JP2010026047A - 静電潜像現像用トナー、画像形成方法 - Google Patents

静電潜像現像用トナー、画像形成方法 Download PDF

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正浩 松岡
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Abstract

【課題】長期にわたりストレスを受けてもトナー表面から大径外添剤が脱離を防いで、帯電低下やかさ密度変動を抑えるとともに、透磁率センサによるトナー濃度検知を正確に行えるトナーと画像形成方法を提供する。
【解決手段】無機粒子を外添してなる静電荷像現像用トナーであって、前記無機粒子が、5nm〜15nmと25nm〜50nmにそれぞれピークまたは変曲点を有し、60nm以上の度数が5%〜10%、20nm以上の粒子の90%以上が凝集物を形成する。
【選択図】なし

Description

本発明は、静電潜像現像用トナー(以下、簡単にトナーともいう)と、当該トナーを用いた二成分現像方式の画像形成方法に関する。
電子写真式の画像形成装置には、磁性体であるキャリアと非磁性体であるトナーを含む、いわゆる、2成分現像剤と呼ばれる現像剤を用いる現像方式のものがある。2成分現像剤を用いる現像方式は、相対的に回転する非磁性ローラと、非磁性ローラの内部に、周面に複数の磁極を周方向に配設した磁石体とからなる現像ローラ表面に現像剤を供給して担持、搬送し、現像ローラに対向して配置された感光体の表面に現像剤中のトナーを移行、付着させてトナー像を形成する。この様にして感光体上に形成された静電潜像を現像する。
そして、現像後の現像ローラ上には現像剤が残存しており、現像後の現像ローラ上に残存する現像剤は再使用される様になっている。
また、現像ローラに供給される現像剤は通常撹拌室に収納されており、現像剤は撹拌室で撹拌されることにより摩擦帯電されて、現像ローラ表面に付着する。現像後の現像ローラ上に残存する現像剤は現像ローラから剥離された後に撹拌室に搬送され、撹拌室に収納されている現像剤と混合、撹拌されて現像に供される。
現像後の現像ローラ上に残存する現像剤はトナー成分が減少しているので、この様な現像、回収、再使用を繰り返すと、撹拌室内に収納されている現像剤のトナー濃度が低下することになる。このため、通常では、撹拌室内に収容される現像剤のトナー濃度を測定して、トナー濃度が低くなったときには撹拌室内の現像剤に別途収納しているトナーを供給して、撹拌室内の現像剤のトナー濃度を適当な範囲に維持することが行われている。
2成分現像剤のトナー濃度を検知するトナー濃度検知手段の1つに、トナー濃度により現像剤の透磁率が変化する現象を利用した、透磁率検知方式のトナー濃度検知センサ(透磁率センサとも呼ばれる)がある。透磁率検知方式によるトナー濃度検知は、トナー濃度が低いときは磁性体であるキャリアが相対的に多いので透磁率が高くなり、トナー濃度が高いときは磁性体であるキャリアが相対的に少ないので透磁率が低くなる現象を利用したもので、キャリアの色調の影響を受けない等のメリットから好ましく用いられている(たとえば、特許文献1参照)。
ところで、近年、電子写真方式の画像形成装置では、定着時のエネルギー消費を低減させる観点より、従来よりも低い温度でトナー画像を定着するいわゆる低温定着化の検討が進められている。そして、この様な背景から、トナー構成樹脂のガラス転移温度や軟化点を低減させることにより、低温定着対応可能なトナーの開発が進められてきた(たとえば、特許文献2参照)。
しかしながら、ガラス転移温度や軟化点の低い樹脂を用いて形成されたトナーはその硬度が低下する傾向を有しており、現像器内でわずかなストレスを受けただけで外添剤がトナー内部に埋没して流動性を確保することができなくなった。そこで、より大径の無機粒子を添加してスペーサ的な役割を付与することで、小径の無機粒子の埋没を防ぎ、トナーの流動性を確保して現像性や転写性の安定化を図る技術が検討された(たとえば、特許文献3参照)。
ところで、低印字率の画像を連続形成する場合の様に、トナーが現像器内で長期間滞留した後、プリント作製に使用されるケースがある。この場合、トナーはストレスを受ける時間が長くなり、トナー粒子に添加した大径の無機粒子がトナー粒子表面から脱離してしまうおそれが出てくる。トナーより脱離した大径の無機粒子はキャリアに移行し易い性質を有し、大径の無機粒子が移行したキャリアはその帯電付与性能を低下させてしまい、その結果、トナーの帯電量を低下させる。
また、大径の無機粒子がトナー表面から脱離することにより、トナー表面では小径の無機粒子の埋没が進行し、トナーの流動性を悪化させるとともに、現像剤のかさ密度に変動を生じさせることになる。この様に現像剤のかさ密度に変動が生ずると、透磁率センサによるトナー濃度検知が正しく行えなくなってしまう。その結果、所定量以上のトナーが供給されて適正条件での画像形成が行えなくなるという問題を生じさせることになった。
特開平5−158348号公報 特開2006−267199号公報 特開2006−39023号公報
本発明は、透磁率センサを用いて現像器内でトナー濃度検知が行われる二成分現像方式の画像形成に使用されるトナーに関し、長期にわたりストレスを受けてもトナー表面から大径外添剤が脱離することのないトナーを提供することを目的とする。すなわち、大径無機粒子の脱離によるキャリアの帯電付与性能低下を起こさずに、所定の帯電を安定して行うことが可能なトナーを提供するものである。また、脱離を起こさないことでトナーのかさ密度を維持し、透磁率センサによりトナー濃度検知が正確に行えるトナーを提供することを目的とする。さらに、大径の無機粒子の脱離を防ぐことで、流動性向上のために外添剤として添加した無機粒子をトナー内部に埋没させることのない低温定着対応のトナーを提供することを目的とする。
そして、この様なトナーを用いて二成分現像方式の画像形成を行うことにより、透磁率センサでトナー濃度検知が正しく行え、画像欠陥等を発生させることのない安定したプリント作製が行える画像形成方法を提供することを目的とするものである。
本発明の課題は、下記に記載の構成により解消されることが確認された。
請求項1に記載の発明は、
『少なくとも無機粒子を外添してなる静電潜像現像用トナーであって、
前記無機粒子は、
その一次粒径に対する個数分布が、5nm〜15nm、及び、25nm〜50nmにそれぞれピークまたは変曲点を有するとともに、60nm以上の度数が5%〜10%であり、
20nm以上の粒子の90%以上が凝集物を形成しているものであることを特徴とする静電潜像現像用トナー。』というものである。
請求項2に記載の発明は、
『前記静電潜像現像用トナーは、
透磁率センサによりトナー濃度検知を行う2成分現像方式の画像形成装置に使用されるものであることを特徴とする請求項1に記載の静電潜像現像用トナー。』というものである。
請求項3に記載の発明は、
『前記無機粒子が、疎水性シリカであることを特徴とする請求項1または2に記載の静電潜像現像用トナー。』というものである。
請求項4に記載の発明は、
『静電潜像現像用トナーとキャリアからなる2成分現像剤のトナー濃度を透磁率センサで検知する工程を有する画像形成方法であって、
前記静電潜像現像用トナーは、少なくとも無機粒子を外添してなるものであり、
前記無機粒子は、
その一次粒径に対する個数分布が、5nm〜15nm、及び、25nm〜50nmにそれぞれピークまたは変曲点を有するとともに、60nm以上の度数が5%〜10%であり、
20nm以上の粒子の90%以上が凝集物を形成しているものであることを特徴とする画像形成方法。』というものである。
なお、本発明でいう「無機粒子の一次粒径に対する個数分布」とは、外添剤として使用される無機粒子の個数平均一次粒径の分布状況を相対度数で示したものである。また、本発明でいう「トナー濃度」とは、現像剤中のトナーの質量(Wt)とキャリアの質量(Wc)との比を表す方法の1つで、
トナー濃度=(Wt/(Wt+Wc))×100(%)で表わされるものである。
