JP2010074069A - 半導体発光素子 - Google Patents

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俊輔 赤坂
Takeshi Nakahara
健 中原
Masashi Kawasaki
雅司 川崎
Akira Otomo
明 大友
Atsushi Tsukasaki
敦 塚崎
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Abstract

【課題】アクセプタ層のアクセプタ不純物濃度を高めることなく、発光素子の輝度上昇が図れる半導体発光素子を提供する。
【解決手段】ZnO基板1上に、アンドープZnO層2、窒素ドープMgZnO層3、透明導電膜4が順に積層されている。透明導電膜4上にp電極5が、ZnO基板1の裏面にはn電極6が形成されている。ここで、窒素ドープMgZnO層3のバンドギャップが、アンドープZnO層2のバンドギャップよりも0.2eV以上大きくなるように形成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、アクセプタ元素を含むアクセプタ層を備えた半導体発光素子に関する。
ワイドギャップ半導体では、p型とn型を同時に実現することが困難となる場合が多い。例えばGaN化合物をp型化することは従来困難であるとされてきたが、現在では、加熱処理によりp型化できることが知られている。一方、ワイドギャップ半導体の中でも、ZnO系半導体は、アクセプタドーピングが困難で、p型ZnOを得ることができないと言われてきた。
しかし、近年、非特許文献1や非特許文献2に見られるように、技術の進歩により、p型ZnOを得ることができるようになり、発光も確認されるようになってきた。ただし、これらの成果は、ScAlMgO(SCAM)という複合酸化物絶縁基板を用いている。SCAM基板は研究所レベルでしか作製されていない特殊な絶縁性基板であること、雲母のように薄膜が積み重なったような構造をしているため、チップ化の際のダイシングが困難なこと等の難点があり、このままでは産業に適した形態ではない。
そこで、発明者らは、産業に適した形態でのZnO系半導体で構成されたLED等のデバイスの形成を目指し、ZnO基板を使っての研究、開発を進めた。その成果の一部はすでに、特許文献1や、既出願の特願2007−27182号等に開示している。
特願2007−27182号にも示したように、平坦なZnO系薄膜を積層するためには、750℃以上の成長温度が必要であり、MgZnOになると、更に高温でなければ平坦な膜を形成することができない。薄膜の平坦性は重要で、薄膜の平坦性が良くないとキャリアが薄膜中を移動するときの抵抗になったり、積層構造の上層になるほど、表面荒れが大きくなり、その表面荒れのためにエッチング深さの均一性が取れなかったりする。
また、表面荒れによる異方的な結晶面の成長が起こる、といった問題が発生しやすく、半導体デバイスとしての所望の機能を発揮させるのが困難になりやすい。さらには、表面荒れによって意図しない不純物汚染が発生するといった別の問題も発生する。そのため、通常は薄膜表面はできるだけ平坦なことが望まれる。ところが、p型化を行うための窒素のドーピング効率は成長温度に強く依存し、高濃度の窒素ドーピングを行うためには基板温度を下げる必要がある。
A.Tsukazaki et al.,JJAP 44(2005)L643 A.Tsukazaki et al Nture Material 4(2005)42 特開2007−329353
上記のように、ZnO系半導体では、表面平坦性を考慮し、成長温度を上昇させた場合、アクセプタ元素のドープ濃度を高めることが困難であった。例えば、表面平坦性を保つために、750℃以上の成長温度で窒素ドープのZnO系半導体層を形成した場合、窒素濃度は、1×1019cm−3以下でしかドープできない。ZnO系半導体に限らず、半導体発光素子では、p型層及びn型層の不純物濃度が発光輝度に影響を与える。p型層に相当するアクセプタ層のアクセプタ不純物濃度を高くできなければ、通常、発光素子の輝度を上昇させることが困難である。
本発明は、上述した課題を解決するために創案されたものであり、アクセプタ層のアクセプタ不純物濃度を高めることなく、発光素子の輝度上昇が図れる半導体発光素子を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、アクセプタ元素を含むアクセプタ層を少なくとも1層と発光層とを有する半導体積層体を備え、該アクセプタ層のうちの少なくとも1層のバンドギャップが、前記発光層のバンドギャップよりも0.2eV以上大きくなるように形成されていることを特徴とする半導体発光素子である。
