従来、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)等の記録媒体から読み出された映像や音響のコンテンツを再生する機能を備える装置には、CDやDVDの再生終了位置を記憶し、次回再生時に前回再生を停止した位置から再生を再開する、所謂レジューム再生機能が備えられていることが一般的である。レジューム再生機能は、CDやDVD等の再生装置の普及を通じて、ユーザにとって一般的な機能となっており、ユーザは、一般的な再生装置においては、この機能が自動的に働くことを期待する。
ここで、例えばBlu−ray Disc(登録商標。以下、「BD」と称する)等、同種のコンテンツ(例えば、映像コンテンツ)であっても、再生における制御の方式が異なるコンテンツが提供される媒体がある。より具体的には、BDでは、コンテンツの制御方式として、従来DVDにおいて用いられている方式を拡張したHDMV(High Definition Movie)、またはJava(登録商標)プログラムを使用するBD−J(Blu−ray Disc Java(登録商標))の制御方式が用いられる。そして、HDMVコンテンツに関しては、制御方式が従来のDVDの拡張であるために、再生途中のコンテンツの識別子や再生位置等を記憶しておくことで、DVDで提供されるものと同様のレジューム再生機能を容易に提供することが可能である。
しかし、BD−Jコンテンツに関しては、制御方式が従来のDVDと異なり、BDから読み出されたBD−Jアプリケーションプログラムを実行することで制御する方式であるために、従来DVDで提供される方式と同様の方式でレジューム再生機能を提供することは容易でない。より具体的には、BD−Jはプログラムを実行する制御方式であるために、一旦プログラムを終了してしまうと次回再生時にはプログラムを先頭から実行する必要がある。このため、BD−Jコンテンツの再生においては、従来のDVD再生装置において提供されていたレジューム再生機能のように、再生途中のコンテンツの識別子や再生位置等を記憶して、次回再生時に再生位置等を指定するという単純な方法でレジューム再生機能を提供することが出来ない。
また、従来のDVDでは、プレーヤ側で把握しているコンテンツの識別子や再生位置等を記録することで、容易に正確なレジューム再生を行うことが出来た。しかし、インタラクティブ性や、提供されるコンテンツの柔軟性を向上させるために、ディスクから読み出
された高度なプログラムの実行によるコンテンツの再生制御を行うBD−Jコンテンツの制御方式では、プレーヤ側でプログラム(BD−Jアプリケーション)の正確な実行位置を把握するのが困難である。更に、BD−Jアプリケーションでは、仮にプレーヤ側から実行位置を取得して記録出来たとしても、BD−Jアプリケーションの状態を前回再生時の終了位置に復帰させる(レジュームを行う)ためにはプログラムを先頭から実行位置まで再度実行する必要が生じ、前回終了位置への復帰に時間がかかる。また、プログラムが展開される領域は、ディスクを装置に装填して再生を行う都度変わる可能性があるため、実行位置を把握し辛いという問題もある。
本発明は、上記した問題に鑑み、記録媒体から読み出されたプログラムを用いて該記録媒体から読み出されたコンテンツの再生を制御する装置において、所謂レジューム再生機能を提供することを課題とする。
本発明は、上記した課題を解決するために、記録媒体から読み出されて実行されるコンテンツ制御プログラム内に、該プログラムのレジュームを行うための情報をコンテンツ再生装置の記憶装置に記憶させるプログラムモジュールを含めることで、記録媒体から読み出されたプログラムを用いて該記録媒体から読み出されたコンテンツの再生を制御する装置において、所謂レジューム再生機能を提供することを可能にした。
詳細には、本発明は、コンテンツが記録された可搬型記録媒体に、該コンテンツと共にコンピュータ読取可能に記録される、該コンテンツの再生を制御するためのコンテンツ制御プログラムであって、コンピュータを、前記可搬型記録媒体から読み出された前記コンテンツの再生を制御するコンテンツ制御手段と、前記コンテンツ制御手段によって再生制御されている前記コンテンツの再生位置を特定するための再生位置情報を含むレジューム情報を、前記コンピュータに接続された記憶装置に記憶させるレジューム情報記録手段と、前記コンテンツ制御手段による再生制御の開始の際に、前記記憶装置から、開始される再生制御に係る可搬型記録媒体に記録されたコンテンツが以前に再生された際に記憶されたレジューム情報を読み出すレジューム情報読出手段と、前記レジューム情報読出手段によって前記レジューム情報が読み出された場合に、前記コンテンツ制御手段に、該レジューム情報に含まれる再生位置情報を用いて特定された再生位置から、前記コンテンツの再生を開始させるレジューム制御手段と、として機能させる、コンテンツ制御プログラムである。
ここで、可搬型記録媒体とは、BD等の所謂リムーバブルメディアであり、コンテンツ再生装置として機能するコンピュータに接続された読取装置に対して簡易に装填および除去(排出)を行うことが可能な記録媒体であることが好ましい。また、記録媒体にコンテンツと共に記録されたコンテンツ制御プログラムを実行することでコンテンツの再生が制御される方式の記録媒体としては、例としてBDを挙げることが出来るが、本発明は、記録媒体にコンテンツと共に記録されたコンテンツ制御プログラムを実行することでコンテンツの再生が制御される方式であれば適用することが可能であり、BDに限られない。
