JP2010095475A - ジャスミン花抽出エキス及び血中脂質上昇抑制組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】ジャスミンの花、特にマツリカの花から得られるジャスミン花抽出エキスの新たな利用用途を提供する。
【解決手段】ジャスミン花、特にマツリカ(茉莉花、Jasminum sambac)の花の抽出物を有効成分とする血中脂質上昇抑制組成物を提案する。ジャスミン花、特にマツリカの花の抽出物を、脂質に続いて経口摂取させると、血清トリグリセライドの上昇を抑制することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、ジャスミンの花、特にマツリカの花から得られるジャスミン花抽出エキス及びその用途に関する発明である。
ジャスミンは、モクセイ科ソケイ属(素馨属 Jasminum)の植物の総称であり、世界で約300種が知られている。例えばベニバナソケイ(Jasminum beesianum)、リュウキュウオウバイ(Jasminum floridum)、ソケイ(Jasminum grandiflorum)、ヒマラヤソケイ(Jasminum humile)、ウンナンソケイ(Jasminum humile var. glabrum)、キソケイ(Jasminum humile var. revolutum)、オウバイ(Jasminum nudiflorum)、マリアナソケイ(Jasminum marianum)、オウバイモドキ(Jasminum mesnyi)、ボルネオソケイ(Jasminum multiflorum)、シロソケイ(Jasminum nervosum var. elegans)、オオシロソケイ(Jasminum nitidum)、オウバイ(Jasminum nudiflorum)、シロモッコウ(Jasminum officinale)、ハゴロモジャスミン (Jasminum polyanthum)、マツリカ(茉莉花、Jasminum sambac)、オキナワソケイ(Jasminum sinense)などを挙げることができる。
ジャスミン、すなわちソケイ属の植物のいくつかの種では、花が強い芳香を持つため、香水やジャスミン茶の着香に使用されている。特にマツリカ(茉莉花)は、ジャスミン茶の着香用として、中国及び東南アジアなどで大規模に栽培されている。
ジャスミン茶の着香は、夜間に開花するマツリカをまだ蕾(つぼみ)の状態の昼間のうちに摘み取り、夜間に花が開き始めたところで、茶葉と混合して着香することが知られている。
ジャスミンから得られるジャスミンエキスの利用用途に関しては、前述のように香水やジャスミン茶の着香剤のほか、次のような利用用途が開示されている。
例えば特許文献1には、ジャスミンエキスを有効成分とする脂肪分解促進剤が開示され、特許文献2には、ジャスミンの花の抽出物を含有することを特徴とする痩身用食品が開示され、特許文献3には、マツリカ又はその抽出物を有効成分とするSCF結合阻害剤が開示されており、マツリカ又はその抽出物にはSCF結合阻害活性があり、メラニンの過剰産生に起因する色素沈着やシミ・ソバカスの予防又は改善に有効である旨が記述されている。
なお、非特許文献1などには、ジャスミン茶粉末或いはジャスミン茶抽出物を有効成分とするリパーゼ活性阻害剤が開示されているが、前述のように、ジャスミン茶は、マツリカを茶葉に接触させ、その後このマツリカを除去して、ジャスミンの香りを茶葉に着香させるものであり、ジャスミン由来の成分は、揮発成分であって、しかも茶葉に吸着されやすい成分のみであるため、極めて微量しか含まれておらず、当該リパーゼ活性阻害剤の阻害作用は茶葉抽出成分、特にカテキンの作用によるものと考えるのが常識的である。
特開2000−016916号公報 特開2003−310213号公報 特開2008−31089号公報 1997年和漢医薬学会大会要旨集14,90ページ「ジャスミン茶の抗肥満作用について」
本発明の目的は、ジャスミンの花、特にマツリカの花から得られる、新たなジャスミン花抽出エキス及びこれの新たな利用用途を提供することにある。
本発明者は、ラットを用いた試験において、ジャスミン花、特にマツリカの花の抽出物を、脂質に続いて経口摂取させると、血清トリグリセライドの上昇を抑制できることを見出し、かかる知見に基づいて本発明を想到したものである。
