JP2010007788A5 - - Google Patents

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複列玉軸受および車両用ピニオン軸支持装置
本発明は、複列玉軸受に関し、特に、ディファレンシャルギヤ装置、トランスアクスル装置、または、トランスファ装置等のピニオン軸を支持するのに使用されれば好適な複列玉軸受に関する。
また、本発明は、ディファレンシャルギヤ装置、トランスアクスル装置、トランスファ装置等の車両用ピニオン軸を有する車両用ピニオン軸支持装置に関する。
従来、ディファレンシャルギヤ装置のピニオン軸支持用の軸受としては、特表2002−523710号公報(特許文献1)に記載されている複列アンギュラ玉軸受がある。
この複列アンギュラ玉軸受は、内輪の外周面に形成された第1軌道溝と、外輪の内周面に形成された第1軌道溝との間に、複数の第1の玉を配置し、内輪の外周面に形成された第2軌道溝と、外輪の内周面に形成された第2軌道溝との間に、複数の第2の玉を配置している。
この複列アンギュラ玉軸受は、上記内輪と上記外輪との間において、潤滑油が軸方向の一方側から他方側に向けて流れるようになっている。
上記構成のディファレンシャルギヤ装置において、上記複列玉軸受のトルクを低減して、上記ディファレンシャルギヤ装置を有する車両の燃費を低減したいという要請がある。
特表2002−523710号公報(第2図)
そこで、本発明の課題は、トルクが小さい複列玉軸受および運転コストが小さい車両用ピニオン軸支持装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の複列玉軸受は、
外輪と、内輪と、軸方向に間隔をおいて位置する第1の玉および第2の玉と、上記第1の玉を保持する第1保持器と、上記第2の玉を保持する第2保持器とを備え複列玉軸受において
上記内輪は、上記第1の玉が配置される第1軌道溝と、上記第1軌道溝の外径よりも大きい外径を有すると共に上記第2の玉が配置される第2軌道溝とを有し、
上記第1保持器は、潤滑液体が上記外輪と上記内輪との間に流入するのを抑制するための液体流入抑制部を有し、
上記第2保持器は、潤滑液体が上記外輪と上記内輪との間から流出するのを促進するための液体流出促進部を有することを特徴としている。
本発明によれば、第1保持器および第2保持器において、潤滑液体の流れの上流側に位置する第1保持器が、上記潤滑液体が外輪と内輪との間に流入するのを抑制する液体流入抑制部を有しているから、この液体流入抑制部で、潤滑液体が軸受内に流入することを抑制できる。したがって、軸受内部の潤滑液体の量を低減できて、軸受の攪拌抵抗を低減でき、トルクを低減できる。
また、本発明によれば、第1保持器および第2保持器において、潤滑液体の流れの下流側に位置する第2保持器が、上記潤滑液体が外輪と内輪との間から流出するのを促進する液体流出促進部を有しているから、この液体流出促進部で、潤滑液体が軸受外に流出することを促進できる。したがって、軸受内部の潤滑液体の量を低減できて、軸受の攪拌抵抗を低減でき、トルクを低減できる。
また、一実施形態では、
上記第1保持器および上記第2保持器の夫々は、第1環状部と、この第1環状部よりも上記第2軌道溝側に位置する第2環状部と、上記第1環状部と上記第2環状部とを連結する複数の柱部とを有し、
上記第1保持器の上記第1環状部の径方向の肉厚は、上記第2保持器の上記第2環状部の径方向の肉厚よりも厚くなっており、
上記液体流入抑制部は、上記第1保持器の上記第1環状部の軸方向の外方の端面を含み、
上記液体流出促進部は、上記第2保持器の上記第2環状部の外周面および内周面を含む。
上記実施形態によれば、上記第1保持器の上記第1環状部の径方向の肉厚が、上記第2保持器の上記第2環状部の径方向の肉厚よりも厚くなっているから、上記第1保持器の上記第1環状部の軸方向の外方の端面で、外輪と内輪との間の潤滑液体(例えば、潤滑油や洗浄液)の流入側の開口のより大きな部分を塞ぐことができる一方、軸受内の潤滑液体を、上記第2保持器の上記第2環状部の周面(外周面および内周面)と、軌道輪(外輪および内輪)との間を介して効率的に流出させることができる。したがって、軸受内部の潤滑液体の量を低減できて、軸受の攪拌抵抗を低減でき、トルクを低減できる。
