JP2010056464A - 半導体発光素子及びその製造方法 - Google Patents

半導体発光素子及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ZnOの低抵抗で高品質なp形半導体層を確実に形成でき、量産性に優れ、発光の強度が強い半導体発光素子を提供する。
【解決手段】n形ZnO系バルク単結晶基板をn形半導体層14とし、そのn形ZnO系バルク単結晶基板の亜鉛原子を含む面上に、エピタキシャル成長法により、p形半導体層13として窒素と銅を同時にドープしたZnO系半導体薄膜を作製し、その接合面18にpn接合を形成した。
【選択図】 図1

Description

この発明は、紫外光あるいは青色光の発光に適した半導体発光素子およびその製造方法に関する。
現在、半導体発光素子は照明分野において次世代を担う製品として注目を集めており、近い将来、大きな市場になると予測されている。
酸化亜鉛(ZnO)は、約3.2〜3.4eVのバンドギャップエネルギーを有する直接遷移型半導体で、現在半導体発光素子の材料として多く用いられているGaNと比較して、励起子結合エネルギーが60meVと極めて高く、また原材料が安価で豊富に存在し、環境や人体に無害であるなどの特徴を有する。そのため、高効率で低消費電力の環境性に優れた、紫外光から青色光の発光デバイスを実現できる可能性がある材料である。
しかし、ZnOは酸素欠損あるいは格子間位置の亜鉛原子などの欠陥が生じやすいため、電子が多いn形になりやすく、p形導電層を形成することが困難であるとされてきた。しかしながら近年、アクセプタ不純物としてI族またはV族元素を用いることによってp形化を実現し、ZnO系半導体を用いて高効率な発光素子を作製すべく、多くの研究がなされている。
ZnO単結晶基板上にアクセプタをドーピングした薄膜を形成することで作製された半導体発光素子の例が、特許文献1や特許文献2に記載されている。また、サファイア基板上で、窒素(N)を導入したZnO薄膜の製造方法が、例えば特許文献3に記載されている。さらに酸化亜鉛と格子定数の整合性が高い材料からなる基板(例えば、ScAlMgO)を用いてNを導入したZnO薄膜の製造方法が特許文献4及び非特許文献1に記載されている。
特開2004−247411公報 特開2004−247681公報 特開2004−221352公報 特開2005−223219公報 A. Tsukazaki, A. Ohtomo, T. Onuma, M. Ohtani, T. Makino, M. Sumiya, K. Ohtani, S. F. Chichibu, S. Fuke, Y. Segawa, H. Ohno, H. Koinuma, and M. Kawasaki, Nature Materials, 2005, 4, pp. 42-46.
しかし、ZnO以外の結晶基板の上に成長したZnO薄膜は結晶格子定数の差から欠陥や格子歪が発生し、良質な結晶性の良い薄膜を得ることができないため、残留電子濃度が高い。しかも、自己補償効果が強く発生するため、p形層を得るためには多くのドーピングを行う必要がある。しかし、p形ドーパントの濃度が高くなると結晶性が悪化してしまい、残留電子濃度が増加するため、実効アクセプタの濃度はあまり増加せず、抵抗は低くならない。
また、特許文献3や特許文献4に記載の製造方法では、AlやScAlMgO4の基板上にZnOのバッファ層を形成し、その上にZnO薄膜を形成することが試みられている。しかし、通常これらの基板上に成長させたZnOは酸素面が成長主表面となるため、p形ドーパントの溶解度は低く、アクセプタ濃度を高くできないため、低抵抗にするのは困難である。
特許文献1や特許文献2に記載された半導体発光素子のようにZnO単結晶基板を用いた場合、亜鉛面が成長主表面となる面を用いると、p形ドーパントの溶解度は高く、アクセプタ濃度を高くできるが、O原子と原子半径が近く、p形化を最も実現しやすいN原子でさえ、高濃度のドーピングを行った場合でも、ZnO中のアクセプタ準位は非常に深く、低抵抗化は困難である。
I族またはV族元素をp形ドーパントとして用い、2種類以上の元素をドーピングした半導体発光素子の例が特許文献5や特許文献6に記載されている。これらはいずれも、I族またはV族元素をp形ドーパントとして用い、さらにそのp形ドーパント間のクーロン反発による静電エネルギー上昇を抑制し、p形ドーパントの溶解度を増大させるためn形ドーパントを同時にドーピングする方法である。
しかし、p形及びn形のドーピングを同時に行うため、全体のドーピング量も多くなり、結晶性は悪化しやすく、欠陥が多くなってしまうため、p形とn形のドーパント量を制御してp形層を形成するのは困難である。
特開2001−48698公報 特開2004−221132公報
