JP2010066381A - 波長可変テラヘルツ波発生装置 - Google Patents

波長可変テラヘルツ波発生装置 Download PDF

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裕 小山
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ラガム スリニバサ
Tadao Tanabe
匡生 田邉
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Abstract

【課題】周波数に係わらずテラヘルツ波の出力を向上させた発生装置の実現。
【解決手段】第1励起光を放射する第1励起光源51と、第1励起光との周波数差がテラヘルツ帯域である第2励起光を放射する第2励起光源52と、出力されるテラヘルツ波の周波数に応じて、第1励起光と第2励起光の成す角度が位相整合角となるよう角度を調整して混合させる角度調整手段64と、2つの前記増幅光が位相整合角を成して入射し、差周波混合によってテラヘルツ波を放射する非線形光学結晶65と、非線形光学結晶に入射する第1励起光及び第2励起光のスポット径を、調整するスポット径調整手段70、71、64とを備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、非線形光学結晶を用いて差周波混合によりテラヘルツ波を生成するテラヘルツ波発生装置に関する。特に、高出力を得ることができる装置に関する。
近年、電波と光との境界の電磁波であるテラヘルツ波が注目され、テラヘルツ波を用いた分光技術やイメージング技術について研究開発がなされている。
テラヘルツ波の発生には、パラメトリック素子を用いた差周波による発生法、非線形素子を用いたパラメトリック発振器による発生法、半導体基板に形成された光伝導アンテナや電気光学(Electro-Optical )効果を有する結晶にピコ秒〜フェムト秒の短パルスレーザ光を入力して発生する方法がある。
非線形光学結晶を用いた差周波数の発生を利用するものが知られている(たとえば、特許文献1〜3)。これは、周波数差がテラヘルツ帯域である2つの励起光を位相整合条件を満たすようにして非線形光学結晶に入射させ、差周波混合によってテラヘルツ波を発生させるものである。
GaPなどの等方性の非線形光学結晶を用いる場合は、複屈折性を利用して位相整合させることができないため、2つの励起光に微小な角度を持たせるノンコリニア位相整合を行っている。GaP結晶の場合のノンコリニア位相整合について、特許文献1、3に詳しく記載されている。
非線形光学効果の一つである差周波発生を利用する方法では、ポンプレーザ、信号レーザと呼ぶ周波数の異なる2つのパルス光をテラヘルツ電磁波発生用結晶である半導体GaP、GaSe結晶などに入射することにより、その周波数の差に相当する単色コヒーレントテラヘルツ波の発生が可能となる。これらテラヘルツ光源により、物質のテラヘルツ帯におけるスペクトル測定やイメージングを行うことで、分子の同定、食品・医薬品の検査等の非破壊検査、癌組織の発見などが可能となる。
2つのレーザパルス光を用いてテラヘルツ電磁波を発生するには、ポンプ光、信号光、そしてテラヘルツ電磁波が位相整合条件を満たす必要がある。屈折率が等方的であるGaP結晶などを使う場合、2つの入射ビームに所定の角度を持たせる必要がある。これらのテラヘルツ波は、例えば、分光分析に用いる場合には、波長が広帯域において連続して変化できることが必要である。
特開2004−318028 特開2006−91802 特開2007−133339
しかしながら、上記のテラヘルツ波発生装置において、出力されるテラヘルツ波の出力が小さいために、室温動作の検出器を使用することができない。また、GaPをテラヘルツを発生させるための非線形光学結晶とする場合には、0.3〜7.5THzの帯域のテラヘルツ波を発生させることができるが、その出力は、2THzをピークにして、その両サイドの周波数帯において出力は徐々に低下する。そのため、1THz以下および6.5THz以上の周波数領域をスペクトル測定するには積算回数を多くする必要がある。積算回数が多くなると、イメージングや分光分析などに要する計測時間が長くなるという問題がある。測定時間が長くなることは、測定中に場の環境が変われば、正確な分光分析ができないことを意味する。
そこで本発明の目的は、出力されるテラヘルツ波の出力を向上させることである。それにより、分光分析などの測定を短時間で、実行可能として、正確な測定値を得られるようにすることである。
第1の発明は、波長可変のテラヘルツ波を発生させるテラヘルツ波発生装置において、第1励起光を放射する第1励起光源と、第1励起光との周波数差がテラヘルツ帯域である第2励起光を放射する第2励起光源と、出力されるテラヘルツ波の周波数に応じて、第1励起光と第2励起光の成す角度が位相整合角となるよう角度を調整して混合させる角度調整手段と、2つの励起光が位相整合角を成して入射し、差周波混合によってテラヘルツ波を放射する非線形光学結晶と、非線形光学結晶に入射する第1励起光及び第2励起光のスポット径を、調整するスポット径調整手段とを備えたことを特徴とするテラヘルツ波発生装置である。
