JP2010034273A - 多層配線基板およびその製造方法 - Google Patents

多層配線基板およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2010034273A
JP2010034273A JP2008194601A JP2008194601A JP2010034273A JP 2010034273 A JP2010034273 A JP 2010034273A JP 2008194601 A JP2008194601 A JP 2008194601A JP 2008194601 A JP2008194601 A JP 2008194601A JP 2010034273 A JP2010034273 A JP 2010034273A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass ceramic
metal powder
glass
wiring board
oxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008194601A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuya Kimura
哲也 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP2008194601A priority Critical patent/JP2010034273A/ja
Publication of JP2010034273A publication Critical patent/JP2010034273A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)

Abstract

【課題】絶縁性を保ちつつ高熱伝導性を有する低温焼成が可能な多層配線基板およびその製造方法を提供する。
【解決手段】ガラスセラミック絶縁層11、12、13、14が複数積層された絶縁基体1と、ガラスセラミック絶縁層11、12、13、14に形成された貫通導体2と、ガラスセラミック絶縁層11、12、13、14の主面に形成された配線層3とを含む多層配線基板であって、ガラスセラミック絶縁層11、12、13、14の内部には金属粉体に厚み0.5〜3μmの酸化物系セラミック被膜が形成された放熱体が分散して含まれており、放熱体を含むガラスセラミック絶縁層11、12、13、14中の金属粉体の含有量が15〜45質量%である。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体素子収納用パッケージや混成集積回路装置などに適した多層配線基板およびその製造方法であり、特に半導体素子等の能動素子の動作等に発生する熱を効率よく放散することが可能な多層配線基板及びその製造方法に関するものである。
近年、ガラスとセラミックスとの複合材料であるガラスセラミックスを絶縁層として用いることにより、1000℃以下の低温焼成が可能であり、且つ融点が低い低抵抗金属であるCu、Ag、Au等を配線層の形成材料として使用することを可能とした多層配線基板が開発されている。
例えば、ガラスにSiO系フィラーを添加した絶縁層と、Cu、Ag、Au等の低抵抗金属からなる配線層とを900〜1050℃の温度で同時焼成した多層配線基板が提案されている(特許文献1を参照。)。
ところが、情報通信技術の発達に伴い、ICやLSI等の半導体素子の高性能化が進んでいる。この半導体素子の高性能化により、半導体素子からの発熱量が増加し、搭載する多層配線基板の熱抵抗の問題が大きくなっている。具体的には、特許文献1に記載の多層配線基板におけるガラスセラミックスでは、熱伝導率が0.5〜1.5W/m・K程度であり、低温焼成できないアルミナ材料と比較して熱伝導性(熱放散性)に劣っている。
そこで、高い熱伝導性を有するAlNとガラスとを混合して焼成したガラスセラミックスを絶縁基板として用いた多層配線基板が提案されている(特許文献2および特許文献3を参照。)。
特公平4−12639号公報 特開昭63−307182号公報 特開平4−254477号公報
