JP5343665B2 - リチウム二次電池の非水電解液用溶媒 - Google Patents

リチウム二次電池の非水電解液用溶媒 Download PDF

Info

Publication number
JP5343665B2
JP5343665B2 JP2009084853A JP2009084853A JP5343665B2 JP 5343665 B2 JP5343665 B2 JP 5343665B2 JP 2009084853 A JP2009084853 A JP 2009084853A JP 2009084853 A JP2009084853 A JP 2009084853A JP 5343665 B2 JP5343665 B2 JP 5343665B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluorine
alkyl group
hcf
och
carbon atoms
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009084853A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010238510A (ja
Inventor
明天 高
昭佳 山内
英郎 坂田
みちる 賀川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP2009084853A priority Critical patent/JP5343665B2/ja
Publication of JP2010238510A publication Critical patent/JP2010238510A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5343665B2 publication Critical patent/JP5343665B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)

Description

本発明は、リチウム二次電池の非水電解液用溶媒、および非水電解液、さらにはリチウム二次電池に関する。
リチウム二次電池用の非水電解液に使用する電解質塩溶解用溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ビニレンカーボネートなどの非フッ素系環状カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネートなどの非フッ素系鎖状カーボネートが知られている。しかしこれらの非フッ素系カーボネートはリチウム原子への配位能力が高く汎用されているが、耐酸化性が低く、分解ガスの発生が問題となる。
リチウム原子への配位能力が高い別の化合物として非フッ素系のジエーテルが知られている。非フッ素ジエーテルとしてはジメトキシエタンやジエトキシエタンが検討されており、リチウム金属負極に対して有効であるとの報告(特許文献1)や、低温特性が改善されるとの報告(特許文献2、特許文献3)、さらには充放電効率が改善されるとの報告(特許文献4、特許文献5)がある。しかし、耐酸化性の低さゆえに、サイクル特性の安定化が課題となっている。なお、含フッ素モノエーテルとの組み合わせは知られていない。
そこで、ジエーテルの耐酸化性を向上させるために、フッ素原子を導入したジエーテルが紹介されている(特許文献6)。
特許文献6には、ビニレンカーボネートを使用する非水電解液の高温時における膨れの防止および容量の低下を改善するために、フッ素原子を導入した含フッ素鎖状ジエーテルを配合することが提案されている。特許文献6に具体的に開示されている含フッ素鎖状ジエーテルは、CF3CH2O−CH2−OCH3、CF3CH2O−CH2CH2−OCH3、CF3CH2O−CH2CH2CH2−OCH3、CF3CH2O−CH2CH2−OCH2CH3という片方の末端部分が非フッ素系のアルキル基であるジエーテルである。
また、リチウム二次電池の負荷特性や低温特性を改善するという別の観点から、特許文献7には、カーボネート類などの非プロトン性溶媒と、式:R1−O−R1(R1は炭素数1〜4のアルキル基;R1は炭素数5〜10の含フッ素アルキル基)で示される含フッ素モノエーテル、式:R2−O−(Rf2−O)n−R3(R2とR3は炭素数1〜4のアルキル基;Rf2は炭素数3〜10の含フッ素アルキレン基;nは1〜3)で示されるジまたはポリエーテル、または式:Rfh1−O−A−O−Rfh2(Rfh1とRfh2はエーテル酸素を含んでいてもよい炭素数1〜4のハイドロフルオロアルキル基;Aは炭素数1〜8のアルキレン基)で示されるハイドロフルオロエーテルの少なくとも1種とを組み合わせることが記載されている。
特許文献7に具体的に記載されている含フッ素エーテルは、C613−O−CH3、C613−O−C25、CH3−O−C612−O−CH3、CH3−O−C36−O−C36−O−CH3、C3HF6−O−C22−O−C3HF6、C3HF6−O−C36−O−C3HF6、CF3-O-C2HF3−O−C24−O−C2HF3、C37-O−C2HF3−O−C24−O−C2HF3−O−C37、C6HF12−O−C22−O−C6HF12、C37-O−C2HF3−O−C24−O−C3HF6、C7312−O−CH3、C9316−O−CH3があげられており、実施例ではCF3CFHCF2−O−CH2CH2−O−CF2CFHCF3が使用されている。
特開平06−338346号公報 特開平08−195221号公報 特開平11−273740号公報 特開平09−115547号公報 特開2002−231308号公報 特開2004−363031号公報 特開2006−049037号公報
ところで、特許文献6に記載されている片方の末端部分が非フッ素系のアルキル基であるジエーテルはリチウム原子への配位能力は高いものの耐酸化性が未だ充分ではなく、特許文献7に記載されている−CF2−O−CH2CH2−O−CF2−型のジエーテルにはリチウム原子への配位能力がない。
本発明者らの研究の結果、特許文献1〜6に記載されている非フッ素系ジエーテルや片方の末端部分が非フッ素系のアルキル基であるジエーテルはそのままでは耐酸化性が低いが、特定の構造の含フッ素モノエーテルと組み合わせて使用することにより、耐酸化性が高くしかもリチウム原子への配位能力に優れた非水電解液用の溶媒となりうることがわかった。
すなわち本発明は、
(A)式(1):
1−CH2−O−(CH22−O−CH2−R2
(式中、R1はHまたは炭素数1〜6のフッ素原子を含んでいてもよいアルキル基、R2はHまたは炭素数1〜6のアルキル基)で示されるジエーテルおよび
(B)式(2):
Rf2−O−R3
(式中、Rf2は炭素数1〜8の含フッ素アルキル基;R3は炭素数1〜6のフッ素原子を含んでいてもよいアルキル基)で示される含フッ素モノエーテル
を含むリチウム二次電池の非水電解液用溶媒に関する。
