JP2010030854A - カーボンオニオン粒子分散膜及びその製造方法 - Google Patents
カーボンオニオン粒子分散膜及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2010030854A JP2010030854A JP2008196000A JP2008196000A JP2010030854A JP 2010030854 A JP2010030854 A JP 2010030854A JP 2008196000 A JP2008196000 A JP 2008196000A JP 2008196000 A JP2008196000 A JP 2008196000A JP 2010030854 A JP2010030854 A JP 2010030854A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- carbon onion
- particles
- carbon
- metal
- film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Carbon And Carbon Compounds (AREA)
Abstract
【解決手段】カーボンオニオン粒子と、金属粒子と、非晶質相とを含む混合層からなるカーボンオニオン粒子分散膜。少なくともその表面に金属炭化物を含む基材の表面にパルスレーザーを照射する照射工程を備え、前記パルスレーザーは、照射強度が5×1013W/cm2以上1017W/cm2以下であるカーボンオニオン粒子分散膜の製造方法。
【選択図】図2
Description
(1)真空中でのすすへの高エネルギー電子ビーム照射、
(2)ダイヤモンド粒子の真空中熱処理、
(3)触媒を担持したシリカゲルを使用した高周波プラズマCVD法、
(4)Ag、CuなどへのCのイオン注入、
(5)アモルファスSiCへのレーザー照射、
(6)Cと触媒金属の同時スパッタ、又はCのアンバランスドマグネトロンスパッタ、
などが報告されている。
これらの内、(1)〜(3)はカーボンオニオン粉末を合成する方法であり、(4)〜(6)はカーボンオニオンを含有する薄膜を形成する方法である。
例えば、特許文献1には、基材及びスパッタリングターゲットとして、それぞれ、シリコンウェハー及びグラファイトを用い、基材に正のバイアス電位を印加しながら、アンバランスドマグネトロンスパッタリング法を用いてグラファイトをスパッタし、基材表面に膜を形成するカーボンオニオン膜の製造方法が開示されている。
同文献には、
(1)薄膜の形成過程において、適切なエネルギーと流束を有する電子線を照射すると、カーボンオニオンクラスターを有する薄膜を形成できる点、及び、
(2)アンバランスドマグネトロンスパッタリング法を用いると、基材近傍にも高いプラズマ密度が形成されるので、電子密度の一層高い電子束を成膜中の薄膜に照射することができ、オニオンクラスターの形成が促進される点、
が記載されている。
(1)マグネトロンスパッタリング法を用いて、Si基板上に膜厚約0.2μmの炭素系非晶質薄膜を形成し、
(2)炭素系非晶質薄膜の表面に、所定のパターンでAl薄膜を形成し、
(3)Al薄膜をマスクとして、炭素系非晶質薄膜にFeイオンを注入し、
(4)Al薄膜を除去した後、炭素系非晶質膜に電子線を照射する、
炭素系薄膜の製造方法が開示されている。
同文献には、Feイオンを注入しない領域では電子線を照射してもグラファイトクラスターの生成が抑制されるのに対し、Feイオンを注入した領域に電子線を照射すると、高温を要することなくグラファイトクラスターの生成が促進される点が記載されている。
同文献には、不規則な同心円が多層に重なり合ってできたナノ一次粒子の葡萄状集合体構造を有するすす状炭素に強い電子線を短時間照射すると、一次粒子が真球状炭素ナノオニオンに変化する点が記載されている。
(1)6H−SiC基板の表面に、パルスレーザーデポジション法により、膜厚100〜200nmで化学量論組成のアモルファスSiC薄膜を形成し、
(2)基板温度600℃で、1ショットのKrFレーザー(パルス幅:25nsec、レーザーフルエンス:800mJ/cm2(照射強度=3.2×1010W/cm2に相当)、波長:248nm)をアモルファスSiC薄膜の表面に照射する、
カーボンオニオンの製造方法が開示されている。
同文献には、
(a)600℃に加熱されたアモルファスSiCにレーザーを照射すると、深さ50〜100nm程度の表面近傍領域が立方晶系に結晶化する点、
(b)照射時にSiが揮発するために、表面には厚さ約10nmの炭素質層が形成される点、