しかしながらAlN等の非酸化物セラミックスをガラスと混合して焼成すると、焼成中に非酸化物セラミックスとガラスが反応して非酸化物セラミックスが分解し、分解ガスが発生する。この分解ガスにより、絶縁基板(磁器)の膨張や絶縁基板(磁器)表面の膨れ(気泡)が発生し、外観上安定した磁器を得ることが困難であった。かかる現象は、酸化性雰囲気の焼成で顕著となるため、この問題を解消しようとすると焼成雰囲気中の酸素濃度を少なくする必要があり、それが原因で脱バインダー不良が起こり易くなってしまうという問題があった。脱バインダー不良が起こると、やはり絶縁基板(磁器)の膨張や絶縁基板(磁器)表面の膨れ(気泡)が発生してしまい、さらに磁器強度や誘電正接の低下につながってしまう。
その他の方法として、高熱伝導率の金属粉体(Cu、Ag、Au等)をガラスセラミック絶縁層中に分散させる方法が考えられるが、この方法の場合、金属粉体同士が接触して連なることで上下の配線層と配線層との間または配線層と貫通導体との間においてショートしてしまうおそれがあり、またその絶縁性を保つ観点から添加量に限界があって、ガラスセラミック絶縁層中に含まれる金属粉体の量を10質量%以下程度にしなければならず、熱伝導性(熱放散性)を向上させるための方法として、あまり効果的ではない。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、絶縁性を保ちつつ高熱伝導性を有する低温焼成が可能な多層配線基板およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、ガラスセラミック絶縁層が複数積層された絶縁基体と、前記ガラスセラミック絶縁層に形成された貫通導体と、前記ガラスセラミック絶縁層の主面に形成された配線層とを含む多層配線基板であって、前記ガラスセラミック絶縁層の内部には金属粉体に厚み0.5〜3μmの酸化物系セラミック被膜が形成された放熱体が分散して含まれており、該放熱体を含む前記ガラスセラミック絶縁層中の前記金属粉体の含有量が15〜45質量%であることを特徴とするものである。
ここで、前記金属粉体がCu、AgおよびAuの群から選ばれる少なくとも1種からなる粉体であるのが望ましい。また、前記酸化物系セラミック被膜がAl、SiOおよびZrOの群から選ばれる少なくとも1種からなる被膜であるのが望ましい。
また本発明は、金属粉体に厚み0.5〜3μmの酸化物系セラミック被膜が形成された放熱体を作製する工程と、ガラス粉末、無機フィラーおよび前記放熱体からなる混合物を含み、該混合物中の前記金属粉体の含有量が15〜45質量%となるようにしてガラスセラミックグリーンシートを作製する工程と、該ガラスセラミックグリーンシートを貫通する貫通孔を形成して貫通導体用ペーストを充填するとともに前記ガラスセラミックグリーンシートの表面に配線層用導体ペーストを被着形成する工程と、前記貫通導体用ペーストの充填および前記配線層用導体ペーストの被着形成がなされた前記ガラスセラミックグリーンシートを複数積層して積層体を作製する工程と、該積層体を焼成する工程とを有することを特徴とする多層配線基板の製造方法である。
本発明の多層配線基板によれば、ガラスセラミック絶縁層の内部に、金属粉体に酸化物系セラミック被膜が形成されてなる放熱体が分散して含まれているから、絶縁性と熱伝導性(熱放散性)とを両立させた多層配線基板を実現することができる。
また本発明の多層配線基板の製造方法は、ガラスセラミック絶縁層の内部に金属粉体をショートせずに分散させることができる。したがって、多層配線基板の絶縁性を保ったまま、熱伝導性(熱放散性)を向上させることができる。
本発明の多層配線基板の一実施形態について説明する。
図1は本発明の多層配線基板の一実施形態の概略断面図であり、図2は図1に示す領域Aの拡大図である。
本発明は、図1に示すように、複数のガラスセラミック絶縁層11、12、13、14が積層された絶縁基体1と、ガラスセラミック絶縁層11、12、13、14にそれぞれ形成された貫通導体2と、ガラスセラミック絶縁層11、12、13、14の主面に形成された配線層3とを含む多層配線基板であって、ガラスセラミック絶縁層11、12、13、14の内部には放熱体4が分散して含まれているものである。
絶縁基体1は、複数のガラスセラミック絶縁層11、12、13、14が積層されてなるものである。ガラスセラミック絶縁層11、12、13、14は、焼成によって結晶を析出する結晶性ガラスまたは結晶を析出しない非結晶性ガラスからなるガラス粉末と無機フィラーとを原料とし、これに有機バインダー、有機溶媒などを添加して焼成することにより得られたものである。