また、一実施形態では、
上記第1保持器および上記第2保持器の夫々は、
第1環状部と、
この第1環状部よりも上記第2軌道溝側に位置する第2環状部と、
上記第1環状部よりも上記第2軌道溝側に位置すると共に、上記第2環状部よりも径方向の内方に位置する第3環状部と
上記第1環状部の径方向の外方の端部と上記第2環状部とを連結する複数の第1柱部と、
上記第1環状部の径方向の内方の端部と上記第3環状部とを連結する複数の第2柱部と
を有し、
上記第1保持器の上記第1環状部の径方向の寸法は、上記第1保持器の上記第2環状部の径方向の寸法と、上記第1保持器の上記第3環状部の径方向の寸法とを足した値よりも大きくなっており、
上記第2保持器の上記第2柱部は、軸方向の外方に行くにしたがって内径が大きくなる円錐面の一部からなる内面を有し、
上記液体流入抑制部は、上記第1保持器の上記第1環状部の軸方向の外方の端面を含み、
上記液体流出促進部は、上記第2保持器の上記第2柱部の上記内面を含む。
上記実施形態によれば、液体流入抑制部としての上記第1保持器の上記第1環状部の軸方向の外方の端面で、外輪と内輪との間の潤滑液体の流入側の開口のより大きな部分を塞ぐことができて、潤滑液体の軸受内への流入を抑制できる。
また、上記実施形態によれば、上記第1保持器の第1柱部の外周面および第2柱部の内周面で、潤滑液体の第1の玉の中心方向への流れを遮断することができて、第1の玉が潤滑液体を攪拌することに起因する攪拌抵抗を格段に低減できる。
また、上記実施形態によれば、上記第2保持器の第1環状部の軸方向の第1保持器側の端面と、上記第2保持器の第1柱部の外周面と、上記第2保持器の第2柱部の内周面とで、潤滑液体の第2の玉の中心方向への流れを遮断できて、第2の玉が潤滑液体を攪拌することに起因する攪拌抵抗を格段に低減できる。
また、上記実施形態によれば、液体流出促進部としての上記第2保持器の上記第2柱部の上記円錐面の一部からなる内面のポンプ効果によって、この円錐面に到達した潤滑液体を、この円錐面上を伝わせて軸方向の外方に円滑に排出させることができる。
したがって、上記複数の作用効果の相乗効果によって、軸受内の潤滑液体の量を格段に少なくすることによって、攪拌抵抗を格段に低減できて、トルクを格段に低減できる。
また、上記実施形態によれば、各保持器が、径方向において、第1柱部と第2柱部との間に構成部分を有していないから、従来と比較して、保持器を格段に軽量化できると共に、保持器の材料費を低減できる。また、保持器が軽量であるという理由からも軸受の回転抵抗を低減できる。
また、本発明の車両用ピニオン軸支持装置は、
ケースと、
上記ケース内に設けられた差動機構と、
上記差動機構のリングギヤと噛み合うピニオンギヤを有するピニオン軸と、
上記ピニオン軸を回転自在に支持する本発明の複列玉軸受と
を備えることを特徴としている。
本発明によれば、本発明の複列玉軸受を備えるから、複列玉軸受のトルクを小さくすることができる。したがって、本発明を備えた車両の燃費を低減することができる。
本発明の複列玉軸受によれば、第1保持器および第2保持器において、潤滑液体の流れの上流側に位置する第1保持器が、液体流入抑制部を有しているから、この液体流入抑制部で、潤滑液体が軸受内に流入することを抑制できる。したがって、軸受内部の潤滑液体の量を低減できて、軸受の攪拌抵抗を低減でき、トルクを低減できる。
また、本発明の複列玉軸受によれば、第1保持器および第2保持器において、潤滑液体の流れの下流側に位置する第2保持器が、液体流出促進部を有しているから、この液体流出促進部で、潤滑液体が軸受外に流出することを促進できる。したがって、軸受内部の潤滑液体の量を低減できて、軸受の攪拌抵抗を低減でき、トルクを低減できる。
