JP2010105658A - 乗物の車輪にタイヤを装着および除去するためのタイヤ交換機 - Google Patents

Abstract

【課題】非熟練者でも容易に操作可能なタイヤ交換機を提供すること。
【解決手段】リム（Ｃ）および装着又は除去されるタイヤ（Ｐ）を有する乗物の少なくとも１つの車輪（Ｒ）用の把持回転手段（３）を支持するベースフレーム（２）と、前記ベースフレーム（２）に結合し少なくとも装着／除去工具（５，６）を有する少なくとも操作ヘッド（４）と、工具（５，６）がリム（Ｃ）のフランジ（Ｂ）の実質的に近傍でタイヤ（Ｐ）に接触するように配置される作業位置において操作ヘッド（４）を位置決めするのに適した操作手段（７，８，９）とを備えたタイヤ交換機（１）が、作業位置における操作ヘッド（４）の位置決めを行うために操作手段（７，８，９）の制御／援助に適した少なくとも１つの制御処理ユニット（１１）に作動的に結合し、リム（Ｃ）のフランジ（Ｂ）を、接触することなしに検出する非接触検出手段（１０）を備える、乗物の車輪にタイヤを装着および除去するためのタイヤ交換機（１）。
【選択図】図１

Description

この発明は、乗物の車輪にタイヤを装着および除去するためのタイヤ交換機に関する。

よく知られていることであるが、乗物の車輪は軸方向の両端に環状のフランジを有する円筒状金属リムからなり、環状フランジの間には弾性タイヤを嵌め込む溝が形成されている。

タイヤを嵌め込む形態において、タイヤの両側部、所謂「ビード」は、リムの環状フランジにぴったりと詰め込まれる。

タイヤの内側には内部チューブを装着することができ、「チューブレス」タイプのタイヤの場合には、加圧空気を直接導入することができる。

現在では、タイヤを、相応するリムに対して装着および除去する作業を行うために、所謂タイヤ交換機が使用されている。
そのタイヤ交換機によって、例えばメンテナンスの作業を行ったり、タイヤを、相応するリムから取りはずして内部チューブやリムおよび／又はタイヤそれ自体を交換した後に同じタイヤ又は交換用タイヤをリムに再装着したりすることができる。

把持回転手段の回転軸は、タイヤ交換機のタイプにより、垂直又は水平にすることができる。

ベースフレームの上には、リムに対してタイヤを装着および／又は除去する１つ以上の工具を備えた１つ以上の操作ヘッドが搭載される。

使用される工具は、用途に応じて異なる形状と寸法を有する。

工具の中には、例えば、フックの形状を有し、タイヤの除去時にタイヤのビードと、リムの対応する環状フランジとの間に嵌入されるように、また、タイヤの装着時に環状フランジ間の溝にビードを押し込むように意図されたものもある。

一方、先端を切った円錐又は円筒の形状を有し、タイヤの装着時にタイヤのビードをリムの溝の内側へ押圧し、除去時に外側へ押圧するように意図された加圧ローラとして働くように回転するようにしたものもある。

タイヤ交換機に搭載される操作ヘッドは、通常、エアシリンダや油圧シリンダ等のような自動操作手段に結合され、人間より大きい力でタイヤの装着および除去作業を行う。作業者は操作ヘッドの動作を制御する操作指令によりタイヤ交換機を操作し、タイヤ交換機の正確な操作は、工具の誤りのない制御により得られる。

しかしながら、このように作られたタイヤ交換機は、使用に対してさらに効果的で、タイヤの装着および除去作業の実行においてさらに正確なものにするように改良する余地がある。

実際、従来のタイヤ交換機は、工具の動作が作業者のプロ意識と経験に依存しているので、使いにくい。

特に、留意すべきことであるが、タイヤ交換機におけるタイヤの装着および除去作業の実施時に、作業者にとって最も重大な点は次の通りである。
・リム上におけるタイヤの接触フランジを認識し、接触フランジの近くに工具を位置決めして下記の操作段階を実施すること。
・ビードに過剰なストレスを引きおこしたり、ビードの内部構造を破損させたりすることなく（とりわけ、低断面タイヤやランフラットタイヤのようなよりデリケートなタイヤの場合に）また、リムに接触したりリムをひっかいたりすることなく（とりわけ、合金リムのような高価なリムの場合に）、リムの溝からタイヤを除去するためにフック形工具を操作すること。

従って、さらに一般的に強調されることは、タイヤが接触するリムのフランジを認識する作業者の能力と、フランジそれ自体の近くに工具を正確に位置決める作業者の技術とが、タイヤ交換機の現状の機能的な限界を象徴するということである。

