JP2010084841A - 車両の制御装置及び制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】アイドルストップ状態からのエンジン再始動時に、エンジントルクないしはエンジン回転数の急上昇を抑制又は防止することを可能にする手段を提供する。
【解決手段】自動車Wは、エンジン1と、ロックアップクラッチ26を有するトルクコンバータ20と、自動変速機10とを搭載している。自動車Wの停止時において自動変速機10がDレンジにあるときに、エンジン停止条件が成立すればコントロールユニットによってエンジン1が停止させられ、この後エンジン再始動条件が成立すればエンジン1が再始動させられる。自動車Wのドライバの意図ないしは操作と無関係な原因によりエンジン再始動条件が成立したときには、ロックアップクラッチ26をスリップ締結することにより、エンジン再始動時におけるエンジン回転の急上昇が抑制又は防止され、エンジン1のローリング振動が抑制される。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両の停止時にエンジン停止条件が成立すればエンジンを自動的に停止させ、この後エンジン再始動条件が成立すればエンジンを自動的に再始動させる車両の制御装置及び制御方法に関するものである。
一般に、自動車の一時停止時においては、エンジンはアイドリング状態で回転しているが、かかるアイドリングは自動車の燃費性を低下させるとともに、地球温暖化の一因である二酸化炭素の排出量を増加させる。そこで、自動車の一時停止時ないしはアイドリング時においてエンジン停止条件が成立すればエンジンを自動的に停止させ、この後エンジン再始動条件が成立すればエンジンを自動的に再始動させるといった動作(以下「アイドルストップ」という。)を行うようにしたエンジンが種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、このようにアイドルストップを行うエンジンを再始動させる場合、エンジン回転の立ち上がり時には、エンジントルクないしはエンジン回転数が急上昇し、このように急上昇するエンジントルクの反力によりエンジンにローリング振動が生じ、ドライバが違和感をもつといった問題がある。そこで、例えば特許文献1に開示されたエンジンでは、アイドルストップ状態からの再始動時に、モータジェネレータを回生制御することによりエンジン出力軸の回転を抑制し、エンジン回転数の急上昇を防止するようにしている。
特開平9−71138号公報(段落[0024]、図1)
しかしながら、特許文献1に開示されたアイドルストップ状態からの再始動時のエンジントルクないしはエンジン回転数の抑制手法は、モータジェネレータを備えていない普通の自動車には用いることができないといった問題がある。また、再始動時のエンジン回転数の急上昇を有効に防止するには大型のモータジェネレータを必要とするといった問題もある。
本発明は、上記従来の問題を解決するためになされたものであって、モータジェネレータ等を備えていない普通の車両のアイドルストップエンジンにおけるアイドルストップ状態からのエンジン再始動時に、エンジン回転数ないしはエンジントルクの急上昇を有効に抑制又は防止して、エンジンにローリング振動が生じるのを有効に抑制又は防止することを可能にする手段を提供することを解決すべき課題とする。
上記課題を解決するためになされた本発明に係る車両の制御装置は、エンジンと、ロックアップクラッチを有する流体伝動装置と、自動変速機とを搭載している車両の停止時において自動変速機が動力の伝達が可能な状態にあるときに、所定のエンジン停止条件が成立すればエンジンを停止させる一方、所定のエンジン再始動条件が成立すればエンジンを再始動させる。そして、この車両の制御装置は、エンジンを再始動させる際のエンジン回転の上昇(立ち上がり)時に、ロックアップクラッチをスリップ締結することによりエンジン回転の上昇率を抑制する。
本発明に係る車両の制御装置は、車両のドライバの操作と無関係なエンジン再始動条件が成立したことによりエンジンを再始動させるとき(のみ)に、エンジン回転の上昇率の抑制を行い、車両のドライバの操作に基づく通常のエンジン再始動における迅速なエンジン始動を確保するようにしてもよい。
本発明に係る車両の制御装置は、エンジンの点火進角をリタードさせる点火進角リタード制御手段を備えている場合、点火進角リタード制御手段は、エンジン回転の上昇率の抑制にあわせて点火進角をリタードさせ、ロックアップクラッチの負荷を軽減するようになっているのが好ましい。
本発明に係る車両の制御装置では、エンジンを再始動させる際のエンジン回転の上昇時に、ロックアップクラッチの締結力の制御を、フィードフォワード制御もしくはフィードバック制御又はフィードフォワード制御とフィードバック制御の組み合わせ制御で行うことができる。なお、フィードフォワード制御は、実験的に予め設定した時系列データに基づいて制御を行い、フィードバック制御は、時系列の目標エンジン回転数になるように制御を行う。
また、本発明に係る車両の制御装置は、前回のエンジンの再始動におけるエンジン回転の上昇時の履歴に基づいてロックアップクラッチの締結力を補正制御ないしは学習制御し、制御装置の個々のばらつきや経年変化に対応できるようにしてもよい。
