JP2010098930A - ブラシ給電式ハイブリッド励磁モータ及びブラシ給電式ハイブリッド励磁モータの駆動方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】モータ特性を変更できるロータがアーマチャ構造で、ステータが永久磁石とヨークからなるブラシ給電式ハイブリッド励磁モータ及びブラシ給電式ハイブリッド励磁モータの駆動方法を提供する。
【解決手段】フロントハウジング2aに対して、一方の磁性の磁極を発する界磁マグネットMGと内周に突出する界磁コア22とを交互に配置したステータ20に、界磁マグネットMG及び界磁コア22の両側位置であって周方向に巻回される上側磁束制御コイル23a及び下側磁束制御コイル23bを設けた。また、ステータ20の内周側に配置されたブラシ21bと摺接する整流子14を備えた電機子ロータ10を設けた。そして、上側磁束制御コイル23a及び下側磁束制御コイル23bに流す電流の向き及び値を変えることにより、界磁コア22へ向かう鎖交磁束を増磁したり減磁したりすることができるようにした。
【選択図】図1
【解決手段】フロントハウジング2aに対して、一方の磁性の磁極を発する界磁マグネットMGと内周に突出する界磁コア22とを交互に配置したステータ20に、界磁マグネットMG及び界磁コア22の両側位置であって周方向に巻回される上側磁束制御コイル23a及び下側磁束制御コイル23bを設けた。また、ステータ20の内周側に配置されたブラシ21bと摺接する整流子14を備えた電機子ロータ10を設けた。そして、上側磁束制御コイル23a及び下側磁束制御コイル23bに流す電流の向き及び値を変えることにより、界磁コア22へ向かう鎖交磁束を増磁したり減磁したりすることができるようにした。
【選択図】図1
Description
本発明は、ブラシ給電式ハイブリッド励磁モータ及び給電式ハイブリッド励磁モータの駆動方法に関する。
モータにおいて、低速で高トルクを得ることのできるモータとしてハイブリッド励磁モータが種々提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2)。
ハイブリッド励磁モータは、内方に向かって延びた複数のティースに電機子巻線を巻回したコアを備えたステータと、回転軸に永久磁石を挟んでN極コアとS極コアを軸線方向に配置固定したロータとから構成されている。
ハイブリッド励磁モータは、内方に向かって延びた複数のティースに電機子巻線を巻回したコアを備えたステータと、回転軸に永久磁石を挟んでN極コアとS極コアを軸線方向に配置固定したロータとから構成されている。
また、ロータにおいて、回転軸に固着したコアに軸線方向の一側に突極を周方向に所定の間隔に形成するとともにその突極間のN極の永久磁石を固着し、軸線方向の他側に前記一側に形成した突極と対向しないようにずらして突極を周方向に所定の間隔に形成するとともにその突極間のS極の永久磁石を固着したものがある。
ところで、上記したハイブリッド励磁モータは、いずれもロータが永久磁石で、ステータが巻線で構成されたブラシレスモータであった。従って、ロータがアーマチャ構造で、ステータが永久磁石とヨークからなる、即ちブラシ給電式の直流モータついてのハイブリッド励磁モータの実現が望まれていた。
本発明の目的は、モータ特性を変更できるロータがアーマチャ構造で、ステータが永久磁石とヨークからなるブラシ給電式ハイブリッド励磁モータ及びブラシ給電式ハイブリッド励磁モータの駆動方法を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、一方の磁性の磁極を内側に発する永久磁石と、ヨークに固定された内側に突出する鉄心とが外周に交互に配置されたステータと、前記永久磁石及び前記鉄心の軸方向に沿った位置に配置され周方向に巻回され、前記鉄心を経由する磁束を生成し制御するための円環状の励磁コイルと、前記ステータの内側に配置された回転軸に、軸方向に巻回した電機子巻線と、前記ステータに径方向にて対向するブラシと摺接し前記電機子コイルに電機子電流を供給する整流子とを備えた電機子ロータとを備えたブラシ給電式ハイブリッド励磁モータである。
請求項1に記載の発明によれば、励磁コイルを通電すると、ステータの永久磁石の間に設けた鉄心に磁束が通過する磁路が形成されることになり、結果的に、永久磁石と永久磁石の間に設けた各鉄心によって磁極が形成される。しかも、励磁コイルに電流を流す向きによって、各鉄心によって形成された磁極は、増磁や減磁する。
従って、励磁コイルに流す電流の向き及び値によって、トルク及び回転速度制御させることができる。
請求項2に記載の発明は、 請求項1に記載のブラシ給電式ハイブリッド励磁モータにおいて、前記励磁コイルは、ヨークハウジングに配置固定された前記ステータの軸方向両側に配置され、前記回転軸は前記ヨークハウジングに取着された軸受にて回転可能に支持され、前記軸受は磁性材料よりなる。
請求項2に記載の発明は、 請求項1に記載のブラシ給電式ハイブリッド励磁モータにおいて、前記励磁コイルは、ヨークハウジングに配置固定された前記ステータの軸方向両側に配置され、前記回転軸は前記ヨークハウジングに取着された軸受にて回転可能に支持され、前記軸受は磁性材料よりなる。
請求項2に記載の発明によれば、励磁コイルの通電による磁気回路(磁路)が、軸受を含む。そして、軸受が磁性体とし磁気抵抗をなすため、各鉄心によって形成された磁極のより増磁、減磁効果を高めることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のブラシ給電式ハイブリッド励磁モータにおいて、前記ステータは、N極を発生する永久磁石と鉄心とが交互に配置された第1ステータと、S極を発生する永久磁石と鉄心とが交互に配置された第2ステータとを備え、第1ステータ及び第2ステータが、磁極の角度毎に周方向にシフトし、お互い軸方向に離間したものであり、前記励磁コイルは、前記第1ステータと前記第2ステータの軸方向の間に配置されている。
請求項3に記載の発明によれば、第1ステータの鉄心と第2ステータの鉄心の部分が励磁コイルにより、増磁、減磁する。このとき、お互い磁極の角度分だけ周方向にシフトした第1ステータの鉄心と第2ステータの鉄心は、励磁コイルにより両方の鉄心を内側に増磁または減磁するように機能し、励磁コイルは1つで部品点数も少なく周方向からみてバランスがよい。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載のブラシ給電式ハイブリッド励磁モータにおいて、前記ステータは、N極を発生する永久磁石と鉄心とが交互に配置された第1ステータと、S極を発生する永久磁石と鉄心とが交互に配置された第2ステータとを備え、磁極の角度毎に周方向にシフトし、お互い軸方向に離間したものであり、前記励磁コイルは、ヨークハウジングに配置固定された前記第1ステータと前記第2ステータの軸方向の間とその両端側に配置され、前記回転軸は前記ヨークハウジングに取着された軸受にて回転可能に支持され、前記軸受が磁性材料よりなる。
請求項4に記載の発明によれば、3つの励磁コイルを用いるので、各鉄心によって形成された磁極は、より増磁、減磁になる。
請求項5に記載の発明は、請求項2〜4のいずれか1つに記載のブラシ給電式ハイブリッド励磁モータにおいて、ヨークハウジングの少なくともいずれか一方の軸受側の内側面に、前記回転軸に沿ってステータコア側に突出形成された磁路形成部を設けた。
請求項5に記載の発明は、請求項2〜4のいずれか1つに記載のブラシ給電式ハイブリッド励磁モータにおいて、ヨークハウジングの少なくともいずれか一方の軸受側の内側面に、前記回転軸に沿ってステータコア側に突出形成された磁路形成部を設けた。