(c)オニオン状カーボンクラスターは、上部の炭素質層と内部の多結晶立方晶SiC領域の双方に形成される点、及び
(d)多結晶SiCの内部に形成されたオニオン粒子の方が大きく、欠陥も少ない点、
が記載されている。
(1)溶融シリカ基板表面に、厚さ300nmのAg薄膜を形成し、
(2)500℃において、Ag薄膜にカーボンイオンを注入し、
(3)基板を、真空中、850℃に10時間アニールし、Ag成分を熱的に揮発させる
カーボンオニオン薄膜の製造方法が開示されている。
同文献には、得られたカーボンオニオン粒子は、ほぼ完全な球形をしており、カーボンオニオンの平均サイズは、Cの注入量により異なる点が記載されている。
同文献には、4H−SiCに、波長400nm、パルスエネルギー25μJ/pulse(照射強度=1.1×1010W/cm2に相当)、繰り返し周波数50Hz、パルス数100の条件でレーザー照射を行うと、表面に2種類の周期を持ったリップル構造(周期的な凹凸構造)が形成される点が記載されている。
しかしながら、従来知られているカーボンオニオン粒子の合成方法は、いずれもプロセスが煩雑であり、高コストである。そのため、このような粉末を用いて基材上に薄膜を形成する方法では、さらに薄膜を高コスト化させるという問題がある。
一方、カーボンオニオン粒子含有薄膜の製造方法の内、特許文献2に開示されている方法は、多工程(炭素系非晶質薄膜の成膜→マスク作製→イオン注入→マスク除去→電子線照射)が必要であり、コストパフォーマンスが悪い。また、非特許文献2に開示されている方法は、カーボンイオンを注入後、Agを取り除く必要があるため、緻密な膜が得られないという問題がある。
しかしながら、この方法は、基板を600℃に加熱する必要があるため、高コストであるだけでなく、適用可能な基板の材質に制限がある。また、処理された膜は、カーボンオニオンを含む炭素質の薄膜と、カーボンオニオンを含む結晶質のSiC膜の2層構造になっており、カーボンオニオンを含む単層の膜は得られない。
また、本発明が解決しようとする他の課題は、このようなカーボンオニオン粒子分散膜を低コストで製造することが可能なカーボンオニオン粒子分散膜の製造方法を提供することにある。
また、本発明に係るカーボンオニオン粒子分散膜の製造方法は、
少なくともその表面に金属炭化物を含む基材の表面にパルスレーザーを照射する照射工程を備え、
前記パルスレーザーは、照射強度が5×1013W/cm2以上1017W/cm2以下であることを要旨とする。
この生成機構は明確ではないが、以下のように推定している。
(1)金属炭化物に強力なパルスレーザーが照射されると、表面近傍の金属炭化物の全部又は一部がCと金属に分解し、金属はCを過飽和に溶解した状態で融解する。
(2)温度上昇した表面は瞬時に冷却され、融解した金属中に含まれる過飽和のCは、まずフラーレンを形成する。
(3)生成したフラーレンの周囲に、次々とグラファイト層が積み重なってカーボンオニオン粒子が析出する。
(4)金属炭化物の分解により生成した融液の一部は、冷却時に結晶質の金属粒子として粒状に析出し、結晶化できなかった部分が非晶質相として残存する。
[1. カーボンオニオン粒子分散膜]
本発明に係るカーボンオニオン粒子分散膜は、カーボンオニオン粒子と、金属粒子と、非晶質相とを含む混合層からなる。カーボンオニオン粒子分散膜は、さらに金属炭化物粒子を含む場合がある。
本発明において、「カーボンオニオン粒子」とは、グラファイトのC面が玉葱状、あるいは同心球状に複数積層した球殻構造を有する粒子をいう。カーボンオニオン粒子の中心部は、球殻構造であっても無くても良い。なお、カーボンオニオン粒子を構成するグラファイトのC面は、無欠陥である必要はない。
例えば、後述する方法を用いてカーボンオニオン粒子分散膜を製造する場合において、製造条件を最適化すると、カーボンオニオン粒子の面内数密度が1個/0.01μm2以上である膜が得られる。また、製造条件を最適化すると、平均直径が2nm以上50nm以下であるカーボンオニオン粒子を含む膜が得られる。
金属粒子を構成する金属元素M1は、レーザー照射面に存在していた金属炭化物M2Cを構成する金属元素M2を含む。金属炭化物M2Cが2種以上の金属元素M2を含む混合物又は複合体である場合、金属元素M1は、少なくとも1種類の金属元素M2を含む。なお、本発明において「金属元素」というときは、Siなどの半金属元素も含まれる。
例えば、レーザー照射面に存在する金属炭化物M2CがSiCである場合、所定の条件下でパルスレーザーを照射することによって、膜中にSi粒子が生成する。
例えば、後述する方法を用いてカーボンオニオン粒子分散膜を製造する場合において、製造条件を最適化すると、平均直径が0.1nm以上1000nm以下である金属粒子を含む膜が得られる。