本発明に係る車両の制御方法では、エンジンと、ロックアップクラッチを有する流体伝動装置と、自動変速機とを搭載している車両の停止時において自動変速機が動力の伝達が可能な状態にあるときに、所定のエンジン停止条件が成立すればエンジンを停止させる一方、所定のエンジン再始動条件が成立すればエンジンを再始動させるようにしている。そして、この車両の制御方法は、エンジンを再始動させる際のエンジン回転の上昇(立ち上がり)時に、ロックアップクラッチをスリップ締結することによりエンジン回転の上昇率を抑制する。
本発明に係る車両の制御装置又は制御方法によれば、普通の車両に一般的に設けられているロックアップクラッチを有効に利用して、アイドルストップ状態からのエンジン再始動時にエンジン回転の上昇率を低減することができる。したがって、車両がモータジェネレータ等を備えていない普通の車両であっても、アイドルストップ状態からのエンジン再始動時に、エンジントルクの反力に起因してエンジンにローリング振動が発生するのを有効に抑制又は防止することができ、車両のドライバが違和感をもつのを防止することができる。なお、アイドルストップ状態からのエンジン再始動時には、エンジンの吸気系に空気が貯留されているので、例えばスロットル制御などではエンジン回転の上昇率を有効に低減することは困難である。
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の実施の形態(本発明を実施するための最良の形態)を具体的に説明する。まず、図1を参照しつつ、本発明に係る自動車の動力伝達機構の概要を説明する。
図1に示すように、自動車W(車両)は、エンジン1と、ロックアップクラッチ26を有するトルクコンバータ20(流体伝動装置)と、多段変速式の自動変速機10とを搭載している。この自動車Wにおいて、エンジン1の出力トルクは、エンジン出力軸2(クランクシャフト)を介してトルクコンバータ20に入力される。そして、トルクコンバータ20の出力トルクは、タービンシャフト27を介して自動変速機10に入力される。自動変速機10の出力トルクは、中間伝動機構14〜16と差動装置60のデフケース64とを介して、左右の車軸62、63に伝達される。
この自動車Wでは、後で詳しく説明するように、自動車Wの停止時において自動変速機10が動力の伝達が可能な状態にあるときに、エンジン停止条件が成立すればエンジン1を停止させる一方、エンジン再始動条件が成立すればエンジン1を再始動させるといったアイドルストップを行うようになっている。そして、エンジン1を再始動させる際には、エンジン回転の上昇(立ち上がり)時に、ロックアップクラッチ26をスリップ締結することにより、エンジン回転の上昇率を抑制するようになっている。
自動変速機10には、それぞれトルクコンバータ20の出力トルクが入力される第1遊星歯車機構30及び第2遊星歯車機構40と、これらの遊星歯車機構30、40内での動力の伝達経路を切り換える複数の摩擦要素51〜55(クラッチ、ブレーキ等)及びワンウェイクラッチ56とが設けられている。なお、以下では便宜上、エンジン出力軸2又はタービンシャフト27の中心軸が伸びる方向に関してエンジン側(図1中では右側)を「右」といい、これと反対側を「左」という。
かくして、自動変速機10においては、第1遊星歯車機構30及び第2遊星歯車機構40内での動力伝達経路を切り換えることにより、Dレンジの1〜4速と、Sレンジの1〜3速と、Lレンジの1〜2速と、Rレンジの後退速とを設定することができる。なお、トルクコンバータ20の左側には、コンバータケース21を介してエンジン出力軸2によって駆動されるオイルポンプ12が配設されている。
第1遊星歯車機構30には、サンギヤ31と、サンギヤ31と噛み合う複数のピニオン32と、ピニオン32を支持するピニオンキャリヤ33と、ピニオン32と噛み合うリングギヤ34とが設けられている。他方、第2遊星歯車機構40には、サンギヤ41と、サンギヤ41と噛み合う複数のピニオン42と、ピニオン42を支持するピニオンキャリヤ43と、ピニオン42と噛み合うリングギヤ44とが設けられている。
トルクコンバータ20のトルク出力軸であるタービンシャフト27と、第1遊星歯車機構30のサンギヤ31との間(動力の伝達経路に関して)には、フォワードクラッチ51が介設されている。タービンシャフト27と、第2遊星歯車機構40のサンギヤ41との間には、リバークラッチ52が介設されている。タービンシャフト27と、第2遊星歯車機構40のピニオンキャリヤ43との間には、3−4クラッチ53が介設されている。また、第2遊星歯車機構40のサンギヤ41を固定することができる2−4ブレーキ54が設けられている。
第1遊星歯車機構30のリングギヤ34と第2遊星歯車機構40のピニオンキャリヤ43とは固定的に連結され、これらと変速機ケース11との間に、ローリバースブレーキ55とワンウェイクラッチ56とが並列に配設されている。また、第1遊星歯車機構30のピニオンキャリヤ33と第2遊星歯車機構40のリングギヤ44とは固定的に連結され、これらは出力ギヤ13に連結されている。出力ギヤ13は、中間伝動機構を構成するアイドルシャフト16上の第1中間ギヤ14と噛み合っている。また、アイドルシャフト16上の第2中間ギヤ15は、差動装置60の入力ギヤ61と噛み合っている。かくして、出力ギヤ13のトルクが、差動装置60のデフケース64を介して、左右の車軸62、63に伝達される。
表1に、各摩擦要素51〜55及びワンウェイラッチ56の作動状態と変速段との関係を示す。

〔表1〕
表1 各摩擦要素の作動状態と変速段との関係