トナー濃度は、現像により形成されるトナー画像に影響を与えるもので、トナー濃度が低くなると現像により形成されるトナー画像の濃度が不足する様になり、トナー濃度が高くなると現像により形成されるトナー画像の濃度過多やカブリの原因となる。
本発明によれば、上述した構成の個数粒度分布と凝集状態を有する無機粒子を外添させることで、現像器内で長期にわたりストレスを受け続けても大径の無機粒子が脱離しない耐久性に優れたトナーが得られる様になった。その結果、脱離した大径の無機粒子のキャリアへの付着によるトナーの帯電低下を発生させず、所定レベルのトナー帯電がいつも行われ安定した画像形成が行える様になった。
また、大径粒子が脱離しないので、トナーのかさ密度は変動せず、2成分現像剤中のトナー濃度を透磁率センサで正確に検知できるので、誤ったトナー供給による画像欠陥の発生を防げる様になった。さらに、大径粒子によるスペーサ効果が維持されることで、流動性を付与する小径無機粒子はその性能を十分に発揮できる様になり、安定したプリント作製が行える様になった。特に、低温定着対応のトナーでは小径の無機粒子がトナー中に埋没することがないので、低温定着と高画質画像形成とを両立するトナーの提供を可能にした。
本発明は、個数平均1次粒径の異なる複数種類の無機粒子をトナー表面に外添したトナー及び当該トナーを用いる二成分現像方式の画像形成方法に関する。
本発明では、以下の条件を満たす無機粒子を外添したトナーを用いることにより、本発明の課題が解消されることを見出した。すなわち、粒径が5nm〜15nmと25nm〜50nmの範囲にそれぞれピークまたは変曲点を有し、かつ、60nm以上の度数が5%〜10%である個数分布を有するものであり、20nm以上の粒径を有するものの90%以上が凝集物を形成している無機粒子である。
上記構成の無機粒子を外添したトナーを用いることにより、本発明の効果が得られた理由は、明らかではないが、おそらく以下の理由によるものと推測される。
粒径が5〜15nmの範囲にピークまたは変曲点を有する小径の無機粒子は、本発明では通常の外添剤と同様、トナーの流動性を確保するものと考えられる。また、粒径が25nm〜50nmの範囲にピークまたは変曲点を有することや粒径が60nm以上の無機粒子が5%〜10%存在するが、これらの無機粒子はスペーサとして作用するが、とても脱離しにくい性質になっていると考えられる。
つまり、本発明では粒径20nm以上の無機粒子の90%以上が凝集物の状態でトナー粒子表面に付着している。この様な凝集物は、トナー粒子表面との間により多くの接触面を確保することができるので、強いストレスを受けてもトナー粒子表面から脱離しにくくなっているものと考えられる。そして、前述した粒径が25nm〜50nmの範囲にピークまたは変曲点を有するものや粒径が60nm以上の無機粒子は、凝集物の状態でトナー粒子表面に付着しているものと考えられる。
この様に、凝集した無機粒子がトナー粒子表面に付着しているのは、おそらくトナー外添時に特に意識して激しく解砕を行わない限り無機粒子の凝集状態が保持されるためと考えられる。そして、本発明では大きめの無機粒子はトナー粒子表面に強固に付着することができる様になり、スペーサとしての機能を安定して発現できる様になったものと推測される。
したがって、本発明では流動性を確保する小径無機粒子と凝集状態であろう比較的大粒径の無機粒子とを併用することにより、大きな無機粒子が強固に付着している状態で撹拌等によるストレスを受け続けても小径の無機粒子はトナー粒子中に埋没せず安定した流動性を発現できるものと考えられる。
本発明の効果を得るためには、無機粒子(外添剤)をトナーに添加する際、特に比較的大粒径の外添剤は凝集状態を保持したままの状態でトナー粒子に付着させる必要がある。つまり、外添剤をトナーに添加する時の撹拌はソフトに行うことが重要で、例えば、ヘンシェルミキサーを用いて外添処理を行う際の撹拌条件は、周速35m/s、品温41℃、撹拌羽の形状は層流を形成するものとするのが望ましい。
なお、本発明でいう「ピークまたは変曲点」とは、無機粒子の一次粒径を横軸に取り、縦軸に各粒子の度数を取った個数分布曲線を作成した時、曲線上で明確な突起形状を示す個所をピークという。つまり、ピークは個数分布曲線が極大を示す個所のことである。また、変曲点は個数分布曲線の勾配が変化する個所をいい、当業者の間で一般に「肩」と呼ばれる個所のことである。
最初に、本発明で用いられる無機粒子の一次粒径の測定方法について説明する。
本発明に係るトナーに使用される無機粒子は、その一次粒径に対する個数分布が5〜15nm及び25〜50nmにピークあるいは変曲点を有し、かつ、60nm以上の個数比率が5〜10%であるが、これらは走査型電子顕微鏡(SEM)写真より測定できる。すなわち、走査型電子顕微鏡写真によりトナー粒子表面に付着している無機粒子の個数基準による平均1次粒径あるいは凝集状態にある無機粒子の粒径を測定することができる。
具体的には、以下の手順で算出することが可能である。
(1)走査型電子顕微鏡にて倍率3万倍のトナーの写真撮影を行い、この写真画像をスキャナにて取り込む。
(2)画像処理解析装置「LUZEX AP(ニレコ社製)」にて、写真画像上のトナー表面に存在する無機粒子について2値化処理し、1万個について水平フェレ径を算出し、これを個数基準による平均1次粒径とする。さらに、これらの値に基づいて一次粒径に対する個数分布を算出することができる。
なお、上記の様にトナーの写真撮影を行い、トナー表面に存在する無機粒子を撮影する方法の他に、無機粒子を直接走査型電子顕微鏡で写真撮影し、その写真画像から同様の手順で個数基準による平均1次粒径を算出することも可能である。
次に、本発明で使用される無機粒子の具体例について説明する。
本発明に係るトナーに使用される無機粒子には、以下に挙げる無機酸化物、水酸化物、チタン酸化合物、金属酸化物、炭化物、窒化物等がある。具体的には、無機酸化物としては、たとえば、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア等があり、水酸化物としては、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等がある。チタン酸化合物としては、チタン酸バリウム、チタン酸アルミニウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウム等がある。金属酸化物には、酸化マグネシウム、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化クロム、酸化セリウム、酸化アンチモン、酸化タングステン、酸化スズ、酸化テルル、酸化マンガン、酸化ホウ素等がある。また、炭化物には、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン等があり、窒化物には、窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ホウ素等がある。これらの中でも、特に、シリカが好ましい。
また、本発明に使用される無機粒子として、上記無機粒子に以下の手順で示す疎水化処理を施したものも好ましく用いられる。疎水化処理は、各種のチタンカップリング剤やシランカップリング剤等のいわゆるカップリング剤と呼ばれる化合物により疎水化処理を行うものが好ましく、さらに、好ましい処理方法の1つに高級脂肪酸金属塩を用いた疎水化処理もある。これら疎水化処理によりトナーに対して逆帯電性を示す粒子を形成するものが好ましい。
なお、疎水化処理を行った無機粒子の疎水化度は、以下の手順により測定することが可能である。
(1)200mlビーカーに水50mlを投入し、その中に0.2gの無機粒子を添加する。
(2)マグネットスターラで撹拌しながら、滴下時に先端が水に浸漬されたビュレットからメタノールを添加する。
(3)メタノールの添加により、当初浮かんでいた無機粒子が徐々に沈降し始めていく。無機粒子が完全に沈んだときのメタノールの滴下量を読み、読み取った値を下記式に代入して疎水化度を算出する。
疎水化度(%)
