JP2010012649A - 積層フィルムおよび農園芸用施設 - Google Patents

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Abstract

【課題】防曇性能に優れる積層フィルムを提供する。
【解決手段】少なくとも3層を有し、全層がエチレン系樹脂から形成されてなる積層フィルムであって、一方の表層をA層、他方の表層をB層、A層とB層との間に位置するその他の層をC層とするとき、以下の条件を全て満たすことを特徴とする積層フィルム。
(1)C層の厚みが、積層フィルムの厚みの50%以上70%以下
(2)CVAが0%以上8%以下
(3)AVAが、0%以上5%以下
(4)BVAが、0%以上1%以下
(5)AVA≧BVA
(6)該積層フィルム中の融点40℃以上の非イオン性界面活性剤濃度(重量%)が以下の範囲にある。
0≦CVA≦3%のとき 1.3%以上2%以下
3<CVA≦5%のとき 1.3%以上2.4%以下
5<CVA≦8%のとき 1.6%以上4%以下
【選択図】なし

Description

本発明は、積層フィルムおよび農園芸用施設に関する。
近年、自動車資材、建築資材、農業資材等、屋外で用いられる樹脂の需要量は飛躍的に増加している。例えば、農業資材としては、ハウス、トンネル等の施設の被覆に用いられる農業用フィルムが挙げられる。農業用フィルムとしては、従来、ポリ塩化ビニルフィルムや、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン系樹脂からなるフィルムが汎用的に使用されている。中でも最近では、軽量で、焼却時に有毒ガスが発生し難いポリオレフィン系樹脂フィルムが施設園芸用に広く普及している。施設園芸において良好な作物生育性を発現するため、これら農業用フィルムに要求される重要な性能の一つとして、園芸施設内外の温度差によって生じる園芸施設内面の結露を防止し、水滴を生成させない機能、すなわち防曇特性が挙げられる。
フィルムに防曇特性を付与する方法としては、フィルム中に防曇剤を練り込む方法や、フィルム表面に防曇剤を含む塗工液を塗布する方法が一般的である。防曇剤を練り込んだ農業用フィルムの例としては、特許文献1に開示されているような、エチレン・酢酸ビニル共重合体からなる外側層、超低密度エチレン・α−オレフィン共重合体と、防曇剤および/または霧発生防止剤を含む中間層、エチレン・酢酸ビニル共重合体と、防曇剤および/または霧発生防止剤を含む内側層から構成される積層フィルムが挙げられる。また特許文献2には、3層構造の防曇性オレフィン系農業用フィルムが開示されている。
特開平6−126911号公報 特開2000−188966号公報
上記したフィルム中に防曇剤を練り込むタイプの農業用フィルムは、エチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分としたポリエチレン系樹脂中に、ある種の界面活性剤を練り込みそれらがフィルム表面にブリードアウトすることで、防曇性能を付与するものであるが、開示されているエチレン−酢酸ビニル共重合体の添加量、酢酸ビニル由来の構成単位の濃度、界面活性剤の添加濃度等が広範囲にわたっており、当該範囲内の組合せでは、防曇性能を発現しないこともあった。
本発明は、フィルム中の界面活性剤含有量と、層毎の酢酸ビニル由来の構成単位の濃度について、その範囲を従来よりも具体的に特定することにより、防曇性能に優れる積層フィルム、および該積層フィルムが展張されてなる防曇性能に優れる農園芸用施設を提供するものである。
すなわち、本発明の第一は、少なくとも3層を有し、全層がエチレン系樹脂から形成されてなる積層フィルムであって、一方の表層をA層、他方の表層をB層、A層とB層との間に位置するその他の層をC層とするとき、以下の条件を全て満たすことを特徴とする積層フィルムである。
(1)C層の厚みが、積層フィルムの厚みの50%以上70%以下
(2)CVAが0%以上8%以下
ただし、CVA={(C層に含まれるエチレン・酢酸ビニル共重合体中の酢酸ビニル由来の構成単位の合計重量)/(C層の重量)}×100
(3)AVAが、0%以上5%以下
ただし、AVA={(A層に含まれるエチレン・酢酸ビニル共重合体中の酢酸ビニル由来の構成単位の合計重量)/(A層の重量)}×100
(4)BVAが、0%以上1%以下
ただし、BVA={(B層に含まれるエチレン・酢酸ビニル共重合体中の酢酸ビニル由来の構成単位の合計重量)/(B層の重量)}×100
