JP2010100549A - 貼付剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】
抗炎症剤などの薬物を粘着剤に配合した貼付剤では、過度の光照射により抗炎症剤が光分解され、極稀ではあるが光分解物が皮膚に刺激を与えるなどの問題が生じるおそれがあるため、紫外線吸収剤が粘着基剤に配合される。しかし、従来の貼付剤では、紫外線吸収剤の皮膚移行量が十分ではなく、抗炎症剤等の光分解物を効果的に防止することができず、また、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(SIS)を粘着基剤とする貼付剤においては、紫外線吸収剤がSISのスチレンとスチレンの物理的な架橋に影響を及ぼし、凝集力が変化することにより、貼付剤の剥離時に角質を剥離しやすくなり、連続して貼付剤を皮膚へ貼付する場合には、かぶれが生じるという問題があった。
【解決手段】
本発明では、薬物の光に対する安定性に優れ、かつ貼付剤の剥離時に角質剥離を抑制することができ、皮膚刺激が大幅に低減され、かぶれを防止できる貼付剤を提供する。
本発明の貼付剤は、粘着剤に支持体を積層した貼付剤であって、該粘着剤に、薬物、紫外線吸収剤、および粘着基剤としてスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体を含有するものであり、さらに紫外線吸収剤の溶解剤としてラウリン酸ヘキシルを配合することにより、上記問題点を全て解決することができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、貼付剤に関する。さらに詳しくは、薬物および紫外線吸収剤を含有する貼付剤において、貼付性が良好であるにも関わらず、使用後剥離する際に角質剥離が抑制され、さらに過度の光により極稀に起こる、抗炎症剤等の光分解物よる皮膚への刺激を防止できる貼付剤に関する。
貼付剤は、通常支持体のどちらか一方に粘着剤が積層されたものであり、貼付対象として、主に医療用では人体が対象となる。特に、抗炎症剤等の薬物を粘着剤に配合した貼付剤は、筋肉痛や腰痛などの緩和に頻繁に用いられている。この抗炎症剤を配合した貼付剤では、過度の光照射により抗炎症剤等が光分解され、製剤の安定性に影響を及ぼし、また極稀ではあるが抗炎症剤等の光分解物が皮膚に刺激を与えるなどのおそれがあった。
そこで、抗炎症剤の光による分解を抑制するため、抗炎症剤を含有する外用製剤に紫外線吸収剤を配合する方法(特許文献1)、抗炎症剤を含有する貼付剤の支持体に紫外線吸収剤を配合する方法(特許文献2)、また抗炎症剤を含有する外用貼付剤に酸化チタンを配合する方法(特許文献3)などが提案されており、さらに近年では、抗炎症剤の安定性を高めるだけでなく、抗炎症剤の光分解に対する皮膚の安全性をより高めるために、外用剤の基剤に皮膚移行性の高い紫外線吸収剤を配合する方法(特許文献4)、大豆レシチンを配合して紫外線吸収剤の皮膚移行性を向上させる方法(特許文献5)なども提案されている。
また、外用剤として貼付剤を用いる場合には、その粘着剤として、皮膚への密着性や刺激性の観点から、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(以下、「SIS」ともいう)が多用されており、さらにSISの粘着剤に紫外線吸収剤を配合した貼付剤も提案されている(特許文献4および5)
なお、特許文献1には、クリーム剤のクリーム基剤および軟膏剤の軟膏基剤としてラウリル酸ヘキシルが記載され、また、特許文献4には、軟膏剤の軟膏基剤、ゲル剤のゲル基剤およびクリーム基剤としてラウリン酸ヘキシルが、またプラスター基剤としてスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)が記載され、さらに、特許文献5には、貼付剤の紫外線吸収剤の溶解剤および粘着基剤の可塑剤としてラウリン酸ヘキシルが、また粘着基剤としてSISがそれぞれ記載されているが、いずれも通常使用される脂肪酸エステル類および粘着基剤等の選択肢の一つとして記載されているに止まり、ラウリン酸ヘキシル、紫外線吸収剤およびSISを配合した具体的な組成については、いずれの文献にも開示されていない。
また、紫外線吸収剤の溶解剤としてラウリン酸ヘキシルを用いた貼付剤において、いかなる作用効果が生じるかについても全く開示されていない。
特開昭60−155111号公報 国際公開第01/68061号パンフレット 特開平9−169658号公報 国際公開第06/090833号パンフレット 国際公開第06/090839号パンフレット
その後の研究において、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(SIS)を粘着基剤とする貼付剤において、粘着剤に抗炎症剤などの薬物を配合し、さらに光分解に対する安定性を高めるため、4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン(以下、「BM−DBM」ともいう)などの紫外線吸収剤を配合した場合には、紫外線吸収剤がSISのスチレンとスチレンの物理的な架橋に影響を及ぼして凝集力が変化することにより、貼付剤の剥離時に角質を剥離しやすくなり、貼付剤の剥離時に痛みを感じ、また連続して貼付剤を皮膚へ貼付する場合には、かぶれが生じるおそれがあることなど、新たな課題に直面した。
