JP2009531456A - (r)−3−アミノピペリジン二塩酸塩の調製 - Google Patents

(r)−3−アミノピペリジン二塩酸塩の調製 Download PDF

Info

Publication number
JP2009531456A
JP2009531456A JP2009503202A JP2009503202A JP2009531456A JP 2009531456 A JP2009531456 A JP 2009531456A JP 2009503202 A JP2009503202 A JP 2009503202A JP 2009503202 A JP2009503202 A JP 2009503202A JP 2009531456 A JP2009531456 A JP 2009531456A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alkyl
group
cycloalkyl
aryl
hetero
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009503202A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009531456A5 (ja
Inventor
ビー. ウォレス、マイケル
コーディー、ジェレミー
フォルニコラ、リチャード
ガルシア−ルビオ、シルヴィーナ
ビー. キサンガ、フィリップ
エム. リーヴ、マクスウェル
ウィルソン、チャンドラ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takeda Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Publication of JP2009531456A publication Critical patent/JP2009531456A/ja
Publication of JP2009531456A5 publication Critical patent/JP2009531456A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D211/00Heterocyclic compounds containing hydrogenated pyridine rings, not condensed with other rings
    • C07D211/04Heterocyclic compounds containing hydrogenated pyridine rings, not condensed with other rings with only hydrogen or carbon atoms directly attached to the ring nitrogen atom
    • C07D211/06Heterocyclic compounds containing hydrogenated pyridine rings, not condensed with other rings with only hydrogen or carbon atoms directly attached to the ring nitrogen atom having no double bonds between ring members or between ring members and non-ring members
    • C07D211/36Heterocyclic compounds containing hydrogenated pyridine rings, not condensed with other rings with only hydrogen or carbon atoms directly attached to the ring nitrogen atom having no double bonds between ring members or between ring members and non-ring members with hetero atoms or with carbon atoms having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, e.g. ester or nitrile radicals, directly attached to ring carbon atoms
    • C07D211/56Nitrogen atoms
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D401/00Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, having nitrogen atoms as the only ring hetero atoms, at least one ring being a six-membered ring with only one nitrogen atom