(5)AVA≧BVA
(6)該積層フィルム中の融点40℃以上の非イオン性界面活性剤濃度(重量%)が以下の範囲にある。
0≦CVA≦3%のとき 1.3%以上2%以下
3<CVA≦5%のとき 1.3%以上2.4%以下
5<CVA≦8%のとき 1.6%以上4%以下
本発明の第二は、農業用フィルムであることを特徴とする前記積層フィルムである。
本発明の第三は、農園芸用施設用フレームに、前記農業用フィルムのA層が施設内側となるように展張することを特徴とする農園芸用施設である。
本発明の積層フィルムは、フィルム面に水滴が付着しにくい、防曇性能に優れるものである。また前記積層フィルムが展張されてなる本発明の農園芸用施設は、防曇性能に優れるものである。
防曇剤が練り込まれた積層フィルムは、フィルム中の防曇剤がフィルム表面に露出することで流滴性が発現するが、単に力学的強度、光学的特性の要求からフィルムを構成する樹脂種を選択し、防曇剤を練り込んだだけでは、防曇性能は発現するとは限らない。防曇性能を効率よく発現させるためには、防曇剤の樹脂に対する飽和溶解度から防曇剤添加濃度を決定し、更には添加量が最小になるようにフィルムの層構成を選定することが必要である。過剰に防曇剤を添加すると生産性が悪くなるばかりでなく、特に農業用フィルムとして使用する場合に必要とされる透明性が悪化してしまう。
積層フィルムの流滴性を最適にするためには、適正な層構成、防曇剤濃度が存在し、本発明はこれらを見出したものである。以下に本発明について詳細に説明する。
本発明の積層フィルムは、少なくとも3層を有し、全層がエチレン系樹脂から形成されてなる積層フィルムであって、一方の表層をA層、他方の表層をB層、A層とB層との間に位置するその他の層をC層とするとき、以下の条件を全て満たす積層フィルムである。
(1)C層の厚みが、積層フィルムの厚みの50%以上70%以下
(2)CVAが0%以上8%以下
ただし、CVA={(C層に含まれるエチレン・酢酸ビニル共重合体中の酢酸ビニル由来の構成単位の合計重量)/(C層の重量)}×100
(3)AVAが、0%以上5%以下
ただし、AVA={(A層に含まれるエチレン・酢酸ビニル共重合体中の酢酸ビニル由来の構成単位の合計重量)/(A層の重量)}×100
(4)BVAが、0%以上1%以下
ただし、BVA={(B層に含まれるエチレン・酢酸ビニル共重合体中の酢酸ビニル由来の構成単位の合計重量)/(B層の重量)}×100
(5)AVA≧BVA
(6)該積層フィルム中の融点40℃以上の非イオン性界面活性剤濃度(重量%)が以下の範囲にある。
0≦CVA≦3%のとき 1.3%以上2%以下
3<CVA≦5%のとき 1.3%以上2.4%以下
5<CVA≦8%のとき 1.6%以上4%以下
以下、各条件を詳細に説明する。
C層は単層であっても多層であってもよいが、いずれの場合においても、その厚みは積層フィルム全層の厚みの50%以上70%以下であり、好ましくは55%以上65%以下である。C層は通常、1〜3層である。
{(C層に含まれるエチレン・酢酸ビニル共重合体中の酢酸ビニル由来の構成単位の合計重量)/(C層の重量)}×100 をCVAとするとき、CVAは0%以上8%以下である。
{(A層に含まれるエチレン・酢酸ビニル共重合体中の酢酸ビニル由来の構成単位の合計重量)/(A層の重量)}×100 をAVAとするとき、フィルム強度や、フィルムを重ね合わせて保管した際のフィルム同士のブロッキング防止の観点から、AVAは0%以上5%以下である。
{(B層に含まれるエチレン・酢酸ビニル共重合体中の酢酸ビニル由来の構成単位の合計重量)/(B層の重量)}×100 をBVAとするとき、フィルム強度や、フィルムを重ね合わせて保管した際のフィルム同士のブロッキング防止の観点から、BVAは0%以上1%以下である。
なお、A層とB層とは、AVA≧BVAの関係を満たす。
本発明は、上記の積層フィルムにおいて、該積層フィルム中の融点40℃以上の非イオン性界面活性剤濃度(重量%)がそのフィルムの防曇特性に影響し、CVAによって融点40℃以上の非イオン性界面活性剤濃度の好適な範囲が異なることを見出し、その範囲を規定したものである。以下、本明細書において「非イオン性界面活性剤」と記載した場合、融点40℃以上の非イオン性界面活性剤を意味する。
上記の積層フィルムにおいて、該積層フィルム中の融点40℃以上の非イオン性界面活性剤濃度(重量%)は、CVAによって好適な範囲が異なり、以下の条件が適している。
0≦CVA≦3%のとき