Figure 2010084841

(○)はLレンジのみで作動
以下、図2及び図3を参照しつつ、ロックアップクラッチ26を有するトルクコンバータ20の具体的な構造及び機能を説明する。なお、以下では便宜上、図2中の位置関係において、エンジン出力軸2又はタービンシャフト27の中心軸の伸びる方向に関して、エンジン側(図2中では右側)を「右」といい、これと反対側を「左」という。
図2及び図3に示すように、トルクコンバータ20は、エンジン出力軸2に連結されたコンバータケース21に固定されたポンプ22と、ポンプ22に対向して配置され該ポンプ22により作動油を介して駆動されるタービン23と、タービン23とポンプ22との間において変速機ケース11にワンウェイクラッチ24を介して支持されトルクを増大させるステータ25と、コンバータケース21とタービン23との間に設けられコンバータケース21を介してエンジン出力軸2とタービン23とを直結させるロックアップクラッチ26とを有している。タービン23のボス23aはタービンシャフト27にスプライン結合され、これによりタービン23の出力トルクがタービンシャフト27を介して両遊星歯車機構30、40側に伝達される。
ロックアップクラッチ26は、コンバータケース21の平面部21aに対向して配置されたクラッチピストン26pを有している。ロックアップクラッチ26は、ピストン26pの左側に位置する締結室26a内に供給される作動油圧によって平面部21aに締結される。このとき、エンジン出力軸2とタービンシャフト27とが直結する。また、ロックアップクラッチ26は、ピストン26pの右側に位置する解放室26b内に供給される作動油圧によって解放される。そして、ロックアップクラッチ26は、解放室26b内に供給される作動油圧を調整することによってスリップ状態に制御される。なお、ロックアップクラッチ26は、解放室26b内を減圧することにより締結される減圧タイプのものであってもよい。また、締結室26aを加圧することにより締結される加圧タイプのものであってもよい。
トルクコンバータ20のロックアップクラッチ26への作動油ないしは作動油圧の給排は、油圧制御回路100によって制御される。この油圧制御回路100には、ロックアップクラッチ26のスリップ状態を制御する制御手段としてデューティソレノイドバルブ123とロックアップコントロールバルブ106(シフトバルブ)とが配設されている。ロックアップコントロールバルブ106には、デューティソレノイドバルブ123で調整された制御圧を供給する制御圧ライン73のほかに、パイロット圧を供給するパイロット圧ライン74と、一定圧に調整されたコンバータ圧を供給するコンバータ圧ライン75と、ロックアップクラッチ26の締結室26aに通じる締結圧ライン76と、ロックアップクラッチ26の解放室26bに通じる解放圧ライン77とが接続されている。なお、ロックアップコントロールバルブ106へは、メインポンプ2又は電動ポンプ171から作動油ないしは作動油圧が供給される。
パイロット圧ライン74からロックアップコントロールバルブ106にパイロット圧が供給されると、図2にその状態が示されているように、ロックアップコントロールバルブ106のスプール106aがスプリング106bの付勢力に抗して左側に位置し、締結圧ライン76がコンバータ圧ライン75と連通し、解放圧ライン77が制御圧ライン73と連通する。この場合、コンバータ圧は締結用油圧として用いられ、制御圧は解放用油圧として用いられる。
この状態で、デューティソレノイドバルブ123に印加するデューティ比(1つのオン−オフ周期におけるオン時間の比率)を大きくしてゆくと、制御圧(解放用油圧)PLUが小さくなってゆく。その結果、ロックアップクラッチ26の締結力が次第に大きくなってゆき、最終的にはロックアップクラッチ26が完全に締結され、トルクコンバータ20はロックアップ状態となる。一方、デューティ比を小さくしてゆくと、制御圧PLUが大きくなってゆく。その結果、ロックアップクラッチ26の締結力が次第に小さくなってゆき、最終的にはロックアップクラッチ26が完全に解放され、トルクコンバータ20はコンバータ状態となる。そして、ロックアップ状態とコンバータ状態との間でデューティ比を制御することにより、制御圧PLU、ひいてはロックアップクラッチ26の締結力が調整され、ロックアップクラッチ26が半締結され、トルクコンバータ20はスリップ状態となる。
油圧制御回路100には、作動油ないしは作動油圧の供給源として、エンジン出力軸2により駆動されるオイルポンプ12と、ポンプモータ172により駆動される電動ポンプ171とが設けられている。電動ポンプ171及びポンプモータ172は、変速機ケース11の外壁に組み付けられている。電動ポンプ171は、オイルポンプ12と同様に、オイルパン170内に貯留された作動油を吸い込んで、導入油路173及び逆止弁174を介して、ロックアップコントロールバルブ106等に供給する。
なお、詳しくは図示していないが、油圧制御回路100は、第1オン・オフソレノイドバルブ(第1SV)111、第2オン・オフソレノイドバルブ(第2SV)112、第1〜第3デューティソレノイドバルブ(第1〜第3DSV)121〜123、リニアソレノイドバルブ(LSV)131等を有し、これらのバルブの作動状態を切り換えることにより、自動変速機10の変速段(レンジ)を切り換える(図4参照)。
