JP2010051553A - 超音波診断装置および方法 - Google Patents

超音波診断装置および方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2010051553A
JP2010051553A JP2008219863A JP2008219863A JP2010051553A JP 2010051553 A JP2010051553 A JP 2010051553A JP 2008219863 A JP2008219863 A JP 2008219863A JP 2008219863 A JP2008219863 A JP 2008219863A JP 2010051553 A JP2010051553 A JP 2010051553A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
living body
ultrasonic
intensity change
incident
tomographic image
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008219863A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Hanyu
武 羽生
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Medical and Graphic Inc
Original Assignee
Konica Minolta Medical and Graphic Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Medical and Graphic Inc filed Critical Konica Minolta Medical and Graphic Inc
Priority to JP2008219863A priority Critical patent/JP2010051553A/ja
Publication of JP2010051553A publication Critical patent/JP2010051553A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Ultra Sonic Daignosis Equipment (AREA)

Abstract

【課題】超音波診断装置において、病変部の悪性度状態を表示する。
【解決手段】2波送信回路4は、超音波探触子2から生体へ2つの周波数f1,f2の信号を入射し、反射超音波を超音波探触子2で受信すると、濾波部8,16でそれぞれ濾波し、基本波(周波数f1)の信号から、検波回路10および白黒Bモード画像部11によって従来通りBモード画像を作成する。一方、強度変化率演算部17が、f1,f2の各受信信号において、生体の深さ方向で微小区間(隣接画素間)の強度を比較して、超音波吸収の大きさを表す強度変化率をそれぞれ求め、色相情報作成部18は、それらの比から、断層像上の各点における生体組織の状態を推定し、対応した色相情報を作成し、加算回路19で前記Bモード画像に重畳する。したがって、色相情報は組織性状(病変部の悪性度状態)を反映する指標となり、診断者は容易に病変部の悪性度状態を判定できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、超音波を利用して生体の診断部位について断層像を得る超音波診断装置および方法に関する。
従来の一般的な超音波診断装置は、生体に超音波を送信および受信する超音波送受信手段と、この超音波送受信手段からの反射超音波信号を用いて生体内の断層像データを所定周期で繰返して得る画像処理手段と、この画像処理手段によって得た時系列の断層像データを表示する表示手段とを有し、生体内部の組織構造をBモード像やMモード像などにして表示していた。これらの画像の解像度を上げて、分り易くする方法として、典型的には、kernel核法などのエッジ強調処理が採用される。
しかしながら、さらに特許文献1には、生体に超音波を送信して生体から反射された超音波の受信信号を周波数分離して、得られた複数の各周波数成分の強度の相対関係を複数の異なる時点において求め、前記強度の相対関係の変化を画像化することで、軟部組織と硬部組織とを対比可能に表示するようにした超音波診断装置が開示されている。
特開2005−125082号公報
上述の従来技術は、生体組織で周波数成分毎に、映るものと映らないものとがあるので、それを上手く合成することで、生体内部の組織構造を表示することができるという優れた装置である。しかしながら、病変部があっても、形状が従来より鮮明に映るものの、それが正常であるのか、悪性であるのかは、その画像からは分らない。一般に、診断には、高解像画像が60〜70%、残りを病変部の(不定)形状や硬さなどの情報が占めると言われており、上述の従来技術では、診断に従来通りの経験と勘とが必要になる。
