JP2010036538A - 積層フィルム、紙複合素材、および、容器 - Google Patents

積層フィルム、紙複合素材、および、容器 Download PDF

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Abstract

【課題】十分なガスバリア性、遮光性、美観性および防湿性を提供するとともに、製函時に折曲加工などにて損傷することがなく、ストロー穿孔性が良好な積層フィルムを有する紙複合素材を提供する。
【解決手段】酸素ガスバリア層31の一面に少なくとも第一ポリエチレン層32が積層され、他面に少なくとも第二ポリエチレン層33が積層された積層フィルム22において、第一ポリエチレン層32と第二ポリエチレン層33とのうちの少なくともいずれか一方は、厚さ寸法が10μm以上で、かつ、黒色顔料を0.1〜0.5質量%、白色顔料を5〜15質量%含み、酸素ガスバリア層31は、厚さ寸法が30μm以下で、かつ、30℃90%RHで1atmにおける酸素ガス透過度が0.5cm3/(m2・day・atm)以下とする。そして、紙材21の一面に積層フィルム22を積層し、紙材21の他面にポリオレフィン層23を積層して、紙複合素材11とする。
【選択図】図2

Description

酸素ガスバリア層の一面に少なくとも第一ポリエチレン層が積層され他面に少なくとも第二ポリエチレン層が積層された積層フィルム、この積層フィルムを有する紙複合素材、この紙複合素材にて形成された容器に関する。
板紙とアルミニウム箔および合成樹脂とを積層した紙複合容器は剛性、遮光性、防湿性、酸素ガスバリア性、製函性、ストロー突き刺し貫通性、印刷性等々の優れた特徴から液体無菌充填技術の進歩と共に広く用いられている。
しかし、このような紙複合容器はアルミニウム箔を使用していることから、近年の廃棄性やリサイクル性、アルミニウム箔製造時の電力消費量が多いために炭酸ガス排出量が多いという環境面での課題を多く有している。
そこで、アルミニウム箔を用いずに、これまでと同等の性能を持つ紙複合容器の製品化が望まれている(例えば、特許文献1から特許文献4まで参照)。
特許文献1に記載のものは、紙容器用原反として最外層側から、プラスチック層、板紙、多色の着色プラスチック多層ガスバリア層、最内層プラスチック層が積層形成されている。この積層体は、酸素ガスバリア層を構成している樹脂としてナイロン、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステルが用いられている。
しかしながら、この特許文献1に記載の積層体では、例えば4ヶ月間から1年間程度常温流通されるフルーツジュースや野菜ジュース、緑茶などの品質劣化を生じやすいアセプティック(無菌充填)飲料などにおいては、ガスバリア性が不十分であり、充填する内容物の品質が劣化するおそれがある。
また、着色プラスチック層へ添加されるカーボンブラックについて樹脂への添加濃度として2〜40重量%が適当との例示があるが、カーボンブラックを2重量%も樹脂に混練した場合、例え酸化チタン白色顔料を15質量%同時に添加しても、遮光性は高まるものの黒色度が強すぎ、食品用包装資材として利用者に違和感を生じさせる不都合がある。
特許文献2に記載のものは、紙容器用原反としてポリオレフィン系樹脂層、紙基材、ポリオレフィン樹脂層、2軸延伸ポリビニルアルコール系フィルム層、および、ポリオレフィン系樹脂層の順に積層された食品容器用紙複合基材である。
しかしながら、この特許文献2に記載の食品容器用紙複合基材では、ストロー突き刺し口付紙容器にした場合、2軸延伸したポリビニルアルコール系フィルム層は突き刺し強度が強く、ストローの先端でガスバリア層を破断貫通しにくくなる。また、アセプティック飲料などにおいては、ガスバリア性が不十分であり、充填する内容物の品質が劣化するおそれがある。
特許文献3に記載のものは、紙容器用原反として最外面が熱可塑性樹脂、板紙層、遮光性接着層、ガスバリア層の順に積層された食品容器用紙複合基材である。
しかしながら、この特許文献3に記載のものは、ガスバリア層として例示されている2軸延伸PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂フィルムや2軸延伸ポリアミド樹脂フィルムにアルミニウム、アルミナ、シリカ等の蒸着を施した層は、ガスバリア性は辛うじて満足するものの、製函した時、屈曲によりピンホールが発生し易く、また遮光性接着層が薄いため、ストロー突き刺し口を紙へのハーフカットにより形成する時、ガスバリア層まで貫通してしまうおそれがある。