上述したように、低抵抗で高品質なp形ZnO薄膜の形成を確実に行うのは非常に難しく、高効率の発光に成功したという事例はほとんど報告されていない。また、n形ZnO単結晶基板上に低抵抗のp形薄膜を形成した成功例の報告もまだない。
そこで、この発明は、ZnOの低抵抗p形半導体層を高品質に確実に形成し、量産性に優れ、発光の強度が強い半導体発光素子を提供することを目的とする。
この発明による半導体発光素子は上記の目的を達成するため、n形ZnO系単結晶基板上に窒素および銅を同時にドープしたZnO系化合物からなるp形半導体層が形成されてpn接合されていることを特徴とする。
そのp形半導体層は、ドープされた窒素濃度が原子の個数で2×1017/cm〜1021/cmであるのが望ましく、ドープされた銅濃度は原子の個数で1×1017/cm〜1021/cmであるのが望ましい。
この半導体発光素子において、上記n形ZnO系単結晶基板は、ZnO系単結晶にドナー不純物としてAl、Fe、Ga、Inのいずれか又はそれらの組み合わせで、その濃度が原子の個数で1.0×1017/cm以上となるようにドーピングして低抵抗化したn形ZnO系単結晶基板であるのが望ましい。
そのn形ZnO系単結晶基板は、抵抗率が0.5Ω・cm以下であるとよい。
これらの半導体発光素子において、上記n形ZnO系単結晶基板が、ZnO系単結晶上にドナー不純物としてAl、Fe、Ga、Inのいずれか又はそれらの組み合わせで、その濃度が原子の個数で1.0×1017/cm以上となるようにドーピングして導電性を制御し、低抵抗化したn形ZnO系薄膜が形成されたZnO系単結晶基板であってもよい。そのn形ZnO系薄膜は、抵抗率が0.5Ω・cm以下であるとよい。
上記n形ZnO系単結晶基板の上に上記p形半導体層が形成される面は、亜鉛原子を含む面、すなわちc(0001)面、またはm(10−10)面、あるいはa(11−20)面であるのが望ましい。
上記n形ZnO系単結晶基板の面方位が、上記c(0001)面、またはm(10−10)面、あるいはa(11−20)面に対して、±1度以内にあることが望ましい。
また、前述したp形半導体層は、MgZn1−aO(ただし、0≦a≦1)単結晶の薄膜であるとよく、上記n形ZnO系単結晶基板は、MgZn1−bO(ただし、0≦b≦1)単結晶基板であるとよい。
一方、上記n形ZnO系単結晶基板は、MgZn1−bO(ただし、0≦b≦1)単結晶基板であるとよい。あるいは、低抵抗化したn形ZnO系薄膜MgZn1−dO(ただし、0≦d≦1でありd≦b)が形成されたn形ZnO系単結晶基板であってもよい。
この発明はまた、上述した各半導体発光素子を製造する半導体発光素子の製造方法も提供する。
その半導体発光素子の製造方法においては、上記n形ZnO系単結晶基板上への上記p形半導体層の形成を、プラズマアシスト付きの反応性蒸着法によって行うことを特徴とする。
さらに、減圧容器(チャンバ)内に上記n形ZnO系単結晶基板を設置して、その減圧容器内に窒素と酸素を導入して所定の分圧比を保ちながら、固体金属元素源(ルツボ)から高純度の亜鉛と銅を蒸発させると共にプラズマを発生させ、その蒸発した亜鉛と銅に酸素と窒素とを前記n形ZnOバルク単結晶基板上または該蒸発した亜鉛と銅が該基板に達するまでの過程で反応させることによって、窒素および銅を同時にドープしたZnO系半導体薄膜を、上記p形半導体層として上記n形ZnO単結晶基板上にエピタキシャル成長により直接形成するのが望ましい。
この製造方法においてさらに、上記ZnO系半導体薄膜を形成するための前処理として、上記n形ZnO系単結晶基板に平坦化のための熱処理を行う工程と、上記減圧容器内にて高真空中で上記n形ZnO系単結晶基板の表面をクリーニングするための熱処理を行う工程と、窒素雰囲気中においてプラズマ処理を施し、上記n形ZnO系単結晶基板表面の平坦化とクリーニングを行う工程とを有するとよい。
あるいは、減圧容器(チャンバ)内に平坦化のための熱処理を行ったn形ZnO系単結晶基板を設置して、高真空中でその表面をクリーニングするための熱処理と窒素を導入して窒素雰囲気とした中でのプラズマ処理を施し、その後、減圧容器内に窒素と酸素を導入して所定の分圧比を保ちながら、固体金属元素源(ルツボ)から高純度の亜鉛と高純度の銅をそれぞれ蒸発させると共にプラズマを発生させ、その蒸発した亜鉛及び銅に酸素と窒素とを上記n形ZnOバルク単結晶基板上または該蒸発した亜鉛及び銅が該基板に達するまでの過程で反応させることによって、窒素および銅を同時にドープしたZnO系半導体薄膜を、上記p形半導体層として上記n形ZnOバルク単結晶基板上にエピタキシャル成長により直接形成するようにしてもよい。
これらの製造方法と同様に、n形ZnO単結晶基板上へのp形半導体層の形成を、上述したプラズマアシスト付きの反応性蒸着法に代えて、前処理及び各種パラメータを調整及び改善し、有機金属気相成長(MOCVD)法、分子線エピタキシー成長(MBE)法、レーザ蒸着法、あるいはスパッタリング法によって、n形ZnO単結晶基板上に窒素及び銅を同時にドープしたZnO化合物からなるp形半導体層をエピタキシャル成長により直接形成して行なうことも可能である。