=〔(滴下メタノールのml数)/(50+滴下メタノールのml数)〕×100
上記疎水化処理に使用される疎水化剤としては、たとえば、ヘキサメチルシラザンに代表されるシランカップリング剤の他に、チタネート系カップリング剤、シリコーンオイル、シリコーンワニス等、表面処理剤として使用されるものが挙げられる。また、フッ素系シランカップリング剤やフッ素系シリコーンオイル、アミノ基や第4級アンモニウム塩基を有するカップリング剤、変性シリコーンオイル等も使用可能である。疎水化剤はエタノール等の溶剤に溶解させて使用することが好ましい。
次に、本発明に係るトナーについてさらに説明する。本発明に係るトナーは、前述の無機粒子を外添してなるものであり、トナーを構成する着色粒子(外添処理する前のトナーの母体粒子のこと)の作製方法については特に限定されるものではない。
本発明に係るトナーは、体積基準メディアン径(D50)が3μm以上8μm以下であるものが好ましく、この様な小径の部類に属するトナーは、近年着目されているデジタル技術に対応した高精細なドット画像の再現に最適なものである。特に、近年ではオンデマンド印刷と呼ばれる軽印刷の分野にも電子写真方式の画像形成装置が使用され、版を起こす手間をかけずにトナー画像によるプリント物の作成が進められている。
したがって、この様な分野向けに本発明で規定する無機粒子を外添してなる小径トナーとすることにより、厳しい画像形成環境下でも写真画像や印刷画像に勝るとも劣らない高精細なドット画像よりなるプリント物の作製が可能になる。そして、微細ドット画像を忠実に再現することが可能なトナーを作製するという視点では、製造工程で粒子の形状や大きさの制御を行いながら粒子形成が可能な重合法により作製される着色粒子を用いたトナーが好ましい。
前述の体積基準メディアン径(D50)は、たとえば、「マルチサイザー3(ベックマン・コールター社製)」に、データ処理用ソフト「Software V3.51」を搭載したコンピュータシステムを接続した装置を用いて測定、算出できる。
測定手順としては、トナー0.02gを、界面活性剤溶液20ml(トナーの分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)で馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー分散液を作製する。このトナー分散液を、サンプルスタンド内の「ISOTONII(ベックマン・コールター社製)」の入ったビーカーに、測定濃度5〜10%になるまでピペットにて注入し、測定機カウントを25000個に設定して測定する。なお、マルチサイザー3のアパチャー径は50μmのものを使用する。
次に、本発明に係るトナーの製造方法について説明する。
本発明に係るトナーを構成する着色粒子は、少なくとも樹脂と着色剤を含有してなるものである。本発明に係るトナーは、体積基準メディアン径(D50)を前述の範囲にすることで、デジタル画像形成に対応可能な微小なドット画像を忠実に再現できる。この様な小径トナーは、その製造工程で粒径や形状制御の操作を行いながら粒子形成が可能な重合法で作製することが好ましい。その中でも、乳化重合法や懸濁重合法により予め120nm前後の樹脂微粒子を形成しておき、この樹脂微粒子を凝集させる工程を経て前述の体積基準メディアン径を有する着色粒子を形成することが可能な乳化会合法は有効な方法の1つであるといえる。
以下に、本発明に係るトナーの作製方法の一例である乳化会合法によるトナー作製を説明する。乳化会合法によるトナー作製は以下の様な工程を経て行われる。
(1)樹脂微粒子分散液の作製工程
(2)着色剤微粒子分散液の作製工程
(3)樹脂微粒子等の凝集・融着工程
(4)熟成工程
(5)冷却工程
(6)洗浄工程
(7)乾燥工程
(8)外添剤処理工程
以下、各工程について説明する。
(1)樹脂微粒子分散液の作製工程
この工程は樹脂微粒子を形成する重合性単量体を水系媒体中に投入して重合を行うことにより100nm程度の大きさの樹脂微粒子を形成する工程である。なお、樹脂微粒子中にワックスを含有させたものを形成することも可能である。この場合、ワックスを重合性単量体に溶解あるいは分散させておき、これを水系媒体中で重合させると、ワックスを含有してなる樹脂微粒子が形成される。
(2)着色剤微粒子分散液の作製工程
水系媒体中に着色剤を分散させ、110nm程度の大きさの着色剤微粒子分散液を作製する工程である。
(3)樹脂微粒子の凝集・融着工程
この工程は、水系媒体中で樹脂微粒子と着色剤粒子を凝集させ、凝集させたこれらの粒子を融着させ、これらの粒子を凝集してなる着色粒子を作製する工程で、いわゆる「樹脂微粒子を凝集させる工程」に該当する工程である。
この工程では、樹脂微粒子と着色剤粒子とが存在している水系媒体中に、塩化マグネシウム等に代表されるアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩等の凝集剤を添加し、次いで、前記樹脂微粒子のガラス転移点以上であって、かつ前記混合物の融解ピーク温度(℃)以上の温度に加熱することで凝集を進行させると同時に樹脂微粒子同士の融着を行う。
そして、凝集を進行させて粒子の大きさが目標になった時に、食塩等の塩を添加して凝集を停止させる。
(4)熟成工程
この工程は、上記凝集・融着工程に引き続き、反応系を加熱処理することにより着色粒子の形状を所望の平均円形度になるまで熟成する工程である。
(5)冷却工程
この工程は、前記着色粒子の分散液を冷却処理(急冷処理)する工程である。冷却処理条件としては、1〜20℃/minの冷却速度で冷却する。冷却処理方法としては特に限定されるものではなく、反応容器の外部より冷媒を導入して冷却する方法や、冷水を直接反応系に投入して冷却する方法を例示することができる。
(6)洗浄工程
この工程は、上記工程で所定温度まで冷却された着色粒子分散液から着色粒子を固液分離する工程と、固液分離されてウェットのトナーケーキと呼ばれるケーキ状集合体となった着色粒子より界面活性剤や凝集剤等の付着物を除去するための洗浄工程からなる。
洗浄処理は、濾液の電気伝導度がたとえば10μS/cm程度になるまで水洗浄する。濾過処理方法としては、遠心分離法、ヌッチェ等を使用して行う減圧濾過法、フィルタプレス等を使用して行う濾過法などがあり、特に限定されるものではない。
(7)乾燥工程
この工程は、洗浄処理された着色粒子を乾燥処理し、乾燥された着色粒子を得る工程である。この工程で使用される乾燥機としては、スプレードライヤ、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機などを挙げることができ、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、撹拌式乾燥機などを使用することが好ましい。
また、乾燥された着色粒子の水分は、5質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは2質量%以下とされる。尚、乾燥処理された着色粒子同士が、弱い粒子間引力で凝集している場合には、当該凝集体を解砕処理してもよい。ここに、解砕処理装置としては、ジェットミル、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル、フードプロセッサ等の機械式の解砕装置を使用することができる。
(8)外添剤処理工程
この工程は、乾燥された着色粒子に前述の無機粒子をはじめとする外添剤を添加してトナーを作製する工程である。着色粒子表面に外添剤を添加することにより、トナーの帯電性や搬送性を向上させることができる。特に、本発明では、前述した構成の個数粒度分布と凝集状態を有する無機粒子を外添することにより、現像器内で長期にわたりストレスを受け続けることがあっても当該無機粒子が脱離しない耐久性に優れたトナーが得られる。
外添剤の混合装置としては、たとえば、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル等の機械式の混合装置がある。