本発明の目的は、病変部の悪性度状態を表示可能な超音波診断装置および方法を提供することである。
本発明の超音波診断装置は、送信手段から生体へ超音波信号を入射し、その入射超音波に応答した生体からの超音波信号を受信手段で受信して、画像処理手段が白黒の断層像データを作成し、表示手段に表示するようにした超音波診断装置において、前記送信手段は、生体への入射超音波を所定周波数範囲で相互に離間する複数の周波数で、順次前記生体へ入射し、前記受信手段は、前記入射超音波に応答した生体からの超音波信号を順次受信し、前記画像処理手段は、何れか1つの受信信号から前記白黒の断層像データを作成し、前記複数の各受信信号において、生体の深さ方向で予め定める微小区間(隣接画素間)における強度を比較して、強度変化率をそれぞれ求める強度変化率演算手段と、前記強度変化率演算手段で求められた前記複数の強度変化率同士を比較し、その強度変化率同士の比に基づいて、断層像上の各点における生体組織の状態を推定し、推定した前記生体組織の状態に対応した色相情報を作成する色相情報作成手段と、前記色相情報作成手段で作成された前記色相情報を前記画像処理手段で作成された前記白黒の断層像データに重畳して、前記表示手段へ出力する加算手段とを含むことを特徴とする。
本発明の超音波診断方法は、生体へ超音波信号を入射し、その入射超音波に応答した生体からの超音波信号を受信して、白黒の断層像データを作成し、表示するようにした超音波診断方法において、前記生体への入射超音波を所定周波数範囲で相互に離間する複数の周波数で、順次前記生体へ入射するステップと、前記入射超音波に応答した生体からの超音波信号を順次受信するステップと、前記複数の各受信信号において、生体の深さ方向で予め定める微小区間(隣接画素間)における強度を比較して、強度変化率をそれぞれ求めるステップと、求められた前記複数の強度変化率同士を比較し、その強度変化率同士の比に基づいて、断層像上の各点における生体組織の状態を推定するステップと、推定された前記生体組織の状態に対応した色相情報を得るステップと、得られた前記色相情報を前記白黒の断層像データに重畳して表示出力するステップとを含むことを特徴とする。
上記の構成によれば、送信手段から生体へ超音波信号を入射し、その入射超音波に応答した生体からの超音波信号を受信手段で受信して、画像処理手段が白黒の断層像データを作成し、表示手段に表示するようにした超音波診断装置および方法において、生体は筋肉や骨などの複合体であるが、超音波信号を生体組織へ入射すると、一般に、水、油、筋肉骨と硬くなる程、減衰が大きいという傾向がある、一方、複数の周波数の超音波信号を生体組織へ入射すると、減衰は、組織の特有の係数*厚さ*周波数で生じ、周波数に依存するので、その周波数による減衰の差を強調すれば、診断の支援に役立てられる。具体的には、正常細胞なら、周波数の差(倍数)に略比例した受信強度が得られるべきところ、病気や閉塞が生じると、その部位において、前記減衰の差によって、減衰が連続しない特異点が現れ、それを見つけて画像化する。
このため、前記送信手段は、生体への入射超音波を所定周波数範囲で相互に離間する複数の周波数で、順次前記生体へ入射し、前記受信手段は、前記入射超音波に応答した生体からの超音波信号を順次受信する。そして、前記画像処理手段は、何れか1つの受信信号から、従来通り、基本波または高調波を用いて、Bモード画像などの前記白黒の断層像データを作成する一方、強度変化率演算手段が時系列の複数の各受信信号において、生体の深さ方向で予め定める微小区間(隣接画素間)における強度を比較して、診断部位の生体組織の超音波吸収の大きさを表す強度変化率をそれぞれ求め、求められた前記複数の強度変化率同士を色相情報作成手段で比較し、その強度変化率同士の比に基づいて、断層像上の各点における生体組織の状態を推定し、推定した前記生体組織の状態に対応した色相情報を作成し、加算手段で前記白黒の断層像データに重畳して、前記表示手段へ出力する。
したがって、従来から報告されているように、病変部や梗塞部位においては正常部位よりも全般的に減衰係数が大きな値であり、たとえば正常部位で周波数の1.6乗、すなわち周波数が1.5倍になると、1/1.91倍になるところ、梗塞部位では1.3乗、すなわち1/1.69倍に、拡張型心筋症で1.2乗、すなわち1.63倍であるので、この累乗の値が前記強度変化率に現れるので、その比から、前記白黒の断層像に色付けが行われることになる。こうして、前記色相情報は組織性状(病変部の悪性度状態)を反映する指標となり、これによって診断者は、容易に病変部の悪性度状態を判定することができる。
また、本発明の超音波診断装置では、前記複数の周波数は、相互に整数倍または整数分の1にならない2つの異なる周波数であり、前記白黒の断層像データを作成するための基本波となる第1の周波数をf1とし、前記色相情報の作成に使用される第2の周波数をf2とするとき、f1<f2<2f1の関係に選ばれることを特徴とする。
上記の構成によれば、f2=2f1となると、基本波に対する高調波が第2の周波数に一致してしまうので、送信間隔を開ける等の対策が必要となる。