ガラスセラミック絶縁層11、12、13、14は、例えば、クォーツ、エンスタタイト、フォルステライト、クリストバライト、コージェライト、ムライト、アノーサイト、セルジアン、スピネル、ガーナイト、ウイレマイト、ドロマイト、ペタライト等の結晶を含んでいる。この結晶は、原料としてのガラス粉末から析出したものであってもよく、原料として無機フィラーとして混入されたものであってもよい。
そして、ガラスセラミック絶縁層11、12、13、14の内部には、図2に示すように、放熱体本体としての金属粉体41に厚み0.5〜3μmの酸化物系セラミック被膜42が形成されてなる放熱体4が分散して含まれていて、放熱体4を含むガラスセラミック絶縁層11、12、13、14中の金属粉体41の含有量が15〜45質量%であることが重要である。ここで、分散して含まれている(分散状態にある)とは、ガラスセラミック絶縁層11、12、13、14のどの部分をみても金属粉体41の含有量が15〜45質量%であって、熱伝導率が2W/m・K以上の値を示すようになっていることをいう。
この放熱体4は多層配線基板の熱放散性を向上させるためのものである。酸化物系セラミック被膜42の厚みが0.5μm以上であることによって、近接する放熱体4同士が接触してもショートしてしまうことなく絶縁性を保つことができ、3μm以下であることによって、ガラスセラミックスの焼結性が阻害されず、熱放散性を向上させることができる。すなわち、酸化物系セラミック被膜42の厚みが0.5μm未満であると絶縁性の確保が十分ではなく、酸化物系セラミック被膜42の厚みが3μmを超えるとガラスセラミックスの焼結性が阻害され、ボイドによる影響から熱放散性が十分ではない。
また、金属粉体41の含有量が15質量%以上であることによって、熱放散性を向上させることができ、45質量%以下であることによって、絶縁性を保つことができる。すなわち、金属粉体41の含有量が15質量%未満であると金属粉体41の量が少なすぎて放熱効果が十分ではなく、金属粉体41の含有量が45質量%を超えると絶縁性の確保が十分ではなくなるおそれがある。
金属粉体41は、平均粒径0.8〜5μm程度のものを用いる。ここで、金属粉体41としては、熱伝導率の高い金属、中でもCu、AgおよびAuの群から選ばれる少なくとも1種であるのが望ましい。
また、酸化物系セラミック被膜42は、セラミック微粉末により形成された被膜である。ここで、酸化物系セラミック被膜42は、Al、SiOおよびZrOの群から選ばれる少なくとも1種からなる被膜であるのが望ましい。
これにより、ガラスセラミックグリーンシート中に含まれる放熱体4は、金属粉体41に酸化物系セラミック被膜42が形成された状態で焼結後のガラスセラミック絶縁層11、12、13、14に含まれ、その状態を保つことができる。すなわち、被膜が酸化物系セラミックスからなるため、焼結の際にガラスセラミックグリーンシートに含まれるガラス粉末と反応することがなく、酸化物系セラミック被膜42により金属粉体41を覆って放熱体4間や貫通導体2および配線層3との絶縁を保つことができる。
ここで、混合物の各元素の定量化については、ICP発光分光分析法(Inductively Coupled Plasma Atomic Emission Spectroscopy)により求めることができ、酸化物系セラミック被膜42の厚みについては、ガラスセラミック絶縁層11、12、13、14を切断した断面についての走査型電子顕微鏡(SEM)による1000倍の画像から、一つの放熱体4における酸化物系セラミック被膜42について任意の10箇所の厚みの平均値を算出して、求めることができる。
ガラスセラミック絶縁層11、12、13、14には、それぞれ一方主面(上面)から他方主面(下面)にかけて貫通するように貫通導体2が形成されている。この貫通導体2は、CuやAgなど低抵抗の金属粉末を含む導体ペーストの焼成によって形成されたものである。また、ガラスセラミック絶縁層11、12、13、14の主面には、配線層3が形成されている。この配線層3も、貫通導体2と同様に、CuやAgなどの低抵抗金属からなる金属粉末を含む導体ペーストの焼成によって形成されたものである。
本発明の一実施形態である多層配線基板は、以上のような構成を基本構成とするものである。
