JP2010068680A - 移動体 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い操作性を有する移動体を提供する。
【解決手段】本発明の一態様にかかる移動体1は、搭乗者の体重移動に応じて移動する移動体であって、搭乗者が搭乗する搭乗席8と、搭乗者を搭乗席8の所定の位置に規定する搭乗者位置規定部20、21と、搭乗席8を支持する本体部13と、本体部13を移動させる移動機構6と、搭乗席8の搭乗面に加わる力に応じた計測値を出力するセンサ9と、センサ9からの出力に応じて、移動機構6を駆動するための指令値を算出する制御計算部51と、を備えたものである。
【選択図】図5
【解決手段】本発明の一態様にかかる移動体1は、搭乗者の体重移動に応じて移動する移動体であって、搭乗者が搭乗する搭乗席8と、搭乗者を搭乗席8の所定の位置に規定する搭乗者位置規定部20、21と、搭乗席8を支持する本体部13と、本体部13を移動させる移動機構6と、搭乗席8の搭乗面に加わる力に応じた計測値を出力するセンサ9と、センサ9からの出力に応じて、移動機構6を駆動するための指令値を算出する制御計算部51と、を備えたものである。
【選択図】図5
Description
本発明は、搭乗者の体重移動に応じて移動する移動体に関する。
近年、搭乗者を搭乗させた状態で移動する移動体が開発されている(特許文献1、2)。例えば、特許文献1〜3では、搭乗者が搭乗する搭乗面(座面)に力センサ(圧力センサ)を設けている。そして、力センサからの出力によって、車輪を駆動している。すなわち、力センサが操作手段となって、入力が行われている。
特許文献1の移動体では、進みたい方向に体重をかけることで移動している。例えば、前方に進みたい場合、搭乗者が上体を前方に傾ける。すなわち、搭乗者が前傾姿勢になる。そして、前傾姿勢になると搭乗席に加わる力が変化する。そして、この力及びモーメントを力センサで検出する。力センサの検出結果によって、球状タイヤを駆動している。特許文献1の図14には、搭乗者が搭乗席に座った状態で、倒立振子制御を行っている。特許文献2には、車椅子型の移動体が開示されている。この移動体には、椅子とフットレストが設けられている。
また、特許文献3には、利用者の動作を能動的に検知して、それに応じて自律的に動作する移動体が開示されている。例えば、複数の圧力センサによって、利用者の重心を計算している。この重心位置に応じて、車椅子形状の移動体が動作している(図2)。
さらに、特許文献4では、2足歩行型の移動体を動作させるためのインタフェイス装置が開示されている。このインタフェイス装置は、椅子型形状を有している。そして、椅子の背面と座面に複数の力センサを設けている。4つの力センサによって、搭乗者の骨盤旋回を検知して、歩行意思を推定している。そして、力センサによって推定された歩行意志に応じて両脚を駆動している。また、このインタフェイス装置には、足置き台が設けられている。
特許文献1〜3では、実際に移動体に搭乗している搭乗者の姿勢によって、移動している。これにより、実際に移動している環境に応じた操作が可能になる。例えば、搭乗者は、以下のように操作を行うことができる。前進したい場合、搭乗者が前方に上体を移動させる。すなわち、搭乗者が前傾姿勢になる。すると、重心位置が前方になって、力センサに加わる力が変化する。これにより、センサが前進入力を検知する。反対に、後方に移動したい場合は、搭乗者が後傾姿勢になる。すると、重心位置が後方になり、後傾入力が検知される。また、左右に移動する場合は、搭乗者が左右方向に重心を移動する。これにより、左右の旋回入力が検知される。このように、旋回入力、前進入力、後退入力に応じて移動することができる。
しかしながら、上記の移動体では、搭乗者の意図通りに移動することができない場合がある。例えば、上記の移動体では、メカやセンサなどの移動体を構成する部品の都合により、搭乗者の座る位置は予め制約されていた。従って、予め制約された搭乗位置とは異なる位置に搭乗者が座った場合には、力センサに加わる力やモーメントが異なり、操作感が異なってしまう。よって、従来の移動体では、制約外の位置に搭乗者が座った場合には、搭乗者の意図通りに移動することができず、操作性を向上することができないという問題点がある。
また、このような搭乗位置の制約に対する対応策としては、搭乗者が指定する位置に座ってくれることを前提とするものや、センサを多重化することで回避可能とするものが考えられる。例えば、その他のセンサを搭載することにより、搭乗者が座る位置を検出し、指令値を変更することができる。しかし、新たなセンサの追加はコストの増加を招くという問題点がある。
