JP2010015975A - 内燃機関用スパークプラグ及びその製造方法 - Google Patents

内燃機関用スパークプラグ及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】着火性の低下等の不具合をより確実に防止することができるとともに、優れた耐久性及び耐折損性を有する内燃機関用スパークプラグを提供する。
【解決手段】スパークプラグ1は、中心電極5と、軸線CL1方向に延びる軸孔4を有する絶縁碍子2と、主体金具3と、主体金具3の先端部から延びる接地電極27と、中心電極5の先端面に接合される中心電極側貴金属チップ31と、接地電極27の先端面TS1に接合され、自身の先端面TS2が中心電極側貴金属チップ31の側面部と対向する接地電極側貴金属チップ32とを備える。接地電極27については、第1直線AL1と、第2直線AL2とのなす角度θ1が120°以上140°以下となるようにして屈曲される。また、接地電極側貴金属チップ32の先端面TS2と、軸線CL1とのなす角度θ2が0°以上3°以下とされる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、内燃機関に使用するスパークプラグ及びその製造方法に関する。
自動車エンジン等の内燃機関に使用されるスパークプラグは、例えば軸線方向に延びる中心電極と、その外側に設けられた絶縁体と、当該絶縁体の外側に設けられた筒状の主体金具と、基端部が前記主体金具の先端部に接合された接地電極とを備える。また、接地電極は、その先端部が前記中心電極の先端部と対向するように曲げ返して配置され、これにより中心電極の先端部及び接地電極の先端部の間に火花放電間隙が形成される。また、近年では、中心電極の先端部、及び、接地電極の先端部に、耐久性(耐火花消耗性)に優れるチップを設けるものがある。このようなチップとしては、例えば、貴金属合金よりなるチップ(貴金属チップ)を挙げることができる。尚、両電極の先端部に前記チップを接合した場合には、両チップ間に火花放電間隙が形成される。
ところで、中心電極側に設けられた貴金属チップ(中心電極側貴金属チップ)に対する接地電極側に設けられた貴金属チップ(接地電極側貴金属チップ)の相対位置関係を変更することによって、火花放電間隙の形成位置を変更することができ、また、火花の放電する方向も変更することができる。ここで、従来では、着火性の向上を図るという観点から、中心電極側貴金属チップの先端面に対して、接地電極側貴金属チップの先端面が対向するようにして接地電極を屈曲させ、軸線方向にほぼ沿って火花を放電させる、いわゆる縦放電タイプのプラグが知られている(例えば、特許文献1等参照)。ところが、このようなタイプのプラグは、接地電極が燃焼室の中心側へと突き出すようにして配置されてしまう。そのため、内燃機関の動作時には接地電極や接地電極側貴金属チップがより高温下に置かれることとなり、耐久性が低下してしまうおそれがある。
これに対して、接地電極の突き出し量を抑制すべく、中心電極側貴金属チップの側面部に対して、接地電極側貴金属チップの先端面が対向するように接地電極を屈曲させ、前記軸線とほぼ直交する方向に沿って火花を放電させる、いわゆる横放電タイプのプラグが提案されている(例えば、特許文献2等参照)。しかしながら、絶縁体に導電性のカーボンが付着した際等における、絶縁体と接地電極との間の放電を防止するという観点から、絶縁体及び接地電極間の間隙を比較的大きくするべきであるところ、横放電タイプのプラグにおいては、前記間隙を確保するために、接地電極を比較的小さな曲率半径で略直角に屈曲させるのが一般的である。そのため、内燃機関の動作に伴う振動等による応力が接地電極の屈曲部分に集中しやすくなってしまい、ひいては当該屈曲部分の折損という事態を招いてしまうおそれがある。特に、近年の高出力エンジンにおいては、接地電極の屈曲部分における折損が一層懸念される。
そこで、中心電極側貴金属チップの先端面に対して、接地電極側貴金属チップの先端エッジ部分が対向するように、接地電極を比較的緩やかな角度で屈曲させ、前記軸線方向に対して斜めに火花を放電させる、いわゆる斜め放電タイプのプラグが提案されている(例えば、特許文献3等参照)。
特開2005−93220号公報 特許第3273215号公報 特開2002−324650号公報
ところが、このようなプラグにおいては、火花放電によって、接地電極側貴金属チップのうちその先端エッジ部分が集中的に消耗されてしまい、その結果、火花放電間隙が急速に拡大してしまうおそれがある。そして、火花放電間隙が拡大してしまうと、接地電極及び絶縁体等の間における不正常な火花放電が生じやすくなり、ひいては着火性の低下等の不具合を招いてしまうおそれがある。
本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、着火性の低下等の不具合をより確実に防止することができるとともに、優れた耐久性及び耐折損性を有する内燃機関用スパークプラグ及びその製造方法を提供することにある。
以下、上記目的を解決するのに適した各構成につき、項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する構成に特有の作用効果を付記する。
構成1.本構成の内燃機関用スパークプラグは、棒状の中心電極と、
前記中心電極の軸線方向に延びる軸孔を有するとともに、前記中心電極が前記軸孔に設けられた略円筒状の絶縁体と、
前記絶縁体の外周に設けられた略円筒状の主体金具と、
前記主体金具の先端部から延び、先端を前記軸線へ向けて、曲げられて配置された接地電極と、
前記中心電極の先端に接合され、前記軸線方向に沿って延びる中心電極側チップと、
前記接地電極の延伸方向の先端面に接合され、その先端面が前記中心電極側チップの側面部と対向する接地電極側チップとを備える内燃機関用スパークプラグであって、
前記接地電極の前記主体金具の先端部との境界をなす基端面の中心点、及び、前記基端面の中心点から前記軸線方向に沿って先端側に0.5mm離間した位置における前記接地電極の断面の中心点を通る第1直線と、
前記接地電極の先端面の中心点、及び、前記接地電極の先端面の中心点から前記軸線と直交する方向に沿って前記接地電極の基端部側に0.5mm離間した位置における前記接地電極の断面の中心点を通る第2直線とのなす角度θ1を120°以上140°以下とするとともに、
前記接地電極側チップの先端面を含む平面と、前記軸線とのなす角度θ2を0°以上3°以下としたことを特徴とする。
尚、接地電極の先端面に接地電極側チップを接合するにあたっては、金属製(例えば、Ni合金)の台座部を介して間接的に接合することとしてもよい。また、「中心電極側チップ」及び「接地電極側チップ」とは、それぞれが接合される母材(中心電極や接地電極)よりも耐火花消耗性において優れる部材であり、例えば、周知の貴金属材料を用いて構成することができる。
上記構成1によれば、中心電極の先端面には中心電極側チップが接合されるとともに、接地電極の先端面には接地電極側チップが接合される。このため、耐久性(耐火花消耗性)の向上を図ることができる。