第2の発明は、波長可変のテラヘルツ波を発生させるテラヘルツ波発生装置において、第1励起光を放射する第1励起光源と、第1励起光との周波数差がテラヘルツ帯域である第2励起光を放射する第2励起光源と、第1励起光と第2励起光とを合波させて合波光を生成する合波手段と、合波光を2つに分割する分割手段と、分割手段により分割された2つの合波光の成す角度が位相整合角となるように角度を調整して混合させる角度調整手段と、2つの合波光が位相整合角を成して入射し、差周波混合によって同時に2方向にテラヘルツ波を放射する非線形光学結晶と、非線形光学結晶に入射する第1励起光及び第2励起光のスポット径を、調整するスポット径調整手段とを備えてたことを特徴とするテラヘルツ波発生装置である。
本第1、第2発明において、スポット径調整手段は、位相整合角に応じて変化させることが望ましい。また、スポット径調整手段は、位相整合角及び非線形光学結晶の長さに応じて、変化させることが望ましい。さらに、その場合には、スポット径調整手段は、スポットの直径Rmmを、非線形光学結晶の長さLmm、位相整合角θ、比例定数αを用いて、
で制御することをが望ましい。
また、非線形光学結晶の光の伝搬方向の長さは、所定のスポットの直径に対して、出力されるテラヘルツ波の出力が最大となる長さに設定されていることが望ましい。出力が最大となる非線形光学結晶の長さは、テラヘルツ波の周波数に依存するので、それが、単一周波数であれば、所定のスポットの直径に対して、その周波数で最大出力が得られる長さに設定される。また、ある周波数帯域幅で、周波数を変化させて使用する場合には、例えば、平均周波数において、最大出力となるように設定しても、また、可変周波数帯域の全体における積分出力が最大となるように、非線形光学結晶の長さを設定するようにしても良い。また、周波数が高い程、テラヘルツ波の非線形光学結晶内部での損失が大きくなるので、可変周波数帯域の最大周波数で最大出力となるように、非線形光学結晶の長さを設定するようにしても良い。
第1の発明が、第1励起光と第2励起光とを、別々の光路を伝搬させて、両者を位相整合角となるように角度調整して、非線形光学結晶に入射させるようにしたのに対して、第2の発明は、第1励起光と第2励起光とを、一旦、合波して、その合波光を2分割して、分割されたそれぞれの合波光を、位相整合角となるように角度調整して、非線形光学結晶に入射させている。
また、第1の発明においては、角度調整手段の前段に、第1励起光と第2励起光とを、それぞれ、増幅する増幅器を設け、角度調整手段は、それぞれの増幅器の出力する第1励起光と第2励起光の角度調整をすることが望ましい。増幅器には、ファイバーアンプを用いることができる。また、第2の発明においては、第1励起光と第2励起光とを合波した後、その合波光を分割する前に、増幅器、ファイバーアンプを設けることが望ましい。
また、第1の発明及び第2の発明において、第1励起光源は、DFBレーザ、又は、DBRを用いた半導体レーザであり、第2励起光源は、外部共振器型半導体レーザであることが望ましい。一般的に、モードホップがない場合には、波長可変幅は狭いが、モードホップがある場合には、連続的に波長を可変することはできないが、不連続であっても可変し得る波長範囲は広い。したがって、本第1の発明及び第2の発明において、第1励起光源には、モードホップがなく連続して可変できる所定の第1波長掃引幅を有した光源を用い、第2励起光源には、モードホップを有し、第1波長掃引幅よりも狭い間隔で、離散的に発振波長を可変設定できる光源を用いれば十分であり、その種類には限定されない。DFB(分布帰還型)半導体レーザ、又は、DBR(分布ブラッグ反射型)半導体レーザは、温度制御により、屈折率を変化させることで、モードホップがなく1THz程度の連続した波長可変幅を実現することができるので、第1励起光源として最適である。また、外部共振器型半導体レーザは、回折格子と外部共振器とを用いて共振光を半導体にフィードバックさせて発振させるレーザであり、回折格子への入射角により、共振波長を変化させるものである。このため、共振波長幅が狭く、次の共振波長との間で、モードホップがあり、連続して波長を変化させることができない。しかし、不連続であっても、波長を可変設定できる範囲は広いので、第2励起光源として最適である。この場合、周波数幅は、外部共振器型半導体レーザの種類にもよるが、5〜15GHz、又は、1〜4MHz程度であり、モードホップの周波数間隔も5〜15GHz、又は、1〜4MHz程度である。
また、第1発明及び第2発明において、スポット径調整手段は、非線形光学結晶の入射面上において、2つのビームの直径が最適値となるように調整するレンズとレンズの位置を変化させる手段で構成するのが望ましい。さらに、非線形光学結晶には、GaP結晶を用いることができる。
本発明では、出力させたい周波数に応じてテラヘルツ波を発生させる非線形光学結晶におけるビームのスポット径を、出力されるテラヘルツ波の周波数、したがって、位相整合角に応じて変化させることにより、非線形光学結晶の光の進行方向の全長において、2つの励起光を結合させることで、出力されるテラヘルツ波の出力を最大とすることができる。この結果、高出力化によりスペクトル測定におけるS/N比を向上させることができる。また、S/N比を向上させることができる結果、スペクトル測定を、より短時間に行うことができる。
