JP2014025548A - 回転軸装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】軸受内に存在する潤滑油の量を適正化し、潤滑油による撹拌抵抗を抑制し、これにより、低トルク化を可能とした複列玉軸受を提供する。
【解決手段】転がり軸受1は、外輪2、内輪3、両輪の間に複列に配置された複数の転動体5、およびこれらの転動体5を保持する保持器6,7を備えており、前記内輪3の外周に、小径外周、転動体が転動する軌道面、大径外周が順に形成され、前記軌道面のポンプ作用によって潤滑油が流入空間から排出空間へ移動させられる回転軸装置において、前記外輪2の内周または前記内輪3の外周に径方向に延びる円盤状の環状シール8を嵌合させ、この環状シール8および前記内輪3の外周または前記外輪2の内周の間にすきまLを形成したことを特徴とする回転軸装置。
【選択図】図1
【解決手段】転がり軸受1は、外輪2、内輪3、両輪の間に複列に配置された複数の転動体5、およびこれらの転動体5を保持する保持器6,7を備えており、前記内輪3の外周に、小径外周、転動体が転動する軌道面、大径外周が順に形成され、前記軌道面のポンプ作用によって潤滑油が流入空間から排出空間へ移動させられる回転軸装置において、前記外輪2の内周または前記内輪3の外周に径方向に延びる円盤状の環状シール8を嵌合させ、この環状シール8および前記内輪3の外周または前記外輪2の内周の間にすきまLを形成したことを特徴とする回転軸装置。
【選択図】図1
Description
この発明は、ハウジングに転がり軸受を介して回転軸を回転可能に軸承した回転軸装置に関する。
外輪、内輪、両輪の間に複列に配置された複数の玉、およびこれらの玉を保持する保持器を有するタンデム型の複列玉軸受の回転軸装置は、特許文献1に示されているように、車両用のピニオン軸支持装置などにおいて広く使用されている。
図4は、この発明による回転軸装置が対象としている1例のデファレンシャルギア装置を示すもので、デファレンシャルギア装置は、ハウジング41に回転自在に支持されかつ内側端部にピニオンギア43が配設されたピニオン軸42と、ピニオンギア43に噛み合わされたリングギヤ44と、ピニオン軸42をハウジング41に回転自在に支持する内外1対の複列玉軸受45,46と、ピニオン軸42の外側端部に設けられたドライブシャフト連結用フランジ継手47とを備えている。
このデファレンシャルギア装置では、リングギヤ44の回転に伴って跳ね上げられた潤滑油がハウジング41内の潤滑油通路48を介して1対の複列玉軸受45,46の軸方向中間に導入されている。複列玉軸受45,46が回転すると、小径側から大径側への傾斜面によるポンプ作用で流体の流れが発生する。リングギヤ44の回転数の上昇に伴って軸受内部へ流入する潤滑油量が増加するので、リングギヤ44の高回転時は、潤滑に必要な潤滑油量よりも多くなり、不要な量の潤滑油によって撹拌抵抗が増大し、トルクが増大することになる。回転トルク低減のためには、軸受内を通過する潤滑油の量を減らし、潤滑油による撹拌抵抗を抑制することが有効であり、そのために軸受内部に潤滑油を排出する機構を設けているものがある。
軸受内部に潤滑油を排出する機構を設ける構造は複雑となり、コスト大となっている。そこで、この発明の目的は、シールにより軸受内に供給される潤滑油の量を適正化して潤滑油による撹拌抵抗を抑制し、低トルク化を可能とした回転軸装置を提供することにある。
この発明による回転軸装置は、ハウジングに転がり軸受を介して回転軸を回転可能に軸承し、前記転がり軸受の軸方向の一方に潤滑油の流入空間を設け、前記転がり軸受の軸方向の他方に潤滑油の排出空間を設け、前記転がり軸受は、外輪、内輪、両輪の間に複列に配置された複数の転動体、およびこれらの転動体を保持する保持器を備えており、前記内輪の外周に、小径外周、転動体が転動する軌道面、大径外周が順に形成され、前記軌道面のポンプ作用によって潤滑油が前記流入空間から前記排出空間へ移動させられる回転軸装置において、前記外輪の内周または前記内輪の外周に径方向に延びる円盤状の環状シールを固定し、この環状シールおよび前記内輪の外周または前記外輪の内周の間にすきまを形成したことを要旨としている。
本発明によれば、回転軸装置の軸受の内輪または外輪に、潤滑油の流入を規制するシールが設けられているため、複列玉軸受の軸受内部への潤滑油供給量は制御されることで軸受内部に供給される潤滑油量が適正に保たれて、潤滑油による撹拌抵抗を抑制し、低トルク化を可能とした回転軸装置を提供できる。
