JP2010060682A - 中間転写ベルト及び製造方法 - Google Patents

中間転写ベルト及び製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2010060682A
JP2010060682A JP2008224347A JP2008224347A JP2010060682A JP 2010060682 A JP2010060682 A JP 2010060682A JP 2008224347 A JP2008224347 A JP 2008224347A JP 2008224347 A JP2008224347 A JP 2008224347A JP 2010060682 A JP2010060682 A JP 2010060682A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
intermediate transfer
layer
transfer belt
carbon dioxide
belt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008224347A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Aoto
淳 青戸
Chiaki Tanaka
千秋 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2008224347A priority Critical patent/JP2010060682A/ja
Publication of JP2010060682A publication Critical patent/JP2010060682A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Color Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】基材上に複数の層を積層してなる層を形成、特に弾性層を含む層を形成する中間転写ベルトにおいて、各層の間の接着性を均一かつ確実に接着させた中間転写ベルトを提供すること。
【解決手段】像担持体上に順次形成される複数のカラートナー現像画像を中間転写ベルト上に順次重ね合わせて一次転写を行ない、該一次転写画像を被記録媒体に一括して二次転写する電子写真装置に装備されるベルト構成部用の中間転写ベルトの製造方法において、前記中間転写ベルトは基材である第1層及び、その上に最表面層を含む単層または複数層からなる第2層を積層して成り、該最表面層以外の前記第1層及び第2層のうちの少なくとも1層以上の層が、超臨界二酸化炭素下又は亜臨界二酸化炭素下で、プライマー処理した後に各層を積層することを特徴とする中間転写ベルトの製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真に用いられる中間転写ベルト及びその製造方法に関するものである。
電子写真装置においては、その装置内においてさまざまな用途、機能で中間転写ベルト部材が用いられている。例えば、定着ベルト、転写ベルト、紙搬送ベルトなどが挙げられる。
その中でも、フルカラー電子写真装置において、感光体上に形成された4色のトナー画像を一旦、中間転写ベルトに転写することにより中間転写ベルト上にフルカラー画像を形成し、その後に紙などの転写媒体に一括転写する方式における中間転写ベルトがある。中間転写ベルトは、複写機のフルカラー化が進み需要が急増している。
中間転写ベルトとしては、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂、ゴムやエラストマーなどの材料が使用されている。
しかしながら、本方式においては、高速性を得るため、中間転写ベルトに対峙する各色の色現像装置を直列に配置したタンデム方式と言われる方式が主流となっている。本プロセスに使用される中間転写ベルトは、走行中に変形による色重ねずれが生じず、繰返し使用に耐えうる高強度のものが要求され、また、難燃性も要求されるため、ポリイミド樹脂やポリアミドイミドが好ましく用いられている。
また、ポリイミド樹脂をベースとして、表面特性を改良する目的で積層構成としたものや、ゴムやエラストマーなどの弾性層を積層するといったものもある。
特に、近年、電子写真装置に対する高画質化の要求に伴い、さまざまな表面形状を形成した凹凸のある模様の用紙などに対しても均一に画像を形成することが望まれている。
このような用紙へ対応するために、中間転写ベルトとして柔軟性が求められ、上記のようなゴムやエラストマーなどによる弾性層を積層するものが検討されている。
特許文献1では、金属やポリイミド等のプラスチック基材上にシリコンゴム層を形成するためにエポキシ接着剤やシリコン系プライマーを接着剤として用いることが記載されている。
特許文献2〜5では、ゴム層とフッ素ゴム層を接着させるために規定の接着層を設けることが記載されている。
特許文献6、7では、シリコーンゴムとフッ素ゴムを接着させるためにアミノ系シランカップリング剤やチタン酸カップリング剤をプライマーとして用いることが記載されている。
いずれも接着剤層を形成する構成であるため、十分な接着性を得るためには接着剤層を十分かつ均一に塗布する必要がある。
特に、本発明で用いるポリイミドやエポキシ−シリコーン共重合体に対しては、これらの方法では十分な接着性が得られない。
特公平1−1028号公報 特開平9−73234号公報 特開平9−73235号公報 特開平9−73236号公報 特開平9−73237号公報 特開平8−30117号公報 特開平8−30118号公報
本発明は、上記従来技術の問題を解決するものであり、基材上に複数の層を積層してなる層を形成、特に弾性層を含む層を形成する中間転写ベルトにおいて、各層の間の接着性を均一かつ確実に接着させた中間転写ベルトを提供するものである。
本発明者らは鋭意検討した結果、電子写真用中間転写ベルトを積層するにあたり、各層の表面をプライマー機能を有する材料を含む超臨界二酸化炭素下または亜臨界二酸化炭素下にて処理させることによって効果的に実現できることを見出した。
すなわち、上記課題は、以下の本発明によって解決される。
(1)像担持体上に順次形成される複数のカラートナー現像画像を中間転写ベルト上に順次重ね合わせて一次転写を行ない、該一次転写画像を被記録媒体に一括して二次転写する電子写真装置に装備されるベルト構成部用の中間転写ベルトの製造方法において、前記中間転写ベルトは基材である第1層及び、その上に最表面層を含む単層または複数層からなる第2層を積層して成り、該最表面層以外の前記第1層及び第2層のうちの少なくとも1層以上の層が、超臨界二酸化炭素下又は亜臨界二酸化炭素下で、プライマー処理した後に各層を積層することを特徴とする中間転写ベルトの製造方法。
(2)前記プライマーが、積層される層の間の接着性を改善するものであることを特徴とする請求項1に記載の中間転写ベルトの製造方法。
(3)像担持体上に順次形成される複数のカラートナー現像画像を中間転写ベルト上に順次重ね合わせて一次転写を行ない、該一次転写画像を被記録媒体に一括して二次転写する電子写真装置に装備されるベルト構成部用の中間転写ベルトにおいて、前記中間転写ベルトは基材である第1層及び、その上に最表面層を含む単層または複数層からなる第2層が積層されて成り、最表面層以外の前記第1層及び第2層のうちの少なくとも1層以上の層が、超臨界二酸化炭素下又は亜臨界二酸化炭素下で、プライマーにて処理されることにより形成されたものであることを特徴とする中間転写ベルト。
(4)ポリイミド樹脂を含む基材と、エポキシ−シリコーン共重合体を含む第2層とを有し、該基材はシランカプリング剤を含む超臨界二酸化炭素下にてプライマー処理された後に、前記第2層が積層されたものであることを特徴とする前記(3)に記載の中間転写ベルト。
(5)ポリイミド樹脂を含む基材と、エポキシ−シリコーン共重合体を含む中間層およびフッ素系またはシリコーン系樹脂を含む最表面層からなる第2層とを有し、該第2層は、シランカップリング剤を含む超臨界二酸化炭素下にて前記中間層が処理された後に前記最表面層に積層されたものであることを特徴とする前記(3)に記載の中間転写ベルト。
(6)像担持体上に順次形成される複数のカラートナー現像画像を中間転写ベルト上に順次重ね合わせて一次転写を行ない、該一次転写画像を被記録媒体に一括して二次転写するベルト構成部を装備した電子写真装置において、前記中間転写ベルトは、前記(3)乃至(5)のいずれかに記載の中間転写ベルトであることを特徴とする電子写真装置。
以下の詳細かつ具体的な説明から明らかなように、本発明によれば、高い生産性で、環境にやさしく、簡単に均一かつ効果的な接着性表面とすることができ、複数層を形成するに当たり、接着性の良好な積層体を構成することができ、
また、本発明によれば、中間転写ベルトとして好ましい層構成のものとすることができ、
さらにまた、本発明によれば、高品質画像の電子写真装置とすることができるという極めて優れた効果を奏するものである。
[基材(第1層)]
本発明で用いる電子写真用中間転写ベルトに用いる樹脂としては、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアルキレンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ABSやPVdF、ETFE等のフッ素系樹脂等の熱可塑性樹脂、エステル系、オレフィン系、アミド系、ジエン系、シリコン系等の熱可塑性エラストマー、エポキシ系、フェノール系、ウレタン系、イミド系、シリコーン系等の熱硬化性樹脂、その他、アクリロニトリルゴム、クロロプレンゴム、クロロスルホン化エチレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、エピクロルヒドリンゴム等のゴムなどのものが使用される。
この中で、まず基材としては装置内での変形がなく、機械強度の耐久性に優れ、また、難燃性の面でフッ素系樹脂、イミド系樹脂が好ましく用いられる。さらに好ましくは、ポリイミド、ポリアミドイミド樹脂が適用される。
その上に積層される弾性層としては、シリコーン系やフッ素系のゴムやエラストマー、、ウレタンゴム、アクリロニトリルゴム、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、エピクロルヒドリンゴム、クロロスルホン化エチレンゴムなどが用いられる。
この中で、環境面や成形加工性の面で、シリコーン系のゴムまたはエラストマーが好ましい。さらに本発明では、エポキシ−シリコーン共重合体を好適に用いる。
表面層としても前述した一般的な各樹脂が適用できるが、トナーの離型性や耐摩耗性などの観点からフッ素系、シリコーン系樹脂が好ましい。
