JP2010057906A - 上下送りミシン - Google Patents

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Abstract

【課題】上送り足を減速して着地させる。
【解決手段】針板上の被縫製物に下方と上方とからそれぞれ接して送り動作を行う送り歯14及び上送り足12と、送り歯に前後に駆動させる下側前後送り機構70と、送り歯を上下に駆動させる下側上下送り機構80と、上送り足に前後に駆動させる上側前後送り機構40と、上送り足に上下方向に駆動させる上側上下送り機構50とを備え、上側上下送り機構は、回転駆動を行う回転軸16の回転動作から往復動作を取り出すカム機構60を備え、カム機構は、正三角形の各頂点を中心とする大小の円弧を連ねた外周形状の三角カム61と、カムを挟む受け面65,66を有するカム従節体62とを備え、三角カムは、頂点から底辺への垂線上で正三角形の中心点より底辺側に回転軸に固定支持され、上送り足の上下動の上死点と上下動により縫いを行う針棒の上死点とが一致するように前記三角カムが前記回転軸に固定支持されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、上送り足を備える上下送りミシンに関する。
従来の上下送りミシンは、針板の下方から出没しながら布送りの前後方向に往復移動を行う送り歯と、送り歯と同期して針板上方から上下動しつつ前後方向に移動する送り足と、送り歯に前後の往復動作を付与する送り歯側の前後送り機構と、送り歯に上下の往復動作を付与する送り歯側の上下送り機構と、送り足に前後の往復動作を付与する送り足側の前後送り機構と、送り足に上下の往復動作を付与する送り足側の上下送り機構とを備えている。
そして、送り足側の上下送り機構は、上軸に固定装備された円形の偏心カムと、当該偏心カムと一端部で係合する上下ロッドと、当該上下ロッドの長手方向の往復変異によって往復回動を行う上下送り腕と、上下送り腕の往復回動に伴って回動を行うベルクランクとを備え、ベルクランクから送り足に上下動を伝達している。
一方、送り足側の前後送り機構は、往復回動を行う下軸から往復回動動作を伝達される中軸と、中軸に固定された中軸前部腕とを備え、中軸前部腕の揺動端部の前後方向の往復動作を送り足に伝達している。
そして、上下送り機構により上下の往復動作と前後送り機構による前後の往復動作の互いの位相を適宜調節して送り足に伝達することで送り足に長円運動を行わせ、当該長円運動の下半分の移動軌跡を利用して送り足による送り動作を実現していた。
特許第3629414号公報
図14は、上述した送り足側の上下送り機構の円形の偏心カムによって生じる送り足の上下方向に対応する位置変位Dと速度変位Vとを示す線図である。
上記従来の上下送りミシンは、送り足側の上下送り機構が、上軸から円形の偏心カムにより上下の往復動作を取り出しているため、位置変位Dは略コサインカーブを描くこととなり、下降により変位がほぼ0点に到達する際に(図示のG点)送り足は針板上の被縫製物に着地するようになっている(なお、図14において変位0点は針板の高さを示し、実際には送り足は針板よりも下方に移動することはできないがここでは説明の便宜のために針板が存在しないとしたら描くであろう軌跡に従って線図を表示している)。
一方、送り足の速度変位Vは図示のように、着地を行うG点では最も早くなるため、着地の際の衝撃が大きくなり、衝撃音や振動が大きく、また機械の耐久性が悪くなってしまうという問題があった。これに対処するには、送り足やその支持構造の強度を上げる等の方法があるが、その場合、部品を大きくしたり高価で高品質の材料を使用したりするなどミシン製造コストが高くなってしまうという欠点があった。
本発明は、上送り足の着地時の速度を低減することをその目的とする。
請求項1記載の発明は、針板上の被縫製物に下方から接して送り動作を行う送り歯と、前記針板上の被縫製物に上方から接して送り動作を行う上送り足と、前記送り歯に送り方向に沿った往復動作を付与する下側前後送り機構と、前記送り歯に上下方向に沿った往復動作を付与する下側上下送り機構と、前記上送り足に送り方向に沿った往復動作を付与する上側前後送り機構と、前記上送り足に上下方向に沿った往復動作を付与する上側上下送り機構とを備え、前記送り歯と上送り足との協働により前記被縫製物の送りを行う上下送りミシンにおいて、前記上側上下送り機構は、回転駆動を行う回転軸の回転動作から往復動作を取り出すカム機構を備え、前記カム機構は、正三角形の三つの頂点のそれぞれを中心とする大小二種類の円弧を連ねた外周形状の三角カムと、前記三角カムを挟むように外周に接する互いに対向した少なくとも一組の受け面を有するカム従節体とを備え、前記三角カムは、前記各頂点のいずれか一つから底辺に向かって降ろした垂線上であって、前記正三角形の中心点より底辺側の位置を中心に回転を行うように前記回転軸に固定支持されており、前記上送り足の上下動の上死点と上下動により縫いを行う針棒の上死点とが一致するように前記三角カムが前記回転軸に固定支持されていることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明と同様の構成を備えると共に、前記三角カムの前記回転軸が最も近接する底辺が、前記針棒の上死点で鉛直方向又は水平方向を向くように前記回転軸に固定支持されていることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明と同様の構成を備えると共に、前記三角カムは、前記頂点から回転中心の距離が、前記正三角形の一つの辺の長さを1としたときに0.7以上1.0以下としたことを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明と同様の構成を備えると共に、前記三角カムは、前記回転中心の位置を、前記頂点に対して前記垂線と底辺の交点としたことを特徴とする。