さらに、本発明は、前記環状シールに、前記内輪の外周または前記外輪の内周の間にすきまを形成する円筒状の円筒部が形成されていることを要旨としている。そのため、環状シールの円筒部で内輪または外輪の径方向のすきまのみならず、円筒部の軸方向長さを適正に確保できるため、複列玉軸受の軸受内部への潤滑油供給量は制御されることで軸受内部に供給される潤滑油量がより適正に保たれて、潤滑油による撹拌抵抗をより抑制し、低トルク化を可能とした回転軸装置を提供できる。
この発明の回転軸装置によると、シールにより、回転数の増加とともにこの潤滑油入り口から供給される潤滑油量の増加を防止することによって、軸受内部に供給される潤滑油量が適正に保たれ、低トルク化が可能となる回転軸装置を提供できる。
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。
図1は、この発明による複列玉軸受の軸装置の1実施形態を示している。この複列玉軸受1は、互いに径が相違する複列の軌道面2a、2bを有しハウジング10に取り付けられる外輪2と、外輪2の各軌道面2a、2bと対応する複列の軌道面3a、3bを有し回転軸(図示略)に取り付けられる内輪3と、両輪2,3の各列の軌道面2a、3a、2b、3b間に異なるピッチ円径をもって配置される複数の大径側玉4および複数の小径側玉5と、複数の大径側玉4を保持する大径側保持器6および複数の小径側玉5を保持する小径側保持器7とを備えている。
ハウジング10には、複列玉軸受1の小径側に潤滑油を供給するための潤滑油供給通路10aが設けられている。
同図において、内輪3の左側の軌道面3bの外径は、内輪3の右側の軌道面3aの外径よりも小さく、かつ、外輪2の左側の軌道面2bの内径は、外輪2の右側の軌道面2aの内径よりも小さくなっている。大径側玉4および小径側玉5の接触角は、同じ向き(同じ角度に限定されるものではない)とされている。また、各保持器6,7は、全体として左側から右側に行くにしたがって径が大きくなるテーパ筒状に形成されている。潤滑油は、図の左側(すなわち小径側)から供給され、複列玉軸受1のポンプ作用によって、図の右側(すなわち大径側)から排出される。
外輪2の両端部内周部にシール8が固定されている。シール8は、外輪2の両端部内周部にかしめ嵌合されるかしめ部8a、と、かしめ部8aより径方向内方に延びる環状部8bと、環状部8bの内縁より軸方向に延在する円筒部8cを備え、この円筒部8cと、内輪3の端部にもうけられた段差部3cの外周面3dとの間ですきまLを形成している。シール8の材料としては、例えば、防錆処理された冷延鋼板のSPCCが用いられ、プレス加工して形成される。
保持器6、7は、例えばPPS、PEEK、PA、PPA、PAI等のスーパーエンプラで一体成形される。保持器6、7に、機械的強度、耐油性および耐熱性に優れたエンジニアリング・プラスチックを使用することにより、鉄板製保持器に比べ、保持器重量が軽く、自己潤滑性があり、摩擦係数が小さいという特徴があるため、軸受内に介在する潤滑油の効果と相俟って、外輪との接触による摩耗の発生を抑えることが可能になる。また、これらの樹脂は鋼板と比べると重量が軽く摩擦係数が小さいため、軸受起動時のトルク損失や保持器摩耗の低減に好適である。エンジニアリング・プラスチックは、汎用エンジニアリング・プラスチックとスーパー・エンジニアリング・プラスチックを含む。なお、保持器材料の例としてPPS、PEEK、PA、PPA、PAI等のスーパーエンプラを挙げたが、必要に応じて、強度増強のため、これら樹脂材料またはその他のエンジニアリング・プラスチックに、ガラス繊維または炭素繊維などを配合したものを使用してもよい。
この発明の複列玉軸受の軸装置の構成によれば、上述のように、外輪2にシール8が設けられているので、回転数が大きくなり多くの潤滑油がきてもシール8の環状部8bおよび円筒部8bのすきまLにより遮蔽されて調節できるため、この結果、複列玉軸受1内部に供給される潤滑油量が適正に保たれ、低トルク化が可能となる。
図2には第2実施形態例を示す。第2実施形態では複列玉軸受100の外輪102の両端部内周部に固定されているシール108は、環状部108bの内縁より軸方向に延在する円筒部108cの長さmを備え、この円筒部108cと、内輪103の外周面103cとの間ですきまLを形成している。
