JP2010064734A - 自動車のチャイルドシート用の安全装置 - Google Patents

Abstract

【課題】急ブレーキや事故の場合に必要とされる安全性と子供の乗車快適性を備える、自動車のチャイルドシート用の安全装置を提供する。
【解決手段】自動車のチャイルドシート用の安全装置は、座面部１２、背もたれ部及びアームレスト１５を有し、少なくとも１つのキャッチ部材１６を備え、このキャッチ部材は、チャイルドシートに座った子供の両大腿部上方に略横設され、アームレスト１５の長手方向に調節可能に装着されている。キャッチ部材１６の調節方向１８は、後方から前方へ向かって大となる角度ａで、特に座面部１２に対して５°乃至２０°で動く。
【選択図】図５

Description

本発明は、座面と背もたれ、追加的にアームレストを具備した自動車チャイルドシートの安全装置に関し、この安全装置は、チャイルドシートに座る子供の大腿部上方に略横設された少なくとも１つのキャッチ部材を含み、このキャッチ部材は座面に対して略平行に調節可能に装着されている。

このような安全装置は既に知られており、例えばドイツ特許出願第１０３５１９１８Ａ１号明細書やドイツ特許第１９８５５０３２Ｃ１号明細書に開示されている。ドイツ特許出願第１０３５１９１８Ａ１号明細書に開示された構成では、自動車が減速した場合、キャッチ部材が子供へ移動する。このように、車が実質上減速すると、子供の体の動きや揺れが更に制限されたり、阻止されるので、事故時の子供安全性が向上される。

ドイツ特許出願第１９８５５０３２Ｃ１号明細書に開示された構成は、第一に快適性を向上させることを目的としている。キャッチ部材は、子供の上げ下ろしに便利な２つの折り畳み式の部材を備える。更に、子供の体格に合わせるために、キャッチ部材はチャイルドシートのアームレストの長手方向に摺動可能に装着されている。

しかし、これだけでは、子供の体格に合わせて調整するのに充分ではない。

従って、本発明の課題は、急ブレーキや事故の場合に必要とされる安全性と子供の乗車快適性を備える、自動車のチャイルドシート用の安全装置を提供することにある。

この課題は、請求項１の特徴部分に記載された発明によって解決され、更に好適な詳細と展開は従属請求項に記載されている。

本発明における一つの態様によれば、キャッチ部材の調節方向が、後方から前方へ向かって大となる所定角度で、０°より大、特に座面に対して５°乃至２０°の所定角度で動く。これにより、キャッチ部材は、水平方向及び垂直方向において、より適切に子供の体格に合わせて調節できる。

好ましくは、キャッチ部材は、無段階或いは段階式に調節可能である。後者の場合、好ましくは、キャッチ部材は、各調節段階でロックできる。適切なロック装置の構成については、請求項５乃至７に記載される。

請求項１０には、特殊な***材について記載があるが、この安全装置は、上述の発明と組み合わせても、単独でも実施可能である。つまり、キャッチ部材は、衝撃力が加わると塑性変形して衝撃エネルギーの大部分を吸収し分散する部材を備えている。この塑性変形部材は、チャイルドシートのキャッチ部材の長手方向ガイド手段の一部として構成することもできる。或いは、このような塑性変形部材を、胸部支持領域、又はキャッチ部材がチャイルドシートへ装着する領域に設けることもできる。

本発明における他の態様によれば、キャッチ部材が車体の安全ベルトを収容する点が特徴であり、従って、キャッチ部材を装着したチャイルドシートは、車の座席に固定することができる。この点について、キャッチ部材は以下の２つの機能を満たす。

- 車の安全ベルトを収容する手段として機能するので、車の座席にチャイルドシートを固定することができる。

- 子供の体格に合わせて調整して子供を座部に保持する保持部として機能できる。

図１は、キャッチ部材を備えたチャイルドシートの斜視図である。 図２は、パッドカバーをはずし、本発明に基づいて構成されたキャッチ部材を装着したときの、図１で示したチャイルドシートの座部の側面を示す。 図３は、図２に対応しており、キャッチ部材が前方／上方に僅かに動いたとき（中間位置）の状態を示す。 図４は、図２に対応しており、キャッチ部材が座部に対して前方に最大限に動いたとき（座席に対してキャッチ部材の高さと奥行きが最大）の状態を示す。 図５は、図２に対応しており、座部に対するキャッチ部材の動きを線図で示す。 図６は、キャッチ部材の前面図である。 図７は、キャッチ部材の断面斜視図であり、ロック解除状態のロック機構を示す。 図８は、図７に対応しており、ロック状態のロック機構を示す。