含フッ素モノエーテル(B)としては、式(2)においてR3が炭素数1〜6の含フッ素アルキル基であることが、耐酸化性が良好な点から好ましい。
ジエーテル(A)と含フッ素モノエーテル(B)の体積比は、1/10〜4/1であることが、耐酸化性が良好な点から好ましい。
本発明において、さらに、前記ジエーテル(A)および前記含フッ素モノエーテル(B)以外の含フッ素エーテル、含フッ素エステル、含フッ素カーボネートならびに非フッ素カーボネートよりなる群から選ばれる少なくとも1種の有機溶媒(C)を配合してもよい。
本発明はまた、本発明の非水電解液用溶媒と電解質塩を含むリチウム二次電池用非水電解液、さらには、本発明の非水電解液と正極と負極とを備えるリチウム二次電池にも関する。
本発明によれば、耐酸化性が高くしかもリチウム原子への配位能力に優れた非水電解液用の溶媒、非水電解液、さらには高電圧下でのサイクル特性に優れたリチウム二次電池を提供することができる。
また、電極の熱安定性を向上できるだけではなく、高電圧においても安定して動作するリチウム二次電池を提供することができる。
試験例1の電池特性試験で作製するラミネートセルの概略組立て斜視図である。 試験例1の電池特性試験で作製するラミネートセルの概略平面図である。
本発明のリチウム二次電池に用いる非水電解液用溶媒は、特定のジエーテル(A)および特定の含フッ素モノエーテル(B)の両者を含む。
(A)ジエーテル
式(1):
1−CH2−O−(CH22−O−CH2−R2
(式中、R1はHまたは炭素数1〜6のフッ素原子を含んでいてもよいアルキル基、R2はHまたは炭素数1〜6のアルキル基)で示されるジエーテルである。
当該ジエーテル(A)の特徴の1つは、エーテル酸素に結合する基がいずれも−CH2−である点であり、この構成をとることで、リチウム原子への配位能が獲得できる。
1はHまたは炭素数1〜6のフッ素原子を含んでいてもよいアルキル基であり、炭素数は1〜2であることが、粘度が低い点から好ましい。また、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよいが、粘度が低い点から直鎖状が好ましい。
具体的にはHのほか、CF3−、CF3CF2−、CF3CF2CF2−、(CF32CF−などのパーフルオロアルキル基;HCF2−、H2CF−、HCF2CF2−、(CF32CH−などのハイドロフルオロアルキル基;CH3−、CH3CH2−などのアルキル基などがあげられる。
これらのうち、粘度が低い点からはH、CH3−、CH3CH2−が好ましく、また、耐酸化性が高い面からはCF3−、CF3CF2−、HCF2CF2−が好ましい。なかでも、R1が非フッ素アルキル基である非フッ素ジエーテルを用いた場合は粘度の低減効果が著しく高く、レート特性が向上する。
1はHまたは炭素数1〜6のアルキル基である。アルキル基としては、炭素数1〜4であることが、粘度が低い点からさらに好ましい。また、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよいが、粘度が低い点から直鎖状が好ましい。
具体的にはCH3−、CH3CH2−、CH3(CH24−、(CH32CHCH2−などがあげられる。これらのうち、粘度が低い点から、CH3−、CH3CH2−が好ましい。
具体的なジエーテル(A)としては、CF3CH2O(CH2)2OCH3、CF3CH2O(CH2)2OC25、CF3CF2CH2O(CH2)2OCH3、CF3CF2CH2O(CH2)2OC25、HCF2CF2CH2O(CH2)2OCH3、HCF2CF2CH2O(CH2)2OC25などの含フッ素ジエーテル;CH3O(CH22OCH3、C25O(CH22OC25、C37O(CH22OC37などの非フッ素ジエーテルが例示できるが、これらに限定されるものではない。
(B)含フッ素モノエーテル
式(2):
Rf2−O−R3
(式中、Rf2は炭素数1〜8の含フッ素アルキル基;R3は炭素数1〜6のフッ素原子を含んでいてもよいアルキル基)で示される含フッ素モノエーテルである。
ジエーテル(A)単独では耐酸化性が不充分であるが、含フッ素モノエーテル(B)を併用することで、リチウム原子への配位能を維持したまま耐酸化性が向上する。
含フッ素モノエーテル(B)としては、たとえば特開平08−037024号公報、特開平09−097627号公報、特開平11−026015号公報、特開2000−294281号公報、特開2001−052737号公報、特開平11−307123号公報などに記載された化合物のうち、式(2)を満たす化合物が例示できる。
また、Rf2は炭素数1〜8の含フッ素アルキル基であり、炭素数は1〜3であることが、粘度が低い点から好ましい。また、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよいが、粘度が低い点から直鎖状が好ましい。
具体的にはCF3−、CF3CF2−、CF3(CF2)5−、CF3(CF2)6−、CF3(CF2)7−、(CF32CH−、HCF2−、H2CF−、HCF2CF2-、CF3CFHCF2−、HCF2CF2CH2−、CF3CF2CH2−、CF3CH2−、(CF32CH−、HCF2CF2CF2CF2CH2−、(CF32CF−などがあげられ、これらのうち、耐酸化性が良好な点から、HCF2CF2−、CF3CFHCF2−、HCF2CF2CH2−、CF3CF2CH2−が好ましい。
3は炭素数1〜6の含フッ素アルキル基または炭素数1〜6のアルキル基である。含フッ素アルキル基としては、Rf2で例示した基のうち炭素数1〜6のものが好ましい例と共にあげられる。
アルキル基としては、炭素数1〜6、さらには炭素数1〜4であることが、粘度が低い点から好ましい。また、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよいが、粘度が低い点から直鎖状が好ましい。
具体的にはCH3、CH3CH2−、CH3(CH24−、(CH32CHCH2−などがあげられる。これらのうち、粘度が低い点から、CH3、CH3CH2−、(CH32CHCH2−が好ましい。
3は、耐酸化性が良好な点から含フッ素アルキル基の方が好ましい。
なかでも、式(2−1):
Rf3ORf4
(式中、Rf3は炭素数3〜6の含フッ素アルキル基、Rf4は炭素数2〜6の含フッ素アルキル基)で示される含フッ素モノエーテル(B−1)が、他溶媒との相溶性が良好で適切な沸点を有する点から好ましい。
特にRf3としては、たとえばHCF2CF2CH2−、HCF2CF2CF2CH2−、HCF2CF2CF2CF2CH2−、CF3CF2CH2−、CF3CFHCF2CH2−、HCF2CF(CF3)CH2−、CF3CF2CH2CH2−、CF3CH2CH2−O−などの炭素数3〜6の含フッ素アルキル基が例示でき、また、Rf4としてはたとえば−CF2CF2H、−CF2CFHCF3、−CF2CF2CF2H、−CH2CH2CF3、−CH2CFHCF3、−CH2CH2CF2CF3などの炭素数2〜6の含フッ素アルキル基が例示できる。なかでもRf3は炭素数3〜4の含フッ素アルキル基であり、Rf4は炭素数2〜3の含フッ素アルキル基であることが、イオン伝導性が良好な点から特に好ましい。