また、従来の貼付剤では紫外線吸収剤の皮膚移行性が十分でないため、過度の光により極稀に起こる抗炎症剤等の光分解物による皮膚への刺激を効果的に防止することができず、さらに、大豆レシチンを紫外線吸収剤の皮膚移行性促進剤として含有する貼付剤は、粘着基剤の変色や皮膚への付着性が低下することなどの、解決すべき課題にも直面している。
したがって、本発明の課題は、粘着基剤に、抗炎症剤などの薬物、4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタンなどの紫外線吸収剤、および粘着基剤としてスチレン-イソプレン-スチレン共重合体を配合する貼付剤において、抗炎症剤などの薬物の光に対する安定性に優れ、かつ貼付剤の剥離時に角質剥離が抑制され、皮膚刺激が大幅に低減され、皮膚のかぶれなどが防止された貼付剤を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意研究を行なう中で、紫外線吸収剤の溶解剤として、ラウリン酸ヘキシルを用いることにより、上記問題点を全て解決しうることを見出し、さらに研究を進めた結果、本発明を完成した。
すなわち本発明は、粘着剤に支持体を積層した貼付剤であって、該粘着剤に、薬物、紫外線吸収剤、該紫外線吸収剤の溶解剤としてラウリン酸ヘキシル、および粘着基剤としてスチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体を含有する、前記貼付剤に関する。
また本発明は、ラウリン酸ヘキシル1重量部に対して、紫外線吸収剤1.5重量部以下を含有する、前記貼付剤に関する。
さらに本発明は、紫外線吸収剤1重量部に対して、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体7〜15重量部を含有する、前記貼付剤に関する。
また本発明は、紫外線吸収剤が、4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタンである、前記貼付剤に関する。
さらに本発明は、前記粘着剤に、さらにオレイン酸を含有する、前記貼付剤に関する。
また本発明は、前記粘着剤に、さらにポリテルペン樹脂を含有する、前記貼付剤に関する。
さらに本発明は、薬物が、ケトプロフェン、インドメタシン、フェルビナク、ジクロフェナク、フルルビプロフェン、ロキソプロフェン、チアプロフェン酸、スプロフェン、トルメチン、カルプロフェン、ベノキサプロフェン、ピロキシカム、ベンジダミン、ナプロキセン、イブプロフェン、ジフニサール、アザプロパゾン、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール、バルデコキシブ、セレコキシブ、ロフェコキシブ、アセトアミノフェン、メフェナム酸、クロフェゾン、スルピリン、アミノプロフェン、ナプロキセン、プラノプロフェン、メピリゾール、オキサプロジン、テノキシカム、ロルノキシカム、メロキシカムおよびこれらの薬学的に許容できる塩からなる群より選ばれる1種または2種以上の薬物である、前記貼付剤に関する。
また本発明は、薬物が、ケトプロフェンである、前記貼付剤に関する。
4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタンなど紫外線吸収剤の溶解剤として、ラウリン酸ヘキシルを配合することにより、貼付剤の剥離時の角質剥離が抑制されるメカニズムの詳細については、必ずしも明らかではない。ラウリン酸ヘキシルを粘着剤に配合することにより、紫外線吸収剤の、スチレン-イソプレン-スチレン共重合体のスチレンとスチレンの物理的結合に対する影響を低減して、結果的に粘着剤の凝集力の変化を抑制するためと考えられる。
また一方で、ラウリン酸ヘキシルは、紫外線吸収剤の皮膚移行性を増加させて、過度の光により極稀に起こる、抗炎症剤等の光分解物による皮膚への刺激をより効果的に防止することができる。このメカニズムの詳細については必ずしも明らかではないが、エステル結合を有する脂溶性のラウリン酸ヘキシルが、極度に脂溶性の高い紫外線吸収剤と水分を含む皮膚の角質層との間の仲立ちをして、紫外線吸収剤の皮膚への分配を向上させ、紫外線吸収剤が光感受性の抗炎症剤と共に皮膚に移行することにより、抗炎症剤に対して、製剤中のみならず皮膚においても、光を遮断することによるものと考えられる。
本発明の貼付剤は、貼付剤の貼付後、貼付剤を剥がす際の角質層の剥離を抑制することができ、貼付剤剥離時の痛みなどが低減され、また連続して貼付剤を皮膚へ貼付する場合にも皮膚のかぶれを防止できる。
