プランジャ4の上死点35と下死点36との間の距離を示す前記ストローク37よりも大きくなるように設定されている。
ここで、前述の如く、タペット7の下降時には、その外周面に付着した燃料が上リップ27aによって掻き切られ、タペット7の上昇時には、その外周面に付着した潤滑油が下リップ29aによって掻き切られるため、上下のリップ27a・29aによって挟まれた前記シール域40内には燃料も潤滑油も浸入できない。
しかし、サプライポンプ1の長時間稼働やシール部材17の寿命による劣化等により、上下のリップ27a・29aのシール性が低下すると、上リップ27aの場合は、燃料を完全には掻き切れずに切り残された燃料が、シール域40内に浸入したり、更には、該シール域40内を超えてカム10側にリークしたりする。下リップ29aの場合についても、同様に、完全に掻き切れずに切り残された潤滑油が、シール域40内に浸入したり、更には、該シール域40内を超えてタペット室11側、つまり加圧室25側にリークしたりする。
これに対し、本実施例のように前記リップ間距離42をストローク37よりも大きく設定していると、上リップ27aで切り残された燃料や下リップ29aで切り残された潤滑油を、いずれも、シール域40内だけに留め、該シール域40から外部には移動できないようにすることができ、燃料や潤滑油が加圧室25側やカム10側にリークすることがない。
すなわち、前記燃料シール部17aのリップである上リップ27aと潤滑油シール部17bのリップである下リップ29aとの間のリップ間距離42は、前記プランジャ4のストローク37よりも大きく設定するので、タペット7がシール部材17側面を往復摺動する際に、燃料シール部17aの上リップ27aによって掻き切られずに切り残された燃料が、潤滑油シール部17bのリップである下リップ29aを超えてシール部材17よりもカム10側にリークするのを抑制すると共に、潤滑油シール部17bの下リップ29aによって掻き切られずに切り残された潤滑油が、燃料シール部17aの上リップ27aを超えてシール部材17よりも加圧室25側にリークするのを抑制することができ、燃料と潤滑油が相互に混入するのを一層確実に防止することができる。
また、前記スリーブ19の上下方向の略中央位置には、前記タペット室11を通路2e等を介して外部と連通するための息抜き通路19a乃至19eが穿孔されている。該息抜き通路19a乃至19eは、タペット室11の息抜きのために設けられたものであり、そのうちの、第一ポンプ部33でフィードポンプ15側に穿孔された息抜き通路19aは、該息抜き通路19aと同軸上でケーシング2内に穿孔された連通路2cを介して、前記燃料供給経路31で上手側にある経路31aに接続されている。
該経路31aは、前記燃料吸入口43とフィードポンプ15との間に介設されており、該フィードポンプ15を使って燃料を加圧した後の経路31bよりも低圧となっており、これにより、タペット室11を、息抜き通路19aから連通路2cを介して、低圧の経路31aに接続することができ、タペット室11にリークしてきた高圧の燃料の圧抜きを効果的に行うことができる。
すなわち、前記タペット室11は、前記加圧室25への燃料供給経路31の低圧側である経路31aに連通するので、該経路31aを介して、前記加圧室25側からタペット室11内にリークしてきた高圧の燃料圧力を減圧することができ、前記燃料シール部17aへの負荷圧力が低下して、シール部材17の寿命が向上する。
更に、前記息抜き通路19a乃至19eのうちで、隣接する息抜き通路19bと息抜き通路19cとの間には通路2dが介設され、これら息抜き通路19b、通路2d、息抜き通路19cを介して、第一ポンプ部33のタペット室11と第二ポンプ部34のタペット室11とが連通されるようにしている。
このため、第一ポンプ部33と第二ポンプ部34における両プランジャ4の位相が180度ずれて、吸入行程側のタペット室11では、プランジャ4と一緒にタペット7が下降し、バネ室11aの容積が増加して減圧される一方、吐出行程側のタペット室11では、プランジャ4と一緒にタペット7が上昇し、バネ室11aの容積が減少して増圧されるような場合であっても、前記息抜き通路19b、通路2d、息抜き通路19cを介して両タペット室11・11間を常に連通状態に設定して、両タペット室11・11内の圧力を相殺させることができる。
なお、この圧力相殺の効果は、本実施例のように、二個のポンプ部33・34を設けて位相差を180度とする場合だけでなく、三個以上のポンプ部を設けて位相差を180度以下に設定する場合であっても、両タペット室11・11内の圧力変動を緩和する点からは非常に有効である。
すなわち、前記タペット室11を外部に連通する息抜き通路19b・19cを、タペット室11・11間で連通させるので、プランジャ4による燃料の吸入行程と加圧行程がプランジャ4毎にずれて行われる場合に、前記息抜き通路19b・19cを介してタペット室11・11内の圧力を相殺することができ、前記燃料シール部17aへの負荷圧力が低下して、シール部材17の寿命が向上する。
