JP2010047230A - タイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】トレッドパターンのデザイン上の自由度を損なうことなく、タイヤ周方向に沿って延在する周方向溝に起因する気柱管共鳴音を確実に低減可能なタイヤを提案する。
【解決手段】このタイヤは、トレッド部4にタイヤ周方向に沿って延びる少なくとも1本の周方向溝6と、これに隣接する少なくとも1列のリブ状の陸部7とを備え、リブ状陸部7内にトレッド部4の周方向溝6に開口する分岐溝8を有する。分岐溝8は、周方向溝6に開口し断面積が比較的小さい狭窄部8aと、一端側にてこの狭窄部8aを介して周方向溝6と連通するとともに他端側にてリブ状陸部7内で終端する、狭窄部8aよりも断面積が比較的大きい気室部8bとで構成される。このタイヤは、トレッド部4の、少なくとも狭窄部8aのタイヤ径方向内側でかつベルト3のタイヤ径方向外側に、複数の補強コードを配列してなる補強層10を備える。
【選択図】図1

Description

この発明は、タイヤ周方向に沿って延在する周方向溝に起因する気柱管共鳴を抑制し騒音の低減を図ったタイヤに関する。
気柱管共鳴とは、タイヤの接地転動中に周方向溝の溝幅が踏み込み及び蹴り出しによる外力の作用によって急変動するのに伴い、周方向溝の溝壁に高周波振動が発生し、それが周方向溝と路面とにより形成される管内の空気を振動させ、それに基づく音響的共鳴作用によって騒音を悪化させる現象である。その周波数は一般的な乗用車で800〜1200Hz程度、トラックなど重荷重車両で600〜1000Hz程度に観測されることが多く、ピークの高さと帯域の広さからタイヤ起因の直接音として主要な要因のひとつである。また、人間の聴覚はA特性で示されるように該帯域で敏感であり、気柱管共鳴音を低減することは騒音の低減に大きく寄与する。
従来、気柱管共鳴音を減音させるには周方向溝の容積を減じるなどすることが一般的であったが、これは同時に排水性能の低下を伴う。これに対し、周方向溝によって形成されたリブ状陸部内に、一端のみが周方向溝に開口し他端が陸部内で終端する長い分岐溝を設け、その溝をいわゆるサイドブランチ型の共鳴器として作用させることで、***振により気柱管共鳴音の低減する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、周方向溝によって形成されたリブ状陸部内に、周方向溝に開口するサイプと、そのサイプに繋がりリブ状陸部内で終端する共鳴室とからなる分岐溝を設け、その溝をいわゆるヘルムホルツ型の共鳴器として作用させることによって、気柱管共鳴音の共鳴周波数付近のエネルギを吸収する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
国際公開第2004/103737号パンフレット 特開平5−338411号公報
しかしながら、特許文献1に開示されたサイドブランチ型の共鳴器では、共鳴周波数の周波数に対応した長い分岐溝の配設が必須となることから、トレッドパターンのデザイン上の自由度が損なわれるという問題がある。これに対し、特許文献2に開示されたヘルムホルツ型の共鳴器では、サイプの断面積を小さくとり共鳴周波数を制御することができることから、サイドブランチ型の共鳴器と比較してトレッドパターンのデザイン上の自由度を向上させることが可能であるものの、タイヤ転動時の圧縮荷重によりサイプが実質的に閉じてしまい(溝閉じ)、共鳴器として十分に作用させることができないという問題がある。これらの問題は、比較的重荷重を保持する重荷重用タイヤにおいて特に顕著となる。なぜなら、サイドブランチ型共鳴器については、重荷重用タイヤの接地面内の周方向長さ、すなわち周方向溝と路面によって形成される管長が長くなり、それに伴い分岐溝の長さを大きくとる必要が生じるからであり、ヘルムホルツ型共鳴器については、タイヤ重量が増大することによるタイヤ転動時の圧縮荷重の増大によって、共鳴器を構成するサイプがより閉じ易くなるからである。
