JP2010010078A - 非水電解液 - Google Patents
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Abstract
【課題】電池特性(充放電サイクル特性、高放電容量など)、不燃性(難燃性)、炭化水素系カーボネート類等の他の溶媒との相溶性などの特性をバランスよく有する非水電解液を提供する。
【解決手段】(I)(A)式(1):HCF2CF2CH2OCF2CClFHで示される含フッ素含塩素エーテル、(B)環状カーボネート、および(C)鎖状カーボネート
を含む電解質塩溶解用溶媒、ならびに(II)電解質塩を含む非水電解液。
【選択図】図1
【解決手段】(I)(A)式(1):HCF2CF2CH2OCF2CClFHで示される含フッ素含塩素エーテル、(B)環状カーボネート、および(C)鎖状カーボネート
を含む電解質塩溶解用溶媒、ならびに(II)電解質塩を含む非水電解液。
【選択図】図1
Description
本発明は、リチウム二次電池用に適した非水電解液に関する。
リチウム二次電池用の非水電解液に使用する電解質塩溶解用溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどの環状カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネートなどの鎖状カーボネートが汎用されている。しかしこれらの炭化水素系カーボネート類は引火点が低く燃焼性が高いため、特にハイブリッド自動車用や分散電源用の大型リチウム二次電池では、非水電解液の不燃性の向上が安全確保の上で重要な課題となっている。
非水電解液としての性能を落とさずに不燃性(難燃性)を高めるために、フッ素系溶媒を添加することも提案されている(特許文献1〜12)が、電池特性(充放電サイクル特性、高放電容量など)、不燃性(難燃性)、炭化水素系カーボネート類等の他の溶媒成分との相溶性などの特性をバランスよく有する非水電解液が期待されている。
本発明は、こうした従来の問題点を解決しようとするものであり、電池特性(充放電サイクル特性、高放電容量など)、不燃性(難燃性)、炭化水素系カーボネート類等の他の溶媒との相溶性などの特性をバランスよく有する非水電解液を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、環状カーボネートと鎖状カーボネートを併用する非水電解液において、末端のフッ素原子を1個だけ塩素原子に置換した特定の含フッ素含塩素エーテルが、鎖状カーボネート全般に対して溶解性が優れ、しかも、耐酸化性、電池特性、安全性において、従来不燃性の向上用に提案されているHCF2CF2CH2OCF2CF2Hと同等の特性を発揮することを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、
(I)(A)式(1):HCF2CF2CH2OCF2CClFHで示される含フッ素含塩素エーテル、
(B)環状カーボネート、および
(C)鎖状カーボネート
を含む電解質塩溶解用溶媒、ならびに
(II)電解質塩
を含む非水電解液に関する。
(I)(A)式(1):HCF2CF2CH2OCF2CClFHで示される含フッ素含塩素エーテル、
(B)環状カーボネート、および
(C)鎖状カーボネート
を含む電解質塩溶解用溶媒、ならびに
(II)電解質塩
を含む非水電解液に関する。
本発明の非水電解液において、電解質塩溶解用溶媒(I)が、溶媒(I)全体に対して、含フッ素含塩素エーテル(A)を10〜60体積%、環状カーボネート(B)を3〜40体積%および鎖状カーボネート(C)を10〜60体積%含み、電解質塩(II)としてLiPF6、LiBF4、LiN(O2SCF3)2およびLiN(O2SC2F5)2よりなる群から選ばれる少なくとも1種を0.8モル/リットル以上の濃度で含むことが、電池特性が良好な点から好ましい。
かかる非水電解液はリチウム二次電池用の非水電解液として好適である。
本発明はまた、正極、負極、セパレータおよび本発明の非水電解液を備えてなるリチウム二次電池にも関する。
本発明によれば、電池特性(充放電サイクル特性、高放電容量など)、不燃性(難燃性)、炭化水素系カーボネート類等の他の溶媒との相溶性などの特性をバランスよく有する非水電解液およびリチウム二次電池を提供することができる。
本発明の非水電解液は、特定の成分を含む電解質塩溶解用溶媒(I)と電解質塩(II)とを含有する。
電解質塩溶解用溶媒(I)は、
(A)式(1):HCF2CF2CH2OCF2CClFHで示される含フッ素含塩素エーテル、
(B)環状カーボネート、および
(C)鎖状カーボネート
を含む。
(A)式(1):HCF2CF2CH2OCF2CClFHで示される含フッ素含塩素エーテル、
(B)環状カーボネート、および
(C)鎖状カーボネート
を含む。
以下、各溶媒成分(A)〜(C)について説明する。
(A)式(1):HCF2CF2CH2OCF2CClFHで示される含フッ素含塩素エーテル:
この含フッ素含塩素エーテル(A)は、たとえばHCF2CF2CH2OHとクロロトリフルオロエチレンを反応させることにより容易に製造できる。
この含フッ素含塩素エーテル(A)は、たとえばHCF2CF2CH2OHとクロロトリフルオロエチレンを反応させることにより容易に製造できる。