また、コンテンツ制御プログラムとは、コンテンツの再生における、再生順序や字幕等を制御するためのプログラムであり、コンピュータは、このコンテンツ制御プログラムを実行することによって、コンテンツ制御手段を備えるコンテンツ再生装置として動作し、コンテンツの再生を制御する。コンテンツ制御プログラムは、例えばBDに記録されたBD−Jコンテンツを制御するためのBD−Jアプリケーションプログラムであり、CPU(Central Processing Unit)またはプログラム実行環境によってプロセス(タスク)として管理され、プログラム内で定義された変数やスタック等を用いて制御される。
本発明は、このような再生制御方式においてレジューム再生機能を実現するために、可搬型記録媒体からコンテンツと共に読み出されてコンテンツの制御に用いられるコンテンツ制御プログラムに、コンテンツ再生装置等のコンピュータを、レジューム再生のための情報を記憶させる手段と、次回再生時に以前の再生時に記録されたレジューム情報を読み出してコンテンツの再生制御に反映させる手段と、として機能させるプログラムを含めることとした。換言すると、本発明は、ディスクから読み出されたコンテンツ制御プログラムの実行位置や内部パラメータ等、レジューム再生に必要な情報を容易に取得することが出来るプログラム内部に実行状態の記録モジュールを持たせることで、レジューム再生に必要な情報を正確に把握し、前回再生位置に即座に復帰できるようにした。
即ち、本発明に係るコンテンツ制御プログラムによれば、可搬型記録媒体毎に異なるコンテンツ制御プログラムが実行されることによってコンテンツの再生が制御される方式の可搬型記録媒体の再生においても、コンテンツおよびコンテンツ制御プログラムの組み合わせに適したレジューム手段を提供することが可能となる。また、本発明によれば、レジューム再生機能を備えないコンテンツ再生装置であっても、コンテンツ制御プログラムからアクセス可能な記憶装置を備えればレジューム再生を行うことが可能となる。更に、コンテンツ制御プログラムの全体をコンピュータの記憶装置にバックアップする方式ではないため、コンピュータ側に大きなメモリを必要とせず、コンテンツ再生装置としてのコンピュータの生産コストを抑えることが出来る。
なお、上記レジューム情報記録手段によってレジューム情報を記録する際に、記録されるレジューム情報を可搬型記録媒体やコンテンツ等と関連付けて記録することで、複数種類の可搬型記録媒体について、レジューム情報を提供することが可能となる。例えば、前記レジューム情報記録手段は、前記レジューム情報を、前記記憶装置に、前記可搬型記録媒体の識別情報と関連付けて記憶させ、前記レジューム情報読出手段は、前記コンテンツ制御手段による再生制御の開始の際に、該再生制御に係る可搬型記録媒体の識別情報を用いて前記記憶装置を検索することで、該再生制御に係る可搬型記録媒体に記録されたコンテンツが以前に再生された際に記憶されたレジューム情報を索出して、該記憶装置から読み出してもよい。
また、前記レジューム情報記録手段は、該コンテンツ制御プログラムの実行位置を特定するための実行位置情報を更に含むレジューム情報を、前記記憶装置に記憶させ、前記コンピュータを、前記レジューム情報読出手段によって読み出された前記レジューム情報に含まれる実行位置情報が示す実行位置へ前記コンテンツ制御手段による該コンテンツ制御プログラムの実行位置を遷移させる実行位置遷移手段として更に機能させてもよいし、前記レジューム情報記録手段は、前記コンテンツの再生制御において参照される情報を特定するための参照情報を更に含むレジューム情報を、前記記憶装置に記憶させ、前記レジューム制御手段は、前記コンテンツ制御手段に、前記レジューム情報読出手段によって読み出された前記レジューム情報に含まれる参照情報を参照させてもよい。
レジューム情報記録手段によって記録されるレジューム情報に、プログラムの実行位置情報や参照情報を含め、レジューム再生の際にこれらの情報を利用することで、映画等のコンテンツのみならず、ゲーム等、外部からの入力に応じて再生内容が柔軟に変化するインタラクティブ性の高いコンテンツについても、より正確にレジューム再生を行うことが可能となる。なお、インタラクティブ型のコンテンツとは、ユーザ操作によってコンテンツの再生状況が柔軟に変化する、対話型のコンテンツであり、予め決められた順序で再生されるムービー型のコンテンツとは異なる。
なお、レジューム情報記録手段によるレジューム情報の記録のタイミングは、実施の形
態に応じて適宜最適なタイミングが採用されることが好ましい。例えば、前記レジューム情報記録手段は、前記コンテンツ制御手段によるコンテンツ再生の制御中に、前記レジューム情報を前記記憶装置に定期的に記憶させてもよい。
定期的にレジューム情報を記録することで、突然の電源断等が発生した場合にも、電源断等の状況が発生する直前のレジューム情報が記録されているため、このレジューム情報を読み出して、レジューム再生を行うことが可能である。なお、定期的なレジューム情報の記録の間隔は、レジューム情報の記録に必要とする時間、および記憶装置の容量等を鑑みた上で、レジューム再生時にユーザに前回再生時の続きであると把握させることが可能な間隔に決定されることが好ましい。