以下、本発明の具体的な実施例について図を参照して説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
本発明は、出力されるテラヘルツ波の周波数が可変であることには限定されないが、テラヘルツ波の周波数を広帯域で連続的に可変できる装置において、最大出力を得るようにした例を説明する。まずは、出力されるテラヘルツ波の周波数が広帯域で可変できる原理について説明する。図1(a)に示すように、第1励起光の連続した波長可変幅である第1波長掃引幅の下限値λL と上限値λu を、c/(f10−Δf10)、c/(f10+Δf10)とする。ただし、cは光速度、f10は、中心周波数、2Δf10は、周波数での掃引幅である。波長掃引幅の中心波長λ10は、c/f10であり、波長掃引幅2Δλ10は、次式を満たす。
Δf10≪f10であるから、
次に、第1波長掃引幅内での第1励起光の周波数と、波長を、それぞれ、f1 (x)、λ1 (x)として、第2励起光の周波数をf2 (y)、波長をλ2 (y)とし、得られるテラヘルツ波の周波数をf3 (x,y)、波長をλ3 (x,y)とする。次の関係式が成立する。ただし、とり得るx、yの値に対して、f2 (y)>f1 (x)とする。また、xは、第1波長掃引幅内での第1励起光の周波数を決定するインデックス、yは、第2励起光の設定される周波数を決定するインデックスである。
Δf1 (x)は、第1励起光の中心周波数f10から測定した偏差周波数である。
また、波長については、次式が成立する。
ただし、f3 (x,y)、λ30(x,y)は、それぞれ、出力されるテラヘルツ波の、第1励起光の周波数を変化する場合の中心周波数、中心波長である。
また、第2励起光の設定される周波数の間隔は、第1波長掃引幅の周波数幅2Δf10以下とする。
すなわち、
とする。また、yの値の最小値を1、最大値をkmax とし、第2励起光の可変設定幅の最小値をf2 (1)、その最大値をf2 (kmax )とする。
なお、第2励起光は、モードホップがあり、連続して周波数が可変できる幅と、その実現できる周波数の隣接周波数間隔の最小値は、通常は、5〜15GHz程度であり、第1波長掃引幅に対応する周波数幅2Δf10や、第2励起光の可変設定周波数幅f2 (kmax )−f2 (1)に比べて、十分に短い。したがって、(7)式を満たすように、(7)式の等号の場合も含めて、第2励起光の周波数、波長を選択することができる。
第2励起光は、図1(b)のように、f2 (1),f2 (2),…f2 (k),…f2 (kmax )のように、離散的に周波数を設定することができる。もちろん、f2 (1),f2 (2),…,f2 (k)の間においても、離散的な周波数で発振させることが可能である。図1(b)のように、任意の周波数間隔で、第2励起光の周波数を設定する。
今、第2励起光の周波数をf2 (y)に設定して、第1励起光の周波数を第1波長掃引幅において、変化させたとする。すると、Δf1 (x)は、−Δf10からΔf10へと変化するので、出力されるテラヘルツ波の周波数f3 は、(5)式から明らかなように、f30(y)+Δf10からf30(y)−Δf10へと変化する。
第2励起光の設定周波数をf2 (1)に設定して、第1励起光の周波数を変化させると、出力されるテラヘルツ波の周波数の可変範囲は、図1(c)に示すA1の領域となる。また、第2励起光の設定周波数をf2 (2)に設定して、第1励起光の周波数を変化させると、出力されるテラヘルツ波の周波数の可変範囲は、図1(c)に示すA2の領域となる。そして、これらを繰り返して、第2励起光の設定周波数をf2 (kmax )に設定して、第1励起光の周波数を変化させると、出力されるテラヘルツ波の周波数の可変範囲は、図1(c)に示すAkmax の領域となる。
第2励起光の可変設定できる周波数間隔f2 (k+1)−f2 (k)は、第1励起光の波長掃引幅に対応した周波数掃引幅2Δf10以下にできるので、出力されるテラヘルツ波の周波数可変幅A1,A2,…Ak,…Akmax は、連続することになる。
一方、出力されるテラヘルツ波の出力と、非線形光学結晶に入射する第1励起光と第2励起光の電力I1 (x)、I2 (x)と、それらのビームの重なり部分の断面積S(x)との間には、次式が成立する。ただし、xは、非線形光学結晶の入射面を原点に、光の進行方向を正にとった座標であり、S(0)は、光の入射面における2つの励起光の重なりの断面積である。ただし、積分範囲は、2つの励起光のスポットの重なりがある範囲、又は、非線形光学結晶の光の進行方向の長さのうち短い方とする。
S(x)は、位相整合角θに依存する。
(8)式を変形すると、次式となる。
ただし、ITHz はテラヘルツ波の出力、A(θ)は、位相整合角θの関数である比例定数である。A(θ)が等しい場合には、第1励起光と第2励起光の非線形光学結晶の入射面での重畳するスポットの断面積S(0)が小さくなる程、テラヘルツ波の出力は、大きくなることが理解される。また、位相整合角θがあるために、非線形光学結晶の内部の光路において、2つの励起光の重なっている面積は、光の進行方向に沿って小さくなり、θが大きい程、2つの励起光の重なりの長さが短くなるので、出力が減少する。その減少が、A(θ)で表される。