このように、従来の移動体では、予め制約された搭乗位置とは異なる位置に搭乗者が座った場合には、搭乗者の意図通りに移動することができず、操作性を向上することができないという問題点がある。本件出願の発明者らは、実際に移動体を作成・評価した上で、上述した搭乗位置の制約に関して、搭乗者の座る位置のずれが少なくなるような機構を提供する。即ち、本発明によれば、搭乗者の意図通りに移動させることができ、操作性を向上することができなる。
本発明は、高い操作性を有する移動体を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に係る移動体は、搭乗者の体重移動に応じて移動する移動体であって、前記搭乗者が搭乗する搭乗席と、前記搭乗者を前記搭乗席の所定の位置に規定する搭乗者位置規定部と、前記搭乗席を支持する本体部と、前記本体部を移動させる移動機構と、前記搭乗席の搭乗面に加わる力に応じた計測値を出力するセンサと、前記センサからの出力に応じて、前記移動機構を駆動するための指令値を算出する制御計算部と、を備えるものである。これにより、予め制約された搭乗位置に対して、搭乗者の座る位置のずれを効果的に抑制することができる。よって、搭乗者の意図通りに移動することができ、操作性を向上することができる。
また、前記搭乗者位置規定部が、前記搭乗者の背中を支持する背もたれ部を有するようにしてもよい。さらにまた、前記搭乗者位置規定部が、前記搭乗者の肘を支持する肘掛部を有するようにしてもよい。また、前記搭乗者位置規定部が、前記搭乗者の胴部を保持するシートベルトを有するようにしてもよい。これにより、より効果的に搭乗者の座る位置のずれを抑制することができる。
本発明によれば、高い操作性を有する移動体を提供することができる。
実施の形態1.
本発明に係る移動体1の全体構成とその基本的な制御方法について図を参照して説明する。まず、移動体1の全体構成について図1、図2を用いて説明する。図1は、移動体1の構成を模式的に示す正面図であり、図2は、移動体1の構成を模式的に示す側面図である。なお、図1、及び図2には、XYZの直交座標系が示されている。Y軸が移動体1の左右方向を示し、X軸が移動体1の前後方向を示し、Z軸が鉛直方向を示している。従って、X軸がロール軸に対応し、Y軸がピッチ軸、Z軸がヨー軸となる。図1、2において、+X方向が移動体1の前方向であるとして説明する。
本発明に係る移動体1の全体構成とその基本的な制御方法について図を参照して説明する。まず、移動体1の全体構成について図1、図2を用いて説明する。図1は、移動体1の構成を模式的に示す正面図であり、図2は、移動体1の構成を模式的に示す側面図である。なお、図1、及び図2には、XYZの直交座標系が示されている。Y軸が移動体1の左右方向を示し、X軸が移動体1の前後方向を示し、Z軸が鉛直方向を示している。従って、X軸がロール軸に対応し、Y軸がピッチ軸、Z軸がヨー軸となる。図1、2において、+X方向が移動体1の前方向であるとして説明する。
図1に示すように移動体1は、搭乗部3、及び車台13を有している。車台13は、移動体1の本体部であり、搭乗部3を支持している。車台13は、車輪6、フットレスト10、筐体11、制御計算部51、バッテリ52等を備えている。車輪6は、前輪601と後輪602から構成されている。ここでは、1つの前輪601と2つの後輪602からなる3輪型の移動体1を説明する。
搭乗部3は、搭乗席8、及び力センサ9を有している。そして、搭乗席8の上面が座面8aとなる。すなわち、座面8aの上に、搭乗者が乗った状態で移動体1が移動する。座面8aは平面でもよいし、臀部の形に合わせた形状となっていてもよい。さらに、搭乗席8に背もたれを設けてもよい。乗り心地を向上するために、搭乗席8にクッション性を持たせてもよい。移動体1が水平面上にある場合、座面8aが水平になっている。力センサ9は、搭乗者の体重移動を検知する。すなわち、力センサ9は、搭乗席8の座面8aに加わる力を検出する。そして、力センサ9は、座面8aに加わる力に応じた計測信号を出力する。力センサ9は、搭乗席8の下側に配置される。すなわち、車台13と搭乗席8の間に、力センサ9が配設されている。尚、後述するように、搭乗部3には、搭乗者を搭乗席8の所定の位置に規定する搭乗者位置規定部が設けられている。
力センサ9としては、例えば、6軸力センサを用いることができる。この場合、図3に示すように、3軸方向の並進力(SFx、SFy、SFz)と各軸周りのモーメント(SMx、SMy、SMz)を計測する。これらの並進力とモーメントは、力センサ9の中心を原点に取った値である。移動体1のセンサ処理部に出力する計測信号をモーメント(Mx、My、Mz)とし、それらのモーメントの制御座標原点を図2に示す(a、b、c)とすると、Mx、My、Mzは、それぞれ以下のように表すことができる。