表2に、第1、第2SV111、112及び第1〜第3DSV121〜123の各変速段ごとの作動状態の組合せ(ソレノイドパターン)を示す。なお、表2において「○」は、第1、第2SV111、112及び第1〜第3DSV121〜123が上流側(オイルポンプ12側ないしは電動ポンプ171側)の油路と下流側(摩擦要素51〜55側)の油路とを連通させていることを示し、「×」は、上流側の油路を遮断して下流側の油路をドレンさせていることを示す。
〔表2〕
表2 ソレノイドバルブの作動状態と変速段との関係

Figure 2010084841
以下、自動車Wの制御システムを説明する。自動車Wには、ロックアップクラッチ26の制御と自動変速機10の変速制御とを併せて行うとともに、アイドルストップ制御を行うコントロールユニット200が設けられている。このコントロールユニット200は、コンピュータ又はマイクロコンピュータを備えた自動車Wないしはそのパワープラントの総合的な制御装置であって、プログラムに従って演算等の処理を実行する中央処理装置(CPU)と、RAM及びROM等を有しプログラム及びデータを格納するメモリと、エンジン制御ユニット100への電気信号の入出力経路となる入出力バス(I/Oバス)とを備えている。
図4に示すように、コントロールユニット200には、車速センサ201によって検出される車速と、スロットル開度センサ202によって検出されるスロットル開度と、シフト位置センサ203によって検出されるシフト位置(レンジ)と、エンジン回転センサ204によって検出されるエンジン回転数(回転速度)と、タービン回転センサ205によって検出されるトルクコンバータ20ないしはタービンシャフト27の回転数(回転速度)と、油温センサ206によって検出される作動油の温度と、アクセルペダルを踏み込んでいないときにオンとなるアイドルスイッチ207の出力信号と、ブレーキペダルの踏み込みでオンとなるブレーキスイッチ208の出力信号と、水温センサ209によって検出されるエンジン1の冷却水の温度と、ブレーキペダル(図示せず)とマスタシリンダ(図示せず)との間に介設されたブレーキブースタ(図示せず)に導入されるブレーキブースタ負圧を検出するブースタ負圧センサ210の出力信号と、ブレーキペダルの操作量(非踏み込み位置からの踏み込み量)を検出するブレーキストロークセンサ211の出力信号とが、それぞれ制御情報として入力される。
かくして、コントロールユニット200は、各センサないしはスイッチ201〜211から入力された信号が示す自動車の運転状態と、予め設定されたロックアップマップとに基づいて、トルクコンバータ20をコンバータ状態、ロックアップ状態又はスリップ状態のどの状態にすべきかを判定し、その判定した状態が得られるよう、ロックアップクラッチ制御用のデューティソレノイドバルブ123に制御信号を出力する。
ロックアップマップは、車速、エンジン1のスロットル開度等の、自動車Wの運転状態に応じて設定されている。なお、かかるロックアップマップでは、例えば、高負荷・低車速領域は、コンバータ状態を実現すべきコンバータ領域とされ、トルクの増大が図られるようになっている。低負荷・高車速領域は、ロックアップ状態を実現すべきロックアップ領域とされ、燃費の向上が図られるようになっている。低負荷・低車速領域は、スリップ状態を実現すべきスリップ領域とされ、燃費性の向上とショックの吸収との両立が図られるになっている。
また、コントロールユニット200は、各センサないしはスイッチ201〜211から入力された信号が示す自動車の運転状態と、予め設定された変速マップとに基づいて、油圧制御回路100の第1、第2SV111、112と、第1〜第3DSV121〜123と、LSV131とを駆動して自動変速機10の変速制御を行うとともに、その際の電動ポンプ171ないしはポンプモータ172の駆動制御を行う。なお、かかる変速制御は当業者にはよく知られており、またかかる変速制御は本願発明の要旨とするところでもないので、その詳しい説明は省略する。
以下、コントロールユニット200によって実行される本発明に係るアイドルストップ制御の制御手順を説明する。コントロールユニット200は、入力された各種制御情報に基づいて、エンジン1の燃料噴射弁3、点火プラグ4、スタータモータ5等を制御することにより、アイドルストップ制御を行う。まず、本発明に係るアイドルストップ制御の概要を説明する。
コントロールユニット200は、自動車Wの停止時において自動変速機10が動力の伝達が可能な状態にあるときにおいて、エンジン停止条件が成立すればエンジン1を停止させる一方、エンジン再始動条件が成立すればエンジン1を再始動させる。そして、エンジン1を再始動させる際には、エンジン回転の上昇時にロックアップクラッチ26をスリップ締結することにより、エンジン回転の上昇率を抑制する。
なお、このアイドルストップ制御においては、自動車Wのドライバの意図ないしは操作と無関係なエンジン再始動条件が成立したことによりエンジン1を再始動させるときにのみ、エンジン回転の上昇率の抑制を行うのが好ましい。このようにすれば、自動車Wのドライバの操作に基づく通常のエンジン再始動時における迅速なエンジン始動を確保することができる。
以下、図5及び図6に示すフローチャートを参照しつつ、コントロールユニット200によって実行される本発明に係るアイドルストップ制御の制御手順を説明する。
