JP2010100156A5 - - Google Patents

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車輪用軸受装置
本発明は、自動車等の車輪を支持する車輪用軸受装置に関するもので、特に、ハブ輪の車輪取付フランジにブレーキロータを容易に、かつ短時間に仮止めして製造効率を向上させた車輪用軸受装置に関する。
従来、自動車等の車輪を支持する車輪用軸受装置では、ハブ輪の車輪取付フランジに車輪と共にブレーキロータが取り付けられるようになっている。このブレーキロータの取り付けは、例えば、納品先の自動車メーカで行われる場合が一般的であるが、軸受メーカにてブレーキロータを仮止めした状態で納品する場合も増えてきている。この場合、車輪取付フランジにブレーキロータをねじ止めした状態で納品されていた。
然しながら、ねじ止めする方法では、仮止め用ねじが必要になるだけでなく、当該仮止め用ねじが螺合するねじ孔をブレーキロータと車輪取付フランジの両方に形成しなければならない。この場合、ねじ孔の加工工程が別途必要となって製造効率が低下すると共に、ブレーキロータと車輪取付フランジの相互のねじ孔を位相合せした後、仮止め用ねじを双方のねじ孔に螺合しなければならなく、仮止めに要する時間と手間がかかりコストアップの要因となっていた。
このような問題を解決したものとして、図9に示すような車輪用軸受装置が知られている。この車輪用軸受装置50は、一端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ51を一体に有し、外周に一方の内側転走面52aと、この内側転走面52aから軸方向に延びる小径段部52bが形成され、内周にトルク伝達用のセレーション52cが形成されたハブ輪52、およびこのハブ輪52の小径段部52bに圧入され、外周に他方の内側転走面53aが形成された内輪53からなる内方部材54と、外周に車体(図示せず)に取り付けられるための車体取付フランジ55bを一体に有し、内周に複列の転走面55a、55aが形成された外方部材55と、保持器56、56で円周等配され、両転走面間に転動自在に収容された複列のボール57、57とを備えている。車輪取付フランジ51の円周等配位置には車輪を固定するためのハブボルト58が植設されている。そして、内輪53は、小径段部52bの端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部52dによって軸方向に固定されている。
また、外方部材55の両端にはシール59、60が装着され、外方部材55と内方部材54との環状空間を密封し、軸受内部に封入された潤滑グリースの外部への漏洩と、外部から雨水やダスト等が軸受内部に侵入するのを防止している。
ここで、ハブ輪52の車輪取付フランジ51に貫通孔51aが形成され、この貫通孔51aに突出部としてのピン61が圧入固定されると共に、挿入部として挿入孔62aがブレーキロータ62に設けられている。そして、ピン61の先端側を挿入孔62aに挿入した状態において、ブレーキロータ62は、車輪取付フランジ51に仮止めされた状態となり、車輪取付フランジ51から外れることはない。このように、ブレーキロータ62の挿入孔62aをピン61に対向させてそのまま押し込むだけで、ピン61を挿入孔62aに圧入させることができ、車輪取付フランジ51にブレーキロータ62が仮止めされた車輪用軸受装置50を短時間に、かつ簡単に完成させることができる(例えば、特許文献1参照。)。
特開2007−069746号公報
然しながら、この車輪用軸受装置50では、次に挙げるような諸問題がある。すなわち、(1)仮止め用のピン61の個数がハブボルト58の本数と合っていない場合、ハブ輪52の回転バランスが崩れる恐れがある。
(2)ピン61を車輪取付フランジ51の貫通孔51aに圧入した際、車輪取付フランジ51を変形させ、ブレーキロータ62の取付面となる車輪取付フランジ51の側面51bの面振れ精度が低下してブレーキジャダーを誘発する恐れがある。
(3)ブレーキロータ62からのせん断力が負荷された時、ピン61の先端側の面取り61aがブレーキロータ62の側面から完全に突出しておらず挿入孔62a内にあった場合、ブレーキロータ62が浮き上がる分力が発生し、ブレーキロータ62が安定せず脱落する恐れがある。