また、例えば、パルスレーザー照射面にCリッチのアモルファスSiCが含まれている場合、金属粒子の含有量が相対的に少ない膜が得られる。
非晶質相は、金属炭化物M2Cの分解により生成した溶融金属から金属粒子及びカーボンオニオン粒子が析出した後、残りの融液が凝固することにより生成したものと考えられている。従って、非晶質相は、パルスレーザー照射面に存在していた金属炭化物M2Cを構成する金属元素M2及びCから選ばれるいずれか1以上を含む。また、パルスレーザー照射時に溶融金属に雰囲気中のガス(例えば、酸素)が混入する場合もある。
膜中に含まれる非晶質相の量は、パルスレーザー照射面の組成やパルスレーザーの照射条件等により制御することができる。
本発明に係るカーボンオニオン粒子分散膜は、金属炭化物M3Cを含む場合がある。
膜中に含まれる金属炭化物M3Cとしては、具体的には、
(1)レーザー照射面に存在していた金属炭化物M2Cが未反応のまま残った、あるいは再析出したもの、
(2)レーザー照射によって金属炭化物M2Cの全部又は一部が反応し、組成及び/又は結晶構造の異なる炭化物として新たに析出したもの、
などがある。
従って、金属炭化物M3C粒子を構成する金属元素M3は、レーザー照射面に存在していた金属炭化物M2Cを構成する金属元素M2のすべてを含む場合と、金属元素M2の一部を含む場合とがある。
例えば、レーザー照射面に存在する金属炭化物M2CがSiCである場合、所定の条件下でパルスレーザーを照射することによって、膜中にSiC粒子が含まれる場合がある。
例えば、後述する方法を用いてカーボンオニオン粒子分散膜を製造する場合において、製造条件を最適化すると、平均直径が0.1nm以上1000nm以下である金属炭化物M3C粒子を含む膜が得られる。
本発明に係るカーボンオニオン粒子分散膜の製造方法は、少なくともその表面に金属炭化物を含む基材の表面にパルスレーザーを照射する照射工程を備えている。
基材は、少なくともその表面に金属炭化物M2Cを含むものからなる。基材は、全体に金属炭化物M2Cを含むものでも良く、あるいは、表面のみに金属炭化物M2Cを含むものでも良い。また、基材の少なくとも表面は、金属炭化物M2Cのみからなるものでも良く、あるいは、金属炭化物M2Cからなる相とこれとは異なる相(例えば、金属相、酸化物相、窒化物相など)との複合体であっても良い。
基材の形状は、特に限定されるものではなく、目的に応じて種々の形状を有する基材を用いることができる。
(1)金属炭化物M2C(例えば、SiC、TiC、ZrC、WC、VC、NbCなど、又はこれらの2以上を含む混合物又は複合体など)からなる単結晶、多結晶、又はアモルファスの基材、
(2)金属炭化物M2C相と他の相(例えば、金属相、酸化物相、窒化物相など)との複合体からなる基材(例えば、WC−Co合金からなる基板)、
(3)金属材料、有機材料、非金属無機材料などからなる支持体の表面に、金属炭化物M2Cを含む結晶質又はアモルファスの薄膜が形成された基材(例えば、多結晶SiCウェハの表面にアモルファスSiC薄膜が形成された基板)、
などがある。
基材表面には、パルスレーザーが照射される。カーボンオニオン粒子分散膜を得るためには、強力なパルスレーザーを照射する必要がある。パルスレーザーの照射強度が低すぎると、基材表面に周期的な凹凸構造が形成されるだけで、カーボンオニオン粒子を形成することはできない(例えば、非特許文献3参照)。従って、パルスレーザーの照射強度は、5×1013W/cm2以上とする必要がある。
一方、パルスレーザーの照射強度が高すぎると、生成したカーボンオニオン粒子分散膜が吹き飛ばされる、又は、生成したカーボンオニオン粒子がアモルファス化する。従って、パルスレーザーの照射強度は、1017W/cm2以下とする必要がある。
最適な照射強度は、基材表面の組成や、カーボンオニオン粒子分散膜に要求される特性などに応じて選択するのが好ましい。
一方、パルス幅が広すぎると、基材表面に投入されるエネルギーが過剰となるので、カーボンオニオン粒子が生成されなくなる。従って、パルス幅は、100psec以下が好ましい。
最適なパルス幅は、基材表面の組成や、カーボンオニオン粒子分散膜に要求される特性などに応じて選択するのが好ましい。
基材表面上に所定の範囲にカーボンオニオン粒子分散膜を形成するには、パルスレーザーあるいは基材を2次元に移動しながら照射すれば良い。この時、1パルスの照射部の重なりをできる限り少なくすることが必要である。
また、基材表面上に所定の範囲にカーボンオニオン粒子分散膜を形成する他の方法としては、レーザー照射径の拡大、及び面内の照射強度の均一化を施して、所定パターンのマスクが形成された基材表面にレーザーを照射する方法などがある。