請求項5に記載の発明によれば、励磁コイルの通電による磁気回路(磁路)が、ヨークハウジングの軸受側の内側面に突出形成した磁路形成部によって、磁路回路が短くなり、励磁コイルのロスが減少し、鉄心によって形成される磁極はより増磁、減磁効果を高めることができる。
請求項6に記載の発明は、請求項2〜5のいずれか1つに記載のブラシ給電式ハイブリッド励磁モータにおいて、
前記永久磁石と前記鉄心は、それぞれm個(mは2以上の整数)ずつであり、円筒状のヨークハウジングに内周面の周方向に交互に配置され、前記回転軸を挟んで相対向して配置されたm個の鉄心の周方向の幅は、その両端部とそれぞれ回転軸の中心軸とを結ぶ線とがなす角度が(180/m)°であり、前記回転軸を挟んで相対向して配置されたm個の永久磁石の周方向の幅は、その両端部とそれぞれ回転軸の中心軸とを結ぶ線とがなす角度が(180/m)°未満であることを特徴とするブラシ給電式ハイブリッド励磁モータ。
前記永久磁石と前記鉄心は、それぞれm個(mは2以上の整数)ずつであり、円筒状のヨークハウジングに内周面の周方向に交互に配置され、前記回転軸を挟んで相対向して配置されたm個の鉄心の周方向の幅は、その両端部とそれぞれ回転軸の中心軸とを結ぶ線とがなす角度が(180/m)°であり、前記回転軸を挟んで相対向して配置されたm個の永久磁石の周方向の幅は、その両端部とそれぞれ回転軸の中心軸とを結ぶ線とがなす角度が(180/m)°未満であることを特徴とするブラシ給電式ハイブリッド励磁モータ。
請求項6に記載の発明によれば、鉄心の周方向の幅を、その両端部とそれぞれ中心軸を結ぶ線のなす角度が(180/m)°となるように設定し、永久磁石の周方向の幅を、その両端とそれぞれ中心軸を結ぶ線のなす角度が表すと(180/m)°未満となるように設定し、即ち、界磁マグネットMGの周方向の幅を、界磁コア22の周方向の幅より短くして空間を形成した。
従って、鉄心と永久磁石の周方向の両端部が離間するので、鉄心と永久磁石の間において、磁路が形成され難くなり磁気損失の低減を図ることができる。
しかも、鉄心に比べて永久磁石は同永久磁石からの磁気は拡散することから、その磁気損失は、鉄心の周方向の幅を短くすることくらべて、小さくおさえることができる。
しかも、鉄心に比べて永久磁石は同永久磁石からの磁気は拡散することから、その磁気損失は、鉄心の周方向の幅を短くすることくらべて、小さくおさえることができる。
請求項7に記載の発明は、一方の磁性の磁極を内側に発する永久磁石と、ヨークに固定された内側に突出する鉄心とが外周に交互に配置されたステータと、前記永久磁石及び前記鉄心の軸方向に沿った位置に配置され周方向に巻回され、前記鉄心を経由する磁束を生成し制御するための円環状の励磁コイルと、前記ステータの内側に配置された回転軸に、軸方向に巻回した電機子巻線と、前記ステータに径方向にて対向するブラシと摺接し前記電機子コイルに電機子電流を供給する整流子とを備えた電機子ロータとを備えたブラシ給電式ハイブリッド励磁モータの駆動方法であって、前記励磁コイルに流す電流の向き及び値を変えて、前記鉄心を経由する磁束を制御してトルク及び回転速度制御させる。
請求項7に記載の発明によれば、励磁コイルを通電すると、ステータの永久磁石の間に設けた鉄心に磁束が通過する磁路が形成されることになり、結果的に、永久磁石と永久磁石の間に設けた各鉄心によって磁極が形成される。そして、励磁コイルに電流を流す向きによって、各鉄心によって形成された磁極は、増磁や減磁する。
従って、励磁コイルに流す電流の向き及び値によって、各鉄心によって形成された磁極を増磁させることによって、ブラシ給電式ハイブリッド励磁モータを高トルク化に制御できる。反対に、各鉄心によって形成された磁極を減磁させることによって、ブラシ給電式ハイブリッド励磁モータを高速回転化に制御することができる。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載のブラシ給電式ハイブリッド励磁モータの駆動方法において、前記永久磁石及び前記鉄心の内径を共に同じにするとともに、前記永久磁石及び前記鉄心の軸線方向の長さを共に同じにし、その内径と長さとの比を設計変更して、前記鉄心を経由する磁束の変化率を制御してトルク及び回転速度制御させる。
請求項8に記載の発明によれば、前記永久磁石及び前記鉄心の内径と、前記永久磁石及び前記鉄心の軸線方向の長さとの比を変更するだけで、増磁及び減磁効果を高めることができ、ブラシ給電式ハイブリッド励磁モータをより効率よく高速化及び高トルク化に制御できる。
本発明によれば、モータ特性を変更できるロータがアーマチャ構造で、ステータが永久磁石とヨークからなるブラシ給電式のハイブリッド励磁モータ及びブラシ給電式ハイブリッド励磁モータの駆動方法を提供することができる。
(第1実施形態)
以下、本発明のブラシ給電式ハイブリッド励磁モータを具体化した第1実施形態を図面に従って説明する。
以下、本発明のブラシ給電式ハイブリッド励磁モータを具体化した第1実施形態を図面に従って説明する。
図1は、ブラシ給電式ハイブリッド励磁モータ1を示す。鉄製よりなる円筒形のモータハウジング2は、ヨークハウジングであって、有蓋円筒形状のヨークとしてのフロントハウジング2aと、そのフロントハウジング2aの開口部を閉塞する円板形状のリアハウジング2bを有し、両ハウジング2a,2bが連結固定されている。そして、モータハウジング2内には、電機子ロータ10とステータ20が配置されている。
電機子ロータ10は、回転軸11、コア12、巻線13、整流子14を備えている。回転軸11は、フロントハウジング2aの前側面(図1において上側面)中心位置に貫通形成された貫通孔2cからモータハウジング2内に貫挿配置される。
回転軸11は、モータハウジング2(フロントハウジング2a)の上側内側面に固着された上側軸受15aとモータハウジング2(リアハウジング2b)の内側面に固着された下側軸受15bによって、モータハウジング2に対して回転可能にかつ軸線方向に移動不能に支持されている。なお、本実施形態では、上側軸受15a及び下側軸受15bは、それぞれ磁性材料で形成されている。
回転軸11には、コア12が固着されている。コア12は鉄製の円柱体であって、図2に示すように、その外周面に複数(本実施形態では16個)のティース12aが延出形成されている。各ティース12aは、軸線方向に所定の幅を有しているとともに、周方向に回転軸11の中心軸線L1を中心として放射状に且つ等角度間隔に延出形成されている。16個の各ティース12aには、巻線13が巻回される。そして、各ティース12aに巻回された巻線13は、整流子14に結線される。
整流子14は、図3に示すように、コア12の上側に設けられている。整流子14は、複数(本実施形態では16個)の整流子片14aを備えている。16個の整流子片14aは、回転軸11に固着した絶縁体よりなる円筒体14bの外周面に等角度間隔に配置固定されている。従って、各整流子片14aは、所定の間隙を有して円筒体14bの外周面に配置されている。そして、16個の整流子片14aは、対応する各ティース12aに巻回された巻線13と電気的に結線されている。
電機子ロータ10の外周にはステータ20が配置されている。ステータ20は、モータハウジング2、ブラシ装置21、複数(本実施形態では2個)の界磁マグネットMG、複数(本実施形態では2個)の界磁コア22、上側及び下側磁束制御コイル23a,23bを有している。