含フッ素モノエーテル(B−1)の具体例としては、たとえばHCF2CF2CH2OCF2CF2H、CF3CF2CH2OCF2CF2H、HCF2CF2CH2OCF2CFHCF3、CF3CF2CH2OCF2CFHCF3、HCF2CF2CH2OCH2CFHCF3、CF3CF2CH2OCH2CFHCF3などの1種または2種以上が例示でき、なかでもHCF2CF2CH2OCF2CF2H、CF3CF2CH2OCF2CF2H、HCF2CF2CH2OCF2CFHCF3、CF3CF2CH2OCF2CFHCF3が、他溶媒との相溶性が良好でレート特性も良好な点から特に好ましい。
具体的な含フッ素モノエーテル(B)としては、上記の(B−1)のほかに、つぎのものが例示できるが、これらに限定されるものではない。
CF3(CF2)7OCH3、CF3(CF2)7OC25、CF3(CF2)6-OCH3、CF3(CF2)6OC25、HCF2CF2OCH2CH(CH3)2、CF3CFHCF2OCH2CH(CH32
ジエーテル(A)と含フッ素モノエーテル(B)との組合せは、耐酸化性と粘度の観点から決めればよい。特に好ましい組合せとしては、たとえばつぎのものをあげることができる。
組合せ(1)
ジエーテル(A):
CF3CH2O(CH22OCH3
含フッ素モノエーテル(B):
HCF2CF2CH2OCF2CF2
組合せ(2)
ジエーテル(A):
CH3O(CH2)2OCH3
含フッ素モノエーテル(B):
HCF2CF2CH2OCF2CF2
組合せ(3)
ジエーテル(A):
CF3CH2O(CH22OCH3
含フッ素モノエーテル(B):
CF3CF2CH2OCF2CFHCF3
組合せ(4)
ジエーテル(A):
CH3O(CH2)2OCH3
含フッ素モノエーテル(B):
CF3CF2CH2OCF2CFHCF3
組合せ(5)
含フッ素ジエーテル(A):
CF3CH2O(CH22OCH3
含フッ素モノエーテル(B):
HCF2CF2OCH2CH(CH32
組合せ(6)
含フッ素ジエーテル(A):
CF3CF2CH2O(CH22OCH3
含フッ素モノエーテル(B):
HCF2CF2CH2OCF2CF2
組合せ(7)
含フッ素ジエーテル(A):
CH3CH2O(CH22OCH2CH3
含フッ素モノエーテル(B):
HCF2CF2CH2OCF2CF2
組合せ(8)
ジエーテル(A):
CF3CH2O(CH22OCH3
含フッ素モノエーテル(B):
CF3CF2CH2OCF2CF2
ジエーテル(A)と含フッ素モノエーテル(B)の体積比としては、1/10〜4/1であることが、耐酸化性が良好な点から好ましい。さらには(A)/(B)が1/5〜2/1、特に1/4〜1/1であることが好ましい。
本発明の非水電解液用溶媒は、ジエーテル(A)および含フッ素モノエーテル(B)のほかに、非水電解液用溶媒としてリチウム二次電池に用いられている周知の他の非水電解液用有機溶媒(C)をさらに配合してもよい。その種類および配合量は本発明の課題の解決を損なわない範囲とする必要がある。
他の非水電解液用有機溶媒(C)としては、たとえば他の含フッ素エーテル(前記ジエーテル(A)および前記含フッ素モノエーテル(B)を除く)、含フッ素エステル、含フッ素カーボネート、非フッ素カーボネート、ラクトン、スルホラン、スルホンなどの1種または2種以上が例示できる。
これらのうち含フッ素系有機溶媒を含有させる場合は、電解液を難燃化する作用や、低温特性を改善する作用、さらにはレート特性の向上、耐酸化性の向上といった効果が得られる。
(C−1)含フッ素エステル
含フッ素エステルとしては、式:
Rf5COORf6
(式中、Rf5は炭素数1〜2のフッ素原子を含んでいてもよいアルキル基、Rf6は炭素数1〜4のフッ素原子を含んでいてもよいアルキル基であって、Rf5およびRf6の少なくともいずれか一方は含フッ素アルキル基である)で示される含フッ素エステルが、難燃性が高く、かつ他溶媒との相溶性が良好な点から好ましい。
Rf5としては、たとえばHCF2−、CF3−、CF3CF2−、HCF2CF2−、CH3CF2−、CF3CH2−、CH3−、CH3CH2−、などが例示でき、なかでもCF3−、HCF2−が、レート特性が良好な点から特に好ましい。
Rf6としては、たとえば−CF3、−CF2CF3、−CH2CF3、−CH2CH2CF3、−CH(CF32、−CH2CF2CFHCF3、−CH225、−CH2CF2CF2H、−CH2CH225、−CH2CF2CF3、−CH2CF2CF2H、−CH2CF2CF2CF3などの含フッ素アルキル基、−CH3、−C25、−C37、−CH(CH3)CH3などの非フッ素アルキル基が例示でき、なかでも−CH2CF3、−CH225、−CH(CF32、−CH2CF2CF2H、−CH3、−C25が、他溶媒との相溶性が良好な点から特に好ましい。
含フッ素エステルの具体例としては、
両方が含フッ素アルキル基であるもの:
CF3C(=O)OCH2CF3、CF3C(=O)OCH2CF2CF3、CF3C(=O)OCH2CF2CF2H、HCF2C(=O)OCH2CF3、HCF2C(=O)OCH2CF2CF3、HCF2C(=O)OCF2CF2
Rf5が含フッ素アルキル基であるもの:
CF3C(=O)OCH3、CF3C(=O)OCH2CH3、HCF2C(=O)OCH3、HCF2C(=O)OCH2CH3、CH3CF2C(=O)OCH3、CH3CF2C(=O)OCH2CH3、CF3CF2C(=O)OCH3、CF3CF2C(=O)OCH2CH3
Rf6が含フッ素アルキル基であるもの:
CH3C(=O)OCH2CF3、CH3C(=O)OCH2CF2CF3、CH3C(=O)OCH2CF2CF2H、CH3CH2C(=O)OCH2CF3、CH3CH2C(=O)OCH2CF2CF3、CH3CH2C(=O)OCH2CF2CF2
などの1種または2種以上が例示でき、なかでも、前記Rf5が含フッ素アルキル基であるもの、およびRf6が含フッ素アルキル基であるものが好ましく、なかでも、CF3C(=O)OCH3、CF3C(=O)OCH2CH3、HCF2C(=O)OCH3、HCF2C(=O)OCH2CH3、CH3C(=O)OCH2CF3、CH3C(=O)OCH2CF2CF3が、他溶媒との相溶性およびレート特性が良好な点から特に好ましい。
配合割合は、非水電解液用溶媒全体の10体積%まで、好ましくは0.1〜2体積%である。
(C−2)含フッ素カーボネート
含フッ素カーボネートとしては、環状カーボネートでも鎖状カーボネートでも、両方を併用してもよい。
含フッ素環状カーボネートとしては、たとえばトリフルオロエチレンカーボネート、3−モノフルオロプロピレンカーボネート、3−モノフルオロエチレンカーボネートなどが例示でき、不燃性(安全性)の向上効果を与える点で有用である。
たとえば、
Figure 0005343665
(Rfは炭素数1〜9のエーテル結合を含んでいてもよい含フッ素アルキル基)で示される含フッ素環状カーボネートは難燃性の向上に優れている。