従来公知のHCF2CF2CH2OCF2CF2HはDMCやMECに対する溶解性は良好であるが、同じ鎖状カーボネートであるDECに対しての溶解性が低いため、非水電解液の処方が制限されていた。本発明で用いる含フッ素含塩素エーテル(A)は、DECも含め鎖状カーボネート全般に対して溶解性に優れており、非水電解液の処方の幅を大きく広げることができる。
また、耐酸化性、電池特性(レート特性、サイクル特性など)、安全性(過充電安全性など)についても、HCF2CF2CH2OCF2CF2Hと同等の特性が得られる。
(B)環状カーボネート:
非フッ素系環状カーボネート(B1)でもフッ素系環状カーボネート(B2)でも、これらの併用でもよい。これらのうち、電解質塩(II)の溶解性の向上、イオン解離性の向上といった効果が特に顕著に得られる点から非フッ素系環状カーボネート(B1)が好ましい。
非フッ素系環状カーボネート(B1)でもフッ素系環状カーボネート(B2)でも、これらの併用でもよい。これらのうち、電解質塩(II)の溶解性の向上、イオン解離性の向上といった効果が特に顕著に得られる点から非フッ素系環状カーボネート(B1)が好ましい。
非フッ素系環状カーボネート(B1)としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)およびビニレンカーボネート(VC)よりなる群から選ばれる少なくとも1種が、イオン解離性、低粘性、誘電率が良好な点から好ましい。なお、これらのうち、ビニレンカーボネートは負極の炭素表面の被膜形成材料として添加され、その添加量は5体積%以下であることが好ましい。
フッ素系環状カーボネート(B2)は、不燃性(安全性)の向上効果を与える点で有用である。
フッ素系環状カーボネート(B2)としては、たとえばトリフルオロエチレンカーボネート、3−モノフルオロプロピレンカーボネートなどが例示できる。
(C)鎖状カーボネート:
非フッ素系鎖状カーボネート(C1)でもフッ素系鎖状カーボネート(C2)でも、これらの併用でもよい。これらのうち、電解質塩(II)の電池容量の向上、レート特性の向上、低温特性の向上といった効果が得られる点から非フッ素系鎖状カーボネート(C1)が好ましい。
非フッ素系鎖状カーボネート(C1)でもフッ素系鎖状カーボネート(C2)でも、これらの併用でもよい。これらのうち、電解質塩(II)の電池容量の向上、レート特性の向上、低温特性の向上といった効果が得られる点から非フッ素系鎖状カーボネート(C1)が好ましい。
非フッ素系鎖状カーボネート(C1)としては、式(C1):
R1OCOOR2
(式中、R1およびR2は同じかまたは異なり、炭素数1〜4のアルキル基)で示される化合物が、低粘性、他溶媒との相溶性が良好な点から好ましい。
R1OCOOR2
(式中、R1およびR2は同じかまたは異なり、炭素数1〜4のアルキル基)で示される化合物が、低粘性、他溶媒との相溶性が良好な点から好ましい。
具体例としては、たとえばジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、メチルプロピルカーボネートなどがあげられ、なかでもDEC、DMC、MECが、他溶媒との相溶性、レート特性が良好な点から好ましい。
フッ素系鎖状カーボネート(C2)は、非フッ素系鎖状カーボネートよりも引火点が高いため不燃性(安全性)の向上効果を与える点で有用である。
フッ素系鎖状カーボネート(C2)としては、たとえば2,2,2−トリフルオロエチルメチルカーボネート、2,2,2−トリフルオロエチルエチルカーボネート、3,3,2,2−テトラフルオロプロピルエチルカーボネートなどが例示できる。
本発明の非水電解液において、含フッ素含塩素エーテル(A)は、電解質塩溶解用溶媒(I)全体に対して、10〜60体積%含まれることが好ましい。含フッ素含塩素エーテル(A)の量が少なくなると不燃性、レート特性などが低下する傾向にあり、多くなると相分離したり放電容量が低下したりする傾向にある。難燃性およびレート特性が良好な点から、さらには10〜40体積%、特に20〜40体積%含まれることが好ましい。
本発明の非水電解液において、環状カーボネート(B)は、電解質塩溶解用溶媒(I)全体に対して、3〜40体積%含まれることが好ましい。環状カーボネート(B)の量が少なくなると放電容量、サイクル特性などが低下する傾向にあり、多くなると相分離する傾向にある。放電容量、サイクル特性が良好な点から、さらには5〜35体積%、特に8〜30体積%含まれることが好ましい。
本発明の非水電解液において、鎖状カーボネート(C)は、電解質塩溶解用溶媒(I)全体に対して、10〜60体積%含まれることが好ましい。鎖状カーボネート(C)の量が少なくなると放電容量、サイクル特性、低温特性などが低下する傾向にあり、多くなると鎖状カーボネート、特に非フッ素系鎖状カーボネートの引火点が低いため安全性が低下する傾向とサイクル特性が低下する傾向にある。放電容量、レート特性、低温特性が良好な点から、さらには10〜40体積%、特に20〜40体積%含まれることが好ましい。
本発明の非水電解液において、HCF2CF2CH2OCF2CF2Hなどの含フッ素エーテルを電池特性が低下しない量であれば併用してもよい。