また、図2に示すように、第1励起光と第2励起光は、入射面Q1から、等しいビーム断面積Sで、位相整合角θで、非線形光学結晶に入射するとする。この時、非線形光学結晶の入射面Q1から測定した、第1励起光と第2励起光のビームが重なっている光路の長さを光路長β(以下、この長さを結合長という)とする。結合長β、ビームの直径R、位相整合角θとの関係は、次式となる。
図3は、結合長βと位相整合角θとの関係を、スポットの直径Rをパラメータとして、表した特性曲線である。位相整合角θが大きい程、結合長βは短く、また、スポットの直径Rが大きい程、結合長は長くなることが理解される。
この結合長βの光路からテラヘルツ波が発生される。非線形光学結晶の長さLが結合長βよりも長いと、第1励起光と第2励起光とが重畳していない光路が存在し、この非結合光路は、テラヘルツ波に対しては、損失を与えることになる。非線形光学結晶に、GaPを用いる場合には、低周波数側において支配的な自由キャリアによるテラヘルツ波の吸収は小さく、高周波数側において支配的なフォノンによるテラヘルツ波の吸収は大きい。したがって、非結合光路が長いと、高周波数領域になる程、損失が大きくなる。換言すれば、非線形光学結晶の長さLの増加に対して、テラヘルツ波の出力が最大となる長さLS が存在することになり、その最適長さLS は、テラヘルツ波の周波数が高くなる程、短くなる。
そこで、本発明は、最適長さLS を、出力するテラヘルツ波の周波数に応じて、結合長βから求める。
ただし、全結合長βにおいて、両励起光は、入射面のスポット断面積で、結合している分けではなく、結合断面積は、光の進行方向に沿って徐々に低下するので、徐々に、結晶の各部分は、テラヘルツ波の放出に寄与するよりは、損失に寄与する方が大きくなる。このため、最適長さLS は、結合長βよりも短い。したがって、LS ≦β,α≧1である。
また、非線形光学結晶の長さを最適長さLS に設定すると、その後は、出力されるテラヘルツ波の周波数が変化しても、この長さを変化させることはできない。非線形光学結晶の長さが最適長さLS に固定された場合には、結合長βは、(10)式により、スポットの直径Rが小さくなるほど、短くなり、逆に、非結合光路の長さは、スポットの直径Rが小さくなるほど、長くなる。すなわち、この結合長の観点からは、スポットの直径Rが小さくなるほど、損失が増大し、出力されるテラヘルツ波の出力は低下することになる。一方、(9)式から、2つの励起光の重なりの最大断面積S(0)が小さい程、2つの励起光の電力密度が高くなり、テラヘルツ波の出力は増大するから、非線形光学結晶の長さが最適長さLS に固定されている場合には、最大出力を得るためのスポットの最適直径Rが存在することになる。そして、その最適直径Rは、位相整合角θ、すなわち、テラヘルツ波の周波数の関数となる。テラヘルツ波の周波数が大きくなると、結合長βが短くなるので、損失は増加することになるため、周波数が高い程、最適直径Rは、大きくなる。一方、スポットの直径Rが大きくなると、結合長が長くなり、この結合長が、非線形結晶の長さを越えると、テラヘルツ波に変換できる有効長が短くなり、出力は低下する。このことから、テラヘルツ波の周波数によらず、結合長βが一定となるように、テラヘルツ波の周波数に応じてスポットの直径Rを制御することで、広帯域において、最大出力が得られる。
本発明では、非線形光学結晶の最適長さLS とテラヘルツ波の周波数で決定される位相整合角θとから、第1励起光と第2励起光のスポットの直径Rを制御するものである。これにより、最大出力を得るようにした。
図4に、実施例1にかかるテラヘルツ波発生装置の構成を示す。テラヘルツ波発生装置50は、DFB半導体レーザから成る第1励起光源51と、外部共振型半導体レーザから成る第2励起光源52とを有する。第1励起光源51と第2励起光源52は、それぞれ、1/2波長板53、54を介して、ファイバーアンプ55、56に接続されている。ファイバーアンプ55、56の出力は、それぞれ、レンズ57、58を介して、ミラー59、60に、接続されている。ミラー59により反射された第1励起光は、1/2波長板62を通過して、ミラー63により反射されて、偏光ビームスプリッタ64に入射する。また、ミラー60により反射された第2励起光が1/2波長板61を通過して、偏向ビームスプリッタ64に入力している。偏向ビームスプリンタ64に入射した第1励起光と第2励起光とは、GaP結晶65に入射している。偏光ビームスプリッタ64が本発明の角度調整手段に相当し、GaP結晶65が本発明の非線形光学結晶に相当している。
ファイバーアンプ55、56は、Ybをドープした光ファイバ増幅器である。レンズ57、58は、焦点距離500mmである。このレンズ57、58は、それぞれ、位置調整装置70、71により、光軸方向の位置を調整することが可能となっている。レンズ57、58の光軸方向の位置を調整することで、それらの焦点位置を調整し、それぞれ、ファイバーアンプ55、56から出力される第1励起光及び第2励起光のGaP結晶65の入射面Q1でのビームの直径Rが制御可能となっている。この位置調整装置70、71は、スポット径調整手段を構成する。