それゆえこの発明は、トレッドパターンのデザイン上の自由度を損なうことなく、タイヤ周方向に沿って延在する周方向溝に起因する気柱管共鳴音を確実に低減可能なタイヤを提案することを目的とする。
前記目的を達成するため、この発明は、左右一対のビードコア間でトロイド状に延びるカーカスと、このカーカスのクラウン部のタイヤ径方向外側に配置したベルトと、このベルトのタイヤ径方向外側に配置したトレッド部とを備え、トレッド部にタイヤ周方向に沿って延びる少なくとも1本の周方向溝と、これに隣接する少なくとも1列のリブ状の陸部とを設けたタイヤであって、トレッド部のリブ状陸部内に周方向溝に開口する分岐溝を設け、該分岐溝を、該周方向溝に開口し断面積が比較的小さい狭窄部と、一端側にてこの狭窄部を介して周方向溝と連通するとともに他端側にて該リブ状陸部内で終端する、該狭窄部よりも断面積が比較的大きい気室部とで構成してなるタイヤにおいて、前記トレッド部の、少なくとも前記狭窄部のタイヤ径方向内側でかつ前記ベルトのタイヤ径方向外側に、複数の補強コードを配列してなる補強層を埋設したことを特徴とするタイヤである。ここで、「周方向溝」とは、タイヤ周方向に沿って直線状に延びる溝のみならず、ジグザグ状又は波状に延び、タイヤ全体として周方向に一周する溝をも含むものである。
かかる構成を採用することにより、周方向溝に起因する気柱管共鳴音を低減する共鳴器として狭窄部と気室部とからなるヘルムホルツ型の共鳴器を採用したことから、サイドブランチ型の共鳴器のように長い分岐溝を設ける必要がなく、トレッドパターンのデザイン上の自由度が損なわれることがない。また、狭窄部の内周側に埋設された補強層によって、トレッド部の狭窄部周辺箇所の剛性を高め、接地によるトレッド部の圧縮変形に起因した狭窄部の溝閉じを抑制することができるので、分岐溝を共鳴器として確実に作用させることが可能となる。
従って、この発明のタイヤによれば、トレッドパターンのデザイン上の自由度を損なうことなく、タイヤ周方向に沿って延在する周方向溝に起因する気柱管共鳴音を確実に低減することができる。
なお、例えば、踏み込み及び蹴り出しによるレッド部のタイヤ周方向の圧縮変形がコーナリング時等におけるタイヤ幅方向の圧縮変形に比べて大きいタイヤの場合や分岐溝の狭窄部の延在方向がタイヤ周方向に対して45度以上で傾斜している場合には、トレッド部の圧縮変形に起因する狭窄部の溝閉じを抑制する上で、補強層のタイヤ周方向の剛性を高めることが効果的であり、そのためには、補強層を構成する補強コードをタイヤ周方向に対して10度以下の傾斜角度をなして配列することが有効であり、さらには補強層にタイヤ周方向の引っ張り力に対し2GPa以上の剛性を持たせることが一層有効である。
また、タイヤ周方向に圧縮を受けた際にはタイヤ幅方向の伸び(ポアソン変形)が同時的に発生することから、例えば、コーナリング時等におけるトレッド部のタイヤ幅方向の圧縮変形が踏み込み及び蹴り出しによるタイヤ周方向の圧縮変形に比べて大きいタイヤの場合や分岐溝の狭窄部の延在方向がタイヤ周方向に対して45度以下で傾斜している場合には、トレッド部の圧縮変形に起因する狭窄部の溝閉じを抑制する上で、補強層のタイヤ幅方向の剛性を高めることが効果的であり、そのためには、補強層を構成する補強コードをタイヤ周方向に対して鋭角側で測定して80度以上の傾斜角度をなして配列することが有効であり、さらには補強層にタイヤ幅方向の引っ張り力に対し40GPa以上の剛性を持たせることが一層有効である。
そして、この発明は、重荷重用のタイヤに好適に適用可能である。
この発明によれば、トレッドパターンのデザイン上の自由度を損なうことなく、タイヤ周方向に沿って延在する周方向溝に起因する気柱管共鳴音を確実に低減することが可能となる。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。ここに、図1は、この発明に従う一実施形態の空気入りタイヤ(以下「タイヤ」という)を示す図であり、(a)はタイヤ幅方向における断面を示す断面図であり、(b)はトレッド踏面におけるトレッドパターンを示す展開図である。