ブラシ装置21は、ロータ10の整流子14と対峙する位置に設けられ、ブラシホルダ21aとブラシ21bを有している。ブラシホルダ21aは、合成樹脂よりなる環状の円板であって、その外周面が、モータハウジング2(フロントハウジング2a)の内周面2dに固着されている。環状のブラシホルダ21aは、その内側に形成した貫通穴に、回転軸11及び回転軸11に固着した整流子14が貫通配置される。ブラシホルダ21aは、内側に配置された整流子14の整流子片14aと摺接する複数(本実施形態では4個)のブラシ21bを、周方向に等角度の間隔で支持固定している。4個のブラシ21bは、周方向に90度間隔に配置され、対向するブラシ21b同士が対となし、それぞれ対となるブラシ21bは、摺接する整流子片14aを介して巻線13に駆動電流Idを供給する。
2個の界磁マグネットMGは、図2及び図3に示すように、円弧状に形成された永久磁石であって、巻線13を巻回したコア12を挟んで相対向するようにフロントハウジング2aの内周面2dにそれぞれ固着されている。そして、界磁マグネットMGの内周面MGaが、巻線13を巻回したコア12(各ティース12a)に対して周方向に沿って対峙するように配置される。そして、本実施形態の界磁マグネットMGは、内周面MGa側がN極、外周面側がS極となるように着磁されている。
2個の界磁コア22は、界磁マグネットMGと同形状の鉄よりなるヨークであって、相対向して配置された2個の界磁マグネットMGの間に配置して、同じく巻線13を巻回したコア12を挟んで相対向するようにフロントハウジング2aの内周面2dにそれぞれ固着されている。そして、界磁コア22の内周面22aが、巻線13を巻回したコア12(各ティース12a)に対して周方向に沿って対峙するように配置される。
つまり、コア12(各ティース12a)の周りには、2個の界磁マグネットMGと2個の界磁コア22が周方向に、交互に等角度の間隔に環状に配置されている。
界磁マグネットMG(界磁コア22)の上下両側には、励磁コイルとしての上側磁束制御コイル23aと下側磁束制御コイル23bが、ロータ10を囲むように、フロントハウジング2aの内周面2dにそれぞれ固着されている。
界磁マグネットMG(界磁コア22)の上下両側には、励磁コイルとしての上側磁束制御コイル23aと下側磁束制御コイル23bが、ロータ10を囲むように、フロントハウジング2aの内周面2dにそれぞれ固着されている。
ここで、上側磁束制御コイル23aと下側磁束制御コイル23bに電流を流さない通常時と、電流を流した時の、ロータ10、ステータ20に形成される磁路について、図4〜図6に従って説明する。図4〜図6は、それぞれ図2の1―1線断面図を示す。
まず、上側磁束制御コイル23aと下側磁束制御コイル23bに電流を流さない通常時において、ロータ10、ステータ20に形成される磁路は、界磁マグネットMGの磁束によって決まる。図4に示すように、矢印で示すように、磁束φ1は、界磁マグネットMG→コア12(ティース12a)→回転軸11→上側軸受15a(下側軸受15b)→ハウジング2→界磁マグネットMGを経由する。
次に、上側磁束制御コイル23aと下側磁束制御コイル23bに、図5に示すように、平面視で、上側磁束制御コイル23aに時計回り方向に電流を流し、下側磁束制御コイル23bに反時計回り方向に電流を流すと、新たに矢印に示す方向に磁束φ2(磁路)が形成される。
このとき、界磁コア22を経由して界磁マグネットMGに戻る磁束φ2は、上側磁束制御コイル23aと下側磁束制御コイル23bへの通電によって、通常時よりも増大する。
反対に、上側磁束制御コイル23aと下側磁束制御コイル23bに、図6に示すように、平面視で、上側磁束制御コイル23aに反時計回り方向に電流を流し、下側磁束制御コイル23bに時計回り方向に電流を流すと、矢印に示す方向に磁束φ3(磁路)が形成される。反対に、界磁コア22を経由して界磁マグネットMGに戻る磁束φ3は、上側磁束制御コイル23aと下側磁束制御コイル23bへの通電によって、通常時よりも減少する。
反対に、上側磁束制御コイル23aと下側磁束制御コイル23bに、図6に示すように、平面視で、上側磁束制御コイル23aに反時計回り方向に電流を流し、下側磁束制御コイル23bに時計回り方向に電流を流すと、矢印に示す方向に磁束φ3(磁路)が形成される。反対に、界磁コア22を経由して界磁マグネットMGに戻る磁束φ3は、上側磁束制御コイル23aと下側磁束制御コイル23bへの通電によって、通常時よりも減少する。
図7は、本実施形態のブラシ給電式ハイブリッド励磁モータ1の上側磁束制御コイル23a及び下側磁束制御コイル23bに直流電流Iaを流した時の界磁コア22の鎖交磁束の増減率を示す。
図7において、右半分は、直流電流Iaを、図5に示すように、図5において、平面視で、上側磁束制御コイル23aに時計回り方向に流し、下側磁束制御コイル23bに反時計回り方向に流したときの界磁コア22の鎖交磁束の増減率を示す。また、左半分は、直流電流Iaを、図6に示すように、図6において、平面視で、上側磁束制御コイル23aに反時計回り方向に流し、下側磁束制御コイル23bに時計回り方向に流したときの界磁コア22の鎖交磁束の増減率を示す。
図7から明らかなように、上側磁束制御コイル23a及び下側磁束制御コイル23bに流す直流電流Iaを、図5に示す方向(プラス方向)に流したとき、電流値を増加(プラス方向に)することに従って鎖交磁束の増磁率は、増加方向に1000ATまで推移する。
反対に、図7から明らかなように、上側磁束制御コイル23a及び下側磁束制御コイル23bに流す直流電流Iaを、図6に示す方向(マイナス方向)に流したとき、電流値を増加(マイナス方向に)することに従って鎖交磁束の減磁率は、減少方向に−1000ATまで推移する。
従って、上側磁束制御コイル23a及び下側磁束制御コイル23bに流す直流電流Iaの向きと値とを変えることで、ステータ20に設けた各界磁コア22の鎖交磁束の増減を制御することができ、ブラシ給電式ハイブリッド励磁モータ1の出力特性を制御することができることになる。
因みに、図8(a)は、直流電流Iaを図5に示す方向(プラス方向)に1000AT流した状態で、ブラシ給電式ハイブリッド励磁モータ1に駆動電流(電機子電流)Idを可変させた時の出力特性を示す。図8(b)は、直流電流Iaを流さない状態で、ブラシ給電式ハイブリッド励磁モータ1に駆動電流(電機子電流)Idを可変させた時の出力特性を示す。図8(c)は、直流電流Iaを図6に示す方向(マイナス方向)に−1000AT流した状態で、ブラシ給電式ハイブリッド励磁モータ1に駆動電流(電機子電流)Idを可変させた時の出力特性を示す。
尚、図8(a)(b)(c)において、駆動電流(電機子電流)Idに対するトルクTの特性を実線で示しトルクTに対する回転数nの特性を破線で示す。
従って、図8(a)から明らかなように、増磁をすることで、ブラシ給電式ハイブリッド励磁モータ1を高トルク化に制御でき、図8(c)から明らかなように、減磁をすることで、ブラシ給電式ハイブリッド励磁モータ1を高速化に制御できる。
従って、図8(a)から明らかなように、増磁をすることで、ブラシ給電式ハイブリッド励磁モータ1を高トルク化に制御でき、図8(c)から明らかなように、減磁をすることで、ブラシ給電式ハイブリッド励磁モータ1を高速化に制御できる。
次に、上記のように構成した第1実施形態の効果を以下に記載する。
(1)上記実施形態によれば、フロントハウジング2aに一方の磁性の磁極を発する界磁マグネットMGと界磁コア22とを交互に配置したステータ20に、界磁マグネットMG及び界磁コア22の上下両側位置であって周方向に巻回された上側磁束制御コイル23a及び下側磁束制御コイル23bを設けた。また、ステータ20の内周側に配置されブラシ21bと摺接する整流子14を備えた電機子ロータ10を設けた。