請求項5記載の発明は、針板上の被縫製物に下方から接して送り動作を行う送り歯と、前記針板上の被縫製物に上方から接して送り動作を行う上送り足と、前記送り歯に送り方向に沿った往復動作を付与する下側前後送り機構と、前記送り歯に上下方向に沿った往復動作を付与する下側上下送り機構と、前記上送り足に送り方向に沿った往復動作を付与する上側前後送り機構と、前記上送り足に上下方向に沿った往復動作を付与する上側上下送り機構とを備え、前記送り歯と上送り足との協働により前記被縫製物の送りを行う上下送りミシンにおいて、前記上側上下送り機構は、回転駆動を行う回転軸の回転動作から往復動作を取り出すカム機構を備え、前記カム機構は、正三角形の三つの頂点のそれぞれを中心とする大小二種類の円弧を連ねた外周形状の三角カムと、前記三角カムを挟むように外周に接する互いに対向する少なくとも二組の受け面を有するカム従節体とを備え、前記三角カムは、前記各頂点のいずれか一つを中心に回転を行うように前記回転軸に固定支持されており、前記従節体は、前記二組の受け面が受ける変位の合成変位により往復運動を行い、前記上送り足の上下動の上死点と上下動により縫いを行う針棒の上死点とが一致するように前記三角カムが前記回転軸に固定支持されていることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明と同様の構成を備えると共に、前記三角カムの回転の中心に位置する頂点から最も離れた底辺が、前記針棒の上死点で鉛直方向を向くように前記回転軸に固定支持されると共に、前記カム従節体の互いに平行な二組の受け面は、前記針棒の上死点で、前記往復運動方向に対して40〜50°の範囲で傾斜していることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項5又は6記載の発明と同様の構成を備えると共に、前記互いに平行な二組の受け面は、いずれも、前記往復運動方向に対して45°に傾斜していることを特徴とする。
請求項1又は2記載の発明は、上側上下送り機構のカム機構が、回転中心をオフセットした三角カムに対して少なくとも一組の受け面により変位を受けて往復動作を取り出している。そして、当該三角カムは、その一定の往復方向の位置変位について、一方の最大変位から他方の最大変位に至るほぼ中間の位置で大きく減速する特性を持っている。従って、上送り足の上下動の上死点と上下動により縫いを行う針棒の上死点とが一致するように三角カムを回転軸に取り付けるようにして、当該三角カムを上送り足の上下動の付与に適用することで、上送り足の上死点から下死点に至る中間の位置で減速させることが可能となり、上送り足の着地の際に下降速度が最速となる事態を回避することができ、低速の着地により、その衝撃を低減し、機構の耐久性を向上させるととに被縫製物への強打も回避することが可能となる。これに伴い、上送り足の強化による生産コストの上昇を回避することも可能となる。
また、本発明は、外周形状が関数で求められる幾何学的な形状である三角カムを用いるので、同じ特性を生じるような固有のカムを設計製造する場合と比べて遙かに容易に設計及び製造を行うことができ、生産コストの低減を図ることが可能である。
さらに、請求項3によれば、上送り足の着地時のさらなる低速化が可能となり、さらなる機構の耐久性向上、被縫製物の保護、コスト低減を実現することが可能となる。
さらに、請求項4によれば、最大振幅の中間点で速度をほぼ0とすることができるので、上送り足の着地時に下降速度をほぼ0とすることができ、さらなる機構の耐久性向上、被縫製物の保護、コスト低減を実現することが可能となる。
請求項5又は6記載の発明は、上側上下送り機構のカム機構が、三角カムに対して少なくとも二組の受け面により変位を受けてその合成変位より往復動作を取り出している。そして、当該三角カムは、二つの往復方向の位置変位を合成することで、一方の最大変位から他方の最大変位に至るほぼ中間の位置で大きく減速を生じる特性を持っている。従って、上送り足の上下動の上死点と上下動により縫いを行う針棒の上死点とが一致するように三角カムを回転軸に取り付けるようにして、当該三角カムを上送り足の上下動の付与に適用することで、上送り足の上死点から下死点に至る中間の位置で減速させることが可能となり、上送り足の着地の際に下降速度が最速となる事態を回避することができ、低速の着地により、その衝撃を低減し、機構の耐久性を向上させるととに被縫製物への強打も回避することが可能となる。これに伴い、上送り足の強化による生産コストの上昇を回避することも可能となる。
また、本発明は、外周形状が関数で求められる幾何学的な形状である三角カムを用いるので、同じ特性を生じるような固有のカムを設計製造する場合と比べて遙かに容易に設計及び製造を行うことができ、生産コストの低減を図ることが可能である。
さらに、請求項7によれば、上送り足の着地時のさらなる低速化が可能となり、さらなる機構の耐久性向上、被縫製物の保護、コスト低減を実現することが可能となる。