本発明において、必要に応じて有機溶媒として、過充電防止作用を有するヘキサフルオロベンゼン、フルオロベンゼン、トルエン、シクロヘキシルベンゼンなども使用できるが、その場合、上記含フッ素含塩素エーテル(A)、環状カーボネート(B)、鎖状カーボネート(C)といった各成分によってもたらされる利点および改善を排除しない量であることが好ましい。その量は電解液全体に対して0.5〜10重量%の範囲で使用できる。また、サイクル特性向上作用を有するモノフルオロエチレンカーボネートを本発明の効果を阻害しない量、たとえば電解液全体に対して0.1〜10重量%の範囲で使用してもよいし、難燃性向上作用を有するリン酸エステル類を本発明の効果を阻害しない量、たとえば電解液全体に対して0.1〜10重量%の範囲で使用してもよい。
つぎに電解質塩(II)について説明する。
本発明の非水電解液に使用する電解質塩(II)としては、たとえばLiAsF6、LiClO4、LiPF6、LiBF4、LiN(O2SCF3)2、LiN(O2SC2F5)2またはこれらの組合せがあげられ、LiPF6、LiBF4、LiN(O2SCF3)2、LiN(O2SC2F5)2またはこれらの組合せが電池特性が良好である点から好ましく、特にLiPF6および/またはLiN(O2SCF3)2がサイクル寿命を向上させるという観点から好ましい。
電解質塩(II)の濃度は、要求される電池特性を達成するためには、0.8モル/リットル以上、さらには1.0モル/リットル以上が必要である。上限は電解質塩溶解用有機溶媒(I)にもよるが、通常1.5モル/リットルである。
本発明の非水電解液には、さらに電池の高容量化を図るために、界面活性剤(D)を配合してもよい。界面活性剤(D)の配合量は、充放電サイクル特性を低下させずに電解液の表面張力を低下させるという点から、溶媒(I)全体に対して5質量%以下であり、さらには3質量%以下、特に0.05〜2質量%が好ましい。
界面活性剤(D)としては、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤のいずれでもよいが、含フッ素界面活性剤が、サイクル特性、レート特性が良好な点から好ましい。
たとえば、式(D1a):
RfaCOO-M+
(式中、Rfaは炭素数4〜20の含フッ素アルキル基、M+はアルカリ金属カチオンまたはNHR'3 +(R'は同じかまたは異なり、いずれもHまたは炭素数が1〜3のアルキル基))で示される含フッ素カルボン酸塩、および/または
式(D2a):
RfaSO3 -M+
(式中、Rfaは炭素数4〜20の含フッ素アルキル基、M+はアルカリ金属カチオンまたはNHR'3 +(R'は同じかまたは異なり、いずれもHまたは炭素数が1〜3のアルキル基))で示される含フッ素スルホン酸塩、さらには
式(D1b):
RfbCOO-M+
(式中、Rfbは炭素数4〜20の含フッ素エーテル基、M+はアルカリ金属カチオンまたはNHR'3 +(R'は同じかまたは異なり、いずれもHまたは炭素数が1〜3のアルキル基))で示される含フッ素カルボン酸塩、および/または
式(D2b):
RfbSO3 -M+
(式中、Rfbは炭素数4〜20の含フッ素エーテル基、M+はアルカリ金属カチオンまたはNHR'3 +(R'は同じかまたは異なり、いずれもHまたは炭素数が1〜3のアルキル基))で示される含フッ素スルホン酸塩
の1種または2種以上が好ましく例示できる。
RfaCOO-M+
(式中、Rfaは炭素数4〜20の含フッ素アルキル基、M+はアルカリ金属カチオンまたはNHR'3 +(R'は同じかまたは異なり、いずれもHまたは炭素数が1〜3のアルキル基))で示される含フッ素カルボン酸塩、および/または
式(D2a):
RfaSO3 -M+
(式中、Rfaは炭素数4〜20の含フッ素アルキル基、M+はアルカリ金属カチオンまたはNHR'3 +(R'は同じかまたは異なり、いずれもHまたは炭素数が1〜3のアルキル基))で示される含フッ素スルホン酸塩、さらには
式(D1b):
RfbCOO-M+
(式中、Rfbは炭素数4〜20の含フッ素エーテル基、M+はアルカリ金属カチオンまたはNHR'3 +(R'は同じかまたは異なり、いずれもHまたは炭素数が1〜3のアルキル基))で示される含フッ素カルボン酸塩、および/または
式(D2b):
RfbSO3 -M+
(式中、Rfbは炭素数4〜20の含フッ素エーテル基、M+はアルカリ金属カチオンまたはNHR'3 +(R'は同じかまたは異なり、いずれもHまたは炭素数が1〜3のアルキル基))で示される含フッ素スルホン酸塩
の1種または2種以上が好ましく例示できる。
Rfaとしては炭素数4〜20の含フッ素アルキル基が、Rfbとしては炭素数4〜20の含フッ素エーテル基が、電解液の表面張力を低下させる度合いが良好な点から好ましく、特に炭素数4〜8の含フッ素アルキル基が溶解性に優れる点から好ましい。
M+のアルカリ金属としては、Li、Na、Kが好ましく、M+としては特にNH4 +が好ましい。
含フッ素カルボン酸塩(D1a)の具体例としては、たとえばC4F9COO-NH4 +、C5F11COO-NH4 +、C6F13COO-NH4 +、C7F15COO-NH4 +、C8F17COO-NH4 +、C9F19COO-NH4 +、