また、請求項2に記載の発明は、前記発光層のバンドギャップよりも0.2eV以上大きくなるように形成されたアクセプタ層が、アクセプタ層の中で最も発光層側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子である。
また、請求項3に記載の発明は、前記半導体積層体は、酸化物で構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の半導体発光素子である。
また、請求項4に記載の発明は、前記アクセプタ元素は、V族元素もしくはI族元素であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の半導体発光素子である。
また、請求項5に記載の発明は前記アクセプタ層は、MgZnOで構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の半導体発光素子である。
また、請求項6に記載の発明は、前記MgZnOにおけるMgの含有比率が10%〜50%の間であることを特徴とする請求項5に記載の半導体発光素子である。
また、請求項7に記載の発明は、前記アクセプタ層のSi不純物濃度が1×1019cm−3以下であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の半導体発光素子である。
また、請求項8に記載の発明は、前記アクセプタ元素は窒素であることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の半導体発光素子である。
本発明の半導体発行素子によれば、アクセプタ元素を含むアクセプタ層のうちの少なくとも1層のバンドギャップが、発光層のバンドギャップよりも0.2eV以上大きくなるように形成されているので、アクセプタ不純物濃度を高めなくても、キャリアの閉じ込め効果が向上し、発光素子の輝度を上昇させることができる。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。図1は本発明の一実施形態に係る半導体発光素子の積層構造を示す図である。
成長用基板としてのZnO基板1上に、アンドープZnO層2、窒素ドープMgZnO層3、透明導電膜4が順に積層されている。ここで、窒素ドープMgZnO層3は、アクセプタ元素を含むアクセプタ層に相当する。アクセプタ元素としては、V族又はI族の元素から選択することができ、N(窒素)以外には、P(燐)、As(砒素)、Li(リチウム)、Cu(銅)等を用いることができる。また、図1で積層体とは、ZnO基板1〜窒素ドープMgZnO層3までをいう。
なお、以下、ZnO系半導体又はZnO系薄膜という場合は、ZnO又はZnOを含む化合物から構成されるものであり、具体例としては、ZnOの他、IIA族元素とZn、IIB族元素とZn、またはIIA族元素およびIIB族元素とZnのそれぞれの酸化物を含むものを意味する。
透明導電膜4は、例えば、Ni/Auの金属膜が用いられ、これをアニールすることにより透明化する。また、透明導電膜4には、PEDOT(ポリエチレンジオキシチオフェン)といったp型有機導電膜を用いても良い。透明導電膜4上にp電極5が、ZnO基板1の裏面にn電極6が形成されている。p電極5は、例えば透明導電膜4側からTi/Auの金属多層膜、n電極6は、例えばZnO基板1側からTi/Alの金属多層膜で構成される。
アンドープZnO層2は、発光層(活性層)に相当するもので、アンドープZnOの替わりにMQW活性層としても良い。MQW活性層とする場合は、例えば、障壁層MgZnOと井戸層ZnOを交互に積層した多重量子井戸構造に形成する。また、アンドープZnO層2とZnO基板1との間にn型MgZnO層、又はアンドープMgZnO層上にn型MgZnO層を積層した積層体を挿入しても良い。n型MgZnO層のドナー不純物としてはGa(ガリウム)等が用いられる。
図1では、アクセプタ層は、窒素ドープMgZnO層3の単層で構成されているが、複数のMgZnO層を積層した多層構造であっても良い。
図1の構造の半導体発光素子を用いてエレクトロルミネセンス測定を行った。図2は、窒素ドープMgZnO層3を窒素ドープMgZn1−XO(0<X<1)とし、そのMg組成XとEL強度との関係を示したものである。図2の横軸は、窒素ドープMgZn1−XOのMg組成Xを、縦軸は、通常用いられるように任意単位で表わされた発光強度を示す。また、グラフに描かれた黒丸(●)は、いくつかの測定値の平均を示し、黒丸の上下に伸ばしたバーの上限と下限は、測定値の最大と最小を示す。