この発明によれば、高品質で低抵抗なp形半導体層を確実に形成でき、量産性に優れ、発光の強度が強い(明るく発光する)半導体発光素子を提供することができる。
以下、この発明を実施するための最良の形態を図面を参照して説明する。
〔半導体発光素子の実施形態〕
図1はこの発明による半導体発光素子の一実施形態を示す模式的な断面図である。
この半導体発光素子は、n形ZnO系単結晶基板をn形半導体層14とし、その上にp形半導体層13として、窒素Nと銅Cuを同時にドープしたZnO系化合物からなるp形半導体層が形成されて、pn接合面(界面)18でpn接合されている。このp形半導体層13は、n形半導体層14であるn形ZnO系単結晶基板上に、その格子情報に則って結晶成長するエピタキシャル成長で直接形成される。
そして、そのp形半導体層13上に第一電極12としてp形オーミック電極を、n形半導体層14であるn形ZnO単結晶基板の裏面に第二電極15としてn形オーミック電極をそれぞれ形成している。その形成方法については後述する。
n形半導体層14には、ドナー不純物のドーピングによって低抵抗化したn形ZnO系単結晶基板、例えばドナー不純物としてAl、Fe、Ga、Inを単独で、あるいはそれらを組み合わせて、その濃度が原子の個数で1.0×1017/cm以上になるようにドーピングして導電性を制御し、低抵抗化したn形ZnO系単結晶基板を使用するのが望ましい。また、低抵抗化したn形ZnO系薄膜が形成されたn形ZnO系単結晶基板を用いてもよい。
p形半導層13は、MgZn1−aO(ただし、0≦a≦1)単結晶薄膜に窒素および銅をドープして作成したZnO系半導体薄膜であるとよい。この単結晶の薄膜はZnO単結晶の場合とMgZnO単結晶の場合の両方が含まれる。
一般に、MgZn1−x O(ただし、0≦x≦1)(ZnOも含む)は、ZnとMgの割合により、バンドギャップエネルギーを約3.3〜7.8eVに制御できる半導体である。つまり、そのバンドギャップに応じたそれぞれの発光を得ることができると共にMgZn1−xO(ただし、0≦x≦1)をバンドギャップがそれより大きいMgZn1―yO(ただし、0≦y≦1、x<y)をクラッド層として挟んだキャリア閉じ込め構造にすることにより発光効率の向上が期待できる。
これは、励起子結合エネルギーが60〜115meVと極めて高く、原材料が安価、環境や人体に無害であるなどの特徴を有し、高効率・低消費電力で環境性に優れた紫外線から青色の発光デバイスに応用できる可能性がある材料である。
Mg Zn1−XOはZnOと格子定数がほとんど変わらないため、高品質の薄膜を形成することが可能であり、熱膨張係数も近いため、温度の変化により発生するひずみを抑制することも可能である。
本発明者らは前述の課題を解決するため、ZnO系単結晶基板を用いることとし、ZnO系単結晶基板の特性を十分に評価し、理解してきた。ZnO系単結晶基板は近年結晶性に優れたものができてきているが、依然として抵抗率が100Ω・cm以上と高く、導電性制御を目的とした層を形成した後にp形半導体層を形成する必要があった。
そこで、ZnO系単結晶基板上にあるいはZnO系単結晶育成の際に、ドナー不純物としてAl、Fe、Ga、Inを単独で、あるいはそれらを組み合わせて、その濃度が原子の個数で1.0×1017/cm以上になるようにドーピングさせることで、結晶性に優れ移動度が高く、n形層の抵抗率が0.5Ω・cm以下である層を前以て形成したn形ZnO系単結晶板基板を用意した。
これにより、直列抵抗分の増加を抑えることができるため、pn接合および発光についての特性を大幅に向上させることができた。
また、ZnO系単結晶基板の亜鉛原子を含む面であるc(0001)面(Zn面)、m(10−10)面およびa(11−20)面の表面欠陥準位密度がc(000−1)面の酸素面に比べ小さいこと、及び熱力学的に安定であることに着目し、上記各面のいずれかに窒素と銅を同時にドープしてZnO系半導体薄膜を作製することにした。
図2にZnO系単結晶のこれらの亜鉛原子を含む面を模式的に示す。(a)はc(0001)面(Zn面)、(b)はm(10−10)面、(c)はa(11−20)面をそれぞれ斜線を施して示している。
n形ZnO系単結晶基板の面方位が、c(0001)面、m(10−10)面、およびa(11−20)面に対して、それぞれ±1度以内であれば、テラスと呼ばれる平らな部分が広くほとんど凹凸のない場合だけでなく、ステップを含む面が現れても、この程度の角度までは結晶性の良い成膜が可能である。
アクセプタとしてドーピングする窒素は、単独のドーピングを行った場合アクセプタとして働くが、低抵抗のp形層を得るために高濃度でドーピングを行っても、深い準位を形成するため、その活性化率は低く、逆に低抵抗化が困難であるため窒素の活性化率を向上させる必要があった。