また、本発明の車両用ピニオン軸支持装置によれば、本発明の複列玉軸受を備えるから、複列玉軸受のトルクを小さくすることができて、本発明を備えた車両の燃費を低減することができる。
以下、本発明を図示の形態により詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態のディファレンシャルギヤ装置の断面図である。
このディファレンシャルギヤ装置は、ピニオン軸1と、差動機構3と、複列玉軸受の一例としての第1の複列アンギュラ玉軸受5と、複列玉軸受の一例としての第2の複列アンギュラ玉軸受6と、ケース8とを備える。
上記第1の複列アンギュラ玉軸受5は、ピニオン軸1の差動機構3側の外周に配置されている一方、第2の複列アンギュラ玉軸受6は、ピニオン軸1の差動機構3側と反対側の外周に配置されている。また、上記ケース8は、ピニオン軸1、差動機構3、および、第1、第2の複列アンギュラ玉軸受5,6を収容している。
上記ピニオン軸1の差動機構3側の一端部には、ピニオンギヤ2が形成されている。このピニオンギヤ2は、差動機構3のリングギヤ11と噛合している。一方、上記ピニオン軸1の他端部には、フランジ継手12が配置され、図示しないドライブシャフトを連結できるようになっている。
上記ケース8は、ディファレンシャルギヤ装置の内部領域を画定する本体部26と、略筒状の環状部27とを備えている。上記環状部27は、本体部26の内周面に連なっている。上記環状部27は、本体部26の内部空間に配置されている。
上記第1の複列アンギュラ玉軸受5は、内輪28、外輪24、複数の第1の玉30、および、複数の第2の玉31を備え、第2の複列アンギュラ玉軸受6は、内輪29、外輪25、複数の第1の玉33、および、複数の第2の玉32を備える。図1に示すように、上記複数の第1の玉30および複数の第2の玉31は、外輪24の内周面と、内輪28の外周面との間に、内輪28の軸方向に2列に配置され、複数の第1の玉33および複数の第2の玉32は、外輪25の内周面と内輪29の外周面との間に、内輪29の軸方向に2列配置されている。
上記第1の複列アンギュラ玉軸受5の内輪28の内周面はピニオン軸1の外周面に嵌合固定されている一方、外輪24の外周面は、環状部27の内周面に嵌合固定されている。また、上記第2の複列アンギュラ玉軸受6の内輪29の内周面はピニオン軸1に嵌合固定されている一方、外輪25の外周面は本体部26の内周面に嵌合固定されている。上記第1および第2の複列アンギュラ玉軸受5,6は、ピニオン軸1を回転自在に支持している。
上記構成において、このディファレンシャルギヤ装置は、上記ドライブシャフトの動力を、ピニオン軸1を介して差動機構3に伝達して、差動機構3を駆動させるようになっている。そして、上記差動機構3の両側の側方に配置される継手の夫々に連結されている車輪軸(図示せず)の回転速度差を適宜調整するようになっている。
また、このディファレンシャルギヤ装置は、レベルLにて貯留されている潤滑液体としての潤滑油を、運転時にリングギヤ11の回転に伴って跳ね上げて、ケース8内の潤滑油潤滑路37を介して、図1に矢印a、b、c、dおよびeの順に循環させて、ピニオンギヤ2、差動機構3のリングギヤ11、差動機構3のサイドギヤ(図示せず)、第1の複列アンギュラ玉軸受5および第2の複列アンギュラ玉軸受6を通過するように循環させて、上記複数のギヤ、および、第1、第2の複列アンギュラ玉軸受5,6の焼付を防止するようにしている。
図2は、上記第1の複列アンギュラ玉軸受5の軸方向の拡大断面図である。
尚、詳述しないが、上記第2の複列アンギュラ玉6は、第1の複列アンギュラ玉軸受5と同様の構成を有している。上記第2の複列アンギュラ玉軸受6の説明は、第1の複列アンギュラ玉軸受5をもって省略することにする。また、図2において、矢印fおよびgは、潤滑油の流れの方向を示している。
上記第1の複列アンギュラ玉軸受5は、内輪28、外輪24、複数の玉30、複数の玉31、環状の第1保持器40および環状の第2保持器41を備える。