すなわち、本発明は、ジャスミン花、特にマツリカ(茉莉花、Jasminum sambac)の花の抽出物を有効成分とする血中脂質上昇抑制組成物を提案するものである。
一般的なジャスミン茶及びその抽出物では、血中脂質上昇抑制効果は期待できないが、ジャスミン花、特にマツリカ(茉莉花、Jasminum sambac)の花の抽出物については、血中脂質上昇抑制効果を確認することができた。
また、ジャスミン花抽出エキスは、血中脂質上昇抑制効果のほか、ジャスミンの香りを本来的に備えているため、香りに優れており、しかも茶のように苦渋もないから、経口摂取し易い血中脂質上昇抑制剤を提供することができる。
発明を実施するための形態
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明が下記実施形態に限定されるものではない。
(ジャスミン花抽出エキス)
本実施形態に係るジャスミン花抽出エキス(以下「本ジャスミン花抽出エキス」という)は、ジャスミンの花、すなわちジャスミンの花弁を水もしくは低級アルコールまたはそれらの混合液で抽出して得られる抽出物である。
本発明が対象とするジャスミンは、前述のように、モクセイ科ソケイ属(素馨属 Jasminum)の植物の総称であり、約300種が知られている。例えばベニバナソケイ(Jasminum beesianum)、リュウキュウオウバイ(Jasminum floridum)、ソケイ(Jasminum grandiflorum)、ヒマラヤソケイ(Jasminum humile)、ウンナンソケイ(Jasminum humile var. glabrum)、キソケイ(Jasminum humile var. revolutum)、オウバイ(Jasminum nudiflorum)、マリアナソケイ(Jasminum marianum)、オウバイモドキ(Jasminum mesnyi)、ボルネオソケイ(Jasminum multiflorum)、シロソケイ(Jasminum nervosum var. elegans)、オオシロソケイ(Jasminum nitidum)、オウバイ(Jasminum nudiflorum)、シロモッコウ(Jasminum officinale)、ハゴロモジャスミン(Jasminum polyanthum)、マツリカ(茉莉花、Jasminum sambac)、オキナワソケイ( Jasminum sinense)などを挙げることができる。
中でも、本ジャスミン花抽出エキスの原料植物としては、マツリカ(茉莉花、Jasminum sambac)が特に好ましい。
ジャスミンの花は、未開花の蕾、未開花の蕾の花弁、開花直後の花弁及び開花してやや褐変した花弁を包含するものであり、好ましくは開花直後の花弁及び開花してやや褐変した花弁である。
抽出に用いる溶液(「抽出溶液」という)は、水もしくは低級アルコールまたはそれらの混合液であればよい。
この際、水として、市水、硬水、軟水、イオン交換水、アスコルビン酸含有水溶液及びpH調製水等を例示することができる。
また、低級アルコールは、メタノール、エタノールなどの炭素数8未満のアルコールを包含するものであり、中でもエタノールが好ましい。
抽出は、ジャスミンの花を抽出溶液に浸出し、必要に応じて攪拌することにより行うことができる。
また、通常工業的に行われている方法を採用することも可能である。例えば、カラムに原料を充填し、当該カラムに熱水等の液を順次送水して抽出液を得る抽出装置、ソックスレー抽出装置、或いは、抽出釜に原料を充填し所定量の熱水等の液で一定時間浸漬するニーダーと呼ばれる抽出装置、水蒸気蒸留等の蒸留法を用いた抽出装置、超臨界抽出法を利用した抽出装置、圧搾法を利用した抽出装置など、処理する原料の量などに応じて適宜好ましい抽出装置を選択して抽出を行い、通常の方法にて固液分離すればよい。その方法に格別の制限はなく、所望又は目的により選択することができる。
抽出溶液の温度は、特に限定するものではなく、特に温度調整しなくてもよいし、例えば20〜100℃、特に40〜95℃、中でも特に60〜90℃に調整してもよい。
抽出溶液のpHは、特に限定するものではない。
抽出溶液の量も特に限定するものはなく、例えばジャスミンの花に対して5mL/g〜50mL/gであるのが好ましく、5mL/g〜40mL/gであるのがより好ましく、10mL/g〜30mL/gであるのがより一層好ましい。