以下、本発明に基づく安全装置の好適な実施例について、添付した図面を参照して詳細に説明し、本発明の更なる観点についても説明する。

〔実施例〕
図１は、例えば自動車の後部座席等の車両座部へ装備することを意図したチャイルドシート１０を示す。このチャイルドシートは、座面部１２を備えた座部１１と、ヘッドレスト１４と２つのアームレスト１５を備えた背もたれ１３を備え、この場合、これらは座部１１に一体的に連結している。更に、チャイルドシート１０は、キャッチ部材１６と関連し、このキャッチ部材は、チャイルドシートに座った子供の両大腿部上方に略横設され、アームレスト１５の長手方向に対して調節可能に装着されている。横木状のキャッチ部材の前面側に、車両に装備された安全ベルト、特には、三点式安全ベルトを部分的に収容するためのスロット状溝１７が設けられている。この場合は、安全ベルトの水平部分と斜傾部分がこのスロット状溝１７を通っている。従って、チャイルドシート１０は安全ベルトによって車両座部に保持されている。

キャッチ部材１６は、好ましくは、略Ｕ字形状の断面の中空又は発泡の本体を有し、本体部は前面に向かって開口し、上記ベルト収容部（スロット状溝）１７を画定する。子供に面する側において、即ち、背もたれ１３に面する側と座面１２に面する側において、キャッチ部材１６は装填されている。

冒頭で述べたように、キャッチ部材１６は、胸部支持領域又はチャイルドシート装着領域において、特にチャイルドシートの両アームレスト１５上に、衝撃力を受けると塑性的に変形可能な部材を含むこともできる。この構成の安全性に関わる点については、冒頭で述べた通りである。

図２は、パッドやカバーを取外した状態の、座部１１のみの側面図を示している。図２で明らかなように、座部１１に対応するアームレスト１５は、座部と一体的に結合している。キャッチ部材１６は連結部１９を介してアームレスト１５に取付けられている。

連結部１９へのキャッチ部材１６の連結は、キャッチ部材１６が双方向矢印１８の方向に 前後可動となるように実現されている。この相対移動は、図２を図３及び図４に比較すると分かる。図２では、キャッチ部材１６は最も後ろの位置、即ち、背もたれと座面に最も近い位置にある。図３では、キャッチ部材１６は所定距離Ｘ_１だけ前方に摺動した状態でロックされている。図４では、キャッチ部材１６は、最も前方の位置にある。このときに移動距離はＸ_２で表示されている。

図２乃至図４さらに図５に示すように、キャッチ部材１６の調節方向は、座面１２に対して予め決めておくことも可能であり、後から自由に調節することも可能である。そのときの角度ａは、０°より大であって後方から前方に向かって大となり、特に座面１２対して５°乃至２０°（図５参照）である。従って、キャッチ部材は、チャイルドシートに座る子供の体格に合わせて、胸部及び大腿部領域において最適に調整することができる。換言すれば、本発明では、キャッチ部材１６の高さ及び奥行きは調節可能であり、即ち、子供の胸部に対する奥行き調整と大腿部に対する高さ調整が可能である。図５において、２つずつある当該の胸部支持領域と大腿部接触領域は夫々、符号２０、２０’及び符号２１、２１’で示されている。

図示の実施例では、キャッチ部材１６は段階式に調節可能に設けられ、その際、座部や背もたれ部に対するキャッチ部材１６の位置の固定は、インターロック連結、特に連結部１９とキャッチ部材１６との間のロック機構によって達成される。好適な実施例では、ロック機構は少なくとも２つ、特に４乃至８つ、好ましくは少なくとも５つのロック位置を有する。従って、各連結部１９は、ロック部材、特に棒状のロック部材２２（図７及び図８参照）を備える。該ロック部材は弾性的に付勢され、即ち、例えば引張ばねの弾性によって付勢されて、キャッチ部材１６上に調節方向に等間隔に配置された、少なくとも２つ、ここでは５つのロック凹部２３内に嵌合可能である。

各連結部１９のロック部材２２は、外側からアクセス可能なプッシュボタン２４（図６参照）によって作動可能に接続されている。図７に模式的に示すように、図６の矢印２５の方向へ押圧すると、ロック部材２２は弾性付勢に抗して嵌合解除位置、即ちキャッチ部材取り外し位置に動くようになっている。この位置は、棒状ロック部材２２が対応のロック凹部２３との嵌合を解除した位置である。

それに対し、図８では棒状ロック部材２２は、ロック位置にある５つのロック凹部２３の１つの中に入っている。

プッシュボタン２４とロックバー２２との間の作動連結は、従来の方法で達成され、好適にはガイドトラックによって実現される。

更に言及すると、キャッチ部材１６は、弾性部材、特に引張ばね２６の作用に抗し、背もたれ１３と座面１２に最も近い位置から、更に遠い位置へ移動調節可能である。この引張ばね２６は、図７及び図８に示されている。これは、プッシュボタン２４を作動させ、ロック部材２２及び２３のロックを解除すると、引張ばね２６によってキャッチ部材１６が多少自動的に後退し、図２で示した位置まで移動することを示す。