まず、本発明の中間転写ベルトの基材および表層に好適に用いられるポリイミド樹脂について説明する。
本発明におけるポリイミド樹脂による中間転写ベルトは、有機極性溶媒を用いたポリイミド前駆体からなる溶液を塗布液とし、本塗布液を型に塗布することによって成形されるものが好ましく用いられる。
本発明における塗工液の組成分であるポリイミド前駆体の加熱処理(イミド化)により生成するポリイミドについて詳しく説明する。
<ポリイミド>
本発明に用いられるポリイミドは、まず一般的に知られている芳香族多価カルボン酸無水物あるいはその誘導体と芳香族ジアミンとの反応によって、ポリアミック酸(ポリイミド前駆体)を経由して得られる。
すなわち、ポリイミドは、その剛直な主鎖構造により溶媒等に対して不溶であり、また不融の性質を持つため、酸無水物と芳香族ジアミンから、まず有機溶媒に可溶なポリイミド前駆体(ポリアミック酸、またはポリアミド酸)を合成し、この段階で様々な方法で成型加工が行なわれ、その後ポリアミック酸を加熱もしくは化学的な方法で脱水反応させて環化(イミド化)しポリイミドとする。反応の概略を下記化学反応式に示す。
Figure 2010060682

(式中、Arは少なくとも1つの炭素6員環を含む4価の芳香族残基を示し、Arは少なくとも1つの炭素6員環を含む2価の芳香族残基を示す。)
上記芳香族多価カルボン酸無水物の具体例としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシルフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらは単独あるいは2種以上混合して用いられる。また、エチレンテトラカルボン酸二無水物やシクロペンタンテトラカルボン酸二無水物のような他の(非芳香族系の)多価カルボン酸無水物を、本発明の目的を損なわない範囲(50モル%未満の範囲)で、併用することができる。
次に、前記多価カルボン酸無水物と反応させる芳香族ジアミンの具体例としては、例えば、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルホキシド、ビス(3−アミノフェニル)スルホン、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、1,1−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,1−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−エタン、1,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、2,2−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホキシド、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホキシド、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、1,4−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、1,3−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、4,4’−ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ジフェニルエーテル、4,4’−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ジフェニルエーテル、4,4’−ビス〔4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ〕ベンゾフェノン、4,4’−ビス〔4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ〕ジフェニルスルホン、ビス〔4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル〕スルホン、1,4−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ〕−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン、1,3−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン等が挙げられる。これらは単独または2種以上を混合して使用される。
上記多価カルボン酸無水物成分とジアミン成分とを略等モル用いて有機極性溶媒中で重合反応させることにより、ポリイミド前駆体(ポリアミック酸)を得ることができる。下記にポリアミック酸の製造方法について具体的に説明する。
なお、ポリアミック酸の重合反応に使用される有機極性溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、フェノール、o−、m−、またはp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフェノール系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコール系溶媒、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系あるいはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンなどを挙げることができ、これらを単独あるいは混合溶媒として用いるのが望ましい。溶媒は、ポリアミック酸を溶解するものであれば特に限定されないが、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンが特に好ましい。
ポリイミド前駆体を製造する場合の例として、まず、アルゴン、窒素などの不活性ガス雰囲気下において、1種あるいは複数種のジアミンを上記の有機溶媒に溶解するか、あるいはスラリー状に拡散させる。この溶液に前記した少なくとも1種の芳香族多価カルボン酸無水物あるいは、その誘導体を添加(固体状態のままでも、有機溶媒に溶解した溶液状態でも、スラリー状態でもよい)すると、発熱を伴って開環重付加反応が起こり、急速に溶液の粘度増大が見られ、高分子量のポリアミック酸溶液が得られる。この際の反応温度は、−20℃〜100℃、望ましくは60℃以下に制御することが好ましい。反応時間は、30分〜12時間程度である。
上記は一例であり、反応における上記添加手順とは逆に、まず前記多価カルボン酸無水物あるいはその誘導体を有機溶媒に溶解または拡散させておき、この溶液中に前記ジアミンを添加させてもよい。ジアミンの添加は、固体状態のままでも、有機溶媒に溶解した溶液状態でも、スラリー状態でもよい。すなわち、酸二無水物成分と、ジアミン成分との混合順序は限定されない。さらには、芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとを同時に有機極性溶媒中に添加して反応させてもよい。
上記のようにして、前記多価カルボン酸無水物あるいはその誘導体と、前記ジアミン成分とをおよそ等モル、有機極性溶媒中で重合反応することにより、ポリアミック酸組成物が有機極性溶媒中に均一に溶解した状態でポリイミド前駆体溶液が得られる。
本発明におけるポリイミド前駆体溶液(ポリアミック酸溶液)は、上記のようにして合成したものを使用することが可能であるが、簡便には有機溶媒にポリアミック酸組成物が溶解された状態の、いわゆるポリイミドワニスとして上市されているものを入手して使用することもできる。
このような例としては、トレニース(東レ社製)、U−ワニス(宇部興産社製)、オプトマー(JSR社製)、SE812(日産化学社製)、CRC8000(住友ベークライト社製)等が代表的なものとして挙げられる。
合成あるいは入手したポリアミック酸溶液に、前記無機充填材を混合・分散し、さらに本発明におけるシロキサン化合物(ポリジメチルシロキサンまたはアルキレンオキサイド変性ポリメチルシロキサン)を添加混合して塗工液が調製される。塗工液を後述のように支持体(成形用の型)に塗布した後、加熱等の処理することにより、ポリイミド前駆体であるポリアミック酸からポリイミドへの転化(イミド化)が行なわれる。
すなわち、ポリアミック酸は、加熱する方法(1)、または化学的方法(2)によってイミド化することができる。加熱する方法(1)は、ポリアミック酸を200〜350℃に加熱処理することによってポリイミドに転化する方法であり、ポリイミド(ポリイミド樹脂)を得る簡便かつ実用的な方法である。一方、化学的方法(2)は、ポリアミック酸を脱水環化試薬(カルボン酸無水物と第3アミンの混合物など)により反応した後、加熱処理して完全にイミド化する方法であり、(1)の加熱する方法に比べると煩雑でコストのかかる方法であるため、通常(1)の方法が多く用いられている。
しかしながら最近では、(2)の方法の一種であるが、イミダゾールやキノリンなどのアミン類を触媒としてワニスに含有させることによって乾燥時におけるイミド化を促進させる方法がとられることも多い。ポリイミドの本来的な性能を発揮させるためには、相当するポリイミドのガラス転移温度以上に加熱して、イミド化を完結させることが必要であるが、これによると、より低温でイミド化が促進され、機械的耐久性も向上すると言われている。しかし、これらの触媒は極少量であり、乾燥中に分解・昇華するものもあるが、不純物として残留するものもあり好ましくない。
イミド化の進行状況(イミド化の程度)は、通常行なわれているイミド化率の測定手法により評価することができる。
このようなイミド化率の測定方法としては、例えば、9〜11ppm付近のアミド基に帰属される1Hと6〜9ppm付近の芳香環に帰属される1Hとの積分比から算出する核磁気共鳴分光法(NMR法)、フーリエ変換赤外分光法(FT−IR法)、イミド閉環に伴う水分を定量する方法、カルボン酸中和滴定法など種々の方法が用いられているが、中でもフーリエ変換赤外分光法(FT−IR法)は最も一般的な方法である。
フーリエ変換赤外分光法(FT−IR法)では、イミド化率を、例えば、次のように定義する。
すなわち、焼成段階(イミド化処理段階)でのイミド基のモル数を(A)とし、100%イミド化された場合(理論的)のイミド基のモル数を(B)とすると、次により表される。
Figure 2010060682
この定義におけるイミド基のモル数は、FT−IR法により測定されるイミド基の特性吸収の吸光度比から求めることができる。例えば、代表的な特性吸収として、以下の吸光度比を用いてイミド化率を評価することができる。