(4)車両の運転時、ブレーキロータ62からのせん断力がピン61に負荷された場合、ピン61が折損する恐れがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、ハブ輪の車輪取付フランジにブレーキロータを容易に、かつ短時間に仮止めして製造効率を向上させると共に、車輪取付フランジの精度とピンの強度を確保して信頼性を向上させた車輪用軸受装置を提供することを目的としている。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材と前記外方部材の転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複列の転動体とを備え、前記外方部材と内方部材のうち回転側となる部材にブレーキロータを介して車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、この車輪取付フランジの基部からアウター側に延び、前記ブレーキロータを案内支持する円筒状のパイロット部が形成された車輪用軸受装置において、前記車輪取付フランジに前記ブレーキロータが仮止めされるための貫通孔が形成され、端部に面取り部が形成された前記ブレーキロータを仮止めするための中空状のピンが前記貫通孔に圧入固定されている。
このように、前記車輪取付フランジにブレーキロータが仮止めされるための貫通孔が形成され、端部に面取り部が形成されたブレーキロータを仮止めするための中空状のピンが貫通孔に圧入固定されているので、ブレーキロータの貫通孔をハブボルトに対向させてそのまま嵌挿するだけで、ブレーキロータが車輪取付フランジに対して回り止めされた状態で保持されると共に、ピンの面取り部により、ピンを挿入孔に短時間に、かつ容易に挿入もしくは圧入することができ、車輪取付フランジから外れることはない。また、ピンが中空状に形成されているので圧入力を抑制することができ、圧入時の車輪取付フランジの変形を防止し、車輪取付フランジの面振れ精度を確保することができる。
また、請求項2に記載のように、前記車輪取付フランジの円周方向等配に複数のハブボルトが装着されても良い。また、請求項3に記載のように、前記車輪取付フランジに前記ブレーキロータが仮止めされていていても良い。さらに、請求項4に記載のように、前記ブレーキロータが、前記ハブボルトに対応する位置に貫通孔が設けられると共に、前記ピンに対応する位置に挿入孔が設けられ、この挿入孔に前記ピンの先端側が挿入もしくは圧入されていていても良い。
好ましくは、請求項5に記載の発明のように、前記ピンの個数が前記ハブボルトの本数と整合されると共に、当該ピンが同一位相に圧入されていれば、ハブ輪の回転バランスが崩れることなく、回転精度を向上させることができる。
また、請求項6に記載の発明のように、前記ピンの両端部に同一の面取り部が形成されていれば、ピンの方向性を定めなくても車輪取付フランジに圧入することができ、圧入作業を簡便にすることができる。
また、請求項7に記載の発明のように、前記ピンが熱処理により硬化処理されていれば、摩耗を防止すると共に、機械的強度を高めることができる。
また、請求項8に記載の発明のように、前記ブレーキロータの挿入孔に面取り部が形成され、この面取り部の寸法よりも前記車輪取付フランジのアウター側の側面から前記ピンの面取り部までの寸法が大きくなるように設定されていれば、ブレーキロータからのせん断力がピンに負荷されてもピンの円筒面で支持することができ、ブレーキロータが浮き上がる分力が発生するのを防止してブレーキロータを脱落することなく安定して仮止めすることができる。
また、請求項9に記載の発明のように、前記ピンが、軸方向に延びるスリットを有するスプリングピンで構成されていれば、圧入時の車輪取付フランジの変形を防止し、ブレーキロータの挿入孔にピンを短時間に、かつ容易に挿入もしくは圧入することができると共に、標準規格品を採用することにより低コスト化を図ることができる。
また、請求項10に記載の発明のように、前記ピンが、パイプ材を素材として形成されていても良い。
また、請求項11に記載の発明のように、前記ピンが、ステンレス鋼で形成されていても良い。
また、請求項12に記載の発明のように、前記ピンの表面が、リン酸塩被膜処理されていても良い。