Mx=SMx+c・SFy−b・SFz
My=SMy+a・SFz−c・SFx
Mz=SMz+b・SFx−a・SFy
なお、図3は、各軸を説明するための図である。力センサ9として、モーメント(Mx、My、Mz)を計測できるものであればよい。各軸周りのモーメント(SMx、SMy、SMz)を計測できる3軸力センサを制御座標原点に配置して、Mx,My、Mzを直接計測してもよい。また、1軸の力センサを3つ設けてもよい。さらには、歪みゲージや、ポテンショを用いたアナログジョイスティックなどでもよい。すなわち、直接的又は間接的に3軸周りのモーメントを計測できるものであればよい。そして、力センサ9は、3つのモーメント(Mx、My、Mz)を計測信号として出力する。
Mx=SMx+c・SFy−b・SFz
My=SMy+a・SFz−c・SFx
Mz=SMz+b・SFx−a・SFy
なお、図3は、各軸を説明するための図である。力センサ9として、モーメント(Mx、My、Mz)を計測できるものであればよい。各軸周りのモーメント(SMx、SMy、SMz)を計測できる3軸力センサを制御座標原点に配置して、Mx,My、Mzを直接計測してもよい。また、1軸の力センサを3つ設けてもよい。さらには、歪みゲージや、ポテンショを用いたアナログジョイスティックなどでもよい。すなわち、直接的又は間接的に3軸周りのモーメントを計測できるものであればよい。そして、力センサ9は、3つのモーメント(Mx、My、Mz)を計測信号として出力する。
移動体1の本体部分となる車台13には、車輪6、フットレスト10、筐体11、制御計算部51、及びバッテリ52等が設けられている。筐体11は、箱形状を有しており、前方下側が突出している。そして、この突出した部分の上にフットレスト10が配設されている。フットレスト10は、搭乗席8の前方側に設けられている。従って、搭乗者が搭乗席8に搭乗した状態では、搭乗者の両足がフットレスト10上に乗せられている。
筐体11には、駆動モータ603、制御計算部51、及びバッテリ52が内蔵されている。バッテリ52は、駆動モータ603、制御計算部51、及び力センサ9などの各電気機器に電源を供給する。
筐体11には、車輪6が回転可能に取り付けられている。ここでは、円盤上の車輪6が3つ設けられている。車輪6の一部は、筐体11の下面よりも下側に突出している。従って、車輪6が床面と接触している。2つの後輪602は、筐体11の後部に設けられている。後輪602は、駆動輪であり、駆動モータ603によって回転する。すなわち、駆動モータ603が駆動することによって、後輪602がその車軸周りに回転する。後輪602は、左右両側に設けられている。なお、後輪602には、その回転速度を読み取るためのエンコーダが内蔵されている。左の後輪602の車軸と、右の後輪602の車軸は、同一直線上に配置されている。
また、車輪6には前輪601が含まれている。そして、1つの前輪601が筐体11の前部中央に設けられている。従って、Y方向において、2つの後輪602の間に、前輪601が配設されている。X方向において、前輪601の車軸と後輪602の車軸との間に、搭乗席8が設けられている。前輪601は、従動輪(補助輪)であり、移動体1の移動に応じて回転する。すなわち、後輪602の回転によって移動する方向、及び速度に応じて、前輪601が回転する。このように、後輪602の前に補助輪である前輪601を設けることで、転倒を防ぐことができる。前輪601は、フットレスト10の下方に設けられている。
制御計算部51はCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、通信用のインタフェイスなどを有する演算処理装置である。また、制御計算部51は、着脱可能なHDD、光ディスク、光磁気ディスク等を有し、各種プログラムや制御パラメータなどを記憶し、そのプログラムやデータを必要に応じてメモリ(不図示)等に供給する。もちろん、制御計算部51は、物理的に一つの構成に限られるものではない。制御計算部51には、力センサ9からの出力に応じて駆動モータ603の動作を制御するための処理を行う。