抽出時間も特に限定するものはなく、例えば1分〜500分であるのが好ましく、5分〜300分であるのがより好ましく、5分〜200分であるのがより一層好ましい。
抽出後、濾過網、濾過布等による濾過によって抽出残渣から抽出液を分離し、さらに必要に応じて遠心分離を行うことによって固液分離して、ジャスミン抽出液を得ることができる。
この際、濾過法としては、メッシュフィルター、ペーパーフィルター、ステンレスフィルターやネル布、ストレーナーを使用した濾過法を挙げることができ、これらを適宜採用することができる。
こうして得られたジャスミン抽出液は、合成吸着剤と接触させて、抽出液中の有機物を吸着除去してもよい。
この際、合成吸着剤と接触させる方法としては、ジャスミン抽出液中に合成吸着剤を加えて攪拌させた後固液分離するようにしてもよいし、また、カラムに合成吸着剤を充填して抽出液を通液するようにしてもよい。
接触させる合成吸着剤としては、数十〜数百オングストロームの細孔を備えた多孔質構造の架橋高分子で、溶液中から種々の有機物を吸着できるものであればよい。例えば、三菱化学社製のHPシリーズ、SP700、SP800、SP70シリーズ、SP207、メタクリル酸エステル系HP2MGなどを挙げることができる。
こうして得られたジャスミン抽出液は、目的に応じて、冷凍、乾燥、濃縮などの処理を行ってジャスミン花抽出エキスを得ることができる。
混合液の濃縮及び乾燥の方法は公知の方法を採用すればよく、濃縮方法としては例えば減圧濃縮など、乾燥方法としては凍結乾燥や噴霧乾燥などを例示することができる。
また、必要に応じて殺菌処理してもよい。殺菌方法としては、公知の殺菌方法を採用することができる。例えばオートクレーブ殺菌などを採用することができる。
なお、ジャスミン花抽出エキスの成分組成は未だ不明であるが、少なくともカテキン類をほとんど含んでいないことは分かっている。多くともカテキン類の濃度は1質量%以下である。
(血中脂質上昇抑制組成物)
本実施形態に係る血中脂質上昇抑制組成物(以下「本血中脂質上昇抑制組成物」という)は、ジャスミン花の抽出物、例えば本ジャスミン花抽出エキスを有効成分とするものである。
後述する試験に示すように、脂質を経口摂取した後に本ジャスミン花抽出エキスを経口摂取すると、血清トリグリセライドの上昇を抑制することができることが確認されている。
トリグリセライドは、動物が活動するためのエネルギー源として重要であり、食事から吸収あるいは体内で合成されるが、過剰なトリグリセライドは内臓周辺や皮下に脂肪として蓄積され肥満を誘発する。そして、これが2型糖尿病や高血圧症などをも促進させる可能性がある。また、動脈硬化との関連からも、高トリグリセライド血症との相関が明らかにされてきている。近年、生活習慣の中で、特に注目されている食習慣、運動習慣、すなわち、過食や運動不足を考慮すると血中トリグリセライド濃度を調節する薬剤は有用である。
ちなみに、高脂血症(血液中の脂質が増加する病態)は、血清コレステロールのみが増加する高コレステロール血症と、トリグリセライドのみが増加する高トリグリセライド血症に分類される。
本血中脂質上昇抑制組成物は、経口投与剤として医薬品、医薬部外品、栄養補助食品(サプリメント)して提供することができる。
この際、剤型としては、例えば液剤、錠剤、散剤、顆粒、糖衣錠、カプセル、懸濁液、乳剤、丸剤などの形態に調製することができる。
配合(製剤)について言えば、通常用いられている賦形剤、増量剤、結合剤、湿潤化剤、崩壊剤、表面活性剤、潤滑剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、溶解補助剤、防腐剤、矯味矯臭剤、無痛化剤、安定化剤などを用いて常法により製造することができる。また、例えば乳糖、果糖、ブドウ糖、でん粉、ゼラチン、炭酸マグネシウム、合成ケイ酸マグネシウム、タルク、ステアリン酸マグネシウム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースまたはその塩、アラビアゴム、ポリエチレングリコール、シロップ、ワセリン、グリセリン、エタノール、プロピレングリコール、クエン酸、塩化ナトリウム、亜硫酸ソーダ、リン酸ナトリウムなどの無毒性の添加剤を配合することも可能である。
なお、医薬部外品として調製する場合には、例えば瓶ドリンク飲料等の飲用形態、或いはタブレット、カプセル、顆粒等の形態とすることにより、より一層摂取し易くすることができる。