加えて、接地電極側チップの先端面が、中心電極側チップの側面部と対向するように配置され、軸線とほぼ直交する方向に沿って火花放電するように構成されている。これにより、接地電極の燃焼室の中心側への突き出し量を比較的小さなものとすることができ、接地電極や接地電極側チップの耐久性を向上させることができる。
さらに、本構成1によれば、前記軸線方向に延びる第1直線、及び、前記第2直線のなす角度(屈曲角度)θ1が120°以上140°以下とされている。すなわち、接地電極が比較的緩やかな角度で軸線(中心電極)側へと屈曲されている。そのため、振動等に伴う屈曲部分への応力の集中をより確実に防止することができ、耐折損性の向上を図ることができる。
併せて、接地電極側チップの先端面を含む平面と、前記軸線とのなす角度θ2が0°以上3°以下とされている。すなわち、接地電極側チップの先端面と中心電極側チップの側面部とがほぼ平行な状態となるようにして両チップが配設されている。このため、火花放電に伴って接地電極側チップや中心電極側チップに偏消耗が生じてしまうことをより確実に防止することができ、火花放電間隙の急速な拡大を抑制することができる。その結果、不正常な火花放電や火花放電間隙の拡大に起因する失火等の不具合をより効果的に抑制することができる。
尚、前記第1直線及び第2直線のなす角度θ1を120°未満とした場合には、振動等に伴う応力が接地電極の屈曲部分に集中しやすくなってしまい、耐折損性の向上を十分に図ることができないおそれがある。一方で、前記第1直線及び第2直線のなす角度θ1が140°を超える場合には、接地電極と絶縁体との間隙が比較的小さなものとなってしまい、不正常な火花放電が生じやすくなってしまうおそれがある。
また、接地電極側チップの先端面と、軸線とのなす角度θ2が3°を超える場合には、接地電極側チップや中心電極側チップに偏消耗が生じてしまい、着火性の低下等の不具合が発生してしまうおそれがある。
尚、中心電極側チップや接地電極側チップを比較的小径(例えば、φ0.3mm〜φ0.8mm)に構成するとともに、両チップを両電極から突き出した形で接合することとしてもよい。この場合には、火炎核の熱が電極やチップから引かれてしまうことを抑制でき、着火性の向上を図ることができる。
構成2.本構成の内燃機関用スパークプラグは、上記構成1において、前記接地電極の先端面を含む平面と、前記軸線とのなす角度θ3を0°以上1°以下としたことを特徴とする。
上記構成2によれば、接地電極の先端面を含む平面と軸線とのなす角度θ3が0°以上1°以下とされている。換言すれば、接地電極のうち接地電極側チップが接合される部位と中心電極側チップの側面部とが略平行をなすように構成されている。このため、接地電極の先端面に対して円柱状の接地電極側チップを溶接すれば、溶接に伴って接地電極側チップの先端面と接地電極の先端面との間に多少の傾き(例えば、1°程度)が生じたとしても、自動機による、または手作業による簡単な修正工程を入れることで、接地電極側チップの先端面を含む平面と前記軸線(中心電極側チップの側面部)とのなす角度θ2を0°以上3°以下とすることができる。すなわち、本構成2によれば、何ら特別な工程を経ることなく、接地電極の先端面に対して円柱状の接地電極側チップを単に溶接することで、比較的容易に上記構成1を実現することができる。
構成3.本構成の内燃機関用スパークプラグは、上記構成1又は2において、前記中心電極側チップは、当該中心電極側チップを構成する材料及び前記中心電極を構成する材料が相互に溶融されてなる溶融部によって前記中心電極に接合されており、
前記接地電極側チップの先端面、及び、前記溶融部間の前記軸線方向に沿った距離を0.6mm以上としたことを特徴とする。
一般的に中心電極と中心電極側チップとは、例えば、レーザー溶接等により両者を構成する金属材料を相互に溶融させて、溶融部を形成することによって接合される。ここで、着火性の向上を図るという観点から、上述のように比較的小径の中心電極側チップが用いられ得るが、この場合には、中心電極及び中心電極側チップの連接部たる溶融部が、中心電極側チップよりも大径に形成され得る。ここで、溶融部が比較的大径に形成されてしまうと、溶融部と接地電極側チップとの間隙が比較的小さなものとなってしまうため、両者の間で不正常な火花放電が生じやすくなってしまい、ひいては着火性が低下してしまうおそれがある。
この点、上記構成3によれば、接地電極側チップ及び溶融部間の軸線方向に沿った距離が0.6mm以上と比較的大きくされている。従って、接地電極側チップと溶融部との間で不正常な火花放電が生じてしまうことを効果的に抑制することができ、着火性の低下を一層確実に防止することができる。
尚、軸線方向に沿った接地電極側チップ及び溶融部間の距離をより大きくすることで、着火性の低下をより一層確実に防止することができるが、この場合には、接地電極や中心電極が燃焼室の中心側へと突き出して配置されてしまい、両電極について耐久性の低下が懸念される。従って、軸線方向に沿った接地電極側チップ及び溶融部間の距離は、両電極の耐久性が低下しない程度の大きさとすることが好ましい。
構成4.本構成の内燃機関用スパークプラグは、上記構成1乃至3のいずれかにおいて、前記軸線と直交する方向に沿った、前記主体金具の内周面の先端と前記接地電極の先端面との間の距離を1.5mm以下としたことを特徴とする。
尚、前記軸線に対して接地電極の先端面が傾いている場合において、「前記主体金具の内周面の先端と前記接地電極の先端面との間の距離」とあるのは、「前記主体金具の内周面の先端と前記接地電極の先端面の中心点との間の距離」を意味する(以下、同様)。
上記構成4のように、軸線と直交する方向に沿った主体金具の内周面と接地電極の先端面との距離が1.5mm以下と比較的短くなるようにして接地電極を屈曲させるにあたっては、接地電極が絶縁体に対して接近し過ぎてしまうことを防止すべく、接地電極を比較的窮屈に(換言すれば、比較的小さな曲率半径で)屈曲させる必要がある。ところが、この場合には、接地電極の屈曲部分に対して応力がより集中しやすくなってしまうため、耐折損性の低下が懸念される。
この点、上述のとおり接地電極を比較的緩やかな角度で屈曲させることによって、本構成4のように接地電極の曲率半径を比較的小さくせざるを得ないような場合であっても、接地電極の屈曲部分に対する応力の集中を抑制することができ、耐折損性の低下を効果的に防止することができる。換言すれば、軸線と直交する方向に沿った、主体金具の内周面の先端と接地電極の先端面との間の距離が比較的小さくなるようにして接地電極を屈曲させる場合(例えば、主体金具が比較的小径化された場合等)において、上記構成1等を採用することが特に有意であるといえる。
構成5.本構成の内燃機関用スパークプラグは、上記構成1乃至4のいずれかにおいて、前記軸線と直交する方向に沿った、前記主体金具の内周面の先端と前記接地電極の先端面との間の距離を0.9mm以下としたことを特徴とする。
上記構成5のように、軸線と直交する方向に沿った主体金具の内周面の先端と接地電極の先端面との間の距離が0.9mm以下と一層短くなるようにして接地電極を屈曲させる場合には、屈曲部分の曲率半径をより一層小さくせざるを得ない。従って、接地電極の屈曲部分に対する応力の集中がより一層懸念されるが、上記構成1等を採用することで、接地電極の屈曲部分に対する応力の集中を抑制することができ、耐折損性の低下をより確実に防止することができる。