以下、上述の多層配線基板の製造方法について説明する。
まず、放熱体4を作製する。放熱体4は、例えば平均粒径0.8〜5μmのCu、AgおよびAuの群から選ばれる少なくとも1種である高い熱伝導率を有する金属粉体41に、厚み0.5〜3μmの例えばAl、SiOおよびZrOの群から選ばれる少なくとも1種からなる酸化物系セラミック被膜42を形成して作製される。
ここで、この酸化物系セラミック被膜42は金属粉体41の周りに平均粒径0.01〜1μmのセラミック微粉末を多数付着させて形成したものであり、その形成に際しては、湿式法又は乾式法(メカノケミカル・ボンディング法)が用いられる。酸化物系セラミック被膜42の厚みの測定方法は、放熱体4を熱硬化性樹脂に埋め込んだ後、研磨することによって放熱体4の断面を露出させて、走査型電子顕微鏡(SEM)による1000倍の画像から、一つの放熱体4における酸化物系セラミック被膜42について任意の10箇所の厚みの平均値を算出して、これを酸化物系セラミック被膜42の厚みとしたものである。
なお、「平均粒径」とは、粉体の集団の全体積を100%として累積カーブを求めたとき、その累積カーブが50%となる点の粒径d50を意味する。粉体の粒度分布は、たとえばレーザー回折・散乱法によるマイクロトラック粒度分布測定装置X−100(日機装株式会社製)を用いて測定できる。
次に、ガラス粉末、無機フィラーおよび放熱体4からなる混合物を含み、この3種を含む混合物中の金属粉体41の含有量が15〜45質量%となるようにガラスセラミックグリーンシートを作製する。ここで、混合物中の金属粉体41の含有量が15〜45質量%となるようにするには、放熱体4を球状とみて金属粉体41の粒径および酸化物系セラミック被膜42の厚みからそれぞれの体積を算出し、体積と比重から金属粉体41の質量を求めて、調製すればよい。なお、球状とみたときの金属粉体41の粒径は、一つの放熱体4における金属粉体41について任意の10箇所の直径の平均値を算出して、これを金属粉体41の粒径とした。
ガラス粉末としては、結晶性ガラスと非結晶性ガラスのどちらも採用できる。具体的には、アルカリ土類金属酸化物を含むホウケイ酸ガラス、ホウケイ酸亜鉛ガラス、ホウケイ酸鉛ガラス等のホウケイ酸系ガラスの他、リチウム珪酸系ガラス等が挙げられる。ガラス粉末の平均粒径としては1〜5μmが望ましい。また、無機フィラーとしては、Al、SiO、ZrO、CaO、MgOまたはMgOなどの酸化物や、これらの酸化物の2種以上の複合酸化物等が使用できる。無機フィラーの平均粒径も1〜5μmが望ましい。
ガラス粉末と無機フィラーとの配合比率の調整により、貫通導体用ペーストおよび配線層用導体ペーストの焼結温度と整合させたり、接合強度を高めたりすることができる。混合物において、放熱体4を除いて考えた場合のガラス粉末と無機フィラーとの配合比率は、質量比で50:50〜70:30の範囲で配合されることが効果的である。
ガラス粉末、無機フィラーおよび放熱体4からなる混合物に、イソブチルメタクリレート樹脂、メチルメタクリレート樹脂等の有機バインダーと、テルピネオール、フタル酸ジブチル(DBP)、トルエン、アセトン等の有機溶剤を加えてボールミル、ビーズミルなどで12〜24時間混合してスラリーを得た後、ドクターブレード法、圧延法、プレス法などによりシート状に成形して、ガラスセラミックグリーンシートを作製する。
次に、作製されたガラスセラミックグリーンシートに対して、マイクロドリルやCOレーザー等により貫通孔を形成し、この貫通孔に貫通導体用ペーストをスクリーン印刷法で埋め込むとともに、ガラスセラミックグリーンシートの主面に配線層用導体ペーストをスクリーン印刷で被着形成した後、60〜100℃で1〜3時間程度かけて乾燥させる。
ここで、配線層用導体ペーストおよび貫通導体用ペーストを構成する金属粉末としては、低抵抗のCu粉末またはAg粉末が好ましく、金属成分のマイグレーションによる信頼性低下を抑制するためにはCu粉末が最も望ましい。この金属粉末にそれぞれのペーストに適した割合で有機バインダーおよび有機溶剤などが添加されて、配線層用導体ペーストおよび貫通導体用ペーストが作製される。なお、金属粉末の平均粒径は、ペーストの粘度などの点から0.8μm以上、また微細配線形成の点から5μm以下であるのが好ましい。