第一実施形態たる総合送りミシンの概略構成を示す機構線図である。 三角カムの外形を詳細に示した説明図である。 総合送りミシンの面部側から見たカム機構の構成図である。 三角カムの回転に伴い上下動ロッドの係合部に生じるX軸方向の変位を示す説明図である。 係数k=0.7の場合の三角カムの一定方向に生じる位置変位及び速度変位を示す線図である。 係数k=0.8の場合の三角カムの一定方向に生じる位置変位及び速度変位を示す線図である。 係数k=0.866の場合の三角カムの一定方向に生じる位置変位及び速度変位を示す線図である。 係数k=0.9の場合の三角カムの一定方向に生じる位置変位及び速度変位を示す線図である。 係数k=1.0の場合の三角カムの一定方向に生じる位置変位及び速度変位を示す線図である。 総合送りミシンの面部側から見た第二の実施形態のカム機構の構成図である。 総合送りミシンの面部側から見た第三の実施形態のカム機構の構成図である。 総合送りミシンの面部側から見た第四の実施形態のカム機構の構成図である。 第四の実施形態のカム機構により一定方向に生じる位置変位及び速度変位を示す線図である。 従来のカム機構により一定方向に生じる位置変位及び速度変位を示す線図である。
(第一の実施形態の全体構成)
以下、本発明の第一の実施の形態を図1から図9に基づき詳しく説明する。本実施形態では、上下送りミシンの一種である総合送りミシン10を例に説明する。総合送りミシン10は、縫い針を保持する針棒11と、針板上の被縫製物に対して上方から接して送り動作を行う上送り足12と、上送り足12と交互に上下動を行う押さえ足13と、針板上の被縫製物に対して下方から接して送り動作を行う送り歯14と、縫製動作の主たる駆動源となるミシンモータ15と、ミシンモータ15により回転駆動を行う回転軸としての上軸16と、上軸16及びタイミングベルト17を介してミシンモータ15により回転駆動を行う下軸18と、針棒11を上下動させる針上下動機構30と、針棒11及び上送り足12に布送り方向に沿った前後の往復動作を付与する上側前後送り機構40と、上送り足12及び押さえ足13に上下の往復動作を付与する上側上下送り機構50と、送り歯14に布送り方向に沿った前後の往復動作を付与する下側前後送り機構70と、送り歯14に上下の往復動作を付与する下側上下送り機構80と、送り歯14の送り量を調節する送り調節機構90と、上記各構成を支持するミシンフレーム2とを備えている。
なお、以下の説明において、総合送りミシン10の針板上面に平行であって布送り方向に沿った方向をX軸方向、ミシンの針板上面に平行であってX軸方向に直交する方向をY軸方向、ミシンの針板に垂直な方向をZ軸方向とする。また、総合送りミシン10の針板は当該ミシン10を水平面上に設置したときにその上面が水平となるように設けられているものとする。
(針上下動機構)
針上下動機構30は、Y軸方向に沿った上軸16の一端部に固定装備された回転錘31(図1では単なる直線で図示)と、回転錘31の回転中心から偏心した位置で一端部が回転可能に軸支された偏心ロッド32と、針棒11に固定装備された針棒抱き33とを備えている。
上記偏心ロッド32は、一端部がY軸方向に沿った支軸により回転錘31に支持されており、他端部がY軸方向に沿った支軸により針棒抱き33に連結されている。
かかる構成により、針上下動機構30は、上軸16の回転運動を上下方向に往復動作に替えて針棒11に付与することを可能としている。
(下側上下送り機構)
下側上下送り機構80は、Y軸方向に沿った下軸18に固定支持された円形の偏心カムである上下動カム81と、一端部で上下動カム81を回転可能に保持する上下動ロッド82と、往復回動動作を行う上下送り軸83と、上下送り軸83に固定装備されて当該上下送り軸83回りに往復回動動作を行う伝達腕84と、上下送り軸83に固定装備されて当該上下送り軸83回りに回動動作を行う上下送り腕85と、送り歯14を搭載した送り台19の一端部と上下送り腕84の回動端部とを連結するリンク体86とを備えている。
上記伝達腕84は、上下送り軸83に固定支持されており、その長手方向がほぼZ軸方向に沿うように向けられている。また、かかる伝達軸84の回動端部には、上下動ロッド82の他端部が連結されている。一方、上下動ロッド82の一端部には、上下動カム81から下軸18を中心とする周回運動が付与されることから、伝達腕84の回動端部にはX軸方向に沿った往復変位のみが伝達される。そして、伝達腕84の回動端部がX軸方向に沿って往復回動を行うことにより、上下送り軸83が往復回動を行うこととなる。
また、上下送り軸83の一端部に固定支持された上下送り腕85は、その長手方向がほぼX軸方向に沿うように向けられている。その結果、上下送り軸83の往復回動に伴い、上下送り腕85の回動端部は上下方向に沿って往復回動を行い、リンク体86を介して送り台19の一端部に上下方向の往復動作を付与する。
(下側前後送り機構)
下側前後送り機構70は、下軸18に固定支持された円形の偏心カムである前後動カム71と、一端部で前後動カム71を回転可能に保持する前後動ロッド72と、往復回動動作を行う前後送り軸73と、前後送り軸73に固定装備されて当該前後送り軸73回りに往復回動動作を行う伝達腕74と、前後動ロッド72の他端部と伝達腕74の回動端部とを連結するベルクランク75と、前後送り軸73に固定装備されて当該前後送り軸73回りに往復回動動作を行う前後送り腕76とを備えている。