さらに、この点において、具体的に述べると、従来のタイヤ交換機の制御が難しいということは、タイヤ交換機が適正に訓練された熟練者のみによって無視できない経費で使用されるという結果になり、不都合なことである。

この発明の主目的は、使用に対して実用的、かつ、機能的であり、非熟練者によって使用できるほどにタイヤの装着および除去作業の実施が作業者にとって容易であり、低労働コストの面から著しく経済的な節約をもたらすタイヤ交換機を提供することである。

この発明の他の目的は、使用するのに単純で、合理的で、効率的で、かつ、低価格という範囲内で、背景技術の上述の欠点を克服することが可能な、乗物の車輪に対してタイヤを装着および除去するタイヤ交換機を提供することである。

上記の目的は、リムおよび装着又は除去されるタイヤを有する乗物の少なくとも１つの車輪用の把持回転手段を支持するベースフレームと、前記ベースフレームに結合し少なくとも装着／除去工具を有する少なくとも操作ヘッドと、工具がリムのフランジの実質的に近傍でタイヤに接触するように配置される作業位置において操作ヘッドを位置決めするのに適した操作手段とを備えたタイヤ交換機が、作業位置における操作ヘッドの位置決めを行うために操作手段の制御／援助に適した少なくとも１つの制御処理ユニットに作動的に結合し、リムのフランジを、接触することなしに検出する非接触検出手段を備える、乗物の車輪にタイヤを装着および除去するためのタイヤ交換機によって達成される。

この発明によるタイヤ交換機の斜視図である。 操作される車輪上に、この発明によるタイヤ交換機によって投影された画像の拡大斜視図である。

図１は乗物の車輪に対してタイヤを装着および除去するためのタイヤ交換機１を示す斜視図である。

タイヤ交換機１は、乗物用車輪Ｒの把持回転手段３を支持するベースフレーム２を備える。

車輪Ｒは、リムＣと、リムＣに対して装着および／又は除去されるタイヤＰから構成される。

特に図示される実施形態においては、ベースフレーム２は、ベース２ａを備え、その上に把持回転手段３が突き出ている。

把持回転手段３は垂直軸スピンドルを備える。しかし、タイヤ交換機１が水平軸の把持回転手段３を有する他の実施形態が除外されるものではない。

ベースフレーム２はまた、取付台２ｂを備え、取付台２ｂはベース２ａから垂直に突出し、操作ヘッド４を支持する。

操作ヘッド４は、タイヤＰを装着および／又は除去するための工具５，６を有し、作業形態において操作ヘッド４を位置決めするための自動化された操作手段７，８，９に結合している。作業形態では、工具５，６はリムＣのフランジＢの近くのタイヤＰのビードＴに接触するように配置される。

特にこの実施形態では、操作ヘッド４は、取付台２ｂから突き出す実質的に水平なアームによって形成され、そのアームは工具５，６が装着された自由端を有する。

特に、工具５は、ビードＴを把持又は抜き出すためにタイヤＰのビードＴと、車輪ＲのリムＣとの間に長手方向に挿入可能なフック形工具５によって形成され、工具６は、装着および除去作業中に車輪Ｒを加圧するためにビードＴを押圧するように設計された押圧部材６によって形成される。

図１に概略的に示された操作手段７，８，９は、操作ヘッド４を車輪Ｒの回転軸に平行な方向に沿って、つまり、取付台２ｂに沿って移動させる第１アクチュエータ７と、操作ヘッド４を車輪Ｒの回転軸に直交する方向に沿って移動させ、操作ヘッド４のアームを伸縮させる第２アクチュエータ８と、操作ヘッド４を移動させて車輪Ｒの回転軸に対する工具５の角度を変化させ除去作業におけるビードＴの把持および抜き出しを容易にする第３アクチュエータ９とをそれぞれ備える。

しかしながら、複数の操作ヘッド４が図示されるものと異なる工具５，６を備え、かつ、異なるタイプのアクチュエータ７，８，９によって操作される他の実施形態、例えば、工具５，６が実質的に固定され、把持回転手段８が工具５，６に対して移動可能で車輪Ｒを水平および／又は垂直および／又は斜めに移動させる実施形態が、除外されるものではない。

都合がよいことに、タイヤ交換機１は、リムＣのフランジＢを認識することを意図した非接触検出手段１０を有する。

非接触検出手段１０は、操作手段７，８，９を制御および／又は援助するのに適した制御処理ユニット１１に作動的に結合され、操作ヘッド４を作業位置に位置決めする。

この点に関して、制御処理ユニット１１が操作手段７，８，９を「制御する」のに適するという時、装着および／又は除去作業における操作ヘッド４の動作がタイヤ交換機１により、つまり、作業者の介入なしに制御処理ユニット１１により、完全に、かつ、自立的に実行されることを意味する。