そこで、銅を窒素と同時にドーピングすることにより活性化率を向上させ、有効にアクセプタとして働かせた。ドープする窒素の濃度は、原子の個数で2×1017/cm〜1021/cmの範囲とした。1017/cm以下では、p形層の抵抗が高くなり発光効率が悪くなり、1021/cmを超えると結晶性が劣化してしまうためである。
また、窒素と同時にドープする銅の濃度は1×1017/cm〜1021/cmの範囲とした。1017/cm以下では、銅を同時にドーピングした効果が不十分で、p形層の抵抗が高くなり発光強度が弱くなり、1021/cm3を超えると結晶性が劣化してしまうためである。
図3はこの発明による半導体発光素子の他の実施形態を示す模式的な断面図である。
図3の(a)に示す半導体発光素子は、MgZn1−bO(ただし、0≦b≦1)からなるn形ZnO系単結晶基板をn形半導体層14とし、その上面に、窒素Nと銅Cuを同時にドープしたMgZn1−aO(ただし、0≦a≦1)からなるZnO系化合物からなるp形半導体層13が形成され、n形半導体層14との接合面(界面)18でpn接合されている。さらに、そのp形層13の上にMgZn1−cO(ただし、0<c≦1でありa<c)単結晶の薄膜によるp形クラッド層16を積層している。
そして、p形クラッド層16上に第一電極12としてp形オーミック電極を、n形半導体層14であるn形ZnO系単結晶基板の裏面に第二電極15としてn形オーミック電極をそれぞれ形成している。
図3の(b)に示す半導体発光素子は、MgZn1−bO(ただし、0≦b≦1)からなるn形ZnO系単結晶基板をn形クラッド層17とし、その上面にMgZn1−dO(ただし、0≦d≦1であり、d<b)からなるn形半導体層14が形成され、その上に窒素Nと銅Cuを同時にドープしたMgZn1−aO(ただし、0≦a≦1)からなるZnO系化合物からなるp形半導体層13が形成され、n形半導体層14との接合面(界面)18でpn接合されている。
そして、p形半導体層13上に第一電極12としてp形オーミック電極を、n形クラッド層17であるn形ZnO系単結晶基板の裏面に第二電極15としてn形オーミック電極をそれぞれ形成している。
図3の(c)に示す半導体発光素子は、MgZn1−bO(ただし、0≦b≦1)からなるn形ZnO系単結晶基板をn形クラッド層17とし、その上面にMgZn1−dO(ただし、0≦d≦1であり、d<b)からなるn形半導体層14が形成され、その上に窒素Nと銅Cuを同時にドープしたMgZn1−aO(ただし、0≦a≦1でありa<c)からなるZnO系化合物からなるp形半導体層13が形成され、n形半導体層14との接合面(界面)18でpn接合されている。ここまでの構成は(b)の半導体発光素子と同じであるが、さらにそのp形半導体層13の上にMgZn1−cO(ただし、0<c≦1でありa<c)単結晶の薄膜によるp形クラッド層16を積層している。
そして、p形クラッド層16上に第一電極12としてp形オーミック電極を、n形クラッド層17であるn形ZnO系バルク単結晶基板の裏面に第二電極15としてn形オーミック電極をそれぞれ形成している。
これら半導体発光素子は、図1に示した基本構造に対する応用構造であり、クラッド層を形成している。そのクラッド層についてはp形の層とn形の層とがあり、pn接合を中心として、それぞれp形半導体層、n形半導体層の外側に配置する。このクラッド層もそれぞれMgZn1−cO(p形クラッド層)、MgZn1−dO(n形クラッド層)で表される。ただし、p形半導体層をMgZn1−aO(ただし、0≦a≦1)、n形半導体層をMgZn1−bO(ただし、0≦b≦1)とするとa<c、b<dでなくてはならない。
このクラッド層を設けることによって、キャリアがそれぞれ閉じ込められて再結合の確率が高くなり、発光の効率が向上する。クラッド層を作製する際には、後で説明する図4におけるZn用ルツボ6にZnのみではなく、Mgの金属も混ぜて入れるか、Zn単体の金属の代わりにZnMgの合金を入れることによって、薄膜中のMgの量を制御できる。
しかし、上記n形ZnO単結晶基板がクラッド層として働く場合はd<bとする必要があるが、導電制御の目的でn形の薄膜を設ける場合にはd=bでもよい。
〔半導体発光素子の製造方法の実施例〕
以下に本発明の半導体発光素子の製造方法を詳細に説明する。
図4にZnO薄膜成長装置の一例として、プラズマアシスト付きの反応性蒸着法を用いた結晶成長装置(以下、「反応性蒸着装置」という)を示す。
この反応性蒸着装置は、酸素と窒素を導入するためのポートである気体供給口7と排気口9とを有する減圧容器であるチャンバ20と、そのチャンバ20内を真空状態に保つ真空ポンプ(図示していない)とを含む。