また、前記ケーシング2内でスリーブ19の側方には、図2に示す圧力ダンパ24が設けられている。該圧力ダンパ24は、前記タペット室11に息抜き通路19eと通路2fを介して連通される受圧ケース24aを備え、該受圧ケース24aは、ケーシング2の凹部2g内に収納され蓋体30によって閉塞されたバネ24bにより、タペット室11側に常時付勢されており、タペット室11内から息抜き通路19eと通路2fを介して所定以上の圧力を受けると、受圧ケース24aが外方に移動して受圧部分の容積が増加するようにして、タペット室11内の燃料圧力の脈動を軽減する構成としている。
すなわち、前記サプライポンプ1には、前記タペット室11の圧力脈動を低減する圧力ダンパ24を備えるので、該圧力ダンパ24により、前記タペット7の往復摺動で生じるタペット室11内の燃料圧力の脈動を軽減することができ、前記燃料シール部17aへの負荷圧力が低下して、シール部材17の寿命が向上する。
次に、第二実施例のサプライポンプ1Aにおける前記シール部材17の組込構成について、図4により説明する。
該サプライポンプ1Aは、シール部材17をタペット室11の内周壁18に直接取り付けた前記サプライポンプ1とは異なり、シール部材17をタペット室11内のスリーブ44に予め取り付けたものである。
該スリーブ44には、その下半部にタペット室11側に開いた凹状の収納部44aが形成され、該収納部44aに前記シール部材17が取り付けられており、このようにシール部材17を一体的に取り付けたスリーブ44が、前記段差部18cに嵌め込まれるようにしている。
そして、このスリーブ44は、タペット室11内に挿嵌されたプランジャバレル3により、常にカム10側に押圧されており、これにより、既存の構成を大きく変更することなく、前記スリーブ44を、前記外側壁18bや段差部18cとプランジャバレル3との間に挟持された状態で固定することができる。
すなわち、前記シール部材17の収納部44aをスリーブ44に設け、該収納部44aにシール部材17を取り付けたスリーブ44を、前記タペット11室に挿入し、該スリーブ44を、前記プランジャバレル3により押圧固定するシール部材組込構成を有するので、シール部材17用の組込部材を別途設けることなく、簡単な構成でタペット7に近接してシール部材17を固定配置することができ、部品点数の減少と構成の簡素化による部品コストの低減とメンテナンス性の向上を図ることができる。更に、シール部材17をスリーブ44と一体的に取り扱うことができ、シール部材17の組み込みや交換が容易に行え、組立性も向上させることができる。
次に、第三実施例のサプライポンプ1Bにおける前記シール部材17の組込構成について、図5により説明する。
該サプライポンプ1Bは、前記サプライポンプ1Aのようにシール部材17を一体的に取り付けたスリーブ44を、前記プランジャバレル3に予め固設したものである。
該スリーブ44には、サプライポンプ1Aと同様に、凹状の収納部44aが形成され、該収納部44aに前記シール部材17が取り付けられ、このようにシール部材17を一体的に取り付けたスリーブ44が、プランジャバレル3の側面に螺装または接着剤等によって固定されている。
そして、シール部材17を備えたスリーブ44を固定したプランジャバレル3をタペット室11内に挿嵌することにより、スリーブ44は常にカム10側に押圧されており、これにより、既存の構成を大きく変更することなく、前記スリーブ44を、前記外側壁18bや段差部18cとプランジャバレル3との間に挟持された状態で固定することができる。
すなわち、前記シール部材17の収納部44aをスリーブ44に設け、該収納部44aにシール部材17を取り付けたスリーブ44を、前記プランジャバレル3に固設し、該プランジャバレル3を、前記タペット室11に挿嵌固定するシール部材組込構成を有するので、シール部材17用の組込部材を別途設けることなく、簡単な構成でタペット7に近接してシール部材17を固定配置することができ、部品点数の減少と構成の簡素化による部品コストの低減とメンテナンス性の向上を図ることができる。更に、シール部材17をスリーブ44を介してプランジャバレル3と一体的に取り扱うことができ、シール部材17の組み込みや交換が容易に行え、組立性も向上させることができる。
次に、第四実施例のサプライポンプ1Cにおける前記シール部材17の組込構成について、図6により説明する。
該サプライポンプ1Cは、シール部材17をスリーブ44に取り付けた前記サプライポンプ1A・1Bとは異なり、シール部材17をプランジャバレル45に予め取り付けたものである。
該プランジャバレル45は、その下半部が下に開口した円筒状に形成され、その筒部45aに、タペット室11側に開いた凹状の収納部45bが形成されており、該収納部45bに前記シール部材17が取り付けられている。
そして、シール部材17を備えたプランジャバレル45をタペット室11内に挿嵌することにより、シール部材17は常にカム10側に押圧されており、これにより、既存の構成を大きく変更することなく、前記シール部材17を、前記段差部18cとプランジャバレル3との間に挟持された状態で固定することができる。