上記内輪28は、その外周面に、アンギュラ型の第1軌道溝50と、アンギュラ型の第2軌道溝51とをする。上記第1軌道溝50は、第2軌道溝51に対して軸方向に間隔をおいて位置している。上記第1軌道溝50の軌道底の外径は、上記第2軌道溝51の軌道底の外径よりも小さくなっている。上記内輪28の外周面において、第1軌道面50と第2軌道面51との間に位置している部分は、テーパ面になっている。このテーパ面の外径は、軸方向に第1軌道溝50から第2軌道溝51に行くにしたがって、大きくなっている。
上記外輪24は、その内周面に、アンギュラ型の第1軌道溝60と、アンギュラ型の第2軌道溝61とをする。上記第1軌道溝60は、第2軌道溝61に対して軸方向に間隔をおいて位置している。上記第1軌道溝60の軌道底の内径は、上記第2軌道溝61の軌道底の内径よりも小さくなっている。上記外輪22の内周面において、第1軌道面60と第2軌道面61との間に位置している部分は、テーパ面になっている。このテーパ面の内径は、軸方向に第1軌道溝60から第2軌道溝61に行くにしたがって、大きくなっている。
上記第1保持器40は、第1環状部80と、第2環状部81と、複数の同一の柱部83とを有する。上記各柱部83は、第1環状部80と、第2環状部81との間を連結している。上記複数の柱部83は、第1環状部80の周方向に互いに間隔を置いて配置されている。
上記第1および第2環状部80,81の外周面、および、各柱部83の外面の夫々は、外輪24の内周面に対して径方向に僅かな間隔をおいて位置している。上記第1および第2環状部80,81の外周面、および、各柱部83の外面の夫々は、外輪24の内周面の形状に対応する形状を有している。
また、上記第1および第2環状部80,81の内周面、および、各柱部75の内面の夫々は、内輪28の外周面に対して径方向に僅かな間隔をおいて位置している。上記第1および第2環状部80,81の内周面、および、各柱部75の内面の夫々は、内輪28の外周面の形状に対応する形状を有している。
軸方向の各位置において、第1環状部80、第2環状部81または各柱部83の径方向の肉厚tは、その軸方向の位置における外輪24の内周面と内輪28の外周面との径方向の距離δに対して、軌道部でt≧0.6δ、肩(つば)部でt≧0.75δの大きさになっている。
このように、潤滑油の流入側の第1保持器40の肉厚を厚くして、第1保持器40と、軌道輪24,28との径方向の隙間を小さくすることにより、潤滑油が存在可能なスペースを小さくして、潤滑油が軸受内に流入することを抑制して、潤滑油の攪拌抵抗を低減している。
上記第1保持器40の軸方向の潤滑油の流入側の端面70、第1環状部80の外周面71、各柱部83の外面72、第2環状部81の外周面73、第1環状部80の内周面74、各柱部の内面74、および、第2環状部81の内周面76は、液体流入抑制部を構成している。
上記第2保持器41は、第1環状部90と、第2環状部91と、複数の同一の柱部93とを有する。上記各柱部93は、第1環状部90と、第2環状部91との間を連結している。上記複数の柱部93は、第1環状部90の周方向に互いに間隔を置いて配置されている。上記各柱部93において、軸方向において内輪28の第2軌道溝51の軌道底よりも軸方向の外方に位置する部分97は、軸方向の外方に行くにしたがって径方向の肉厚が小さくなっている。
上記第2保持器41の第2環状部91の径方向の肉厚は、第1保持器40の第1環状部80の径方向の肉厚よりも小さくなっている。上記第2保持器41の第2環状部91と、外輪24との径方向の間隔(隙間)は、第1保持器40の第1環状部80と、外輪24との径方向の間隔(隙間)よりも大きくなっている。また、上記第2保持器41の第2環状部91と、内輪28との径方向の間隔(隙間)は、第1保持器40の第1環状部80と、内輪28との径方向の間隔(隙間)よりも大きくなっている。