特許文献4に記載のものは、酸素吸収樹脂層と透明樹脂層、および遮光性着色剤を含む樹脂組成物からなる3層共押し出しフィルムである。
しかしながら、この特許文献4に記載のものは、フィルムは酸素を吸収する機能しかなく、この層を単独で積層体に使用すると、容器外部から容器の外側にガスバリア層を配置することが必須になるため、製造工程が増えると共に、原材料費のコストアップとなる。また、開示されている酸素吸収樹脂は紫外線照射などを行って初めて酸素吸収が開始されるもので、内容物を充填する前の照射工程とこの照射工程で利用する照射装置とが必要になる。さらに、紫外線を透過させるため、酸素吸収樹脂層より内容物側の樹脂層には着色できないため、十分な遮光性を得るためには酸素吸収樹脂層の外側に遮光顔料の濃度を高くして添加する必要があり、樹脂加工による樹脂の劣化を招きやすい。
特開平6−122444号公報 特開平7−76336号公報 特開2004−299730号公報 特開2006−224405号公報
すなわち、上述した特許文献1から特許文献4までに記載の技術では、アルミニウム箔やアルミニウム蒸着フィルムを用いることなく十分なガスバリア性、遮光性、美観性および防湿性を得ることを考慮して、所定のフィルムで構成しているため、製函時の折曲加工において損傷が生じたり、ストローを突き刺す利用形態で穿孔性が良好ではないという不具合があった。
本発明は、上記観点に基づいて、アルミニウム箔やアルミニウム蒸着フィルムを用いることなく十分なガスバリア性、遮光性、美観性および防湿性が得られるとともに、製函時の折曲加工においてガスバリア層を損傷することがなく、ストローを突き刺す利用形態では穿孔性が良好な積層フィルム、紙複合素材、および、容器を提供することを目的とする。
本発明に記載の積層フィルムは、酸素ガスバリア層の一面に少なくとも第一ポリエチレン層が積層され、他面に少なくとも第二ポリエチレン層が積層された積層フィルムであって、前記第一ポリエチレン層と第二ポリエチレン層とのうちの少なくともいずれか一方は、厚さ寸法が10μm以上で、かつ、黒色顔料を0.1質量%以上0.5質量%以下、白色顔料を5質量%以上15質量%以下含み、前記酸素ガスバリア層は、厚さ寸法が30μm以下で、かつ、30℃90%RHで1atmにおける酸素ガス透過度が0.5cm3/(m2・day・atm)以下であることを特徴とする。
そして、本発明に記載の積層フィルムでは、前記酸素ガスバリア層は、エチレン−ビニルアルコール共重合体に酸素吸収材が含まれてなる構成とすることが好ましい。
本発明に記載の紙複合素材は、シート状の紙材と、この紙材の一面に積層された本発明に記載の積層フィルムと、前記紙材の他面に積層されたポリオレフィン層と、を具備したことを特徴とする。
そして、本発明に記載の紙複合素材では、前記ポリオレフィン層は、ポリエチレン層である構成とすることが好ましい。
また、本発明に記載の紙複合素材では、前記紙材の一面側に位置する積層体の全厚さ寸法が150μm以下である構成とすることが好ましい。
そして、本発明に記載の紙複合素材では、前記紙材を除く部分の全厚みが80μm以上である構成とすることが好ましい。
さらに、本発明に記載の紙複合素材では、食品を包装する包装材に用いられる構成とすることが好ましい。
そしてさらに、本発明に記載の紙複合素材では、液体を包装する包装材に用いられる構成とすることが好ましい。
本発明に記載の容器は、内部に収容空間を区画する容器であって、ストローが差し込み可能で前記収容空間を外部に連通させるストロー差込口が設けられた本発明に記載の紙複合素材にて形成されたことを特徴とする。
本発明によれば、アルミニウム箔やアルミニウム蒸着フィルムを用いることなく十分なガスバリア性、遮光性、美観性および防湿性が得られるとともに、製函時の折曲加工などにて損傷することがなく、ストローを突き刺す利用形態では穿孔性を良好にできる。
以下、本発明の実施の形態について具体的に説明する。なお、本実施の形態では、液体を包装する容器に用いられる紙複合素材を例示して説明するが、これに限らず、気体や固体などを包装する容器にも適用できる。また、実施形態では、紙材に積層フィルムを積層した紙複合素材を例示しているが、例えば、合成紙や合成樹脂発泡シートなど、その他の部材に積層フィルムを積層しても良い。
図1は、容器を平面状に展開した紙複合素材を示す平面図である。