上記伝達腕74は、前後送り軸73に固定支持されており、その長手方向がほぼZ軸方向に沿うように向けられている。従って、伝達腕74の回動端部はおおむねX軸方向に沿って往復回動を行う。
ベルクランク75は、第一の連結点75aが前後動ロッド72の他端部と連結されており、第二の連結点75bが伝達腕74の回動端部に連結されている。そして、ベルクランク75の第三の連結点75cは、後述する送り調節機構90により、往復動作を行う方向がX−Z平面に沿った任意の方向に変更可能とされている。その結果、前後動ロッド72の一端部で前後動カム71により周回運動が行われると、ベルクランク75の第一の連結点75aは下軸18に対して接離するように往復移動を行い、第三の連結点75cは送り調節機構90に定められた方向に沿って往復移動を行う。そして、伝達腕74の回動端部に連結された第二の連結点75bには、第三の連結点75cの往復運動におけるX軸方向成分の運動と同程度の運動が伝達される。
その結果、前後送り軸73及び前後送り腕76は、送り調節機構90により調節された角度で往復回動を行う。
前後送り腕76は、前後送り軸73に固定支持されており、その長手方向がほぼZ軸方向に沿うように向けられている。従って、前後送り腕76の回動端部はおおむねX軸方向に沿って往復回動を行うこととなり、前後送り軸73の往復回動により送り台19に前後方向の往復動作を付与することとなる。
送り台19は、前述したように下側上下送り機構80により一端部に往復上下動が付与され、下側前後送り機構70により他端部に往復前後動が付与される。これらの送り機構70,80の往復動作はいずれもミシンモータ15を駆動源とすることから、その周期は一致している。従って、各送り機構70,80を構成する部材の向きや姿勢により各々が送り台19に伝達する往復動作の位相を適宜調節して合成することにより、送り台19に搭載された送り歯14に布送り方向に長い略長円運動を付与することを可能としている。
送り歯14は、その長円運動軌跡の上端部分を通過する際にその歯先が針板の上面より幾分上まで突出するように配置され、針板上面の被縫製物に下側から接して送り動作の付与を行っている。
(送り調節機構)
送り調節機構90は、送り調節の駆動源となるパルスモータである送り調節モータ91と、送り調節モータ91の出力軸を軸として回動を行う出力腕92と、前述した下側前後送り機構70のベルクランク75の第三の連結点75cに設けられた角コマ93と、角コマ93を滑動可能に支持するガイド溝を有する略円柱状の角度調節体94と、角度調節体94を軸として回動を行う入力腕95と、出力腕92の回動端部と入力腕95の回動端部とを連結するリンク体96とを備えている。
上記角度調節体94は、その半径方向に沿って幾分円弧状のガイド溝が形成されており、ここに角コマ93が嵌合し、当該ガイド溝に沿って往復移動を行うことを可能としている。そして、角度調節体94は、その円柱形状の中心線がY軸方向に沿うように向けられ且つミシンフレームにより中心線回りに回動可能に支持されている。従って、角度調節体94が回動を行うと、ガイド溝の向きが変わり、角コマ93の往復動作方向の調節が行われる。そして、これにより、下側前後送り機構70のベルクランク75の第三の連結点75cの移動方向が決定され、送り歯14の送り方向(X方向)の移動量が調節される。
角度調節体94の回動動作は、調節モータ91から出力腕92、リンク体96、入力腕95を介して付与される。かかる調節モータ91は、図示しない総合送りミシン10の制御手段に設定された送り量に基づく制御指令に従って駆動されるようになっている。
(上側前後送り機構)
上側前後送り機構40は、前述した下側前後送り機構70の前後送り軸73から針棒11及び上送り足12の揺動駆動力を得ており、これにより、送り歯14と上送り足12の同期を図っている。
即ち、上側前後送り機構40は、針棒11及び上送り足12の支持棒20を上下動可能に支持する針棒揺動台41と、針棒揺動台41を揺動可能に支持する針棒揺動軸42と、前後送り軸73の一端部に固定支持された出力腕43と、針棒揺動軸42の一端部に固定支持されると共に下方に延出された入力腕44と、出力腕43の回動端部と入力腕44の回動端部とを連結するリンク体45とを備えている。
針棒揺動軸42はY軸方向に沿って回転可能にミシンフレームに支持されており、針棒揺動台41は針棒揺動軸42を中心に針棒揺動軸42と一体的に揺動を行うことにより針棒11の下端部及び指示棒20の下端部に位置する上送り足12をX軸方向(布送り方向)に沿って往復可能としている。
一方、針棒揺動軸42は、往復回動を行う前後送り軸73から出力腕43、リンク体45,入力腕44を介して往復回動が付与され、これにより、送り歯14と上送り足12及び針棒11が同期して布送り方向に沿って往復動作を行うことを可能としている。
(上側上下送り機構)
上側上下送り機構50は、上軸16に固定支持された三角カム61と、一端部で三角カム61を回転可能に保持するカム従節体としての上下動ロッド62と、往復回動動作を行う上下送り軸53と、上下送り軸53に固定装備されて当該上下送り軸53回りに往復回動動作を行う伝達腕54と、上下送り軸53に固定装備されて当該上下送り軸53回りに往復回動動作を行う上下送り腕55と、第一〜三の連結点56a,56b,56cを上下送り腕55側、上送り足12側、押さえ足13側に接続されたベルクランク56と、第一の連結点56aと上下送り腕55の回動端部とを連結するリンク体57と、第二の連結点56bと上送り足12を支持する支持棒20と連結するリンク体58と、第三の連結点56cと押さえ足13を支持する支持棒21と連結するリンク体59と、を備えている。