図1(a)に示すように、このタイヤは、左右一対のビードコア1、1間でトロイド状に延びるカーカス2と、このカーカス2のクラウン部のタイヤ径方向外側に配置した、例えば2層のベルト層3aおよびキャップベルト層3bからなるベルト3と、このキャップベルト層3bのタイヤ径方向外側に配置したトレッド部4とを備える。また、図1(b)に示すように、このタイヤは、トレッド部4にタイヤ周方向に沿って延びる4本の周方向溝6と、これに隣接するリブ状陸部7とを備える。タイヤ幅方向内側に位置する2本の周方向溝6のタイヤ幅方向外側に隣接する2つのリブ状陸部7内には、周方向溝6に開口する分岐溝8が設けられている。この分岐溝8は、周方向溝6に開口し断面積が比較的小さい狭窄部8aと、一端側にてこの狭窄部8aを介して周方向溝6と連通するとともに他端側にて該リブ状陸部7内で終端する、該狭窄部8aよりも断面積が比較的大きい気室部8bとで構成されている。ここで、狭窄部8aの断面積は、その延在方向における中心線C1と直交する面における溝の断面積を指し、気室部8bの断面積は、その延在方向における中心線C2と直交する面における溝の断面積を指すものである。
これにより分岐溝8は、狭窄部8a及び気室部8bがともに路面によって密閉された状態の下では、図2(a)に模式的に示すようなヘルムホルツ型の共鳴器を形成することになり、その共鳴周波数fは、狭窄部8aの延在方向の長さをL、狭窄部8aの、その中心線C1に直交する面における断面積をS、気室部8bの容積をV、音速をCとしたとき、
Figure 2010047230
として表される。よって、周方向溝6に発生する気柱管共鳴音の周波数との関連の下で、狭窄部8aの長さL、狭窄部8aの断面積S及び気室部8bの容積Vの大きさを適宜設定することで、所望に応じた共鳴周波数fを得ることができる。
そして、図1(b)に示すように、トレッド部4の、狭窄部8aのタイヤ径方向内側(内周側)でかつベルトよりタイヤ径方向外側(外周側)には、複数の補強コードを配列してなる補強層10が全周に亘って埋設されている。補強層10を構成する補強コードには、30℃における弾性率が3.2GPa〜47.0GPaである有機繊維コードが使用されている。このような有機繊維コードとしては、ナイロン繊維やアラミド繊維を挙げることができる。
図1に示す実施形態のタイヤにあっては、周方向溝6に起因する気柱管共鳴音を低減する共鳴器として狭窄部8aと気室部8bとからなるヘルムホルツ型の共鳴器を採用したことから、サイドブランチ型の共鳴器のように長い分岐溝を設ける必要がなく、トレッドパターンのデザイン上の自由度が損なわれることがない。また、狭窄部8aの内周側に埋設された補強層10によって、トレッド部4の狭窄部8aの周辺箇所の剛性を高め、タイヤ負荷転動によるトレッド部4の圧縮変形に起因した狭窄部8aの溝閉じを抑制することができるので、分岐溝8を共鳴器として確実に作用させることが可能となる。
従って、この実施形態のタイヤによれば、トレッドパターンのデザイン上の自由度を損なうことなく、タイヤ周方向に沿って延在する周方向溝6に起因する気柱管共鳴音を確実に低減することができる。
ところで、踏み込み及び蹴り出しによるトレッド部4のタイヤ周方向の圧縮変形がコーナリング時等のタイヤ幅方向の圧縮変形に比べて大きいタイヤの場合や分岐溝8の狭窄部8aの延在方向がタイヤ周方向に対して45度以上で傾斜している場合は、トレッド部4の圧縮変形に起因する狭窄部8aの溝閉じを抑制する上で、補強層10のタイヤ周方向の剛性を高めることが効果的である。そのためには、補強層10を構成する補強コードをタイヤ周方向に沿って、より具体的にはタイヤ周方向に対して10度以下の傾斜角度をなして配列することが有効であり、さらには補強層10にタイヤ周方向の引っ張り力に対し2GPa以上の剛性を持たせることが一層有効である。ここで、タイヤ周方向の引っ張り力に対する剛性は、補強層10をタイヤから取り出した状態にて、室温状態で、1%のタイヤ周方向引張り歪を付加したときの、補強層10の単位幅あたりのヤング率で定義する。