(1)上記実施形態によれば、フロントハウジング2aに一方の磁性の磁極を発する界磁マグネットMGと界磁コア22とを交互に配置したステータ20に、界磁マグネットMG及び界磁コア22の上下両側位置であって周方向に巻回された上側磁束制御コイル23a及び下側磁束制御コイル23bを設けた。また、ステータ20の内周側に配置されブラシ21bと摺接する整流子14を備えた電機子ロータ10を設けた。
そして、上側磁束制御コイル23a及び下側磁束制御コイル23bに流す直流電流Iaの向き及び値を変えることにより、界磁コア22へ向かう鎖交磁束を増磁したり減磁したりすることができるようにした。
従って、上側磁束制御コイル23a及び下側磁束制御コイル23bに流す電流の向き及び値を変えるだけで、ブラシ給電式ハイブリッド励磁モータ1の出力特性を可変することができる。
(2)しかも、上記実施形態によれば、ブラシ給電式ハイブリッド励磁モータ1は、増磁をすることで高トルク化に制御できる。また、ブラシ給電式ハイブリッド励磁モータ1は、減磁をすることで、高速化に制御できる。
(3)しかも、上記実施形態によれば、上側軸受15a及び下側軸受15bは、それぞれ磁性材料で形成したため、上側磁束制御コイル23a及び下側磁束制御コイル23bの通電による磁気回路(磁路)が、上側軸受15a及び下側軸受15bを含む。そして、軸受15a,15bが磁性体とし磁気抵抗をなすため、各界磁コア22によって形成された磁極のより増磁、減磁効果を高めることができる。
(第2実施形態)
以下、本発明のブラシ給電式ハイブリッド励磁モータを具体化した第2実施形態を図面に従って説明する。本実施形態では、ステータを、軸線方向に第1ステータと第2ステータを併設した点が第1実施形態と相違する。従って、説明の便宜上、第1実施形態と同様の部分は符号を同じにして詳細な説明は省略し、異なる部分について詳細に説明する。
以下、本発明のブラシ給電式ハイブリッド励磁モータを具体化した第2実施形態を図面に従って説明する。本実施形態では、ステータを、軸線方向に第1ステータと第2ステータを併設した点が第1実施形態と相違する。従って、説明の便宜上、第1実施形態と同様の部分は符号を同じにして詳細な説明は省略し、異なる部分について詳細に説明する。
図9において、本実施形態のブラシ給電式ハイブリッド励磁モータ31は、第1ステータ20aと第2ステータ20bを備えている。
第1ステータ20aは、2個の上側界磁マグネットMG1、2個の上側界磁コア32aを有する。2個の上側界磁マグネットMG1は、図9、図10及び図12に示すように、円弧状に形成された永久磁石であって、上側磁束制御コイル23aの下側に位置するようにフロントハウジング2aの内周面2dにそれぞれ固着されている。そして、上側界磁マグネットMG1の内周面MG1aが、巻線13を巻回したコア12(各ティース12a)に対して周方向に沿って対峙するように配置される。本実施形態の上側界磁マグネットMG1は、内周面MG1a側がN極、外周面側がS極となるように着磁されている。
第1ステータ20aは、2個の上側界磁マグネットMG1、2個の上側界磁コア32aを有する。2個の上側界磁マグネットMG1は、図9、図10及び図12に示すように、円弧状に形成された永久磁石であって、上側磁束制御コイル23aの下側に位置するようにフロントハウジング2aの内周面2dにそれぞれ固着されている。そして、上側界磁マグネットMG1の内周面MG1aが、巻線13を巻回したコア12(各ティース12a)に対して周方向に沿って対峙するように配置される。本実施形態の上側界磁マグネットMG1は、内周面MG1a側がN極、外周面側がS極となるように着磁されている。
2個の鉄心としての上側界磁コア32aは、上側界磁マグネットMG1と同形状の鉄よりなるヨークであって、相対向して配置された2個の上側界磁マグネットMG1の間に配置して、同じく巻線13を巻回したコア12を挟んで相対向するようにフロントハウジング2aの内周面2dにそれぞれ固着されている。そして、上側界磁コア32aの内周面が、巻線13を巻回したコア12(各ティース12a)に対して周方向に沿って対峙するように配置される。つまり、コア12(各ティース12a)の周りには、2個の上側界磁マグネットMG1と2個の上側界磁コア32aが周方向に、交互に等角度の間隔に環状に配置されている。
環状に配置固定された上側界磁マグネットMG1及び上側界磁コア32aの下側、即ち第1ステータ20aの下側には、励磁コイルとしての中間磁束制御コイル23cが、ロータ10を囲むように、フロントハウジング2aの内周面2dにそれぞれ固着されている。
第2ステータ20bは、2個の下側界磁マグネットMG2、2個の下側界磁コア32bを有している。2個の下側界磁マグネットMG2は、図9、図11及び図12に示すように、円弧状に形成された永久磁石であって、中間磁束制御コイル23cと下側磁束制御コイル23bの間に位置するととともに、軸線方向において上側界磁マグネットMG1が中間磁束制御コイル23cを介して対峙しないように周方向にシフトしてフロントハウジング2aの内周面2dにそれぞれ固着されている。そして、下側界磁マグネットMG2の内周面MG2aが、巻線13を巻回したコア12(各ティース12a)に対して周方向に沿って対峙するように配置される。本実施形態の下側界磁マグネットMG2は、内周面MG2a側がS極、外周面側がN極となるように着磁されている。
2個の鉄心としての下側界磁コア32bは、下側界磁マグネットMG2と同形状の鉄よりなるヨークであって、相対向して配置された2個の下側界磁マグネットMG2の間に配置して、同じく巻線13を巻回したコア12を挟んで相対向するようにフロントハウジング2aの内周面2dにそれぞれ固着されている。従って、下側界磁コア32bは、軸線方向において上側界磁コア32aが中間磁束制御コイル23cを介して対峙しないように周方向にシフトして配置されている。
そして、下側界磁コア32bの内周面が、巻線13を巻回したコア12(各ティース12a)に対して周方向に沿って対峙するように配置される。つまり、コア12(各ティース12a)の周りには、2個の下側界磁マグネットMG2と2個の下側界磁コア32bが周方向に、交互に等角度の間隔に環状に配置されている。
上記のように構成されたブラシ給電式ハイブリッド励磁モータ31において、上側磁束制御コイル23a及び下側磁束制御コイル23bは共に同じ向きの直流電流Iaを流し、中間磁束制御コイル23cは上側磁束制御コイル23a及び下側磁束制御コイル23bとは反対向きの直流電流Iaを流すようにしている。
ここで、上側磁束制御コイル23a、下側磁束制御コイル23b及び中間磁束制御コイル23cに電流を流さない通常時と、電流を流した時の、ロータ10、第1ステータ20a及び第2ステータ20bに形成される磁路について、図13〜図15に従って説明する。
まず、上側磁束制御コイル23a、下側磁束制御コイル23b及び中間磁束制御コイル23cに電流を流さない通常時において、ロータ10、第1ステータ20a及び第2ステータ20bに形成される磁路は、上側界磁マグネットMG1及び下側界磁マグネットMG2の磁束φ1によって決まる。図13に示すように、矢印で示すように、磁束は、上側界磁マグネットMG1→コア12(ティース12a)→回転軸11→コア12(ティース12a)→下側界磁マグネットMG2を経由する。
次に、上側磁束制御コイル23a、下側磁束制御コイル23b及び中間磁束制御コイル23cに、図14に示すように、平面視で、上側磁束制御コイル23a及び下側磁束制御コイル23bに時計回り方向に電流を流し、中間磁束制御コイル23cに反時計回り方向に電流を流すと、新たに矢印に示す方向に磁束φ2(磁路)が形成される。