次に、移動体1を移動させるための制御系について、図4を用いて説明する。図4は、移動体1を移動させるための制御系の構成を示すブロック図である。まず、力センサ9によって、座面8aにかかる力を検出する。ここでは、上記の通り、力センサ9は、計測信号であるモーメントMx、My、Mzをセンサ処理部53に出力する。センサ処理部53は、力センサ9からの計測信号に対して処理を行う。すなわち、力センサ9から出力される計測信号に対応する計測データに対して、演算処理を行う。これにより、制御計算部51に入力される入力モーメント値(Mx'、My'、Mz')が算出される。なお、センサ処理部53は、力センサ9に内蔵されていてもよく、制御計算部51に内蔵されていてもよい。
このように、力センサ9で計測されたモーメント(Mx、My、Mz)が各軸周りの入力モーメント値(Mx'、My'、Mz')に変換される。そして、入力モーメント値が各後輪602を動作させるために入力される入力値となる。このように、センサ処理部53は、各軸毎に入力値を算出する。入力モーメント値の大きさは、モーメントの大きさに応じて決まる。入力モーメント値の符号は、計測されたモーメントの符号によって決まる。すなわち、モーメントが正の場合、入力モーメント値も正となり、モーメントが負の場合、入力モーメント値も負となる。例えば、モーメントMxが正の場合、入力モーメント値Mx'も正となる。従って、この入力モーメント値が搭乗者の意図する操作に対応する入力値となる。
制御計算部51は、入力モーメント値に基づいて、制御計算を行う。これにより、駆動モータ603を駆動するための指令値が算出される。もちろん、入力モーメント値が大きいほど、指令値が大きくなる。この指令値は、駆動モータ603に出力される。なお、本実施形態では、左右の後輪602が駆動輪であるため、2つの駆動モータ603が図示されている。そして、一方の駆動モータ603が右の後輪602を回転させ、他方の駆動モータ603が左の後輪602を回転させる。駆動モータ603は、指令値に基づいて後輪602を回転させる。すなわち、駆動モータ603は、駆動輪である後輪602を回転させるためのトルクを与える。もちろん、駆動モータ603は、減速機などを介して、後輪602に回転トルクを与えてもよい。例えば、制御計算部51から、指令値として指令トルクが入力された場合、その指令トルクで、駆動モータ603が回転する。これにより、後輪602が回転して、移動体1が所望の方向に、所望の速度で移動する。もちろん、指令値は、トルクに限らず、回転速度、回転数であってもよい。
さらに、駆動モータ603にはそれぞれ、エンコーダ603aが内蔵されている。このエンコーダ603aは、駆動モータ603の回転速度等を検出する。そして、検出された回転速度は、制御計算部51に入力される。制御計算部51は、現在の回転速度と、目標となる回転速度とに基づいてフィードバック制御を行う。例えば、目標回転速度と現在回転速度との差分に、適当なフィードバックゲインを乗じて、指令値を算出する。もちろん、左右の駆動モータ603に出力される指令値は、異なる値であってもよい。すなわち、前方、又は後方に直進する場合は、左右の後輪602の回転速度が同じになるように制御し、左右に旋回する場合は、左右の後輪602が、同じ方向で異なる回転速度になるよう制御する。また、その場旋回する場合は、左右の後輪602が反対方向に回転するように制御する。
例えば、搭乗者が前傾姿勢になると、搭乗席8にピッチ軸周りの力が加わる。すると、力センサ9が+Myのモーメントを検出する(図3参照)。この+Myのモーメントによって、センサ処理部53は、移動体1を並進させるための入力モーメント値My'を算出する。同様に、センサ処理部53は、Mxに基づいて入力モーメント値Mx'を算出し、Mzに基づいて、入力モーメント値Mz'を算出する。すなわち、センサ処理部53は、計測値を入力モーメント値に変換する。これらは、それぞれの独立に算出される。すなわち、Mx'は、Mxのみによって決まり、My'は、Myのみによって決まり、Mz'は、Mzのみのよって決まる。このように、Mx'、My'、Mz'はそれぞれ独立している。
制御計算部51が、入力モーメント値とエンコーダの読み値に基づいて、指令値を算出する。これにより、左右の後輪602が所望の回転速度で回転する。同様に、右方向に曲がる場合は、搭乗者が右側に体重移動する。これにより、搭乗席にロール軸周りの力が加わり、力センサ9が+Mxのモーメントを検出する。この+Mxのモーメントによって、センサ処理部53は、移動体1を右方向に旋回させるための入力モーメント値Mx'を算出する。すなわち、移動体1が移動する方向に対応する舵角が求められる。そして、入力モーメント値に応じて、制御計算部51が指令値を算出する。この指令値に応じて、左右の後輪602が異なる回転速度で回転する。すなわち、左側の後輪602が右側の後輪602よりも速い回転速度で回転する。