上記三角カム61と上下動ロッド62とは、それらの協働によりほぼX軸方向に沿って所定の往復変位を付与する特性を有しているが、これらについては、後に詳細に説明する。
伝達腕54は、おおむねZ軸方向に向けて配設され、上述のように上下動ロッド62から回動端部にX軸方向に沿って往復変位が入力されることで上下送り軸53に往復回動動作を伝達する。
一方、上下送り腕55もZ軸方向に向けて配設されており、上下送り軸53の往復回動動作により、上下送り腕55の回動端部もX軸方向に沿って往復動作を行う。
ベルクランク56は、三角形状であり、第二の連結点56bと第三の連結点56cとを結ぶ一辺がおおむねX軸方向を向き、当該一辺の上方に第一の連結点56aが位置する姿勢で配置されている。かかる配置で第一の連結点56aにX軸方向に沿った往復動作の一方(第二の連結点56b側)への入力が行われると、ベルクランク56は第三の連結点56cに対して第二の連結点56bを下降させる回動動作を行い、上送り足12を下降させる。また、X軸方向に沿った往復動作の他方(第三の連結点56c側)への入力が行われると、ベルクランク56は第二の連結点56bに対して第三の連結点56cを下降させる回動動作を行い、押さえ足13を下降させる。なお、上送り足12(押さえ足13)は、その下降動作により針板まで到達すると、それ以上下降することができないので、代わりに押さえ足13(上送り足12)が上昇する動作が行われることとなる。つまり、上送り足12が下降動作を行うと、これに伴って押さえ足13の上昇動作が行われ、送り足13が下降動作を行うと、これに伴って上送り足12の上昇動作が行われる。なお、上送り足12の往復上下動と押さえ足13の往復上下動はいずれも上軸16一回転の間に1ストロークずつ行われる。
(上側上下送り機構が有するカム機構)
前述の三角カム61と上下動ロッド62とはカム機構60を構成する。図2は三角カム61の外形を詳細に示した説明図、図3はミシン10の面部側から見たカム機構60の構成図である。
三角カム61は、正三角形の三つの頂点のそれぞれを中心とする大小二種類の円弧を連ねた外周形状であり、当該外周形状に沿って形成された周面をカム面としている。即ち、三角カム61は、正三角形の一の頂点を中心として当該正三角形全域を含む半径Rで中心角度60°の扇形の外縁である円弧(大円弧Aとする)と当該大円弧Aの丁度反対側に形成される半径rで中心角60°の円弧(小円弧aとする)とを各頂点について形成し、大円弧と小円弧の端部を交互に連ねた外周形状となっている。なお、大円弧Aの半径R、小円弧aの半径r、正三角形の一辺の長さTは、R=r+Tが成立するようになっている。
かかる外周形状により、三角カム61は、頂点を通過する直線における幅が常にr+Rとなるようになっている。
従来からある一般的な三角カムは、上記外径であって正三角形のいずれかの頂点を中心に回転を行う。一方、本発明のミシン10に適用される三角カム61は、いずれか一の頂点から対応する底辺に下ろした垂線P上であって正三角形の中心点C以遠の位置を回転中心Sとしている。なお、垂線Pが下ろされた底辺を他の二つの底辺と区別するために、「底辺U」と呼ぶことにする。なお、三角カム61の回転中心Sを上記配置とすることにより、底辺Uは他の二つの底辺に比べて回転中心Sに最も近い配置となる。
また、上記三角カム61は上軸16に固定支持されているので、針棒11の上下動と完全に同期して回転が付与される。つまり、針棒11の1ストロークで三角カム61も一回転を行うようになっている。さらに、三角カム61は、上送り足12に付与する往復上下動の上死点が針棒上死点と一致する位相となるように上軸16に固定装備されている。
その結果、針棒11がその上死点に位置するときに、三角カム61の底辺Uは鉛直上下方向に沿った状態となるようになっている。
上下動ロッド62は、段ネジ69を介して伝達腕54の回動端部に一端部が回動可能に連結された桿部63と、当該桿部63の他端部において三角カム61に係合する係合部64とからなる。
係合部64は、内側に正方形状の開口が形成された環状に形成されており、内側正方形の一辺の長さはr+Rに設定され、内部に三角カム61を収容した状態を係合する構造となっている。そして、正方形の対向する二辺に沿った一組のカム受け面65,66は、互いに平行であって、さらに、上下送り軸53に平行な方向であって、伝達腕54に付与すべき動作方向に直交する向き(ここでは桿部63の長手方向に直交する方向)に設定されており、これらの受け面65,66が三角カム61から受ける変位により伝達腕54及び上下送り軸53に往復回動を付与する。また、受け面67,68が受ける変位は、上下動ロッド62が段ネジ69を中心に回動することにより吸収され、伝達腕54側にはほとんど変位としては伝わらないようになっている。
次に、上記三角カム61と上下動ロッド62のカム受け面65,66により伝達腕54に伝えられるX軸方向に沿った変位及び速度と前述した三角カム61の回転中心位置との関係について詳細に説明する。
図4は三角カム61の回転に伴い上下動ロッド62の係合部64に生じるX軸方向の変位を示す説明図である。図3の状態を0°として時計回りに三角カム61が回転を行う前
提として説明する。なお、前述したように、図4における0°において、上送り足12及び針棒11が上死点位置となるようになっている。また、図4における90°の変位が振幅の中心となるので、当該位置を変位0として説明する。また、Z方向の変位はX方向変位にはほとんど影響しないので、