積層フィルム中の非イオン性界面活性剤濃度は、フィルムの防曇性能と透明性のバランスの観点から、1.3%以上2%以下であり、1.4%以上1.8%以下が特に好ましい。
3<CVA≦5%のとき
積層フィルム中の非イオン性界面活性剤濃度は、フィルムの防曇性能と透明性のバランスの観点から、1.3%以上2.4%以下であり、1.5%以上2.2%以下が特に好ましい。
5<CVA≦8%のとき
積層フィルム中の非イオン性界面活性剤濃度は、フィルムの防曇性能と透明性のバランスの観点から、1.6%以上4%以下である。特に、AVAが4%以上5%以下であり、CVAが1.6%以上2.6%以下であることが好ましく、CVAが1.7%以上2.0%以下であることが特に好ましい。
積層フィルムにおける非イオン性界面活性剤の濃度は、以下の計算式で計算できる。
A層の層厚をTA、B層の層厚をTB、C層の層厚をTC、A層の非イオン性界面活性剤の濃度をXA、B層の非イオン性界面活性剤の濃度をXB、C層の非イオン性界面活性剤の濃度をXC、としたとき、フィルム中の非イオン性界面活性剤の濃度は
(XA×TA+XB×TB+XC×TC)/(TA+TB+TC)である。
本発明におけるエチレン・酢酸ビニル共重合体とは、エチレンから誘導される構成単位と、酢酸ビニルから誘導される構成単位を含むエチレン・酢酸ビニル共重合体である。
前記、AVA、BVA、CVAを調整するために、各層毎に、エチレン・酢酸ビニル共重合体を、エチレン系樹脂で希釈することができる。また各層は、エチレン系樹脂から構成されていればよく、エチレン・酢酸ビニル共重合体を含んでいなくてもよい。
前記のエチレン系樹脂としては、公知のエチレン系樹脂を用いることができ、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとの共重合体、などが例示できるが、これらに限定されるものではない。
炭素原子数3〜20のα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセンなどが挙げられる。より好ましくは、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセンなどが挙げられる。前記の炭素原子数3〜20のα−オレフィンは、2種以上を組み合わせてもよく、例えば、1−ブテンと4−メチル−1−ペンテン、1−ブテンと1−ヘキセン、1−ブテンと1−オクテン、1−ブテンと1−デセンなどが挙げられる。より好ましくは、1−ブテンと4−メチル−1−ペンテン、1−ブテンと1−ヘキセンが挙げられる。
本発明におけるエチレン・α−オレフィン共重合体として好ましくは、エチレンと炭素原子数5〜10のα−オレフィンとの共重合体、あるいはエチレンと1−ブテンと炭素原子数5〜10のα−オレフィンとの共重合体であり、さらに好ましくは、エチレンと炭素原子数6〜10のα−オレフィンとの共重合体、あるいはエチレンと1−ブテンと炭素原子数6〜10のα−オレフィンとの共重合体である。
本発明の積層フィルムは、防曇剤として、融点が40℃以上の非イオン性界面活性剤を含む。このような防曇剤として、具体的には、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノモンタネート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンジオレエート等のソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレンオキサイド付加物等のソルビタン系界面活性剤、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、ジグリセリンジステアレート、トリグリセリンモノステアレート、テトラグリセリンジモンタネート、グリセリンモノオレエート、ジグリセリンモノオレエート、ジグリセリンセスキオレエート、テトラグリセリンモノオレエート、ヘキサグリセリンモノオレエート、ヘキサグリセリントリオレエート、テトラグリセリントリオレエート、テトラグリセリンモノラウレート、ヘキサグリセリンモノラウレート等のグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレンオキサイド付加物等のグリセリン系界面活性剤、ポリエチレングリコールモノパルミテート、ポリエチレングリコールモノステアレート等のポリエチレングリコール系界面活性剤、アルキルフェノールのアルキレンオキシド付加物、ソルビタン/グリセリン縮合物と有機酸とのエステル、ポリオキシエチレン(2モル)ステアリルアミン、ポリオキシエチレン(4モル)ステアリルアミン、ポリオキシエチレン(2モル)ステアリルアミンモノステアレート、ポリオキシエチレン(4モル)ラウリルアミンモノステアレート等のポリオキシエチレンアルキルアミン及びその脂肪酸エステル等が挙げられる。これらは、単独で用いても2種類以上を併用してもよい。