このように、My'に基づいて、前後方向の並進移動に対する成分が求められる。すなわち、左右の後輪602を同じ方向に同じ回転速度で駆動するための駆動トルクなどが決定する。従って、My'、すなわち、Myが大きいほど、移動体1の移動速度が速くなる。Mx'に基づいて、移動方向、すなわち、舵角に対する成分が求められる。すなわち、左右の後輪602の回転トルク差が決定される。従って、Mx'、すなわち、Mxが大きいほど、左右の後輪602の回転速度の違いが大きくなる。
Mz'に基づいて、その場旋回に対する成分が求められる。すなわち、左右の後輪602を反対方向に回転させて、その場旋回するための成分が求められる。従って、Mz'、すなわち、Mzが大きいほど、左右の後輪602における反対方向の回転速度が大きくなる。例えば、Mz'が正の場合、上側から見て、左周りにその場旋回する駆動トルクなどが算出される。すなわち、右側の後輪602が前方に回転し、左側の後輪602が同じ回転速度で後方に回転することとなる。
そして、それぞれの入力モーメント値Mx'、My'、Mz'に基づいて算出された3つの成分を合成して、2つの後輪602を駆動するための指令値を算出する。これにより、左右の後輪602に対する指令値がそれぞれ算出される。駆動トルクや回転速度などが指令値として算出される。すなわち、入力モーメント値Mx'、My'、Mz'に対応する成分毎に算出された値を合成することで左右の後輪602に対する指令値が算出される。このように、計測されたモーメントMx、My、Mzに基づいて算出された入力モーメント値Mx'、My'、Mz'によって、移動体1が移動する。すなわち、搭乗者の体重移動によるモーメントMx、My、Mzによって、移動体1の移動方向、及び移動速度が決定する。
このように、搭乗者の動作によって、移動体1を移動させるための入力が行われる。すなわち、搭乗者の姿勢変化によって、各軸周りのモーメントが検出される。そして、これらのモーメントの計測値に基づいて、移動体1が移動する。これにより、搭乗者が、移動体1を簡便に操作することができる。すなわち、ジョイスティックやハンドルなどの操作が不要となり、体重移動のみでの操作が可能となる。例えば、右斜め前方に移動したい場合は、体重を右前方にかける。また、左斜め後方に移動したい場合は、体重を左後方にかける。これにより、搭乗者の重心位置が変化して、その変化量に応じた入力が行われる。すなわち、搭乗者の重心移動に応じたモーメントを検出することで、直感的に操作することができる。制御計算部51は、入力モーメント値の絶対値に応じた移動速度で、入力モーメント値の符号に応じて前方又は後方に移動するように指令値を出力する。
例えば、図5に示すように、力センサ9が設けられた搭乗席8に搭乗者71が搭乗しているとする。なお、図5は、搭乗席8に搭乗者71が搭乗している状態を示す図であり、左側に側面図が、右側に座面8aの平面図が示されている。この場合、座面8aには、搭乗者71の臀部72と大腿部73が接触している。搭乗者71の上体の中立姿勢からの倒れ角に応じて、移動体1の速度が決定する。したがって、搭乗者が上体を傾けるほど、移動体1が高速で移動する。例えば、搭乗者71が上体を大きく傾けると、前進速度が大きくなる。
図5に示すように、搭乗者が予め制約された搭乗位置に座る場合には、搭乗者の意図通りに移動することができる。しかし、搭乗者が予め制約された搭乗位置とは異なる位置に座った場合には、力センサに加わる力やモーメントが異なり、操作感が異なってしまう。よって、搭乗者の意図通りに移動することができず、操作性を向上することができない。そこで、本実施の形態では、図6に示す搭乗者位置規定部の構成を採用する。
図6は、本実施の形態に係る搭乗者位置規定部の構成を示す図である。搭乗者位置規定部は肘掛部20及び背もたれ部21から構成され、搭乗席8には、肘掛部20及び背もたれ部21が設けられている。肘掛部20は、搭乗席8の両側に設けられ、搭乗者の肘を支持する。背もたれ部21は、搭乗席8の後側に設けられ、搭乗者の背中を支持する。すなわち、搭乗者は、肘掛部20及び背もたれ部21により支持される。これにより、搭乗者を搭乗席の所定の位置に規定することができる。従って、予め制約された搭乗位置に対して、搭乗者の座る位置の前後左右のずれを効果的に抑制することができる。よって、搭乗者の意図通りに移動することができ、操作性を向上することができる。尚、肘掛部20及び背もたれ部21の形状は、図6に示した形状に限定されない。例えば、肘掛部20は、座面8aの上方位置に配置され、背もたれ部21の両側から前方に延びるように設けてもよい。