さらに、過度の光照射により極稀に起こる抗炎症剤等の光分解物による皮膚への刺激が顕著に防止され、消炎鎮痛効果などを十分に奏することができるものであり、かつ粘着剤の経時的な変色や付着性低下などの問題を生じない。
したがって本発明の貼付剤は、十分に満足のいく機能および薬効を有する貼付剤であり、安全性が極めて高い医薬品としての応用が期待されるものである。
以下に本発明を詳細に説明する。本発明の貼付剤は、支持体と、該支持体の少なくとも片面に積層した薬物等を含有する粘着剤と、該粘着剤を使用直前まで保護する保護フィルム(ライナー)から構成される。そして、該粘着剤には、薬物、紫外線吸収剤、該紫外線吸収剤の溶解剤としてラウリン酸ヘキシル、および粘着基剤としてスチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体を含有する。
本発明の粘着基剤に用いられるスチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体としては、具体的には、クレイトンポリマー株式会社製のスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(商品名:クレイトンD−1107、クレイトンD−1111)、日本合成ゴム社製のスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(商品名:JSR5002、JSR5200)、日本ゼオン社製のスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(商品名:クインタック3421)等が挙げられる。粘着基剤には、用途に応じてこれらのスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体を、1種または2種以上配合することができる。
その配合量は、凝集力および作業性を考慮して、粘着剤全体量に対して、好ましくは10〜40質量%、より好ましくは10〜35質量%の範囲である。10質量%未満であると感圧接着性を付与する効果が不足し、濃度を増すとこの効果は高まるが、40質量%を超えると貼付剤として適切な感圧接着性でなくなる傾向にあり、上記範囲であれば貼付剤として適切な感圧接着性を得られるため好ましい。
本発明に用いられる紫外線吸収剤は、例えば、ジベンゾイルメタン誘導体、ベンゾフェノン誘導体、ケイ皮酸誘導体、カンファー誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、アミノ系化合物およびベンゾイルピナコロン誘導体からなる群から選択され、好ましくはジベンゾイルメタン誘導体からなる群から選択される。具体的には、2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸n−ヘキシルエステル、4−ヒドロキシ−3−メトキシケイ皮酸、4−ヒドロキシ−3−メトキシケイ皮酸の分岐鎖状アルキルエステル、テレフタリリデン−3,3’−ジカンファー−10,10’−ジスルホン酸、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−〔2−メチル−3−〔1,3,3,3−テトラメチル−1−〔(トリメチルシリル)オキシ〕ジシロキサニール〕プロピル〕フェノール、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2−ヘキシルエステル、1−(3,4−ジメトキシフェニル)−4,4−ジメチル−1,3ペンタンジオンなどからなる群から選択され、好ましくは、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンまたはその類似化合物の紫外線吸収剤が挙げられ、とくに4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン(BM−DBM)が好ましい。
また、用途に応じてこれらの紫外線吸収剤を、1種または2種以上配合することができる。
本発明の紫外線吸収剤の配合量は、十分な光分解反応の防止の効果、および紫外線吸収剤の結晶析出防止を考慮して、粘着剤全体量に対して、好ましくは0.01質量%〜20質量%、より好ましくは1質量%〜10質量%、さらに好ましくは2質量%〜7質量%の範囲である。
さらに本発明の貼付剤においては、紫外線吸収剤の溶解剤として、ラウリン酸ヘキシルが配合される。
4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタンなどの紫外線吸収剤と、ラウリン酸ヘキシルとを特定の配合割合で混合することにより、貼付剤の貼付後、貼付剤を剥がす際の角質層の剥離をさらに低く抑えることが可能となる。
ラウリン酸ヘキシルと紫外線吸収剤との特定の配合量は、紫外線吸収剤の結晶析出防止、十分な粘着力などの製剤物性、および十分な角質層の剥離抑制の効果を考慮して、粘着剤中に、好ましくはラウリン酸ヘキシル1重量部に対して紫外線吸収剤を1.5重量部以下の割合で配合し、より好ましくはラウリン酸ヘキシル1重量部に対して紫外線吸収剤を1.3重量部以下の割合で配合し、さらに好ましくはラウリン酸ヘキシル1重量部に対して紫外線吸収剤を1.2重量部以下の割合で配合する。