一方、照射径が大きすぎると、照射面内での照射強度が不均一になる、あるいは、所定の照射強度のパルスレーザーを照射できなくなるので好ましくない。
最適な照射径は、基材表面の組成や、カーボンオニオン粒子分散膜に要求される特性などに応じて選択するのが好ましい。
表面にカーボンオニオン粒子分散膜が形成された基材は、そのまま各種の用途に用いることができる。あるいは、基材を除去し、カーボンオニオン粒子分散膜を単独で使用することもできる。基材の除去方法は、特に限定されるものではなく、基材の種類に応じて、周知の方法(例えば、エッチング法など)を用いることができる。
また、カーボンオニオン粒子分散膜中の金属粒子あるいは炭化物粒子の寸法を増大させるため、あるいは膜中のひずみを除去するために熱処理を施しても良い。
金属炭化物を含む基材の表面に照射強度の高いパルスレーザーを照射すると、基材表面に、カーボンオニオン粒子と、金属粒子と、非晶質相とを含む混合層からなるカーボンオニオン粒子分散膜が得られる。しかも、その際に、基材を高温に加熱する必要がない。また、カーボンオニオン粒子を含む単一の層からなる膜が得られ、カーボンオニオン粒子を含む複数層が形成されることもない。さらに、得られた膜は緻密であり、膜形成後に必ずしも後工程を必要としない。
[1. 試料の作製]
ターゲットとして、CVD(Chemical Vapor Deposition)法で作製した市販の超高純度多結晶SiCウェハ(30×30×0.5mm)を準備した。多結晶SiCの結晶系は、立方晶系の3C−SiCであり、ウェハ面が(111)面に相当する配向多結晶体である。そのターゲットを真空槽内の並進機構を有するターゲット保治具に設置した。
レーザーを真空槽内のoff-axisパラボラミラーにより集光してターゲット表面上に照射した。照射径は、長径:約50μm×短径:約25μmとし、照射強度は1016W/cm2とした。照射に際して、ターゲットは加熱せずに室温下において、水平方向に2.5mm/secの速度で移動させ、1パルス毎の照射痕を形成した。照射時の真空度は10-5Torr(1.33×10-3Pa)とした。レーザーは、波長800nmのTi−サファイアレーザーを用い、パルス幅は70fsecとした。
図1に、照射部と未照射部(3C−SiC)のラマン散乱スペクトルを示す。
照射部は、
(1)結晶Siに由来する520cm-1のピーク、
(2)グラファイトライクカーボンに由来する1360cm-1と1590cm-1のピーク、及び、
(3)3C−SiC由来の微弱なピーク
からなっていた。
この結果は、レーザー照射により、SiCはSiとCに分解して、分解したSiが結晶として析出し、一部未分解のSiCはそのまま残存あるいは再析出したと推察される。
これに対し、第2層は、厚みが約100nmであり、3C−SiCのみの存在を電子線回折図形から確認した。TEM像からは、元の3C−SiCと異質のように見えるが、多数の線状模様は転位であり、レーザーの照射により多くの転位が発生したと推察される。
高倍率TEM像からは、結晶性のSiとカーボンオニオンを確認できたが、それら以外の領域も存在していた。この領域は、非晶質相と考えられる。非晶質相の構成元素としては、Si、C、Oが考えられる。Oは、レーザー照射時の真空槽の真空度があまり良くないために混入する可能性があると考えられる。
複数の高倍率TEM像から、カーボンオニオンとSi粒子の寸法を測定した。各々、26±2.4nm、及び9.3±3.0nmであった。また、面内数密度は、各々、9.5個/0.01μm2、及び76個/0.01μm2であった。
[1. 試料の作製]
レーザーのパルス幅:150fsec、照射強度:9×1014W/cm2とした以外は、実施例1と同一条件下で、3C−SiCウェハにレーザーを1パルスだけ照射した。
照射部のラマン散乱スペクトルは、実施例1と同様であった。また、断面TEM観察により、実施例1と同様に、第1層と第2層の形成を確認した。
図5に、第1層のTEM像を示す。図中には、カーボンオニオンの位置及び大きさを直径の異なる円で模式的に示してある。カーボンオニオン粒子の直径及び面内数密度は、各々26±4.0nm、及び18個/0.01μm2であった。この場合も、実施例1と同様に、照射部は、カーボンオニオン、Si粒子、3C−SiC粒子、及び非晶質相が形成されていた。
[1. 試料の作製]
レーザーの照射強度を1014W/cm2とした以外は、実施例1と同一条件下で、3C−SiCウェハにレーザーを1パルスだけ照射した。
照射部のラマン散乱スペクトルは、実施例1と同様であった。図6に、照射部表面のSEM像を示す。照射部表面には、カーボンオニオンと考えられる20〜60nmの微量粒子が多数析出した。この場合も、実施例1と同様に、照射部は、カーボンオニオン、Si粒子、3C−SiC粒子、非晶質相が形成されたと推定される。