すなわち、前記シール部材17の収納部45bを前記プランジャバレル45に設け、該収納部45bにシール部材17を取り付けたプランジャバレル45を、前記タペット室11に挿嵌固定するシール部材組込構成を有するので、シール部材17用の組込部材を別途設けることなく、簡単な構成でタペット7に近接してシール部材17を固定配置することができ、部品点数の減少と構成の簡素化による部品コストの低減とメンテナンス性の向上を図ることができる。更に、シール部材17をプランジャバレル45と一体的に取り扱うことができ、シール部材17の組み込みや交換が容易に行え、組立性も向上させることができる。
本発明は、プランジャバレル内にプランジャを往復摺動可能に設け、該プランジャの一端と前記プランジャバレルとの間に燃料の加圧室を形成する一方、前記プランジャの他端は、前記加圧室と反対方向にプランジャバレルから突出してタペットに連動可能な構成とし、該タペットは、揺動部材による直接駆動により、前記プランジャバレルとプランジャを収容するタペット室内を往復摺動可能とした、全てのサプライポンプに適用することができる。
本発明の第一実施例に係わるサプライポンプの全体構成を示す正面断面図である。 下死点における第一ポンプ部の全体構成を示す側面断面図である。 タペット周囲の構成を示す正面拡大断面図である。 第二実施例に係わる第一ポンプ部の全体構成を示す側面断面図である。 第三実施例に係わる第一ポンプ部の全体構成を示す側面断面図である。 第四実施例に係わる第一ポンプ部の全体構成を示す側面断面図である。
符号の説明
1・1A・1B・1C サプライポンプ
3・45 プランジャバレル
4 プランジャ
7 タペット
8 カム軸(偏心軸)
9a 平面部
10 揺動部材・カム
11 タペット室
17 シール部材
17a 燃料シール部
17b 潤滑油シール部
18 内周壁
18c 段差部(収納部)
19・44 スリーブ
19a・19b・19c・19d・19e 息抜き通路
24 圧力ダンパ
25 加圧室
27a 上リップ(燃料シール部のリップ)
29a 下リップ(潤滑油シール部のリップ)
31 燃料供給経路
31a 経路(燃料供給経路の低圧側)
37 ストローク
42 リップ間距離
44a・45b 収納部

Claims (10)

  1. プランジャバレル内にプランジャを往復摺動可能に設け、該プランジャの一端と前記プランジャバレルとの間に燃料の加圧室を形成する一方、前記プランジャの他端は、前記加圧室と反対方向にプランジャバレルから突出してタペットに連動可能な構成とし、該タペットは、揺動部材による直接駆動により、前記プランジャバレルとプランジャを収容するタペット室内を往復摺動可能としたサプライポンプにおいて、前記タペット室の内周壁と、前記タペットの外周面との間の隙間を封止するためのシール部材を配設すると共に、該シール部材は、前記加圧室からリークする燃料を封止する燃料シール部と、前記揺動部材からの潤滑油を封止する潤滑油シール部という二種の異なるシール部を別体で形成し並設配置する二重シール構造としたことを特徴とするサプライポンプ。
  2. 前記シール部材の収納部を前記タペット室の内周壁に設け、該収納部に取り付けたシール部材を、該シール部材に当接されたスリーブを介して、前記プランジャバレルにより押圧固定するシール部材組込構成を有することを特徴とする請求項1に記載のサプライポンプ。
  3. 前記シール部材の収納部をスリーブに設け、該収納部にシール部材を取り付けたスリーブを、前記タペット室に挿入し、該スリーブを、前記プランジャバレルにより押圧固定するシール部材組込構成を有することを特徴とする請求項1に記載のサプライポンプ。
  4. 前記シール部材の収納部をスリーブに設け、該収納部にシール部材を取り付けたスリーブを、前記プランジャバレルに固設し、該プランジャバレルを、前記タペット室に挿嵌固定するシール部材組込構成を有することを特徴とする請求項1に記載のサプライポンプ。
  5. 前記シール部材の収納部を前記プランジャバレルに設け、該収納部にシール部材を取り付けたプランジャバレルを、前記タペット室に挿嵌固定するシール部材組込構成を有することを特徴とする請求項1に記載のサプライポンプ。
  6. 前記タペット室は、前記加圧室への燃料供給経路の低圧側に連通することを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか一項に記載のサプライポンプ。
  7. 前記サプライポンプには、前記タペット室の圧力脈動を低減する圧力ダンパを備えることを特徴とする請求項1から請求項6のうちのいずれか一項に記載のサプライポンプ。
  8. 前記タペット室を外部に連通する息抜き通路を、タペット室間で連通させることを特徴とする請求項1から請求項7のうちのいずれか一項に記載のサプライポンプ。
  9. 前記燃料シール部のリップと潤滑油シール部のリップとの間のリップ間距離は、前記プランジャのストロークよりも大きく設定することを特徴とする請求項1から請求項8のうちのいずれか一項に記載のサプライポンプ。
  10. 前記揺動部材は、外周を平面状に切り欠いた平面部を有するカムリングを偏心軸に外嵌した偏心フェース型のカムとすることを特徴とする請求項1から請求項9のうちのいずれか一項に記載のサプライポンプ。
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