このとき、上側界磁コア32a及び下側界磁コア32bを経由して上側界磁マグネットMG1及び下側界磁マグネットMG2に戻る磁束φ2は、上側磁束制御コイル23a、下側磁束制御コイル23b及び中間磁束制御コイル23cへの通電によって、通常時よりも増大する。
反対に、上側磁束制御コイル23a、下側磁束制御コイル23b及び中間磁束制御コイル23cに、図15に示すように、平面視で、上側磁束制御コイル23a及び下側磁束制御コイル23bに反時計回り方向に電流を流し、中間磁束制御コイル23cに時計回り方向に電流を流すと、矢印に示す方向に磁束φ3(磁路)が形成される。
この場合、反対に、上側界磁コア32a及び下側界磁コア32bを経由して上側界磁マグネットMG1及び下側界磁マグネットMG2に戻る磁束φ3は、上側磁束制御コイル23aと下側磁束制御コイル23b及び中間磁束制御コイル23cへの通電によって、通常時よりも減少する。
図16は、本実施形態のブラシ給電式ハイブリッド励磁モータ31の上側磁束制御コイル23a、下側磁束制御コイル23b及び中間磁束制御コイル23cに直流電流Iaを流した時の上側界磁コア32a及び下側界磁コア32bの鎖交磁束の増減率を示す。
図16において、右半分は、直流電流Iaを、図14に示すように、図14において、平面視で、上側磁束制御コイル23a及び下側磁束制御コイル23bに時計回り方向に流し、中間磁束制御コイル23cに反時計回り方向に流したときの上側界磁コア32a及び下側界磁コア32bの鎖交磁束の増減率を示す。また、左半分は、直流電流Iaを、図15に示すように、図15において、平面視で、上側磁束制御コイル23a及び下側磁束制御コイル23bに反時計回り方向に流し、中間磁束制御コイル23cに時計回り方向に流したときの上側界磁コア32a及び下側界磁コア32bの鎖交磁束の増減率を示す。
図16から明らかなように、上側磁束制御コイル23a、下側磁束制御コイル23b及び中間磁束制御コイル23cに流す直流電流Iaを、図14に示す方向(プラス方向)に流したとき、電流値を増加(プラス方向に)することに従って鎖交磁束の増磁率は、増加方向に1000ATまで推移する。
反対に、図16から明らかなように、上側磁束制御コイル23a、下側磁束制御コイル23b及び中間磁束制御コイル23cに流す直流電流Iaを、図15に示す方向(マイナス方向)に流したとき、電流値を増加(マイナス方向に)することに従って鎖交磁束の減磁率は、減少方向に−1000ATまで推移する。
従って、上側磁束制御コイル23a、下側磁束制御コイル23b及び中間磁束制御コイル23cに流す直流電流Iaの向きと値とを変えることで、ステータ20に設けた上側界磁コア32a及び下側界磁コア32bの鎖交磁束の増減を制御することができ、ブラシ給電式ハイブリッド励磁モータ31の出力特性を制御することができることになる。その結果、第1実施形態と同様に、ブラシ給電式ハイブリッド励磁モータ31を高速化及び高トルク化に制御できる。
次に、上記のように構成した第2実施形態の効果を以下に記載する。
(1)上記実施形態によれば、ステータ20を軸線方向に第1ステータ20aと第2ステータ20bを設けた。第1ステータ20aは、モータハウジング2の内周面2d上側に、ロータ10に向かってN極を発する上側界磁マグネットMG1と上側界磁コア32aを交互に配置固定して構成した。第2ステータ20bは、モータハウジング2の内周面2d下側に、ロータ10に向かってS極を発する下側界磁マグネットMG2と下側界磁コア32bを交互に配置固定するとともに、下側界磁マグネットMG2が軸線方向に上側界磁マグネットMG1が対峙しないように周方向にシフト配置して構成している。
(1)上記実施形態によれば、ステータ20を軸線方向に第1ステータ20aと第2ステータ20bを設けた。第1ステータ20aは、モータハウジング2の内周面2d上側に、ロータ10に向かってN極を発する上側界磁マグネットMG1と上側界磁コア32aを交互に配置固定して構成した。第2ステータ20bは、モータハウジング2の内周面2d下側に、ロータ10に向かってS極を発する下側界磁マグネットMG2と下側界磁コア32bを交互に配置固定するとともに、下側界磁マグネットMG2が軸線方向に上側界磁マグネットMG1が対峙しないように周方向にシフト配置して構成している。
そして、第1ステータ20aと第2ステータ20bとの間に中間磁束制御コイル23cを設けた。
そして、上側磁束制御コイル23a、下側磁束制御コイル23b及び中間磁束制御コイル23cに流す直流電流Iaの向き及び値を変えることにより、上側界磁コア32a及び下側界磁コア32bへ向かう鎖交磁束を増磁したり減磁したりすることができるようにした。
そして、上側磁束制御コイル23a、下側磁束制御コイル23b及び中間磁束制御コイル23cに流す直流電流Iaの向き及び値を変えることにより、上側界磁コア32a及び下側界磁コア32bへ向かう鎖交磁束を増磁したり減磁したりすることができるようにした。
従って、上側磁束制御コイル23a、下側磁束制御コイル23b及び中間磁束制御コイル23cに流す電流の向き及び値を変えるだけで、ブラシ給電式ハイブリッド励磁モータ1の出力特性を可変することができる。
(2)上記実施形態によれば、第1ステータ20aの上側界磁コア32aと第2ステータ20bの下側界磁コア32bは、中間磁束制御コイル23cを挟んで軸線方向において相対向しないように周方向にシフトして配置した。
従って、増磁及び減磁の際、第1ステータ20aの上側界磁コア32aと第2ステータ20bの下側界磁コア32bに対して、バランスよく増磁及び減磁を行うことができため、コギングトルクを小さくでき、かつ安定した制御ができる。
(3)しかも、上記実施形態によれば、上側磁束制御コイル23a、下側磁束制御コイル23b及び中間磁束制御コイル23cを用いた。従って、中間磁束制御コイル23cが増えた分、上側界磁コア32a及び下側界磁コア32bに対して増磁及び減磁を行うことができる。
(第3実施形態)
以下、本発明のブラシ給電式ハイブリッド励磁モータを具体化した第3実施形態を図面に従って説明する。本実施形態のブラシ給電式ハイブリッド励磁モータ41では、リアハウジング2bの構成を変更し、ロータ10、ステータ20に形成される磁路を変更した点、界磁コア22と界磁マグネットMGの構成を変更した点、及び、上側磁束制御コイル23aを省略した点が第1実施形態と相違する。従って、説明の便宜上、第1実施形態と同様の部分は符号を同じにして詳細な説明は省略し、異なる部分について詳細に説明する。
以下、本発明のブラシ給電式ハイブリッド励磁モータを具体化した第3実施形態を図面に従って説明する。本実施形態のブラシ給電式ハイブリッド励磁モータ41では、リアハウジング2bの構成を変更し、ロータ10、ステータ20に形成される磁路を変更した点、界磁コア22と界磁マグネットMGの構成を変更した点、及び、上側磁束制御コイル23aを省略した点が第1実施形態と相違する。従って、説明の便宜上、第1実施形態と同様の部分は符号を同じにして詳細な説明は省略し、異なる部分について詳細に説明する。
図17において、鉄製よりなる円筒形のモータハウジング2のリアハウジング2bの内側面中央位置には、段差状の磁路形成部42が突出形成されている。磁路形成部42は、回転軸11が貫通する貫通孔43が形成されている。また、段差状の磁路形成部42が形成されたリアハウジング2bの外側面には、下側軸受15bを嵌合固着させるための収容凹部44が形成され、その収容凹部44の奥面には前記貫通孔43が開口されている。そして、収容凹部44に嵌合固着された下側軸受15bは、貫通孔43を貫通して配置された回転軸11の下端部を、回転可能に支持する。