本発明に係る車輪用軸受装置は、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材と前記外方部材の転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複列の転動体とを備え、前記外方部材と内方部材のうち回転側となる部材にブレーキロータを介して車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、この車輪取付フランジの基部からアウター側に延び、前記ブレーキロータを案内支持する円筒状のパイロット部が形成された車輪用軸受装置において、前記車輪取付フランジに前記ブレーキロータが仮止めされるための貫通孔が形成され、端部に面取り部が形成された前記ブレーキロータを仮止めするための中空状のピンが前記貫通孔に圧入固定されているので、ブレーキロータの貫通孔をハブボルトに対向させてそのまま嵌挿するだけで、ブレーキロータが車輪取付フランジに対して回り止めされた状態で保持されると共に、ピンの面取り部により、ピンを挿入孔に短時間に、かつ容易に挿入もしくは圧入することができ、車輪取付フランジから外れることはない。また、ピンが中空状に形成されているので圧入力を抑制することができ、圧入時の車輪取付フランジの変形を防止し、車輪取付フランジの面振れ精度を確保することができる。
外周に車体に取り付けられるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部にブレーキロータを介して車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面の一方に対向する内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に所定のシメシロを介して圧入され、外周に前記複列の外側転走面の他方に対向する内側転走面が形成された内輪からなる内方部材と、この内方部材と前記外方部材の転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複列の転動体とを備え、前記車輪取付フランジの基部からアウター側に延び、前記ブレーキロータを案内支持する円筒状のパイロット部が形成されると共に、前記車輪取付フランジの円周方向等配に複数のハブボルトが圧入された車輪用軸受装置において、前記車輪取付フランジに、前記ハブボルトの本数と整合され、かつ同一位相に貫通孔が形成され、これらの貫通孔に、両端部に同一の面取り部が形成された中空状のピンが圧入固定されると共に、前記ブレーキロータの前記ハブボルトとピンに対応する位置にそれぞれ貫通孔と挿入孔が設けられ、この挿入孔に前記ピンの先端側が挿入もしくは圧入され、前記ブレーキロータが前記車輪取付フランジに仮止めされている。
以下、本発明の実施の形態を図面に基いて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る車輪用軸受装置の第1の実施形態を示す縦断面図、図2は、図1のハブ輪単体を示す正面図、図3(a)は、図1のピンを示す正面図、(b)は、同上縦断面図、図4は、図1のピンの係合部を示す要部断面図である。なお、以下の説明では、車両に組み付けた状態で車両の外側寄りとなる側をアウター側(図1の左側)、中央寄り側をインナー側(図1の右側)という。
この車輪用軸受装置は駆動輪側で第3世代構造をなし、内方部材1と外方部材2と複列の転動体(ボール)3、3とを備えている。内方部材1はハブ輪4と、このハブ輪4に圧入固定された別体の内輪5とからなる。
ハブ輪4は、アウター側の一端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ6を一体に有し、外周に一方(アウター側)の内側転走面4aと、この内側転走面4aから軸方向に延びる小径段部4bが形成され、内周にトルク伝達用のセレーション(またはスプライン)4cが形成されている。内輪5は、外周に他方(インナー側)の内側転走面5aが形成され、ハブ輪4の小径段部4bに所定のシメシロを介して圧入固定されている。また、車輪取付フランジ6の円周等配位置には車輪を固定するためのハブボルト7が植設されている。そして、車輪取付フランジ6のアウター側の基部に、車輪およびブレーキロータ13を径方向に案内支持するための円筒状のパイロット部8が突出して形成されている。
また、ハブ輪4の車輪取付フランジ6は軽量化を図るため全体的に薄肉に形成されると共に、剛性を高めるため車輪取付フランジ6のインナー側の側面には、基部6aから放射方向に延びる複数のリブ6bが鍛造加工によって形成されている。このリブ6bは、ハブボルト7の位置でインナー側に突出して厚肉とされ、そして花弁状に形成されている(図2参照)。
また、ハブ輪4はS53C等の炭素0.40〜0.80重量%を含む中高炭素鋼で形成され、内側転走面4aをはじめ、後述するアウター側のシール10のシールランド部となる基部6aから小径段部4bに亙り高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に所定の硬化層が形成されている。こうした高周波焼入れによりハブ輪4の強度が向上すると共に、内輪5の嵌合面におけるフレッティングが抑制されて耐久性が向上する。一方、内輪5はSUJ2等の高炭素クロム軸受鋼からなり、ズブ焼入れにより芯部まで58〜64HRCの範囲で硬化処理されている。