以上の工程を経て、本発明に係るトナーを作製することが可能である。
次に、本発明に係るトナーを構成する樹脂、着色剤、ワックス等について、具体例を挙げて説明する。
先ず、本発明に係るトナーに使用可能な樹脂は、特に限定されるものではないが、下記に記載されるビニル系単量体と呼ばれる重合性単量体を重合して形成される重合体がその代表的なものである。また、本発明で使用可能な樹脂を構成する重合体は、少なくとも1種の重合性単量体を重合して得られる重合体を構成成分とするものであり、これらビニル系単量体を単独あるいは複数種類組み合わせて作製した重合体である。
以下に、ビニル系の重合性単量体の具体例を示す。
(1)スチレンあるいはスチレン誘導体
スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン等
(2)メタクリル酸エステル誘導体
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等
(3)アクリル酸エステル誘導体
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニル等
(4)オレフィン類
エチレン、プロピレン、イソブチレン等
(5)ビニルエステル類
プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等
(6)ビニルエーテル類
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等
(7)ビニルケトン類
ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等
(8)N−ビニル化合物類
N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等
(9)その他
ビニルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体等
また、本発明に係るトナーに使用可能な樹脂を構成するビニル系の重合性単量体には、以下に示すイオン性解離基を有するものも使用可能である。たとえば、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等の官能基を単量体の側鎖に有するものが挙げられ、具体的には、以下のものが挙げられる。
カルボキシル基を有するものとしては、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマル酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル等がある。また、スルホン酸基を有するものとしては、スチレンスルホン酸、アリルスルホコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等があり、リン酸基を有するものとしては、たとえば、アシドホスホオキシエチルメタクリレート等がある。
また、以下に示す多官能性ビニル類を使用することにより、架橋構造の樹脂を作製することも可能である。以下に、多官能性ビニル類の具体例を示す。
ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート等。
また、本発明に係るトナーに使用可能な着色剤としては公知のものが挙げられる。具体的な着色剤を以下に示す。
黒色の着色剤としては、たとえば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラック、更に、マグネタイト、フェライト等の磁性粉も用いられる。
マゼンタもしくはレッド用の着色剤としては、C.I.ピグメントレッド1〜23、同30〜32、同37〜41、同48〜58、同60、同63、同64、同68、同81、同83、同87〜90、同112、同114、同122、同123、同139、同144、同149、同150、同163、同166、同170、同177、同178、同184、同202、同206、同207、同209、同222、同238、同269等がある。
また、オレンジもしくはイエロー用の着色剤としては、C.I.ピグメントオレンジ31、同43、C.I.ピグメントイエロー12〜15、同17、同74、同83、同93、同94、同138、同155、同162、同180、同185等がある。
さらに、グリーンもしくはシアン用の着色剤としては、C.I.ピグメントブルー2、同3、同15、同15:2、同15:3、同15:4、同16、同17、同60、同62、同66、C.I.ピグメントグリーン7等がある。
また、染料としては、たとえば、C.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同111、同122、C.I.ソルベントイエロー2、同6、同14、同15、同16、同19、同21、同33、同44、同56、同61、同77、同79、同80、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93、同95等がある。
これらの着色剤は必要に応じて単独もしくは2つ以上を選択併用することも可能である。また、着色剤の添加量はトナー全体に対して1〜30質量%、好ましくは2〜20質量%の範囲に設定するのがよい。
次に、本発明に係るトナーに使用可能なワックスとしては、以下に示す様な公知のものが挙げられる。
(1)ポリオレフィン系ワックス
ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等
(2)長鎖炭化水素系ワックス
パラフィンワックス、サゾールワックス等
(3)ジアルキルケトン系ワックス
ジステアリルケトン等
(4)エステル系ワックス
カルナウバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラミリステート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエート等
(5)アミド系ワックス
エチレンジアミンジベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミド等
ワックスの融点は、通常40〜125℃であり、好ましくは50〜120℃、さらに好ましくは60〜90℃である。融点を上記範囲内にすることにより、トナーの耐熱保存性が確保されるとともに、低温で定着を行う場合でもコールドオフセットなどを起こさずに安定したトナー画像形成が行える。また、トナー中のワックス含有量は、1質量%〜30質量%が好ましく、さらに好ましくは5質量%〜20質量%である。
次に本発明に係るトナーを現像剤として使用する場合、トナーとキャリアより構成される二成分系現像剤としても、キャリアを用いない一成分系現像剤としても使用することができるが、特に、二成分系現像剤として使用することが好ましいものである。
本発明に係るトナーを二成分系現像剤として使用する場合は、前記トナーを磁性体粒子であるキャリアと混合して二成分系現像剤を形成する。キャリアとしては、たとえば、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来から公知の材料を使用することが可能である。これらの中ではフェライト粒子が好ましい。上記キャリアの体積平均粒径としては15〜100μmのものが好ましく、25〜80μmのものがより好ましい。
次に、本発明に係るトナーを用いて実現させる画像形成方法と画像形成装置について説明する。
図1は、本発明に係るトナーを二成分系現像剤として使用したときに画像形成が行える画像形成装置の一例を示す概略図である。
図1において、1Y、1M、1C、1Kは感光体、4Y、4M、4C、4Kは現像装置、5Y、5M、5C、5Kは1次転写手段としての1次転写ロール、5Aは2次転写手段としての2次転写ロール、6Y、6M、6C、6Kはクリーニング装置、7は中間転写体ユニット、24は熱ロール式定着装置、70は中間転写体を示す。