図5に示すように、このアイドルストップ制御では、まずステップS1で前記の各種制御信号を制御情報として読み込む。なお、ステップS1では、これらの制御情報に基づいて、バッテリ充電量(SOC)を算出する。続いて、ステップS2で、エンジン1がすでにアイドルストップ中であるか否かを判定する。
ステップS2で、エンジン1がアイドルストップ中でないと判定した場合は(NO)、ステップS3でエンジン停止条件が成立しているか否かを判定する。このアイドルストップ制御では、下記の個別条件がすべて充足されたときにエンジン停止条件が成立したものと判定するようにしている。なお、このエンジン停止条件は単なる例示であり、本発明に係るアイドルストップ制御におけるエンジン停止条件がこれに限定されるものでないことはもちろんである。例えば、下記の個別条件のいずれかを削除してもよく、またその他の個別条件を付加的に追加してもよい。
<エンジン停止条件>
(1)自動変速機10がDレンジである。
(2)アクセル開度又はスロットル開度が0である。
(3)ブレーキスイッチ208がオンである。
(4)車速が0である。
(5)バッテリ充電量(SOC)が設定値を超えている。
(6)エアコンのコンプレッサがオフである。
ステップS3で、エンジン停止条件が成立していないと判定した場合(NO)、すなわち上記個別条件のうちの1つでも充足されていなければ、アイドルストップを実行することができないので、以下の全ステップをスキップして、ステップS1に復帰する(リターン)。他方、ステップS3でエンジン停止条件が成立していると判定した場合(YES)、すなわち上記個別条件がすべて充足されていれば、ステップS4でアイドルストップを実行する。すなわち、燃料噴射弁3からの燃料噴射を停止させるとともに、点火プラグ4による火花放電を停止させ、エンジン1を停止させる。
前記のステップS2でエンジン1がアイドルストップ中であると判定した場合は(YES)、ステップS5でエンジン再始動条件が成立しているか否かを判定する。このアイドルストップ制御では、下記の個別条件のうちの少なくとも1つが充足されたときにエンジン再始動条件が成立したものと判定するようにしている。なお、このエンジン再始動条件は単なる例示であり、本発明に係るアイドルストップ制御におけるエンジン再始動条件がこれに限定されるものでないことはもちろんである。例えば、下記の個別条件のいずれかを削除しても、またその他の個別条件を選択的に追加してもよい
<エンジン再始動条件>
(1)アクセル開度又はスロットル開度が0でない。
(2)ブレーキスイッチ208がオフである。
(3)バッテリ充電量(SOC)が設定値以下である。
(4)エアコンのコンプレッサがオンである。
ステップS5でエンジン再始動条件が成立していると判定した場合は(YES)、ステップS6で、エンジン1の再始動が、システムによる自動始動であるか否か、すなわち自動車Wのドライバの意図ないしは操作と無関係な原因によりエンジン再始動条件が成立したか否かを判定する。換言すれば、バッテリ充電量が設定値以下であること、又はエアコンのコンプレッサがオンであることに起因してエンジン再始動条件が成立したか否かを判定する。なお、ステップS5でエンジン再始動条件が成立していないと判定した場合は(NO)、エンジン1を再始動させる必要がないので、以下の全ステップをスキップして、ステップS1に復帰する(リターン)。
ステップS6でエンジン1の再始動がシステムによる自動始動であると判定した場合(YES)、すなわち自動車Wのドライバの意図ないしは操作に無関係にエンジン再始動条件が成立した場合は、ステップS7で燃料噴射弁3からの燃料噴射を再開させるとともに、点火プラグ4による火花放電を再開させてエンジン1を再始動させ、かつステップS8で、アイドルストップ制御のためのロックアップクラッチ26のスリップ制御(以下、単に「スリップ制御」という。)を行う。なお、ステップS7とステップS8は並行して実行する。この後、ステップS1に復帰する(リターン)。他方、ステップS6でエンジン1の再始動がシステムによる自動始動でないと判定した場合(NO)、すなわち自動車Wのドライバの意図ないしは操作に起因してエンジン再始動条件が成立した場合は、ステップS9でエンジン1を再始動させ、スリップ制御を行うことなくステップS1に復帰する(リターン)。
ステップS8で実行される、アイドルストップ制御のためのスリップ制御は、図6に示す制御手順で行われる。
図6に示すように、このスリップ制御では、まずステップS11で、各種センサないしはスイッチ201〜211からの入力信号により、自動車Wの各種状態量を検出する。続いて、ステップS12で、実スリップ量SLUを算出する。なお、実スリップ量SLUは、ロックアップクラッチ26の入力回転数(すなわちエンジン回転数Ne)から、ロックアップクラッチ26の出力回転数(すなわちタービンシャフト27の回転数Nt)を減じた値である。
次に、ステップS13で目標スリップ量SLUoを設定する。続いて、ステップS14で、実スリップ量SLUが目標スリップ量SLUoより大きいか否かを判定する。ステップS14で実スリップ量SLUが目標スリップ量SLUoより大きいと判定した場合(YES)、すなわちエンジン1の再始動時のエンジントルク上昇率又はエンジン回転数が目標値(図8参照)より高い場合は、ステップS15で、ロックアップクラッチ26が締結される方向に制御圧(解放用油圧)PLUを変更(減少)する。すなわち、ロックアップクラッチ26からエンジン出力軸2に作用する抵抗(回転抑制力)を大きくして、エンジン1の再始動時におけるエンジントルク上昇率又はエンジン回転数が目標値に近づくようにする。