偏光ビームスプリッタ64は、三角プリズムの斜面に誘電体多層膜を形成し、2つの三角プリズムを斜面で接着したキューブ型の素子である。偏光ビームスプリッタ64は回転及び光軸方向とその光軸方向に垂直な方向に移動させることができる。たとえば、回転可能に支持された偏光ビームスプリッタ64を1軸ステージ上に乗せることで、回転角度と位置の制御が可能である。偏光ビームスプリッタ64は、その回転、移動を制御することで、第1励起光と第2励起光との成す角度と重なる位置を調整して混合するものである。また、偏光ビームスプリッタ64の回転角、位置によっても、第1励起光及び第2励起光のGaP結晶65の入射面Q1上のスポットの直径Rを制御することも可能である。
GaP結晶65は(110)面で研磨されている。この(110)面が光の入射面となる。実施例1のテラヘルツ波発生装置は、このGaP結晶65に2つの励起光を入射させて差周波混合を生じさせることによりテラヘルツ波を発生させるものである。GaP結晶65は等方性の非線形光学結晶であり、複屈折性を有していないため、2つの励起光に角度を持たせて行う位相整合(ノンコリニア位相整合)によって位相整合条件を満たすようにする。
ミラー59、60、63は、いずれも光の照射方向を制御するためのものであり、1/2波長板53、54、61、62は、いずれも光の偏光方向を調整するためのものである。このテラヘルツ波発生装置50は、GaP結晶65から第1励起光と第2励起光との差周波数のテラヘルツ波を発生させることができるものである。
次に、本テラヘルツ波発生装置50により、広帯域に渡り、出力されるテラヘルツ波の周波数、波長を変化させる方法を説明する。
まず、第2励起光源52の回折格子への励起光の入射角を制御することで、第2励起光の周波数をf2 (k)に設定する。次に、第1励起光源51の温度を制御することで、第1励起光の周波数をf10+Δf10から、f10−Δf10へと2Δf10の範囲で変化させる。すると、出力されるテラヘルツ波の周波数はf2 (k)−f10−Δf10から、f2 (k)−f10+Δf10へと幅2Δf10で変化する。すなわち、f2 (k)−f10を中心周波数として、その中心周波数からΔf10だけ低い周波数から、その中心周波数からΔf10だけ高い周波数まで、出力されるテラヘルツ波の周波数を連続的に変化させることができる。
次に、第2励起光源52を制御して、第2励起光源の周波数を第2励起光の周波数をf2 (k+1)に設定する。次に、上記の場合と同様に、第1励起光源51の温度を制御することで、第1励起光の周波数をf10+Δf10から、f10−Δf10へと2Δf10の範囲で変化させる。すると、出力されるテラヘルツ波の周波数はf2 (k+1)−f10−Δf10から、f2 (k+1)−f10+Δf10へと幅2Δf10で変化する。すなわち、f2 (k+1)−f10を中心周波数として、その中心周波数からΔf10だけ低い周波数から、その中心周波数からΔf10だけ高い周波数まで、出力されるテラヘルツ波の周波数を連続的に変化させることができる。f2 (k+1)−f2 (k)≦2Δf10に設定されているので、f2 (k)−f10−Δf10からf2 (k)−f10+Δf10までの周波数領域と、f2 (k+1)−f10−Δf10からf2 (k+1)−f10+Δf10までの周波数領域とは、一部領域が重複するが、連続した領域となる。このように、第2励起光の周波数f2 (k)を順次、変化させて、同様に第1励起光の周波数を温度制御により掃引することで、出力されるテラヘルツ波の周波数は広帯域において連続した周波数となる。
また、f2 (k+1)−f2 (k)=2Δf10に、第2励起光の周波数f2 (k)を設定することで、出力されるテラヘルツ波の周波数は、周波数領域に重なりを生じることなく、連続させることができる。この条件は、第2励起光源のモードホップ間隔が15GHz程度と、出力されるテラヘルツ波の周波数に比べて小さいために、容易に満たすことができる。
図5は、第2励起光の周波数f2 (k)を285.11THzに設定して、第1励起光の中心周波数f10を283.55THzに設定して、周波数掃引幅2f10を0.5THzとして、出力されるテラヘルツ波を用いて、空気の吸収スペクトルを測定したものである。1.55THz〜2.05THzまで、周波数が連続的に変化していることが分かる。
図5の出力されるテラヘルツの帯域を、第2励起光の周波数を順次変化させて、第1励起光の波長を第1波長掃引幅で掃引することで、図6に示すように、1〜7THzの広帯域において、出力されるテラヘルツ波の波長を連続的に変化させることができる。
テラヘルツ波の周波数が変化すると、位相整合角θが変化する。非線形光学結晶がGaPの場合には、周波数fと位相整合角θは、図7に示すような関係にある。したがって、第1励起光、第2励起光の周波数を変化させる時、出力されるテラヘルツ波の周波数に応じて、偏光ビームスプリッタ64の回転角度、位置を制御する。すなわち、図7の特性から、得るテラヘルツ波の周波数fに対応した位相整合角θを読取り、この位相整合角θが実現されるように、偏光ビームスプリッタ64の回転角度、位置が制御される。これは、コンピュータ制御により自動化することが可能である。偏光ビームスプリッタ64及びこの回転角及び位置を制御する装置が角度調整手段を構成する。