[1. 試料の作製]
レーザーの照射強度を1013W/cm2とした以外は、実施例1と同一条件下で、3C−SiCウェハにレーザーを1パルスだけ照射した。
[2. 結果]
照射部は照射前と同様であり、実施例のような反応は生じなかった。
[1. 試料の作製]
レーザーは、波長:532nmのNd−YAGレーザーを用い、パルス幅:7nsec、照射径φ3mm、照射強度:2×109W/cm2とした以外は、実施例1と同一条件下で、3C−SiCウェハにレーザーを1パルスだけ照射した。
[2. 結果]
照射部には、反応が起こった痕跡は生じていたが、断面TEM観察においてはカーボンオニオンの生成は確認できなかった。
Claims (9)
- カーボンオニオン粒子と、金属粒子と、非晶質相とを含む混合層からなるカーボンオニオン粒子分散膜。
- 前記カーボンオニオン粒子の面内数密度は、1個/0.01μm2以上である請求項1に記載のカーボンオニオン粒子分散膜。
- 前記カーボンオニオン粒子の平均直径は、2nm以上50nm以下である請求項1又は2に記載のカーボンオニオン粒子分散膜。
- 前記金属粒子の平均直径は、0.1nm以上1000nm以下である請求項1から3までのいずれかに記載のカーボンオニオン粒子分散膜。
- 前記金属粒子は、IVA族元素、VA族元素、VIA族元素、及びIVB族元素(Cを除く)から選ばれるいずれか1以上の元素を含む請求項1から4までのいずれかに記載のカーボンオニオン粒子分散膜。
- 金属炭化物粒子をさらに含む請求項1から5までのいずれかに記載のカーボンオニオン粒子分散膜。
- 少なくともその表面に金属炭化物を含む基材の表面にパルスレーザーを照射する照射工程を備え、
前記パルスレーザーは、照射強度が5×1013W/cm2以上1017W/cm2以下であるカーボンオニオン粒子分散膜の製造方法。 - 前記パルスレーザーは、パルス幅が1fsec以上100psec以下である請求項7に記載のカーボンオニオン粒子分散膜の製造方法。
- 前記照射工程は、1つの領域に1パルスの前記パルスレーザを照射するものである請求項7又は8に記載のカーボンオニオン粒子分散膜の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008196000A JP2010030854A (ja) | 2008-07-30 | 2008-07-30 | カーボンオニオン粒子分散膜及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008196000A JP2010030854A (ja) | 2008-07-30 | 2008-07-30 | カーボンオニオン粒子分散膜及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010030854A true JP2010030854A (ja) | 2010-02-12 |
Family
ID=41735824
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008196000A Pending JP2010030854A (ja) | 2008-07-30 | 2008-07-30 | カーボンオニオン粒子分散膜及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010030854A (ja) |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0891818A (ja) * | 1994-09-16 | 1996-04-09 | Sumitomo Osaka Cement Co Ltd | 炭素クラスター含有硬質膜の製造方法 |
JPH10265207A (ja) * | 1997-03-24 | 1998-10-06 | Kagaku Gijutsu Shinko Jigyodan | フラーレン含有構造体およびその製造方法 |
JP2000203816A (ja) * | 1998-12-28 | 2000-07-25 | Japan Science & Technology Corp | 層間化合物およびその製造方法 |
JP2006219363A (ja) * | 2005-01-12 | 2006-08-24 | Japan Science & Technology Agency | 炭素系薄膜およびその製造方法 |