(1)イミドの特性吸収の1つである725cm−1(イミド環C=O基の変角振動帯)と、ベンゼン環の特性吸収1,015cm−1との吸光度比。
(2)イミドの特性吸収の1つである1,380cm−1(イミド環C−N基の変角振動帯)と、ベンゼン環の特性吸収1,500cm−1との吸光度比。
(3)イミドの特性吸収の1つである1,720cm−1(イミド環C=O基の変角振動帯)と、ベンゼン環の特性吸収1,500cm−1との吸光度比。
(4)イミドの特性吸収の1つである1,720cm−1とアミド基の特性吸収1,670cm−1(アミド基N−H変角振動とC−N伸縮振動の間の相互作用)との吸光度比。
また、3000〜3300cm−1にかけてのアミド基由来の多重吸収帯が消失していることを確認すればさらにイミド化完結の信頼性は高まる。
本発明においては、前記のようなポリイミド前駆体溶液だけでなく、あらかじめイミド化されており、かつ有機極性溶媒に可溶であるいわゆる溶剤可溶ポリイミドを用いることもできる。
このようなものとしては、リカコート(新日本理化)、ブロック共重合ポリイミド(ピーアイ技研)等がある。
本発明の塗布液では、上記ポリイミドのみならず、必要に応じて他の樹脂成分を含有しても良い。また、レベリング剤、滑剤、酸化防止剤、触媒等の種々の添加剤を用いても良い。
次に、本発明の塗工液の組成分として含有される充填材について説明する。
充填材としては、有機、無機の一般的なものが使用可能である。
本発明における中間転写ベルト、特に、中間転写ベルトとして用いる場合には充填材として抵抗調整機能を有する抵抗調整材を用いる。抵抗調整材は、中間転写ベルトを所定の抵抗値に調整する必要上、添加が欠かせない。
抵抗制御剤としては、カーボンブラック、黒鉛、あるいは、銅、スズ、アルミニウム、インジウム等の金属や、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、アンチモンをドープした酸化スズ、スズをドープした酸化インジウム等の金属酸化物微粉末などが挙げられる。また、これらにイオン電導性抵抗制御剤として、テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジル、アンモニウム塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルサルフェート、グルセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエステル、アルキルベタイン、過塩素酸リチウムなどを用いてもよい。また導電性高分子であるポリエーテルアミドやポリエーテルエステルアミド、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリンなどを用いても良い。なお、本発明における抵抗制御剤は、これらの例示化合物に限定されるものではない。
本発明においては、上記抵抗制御剤のうち、カーボンブラックが好ましく用いられる。
カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッキェンブラック、チャネルブラックなどのものが使用できるが、これらの表面を酸化処理した酸化処理カーボンブラックが好ましい。
また、必要に応じて分散助剤を用いても良い。さらには、カーボンブラックの表面官能基と、その官能基と反応性を有する有機化合物とを反応させて表面処理したものでも良い。
次に、前記ポリイミド前駆体を含む塗工液を用いて中間転写ベルトを製造する方法について説明する。
必要に応じて抵抗調整剤を分散させる工程、該工程により作製された塗布液を支持体(成形用の型)に塗布・流延する工程、支持体に塗布・流延された塗膜中の溶媒を加熱により除去する工程、昇温加熱して塗膜中に含まれる前駆体のイミド化を促進する工程、形成された薄膜を支持体から離型し中間転写ベルトとすることにより製造される。
抵抗調整剤を分散させる工程では、ポリイミド前駆体溶液に直接抵抗制御剤を分散・混合させる方法またはあらかじめ溶媒に抵抗制御剤を分散させてからポリイミド前駆体溶液と混合させる方法がある。
ここでは、抵抗制御剤としてカーボンブラクを分散させる方法を例として説明する。なお、一例でありこれに限定されるものではない。
N−メチル−2−ピロリドンにカーボンブラックとポリイミド前駆体少量を混合し、ジルコニアビーズを用いて、ボールミルやペイントシェーカー、ビーズミル等にて所定時間分散させる。ある程度の粒径に分散された後、取り出した液を分散液とする。
該分散液にポリイミド前駆体溶液を混合することにより所定のカーボンブラック濃度になるように希釈する。このときの混合方法としては、遠心式攪拌機、ヘンシェルミキサー、ホモジナイザー、遊星式攪拌機などを用いて行なうことができる。
必要に応じて、レベリング剤や触媒などの添加剤をこのときに添加することもできる。
また、攪拌後は真空脱泡機などを用いて脱泡することが好ましい。
次に、上記作製の塗布液を塗布する工程について説明する。
支持体に製膜する方法としては、遠心成形、ロールコート、ブレードコート、リングコート、ディッピング、スプレーコート、ディスペンサーコート、ダイコートなどがある。
ポリイミドの中間転写ベルトの製膜方法としては、遠心成形法がよく用いられるが、支持体の内面に製膜するため、その表面に層を積層する場合、製膜後、一旦脱型し、別の型に移し別のコーティング方法にて表面層を形成する必要があり、工程が煩雑になる。このため、本発明の場合、支持体の外面に塗布し、基層、表層と順次積層可能な工法として、ロールコート、ディスペンサーコート、リングコート、ダイコートが好ましい。
上記方法にてあらかじめ離型剤を塗布した金属製の円筒支持体外面に所定膜厚にポリアミック酸からなる塗布液を塗布後、熱風乾燥機、IHヒーター、遠赤外線ヒーターなどにより塗膜を乾燥させる。乾燥においては、まず、80〜120℃程度の温度にて10〜60分間乾燥させ、その後、2〜5℃/分程度の昇温速度にて昇温させ、300〜400℃でイミド化焼成を行う。その後、十分冷却した後に表面層の塗布を実施する。なお、基層と表面層は必ずしも同様の工法で成形する必要はない。
[第2層(最表面層、又は中間層+最表面層)]
次に、本発明における第2層について説明する。この第2層は弾性層を含む単層(最表面層)または、複数層(単数若しくは複数の中間層+最表面層)のいずれかであることが好ましい。
次に、本発明で用いる弾性層について説明する。
本発明における弾性層は、特にエポキシーシリコーン共重合体を用いることが好ましい。
本樹脂は、適度な柔軟性を有するため中間転写ベルトの屈曲においても亀裂を生じることがない。また感光体や転写媒体の表面性状へも十分に追従することができる。
さらに、液状であるため基層と同様な工法にて製造することが可能であり、連続生産に好適である。また、必要に応じて溶媒などにて粘度の調整も可能であり、種種の添加材料の配合も容易である。
本発明のエポキシーシリコーン共重合体は、エポキシ部とシリコーン部のブロックコポリマーを架橋硬化させることにより形成する。
当ブロックコポリマーは、ビスフェノールA型ジ−グリシジルエーテル、ビスフェノールF型−ジ−グリシジルエーテルのような一般的なエポキシ部位のエポキシ基に反応する反応基を有するシロキサンユニットを交互に共重合させ、末端がエポキシ基のものである。
この導入するシリコーン部位を導入することにより先に述べた柔軟性を付与された層を得ることができる。シリコーン量が多い方が柔軟性が増すが、導入するシリコーンの量としては、40〜60wt%が好ましい。40%以上では硬く柔軟性に劣り、60%以上では膜強度が低く実使用耐久に耐えれない。
このコポリマーに、エポキシ樹脂用の汎用の触媒、硬化剤を用いて熱硬化することによりポリマー化する。
加熱温度としては、120℃〜250℃程度の加熱を要する。このため一般的な熱可塑性樹脂を用いる場合、本表層の加熱時に熱変形(収縮)を発生する場合があるため耐熱性の高いものを選択する必要がある。このような樹脂を用いる場合、高い温度で溶融成形させる必要があり生産上好ましくない。従って、本発明の基層ではポリイミドを好適に用い
る。
弾性層のエポキシーシリコーン共重合体の硬化剤としては、酸無水物化合物、アミン系化合物、フェノール系化合物が好適に用いられる。
酸無水物としては、例えば、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルナジック酸無水物、水素化メチルナジック酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸二無水物、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、エチレングリコースビスアンヒドロトリメリート、グリセリンビス(アンヒドロトリメトリート)モノアセテート、ドデセニル無水コハク酸、脂肪族二塩基酸ポリ無水物、無水クロレンド酸などがある。
アミン系化合物としては、例えばジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチルアミノプロピルアミン、N−アミノエチルピペラジン、ベンジルジメチルアミン、トリス(ジメチルアミノメチル)フェーノール、メタフェニレンジアミン、ジアミノフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ポリアミド樹脂、イミダゾール系化合物等がある。特にイミダゾール系化合物は好適に用いられ、例えば、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−エチルー4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−(2’−メチルイミダゾリル−(1’)−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−(2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−(2’−エチルイミダゾリル−(1’)−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−(2’−メチルイミダゾリル−(1’)−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、イミダゾールシラン等がある。
フェノール系化合物としては、ノボラック型フェノール樹脂やレゾール型フェーノール樹脂が好適に用いられる。その他、フェノール変性ポリイミドなども用いることができる。
これら硬化剤は、単独のみならず組み合わせて使用することができる。