上記の特定の割合で、ラウリン酸ヘキシルと4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタンなどの紫外線吸収剤とを配合することにより、貼付剤を剥がす際の角質層の剥離をさらに低く抑えることができ、また製剤の安定性と優れた物性が得られため好ましい。
また一方で、ラウリン酸ヘキシルは、4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタンなどの紫外線吸収剤の皮膚移行性をも増加させる。
皮膚移行性促進剤としてのラウリン酸ヘキシルの配合量は、紫外線吸収剤の結晶析出防止、十分な粘着力などの製剤物性、および十分な光分解反応の防止を考慮して、粘着剤全体量に対して、好ましくは0.1質量%〜10質量%、より好ましくは1質量%〜7質量%、さらに好ましくは2質量%〜5質量%の範囲で配合される。
紫外線吸収剤の皮膚移行量が十分でないと、過度の光照射により極稀に起こる抗炎症剤等の光分解物による皮膚への刺激を効果的に防止できない傾向があるところ、上記範囲でラウリン酸ヘキシルを配合することにより、紫外線吸収剤の皮膚移行性を向上させ、かつケトプロフェンの経皮吸収量はほとんど変化させず、通常望まれる抗炎症作用を十分に発揮することができるため好ましい。
さらに本発明の貼付剤は、4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタンなどの紫外線吸収剤と、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体とを特定の配合割合で混合することにより、貼付剤の貼付後、貼付剤を剥がす際の角質層の剥離をさらに低く抑えることが可能となる。
紫外線吸収剤とスチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体との特定の配合量は、紫外線吸収剤の結晶析出防止、十分な粘着力などの製剤物性、および十分な角質層の剥離抑制の効果を考慮して、粘着剤中に、好ましくは紫外線吸収剤1重量部に対してスチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体を7〜15重量部の割合で配合し、より好ましくは紫外線吸収剤1重量部に対してスチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体を8〜14重量部の割合で配合し、さらに好ましくは紫外線吸収剤1重量部に対してスチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体を7〜13重量部の割合で配合する。
上記の特定の割合で、4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタンなどの紫外線吸収剤と、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体とを配合することにより、貼付剤を剥がす際の角質層の剥離をさらに低く抑えることができ、また製剤の安定性と優れた物性が得られため好ましい。
また、本発明の貼付剤には、粘着剤層中に薬物が配合される。
配合される薬物としては、特に限定はされないが、抗炎症剤が好ましく用いられ、ケトプロフェン、インドメタシン、フェルビナク、ジクロフェナク、フルルビプロフェン、ロキソプロフェン、チアプロフェン酸、スプロフェン、トルメチン、カルプロフェン、ベノキサプロフェン、ピロキシカム、ベンジダミン、ナプロキセン、イブプロフェン、ジフルニサール、アザプロパゾン、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール、バルデコキシブ、セレコキシブ、ロフェコキシブ、アセトアミノフェン、メフェナム酸、クロフェゾン、スルピリン、アミノプロフェン、ナプロキセン、プラノプロフェン、メピリゾール、オキサプロジン、テノキシカム、ロルノキシカム、メロキシカムおよびこれらの薬学的に許容できる塩からなる群より選ばれる1種または2種以上の薬物が含有される。これらの中でも、ベンゾフェノン類似骨格を有するケトプロフェン、チアプロフェン酸、トルメチンが好ましく、さらにケトプロフェンが特に好ましい。
配合量としては、十分な薬効を示せば特に限定はされないが、粘着剤全体量に対して、好ましくは0.1質量%〜10質量%、より好ましくは0.2質量%〜5質量%、さらに好ましくは1質量%〜4質量%の範囲で配合される。
本発明の貼付剤は、本発明の効果をさらに助長するために、粘着剤層中にオレイン酸を配合してもよい。オレイン酸を配合することによって、薬物の経皮吸収性を上げるとともに、さらに貼付剤除去時の角質剥離を抑制する効果を高めることができる。
オレイン酸は、粘着剤全体量に対して、好ましくは0.5質量%〜10質量%、より好ましくは1質量%〜5質量%の範囲で配合することができる。