他方、ステップS14で実スリップ量SLUが目標スリップ量SLUo以下であると判定した場合(NO)、すなわちエンジン1の再始動時のエンジントルク上昇率又はエンジン回転数が目標値より低い場合は、ステップS16で、ロックアップクラッチ26が解放される方向に制御圧(解放用油圧)PLUを変更(増大)する。すなわち、ロックアップクラッチ26からエンジン出力軸2に作用する抵抗(回転抑制力)を小さくして、エンジン1の再始動時におけるエンジントルク上昇率又はエンジン回転数が目標値に近づくようにする。
このように、図6に示すアイドルストップ制御のためのスリップ制御は、基本的には、時系列的に実スリップ量SLUを目標スリップ量SLUoに追従させるフィードバック制御である。しかしながら、このスリップ制御を、実験データに基づいて予め設定された時系列的な設定値でもってフィードフォワード制御により行ってもよい。また、フィードバック制御とフィードフォワード制御とを組み合わせた組み合わせ制御によりスリップ制御を行ってもよい。なお、前回又は過去のエンジン1の再始動におけるエンジン回転の上昇時の履歴に基づいてロックアップクラッチ26の締結力を補正制御ないしは学習制御し、ロックアップクラッチ26ないしは油圧制御回路100の個々のばらつきや経年変化に対応するようにしてもよい。
ところで、このアイドルストップ制御において、エンジン1を再始動させる際には、エンジン出力軸2の回転数がある程度上昇するまでは、エンジン駆動軸2によって駆動されるオイルポンプ12は、ロックアップクラッチ26に十分な作動油圧を供給することができない。そこで、このアイドルストップ制御では、ステップS8でスリップ制御を行うときには、ポンプモータ172によって駆動される電動ポンプ172によりロックアップクラッチ26に作動油圧を供給するようにしている。
しかしながら、スリップ制御においてロックアップクラッチ26に作動油ないしは作動油圧を供給する手段は電動ポンプ172に限定されるわけではなく、補助的に作動油ないしは作動油圧を供給できればどのようなものでもよい。例えば、作動油ないしは作動油圧を蓄えるアキュームレータを油圧制御回路100に設け、このアキュームレータからロックアップクラッチ26に作動油ないしは作動油圧を供給するようにしてもよい。なお、アキュームレータは、エンジン1の稼働時にオイルポンプ12が吐出する作動油ないしは作動油圧を蓄えておき、エンジン1の停止時には、蓄えている作動油ないしは作動油圧をロックアップクラッチ26等に供給することができる。とくに、自動車Wに電動ポンプ171が設けられていない場合は、このようなアキュームレータを設けることにより、本発明に係るアイドルストップ制御を支障なく行うことができる。
前記のステップS7又はステップS9におけるエンジン1の再始動は、スタータモータ5に通電してエンジン1をクランキングすることにより行うことができる(以下、このエンジン1の再始動を「スタータ再始動」という。)。また、エンジン1の再始動は、スタータモータ5を使用することなく、停止状態で膨張行程にある気筒内に燃料を噴射し、この燃料を着火・燃焼させることにより行うことができる(以下、このエンジン1の再始動を「自己再始動」という。)。
以下、図7(a)、(b)を参照しつつ、自己再始動の実行手順を説明する。すなわち、第1〜第4気筒7A〜7Dを有するエンジン1を自己再始動させる場合、例えば図7(a)に示すように、ピストンが圧縮行程の途中で停止している第1気筒7Aで最初の燃焼を行わせてピストンを押し下げることにより、エンジン出力軸2を少しだけ逆転させる。これにより、図7(b)に示すように、膨張行程にある第2気筒7Bのピストンを上昇させて、第2気筒7B内の混合気を圧縮する。そして、このように圧縮されて温度及び圧力が上昇した第2気筒7B内の混合気に点火して燃焼させることにより、エンジン出力軸2に正転方向のトルクを与えて、エンジン1を再始動させる。
前記のとおり、アイドルストップ制御では、スタータ再始動及び自己再始動のいずれをも用いることができるが、スタータ再始動の場合は、エンジン1の回転がスタータモータ5の駆動力に引きずられる傾向がある。したがって、エンジン1の再始動に並行してロックアップクラッチ26のスリップ制御を行う場合は、自己再始動を用いる方が、スリップ制御が容易であるので、やや好ましい。なお、自動車Wないしはエンジン1の運転状態に応じて、スタータ再始動と自己再始動とを使い分けてもよい。
以下、エンジン1の再始動がシステムによる自動始動であると判定した場合にのみスリップ制御行う理由を説明する。前記のとおり、ステップS7〜S8でエンジン1を再始動させる場合、エンジン再始動条件はドライバの意図ないしは操作と無関係に成立するので、ドライバはエンジン1の再始動を予期していない。ここで、エンジン1を再始動させる際にエンジン回転数ないしはエンジントルクが急上昇すると、エンジントルクの反力によりエンジン1にローリング振動が生じ、エンジン1の再始動を予期していないドライバは違和感をもつ。そこで、この場合は、ロックアップクラッチ26をスリップ締結することにより、エンジン回転を抑制し、エンジントルクないしはエンジン回転数の急上昇を抑制又は防止して、エンジン1にローリング振動が生じるのを防止するようにしている。