また、本発明に係るコンテンツ制御プログラムは、前記コンテンツ制御手段による再生制御の停止を指示する停止指示を受け付ける指示受付手段を更に備え、前記レジューム情報記録手段は、前記指示受付手段によって前記停止指示が受け付けられたことを受けて、前記レジューム情報を前記記憶装置に記憶させてもよい。
なお、停止指示を受けて記録されたレジューム情報を用いてレジューム再生を行う場合には、実際に停止指示を受けた再生位置よりも所定時間遡った再生位置からレジューム再生を開始することが好ましい。このようなレジューム再生は、レジューム情報記録手段によって記録されるレジューム情報を、実際に停止指示を受けた再生位置よりも遡った再生位置のものとすることで実現されてもよいし、レジューム情報記録手段には実際に停止指示を受けた再生位置のレジューム情報を記録させて、レジューム再生時に読み出されたレジューム情報よりも遡った再生位置から再生を開始することで実現されてもよい。
また、本発明に係るコンテンツ制御プログラムは、前記レジューム情報読出手段によって前記レジューム情報が読み出された場合に、前記コンピュータに接続された出力装置に、ユーザに対してレジューム再生を行うか否かの問い合わせを出力させる出力手段と、前記問い合わせを受けたユーザによる、前記コンピュータに接続された入力装置を介した選択の入力を受け付ける選択受付手段と、を更に備え、前記レジューム制御手段は、前記選択受付手段によってレジューム再生を選択する入力が受け付けられた場合に、前記コンテンツ制御手段に、前記レジューム情報に従った前記コンテンツの再生を開始させてもよい。
本発明によれば、コンテンツ制御プログラム自体にレジューム再生の要否を問い合わせるためのモジュールを備えることで、コンテンツ制御プログラムを実行するコンピュータであるコンテンツ再生装置にレジューム情報が記録されていた場合に、ユーザにレジューム再生の要否を問い合わせ、ユーザがレジューム再生を望まない場合にはコンテンツの先頭から再生を開始させることが出来る。
また、本発明は、コンテンツ制御プログラムと、該コンテンツ制御プログラムを用いて再生制御されるコンテンツと、が記録された、コンピュータ読取可能な可搬型記録媒体であってもよい。ここで、コンピュータ読取可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。
本発明によって、記録媒体から読み出されたプログラムを用いて該記録媒体から読み出されたコンテンツの再生を制御する装置において、所謂レジューム再生機能を提供することが可能となる。
以下、本発明に係るコンテンツ制御プログラムが記録された可搬型記録媒体、および本発明に係る可搬型記録媒体に記録されたコンテンツを再生するコンピュータとしてのコンテンツ再生システムの実施の形態について、図面に基づいて説明する。本実施形態では、本発明に係る可搬型記録媒体はBlu−ray Discとして実施される。また、本実施形態に係るコンテンツ再生システムは、屋内、屋外に設置されて使用されるコンテンツ再生システムの他、車載機、携帯機等、様々な用途に用いられてよい。
図1は、本実施形態に係るコンテンツ再生システムのハードウェア構成の概略を示す図である。本実施形態に係るコンテンツ再生システム1は、RAM(Random Access Memory)12、ROM(Read Only Memory)14、RAM12等に展開された命令及びデータを処理することでシステム全体を制御するCPU(Central Processing Unit)11、RAM12にロードされる各種プログラム等システムによって使用される各種データが記憶されるHDD(Hard Disk Drive)13、デコーダ15、デコーダ15から渡されたデジタル信号をアナログ信号へ変換するD/A変換器16、増幅器17、タッチパネルディスプレイ2、スピーカ3、マルチドライブ4、TVチューナ5、AM/FMチューナ6等を有し、これらはバス等を介して電気的に接続されている。
マルチドライブ4は、CD、DVD、BD等の複数の規格のディスク(可搬型記録媒体)を装填および読み取り可能な光学ディスクドライブである。本実施形態に係るコンテンツ再生システム1では、マルチドライブ4に装填されたBD41等のディスクから読み出された情報はデコーダ15へ送られる。デコーダ15は、読み出された情報に基づいて映像信号および音響信号を生成する。そして、デコーダ15によって生成された映像信号および音響信号をタッチパネルディスプレイ2およびスピーカ3へ出力することで、コンテンツ再生システム1は、映像および音響の再生を行う。
なお、本実施形態に係るコンテンツ再生システム1は、マルチドライブ4、TVチューナ5、AM/FMチューナ6等の複数のソースを選択して再生可能なシステムである。このため、ユーザによって一時停止や停止等の操作が明示的に与えられた場合のみならず、入力ソースをマルチドライブ4以外のソースに切り替える操作が行われた場合にも、コンテンツの再生の停止が行われる。
なお、本実施形態では、ディスクから読み出された情報に基づく映像信号および音響信号は、所謂DSP(Digital Signal Processor)等であるデコーダ15によって生成されるが、デコード処理は、RAM12等に展開されたデコードプログラムを実行するCPU11によって行われてもよい。また、ディスクから読み出された情報に基づく映像信号の処理および音響信号の処理は、一のプロセッサによって処理されてもよいし、夫々異なる専用のプロセッサによって処理されてもよい。