したがって、上記の関係に選ぶことで、そのような特別な対策が不要になる。また、2倍の周波数では、生体内への侵入深さがほぼ半分になってしまうので、好ましくは、f2=1.5f1程度である。
さらにまた、本発明の超音波診断装置では、前記複数の周波数は、1MHzから30MHz、好ましくは3MHzから25MHzに選ばれ、特に好ましくは、f1=12MHz、f2=18MHzに選ばれることを特徴とする。
上記の構成によれば、1MHzから30MHz、好ましくは3MHzから25MHzは、生体に対して一般的に用いられる周波数であり、f1=12MHz、f2=18MHzは、高解像が得られる高い周波数の基本波で、前記f2=1.5f1の関係を満足することができ、好適である。
また、本発明の超音波診断装置では、送信用の圧電素子は無機圧電素子から成り、受信用の圧電素子は有機圧電素子から成り、それらが有機圧電素子を生体側として相互に積層されていることを特徴とする。
上記の構成によれば、前記微小区間(隣接画素間)における強度変化率を求めるにあたって、高感度を得ることができる有機圧電層を受信用に、音圧を上げて送信可能な無機圧電層を送信用に利用することで、良好なS/Nで前記強度変化率を求めることができる。
本発明の超音波診断装置および方法は、送信手段から生体へ超音波信号を入射し、その入射超音波に応答した生体からの超音波信号を受信手段で受信して、画像処理手段が白黒の断層像データを作成し、表示手段に表示するようにした超音波診断装置および方法において、前記送信手段は、生体への入射超音波を所定周波数範囲で相互に離間する複数の周波数で、順次前記生体へ入射し、前記受信手段は、前記入射超音波に応答した生体からの超音波信号を順次受信し、前記画像処理手段が何れか1つの受信信号から、従来通り、基本波または高調波を用いて、Bモード画像などの前記白黒の断層像データを作成する一方、強度変化率演算手段が時系列の複数の各受信信号において、生体の深さ方向で予め定める微小区間(隣接画素間)における強度を比較して、診断部位の生体組織の超音波吸収の大きさを表す強度変化率をそれぞれ求め、求められた前記複数の強度変化率同士を色相情報作成手段で比較し、その強度変化率同士の比に基づいて、断層像上の各点における生体組織の状態を推定し、推定した前記生体組織の状態に対応した色相情報を作成し、加算手段で前記白黒の断層像データに重畳して、前記表示手段へ出力する。
それゆえ、前記色相情報は組織性状(病変部の悪性度状態)を反映する指標となり、これによって診断者は、容易に病変部の悪性度状態を判定することができる。
図1は、本発明の実施の一形態に係る超音波診断装置1の電気的構成を示すブロック図である。この超音波診断装置1は、超音波探触子2、送信回路制御部3、送信回路4、増幅回路5、アナログ/デジタル変換器6、受信回路制御部7、第1の濾波部8、増幅回路9、検波回路10、白黒Bモード画像部11、画像表示部12、中央制御部13、記憶部14および操作盤15とを有する通常の超音波診断装置の構成に加え、さらに前記送信回路制御部3および送信回路4が所定周波数範囲で相互に離間した2つの周波数f1,f2の超音波信号を順次生体へ入射するとともに、第2の濾波部16、強度変化率演算部17、色相情報作成部18および加算回路19を備えて構成される。
前記超音波探触子2は、電子的にビーム走査を行って生体に超音波を送信および受信することで1枚の断層像を得るもので、内部には後述するように超音波の発生源であるとともに、反射超音波を受信する超音波振動子2a,2bが内蔵されている。2波送信回路4は、前記超音波探触子2を駆動して超音波を発生させるための送波パルスを生成するとともに、内蔵の送波整相加算回路によって、送信される超音波の収束点を1または複数のある深さに設定するものである。
本実施の形態では、送波パルスとしては、前記白黒の断層像データを作成するための基本波の周波数(第1の周波数)f1の他に、別の周波数f2(第2の周波数)も、順次送信するものである。そして、それらの関係は、相互に整数倍または整数分の1にならない2つの異なる周波数であり、先ずf1<f2<2f1の関係に選ばれる。これは、f2=2f1となると、基本波に対する高調波が第2の周波数f2に一致してしまうので、送信間隔を開ける等の対策が必要となるためであり、このような関係に選ぶことで、そのような特別な対策が不要になる。また、2倍の周波数では、基本波に対して、第2の周波数f2のパルスの生体内への侵入深さがほぼ半分になってしまうので、好ましくは、f2=1.5f1程度に選ばれる。具体的には、前記第1および第2の周波数f1,f2は、生体に好適に使用される周波数の1MHzから30MHz、中でも3MHzから25MHzに選ばれる。これは、3MHzよりも低い周波数になると解像度が低下してしまい、画像が鮮明になりにくいからであり、25MHz以上の周波数になると生体での超音波の吸収が高くなり、深い生体部分での受信感度を充分に得ることが困難になるからである。受信信号の増幅を充分に行えば、前記25MHzを超えて100MHzの高周波まで広帯域化することが可能であるが、コストが掛かり、また機器の規模が大きくなる難点が生じるので、この点からバランスを考えて、周波数は前記範囲が好ましい。特に好ましくは、f1=12MHz、f2=18MHzに選ばれる。それは、高解像が得られる高い周波数の基本波で、前記f2=1.5f1の関係を満足するためである。