外方部材2は、外周に車体(図示せず)に取り付けられるための車体取付フランジ2bを一体に有し、内周に内方部材1の内側転走面4a、5aに対向する複列の外側転走面2a、2aが一体に形成されている。また、外方部材2は、ハブ輪4と同様、S53C等の炭素0.40〜0.80重量%を含む中高炭素鋼で形成され、複列の外側転走面2a、2aが高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。これら複列の外側転走面2a、2aと内側転走面4a、5a間には保持器9、9で円周等配された複列の転動体3、3がそれぞれ転動自在に収容されている。そして、内方部材1と外方部材2との間に形成された環状空間の開口部にはシール10、11が装着され、軸受内部に封入され潤滑グリースの漏洩と、外部から雨水やダスト等が軸受内部に侵入するのを防止している。
なお、ここでは、転動体3、3をボールとした複列アンギュラ玉軸受で構成された車輪用軸受装置を例示したが、これに限らず転動体3に円すいころを使用した複列円すいころ軸受で構成されたものであっても良い。また、ハブ輪4の外周に直接内側転走面4aが形成された駆動輪側の第3世代構造を例示したが、これに限らず、ハブ輪の小径段部に一対の内輪が圧入固定された第2世代構造、あるいは、ハブ輪と外側継手部材がユニット化され、この外側継手部材の外周に直接内側転走面が形成された第4世代構造であっても良い。
ここで、ハブ輪4の車輪取付フランジ6に貫通孔6cが形成され、この貫通孔6cにピン12が圧入固定されている。このピン12はSUJ2等の高炭素クロム軸受鋼からなり、図3に示すように、パイプ材を素材として中空に形成され、一端部に所定の面取り部12aが形成されている。なお、ピン12の材質として、高炭素クロム軸受鋼以外にも、例えば、SCr420やSCM415等の浸炭鋼、冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)やS50C〜S55C等の炭素鋼を例示することができる。このピン12は硬化処理を施さず生のままでも良いが、本実施形態では、摩耗を防止すると共に、機械的強度を高めるため、ズブ焼入れにより58〜64HRCの範囲で硬化処理されている。なお、浸炭鋼の場合は、浸炭焼入れ等の表面硬化処理によって表面硬さを35〜50HRCの範囲に硬化処理されるのが好ましい。
一方、図1に示すように、ブレーキロータ13のハブボルト7に対応する位置に貫通孔13aと、ピン12と対応する位置に挿入孔13bが設けられている。貫通孔13aの内径は、ハブボルト7の外径よりも大径に設定され、挿入孔13bの内径は、ピン12の外径と略同一に設定されている。そして、ブレーキロータ13の貫通孔13aをハブボルト7に対向させて嵌挿することにより、ピン12の先端側が挿入孔12aに挿入もしくは圧入され、ブレーキロータ13が車輪取付フランジ6に仮止めされた状態となる。すなわち、本実施形態では、ピン12の面取り部12aによって、ブレーキロータ13の貫通孔13aをハブボルト7に対向させてそのまま嵌挿するだけで、ブレーキロータ13は、車輪取付フランジ6に対して回り止めされた状態で保持されると共に、ピン12の面取り部12aにより、ピン12を挿入孔12aに短時間に、かつ容易に挿入もしくは圧入することができ、車輪取付フランジ6から外れることはない。
ここでは、ピン12が硬化処理されているので、ブレーキロータ13からのせん断力を受けてもピン12が破損するのを防止し、耐久性を向上させることができる。また、ピン12が中空に形成されているので、圧入力を抑制することができ、圧入時の車輪取付フランジ6の変形を防止し、ブレーキロータ13の取付面となる車輪取付フランジ6のアウター側の側面6dの面振れ精度を確保することができる。
さらに、図4に示すように、車輪取付フランジ6のアウター側の側面6dからピン12の面取り部12aまでの寸法Laが、ブレーキロータ13の面取り部13cの寸法Lbよりも大きくなるように設定されている(La>Lb)。これにより、ブレーキロータ13からのせん断力がピン12に負荷されてもピン12の円筒面で支持することができ、ブレーキロータ13が浮き上がる分力が発生するのを防止してブレーキロータ13を脱落することなく安定して仮止めすることができる。