C4F9COO-NH(CH3)3 +、C5F11COO-NH(CH3)3 +、C6F13COO-NH(CH3)3 +、C7F15COO-NH(CH3)3 +、C8F17COO-NH(CH3)3 +、C9F19COO-NH(CH3)3 +、C4F9COO-Li+、C5F11COO-Li+、C6F13COO-Li+、C7F15COO-Li+、C8F17COO-Li+、C9F19COO-Li+などがあげられ、なかでも電解液への溶解性、表面張力の低下効果が良好な点から、C5F11COO-NH4 +、C7F15COO-NH4 +、C5F11COO-Li+、C6F13COO-Li+が好ましい。
C4F9COO-NH(CH3)3 +、C5F11COO-NH(CH3)3 +、C6F13COO-NH(CH3)3 +、C7F15COO-NH(CH3)3 +、C8F17COO-NH(CH3)3 +、C9F19COO-NH(CH3)3 +、C4F9COO-Li+、C5F11COO-Li+、C6F13COO-Li+、C7F15COO-Li+、C8F17COO-Li+、C9F19COO-Li+などがあげられ、なかでも電解液への溶解性、表面張力の低下効果が良好な点から、C5F11COO-NH4 +、C7F15COO-NH4 +、C5F11COO-Li+、C6F13COO-Li+が好ましい。
含フッ素カルボン酸塩(D1b)の具体例としては、C3F7OCF(CF3)COO-NH4 +、C3F7OCF(CF3)CF2OCF(CF3)COO-NH4 +、C3F7OCF(CF3)COO-NH(CH3)3 +、C3F7OCF(CF3)CF2OCF(CF3)COO-NH(CH3)3 +、C3F7OCF(CF3)COO-Li+、C3F7OCF(CF3)CF2OCF(CF3)COO-Li+などがあげられ、なかでも電解液への溶解性、表面張力の低下効果が良好な点から、C3F7OC(CF3)FCOO-NH4 +、C3F7OCF(CF3)CF2OCF(CF3)COO-NH4 +、C3F7OCF(CF3)COO-Li+、C3F7OCF(CF3)CF2OCF(CF3)COO-Li+が好ましい。
含フッ素スルホン酸塩(D2a)の具体例としては、たとえばC4F9SO3 -NH4 +、C5F11SO3 -NH4 +、C6F13SO3 -NH4 +、C7F15SO3 -NH4 +、C8F17SO3 -NH4 +、C9F19SO3 -NH4 +、C4F9SO3 -NH(CH3)3 +、C5F11SO3 -NH(CH3)3 +、C6F13SO3 -NH(CH3)3 +、C7F15SO3 -NH(CH3)3 +、C8F17SO3 -NH(CH3)3 +、C9F19SO3 -NH(CH3)3 +、C4F9SO3 -Li+、C5F11SO3 -Li+、C6F13SO3 -Li+、C7F15SO3 -Li+、C8F17SO3 -Li+、C9F19SO3 -Li+などがあげられ、なかでも電解液への溶解性、表面張力の低下効果が良好な点から、C4F9SO3 -NH4 +、C6F13SO3 -NH4 +、C8F17SO3 -NH4 +、C4F9SO3 -Li+、C6F13SO3 -Li+、C8F17SO3 -Li+が好ましい。
含フッ素スルホン酸塩(D2b)の具体例としては、たとえばC3F7OC(CF3)FCF2OC(CF3)FSO3 -NH4 +、C3F7OC(CF3)FCF2OC(CF3)FCF2OC(CF3)FSO3 -NH4 +、HCF2CF2OCF2CF2SO3 -NH4 +、CF3CFHCF2OCF2CF2SO3 -NH4 +、C3F7OC(CF3)FSO3 -NH4 +、C3F7OC(CF3)FCF2OC(CF3)FSO3 -NH(CH3)3 +、C3F7OC(CF3)FCF2OC(CF3)FCF2OC(CF3)FSO3 -NH(CH3)3 +、HCF2CF2OCF2CF2SO3 -NH(CH3)3 +、CF3CFHCF2OCF2CF2SO3 -NH(CH3)3 +、C3F7OC(CF3)FSO3 -NH(CH3)3 +、C3F7OC(CF3)FCF2OC(CF3)FSO3 -Li+、C3F7OC(CF3)FCF2OC(CF3)FCF2OC(CF3)FSO3 -Li+、HCF2CF2OCF2CF2SO3 -Li+、CF3CFHCF2OCF2CF2SO3 -Li+、C3F7OC(CF3)FSO3 -Li+などがあげられ、なかでも電解液への溶解性、表面張力の低下効果が良好な点から、C3F7OC(CF3)FCF2OC(CF3)FSO3 -NH4 +、C3F7OC(CF3)FCF2OC(CF3)FSO3 -Li+、C3F7OC(CF3)FSO3 -NH4 +、C3F7OC(CF3)FSO3 -Li+が好ましい。
そのほか、電極との濡れ性を向上するためにアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤などの界面活性剤を本発明の特性を損なわない範囲で添加することができる。
本発明の電解液は、以上のような構成を備えることから、不燃性(難燃性)でかつ電池特性(充放電サイクル特性、放電容量)に優れる。さらに本発明の電解液によれば、低温でも相分離し難いこと、耐熱性に優れること、電解質塩の溶解性が高いこと、電池容量が向上し、レート特性に優れることを期待することもできる。
本発明の電解液は、容量やレート特性を向上させる点から、リチウム二次電池用として好適であり、正極、負極、セパレータと本発明の電解液を備えるリチウム二次電池を提供できる。