また、本血中脂質上昇抑制組成物を各種飲食物に添加することにより、血中脂質上昇抑制効果を備えた健康食品、健康飲料、特定保健用食品、機能性食品などを調製することができる。
例えば炭酸、賦形剤(造粒剤含む)、希釈剤、或いは更に甘味剤、フレーバー、小麦粉、でんぷん、糖、油脂類等の各種タンパク質、糖質原料やビタミン、ミネラルなどの飲食品材料群から選ばれた一種或いは二種以上と混合したり、或いは、現在公知の飲食品、例えばスポーツ飲料、果実飲料、乳飲料、茶飲料、野菜ジュース、乳性飲料、アルコール飲料、ゼリー、ゼリー飲料、炭酸飲料、チューインガム、チョコレート、キャンディ、ビスケット、スナック、パン、乳製品、魚肉練り製品、畜肉製品、冷菓、乾燥食品、サプリメントなどに添加して製造することができる。
本血中脂質上昇抑制組成物を各種飲食物に添加すると、血中脂質上昇抑制効果を得ることができるばかりか、ジャスミンの香りを得ることができる。
本血中脂質上昇抑制組成物の安全性に関しては、有効成分が古くから長年に渡って人類が経口摂取しているジャスミンから抽出される成分であるから、安全性は保証されていると言える。
(用語の説明)
本明細書において「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と表現する場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」及び「好ましくはYより小さい」の意を包含する。また、その際のX及びYは、四捨五入を考慮した数値である。
また、「X以上」或いは「Y以下」(X,Yは任意の数字)と表現する場合、特にことわらない限り、「好ましくはXより大きい」或いは「好ましくはYより小さい」の意を包含する。また、その際のX及びYは、四捨五入を考慮した数値である。
次に、試験例に基づいて本発明について更に説明するが、本発明が以下に示す実施例に限定されるものではない。
(試験1)
開花済みのジャスミン(マツリカ)の花弁100gを60%エタノール2L(20℃)に浸漬し、室温で3時間適宜攪拌しながら抽出した。その後、メッシュフィルターを用いて固液分離し、回収した液を減圧濃縮して凍結乾燥し、ジャスミン花抽出物(「花EE」という)を20.1g得た。
次に、脂質負荷試験によりジャスミン花抽出物の血中トリグリセライド上昇抑制効果を評価した。
7週齢SD系雄ラットを1週間馴化飼育後、脂質負荷試験を実施した。
大豆油200g、卵レシチン12g、グリセロール22.5gを水1000mLに超音波処理により懸濁させて作製した脂質エマルジョンを10mL/体重kgで経口投与し、次いで対照群には水5mLを、花抽出物群にはジャスミン花抽出物(「花EE」)を水に溶解し、500mg/体重kg/5mL濃度で経口投与した。
各群とも7匹とし、投与前(0時間)、および投与後1、2、3、4、5時間に尾静脈より採血し、ラボアッセイTMトリグリセライド(和光純薬製)を用いて血清トリグリセライドを測定し、結果を表1に示す。表1中の数値は、血清トリグリセライド(TG)濃度である。
Figure 2010095475
表1の結果のとおり、対照群は脂質負荷後2〜3時間の間に最大値を示した。
これに対し、花EE群は、TG上昇の最大値を示す2〜3時間後の値は低値を示しており、TGの上昇抑制効果が認められた。
本試験では、エタノールの抽出物について試験しているが、他の低級アルコールで抽出した場合も、同様の成分が抽出できるものと予想され、同様の効果を享受できるものと推測することができる。
(試験2)
開花済みのジャスミン(マツリカ)の花弁100gを、2Lのイオン交換水に浸漬し、85℃で15分適宜攪拌しながら抽出した。メッシュフィルター及び遠心分離を行って固液分離し、回収した液を減圧濃縮して噴霧乾燥し、ジャスミン花抽出物(「花WE」という)を18.6g得た。
また、上記同様にジャスミン花の抽出を行って回収した抽出液を、合成吸着剤(スチレンジビニル系合成吸着樹脂、三菱化学製SP207)が250mL充填されたカラムに通液して、通液後水洗浄した後60%エタノールを通液して溶出してくる成分を回収し、減圧濃縮及び噴霧乾燥して、ジャスミン花抽出物(「花WE/SP」という)を5.2g得た。
なお、三菱化学製SP207は、芳香環に臭素を導入した芳香族系合成吸着剤で、細孔表面の疎水性が強いことから親水性の高い有機物を特に吸着することができる。