本発明の積層フィルムは、前記した融点が40℃以上の非イオン性界面活性剤とは別に、グリセリンオレート、ジグリセリンオレートに代表される常温で液状の界面活性剤を含有してもよい。融点が40℃未満の上記液状界面活性剤の添加割合は、フィルムの防曇性能と透明性のバランスの観点から、該フィルムに含まれる全ての界面活性剤を100重量%とするとき、3%以上30%以下であることが好ましい。
本発明の積層フィルムは必要に応じて、前記防曇剤以外に公知の添加剤を含んでもよい。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、防霧剤、滑剤、抗ブロッキング剤、帯電防止剤、顔料、無機フィラー等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジアルキルフェノール誘導体や2−アルキルフェノール誘導体などのいわゆるヒンダードフェノール系化合物、フォスファイト系化合物、フォスフォナイト系化合物などの3価のリン原子を含むリン系エステル化合物が挙げられる。これら酸化防止剤は、単独で用いても2種類以上を併用してもよい。特に色相安定化の観点から、ヒンダードフェノール系化合物とリン系エステル化合物を併用して用いることが好ましい。また酸化防止剤は、各層の重量を100%とするとき、それぞれの層に0.01〜1重量%含まれることが好ましく、0.03〜0.5重量%含有されることがより好ましい。
光安定剤としては、例えば、特開平8−73667号公報に記載の構造を有するヒンダードアミン系化合物が挙げられ、具体的には、商品名チヌビン622−LD、キマソーブ944−LD(以上チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、ホスタビンN30、VP Sanduvor PR−31(以上クラリアント社製)、サイヤソーブUV3529、サイヤソーブUV3346(以上サイテック社製)などが挙げられる。さらには、特開平11−315067号公報に記載の構造を有する立体障害性アミンエーテル化合物が挙げられ、具体的には、商品名チヌビンNOR371(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)が挙げられる。各層に含まれる光安定剤の量は、0.01〜3重量%が好ましく、0.05〜2重量%がより好ましく、特に0.1〜1重量%が好ましい。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤等が挙げられ、これらは、単独で用いても2種類以上を併用してもよい。各層に含まれる紫外線吸収剤の量は、耐候性付与効果とフィルム表面へのブリード抑制の観点から、0.01〜3重量%が好ましく、0.03〜2重量%がより好ましい。
防霧剤としては、例えば、パ−フルオロアルキル基、ω−ヒドロフルオロアルキル基等を有するフッ素化合物(特にフッ素系界面活性剤)、またアルキルシロキサン基を有するシリコン系化合物(特にシリコン系界面活性剤)等が挙げられる。フッ素系界面活性剤の具体例としては、ダイキン工業(株)製のユニダインDS−403、DS−406、DS−401(商品名)、セイミケミカル(株)製のサーフロンKC−40(商品名)等が挙げられ、シリコン系界面活性剤としては、東レダウコーニングシリコン(株)社製のSH−3746(商品名)が挙げられる。これらは、単独で用いても2種類以上を併用してもよい。防霧剤の含有量は、0.01〜3重量%が好ましく、0.02〜2重量%がより好ましく、0.05〜1重量%が特に好ましい。防霧性能の観点から、防霧剤はA層に添加することが好ましい。