図2は、紙複合素材の断面図を示す。
(容器)
図1において、容器10は、例えば、フルーツジュースや野菜ジュース、緑茶などの品質劣化を生じやすいアセプティック飲料などの液体を封入する。この容器10は、紙複合素材11に適宜設けられた折り線12にて折り曲げられ、適宜接合されて、内部に収容空間を形成する。
容器10には、図示しないストローの先端で穿孔(破断貫通)可能で収容空間を外部に連通させるストロー差込口13が設けられている。
(紙複合素材)
紙複合素材11は、図2に示すように、シート状の紙材21の一面に積層フィルム22が積層形成され、紙材21の他面にポリオレフィン層23が積層形成されている。
また、積層フィルム22は、酸素ガスバリア層31の一面に少なくとも第一ポリエチレン層32が積層され、他面に少なくとも第二ポリエチレン層33が積層されて構成されている。
すなわち、紙複合素材11は、折曲されて内部に収容空間を有する容器10に形成された際の収容空間側となる内側から、第一ポリエチレン層32、第一接着層35、酸素ガスバリア層31、第二接着層36、第二ポリエチレン層33、第三接着層37、紙材21、ポリオレフィン層23が順次積層形成されている。
積層フィルム22を構成する酸素ガスバリア層31は、エチレン−ビニルアルコール共重合体に酸素吸収材が混合分散されており、厚さ寸法が30μm以下である。この酸素ガスバリア層31は、エチレン−ビニルアルコール共重合体におけるエチレンモル分率と酸素吸収材の配合量とを適宜調節することにより、30℃90%RHにおける酸素ガス透過度が0.5cm3/(m2・day・atm)以下で形成されている。
なお、エチレン−ビニルアルコール共重合体は、エチレン含有量が5モル%以上60モル%以下、ケン化度が90%以上であることが好ましい。
ここで、酸素ガスバリア層31の厚さ寸法が30μmより厚くなると、ストローによる穿孔性が悪化する。
また、酸素ガスバリア層31の30℃90%RH条件下における酸素ガス透過度が0.5cm3/(m2・day・atm)を上回ると、一般的に常温保存で4ヶ月以上の保存期間が求められている被包装飲料となるアセプティック飲料の品質が劣化する不都合がある。特に、苺色素などのアントシアン系色素を含む飲料は十分な遮光を施しても、常温20℃65%RHの条件下で4ヶ月経過すると、その褪色が目視で明確に判別できるほど品質が悪化してしまう。
また、酸素ガスバリア層31に用いられる酸素吸収材としては、酸素の存在下で単独で酸素吸収を開始するものが用いられる。
例えば、芳香族ビニル化合物とジエン化合物との共重体等の炭素−炭素二重結合を有する熱可塑性樹脂にマンガン塩やコバルト塩などの遷移金属塩を含ませたもの、酸化セリウムなどの酸素吸収無機酸化物や、これにイットリウム、カルシウム、プラセオジウムなどの酸素吸収量を増大させる無機物を添加した固溶体、1,3−ブタジエンやイソプレンなどの単量体を共重合させた共役ジエン共重合体を環化反応させて得られる共役ジエン重合体環化物などの無機物や有機物、アスコルビン酸塩やタンニンなどの無機物や有機物が挙げられる。
すなわち、エチレン−ビニルアルコール共重合体に上述した酸素吸収材を混合分散させることで、厚さ寸法が30μm以下で、かつ、30℃90%RHにおける酸素ガス透過度が0.5cm3/(m2・day・atm)以下の酸素ガスバリア層31を容易に形成することが可能となる。
積層フィルム22を構成する第一ポリエチレン層32は、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等のポリエチレンを50質量%以上含む樹脂である。この第一ポリエチレン層32は、顔料を含む場合、厚みが10μm以上で形成される。
積層フィルム22を構成する第二ポリエチレン層33は、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等のポリエチレンを50質量%以上含む樹脂である。この第二ポリエチレン層33は、顔料を含む場合、厚みが10μm以上で形成される。
積層フィルム22における第一ポリエチレン層32と第二ポリエチレン層33とのうちの少なくともいずれか一方は、黒色顔料を0.1質量%以上0.5質量%以下、かつ、白色顔料を5質量%以上15質量%以下で含有し、厚さ寸法が10μm以上で形成される。
黒色顔料としては、特に制限はないが、例えば、カーボンブラック、鉄黒、黒鉛等を挙げることができる。中でも、隠蔽力、着色力に優れ、安価であることから、カーボンブラックが好ましく用いられる。また、粒径についても、特に制限はないが、ファーネスカーボンブラックを用いる場合、通常0.03μm以上0.04μm以下の範囲のものが用いられる。