    • C07D401/02Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, having nitrogen atoms as the only ring hetero atoms, at least one ring being a six-membered ring with only one nitrogen atom containing two hetero rings
    • C07D401/04Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, having nitrogen atoms as the only ring hetero atoms, at least one ring being a six-membered ring with only one nitrogen atom containing two hetero rings directly linked by a ring-member-to-ring-member bond
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D401/00Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, having nitrogen atoms as the only ring hetero atoms, at least one ring being a six-membered ring with only one nitrogen atom
    • C07D401/14Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, having nitrogen atoms as the only ring hetero atoms, at least one ring being a six-membered ring with only one nitrogen atom containing three or more hetero rings
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D409/00Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, at least one ring having sulfur atoms as the only ring hetero atoms
    • C07D409/14Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, at least one ring having sulfur atoms as the only ring hetero atoms containing three or more hetero rings

Abstract

1キログラムを超えた量で3−アミノピペリジンのキラル誘導体を製造することを含む、当該誘導体の製造方法が、本明細書中に記載される。
キラル 3−アミノピペリジン誘導体は、ジペプチジルペプチダーゼIVの阻害剤を合成するために用いられてもよい(R)−3−アミノピペリジン誘導体を含む。(R)−3−アミノピペリジン 二塩酸塩は、(R)−3−アミノピペリジン−2−オン 塩酸塩を、水素化アルミニウムリチウムで還元することで調製される。(R)−3−アミノピペリジン−2−オン 塩酸塩の、(R)−メチル−2,5−ジアミノペンタノエート 二塩酸塩または(R)−2,5−ジアミノペンタン酸 塩酸塩から出発する調整もまた、記載される。
【選択図】なし

Description

キラルピペリジン化合物の合成方法ならびに当該合成方法で生成されるキラルピペリジンが、本明細書中に記載される。また、キラルピペリジンからジペプチジルペプチダーゼ阻害剤を合成する方法が、本明細書中に記載される。
薬剤は、しばしば1つ以上のキラル中心を有する。薬化学では、化合物のエナンチオマーが異なると、生物活性、安全性プロフィール、薬物速度論的特性および薬理学的特性が異なることが確認されている。それゆえ、最も有利な薬物特性を有する所定の化合物のエナンチオマーのみを投与できることが望ましい。従って、所定の薬剤を高いエナンチオマー純度で調製させる合成経路を有することが望ましい。加えて、その合成経路は、拡張可能で、再生産可能で、費用効率が高いことが要求される。
発明の概要
キラルピペリジン誘導体のR−およびS−体を含んでなるキラルピペリジン誘導体の合成方法および精製方法が、本明細書中に記載される。またキラルピペリジン誘導体の生成に用いられ得るキラル化合物の合成方法および精製方法も、本明細書中に記載される。一つの実施態様において、キラルピペリジン誘導体およびそれらの合成中間体が、1キログラムを超えた量で生成される。更なる、または代替の実施態様において、キラルピペリジン誘導体およびそれらの合成中間体が、高収率かつ高エナンチオマー純度で生成される。更なる、または代替の実施態様において、キラルピペリジン誘導体がジペプチジルペプチダーゼIVの阻害剤を生成するために用いられる。更なる、または代替の実施態様において、キラルピペリジン誘導体は3−アミノピペリジン 二塩酸塩である。本明細書に示すある一つの実施態様では、一例として化合物の1つのエナンチオマーが使用されているけれども、本明細書に示す方法、組成物および技術は、当該化合物の逆のエナンチオマーに対応するものと併用されてもよい。
一つの態様において、本発明は:
(i)テトラヒドロフランを含む第一溶媒中の約1.0から約2.5当量の水素化アルミニウムリチウムを、テトラヒドロフランを含む第二溶媒中の1当量の(R)−3−アミノピペリジン−2−オンと、約10℃から約45℃の温度で混合する工程;
(ii)(R)−3−アミノピペリジンを形成するのに十分な時間、反応混合物を約45℃から約70℃の温度で加熱する工程、および
(iii)(R)−3−アミノピペリジン 二塩酸塩を形成するのに十分な条件下で、(R)−3−アミノピペリジンを、塩酸と混合する工程による、
(R)−3−アミノピペリジン 二塩酸塩の合成方法に関する。
他の実施態様では、第一溶媒および第二溶媒がテトラヒドロフランである。更なる、または代替の実施態様では、約1.5から約2.0当量の水素化アルミニウムリチウムが工程(i)で加えられる。一方で、更なる、または代替の実施態様では、約1.6当量の水素化アルミニウムリチウムが工程(i)で加えられる。他の実施態様では、工程(i)で使用される(R)−3−アミノピペリジン−2−オン 塩酸塩の量が少なくとも約1キログラムである。更なる、または代替の実施態様では、工程(i)の温度が約25℃から35℃である。一方で、更なる、または代替の実施態様では、工程(ii)の温度が約55℃から約65℃である。他の実施態様として、(R)−3−アミノピペリジン 二塩酸塩は濾過を含む方法で分離される。
更なる、または代替の実施態様では、(R)−3−アミノピペリジン−2−オン 塩酸塩は:
(i)メタノールを含む第一溶媒中の約1.5から約3当量のナトリウムメトキシドを、メタノールを含む第二溶媒中の約1当量の(R)−メチル 2,5−ジアミノペンタノエート 二塩酸塩と、約−10℃から0℃の温度で(R)−3−アミノピペリジン−2−オンを形成するのに十分な時間混合する工程、および
(ii)メタノールを含む第三溶媒中の約1.0から約1.5当量の塩酸を、工程(i)で得られた(R)−3−アミノピペリジン−2−オンと、約0℃から約20℃で、(R)−3−アミノピペリジン−2−オン 塩酸塩を形成するのに十分な時間混合する工程、
を包含してなる方法によって、合成される。
更なる、または代替の実施態様では、工程(i)の第一溶媒および第二溶媒のうちの1つがメタノールである。一方、この方法のまた更なる、または代替の実施態様では、工程(ii)の第三溶媒および第四溶媒の少なくとも1つが、メチル tert−ブチルエーテルおよびメタノールを含む。更なる、または代替の実施態様でさえも、約2.6当量のナトリウムメトキシドが工程(i)で添加される。更なる、または代替の実施態様では、工程(i)の温度が約−10℃から約−5℃であり、一方更なる、または代替の実施態様では工程(ii)の温度が約5℃から約15℃である。また更なる、または代替の実施態様では、(R)−3−アミノピペリジン−2−オン 塩酸塩が濾過を含む方法で分離される。
(R)−3−アミノピペリジン−2−オン 塩酸塩の合成に関する上記方法の更なる、または代替の実施態様では、(R)−メチル 2,5−ジアミノペンタノエート 二塩酸塩は:
(i)メタノールを含む第一溶媒中の約1.5から約2.5当量のアセチルクロリドを、メタノールを含む第二溶媒中の約1当量の(R)−2,5−ジアミノペンタン酸 塩酸塩と、約0℃から約15℃の温度で混合する工程、および
(ii)反応混合物を約45℃から約65℃の温度で、(R)−メチル 2,5−ジアミノペンタノエート 二塩酸塩を形成するのに十分な時間加熱する工程、
を包含してなる方法により合成される。この方法の一つの実施態様では、第一溶媒および第二溶媒の少なくとも1つがメタノールである。この方法の更なる、または代替の実施態様では、約2.0当量のアセチルクロリドが工程(i)で添加される。またこの方法の更なる、または代替の態様では、少なくとも約1キログラムの(R)−2,5−ジアミノペンタン酸 塩酸塩が工程(i)で添加される。この方法の更なる、または代替の態様では、工程(i)の温度が約5℃から約10℃であり、一方、この方法の更なる、または代替の実施態様においてさえも、工程(ii)の温度は約50℃から約60℃である。
他の態様は、(R)−3−アミノピペリジン 二塩酸塩の合成方法である。その方法は、(R)−3−アミノピペリジンを濃塩酸と混合する工程を包含してなる方法であり、ここで、(R)−3−アミノピペリジンは:
(i)テトラヒドロフラン中の約1.6当量の水素化アルミニウムリチウムを、テトラヒドロフラン中の約1当量の(R)−3−アミノピペリジン−2−オン 塩酸塩に、約35℃の温度で加える工程、および
(ii)反応混合物を約58℃から約60℃の温度で加熱する工程、
を包含してなる方法で合成されるものである。この態様の一つの実施態様では、工程(i)で使用される(R)−3−アミノピペリジン−2−オン 塩酸塩の量は少なくとも約4000グラムである。更なる、または代替の態様では、(R)−3−アミノピペリジン 二塩酸塩が混合物の濾過によって得られる。この態様の他の実施態様では、(R)−3−アミノピペリジン−2−オン 塩酸塩が:
(i)メタノール中の約2.6当量の間のナトリウムメトキシドを、メタノール中の約1当量の(R)−メチル 2,5−ジアミノペンタノエート 二塩酸塩に、約−10℃から約−5℃の温度で、(R)−3−アミノピペリジン−2−オンを形成するのに十分な時間加える工程、および
(ii)メチル tert−ブチルエーテルおよびメタノールを含む溶媒中の約1.0から約1.5当量のアセチルクロリドを、メタノールを含む溶媒中の、約1当量の工程(i)で得られた(R)−3−アミノピペリジン−2−オンに、約5℃から約15℃の温度で加える工程、