テラヘルツ波の可変周波数範囲が、例えば、1.5〜8.0THzの場合に、最大周波数8.0THzで、スポットの初期直径を最大値とし、その状態で、最大出力が得られるようにGaP結晶65の長さが決定されている。周波数8.0THzにおける位相整合角は、θ=240分であるので、(10)式によりスポットの初期直径Rに対して、結合長βが求められる。これに、非結合長における減衰を考慮して、αを1.2として、GaP結晶65の長さが、最適長さLS であるβ/1.2に設定されている。
このように設定された状態で、出力されるテラヘルツ波の周波数fが変化する時、それに応じて、(1)式により、スポットの直径Rを決定して、位置調整手段70、71を制御して、レンズ57、58の焦点位置を調整して、スポットの直径Rが制御される。すなわち、周波数によらず結合長βが一定となるようにスポットの直径Rが周波数に応じて変化される。これにより、周波数が低くなると位相整合角θが小さくなり、結合長βが長くなるところ、これを一定とするために、スポットの直径Rを小さくする。このようにして、テラヘルツ波の出力を、全可変範囲において、増大させることができる。
なお、上記では、最大周波数において、最大出力が得られるようにGaP結晶65の最適長さLS とスポットの初期直径Rを調整したが、次のようにしても良い。スポットの初期直径Rを可変範囲の最小値とし、その状態で、最小周波数において最大出力が得られるようにGaP結晶65の最適長さLS を決定する。そして、出力されるテラヘルツ波の周波数が増大すると、位相整合角θが増大し結合長βが減少しようとするが、この結合長βを一定にするために、スポットの直径Rを増大させるようにしてもよい。また、可変範囲の中央周波数において、スポットの初期直径を可変範囲の中央値に設定して、その状態で、最大出力が得られるようにGaP結晶65の最適長さLS 設定しても良い。そして、テラヘルツの周波数を増大させる場合には、結合長βが一定となるように、スポットの直径Rを増大させ、テラヘルツの周波数を減少させる場合には、結合長βが一定となるように、スポットの直径Rを減少させる。これにより、周波数可変の全範囲において、テラヘルツ波の出力を増大させることができる。
図8、図9は、スポットの直径Rを0.7mmの一定にした状態で、位相整合角θと、出力との関係をGaP結晶65の長さをパラメータとして測定した特性図である。中心周波数が2THzの場合には、GaP結晶65の長さが20mmから2.5mmへと短くなるに連れて、出力が低下していることが分かる。図8の特性では、2THzの周波数では、最適長さLS が20mm以上であることが分かる。また、図9の特性では、3THzでの出力が最大となる最適長さLS は、10mmであることが理解される。すなわち、最適長さは、10mmであり、それよりもGaP結晶の長さが長くても短くても、出力が低下することが理解される。
また、図10は、スラヘルツ波の周波数をパラメータとして、GaP結晶の長さと出力との関係を示した特性図である。3THzの場合には、GaP結晶の最適長さLs は、10mm、2.75THzの場合には、GaP結晶の最適長さLs は、10mm、2.52THzの場合には、GaP結晶の最適長さLs は、15mm程度、2THz、1.5THzの場合には、GaP結晶の最適長さLs は20mmよりも長いことが理解される。
実施例2は、同時に2方向にテラヘルツ波を発生させることができ、そのテラヘルツ波の周波数が可変であるテラヘルツ波発生装置である。図11は、実施例2のテラヘルツ波発生装置の構造について示した図である。テラヘルツ波発生装置1は、第1励起光源11と、第2励起光源10と、無偏光ビームスプリッタ12と、ファイバーアンプ13と、レンズ14と、レンズ14の焦点位置を変化させる位置調整装置30、偏光ビームスプリッタ15、16と、GaP結晶17と、ミラー18〜20と、1/2波長板21〜24と、を備えている。また、無偏光ビームスプリッタ12が本発明の合波手段に相当し、偏光ビームスプリッタ15が本発明の分割手段に相当し、偏光ビームスプリッタ16が本発明の角度調整手段に相当し、GaP結晶17が本発明の非線形光学結晶に相当している。
第1励起光源11は、実施例1と同様にDFB半導体レーザである。また、第2励起光源10は、実施例1と同様に外部共振型半導体レーザである。ファイバーアンプ13は、Ybをドープした光ファイバ増幅器であり、無偏光ビームスプリッタ12からの合波光を増幅させるものである。
レンズ14は、焦点距離500mmである。位置調整装置30により、レンズ14の光軸方向の位置を調整することで、GaP結晶17の入射面Q1における、ファイバーアンプ13からの合波光のスポットの直径Rが制御される。この位置調整装置30は、スポット径調整手段を構成する。