この画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、複数組の画像形成部10Y、10M、10C、10Kと、転写部としての無端ベルト状中間転写体ユニット7と、記録部材Pを搬送する無端ベルト状の給紙搬送手段21及び定着手段としての熱ロール式定着装置24とを有する。画像形成装置の本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
各感光体に形成される異なる色のトナー像の1つとして、イエロー色の画像を形成する画像形成部10Yは、第1の感光体としてのドラム状の感光体1Y、該感光体1Yの周囲に配置された帯電手段2Y、露光手段3Y、現像手段4Y、1次転写手段としての1次転写ロール5Y、クリーニング手段6Yを有する。また、別の異なる色のトナー像の1つとして、マゼンタ色の画像を形成する画像形成部10Mは、第1の感光体としてのドラム状の感光体1M、該感光体1Mの周囲に配置された帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M、1次転写手段としての1次転写ロール5M、クリーニング手段6Mを有する。
また、更に別の異なる色のトナー像の1つとして、シアン色の画像を形成する画像形成部10Cは、第1の感光体としてのドラム状の感光体1C、該感光体1Cの周囲に配置された帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C、1次転写手段としての1次転写ロール5C、クリーニング手段6Cを有する。また、更に他の異なる色のトナー像の1つとして、黒色画像を形成する画像形成部10Kは、第1の感光体としてのドラム状の感光体1K、該感光体1Kの周囲に配置された帯電手段2K、露光手段3K、現像手段4K、1次転写手段としての1次転写ロール5K、クリーニング手段6Kを有する。
無端ベルト状中間転写体ユニット7は、複数のロールにより巻回され、回動可能に支持された中間転写エンドレスベルト状の第2の像担持体としての無端ベルト状中間転写体70を有する。
画像形成部10Y、10M、10C、10Kより形成された各色の画像は、1次転写ロール5Y、5M、5C、5Kにより、回動する無端ベルト状中間転写体70上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内に収容された転写材として用紙等の記録部材Pは、給紙搬送手段21により給紙され、複数の中間ロール22A、22B、22C、22D、レジストロール23を経て、2次転写手段としての2次転写ロール5Aに搬送され、記録部材P上にカラー画像が一括転写される。カラー画像が転写された記録部材Pは、熱ロール式定着装置24により定着処理され、排紙ロール25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。
一方、2次転写ロール5Aにより記録部材Pにカラー画像を転写した後、記録部材Pを曲率分離した無端ベルト状中間転写体70は、クリーニング手段6Aにより残留トナーが除去される。
画像形成処理中、1次転写ロール5Kは常時、感光体1Kに圧接している。他の1次転写ロール5Y、5M、5Cはカラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体1Y、1M、1Cに圧接する。
2次転写ロール5Aは、ここを記録部材Pが通過して2次転写が行われるときにのみ、無端ベルト状中間転写体70に圧接する。
また、装置本体Aから筐体8を支持レール82L、82Rを介して引き出し可能にしてある。
筐体8は、画像形成部10Y、10M、10C、10Kと、無端ベルト状中間転写体ユニット7とを有する。
画像形成部10Y、10M、10C、10Kは、垂直方向に縦列配置されている。感光体1Y、1M、1C、1Kの図示左側方には無端ベルト状中間転写体ユニット7が配置されている。無端ベルト状中間転写体ユニット7は、ロール71、72、73、74、76を巻回して回動可能な無端ベルト状中間転写体70、1次転写ロール5Y、5M、5C、5K及びクリーニング手段6Aとからなる。
筐体8の引き出し操作により、画像形成部10Y、10M、10C、10Kと、無端ベルト状中間転写体ユニット7とは、一体となって、本体Aから引き出される。
この様に、感光体1Y、1M、1C、1K上に帯電、露光、現像によりトナー像を形成し、無端ベルト状中間転写体70上で各色のトナー像を重ね合わせ、一括して記録部材Pに転写し、定着装置24で加圧及び加熱により固定して定着する。トナー像を記録部材Pに転移させた後の感光体1Y、1M、1C、1Kは、クリーニング装置6Aで転写時に感光体に残されたトナーを清掃した後、上記の帯電、露光、現像のサイクルに入り、次の像形成が行われる。
本発明に係るトナーにより形成されたトナー画像は、最終的に転写材P上に転写され、定着処理により、転写材上に固定されることにより画像形成が行われる。上記画像形成に使用される転写材Pは、トナー画像を保持する支持体で、通常画像支持体、記録材或いは転写紙とよばれるものである。具体的には薄紙から厚紙までの普通紙や上質紙、アート紙やコート紙等の塗工された印刷用紙、市販されている和紙やはがき用紙、OHP用のプラスチックフィルム、布等の各種転写材を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明に係るトナーを用いた画像形成方法では、透磁率センサを用いて画像形成装置内に投入されたトナーの濃度を検知しながら画像形成が行えるものである。
図1に示す画像形成装置は、現像装置4内に収納されているトナーの濃度を透磁率センサで検知可能なものにすることもできる。たとえば、図1に示す画像形成装置に図2に示す構成よりなるトナー濃度管理を行うプロセスを設けることにより実現することができる。以下、本発明で実施可能な透磁率センサによるトナー濃度測定について説明する。
図2は、二成分現像剤を構成するトナーの濃度管理を行うプロセスを説明する模式図である。図2において、1は感光体、4は現像装置、60はトナー収納手段、61はトナー補給手段、S4は光センサ、S5は透磁率センサ、11は制御手段である。
現像装置4は、内部に複数の磁石を有した磁石ロールと、磁石ロールの外周を矢示方向に回転し現像剤担持体として機能する現像ロール41を有し、感光体ドラム1に対向して配置される。
また、現像装置4を構成する撹拌室44は、現像ローラ41に供給する現像剤を収納するとともに、内部に配置されたスクリュー441、442の回転により収納した現像剤を撹拌する。
光センサS4は、現像後の感光体ドラム1に形成されたトナー像の濃度を測定し、測定結果を出力値Aとして出力するものである。また、透磁率センサS5は、現像後の現像ローラ41に残存、担持されている現像剤の透磁率を測定し、測定結果を出力値Bとして出力するものである。
制御装置11は、感光体1、現像ローラ41、スクリュー441、442の回転を制御し、現像ローラ41と感光体1とが対向する現像領域で、現像ローラ41に担持した現像剤により感光体ドラム1上にトナー画像を形成する現像を制御する。また、光センサS4や透磁率センサS5からの出力値に基づいて撹拌室44に収納する現像剤のトナー濃度管理のための制御を行うものである。
制御装置11の制御の下で行われる動作プロセスを、図4に示す構成図を用いて説明する。撹拌室44に収納されている現像剤は、撹拌により摩擦帯電してキャリア外周にトナーが付着した状態となって、回転する現像ローラ41の周面に付着、担持される。現像ローラ41に担持された現像剤は、層厚規制部材43により所定層厚になる様に制限がなされる。
現像ローラ41周面に付着、担持された現像剤を、現像ローラ41の回転に伴って感光体1と現像ローラ41とが対向する現像領域に移動させる。
現像ローラ41には、直流電圧と交流電圧を重畳した現像バイアスが印加され、現像ローラ41と感光体ドラム1とが対向する現像領域にて、現像ローラ41が担持した現像剤のうちのトナーが感光体1上に形成されている静電潜像部分に移動、付着する。この様にして、感光体1上にトナー画像を形成するための現像が行われる。