ここで、超音波診断装置は、生体内での組織の状態によって、超音波の吸収減衰が異なることを利用して断層像を得ることを基本としているが、高い周波数の方が減衰が大きい。たとえば、鎌滝崇央他:5〜40MHz帯における生体の超音波減衰特性計測−計測システムの試作とヒト心筋標本の計測−(信学技報,MBE96-114,pp.65-90(1996))によると、被検体からの超音波エコー信号は、被検深度に応じて高周波成分が大きく減衰するので、周波数スペクトルの中心周波数が、超音波送信パルスの中心周波数より低くなることが述べられている。また、生体組織の減衰係数は、周波数fの1乗に比例(減衰係数∝f)すると言われている。
そこで、本実施の形態では、前述のように、送信回路制御部3が2波送信回路4に、超音波振動子2aから2つの周波数f1,f2の送信パルスを順次送波させ、超音波振動子2bで順次受信された信号を、増幅回路5で増幅し、アナログ/デジタル変換器6でデジタル信号に変換した後、受信回路制御部7で、受信超音波の収束点を1または複数のある深さに設定する受波整相加算回路によって整相加算し、対応周波数f1,f2の第1および第2の濾波部8,16で濾波する。
図2は、f1<f2の関係を有する2つの周波数f1,f2の超音波信号の生体内での減衰の様子を示すグラフであり、縦軸は受信強度(音圧レベル)を表し、横軸は生体内への距離(深さ)を表す。共に、或る地点Aから反射したエコー信号であり、同じ距離(深さ)でも、前述のように周波数の高い第2の周波数f2の信号の方が減衰が大きい。そして、共に、前記地点Aから地点a,bまで、それぞれの周波数f1,f2および生体の組織に応じた減衰で進行するものの、その地点a,bから地点c,dの間で、輪郭線L1とL2とで挟まれる微少の病変を通過すると、同じ距離ΔLの進行でも、周波数f1ではΔl1(a点からc点)減衰するのに対して、周波数f2ではより大きなΔl2(b点からd点)だけ減衰してしまう。Δf1,Δf2は、前記微少病変の通過時間で、速度の逆数である。この微少病変を通過した後は、元の生体組織と同じであるので、元の減衰線(A点からa点まで)および(A点からb点まで)に平行に、c点からf点までおよびd点からe点まで減衰して進行する。
したがって、前記第1および第2の濾波部8,16で第1および第2の周波数f1,f2の信号をそれぞれ濾波した後、強度変化率演算部17で、生体の深さ方向で予め定める微小区間における強度を比較すると、強度変化率α1,α2をそれぞれ求めることができ、この強度変化率α1,α2同士を比較すると、その比は、元の減衰線による比(A点からa点まで)と(A点からb点まで)との比ならびに(c点からf点まで)と(d点からe点まで)との比と、病変部分の減衰線による比(a点からc点まで)と(b点からd点まで)との比とは一致しないことになる。前記微小区間は、たとえば距離ΔLをゼロ(0)に無限に近付けた場合、隣接画素の間隔になる。
したがって、前記強度変化率α1,α2同士の比からは、断層像上の各点における生体組織の状態(悪性度、具体的には硬さ)を推定することができ、その推定された前記生体組織の状態に対応して、たとえば前記悪性度が高くなる(α1<α2)程、黄色から赤色となり、悪性度が低い(α1≧α2)場合は青色となる色相情報を色相情報作成部18で作成することで、前記悪性度を表す画像を作成することができる。
一方、第1および第2の周波数f1,f2の信号の何れか1つ(本実施の形態では、基本波の第1の周波数f1)の受信信号は、増幅回路9で増幅(ゲイン補正)された後、検波回路10に入力されて、ログ圧縮、検波、輪郭強調、フィルタ処理等の信号処理が行われ、白黒Bモード画像部11に入力される。白黒Bモード画像部11は、前記検波回路10の出力から、生体内の断層像データを超音波送波周期で得て、テレビ同期で画像表示部12へ出力するものである。本実施の形態では、画像処理手段である前記検波回路10および白黒Bモード画像部11で作成された白黒の断層像データに、前記色相情報作成部18で作成した前記色相情報を加算回路19で重畳して、前記画像表示部12へ出力する。なお、操作盤15からの操作などに応答して、適宜白黒Bモード画像のみ、または色相情報のみを表示するようにしてもよい。
図3は、前記超音波探触子2の超音波振動子2a,2bにおける1素子の圧電素子21の構造例を示す断面図である。前記超音波振動子2a,2bは、圧電材料を用いて構成された超音波トランスデューサであり、基板22上に、1次元または2次元に配列された多数の前記圧電素子21を備えて構成され、このアレイ振動子で形成された超音波ビームが電子走査される。各圧電素子21は、素子の上(生体側)から、音響レンズ23、第1の整合層24、有機圧電層25、第1のバッキング(ダンパー)層26、第2の整合層27、無機圧電層28、第2のバッキング(ダンパー)層29、熱伝導層30、および前記基板22から構成される。基板22上には、冷却層31が形成されている。