配合割合は、非水電解液用溶媒全体の30体積%まで、好ましくは0.1〜20体積%である。
含フッ素鎖状カーボネートとしては、たとえば式:
Rf7OCOORf8
(式中、Rf7は炭素数1〜4の含フッ素アルキル基、Rf8は炭素数1〜4のフッ素原子を含んでいてもよいアルキル基)で示される含フッ素鎖状カーボネートが、難燃性が高く、かつレート特性が良好な点から好ましい。
Rf7としては、たとえばCF3−、C25−、(CF32CH−、CF3CH2−、C25CH2−、HCF2CF2CH2−、CF2CFHCF2CH2−などが例示でき、Rf8としては、たとえばCF3−、C25−、(CF32CH−、CF3CH2−、C25CH2−、HCF2CF2CH2−、CF2CFHCF2CH2−などの含フッ素アルキル基、−CH3、−C25、−C37、−CH(CH3)CH3などの非フッ素アルキル基が例示できる。なかでもRf7としてはCF3CH2−、C25CH2−が、Rf8としてはCF3CH2−、C25CH2−、−CH3、−C25が、粘性が適切で、他溶媒との相溶性およびレート特性が良好な点から特に好ましい。
含フッ素鎖状カーボネートの具体例としては、たとえばCF3CH2OCOOCH2CF3、CF3CF2CH2OCOOCH2CF2CF3、CF3CF2CH2OCOOCH3、CF3CH2OCOOCH3、CF3CH2OCOOCH3、CF3CH2OCOOCH2CH3などの含フッ素鎖状カーボネートの1種または2種以上が例示でき、なかでもCF3CH2OCOOCH2CF3、CF3CF2CH2OCOOCH2CF2CF3、CF3CH2OCOOCH3、CF3CH2OCOOCH2CH3が、粘性が適切で、難燃性、他溶媒との相溶性およびレート特性が良好な点から特に好ましい。また、たとえば特開平06−21992号公報、特開2000−327634号公報、特開2001−256983号公報などに記載された化合物も例示できる。
配合割合は、非水電解液用溶媒全体の40体積%まで、好ましくは1〜20体積%である。
(C−3)非フッ素カーボネート
非フッ素カーボネートとしては、非フッ素環状カーボネートでも非フッ素鎖状カーボネートでもよい。非フッ素カーボネートを配合する場合、低温特性およびサイクル特性が良好となる。
(C−3−1)非フッ素環状カーボネート
非フッ素系環状カーボネートとしては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、ビニレンカーボネートなどの1種または2種以上があげられる。なかでも、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)は誘電率が高く、また電解質塩の溶解性に特に優れており、本発明の電解液に好ましい。
この非フッ素環状カーボネートは、電解質塩の溶解力に優れるほか、レート特性の向上、誘電率の向上といった特性をもつ。
配合割合は、非水電解液用溶媒全体の40体積%まで、好ましくは10〜30体積%である。
(C−3−2)非フッ素鎖状カーボネート
非フッ素鎖状カーボネートとしては、たとえばCH3CH2OCOOCH2CH3(ジエチルカーボネート;DEC)、CH3CH2OCOOCH3(メチルエチルカーボネート;MEC)、CH3OCOOCH3(ジメチルカーボネート;DMC)、CH3OCOOCH2CH2CH3(メチルプロピルカーボネート)などの炭化水素系鎖状カーボネートの1種または2種以上があげられる。これらのうち粘性が低く、かつ低温特性が良好なことから、DEC、MEC、DMCが好ましい。
配合割合は、非水電解液用溶媒全体の80体積%まで、好ましくは40〜70体積%である。
つぎに本発明の非水電解液について説明する。
本発明の非水電解液は、電解質塩と本発明の有機溶媒とを含むものである。
本発明の非水電解液に使用する電解質塩としては、たとえばLiClO4、LiAsF6、LiBF4、LiPF6、LiN(O2SCF32、LiN(O2SC252などがあげられ、サイクル特性が良好な点から特にLiPF6、LiBF4、LiN(O2SCF32、LiN(O2SC252またはこれらの組合せが好ましい。
リチウムイオン二次電池としての実用的な性能を確保するためには、電解質塩の濃度を0.5モル/リットル以上、さらには0.8モル/リットル以上にすることが要求されている。上限は、通常1.5モル/リットルである。本発明の電解質塩溶解用溶媒は、電解質塩の濃度をこれらの要求を満たす範囲にする溶解能を有している。
本発明においては、さらに安全性向上を目的とする場合は、非水電解液に、本発明の効果を損なわない範囲で、ガス発生抑制剤、レート特性補助剤、発熱抑制剤、難燃剤、界面活性剤、高誘電化添加剤、サイクル特性およびレート特性改善剤などの他の添加剤(D)を配合してもよい。
高電圧下での電池特性の改善にはガス発生抑制剤が用いられ、ガス発生抑制剤としてはスルトン系がよく、プロパンスルトン、エチルメチルスルトン、メチルスルトン、ブタンスルホンなどがあげられる。これらは高電圧化でのガス発生を抑制する役割を果たす。
レート特性の向上を補助するレート特性補助剤には、ビストリメチルシリルサルフェートやトリフルオロメトキシベンゼン、フルオロエチレンカーボネート、テトラヒドロフラン、シリケート化合物、などが有効である。
発熱抑制剤としては、フルオロベンゼンやシクロヘキシルベンゼン、またはトリフルオロメトキシベンゼンなどが有効である。
難燃剤としては、従来から公知の難燃剤が使用できる。特にリン酸エステルは、不燃性(着火しない性質)を付与するために配合してもよい。配合量は、電解質塩溶解用溶媒に対して1〜10体積%で着火が防止できる。
リン酸エステルとしては、含フッ素アルキルリン酸エステル、非フッ素系アルキルリン酸エステル、アリールリン酸エステルなどがあげられるが、含フッ素アルキルリン酸エステルが電解液の不燃化に寄与する程度が高く、少量で不燃効果をあげることから好ましい。
含フッ素アルキルリン酸エステルとしては、特開平11−233141号公報に記載された含フッ素ジアルキルリン酸エステル、特開平11−283669号公報に記載された環状のアルキルリン酸エステルのほか、含フッ素トリアルキルリン酸エステルがあげられる。
含フッ素トリアルキルリン酸エステルは、不燃性を与える能力が高く、また他の成分との相溶性も良好であることから、添加量を少なくすることができ、1〜8体積%、さらには1〜5体積%でも着火を防止することができる。
含フッ素トリアルキルリン酸エステルとしては、式:(RfO)3−P=Oにおいて、RfがCF3−、CF3CF2−、CF3CH2−、HCF2CF2−またはCF3CFHCF2−であるものが好ましく、特にリン酸トリ2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル、リン酸トリ2,2,3,3−テトラフルオロプロピルが好ましい。
さらに含フッ素ラクトンや含フッ素スルホランなども難燃剤として例示できる。
界面活性剤は、容量特性、レート特性の改善を図るために、配合してもよい。