タッチパネルディスプレイ2は、本実施形態に係るコンテンツ再生システム1における、ユーザに対する入出力装置(ユーザインターフェース)であり、CPU11によって制御されることで、ユーザに何らかの情報を通知する画像を表示し、またユーザによる画像表示部分への接触操作を検出することで、ユーザ操作を受け付ける。なお、コンテンツ再生システム1は、タッチパネルディスプレイ2への接触操作の他に、コンテンツ再生システム1に設けられた各種ボタン等(図示は省略する)によっても、ユーザによる操作を受け付ける。タッチパネルディスプレイ2やボタン等を介して入力された内容はRAM12に記録され、CPU11によって処理される。また、本コンテンツ再生システム1によるユーザへの通知等は、スピーカ3を介して音響出力されてもよい。
図2は、本実施形態に係るBlu−ray Discのデータ構成を示す図である。Blu−ray Discには、ディスクに収録されたコンテンツの一覧であるIndex
table、HDMVコンテンツの再生内容を制御するためのMovieObject、BD−Jコンテンツの再生内容を制御するためのBD−J Object、これらのObjectから操作されるPlayList、PlayList内に再生順に並ぶPlayItem、PlayItemより参照されるストリームファイルの情報を格納したClipInfo、および実際の映像や音響データ等を含むストリームファイルであるAV Stream、が記録されている。
ここで、Index tableは、First Playback、Top Menu、Title1、Title2、等の形式でコンテンツの一覧を有し、夫々のコンテンツがHDMVコンテンツであるかBD−Jコンテンツであるかを示す情報(以下、この情報を「コンテンツ制御方式識別フラグ」と称する)を含む。本実施形態に係るコンテンツ再生システム1は、このコンテンツ制御方式識別フラグを参照することで、再生に係るコンテンツがHDMVコンテンツであるかBD−Jコンテンツであるかを判定する。
そして、再生に係るコンテンツがHDMVコンテンツである場合には、MovieObjectが選択され、従来のDVDビデオと同様、NavigationCommandを用いてPlayListやTopMenu、Title等が制御される。また、再生に係るコンテンツがBD−Jコンテンツである場合には、BD−J Objectが選択され、BD−Jアプリケーションプログラム(図では「Javaプログラム」と記載)が実行されることによって、PlayListやTopMenu、Title等が制御される。なお、これらのObjectは、PlayList等に割り振られたIDを指定することで、再生内容の制御を行う。また、BD−Jコンテンツにはインタラクティブ型とムービー型とがあり、これはBD41に記録されたタイトル再生タイプを参照することで判別することが出来る。インタラクティブ型のコンテンツとは、ユーザ操作によってコンテンツの再生状況が変化する対話型のコンテンツであり、例として、ユーザ操作によって再生内容や結果が変化するゲーム等が挙げられる。
ここで、本実施形態に係るコンテンツ再生システム1は、DVD等の再生に際して、コンテンツの再生開始時に再生位置を前回の再生終了位置へ復帰させる、所謂レジューム再生機能を提供する。レジューム再生機能は、BD41のHDMVコンテンツに関しても、従来のDVDと同様の方法で提供される。これは、HDMVコンテンツのコンテンツ制御方式が、従来のDVDビデオのコンテンツ制御方式を拡張したものであるために、同様の手法でレジューム再生機能を提供できるためである。
本実施形態において再生されるBD−Jコンテンツは、コンテンツと共にBD41に記録されたBD−Jアプリケーションプログラムを実行することによって制御される。より具体的には、BD−Jアプリケーションプログラム(コンテンツ制御プログラム)は、システムのOS(Operating System)または実行環境等よりプロセス(タスク)として管理され、また実行領域を割り当てられ、スタックや変数等を用いて処理が進められる。このため、従来のDVDと同様の方法で再生制御処理を停止すると、BD−Jアプリケーションプログラムを実行するためのRAM12上の実行領域が解放されてしまい、次回実行時にはプログラムを先頭から実行する必要が生じ、前回停止箇所から再生を再開することができない。
ここで、BD−Jコンテンツのレジューム再生を可能とするために、RAM12に展開されたBD−Jアプリケーションプログラムの内容をそのまま保持させることで、レジューム再生を可能とする方法が考えられるが、この方法では、装置の電源が一旦断たれた後にレジューム再生を行うために、RAM12上の実行途中のBD−Jアプリケーションプ
ログラムの内容を全て不揮発性記憶装置にコピーする必要が発生する。しかし、この方法では、一のBD41に関するレジューム用のデータ(実行途中のプログラムの内容)をバックアップするために、比較的大きな記憶領域を使用する必要がある。例えば、実行途中のメモリの内容をバックアップするために必要な領域のサイズは、BD−Jアプリケーションプログラムの実行に必要な領域も合わせて、100Mbyte以上となると考えられる。また、このような大きなサイズのデータを外部の不揮発性記憶装置に書き出すために必要な時間も無視できないものであるため、ユーザからの再生終了の指示を受けてから実際に再生終了処理が完了するまでの時間が長くなってしまうという問題や、突然の電源断等の状況ではバックアップを取ることが出来ず、レジューム再生を行うことが出来ないといった問題が発生し得る。