白色顔料としては、特に制限はないが、例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛(亜鉛華)、硫化亜鉛、硫酸バリウム、鉛白等を挙げることができる。中でも、粒度が細かいため、白色度、隠蔽力、着色力に優れ、さらに耐光性、耐熱性、耐薬品性に優れることから、二酸化チタンが好ましく用いられる。
ここで、黒色顔料の含有量が0.1質量%より少なくなると遮光性が不足し、この濃度における白色顔料の含有量が5質量%未満では黒色度が強すぎて、利用者に違和感を与えてしまう不都合がある。一方、黒色顔料の含有量が0.5質量%より多くなると、紙複合素材11の裁断時やスリット形成時に刃先が汚れたり、良好な色調にするために添加する白色顔料の含有量を15質量%より多く設定する必要があり、比較的に吸湿し易い白色顔料の水分量も多くなって熱加工において発泡のおそれがある。さらには過剰性能によりコストが増大するといった不都合も生じる。
また、顔料を含有する層の厚さ寸法が10μmより薄くなると、黒色顔料を0.5質量%、白色顔料を15質量%添加しても、被包装物の品質保持性が不足する。
第一接着層35、第二接着層36、第三接着層37は、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA:Ethylene-Vinyl Acetate)、アイオノマー、酸変性ポリオレフィンなどの接着性樹脂、アンカーコート剤、ドライラミネート用接着剤などを用いることができる。
紙材21は、各種シート状の紙が用いられる。
ポリオレフィン層23は、特に限定されないが、製造コストを考慮して、顔料を含まない低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン単独か混合物にて形成されることが好ましい。
そして、紙複合素材11において、紙材21の内表面側(一面側)に位置する積層体の厚さ寸法の合計が150μm以下で形成されている。これにより、ストロー差込口13における穿孔性が良好となる。
また、容器10のストロー差込口13は、容器10の外表面側から紙材21まで切り込みが入れられ、第三接着層37と積層フィルム22とが設けられた構成となっている。
被包装飲料となるアセプティック飲料は、一般的に常温保存で4ヶ月以上の保存期間が求められていることから、ある程度の厚さ寸法に形成することで保存期間の延長化が図れる。一方、飲料の利用に際しては、ストローを用いるのが一般的であることから、ストローの先端にて破断貫通可能な穿孔性が要求される。すなわち、容器10の紙材21より内表面側に位置する積層体の厚さ寸法の合計が150μmを越えるとストローによる穿孔性が損なわれるため、この厚さ寸法の合計を150μm以下に形成することが好ましい。
また、紙複合素材11における紙材21を除く層の合計厚さ寸法は、80μm以上に形成されることが好ましい。
ここで、紙材21を除く層の厚さ寸法の合計が80μmより薄くなると、常温(20℃65%RH)4ヶ月間での被包装物の水分が目減りして、一般的なアセプティック飲料における品質基準である2%までの目減り許容値を上回ってしまい、防湿性が維持できなくなるおそれがある。
なお、紙材21は防湿性が悪いので無視できる。
また、紙複合素材11には、必要に応じて、熱安定剤、消臭剤、抗菌剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤などを配合してもよい。
(紙複合素材の製造方法)
紙複合素材11の製造における各層の積層方法ついては、特に問わず、公知のドライラミネート法、押出ラミネート法、共押出法などが例示できる。
なお、積層フィルム22をインフレーション法により製造することにより、顔料や酸素吸収材量を含むことによる他製品製造への切替ロスが少なくなることから、特に好ましい。
(紙複合素材の変形例)
紙複合素材11の積層形態としては、積層フィルム22と紙材21との間に、接着層としてさらにポリエチレン樹脂の層を設けてもよい。すなわち、第一ポリエチレン層32、第一接着層35、酸素ガスバリア層31、第二接着層36、第二ポリエチレン層33、ポリエチレン樹脂の層、第三接着層37、紙材21、ポリオレフィン層23としてもよい。