を包含してなる方法で合成される。更なる、または代替の実施態様では、(R)−3−アミノピペリジン−2−オンが、反応混合物を濾過することで得られる。(R)−3−アミノピペリジン−2−オン 塩酸塩の合成方法の一つの実施態様では、(R)−メチル 2,5−ジアミノペンタノエート 二塩酸塩が:
(i)メタノール中の約2.0当量の間のアセチルクロリドを、メタノール中の約1当量の(R)−2,5−ジアミノペンタン酸 塩酸塩に、約0℃から約10℃の温度で加える工程、および
(ii)反応混合物を約50℃から約60℃の温度で加熱する工程、
を包含してなる方法で合成される。この方法の一つの実施態様では、溶媒がメタノールであり、一方この方法の更なる、または代替の実施態様では、工程(i)に使用される(R)−2,5−ジアミノペンタン酸 塩酸塩の量が、少なくとも約1000グラムである。
他の態様は、(R)−3−アミノピペリジン 二塩酸塩の合成方法であり、当該方法は、(R)−3−アミノピペリジンを濃塩酸と混合する工程を包含してなり;
ここで(a)(R)−3−アミノピペリジンは:
(ia)テトラヒドロフランを含む溶媒中の約1.0から約2.5当量の水素化アルミニウムリチウムを、テトラヒドロフランを含む溶媒中の約1当量の(R)−3−アミノピペリジン−2−オン 塩酸塩に、約10℃から約45℃の温度で加える工程、および
(iia)反応混合物を約45℃から約70℃の温度で加熱する工程、
を包含してなる方法によって合成され;
(b)工程(i)で得られる(R)−3−アミノピペリジン−2−オン 塩酸塩は:
(ib)メタノールを含む溶媒中の約1.5から約3当量のナトリウムメトキシドを、メタノールを含む溶媒中の約1当量の(R)−メチル 2,5−ジアミノペンタノエート 二塩酸塩に、約−10℃から約0℃の温度で加えて、(R)−3−アミノピペリジン−2−オンを合成する工程、および
(iib)メタノールを含む溶媒中の約1.0から約1.5当量の塩酸を、メタノールを含む溶媒中の工程(i)で得られる約1当量の(R)−3−アミノピペリジン−2−オンに、約0℃から約20℃の温度で加える工程、
を包含してなる方法によって合成され;そして
(c)工程(ib)の(R)−メチル 2,5−ジアミノペンタノエート 二塩酸塩が:
(ic)メタノールを含む溶媒中の約1.5から約2.5当量のアセチルクロリドを、メタノールを含む溶媒中の約1当量の(R)−2,5−ジアミノペンタン酸 塩酸塩に、約0℃から約15℃の温度で加える工程、および
(iic)混合反応物を約45℃から約65℃で加熱する工程、
を包含してなる方法によって合成される、
ことを含む。
この態様の一つの実施態様において、工程(ia)の溶媒はテトラヒドロフランであり、一方で、更なる、または代替の実施態様では、約1.6当量の水素化アルミニウムリチウムが工程(ia)で添加される。更なる、または代替の実施態様においてさえも、工程(ia)で使用される(R)−3−アミノピペリジン−2−オン 塩酸塩の量は、少なくとも約1000グラムであり、一方で、また更なる、または代替の実施態様では、工程(ia)の温度が約35℃である。この態様の一つの実施態様では、工程(iia)の温度は約58℃から約60℃であり、一方で、更なる、または代替の実施態様では、(R)−3−アミノピペリジン 二塩酸塩が混合物を濾過することで得られる。更なる、または代替の実施態様では,工程(ib)の溶媒がメタノールであり、一方で、更なる、または代替の実施態様では、工程(iib)の溶媒はメチル tert−ブチルエーテルおよびメタノールを含む。更なる、または代替の実施態様においてさえも、約2.6当量のナトリウムメトキシドが工程(ib)で加えられ、一方で、更なる、または代替の実施態様では、工程(ib)の温度が約−10℃から約−5℃である。更なる、または代替の実施態様においても、工程(iib)の温度が約5℃から約15℃である。更なる、または代替の実施態様では、(R)−3−アミノピペリジン−2−オンが反応混合物を濾過することで得られる。この態様の他の実施態様では、工程(1c)の溶媒がメタノールであり、一方で、更なる、または代替の実施態様では、約2当量のアセチルクロリドが工程(ic)で加えられる。更なる、または代替の実施態様においてさえも、工程(ic)の(R)−2,5−ジアミノペンタン酸 塩酸塩の量が、少なくとも約1000グラムである。更なる、または代替の実施態様では、工程(ic)の温度が約5℃から約10℃であり、一方で更なる、または代替の実施態様では、工程(iic)の温度が約50℃から約60℃である。
他の態様は、(R)−3−アミノピペリジンを濃塩酸と混合する工程を含んでなる、(R)−3−アミノピペリジン 二塩酸塩の合成方法である。
ここで、(R)−3−アミノピペリジンは:
(i)テトラヒドロフランを含む溶媒中の少なくとも14kgの水素化アルミニウムリチウムを、テトラヒドロフランを含む溶媒中の少なくとも4kgの(R)−3−アミノピペリジン−2−オン 塩酸塩に、約10℃から約45℃の温度で加える工程、および
(ii)反応混合物を約45℃から約70℃の温度で加熱する工程、
を包含してなる方法で合成される。この態様の一つの実施態様では、溶媒がテトラヒドロフランであり、一方で、更なる、または代替の実施態様では、工程(i)の温度が約35℃である。更なる、または代替の実施態様では、工程(ii)の温度が約55℃から約65℃であり、一方で、更なる、または代替の実施態様では、(R)−3−アミノピペリジン 二塩酸塩が混合物を濾過することで得られる。