前記無機圧電層28は、PZTのような無機セラミック素子から成り、前記有機圧電層25には、高分子材料の弗化ビニリデン/3弗化エチレン共重合体を用いることができる。そして、この無機圧電層28の下面に設けられる電極32からは、第2のバッキング層29を貫通して送信用の信号線33が引出され、有機圧電層25の上面に設けられる電極34からは、該圧電素子21の一方の側面に受信用の信号線35が引出され、無機圧電層25の上面に設けられる電極36および有機圧電層25の下面に設けられる電極37からは、該圧電素子21の他方の側面に共通のGND線38が引出される。
この図3に示す圧電素子21は、送信用の超音波振動子2a(無機圧電層28および電極32,36)と受信用の超音波振動子2b(有機圧電層25および電極34,37)とを個別に形成し、一体の積層構造としているが、それらを共用する従来の圧電素子を用いてもよい。また、2層の超音波振動子2a,2bが、それぞれ周波数別に単体で送受信を行ってもよく、超音波振動子2aが第1および第2の周波数f1,f2の送受信を行うとともに、第1の周波数f1の受信を行い、超音波振動子2bが第2の周波数f2の受信のみを行う等、2層の超音波振動子2a,2bの機能は、使用する圧電材料などに応じて、適宜定められればよい。しかしながら、微弱な高調波を受信するには、プリアンプやメインアンプの増幅でも信号レベル(ゲイン)が不足しがちであるので、上述のように、前記微小区間(距離ΔL)における強度変化率α1,α2を求めるにあたって、高感度を得ることができる有機圧電層25を受信用に、音圧を上げて送信可能な無機圧電層28を送信用に利用することで、良好なS/Nで前記強度変化率α1,α2を求めることができる。
ここで、本願発明者は、正常、梗塞および拡張型心筋症のヒト心筋標本の減衰特性を測定した。その結果では、従来報告されているように、梗塞部位においては正常部位よりも全般的に減衰係数が大きな値であることが確認され、また減衰係数は、正常部位で周波数の1.6乗、すなわち周波数が1.5倍になると、1/1.91倍になるところ、梗塞部位では1.3乗、すなわち1/1.69倍に、拡張型心筋症心筋で1.2乗、すなわち1/1.63倍に比例しているという測定結果となり、拡張型心筋症心筋および心筋梗塞心筋では累乗の値は近い値となるのに対し、正常心筋は累乗の値が異なる。この累乗の値が前記強度変化率α1,α2に現れるので、その比から求められる前記色相情報は組織性状(病変部の悪性度状態)を反映する指標となり、これによって診断者は、容易に病変部の悪性度状態を判定することができる。たとえば、血管の診断において、その血管が正常なのか、あるいは動脈硬化を起しているのかを画像表示上で診断可能とすることができる。
図4および図5には、本願発明者の実験結果を示す。図4は、円形病変影像を実施した場合で、(a)は基本波である第1の周波数f1のみの影像、(b)は2つの周波数f1,f2(f2=1.5f1)を使用した影像を示す。また、図5は、微少石灰化病変の影像で、同様に(a)は基本波である第1の周波数f1のみの影像、(b)は2つの周波数f1,f2(f2=1.5f1)を使用した影像を示す。
図4および図5共に、2周波を使用して、微小区間(距離ΔL)における生体組織の超音波吸収の大きさを表す強度変化率α1,α2の比を重畳することで、明瞭な影像が得られていることが理解される。なお、図4に使用した円形病変部は、アガロース内に閉じこめた円形病変ファントームであり、図5に使用した微少石灰化病変部は、100〜200nmに微分散した炭酸カルシウムをアガロース塊内に分散したファントームを使用した。
ところで、生体組織の性質を判定する手法として、最近は、病変部の硬さ(弾性率)を、良性か悪性かの診断指標に使用するエラストグラフィー技術が進展している。それによると、超音波探触子で生体組織を圧迫し、その圧迫前後の反射エコー信号を利用し、圧迫によって生じた生体組織の変位をリアルタイム演算し、弾性(硬さの)画像を表示するというものである(たとえば特開2007−282932号公報)。したがって、確かに、硬さは生体組織の性質を見ることができる他のパラメータではあるが、僅かな圧の掛け方で変る等、再現性に問題があったり、操作者の熟練度が必要になったりする。これに対して、本願発明の強度変化率α1,α2の比を用いる手法では、再現性良く、操作も容易である。
Bモード画像部11は、基本波のみから断層像を作成するのではなく、2倍波や3倍波、或いは、4倍波などの高調波も含めて断層像を作成してもよい。また、前記強度変化率α1,α2から得られた比に対して、前述のkernel核法などでエッジ強調を行うことで、病変部の輪郭を一層明確にすることができる。
本発明の実施の一形態に係る超音波診断装置の電気的構成を示すブロック図である。 2つの周波数の超音波信号の生体内での減衰の様子を示すグラフである。 超音波探触子の超音波振動子における1素子の圧電素子の構造例を示す断面図である。 本願発明者の実験結果を示す円形病変影像の図である。 本願発明者の実験結果を示す微少石灰化病変影像の図である。