通常の画像形成を行う画像形成モードでは、前述の現像が行われた後、感光体1に形成されたトナー画像を中間転写体7を経て転写材Pに転写し、定着処理を行った後、画像形成装置外に排紙される。
一方、現像剤のトナー濃度管理を行うトナー濃度管理モードでは、現像ローラ41の外周面の線速度が感光体1の外周面の線速度よりも小さくなる様に設定する。そして、測定パターンの潜像が形成された感光体1上にトナー供給を行って現像を行い、所定の測定パターンのデータのトナー画像を感光体1上に形成する。このとき、すなわち、トナー濃度管理モードの下で現像を行うとき、現像ローラ41に担持された現像剤中のすべてのトナーを感光体1上に形成された静電潜像に移動させてトナー画像を形成する。その結果、現像領域を通過した感光体1上に、現像に供される現像剤中の全てのトナーにより測定パターントナー画像が形成され、現像領域を通過した現像ローラ41上には、現像により全てのトナーを失ったキャリアのみからなる現像剤が残存する。
そして、感光体1上の測定パターントナー画像濃度を光学センサS4で計測して得られる出力値Aを、透磁率センサS5で現像ローラ41に残存するキャリアの透磁率を計測して得られる出力値Bで除して算出値を求める。求めた算出値を予め収納してある基準値と比較し、算出値が基準値より小さいときにトナー補給を行う様に制御するものである。
光学センサS4により得られる出力値Aは、現像に供され分離された現像剤の全トナー量を画像濃度として測定したもので、たとえば、電圧値で出力されるものである。また、透磁率センサS5により得られる出力値Bは、現像に供され分離された現像剤中の全キャリア量を透磁率として測定したもので、たとえば、電圧値として出力されるものである。したがって、現像剤単位質量中の全トナー質量と全キャリア質量を測定したものと等しい結果が得られるので、トナー濃度を直接測定することに対応する結果が得られる。そして、現像剤中のトナーとキャリアを完全に分離してその各々を測定するため、現像剤の嵩密度が変化した状況下で測定を行ってもその影響を受けることがない。
トナー濃度管理モードでは、感光体1と現像ローラ41の外周面の線速度の比が画像形成モードのときと異なるので、トナー濃度管理モードを画像形成モードと同時並行して行うことはできない。トナー濃度管理モードによる動作は、画像形成を行わないときに行うのが好ましい。ここでいう画像形成を行っていないときには、例えば、定着装置のウォームアップ中、1枚の画像形成が終了したとき、一つのジョブ単位が終了したとき、所定数の画像形成が終了したとき等がある。これらの中でも、画像形成の生産性の観点から、画像形成モードにおける一つのジョブ単位が終了したときや、所定数の画像形成が終了したときにトナー濃度管理モードに自動的に切り替わる様に設計するのが好ましい。
具体的には、画像形成モードにおける一つのジョブ単位が終了したときトナー濃度管理モードに自動的に切り替わり、トナー濃度管理モードにおけるトナー濃度管理動作が終了したら、画像形成モードに自動的に復帰する様な構成が挙げられる。
また、図3は本発明に係る画像形成方法が実施可能な画像形成装置におけるトナー濃度管理制御系の概要を示すブロック図である。
図3において、11は制御手段である。制御手段11内のCPU111は演算制御処理を行う部位で、記憶手段121に収納されたプログラムにより、図1に示す画像形成装置の画像形成部10、図2のトナー補給手段61、トナー濃度センサS2、光学センサS4、透磁率センサS5の動作をインターフェース150を介して制御する。
画像形成部10では、図1の画像形成装置を構成する感光体1、帯電手段2M、露光手段3、現像装置4及びクリーニング手段6等が駆動する。
トナー補給手段61は、トナー収納手段60に収納したトナーを撹拌室44に供給するものである。
また、CPU111は、記憶手段121〜124、演算手段131、及び、比較手段141が接続している。
記憶手段121は、画像形成モードを実行するプログラムである画像形成モードプログラムと、トナー濃度管理モードを実行するプログラムであるトナー濃度管理モードプログラムと、後述する算出値を算出するための算出式が収納されている。
記憶手段122には、測定パターン画像データが収納されている。測定パターン(画像データ)についてはここでは省略する。
記憶手段123には、基準値Cが収納される。記憶手段124には、光学センサS4により得られる出力値A、透磁率センサS5により得られる出力値B、及び、演算値Cが収納されている。記憶手段124には複数の情報を収納することができ、また、収納される情報は置き換えが可能である。
演算手段131は、CPU111の指示により、記憶手段121に収納されている算出式に基づいて算出値Cを算出する様に機能している。
比較手段141は、CPU111の指示により、算出値Cが基準値Cより小さいか否かを比較判定する様に機能している。
CPU111は、画像形成時には画像形成モードプログラムによりインターフェース150を介して画像形成装置100の各構成を作動させて画像形成を行う。また、トナー濃度管理モード実行時には、トナー濃度管理モードプログラムによりインターフェース150を介して画像形成装置100の各構成を作動させてトナー濃度管理を行う。
画像形成装置における画像形成モードからトナー濃度管理モードへの切り替えは、記憶手段121に収納されているプログラムにより、たとえば、画像形成モードで実行された1つのジョブが終了したときに自動的になされる様にしている。
次に、図2と図3を用いて画像形成モード及びトナー濃度管理モードにおける動作を説明する。
通常の画像形成を行う画像形成モードでは、CPU111は、現像ローラ41及び感光体1をそれぞれ所定速度で回転させる様に制御する。つまり、画像形成モードでは、現像ローラ41と感光体1の外周面の線速度の比が所定の値になる様に現像ローラ41と感光体1の回転速度を制御する。このとき、現像ローラ41の所定の回転により、撹拌室44で現像剤が撹拌されて摩擦帯電した現像剤が現像ローラ41上に担持される。
現像ローラ41は、バイアス電圧を印加され、現像ローラ41の周面に付着搬送された現像剤のうちのトナーは、現像領域にて感光体1に移動し、感光体1上に形成された静電潜像はトナー像に現像される。
一方、トナー濃度管理モードでは、CPU111は、感光体1及び現像ローラ41の回転速度を画像形成モードの時と異なる速度で回転させる様に制御する。つまり、現像ローラ41の外周面の線速度が感光体1の外周面の線速度よりも小さくなる様に、現像ローラ41の外周面の線速度と感光体ドラム1の外周面の線速度の比がトナー濃度管理モード用の所定比率になる様に制御する。
次に、CPU111は、記憶手段122に収容されている測定パターン画像データを呼び出し、呼び出した測定パターン画像データを感光体1に書込むように制御する。測定パターンは、たとえば、全面露光したベタ画像である。感光体1上に書き込まれて形成された測定パターンの静電潜像は、現像領域で現像されて測定パターントナー画像になる。
トナー濃度管理モードでは、現像ローラ41の外周面の線速度と感光体1の外周面の線速度の比は前述した様になっており、この条件の下、現像ローラ41に担持された現像剤中の全てのトナーを感光体1上に形成された静電潜像に移動させる。この様にして、測定パターントナー画像を形成する。
CPU111は、光学センサS4に感光体1の周面上に形成した測定パターントナー画像の反射光量を測定させ、測定結果を出力値Aとして出力させる。そして、出力値Aを記憶手段124に収納する。また、現像を行った後に現像ローラ41の面に残存する現像剤、すなわち、現像ローラ41の周面上に残存するキャリアの透磁率を透磁率センサS5に測定させ、測定結果を出力値Bとして出力させる。そして、出力値Bを記憶手段124に収納する。
CPU111は、演算手段131に、記憶手段124に収納した出力値Aと出力値Bを用いて、記憶手段121に収納した算出式に基づいて算出値Cを算出させる。そして、算出値Cを記憶手段124に収納する。なお、記憶手段121に収納されている算出式は、たとえば、C=A/Bといった様な数式等から構成されるものをプログラム化したものである。