JP2008024526A (ja) * | 2006-07-18 | 2008-02-07 | Toyota Central Res & Dev Lab Inc | シリコンの形成方法 |
-
2008
- 2008-07-30 JP JP2008196000A patent/JP2010030854A/ja active Pending
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0891818A (ja) * | 1994-09-16 | 1996-04-09 | Sumitomo Osaka Cement Co Ltd | 炭素クラスター含有硬質膜の製造方法 |
JPH10265207A (ja) * | 1997-03-24 | 1998-10-06 | Kagaku Gijutsu Shinko Jigyodan | フラーレン含有構造体およびその製造方法 |
JP2000203816A (ja) * | 1998-12-28 | 2000-07-25 | Japan Science & Technology Corp | 層間化合物およびその製造方法 |
JP2006219363A (ja) * | 2005-01-12 | 2006-08-24 | Japan Science & Technology Agency | 炭素系薄膜およびその製造方法 |
JP2008024526A (ja) * | 2006-07-18 | 2008-02-07 | Toyota Central Res & Dev Lab Inc | シリコンの形成方法 |
Non-Patent Citations (4)
Title |
---|
CSNC201008170458; 神谷 信雄 N. Kamiya: '高輝度フェムト秒レーザー照射によるSiCの表面改質 Surface modification of SiC by irradiation' 第70回応用物理学会学術講演会講演予稿集 Vol.3 Vol.70, No.3, 20090908, p.1048 * |
JPN6013017058; Tatiana GORELIK et al.: 'Carbon onions produced by laser irradiation of amorphous silicon carbide' Chem. Phys. Lett. Vol.373, 2003, p.642-645 * |
JPN6013031828; 神谷信雄他: '高輝度フェムト秒レーザー照射による新規材料創生' 日本原子力研究開発機構JAEA-Conf , 200703, p.201-204 * |
JPN6013031829; 神谷 信雄 N. Kamiya: '高輝度フェムト秒レーザー照射によるSiCの表面改質 Surface modification of SiC by irradiation' 第70回応用物理学会学術講演会講演予稿集 Vol.3 Vol.70, No.3, 20090908, p.1048 * |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
De Temmerman et al. | Nanostructuring of molybdenum and tungsten surfaces by low-energy helium ions | |
KR102163211B1 (ko) | 금속 및 결정 기판 상에 펄스 레이저를 기초로 한 대면적 그래핀의 합성 방법 | |
TWI351444B (ja) | ||
US20060222850A1 (en) | Synthesis of a self assembled hybrid of ultrananocrystalline diamond and carbon nanotubes | |
Haque et al. | Synthesis of diamond nanostructures from carbon nanotube and formation of diamond-CNT hybrid structures | |
Ermoline et al. | Production of carbon-coated aluminium nanopowders in pulsed microarc discharge | |
JP4705091B2 (ja) | カーボンナノチューブ配列の成長方法 | |
Narayan et al. | Direct conversion of carbon nanofibers and nanotubes into diamond nanofibers and the subsequent growth of large-sized diamonds | |