ハウジング2内に突出形成された段差状の磁路形成部42は、大径部42aと、その大径部42aからさらに突出した小径部42bを有している。大径部42aは、コア12のティース12aに巻回した巻線13の下側面に近接する位置まで突出させている。大径部42aから突出した小径部42bは、その上面がコア12の下側面に近接する位置まで突出させている。従って、磁路形成部42は、回転軸11に沿ってコア12の下側面に近接するように形成されている。
図18に示すように、フロントハウジング2aの内周面2dには、2個の界磁マグネットMGが、回転軸11を挟んで相対向するように固着されている。また、2個の界磁マグネットMGの間であって、同じく回転軸11を挟んで相対向するようにフロントハウジング2aの内周面2dに、2個の界磁コア22が、それぞれ固着されている。
そして、コア12(各ティース12a)の周りには、2個の界磁マグネットMGと2個の界磁コア22が周方向に、交互に環状に配置されている。ここで、2個の界磁コア22の周方向の幅は、その両端部とそれぞれ中心軸線L1とを結ぶ線とがなす角度が90°となるように設定されている。また、2個の界磁マグネットMGの周方向の幅は、その両端とそれぞれ中心軸線L1とを結ぶ線とがなす角度が90°未満となるように設定されている。
従って、フロントハウジング2aの内周面2dに固着された界磁コア22と界磁マグネットMGの周方向の両端部が離間し空間が形成され、界磁コア22と界磁マグネットMGとの間において、この空間により磁路が形成され難くしている。
しかも、界磁マグネットMGの周方向の幅を、界磁コア22の周方向の幅より短くして空間を形成した。従って、界磁コア22に比べて界磁マグネットMGは、界磁マグネットMGからの磁気は拡散することから、界磁コア22の周方向の幅を短くした場合にくらべて磁気損失を小さくすることができる。
なお、界磁マグネットMG及び界磁コア22の内径D(マグネットMG及び界磁コア22の内周面の曲率半径を2倍した値)は、共に同じにしているとともに、界磁マグネットMG及び界磁コア22の軸線方向の長さLも共に同じにしている。
そして、コア12の外周面に形成した複数(本実施形態では16個)のティース12aに巻回された巻線13は、その巻回方法が、本実施形態では、図23に示すように、分布巻きであって、4個のティース12aに跨って巻回され、それぞれの巻線13が2スロットずつシフトされて巻回されている。そして、16個の整流子片14aは、対応する各ティース12aに巻回された巻線13と電気的に結線されている。
従って、4個のティース12aに跨って巻回された各巻線13は、その巻線13の周方向の幅(角度)が、界磁マグネットMG及び界磁コア22の周方向の幅(角度)と、同じとなるように巻回されている。
なお、巻線13の巻回方法は、本実施形態では、図23に示す分布巻きであったが、図24に示す、4個のティース12aに跨って巻回され、それぞれの巻線13が1スロットずつシフトされて巻回される分布巻きであってもよい。
また、本実施形態では、図17に示すように、上側磁束制御コイル23aを省略し、下側磁束制御コイル23bのみを設けた。
ここで、下側磁束制御コイル23bに電流を流さない通常時と、電流を流した時の、ロータ10、ステータ20に形成される磁路について、図19〜図21に従って説明する。図19〜図21は、それぞれ図18の17―17線断面図を示す。
ここで、下側磁束制御コイル23bに電流を流さない通常時と、電流を流した時の、ロータ10、ステータ20に形成される磁路について、図19〜図21に従って説明する。図19〜図21は、それぞれ図18の17―17線断面図を示す。
まず、下側磁束制御コイル23bに電流を流さない通常時、ロータ10、ステータ20に形成される磁路は、界磁マグネットMGの磁束によって決まる。図19に示すように、矢印で示すように、磁束φ1は、界磁マグネットMG→コア12(ティース12a)→磁路形成部42→ハウジング2→界磁マグネットMGを経由する。
次に、下側磁束制御コイル23bに、図20に示すように、平面視で、下側磁束制御コイル23bに反時計回り方向に電流を流すと、新たに矢印に示す方向に磁束φ2(磁路)が形成される。
このとき、界磁コア22を経由して界磁マグネットMGに戻る磁束φ2は、下側磁束制御コイル23bへの通電によって、通常時よりも増大する。
反対に、下側磁束制御コイル23bに、図21に示すように、平面視で、下側磁束制御コイル23bに時計回り方向に電流を流すと、矢印に示す方向に磁束φ3(磁路)が形成される。このとき、界磁コア22を経由して界磁マグネットMGに戻る磁束φ3は、下側磁束制御コイル23bへの通電によって、通常時よりも減少する。
反対に、下側磁束制御コイル23bに、図21に示すように、平面視で、下側磁束制御コイル23bに時計回り方向に電流を流すと、矢印に示す方向に磁束φ3(磁路)が形成される。このとき、界磁コア22を経由して界磁マグネットMGに戻る磁束φ3は、下側磁束制御コイル23bへの通電によって、通常時よりも減少する。
図22(a)は、本実施形態の磁路形成部42を設けたブラシ給電式ハイブリッド励磁モータ41の下側磁束制御コイル23bに直流電流Iaを流した時の界磁コア22の鎖交磁束の増減率を実線で示し、磁路形成部42を設けないブラシ給電式ハイブリッド励磁モータの下側磁束制御コイル23bに直流電流Iaを流した時の界磁コア22の鎖交磁束の増減率を破線で示す。
図22(a)において、右半分は、直流電流Iaを、図20に示すように、図20において、平面視で、下側磁束制御コイル23bに反時計回り方向に流したときの界磁コア22の鎖交磁束の増減率を示す。また、左半分は、直流電流Iaを、図21に示すように、図21において、平面視で、下側磁束制御コイル23bに時計回り方向に流したときの界磁コア22の鎖交磁束の増減率を示す。
図22(a)から明らかなように、下側磁束制御コイル23bに流す直流電流Iaを、図20に示す方向(プラス方向)に流したとき、電流値を増加(プラス方向に)することに従って鎖交磁束の増磁率は、増加方向に500ATまで推移する。
しかも、鎖交磁束の増磁率は、磁路形成部42を設けないブラシ給電式ハイブリッド励磁モータに比べて大きくなる。
反対に、図22(a)から明らかなように、下側磁束制御コイル23bに流す直流電流Iaを、図21に示す方向(マイナス方向)に流したとき、電流値を増加(マイナス方向に)することに従って鎖交磁束の減磁率は、減少方向に−500ATまで推移する。
反対に、図22(a)から明らかなように、下側磁束制御コイル23bに流す直流電流Iaを、図21に示す方向(マイナス方向)に流したとき、電流値を増加(マイナス方向に)することに従って鎖交磁束の減磁率は、減少方向に−500ATまで推移する。
しかも、鎖交磁束の減磁率は、磁路形成部42を設けないブラシ給電式ハイブリッド励磁モータに比べて大きくなる。
従って、下側磁束制御コイル23bに流す直流電流Iaの向きと値とを変えることで、ステータ20に設けた界磁コア22の鎖交磁束の増減を大きく制御することができ、ブラシ給電式ハイブリッド励磁モータ41の出力特性を制御することができることになる。その結果、ブラシ給電式ハイブリッド励磁モータ41を高速化及び高トルク化に制御できる。
従って、下側磁束制御コイル23bに流す直流電流Iaの向きと値とを変えることで、ステータ20に設けた界磁コア22の鎖交磁束の増減を大きく制御することができ、ブラシ給電式ハイブリッド励磁モータ41の出力特性を制御することができることになる。その結果、ブラシ給電式ハイブリッド励磁モータ41を高速化及び高トルク化に制御できる。