次に、CPU111は、比較手段141に、記憶手段124に収納した算出値Cと記憶手段123に収容されている基準値Cとを比較させる。ここで、基準値Cは、予めトナー補給を行う必要があると判断される限界値のトナー濃度を有する現像剤を用いて導出されたものでトナー補給を行うか否かの限界のトナー濃度値に対応する数値である。すなわち、算出値Cが基準値Cより小さいときにはトナー補給を行う必要があると判断される基準となる数値である。
比較結果がC<Cとなるとき、CPU111は、トナー補給手段61にトナー補給を行う様に指示する。また、C<Cとならないときはトナー補給の指示は行わない。
トナー補給を行う様に指示を受けたトナー補給手段61は、トナー収納手段60に収納されているトナーを撹拌室44に供給する様に作動する。トナー補給手段61によるトナーの供給動作は、トナー供給開始後、プログラムにしたがって所定時間が経過すると自動的に停止する。この様に、現像に供された現像剤のトナー濃度の指標値である算出値Cが基準値Cより小さいとき、すなわち、トナー濃度が基準の値より小さいときにトナー補給が行われて、現像剤収納部である撹拌室44に収納されている現像剤のトナー濃度は上昇し、現像剤収納部に収納されている現像剤のトナー濃度を常に好ましい水準に維持することができる。
以下、実施例を挙げて本発明の実施態様を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
1.「トナー1〜9」、「比較用トナー1〜11」の作製
以下の手順に基づき、「トナー1〜9」及び「比較用トナー1〜11」を作製した。
(1)樹脂粒子分散液(1HML)の作製
(a)樹脂粒子分散液(1H)の作製
撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置を取り付けたセパラブルフラスコに、ラウリル硫酸ナトリウム7.08質量部をイオン交換水3010質量部に溶解させて界面活性剤溶液(水系媒体)を作製した。この界面活性剤溶液を、窒素気流下で撹拌速度230rpmで撹拌しつつ、80℃に昇温させた。
この界面活性剤溶液に、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)9.2質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、温度を75℃とした後、下記に示す化合物を含有してなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。すなわち、
スチレン 77.8質量部
n−ブチルアクリレート 17.7質量部
アクリル酸 2.52質量部
前記単量体混合液を滴下してなる反応系を75℃の下で2時間加熱、撹拌して重合を行い、樹脂粒子分散液を作製した。これを「樹脂粒子分散液(1H)」とする。
(b)樹脂粒子分散液(1HM)の作製
撹拌装置を取り付けたフラスコ内に、下記化合物を含有してなる単量体混合液を調製した。
スチレン 104.1質量部
n−ブチルアクリレート 28.4質量部
アクリル酸 3.49質量部
n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル 5.6質量部
さらに、前記単量体混合液に、
ペンタエリスリトールテトラベヘネート 98.0質量部
を添加し、90℃に加温して溶解させた。
一方、ラウリル硫酸ナトリウム1.6質量部をイオン交換水2700質量部に溶解させて界面活性剤溶液(水系媒体)を作製し、これを98℃に加熱した。この界面活性剤溶液中に、前述の「樹脂粒子分散液(1H)」を固形分換算で28質量部添加した後、前述したペンタエリスリトールテトラベヘネートを含有した単量体混合液を添加した。
そして、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス(エム・テクニック(株)製)」を用い、8時間かけて混合分散を行って、乳化粒子(油滴)を含有してなる乳化分散液を調製した。
次いで、この乳化分散液に、重合開始剤(KPS)5.1質量部をイオン交換水240質量部に溶解させた開始剤溶液と、イオン交換水750質量部とを添加した。その後、この系を98℃に昇温し、12時間にわたり加熱、撹拌して重合を行い、複合樹脂からなる樹脂粒子分散液を作製した。これを「樹脂粒子分散液(1HM)」とする。
(c)樹脂粒子分散液(1HML)の作製
前記「樹脂粒子分散液(1HM)」を80℃に調整し、これに、下記化合物を含有してなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。すなわち、
スチレン 298質量部
n−ブチルアクリレート 93.6質量部
アクリル酸 10.3質量部
n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル 10.4質量部
滴下終了後、重合開始剤(KPS)7.4質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、2時間にわたり加熱、撹拌して重合を行い、その後、反応系を28℃まで冷却して、樹脂粒子分散液を作製した。これを「樹脂粒子分散液(1HML)」とする。
(2)「着色剤分散液1」の調製
ラウリル硫酸ナトリウム90質量部をイオン交換水1600質量部に投入し、これを撹拌、溶解させて界面活性剤溶液(水系媒体)を調製した。この界面活性剤溶液を撹拌しながら、下記着色剤
C.I.ピグメントブルー15:3 400.0質量部
を徐々に添加した。
上記着色剤を添加後、撹拌装置「クレアミックス(エム・テクニック(株)製)」を用い、着色剤の粒子径が200nm以下になるまで分散処理を行って、着色剤分散液の調製を行った。得られた着色剤分散液を「着色剤分散液1」とする。
(3)「着色粒子1C」の作製
温度センサ、冷却管、窒素導入装置、撹拌装置を取り付けた反応容器に以下のものを投入して撹拌処理した。
「樹脂粒子分散液(1HML)」 200質量部(固形分換算)
イオン交換水 3000質量部
「着色剤分散液1」 33質量部(固形分換算)
反応容器内の温度を30℃に調整後、上記反応溶液に5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを10.0に調整した。
次いで、塩化マグネシウム・6水和物52.6質量部をイオン交換水72質量部に溶解した水溶液を撹拌下、30℃にて10分間で添加した。添加終了後3分経過してから昇温を開始し、反応系を60分間かけて90℃まで昇温させ、凝集を進行させた。凝集により形成される粒子の大きさは「マルチサイザー3(ベックマン・コールター社製)」で観察した。
体積基準メディアン径が6.5μmになった時に、塩化ナトリウム115質量部をイオン交換水700質量部に溶解した水溶液を添加して凝集を停止させた。
さらに、液温を90℃±2℃にし、6時間加熱撹拌を継続して、液温を30℃まで冷却し、塩酸を添加してpHを2.0に調整し、撹拌を停止して着色粒子を生成した。
生成した着色粒子を固液分離し、イオン交換水による洗浄を4回繰り返して(1回に使用するイオン交換水の量を15リットルとした)、その後、40℃の温風で乾燥処理し「着色粒子1C」を作製した。得られた着色粒子の軟化点を前述の「フローテスターCFT−500(島津製作所社製)」を用いて測定したところ、110℃であった。
(4)「トナー1」の作製
前記「着色粒子1C」に、表1に示す疎水化処理を施したシリカ粒子である「無機粒子1」を外添剤粒子として用いて「トナー1」を作製した。
外添処理は、先ず、「着色粒子1C」100質量部に対して、「無機粒子1」を2.0質量部を添加する。「着色粒子1C」に「無機粒子1」を添加後、ヘンシェルミキサー「FM10B(三井三池化工機社製)」を用いて周速35m/秒にて10分間混合処理して「トナー1」を作製した。なお、外添処理は、品温を41℃に設定し、ヘンシェルミキサーには層流形成が可能な撹拌羽根を取り付けて行った。
(5)「トナー2〜9」及び「比較用トナー1〜11」の作製