このため、本実施形態に係るコンテンツ再生システム1では、BD41から読み出されてコンテンツの再生制御のために実行されるBD−Jアプリケーションプログラム自体に、レジューム再生をサポートするためのソフトウェアモジュールを備えることとした。このようなレジューム方法によれば、BD−Jアプリケーションの内部構成に合わせてレジューム機能を作り込むことが可能となるため、コンテンツ再生システム1に備えられた外部機能によってレジューム再生を行う場合と異なり、様々なBD−Jアプリケーションの形態を考慮したレジューム機能を作成する必要がない。
図3は、本実施形態に係るコンテンツ制御プログラムがコンピュータ読取可能に記録されたBlu−ray Discの構成を示す図である。BD41には、コンテンツ再生システム1で再生されるBD−Jコンテンツのデータと共に、該BD−Jコンテンツの再生を制御するためのBD−Jアプリケーションプログラム(本発明のコンテンツ制御プログラムに相当する)が記録されている。BD−Jアプリケーションプログラムは、BD41から読み出されてコンテンツ再生装置のRAM12に展開され、CPU11によって実行されるコンテンツ制御プログラムであり、コンテンツ制御モジュール、レジューム情報記録モジュール、レジューム情報読出モジュール、レジューム制御モジュール、実行位置遷移モジュール、指示受付モジュール、出力モジュール、および選択受付モジュール、を備える。
図4は、本実施形態に係るコンテンツ再生システム1の機能構成の概略を示す図である。本実施形態に係るコンテンツ再生システム1は、RAM12又はROM14に展開されたコンテンツ再生プログラムをCPU11が解釈及び実行することで、コンテンツに対応する制御方式を用いてコンテンツを再生する再生部21と、BD41からコンテンツやBD−Jアプリケーションプログラム等を読み出す読出部22と、BD41から読み出されRAM12に展開されて実行されるBD−Jアプリケーションプログラムを管理するプログラム管理部23と、タッチパネルディスプレイ2等を介したユーザ操作等に基づく入力を受け付ける入力受付部24と、を備えるコンテンツ再生システム1として機能する。
読出部22は、マルチドライブ4によって、BD41から、HDMVコンテンツ、BD−JコンテンツおよびBD−Jコンテンツを制御するためのBD−Jアプリケーションプログラム等を読み出す。ここで、本実施形態に係るマルチドライブ4は、装填されたディスクを回転させるためのスピンドル駆動部やピックアップの位置を調整するためのピックアップ駆動部を有し、これらの駆動部を駆動させることによって、装填されたBD41等のディスクからコンテンツやBD−Jアプリケーションプログラム等を読み出す。
再生部21は、BD41等のディスクから読み出されたコンテンツのデコード等を行い、タッチパネルディスプレイ2に出力することでコンテンツを再生する。なお、BD41から読み出されたコンテンツがHDMVコンテンツである場合、HDMVのコマンドに従ってコンテンツの再生が制御され、BD41から読み出されたコンテンツがBD−Jコン
テンツである場合、同一のBD41から読み出されたBD−Jアプリケーションプログラムを実行することによってコンテンツの再生が制御される。なお、コンテンツを再生する際、再生部21は、HDMVコンテンツとBD−Jコンテンツとを連続して再生することが出来るものとする。なお、本実施形態において、コンテンツ再生システム1は、BD41に記録されたコンテンツ制御方式識別フラグを参照することで、再生対象のコンテンツ(現在再生されているか、またはこれから再生されようとしているコンテンツ)がHDMVコンテンツであるかBD−Jコンテンツであるかを判定する。
プログラム管理部23は、BD41から読み出されてRAM12に展開されたBD−Jアプリケーションプログラムの実行状態を、プロセス(タスク)等として管理する。なお、本実施形態において、プログラム管理部23は、BD−Jアプリケーションプログラムを実行するためのJava実行環境を含むものとする。
本実施形態に係るコンテンツ再生システム1は、BD41から読み出されてRAM12に展開された、上記各プログラムモジュールを備えたBD−JアプリケーションプログラムをCPU11が解釈および実行することで、BD41から読み出されたコンテンツの再生を制御するコンテンツ制御部31と、コンテンツの再生中にレジューム情報を記録するレジューム情報記録部32と、記録されたレジューム情報を読み出すレジューム情報読出部33と、読み出されたレジューム情報に従ってコンテンツ制御部31にレジューム再生を行わせるレジューム制御部34と、レジューム情報に含まれる実行位置情報に従ってBD−Jアプリケーションプログラムの実行位置を遷移させる実行位置遷移部35と、ユーザ入力等に基づく外部からの指示を受け付ける指示受付部36と、ユーザによるレジューム再生の要否の選択の入力を受け付ける選択受付部37と、ユーザに対してレジューム再生の要否を問い合わせる出力を行う出力部38と、を更に備えるコンテンツ再生システム1として機能する。