この構成によると、すきまLとすきまLの軸方向長さmのラビリンスの調整範囲が拡大でき、その調整をすることにより、軸受へ流入する量をさらに最適に調整できる。この結果、軸受1内部に供給される潤滑油量が適正に保たれ、低トルク化が可能となる。
図3には第3実施形態例を示す。第3実施形態では複列玉軸受200の内輪203の両端部外周部に固定されているシール208は、環状部208bの内縁より軸方向に延在する円筒部208cの長さmを備え、この円筒部208cと、外輪102の外周面102cとの間ですきまLを形成している。
この構成によれば、内輪203の回転とともにシール208が回転することで、振り切り効果により、内輪203の回転による供給油量の変化を抑えることができ、軸受200への潤滑油の流入量を調節できるとともに、隙間Lを形成するシール円筒部208cの軸方向の長さmを調整することにより、さらに最適に潤滑油量を適正に保ち低トルク化が可能となる。
本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
上述した実施形態は、図1のシール8として金属板からなるシールを挙げた。他の実施形態として、シール7は、金属製の環状芯金と、ゴム製の弾性体とからなるものを使用した非接触シールであっても良い。また、シール8は内輪外周部3cにかしめ嵌合されているが、圧入嵌合で設けても良い。
なお、上記において、軌道面2a、2b、3a、3bの径が異なるタンデム型の複列玉軸受1について説明したが、上記の外輪2にシール8が設けられる構成は、軌道面の径が等しい複列玉軸受にも適用することができる。また、この発明の複列玉軸受1は、デファレンシャルギア装置のピニオン軸を支持する用途のほか、トランスアクスル装置のピニオン軸を支持する軸受などとしても使用できることはもちろんである。
1…複列玉軸受、2…外輪、3…内輪、5…転動体、6、7…保持器、8…シール、10…ハウジング、L…すきま
Claims (2)
- ハウジングに転がり軸受を介して回転軸を回転可能に軸承し、前記転がり軸受の軸方向の一方に潤滑油の流入空間を設け、前記転がり軸受の軸方向の他方に潤滑油の排出空間を設け、前記転がり軸受は、外輪、内輪、両輪の間に複列に配置された複数の転動体、およびこれらの転動体を保持する保持器を備えており、前記内輪の外周に、小径外周、転動体が転動する軌道面、大径外周が順に形成され、前記軌道面のポンプ作用によって潤滑油が前記流入空間から前記排出空間へ移動させられる回転軸装置において、前記外輪の内周または前記内輪の外周に径方向に延びる円盤状の環状シールを固定し、この環状シールおよび前記内輪の外周または前記外輪の内周の間にすきまを形成したことを特徴とする回転軸装置。
- 前記環状シールに、前記内輪の外周または前記外輪の内周の間にすきまを形成する円筒状の円筒部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の回転軸装置。
Priority Applications (1)
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JP2012167135A JP2014025548A (ja) | 2012-07-27 | 2012-07-27 | 回転軸装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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KR102552436B1 (ko) * | 2022-07-08 | 2023-07-11 | (주)연합시스템 | 고속 베어링의 윤활유 순환 구조 |
Citations (3)
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JP2001027253A (ja) * | 1999-07-14 | 2001-01-30 | Nsk Ltd | 転がり軸受 |
JP2004245231A (ja) * | 2002-12-19 | 2004-09-02 | Koyo Seiko Co Ltd | 玉軸受 |
JP2005188679A (ja) * | 2003-12-26 | 2005-07-14 | Koyo Seiko Co Ltd | 玉軸受 |
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