無偏光ビームスプリッタ12および偏光ビームスプリッタ15、16は、三角プリズムの斜面に誘電体多層膜を形成し、2つの三角プリズムを斜面で接着したキューブ型の素子である。偏光ビームスプリッタ16は回転及び光軸方向とそれに垂直な方向に移動させることができる。たとえば、回転可能に支持された偏光ビームスプリッタ16を1軸ステージ上に乗せることで、回転角の制御と位置の制御が可能である。無偏光ビームスプリッタ12に入射した光は、その偏光状態によらずに反射光と透過光とが合成される。偏光ビームスプリッタ15、16に入射した光は、反射光と透過光に分割され、その反射光と透過光の偏光方向は互いに直交する。無偏光ビームスプリッタ12は、第2励起光と第1励起光とを合波するためのものである。偏光ビームスプリッタ15は、第2励起光と第1励起光との合波光を2つに分割するものである。偏光ビームスプリッタ16は、その回転、移動を制御することで、2つの合波光の成す角度と重なる位置を調整して混合するものであり、2つの励起光の位相整合角θや、スポットの直径Rを制御するものである。
GaP結晶17は(110)面で研磨されている。この(110)面が光の入射面となる。実施例1のテラヘルツ波発生装置は、このGaP結晶17に2つの励起光を入射させて差周波混合を生じさせることによりテラヘルツ波を発生させるものである。GaP結晶17は等方性の非線形光学結晶であり、複屈折性を有していないため、2つの励起光に角度を持たせて行う位相整合(ノンコリニア位相整合)によって位相整合条件を満たすようにする。
ミラー18〜20はいずれも光の照射方向を制御するためのものであり、1/2波長板21〜24はいずれも光の偏光方向を調整するためのものである。このテラヘルツ波発生装置は、GaP結晶17から第1励起光と第2励起光との差周波数のテラヘルツ波を2方向に同時に発生させることができるものである。
以下、テラヘルツ波発生装置によるテラヘルツ波発生の動作についてより詳しく説明する。第1励起光源11から放射される第1励起光は、1/2波長板21を通したのち、無偏光ビームスプリッタ12に入射させる。一方、第2励起光源10から放射される第2励起光は、1/2波長板22を通して、ミラー18により反射させて、無偏光ビームスプリッタ12に入射させる。これにより、偏光方向が揃った状態で第1励起光および第2励起光を合波させ、合波光を出力させる。
次に、無偏光ビームスプリッタ12から出力された合波光をファイバーアンプ13に入射させ、合波光を増幅させる。
次に、レンズ14によって合波光を集光し、位置調整装置30により、レンズ14の光軸方向の位置を調整して、GaP結晶17の入射面Q1におけるスポットの直径Rが制御される。
次に、偏光ビームスプリッタ15によって合波光を、合波光A、Bの2つに分割する。一方の合波光Aは、1/2波長板23を通して偏光ビームスプリッタ16に入射させる。他方の合波光Bは、ミラー19によって反射させ、1/2波長板24を透過し、さらにミラー20によって反射させたのち、偏光ビームスプリッタ16に入射させる。そして、偏光ビームスプリッタ16によって、GaP結晶17において2つの合波光A、Bが角度を成して混合するようにする。合波光A、Bの成す角度および重なる位置は、偏光ビームスプリッタ16を回転、移動させることで制御することができる。合波光A、Bの成す角度は位相整合条件を満たすように制御する。
2つの合波光A、Bは、GaP結晶17の(110)面に重ね合わせて入射させる。(110)面に入射させるのは、他の結晶面よりも効率よくTOフォノンが励起され、効率よくテラヘルツ波を発生させることができるからである。また、合波光A、Bの偏光方向は、一方が[001]軸方向となるように、他方が[1−10]軸方向となるようにする。これは、ラマン選択則から導かれるフォノンの励起効率に優れるからである。いずれの現象もGaP結晶のフォノン−ポラリトンの分散曲線から説明される。
GaP結晶17中では差周波混合によってフォノン−ポラリトンが励起され、第2励起光と第1励起光との差周波数のテラヘルツ波が発生する。図12は、GaP結晶17中における第1励起光、第2励起光、およびテラヘルツ波(フォノン−ポラリトン)の波数ベクトルの関係を示した図である。図12中において、ks は合波光A中の第1励起光の波数ベクトル、kp は合波光B中の第2励起光の波数ベクトル、ks ’は合波光B中の第1励起光の波数ベクトル、kp ’は合波光A中の第2励起光の波数ベクトル、q、q’は発生するテラヘルツ波の波数ベクトルを示している。q=kp −ks 、q’=kp ’−ks ’である。この図12のように、第2励起光の波数ベクトルと第1励起光の波数ベクトルとの差kp −ks 、kp ’−ks ’がテラヘルツ波の波数ベクトルq、q’と一致するときに位相整合条件が満たされる。2本の合波光A、Bを入射させているため、一方の合波光B中の第2励起光と他方の合波光A中の第1励起光によるテラヘルツ波(q=kp −ks 、図12(a)参照)と、一方の合波光A中の第2励起光と他方の合波光B中の第1励起光によるテラヘルツ波(q’=kp ’−ks ’、図12(b)参照)の2波が発生し、GaP結晶17からそれぞれ異なる方向に放射される。すなわち、qとkp との成す角度と、q’とkp ’との成す角度が等しく、kp +kp ’の方向に対して対称的な2方向にテラヘルツ波が出力される。