さて、上記構成1〜5に記載のスパークプラグを製造する際には、次述する構成6の製造方法を使用することが好ましい。
構成6.本構成のスパークプラグの製造方法は、上記構成1乃至5のいずれか1項に記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記主体金具の先端部に固定された前記接地電極を屈曲させる屈曲工程と、
前記接地電極の先端側を切断する切断工程と、
前記接地電極の切断面に前記接地電極側チップを溶接する溶接工程と、
前記中心電極が設けられた前記絶縁体を前記主体金具に挿通させた状態で、前記絶縁体を前記主体金具に固定する組付工程とを含み、
前記切断工程においては、
前記接地電極の切断面が前記軸線方向先端側から見た前記接地電極の延伸方向と直交するように、前記接地電極の先端側を切断して、当該切断面を略平坦面に形成することを特徴とする。
一般的に接地電極の屈曲は、中心電極を有する絶縁体と主体金具とを組付けた後に行われる(例えば、特許3389121号公報等参照)。これは、中心電極及び接地電極間に形成される火花放電間隙の大きさを、視認しながら容易に調節できるためである。ところが、上記各構成のスパークプラグのように、120°から140°と鈍角に屈曲された接地電極の先端面に接地電極側チップを備えるものにおいては、従前同様の製造方法では次のような不具合が生じ得る。
上記構成のスパークプラグにおいて、従前の手法(すなわち、中心電極を有する絶縁体と主体金具とを組付けた後に接地電極を屈曲させ、火花放電間隙を適切な大きさにする手法)を用いる場合には、接地電極の屈曲に先立ち接地電極側チップを接合しておく必要がある。このとき、接地電極は上記所定の鈍角に屈曲された形状とされるため、接地電極の先端側に予め傾斜面を形成し、その傾斜面に接地電極側チップを接合する必要が生じる。尚、この傾斜面は、本発明における接地電極の先端面に相当する面である。こうして、接地電極にチップが接合された状態で、上記所定の鈍角を有するように接地電極を屈曲させるのであるが、接地電極の先端にはチップが存在するために、当該チップと接地電極の屈曲用の押さえ治具とが干渉してしまい、十分な屈曲角度を得られなかったり、チップの放電面(先端面)が損傷し、放電に支障が生じてしまったりするおそれがある。
そこで、上記構成6によれば、まず主体金具の先端部に接地電極を固定し、次いで接地電極を屈曲させるが、この時点では、接地電極の先端に接地電極側チップが接合されていない。そのため、接地電極の屈曲時に、上述した十分な屈曲角度を得られない等の支障が生じない。
また、本構成6によれば、接地電極屈曲後の切断工程において、接地電極の先端にチップが好適に溶接できるように平坦面を形成する。従って、接地電極の先端に予め傾斜面を形成しておく必要もなく、また、この先端面(切断面)に接合される円柱状のチップが中心電極側チップに対して過度に傾いてしまうという不具合を回避することができる。併せて、接地電極の屈曲後にチップを接合するため、屈曲角度の軽微な変化に起因して火花放電間隙の大きさが増減してしまうことを防止できる。従って、本構成6によれば、従来の手法により作製することが比較的困難な上記構成1等に記載のスパークプラグを、比較的容易に、かつ、精度よく作製することができる。
構成7.本構成のスパークプラグの製造方法は、上記構成6において、前記切断工程においては、
外周に切断する部分を有する切断手段を前記主体金具の中心軸に沿って移動させることで、前記接地電極の先端側を切断することを特徴とする。
上記構成7によれば、基本的には上記構成6と同様の作用効果が奏される。加えて、打ち抜き加工のように切断手段を主体金具の内部に挿通可能なものとすれば、切断手段が主体金具に接触してしまい、ひいては主体金具を傷つけてしまうという事態をより確実に防止できる。
構成8.本構成のスパークプラグの製造方法は、上記構成6において、前記切断工程においては、
外周に切断する部分を有する切断手段を前記主体金具の中心軸と直交する方向に沿って移動させることで、前記接地電極の先端側を切断することを特徴とする。
上記構成8によれば、基本的には上記構成6と同様の作用効果が奏される。加えて、本構成8によれば、切断工程において、切断刃等の切断手段が軸方向に沿って主体金具に接近することがなく、切断手段と主体金具との間には所定大きさ以上の間隙が形成される。そのため、主体金具への切断手段の接触、ひいては主体金具の損傷をより確実に防止することができる。
本実施形態のスパークプラグの構成を示す一部破断正面図である。 スパークプラグの先端部の構成を示す一部破断拡大図である。 接地電極等の構成を示すための一部破断拡大図である。 (a)〜(c)は、スパークプラグの製造方法を説明するための拡大正面図である。 チップ傾きと間隙拡大量との関係を示すグラフである。 別の実施形態におけるスパークプラグの先端部の構成を示す一部破断拡大図である。 (a),(b)は、屈曲工程を説明するための接地電極や曲げ型等を示す拡大断面図である。 (a)〜(c)は、切断工程を説明するための接地電極やガイド等を示す平面模式図である。 別の実施形態における、切断工程を説明するためのガイド等を示す平面模式図である。
以下に、一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、内燃機関用スパークプラグ(以下、「スパークプラグ」)1を示す一部破断正面図である。なお、図1では、スパークプラグ1の径方向の中心点を通る軸線CL1方向を図面における上下方向とし、下側をスパークプラグ1の先端側、上側を後端側として説明する。
スパークプラグ1は、筒状をなす絶縁体としての絶縁碍子2、これを保持する筒状の主体金具3などから構成されるものである。
絶縁碍子2は、周知のようにアルミナ等を焼成して形成されており、その外形部において、後端側に形成された後端側胴部10と、当該後端側胴部10よりも先端側において径方向外向きに突出形成された大径部11と、当該大径部11よりも先端側においてこれよりも細径に形成された中胴部12とを備えている。さらに、前記絶縁碍子2は、前記中胴部12よりも先端側において、軸線CL1方向先端側に向けて先細り形状をなす脚長部13を有しており、絶縁碍子2のうち、大径部11、中胴部12、及び、大部分の脚長部13は、主体金具3の内部に収容されている。そして、脚長部13と中胴部12との連接部にはテーパ状の段部14が形成されており、当該段部14にて絶縁碍子2が主体金具3に係止されている。
さらに、絶縁碍子2には、軸線CL1に沿って軸孔4が貫通形成されており、当該軸孔4の先端側には中心電極5が挿入、固定されている。当該中心電極5は、全体として棒状(円柱状)をなすとともに、その中心軸が前記軸線CL1と一致している。加えて、中心電極5の先端面は平坦に形成されるとともに、絶縁碍子2の先端から突出している。また、中心電極5は、銅又は銅合金からなる内層5Aと、ニッケル(Ni)を主成分とするNi合金からなる外層5Bとを備えている。