図5は、本発明に係る車輪用軸受装置の第2の実施形態を示す縦断面図、図6は、図5の正面図、図7(a)は、図5のピンを示す正面図、(b)は、同上断面図、図8(a)は、図7のピンの変形例を示す正面図、(b)は、同上平面図である。なお、この実施形態は前述した実施形態(図1)と基本的にはピンの構成と設置個数が異なるだけで、その他同一部品、同一部位あるいは同一機能を有する部品や部位には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
この車輪用軸受装置は駆動輪側で第3世代構造をなし、内方部材14と外方部材2と複列の転動体3、3とを備えている。内方部材14はハブ輪15と、このハブ輪15に圧入固定された別体の内輪5とからなる。
ハブ輪15は、アウター側の一端部に車輪取付フランジ16を一体に有し、外周に一方の内側転走面4aと、この内側転走面4aから軸方向に延びる小径段部4bが形成され、内周にトルク伝達用のセレーション4cが形成されている。
ここで、図6に示すように、ハブ輪4の車輪取付フランジ6に複数の貫通孔6cが形成されている。これらの貫通孔6cは、ハブボルト7から所定の位相角αの位置にそれぞれ形成され、ピン17が所定のシメシロを介して圧入固定されている。このピン17はSUJ2等の高炭素クロム軸受鋼からなり、ズブ焼入れにより58〜64HRCの範囲で硬化処理されている。そして、図7に示すように、ピン17はパイプ材を素材として中空に形成され、両端部に同一の面取り部12a、12aが形成されている。
本実施形態では、前述した実施形態と同様、図示しないブレーキロータの挿入孔にピン17を短時間に、かつ容易に挿入もしくは圧入することができると共に、ピン17の方向性を定めなくても車輪取付フランジ16に圧入することができ、圧入作業を簡便にすることができる。また、仮止め用のピン17の個数がハブボルト7の本数と整合され、かつ同一位相角αにピン17が圧入されているため、ハブ輪15の回転バランスが崩れることなく、回転精度を向上させることができる。
図8に変形例を示す。このピン18は、バネ用鋼をプレス加工によって成形した、所謂スプリングピンで、熱処理によって表面硬さが45〜50HRCに設定され、表面がリン酸塩被膜処理されている。そして、軸方向に延びるスリット18aを有し、両端部に同一の面取り部12a、12aが形成されている。本実施形態では、前述した実施形態と同様、図示しないブレーキロータの挿入孔にピン18を短時間に、かつ容易に挿入もしくは圧入することができると共に、ピン18の方向性を定めなくても車輪取付フランジ16に圧入することができ、圧入作業を一層簡便にすることができる。さらに、ピン18を機械加工する必要がない標準規格品を採用することにより、低コスト化を図ることができる。なお、防錆性に富んだSUS304等のステンレス鋼を採用することにより、機械的強度を高めると共に、長期間に亙って耐久性を確保することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、例えば、外方部材に車輪取付フランジを有する外輪回転タイプでも良く、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことである。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係る車輪用軸受装置は、一端部にブレーキロータを介して車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、ブレーキロータが仮止めされた第2世代乃至第4世代構造の車輪用軸受装置に適用することができる。
本発明に係る車輪用軸受装置の第1の実施形態を示す縦断面図である。 図1のハブ輪単体を示す正面図である。 (a)は、図1のピンを示す正面図、(b)は、同上縦断面図である。 図1のピンの係合部を示す要部断面図である。 本発明に係る車輪用軸受装置の第2の実施形態を示す縦断面図である。 図5の正面図である。 (a)は、図5のピンを示す正面図、(b)は、同上縦断面図である。 (a)は、図7のピンの変形例を示す正面図、(b)は、同上平面図である。 従来の車輪用軸受装置を示す縦断面図である。
1、14・・・・・・・・・内方部材
2・・・・・・・・・・・・外方部材
2a・・・・・・・・・・・外側転走面
2b・・・・・・・・・・・車体取付フランジ
3・・・・・・・・・・・・転動体
4、15・・・・・・・・・ハブ輪
4a、5a・・・・・・・・内側転走面
4b・・・・・・・・・・・小径段部
5・・・・・・・・・・・・内輪