符号の説明
1 超音波診断装置
2 超音波探触子
2a,2b 超音波振動子
3 送信回路制御部
4 2波送信回路
5 増幅回路
6 アナログ/デジタル変換器
7 受信回路制御部
8 第1の濾波部
9 増幅回路
10 検波回路
11 白黒Bモード画像部
12 画像表示部
13 中央制御部
14 記憶部
15 操作盤
16 第2の濾波部
17 強度変化率演算部
18 色相情報作成部
19 加算回路
21 圧電素子
22 基板
23 音響レンズ
24 第1の整合層
25 有機圧電層
26 第1のバッキング(ダンパー)層
27 第2の整合層
28 無機圧電層
29 第2のバッキング(ダンパー)層
30 熱伝導層
31 冷却層

Claims (5)

  1. 送信手段から生体へ超音波信号を入射し、その入射超音波に応答した生体からの超音波信号を受信手段で受信して、画像処理手段が白黒の断層像データを作成し、表示手段に表示するようにした超音波診断装置において、
    前記送信手段は、生体への入射超音波を所定周波数範囲で相互に離間する複数の周波数で、順次前記生体へ入射し、
    前記受信手段は、前記入射超音波に応答した生体からの超音波信号を順次受信し、
    前記画像処理手段は、何れか1つの受信信号から前記白黒の断層像データを作成し、
    前記複数の各受信信号において、生体の深さ方向で予め定める微小区間における強度を比較して、強度変化率をそれぞれ求める強度変化率演算手段と、
    前記強度変化率演算手段で求められた前記複数の強度変化率同士を比較し、その強度変化率同士の比に基づいて、断層像上の各点における生体組織の状態を推定し、推定した前記生体組織の状態に対応した色相情報を作成する色相情報作成手段と、
    前記色相情報作成手段で作成された前記色相情報を前記画像処理手段で作成された前記白黒の断層像データに重畳して、前記表示手段へ出力する加算手段とを含むことを特徴とする超音波診断装置。
  2. 前記複数の周波数は、相互に整数倍または整数分の1にならない2つの異なる周波数であり、前記白黒の断層像データを作成するための基本波となる第1の周波数をf1とし、前記色相情報の作成に使用される第2の周波数をf2とするとき、f1<f2<2f1の関係に選ばれることを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
  3. 前記複数の周波数は、1MHzから30MHzに選ばれることを特徴とする請求項2記載の超音波診断装置。
  4. 送信用の圧電素子は無機圧電素子から成り、受信用の圧電素子は有機圧電素子から成り、それらが有機圧電素子を生体側として相互に積層されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の超音波診断装置。
  5. 生体へ超音波信号を入射し、その入射超音波に応答した生体からの超音波信号を受信して、白黒の断層像データを作成し、表示するようにした超音波診断方法において、
    前記生体への入射超音波を所定周波数範囲で相互に離間する複数の周波数で、順次前記生体へ入射するステップと、
    前記入射超音波に応答した生体からの超音波信号を順次受信するステップと、
    前記複数の各受信信号において、生体の深さ方向で予め定める微小区間における強度を比較して、強度変化率をそれぞれ求めるステップと、
    求められた前記複数の強度変化率同士を比較し、その強度変化率同士の比に基づいて、断層像上の各点における生体組織の状態を推定するステップと、
    推定された前記生体組織の状態に対応した色相情報を得るステップと、
    得られた前記色相情報を前記白黒の断層像データに重畳して表示出力するステップとを含むことを特徴とする超音波診断方法。
JP2008219863A 2008-08-28 2008-08-28 超音波診断装置および方法 Pending JP2010051553A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008219863A JP2010051553A (ja) 2008-08-28 2008-08-28 超音波診断装置および方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008219863A JP2010051553A (ja) 2008-08-28 2008-08-28 超音波診断装置および方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010051553A true JP2010051553A (ja) 2010-03-11

Family

ID=42068099