界面活性剤としては、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤のいずれでもよいが、含フッ素界面活性剤が、サイクル特性、レート特性が良好な点から好ましい。
たとえば、含フッ素カルボン酸塩や、含フッ素スルホン酸塩などが好ましく例示される。
含フッ素カルボン酸塩としては、たとえば、HCF226COO-Li+、C49COO-Li+、C511COO-Li+、C613COO-Li+、C715COO-Li+、C817COO-Li+、HCF226COO-NH4 +、C49COO-NH4 +、C511COO-NH4 +、C613COO-NH4 +、C715COO-NH4 +、C817COO-NH4 +、HCF226COO-NH(CH33 +、C49COO-NH(CH33 +、C511COO-NH(CH33 +、C613COO-NH(CH33 +、C715COO-NH(CH33 +、C817COO-NH(CH33 +などがあげられる。また、含フッ素スルホン酸塩としては、たとえば、C49SO3 -Li+、C613SO3 -Li+、C817SO3 -Li+、C49SO3 -NH4 +、C613SO3 -NH4 +、C817SO3 -NH4 +、C49SO3 -NH(CH33 +、C613SO3 -NH(CH33 +、C817SO3 -NH(CH33 +などがあげられる。
界面活性剤の配合量は、充放電サイクル特性を低下させずに電解液の表面張力を低下させるという点から、非水電解液用溶媒全体に対して0.01〜2質量%が好ましい。
高誘電化添加剤としては、たとえばスルホラン、メチルスルホラン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、アセトニトリル、プロピオニトリルなどが例示できる。
過充電防止剤としては、たとえばヘキサフルオロベンゼン、フルオロベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、ジクロロアニリン、ジフルオロアニリン、トルエンなどが例示できる。
つぎに本発明の非水電解液を用いたリチウム二次電池について説明する。
本発明のリチウム二次電池は、本発明の非水電解液と負極と正極とを有する。また、セパレータを介在させることもよく行われている。以下、各要素について説明する。
(1)負極
負極は、通常、負極活物質と結着剤(バインダー)、さらに要すれば導電材などから構成される負極合剤を負極集電体に塗布して形成される。
本発明で負極に使用する負極活物質は炭素材料があげられ、リチウムイオンを挿入可能な金属酸化物や金属窒化物などもあげられる。炭素材料としては天然黒鉛、人造黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、メソカーボンマイクロビーズ、炭素ファイバー、活性炭、ピッチ被覆黒鉛などがあげられ、リチウムイオンを挿入可能な金属酸化物としては、スズやケイ素、チタンを含む金属化合物、たとえば酸化スズ、酸化ケイ素、チタン酸リチウムなどがあげられ、金属窒化物としては、Li2.6Co0.4Nなどがあげられる。
結着剤としては、たとえばポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、スチレン−ブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリイミド、ポリアラミドなどが使用できる。
導電材はリチウム二次電池の負極合剤用に用いられる導電性の材料であればよく、導電性の炭素材料、たとえば上記の負極活物質として例示した天然黒鉛、人造黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、メソカーボンマイクロビーズ、炭素ファイバー、活性炭、ピッチ被覆黒鉛などがあげられる。
これらの成分を水やN−メチルピロリドンなどの溶剤を用いてスラリー化し、集電体(たとえば銅、ステンレス鋼、ニッケルなどの金属箔や板)に塗布乾燥することにより作製できる。
(2)正極
正極は、通常、正極活物質と結着剤(バインダー)、さらに要すれば導電材などから構成される正極合剤を正極集電体に塗布して形成される。
正極活物質はリチウム二次電池の正極合剤用に用いられる正極活物質であればよい。たとえば、コバルト系複合酸化物、ニッケル系複合酸化物、マンガン系複合酸化物、鉄系複合酸化物、バナジウム系複合酸化物などが、エネルギー密度が高く、高出力なリチウム二次電池となることから好ましい。
コバルト系複合酸化物としては、LiCoO2が例示され、ニッケル系複合酸化物としては、LiNiO2が例示され、マンガン系複合酸化物としては、LiMnO2が例示される。また、LiCoxNi1-x2(0<x<1)で示されるCoNiの複合酸化物や、LiCoxMn1-x2(0<x<1)で示されるCoMnの複合酸化物や、LiNixMn1-x2(0<x<1)、LiNixMn2-x4(0<x<2)で示されるNiMnの複合酸化物や、LiNi1-x-yCoxMny2(0<x<1、0<y<1、0<x+y<1)で示されるNiCoMnの複合酸化物でもよい。これらのリチウム含有複合酸化物は、Co、Ni、Mnなどの金属元素の一部が、Mg、Al、Zr、Ti、Crなどの1種以上の金属元素で置換されたものであってもよい。
また、鉄系複合酸化物としては、たとえばLiFeO2、LiFePO4が例示され、バナジウム系複合酸化物としては、たとえばV25が例示される。
正極活物質として、上記の複合酸化物のなかでも、容量を高くすることができる点から、ニッケル系複合酸化物またはコバルト系複合酸化物が好ましい。とくに小型リチウムイオン二次電池では、コバルト系複合酸化物を用いることはエネルギー密度が高い点と安全性の面から望ましい。
そのほか、たとえば特開2008−127211号公報、特開2006−36620号公報などに記載された材料が使用できる。
導電材および結着剤については、負極で説明したものが使用できる。
これらの成分をトルエンやN−メチルピロリドンなどの溶剤を用いてスラリー化し、集電体(たとえばアルミニウム、ステンレス鋼、チタンなどの金属の箔、板、網など通常使用されているもの)に塗布乾燥して作製できる。
なお、本発明においてとくにハイブリッド自動車用や分散電源用の大型リチウム二次電池に使用される場合は、高出力が要求されるため、正極活物質の粒子は二次粒子が主体となり、その二次粒子の平均粒子径が40μm以下で平均一次粒子径1μm以下の微粒子を0.5〜7.0体積%含有することが好ましい。
平均一次粒子径が1μm以下の微粒子を含有させることにより電解液との接触面積が大きくなり電極と電解液の間でのリチウムイオンの拡散をより早くすることができ出力性能を向上させることができる。
(3)セパレータ
本発明に使用できるセパレータはとくに制限はなく、微孔性ポリエチレンフィルム、微孔性ポリプロピレンフィルム、微孔性エチレン−プロピレンコポリマーフィルム、微孔性ポリプロピレン/ポリエチレン2層フィルム、微孔性ポリプロピレン/ポリエチレン/ポリプロピレン3層フィルムなどがあげられる。