これら硬化剤のうち、液状のものは当該液状樹脂への混合が容易であり好適に用いられる。固形のものでも溶媒に溶解させてから混合する方法にて配合することも可能である。 また配合量は、エポキシ−シリコン共重合体のエポキシ当量と反応基当量が合致するように算出された量を配合する。
この樹脂にも、基層と同様に必要に応じて種種の添加剤を配合することができる。
特に、抵抗調整剤の配合について説明する。抵抗調整剤としては前述と同様のものが適用できる。特に、カーボンブラックは好適に用いられる。本発明のエポキシ−シリコーン共重合体は、カーボンブラックに対する分散性が良く、抵抗値のばらつきの小さいものが得られやすい。
次に、本発明における最表面層について説明する。
前記弾性層においては、柔軟な材料であるため、トナーの離型性が必ずしも良くなかったり、表面が傷つきやすい。傷つきやすいと、表面粗さが粗くなり、光沢度が低下して、装置内で光センサーを用いて位置制御を行うような場合に支障が生じる、また、表面がさらに粗くなるとトナーをクリーニングできなくなるといった問題が生じる。
そのために、耐擦傷性及びトナー離型性に優れる最表面層を設ける。
本発明では、フッ素系またはシリコーン系を好ましく用いるが、弾性層に積層するため、処理温度が高すぎず、また弾性層の効果を妨げない程度の硬さと膜厚を調整する。
また、比較的薄膜化するため、スプレー塗工、浸漬塗工、リング塗工等が可能な塗料化が可能な材料が好ましい。
フッ素系としては、ポリフロロビニルエーテル系、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−テトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン共重合樹脂、エチレン−フロロエチレン共重合樹脂、ポリテトラフロロエチレンなどがある。
シリコーン系としては、ストレートシリコーンのみならず、エポキシ変性、アクリル変性、ポリエステル変性、ポリイミド変性などの各種有機変性シリコーンを用いることができる。
次に、上記積層構成において、基材であるポリイミドと弾性層であるエポキシ−シリコーン共重合体は、非常に密着性が良いものの化学的に完全に接着はしておらず、ベルトとして電子写真装置において繰り返し使用されていると機械的疲労及び電気的疲労により部分的に剥離するといった問題が生じている。
また、エポキシーシリコーン共重合体は製膜後の表面がシリコーンリッチになるため、
その上にコートする表層と接着しにくくこの層間においても同様の問題が生じている。
各層における接着性を向上させるために接着剤となるプライマーを塗布して積層することが一般的であるが、本発明のポリイミド及びエポキシーシリコーン共重合体は、プライマーを均一に塗布することが難しく、均一に塗布できても十分な接着性が得られていない。
このため、各層の表面を接着性が向上する以下の処理を行うことにより接着性を高め、問題を解決する。
本発明における接着性向上の処理について説明する。
各層の表面を超臨界二酸化炭素によって処理を行うことについて説明する。
特定の接着性を向上させうる材料(プライマー)を溶解させた超臨界二酸化炭素場に中間転写ベルトを置くことにより、その流体の種類・圧力・温度条件により中間転写ベルト内の表面近傍に超臨界二酸化炭素に溶解している材料を注入・定着させることができる。
[超臨界流体または亜臨界流体]
−超臨界流体または亜臨界流体の特徴−
超臨界流体とは、気体と液体が共存できる限界の温度・圧力(臨界点)を超えた状態にある流体を指す。超臨界流体の特徴としては、高密度状態において、一般に物質を溶かす能力がその流体の常温での溶解力よりも非常に大きいといった特徴を有する。これは当該流体が高圧力下にあるため、流体の運動エネルギーが大きいこと、また、粘性が小さいためと考えられている。また、温度・圧力による密度の調整によって溶解性の制御ができるため、適用範囲が広いことも特筆すべき特性である。一般には密度0.2g・cm以上の超臨界流体が化学物質に対する溶媒として用いられることが多い。また、超臨界流体は前述のとおり、流体の運動エネルギーが大きいこと、また、粘性が小さいことから媒質への拡散が早い。このため一般に用いられる溶媒では多孔質体へ浸透しにくいが、超臨界流体を用いれば比較的容易に多孔質体へ浸透することが知られている。さらに、熱伝導度は液体よりも大きいため、超臨界中で生じた化学反応による反応熱は速やかに除去することが可能である。また、本発明における亜臨界流体とは、温度・圧力のうち、いずれかが未だ臨界点を超えてない状態の流体を指す。
−使用できる媒体−
前記超臨界流体としては、気体と液体とが共存できる限界(臨界点)を超えた温度・圧力領域において非凝縮性高密度流体として存在し、圧縮しても凝縮を起こさず、臨界温度以上、かつ、臨界圧力以上の状態にある流体である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。また、超臨界流体の臨界温度および臨界圧力としては特に制限はない。これらの流体としては、たとえば一酸化炭素、二酸化炭素、アンモニア、窒素、水、メタノール、エタノール、エタン、プロパン、ブタン、ヘキサン、2,3−ジメチルブタン、ベンゼン、クロロトリフロロメタン、ジメチルエーテルなどが挙げられる。前記臨界温度としては、−273〜300℃が好ましく、0〜1400℃が特に好ましい。超臨界中に対する媒質が熱により変性するようなものを用いる場合には臨界温度が低いものが好ましい。たとえば、二酸化炭素(臨界温度31.0℃)、エタン(臨界温度32.2℃)、プロパン(臨界温度96.6℃)、アンモニア(臨界温度132.3℃)などが挙げられる。また、前記亜臨界流体としては、前記臨界点近傍の温度・圧力領域において高圧液体として存在する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。超臨界流体として挙げられる各種材料は、前記亜臨界流体としても好適に使用することができる。本発明に対しては超臨界流体または亜臨界流体を単独で使用しても良いし、2種類以上混合して用いても良い。
[超臨界二酸化炭素]
本発明に記載するような有機材料に対して超臨界流体または亜臨界流体を適用する場合、媒体として二酸化炭素を主媒体として用いることが好ましい。二酸化炭素は超臨界圧力が7.3MPa、超臨界温度が31.0℃と比較的容易に超臨界状態を作り出せ、有機材料に対する熱ダメージが小さいこと、さらに不燃性・低毒性で取り扱いが容易であることが利点として挙げられるため、食品工業の分野では広く用いられている。
[エントレーナー]
超臨界流体および亜臨界流体に対する本発明に記載の有機材料の溶解性を制御するために、超臨界流体または亜臨界流体に有機溶媒をエントレーナーとして添加することができる。一般には超臨界流体または亜臨界流体に溶解させたい溶質、本発明においては有機材料に対して親和力が強い溶媒をエントレーナーとして選択することが好ましい。エントレーナー添加によって所望の溶質にたいする超臨界流体または亜臨界流体や亜臨界流体の溶解度を増大するとともに、中間転写ベルトに不必要な物質の溶解性を低下することができる溶媒を選択することがより好ましい。エントレーナーとして用いる溶媒としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。たとえば、メタノール、エタノール、アセトン、酢酸エチル、プロパノール、アンモニア、メラミン、尿素、チオエチレングリコールなどが挙げられるが、これに限定されない。
[処理方法]
中間転写ベルト中への注入方法は、後述する接着性を向上させうる化合物のようなプライマーを含有した前記超臨界二酸化炭素または前記亜臨界二酸化炭素を作製し、中間転写ベルトを入れた高圧セル中にプライマー含有超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素を導入し、両者を接触させることで行なう。この処理によって中間転写ベルトを構成するバインダー樹脂中に超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素が入り込み、バインダー樹脂を可塑化することによりバインダー樹脂の粘性が低下する。これと同時に、超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素中に溶解している接着性を向上させうる化合物がバインダー樹脂中に入り込み中間転写ベルト中に接着性を向上させうる化合物が注入される。バインダー中に取り込まれた接着性を向上させうる化合物は粘性が一時的に低下したバインダー中を比較的早く拡散することができる比較的深部にも接着性を向上させうる化合物を注入することができる。
本発明に記載している中間転写ベルトとプライマーを含有した超臨界二酸化炭素の接触とは、両者が物理的に接触していれば形態は特に限定されない。例えば高圧セル中に一定量の超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素を導入した後封止し、所定時間経過後に超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素を高圧セルから取り除くことで中間転写ベルトを取り出しても良いし、高圧セル中に超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素を連続的に供給、排出し、所定時間経過後に中間転写ベルトを取り出しても良い。前者のプロセスでは高圧セル中に導入されるプライマーの量は、超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素中に含まれる量のみであり、中間転写ベルト内部と超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素中とのプライマー濃度勾配は経時で小さくなり、注入速度も濃度勾配の減少に従って小さくなる。結果として、中間転写ベルト中へのプライマーの注入速度は比較的小さいといった欠点がある一方で、製造設備が比較的単純で安価に中間転写ベルトを得ることができる。後者のプロセスでは、中間転写ベルトには一定濃度の超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素が供給されるため、中間転写ベルト内部と超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素中のプライマー濃度勾配は前者のプロセスと比較して大きくなることから、短時間で所望量のプライマーを注入することが可能である。しかしながら、超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素を循環させる装置が必要であること、さらに超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素中のプライマー濃度を制御する装置が必要であることから、比較的大がかりな製造装置を要するといった欠点が挙げられる。本発明においてはいずれのプロセスも適用可能であり、目的に応じて適宜選択することが可能である。