上記複数の第1の玉30は、内輪28の第1軌道溝50と、外輪24の第1軌道溝60との間に、第1保持器40によって保持された状態で、周方向に互いに間隔をおいて配置されている。また、上記複数の第2の玉31は、内輪28の第2軌道溝51と、外輪24の第2軌道溝61との間に、第2保持器41によって保持された状態で、周方向に互いに間隔をおいて配置されている。上記複数の第1の玉30の中心がつくるピッチ円径は、複数の第2の玉31の中心がつくるピッチ円径よりも小さくなっている。
上記第2保持器41の第2環状部91の外周面および内周面と、各柱部93において、内輪28の第2軌道溝51の軌道底よりも軸方向の外方に位置する部分97の外周面および内周面とは、液体流出促進部を構成している。
上記第1実施形態の第1の複列アンギュラ玉軸受5によれば、第1保持器40の第1環状部80の径方向の肉厚が、第2保持器41の第2環状部91の径方向の肉厚よりも厚くなっているから、第1保持器40の第1環状部80の軸方向の外方の端面70で、外輪24と内輪28との間の潤滑油の流入側の開口のより大きな部分を塞ぐことができる一方、軸受5内の潤滑油を、第2保持器31の第2環状部91の周面(外周面および内周面)と、軌道輪(外輪24および内輪28)との間を介して効率的に流出させることができる。したがって、軸受5内部の潤滑液体の量を低減できて、軸受5の攪拌抵抗を低減でき、トルクを低減できる。
また、上記第1実施形態の第1の複列アンギュラ玉軸受5によれば、軸方向の各位置において、第1環状部80、第2環状部81または各柱部83の径方向の肉厚tが、その軸方向の位置における外輪24の内周面と内輪28の外周面との径方向の距離δに対して、軌道部でt≧0.6δ、肩(つば)部でt≧0.75δの大きさになっていて、第1保持器40が、外輪24と内輪28との間の潤滑油の流入側の領域の大部分を占めているから、上記流入側の領域に潤滑油が入り込むスペースが殆どなくて、軸受5内に存在する潤滑油の量を格段に少なくできる。したがって、潤滑油の攪拌抵抗を格段に小さくできる。
尚、上記実施形態では、この発明の第1実施形態の第1および第2複列アンギュラ玉軸受5,6を、ディファレンシャルギヤ装置のピニオン軸1を支持する軸受として採用したが、この発明の複列アンギュラ玉軸受を、トランスアクスル装置またはドランスファ装置のピニオン軸を支持する軸受として使用しても良い。
図3は、本発明の第2実施形態の複列玉軸受である複列アンギュラ玉軸受105の軸方向の拡大断面図である。
第2実施形態の複列アンギュラ玉軸受105は、第1保持器140の形状および第2保持器141の形状のみが第1実施形態のアンギュラ玉軸受5と異なる。
第2実施形態の複列アンギュラ玉軸受105では、第1実施形態の第1の複列アンギュラ玉軸受5の構成部と同一構成部には同一参照番号を付して説明を省略することにする。また、第2実施形態の複列アンギュラ玉軸受105では、第1実施形態の第1の複列アンギュラ玉軸受5と共通の作用効果および変形例については説明を省略することにし、第2実施形態の第1の複列アンギュラ玉軸受5と異なる構成、作用効果および変形例についてのみ説明を行うことにする。
第2実施形態の複列アンギュラ玉軸受105では、潤滑油の流入側の第1保持器140は、第1環状部150と、第2環状部151と、第3環状部152と、複数の第1柱部153と、複数の第2柱部154とを有する。
上記第1環状部150は、第2環状部151および第3環状部152よりも潤滑油の流れの上流側に位置している。上記第1環状部150は、中空の円板形状を有し、略内輪28の径方向に広がっている。また、上記第2環状部151は、第3環状部152より径方向の外方に位置している。
上記第1保持器140の第1環状部150の径方向の寸法は、第1保持器140の第2環状部151の径方向の寸法と、第1保持器140の第3環状部152の径方向の寸法とを足した値よりも大きくなっている。