ここで、レジューム情報とは、BD−Jアプリケーションプログラムを実行するコンテンツ再生システム1によってレジューム再生の際に用いられる情報全般を指す。レジューム情報には、コンテンツの再生位置情報、BD−Jアプリケーションプログラムの実行位置情報、および実行中のBD−Jアプリケーションプログラムから参照される各種参照情報が含まれる。但し、レジューム情報には、これらの情報が全て含まれる必要はなく、また、レジューム再生に有用なその他の情報が含まれてもよい。より具体的には、本実施形態で記録されるレジューム情報のうち、再生位置情報には、タイトル番号、プレイリスト番号、チャプター番号、再生時間(コンテンツ内の再生位置をコンテンツ先頭から一倍速で再生した場合の時間で示す情報)、BD−Jオブジェクト番号、等があり、参照情報には、プレーヤ設定情報(選択音声番号、選択字幕番号等)、メニュー番号、ページ番号、操作されたボタン番号、ユーザ操作の内容等、主にインタラクティブ型のコンテンツの制御において、様々なステータスを特定するのに用いられる変数情報がある。
レジューム情報は、レジューム情報記録部32によって、再生対象のコンテンツまたは該コンテンツが記録されたBD41を識別可能な情報と関連付けられて、HDD13等の不揮発性記憶装置に記録される。より具体的には、BD41の製作会社、BD41の名称(タイトル)毎に作成されたフォルダにレジューム情報を格納することで、再生対象のコンテンツまたは該コンテンツが記録されたBD41を識別可能な情報と関連付けて、レジューム情報を記録することが出来る。
このようにすることで、様々なBD41を再生し、複数のBD41についてのレジューム情報が蓄積された場合にも、次回再生時に、装填されたBD41に対応するレジューム情報を用いてレジューム再生処理を行うことが出来る。また、レジューム情報を不揮発性記憶装置に記録することで、コンテンツ再生システム1の電源を落とした場合でも、次回
再生時に、再生終了位置への復帰を行うことが出来る。なお、本実施形態では、本発明に係る可搬型記録媒体としてBD41が採用されているため、レジューム情報は、Blu−ray Discの規格上規定されているローカルストレージ(Application
Data Area、またはBinding Unit Data Area、と称される、コンテンツ再生システムのHDD13上に確保される領域)に記録されることとしてよい。
ここで、定期的に記録されるレジューム情報は、定められた時間(本実施形態では、1秒)毎に新たな記録領域に記録されてもよいが、リソースの節約のため、HDD13上の同一領域への上書きまたはリングバッファに記録されてもよい。レジューム情報記録部32によって定期的にレジューム情報が記録されることで、コンテンツ再生システム1の電源が突然断たれた場合であっても、次回再生時に再生終了位置へ復帰することが可能となる。なお、レジューム情報には、定期的に記録される情報の他に、時間の経過によらずに(例えば、情報の内容が変化した時点で)記録される情報が含まれてもよい。
例えば、レジューム情報には、BD−Jアプリケーションプログラムの実行位置情報が含まれてもよい。ここで、BD−Jアプリケーションプログラムの実行位置情報とは、CPU11によって解釈されて実行されるBD−Jアプリケーションプログラムの実行位置(アドレス等で表現される)を特定可能な情報であり、動作フローが次の単位(関数等)に遷移した際に記録される。このようにして、プログラムの実行位置情報が記録されることで、レジューム再生の際に、BD−Jアプリケーションプログラムを前回実行位置まで遷移させることが出来る。
また、レジューム情報には、再生モード情報が含まれてもよい。ここで、再生モード情報とは、本編再生に合わせて豆知識等が表示される所謂トリビアトラックの表示を有効とするか無効とするかを示す情報等、再生に伴う動作を指示するための情報であり、ユーザ操作に基づいて再生モードの設定が変更された際に記録される。
図5は、本実施形態において、インタラクティブ型のコンテンツの再生イメージを例示する図である。ここで示されるBD−Jコンテンツは、ユーザに対してクイズを出題し、出題されたクイズに対する回答をユーザに入力させるBD−Jコンテンツである。コンテンツの再生画面50には、クイズの問題が進行するに従って更新されるページ番号51、ユーザにクイズの回答を選択させるための回答ボタン52a、52b、ユーザにコンテンツの制御指示を入力させるための制御ボタン53a、53b、53c等が表示される。
ここで、クイズが進行し、ページ番号51に示されたページが切り替わると、レジューム情報記録部32は、レジューム情報としてページ情報を記録する。ページ情報とは、BD−Jアプリケーションが表示する画面のページ毎に、表示済みか否かを示す情報であり、アプリケーションによってページが遷移されたことを契機として記録される。ページ情報が記録されることによって、レジューム再生時に前回再生時に既に表示済みのページと非表示のページとを判別し、前回表示していたページへ復帰することが出来る。
また、ユーザが回答ボタン52a、52bの何れかを操作することによってクイズの回答が選択されると、レジューム情報記録部32は、クイズの番号と関連づけて、ユーザの選択した回答を示す回答情報を記録する。回答情報が記録されることで、レジューム再生時に、既にユーザが回答したクイズ項目について回答済み状態とし、また、正確にクイズの成績集計等を行うことが出来る。また、ユーザ操作によって画面中に表示された何れかの制御ボタン53a、53b、53cが押下されると、レジューム情報記録部32は、ユーザに操作によって押下された制御ボタン53a、53b、53cの何れかを識別可能な情報とともに、該制御ボタンが押下されたことを示すボタン情報を記録する。ボタン情報