また、本発明の貼付剤には、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体以外の感圧性粘着剤を、粘着基剤としてさらに配合することも可能である。
このような粘着基剤として、アクリル系の粘着基剤、シリコン系の粘着基剤、天然または合成ゴムを主体とするゴム系の粘着基剤などを用いることができる。
前記の天然または合成ゴムの粘着基剤としては、貼付剤のために一般に使用されるものであれば特に限定されないが、例えば、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、スチレン‐ブタジエンゴム、スチレン‐イソプレンゴムから選択される1種または2種以上の粘着基剤が挙げられ、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体と共に配合される場合は、ポリイソブチレンがより好ましく用いられる。
シリコン系の粘着基剤としては、特に限定はされないが、ポリジメチルシロキサンが好ましく用いられる。
アクリル系粘着基剤としては、特に限定はされないが、炭素数4〜18の脂肪族アルコールと(メタ)アクリル酸から得られる(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、ビニルピロリドンまたはその他の官能性モノマーとの共重合体が好適である。
アクリル酸エステル系ポリマーであれば、特に限定されないが、好ましくは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分として共重合した共重合体である。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、具体的にはアルキル基がブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル等の、炭素原子数が4以上の直鎖アルキル基または分岐アルキル基である(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられ、これらの単独でまたは2種以上組み合わせて使用される。
上記の(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合し得るモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸等のカルボキシル基を有するモノマー;スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸等のスルホン酸基を有するモノマー;(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルエステル等のヒドロキシル基を有するモノマー;(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等のアミド基を有する(メタ)アクリル酸誘導体;(メタ)アクリル酸アミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸−ブチルアミノエチルエステル等の(メタ)アクリル酸アミノアルキルエステル;(メタ)アクリル酸メトキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル等の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル;(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸メトキシジエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸メトキシポリプロピレングリコールエステル等の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキレングリコールエステル;(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、N−ビニル−2−ピロリドン、メチルビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルピペリドン、ビニルピリミジン、ビニルピペラジン、ビニルピラジン、ビニルピロール、ビニルイミダゾール、ビニルカプロラクタム、ビニルオキサゾール、ビニルモルホリン等のビニル基を有する化合物等が挙げられ、これらの単独でまたは2種以上組み合わせて使用される。これらのモノマーの共重合量は、得られる共重合体の重量平均分子量に応じて適宜設定される。
粘着基剤中には、上記の他に、粘着付与剤、可塑剤、充填剤、吸収促進剤等が適宜配合される。