チャンバ20内に導入する原料ガスは、酸素ガスはG3グレード以上のボンベガス(純度99.99%以上)を、窒素ガスも同様にG3グレード以上のボンベガス(純度99.995%以上)を使用する。これより下のグレードでは、不純物濃度が大きくなり、電気的特性や結晶性の劣化が起こるため使用できない。
チャンバ20内には、薄膜成長の下地となるn形ZnO系単結晶基板(以下、単に「基板」ともいう)2を保持する専用の基板マスク3と、基板2を加熱するためのヒータ1が取り付けられており、加熱温度を確認するための温度センサ21を備えている。
チャンバ20内にはまた、亜鉛Znを供給する固体金属元素源としてのルツボ6とそのルツボ6を加熱して亜鉛を蒸発させるためのルツボヒータ8が取り付けられており、加熱温度を確認するための温度センサ22を備えている。
原料のZnは純度99.99%以上の金属亜鉛粒子を使用する。これより低い純度では、不純物濃度が大きくなり、電気的特性や結晶性の劣化が起こるため使用できない。
また、MgZn1−xO(ただし、0<x≦1)薄膜によるクラッド層を作製する場合には、Zn用ルツボ6に金属亜鉛粒子のみではなく、金属マグネシウム粒子も適当な割合で混ぜて入れるか、金属亜鉛粒子の代わりにZnMg合金の粒子を入れることによってマグネシウムの量を制御する。
また、チャンバ20内には銅を供給する固体金属元素源としてのルツボ10とそのルツボ10を加熱して銅を蒸発させるためのルツボヒータ11も取り付けられており、加熱温度を確認するための温度センサ23も備えている。原料のCuは純度99.99%以上の金属銅粒子を使用する。
チャンバ20内は、図示しない真空ポンプにより排気口9から排気されて、薄膜作製時には真空状態に保たれる。チャンバ20内での薄膜成長や真空度等については、図示していない制御パネルによって適宜制御される。また、チャンバ20内のルツボ6およびルツボ10の上方にはプラズマ発生用コイル4を備えており、同様にその制御パネルによって発生するプラズマの出力等が適宜制御される。そのプラズマ発生用コイル4と基板マスク3との間に、シャッタ5が介在および退避可能に設けられている。
以下に、n形ZnO系単結晶基板上にp形半導体層となるZnO系半導体薄膜を成長させる工程について、詳細に説明する。
図示していないアニール用電気炉にて、n形ZnO系バルク単結晶基板を800℃〜1000℃にて2時間(H)加熱し、表面の平坦化処理を行う。このときの加熱温度が800℃より低いと平坦化が十分ではなく、1000℃を超えるとZnやO原子が抜けて欠陥が発生してしまうためである。
次に、図4に示した反応性蒸着装置のチャンバ20内の基板マスク3上の所定の位置に、そのアニール処理をしたn形ZnO系単結晶基板2を亜鉛面が表(図4では下面)になるように取り付ける。また、金属亜鉛(サイズ2〜5mm、純度99.9999%以上)をルツボ6内に定量詰め、金属銅(サイズ2〜5mm、純度99.9999%以上)もルツボ10内に定量詰める。
そして、反応性蒸着装置のチャンバ20内を真空ポンプにより、(1.0〜2.0)×10−5Pa程度まで真空状態に引く。真空度が低いと成膜した膜中の不純物の含有率が高くなり、結晶性が悪くなる。真空状態を確認した後、図示していない基板加熱用ヒータ電源を入れ、ヒータ1によって500〜700℃にて0.5〜1時間(H)加熱し、n形ZnO系単結晶基板2の表面のクリーニングを行う。このときの加熱温度がこれより低いか加熱時間がこれより短いと、クリーニングが不十分となり、これより加熱温度が高いまたは加熱時間が長いと、ZnやOの欠陥が増加してしまう。
次に、窒素(ボンベガス)を導入し、チャンバ20の内圧が8.0×10−1Paのもとで図示していないRF電源を投入し、プラズマ発生用コイル4を起動してプラズマを発生させる。チャンバ20の内圧8.0×10−1Paは、今回の実施例においてプラズマを発生させるのに必要な圧力である。
このとき、プラズマ出力は30〜300Wの間で、5〜10分間n形ZnOバルク単結晶基板2の表面の平坦化処理及びクリーニングを行う。プラズマ出力が30Wより小さいかまたは処理時間が5分間より短いと処理の効果が減少してしまう。また、プラズマ出力が300Wより大きいかまたは処理時間が10分間より長いと基板にダメージを与えてしまう。
このクリーニング終了後、基板加熱温度を成膜時温度に調整する。成膜温度は300〜900℃の間でZnO系半導体薄膜の成膜を行う。成膜温度が300℃より低いと結晶性が著しく悪くなり、900℃を超えると成膜ができなくなる。温度の調整後、図示しないルツボ加熱用ヒータ電源を入れ、ルツボヒータ8によってルツボ6を加熱する。ルツボ6の加熱温度は300〜600℃の間で行う。300℃より低いとZnが蒸発せず、また600℃より高い条件では成膜レートが高くなりすぎて、結晶性が著しく悪くなる。
次に、もうひとつの原料である酸素(ボンベガス)を導入し、再びRF電源を投入し、プラズマ発生用コイル4を起動してプラズマを発生させる。このときのプラズマ出力は20〜250Wの間で行う。プラズマ出力が20Wより低いと成膜できず、また250Wより高いと成膜レートが高くなりすぎて結晶性が著しく悪くなるためである。