説明を容易にするために、下記式ではZ方向の変位を0として示している。
上下送り軸16の軸角度をθ、X軸方向の変位をf(θ)とすると、三角カム61は、
0〜30°の区間では f(θ)=-0.5T-k・T・sin(θ-(π/2))
30〜90°の区間では f(θ)= 0.5T-Tcos(θ-(π/6))-k・T・sin(θ-(π/2))
90〜150°の区間では f(θ)=-0.5T+Tcos(θ-(5π/6))-k・T・sin(θ-(π/2))
150〜210°の区間では f(θ)= 0.5T-k・T・sin(θ-(π/2))
210〜270°の区間では f(θ)=-0.5T+Tcos(θ-(7π/6))-k・T・sin(θ-(π/2))
270〜330°の区間では f(θ)= 0.5T+Tcos(θ-(5π/6))-k・T・sin(θ-(π/2))
330〜360°の区間では f(θ)=-0.5T-k・T・sin(θ-(π/2))
という位置変位を示す。なお、各式においてkは、正三角形の一辺の長さTを1とした場合の正三角形の頂点から回転中心Sまでの距離の比率である。
さらに、各区間における速度f'(θ)は、
0〜30°の区間では f'(θ)=-k・T・cos(θ-(π/2))
30〜90°の区間では f'(θ)= Tsin(θ-(π/6))-k・T・cos(θ-(π/2))
90〜150°の区間では f'(θ)=-Tsin(θ-(5π/6))-k・T・cos(θ-(π/2))
150〜210°の区間では f'(θ)=-k・T・cos(θ-(π/2))
210〜270°の区間では f'(θ)=-Tsin(θ-(7π/6))-k・T・cos(θ-(π/2))
270〜330°の区間では f'(θ)=-Tsin(θ-(5π/6))-k・T・cos(θ-(π/2))
330〜360°の区間では f'(θ)=-k・T・cos(θ-(π/2))
となる。
ここで、係数kによる三角カム61の中心位置の変化と位置変位D・速度変位Vの関係を図5〜図8に示す。かかる図5〜図8の位置変位D・速度変位Vの線図は上述した位置f(θ)及び速度f'(θ)を0〜360°の全区間を連続的につないで示したものである。図示における点Gは上送り足12の着地点を示す。ここでは、着地点Gは上下の振幅における丁度中間位置に設定している。
図5はk=0.7、図6はk=0.8、図7はk=0.866、図8はk=0.9、図9はk=1.0の場合を示す。図7のk=0.866の値は、上記三角カム61の回転中心Sを垂線と底辺Uの交点に設定した場合であり、この時、上送り足12が着地点Gの位相において速度V=0となることが分かる。また、回転中心がこれらの近辺となるk=0.7〜1.0の場合にも、着地点Gの位相において上昇又は下降の最高速度に比べて半分以下の速度で着地を行うことが分かる。つまり、上送り足12の着地の際には十分な速度低減が可能であることが分かる。
(総合送りミシンの動作)
上記構成からなる総合送りミシン10では、ミシンモータ15の駆動により、針上下動機構30は針棒11に上下動動作を付与する。そして、下側前後送り機構70と下側上下送り機構80の協働により送り歯14に長円運動を付与し、被縫製物の下方からの送り動作を実行する。
また、上送り足12と押さえ足13は、上側上下送り機構50により交互に上下動を行うと共に上送り足12は、針棒11と共に上下動を実行する。
また、下側前後送り機構70の前後送り軸73から揺動動作を付与されて上側前後送り機構40は針棒11と上送り足12とに前後方向の揺動動作を付与する。この時、下側前後送り機構70は、針棒11と上送り足12が上昇しているときに後方に揺動させ、針棒11と上送り足12が下降するときに前方に揺動させる。これにより、縫い針が被縫製物に刺さっているときに上送り足12により送りが行われ、重量がある被縫製物や厚ものでも効果的に送りを実現する。また、上送り足12による送りと送り歯14による送りは前方送り動作が同時に行われ、かかる作用からも効果的な送りが実現する。
さらに、上側上下送り機構50は前述のカム機構60を備えることから、上送り足12が上死点から下死点まで下降する際に、その中間点で一時的に下降速度が0まで減速し、
上送り足12の着地の衝撃を緩和低減する。
(総合送りミシンの効果)
以上のように、総合送りミシン10のカム機構60は、回転中心をオフセットした三角カム61に対して上下動ロッド62は受け面65,66により変位を受けて往復動作を取り出している。そして、当該三角カム61は、その一定の往復方向(ここではX軸方向)の位置変位について、一方の最大変位から他方の最大変位に至るほぼ中間の位置で大きく減速する特性を持っていることから、これを往復回動動作に変換して上下送り軸53に伝達し、上送り足12の上下動の付与に適用することで、上送り足12の上死点から下死点に至る中間の位置で減速させることが可能となり、上送り足12の着地の際に下降速度が最速となる事態を回避することができ、低速の着地により、その衝撃を低減し、機構の耐久性を向上させるとともに被縫製物への強打も回避することが可能となる。これに伴い、上送り足の強化による生産コストの上昇を回避することも可能となる。