本発明において、プライマーとしては、接着性を向上させうる材料が好適に用いられる。超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素中のプライマー含有量としては0.5g/l以上であることが良く、好ましくは1.0g/l%以上である。0.5g/lを下回る場合は、中間転写ベルト中へのプライマーの注入速度が遅く、所望の中間転写ベルトを得るために要する時間が非常に大きくなるため、現実的ではない。プライマー濃度の上限値は特に制限されない。
プライマー含有超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素による中間転写ベルトの処理にかける時間は、プライマーの注入速度によって適宜決定すると良い。
[処理条件]
中間転写ベルトのバインダー樹脂が熱により変質・分解することがあること等の理由から、本発明に記載のプライマーを注入する工程での温度は好ましくは30℃以上200℃以下、さらに好ましくは40℃以上150℃以下が良い。30℃を下回る場合には超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素の溶解性・拡散性が低いためにプライマーを注入することが困難となる場合が多く、また、200℃を上回る場合には、中間転写ベルトの構成成分の変性・分解が好ましくない。
より効率的にプライマーを注入するためには、温度条件を接着性を向上させうる化合物の軟化点よりも5℃以上高い温度条件で行なうことが好ましい。この場合、超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素中でプライマーが溶融することにより、流体中の濃度が均一になりやすい。この場合、超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素中で中間転写ベルト中にプライマーが入り込みやすい状態となる。本現象の理由はまだ明確となっていないが、超臨界二酸化炭素中または亜臨界二酸化炭素中のプライマー濃度が飽和状態以上であり、溶け残っていたとしても、流体中で比較的均一な状態であり、中間転写ベルト中にプライマーが注入されることで流体中のプライマー濃度が低下したとしても、流体中に均一に分散しているプライマー(例えば接着性を向上させうる化合物)が速やかに流体中に溶解することで、流体中のプライマー濃度が飽和状態を維持するためと考えられる。圧力としては、二酸化炭素が超臨界状態となる7.1MPa以上であれば良い。
該中間転写ベルトへの低分子化合物である該プライマー注入量は、超臨界二酸化炭素中に溶解させる量、圧力、温度、接触時間(流量)などによって適宜制御する。
該低分子化合物の溶解性や注入性を向上させるために前記超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素に加え、必要に応じて他の液体(エントレイナー)を併用することもできる。
処理に用いられる装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、図3に示す処理を施すための耐圧容器(4)と、超臨界二酸化炭素を供給する加圧ポンプ(1)と、減圧バルブ(7)にて減圧後、残余プライマーを含むガスを廃プライマー(10)と炭酸ガス(11)とに分離する分離槽(9)と、を備えた装置が好適に挙られる。また、分離槽(9)を設ける代わりに、処理終了後、多量の二酸化炭素を耐圧容器(4)に流すことによって残余プライマーを先に除去することもできる。
該装置を用いた処理方法としては、まず、前記耐圧容器(4)に中間転写ベルトと超臨界二酸化炭素に溶解可能なプライマーを仕込む。プライマーは、二酸化炭素と別の図示してない導入管により耐圧容器(4)に直接導入してもよい。次に、該耐圧容器(4)内に加圧ポンプ(1)により前記超臨界二酸化炭素を供給し、超臨界二酸化炭素を接触させて、該プライマーを溶解して、中間転写ベルト内表面近傍に注入・定着させる。このときの圧力・温度条件は、前述した範囲の条件にて、該プライマーが中間転写ベルト中に効果的に注入・定着する条件にて行なう。
前記超臨界二酸化炭素を、常温及び常圧下に戻し、耐圧容器(4)内から中間転写ベルトを取り出す。
上記方法によれば、ポリイミド中間転写ベルト中に効果的に該プライマーを注入・定着することができる。このプライマーを適宜選択することにより、中間転写ベルトの表面の接着性を向上させることが可能である。
該中間転写ベルトに注入・定着させるプライマー(接着性を向上させうる化合物)としては、一般的なカップリング剤が使用できる。カップリング剤としては、例えば、チタネート系カプリング剤、アルミネート系カップリング剤、シランカプリング剤などがあるが、超臨界二酸化炭素化での注入においては、シランカップリング剤が好適である。
シランカップリング剤は、同一化合物中に2種類以上の反応性官能基を有する。一方はシリル基を有し、もう一方はビニル基、エポキシ基、アミノ基、メタクリロキシ基、メルカプト基、イミダゾール基、アクリロキシ基、スルフィド基、イソシアネート基などの有機基を有する。
これらの中から各層の接着に効果が得られるものを適宜選択して用いることができるが、ポリイミドの基材とエポキシーシリコーン共重合体、エポキシーシリコーン共重合体と表層のシリコーン系樹脂との接着においては、エポキシシラン、アミノシラン、イミダゾールシランが好適に用いられる。
次に、本発明における電子写真装置に装備されるベルト構成部に用いられる中間転写ベルトについて、要部模式図を参照しながら以下に詳しく説明する。なお、模式図は一例であってこれに限定されるものではない。
図1の模式図に、ベルト構成部等を装備した電子写真装置の要部概略構成を示す。
図1に示すベルト部材を含む中間転写ユニット(500)は、複数のローラに張架された中間転写体である中間転写ベルト(501)などにより構成されている。この中間転写ベルト(501)の周りには、2次転写ユニット(600)の2次転写電荷付与手段である2次転写バイアスローラ(605)、中間転写体クリーニング手段であるベルトクリーニングブレード(504)、潤滑剤塗布手段の潤滑剤塗布部材である潤滑剤塗布ブラシ(505)などが対向するように配設されている。
また、中間転写ベルト(501)の外周面または内周面に図示しない位置検知用マークが設けられる。ただし、中間転写ベルト(501)の外周面側については位置検知用マークがベルトクリーニングブレード(504)の通過域を避けて設ける工夫が必要であり、配置上の困難さを伴うことがあるので、その場合には位置検知用マークを中間転写ベルト(501)の内周面側に設けてもよい。マーク検知用センサとしての光学センサ(514)は、中間転写ベルト(501)が架け渡されている1次転写バイアスローラ(507)とベルト駆動ローラ(508)との間の位置に設けられる。
この中間転写ベルト(501)は、1次転写電荷付与手段である1次転写バイアスローラ(507)、ベルト駆動ローラ(508)、ベルトテンションローラ(509)、2次転写対向ローラ(510)、クリーニング対向ローラ(511)、及びフィードバック電流検知ローラ(512)に張架されている。各ローラは導電性材料で形成され、1次転写バイアスローラ(507)以外の各ローラは接地されている。1次転写バイアスローラ(507)には、定電流または定電圧制御された1次転写電源(801)により、トナー像の重ね合わせ数に応じて所定の大きさの電流または電圧に制御された転写バイアスが印加されている。
中間転写ベルト(501)は、図示しない駆動モータによって矢印方向に回転駆動されるベルト駆動ローラ(508)により、矢印方向に駆動される。
このベルト部材である中間転写ベルト(501)は、通常、半導体、または絶縁体で、単層または多層構造となっているが、本発明においては中間転写ベルトが好ましく用いられ、これによって耐久性が向上すると共に、優れた画像形成が実現できる。また、中間転写ベルトは、感光体ドラム(200)上に形成されたトナー像を重ね合わせるために、通紙可能最大サイズより大きく設定されている。
2次転写手段である2次転写バイアスローラ(605)は、2次転写対向ローラ(510)に張架された部分の中間転写ベルト(501)のベルト外周面に対して、後述する接離手段としての接離機構によって、接離可能に構成されている。2次転写バイアスローラ(605)は、2次転写対向ローラ(510)に張架された部分の中間転写ベルト(501)との間に被記録媒体である転写紙(P)を挟持するように配設されており、定電流制御される2次転写電源(802)によって所定電流の転写バイアスが印加されている。
レジストローラ(610)は、2次転写バイアスローラ(605)と2次転写対向ローラ(510)に張架された中間転写ベルト(501)との間に、所定のタイミングで転写材である転写紙(P)を送り込む。また、2次転写バイアスローラ(605)には、クリーニング手段であるクリーニングブレード(608)が当接している。該クリーニングブレード(608)は、2次転写バイアスローラ(605)の表面に付着した付着物を除去してクリーニングするものである。
このような構成のカラー複写機において、画像形成サイクルが開始されると、感光体ドラム(200)は、図示しない駆動モータによって矢印で示す半時計方向に回転され、該感光体ドラム(200)上に、Bk(ブラック)トナー像形成、C(シアン)トナー像形成、M(マゼンタ)トナー像形成、Y(イエロー)トナー像形成が行なわれる。中間転写ベルト(501)はベルト駆動ローラ(508)によって矢印で示す時計回りに回転される。この中間転写ベルト(501)の回転に伴って、1次転写バイアスローラ(507)に印加される電圧による転写バイアスにより、Bkトナー像、Cトナー像、Mトナー像、Yトナー像の1次転写が行なわれ、最終的にBk、C、M、Yの順に中間転写ベルト(501)上に各トナー像が重ね合わせて形成される。
例えば、上記Bkトナー像形成は次のように行なわれる。
図1において、帯電チャージャ(203)は、コロナ放電によって感光体ドラム(200)の表面を負電荷で所定電位に一様に帯電する。上記ベルトマーク検知信号に基づき、タイミングを定め、図示しない書き込み光学ユニットにより、Bkカラー画像信号に基づいてレーザ光によるラスタ露光を行なう。このラスタ像が露光されたとき、当初一様帯電された感光体ドラム(200)の表面の露光された部分は、露光光量に比例する電荷が消失し、Bk静電潜像が形成される。このBk静電潜像に、Bk現像器(231K)の現像ローラ上の負帯電されたBkトナーが接触することにより、感光体ドラム(200)の電荷が残っている部分にはトナーが付着せず、電荷の無い部分つまり露光された部分にはトナーが吸着し、静電潜像と相似なBkトナー像が形成される。