図2からわかるように、Mg組成を高くしていくと、EL強度は段々と上昇していくが、MgOが析出する限界、通常0.5を越える程度(Z1の地点)までMg組成が増加すると、EL強度は低下する。半導体発光素子の輝度は、EL強度に比例するので、図2から、アクセプタ層のアクセプタ不純物濃度を上げなくても、Mg組成を増大させていけば、輝度が上昇することがわかる。また、Mg組成の増大にも上限があり、MgOが析出する程度のところまでである。
したがって、MgOが析出しない程度にMg組成を高くすると、MgZnOでは輝度が上昇する。そのMg組成の限界は、図より0.5(図の破線位置)と考えられる。また、図より、EL強度がMgOの析出限界であるZ1よりも大きくなるためには、Mg組成Xが0.1以上となることが必要である。これにより、輝度を上昇させるためには、0.1≦X≦0.5の範囲が望ましい。
なお、図2のZ1の測定点(Mg組成53%)で、窒素ドープMgZnO層にMgOが析出していることを確認したのが図3である。窒素ドープMgZn1−XOのMg組成を、30%の場合と、図2のZ1に相当する53%の場合とに形成して、窒素ドープMgZn1−XOの表面をX線回折(XRD;X Ray Diffraction)測定により比較した。図3はX線回折測定装置により測定されたMg組成が30%と53%のMgZnO膜のXRD測定によるX線回折図形を示す。図3の上段が、Mg組成30%のX線回折図形を、下段がMg組成53%のX線回折図形を示す。
L1とL3の曲線は、X線回折測定装置の照射領域制御手段のスリット(発散スリット)を広く設定した状態で測定した強度を、L2とL4の曲線は、発散スリットを狭く設定した状態で測定した強度を示す。また、PK1とPK2は、ZnO結晶の(002)面に関するピークを示す。これらのX線回折測定結果を比較すると、Mg組成が30%と53%では、ZnO結晶の(002)面に関するピークであるPK1とPK2は同様に現われている。しかし、Mg組成が53%のグラフでは、MgO結晶の(111)面に関するピークP1、MgO結晶の(200)面に関するピークP2が出現しており、MgOが析出していることがわかる。
次に、図4に、MgZn1−XOのバンドギャップエネルギーとMg組成Xとの関係を示す。横軸がMgZn1−XOのX値を、縦軸がMgZn1−XOのバンドギャップエネルギーを示す。ところで、図1の構成では、活性層にアンドープZnO層2を用いている。一方、図2から導き出された望ましいMg組成Xの範囲は、0.1≦X≦0.5であるため、最小のX=0.1を取った場合を考える。半導体発光素子では、バンドギャップの小さい発光層をバンドギャップの大きいp型層、n型層で挟み、キャリアを閉じ込める必要がある。
アンドープZnOは、図4ではMg組成X=0に相当し、図に示すようにZnOのバンドギャップ3.3eVに該当する。これに対してp型層となる窒素ドープMgZnO層3のMg組成を0.1にすると、Mg0.1ZnOのバンドギャップは、図4の点線で示されるように約3.5eVとなる。したがって、アンドープZnO層2と窒素ドープMgZnO層3とのバンドギャップ差は、最低0.2eV開けておくことが望ましいことがわかる。
また、上限は、Mg組成X=0.5であるので、Mg0.5ZnOのバンドギャップは、約4.4eVである。このときのアンドープZnOと、Mg0.5ZnOとのバンドギャップ差は1eV程度になることがわかる。以上より、半導体発光素子の発光輝度を大きくするためには、発光層のバンドギャップよりもアクセプタ層のうちの少なくとも1層のバンドギャップが大きく、かつ、そのバンドギャップ差は0.2eV以上とすることが好ましい。
次に、発光層とアクセプタ層とのバンドギャップエネルギー構造例を図5に示す。図5において、LEは発光層を示し、図1では、アンドープZnO層2が該当する。また、P11〜P13、P21〜P23は、アクセプタ層が複数の半導体層で構成された多層構造を有していることを示す。前述したように、アクセプタ層は、図1のようにMgZnO層単層で構成しても良いが、複数のMgZnO層を積層した多層構造であっても良い。また、発光層とアクセプタ層との間に、図5(a)、(b)に示すように、アンドープMgZnO層からなるC12、C22を備えていても良い。ここで、C11及びC21は、アンドープMgZnO層を示す。また、C11、C12は、各々全体がドナー層、又は一部がドナー層に形成されていても良い。