一方、制御処理手段１１が操作手段７，８，９を「援助する」のに適するという時、制御処理ユニット１１は、作業者が操作手段を制御する間に、例えば、リムＣのフランジＢの近くで操作手段７，８，９の動きを低速にしたり、アクチュエータ７，８，９の一連の衝突限界位置を規定したりすることにより作業者を援助し、リムＣを損傷させる危険を伴って操作ヘッド４をリムＣに対して移動させるような作業者から与えられるすべての指令を禁止する。

都合がよいことに、非接触検出手段１０は、構造化された光（structured-light）タイプの認識システムを備える。「構造化された光（structured-light）」とは、既知の画素パターン（碁盤目状や水平棒状パターン）を対象物の表面に投影する方法であり、そのタイプの認識システムとは、対象物の表面に投影した光のパターンをカメラ（例えば、ＣＣＤタイプの光学センサ）で撮像して対象物の３次元形状を測定するシステムである。

さらに詳細には、非接触検出手段１０は、制御処理ユニット１１に格納された画像を車輪Ｒに投影するのに適したパターン生成器１２を備える。

パターン生成器１２は、例えば、レーザダイオードから構成され、そのレーザダイオードは空間に３次元画像を効果的に投影する開口角を有する。これはその画像が直線又は単一平面に沿って伝播するのみならず、光の円錐又はピラミッド状に伝播することを意味する。

投影された画像は、例えば、車輪Ｒと交差してその輪郭を強調する色付きのラインパターン１３である。

この輪郭の形を撮像するために、非接触検出手段１０は、投影画像であるパターン１３の車輪Ｒとの交差によって反射される光を検出する検出器１４を備える。

検出器１４は、例えば、ＣＣＤタイプの光学センサ又はその相当品からなり、その光学センサは車輪Ｒ上のライン１３の形状を撮像し、そのデータを制御処理ユニット１１へ転送する。

制御処理ユニット１１は、１つのアルゴリズム又は一連のアルゴリズムにより、パターン１３の撮像画像を処理し、フランジＣと車輪Ｒのすべての他の部分を認識してそれらを空間に配置するために有役なパラメータを得る。

車輪Ｒ上に形成されたラインパターン１３を詳細に再現する図２を参照すると、ラインパターン１３間の相対距離によって車輪Ｒのパターン生成器（レーザダイオード）１２からの距離が算出され、それによってタイヤ交換機１の参照座標システム（デカルト座標系システム）において車輪Ｒが配置される。参照座標システムによって、制御処理ユニット１１はタイヤ交換機１の可動部分の位置を認識することができる。

一方、車輪Ｒ上で検出されるラインパターン１３の形状（湾曲度，連続性，相対発散梁）は、パターン生成器１２によって投影される原画像の形状と比較され、照明された表面の形状が認識され、リムＣのフランジＢと、操作ヘッド４を操作するのに役立つ車輪Ｒの他の多くのポイントが認識される。

さらに指摘すべき点は、この発明のタイヤ交換機１に適用される構造化された光（structured-light）タイプの識別システムによって、リムＣに対するタイヤＰの装着／除去操作の実行中に、操作ヘッド４と工具５，６の動作が再現され、その有効性が車輪Ｒ上で決定され、自動運転の完全な閉回路制御が可能になる点である。

さらに強調すべきことは、この発明の異なる実施形態が可能であり、それでは、車輪Ｒの形状の撮像はまた、特定のラインパターン１３を投影することなしに行われる。

換言すれば、非接触検出手段１０は、構造化された光（structured-light）システムではなく、例えば、リムＣとタイヤＰの色を特定する特定システムから構成できる。

このシステムは、２つの異なる材料によって作られるリムＣとタイヤＰ間の色の変化がリムＣのフランジＢを特定するのに十分であるという事実を利用するものである。

この目的のために、前述のものに合致するカメラが使用でき、レーザダイオードの代わりに、１つ以上の等方性の発光体が、システムを制御条件（例えば周囲の光に打ち勝つための）に置くために用いられる。

また、非接触検出手段１０は、タイヤ交換機１の参照座標システムの内部に固定された２つ以上の既知の点から来る光の投影手段によってリムＣとタイヤＰの上に形成される影を認識するシステムから構成できる。

上記発明が、掲げた目標をどのようにして達成するかが、実際に確かめられた。

この点において、リムのフランジを予見して検出する手段という特別な解法によって、作業者から独立した方法で車輪の幾何学的な表面的な特徴が認識され、装着および離脱作業における指令または単純な援助のための１つの出発点として働くのである。