なお、図17で示す、界磁マグネットMG及び界磁コア22の内径D(マグネットMG及び界磁コア22の内周面の曲率半径を2倍した値)と、界磁マグネットMG及び界磁コア22の軸線方向の長さLとの比(=D/L)を、変更することによって、下側磁束制御コイル23bに流す直流電流Iaに対する鎖交磁束の磁束変化率を制御することができる。
図22(b)は、比が大きい(D/L=8)ブラシ給電式ハイブリッド励磁モータ41の下側磁束制御コイル23bに直流電流Iaを流した時の界磁コア22の鎖交磁束の磁束変化率を実線で示し、比が小さい(D/L=2.5)ブラシ給電式ハイブリッド励磁モータ41の下側磁束制御コイル23bに直流電流Iaを流した時の界磁コア22の鎖交磁束の磁束変化率を破線で示す。
図22(b)から明らかなように、比が大きい(D/L=8)方が、鎖交磁束の増磁する変化率及び減磁する変化率は、比が小さい(D/L=2.5)方に比べて大きくなる。これは、比(=D/L)が大きい方が、比(=D/L)が小さい方に比べて、鎖交磁束が小さく界磁が制御し易いことから変化率が大きくなる。
従って、比(=D/L)を大きくすることによって、増磁及び減磁効果を高めることができ、ブラシ給電式ハイブリッド励磁モータ41をより効率よく高速化及び高トルク化に制御できる。
次に、上記のように構成した第3実施形態の効果を以下に記載する。
(1)上記実施形態によれば、フロントハウジング2aに一方の磁性の磁極を発する界磁マグネットMGと界磁コア22とを交互に配置したステータ20に、界磁マグネットMG及び界磁コア22の下側位置であって周方向に巻回された下側磁束制御コイル23bを設けた。また、ステータ20の内周側に配置されブラシ21bと摺接する整流子14を備えた電機子ロータ10を設けた。
(1)上記実施形態によれば、フロントハウジング2aに一方の磁性の磁極を発する界磁マグネットMGと界磁コア22とを交互に配置したステータ20に、界磁マグネットMG及び界磁コア22の下側位置であって周方向に巻回された下側磁束制御コイル23bを設けた。また、ステータ20の内周側に配置されブラシ21bと摺接する整流子14を備えた電機子ロータ10を設けた。
そして、下側磁束制御コイル23bに流す直流電流Iaの向き及び値を変えることにより、界磁コア22へ向かう鎖交磁束を増磁したり減磁したりすることができるようにした。
従って、下側磁束制御コイル23bに流す電流の向き及び値を変えるだけで、ブラシ給電式ハイブリッド励磁モータ41の出力特性を可変することができる。
(2)しかも、上記実施形態によれば、ブラシ給電式ハイブリッド励磁モータ41は、増磁をすることで高トルク化に制御できる。また、ブラシ給電式ハイブリッド励磁モータ41は、減磁をすることで、高速化に制御できる。
(2)しかも、上記実施形態によれば、ブラシ給電式ハイブリッド励磁モータ41は、増磁をすることで高トルク化に制御できる。また、ブラシ給電式ハイブリッド励磁モータ41は、減磁をすることで、高速化に制御できる。
(3)しかも、上記実施形態によれば、リアハウジング2bに、コア12の下側面に近接するとともに回転軸11を貫挿する貫通孔43を形成した磁路形成部42を突出形成した。従って、下側磁束制御コイル23bの通電による磁気回路(磁路)が、リアハウジング2bに形成した磁路形成部42を介して形成され、その磁路回路がその分短くなり、下側磁束制御コイル23bのロスが減少し、各界磁コア22によって形成された磁極のより増磁、減磁効果を高めることができる。
(4)上記実施形態によれば、フロントハウジング2aの内周面2dに固着された界磁コア22と界磁マグネットMGの周方向の両端部が接触しないように離間させたので、界磁コア22と界磁マグネットMGとの間において、磁路が形成され難くし磁気損失の低減を図ることができる。
(5)しかも、上記実施形態によれば、界磁コア22の周方向の幅を、その両端部とそれぞれ中心軸線L1とを結ぶ線とがなす角度が90°となるように設定し、界磁マグネットMGの周方向の幅を、その両端とそれぞれ中心軸線L1とを結ぶ線とがなす角度が90°未満となるように設定し、即ち、界磁マグネットMGの周方向の幅を、界磁コア22の周方向の幅より短くして空間を形成した。
従って、界磁コア22に比べて界磁マグネットMGは、界磁マグネットMGからの磁気は拡散することから、その磁気損失は、界磁コア22の周方向の幅を短くすることくらべて、小さくおさえることができる。
(6)上記実施形態によれば、界磁マグネットMG及び界磁コア22の内径D(マグネットMG及び界磁コア22の内周面の曲率半径を2倍した値)と、界磁マグネットMG及び界磁コア22の軸線方向の長さLとの比(=D/L)を、設計変更することによって、下側磁束制御コイル23bに流す直流電流Iaに対する鎖交磁束の磁束変化率を制御することができる。従って、比(=D/L)を変更するだけで、増磁及び減磁効果を高めることができ、ブラシ給電式ハイブリッド励磁モータ41をより効率よく高速化及び高トルク化に制御できる。
尚、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記第1実施形態では、上側磁束制御コイル23a及び下側磁束制御コイル23bを設けた。これを、図25に示すように、上側磁束制御コイル23aを省略し、下側磁束制御コイル23bのみを設けたブラシ給電式ハイブリッド励磁モータ1に応用してもよい。
・上記第1実施形態では、上側磁束制御コイル23a及び下側磁束制御コイル23bを設けた。これを、図25に示すように、上側磁束制御コイル23aを省略し、下側磁束制御コイル23bのみを設けたブラシ給電式ハイブリッド励磁モータ1に応用してもよい。
勿論、反対に、下側磁束制御コイル23bを省略し、上側磁束制御コイル23aのみを設けたブラシ給電式ハイブリッド励磁モータ1に応用してもよい。
・上記第2実施形態では、上側磁束制御コイル23a、下側磁束制御コイル23b及び中間磁束制御コイル23cを設けた。これを、図26に示すように、上側磁束制御コイル23a及び下側磁束制御コイル23bを省略し、第1ステータ20aと第2ステータ20bの間に設けた中間磁束制御コイル23cのみを設けたブラシ給電式ハイブリッド励磁モータ1に応用してもよい。
・上記第2実施形態では、上側磁束制御コイル23a、下側磁束制御コイル23b及び中間磁束制御コイル23cを設けた。これを、図26に示すように、上側磁束制御コイル23a及び下側磁束制御コイル23bを省略し、第1ステータ20aと第2ステータ20bの間に設けた中間磁束制御コイル23cのみを設けたブラシ給電式ハイブリッド励磁モータ1に応用してもよい。
因みに、中間磁束制御コイル23cに電流を流さない通常時と、電流を流した時の、ロータ10、第1ステータ20a及び第2ステータ20bに形成される磁路は、図27〜図29に示すようになる。
まず、中間磁束制御コイル23cに電流を流さない通常時において、ロータ10、第1ステータ20a及び第2ステータ20bに形成される磁路は、上側界磁マグネットMG1及び下側界磁マグネットMG2の磁束φ1によって決まる。図27に示すように、矢印で示すように、磁束φ1は、上側界磁マグネットMG1→コア12(ティース12a)→回転軸11→コア12(ティース12a)→下側界磁マグネットMG2を経由する。
次に、中間磁束制御コイル23cに、図28に示すように、平面視で、反時計回り方向に電流を流すと、新たに矢印に示す方向に磁束φ2(磁路)が形成される。
このとき、上側界磁コア32a及び下側界磁コア32bを経由して上側界磁マグネットMG1及び下側界磁マグネットMG2に戻る磁束φ2は、中間磁束制御コイル23cへの通電によって、通常時よりも増大する。