粘着付与剤としては、軟化点が60℃〜150℃のものが好ましく、例えばロジンエステル、水添ロジンエステル、マレイン酸変性ロジンエステル、ポリテルペン樹脂、石油樹脂を用いることができる。特にポリテルペン樹脂は、抗炎症剤の皮膚移行性および紫外線吸収剤の皮膚移行性を促進させるため、用途に応じて抗炎症剤の移行量および紫外線吸収剤の移行量を至適に調整するためにも用いることができ好ましい。
その配合量は特に限定されないが、製剤の物性を考慮して、好ましくは0.1質量%〜30質量%、より好ましくは3質量%〜20質量%、さらに好ましくは5質量%〜15質量%の範囲で配合される。
可塑剤としては、石油系オイル(例えば、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル等)、スクワラン、スクワレン、植物系オイル(例えば、オリーブ油、ツバキ油、ひまし油、トール油、ラッカセイ油)、シリコンオイル、二塩基酸エステル(例えば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等)、液状ゴム(例えば、ポリブテン、液状イソプレンゴム)、液状脂肪酸エステル類(ミリスチン酸イソプロピル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル)、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、サリチル酸グリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリアセチン、クエン酸トリエチル、クロタミトン等が挙げられる。特に流動パラフィン、液状ポリブテン、ミリスチン酸イソプロピル、セバシン酸ジエチル等が好ましい。
充填剤としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸塩(例えば、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム等)、ケイ酸、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜鉛酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、合成ケイ酸アルミニウム、脂肪酸金属塩(例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等)等を用いることができる。
本発明の外用剤は、当業者には既知の製造方法で製造することができるが、貼付剤を例にして以下に説明する。
薬物含有粘着層は、いずれの方法によっても製造されることができるが、例えば、薬物等を含む基剤組成を熱融解させ、離型紙または支持体に塗工後、支持体または離型紙と張り合わせて本剤を得る。また、別の製造方法としては、薬物等を含む基剤成分をトルエン、ヘキサン、酢酸エチル等の溶媒に溶解させ、離型紙または支持体上に伸展して溶剤を乾燥除去後、支持体あるいは離型紙と張り合わせて貼付剤を得る。
本発明の貼付剤の支持体には、伸縮性または非伸縮性の支持体を用いることができる。例えば、織布、編布、不織布、ポリウレタン、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、アルミニウムシート等、またはそれらの複合素材から選択される。
またライナーは、貼付剤を皮膚に適用するまで、粘着層を保護し得るものであれば特に限定されないが、具体的には、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のフィルム、上質紙とポリオレフィンとのラミネートフィルム等が挙げられる。これらのライナーにおいては、粘着層と接触する側の面にシリコーン処理を施すと、製剤からライナーを剥離する際の作業容易性が高められるので好ましい。
以下に実施例、比較例および試験例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。なお、実施例等において「%」は、全て質量%を意味するものとする。
[実施例1]
スチレン−イソプレン−スチレン共重合体、水添ロジングリセリンエステル、流動パラフィンを加熱攪拌して溶解物を得た。次いで、ケトプロフェン、4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン(BM−DBM)、ラウリン酸ヘキシルを上記溶解物に添加し、混合して均一な溶解物としてのプラスター剤用基剤を得た。該基剤を重量が70cmあたり1gとなるように、シリコン処理したポリエステルフィルムに展延した後、ポリエステル織布で覆い圧着転写させ、所望の大きさに裁断し、本発明の貼付剤を得た。
[実施例2〜8および比較例1〜3]
実施例1と同様の方法により、表1に記載の組成物を配合して、貼付剤を作製した。
(角質剥離試験)
実施例1〜8および比較例1〜3の貼付剤を、被験者(10人)の前腕に6時間貼付した。剥離後、下記の方法で粘着剤に付着した角質を染色し、その付着量を測定した。結果を表1に示す。なお、数値は10人の平均値を示す。
(角質の染色方法)