無機フィラーとしては、ハイドロタルサイト類化合物、リチウムアルミニウム複合水酸化物などの複合水酸化物が挙げられる。ハイドロタルサイト類化合物の具体例としては、例えば、天然ハイドロタルサイトや商品名:DHT−4A(協和化学工業製)、マグクリスタ(協和化学工業製)のような合成ハイドロタルサイトが挙げられる。リチウムアルミニウム複合水酸化物の具体例としては、例えば、ミズカラック(水澤化学工業製)、フジレイン(富士化学工業製)などが挙げられる。さらには、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化チタンなどの金属酸化物;水酸化リチウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウムなどの水酸化物;炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムなどの炭酸塩類;硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウムなどの硫酸塩類;リン酸リチウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸カルシウムリン酸ジルコニウム(例えば、特開平8−67774号公報に開示されたH型リン酸ジルコニウム)などのリン酸塩;珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸チタンなどの珪酸塩類;アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム、アルミン酸カルシウムなどのアルミン酸塩類;アルミノ珪酸ナトリウム、アルミノ珪酸カリウム、アルミノ珪酸カルシウムなどのアルミノ珪酸塩類;カオリン、クレー、タルクなどの粘土鉱物、その他複合酸化物などが挙げられる。
本発明の積層フィルムの厚みは、フィルム強度の観点から、0.01mm以上であることが好ましい。また、該積層フィルムを農園芸用施設の被覆フィルムとして用いる場合には、被覆作業性などの観点から、0.3mm以下が好ましく、0.03〜0.25mmの範囲がより好ましい。
本発明の積層フィルムの製造方法は特に限定されるものではない。各層を形成するための材料として、樹脂や添加剤を含む樹脂組成物を用いる場合には、樹脂と所望の添加剤とを、混合機を用いて混合して樹脂組成物を製造し、該樹脂組成物を用いて公知のフィルム成形方法にて製造することができる。混合機としては、例えば、リボンブレンダー、スーパーミキサー、バンバリーミキサー、1軸押出機、2軸押出機などの慣用的な装置を用いることができる。
積層フィルムを製造する方法としては、共押出インフレーション成形法、共押出T−ダイキャスティング成形法、押出ラミネーション成形法、ドライラミネーション成形法などが挙げられる。共押出インフレーション成形法により製造することが好ましい。本発明の農業用フィルムを共押出インフレーション成形法により製造する場合には、A層がインフレーションチューブの外側となるようにすることが好ましい。インフレーション成形によりフィルムを製造する場合、通常、インフレーションダイから筒状に押出されたフィルムの一箇所に、展張時に開けるように切り込み線を入れてフィルムを巻き取る。巻き取った状態では、筒状フィルムの内層同士が接している。該フィルムを農園芸用施設用フレームに展張して農園芸用施設とする場合には、巻き取った状態からフィルムを引き出し、切り込み線から開いて農園芸施設用フレームに展張する。その際の作業性を考慮すると、前記したようにA層がチューブの外側となるようにすることが好ましい。
本発明の積層フィルムは、農業用フィルム、すなわち植物栽培用の温室やトンネルなどの農園芸用施設の被覆フィルムとして好適である。特に、本発明の積層フィルムのA層が農園芸用施設の内側となるように農園芸用施設用フレームに展張し、農園芸用施設とすることが好ましい。このような農園芸用施設は、防曇特性に優れるため、作物の生育に適している。
さらに本発明の積層フィルムは、食品包装フィルムなどに代表される、フィルム内外の温度差によって生じる結露による水滴付着を阻止する用途にも使用することができる。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。なお実施例及び比較例中の試験方法は次の通りである。
<流滴性能評価法>
縦34×横5cmのアクリル製の枠にフィルムを両面テープで貼り付け、B層面が外気に触れ、A層面が水槽内蒸気に触れるように設置し、周囲をアルミテープで貼合した。前記フィルムを固定したアクリル製枠を、0℃の環境試験室内に置いた恒温水槽の上に、水平面に対して15度の傾斜をつけて設置し、水温を40℃に設定し、1週間後のフィルムの流滴性能を以下の基準で判定した。
○:フィルム面が均一に濡れている。