6、16・・・・・・・・・車輪取付フランジ
6a・・・・・・・・・・・車輪取付フランジのインナー側の基部
6b・・・・・・・・・・・リブ
6c、13a・・・・・・・貫通孔
6d・・・・・・・・・・・車輪取付フランジのアウター側の側面
7・・・・・・・・・・・・ハブボルト
8・・・・・・・・・・・・パイロット部
9・・・・・・・・・・・・保持器
10・・・・・・・・・・・アウター側のシール
11・・・・・・・・・・・インナー側のシール
12、17、18・・・・・ピン
12a、13c・・・・・・面取り部
13・・・・・・・・・・・ブレーキロータ
13b・・・・・・・・・・挿入孔
50・・・・・・・・・・・車輪用軸受装置
51・・・・・・・・・・・車輪取付フランジ
51a・・・・・・・・・・貫通孔
51b・・・・・・・・・・車輪取付フランジの側面
52・・・・・・・・・・・ハブ輪
52a、53a・・・・・・内側転走面
52b・・・・・・・・・・小径段部
52c・・・・・・・・・・セレーション
52d・・・・・・・・・・加締部
53・・・・・・・・・・・内輪
54・・・・・・・・・・・内方部材
55・・・・・・・・・・・外方部材
55a・・・・・・・・・・外側転走面
55b・・・・・・・・・・車体取付フランジ
56・・・・・・・・・・・保持器
57・・・・・・・・・・・ボール
58・・・・・・・・・・・ハブボルト
59、60・・・・・・・・シール
61・・・・・・・・・・・ピン
61a・・・・・・・・・・面取り
62・・・・・・・・・・・ブレーキロータ
62a・・・・・・・・・・挿入孔
α・・・・・・・・・・・・位相角

Claims (12)

  1. 内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、
    外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、
    この内方部材と前記外方部材の転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複列の転動体とを備え、
    前記外方部材と内方部材のうち回転側となる部材にブレーキロータを介して車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、この車輪取付フランジの基部からアウター側に延び、前記ブレーキロータを案内支持する円筒状のパイロット部が形成された車輪用軸受装置において、
    前記車輪取付フランジに前記ブレーキロータが仮止めされるための貫通孔が形成され、端部に面取り部が形成された前記ブレーキロータを仮止めするための中空状のピンが前記貫通孔に圧入固定されていることを特徴とする車輪用軸受装置。
  2. 前記車輪取付フランジの円周方向等配に複数のハブボルトが装着される請求項1に記載の車輪用軸受装置。
  3. 前記車輪取付フランジに前記ブレーキロータが仮止めされている請求項1に記載の車輪用軸受装置。
  4. 前記ブレーキロータが、前記ハブボルトに対応する位置に貫通孔が設けられると共に、前記ピンに対応する位置に挿入孔が設けられ、この挿入孔に前記ピンの先端側が挿入もしくは圧入されている請求項1乃至3いずれかに記載の車輪用軸受装置。
  5. 前記ピンの個数が前記ハブボルトの本数と整合されると共に、当該ピンが同一位相に圧入されている請求項1乃至4いずれかに記載の車輪用軸受装置。
  6. 前記ピンの両端部に同一の面取り部が形成されている請求項1乃至5いずれかに記載の車輪用軸受装置。
  7. 前記ピンが熱処理により硬化処理されている請求項1乃至6いずれかに記載の車輪用軸受装置。
  8. 前記ブレーキロータの挿入孔に面取り部が形成され、この面取り部の寸法よりも前記車輪取付フランジのアウター側の側面から前記ピンの面取り部までの寸法が大きくなるように設定されている請求項1乃至7いずれかに記載の車輪用軸受装置。
  9. 前記ピンが、軸方向に延びるスリットを有するスプリングピンで構成されている請求項1乃至8いずれかに記載の車輪用軸受装置。
  10. 前記ピンが、パイプ材を素材として形成されている請求項1乃至8いずれかに記載の車輪用軸受装置。
  11. 前記ピンが、ステンレス鋼で形成されている請求項1乃至10いずれかに記載の車輪用軸受装置。
  12. 前記ピンの表面が、リン酸塩被膜処理されている請求項1乃至10いずれかに記載の車輪用軸受装置。
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