試験1と同様に脂質負荷試験(1群8匹)を行い、投与前、投与後の血清トリグリセライドを測定し、結果を表2に示した。表2中の数値は、血清トリグリセライド(TG)の濃度である。
Figure 2010095475
表2の結果より、対照群は脂質負荷後2〜3時間の間に最大値を示した。
これに対し、花WE群では、対照群に比べて投与後2〜4時間において、特に低値を示し、花WEに血清TGの上昇抑制効果が確認された。
また、花WE/SP群でも、同様に投与後2〜3時間において、特に低値を示し、花WE抽出物中の合成吸着剤SP207吸着性成分に血清TGの上昇抑制効果があることが確認された。
(試験3)
ジャスミン(マツリカ)の花で緑茶葉に着香してなるジャスミン茶葉(ジャスミン花香着香済み緑茶葉)の抽出成分と、ジャスミン(マツリカ)の花の抽出成分とを比較検討した。
3種類のジャスミン茶A、B,C(マツリカの花で緑茶葉に着香してなるジャスミン花香着香済み緑茶葉)をそれぞれ6.5g秤量し、それぞれを蒸留水1Lに投入して攪拌しながら82℃で3.5分間抽出した後、固液分離して室温まで冷却させ、得られた抽出液にイオン交換水を加えてBrix0.20%に調整し、フィルター(0.2μm)で濾過して分析用試料とした(表4の「ジャスミン茶A、B,C 抽出液」)。
また、マツリカの花を6.5g秤量し、これを蒸留水1Lに投入して攪拌しながら82℃で3.5分間抽出した後、固液分離して室温まで冷却させ、得られた抽出液にイオン交換水を加えてBrix0.20%に調整し、フィルター(0.2μm)で濾過して分析用試料とした(表4の「ジャスミン花抽出液」)。
また、市販のPETボトル入りジャスミン茶飲料にイオン交換水を加えてBrix0.20%に調整した後、フィルター(0.2μm)で濾過して分析用試料とした(表4の「ジャスミン茶飲料」)。
さらにまた、上記の試験2で得たジャスミン花抽出物(「花WE」という)をイオン交換水に溶解させてBrix0.20%に調整し、フィルター(0.2μm)で濾過して分析用試料とした(表4の「ジャスミン花抽出物「花WE」」)。
成分分析としてカテキン類とカフェイン分析を行った。分析方法としてはWaters社製UPLCを用いたHPLC分析法により行った。カラムはAQCUITY UPLC BEH Shield RP18 を用い、カラム温度40℃でグラジエント法(表3参照)により行なった。移動層A液は0.1%リン酸水溶液、B液はリン酸0.1%含有アセトニトリルとし、試料注入は5.0μL、検出はPDAで行なった。カテキン類としては、ガロカテキン(GC)、エピガロカテキン(EGC)、カテキン(C)、エピカテキン(EC)、エピガロカテキンガレート(EGCg)、ガロカテキンガレート(GCg)、エピカテキンガレート(ECg)、カテキンガレート(Cg)の8種を、そしてカフェイン(Caf)を定量した。
Figure 2010095475
Figure 2010095475
分析結果より、ジャスミン花抽出液並びにジャスミン花抽出物「花WE」物にはカテキン類は検出されず、ジャスミン花の抽出成分にはカテキン類は含まれないことが分かった。
また、ジャスミン花の抽出成分として特異的な成分は、ジャスミン茶の抽出液およびジャスミン茶飲料には含まれず、明らかにジャスミン花の抽出成分とジャスミン茶の抽出成分とは全く異なる組成物であることが分かった。

Claims (6)

  1. ジャスミン花の抽出物を有効成分とする血中脂質上昇抑制組成物。
  2. ジャスミン花の抽出物は、ジャスミンの花弁を水もしくは低級アルコールまたはそれらの混合液で抽出して得られるものであることを特徴とする請求項1に記載の血中脂質上昇抑制組成物。
  3. ジャスミン花の抽出物は、開花したジャスミンの花弁を水もしくは低級アルコールまたはそれらの混合液で抽出して得られるものであることを特徴とする請求項1に記載の血中脂質上昇抑制組成物。
  4. カテキンの総量が1質量%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の血中脂質上昇抑制組成物。
  5. ジャスミンの花弁を水もしくは低級アルコールまたはそれらの混合液で抽出して得られるジャスミン花抽出エキス。
  6. 開花したジャスミンの花弁を水もしくは低級アルコールまたはそれらの混合液で抽出して得られるジャスミン花抽出エキス。
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