正極に使用する正極活物質としては特に制限されないが、コバルト系複合酸化物、ニッケル系複合酸化物、マンガン系複合酸化物、鉄系複合酸化物およびバナジウム系複合酸化物よりなる群から選ばれる少なくとも1種を用いるとき、エネルギー密度の高く、高出力のリチウム二次電池となることから好ましい。
コバルト系複合酸化物としては、LiCoO2が例示され、ニッケル系複合酸化物としては、LiNiO2が例示され、マンガン系複合酸化物としては、LiMnO2が例示される。また、LiCoxNi1-xO2(0<x<1)やLiCoxMn1-xO2(0<x<1)、LiNixMn1-xO2(0<x<1)、LiNixMn2-xO4(0<x<2)、LiNi1-x-yCoxMnyO2(0<x<1、0<y<1、0<x+y<1)で表されるCoNi、CoMn、NiMn、NiCoMnの複合酸化物でも良い。これらのリチウム含有複合酸化物は、Co、Ni、Mnなどの金属元素の一部が、Mg、Al、Zr、Ti、Crなどの1種以上の金属元素で置換されたものであってもよい。
また、鉄系複合酸化物としては、たとえばLiFeO2、LiFePO4が例示され、バナジウム系複合酸化物としては、たとえばV2O5が例示される。
正極活物質として、上記の複合酸化物のなかでも、容量を高くすることができる点から、ニッケル系複合酸化物またはコバルト系複合酸化物が好ましい。特に小型リチウム二次電池では、コバルト系複合酸化物を用いることはエネルギー密度が高い点と安全性の面から望ましい。本発明において特にハイブリッド自動車用や分散電源用の大型リチウム二次電池に使用される場合は、高出力が要求されるため、正極活物質の粒子は二次粒子が主体となり、その二次粒子の平均粒子径が40μm以下で平均一次粒子径1μm以下の微粒子を0.5〜7.0体積%含有することが好ましい。
平均一次粒子径が1μm以下の微粒子を含有させることにより電解液との接触面積が大きくなり電極と電解液の間でのリチウムイオンの拡散をより早くすることができ出力性能を向上させることができる。
本発明で負極に使用する負極活物質は炭素材料があげられ、リチウムイオンを挿入可能な金属酸化物や金属窒化物などもあげられる。炭素材料としては天然黒鉛、人造黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、メソカーボンマイクロビーズ、炭素ファイバー、活性炭、ピッチ被覆黒鉛などがあげられ、リチウムイオンを挿入可能な金属酸化物としては、スズやケイ素、チタンを含む金属化合物、たとえば酸化スズ、酸化ケイ素、チタン酸リチウムなどがあげられ、金属窒化物としては、Li2.6Co0.4Nなどがあげられる。
正極活物質と負極活物質との組合せとしては、正極活物質がコバルト酸リチウムで負極活物質が黒鉛の組合せ、正極活物質がニッケル系複合酸化物で負極活物質が黒鉛の組合せが容量が増大する点から好ましい。
本発明に使用できるセパレータは特に制限はなく、微孔性ポリエチレンフィルム、微孔性ポリプロピレンフィルム、微孔性エチレン−プロピレンコポリマーフィルム、微孔性ポリプロピレン/ポリエチレン2層フィルム、微孔性ポリプロピレン/ポリエチレン/ポリプロピレン3層フィルムなどがあげられる。また、Liデントライトによって起こる短絡などを防止して安全性の向上を図るために作られたセパレータ上にアラミド樹脂を塗布したフィルム、またはポリアミドイミドおよびアルミナフィラーを含む樹脂をセパレータ上に塗布したフィルムなどもあげられる。
また、本発明の電解液は、不燃性であることから、上記のハイブリッド自動車用や分散電源用の大型リチウム二次電池用の電解液として特に有用であるが、そのほか小型のリチウムイオン電池、アルミニウム電解コンデンサ用電解液、電気二重層キャパシタ用電解液などの非水電解液としても有用である。
そのほか、本発明の電解液は、たとえば電解コンデンサ、エレクトロルミネッセンスなどの固体表示素子、電流センサーなどのセンサーなどに使用することができる。
つぎに本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
なお、以下の実施例および比較例で使用した各化合物は以下のとおりである。
成分(A)
(A1):HCF2CF2CH2OCF2CClFH
(A2):HCF2CF2CH2OCF2CF2H
成分(B)
(B1):エチレンカーボネート
(B2):プロピレンカーボネート
成分(C)
(C1):ジメチルカーボネート
(C2):メチルエチルカーボネート
(C3):ジエチルカーボネート
成分(A)
(A1):HCF2CF2CH2OCF2CClFH
(A2):HCF2CF2CH2OCF2CF2H
成分(B)
(B1):エチレンカーボネート
(B2):プロピレンカーボネート
成分(C)
(C1):ジメチルカーボネート
(C2):メチルエチルカーボネート
(C3):ジエチルカーボネート
実施例1
成分(A)としてHCF2CF2CH2OCF2CClFH(A1)、成分(B)としてエチレンカーボネート(B1)、成分(C)としてジメチルカーボネート(C1)を60/20/20体積%比となるように混合し、この電解質塩溶解用溶媒にさらに電解質塩としてLiPF6を1.0モル/リットルの濃度となるように加え、25℃にて充分に撹拌し本発明の非水電解液を調製した。