(1)剥離後の製剤を0.25%アミドブラック染色液(水:酢酸:メタノール=45:10:45)で12時間染色した。
(2)染色液を水で洗い流した後、洗浄液(水:酢酸:メタノール=8:2:90)を適量滴下し、15分間放置した。その後、洗浄液を水で流した。
(角質付着量の測定)
粘着剤の角質付着量は、色彩色差計(MINOLTA CR-300)を用いてL値(明度)を測定した。なお、角質が染色液で染色されるとL値が低下する。そのため、角質剥離量が多い製剤の方がL値が低いことを表す。
(貼付性試験)
実施例1〜8および比較例1〜3の貼付剤を、被験者(10人)の前腕の同一部に、24時間貼付を連続3回繰り返し、最終日の剥離時の痛みについて官能試験を行なった。結果を表1に示す。
なお、表中○、△、×は以下のことを表す。
○:貼付中全く製剤が剥がれず、剥離時は痛みを感じない
△:貼付中製剤が剥がれることはないが、剥離時に少し痛みを感じる
×:貼付中製剤が部分的に剥がれ、剥離時にも痛みを感じる
表1の結果より、粘着基剤としSIS、BM−DBM、および抗炎症剤を含み、さらに紫外線吸収剤の溶解剤としてラウリン酸ヘキシルを配合した実施例1〜7の貼付剤は、ラウリン酸ヘキシル以外の溶解剤を配合した比較例1〜3の貼付剤と比較して、貼付剤剥離時の角質剥離量が少なく、また剥離時に痛みを感じないことが分かる。
また、BM−DBMを1重量部に対して、SISを7〜15重量部配合した実施例1〜6の貼付剤は、SISを7重量部未満配合した実施例7の貼付剤と比較して、貼付剤剥離時の角質剥離量がより少なく、また剥離時により痛みを感じないことが分かる。
さらに、粘着剤にオレイン酸を配合した実施例6の貼付剤は、オレイン酸を配合していない他の実施例の貼付剤と比較して、角質剥離量が最も少なく、貼付剤剥離時の角質剥離をさらに抑制できることが分かる。
[試験例1および2]
(大豆レシチン含有粘着剤の変色試験)
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、ポリテルペン樹脂、ケトプロフェン、流動パラフィンを粘着剤成分として均一な粘着剤を調製し、140℃で保管するとき、上記成分に大豆レシチンを含有させた場合と含有させない場合における色調の変化の有無を観察した。
試験例1および2の各成分の具体的配合量を表2に示し、その結果の写真を図1および2に示す。
表2、図1および2に示した結果から明らかなように、大豆レシチンを配合した粘着剤には、加熱による著しい着色が認められた。したがって、大豆レシチンを配合した貼付剤では、粘着剤の経時的な変色などの問題が生じることが分かる。
[試験例3〜5]
(付着性試験)
実施例1と同様の方法により、表3に記載の組成物を配合して、貼付剤を作製した。
試験例3、試験例4、および試験例5の貼付剤の各成分の具体的配合量、プローブタック試験および180°剥離試験の結果を表3に示す。
(プローブタック試験)
試験条件を以下に示す。
ASTM D 2979記載の試験機を使用
プローブ部先端材質:ベークライト樹脂
接着面の直径:5mm
引離し速度:5mm/sec
接着荷重:100gf/cm
接着時間:1sec
(180°剥離試験)
試料幅20mmの貼付剤をフェノール製樹脂に貼り付け、直ちに質量850gのゴムローラーで1往復圧着し、貼付剤の一端を180°折り返して300mm/minのスピードで引き剥がした。
表3の結果より、大豆レシチンを配合した試験例3および4の貼付剤では、配合していない試験例5の貼付剤と比較して、明らかに粘着剤の付着性が低下することが分かる。
[試験例6]
(BM−DBMの溶解性試験)
添加剤2gに対してBM−DBM1gを混合し、140℃で溶解後30分間室温冷却してその様子を観察した。その結果を表4に示す。30分後においてもBM−DBMの結晶析出が確認されなかったものには○、結晶析出が確認されたものには×を付した。
表4の結果より、一般的に用いられる溶解剤の中で、セバシン酸ジイソプロピル、L−メンチルグリセリルエーテル、およびラウリン酸ヘキシルが、BM−DBMに対する特に良好な溶解性を有することが分かる。
ここで、前述の表1および後述する表5ならびに図3および4の結果より、上記のBM−DBMに対する良好な溶解性を示した溶解剤のうち、ラウリン酸ヘキシルを配合した貼付剤のみが、貼付剤を剥がす際の角質剥離量が少なく、また貼付剤剥離時の痛みを低減でき、さらにケトプロフェンの移行量を変化させずにBM−DBMの皮膚への移行量を向上できることが分かる。
[実施例8および9ならびに比較例4および5]
(BM−DBMおよびケトプロフェンのヘアレスマウスによる皮膚移行試験)
ヘアレスマウスから採取した皮膚を4等分し、生理食塩水を含ませたろ紙(7×7cm)上に広げ、その上に直径15mmの円形(φ15mm)に裁断した製剤を貼付した。このとき、皮膚が乾燥しないようろ紙には適宜生理食塩水を追加した。また、試験は皮膚温が35℃になる様水浴上にしたプレートで行なった。貼付6時間後、製剤が中心になるようにヘアレスマウスの皮膚を直径20mmの円形(φ20mm)に切り抜いた。切り抜いた皮膚から製剤をゆっくり剥がし取り、皮膚中のBM−DBMおよびケトプロフェンの抽出処理をした。抽出処理は、以下の通りである。