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008219863A Pending JP2010051553A (ja) 2008-08-28 2008-08-28 超音波診断装置および方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010051553A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010233859A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Toshiba Corp 超音波診断装置及びその制御プログラム
WO2012011414A1 (ja) * 2010-07-20 2012-01-26 オリンパスメディカルシステムズ株式会社 超音波診断装置、超音波診断装置の作動方法および超音波診断装置の作動プログラム
CN102858251A (zh) * 2010-11-11 2013-01-02 奥林巴斯医疗株式会社 超声波观测装置、超声波观测装置的动作方法以及超声波观测装置的动作程序
WO2013176259A1 (ja) * 2012-05-25 2013-11-28 富士フイルム株式会社 超音波診断装置、超音波診断方法、及び超音波診断プログラム
WO2013176260A1 (ja) * 2012-05-25 2013-11-28 富士フイルム株式会社 超音波診断装置、超音波診断方法、及び超音波診断プログラム
US10201329B2 (en) 2014-12-22 2019-02-12 Olympus Corporation Ultrasound observation apparatus, method for operating ultrasound observation apparatus, and computer-readable recording medium
JP2019024682A (ja) * 2017-07-27 2019-02-21 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ 超音波診断装置及びその制御プログラム
US10874375B2 (en) 2010-06-30 2020-12-29 Fujifilm Corporation Ultrasound diagnostic device and ultrasound diagnostic method

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010233859A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Toshiba Corp 超音波診断装置及びその制御プログラム
US10874375B2 (en) 2010-06-30 2020-12-29 Fujifilm Corporation Ultrasound diagnostic device and ultrasound diagnostic method
WO2012011414A1 (ja) * 2010-07-20 2012-01-26 オリンパスメディカルシステムズ株式会社 超音波診断装置、超音波診断装置の作動方法および超音波診断装置の作動プログラム
JPWO2012011414A1 (ja) * 2010-07-20 2013-09-09 オリンパスメディカルシステムズ株式会社 超音波診断装置
CN102858251A (zh) * 2010-11-11 2013-01-02 奥林巴斯医疗株式会社 超声波观测装置、超声波观测装置的动作方法以及超声波观测装置的动作程序
EP2548515A1 (en) * 2010-11-11 2013-01-23 Olympus Medical Systems Corp. Ultrasound observation device, operation method of ultrasound observation device, and operation program of ultrasound device
EP2548515A4 (en) * 2010-11-11 2013-02-27 Olympus Medical Systems Corp ULTRASONIC OBSERVATION DEVICE, OPERATING METHOD FOR THE ULTRASONIC OBSERVATION DEVICE AND OPERATING PROGRAM FOR THE ULTRASONIC OBSERVATION DEVICE
US8531911B2 (en) 2010-11-11 2013-09-10 Olympus Medical Systems Corp. Ultrasonic observation apparatus, operation method of the same, and computer readable recording medium
WO2013176260A1 (ja) * 2012-05-25 2013-11-28 富士フイルム株式会社 超音波診断装置、超音波診断方法、及び超音波診断プログラム