成分(A)としてHCF2CF2CH2OCF2CClFH(A1)、成分(B)としてエチレンカーボネート(B1)、成分(C)としてジメチルカーボネート(C1)を60/20/20体積%比となるように混合し、この電解質塩溶解用溶媒にさらに電解質塩としてLiPF6を1.0モル/リットルの濃度となるように加え、25℃にて充分に撹拌し本発明の非水電解液を調製した。
実施例2
(A1)/(B1)/(C1)の混合割合を50/40/10体積%としたほかは実施例1と同様にして本発明の非水電解液を調製した。
(A1)/(B1)/(C1)の混合割合を50/40/10体積%としたほかは実施例1と同様にして本発明の非水電解液を調製した。
実施例3
(A1)/(B1)/(C1)の混合割合を4/50/10体積%としたほかは実施例1と同様にして本発明の非水電解液を調製した。
(A1)/(B1)/(C1)の混合割合を4/50/10体積%としたほかは実施例1と同様にして本発明の非水電解液を調製した。
実施例4
成分(C)としてメチルエチルカーボネート(C2)とジエチルカーボネート(C3)とを1:2(体積比)混合し、(A1)/(B1)/((C2)+(C3))の混合割合を60/10/30体積%としたほかは実施例1と同様にして本発明の非水電解液を調製した。
成分(C)としてメチルエチルカーボネート(C2)とジエチルカーボネート(C3)とを1:2(体積比)混合し、(A1)/(B1)/((C2)+(C3))の混合割合を60/10/30体積%としたほかは実施例1と同様にして本発明の非水電解液を調製した。
実施例5
成分(C)としてメチルエチルカーボネート(C2)とジエチルカーボネート(C3)とを1:2(体積比)混合し、(A1)/(B1)/((C2)+(C3))の混合割合を40/30/30体積%としたほかは実施例1と同様にして本発明の非水電解液を調製した。
成分(C)としてメチルエチルカーボネート(C2)とジエチルカーボネート(C3)とを1:2(体積比)混合し、(A1)/(B1)/((C2)+(C3))の混合割合を40/30/30体積%としたほかは実施例1と同様にして本発明の非水電解液を調製した。
実施例6
成分(C)としてメチルエチルカーボネート(C2)とジエチルカーボネート(C3)とを1:2(体積比)混合し、(A1)/(B1)/((C2)+(C3))の混合割合を30/40/30体積%としたほかは実施例1と同様にして本発明の非水電解液を調製した。
成分(C)としてメチルエチルカーボネート(C2)とジエチルカーボネート(C3)とを1:2(体積比)混合し、(A1)/(B1)/((C2)+(C3))の混合割合を30/40/30体積%としたほかは実施例1と同様にして本発明の非水電解液を調製した。
比較例1
実施例1において、成分(A1)に代えて、HCF2CF2CH2OCF2CF2H(A2)を用いたほかは同様にして比較用の非水電解液を調製した。
実施例1において、成分(A1)に代えて、HCF2CF2CH2OCF2CF2H(A2)を用いたほかは同様にして比較用の非水電解液を調製した。
比較例2
実施例2において、成分(A1)に代えて、HCF2CF2CH2OCF2CF2H(A2)を用いたほかは同様にして比較用の非水電解液を調製した。
実施例2において、成分(A1)に代えて、HCF2CF2CH2OCF2CF2H(A2)を用いたほかは同様にして比較用の非水電解液を調製した。
比較例3
実施例3において、成分(A1)に代えて、HCF2CF2CH2OCF2CF2H(A2)を用いたほかは同様にして比較用の非水電解液を調製した。
実施例3において、成分(A1)に代えて、HCF2CF2CH2OCF2CF2H(A2)を用いたほかは同様にして比較用の非水電解液を調製した。
比較例4
実施例4において、成分(A1)に代えて、HCF2CF2CH2OCF2CF2H(A2)を用いたほかは同様にして比較用の非水電解液を調製した。
実施例4において、成分(A1)に代えて、HCF2CF2CH2OCF2CF2H(A2)を用いたほかは同様にして比較用の非水電解液を調製した。
比較例5
実施例5において、成分(A1)に代えて、HCF2CF2CH2OCF2CF2H(A2)を用いたほかは同様にして比較用の非水電解液を調製した。
実施例5において、成分(A1)に代えて、HCF2CF2CH2OCF2CF2H(A2)を用いたほかは同様にして比較用の非水電解液を調製した。
比較例6
実施例6において、成分(A1)に代えて、HCF2CF2CH2OCF2CF2H(A2)を用いたほかは同様にして比較用の非水電解液を調製した。
実施例6において、成分(A1)に代えて、HCF2CF2CH2OCF2CF2H(A2)を用いたほかは同様にして比較用の非水電解液を調製した。
これらの非水電解液について、以下の溶解性試験を行った。
溶解性試験
各非水電解液を25℃で24時間放置し、結晶(電解質)が析出するか否かで溶解性を判断する。評価は、結晶が出なかったものを○、結晶が出たものは×とする。
結果を表1に示す。
各非水電解液を25℃で24時間放置し、結晶(電解質)が析出するか否かで溶解性を判断する。評価は、結晶が出なかったものを○、結晶が出たものは×とする。
結果を表1に示す。