ドーピングを行ってp形半導体薄膜となるZnO系半導体薄膜の作製を行うため、ドーピング材料である窒素(ボンベガス)を酸素ガスに混入させてドーピングを行う。酸素と窒素はマスフローにて流量を制御し、チャンバ内圧が1.0×10−1〜1.0Paになるように調整する。この圧力とするのは、成膜レートが高く、かつ結晶性がよく、ドーピングもスムーズに行われる条件である。チャンバ内圧が1.0×10−1Paより低いと酸素及び窒素が少なくなるため、ZnOが効率よく合成されず膜がうまくできないか、またはドーピング量が少なすぎてp形の特性が出ない。また、1.0Paより大きい場合は、原料のZnが酸化して反応が進まなくなる。
酸素と窒素は分圧にて窒素:酸素=1:0.5〜10になるようにしてから、ルツボのシャッタ5を開け、ZnO系半導体薄膜(p形半導体層)の成膜を開始する。上記分圧比にする理由は、窒素の比がこれより大きくなると結晶性が悪くなり、逆に小さいとキャリア濃度が低くなり、p形半導体層の抵抗が高くなってしまうためである。
さらに、窒素と同時にドーピングする銅のドーピングは亜鉛用のルツボ6を加熱するのと同時に銅蒸発用に設けたルツボ10のルツボヒータ11の電源を入れて行う。ルツボヒータ11によるルツボ10の加熱温度は1000℃〜1500℃の間で行う。成膜時間は30〜500分間とし、ZnO系半導体薄膜の膜厚は0.2〜2.0μmとする。成膜時間はこの膜厚を得るために必要な時間である。
固体金属元素源であるルツボ10から蒸発した銅をn形ZnO単結晶基板2上またはルツボ6から蒸発した亜鉛がその基板2に達するまでの過程で、ZnO薄膜中に取り込むことによって、窒素および銅を同時にドープしたZnO系半導体薄膜が、p形半導体層としてn形ZnO単結晶基板2上にエピタキシャル成長により直接形成される。
成膜時間終了後、シャッタ5を閉め、ヒータ8によるルツボ6の加熱及びヒータ11によるルツボ10の加熱とヒータ1による基板2の加熱を停止し、プラズマ電源もOFFにし、気体酸素ガスと窒素ガスの導入も停止する。基板2及びルツボ6,10の温度が下がったところでサンプル(n形ZnO系バルク単結晶基板2上にZnO系半導体薄膜を形成したもの)及びルツボ6,10を取り出す。
電極の作製は、電極作製専用のマスクに成膜を行ったサンプルを取り付け、真空蒸着装置によって行う。図1及び図3に示すn型半導体層14又はn形クラッド層17であるn型ZnO系単結晶基板の裏面にアルミニウムAlを0.03〜0.5μm成膜して、第二電極15としてのn形オーミック電極を形成する。この厚さとした理由は、オーミックな接触を得られるのに十分な厚さであり、電極の強度も十分得られることからである。
図1及び図3におけるZnO系半導体薄膜からなるp形半導体層13上、あるいはp形クラッド層16上に、ニッケルNiを0.008〜0.02μm成膜し、さらに金Auを0.03〜0.3μm成膜して、第一電極12としてのp形オーミック電極を形成する。密着性を持たせるためにNiを始めに成膜し、続いて十分なオーミックと電極としての強度を得るためにAuを成膜する。各電極サイズは1×1mmとする。
上述した実施例は、n形ZnOバルク単結晶基板上へのZnO系半導体薄膜(p形半導体層)の形成を、プラズマアシスト付きの反応性蒸着法によって行う場合の例について詳細に説明した。しかし、これに限るものではなく、上記n形ZnOバルク単結晶基板上へのZnO系半導体薄膜の形成を、上述したプラズマアシスト付きの反応性蒸着法と同様な観点により、前処理と成膜方法及び各種パラメータを調整及び改善した、有機金属気相成長(MOCVD)法、または金属亜鉛元素源を用いる分子線エピタキシー成長(MBE)法、レーザ蒸着法、あるいはスパッタリング法などによって行うことも可能である。
〔この発明による半導体発光素子の評価〕
上記の条件で作製したこの発明による図1に示した半導体発光素子の評価を行った。
この評価に使用した半導体発光素子は、ドナー不純物としてAl、Fe、Ga、Inを単独で、あるいはそれらを組み合わせて、原子の個数で1.0×1017/cm以上ドーピングして導電性を制御し、低抵抗化したn形ZnO系単結晶基板をn形半導体層14とし、p形半導体層13として窒素および銅をドープしたZnO系半導体層によりpn接合させた。p形半導体層13であるZnO系半導体層は、MgZn1−aO(ただし、0≦a≦1)単結晶薄膜に窒素および銅をドープして作製した。
図5はその評価結果のELスペクトルを示す線図である。