また、タイヤ周方向に圧縮を受けた際にはタイヤ幅方向の伸び(ポアソン変形)が同時的に発生することから、例えば、コーナリング時等におけるトレッド部4のタイヤ幅方向の圧縮変形が踏み込み及び蹴り出しによるタイヤ周方向の圧縮変形に比べて大きいタイヤの場合や分岐溝8の狭窄部8aの延在方向がタイヤ周方向に対して45度以下で傾斜している場合は、トレッド部4の圧縮変形に起因する狭窄部8aの溝閉じを抑制する上で、補強層10のタイヤ幅方向の剛性を高めることが効果的であり、そのためには、補強層10を構成する補強コードをタイヤ周方向に対して鋭角側で測定して80度以上の傾斜角度をなして配列することが有効であり、さらには補強層10にタイヤ幅方向の引っ張り力に対し40GPa以上の剛性を持たせることが一層有効である。ここで、タイヤ幅方向の引っ張り力に対する剛性は、補強層10をタイヤから取り出した状態にて、室温状態で、1%のタイヤ幅方向引張り歪を付加した時の、補強層10の単位幅あたりのヤング率で定義する。
なお、上述したところは、この発明の実施形態の一部を示したに過ぎず、この発明の趣旨を逸脱しない限り、これらの構成を相互に組み合わせたり、種々の変更を加えたりすることができる。例えば、補強層10は、気室部8のタイヤ径方向内側にも設けることができ、このようにすれば、タイヤ転動時の気室部8の容積Vをも確実に確保することができる。また、上記実施形態では、気室部8bとして、トレッド踏面への開口形状(つまり横断面積)がその深さ方向に亘って変化しないものを採用しているが、深さ方向に気室部8bの横断面積を漸増又は漸減させても良いことは勿論である。また、気室部8bの溝底は実質的に平坦でも凸凹の曲面としても良い。この実施形態では、気室部8bのトレッド踏面への開口形状を矩形としているが、これに限らず多角形、円形、楕円形、及び不規則な閉鎖形状等種々の形状適用することができる。さらに、分岐溝8は、周方向溝6に開口する狭窄部8aと、狭窄部8aを介して周方向溝6と連通するとともに狭窄部8aよりも断面積が大きい気室部8bで構成すればよく、上述したヘルムホルツ型の共鳴器(図2(a)参照。)に代えて、図2(b)に示すように気室部8b及び狭窄部8aをそれぞれ第一管路、第二管路とみなしてそれらを相互に連結した連結管路からなる段付き管型の共鳴器として用いることもでき、この場合には、以下に示すようにして共鳴周波数f’を求めることができる。
段付き管型の共鳴器につき、境界における第一管路8b’側の音響インピーダンスをZ12、境界における第二管路8a’側の音響インピーダンスをZ21、第一管路8b’の断面積をS、第二管路8a’の断面積をSとすると、連続の条件から、
21=(S/S)・Z12
との関係が成り立つ。
第二管路8a’について、境界条件を、x=0でV=Vjwt、x=lでP/V=Z21とすると、第二管路8a’の開口からの距離xの位置のおける音圧Pは、
=Z・{(Z21cos(k(l−x))+jZsin(k(l−x)))/(Zcos(kl)+jZ21sin(kl))}・Vjwt
と表される。ここに、lは、第二管路8a’の長さ、Vは、第二管路8a’の粒子速度分布、Vは、入力点の粒子速度、jは、虚数単位、Zは、ρc(ρは、空気の密度、cは、音速)、kは、2πf/cである。
また、第一管路8b’について、境界条件を、x=lでV=0、x=0でP=Pとすると、第一管路8b’の開口からの距離xの位置のおける音圧Pは、
=Z・〔Z21cos(k(l−x))/(cos(kl)・{Zcos(kl)+jZ21sin(kl)})〕・ejwt
と表される。ここに、lは、第一管路8b’の長さである。
ここで、共鳴の条件 x=0でP=0より、
tan(kl)tan(kl)−(S/S)=0 となり、この共鳴の条件式に基づいて、k、l、l、S、S、cを決定して共鳴周波数f’を求めることができる。
段付き管型の共鳴器は、図示の例では、直方体になる管路を組み合わせたものを示したが、上記の条件式で共鳴周波数を求めるには各管路の断面積及び長さを決定すればよいので、管路の形状は直方体に限定されることはなく種々の形状のものを適用し得る。