結晶が析出しなかったものは電解質が溶解しているので電解液として使える。しかし、結晶が析出した場合は電解液として使えない。この観点から、実施例1〜6のすべての電解液については結晶が析出しなかったため電解液として使える。一方、比較例1〜6の電解液については結晶が析出したため電解液として使えない。
この結果は、HCF2CF2CH2OCF2CClFHは電解液を調製する場合の組成範囲の自由度を広げることができ、優位であることがわかる。
実施例7
(A1)/(B1)/(C1)の混合割合を40/20/40体積%としたほかは実施例1と同様にして本発明の非水電解液を調製した。
(A1)/(B1)/(C1)の混合割合を40/20/40体積%としたほかは実施例1と同様にして本発明の非水電解液を調製した。
比較例7
実施例7において、成分(A1)に代えて、HCF2CF2CH2OCF2CF2H(A2)を用いたほかは同様にして比較用の非水電解液を調製した。
実施例7において、成分(A1)に代えて、HCF2CF2CH2OCF2CF2H(A2)を用いたほかは同様にして比較用の非水電解液を調製した。
これらの非水電解液について、リニアースイープボルタンメトリー(LSV)をつぎの方法で測定した。結果を図1に示す。
LSV測定方法
BAS社製ボルタンメトリー用密閉セル(VC−4)を用い、作用極に白金極、対極・参照極にLiを用い、供試電解液を3ml入れて測定セルを作製する。このセルについて、25℃一定化で測定器としてポテンショ−ガルバノスタット(ソーラトロン社の1287型)を用い、自然電位から7.0Vまで5mV/secでスキャンし、電解液の分解開始電位を調べる。
BAS社製ボルタンメトリー用密閉セル(VC−4)を用い、作用極に白金極、対極・参照極にLiを用い、供試電解液を3ml入れて測定セルを作製する。このセルについて、25℃一定化で測定器としてポテンショ−ガルバノスタット(ソーラトロン社の1287型)を用い、自然電位から7.0Vまで5mV/secでスキャンし、電解液の分解開始電位を調べる。
図1の結果から、実施例7の電解液は比較例7の電解液と比較して、電解液が分解を始める急激な立ち上がりの始まる電位はほとんど変わらない。このことは、成分(A):HCF2CF2CH2OCF2CClFHを配合した電解液は、実用的な電解液として十分使用できることを示している。
実施例8
(A1)/(B1)/(C1)の混合割合を10/30/60体積%としたほかは実施例1と同様にして本発明の非水電解液を調製した。
(A1)/(B1)/(C1)の混合割合を10/30/60体積%としたほかは実施例1と同様にして本発明の非水電解液を調製した。
比較例8
成分(A1)を配合せずに、(B1)/(C1)の混合割合を30/70体積%としたほかは実施例1と同様にして比較用の非水電解液を調製した。
成分(A1)を配合せずに、(B1)/(C1)の混合割合を30/70体積%としたほかは実施例1と同様にして比較用の非水電解液を調製した。
これらの非水電解液、さらには実施例1、実施例4および比較例7のそれぞれの電解液について、以下の電池特性および過充電特性を調べた。結果を表2に示す。
電池特性の測定
以下の方法で円筒型二次電池を作製した。
以下の方法で円筒型二次電池を作製した。
LiCoO2とカーボンブラックとポリフッ化ビニリデン(呉羽化学(株)製。商品名KF−1000)を90/3/7(質量%比)で混合した正極活物質をN−メチル−2−ピロリドンに分散してスラリー状としたものを正極集電体(厚さ15μmのアルミニウム箔)上に均一に塗布し、乾燥して正極合剤層を形成し、その後、ローラプレス機により圧縮成形した後、切断し、リード体を溶接して、帯状の正極を作製した。
別途、人造黒鉛粉末(日立化成(株)製。商品名MAG−D)に、蒸留水で分散させたスチレン−ブタジエンゴムを固形分で6質量%となるように加え、ディスパーザーで混合してスラリー状としたものを負極集電体(厚さ10μmの銅箔)上に均一に塗布し、乾燥し、負極合剤層を形成し、その後、ローラプレス機により圧縮成形し、切断した後、乾燥し、リード体を溶接して、帯状の負極を作製した。
この帯状の正極を厚さ20μmの微孔性ポリエチレンフィルム(セパレータ)を介して帯状の負極に重ね、渦巻状に巻回して渦巻状巻回構造の積層電極体とした。その際、正極集電体の粗面側が外周側になるようにして巻回した。その後、この電極体を外径18mmの有底円筒状の電池ケース内に充填し、正極および負極のリード体の溶接を行った。
ついで、実施例および比較例で調製した電解液を電池ケース内に注入し、電解液がセパレータなどに充分に浸透した後、封口し、予備充電、エージングを行い、筒形のリチウム二次電池を作製した。
このリチウム二次電池について、つぎの要領で放電容量、レート特性、サイクル特性および過充電時の安全性を調べた。結果を表2に示す。
(放電容量)
充放電電流をCで表示した場合、1800mAを1Cとして以下の充放電測定条件で測定を行う。評価は、比較例8の放電容量の結果を100とした指数で行う。
充放電条件
充電:1.0C、4.2Vにて充電電流が1/10Cになるまでを保持(CC・CV充電)
放電:1C 3.0Vcut(CC放電)
充放電電流をCで表示した場合、1800mAを1Cとして以下の充放電測定条件で測定を行う。評価は、比較例8の放電容量の結果を100とした指数で行う。
充放電条件
充電:1.0C、4.2Vにて充電電流が1/10Cになるまでを保持(CC・CV充電)