冷凍保存しておいた皮膚をピンセットで持ちながら、シャーレの上でハサミを用いて細断し、10mL試験管に入れた。細断に使用したシャーレ、ハサミ、ピンセットをメタノール2mL(1mLずつ2回)で洗浄し、洗液を試験管に入れた。さらに内標準物質(ベンゾフェノン)の濃度が150μg/mlのアセトニトリル溶液2mLを正確に加え、ポリトロンで3分間ホモジナイズし、つづいて3000rpmで10分間遠心分離した。この上清をメンブランフィルターでろ過し、試料溶液とした。
抽出後、液体クロマトグラフィーを用いた内標準法により、試料溶液中のBM−DBMおよびケトプロフェンの含量を定量した。液体クロマトグラフィーの測定条件を以下に示す。
測定装置:Shimadzu LC−10A
使用カラム:TSK gel ODS−80TS(4.6I.D.×150mm)
溶離液:0.2%酢酸水溶液:アセトニトリル=15:85
溶離液流速:1.2ml/min
カラム温度:40℃
検出器:UV358nm
なお、定量した含量を、直径15mmの円形に裁断した製剤(面積177mm)からのBM−DBMおよびケトプロフェンの移行量として、単位「μg/15mmφ」で表した。
実施例1と同様の方法により、表5に記載の組成物を配合して、貼付剤を作製した。各成分の具体的配合量を表5に示し、BM−DBMおよびケトプロフェンの移行量測定結果を表5ならびに図3および4に示す。
表5ならびに図3および4の結果より、ラウリン酸ヘキシルを配合した実施例8の貼付剤は、セバシン酸ジイソプロピルを配合した比較例4、および紫外線吸収剤の溶解剤を配合していない比較例5の貼付剤と比較して、ケトプロフェン移行量をほとんど変化させずに、BM−DBMの移行量を向上できることが分かる。
また、ラウリン酸ヘキシルに加えて、さらにポリテルペン樹脂を配合した実施例9の貼付剤は、BM−DBMの移行を促進するとともに、ケトプロフェンの移行をも促進できることが分かり、用途に応じてBM−DBM移行量およびケトプロフェン移行量を至適に調整できる可能性が示唆される。
なお、実施例9の貼付剤および比較例5の貼付剤ともに、室温2ヶ月間の観察において結晶が析出するようなことはなかった。
大豆レシチン1%配合粘着剤の加熱前後の色調変化を比較した写真図である(左:製造直後、右:140℃、4時時間後)。 大豆レシチン未配合粘着剤の加熱前後の色調変化を比較した写真図である(左:製造直後、右:140℃、4時時間後)。 実施例8および9ならびに比較例4および5の貼付剤を貼付したときのBM−DBMの移行量を比較したグラフである。 実施例8および9ならびに比較例4および5の貼付剤を貼付したときのケトプロフェンの移行量を比較したグラフである。

Claims (8)

  1. 粘着剤に支持体を積層した貼付剤であって、該粘着剤に、薬物、紫外線吸収剤、該紫外線吸収剤の溶解剤としてラウリン酸ヘキシル、および粘着基剤としてスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体を含有する、前記貼付剤。
  2. ラウリン酸ヘキシル1重量部に対して、紫外線吸収剤1.5重量部以下を含有する、請求項1に記載の貼付剤。
  3. 紫外線吸収剤1重量部に対して、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体7〜15重量部を含有する、請求項1または2に記載の貼付剤。
  4. 紫外線吸収剤が、4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタンである、請求項1〜3のいずれかに記載の貼付剤。
  5. 粘着剤に、さらにオレイン酸を含有する、請求項1〜4のいずれかに記載の貼付剤。
  6. 粘着剤に、さらにポリテルペン樹脂を含有する、請求項1〜5のいずれかに記載の貼付剤。
  7. 薬物が、ケトプロフェン、インドメタシン、フェルビナク、ジクロフェナク、フルルビプロフェン、ロキソプロフェン、チアプロフェン酸、スプロフェン、トルメチン、カルプロフェン、ベノキサプロフェン、ピロキシカム、ベンジダミン、ナプロキセン、イブプロフェン、ジフニサール、アザプロパゾン、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール、バルデコキシブ、セレコキシブ、ロフェコキシブ、アセトアミノフェン、メフェナム酸、クロフェゾン、スルピリン、アミノプロフェン、ナプロキセン、プラノプロフェン、メピリゾール、オキサプロジン、テノキシカム、ロルノキシカム、メロキシカムおよびこれらの薬学的に許容できる塩からなる群より選ばれる1種または2種以上の薬物である、請求項1〜6のいずれかに記載の貼付剤。
  8. 薬物が、ケトプロフェンである、請求項1〜7のいずれかに記載の貼付剤。
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