「トナー1」の作製において、「着色粒子1C」に添加する「無機粒子1」に代えて、表1に示す「無機粒子2〜19」を用いた他は同じ処理条件で「トナー2〜9」及び「比較用トナー1〜10」を作製した。
また、「トナー1」の作製において、「着色粒子1C」に添加する「無機粒子1」に代えて、表1に示す「無機粒子20」を用いるとともに、ヘンシェルミキサーの周速45m/秒とした他は同じ処理条件で「比較用トナー11」を作製した。さらに、「トナー5」の作製で用いた「無機粒子5」は、組成が「無機粒子1」と同じものだが疎水化処理を行わなかったものである。
なお、表1に示す「無機粒子1〜20」の粒径等の値は、前述した方法で測定、算出したものである。
2.「現像剤1〜9」及び「比較用現像剤1〜11」の作製
前記「トナー1〜9」及び「比較用トナー1〜11」について、各トナー15質量部に体積平均粒径45μmの樹脂被覆キャリアを95質量部混合することにより2成分現像剤である「現像剤1〜9」と「比較用現像剤1〜11」を作製した。
3.評価実験
前記「現像剤1〜9」及び「比較用現像剤1〜11」を図1に示す構成を有するフルカラー画像形成装置に搭載して後述する評価を行った。なお、「現像剤1〜9」を用いて行ったものを「実施例1〜9」、「比較用現像剤1〜11」を用いて行ったものを「比較例1〜11」とした。上記フルカラー画像形成装置には、図2と3に示す制御システムが搭載されている。
フルカラー画像形成装置による画像形成条件は以下のとおりである。すなわち、
感光体外周面の線速度 :400mm/sec
感光体ドラム直径 :80mm
現像ローラ電位Vdc :−500V(可変:左記は標準値)
感光体ベタ露光電位Vi :−50V
現像バイアスAC成分Vac:1kVp−p 矩形波 5kHz
露光手段 :半導体レーザ(波長780nm)
現像ローラ直径 :30mm
現像ローラ〜感光体距離 :0.30mm
現像ローラ上の現像剤搬送量:25mg/cm
現像ローラ外周面の線速度/感光体の外周面の線速度=2.0
トナー濃度管理方法は、感光体上に所定条件にて形成した測定パターントナー画像の画像濃度の光学センサS4の出力値と、測定パターントナー画像現像後の現像ローラ上に残存する現像剤(キャリア)の透磁率センサの出力値の比率(=光学センサの出力値/透磁率センサの出力値)を算出して算出値とする。得られた算出値を予め設定しておいた基準値との比較し、比較結果に基づいてトナー補給を行える様に設定した。
光学センサと透磁率センサは、以下のものである。
光学センサ:発光素子=赤外LED(中心波長880nm)
受光素子=フォトトランジスタ
入射角45°/受光角45°
透磁率センサ:現像ローラ上の現像剤の透磁率(=単位面積あたりのキャリア質量)に応じて出力値を出力する様にした。
評価は、帯電量低下率、かさ密度低下率、透磁率センサ検出電圧低下率、画像カブリについて行った。
〈帯電量低下率〉
連続1000枚のプリント作製前後に現像剤の帯電量を測定し、その変化を「帯電量低下率」として評価した。プリント画像は印字率1%のチャート画像で、帯電量低下率は下記式より算出した。すなわち、連続プリント実施前の帯電量をA、連続プリント実施後の帯電量をBとすると、
帯電量低下率(%)=(|A−B|/A)×100
帯電量低下率が10%以下のものを合格とした。すなわち、帯電量低下率が10%以下では実用上問題がなかったが、10%を超えると後述する画像カブリが発生して実用上問題があると判断した。
〈かさ密度低下率〉
前記「帯電量低下率」の評価と同様、印字率1%のチャートによる連続1000枚のプリント作製前後における現像剤のかさ密度を測定し、その変化を「かさ密度低下率」として評価した。かさ密度低下率は下記式より算出した。すなわち、連続プリント実施前のかさ密度をC、連続プリント実施後のかさ密度をDとすると、
かさ密度低下率(%)=(|C−D|/C)×100
かさ密度低下率が3.0%以下のものを合格とした。
〈透磁率センサ検出電圧低下率〉
前記「帯電量低下率」の評価と同様、印字率1%のチャートによる連続1000枚のプリント作製前後における透磁率センサの検出電圧を測定し、その変化を「透磁率センサ検出電圧低下率」として評価した。「透磁率センサ検出電圧低下率」は下記式より算出した。すなわち、連続プリント実施前の透磁率センサの検出電圧をE、連続プリント実施後の透磁率センサの検出電圧をFとすると、
透磁率センサ検出電圧低下率(%)=(|E−F|/E)×100
透磁率センサ検出電圧低下率が4.0%未満のものを合格とした。
〈画像カブリ〉
画像カブリの評価は、画像形成を行ったプリント物の白地濃度を測定し、これをカブリ濃度とした。最初に、画像形成を行っていない白紙濃度を反射濃度計「RD−918(マクベス社製)」を用いて行った。具体的には、白紙上より任意に20個所を選出し、そこの濃度測定を行って、平均値を前記白紙のカブリ濃度とする。
次に、前述した印字率1%のチャートによる連続1000枚のプリント作製を行い、1000枚目のプリント物の白地部分について、前述の白紙濃度の測定と同じ様に20個所の濃度測定を行って、その平均値を白地部のカブリ濃度とした。両者のカブリ濃度の差を算出し、得られた結果を下記基準に基づいて評価し、◎と○を合格とした。すなわち、
◎:カブリ濃度差が0.003未満
○:カブリ濃度差が0.003以上0.006未満
△:カブリ濃度差が0.006以上0.010未満
×:カブリ濃度差が0.010以上。
結果を表1に示す。
Figure 2010026047
表1の評価結果から明らかな様に、本発明の構成を満たしている「実施例1〜9」はいずれも良好な結果が得られた。一方、本発明の構成を満たしていない「比較例1〜11」は、いずれかの項目で基準を満たさないものがあることが確認された。
二成分系現像方式の画像形成が可能なタンデム型フルカラー画像形成装置の一例を示す概略図である。 二成分現像剤を構成するトナーの濃度管理を行うプロセスを説明する模式図である。 二成分現像剤を構成するトナーの濃度管理を行うトナー濃度管理制御系の概要を示すブロック図である。
符号の説明
1(1Y、1M、1C、1K) 感光体
2(2Y、2M、2C、2K) 帯電手段
3(3Y、3M、3C、3K) 露光手段
4(4Y、4M、4C、4K) 現像装置
5(5Y、5M、5C、5K、5A) 転写ロール
6(6Y、6M、6C、6K) クリーニング装置
7 中間転写体ユニット
10(10Y、10M、10C、10K) 画像形成部
11 制御手段
24 熱ロール式定着装置
60 トナー収納手段
61 トナー補給手段
70 中間転写体
P 転写材
S4 光センサ
S5 透磁率センサ

Claims (4)

  1. 少なくとも無機粒子を外添してなる静電潜像現像用トナーであって、
    前記無機粒子は、
    その一次粒径に対する個数分布が、5nm〜15nm、及び、25nm〜50nmにそれぞれピークまたは変曲点を有するとともに、60nm以上の度数が5%〜10%であり、
    20nm以上の粒子の90%以上が凝集物を形成しているものであることを特徴とする静電潜像現像用トナー。
  2. 前記静電潜像現像用トナーは、
    透磁率センサによりトナー濃度検知を行う2成分現像方式の画像形成装置に使用されるものであることを特徴とする請求項1に記載の静電潜像現像用トナー。
  3. 前記無機粒子が、疎水性シリカであることを特徴とする請求項1または2に記載の静電潜像現像用トナー。
  4. 静電潜像現像用トナーとキャリアからなる2成分現像剤のトナー濃度を透磁率センサで検知する工程を有する画像形成方法であって、
    前記静電潜像現像用トナーは、少なくとも無機粒子を外添してなるものであり、
    前記無機粒子は、
    その一次粒径に対する個数分布が、5nm〜15nm、及び、25nm〜50nmにそれぞれピークまたは変曲点を有するとともに、60nm以上の度数が5%〜10%であり、
    20nm以上の粒子の90%以上が凝集物を形成しているものであることを特徴とする画像形成方法。
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