上記各第1柱部153は、第1環状部150の径方向の上方の端部と、第2環状部151との間を連結している。図3に示すように、各第1柱部153は、軸方向の断面において、直線状の形状を有している。上記各第1柱部153は、円錐面の一部からなる外面156と、円錐面の一部からなる内面157とを有している。上記外面156の外径は、潤滑油の流れの下流に行くにしたがって、一様に大きくなり、内面157の内径は、潤滑油の流れの下流に行くにしたがって、一様に大きくなっている。上記複数の第1柱部153は、第1環状部150の周方向に互いに間隔をおいて位置している。
上記各第2柱部154は、第1環状部150の径方向の下方の端部と、第2環状部152との間を連結している。図3に示すように、各第2柱部154は、軸方向の断面において、直線状の形状を有している。上記各第2柱部154は、円錐面の一部からなる外面166と、円錐面の一部からなる内面167とを有している。上記外面166の外径は、潤滑油の流れの下流に行くにしたがって、一様に大きくなり、内面167の内径は、潤滑油の流れの下流に行くにしたがって、一様に大きくなっている。上記複数の第1柱部154は、第1環状部150の周方向に互いに間隔をおいて位置している。
また、同様に、潤滑油の流出側の第2保持器141は、第1環状部170と、第2環状部171と、第3環状部172と、複数の第1柱部173と、複数の第2柱部174とを有する。
上記第1環状部170は、第2環状部171および第3環状部172よりも潤滑油の流れの上流側に位置している。上記第1環状部170は、中空の円板形状を有し、略径方向に広がっている。上記第2環状部171は、第3環状部172より径方向の外方に位置している。
上記第2保持器141の第1環状部170の径方向の寸法は、第1保持器141の第2環状部171の径方向の寸法と、第2保持器141の第3環状部172の径方向の寸法とを足した値よりも大きくなっている。
上記各第1柱部173は、第1環状部170の径方向の上方の端部と、第2環状部171との間を連結している。図3に示すように、各第1柱部173は、軸方向の断面において、直線状の形状を有している。上記各第1柱部173は、円錐面の一部からなる外面176と、円錐面の一部からなる内面177とを有している。上記外面176の外径は、潤滑油の流れの下流に行くにしたがって、一様に大きくなり、内面177の内径は、潤滑油の流れの下流に行くにしたがって、一様に大きくなっている。上記複数の第1柱部173は、第1環状部170の周方向に互いに間隔をおいて位置している。
上記各第2柱部174は、第1環状部170の径方向の下方の端部と、第2環状部172との間を連結している。図3に示すように、各第2柱部174は、軸方向の断面において、直線状の形状を有している。上記各第2柱部174は、円錐面の一部からなる外面186と、円錐面の一部からなる内面187とを有している。上記外面186の外径は、潤滑油の流れの下流に行くにしたがって、一様に大きくなり、内面187の内径は、潤滑油の流れの下流に行くにしたがって、一様に大きくなっている。上記複数の第2柱部174は、第1環状部170の周方向に互いに間隔をおいて位置している。
図3に示すように、上記第2保持器141の第1環状部170の上方の端部の径方向の位置と、第1保持器140の第2環状部151の径方向の位置とは、略等しく、また、第2保持器141の第1環状部170の下方の端部の径方向の位置と、第1保持器140の第3環状部152の径方向の位置とは、略等しくなっている。上記第2保持器141の第1環状部170は、第1保持器140の第1および第2環状部151,152の夫々と、軸方向に間隔をおいて位置している。
図4は、複列アンギュラ玉軸受105を、第1保持器140の軸方向の潤滑油の上流側から見たときの第1環状部150および第1の玉30を示す図である。また、図5は、複列アンギュラ玉軸受105を、第1保持器140の軸方向の潤滑油の下流側からみたときの第2環状部151、第3環状部152および第1の玉30を示す図である。
尚、説明しないが、第2保持器141も、第1保持器140と同様の構造を有する(サイズ、例えば、第1,2,3環状部の外径および内径等は、第1保持器140と第2保持器141とで異なる)。