また、レンズ14によってシグナル光およびポンプ光を同時に集光しているため、GaP結晶17において合波光A、Bのビーム形状はほぼ円形となる。そのため、合波光A、Bを効率的に重ね合わせることができる。
以上のように、実施例2のテラヘルツ波発生装置からは、同時に2方向にテラヘルツ波が発生する。したがって、実施例2のテラヘルツ波発生装置を用いて分光装置を構築すれば、テラヘルツ波を光学部品を用いて分割して参照光を生成する必要がないので、低コストに分光装置を構築することができ、また高精度に分光測定を行うことができる。
実施例2においても、実施例1と同様に、広い波長帯域において、出力されるテラヘルツ波の波長を連続的に変化させることができ、テラヘルツ波の周波数に係わらず、出力を最大とすることができる。またなお、上記実施例では非線形光学結晶としてGaP結晶を用いたが、差周波混合によってテラヘルツ波を発生させ、ノンコリニア位相整合により位相整合条件を満たすことができる非線形光学結晶であれば他のものを用いてもよい。たとえば、LiNbO3 結晶などを用いることができる。
本発明のテラヘルツ波発生装置は、分光法などに用いることができる。
実施例1のテラヘルツ波発生装置の原理を示した説明図。 第1励起光と第2励起光の結合長を示した説明図。 位相整合角と結合長との関係を励起光のスポットの直径をパラメータとして表した特性図。 実施例1のテラヘルツ波発生装置の構成を示した図。 実施例1の装置により出力されるテラヘルツ波を用いた空気のスペクトラム吸収特性の測定図。 広帯域で波長が可変であることを示す出力されるテラヘルツ波の周波数帯域を示した説明図。 GaP結晶における位相整合角と出力されるテラヘルツ波の周波数との関係を示した特性図。 スポットの直径Rを一定にした状態で、位相整合角θと、出力との関係をGaP結晶の長さをパラメータとして測定した特性図。 スポットの直径Rを一定にした状態で、位相整合角θと、出力との関係をGaP結晶の長さをパラメータとして測定した特性図。 スラヘルツ波の周波数をパラメータとして、GaP結晶の長さと出力との関係を示した特性図。 実施例2のテラヘルツ波発生装置の構成を示した図。 波数ベクトルの関係を示した図。
符号の説明
51、11:第1励起光源
52、10:第2励起光源
12:無偏光ビームスプリッタ
13:ファイバーアンプ
14:レンズ
15、16:偏光ビームスプリッタ
17:GaP結晶

Claims (6)

  1. 波長可変のテラヘルツ波を発生させるテラヘルツ波発生装置において、
    第1励起光を放射する第1励起光源と、
    前記第1励起光との周波数差がテラヘルツ帯域である第2励起光を放射する第2励起光源と、
    出力されるテラヘルツ波の周波数に応じて、前記第1励起光と前記第2励起光の成す角度が位相整合角となるよう角度を調整して混合させる角度調整手段と、
    2つの前記励起光が位相整合角を成して入射し、差周波混合によってテラヘルツ波を放射する非線形光学結晶と、
    前記非線形光学結晶に入射する前記第1励起光及び第2励起光のスポット径を、調整するスポット径調整手段と
    を備えたことを特徴とするテラヘルツ波発生装置。
  2. 波長可変のテラヘルツ波を発生させるテラヘルツ波発生装置において、
    第1励起光を放射する第1励起光源と、
    前記第1励起光との周波数差がテラヘルツ帯域である第2励起光を放射する第2励起光源と、
    前記第1励起光と前記第2励起光とを合波させて合波光を生成する合波手段と、
    前記合波光を2つに分割する分割手段と、
    前記分割手段により分割された2つの合波光の成す角度が位相整合角となるように角度を調整して混合させる角度調整手段と、
    2つの合波光が位相整合角を成して入射し、差周波混合によって同時に2方向にテラヘルツ波を放射する非線形光学結晶と、
    前記非線形光学結晶に入射する前記第1励起光及び第2励起光のスポット径を、調整するスポット径調整手段と
    を備えたことを特徴とするテラヘルツ波発生装置。
  3. 前記スポット径調整手段は、前記位相整合角に応じて変化させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のテラヘルツ波発生装置。
  4. 前記スポット径調整手段は、前記位相整合角及び前記非線形光学結晶の長さに応じて、変化させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のテラヘルツ波発生装置。
  5. 前記スポット径調整手段は、スポットの直径Rmmを、非線形光学結晶の長さLmm、位相整合角θ、比例定数αを用いて、
    で制御することを特徴とする請求項4に記載のテラヘルツ波発生装置。
  6. 前記非線形光学結晶の光の伝搬方向の長さは、出力されるテラヘルツ波の出力が最大となる長さに設定されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載のテラヘルツ波発生装置。
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