また、Liデントライトによって起こる短絡などの安全性向上を目的として作られたセパレータ上にアラミド樹脂を塗布したフィルムあるいはポリアミドイミドおよびアルミナフィラーを含む樹脂をセパレータ上に塗布したフィルムなどもあげられる(たとえば特開2007−299612号公報、特開2007−324073号公報参照)。
本発明のリチウム二次電池は、ハイブリッド自動車用や分散電源用の大型リチウム二次電池、携帯電話、携帯情報端末などの小型のリチウム二次電池などとして有用である。
つぎに、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
なお、以下の実施例および比較例で使用した各化合物は以下のとおりである。
成分(A)
(A1):CF3CH2O(CH22OCH3
(A2):CF3CF2CH2O(CH22OCH3
(A3):CH3O(CH22OCH3
(A4):C25O(CH22OC25
(A5):HCF2CF2CF2O(CH22OCF2CF2CF2
成分(B)
(B1):HCF2CF2CH2OCF2CF2
(B2):CF3CF2CH2OCF2CF2
(B3):HCF2CF2OCH2CH(CH32
成分(C)
(C1):エチレンカーボネート
(C2):ジメチルカーボネート
(C3):エチルメチルカーボネート
他の成分(D)
(D1):プロパンスルトン(ガス発生抑制剤)
(D2):ビストリメチルシリルサルフェート(レート特性補助剤)
(D3):トリフルオロメトキシベンゼン(発熱抑制剤)
実施例1
成分(A)としてCF3CH2O(CH22OCH3(A1)を、成分(B)としてHCF2CF2CH2OCF2CF2H(B1)を、成分(C)としてエチレンカーボネート(C1)とジメチルカーボネート(C2)を(A1)/(B1)/(C1)/(C2)が10/20/20/50体積%比となるように混合し、この電解質塩溶解用有機溶媒にさらに電解質塩としてLiPF6を1.0モル/リットルの濃度となるように加え、25℃にて充分に撹拌し、本発明の電解液を調製した。
実施例2〜14
実施例1と同様にして、成分(A)、成分(B)、成分(C)および成分(D)が表1に示す組成の電解質塩溶解用有機溶媒を調製し、電解質塩を加えて本発明の電解液を調製した。
実施例15〜26
ジエーテルとして非フッ素系のジエーテル(A3)または(A4)を用い、成分(A)、成分(B)、成分(C)および成分(D)が表2に示す組成の電解質塩溶解用有機溶媒を実施例1と同様にして調製し、電解質塩を加えて本発明の電解液を調製した。
比較例1〜6
実施例1と同様にして、成分(A)、成分(B)および成分(C)が表3に示す組成の電解質塩溶解用有機溶媒を調製し、電解質塩を加えて比較用の電解液を調製した。
試験例1
実施例1〜26および比較例1〜6でそれぞれ得られた電解液を用いて、つぎの要領でリチウム二次電池(ラミネートセル)を作製し、レート特性とサイクル特性を調べた。結果を表1〜3に示す。
(ラミネートセルの作製)
正極活物質として日本化学工業(株)製のLiNi1/3Co1/3Mn1/32とカーボンブラックとポリフッ化ビニリデン(呉羽化学(株)製。商品名KF−1120)を92/3/5(質量比)で混合した正極活物質をN−メチル−2−ピロリドンに分散してスラリー状としたものを正極集電体(厚さ15μmのアルミニウム箔)上に均一に塗布し、乾燥して正極合剤層を形成し、その後、ローラプレス機により圧縮成形した後、切断し、リード体を溶接して、帯状の正極を作製した。
別途、人造黒鉛粉末(日立化成(株)製。商品名MAG−D)に、蒸留水で分散させたスチレン−ブタジエンゴムを固形分で6質量%となるように加え、ディスパーザーで混合してスラリー状としたものを負極集電体(厚さ10μmの銅箔)上に均一に塗布し、乾燥し、負極合剤層を形成し、その後、ローラプレス機により圧縮成形し、切断した後、乾燥し、リード体を溶接して、帯状の負極を作製した。
図1の概略組立て斜視図に示すように、前記帯状の正極1を40mm×72mm(10mm×10mmの正極端子4付)に切り取り、また前記帯状の負極2を42mm×74mm(10mm×10mmの負極端子5付)に切り取り、各端子にリード体を溶接した。また、厚さ20μmの微孔性ポリエチレンフィルムを78mm×46mmの大きさに切ってセパレータ3とし、セパレータ3を挟むように正極と負極をセットし、これらを図2に示すようにアルミニウムラミネート包装材6内に入れ、ついで包装材6中に実施例1〜2および比較例1〜2で調製した電解液を2mlずつ入れて密封して容量72mAhのラミネートセルを作製した。
(レート特性)
0.5C、4.6Vで充電電流が1/10Cになるまで充電し0.2C相当の電流で3.0Vまで放電し、放電容量を求めた。引き続き、0.5C、4.6Vで充電電流が1/10Cになるまで充電し、2C相当の電流で3.0Vになるまで放電し、放電容量を求めた。この2Cでの放電容量と、上記の0.2Cでの放電容量との比から、レート特性を評価した。レート特性は下記の計算式で求められた値をレート特性として記載する。
レート特性(%)=2C放電容量(mAh)/0.2C放電容量(mAh)×100
(サイクル特性)
サイクル特性については、充放電条件(0.5Cで4.6Vにて充電電流が1/10Cになるまで充電し1C相当の電流で3.0Vまで放電する)で行う充放電サイクルを1サイクルとし、最初のサイクル後の放電容量と100サイクル後の放電容量を測定する。サイクル特性は、つぎの計算式で求められた値をサイクル維持率の値とする。
サイクル維持率(%)=100サイクル放電容量(mAh)/5サイクル放電容量(mAh)×100
Figure 0005343665
Figure 0005343665
Figure 0005343665
表1〜表3の結果から、ジエーテルに含フッ素モノエーテルを併用した場合、高電圧下でのレート特性およびサイクル特性に優れるということが分かる。
試験例2
実施例5および16と比較例2について、つぎの要領で、粘度、総発熱量および発熱開始温度を測定した。結果を表4に示す。
(粘度)
SV型(音叉型振動式)粘度計SV−10((株)エーアンドデイ)を用い、室温にて測定を行う。
(熱量測定)
充電放電は、0.5Cで4.2Vにて充電電流が1/10Cになるまで充電し0.2C相当の電流で3.0Vまで放電し、引き続き、0.5Cで4.2Vにて充電電流が1/10Cになるまで充電するサイクルで行う。充放電後、電極および電解液を熱量測定用のセルの中に入れて熱量計測定セルとし、この熱量測定用セルをSetaram社製熱量計C80にセットし、100〜300℃まで0.5℃/分で昇温して発熱量を測定する。
Figure 0005343665
表4の結果より、実施例5および16と比較例2の電解液を比較した場合、実施例5および16の電解液の方が、発熱開始温度が高く、総発熱量が減っており、安全であることが分かる。また、実施例5と実施例16の電解液を比較した場合、非フッ素系のジエーテルの方が、粘度が低いことも分かる。
1 正極
2 負極
3 セパレータ
4 正極端子
5 負極端子
6 アルミニウムラミネート包装材