図4および図5に示すように、第1環状部150の径方向の肉厚は、第2環状部151の径方向の肉厚より大きく、かつ、第3環状部152の径方向の肉厚よりも大きくなっている。また、上記第2環状部151の中心軸は、第3環状部152の中心軸と略一致している。
上記第1保持器140の第1環状部150の軸方向の外方(上流側)の端面は、液体流入抑制部を構成している。また、上記各第1柱部153,173の外面156,176および各第2柱部154,174の内面167,187は、液体流出促進部を構成している。
上記第2実施形態の複列アンギュラ玉軸受105では、上述のように、第1保持器140および第2保持器141の夫々において、第1柱部153,173が、軸方向の上流側から下流側に行くにしたがって、外径が一様に大きくなる外面156,176を有している。また、第1保持器140および第2保持器141の夫々において、第2柱部154,174が、軸方向の上流側から下流側に行くにしたがって、内径が一様に大きくなる内面167,187を有している。また、第1保持器140および第2保持器141の夫々において、第1環状部150,170が、軸方向の上流側の端部において、第1柱部153,173と、第2柱部154,174との径方向の間を閉鎖している。また、図3に示すように、軸方向の断面において、第1保持器140の第1柱部153と、第2保持器141の第1柱部173とは、略同一直線上に位置し、第1保持器140の第2柱部154と、第2保持器141の第2柱部174とは、略同一直線上に位置している。
したがって、上記複数の構成により、潤滑油の大きな流れを、次の二つの流れに制限できる。
すなわち、第1柱部153,173の遠心力により、潤滑油を、各第1,2保持器140,141の第1柱部153,173と、外輪24の内周面との間を、図3に矢印h,iで示すように、外輪24の内周面に沿わすように、流動させることができる。また、上記複数の構成と、内輪28の遠心力により、潤滑油を、図3に矢印j,kで示すように、各第1,2保持器140,141の第2柱部154,174の内面に沿わすように、流動させることができる。
したがって、このように、潤滑油の第1の玉30の中心方向への流れを遮断することができるから、第1の玉30が潤滑油を攪拌することに起因する攪拌抵抗を格段に低減できる。また、同様に、潤滑油の第2の玉31の中心方向への流れを遮断できるから、第2の玉31が潤滑油を攪拌することに起因する攪拌抵抗を格段に低減できる。
また、上記第2実施形態の複列アンギュラ玉軸受105によれば、各第1柱部153,173および内輪28の遠心力と、外輪28の内周面および各第2柱部の内面167,187の内面のポンプ作用により、潤滑油を、軸方向の外方に効率的かつ円滑に流出させることができる。
したがって、液体流入抑制部である第1環状部150の軸方向の外方の端面の面積が大きくて、この端面によって潤滑油の流入を抑制できることとの相乗効果によって、軸受内の潤滑液体の量を格段に少なくすることができて、攪拌抵抗を格段に低減でき、トルクを格段に低減できる。
また、上記第2実施形態の複列アンギュラ玉軸受105によれば、各保持器140,141が、径方向において、第1柱部153,173と、第2柱部154,174との間に構成部分を有していないから、従来と比較して、各保持器140,141を格段に軽量化できると共に、各保持器140,141の材料費を低減できる。また、各保持器140,141が軽量であるという理由からも軸受105の回転抵抗を低減できる。
本発明の第1実施形態のディファレンシャルギヤ装置の断面図である。 上記ディファレンシャルギヤ装置が有する第1の複列アンギュラ玉軸受の軸方向の拡大断面図である。 本発明の第2実施形態の複列玉軸受である複列アンギュラ玉軸受の軸方向の拡大断面図である。 第2実施形態において、複列アンギュラ玉軸受を、第1保持器の軸方向の潤滑油の上流側から見たときの第1環状部および第1の玉を示す図である。 第2実施形態において、複列アンギュラ玉軸受を、第1保持器の軸方向の潤滑油の下流側からみたときの第2環状部、第3環状部および第1の玉を示す図である。