次に、得られた貫通導体用ペーストの充填および配線層用導体ペーストの被着形成がなされたガラスセラミックグリーンシートを複数積層して積層体を作製する。
次に、得られた積層体を所定の条件(例えば窒素雰囲気中、焼成温度800〜1000℃、1時間)で焼成して、ガラスセラミックグリーンシート、貫通導体および配線層を焼結させることで、本発明の多層配線基板を得ることができる。
上述の多層配線基板の製造方法によれば、熱放散性に優れた多層配線基板を得ることができる。
まず、放熱体本体としての金属粉体を表1に示す3種類の金属で平均粒径3μmに形成し、この金属粉体に平均粒径0.05μmの表1に示すAl粉末を乾式法(メカノケミカル・ボンディング法)により付着させて表1に示すそれぞれの厚みの酸化物系セラミック被膜を形成して、放熱体を作製した。なお、酸化物系セラミック被膜の厚みは、放熱体を熱硬化性樹脂に埋め込んだ後、研磨することによって放熱体の断面を露出させて、走査型電子顕微鏡(SEM)による1000倍の画像から、一つの放熱体における酸化物系セラミック被膜について任意の10箇所の厚みの平均値を算出して求めた。
そして、非結晶性のSiO−B−BaO系ホウ珪酸ガラスからなる平均粒径3μmのガラス粉末と平均粒径3μmの無機フィラー(SiOフィラー)とをそれぞれ質量比1:1の割合で混合し、さらに上記の放熱体を加えて3種を含む混合物を作製した。ここで、混合物の全体を100質量%としたときの金属粉体の含有量が表1に示す含有量となるように3種を含む混合物を作製するが、金属粉体の含有量については、放熱体を球状とみて金属粉体の粒径および酸化物系セラミック被膜の厚みからそれぞれの体積を算出し、体積と比重から金属粉体の質量を求めることで、調製した。なお、球状とみたときの金属粉体の粒径は、一つの放熱体における金属粉体について任意の10箇所の直径の平均値を算出して、これを金属粉体の粒径とした。また、ガラス粉末は、SiOが40質量%、Bが10質量%、BaOが40質量%、Alが5質量%、CaOが5質量%の組成のものを用いた。
そして、この3種を含む混合物100質量部に対してイソブチルメタクリレート系の有機バインダー15質量部および有機溶媒(トルエン)70質量部を加えてボールミルで24時間混練してガラスセラミックスラリーを作製した。その後、ドクターブレード法によりシート状に成形し、80℃×10分で乾燥後、厚み120μmのガラスセラミックグリーンシートを作製した。
次に、作製されたガラスセラミックグリーンシートに対してCOレーザーにより直径50μmの貫通孔を形成し、この貫通孔に貫通導体用ペーストをスクリーン印刷法で埋め込むとともに、ガラスセラミックグリーンシートの表面に配線層用導体ペーストをスクリーン印刷で被着形成した後、80℃で2時間かけて乾燥させた。このとき用いたペーストは、平均粒径が2μmのCu粉末98質量%と平均粒径が2μmのホウ珪酸ガラス粉末2質量%とからなる混合粉末100質量部に対して、イソブチルメタクリレート系有機バインダーを5質量部、有機溶剤としてターピネオールを20質量部加え、3本ロールミルで混合したものである。
さらに、貫通導体用ペーストの充填および配線層用導体ペーストの被着形成がなされたガラスセラミックグリーンシートを6層積層して積層体を作製した。
最後に、得られた積層体を、窒素雰囲気、焼成温度900℃、1時間の保持時間で焼成して、ガラスセラミックグリーンシート、貫通導体および配線層を焼結させ、多層配線基板を得た。
一方、貫通導体用ペーストの充填および配線層用導体ペーストの被着形成がなされていないガラスセラミックグリーンシートを6層積層して積層体を作製し、この積層体の両主面(上面および下面)に配線層用導体ペーストを塗布してベタの配線パターンを形成し、多層配線基板の製造と同様の条件で焼成を行なった。そして、得られたサンプルについて、絶縁抵抗の測定を行った。具体的には、サンプルの上下面の配線層にデジタルマルチメーターを用いて10V印加して絶縁抵抗を測定し、1×10Ω以下を不良とした。その結果を表1に示す。
また、貫通導体用ペーストの充填および配線層用導体ペーストの被着形成がなされていないガラスセラミックグリーンシートを20層積層して積層体を作製し、この積層体を直径10mm、厚み2mmの形状に加工し、多層配線基板の製造と同様の条件で焼成を行ない、サンプルを得た。得られたサンプルについて、レーザーフラッシュ法にて熱伝導率を求め、2W/m・K未満を不良とした。その結果を表1に示す。