図5(a)では、発光層LEをC11とC12で挟んだ構造が活性層となる。一方、図5(b)では、発光層LEをC21とC22で挟んだ構造が活性層となる。すなわち、図5(a)、(b)ともに、発光層LEは量子井戸でなくても良く、活性層における最もポテンシャルの低い層、又は最もバンドギャップの小さい層を構成している。バンド構造は、便宜のために、伝導帯におけるバンドのみを示している。また、アクセプタ層が、MgZn1−XOの多層で構成される場合には、図4に示すようにMgの組成Xを変化させることで、バンドギャップを変えることができる。
図5(a)は、アクセプタ層がP11層、P12層、P13層の多層構造で構成されている。また、図5(b)は、アクセプタ層がP21層、P22層、P23層の多層構造で構成されている。また、アクセプタ層は、半導体発光素子における半導体積層体の最も外側に形成されている。ここで、P11層とP22層が、発光層LEのバンドギャップより0.2eV以上のバンドギャップを有しているとする。この場合、図5(a)のように、複数のアクセプタ層のうち、最も発光層LEに近いP11層が、発光層LEのバンドギャップよりも0.2eV以上大きくなるように形成されることが望ましい。ZnO系材料では、電子の有効質量がホールの有効質量よりも1桁以上軽いため、電子の拡散距離が大きい。このため、電子が発光層より漏れ出し易く、発光輝度低下の原因となる。電子が発光層より漏れ出すのを抑制するには、上記のように、バンドギャップの大きいアクセプタ層を発光層の近くに配置することが効果的である。
次に、図1の構造の半導体素子の製造方法を説明する。成長用基板となるZnO基板1をロードロック室に入れ、水分除去のために、1×10−5〜1×10−6Torr程度の真空環境で200℃、30分間加熱する。1×10−9Torr程度の真空を持つ搬送チャンバーを経由して、液体窒素で冷やされた壁面を持つ成長室に基板を導入し、MBE法(分子線エピタキシー法)を用いてZnO系薄膜を成長させる。
Znは7Nの高純度ZnをPBN製の坩堝に入れたクヌーセンセルを用い、260〜280℃程度に加熱して昇華させることにより、Zn分子線として供給する。ワイドギャップ材料として必要なMgZnOを作製するためのMgは、6Nの高純度Mgを用い、同様の構造のセルから300〜400℃に加熱して昇華させ、Mg分子線として供給する。また、n型化するためにドナー不純物が必要な場合は、通常、ドナー不純物にGaが用いられる。この場合、7Nの高純度Gaを用い、上記同様の構造のセルから400℃〜700℃に加熱して昇華させることにより、Ga分子線として供給する。
酸素は6NのOガスを用い、電解研磨内面を持つSUS管を通じて円筒の一部に小さいオリフィスを開けた放電管を備えたRFラジカルセルに0.1sccm〜5sccm程度で供給、100〜500W程度のRF高周波を印加してプラズマを発生させ、反応活性を上げた酸素ラジカルの状態にして酸素源として供給する。プラズマは重要で、O生ガスを入れてもZnO系薄膜は形成されない。
アクセプタ元素として、窒素を用いる場合は、酸素と同様の構造のRFラジカルセルを用い、NOガスを0.1sccm〜1sccm程度で供給、100〜500W程度のRF高周波を印加してプラズマを発生させる。しかし、チャンバーの大きさ、RFラジカルセルの大きさで条件は変わるので、必ずしも上記条件が適切であるわけではない。NOガスを用いる場合は、NOガスだけ供給しても窒素ドープMgZnOを作製することが可能である。
基板は一般的な抵抗加熱であればSiCコートしたカーボンヒータを使う。Wなどでできた金属系ヒータは酸化してしまい使えない。他にもランプ加熱、レーザー加熱などで温める方法もあるが、酸化に強ければどの方法でもかまわない。
750℃以上に加熱し、約30分、1×10−9Torr程度の真空中で加熱した後、酸素ラジカルセルとZnセルのシャッターを開けてZnO薄膜成長を開始し、アンドープZnO層2を結晶成長させる。このとき、平坦なZnO系薄膜を作製するためには、既出願の特願2007−27182にも示したように、750℃以上が必要である。
また、窒素ドープMgZnO層3の場合は、Mgセルのシャッター及び窒素ラジカルセルのシャッターも開けて薄膜成長を行う。
Mgの組成比率を変えるためには、Mgセル温度を変化させてMg供給量を制御する。Mg組成は、元々の亜鉛供給量/酸素供給量の供給比に依存するため、成長条件によって同じ組成を得るためのMg供給量は異なる。本実施例では、Mgセルの温度を250℃〜400℃、Mg供給量1×10−9〜1×10−7Torrの範囲で、Mg組成比率を0〜50%の範囲で変調させることができた。
次に、Ni、Auの金属膜を積層し、アニール処理を行って透明導電膜4を形成する。p電極5、n電極6を蒸着又はスパッタにより形成する。