このようにして感光体ドラム(200)上に形成されたBkトナー像は、感光体ドラム(200)と接触状態で等速駆動回転している中間転写ベルト(501)のベルト外周面に1次転写される。この1次転写後の感光体ドラム(200)の表面に残留している若干の未転写の残留トナーは、感光体ドラム(200)の再使用に備えて、感光体クリーニング装置(201)で清掃される。この感光体ドラム(200)側では、Bk画像形成工程の次にY画像形成工程に進み、所定のタイミングでカラースキャナによるY画像データの読み取りが始まり、そのY画像データによるレーザ光書き込みによって、感光体ドラム(200)の表面にY静電潜像を形成する。
そして、先のBk静電潜像の後端部が通過した後で、且つY静電潜像の先端部が到達する前にリボルバ現像ユニット(230)の回転動作が行なわれ、Y現像機(231Y)が現像位置にセットされ、Y静電潜像がYトナーで現像される。以後、Y静電潜像領域の現像を続けるが、Y静電潜像の後端部が通過した時点で、先のBk現像機(231K)の場合と同様にリボルバ現像ユニットの回転動作を行ない、次のC現像機(231C)を現像位置に移動させる。これもやはり次のC静電潜像の先端部が現像位置に到達する前に完了させる。なお、C及びMの画像形成工程については、それぞれのカラー画像データ読み取り、静電潜像形成、現像の動作が上述のBk、Yの工程と同様であるので説明は省略する。
このようにして感光体ドラム(200)上に順次形成されたBk、Y、C、Mのトナー像は、中間転写ベルト(501)上の同一面に順次位置合わせされて1次転写される。これにより、中間転写ベルト(501)上に最大で4色が重ね合わされたトナー像が形成される。一方、上記画像形成動作が開始される時期に、転写紙(P)が転写紙カセット又は手差しトレイなどの給紙部から給送され、レジストローラ(610)のニップで待機している。
そして、2次転写対向ローラ(510)に張架された中間転写ベルト(501)と2次転写バイアスローラ(605)によりニップが形成された2次転写部に、上記中間転写ベルト(501)上のトナー像の先端がさしかかるときに、転写紙(P)の先端がこのトナー像の先端に一致するように、レジストローラ(610)が駆動されて、転写紙ガイド板(601)に沿って転写紙(P)が搬送され、転写紙(P)とトナー像とのレジスト合わせが行なわれる。
このようにして、転写紙(P)が2次転写部を通過すると、2次転写電源(802)によって2次転写バイアスローラ(605)に印加された電圧による転写バイアスにより、中間転写ベルト(501)上の4色重ねトナー像が転写紙(P)上に一括転写(2次転写)される。この転写紙(P)は、転写紙ガイド板(601)に沿って搬送されて、2次転写部の下流側に配置した除電針からなる転写紙除電チャージャ(606)との対向部を通過することにより除電された後、ベルト構成部であるベルト搬送装置(210)により定着装置(270)に向けて送られる(図1参照)。そして、この転写紙(P)は、定着装置(270)の定着ローラ(271)、(272)のニップ部でトナー像が溶融定着された後、図示しない排出ローラで装置本体外に送り出され、図示しないコピートレイに表向きにスタックされる。なお、定着装置(270)は必要によりベルト構成部を備えた構成とすることもできる。
一方、上記ベルト転写後の感光体ドラム(200)の表面は、感光体クリーニング装置(201)でクリーニングされ、上記除電ランプ(202)で均一に除電される。また、転写紙(P)にトナー像を2次転写した後の中間転写ベルト(501)のベルト外周面に残留した残留トナーは、ベルトクリーニングブレード(504)によってクリーニングされる。該ベルトクリーニングブレード(504)は、図示しないクリーニング部材離接機構によって、該中間転写ベルト(501)のベルト外周面に対して所定のタイミングで接離されるように構成されている。
このベルトクリーニングブレード(504)の上記中間転写ベルト(501)の移動方向上流側には、該中間転写ベルト(501)のベルト外周面に対して接離するトナーシール部材(503)が設けられている。このトナーシール部材(503)は、上記残留トナーのクリーニング時に上記ベルトクリーニングブレード(504)から落下した落下トナーを受け止めて、該落下トナーが上記転写紙(P)の搬送経路上に飛散するのを防止している。このトナーシール部材(503)は、上記クリーニング部材離接機構によって、上記ベルトクリーニングブレード(504)とともに、該中間転写ベルト(501)のベルト外周面に対して接離される。
このようにして残留トナーが除去された中間転写ベルト(501)のベルト外周面には、上記潤滑剤塗布ブラシ(505)により削り取られた潤滑剤(506)が塗布される。該潤滑剤(506)は、例えば、ステアリン酸亜鉛などの固形体からなり、該潤滑剤塗布ブラシ(505)に接触するように配設されている。また、この中間転写ベルト(501)のベルト外周面に残留した残留電荷は、該中間転写ベルト(501)のベルト外周面に接触した図示しないベルト除電ブラシにより印加される除電バイアスによって除去される。ここで、上記潤滑剤塗布ブラシ(505)及び上記ベルト除電ブラシは、それぞれの図示しない接離機構により、所定のタイミングで、上記中間転写ベルト(501)のベルト外周面に対して接離されるようになっている。
ここで、リピートコピーのときは、カラースキャナの動作及び感光体ドラム(200)への画像形成は、1枚目の4色目(M)の画像形成工程に引き続き、所定のタイミングで2枚目の1色目(Bk)の画像形成工程に進む。また、中間転写ベルト(501)は、1枚目の4色重ねトナー像の転写紙への一括転写工程に引き続き、ベルト外周面の上記ベルトクリーニングブレード(504)でクリーニングされた領域に、2枚目のBkトナー像が1次転写されるようにする。その後は、1枚目と同様動作になる。以上は、4色フルカラーコピーを得るコピーモードであったが、3色コピーモード、2色コピーモードの場合は、指定された色と回数の分について、上記同様の動作を行なうことになる。また、単色コピーモードの場合は、所定枚数が終了するまでの間、リボルバ現像ユニット(230)の所定色の現像機のみを現像動作状態にし、ベルトクリーニングブレード(504)を中間転写ベルト(501)に接触させたままの状態にしてコピー動作を行なう。
上記実施形態では、感光体ドラムを一つだけ備えた複写機について説明したが、本発明は、例えば、図2に示すような複数の感光体ドラムを一つの中間転写ベルトに沿って並設した画像形成装置にも適用できる。
図2は、4つの異なる色(ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン)のトナー像を形成するための4つの感光体ドラム(21BK、21Y、21M、21C)を備えた4ドラム型のデジタルカラープリンタの一構成例を示す。
図2において、プリンタ本体(10)は電子写真方式によるカラー画像形成を行なうための、画像書込部(12)、画像形成部(13)、給紙部(14)から構成されている。画像信号を元に画像処理部で画像処理して画像形成用の黒(BK)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、シアン(C)の各色信号に変換し、画像書込部(12)に送信する。画像書込部(12)は、例えば、レーザ光源と、回転多面鏡等の偏向器と、走査結像光学系、及びミラー群からなるレーザ走査光学系であり、上記の各色信号に対応した4つの書込光路を有し、画像形成部(13)の各色毎に設けられた像坦持体(感光体)(21BK、21M、21Y、21C)に各色信号に応じた画像書込を行なう。
画像形成部(13)は黒(BK)用、マゼンタ(M)用、イエロー(Y)用、シアン(C)用の各像坦持体である感光体(21BK、21M、21Y、21C)を備えている。この各色用の各感光体としては、通常OPC感光体が用いられる。各感光体(21BK、21M、21Y、21C)の周囲には、帯電装置、上記書込部(12)からのレーザ光の露光部、黒、マゼンタ、イエロー、シアンの各色用の現像装置(20BK、20M、20Y、20C)、1次転写手段としての1次転写バイアスローラ(23BK、23M、23Y、23C)、クリーニング装置(表示略)、及び図示しない感光体除電装置等が配設されている。なお、上記現像装置(20BK、20M、20Y、20C)には、2成分磁気ブラシ現像方式を用いている。ベルト構成部である中間転写ベルト(22)は、各感光体(21BK、21M、21Y、21C)と、各1次転写バイアスローラ(23BK、23M、23Y、23C)との間に介在し、各感光体上に形成された各色のトナー像が順次重ね合わせて転写される。
一方、転写紙(P)は、給紙部(14)から給紙された後、レジストローラ(16)を介して、ベルト構成部である転写搬送ベルト(50)に担持される。そして、中間転写ベルト(22)と転写搬送ベルト(50)とが接触するところで、上記中間転写ベルト(22)上に転写されたトナー像が、2次転写手段としての2次転写バイアスローラ(60)により2次転写(一括転写)される。これにより、転写紙(P)上にカラー画像が形成される。このカラー画像が形成された転写紙(P)は、転写搬送ベルト(50)により定着装置(15)に搬送され、この定着装置(15)により転写された画像が定着された後、プリンタ本体外に排出される。
なお、上記2次転写時に転写されずに上記中間転写ベルト(22)上に残った残留トナーは、ベルトクリーニング装置(25)によって中間転写ベルト(22)から除去される。このベルトクリーニング装置(25)の下流側には、潤滑剤塗布装置(表示略)が配設されている。この潤滑剤塗布装置は、固形潤滑剤と、中間転写ベルト(22)に摺擦して固形潤滑剤を塗布する導電性ブラシとで構成されている。該導電性ブラシは、中間転写ベルト(22)に常時接触して、中間転写ベルト(22)に固形潤滑剤を塗布している。固形潤滑剤は、中間転写ベルト(22)のクリーニング性を高め、フィルミィングの発生を防止し耐久性を向上させる作用がある。
なお、本発明における中間転写ベルトは、上述したような中間転写ベルト(501)または(22)を装備した中間転写ベルト方式の画像形成装置に好適に適用できる他、該中間転写ベルト(501)または(22)の代りに転写搬送ベルトを装備した転写搬送ベルト方式の画像形成装置にも適用できる。さらに、転写搬送ベルト方式の画像形成装置の場合においても、前記1感光体ドラム方式あるいは4感光体ドラム方式の何れにも適用可能である。
上記のような電子写真装置においては、感光体より中間転写ベルトに転写されたカラートナー画像を紙へもれなく転写することが重要であるが、中間転写ベルト表面の離型性が良くないとベルト上に一部トナーが転写されずに残留してしまう現象が発生する。このため、例えば図4のように画像の一部が抜けてしまうような画像、いわゆる虫食い(Wのある)画像となってしまう。