特に、総合送りミシン10では、三角カム61の回転中心を正三角形の頂点から下ろした垂線Pと底辺Uとの交点Sに定めているので、最大振幅を生じる二つの位相の中間点での速度を0とすることができ、当該中間点を上送り足12の針板への着地点と一致するように調整することで、上送り足12の着地時の下降速度をほぼ0とすることができ、より効果的に、機構の耐久性向上、被縫製物の保護、コスト低減を実現することが可能となる。
(第二の実施形態)
カム機構の他の例を図10に基づいて説明する。
このカム機構60Aは、前述と同じ三角カム61と、二叉状の上下動ロッド62Aと、三角カム61から上下動ロッド62Aに付与される揺動動作を伝達腕54に伝達するリンク体67Aとを備えている。
上記上下動ロッド62Aは、支軸69Aによりミシンフレーム内に一端部が軸支された桿部63Aと、当該桿部63Aの他端部において三角カム61に係合する係合部64Aとからなる。係合部64Aは三角カム61を挟むように外周と接する一組のカム受け面65A,66Aを備えている。これらのカム受け面65A,66Aは桿部63Aと平行な平面であり、これにより、上下動ロッド62Aを支軸69Aを中心として回動させることを可能とする。また、上下動ロッド62Aは、前述の上下動ロッド62と異なり、ほぼZ軸方向に沿うように配設されている。そして、上下動ロッド62Aの係合部64Aに生じる揺動動作は、リンク体67Aにより伝達腕54の回動端部に付与される。
この場合も、三角カム61は、上送り足12の上死点と針棒11の上死点とが一致するように位相を調節して上軸16に固定装備され、その結果、針棒上死点において、三角カム61の底辺Uは鉛直上下方向を向いた状態となっている。
かかるカム機構60Aをカム機構60に替えて総合送りミシン10に組み込むことにより、前述の総合送りミシン10と同じ効果を得ることが可能となる。
(第三の実施形態)
カム機構の他の例を図11に基づいて説明する。
このカム機構60Bは、第一の実施形態と同じ三角カム61と、第二の実施形態と同じ二叉状の上下動ロッド62Aと、リンク体67Bとを備え、当該カム機構60Bと伝達腕54とにより四節リンク機構を構成している。
上記上下動ロッド62Aは、ほぼX軸方向に沿った状態で桿部63Aの一端部を段ネジ69により伝達腕54の回動端部と連結する。
また、リンク体67Bは、一端部がミシンフレームに対して支軸68Bにより回動可能に連結され、他端部が段ネジ66Bを介して上下動ロッド62Aの係合部64Aと連結される。これにより、上下動ロッド62Aの係合部64Aには三角カム61によって当該上下動ロッド62Aの長手方向に直交する方向に揺動動作が付与されることとになる。かかる揺動動作方向は伝達腕54に往復回動動作を付与する方向と一致しないが、上下動ロッド62Aの係合部64A側がリンク体67Bにより移動動作の軌跡が制限されることにより結果として上下動ロッド62Aの長手方向にも往復移動を行うこととなり、伝達腕54に往復回動を付与することが可能となっている。
そして、この場合も、三角カム61は、上送り足12の上死点と針棒11の上死点とが一致するように位相を調節して上軸16に固定装備されている。但し、この例では、針棒上死点において、図11に示すように、三角カム61の底辺Uは水平方向を向いた状態となっている。
従って、かかるカム機構60Bをカム機構60に替えて総合送りミシン10に組み込むことにより、前述の総合送りミシン10と同じ効果を得ることが可能となる。
(第四の実施形態)
カム機構の他の例を図12及び図13に基づいて説明する。
このカム機構60Cは、前述した三角カム61と同じ外周形状であって回転中心位置が正三角形の頂点の一つと一致するように上軸16に固定支持された三角カム61Cと、一端部で三角カム61Cを回転可能に保持する上下動ロッド62Cとを備えている。
そして、上下動ロッド62Cは、段ネジ69を介して伝達腕54の回動端部に一端部が回動可能に連結された桿部63Cと、当該桿部63Cの他端部において三角カム61Cに係合する係合部64Cとからなる。
係合部64Cは、内側に正方形状の開口が形成された環状に形成されており、内側正方形の一辺の長さはr+Rに設定され、内部に三角カム61Cを収容した状態を係合する構造となっている。そして、正方形の対向する二辺に沿った一組のカム受け面65C,66Cは、互いに平行であって、さらに、上下送り軸53に平行な方向であって、伝達腕54に付与すべき動作方向(ここでは桿部63Cの長手方向に直交する方向)に45°の傾斜をなしている。また、正方形の対向する二辺に沿ったもう一組のカム受け面67C,68Cは、互いに平行であって、さらに、上下送り軸53に平行な方向であって、伝達腕54に付与すべき動作方向(ここでは桿部63Cの長手方向に直交する方向)に45°の傾斜をなすと共に前述したカム受け面65C,66Cに対して直交している。その結果、上下動ロッド62Cには、二組の受け面65C,66Cと67C,68Cとのそれぞれが三角カム61Cから受ける変位を合成した変位がその長手方向に付与されることとなる。
そして、この三角カム61Cも、上送り足12の上死点と針棒11の上死点とが一致するように位相を調節して上軸16に固定装備されている。また、三角カム61Cの回転中心から最も遠くなる底辺U(この例では回転中心に最も近接する底辺ではなく最も遠い底辺)は、針棒上死点において、図12に示すように、鉛直方向を向いた状態となっている。また、この針棒上死点において、四つのカム受け面65C,66C,67C,68CはY軸方向から見て、上下動ロッド62Cの往復動作方向に対していずれもほぼ45°に傾斜するようになっている。なお、各カム受け面65C,66C,67C,68Cの前記傾斜角度は40〜50°の範囲内とすることが望ましい。