1 ピニオン軸
2 ピニオンギヤ
3 作動機構
5 第1の複列アンギュラ玉軸受
6 第2の複列アンギュラ玉軸受
11 リングギヤ
24 外輪
28 内輪
30 第1の玉
31 第2の玉
40,140 第1保持器
41,141 第2保持器
50 内輪の第1軌道溝
51 内輪の第2軌道溝
60 外輪の第1軌道溝
61 外輪の第2軌道溝
80 第1保持器の第1環状部
81 第1保持器の第2環状部
83 第1環状部の柱部
90 第2保持器の第1環状部
91 第2保持器の第2環状部
93 第2環状部の柱部
105 複列アンギュラ玉軸受
150 第1保持器の第1環状部
151 第1保持器の第2環状部
152 第1保持器の第3環状部
153 第1保持器の第1柱部
154 第1保持器の第2柱部
170 第2保持器の第1環状部
171 第2保持器の第2環状部
172 第2保持器の第3環状部
173 第2保持器の第1柱部
174 第2保持器の第2柱部

Claims (4)

  1. 外輪と、内輪と、軸方向に間隔をおいて位置する第1の玉および第2の玉と、上記第1の玉を保持する第1保持器と、上記第2の玉を保持する第2保持器とを備え複列玉軸受において
    上記内輪は、上記第1の玉が配置される第1軌道溝と、上記第1軌道溝の外径よりも大きい外径を有すると共に上記第2の玉が配置される第2軌道溝とを有し、
    上記第1保持器は、潤滑液体が上記外輪と上記内輪との間に流入するのを抑制するための液体流入抑制部を有し、
    上記第2保持器は、潤滑液体が上記外輪と上記内輪との間から流出するのを促進するための液体流出促進部を有することを特徴とする複列玉軸受。
  2. 請求項1に記載の複列玉軸受において、
    上記第1保持器および上記第2保持器の夫々は、第1環状部と、この第1環状部よりも上記第2軌道溝側に位置する第2環状部と、上記第1環状部と上記第2環状部とを連結する複数の柱部とを有し、
    上記第1保持器の上記第1環状部の径方向の肉厚は、上記第2保持器の上記第2環状部の径方向の肉厚よりも厚くなっており、
    上記液体流入抑制部は、上記第1保持器の上記第1環状部の軸方向の外方の端面を含み、
    上記液体流出促進部は、上記第2保持器の上記第2環状部の外周面および内周面を含むことを特徴とする複列玉軸受。
  3. 請求項1に記載の複列玉軸受において、
    上記第1保持器および上記第2保持器の夫々は、
    第1環状部と、
    この第1環状部よりも上記第2軌道溝側に位置する第2環状部と、
    上記第1環状部よりも上記第2軌道溝側に位置すると共に、上記第2環状部よりも径方向の内方に位置する第3環状部と
    上記第1環状部の径方向の外方の端部と上記第2環状部とを連結する複数の第1柱部と、
    上記第1環状部の径方向の内方の端部と上記第3環状部とを連結する複数の第2柱部と
    を有し、
    上記第1保持器の上記第1環状部の径方向の寸法は、上記第1保持器の上記第2環状部の径方向の寸法と、上記第1保持器の上記第3環状部の径方向の寸法とを足した値よりも大きくなっており、
    上記第2保持器の上記第2柱部は、軸方向の外方に行くにしたがって内径が大きくなる円錐面の一部からなる内面を有し、
    上記液体流入抑制部は、上記第1保持器の上記第1環状部の軸方向の外方の端面を含み、
    上記液体流出促進部は、上記第2保持器の上記第2柱部の上記内面を含むことを特徴とする複列玉軸受。
  4. ケースと、
    上記ケース内に設けられた差動機構と、
    上記差動機構のリングギヤと噛み合うピニオンギヤを有するピニオン軸と、
    上記ピニオン軸を回転自在に支持する請求項1乃至3のいずれか1つに記載の複列玉軸受と
    を備えることを特徴とする車両用ピニオン軸支持装置。
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