Figure 2010034273
表1によれば、本発明範囲内の試料(試料No.3〜7,10〜13,15,16)においては絶縁抵抗および熱伝導率が良好な値を示していることがわかる。
これに対し、本発明範囲外の試料No.1では、放熱体を含まないので、熱伝導率が悪いことがわかる。
また、本発明範囲外の試料No.2では、酸化物系セラミック被膜の厚みが0.1μmと薄いので、絶縁性が悪くなっていることがわかる。
また、本発明範囲外の試料No.8では、酸化物系セラミック被膜の厚みが4.0μmと厚いので、ガラスセラミックスの焼結が阻害され、絶縁性が悪くなっていることがわかる。
また、本発明範囲外の試料No.9では、金属粉体の含有量が8質量%と少ないため、熱伝導率が悪くなっていることがわかる。
また、本発明範囲外の試料No.14では、金属粉体の含有量が50質量%と多いため、絶縁性が悪くなっていることがわかる。
なお、表には示していないが、焼成後のガラスセラミック絶縁層に含まれる放熱体における酸化物系セラミック被膜の厚みについては、ガラスセラミック絶縁層を切断した断面についての走査型電子顕微鏡(SEM)による1000倍の画像から、焼成前の原料段階の放熱体における酸化物系セラミック被膜の厚みと等しいことが確認された。また、焼成後の放熱体を含むガラスセラミック絶縁層中の金属粉体の含有量は、ICP発光分光分析法により、焼成前の混合物中の金属粉体の含有量と等しいことが確認された。
図1は本発明の多層配線基板の一実施形態の概略断面図である。 図1に示す領域Aの拡大図である。
符号の説明
1・・・絶縁基体
11、12、13、14・・・ガラスセラミック絶縁層
2・・・貫通導体
3・・・配線層
4・・・放熱体
41・・・金属粉体
42・・・酸化物系セラミック被膜

Claims (4)

  1. ガラスセラミック絶縁層が複数積層された絶縁基体と、前記ガラスセラミック絶縁層に形成された貫通導体と、前記ガラスセラミック絶縁層の主面に形成された配線層とを含む多層配線基板であって、前記ガラスセラミック絶縁層の内部には金属粉体に厚み0.5〜3μmの酸化物系セラミック被膜が形成された放熱体が分散して含まれており、該放熱体を含む前記ガラスセラミック絶縁層中の前記金属粉体の含有量が15〜45質量%であることを特徴とする多層配線基板。
  2. 前記金属粉体がCu、AgおよびAuの群から選ばれる少なくとも1種からなることを特徴とする請求項1に記載の多層配線基板。
  3. 前記酸化物系セラミック被膜がAl、SiOおよびZrOの群から選ばれる少なくとも1種からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の多層配線基板。
  4. 金属粉体に厚み0.5〜3μmの酸化物系セラミック被膜が形成された放熱体を作製する工程と、
    ガラス粉末、無機フィラーおよび前記放熱体からなる混合物を含み、該混合物中の前記金属粉体の含有量が15〜45質量%となるようにしてガラスセラミックグリーンシートを作製する工程と、
    該ガラスセラミックグリーンシートを貫通する貫通孔を形成して貫通導体用ペーストを充填するとともに前記ガラスセラミックグリーンシートの表面に配線層用導体ペーストを被着形成する工程と、
    前記貫通導体用ペーストの充填および前記配線層用導体ペーストの被着形成がなされた前記ガラスセラミックグリーンシートを複数積層して積層体を作製する工程と、
    該積層体を焼成する工程とを有することを特徴とする多層配線基板の製造方法。
JP2008194601A 2008-07-29 2008-07-29 多層配線基板およびその製造方法 Pending JP2010034273A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008194601A JP2010034273A (ja) 2008-07-29 2008-07-29 多層配線基板およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008194601A JP2010034273A (ja) 2008-07-29 2008-07-29 多層配線基板およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010034273A true JP2010034273A (ja) 2010-02-12