さらには、積層フィルム22のさらに内側に、接着層としてポリエチレン樹脂の層を設けてもよい。すなわち、ポリエチレン樹脂の層、第一ポリエチレン層32、第一接着層35、酸素ガスバリア層31、第二接着層36、第二ポリエチレン層33、第三接着層37、紙材21、ポリオレフィン層23としてもよい。
その他、適宜他の層を積層させてもよい。また、接着層を設けず、例えば熱溶着のように熱にて互いに積層させるなどしてもよい。
次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明は、これらの例によって限定されるものではない。
(実施例1)
<工程1>
以下の表1に示すように、第一ポリエチレン層(a)から第二ポリエチレン層(e)までをインフレーション法で共押出しして、積層フィルムを製造した。また、あらかじめ坪量300g/m2の紙材21である板紙(g)にポリエチレン(h)を10μm押出しコートしてポリエチレンコート紙を製造した。
次に、ポリエチレンコート紙の板紙(g)面とインフレーション共押出しフィルムの(e)面との間にポリエチレン(f)を溶融押出しにより積層して、紙複合素材11を製造した。
そして、得られた紙複合素材を折曲加工して、収容空間側から、第一ポリエチレン層(a)、第一接着層(b)、酸素ガスバリア層(c)、第二接着層(d)、第二ポリエチレン層(e)、ポリエチレンの層(f)、板紙(g)、ポリエチレンの層(h)が積層された容器10を製造した。
Figure 2010036538
<工程2>
上記工程1で製造した紙複合素材に図1に示す容器10の展開平面図に合わせて折れ線加工を施し、ストロー差込口13であるストロー孔用のハーフカットを施した後、打ち抜き加工により1枚ずつのブランク板とした。
そして、ブランク板についてサイドシールを行った後、紙製液体容器用充填機で容器ボトムの成形密封を行い、内容液を充填した後トップを成形して密封して容器10を製造した。
容器10の内表面積は170mm×170mmであり、液体は200ml充填した。充填した液体は、クエン酸を溶解してpHを5に調節した蒸留水に飲料用色素として用いられるクチナシ黄色系(カロチノイド系)色素(三栄源エフ・エフ・アイ社製 商品名:サンエローNo.3L)を0.1質量%添加して調製した。
液体を充填した容器10は、23℃65%RHの暗所と、23℃65%RHの蛍光灯下(1500Lx)と、5℃暗所との3箇所で保管した。
(実施例2〜7,比較例1〜7)
実施例1と同様の工程で、表2,3に示すように、膜厚等を変化させた紙複合素材を用いて、容器10を製造した。なお、実施例2〜7、比較例1〜7において、第一接着層(b)と第二接着層(d)はいずれも、実施例1と同様の材料および厚さ寸法とした。
(比較例8)
第一ポリエチレン層(a)を構成するフィルムとして、実施例1と同じ原料を使用して、厚さ寸法40μmの単層インフレーションフィルムを製造するとともに、第二ポリエチレン層(e)も実施例1と同じ原料を使用して厚さ寸法40μmの単層インフレーションフィルムを製造した。
この2種のフィルムを酸素ガスバリア層(c)として用いる、厚さ寸法15μmのエチレン−ビニルアルコール共重合体からなる二軸延伸フィルム(クラレ社製 商品名:エハ゛ール EF-XL,30℃90%RHにおける酸素ガス透過度:2.5cm3/(m2・day at 1atm))の両面にドライラミネーション法で積層した。
そして、この得られた積層フィルムを実施例1の<工程1>に示す方法と同じに板紙(g)と積層し、表3に示すように、第一ポリエチレン層(a)、第一接着層(b)、酸素ガスバリア層(c)、第二接着層(d)、第二ポリエチレン層(e)、ポリエチレンの層(f)、紙材(g)、ポリエチレンの層(h)が積層された紙複合素材を得た。
この得られた紙複合素材を用いて容器10を製造した。なお、比較例8において、第一接着層(b)と第二接着層(d)はいずれも、実施例1と同様の材料および厚さ寸法とした。
Figure 2010036538
Figure 2010036538
<評価>
上述した実施例1〜7と比較例1〜8のように製造した容器10の製造工程から内容物充填品について、次の評価(1)〜(6)を実施した。
評価結果を表4に示す。
(1)第一ポリエチレン層(a)〜第二ポリエチレン層(e)の構成のインフレーション法による積層フィルム22の製膜性・外観評価
着色度合いに問題なく、かつ、表面に発泡等の不具合が生じることなく製膜できたものを良好「◎」とし、着色度合いに問題があったものや、表面に発泡等の不具合が生じたものを不良「×」とした。