Claims (5)

  1. (A)式(1):
    −CH−O−(CH−O−CH−R
    (式中、RはHまたは炭素数1〜6のフッ素原子を含んでいてもよいアルキル基、RはHまたは炭素数1〜6のアルキル基)で示されるジエーテルおよび
    (B)式(2):
    Rf−O−R
    (式中、RfHCF CF −、CF CFHCF −、HCF CF CH −、又は、CF CF CH −である;Rは炭素数1〜6のフッ素原子を含んでいてもよいアルキル基)で示される含フッ素モノエーテルを含み、
    ジエーテル(A)と含フッ素モノエーテル(B)の体積比が、1/10〜4/1である
    リチウム二次電池の非水電解液用溶媒。
  2. 含フッ素モノエーテル(B)が、式(2)においてRが炭素数1〜6の含フッ素アルキル基である請求項1記載の非水電解液用溶媒。
  3. 前記ジエーテル(A)および前記含フッ素モノエーテル(B)以外の含フッ素エーテル、含フッ素エステル、含フッ素カーボネートならびに非フッ素カーボネートよりなる群から選ばれる少なくとも1種の有機溶媒(C)を含む請求項1又は2記載の非水電解液用溶媒。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載の非水電解液用溶媒と電解質塩を含むリチウム二次電池用非水電解液。
  5. 請求項記載の非水電解液と正極と負極とを備えるリチウム二次電池。
JP2009084853A 2009-03-31 2009-03-31 リチウム二次電池の非水電解液用溶媒 Active JP5343665B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009084853A JP5343665B2 (ja) 2009-03-31 2009-03-31 リチウム二次電池の非水電解液用溶媒