１ タイヤ交換機
２ ベースフレーム
２ａ ベース
２ｂ 取付台
３ 把持回転手段
４ 操作ヘッド
５ 工具（フック形工具）
６ 工具（押圧部材）
７ 操作手段（第１アクチュエータ）
８ 操作手段（第２アクチュエータ）
９ 操作手段（第３アクチュエータ）
１０ 非接触検出手段
１１ 制御処理ユニット
１２ パターン生成器
１３ 色付きラインパターン
１４ 検出器
Ｂ フランジ
Ｃ リム
Ｐ タイヤ
Ｒ 車輪
Ｔ ビード

Claims (16)

1. リム（Ｃ）および装着又は除去されるタイヤ（Ｐ）を有する乗物の少なくとも１つの車輪（Ｒ）用の把持回転手段（３）を支持するベースフレーム（２）と、前記ベースフレーム（２）に結合し少なくとも装着／除去工具（５，６）を有する少なくとも操作ヘッド（４）と、工具（５，６）がリム（Ｃ）のフランジ（Ｂ）の実質的に近傍でタイヤ（Ｐ）に接触するように配置される作業位置において操作ヘッド（４）を位置決めするのに適した操作手段（７，８，９）とを備えたタイヤ交換機（１）が、作業位置における操作ヘッド（４）の位置決めを行うために操作手段（７，８，９）の制御／援助に適した少なくとも１つの制御処理ユニット（１１）に作動的に結合し、リム（Ｃ）のフランジ（Ｂ）を、接触することなしに検出する非接触検出手段（１０）を備える、乗物の車輪にタイヤを装着および除去するためのタイヤ交換機（１）。
2. 前記非接触検出手段（１０）が、構造化された光タイプの認識システムを備える請求項１記載のタイヤ交換機（１）。
3. 前記非接触検出手段（１０）が、前記車輪（Ｒ）へ少なくとも１つの画像（１３）を投影するのに適した少なくとも１つのパターン生成器（１２）と、前記画像（１３）の車輪（Ｒ）との交差による反射によって生成される光を検出する少なくとも１つの検出器（１４）とを備える請求項１記載のタイヤ交換機（１）。
4. 前記画像（１３）が３次元である請求項３記載のタイヤ交換機（１）。
5. 前記パターン生成器（１２）が、レーザダイオードを少なくとも備える請求項３記載のタイヤ交換機（１）。
6. 前記検出器（１４）が、光学センサを少なくとも備える請求項３記載のタイヤ交換機（１）。
7. 前記光学センサがＣＣＤである請求項６記載のタイヤ交換機（１）。
8. 前記操作手段（７，８，９）が自動化されたタイプのものである請求項１記載のタイヤ交換機（１）。
9. 前記操作手段（７，８，９）が、前記車輪（Ｒ）の回転軸に実質的に平行な方向に沿って前記操作ヘッド（４）を移動させる第１アクチュエータ（７）を少なくとも備える請求項１記載のタイヤ交換機（１）。
10. 前記操作手段（７，８，９）が、前記車輪（Ｒ）の回転軸に実質的に直交する方向に沿って前記操作ヘッド（４）を移動させる第２アクチュエータ（８）を少なくとも備える請求項１記載のタイヤ交換機（１）。
11. 前記操作手段（７，８，９）が前記操作ヘッド（４）を移動させて前記車輪（Ｒ）の回転軸に対する前記工具（５，６）の角度を変化させる第３アクチュエータ（９）を少なくとも備える請求項１記載のタイヤ交換機（１）。
12. 前記制御処理ユニット（１１）は、前記操作手段（７，８，９）の操作を独立して制御するのに適する請求項８記載のタイヤ交換機（１）。
13. 前記制御処理ユニット（１１）は、リムの前記フランジの近傍で前記操作ヘッド（４）の動作の速度を低下させるのに適している請求項８記載のタイヤ交換機（１）。
14. 前記制御処理ユニット（１１）は、前記操作手段（７，８，９）の衝突限界位置を少なくとも規定し、前記リムに前記操作ヘッド（４）を衝突させる指令を禁止するのに適している請求項８記載のタイヤ交換機（１）。
15. 前記非接触検出手段（１０）は、前記リム（Ｃ）とタイヤ（Ｐ）の色を認識する認識システムを備える請求項１記載のタイヤ交換機（１）。
16. 前記非接触検出手段（１０）は、前記リム（Ｃ）と前記タイヤ（Ｐ）上の影を認識する認識システムを備える請求項１記載のタイヤ交換機（１）。

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