(2)第一ポリエチレン層(a)〜第二ポリエチレン層(e)の構成のインフレーション法による積層フィルム22の裁断性評価
(3)ストロー差込口13のストロー穿孔性評価
ハーフカット部の紙部を取り除き、先端のとがったストローを突き刺し貫通できたものを良好「◎」とし、抵抗はあったが貫通できたものを良「○」とし、貫通できなかったものを不良「×」とした。
(4)5℃、暗所における保管品を基準にした時の23℃保存内容物の褪色による色調差がないものを良好「◎」とし、色調差があったものを不良「×」とした。
(5)5℃、明所における保管品を基準にした時の23℃保存内容物の褪色による色調差がないものを良好「◎」とし、色調差があったものを不良「×」とした。
(6)23℃での保管品について、4ヶ月間保管中の内容物の目減り量を調べ、目減り量が2%以下のものを良好「◎」とし、目減り量が2%を上回るものを不可「×」とした。
なお、(1)〜(6)において、全ての評価が「◎」であったものを総合評価「◎」とし、いずれか一つの評価に「○」があったものを総合評価「○」とし、いずれか一つの評価に「×」があったものを総合評価「×」とした。
Figure 2010036538
表4に示すように、実施例1〜7の容器10においては、比較例1〜8の容器10と比べて、十分なガスバリア性、遮光性、美観性および防湿性が得られるとともに、製函時の折曲加工などにて損傷することがなく、ストロー穿孔性が良好であった。
本発明は、酸素ガスバリア層の一面に第一ポリエチレン層を積層し他面に第二ポリエチレン層を積層する積層フィルム、この積層フィルムをシート状の紙材の一面に積層する紙複合素材、この紙複合素材にて形成された容器に利用でき、特に飲料などの食品の包装に利用される。
本発明の実施形態に係る容器を示す展開平面図。 図1に示す容器を構成する紙複合素材の断面を示す断面図。
符号の説明
10…容器
11…紙複合素材
13…ストロー差込口
21…紙材
22…積層フィルム
23…ポリオレフィン層
31…酸素ガスバリア層
32…第一ポリエチレン層
33…第二ポリエチレン層

Claims (9)

  1. 酸素ガスバリア層の一面に少なくとも第一ポリエチレン層が積層され、他面に少なくとも第二ポリエチレン層が積層された積層フィルムであって、
    前記第一ポリエチレン層と第二ポリエチレン層とのうちの少なくともいずれか一方は、厚さ寸法が10μm以上で、かつ、黒色顔料を0.1質量%以上0.5質量%以下、白色顔料を5質量%以上15質量%以下含み、
    前記酸素ガスバリア層は、厚さ寸法が30μm以下で、かつ、30℃90%RHで1atmにおける酸素ガス透過度が0.5cm3/(m2・day・atm)以下である
    ことを特徴とした積層フィルム。
  2. 請求項1に記載の積層フィルムであって、
    前記酸素ガスバリア層は、エチレン−ビニルアルコール共重合体に酸素吸収材が含まれてなる
    ことを特徴とした積層フィルム。
  3. シート状の紙材と、
    この紙材の一面に積層された請求項1または請求項2に記載の積層フィルムと、
    前記紙材の他面に積層されたポリオレフィン層と、
    を具備したことを特徴とした紙複合素材。
  4. 請求項3に記載の紙複合素材であって、
    前記ポリオレフィン層は、ポリエチレン層である
    ことを特徴とした紙複合素材。
  5. 請求項3または請求項4に記載の紙複合素材であって、
    前記紙材の一面側に位置する積層体の全厚さ寸法が150μm以下である
    ことを特徴とした紙複合素材。
  6. 請求項3から請求項5までのいずれか一項に記載の紙複合素材であって、
    前記紙材を除く部分の全厚みが80μm以上である
    ことを特徴とした紙複合素材。
  7. 請求項3から請求項6までのいずれか一項に記載の紙複合素材であって、
    食品を包装する包装材に用いられる
    ことを特徴とした紙複合素材。
  8. 請求項7に記載の紙複合素材であって、
    液体を包装する包装材に用いられる
    ことを特徴とした紙複合素材。
  9. 内部に収容空間を有する容器であって、
    ストローが差し込み可能で前記収容空間を外部に連通させるストロー差込口が設けられた請求項8に記載の紙複合素材にて形成された
    ことを特徴とした容器。
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