上述したロック位置によって、キャッチ部材はどのロック位置においても座席に対して堅固に連結される。

アームレスト１５を含む座部は、プラスチック材からなる一体化部材であり、適当なパッドカバーで被覆されている。背もたれ部は、従来の方法で、座部上に形成されているか、連結されている。

本出願書面において開示した全ての特徴は、これらが従来技術に対して個別又は組み合わせでも新規なものであるかぎり、本発明にとって重要なこととして特許を請求する。

１０ チャイルドシート
１１ 座部
１２ 座面部
１３ 背もたれ部
１４ ヘッドレスト
１５ アームレスト
１６ キャッチ部材
１７ 安全ベルト収容溝
１８ 双方向矢印
１９ 連結部
２０、２０’ 胸部支持領域
２１、２１’ 脚部接触領域
２２ ロック部材（ロック棒材）
２３ ロック溝
２４ プッシュボタン
２５ 矢印
２６ 引張ばね

Claims (12)

1. 座面部（１２）、背もたれ部（１３）を有し、少なくとも１つのキャッチ部材（１６）を備え、前記キャッチ部材は、チャイルドシートに座った子供の両大腿部上方に略横設され、座面に対して略平行方向に調節可能に装着されている、自動車のチャイルドシート（１０）用の安全装置であって、
   前記キャッチ部材（１６）の調節方向（１８）は、後方から前方へ向かって大となる角度（ａ）で、０°より大、特に座面部（１２）に対して５°乃至２０°で動くことを特徴とする安全装置。
2. 前記キャッチ部材（１６）は、無段階調節或いは段階調節可能であることを特徴とする請求項１に記載の安全装置。
3. 前記キャッチ部材（１６）の相対位置は、力学的な結合及び/又はインターロックによって固定可能であることを特徴とする請求項１又は２に記載の安全装置。
4. 前記キャッチ部材（１６）は、前記アームレスト（１５）に結合された連結部（１９）に、特に連結用チークにて、前記座面（１２）と前記背もたれ部（１３）に対して少なくとも２つの異なる位置で前記チャイルドシート（１０）にロック可能であることを特徴とする請求項３に記載の安全装置。
5. 前記キャッチ部材の長手方向ガイド手段は、４乃至８、特に５つのロック位置を有することを特徴とする請求項４に記載の安全装置。
6. 前記各連結部（１９）は、キャッチ部材（１６）上に調節方向に互いに離れて配設された少なくとも２つのロック溝（２３）内に弾性的に付勢されて嵌合可能であるロック部材（２２）を備えることを特徴とする請求項４又は５に記載の安全装置。
7. 各ロック部材（２２）は、プッシュボタン（２４）或いは外側からアクセス可能な類似の作動部材と作動可能に連結しており、前記作動部材の作動（矢印２５）は、前記ロック部材（２２）を、弾性付勢に抗して嵌合解除位置、即ち、キャッチ部材取り外し位置に移動するように構成されていることを特徴とする請求項６に記載の安全装置。
8. 前記キャッチ部材（１６）は、弾性部材、特にバネ（２６）の作用に抗し、背もたれ（１３）や座面（１２）に最も近い位置から遠い位置へ移動調節可能であることを特徴とする請求項１乃至７の何れか１項に記載の安全装置。
9. 前記キャッチ部材（１６）は、子供の胸部や両大腿部に面し、胸部支持領域（２０、２０’）と脚部接触領域（２１、２１’）を画定するパット部を備えることを特徴とする請求項１乃至８の何れか１項に記載の安全装置。
10. 前記キャッチ部材（１６）は、特に、胸部支持領域及び/又はチャイルドシートへの装着領域において、特に、前記２つのアームレスト（１５）上に、衝撃力を受けると塑性的に変形可能な部材を有することを特徴とする請求１乃至９に記載の安全装置。
11. 前記キャッチ部材（１６）は、背もたれ（１３）から遠い側において、自動車に装備されている安全ベルト、特に三点式安全ベルトの水平部分と斜傾部分を収容する溝（１７）を有することを特徴とする請求項１乃至１０の何れか１項に記載の安全装置。
12. 前記キャッチ部材（１６）は、装着状態で前面に向かって開口し、スロット状ベルト収容部を画定する、略Ｕ字形状の断面を有する中空の胴部を備えることを特徴とする請求項１乃至１１の何れか１項に記載の安全装置。

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