さらに、前記中心電極5の先端部には、所定の貴金属合金よりなる中心電極側チップとしての中心電極側貴金属チップ31が接合されている。より詳しくは、前記外層5Aと前記中心電極側貴金属チップ31との当接面の外周に対してレーザー溶接等により溶融部41が形成されることによって中心電極側貴金属チップ31が接合されている。また、本実施形態において、前記中心電極側貴金属チップ31は、円柱状をなすとともに、中心電極5の先端面よりも小径(例えば、φ0.3mm〜φ0.7mm)とされている。そのため、中心電極5の先端部(外層5B)と、中心電極側貴金属チップ31とが溶融してなる溶融部41のうちその基端部は、前記中心電極側貴金属チップ31よりも大径に形成されている(図2等参照)。加えて、中心電極側貴金属チップ31は、比較的長めに形成されており、自身の先端面が前記溶融部41から比較的大きく突き出した状態で接合されている。
また、軸孔4の後端側には、絶縁碍子2の後端から突出した状態で端子電極6が挿入、固定されている。
さらに、軸孔4の中心電極5と端子電極6との間には、円柱状の抵抗体7が配設されている。当該抵抗体7の両端部は、導電性のガラスシール層8,9を介して、中心電極5と端子電極6とにそれぞれ電気的に接続されている。
加えて、前記主体金具3は、低炭素鋼等の金属により筒状に形成されており、その外周面にはスパークプラグ1をエンジンヘッドに取付けるためのねじ部(雄ねじ部)15が形成されている。また、ねじ部15の後端側の外周面には座部16が形成され、ねじ部15後端のねじ首17にはリング状のガスケット18が嵌め込まれている。さらに、主体金具3の後端側には、主体金具3をエンジンヘッドに取付ける際にレンチ等の工具を係合させるための断面六角形状の工具係合部19が設けられるとともに、後端部において絶縁碍子2を保持するための加締め部20が設けられている。
また、主体金具3の内周面には、絶縁碍子2を係止するためのテーパ状の段部21が設けられている。そして、絶縁碍子2は、主体金具3の後端側から先端側に向かって挿入され、自身の段部14が主体金具3の段部21に係止された状態で、主体金具3の後端側の開口部を径方向内側に加締めること、つまり上記加締め部20を形成することによって固定される。尚、絶縁碍子2及び主体金具3双方の段部14,21間には、円環状の板パッキン22が介在されている。これにより、燃焼室内の気密性を保持し、燃焼室内に晒される絶縁碍子2の脚長部13と主体金具3の内周面との間隙に入り込む燃料空気が外部に漏れないようになっている。
さらに、加締めによる密閉をより完全なものとするため、主体金具3の後端側においては、主体金具3と絶縁碍子2との間に環状のリング部材23,24が介在され、リング部材23,24間にはタルク(滑石)25の粉末が充填されている。すなわち、主体金具3は、板パッキン22、リング部材23,24及びタルク25を介して絶縁碍子2を保持している。
また、図2に示すように、主体金具3の先端部26には、先端側が中心電極5(軸線CL1)側に曲げ返されてなる接地電極27が接合されている。さらに、前記接地電極27の延伸方向の先端面TS1には、貴金属合金よりなるとともに、円柱状をなし、比較的小径(例えば、φ0.4mm〜φ0.8mm)の接地電極側チップとしての接地電極側貴金属チップ32が接合されている。尚、本実施形態において、接地電極側貴金属チップ32は、自身の先端面TS2が前記接地電極の先端面TS1から所定距離(例えば、0.6mm〜0.8mm)だけ突き出すようにして接合されている。加えて、接地電極側貴金属チップ32の先端面TS2の大部分が前記中心電極側貴金属チップ31の側面部に対して対向しており、両チップ31,32間には、前記軸線CL1と略直交する方向に火花放電が行われる火花放電間隙33が形成されている。
加えて、本実施形態においては、図3に示すように、接地電極27において、第1直線AL1と第2直線AL2とのなす角度(屈曲角度)θ1が120°以上140°以下とされている。換言すれば、接地電極27は軸線CL1側へと比較的緩やかな屈曲角度をもって曲げ返されている。
尚、「第1直線AL1」とは、接地電極27のうち主体金具3の先端部との境界をなす面(基端面)の中心点BP1と、当該中心点BP1から軸線CL1方向に沿って先端側に0.5mm離間した位置における接地電極27の断面の中心点BP2とを通る直線を意味するものであり、本実施形態においては、前記軸線CL1と平行になっている。また、「第2直線AL2」とは、接地電極27の先端面TS1の中心点FP1と、当該中心点FP1から前記軸線CL1と直交する方向に沿って接地電極27の基端部側に0.5mm離間した位置における接地電極27の断面の中心点FP2とを通る直線を意味する。
さらに、前記接地電極側貴金属チップ32の先端面TS2を含む平面と、前記軸線CL1とのなす角度θ2が0°以上3°以下とされている。すなわち、接地電極側貴金属チップ32の先端面TS2と中心電極側貴金属チップ31の側面部とが略平行な状態で対向している。
また、接地電極27の先端面TS1を含む平面と、軸線CL1とのなす角度θ3が0°以上1°以下とされている。すなわち、本実施形態において、接地電極27の先端面TS1は、中心電極側貴金属チップ31の側面部と略平行となるようにして形成されている。
併せて、軸線CL1方向に沿った、接地電極側貴金属チップ32の先端面TS1、及び、前記溶融部41間の距離hが0.6mm以上とされている。
加えて、前記主体金具3は比較的小径化されており、ひいては軸線CL1と直交する方向に沿った、前記主体金具3の内周面の先端と前記接地電極27の先端面TS1との距離dが比較的小さく(例えば、1.5mm以下と)なるようにして接地電極27が屈曲させられている。このとき、接地電極27及び絶縁碍子2間の間隙の大きさを、少なくとも火花放電間隙33よりも大きなものとすべく、接地電極27は比較的小さな曲率半径をもって屈曲させられている。
尚、本実施形態においては、前記軸線CL1に沿った主体金具3の先端から中心電極側貴金属チップ31の先端までの突出長と、軸線CL1に沿った主体金具3の先端からの接地電極27の突出長とがほぼ等しいもの(例えば、両突出長の差が0.3mm以下)とされている。
次に、上記のように構成されてなるスパークプラグ1の製造方法について説明する。まず、主体金具3を予め加工しておく。すなわち、円柱状の金属素材(例えばS17CやS25Cといった鉄系素材やステンレス素材)を冷間鍛造加工により貫通孔を形成し、概形を製造する。その後、切削加工を施すことで外形を整え、主体金具中間体を得る。
続いて、主体金具中間体の先端面に、Ni合金からなる直棒状の接地電極27が抵抗溶接される。当該溶接に際してはいわゆる「ダレ」が生じるので、その「ダレ」を除去した後、主体金具中間体の所定部位にねじ部15が転造によって形成される。これにより、図4(a)に示すように、接地電極27の溶接された主体金具3が得られる。接地電極27の溶接された主体金具3には、亜鉛メッキ或いはニッケルメッキが施される。尚、耐食性向上を図るべく、その表面に、さらにクロメート処理が施されることとしてもよい。