他方、ステップS9でエンジン1を再始動させる場合は、エンジン再始動条件はドライバの意図ないしは操作に起因して成立するので、ドライバはエンジン1が再始動することを予期している。したがって、たとえエンジントルクの反力によりエンジン1にローリング振動が生じたとしても、エンジン1の再始動を予期しているドライバはさほど違和感をもたない。また、このように、アクセル開度又はスロットル開度が0でない場合又はブレーキスイッチ208がオフである場合、ドライバは自動車Wを発進させることを意図していることが多いので、エンジントルクないしはエンジン回転数を迅速に上昇させる方が好ましい。
そこで、このアイドルストップ制御では、システムによる自動始動でない場合、すなわちエンジン1の再始動がドライバの意図ないしは操作に起因する場合は、ロックアップクラッチ26のスリップ制御を行わないようにしている。しかしながら、エンジン1の再始動がドライバの意図ないしは操作に起因する場合にもスリップ制御を行い、エンジントルクないしはエンジン回転数の急上昇を抑制してエンジン1にローリング振動が生じるのを防止するようにしてもよい。このようなアイドルストップ制御もまた、本発明の範囲内である。
このアイドルストップ制御において、スリップ制御によるエンジン回転の上昇率の抑制にあわせて点火進角をリタードさせ、ロックアップクラッチ26の負荷を軽減するようにしてもよい。ただし、スリップ制御の前段ではエンジン回転が安定していないので、このような点火進角のリタードはスリップ制御の後段(例えば、スリップ制御期間の後側の1/3ないし1/2の期間)で行うのが好ましい。とくに、アイドルストップ制御に自己再始動を用いる場合、アイドルストップ制御の前段で点火進角のリタードを行うと、エンジン1が再始動中にストール(エンスト)するおそれがある。
図8に、図5及び図6に示すアイドルストップ制御でアイドルストップ中にバッテリ充電量(SOC)が設定値以下となってエンジン1が再始動される場合(システムによる自動始動)における、エンジントルクないしはエンジン回転数(グラフG1〜G3)と、目標低減トルク(グラフG4)と、ブレーキペダルのオン・オフ状態(グラフG5)と、ブレーキ油圧(グラフG6)と、バッテリ充電量SOC(グラフG7)と、スリップ制御のオン・オフ(グラフG8)とについて、これらの時間に対する変化特性の一例を示す。図8に示す例では、時刻t1で、バッテリ充電量が設定値まで低下し、エンジン再始動条件が成立している。そして、スリップ制御は、時刻t1で開始され、時刻t2で終了している。なお、エンジン1は、時刻t2以降はアイドル運転を行っている。
図8において、グラフG1は、単純にエンジン1を再始動させた場合に発生すると予測されるエンジントルク、すなわちスリップ制御を行わない場合のエンジントルク(以下「予測トルク」という。)の経時変化を示している。グラフG2は、スリップ制御におけるエンジントルクの好ましい上昇特性、すなわち目標トルクを示している。また、グラフG3は、上記目標トルクに追従するようフィードバック制御でスリップ制御を行ったときの実際のエンジントルク(以下「実トルク」という。)の経時変化を示している。
グラフG4は、予測トルクと目標トルクの差、すなわちスリップ制御によりエンジン出力軸2から除去ないしは低減すべきエンジントルク(目標低減トルク)を示している。スリップ制御をフィードフォワード制御で行う場合は、実験データ等に基づいて、グラフG4に相当するエンジントルクを除去ないしは低減することができるように、ロックアップクラッチ26に供給される作動油圧を制御すればよい。
図9に、図5及び図6に示すアイドルストップ制御でアイドルストップ中にエアコンのコンプレッサがオンされてエンジン1が再始動される場合(システムによる自動始動)における、図8と同様の図を示す。ただし、図8では、バッテリ充電量に関するグラフ7に代えて、エアコンのコンプレッサのオン・オフ状態を示すグラフG9を記載している。図9に示す例では、時刻t1で、エアコンのコンプレッサがオンされ、エンジン再始動条件が成立している。
図10に、本発明に係るアイドルストップ制御で、アイドルストップ中にブレーキペダルが非踏み込み状態(オフ)となり、ブレーキスイッチ208がオフとなってエンジン1が再始動される場合において、あえてスリップ制御を行ったときの、図8と同様の図を示す。ただし、図10では、バッテリ充電量のグラフG7は削除している。図10に示す例では、時刻t1で、ブレーキスイッチ208がオフとなってエンジン再始動条件が成立している。なお、図5及び図6に示すアイドルストップ制御では、ブレーキスイッチ208がオフとなってエンジン1が再始動される場合は、スリップ制御は行わないので、図10は、図5及び図6に示すアイドルストップ制御を説明するものではない。しかしながら、図10に示すようなアイドルストップ制御もまた、本発明の範囲内のものである。
かくして、本発明に係るアイドルストップ制御によれば、普通の自動車には大抵は設けられているロックアップクラッチ26を有効に利用して、アイドルストップ状態からのエンジン再始動時に、エンジン回転の上昇率を低減することができる。したがって、自動車Wがモータジェネレータ等を備えていない普通の自動車であっても、アイドルストップ状態からのエンジン再始動に、エンジントルクの反力に起因してエンジン1のローリング振動が発生するのを有効に抑制又は防止することができ、ドライバが違和感をもつのを防止することができる。