US20070020168A1 (en) | Synthesis of long and well-aligned carbon nanotubes | |
US20110223094A1 (en) | Method for synthesis of high quality graphene | |
JP2013067549A (ja) | 薄膜の形成方法 | |
JP5374801B2 (ja) | 炭素元素からなる線状構造物質の形成体及び形成方法 | |
Fan et al. | Large scale and cost effective generation of 3D self-supporting oxide nanowire architectures by a top-down and bottom-up combined approach | |
JP5028606B2 (ja) | カーボンナノチューブの製造方法および製造装置 | |
Inguva et al. | Effect of substrate angle on the growth of MoS2 vertical nanosheets using a one-step chemical vapor deposition | |
Huang et al. | Terminal Atom‐Controlled Etching of 2D‐TMDs | |
Bhaumik et al. | Nano-to-micro diamond formation by nanosecond pulsed laser annealing | |
WO2006085925A2 (en) | Synthesis of a self assembled hybrid of ultrananocrystalline diamond and carbon nanotubes | |
US20150147525A1 (en) | Method for enhancing growth of carbon nanotubes on substrates | |
JP2010030854A (ja) | カーボンオニオン粒子分散膜及びその製造方法 | |
Kesarwani et al. | Growth of single and bilayer graphene by filtered cathodic vacuum arc technique | |
Komatsu | New type of BN nanoparticles and films prepared by synergetic deposition processes using laser and plasma: the nanostructures, properties and growth mechanisms | |
Bhaumik et al. | Direct conversion of carbon nanofibers into diamond nanofibers using nanosecond pulsed laser annealing | |
JP2007254167A (ja) | カーボンナノチューブの作製方法 | |
JP2015147706A (ja) | プラスチック廃棄物等を原料として用いる単結晶グラフェンの製造方法、および単結晶グラフェンを用いたタッチパネル |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20110608 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110624 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130109 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130115 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130225 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130416 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130521 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130702 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20131029 |