次いで、屈曲工程において、図4(b)に示すように、前記接地電極27を軸線CL1側へと屈曲させる。このとき、接地電極27は、比較的小さな曲率半径をもって屈曲させられるものの、その屈曲角度θ1は、120°以上140°以下と比較的大きなものとされている。尚、接地電極27を屈曲させる際には、例えば、図7(a)に示すように、接地電極27の屈曲形状に対応する形状の成形面52を備えた曲げ型51に、主体金具3を接近移動させ、接地電極27を前記成形面52に押し付けることで、接地電極27を屈曲させることとしてもよい。また、図7(b)に示すように、円柱状のガイド53を主体金具3に挿通し、接地電極27の基端部に当該ガイド53を接触させた上で、前記曲げ型51に主体金具3を接近移動させて、接地電極27を屈曲させることとしてもよい。この場合には、接地電極27の基端部が軸線CL1側へと倒れてしまうことをより確実に防止できる。
そして、切断工程において、屈曲された接地電極27を所定の位置に位置合わせした上で、接地電極27を保持しつつ、接地電極27の先端部に対して軸線CL1方向に沿って往復移動可能な切断手段としての切削刃61を用いて接地電極27の先端面を平坦面状に加工する。具体的には、打ち抜き加工を施す。詳述すると、まず、主体金具3を自身の中心軸(軸線CL1と一致する)を回転軸として回転可能に保持する。次いで、図8(a)に示すように、一対の挟持部56,57を備えるガイド55を接地電極27側へと移動させ、前記挟持部56,57により接地電極27を挟むようにしてガイド55を配置する。尚、前記一対の挟持部56,57は、相互に接近・離間移動可能であり、相対向する面が互いに平行とされている。次に、図8(b)に示すように、前記一対の挟持部56,57を接近移動させることで、接地電極27の基端部を挟持部56,57により挟み込む。これにより、接地電極27が、前記所定の位置に位置合わせされるとともに、挟持部56,57によって保持される。そして、図8(c)に示すように、断面矩形状をなすとともに、主体金具3の内部に挿通された切削刃61を、軸線CL1に沿って接地電極27側に移動させることで、接地電極27の先端部が切断される。尚、接地電極27の切断面は、軸線CL1方向先端側から見た接地電極27の延伸方向と直交することとなる。これにより、図4(c)に示すように、接地電極27の先端面TS1が前記軸線CL1と略平行となる(すなわち、前記角度θ3が0°以上1°以下となる)ようにして形成される。
その後、溶接工程において、抵抗溶接によって、接地電極27の先端面TS1に対して円柱状の接地電極側貴金属チップ32が接合される。尚、上述した打ち抜き加工の際は、接地電極の切断面を平面とすることで、接地電極側貴金属チップ32の接合を容易に行うことが可能となる。
一方、前記主体金具3とは別に、絶縁碍子2を成形加工しておく。例えば、アルミナを主体としバインダ等を含む原料粉末を用い、成型用素地造粒物を調製し、これを用いてラバープレス成形を行うことで、筒状の成形体が得られる。得られた成形体に対し、研削加工が施され整形される。そして、整形されたものが焼成炉へ投入され焼成され、絶縁碍子2が得られる。
また、前記主体金具3、絶縁碍子2とは別に、中心電極5を製造しておく。すなわち、Ni合金が鍛造加工され、その中央部に放熱性向上を図るべく銅合金からなる内層5Aが接合される。次に、中心電極5の先端部に対して中心電極側貴金属チップ31がレーザー溶接により設けられる。より詳しくは、前記外層5Bの先端面と円柱状の中心電極側貴金属チップ31の基端面とを重ね合わせた上で、両者の当接面の外周に対してレーザービームを照射し、溶融部41を形成することによって、中心電極5の先端部に中心電極側貴金属チップ31が接合される。
そして、上記のようにして得られた絶縁碍子2及び中心電極5と、抵抗体7と、端子電極6とが、ガラスシール層8,9によって封着固定される。ガラスシール層8,9としては、一般的にホウ珪酸ガラスと金属粉末とが混合されて調製されており、当該調製されたものが抵抗体7を挟むようにして絶縁碍子2の軸孔4内に注入された後、焼成炉内にて加熱しつつ、後方から前記端子電極6で押圧することにより焼き固められる。尚、このとき、絶縁碍子2の後端側胴部10表面には釉薬層が同時に焼成されることとしてもよいし、事前に釉薬層が形成されることとしてもよい。
その後、組付工程において、上記のようにそれぞれ作成された中心電極5及び端子電極6を備える絶縁碍子2と、接地電極27を備える主体金具3とが組付けられる。より詳しくは、比較的薄肉に形成された主体金具3の後端側の開口部を径方向内側に加締めること、つまり上記加締め部20を形成することによって固定される。
そして、最後に、中心電極側貴金属チップ31及び接地電極側貴金属チップ32間の前記火花放電間隙33を微調整する加工が実施され、スパークプラグ1が得られる。
以上詳述したように、本実施形態によれば、中心電極5の先端部には中心電極側貴金属チップ31が接合されるとともに、接地電極27の先端面TS1には接地電極側貴金属チップ32が接合される。このため、耐久性(耐火花消耗性)の向上を図ることができる。また、両貴金属チップ31,32が比較的小径化されているとともに、両貴金属チップ31,32が両電極5,27から突き出した形で接合されているため、火炎核の熱が電極5,27や貴金属チップ31,32から引かれてしまうことを抑制でき、着火性の向上を図ることができる。
加えて、接地電極側貴金属チップ32の先端面TS2が、中心電極側貴金属チップ31の側面部と対向するように配置され、軸線CL1とほぼ直交する方向に沿って放電するように構成されている。これにより、接地電極27の燃焼室の中心側への突き出し量を比較的小さなものとすることができ、接地電極27や接地電極側貴金属チップ32の耐久性を向上させることができる。
さらに、前記第1直線AL1及び第2直線AL2のなす角度θ1が120°以上140°以下となるように、接地電極27が比較的大きな屈曲角度をもって屈曲されている。このため、振動等に伴う屈曲部分への応力の集中を防止することができ、耐折損性の向上を図ることができる。
また、接地電極27が比較的大きな屈曲角度をもって屈曲されていることから、本実施形態のように、接地電極27の曲率半径を比較的小さくせざるを得ないような場合であっても、接地電極27の屈曲部分に対する応力の集中を抑制することができ、耐折損性の低下を効果的に防止することができる。
併せて、接地電極側貴金属チップ32の先端面TS2を含む平面と、前記軸線CL1とのなす角度θ2が0°以上3°以下とされているため、火花放電に伴って接地電極側貴金属チップ32や中心電極側貴金属チップ31に偏消耗が生じてしまうことをより確実に防止することができる。その結果、火花放電間隙33の急速な拡大を抑制することができ、不正常な火花放電や火花放電間隙33の拡大に起因する失火等の不具合をより効果的に抑制することができる。