が記録されることで、レジューム再生時に、前回再生時に既に押下された制御ボタン53a、53b、53cの何れかを、「押された」状態とすることが出来る。
なお、本実施形態では、上記説明したレジューム情報のうち、再生位置を特定するためのレジューム情報を除くレジューム情報を、夫々の情報について定められた所定の契機に従って記録されることとしているが、上記説明したレジューム情報は、何れも定期的に記録されることとしてよい。レジューム情報を定期的に記録するようにすることで、突然の電源断等の発生により再生制御が終了した場合であっても、次回再生時に、前回再生時に最後にレジューム情報が記録された時点における状態からレジューム再生を行うことが可能となる。
以下、図6に示すフローチャートを用いて、レジューム情報の記録処理およびレジューム情報を用いたレジューム再生処理の内容を、より詳細に説明する。図6は、本実施形態に係るBD−Jアプリケーションプログラムが実行されることによるコンテンツ再生制御の流れを示すフローチャートである。本フローチャートに示された処理は、BD41の装填が検知され、BD41からBD−Jアプリケーションプログラムが読み出されたことを契機として開始される。より具体的には、読出部22は、マルチドライブ4に装填されたBD41より、コンテンツを制御するBD−Jアプリケーションプログラムを読み出し、RAM12に展開する。RAM12に展開されたBD−Jアプリケーションプログラムは、プログラム管理部23によって管理され、CPU11によって実行される。このようにして、コンテンツ再生の制御が開始される。なお、レジューム情報の記録処理およびレジューム情報を用いたレジューム再生処理の処理順序は、図6のフローチャートに示された順序に限定されるものではなく、実施の形態に応じて適宜最適な処理順序が採用されてよい。
ステップS101では、コンテンツに対応するレジューム情報の蓄積が有るか否かが判定される。レジューム情報読出部33は、装填されたBD41の識別情報を検索キーとしてHDD13に蓄積されたレジューム情報を検索することで、マルチドライブ4に装填されたBD41に対応するレジューム情報が蓄積されているか否かを判定する。即ち、レジューム情報読出部33は、再生対象のBD41に記録されたコンテンツが以前に再生され、その際の記録が残っているか否かを判定する。対応するレジューム情報が索出された場合、処理はステップS103へ進む。対応するレジューム情報が索出されなかった場合、処理はステップS102へ進む。
はじめに、再生されるコンテンツに対応するレジューム情報の蓄積が無い場合、即ち、マルチドライブ4に装填されたBD41がコンテンツ再生システム1において初めて再生される場合の処理の流れを説明する。
ステップS102では、BD41に記録されたコンテンツが、予め定められた先頭のコンテンツから順に再生開始される。コンテンツ制御部31は、読出部22に対してBD41からFirst Playbackタイトルのコンテンツを読み出すよう指示を与え、読み出されたFirst Playbackタイトルの再生を開始する。即ち、コンテンツ制御部31は、レジューム再生を行わないため、BD41に記録されたコンテンツのうち、ディスクの再生時に最初に再生されるべく規定されたコンテンツである、First
Playbackタイトルを再生する制御を行う。その後、処理はステップS108へ進む。
ステップS108では、レジューム情報の記録が開始される。レジューム情報記録部32は、コンテンツの再生開始後、レジューム情報の記録を開始する。レジューム情報の記録は、定期的または所定の契機に従って行われる。レジューム情報を記録する処理の詳細
な内容については既に説明したため、説明を省略する。
以降、停止ボタンの押下やディスク排出操作等のユーザ操作に基づく再生停止指示等の入力が受け付けられるか、コンテンツ再生システム1の電源断処理が行われるまで、BD−JアプリケーションプログラムがCPU11に実行されることによるコンテンツの再生制御が継続される。その後、処理はステップS109へ進む。
ステップS109では、コンテンツの再生制御が停止される。入力受付部24によって、タッチパネル2や各種ボタン類の押下による再生停止指示が受け付けられると、プログラム管理部23は、BD−Jアプリケーションプログラムの実行を停止することで、コンテンツの再生制御を停止し、コンテンツの再生を終了させる。この際、指示受付部36は、入力受付部24によって受け付けられた再生停止指示を受け付け、これを受けてレジューム情報記録部32は、コンテンツの再生が停止される直前のレジューム情報をHDD13に記録する。その後、本フローチャートに示された処理は終了する。
次に、再生されるコンテンツに対応するレジューム情報の蓄積が有る場合、即ち、装填されたBD41がコンテンツ再生システム1においてレジューム再生される場合の処理の流れを説明する。
ステップS103では、蓄積されたレジューム情報が読み出される。レジューム情報読出部33は、ステップS101で索出された、再生対象のBD41に係るレジューム情報を、HDD13から読み出す。その後、処理はステップS104へ進む。