Family

ID=41738413

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008194601A Pending JP2010034273A (ja) 2008-07-29 2008-07-29 多層配線基板およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010034273A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20150349230A1 (en) * 2014-05-27 2015-12-03 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Heat radiation sheet for board, manufacturing method thereof, and heat radiation board
CN115802596A (zh) * 2023-02-13 2023-03-14 四川斯艾普电子科技有限公司 一种厚薄膜陶瓷线路板及其制作方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20150349230A1 (en) * 2014-05-27 2015-12-03 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Heat radiation sheet for board, manufacturing method thereof, and heat radiation board
CN115802596A (zh) * 2023-02-13 2023-03-14 四川斯艾普电子科技有限公司 一种厚薄膜陶瓷线路板及其制作方法
CN115802596B (zh) * 2023-02-13 2023-05-05 四川斯艾普电子科技有限公司 一种厚薄膜陶瓷线路板及其制作方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5845426B2 (ja) セラミック積層部品
JP5158040B2 (ja) ガラスセラミックス基板
JP4673086B2 (ja) ビア導体メタライズ用の導体ペーストおよびこれを用いたセラミック配線基板の製造方法
JP2007273914A (ja) 配線基板および配線基板の製造方法
JP3652196B2 (ja) セラミック配線基板の製造方法
JP2001015869A (ja) 配線基板
JP2010034273A (ja) 多層配線基板およびその製造方法
JP4703207B2 (ja) 配線基板
JP2006310340A (ja) 導体ペーストおよび成形体並びに配線基板
JP4535576B2 (ja) 多層配線基板の製造方法
JP4794040B2 (ja) セラミック焼結体およびそれを用いた配線基板
JP2004087989A (ja) 多層配線基板
JP2009182285A (ja) 配線基板およびその製造方法
JP5004548B2 (ja) 低温焼成磁器およびその製造方法、ならびにそれを用いた配線基板
JP2010034176A (ja) 多層配線基板およびその製造方法
JP2004235347A (ja) 絶縁性セラミックスおよびそれを用いた多層セラミック基板
JP3537698B2 (ja) 配線基板およびその製造方法
JP2009004515A (ja) セラミック配線基板及びセラミック配線基板の製造方法
JP2006093003A (ja) 導体ペーストおよびそれを用いた配線基板の製造方法
JP2010278117A (ja) 配線基板の製造方法
JP2004273426A (ja) 導電ペーストおよびそれを用いたセラミック多層基板
JP2003073162A (ja) ガラスセラミックスおよびそれを用いた配線基板
WO2022153797A1 (ja) セラミック基板、セラミック基板用グリーンシート及びセラミック基板用複合粉末
JP4781189B2 (ja) 配線基板
JP3786609B2 (ja) 複合セラミック部品及びその製造方法