また、第二管路8a’の一端は周方向溝6の溝壁で開口していることが不可欠となるが、第一管路8b’、第二管路8a’は、トレッド部4の接地面内で路面との接触により閉鎖空間を形成することになるので、その上端をリブの表面で開口させておくことが可能であり、この点についても限定されることはない。
次に、この発明に従うタイヤを試作し、性能評価を行ったので、以下説明する。
実施例1のタイヤは、図1(a)、(b)に示す構造及びトレッドパターンを有する、1プライカーカス、2ベルトプライおよび1キャップベルト構造の225/55R17サイズの乗用車用ラジアルタイヤである。このタイヤは、トレッド部に、タイヤ周方向に延びる4本の周方向溝と、これらに隣接するリブ状陸部とを備える。周方向溝は、幅が8.0mm、深さが8.0mmである。また、このタイヤは、リブ状陸部内に狭窄部と気室部とを有する共鳴器としての分岐溝を周上に亘って60個有する。それぞれの分岐溝の寸法は、気室部の容積が950mm、狭窄部の長手方向長さが34.0mm、狭窄部の断面積が13.0mmであり、その共鳴周波数は1070Hzである。さらにこのタイヤの、分岐溝の狭窄部の内周側でかつベルトより外周側に、下記表1の諸元を有する補強層を、それを構成する補強コードの軸線方向がタイヤ周方向に対して5度の傾斜角度となる配置で適用した。
実施例2のタイヤは、図3(a)、(b)に示す構造及びトレッドパターンを有する3.5B構造(1プライカーカス及び3.5ベルトプライ構造)の315/80R22.5サイズのトラック及びバス用ラジアルタイヤである。このタイヤは、トレッド部に、タイヤ周方向に延びる4本の周方向溝と、これらに隣接するリブ状陸部とを備える。周方向溝は、幅が12.0mm、深さが17.0mmである。また、このタイヤは、リブ状陸部内に狭窄部と気室部とを有する共鳴器としての分岐溝を周上に亘って60個有する。それぞれの分岐溝の寸法は、気室部の容積が8210mm、狭窄部の長手方向長さが20mm、狭窄部の断面積が39mmであり、その共鳴周波数は840Hzである。さらにこのタイヤの、分岐溝の狭窄部の内周側でかつベルトより外周側に、下記表1の諸元を有する補強層を、それを構成する補強コードの軸線方向がタイヤ周方向に対して84度の傾斜角度となる配置で適用した。
Figure 2010047230
比較のため、分岐溝の狭窄部の内周側でかつベルトより外周側に補強層を設けないことを除いては実施例1のタイヤと同じ構成である比較例1のタイヤ、及び分岐溝の狭窄部の内周側でかつベルトより外周側に補強層を設けないことを除いては実施例2のタイヤと同じ構成である比較例2のタイヤについても併せて試作した。
このようにして得られた各供試タイヤを、実施例1のタイヤ及び比較例1のタイヤにういてはサイズ7.50×17のリムに装着した後内圧250kPa(相対圧)を適用し、実施例2のタイヤ及び比較例2のタイヤについてはサイズ9.00×22.5のリムに装着した後内圧800kPa(相対圧)を適用し、それぞれのタイヤにつき騒音低減効果及び狭窄部の溝閉じ抑制効果について下記のようにして試験した。
(騒音低減効果)
室内ドラム試験機を用い、これらのタイヤを所定荷重(実施例1のタイヤ及び比較例1のタイヤについては、荷重7.2kN、実施例2のタイヤ及び比較例2のタイヤについては33.1kN)の作用下で所定速度(実施例1のタイヤ及び比較例1のタイヤについては、80km/h、実施例2のタイヤ及び比較例2のタイヤについては70km/h)で負荷転動させ、そのときのタイヤの側方音をJASO C606に定める条件に従って測定し、1/3オクターブバンド中心周波数800Hz‐1000Hz‐1250Hz帯域のオーバオール値を測定した。その評価結果を表2に示す。表2中の評価結果は、実施例1のタイヤについては、比較例1のタイヤの測定結果に対する相対値を示したものであり、実施例2のタイヤについては比較例2のタイヤの測定結果に対する相対値を示したものであり、マイナス側の数値が大きいほど騒音レベルが小さいことを示す。