JP2013244219A (ja) * 2012-05-25 2013-12-09 Fujifilm Corp 超音波診断装置、超音波診断方法、及び超音波診断プログラム
JP2013244218A (ja) * 2012-05-25 2013-12-09 Fujifilm Corp 超音波診断装置、超音波診断方法、及び超音波診断プログラム
US20150057543A1 (en) * 2012-05-25 2015-02-26 Fijifilm Corporation Ultrasound diagnostic device, ultrasound diagnostic method and ultrasound diagnostic program storage medium
US10595817B2 (en) 2012-05-25 2020-03-24 Fujifilm Corporation Ultrasound diagnostic device, ultrasound diagnostic method and ultrasound diagnostic program storage medium
US10631822B2 (en) 2012-05-25 2020-04-28 Fijifilm Corporation Ultrasound diagnostic device, ultrasound diagnostic method and ultrasound diagnostic program storage medium
WO2013176259A1 (ja) * 2012-05-25 2013-11-28 富士フイルム株式会社 超音波診断装置、超音波診断方法、及び超音波診断プログラム
US10201329B2 (en) 2014-12-22 2019-02-12 Olympus Corporation Ultrasound observation apparatus, method for operating ultrasound observation apparatus, and computer-readable recording medium
JP2019024682A (ja) * 2017-07-27 2019-02-21 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ 超音波診断装置及びその制御プログラム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4201396B2 (ja) 超音波診断装置
JP2010051553A (ja) 超音波診断装置および方法
JP5448328B2 (ja) 超音波診断装置及び画像データ生成装置
JP4667394B2 (ja) 超音波診断装置
JP5134787B2 (ja) 超音波診断装置、超音波画像処理装置及び超音波画像処理プログラム
US20050203405A1 (en) Ultrasonic imaging method and apparatus
EP2578162B1 (en) Ultrasound diagnosis device
JP5798117B2 (ja) 超音波診断装置及び超音波診断装置の作動方法
WO2015040710A1 (ja) 超音波診断装置、医用画像処理装置および医用画像処理方法
JP6058295B2 (ja) 超音波診断装置、医用画像処理装置、医用画像処理方法、および医用画像処理プログラム
US11701091B2 (en) Ultrasound analysis apparatus and method for tissue elasticity and viscosity based on the hormonic signals
US20100087736A1 (en) Ultrasound signal processing apparatus and method
JP5166154B2 (ja) 超音波診断装置
JP5683860B2 (ja) 超音波診断装置、超音波画像処理装置、超音波診断装置制御プログラム及び超音波画像処理プログラム
Rizzatto Ultrasound transducers
JP6008581B2 (ja) 超音波診断装置、超音波診断装置の制御方法、及び超音波診断プログラム
JP5588924B2 (ja) 超音波診断装置
JP2008073423A (ja) 超音波診断装置、診断パラメータ計測装置及び診断パラメータ計測方法
JP2011115457A (ja) 超音波診断装置及び輝度変化曲線表示用制御プログラム
JP2007301181A (ja) 超音波診断装置および画像表示方法
JP2010012311A (ja) 超音波診断装置
JP4498451B2 (ja) 超音波診断装置
WO2013176112A1 (ja) 超音波画像生成方法および超音波画像診断装置
JP2010051554A (ja) 超音波診断装置
JP2013240721A (ja) 超音波診断装置