縦軸は電流注入により発光した光の強度 (a.u.):(任意単位)を示しており、横軸は光の波長 (nm)を示している。また、このグラフ中の実線のデータは窒素のみをドープしたp形半導体層を用いて作製した従来の半導体発光素子の発光スペクトルであり、破線のデータは窒素及び銅を同時にドープしたp形半導体層を用いて作製したこの発明による半導体発光素子の発光スペクトルである。a.u.は、例えば計測装置のカウント数を表すが、測定条件によって大きく変わる。ここでの実験では測定条件を一定にしているが、他の測定データとの比較はできない。
この図5から、窒素のみをドープしたp形半導体層を用いた従来の半導体発光素子よりも窒素と銅を同時にドープしたp形半導体層を用いたこの発明による半導体発光素子の方が発光が極めて強い(ピーク波長380nm付近)ことがわかる。これは、銅を窒素と同時にドーピングすることにより、有効にアクセプタとして働いたためと考えられる。
この発明は、高品質で低抵抗なp形半導体層を確実に形成でき、量産性に優れ、発光の強度が強い(明るく発光する)半導体発光素子を提供することができる。したがって、この発明による半導体発光素子は発光ダイオードとして使用でき、それを利用する各種表示装置やプリンタ、照明器具など広汎用途に利用可能である。また、半導体レーザ素子としても使用でき、大容量記憶媒体への書き込みなど広汎な用途に利用可能である。
この発明による半導体発光素子の一実施形態を示す模式的な断面図である。 n形ZnO系バルク単結晶の亜鉛原子を含む面の説明図である。 この発明による半導体発光素子の他の異なる構造の実施形態を示す模式的な断面図である。 この発明による半導体発光素子の製造に使用するZnO薄膜成長装置(反応性蒸着装置)の構成例を示す模式的な断面図である。 発明による半導体発光素子の評価結果のELスペクトルを示す線図である。
符号の説明
1:基板加熱用のヒータ 2:n形ZnO系バルク単結晶基板(基板)
3:基板マスク 4:プラズマ発生用コイル 5:シャッタ
6:ルツボ(亜鉛、マグネシウム及びZnMg用) 7:気体供給口 8:ルツボヒータ(亜鉛、マグネシウム及びZnMg用)
9:排気口 10:ルツボ(銅用) 11:ルツボヒータ(銅用)
12:第一電極(p形オーミック電極)
13:p形半導体層 14:n形半導体層
15:第二電極(n形オーミック電極)
16:p形クラッド層 17:n形クラッド層
18:pn接合面(界面)
20:チャンバ(減圧容器) 21,22,23:温度センサ

Claims (21)

  1. n形ZnO系単結晶基板上に、窒素および銅を同時にドープしたZnO系化合物からなるp形半導体層が形成されてpn接合されていることを特徴とする半導体発光素子。
  2. 請求項1に記載の半導体発光素子において、
    前記p形半導体層は、ドープされた窒素濃度が原子の個数で2×1017/cm〜1021/cmであることを特徴とする半導体発光素子。
  3. 請求項1に記載の半導体発光素子において、
    前記p形半導体層は、ドープされた銅濃度が原子の個数で1×1017/cm〜1021/cmであることを特徴とする半導体発光素子。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の半導体発光素子において、
    前記n形ZnO系単結晶基板が、ZnO系単結晶にドナー不純物としてAl、Fe、Ga、Inのいずれか又はそれらの組み合わせを、その濃度が原子の個数で1.0×1017/cm以上となるようにドーピングして低抵抗化したn形ZnO系単結晶基板であることを特徴とする半導体発光素子。
  5. 請求項4に記載の半導体発光素子において、
    前記n形ZnO系単結晶基板は、抵抗率が0.5Ω・cm以下であることを特徴とする半導体発光素子。
  6. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の半導体発光素子において、
    前記n形ZnO系単結晶基板が、ZnO系単結晶上にドナー不純物としてAl、Fe、Ga、Inのいずれか又はそれらの組み合わせを、その濃度が原子の個数で1.0×1017/cm以上となるようにドーピングして導電性を制御し、低抵抗化したn形ZnO系薄膜が形成されたn形ZnO系単結晶基板であることを特徴とする半導体発光素子。
  7. 請求項6に記載の半導体発光素子において、
    前記ZnO系単結晶基板上に形成されたn形ZnO系薄膜は、抵抗率が0.5Ω・cm以下であることを特徴とする半導体発光素子。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の半導体発光素子において、
    前記n形ZnO系単結晶基板の前記p形半導体層が形成される面は、亜鉛原子を含む面であることを特徴とする半導体発光素子。
  9. 請求項8に記載の半導体発光素子において、
    前記亜鉛原子を含む面は、c(0001)面、またはm(10−10)面、あるいはa(11−20)面であることを特徴とする半導体発光素子。
  10. 請求項9に記載の半導体発光素子において、