しかしながら、本発明では、前述の手段によりベルト表面の摩擦係数を0.4未満のものとすることにより、これを防止することができるものである。
しかしながら、中間転写ベルト表面の摩擦係数を低くすると、今度は、感光体から中間転写ベルトへ単色画像を転写(一次転写)する際に、感光体から中間転写ベルトへの転写不良が発生し、一次転写での虫食いが発生してしまう。感光体の摩擦係数の方が中間転写ベルトの摩擦係数よりも小さければ、この現象を防ぐことが可能である。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を逸脱しない限り、これら実施例によって制限されるものではない。
(実施例1)
<中間転写ベルトの作製>
[基材(第1層)塗工液の調製]
まず、下記に示す各構成材料を混合し、φ1mmのジルコニアビーズを用いて、ビーズミル分散機にて5時間分散し、カーボン分散液を作製した。
<分散液構成材料>
ポリイミド溶液U−ワニスA(宇部興産;固形分18%) 2重量部
カーボンブラックSpecialblack4(デグサ) 10重量部
N−メチル−2−ピロリドン(三菱化学) 88重量部
上記分散液を用いて、下記の構成材料を混合し、遠心式攪拌脱泡機にて、混合、脱泡し、塗工液を得た。
<基材塗工液構成材料>
上記カーボンブラック分散液 50重量部
ポリイミド溶液U−ワニスA(宇部興産;固形分18wt%) 50重量部
ポリエーテル変性シリコンFZ2105(東レダウコーニング) 0.01重量部
[基材の作製]
外径100mm、長さ300mmの外面を鏡面仕上げした上に離型剤を施した金属製円筒を型として用い、この円筒型を50rpm(回/分)で回転させながら、上記塗工液を円筒外面に均一にディスペンサーを用いて流延して塗布した。塗布量としては最終的な膜厚が70μmになるような液量の条件とした。所定の全量を流し終えて塗膜がまんべんなく広がった時点で、回転しながら熱風循環乾燥機に投入して、昇温速度3℃/分で100℃まで昇温して30分加熱した。その後回転を停止し、高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に投入し、昇温速度2℃/分で310℃まで昇温して60分加熱処理(焼成)した。加熱を停止した後、常温まで徐冷した。
[基材の超臨界二酸化炭素処理]
上記基材を金型ごと図3における装置の注入槽の耐圧セル(4)に投入し、下記化合物0.5gを投入して、耐圧セルを封止した。
・KBM903(信越化学社製 3−アミノプロピルトリエトキシシラン)
次いで二酸化炭素を供給ボンベにより前記耐圧セルに供給し、加圧ポンプと温度調整手段で30MPa、60℃に調節し、温度および圧力が安定した後は耐圧セルを封じきり、1時間静置した。静置後、温度は60℃に保ったまま圧力を10MPaまで低下させ、この圧力を維持したまま加圧ポンプと背圧弁を使用して、流量8l/minで30分間二酸化炭素を流すことによって、中間転写ベルトに注入されなかった余分な化合物を耐圧セルから除去した。除去後、温度・圧力を徐々に大気雰囲気まで低下させた後、取り出した。
測定により、実際にベルトに注入された量は、70〜80%であることを確認した。
[第2層の形成]
次に、下記により作製された第2層塗工液を同様に円筒外面に均一にディスペンサーを用いて流延して塗布した。塗布量としては膜厚が200μmになるような液量の条件とした。所定の全量を流し終えて塗膜がまんべんなく広がった時点で、回転しながら熱風循環乾燥機に投入して、100℃で30分加熱し、その後連続して220℃まで昇温し2時間加熱した。
加熱を停止した後、常温まで徐冷した。十分に冷却したところで型から外し、中間転写ベルトAを得た。
[第2層塗工液の作製]
まず、下記に示す各構成材料を混合し、φ1mmのジルコニアビーズを用いて、ビーズミル分散機にて5時間分散し、カーボン分散液Cを作製した。
[第2層用分散液C構成材料]
エポキシ−シリコーン共重合体
ALBIFLEX348(シリコーン60wt% Nanoresins社) 1重量部
カーボンブラックMA100R(三菱化学社) 10重量部
メチルエチルケトン(関東化学社) 89重量部
上記分散液Cを用いて、下記の構成材料を混合し、遠心式攪拌脱泡機にて、混合、脱泡し、塗布液Cを得た。
[第2層用塗工液C構成材料]
上記カーボンブラック分散液 59重量部
エポキシ−シリコーン共重合体
ALBIFLEX348(シリコーン60wt% Nanoresins社) 36重量部
メチルテトラヒドロ無水フタル酸
HN−2000(日立化成工業社) 5重量部
(実施例2)
実施例1と同様にして第2層のうちの中間層まで塗布したものを作製した。それを以下の超臨界二酸化炭素処理を施した。
[第2層のうちの中間層の超臨界二酸化炭素処理]
金型ごと、下記化合物0.5gと共に図3における装置の注入槽の耐圧セル(4)に投入し、 耐圧セルを封止した。
・IM−1000(日鉱金属社製 イミダゾールシラン)
次いで二酸化炭素を供給ボンベにより前記耐圧セルに供給し、加圧ポンプと温度調整手段で30MPa、40℃に調節し、温度および圧力が安定した後は耐圧セルを封じきり、1時間静置した。静置後、温度は40℃に保ったまま圧力を10MPaまで低下させ、この圧力を維持したまま加圧ポンプと背圧弁を使用して、流量8l/minで30分間二酸化炭素を流すことによって、中間転写ベルトに注入されなかった余分な化合物を耐圧セルから除去した。除去後、温度・圧力を徐々に大気雰囲気まで低下させた後、取り出した。
[最表面層の塗工]
次に、下記により作製された表層塗布液をスプレーコーティング装置にて膜厚が5μmになるように塗布した。塗布後、熱風循環乾燥機に投入して、200℃で30分加熱した。加熱を停止した後、常温まで徐冷した。十分に冷却したところで型から外し、中間転写ベルトBを得た。
[最表面層塗工液の作製]
ポリイミドシリコーン樹脂
SMP−2001(信越化学工業社製) 80部
メチルエチルケトン(関東化学社) 20部
(実施例3)
実施例1と同様にして第2層のうちの中間層まで塗布したものを作製した。それを以下の超臨界二酸化炭素処理を施した。
[中間層の超臨界二酸化炭素処理]
金型ごと下記化合物0.5gを図3における装置の注入槽の耐圧セル(4)に投入し、 耐圧セルを封止した。
・KBE9007(信越化学社製 3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン)
次いで二酸化炭素を供給ボンベにより前記耐圧セルに供給し、加圧ポンプと温度調整手段で30MPa、40℃に調節し、温度および圧力が安定した後は耐圧セルを封じきり、1時間静置した。静置後、温度は40℃に保ったまま圧力を10MPaまで低下させ、この圧力を維持したまま加圧ポンプと背圧弁を使用して、流量8l/minで30分間二酸化炭素を流すことによって、中間転写ベルトに注入されなかった余分な化合物を耐圧セルから除去した。除去後、温度・圧力を徐々に大気雰囲気まで低下させる後、取り出した。
[最表面層塗工液の作製]
次に、下記により作製された最表面層塗工液をスプレーコーティング装置にて膜厚が5μmになるように塗布した。塗布後、熱風循環乾燥機に投入して、200℃で30分加熱した。加熱を停止した後、常温まで徐冷した。十分に冷却したところで型から外し、中間転写ベルトCを得た。
[最表面層塗工液の作製]
フッ素樹脂樹脂
ルミフロンLF200(旭硝子社製) 80部
トルエン(関東化学社) 20部
(比較例1)
実施例1における超臨界二酸化炭素処理を実施しない他は同じとした。
中間転写ベルトDを得た。
(比較例2)
実施例1における超臨界二酸化炭素処理の代わりに、KBM903(信越化学社製 3−アミノプロピルトリエトキシシラン)を刷毛塗りにて基材に塗布した後に、第2層を同様にして形成したものを作製した。
中間転写ベルトEを得た。
(比較例3)
実施例2における第2層のうちの中間層の超臨界二酸化炭素処理を実施せず最表面層を積層した他は同じとした。
中間転写ベルトFを得た。
(比較例4)
実施例2における第2層のうちの中間層の超臨界二酸化炭素処理の代わりに、IM−1000(日鉱金属社製 イミダゾールシラン)を、メチルエチルケトンにて50wt%濃度に希釈した溶液を刷毛塗りにて塗布し、80℃/30分にて乾燥処理を行い、約3μm程度の厚みの層を形成した後に、最表面層を同様にして形成するものを作製した。中間転写ベルトGを得た。
上記各中間転写ベルトを図2の電子写真装置の中間転写ベルトとして搭載し、連続1万枚画像出力した後のベルトを観察したところ、ベルトA、B、Cはなんら異常は見られなかった。
ベルトDは、端部から中央部にかけて第2層が基材から浮き上がっている部分が見られた。ベルトEは、ところどころに一部第2層目が基材から浮き上がっている部分が見られた。ベルトFは、表層の大部分がはがれて消滅していた。
ベルトGは、ところどころ最表面層が第2層のうちの中間層から浮き上がり、はがれそうになっているのが見受けられた。
このように、基材に単数または複数の層を積層してなる中間転写ベルトにおいて、本発明の処理を行うことによって、各層を確実に接着することが可能となり、ベルトが破損することなく長期に渡って安定して使用することが可能である。
本発明に係る電子写真装置のベルト構成部に用いられる中間転写ベルトと装置を説明するための要部模式図である。 本発明に係る電子写真装置のベルト構成部に配備される1つの中間転写ベルトに沿って複数の感光体ドラムが並設されている一構成例を示す要部模式図である。 超臨界二酸化炭素処理装置の模式図である。 電子写真装置の中間転写ベルト上に残留したトナーにより発生した、画像の一部が抜けてしまうような画像、いわゆる虫食い画像を示した図である。
符号の説明
(図1)
P 転写紙
70 除電ローラ
80 アースローラ
200 感光体ドラム
201 感光体クリーニング装置
202 除電ランプ
203 帯電チャージャ
204 電位センサ
205 トナー画像濃度センサ
210 ベルト搬送装置
230 リボルバ現像ユニット
231Y Y現像機
231K Bk現像機
231C C現像機
231M M現像機
270 定着装置
271、272 定着ローラ
500 中間転写ユニット
501 中間転写ベルト
503 トナーシール部材
504 ベルトクリーニングブレード
505 潤滑剤塗布ブラシ
506 潤滑剤
507 1次転写バイアスローラ
508 ベルト駆動ローラ
509 ベルトテンションコントローラ
510 2次転写対向ローラ
511 クリーニング対向ローラ
512 フィードバッグ電流検知ローラ
513 トナー画像
514 光学センサ
600 2次転写ユニット