次に、アクセプタ層である窒素ドープMgZnO層3について、IV族のSi不純物混入濃度の上限について説明する。アクセプタ層でSiが増加すると、Siは、ドナーとして働くので、p型化する場合や、デバイス作製時に問題となる。一方、既出願の特願2007−221198に示したように、MgZn1−XO薄膜(0≦X<1)の表面平坦性とSiの混入濃度とは関連性がある。表面平坦性は、上述したように、デバイス作製の上で重要である。特願2007−221198の内容を再掲すると以下のようになる。
図6、7にMgZn1−XO薄膜の表面平坦性とSiの混入濃度との関連性を示す。この関連性を見るために、ZnO基板上に窒素ドープMgZnO層をラジカルセルを有するMBE(Molecular Beam Epitaxy)装置によってエピタキシャル成長させて調べた。図6、7に内挿された画像は、このときの窒素ドープMgZnO層の表面を原子間力顕微鏡(AFM)を用い、20μm四方の範囲でスキャンしたものである。また、窒素ドープMgZnO層中のシリコン濃度、窒素濃度を二次イオン質量分析法(Secondary Ion Mass Spectroscopy:SIMS)で測定した。
図6、7ともに、左側縦軸がSi濃度又はN濃度、右側縦軸がMgO二次イオン強度を示し、グラフの中に内挿されている画像が、窒素ドープMgZnO層表面の状態を表す。また、MgO二次イオン強度が出現している領域が窒素ドープMgZnO層であり、MgO2次イオン強度が0近くまで落ちている領域がZnO基板である。なお、MgZnO層表面近傍の二次イオン質量分析法によるデータは、誤差が大きいので、無視しても良い。
グラフに内挿されている画像を見ればわかるように、MgZnO薄膜の表面平坦性が良いのは、図6の方であり、表面平坦性の悪い(表面の荒れた)図7の方が薄膜中のSi混入濃度が高くなっていることがわかる。図6と図7の Si濃度を比較すると、図6では、MgZnO薄膜中のすべての領域で、Si不純物濃度が1×1019cm−3以下となっている。一方、図7では、MgZnO薄膜中のSi不純物濃度が、1×1019cm−3を越えている領域が存在する。 したがって、表面平坦性等の観点からも、アクセプタ層のSi不純物濃度は、1×1019cm−3以下とすることが望ましい。
本発明の一実施形態に係る半導体発光素子の積層構造を示す図である。 窒素ドープMgZnO層のMg組成とEL強度との関係を示す図である。 Mgの組成比が30%と53%のMgZnO膜のX線回折測定結果を示す図である。 MgZnOのMg組成とバンドギャップエネルギーとの関係を示す図である。 発光層とアクセプタ層との間の伝導帯におけるバンドギャップ構造例を示す図である。 窒素ドープMgZnO薄膜の表面平坦性とSiの混入濃度との関連性を示す図である。 窒素ドープMgZnO薄膜の表面平坦性とSiの混入濃度との関連性を示す図である。
符号の説明
1 ZnO基板
2 アンドープZnO層
3 窒素ドープMgZnO層
4 透明導電膜
5 p電極
6 n電極

Claims (8)

  1. アクセプタ元素を含むアクセプタ層を少なくとも1層と発光層とを有する半導体積層体を備え、該アクセプタ層のうちの少なくとも1層のバンドギャップが、前記発光層のバンドギャップよりも0.2eV以上大きくなるように形成されていることを特徴とする半導体発光素子。
  2. 前記発光層のバンドギャップよりも0.2eV以上大きくなるように形成されたアクセプタ層が、アクセプタ層の中で最も発光層側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子。
  3. 前記半導体積層体は、酸化物で構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の半導体発光素子。
  4. 前記アクセプタ元素は、V族元素もしくはI族元素であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
  5. 前記アクセプタ層は、MgZnOで構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
  6. 前記MgZnOにおけるMgの含有比率が10%〜50%の間であることを特徴とする請求項5に記載の半導体発光素子。
  7. 前記アクセプタ層のSi不純物濃度が1×1019cm−3以下であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
  8. 前記アクセプタ元素は窒素であることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
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