    前記n形ZnO系単結晶基板の面方位が、前記c(0001)面、またはm(10−10)面、あるいはa(11−20)面に対して、±1度以内にあることを特徴とする半導体発光素子。
  11. 請求項1乃至10のいずれか一項に記載の半導体発光素子において、
    前記p形半導体層は、MgZn1−aO(ただし、0≦a≦1)単結晶の薄膜であることを特徴とする半導体発光素子。
  12. 請求項11に記載の半導体発光素子において、
    前記n形ZnO系単結晶基板は、MgZn1−bO(ただし、0≦b≦1)単結晶基板であることを特徴とする半導体発光素子。
  13. 請求項11に記載の半導体発光素子において、
    前記n形ZnO系単結晶基板は、低抵抗化したn形ZnO系薄膜MgZn1−dO(ただし、0≦d≦1でありd≦b)が形成されたn形ZnO系単結晶基板であることを特徴とする半導体発光素子。
  14. 請求項1乃至13いずれか一項に記載の半導体発光素子を製造する半導体発光素子の製造方法であって、
    前記n形ZnO系単結晶基板上への前記p形半導体層の形成を、プラズマアシスト付きの反応性蒸着法によって行うことを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  15. 請求項14に記載の半導体発光素子の製造方法であって、
    減圧容器内に前記n形ZnO系単結晶基板を設置して、該減圧容器内に窒素と酸素と導入して所定の分圧比を保ちながら、固体金属元素源から高純度の亜鉛と銅を蒸発させると共にプラズマを発生させ、その蒸発した亜鉛と銅に酸素と窒素とを前記n形ZnOバルク単結晶基板上または該蒸発した亜鉛と銅が該基板に達するまでの過程で反応させることによって、窒素および銅を同時にドープしたZnO系半導体薄膜を、前記p形半導体層として前記n形ZnO単結晶基板上にエピタキシャル成長により直接形成することを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  16. 請求項15に記載の半導体発光素子の製造方法において、
    前記ZnO系半導体薄膜を形成するための前処理として、前記n形ZnO系単結晶基板に平坦化のための熱処理を行う工程と、前記減圧容器内にて高真空中で前記n形ZnO系単結晶基板の表面をクリーニングするための熱処理を行う工程と、窒素雰囲気中においてプラズマ処理を施し、前記n形ZnO系単結晶基板表面の平坦化とクリーニングを行う工程とを有することを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  17. 請求項14に記載の半導体発光素子の製造方法であって
    減圧容器内に平坦化のための熱処理を行った前記n形ZnO系単結晶基板を設置して、高真空中でその表面をクリーニングするための熱処理と窒素を導入して窒素雰囲気とした中でのプラズマ処理を施し、その後、該減圧容器内に窒素と酸素を導入して所定の分圧比を保ちながら、固体金属元素源から高純度の亜鉛と高純度の銅をそれぞれ蒸発させると共にプラズマを発生させ、その蒸発した亜鉛と銅に酸素と窒素とを前記n形ZnO単結晶基板上または該蒸発した亜鉛と銅が該基板に達するまでの過程で反応させることによって、窒素および銅を同時にドープしたZnO系半導体薄膜を、前記p形半導体層として前記n形ZnOバルク単結晶基板上にエピタキシャル成長により直接形成することを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  18. 請求項1乃至13のいずれか一項に記載の半導体発光素子を製造する半導体発光素子の製造方法であって、
    前記p形半導体層の形成を、有機金属気相成長(MOCVD)法によって行うことを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  19. 請求項1乃至13のいずれか一項に記載の半導体発光素子を製造する半導体発光素子の製造方法であって、
    前記p形半導体層の形成を、金属亜鉛元素源を用いる分子線エピタキシー成長(MBE)法によって行うことを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  20. 請求項1乃至13のいずれか一項に記載の半導体発光素子を製造する半導体発光素子の製造方法であって、
    前記p形半導体層の形成を、レーザ蒸着法によって行うことを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  21. 請求項1乃至13のいずれか一項に記載の半導体発光素子を製造する半導体発光素子の製造方法であって、
    前記p形半導体層の形成を、スパッタリング法によって行うことを特徴とする半導体発光素子の製造方法。

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