図13はかかるカム機構60Cによる位置変位Dと速度変位Vとを示している。図示のように、カム機構60Cは、一方への最大振幅から他方への最大振幅に移行する間に速度が減速する期間が存在する。つまり、カム機構60Cを上送り足12の上下動に用いた場合、上死点から下死点に至る途中で減速を図ることができ、着地時に減速を図ることができる。
従って、かかるカム機構60Cをカム機構60に替えて総合送りミシン10に組み込むことにより、前述の総合送りミシン10と同じ効果を得ることが可能となる。
なお、本実施例では三角カムを上軸16に固定支持されているが、針棒11の上下動1回に対して一回転する軸であれば、他の軸に固定しても良い。他の機構についても本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば、適宜変更可能なことは言うまでもない。
10 総合送りミシン(上下送りミシン)
12 上送り足
14 送り歯
16 上軸(回転軸)
40 上側前後送り機構
50 上側上下送り機構
60,60A,60B,60C カム機構
61,61C 三角カム
62,62A,62C 上下動ロッド(カム従節体)
65,65A,65C カム受け面
66,66A,66C カム受け面
67,67C カム受け面
68,68C カム受け面
70 下側前後送り機構
80 下側上下送り機構

Claims (7)

  1. 針板上の被縫製物に下方から接して送り動作を行う送り歯と、
    前記針板上の被縫製物に上方から接して送り動作を行う上送り足と、
    前記送り歯に送り方向に沿った往復動作を付与する下側前後送り機構と、
    前記送り歯に上下方向に沿った往復動作を付与する下側上下送り機構と、
    前記上送り足に送り方向に沿った往復動作を付与する上側前後送り機構と、
    前記上送り足に上下方向に沿った往復動作を付与する上側上下送り機構とを備え、
    前記送り歯と上送り足との協働により前記被縫製物の送りを行う上下送りミシンにおいて、
    前記上側上下送り機構は、回転駆動を行う回転軸の回転動作から往復動作を取り出すカム機構を備え、
    前記カム機構は、正三角形の三つの頂点のそれぞれを中心とする大小二種類の円弧を連ねた外周形状の三角カムと、前記三角カムを挟むように外周に接する互いに対向した少なくとも一組の受け面を有するカム従節体とを備え、
    前記三角カムは、前記各頂点のいずれか一つから底辺に向かって降ろした垂線上であって、前記正三角形の中心点より底辺側の位置を中心に回転を行うように前記回転軸に固定支持されており、
    前記上送り足の上下動の上死点と上下動により縫いを行う針棒の上死点とが一致するように前記三角カムが前記回転軸に固定支持されていることを特徴とする上下送りミシン。
  2. 前記三角カムの前記回転軸が最も近接する底辺が、前記針棒の上死点で鉛直方向又は水平方向を向くように前記回転軸に固定支持されていることを特徴とする請求項1記載の上下送りミシン。
  3. 前記三角カムは、前記頂点から回転中心の距離が、前記正三角形の一つの辺の長さを1としたときに0.7以上1.0以下としたことを特徴とする請求項1又は2記載の上下送りミシン。
  4. 前記三角カムは、前記回転中心の位置を、前記頂点に対して前記垂線と底辺の交点としたことを特徴とする請求項3記載の上下送りミシン。
  5. 針板上の被縫製物に下方から接して送り動作を行う送り歯と、
    前記針板上の被縫製物に上方から接して送り動作を行う上送り足と、
    前記送り歯に送り方向に沿った往復動作を付与する下側前後送り機構と、
    前記送り歯に上下方向に沿った往復動作を付与する下側上下送り機構と、
    前記上送り足に送り方向に沿った往復動作を付与する上側前後送り機構と、
    前記上送り足に上下方向に沿った往復動作を付与する上側上下送り機構とを備え、
    前記送り歯と上送り足との協働により前記被縫製物の送りを行う上下送りミシンにおいて、
    前記上側上下送り機構は、回転駆動を行う回転軸の回転動作から往復動作を取り出すカム機構を備え、
    前記カム機構は、正三角形の三つの頂点のそれぞれを中心とする大小二種類の円弧を連ねた外周形状の三角カムと、前記三角カムを挟むように外周に接する互いに対向する少なくとも二組の受け面を有するカム従節体とを備え、
    前記三角カムは、前記各頂点のいずれか一つを中心に回転を行うように前記回転軸に固定支持されており、
    前記従節体は、前記二組の受け面が受ける変位の合成変位により往復運動を行い、
    前記上送り足の上下動の上死点と上下動により縫いを行う針棒の上死点とが一致するように前記三角カムが前記回転軸に固定支持されていることを特徴とする上下送りミシン。
  6. 前記三角カムの回転の中心に位置する頂点から最も離れた底辺が、前記針棒の上死点で鉛直方向を向くように前記回転軸に固定支持されると共に、
    前記カム従節体の互いに平行な二組の受け面は、前記針棒の上死点で、前記往復運動方向に対して40〜50°の範囲で傾斜していることを特徴とする請求項5記載の上下送りミシン。
  7. 前記カム従節体の互いに平行な二組の受け面は、いずれも、前記往復運動方向に対して45°に傾斜していることを特徴とする請求項5又は6記載の上下送りミシン。
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