尚、図6においては、搭乗者位置規定部は肘掛部20及び背もたれ部21から構成されるものとして説明したが、肘掛部20及び背もたれ部21の少なくとも一つを有していればよい。すなわち、肘掛部20のみ、または、背もたれ部21のみを有する場合であっても、搭乗者の座る位置のずれを効果的に抑制することができる。また、肘掛部20は、搭乗席8の少なくとも一側に設けるようにしてもよい。
さらに、搭乗者位置規定部は、搭乗者の胴部を保持するシートベルトを有するようにしてもよい。これにより、搭乗者を固定することで、搭乗者の座る位置をより限定することができる。よって、より効果的に搭乗者の座る位置のずれを抑制することができる。
また、本発明は、車輪型の移動体1に限らず、歩行型の移動体においても適用可能である。あるいは、全方向車輪などを用いた移動体1であってもよい。すなわち、車台13などの本体部を床面に対して移動させる移動機構が設けられているものであればよい。
1 移動体、 3 搭乗部、 6 車輪、 601 前輪、 602 後輪、
603 駆動モータ、 603a エンコーダ、 8 搭乗席、
8a 座面、 9 力センサ、 10 フットレスト、 11 筐体、 13 車台、
20 肘掛部、 21 背もたれ部、 51 制御計算部、 52 バッテリ、
603 駆動モータ、 603a エンコーダ、 8 搭乗席、
8a 座面、 9 力センサ、 10 フットレスト、 11 筐体、 13 車台、
20 肘掛部、 21 背もたれ部、 51 制御計算部、 52 バッテリ、
Claims (4)
- 搭乗者の体重移動に応じて移動する移動体であって、
前記搭乗者が搭乗する搭乗席と、
前記搭乗者を前記搭乗席の所定の位置に規定する搭乗者位置規定部と、
前記搭乗席を支持する本体部と、
前記本体部を移動させる移動機構と、
前記搭乗席の搭乗面に加わる力に応じた計測値を出力するセンサと、
前記センサからの出力に応じて、前記移動機構を駆動するための指令値を算出する制御計算部と、を備えた移動体。 - 前記搭乗者位置規定部が、
前記搭乗者の背中を支持する背もたれ部を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の移動体。 - 前記搭乗者位置規定部が、
前記搭乗者の肘を支持する肘掛部を有する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の移動体。 - 前記搭乗者位置規定部が、
前記搭乗者の胴部を保持するシートベルトを有する
ことを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項に記載の移動体。
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---|---|---|---|
JP2008234564A JP2010068680A (ja) | 2008-09-12 | 2008-09-12 | 移動体 |
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---|---|---|---|
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Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04201793A (ja) * | 1990-11-30 | 1992-07-22 | Honda Motor Co Ltd | 不安定車両の走行制御装置 |
JPH07136957A (ja) * | 1993-11-10 | 1995-05-30 | Fujitsu Ltd | インタフェイス装置 |
JPH1023613A (ja) * | 1996-07-04 | 1998-01-23 | Yamaha Motor Co Ltd | 電動式移動体 |
JP2004129435A (ja) * | 2002-10-04 | 2004-04-22 | Sony Corp | 搬送装置、制御方法、及び駆動機構 |
JP2007319940A (ja) * | 2006-05-30 | 2007-12-13 | Toyota Motor Corp | 脚式搭乗型ロボット |
-
2008
- 2008-09-12 JP JP2008234564A patent/JP2010068680A/ja active Pending
Patent Citations (5)
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