また、接地電極27の先端面TS2を含む平面と軸線CL1とのなす角度θ3が0°以上1°以下とされている。このため、接地電極27の先端面TS2に対して円柱状の接地電極側貴金属チップ32を溶接すれば、溶接に伴って接地電極側貴金属チップ32の先端面TS2と接地電極27の先端面TS1との間に多少の傾き(例えば、1°程度の傾き)が生じたとしても、接地電極側貴金属チップ32の先端面TS2を含む平面と軸線CL1とのなす角度θ2を0°以上3°以下とすることができる。すなわち、何ら特別な工程を経ることなく、接地電極27の先端面TS2に対して接地電極側貴金属チップ32を単に溶接することによって、接地電極側貴金属チップ32の先端面TS2と中心電極側貴金属チップ31の側面部とを略平行に構成することができる。
ところで、表面にメッキ層が形成された接地電極27に接地電極側貴金属チップ32を抵抗溶接することは比較的困難である。また、メッキ層の形成された接地電極27を屈曲させると、メッキ層が剥離してしまい、当該メッキ層の剥離部分と中心電極5との間で火花放電が生じ、着火性の低下を招いてしまうおそれがある。そのため、接地電極27の所定範囲(例えば、接地電極側貴金属チップ32の溶接予定部位や接地電極27の屈曲予定部位)に形成されたメッキ層を除去するための処理が一般的に行われる。
この点において、本実施形態によれば、接地電極27の先端部に打ち抜き加工が施されるため、メッキ層の除去処理を別途設けることなく、抵抗溶接によって接地電極側貴金属チップ32を接地電極27の先端面TS1に対して溶接することができる。また、接地電極27の屈曲角度θ1は比較的大きなものとされているため、屈曲予定部分にメッキ層が形成されていても(メッキ層を除去しなくても)、屈曲に伴うメッキ層の剥離は生じにくい。すなわち、本実施形態における接地電極27の形状及び製造方法を採用することによって、接地電極27の表面に形成されたメッキ層の除去処理を省略することができ、生産効率の向上を図ることができる。
さらに、スパークプラグ1を製造するにあたっては、絶縁碍子2を主体金具3に固定する組付工程の前段階において接地電極27が屈曲されるため、屈曲用の押さえ治具(曲げ型51)が中心電極側貴金属チップ31の先端部に接触してしまうという不具合も生じない。このため、接地電極27の屈曲に伴う中心電極側貴金属チップ31の損傷を確実に防止することができるという付加的な効果も有する。
また、接地電極27を屈曲させた後に先端面TS1を切断加工により形成し、接地電極側貴金属チップ32を溶接するため、接地電極27を屈曲させる際に接地電極側貴金属チップ32が損傷してしまうということも生じない。
さらに、切断工程においては、軸線CL1方向先端側から見た接地電極27の延伸方向と直交するように接地電極27の先端側が切断され、その後、接地電極27の切断面(先端面TS1)に接地電極側貴金属チップ32が接合される。すなわち、接地電極27の屈曲角度が設定された後に接地電極側貴金属チップ32が溶接されるため、屈曲角度の変化に起因する火花放電間隙33の大きさの増減を防止できる。また、接地電極27の切断面(先端面)は、軸線CL1方向先端側から見た接地電極27の延伸方向と直交するため、円柱状の接地電極側貴金属チップ32を接合すれば、中心電極側貴金属チップ31の側面部に対して接地電極側貴金属チップ32の先端面をほぼ平行な状態で配置することができる。
次に、本実施形態によって奏される作用効果を確認すべく、第1直線及び第2直線のなす角度(θ1に相当;以下、「屈曲角度」と称す)の大きさを種々変更して構成された接地電極を備える主体金具のサンプルを作製し、各サンプルについて耐折損性評価試験を行った。耐折損性評価試験の概要は次の通りである。すなわち、接地電極の先端部に50gの錘を取付けた上で、30秒間で50Hzから200Hzまで増加し、30秒間で200Hzから50Hzまで減少する周波数の振動を繰り返し60分間に亘って与え続け、接地電極に破断が発生した時間(破断発生時間)を計測した。尚、破断発生時間のうち秒数に関しては、繰り上げるものとした(例えば、38分40秒で破断が生じた場合には、破断発生時間を39分とした)。
また、屈曲角度の大きさを種々変更して構成された接地電極を備えるスパークプラグのサンプルを作製するとともに、各サンプルについて飛火位置確認試験を行った。飛火位置確認試験の概要は次の通りである。すなわち、各サンプルを所定の汚損状態(絶縁碍子にカーボンが付着した状態)とした上で、エンジンに組み付け、空燃比13〜14を保ちつつ、アイドリング状態(1500rpm)でエンジンを動作させ、放電100回分の放電波形を得た。そして、得られた放電波形に基づいて、放電100回中における接地電極側貴金属チップ及び絶縁碍子間の火花放電(横飛火)の発生割合(横飛火発生率)を測定した。
尚、「所定の汚損状態」とは、中心電極から主体金具に至るまでの絶縁碍子(脚長部)に沿った絶縁抵抗値が約1000Ωとなるように脚長部の表面にカーボンを付着させた状態をいう。また、各スパークプラグのサンプルにおいては、中心電極の先端部に、Ir−11Ru−8Rh−1Ni合金によって形成され、円柱状(径が0.6mmで、長さが2.0mm)をなす中心電極側貴金属チップを接合した。加えて、接地電極の先端面には、Pt−20Ir合金からなる円柱状(径が0.7mm)の接地電極側貴金属チップを接合した。加えて、火花放電間隙の大きさを1.05mmとするとともに、ねじ部の径をM12とした。また、接地電極側貴金属チップの先端面と軸線とのなす角度(θ2に相当)、及び、接地電極の先端面と軸線とのなす角度(θ3に相当)をともに0°とし、接地電極側貴金属チップと溶融部との間の軸線方向に沿った距離(hに相当)を0.8mmとした。さらに、燃焼室の内壁面から中心電極側貴金属チップの先端までの軸線に沿った距離(突き出し量)を3.5mmとした。屈曲角度と、破断発生時間及び横飛火発生率との関係を表1に示す。
Figure 2010015975
表1に示すように、屈曲角度を120°未満とした場合には、60分間経過前に接地電極に破断が生じてしまうことがわかった。これは、接地電極の屈曲角度が比較的小さくされたことで、振動等に伴う応力が屈曲部分に対してより集中してしまったことによると考えられる。
また、屈曲角度が140°を超える場合には、横飛火発生率が21%となり、横飛火が発生しやすいことが明らかとなった。これは、所定大きさの火花放電間隙を形成すべく、接地電極をより基端部側にて屈曲させた結果、接地電極と絶縁碍子との間隙がより小さくなってしまったことに起因すると考えられる。
これに対して、屈曲角度を120°以上140°以下とした場合には、60分間に亘って接地電極に破断が生じることなく、また、横飛火が発生しないことがわかった。これは、屈曲角度を120°以上としたことで、所定大きさの火花放電間隙を形成するに際して、接地電極をより先端側にて屈曲させることができ、ひいては接地電極と絶縁碍子との間隙を比較的大きくすることができたこと、並びに、屈曲角度を140°以下と比較的緩やかなものとしたことで、屈曲部分への応力の集中を抑制することができたことによると考えられる。