ステップS104では、BD−Jアプリケーションプログラムの実行中に参照される各種参照情報が設定される。レジューム制御部34は、ステップS103で読み出されたレジューム情報に含まれる参照情報を、コンテンツ再生システム1の設定情報や、BD−Jアプリケーションプログラム内の変数に設定する。ここで設定される参照情報とは、ステップS108の説明において説明したレジューム情報のうち、再生モード情報、ページ情報、回答情報、およびボタン情報等である。これらの情報は、BD−Jアプリケーションプログラムの実行中に、コンテンツ再生システム1の設定内容またはBD−Jアプリケーションプログラムから変数として参照される。このため、レジューム再生時に、前回記録されたこれらの内容を反映することで、前回実行時と同様の環境でBD−Jアプリケーションプログラムを実行することが可能となる。その後、処理はステップS105へ進む。
ステップS105では、再生対象コンテンツおよび再生開始位置が決定される。レジューム制御部34は、レジューム情報に含まれるタイトル番号、プレイリスト番号、チャプター番号、再生時間、BD−Jオブジェクト番号、等の再生位置の特定に用いられる情報を参照することで、読出部22にBD41からの読み出しを指示する再生対象コンテンツおよび該コンテンツ内の再生開始位置を決定する。なお、本実施形態では、再生開始位置は、レジューム情報に記録された、前回再生時に最後に記録された再生位置よりも1秒から5秒遡った位置に決定される。このようにすることで、ユーザに対して、前回最後に視聴した部分を一部視聴させて、前回の視聴内容を思い出させることが出来る。但し、再生開始位置は、前回再生時に最後に記録された再生位置に決定されてもよいし、その他の時間調整が施された再生開始位置が決定されてもよい。その後、処理はステップS106へ進む。
ステップS106では、BD−Jアプリケーションプログラムの実行位置が遷移される。実行位置遷移部35は、ステップS103で読み出されたレジューム情報に含まれる実行位置情報を参照することで、前回再生時に最後に記録されたBD−Jアプリケーションプログラムの実行位置を把握し、該当する実行位置に復帰するように自プログラムの実行
位置を遷移させる。この実行位置の遷移は、例えば、CPU11またはプログラム実行環境に対して実行位置情報に示されたアドレスを指定し、その位置からプログラムの実行を再開させることによって行うことが出来る。その後、処理はステップS107へ進む。
ステップS107では、レジューム再生が開始される。ステップS104で制御に用いる各種パラメータが復元され、ステップS105で再生位置が前回終了時の再生位置に決定され、更にステップS106でプログラムの実行位置が前回終了時の実行位置に遷移されているため、この状態でBD−Jプログラムの実行を継続することで、レジューム再生を実現することが出来る。ここで、コンテンツ制御部31は、読出部22に対して、ステップS105で決定されたコンテンツの識別情報および再生開始位置を指定してコンテンツの読み出しを指示する。更に、コンテンツ制御部31は、読出部22によって読み出されたコンテンツのデコードおよびタッチパネルディスプレイ2への出力を、再生部21に指示することで、コンテンツの再生を開始させる。なお、レジューム再生が行われる場合には、先述したFirst Playbackタイトルの再生はスキップされる。その後、処理はステップS108へ進む。
以降、ステップS108以降の処理の内容は、レジューム再生を行わずにFirst Playbackタイトルから再生を開始した場合と概略同様であるため、説明を省略する。
なお、本実施形態では、BD41の再生開始時にレジューム情報が索出された場合、自動的にレジューム再生が開始されることとしているが、レジューム情報が索出された場合に、レジューム再生の要否をユーザに問い合わせることとしてもよい。
具体的には、ステップS101においてレジューム情報が索出されると、出力部38は、タッチパネルディスプレイ2またはスピーカ3を介して、ユーザにレジューム再生を行うか否かの問い合わせを出力させる。また、この際、出力部38は、タッチパネルディスプレイ2にユーザにレジューム再生の要否を選択させるインターフェースを表示し、ユーザによる選択操作を入力受付部24に受け付けさせる。そして、選択受付部37は、入力受付部24を介してユーザによるレジューム再生の要否の選択を受け付ける。受け付けられた選択の内容が、レジューム再生を行う旨の内容であった場合、以降の処理の流れは、ステップS103以降について説明した処理と概略同様である。受け付けられた選択の内容が、レジューム再生を行わない旨の内容であった場合、以降の処理の流れは、ステップS102以降について説明した処理と概略同様である。
本実施形態によれば、従来のDVDと同様の方法ではレジューム機能を提供することが困難なBD−Jコンテンツについても、レジューム機能を提供し、ユーザに従来のDVD等と同様の利便性を提供することが可能となる。また、本実施形態に示したレジューム方法によれば、レジュームのために必要な情報を少ない情報で済ませることが出来るために、システムとHDD13等の不揮発性記憶装置との間でレジューム情報を読み書きする時間、不揮発性記憶装置の部品コスト、不揮発性記憶装置の基板実装面積、等を削減することが出来る。