601 転写紙ガイド板
605 2次転写バイアスローラ
606 転写紙除電チャージャ
608 クリーニングブレード
610 レジストローラ
801 1次転写電源
802 2次転写電源
(図2)
P 転写紙
10 プリンタ本体
12 画像書込部
13 画像形成部
14 給紙部
15 定着装置
16 レジストローラ
20BK、20M、20Y、20C 現像装置
21BK、21M、21Y、21C 感光体
22 中間転写ベルト
23BK、23M、23Y、23C 1次転写バイアスローラ
25 ベルトクリーニング装置
26 ベルト従動ローラ
27 除電手段
50 転写搬送ベルト
60 2次転写バイアスローラ
70 バイアスローラ
(図3)
1 高圧送液ポンプ
2 ストップバルブ
3 フィルター
4 抽出槽(耐圧容器)
5 スターラー
6 フィルター
7 減圧バルブ
8 流量計
9 分離槽
10 廃プライマー
11 炭酸ガス
T 温度計
P 圧力計
(図4)
W 虫食い部分

Claims (6)

  1. 像担持体上に順次形成される複数のカラートナー現像画像を中間転写ベルト上に順次重ね合わせて一次転写を行ない、該一次転写画像を被記録媒体に一括して二次転写する電子写真装置に装備されるベルト構成部用の中間転写ベルトの製造方法において、前記中間転写ベルトは基材である第1層及び、その上に最表面層を含む単層または複数層からなる第2層を積層して成り、該最表面層以外の前記第1層及び第2層のうちの少なくとも1層以上の層が、超臨界二酸化炭素下又は亜臨界二酸化炭素下で、プライマー処理した後に各層を積層することを特徴とする中間転写ベルトの製造方法。
  2. 前記プライマーが、積層される層の間の接着性を改善するものであることを特徴とする請求項1に記載の中間転写ベルトの製造方法。
  3. 像担持体上に順次形成される複数のカラートナー現像画像を中間転写ベルト上に順次重ね合わせて一次転写を行ない、該一次転写画像を被記録媒体に一括して二次転写する電子写真装置に装備されるベルト構成部用の中間転写ベルトにおいて、前記中間転写ベルトは基材である第1層及び、その上に最表面層を含む単層または複数層からなる第2層が積層されて成り、最表面層以外の前記第1層及び第2層のうちの少なくとも1層以上の層が、超臨界二酸化炭素下又は亜臨界二酸化炭素下で、プライマーにて処理されることにより形成されたものであることを特徴とする中間転写ベルト。
  4. ポリイミド樹脂を含む基材と、エポキシ−シリコーン共重合体を含む第2層とを有し、該基材はシランカプリング剤を含む超臨界二酸化炭素下にてプライマー処理された後に、前記第2層が積層されたものであることを特徴とする請求項3に記載の中間転写ベルト。
  5. ポリイミド樹脂を含む基材と、エポキシ−シリコーン共重合体を含む中間層およびフッ素系またはシリコーン系樹脂を含む最表面層からなる第2層とを有し、該第2層は、シランカップリング剤を含む超臨界二酸化炭素下にて前記中間層が処理された後に前記最表面層に積層されたものであることを特徴とする請求項3に記載の中間転写ベルト。
  6. 像担持体上に順次形成される複数のカラートナー現像画像を中間転写ベルト上に順次重ね合わせて一次転写を行ない、該一次転写画像を被記録媒体に一括して二次転写するベルト構成部を装備した電子写真装置において、前記中間転写ベルトは、請求項3乃至5のいずれかに記載の中間転写ベルトであることを特徴とする電子写真装置。
JP2008224347A 2008-09-02 2008-09-02 中間転写ベルト及び製造方法 Pending JP2010060682A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008224347A JP2010060682A (ja) 2008-09-02 2008-09-02 中間転写ベルト及び製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008224347A JP2010060682A (ja) 2008-09-02 2008-09-02 中間転写ベルト及び製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010060682A true JP2010060682A (ja) 2010-03-18

Family

ID=42187572

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008224347A Pending JP2010060682A (ja) 2008-09-02 2008-09-02 中間転写ベルト及び製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010060682A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016109966A (ja) * 2014-12-09 2016-06-20 コニカミノルタ株式会社 中間転写ベルトおよびその製造方法
JP2020086013A (ja) * 2018-11-20 2020-06-04 コニカミノルタ株式会社 中間転写ベルト、それを用いる画像形成方法及び画像形成装置

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1145015A (ja) * 1997-05-28 1999-02-16 Bridgestone Corp 中間転写部材
JP2005517750A (ja) * 2002-02-18 2005-06-16 ナノン アクティーゼルスカブ 高分子基材の処理方法
JP2007171382A (ja) * 2005-12-20 2007-07-05 Fuji Xerox Co Ltd 弾性ベルトへのマーク形成方法、弾性ベルト群の製造方法、及びマーク形成装置
JP2008040139A (ja) * 2006-08-07 2008-02-21 Shin Etsu Polymer Co Ltd 無端ベルト及び画像形成装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1145015A (ja) * 1997-05-28 1999-02-16 Bridgestone Corp 中間転写部材
JP2005517750A (ja) * 2002-02-18 2005-06-16 ナノン アクティーゼルスカブ 高分子基材の処理方法
JP2007171382A (ja) * 2005-12-20 2007-07-05 Fuji Xerox Co Ltd 弾性ベルトへのマーク形成方法、弾性ベルト群の製造方法、及びマーク形成装置
JP2008040139A (ja) * 2006-08-07 2008-02-21 Shin Etsu Polymer Co Ltd 無端ベルト及び画像形成装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016109966A (ja) * 2014-12-09 2016-06-20 コニカミノルタ株式会社 中間転写ベルトおよびその製造方法
JP2020086013A (ja) * 2018-11-20 2020-06-04 コニカミノルタ株式会社 中間転写ベルト、それを用いる画像形成方法及び画像形成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5453773B2 (ja) 電子写真用中間転写ベルト及び電子写真装置
JP5445908B2 (ja) 電子写真用中間転写ベルト及び電子写真装置
JP2006215076A (ja) ポリイミド樹脂製無端ベルト、その製造方法およびその再使用方法、ならびに、電子写真式画像形成装置
JP2017223838A (ja) 無端ベルト、画像形成装置、及び無端ベルトユニット
US9342007B2 (en) Polyimide seamless belt for image forming apparatus
US8541108B2 (en) Fuser member
JP2009025625A (ja) 電子写真用シームレスベルト、中間転写ベルト並びにそれを用いた画像形成装置及びフルカラー画像形成装置
JP2008292616A (ja) 電子写真用シームレスベルトとその製造方法、電子写真装置
JP2010060682A (ja) 中間転写ベルト及び製造方法
US8463165B2 (en) Intermediate transfer belt, image forming method, for use in electrophotography
JP4440033B2 (ja) 中間転写体とその製造方法及び成膜液組成物、この中間転写体を用いた画像形成装置
JP2008116838A (ja) ポリイミド樹脂製無端ベルト及びそれを備えた画像形成装置、並びにポリイミド樹脂製無端ベルトの製造方法
JP5326936B2 (ja) 電子写真用中間転写ベルト及び画像形成装置
JP4972460B2 (ja) 電子写真用シームレスベルト及び製造方法
JP5470814B2 (ja) 中間転写体及びそれを用いた画像形成装置
JP5182547B2 (ja) 電子写真用シームレスベルト及び製造方法
JP4356508B2 (ja) ポリアミック酸組成物、並びに画像形成装置、それを用いたポリイミド無端ベルト及びその製造方法
JP5157330B2 (ja) 成形用芯体、シームレス管状物の製造方法
JP5472582B2 (ja) 電子写真用中間転写ベルト及び電子写真装置
JP2006259405A (ja) シームレスベルトの形成方法、シームレスベルトおよび電子写真装置
JP2006171573A (ja) シームレスベルト及びそれを用いた画像形成装置
JP2008307804A (ja) 電子写真用シームレスベルトとその製造方法、シームレスベルトを用いた中間転写ベルト及び電子写真装置
JP5418026B2 (ja) 電子写真用シームレスベルト及びそれを用いた電子写真装置
JP5352976B2 (ja) シームレス管状物の製造方法
CN110955132B (zh) 定影构件、定影装置、处理盒及图像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110803

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130131

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130131

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130603