次いで、軸線及び接地電極側貴金属チップの先端面を含む平面のなす角度(θ2に相当;以下、「チップ傾き」と称す)を種々変更したスパークプラグのサンプルを作製し、各サンプルについて耐消耗性試験を行った。耐消耗性試験の概要は次の通りである。すなわち、チップ傾きを等しくした複数のサンプルを直列6気筒で排気量660ccのエンジンの各ヘッドに組み付け、空燃比を10.7、点火時期を上死点前5°として、全開状態(4000rpm)でエンジンを動作させた。そして、300時間経過時に、所定のサンプルについて火花放電間隙の大きさを計測し、初期の火花放電間隙に対する拡大量(間隙拡大量)を算出した。併せて、放電100回分の放電波形を得るとともに、得られた放電波形に基づいて横飛火発生率を測定した。尚、各サンプル及び各気筒の配置位置は、50時間毎に順に変更する(ローテーションさせる)こととした。また、各サンプルの屈曲角度を120°とするとともに、各サンプルのねじ部の径や中止電極側貴金属チップの組成等は、チップ傾きを除いて、上述した飛火位置確認試験におけるサンプルと同様のものとした。表2に、チップ傾きと、間隙拡大量及び横飛火発生率との関係を示すとともに、図5に、チップ傾きと間隙拡大量との関係を表すグラフを示す。
Figure 2010015975
表2及び図5に示すように、チップ傾きが大きくなるほど、火花放電間隙が拡大しやすくなり、特に、チップ傾きが3°を超えると、火花放電間隙が急激に拡大してしまい、また、横飛火が発生してしまうことがわかった。これは、チップ傾きが大きくされたことで、接地電極側貴金属チップや中心電極側貴金属チップにおいて偏消耗が生じやすくなってしまい、ひいては火花放電間隙が急速に拡大してしまったことに起因すると考えられる。
これに対して、チップ傾きが0°以上3°以下の場合には、火花放電間隙の急激な拡大が抑制されることが明らかとなった。これは、接地電極側貴金属チップ及び中心電極側貴金属チップについて、偏消耗が生じることなく、略均等に消耗されたことによると考えられる。
次に、接地電極側貴金属チップ及び溶融部間の軸線方向に沿った距離(hに相当;以下、「チップ溶融部間距離」と称す)を種々変更したスパークプラグのサンプルを作製し、内部を視認可能な石英製の高圧チャンバー内にサンプルを配設した。そして、サンプルを放電させるとともに、放電時におけるサンプルの先端部を撮像し、撮像データに基づき、放電100回中における接地電極側貴金属チップ及び溶融部間での火花放電の発生率(溶融部放電率)を測定した。尚、チップ溶融部間距離を除いて、各サンプルの形状等は、上述した耐消耗性試験におけるサンプルと同様の構成とした。表3に、チップ溶融部間距離と横飛火発生率との関係を示す。
Figure 2010015975
表3に示すように、チップ溶融部間距離を0.6mm未満としたサンプルは、溶融部放電率が9%となり、接地電極側貴金属チップ及び溶融部間における不正常な火花放電が比較的発生しやすいことがわかった。これは、接地電極側貴金属チップと溶融部とが接近しすぎてしまったことによると考えられる。
これに対して、チップ溶融部間距離を0.6mm以上としたサンプルは、溶融部への火花放電が発生せず、優れた着火性を有することが明らかとなった。これは、接地電極側貴金属チップ及び溶融部間の距離が比較的大きくされたことで、両者間における火花放電を効果的に抑制できたことに起因すると考えられる。
尚、チップ溶融部間距離を大きくすると、接地電極や中心電極側貴金属チップがより燃焼室の中心側へと突き出すこととなり、耐久性の低下を招いてしまうおそれがある。そのため、チップ溶融部間距離は、接地電極や中心電極側貴金属チップの耐久性を十分に確保可能な程度の大きさ(例えば、2.5mm以下)とすることが好ましい。
以上、各試験の結果を総合的に勘案すると、屈曲角度を120°以上140°以下とするとともに、チップ傾きを0°以上3°以下とすることで、着火性の低下を防止しつつ、優れた耐久性及び耐折損性を実現することができるといえる。また、着火性の低下を一層確実に防止するという観点からは、チップ溶融部間距離を0.6mm以上とすることがより好ましいといえる。
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
(a)上記実施形態では、接地電極側貴金属チップ32の先端面TS2の大部分が前記中心電極側貴金属チップ31の側面部と対向するように構成されている。これに対して、図6に示すように、接地電極側貴金属チップ32の先端面TS2の軸線CL1方向に沿った全面が中心電極側貴金属チップ31の側面部と対向するよう構成することとしてもよい。この場合には、接地電極側貴金属チップ32や中心電極側貴金属チップ31の偏消耗をより一層抑制することができるとともに、両貴金属チップ31,32においては消耗可能な体積量を増大させることができる。その結果、耐久性等のより一層の向上を図ることができる。
(b)上記実施形態では、中心電極側貴金属チップ31を構成する貴金属材料について特に言及していないが、中心電極側貴金属チップ31を、イリジウム(Ir)を主成分とするIr合金によって構成することとしてもよい。ここで、Ir合金は、融点が比較的高く、また、優れた強度を有するため、中心電極側貴金属チップ31が前記溶融部41から比較的大きく突き出した状態で配設されても、中心電極側貴金属チップ31に溶損や折損等の不具合が生じてしまうことをより確実に防止できる。尚、耐久性の一層の向上を図るという観点から、中心電極側貴金属チップ31を、Irを主成分とするとともに、ルテニウム(Ru)やロジウム(Rh)を含有してなる合金で形成することとしてもよい。
(c)上記実施形態では、接地電極側貴金属チップ32を構成する貴金属材料について特に言及していないが、接地電極側貴金属チップ32を、白金(Pt)を主成分とするPt合金によって構成することとしてもよい。ここで、Pt合金は、耐酸化性に優れるため、接地電極側貴金属チップ32の耐消耗性を向上させることができる。尚、耐久性の向上を図るべく、接地電極側貴金属チップ32を、Ptを主成分とするとともに、Ir,Rh、及び、Niのうち少なくとも一種を含有してなる合金で形成することとしてもよい。
(d)上記実施形態では、中心電極側チップ及び接地電極側チップとして、貴金属材料よりなる中心電極側貴金属チップ31及び接地電極側貴金属チップ32を用いているが、中心電極側チップや接地電極側チップを構成する材料は貴金属材料に限定されるものではない。従って、例えば、タングステンなどの卑金属をベースとした耐火花消耗性に優れる材料によって中心電極側チップや接地電極側チップを構成することとしてもよい。
(e)上記実施形態では、軸線CL1方向に沿った、主体金具3の内周面の先端と接地電極27の先端面TS1との距離dが1.5mm以下とされているが、当該距離dの大きさは特に限定されるものではない。従って、距離dをより小さく(例えば、0.9mm以下と)してもよい。尚、この場合には、接地電極27はより小さな曲率半径で屈曲させられることとなり、ひいては耐折損性の低下が懸念されるところであるが、屈曲角度θ1が120°以上140°以下と比較的緩やかにされているため、当該懸念を払拭できる。すなわち、距離dがより小さな場合において、屈曲角度θ1を120°以上140°以下とすることがより有意であるといえる。
(f)上記実施形態では、接地電極27に対して接地電極側貴金属チップ32が直接接合されているが、例えば、Ni合金からなる台座部を介して、接地電極27に接地電極側貴金属チップ32を間接的に接合することとしてもよい。この場合には、接地電極27に対して接地電極側貴金属チップ32をより強固に接合することができるとともに、火炎核の熱が接地電極27から引かれてしまうことを防止することができ、一層優れた着火性を実現することができる。