Figure 2010047230
表2の結果から、実施例1のタイヤ及び実施例2のタイヤは、狭窄部の内周側に補強層を設けていない比較例1のタイヤ及び比較例2のタイヤに対して騒音レベルが小さかった。また、トラック及びバス用である実施例2のタイヤの方が、乗用車用である実施例1のタイヤより騒音低減効果に優れていた。
(溝閉じ抑制効果)
室内ドラム試験機を用い、上記タイヤを所定荷重(実施例1のタイヤ及び比較例1のタイヤについては、荷重7.2kN、実施例2のタイヤ及び比較例2のタイヤについては33.1kN)の作用下で微低速で転動させ、そのときの狭窄部の溝形状をかたどり、その残溝断面積(最小値)を測定した。その評価結果を表3に示す。表3中の評価結果は、タイヤ転動前の溝断面積(初期溝断面積)に対する溝断面積減少分の割合を溝断面積減少率(%)として示し、その数値が小さいほど狭窄部の溝閉じが小さいことを示す。なお、溝形状のかたどりは、硬化性のあるシリコンを溝内に充填することにより行い、その状態で微低速で回転させることにより断面積の変化を調べ、残溝断面積を測定した。
Figure 2010047230
表3の結果から、実施例1のタイヤ及び実施例2のタイヤは、狭窄部の内周側に補強層を設けていない比較例1のタイヤ及び比較例2のタイヤより残溝面積が大きく、溝閉じが小さかった。また、トラック及びバス用である実施例2のタイヤの方が、乗用車用である実施例1のタイヤより溝閉じ抑制効果が大きかった。
この発明によって、トレッドパターンのデザイン上の自由度を損なうことなく、タイヤ周方向に沿って延在する周方向溝に起因する気柱管共鳴音を確実に低減することが可能となった。
この発明に従う一実施形態の空気入りタイヤを示す図であり、(a)はタイヤ幅方向の断面図であり、(b)はトレッドパターンの展開図である。 この発明に適用可能な共鳴器をそれぞれ示す模式図であり、(a)はヘルムホルツ型の共鳴器、(b)は段付き管型の共鳴器である。 この発明に従う他の実施形態の空気入りタイヤを示す図であり、(a)はタイヤ幅方向の断面図であり、(b)はトレッドパターンの展開図である。
符号の説明
1 ビードコア
2 カーカス
3 ベルト
3a ベルト層
3b キャップベルト層
4 トレッド部
6 周方向溝
7 リブ状陸部
8 分岐溝
8a 狭窄部
8b 気室部
10 補強層

Claims (6)

  1. 左右一対のビードコア間でトロイド状に延びるカーカスと、このカーカスのクラウン部のタイヤ径方向外側に配置したベルトと、このベルトのタイヤ径方向外側に配置したトレッド部とを備え、トレッド部にタイヤ周方向に沿って延びる少なくとも1本の周方向溝と、これに隣接する少なくとも1列のリブ状の陸部とを設けたタイヤであって、トレッド部のリブ状陸部内に周方向溝に開口する分岐溝を設け、該分岐溝を、該周方向溝に開口し断面積が比較的小さい狭窄部と、一端側にてこの狭窄部を介して周方向溝と連通するとともに他端側にて該リブ状陸部内で終端する、該狭窄部よりも断面積が比較的大きい気室部とで構成してなるタイヤにおいて、
    前記トレッド部の、少なくとも前記狭窄部のタイヤ径方向内側でかつ前記ベルトのタイヤ径方向外側に、複数の補強コードを配列してなる補強層を埋設したことを特徴とするタイヤ。
  2. 前記補強層を構成する補強コードをタイヤ周方向に対して10度以下の傾斜角度をなして配列する、請求項1に記載のタイヤ。
  3. 前記補強層は、タイヤ周方向の引っ張り力に対し2GPa以上の剛性を有する、請求項2に記載のタイヤ。
  4. 前記補強層を構成する補強コードをタイヤ周方向に対し鋭角側から測定し80度以上の傾斜角度をなして配列する、請求項1に記載のタイヤ。
  5. 前記補強層は、タイヤ幅方向の引っ張り力に対し40GPa以上の剛性を有する、請求項4に記載のタイヤ。
  6. 前記タイヤは、重荷重用のタイヤである、請求項1〜5の何れか一項に記載のタイヤ。
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