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009084853A JP5343665B2 (ja) 2009-03-31 2009-03-31 リチウム二次電池の非水電解液用溶媒

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010238510A JP2010238510A (ja) 2010-10-21
JP5343665B2 true JP5343665B2 (ja) 2013-11-13

Family

ID=43092667

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009084853A Active JP5343665B2 (ja) 2009-03-31 2009-03-31 リチウム二次電池の非水電解液用溶媒

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5343665B2 (ja)

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2555310B1 (en) * 2010-03-26 2018-10-31 NEC Energy Devices, Ltd. Non-aqueous electrolyte secondary battery
JP2012190771A (ja) * 2011-02-23 2012-10-04 Asahi Glass Co Ltd 二次電池用非水電解液および二次電池
WO2012127717A1 (ja) * 2011-03-24 2012-09-27 日本電気株式会社 二次電池
CN103493276A (zh) * 2011-04-13 2014-01-01 日本电气株式会社 锂二次电池
CN107742743A (zh) * 2012-06-05 2018-02-27 日本电气株式会社 锂二次电池
CN104335409A (zh) * 2012-06-06 2015-02-04 旭硝子株式会社 二次电池用非水电解液和锂离子二次电池
JP6179511B2 (ja) * 2012-06-12 2017-08-16 日本電気株式会社 リチウム二次電池
WO2014080870A1 (ja) * 2012-11-20 2014-05-30 日本電気株式会社 リチウムイオン二次電池
EP2924796B1 (en) 2012-11-20 2018-04-18 Nec Corporation Lithium ion secondary battery
JP6098878B2 (ja) * 2013-04-17 2017-03-22 トヨタ自動車株式会社 非水電解液二次電池
WO2016152425A1 (ja) 2015-03-25 2016-09-29 日本電気株式会社 ハイドロフルオロエーテル化合物、非水電解液およびリチウムイオン二次電池
GB201916352D0 (en) * 2019-10-21 2019-12-25 Mexichem Fluor Sa De Cv Composition
CN116583980A (zh) * 2020-12-16 2023-08-11 索尔维公司 用于锂金属电池的电解质组合物
US20230246237A1 (en) * 2022-01-31 2023-08-03 Uchicago Argonne, Llc Novel fluorinated ethers as electrolyte solvents for lithium metal, sodium metal, magnesium metal or sulfur batteries
WO2024065158A1 (zh) * 2022-09-27 2024-04-04 宁德时代新能源科技股份有限公司 电解液及包含其的锂金属二次电池、电池包、电池模块和用电装置
WO2024095796A1 (ja) * 2022-11-04 2024-05-10 学校法人 関西大学 電解液、リチウム硫黄二次電池及びモジュール

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4780833B2 (ja) * 1998-09-11 2011-09-28 三井化学株式会社 非水電解液および非水電解液二次電池
JP2001093572A (ja) * 1999-09-27 2001-04-06 Hitachi Ltd 非水電解液二次電池及びそれを用いた電気自動車、ハイブリット式自動車及び電力貯蔵システム
RU2010148390A (ru) * 2008-04-28 2012-06-10 Асахи Гласс Компани, Лимитед (Jp) Неводный электролит для вторичного элемента и вторичный элемент

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010238510A (ja) 2010-10-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5343665B2 (ja) リチウム二次電池の非水電解液用溶媒
JP5693222B2 (ja) リチウム二次電池
JP6472888B2 (ja) 非水電解液用添加剤、非水電解液、及び、蓄電デバイス
JP5382183B2 (ja) 非水電解液及び電池
JP5454650B2 (ja) 電池及び非水電解液
US9923240B2 (en) Electrolyte solution, electrochemical device, lithium battery, and module
JP5545291B2 (ja) リチウム二次電池用非水電解液
JP5545292B2 (ja) 蓄電デバイス用電解液および蓄電デバイス
JP5573639B2 (ja) リチウム二次電池用非水電解液
JPWO2011162169A1 (ja) リチウムイオン二次電池
CN111640975A (zh) 用于锂离子电化学电池的电解质组合物
WO2011034162A1 (ja) リチウム二次電池の非水電解液用溶媒
WO2019003776A1 (ja) 電解液、電気化学デバイス、二次電池及びモジュール
WO2019003780A1 (ja) 電解液、電気化学デバイス、二次電池及びモジュール
CN111886744A (zh) 用于锂离子电化学电池的电解质组合物
JP5382248B2 (ja) 過充電防止剤、非水電解液、及び、リチウムイオン二次電池
JP5004217B2 (ja) 非水二次電池
CN115720687A (zh) 非水电解液用添加剂、非水电解液及蓄电器件
JP2007157735A (ja) 非水二次電池
JP2019145308A (ja) リチウムイオン二次電池

Legal Events

Date Code Title Description
RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

Effective date: 20101022

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20101025

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120106

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130326

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130402

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20130530

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20130604

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130627

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130716

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130729

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5343665

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151