(g)上記実施形態では、主体金具3の先端部26の先端面に、接地電極27が接合される場合について具体化しているが、主体金具の一部(又は、主体金具に予め溶接してある先端金具の一部)を削り出すようにして接地電極を形成する場合についても適用可能である(例えば、特開2006−236906号公報等)。また、主体金具3の先端部26の側面に接地電極27を接合することとしてもよい。
(h)上記実施形態では、工具係合部19は断面六角形状とされているが、工具係合部19の形状に関しては、このような形状に限定されるものではない。例えば、Bi−HEX(変形12角)形状〔ISO22977:2005(E)〕等とされていてもよい。
(i)上記実施形態では、接地電極27の屈曲工程前に、接地電極27の溶接された主体金具3に亜鉛メッキ等のメッキが施されるが、接地電極27の屈曲後にメッキを施すこととしてもよい。この場合には、接地電極27の屈曲に伴うメッキの剥離(耐腐食性の低下)を防止することができる。
(j)上記実施形態では、切断手段としての切削刃61を軸線CL1に沿って移動させる打ち抜き加工により接地電極27の先端側を切断したが、軸線CL1と直交する方向に切削刃を移動させて、接地電極27の先端側を切断することとしてもよい。この場合には、切削刃が軸線CL1方向に沿って主体金具に接近することがなく、切削刃と主体金具3との間には所定大きさ以上の間隙が形成される。そのため、主体金具3への切削刃の接触、ひいては主体金具3の損傷をより確実に防止することができる。
(k)上記実施形態では、図8に示すように、一対の挟持部56,57を備えるガイド55が紙面左側のみに配置されたものであったが、例えば、図9に示すように、左側を含めた上下左右4箇所に挟持部56,57が配置されるようにしてもよい。また、この場合、打ち抜き加工を行う切削刃61の切断する部分(切れ刃)はそれぞれのガイド55側を向くようにするとよい。このような構成とすることにより、接地電極27の先端側を切断する際のピースタイムを短くすることができる。もちろん、ガイドの位置は4箇所に90°毎で配置されることに限定されず、ガイドを複数配置するとともに、切れ刃がそれぞれのガイドを向くように配置・形成された切削刃を用いればよい。
(l)上記実施形態では、軸線CL1に沿った主体金具3の先端からの中心電極側貴金属チップ31の突出長と、軸線CL1に沿った主体金具3の先端からの接地電極27の突出長とがほぼ等しいものとされているが、両突出長が相違していてもよい。
1…内燃機関用スパークプラグ、2…絶縁体としての絶縁碍子、3…主体金具、4…軸孔、5…中心電極、27…接地電極、31…中心電極側チップとしての中心電極側貴金属チップ、32…接地電極側チップとしての接地電極側貴金属チップ、61…切断手段、AL1…第1直線、AL2…第2直線、CL1…軸線、TS1…接地電極の先端面、TS2…接地電極側貴金属チップの先端面。

Claims (8)

  1. 棒状の中心電極と、
    前記中心電極の軸線方向に延びる軸孔を有するとともに、前記中心電極が前記軸孔に設けられた略円筒状の絶縁体と、
    前記絶縁体の外周に設けられた略円筒状の主体金具と、
    前記主体金具の先端部から延び、先端を前記軸線へ向けて、曲げられて配置された接地電極と、
    前記中心電極の先端に接合され、前記軸線方向に沿って延びる中心電極側チップと、
    前記接地電極の延伸方向の先端面に接合され、その先端面が前記中心電極側チップの側面部と対向する接地電極側チップとを備える内燃機関用スパークプラグであって、
    前記接地電極の前記主体金具の先端部との境界をなす基端面の中心点、及び、前記基端面の中心点から前記軸線方向に沿って先端側に0.5mm離間した位置における前記接地電極の断面の中心点を通る第1直線と、
    前記接地電極の先端面の中心点、及び、前記接地電極の先端面の中心点から前記軸線と直交する方向に沿って前記接地電極の基端部側に0.5mm離間した位置における前記接地電極の断面の中心点を通る第2直線とのなす角度θ1を120°以上140°以下とするとともに、
    前記接地電極側チップの先端面を含む平面と、前記軸線とのなす角度θ2を0°以上3°以下としたことを特徴とする内燃機関用スパークプラグ。
  2. 前記接地電極の先端面を含む平面と、前記軸線とのなす角度θ3を0°以上1°以下としたことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用スパークプラグ。
  3. 前記中心電極側チップは、当該中心電極側チップを構成する材料及び前記中心電極を構成する材料が相互に溶融されてなる溶融部によって前記中心電極に接合されており、
    前記接地電極側チップの先端面、及び、前記溶融部間の前記軸線方向に沿った距離を0.6mm以上としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関用スパークプラグ。
  4. 前記軸線と直交する方向に沿った、前記主体金具の内周面の先端と前記接地電極の先端面との間の距離を1.5mm以下としたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の内燃機関用スパークプラグ。
  5. 前記軸線と直交する方向に沿った、前記主体金具の内周面の先端と前記接地電極の先端面との間の距離を0.9mm以下としたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の内燃機関用スパークプラグ。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載のスパークプラグの製造方法であって、
    前記主体金具の先端部に固定された前記接地電極を屈曲させる屈曲工程と、
    前記接地電極の先端側を切断する切断工程と、
    前記接地電極の切断面に前記接地電極側チップを溶接する溶接工程と、
    前記中心電極が設けられた前記絶縁体を前記主体金具に挿通させた状態で、前記絶縁体を前記主体金具に固定する組付工程とを含み、
    前記切断工程においては、
    前記接地電極の切断面が前記軸線方向先端側から見た前記接地電極の延伸方向と直交するように、前記接地電極の先端側を切断して、当該切断面を略平坦面に形成することを特徴とするスパークプラグの製造方法。
  7. 前記切断工程においては、
    外周に切断する部分を有する切断手段を前記主体金具の中心軸に沿って移動させることで、前記接地電極の先端側を切断することを特徴とする請求項6に記載のスパークプラグの製造方法。
  8. 前記切断工程においては、
    外周に切断する部分を有する切断手段を前記主体金具の中心軸と直交する方向に沿って移動させることで、前記接地電極の先端側を切断することを特徴とする請求項6に記載のスパークプラグの製造方法。
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