放電:1C 3.0Vcut(CC放電)
(レート特性)
充電については、1.0Cで4.2Vにて充電電流が1/10Cになるまで充電し0.2C相当の電流で3.0Vまで放電し、放電容量を求める。引き続き、1.0Cで4.2Vにて充電電流が1/10Cになるまで充電し、2C相当の電流で3.0Vになるまで放電し、放電容量を求める。この2Cでの放電容量と、0.2Cでの放電容量との比から、つぎの計算式に代入してレート特性を求める。
レート特性(%)=2C放電容量(mAh)/0.2C放電容量(mAh)×100
充電については、1.0Cで4.2Vにて充電電流が1/10Cになるまで充電し0.2C相当の電流で3.0Vまで放電し、放電容量を求める。引き続き、1.0Cで4.2Vにて充電電流が1/10Cになるまで充電し、2C相当の電流で3.0Vになるまで放電し、放電容量を求める。この2Cでの放電容量と、0.2Cでの放電容量との比から、つぎの計算式に代入してレート特性を求める。
レート特性(%)=2C放電容量(mAh)/0.2C放電容量(mAh)×100
(サイクル特性)
サイクル特性については、上記の充放電条件(1.0Cで4.2Vにて充電電流が1/10Cになるまで充電し1C相当の電流で3.0Vまで放電する)で行う充放電サイクルを1サイクルとし、最初のサイクル後の放電容量と100サイクル後の放電容量を測定する。サイクル特性は、つぎの計算式で求められた値をサイクル維持率の値とする。
サイクル維持率(%)=100サイクル放電容量(mAh)/1サイクル放電容量(mAh)×100
サイクル特性については、上記の充放電条件(1.0Cで4.2Vにて充電電流が1/10Cになるまで充電し1C相当の電流で3.0Vまで放電する)で行う充放電サイクルを1サイクルとし、最初のサイクル後の放電容量と100サイクル後の放電容量を測定する。サイクル特性は、つぎの計算式で求められた値をサイクル維持率の値とする。
サイクル維持率(%)=100サイクル放電容量(mAh)/1サイクル放電容量(mAh)×100
過充電特性
実施例および比較例の円筒型電池について、それぞれ1CmA相当の電流値で3.0Vまで放電し12Vを上限電圧として3CmA相当の電流値での過充電を行い、発火・破裂の有無を調べる。発火・破裂が発生した場合を×、発生しなかった場合を○とする。
実施例および比較例の円筒型電池について、それぞれ1CmA相当の電流値で3.0Vまで放電し12Vを上限電圧として3CmA相当の電流値での過充電を行い、発火・破裂の有無を調べる。発火・破裂が発生した場合を×、発生しなかった場合を○とする。
表2の結果から、成分(A1)、(B1)および(C1)の割合を変更しても、電池特性、過充電特性(安全性)が良好であることが分かる。また、成分(A)を配合しないと電池特性も過充電特性に劣ることも示されている。
実施例9〜14
成分(B)および成分(C)として表3に示す化合物を表3に示す割合で配合したほかは実施例1と同様にして本発明の非水電解液を調製した。
成分(B)および成分(C)として表3に示す化合物を表3に示す割合で配合したほかは実施例1と同様にして本発明の非水電解液を調製した。
これらの電解液について上記の電池特性および過充電特性を調べた。結果を表3に示す。
表3の結果から、成分(B)および成分(C)を変更しても、電池特性、過充電特性(安全性)が良好に維持できることが分かる。
実施例15〜17
電解質塩としてLiPF6に代えて、LiN(O2SCF3)2(実施例15)、LiN(O2SC2F5)2(実施例16)またはLiBF4(実施例17)を用いたほかは実施例1と同様にして本発明の非水電解液を調製した。
電解質塩としてLiPF6に代えて、LiN(O2SCF3)2(実施例15)、LiN(O2SC2F5)2(実施例16)またはLiBF4(実施例17)を用いたほかは実施例1と同様にして本発明の非水電解液を調製した。
これらの電解液について上記の電池特性および過充電特性を調べた。結果を表4に示す。
表4の結果から、電解質塩を変更しても、電池特性、過充電特性(安全性)が良好に維持できることが分かる。
Claims (4)
- (I)(A)式(1):HCF2CF2CH2OCF2CClFHで示される含フッ素含塩素エーテル、
(B)環状カーボネート、および
(C)鎖状カーボネート
を含む電解質塩溶解用溶媒、ならびに
(II)電解質塩
を含む非水電解液。 - 電解質塩溶解用溶媒(I)が、溶媒(I)全体に対して、含フッ素含塩素エーテル(A)を10〜60体積%、環状カーボネート(B)を3〜40体積%および鎖状カーボネート(C)を10〜60体積%含み、電解質塩(II)としてLiPF6、LiBF4、LiN(O2SCF3)2およびLiN(O2SC2F5)2よりなる群から選ばれる少なくとも1種を0.8モル/リットル以上の濃度で含む請求項1記載のリチウム二次電池用非水電解液。
- リチウム二次電池用である請求項1または2記載の非水電解液。
- 正極、負極、セパレータおよび請求項3記載の非水電解液を備えてなるリチウム二次電池。
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2008
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