△:部分的に水滴が付着しているところがある。
×:全体に水滴が付着し、白く曇っている。
<添加剤マスターバッチの作製>
下記(1)および(2)に示した配合で各樹脂および添加剤を計量し、5Lバンバリーミキサーを用いて150℃で5分混練した後、造粒機により造粒して、添加剤マスターバッチペレットMB1〜MB3を得た。
MB1 A3/D1=75/25
MB2 A3/C1/F1=49/48/3
MB3 A3/F1/H1=95.6/4/0.4
なお、略号の意味は以下のとおりである。
A3:スミカセン F200−0 住友化学(株)製(低密度ポリエチレン)
C1: リチウムアルミニウム複合水酸化物(商品名:ミズカラック 水沢化学工業製)
D1:非イオン系界面活性剤 商品名 リケマールSTR100 理研ビタミン製(融点40〜70℃の混合物:95%、融点40℃未満の混合物:5%)
F1:ヒンダードアミン系化合物(商品名:チヌビン111FDL チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
H1:フッ素系界面活性剤(商品名:ユ二ダインDS403 ダイキン工業製)
<フィルム作製用ペレットブレンドの作成>
表1に示した処方に従い、各樹脂、およびMB1〜MB3をドライブレンドした。
<農業用フィルムの作製>
各層用に40mm押出機を備えた3層インフレーション成形機で、100mmφダイス、1.2mmリップを用い、加工温度180℃にて、A層が20μm、C層が60μm、B層が20μmとなるようにダイスからの吐出量を調整して三層のチューブ状フィルムを成形し、切り開いて3層の積層フィルムを得た。なお、チューブ状フィルムの内層がB層、外層がA層となるようにした。
[評価]
前記した方法で各フィルムの流滴性能評価を行なった。結果を表に示した。
なお、表に記載した略号は以下のとおりである。
A1:特開2007−289147号、実施例に記載のA1ペレット(エチレン・1−ヘキセン共重合体)
A2:特開2007−289147号、実施例に記載のA2ペレット(エチレン・1−ヘキセン共重合体)
A4:スミカセンE FV203 住友化学(株)製(エチレン・1−ヘキセン共重合体)
B1:エバテートH2020(エチレン・酢酸ビニル共重合体、MFR=1、酢酸ビニル由来の構成単位の含量15重量%) 住友化学製
Figure 2010012649
Figure 2010012649
Figure 2010012649
Figure 2010012649
Figure 2010012649

Claims (4)

  1. 少なくとも3層を有し、全層がエチレン系樹脂から形成されてなる積層フィルムであって、一方の表層をA層、他方の表層をB層、A層とB層との間に位置するその他の層をC層とするとき、以下の条件を全て満たすことを特徴とする積層フィルム。
    (1)C層の厚みが、積層フィルムの厚みの50%以上70%以下
    (2)CVAが0%以上8%以下
    ただし、CVA={(C層に含まれるエチレン・酢酸ビニル共重合体中の酢酸ビニル由来の構成単位の合計重量)/(C層の重量)}×100
    (3)AVAが、0%以上5%以下
    ただし、AVA={(A層に含まれるエチレン・酢酸ビニル共重合体中の酢酸ビニル由来の構成単位の合計重量)/(A層の重量)}×100
    (4)BVAが、0%以上1%以下
    ただし、BVA={(B層に含まれるエチレン・酢酸ビニル共重合体中の酢酸ビニル由来の構成単位の合計重量)/(B層の重量)}×100
    (5)AVA≧BVA
    (6)該積層フィルム中の融点40℃以上の非イオン性界面活性剤濃度(重量%)が以下の範囲にある。
    0≦CVA≦3%のとき 1.3%以上2%以下
    3<CVA≦5%のとき 1.3%以上2.4%以下
    5<CVA≦8%のとき 1.6%以上4%以下
  2. 請求項1記載の積層フィルムにおいて、5<CVA≦8%のとき、AVAが4%以上5%以下であり、該積層フィルム中の融点40℃以上の非イオン性界面活性剤濃度が1.6%以上2.6%以下であることを特徴とする積層フィルム。
  3. 農業用フィルムであることを特徴とする請求項1または2記載に記載の積層フィルム。
  4. 農園芸用施設用フレームに、請求項3に記載の農業用フィルムのA層が施設内側となるように展張することを特徴とする農園芸用施設。
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