このとき、上側界磁コア32a及び下側界磁コア32bを経由して上側界磁マグネットMG1及び下側界磁マグネットMG2に戻る磁束φ2は、中間磁束制御コイル23cへの通電によって、通常時よりも増大する。
反対に、中間磁束制御コイル23cに、図29に示すように、平面視で、時計回り方向に電流を流すと、矢印に示す方向に磁束φ3(磁路)が形成される。
この場合、反対に、上側界磁コア32a及び下側界磁コア32bを経由して上側界磁マグネットMG1及び下側界磁マグネットMG2に戻る磁束φ3は、中間磁束制御コイル23cへの通電によって、通常時よりも減少する。
この場合、反対に、上側界磁コア32a及び下側界磁コア32bを経由して上側界磁マグネットMG1及び下側界磁マグネットMG2に戻る磁束φ3は、中間磁束制御コイル23cへの通電によって、通常時よりも減少する。
・上記第3実施形態で実施したリアハウジング2bの内側面中央位置に突出形成した磁路形成部42を、第1及び第2実施形態のブラシ給電式ハイブリッド励磁モータ1,31に応用してもよい。
・上記第3実施形態では、リアハウジング2bに磁路形成部42を突出形成した。これを整流子14側のフロントハウジング2aの内側面にも設けて実施してもよい。また、整流子14側のフロントハウジング2aの内側面だけに設けて実施してもよい。
・上記第3実施形態では、界磁マグネットMG及び界磁コア22の内径Dと、界磁マグネットMG及び界磁コア22の軸線方向の長さLとの比を、設計変更することを説明したが、第1及び第2実施形態のブラシ給電式ハイブリッド励磁モータ1,31に応用してもよい。
・上記各実施形態では、界磁マグネットMG、上側界磁マグネットMG1、下側界磁マグネットMG2、界磁コア22、上側界磁コア32a、下側界磁コア32bの数を、それぞれ2個ずつであったが、その数を3個以上にして実施してもよい。すわち、界磁マグネットMG、上側界磁マグネットMG1、下側界磁マグネットMG2、界磁コア22、上側界磁コア32a、下側界磁コア32bの数を、m個(mは2以上の整数)で実施してもよい。
因みに、第3実施形態において、コア12(各ティース12a)の周り、m個の界磁マグネットMGとm個の界磁コア22が周方向に交互に環状に配置した場合、m個の界磁コア22の周方向の幅は、その両端部とそれぞれ中心軸線L1とを結ぶ線とがなす角度が(180/m)°となるように設定される。また、m個の界磁マグネットMGの周方向の幅は、その両端とそれぞれ中心軸線L1とを結ぶ線とがなす角度が(180/m)°未満となるように設定される。
1,31,41…ブラシ給電式ハイブリッド励磁モータ、2…モータハウジング、2a…フロントハウジング、2b…リアハウジング、10…電機子ロータ、11…回転軸、12…コア、12a…ティース、13…巻線、14…整流子、15a…上側軸受、15b…下側軸受、20…ステータ、20a…第1ステータ、20b…第2ステータ、21…ブラシ装置、21b…ブラシ、22…界磁コア、23a…上側磁束制御コイル、23b…下側磁束制御コイル、23c…中間磁束制御コイル、32a…上側界磁コア、32b…下側界磁コア、42…磁路形成部、D…内径、L…長さ、L1…中心軸線、MG…界磁マグネット、MG1…上側界磁マグネット、MG2…下側界磁マグネット、φ1,φ2,φ3…磁束。
Claims (8)
- 一方の磁性の磁極を内側に発する永久磁石と、ヨークに固定された内側に突出する鉄心とが外周に交互に配置されたステータと、
前記永久磁石及び前記鉄心の軸方向に沿った位置に配置され周方向に巻回され、前記鉄心を経由する磁束を生成し制御するための円環状の励磁コイルと、
前記ステータの内側に配置された回転軸に、軸方向に巻回した電機子巻線と、前記ステータに径方向にて対向するブラシと摺接し前記電機子巻線に電機子電流を供給する整流子とを備えた電機子ロータと
を備えたブラシ給電式ハイブリッド励磁モータ。 - 請求項1に記載のブラシ給電式ハイブリッド励磁モータにおいて、
前記励磁コイルは、ヨークハウジングに配置固定された前記ステータの軸方向両側に配置され、前記回転軸は前記ヨークハウジングに取着された軸受にて回転可能に支持され、前記軸受は磁性材料よりなることを特徴とするブラシ給電式ハイブリッド励磁モータ。 - 請求項1に記載のブラシ給電式ハイブリッド励磁モータにおいて、
前記ステータは、N極を発生する永久磁石と鉄心とが交互に配置された第1ステータと、S極を発生する永久磁石と鉄心とが交互に配置された第2ステータとを備え、第1ステータ及び第2ステータが、磁極の角度毎に周方向にシフトし、お互い軸方向に離間したものであり、
前記励磁コイルは、前記第1ステータと前記第2ステータの軸方向の間に配置されていることを特徴とするブラシ給電式ハイブリッド励磁モータ。 - 請求項1に記載のブラシ給電式ハイブリッド励磁モータにおいて、
前記ステータは、N極を発生する永久磁石と鉄心とが交互に配置された第1ステータと、S極を発生する永久磁石と鉄心とが交互に配置された第2ステータとを備え、磁極の角度毎に周方向にシフトし、お互い軸方向に離間したものであり、
前記励磁コイルは、ヨークハウジングに配置固定された前記第1ステータと前記第2ステータの軸方向の間とその両端側に配置され、
前記回転軸は前記ヨークハウジングに取着された軸受にて回転可能に支持され、前記軸受が磁性材料よりなることを特徴とするブラシ給電式ハイブリッド励磁モータ。 - 請求項2〜4のいずれか1つに記載のブラシ給電式ハイブリッド励磁モータにおいて、
ヨークハウジングの少なくともいずれか一方の軸受側の内側面に、前記回転軸に沿ってステータコア側に突出形成された磁路形成部を設けたことを特徴とするブラシ給電式ハイブリッド励磁モータ。 - 請求項2〜5のいずれか1つに記載のブラシ給電式ハイブリッド励磁モータにおいて、
前記永久磁石と前記鉄心は、それぞれm個(mは2以上の整数)ずつであり、円筒状のヨークハウジングに内周面の周方向に交互に配置され、前記回転軸を挟んで相対向して配置されたm個の鉄心の周方向の幅は、その両端部とそれぞれ回転軸の中心軸とを結ぶ線とがなす角度が(180/m)°であり、前記回転軸を挟んで相対向して配置されたm個の永久磁石の周方向の幅は、その両端部とそれぞれ回転軸の中心軸とを結ぶ線とがなす角度が(180/m)°未満であることを特徴とするブラシ給電式ハイブリッド励磁モータ。 - 一方の磁性の磁極を内側に発する永久磁石と、ヨークに固定された内側に突出する鉄心とが外周に交互に配置されたステータと、
前記永久磁石及び前記鉄心の軸方向に沿った位置に配置され周方向に巻回され、前記鉄心を経由する磁束を生成し制御するための円環状の励磁コイルと、
前記ステータの内側に配置された回転軸に、軸方向に巻回した電機子巻線と、前記ステータに径方向にて対向するブラシと摺接し前記電機子巻線に電機子電流を供給する整流子とを備えた電機子ロータと
を備えたブラシ給電式ハイブリッド励磁モータの駆動方法であって、
前記励磁コイルに流す電流の向き及び値を変えて、前記鉄心を経由する磁束を制御してトルク及び回転速度制御させることを特徴とするブラシ給電式ハイブリッド励磁モータの駆動方法。 - 請求項7に記載のブラシ給電式ハイブリッド励磁モータの駆動方法において、
前記永久磁石及び前記鉄心の内径を共に同じにするとともに、前記永久磁石及び前記鉄心の軸線方向の長さを共に同じにし、その内径と長さとの比を設計変更して、前記鉄心を経由する磁束の変化率を制御してトルク及び回転速度制御させることを特徴とするブラシ給電式ハイブリッド励磁モータの駆動方法。
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