前記のとおり、この実施の形態では、自動車Wはトルクコンバータ20と多段式の自動変速機10とを備えている。しかしながら、本発明はこの種の自動車Wに限定されるものではない。本発明は、トルクコンバータ20に代えて、ロックアップクラッチを有するその他の流体電動装置、例えばフルードカップリング(流体継ぎ手)等を備えた自動車にも適用することができる。また、多段式の自動変速機10に代えて、例えばベルト式又はトロイダル式の無段変速機(CVT)を備えた自動車にも適用することができる。
また、前記のとおり、この実施の形態では、ロックアップクラッチ26をフィードバック制御もしくはフィードフォワード制御又はこれらの組み合わせ制御によるスリップ制御でロックアップクラッチ26をスリップ締結させ、エンジン再始動時のエンジントルクないしはエンジン回転数の急上昇を抑制又は防止している。しかしながら、ロックアップクラッチ26をスリップ締結させる手法は、このようなスリップ制御に限定されるわけではない。ロックアップクラッチ26をスリップ締結させることができれば、どのような手法を用いてもよい。
例えば、非常に短い時間(ないしはほぼ一瞬)、ロックアップクラッチ26の締結室26aに最大の作動油圧を供給してロックアップクラッチ26をロックアップ状態にし、エンジン再始動時のエンジントルクないしはエンジン回転数の急上昇を抑制又は防止するようにしてもよい。なお、この場合、ロックアップの時間が短いので、ロックアップクラッチ26はスリップする。
本発明の実施の形態に係る自動車の動力伝達機構の構成を模式的に示すスケルトン図である。 図1に示す自動車のトルクコンバータ及びその制御用油圧回路の側面断面図である。 図1に示す自動車のトルクコンバータ及び自動変速機のための油圧制御回路を示す図である。 コントロールユニットの構成を示すブロック図である。 アイドルストップ制御の制御手順を示すフローチャートである。 ロックアップクラッチのスリップ制御の制御手順を示すフローチャートである。 (a)、(b)は、停止状態で膨張行程にある気筒内に燃料を噴射供給して点火・燃焼させることによりエンジンの再始動を行う場合のエンジンの状態を示す図である。 本発明に係るアイドルストップ制御におけるエンジン再始動時の自動車の状態の経時変化を示す図である。 本発明に係るアイドルストップ制御におけるエンジン再始動時の自動車の状態の経時変化を示す図である。 本発明に係るアイドルストップ制御におけるエンジン再始動時の自動車の状態の経時変化を示す図である。
符号の説明
W 自動車、1 エンジン、2エンジン出力軸、3 燃料噴射弁、4 点火プラグ、5 スタータモータ、7A〜7D 第1〜第4気筒、10 自動変速機、20 トルクコンバータ、22 ポンプ、23 タービン、25 ステータ、26 ロックアップクラッチ、27 タービンシャフト、30 第1遊星歯車機構、40 第2遊星歯車機構、100 油圧制御回路、200 コントロールユニット。

Claims (7)

  1. エンジンと、ロックアップクラッチを有する流体伝動装置と、自動変速機とを搭載している車両の停止時において上記自動変速機が動力の伝達が可能な状態にあるときに、所定のエンジン停止条件が成立すれば上記エンジンを停止させる一方、所定のエンジン再始動条件が成立すれば上記エンジンを再始動させる車両の制御装置であって、
    上記エンジンを再始動させる際のエンジン回転の上昇時に、上記ロックアップクラッチをスリップ締結することによりエンジン回転の上昇率を抑制することを特徴とする車両の制御装置。
  2. 上記車両のドライバの操作と無関係なエンジン再始動条件が成立したことにより上記エンジンを再始動させるときに、上記エンジン回転の上昇率の抑制を行うことを特徴とする、請求項1に記載の車両の制御装置。
  3. 上記エンジンの点火進角をリタードさせる点火進角リタード制御手段を備えていて、上記点火進角リタード制御手段が、上記エンジン回転の上昇率の抑制にあわせて点火進角をリタードさせることを特徴とする、請求項1又は2に記載の車両の制御装置。
  4. 上記エンジンを再始動させる際のエンジン回転の上昇時に、上記ロックアップクラッチの締結力をフィードフォワード制御することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1つに記載の車両の制御装置。
  5. 上記エンジンを再始動させる際のエンジン回転の上昇時に、上記ロックアップクラッチの締結力をフィードバック制御することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1つに記載の車両の制御装置。
  6. 前回の上記エンジンの再始動におけるエンジン回転の上昇時の履歴に基づいて上記ロックアップクラッチの締結力を補正制御することを特徴とする、請求項4又は5に記載の車両の制御装置。
  7. エンジンと、ロックアップクラッチを有する流体伝動装置と、自動変速機とを搭載している車両の停止時において上記自動変速機が動力の伝達が可能な状態にあるときに、所定のエンジン停止条件が成立すれば上記エンジンを停止させる一方、所定のエンジン再始動条件が成立すれば上記エンジンを再始動させる車両の制御方法であって、
    上記エンジンを再始動させる際のエンジン回転の上昇時に、上記ロックアップクラッチをスリップ締結することによりエンジン回転の上昇率を抑制することを特徴とする車両の制御方法。
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