この態様の一つの実施態様では、(R)−3−アミノピペリジン−2−オン 塩酸塩は:
(i)メタノールを含む溶媒中の少なくとも14kgのナトリウムメトキシドを、メタノールを含む溶媒中の少なくとも5kgの(R)−メチル 2,5−ジアミノペンタノエート 二塩酸塩に、約−10℃から約0℃の温度で加え、(R)−3−アミノピペリジン−2−オンを合成する工程、および
(ii)メタノールを含む溶媒中の約1.0から1.5当量の塩酸を、メタノールを含む溶媒中の工程(i)で得られる約1当量の(R)−3−アミノピペリジン−2−オンに、約0℃から20℃の温度で加える工程、
を包含してなる方法で合成される。(R)−3−アミノピペリジン−2−オン 塩酸塩の合成方法の更なる実施態様では、工程(i)の溶媒はメタノールである。更なる、または代替の実施態様においてさえも、工程(ii)の溶媒はメチル tert−ブチルエーテルおよびメタノールを含み、一方で、更なる、または代替の実施態様においてさえも、工程(i)の温度は約−10℃から約−5℃である。また更なる、または代替の実施態様では、工程(ii)の温度は約5℃から約15℃であり、一方で、更なる、または代替の実施態様においてさえも、(R)−3−アミノピペリジン−2−オン 塩酸塩が反応混合物を濾過することで得られる。
(R)−3−アミノピペリジン−2−オン 塩酸塩の上記合成の一つの実施態様では、(R)−メチル 2,5−ジアミノペンタノエート 二塩酸塩は:
(i)メタノールを含む溶媒中の約1.5から約2.5当量のアセチルクロリドを、メタノールを含む溶媒中の少なくとも約5kgの(R)−2,5−ジアミノペンタン酸 塩酸塩に、約0℃から15℃の温度で加える工程、および
(ii)反応混合物を約45℃から約65℃の温度で加熱する工程、
を包含してなるエステル化法によって合成される。この方法の一つの実施態様では、溶媒はメタノールであり、一方で、更なる、または代替の実施態様では、約2当量のアセチルクロリドが工程(i)で加えられる。この方法の更なる、または代替の実施態様においてさえも、工程(i)の温度が約5℃から約10℃であり、一方でまた、更なる、または代替の実施態様では、工程(ii)の温度が約50℃から約60℃である。
他の態様は、(R)−3−アミノピペリジンを濃塩酸と混合する工程を含有してなる、(R)−3−アミノピペリジン 二塩酸塩の下記合成方法である。
ここで、(R)−3−アミノピペリジンは:
(i)テトラヒドロフランを含む溶媒中の約1.0から約2.5当量の水素化アルミニウムリチウムを、テトラヒドロフランを含む溶媒中の約1当量の(R)−3−アミノピペリジン−2−オン 塩酸塩に、5℃以上の温度で加える工程、および
(ii)反応混合物を35℃以上の温度で加熱する工程、
を包含してなる方法によって合成されるものである。この態様の一つの実施態様では、溶媒がテトラヒドロフランであり、一方で、更なる、または代替の実施態様では、約1.6当量の水素化アルミニウムリチウムが工程(i)で加えられる。更なる、または代替の実施態様では、工程(i)で使用される(R)−3−アミノピペリジン−2−オン 塩酸塩の量が、少なくとも約1キログラムであり、一方で、更なる、または代替の実施態様においてさえも、(R)−3−アミノピペリジンは減圧蒸留によって分離されない。
この態様の他の実施態様では、(R)−3−アミノピペリジン−2−オン 塩酸塩は:
(i)メタノールを含む溶媒中の約1.5から約3当量の塩基(塩基はアニオン交換樹脂でない)を、メタノールを含む溶媒中の約1当量の(R)−メチル 2,5−ジアミノペンタノエート 二塩酸塩に、約−10℃から約0℃の温度で、(R)−3−アミノピペリジン−2−オンを形成するのに十分な時間加える工程、および
(ii)メタノールを含む溶媒中の約1.0から約1.5当量の塩酸を、工程(i)で得られる(R)−3−アミノピペリジン−2−オンにメタノールを含む溶媒中で、約0℃から約20℃の温度で、(R)−3−アミノピペリジン−2−オン 塩酸塩を形成するのに十分な時間加える工程、
を包含してなる方法によって合成される。この方法の一つの実施態様において、工程(i)の溶媒はメタノールであり、一方で、更なる、または代替の実施態様では、工程(ii)の溶媒はメチル tert−ブチルエーテルおよびメタノールを含む。この方法の更なる、または代替の実施態様では、工程(i)の温度が約−10℃から約−5℃であり、一方で、更なる、または代替の実施態様においてさえも、工程(ii)の温度が約5℃から約15℃である。またこの方法の更なる、または代替の実施態様では、(R)−3−アミノピペリジン−2−オン 塩酸塩が濾過を含む方法で分離される。
他の態様は、(R)−3−アミノピペリジン 二塩酸塩を製造する方法であって、ここで、(R)−3−アミノピペリジン 二塩酸塩は、(R)−3−アミノピペリジンの塩酸との反応によって形成されるものであり、そして(R)−3−アミノピペリジンは:
(i)(R)−2,5−ジアミノペンタン酸 塩酸塩のメタノールおよびアセチルクロリドとのエステル化反応による、(R)−メチル 2,5−ジアミノペンタノエート 二塩酸塩の合成;
(ii)(R)−メチル 2,5−ジアミノペンタノエート 二塩酸塩を金属アルコキシドとアルコール中で環化反応させることによる、(R)−3−アミノピペリジン−2−オン 塩酸塩の合成、およびメチル tert−ブチルエーテル中における塩酸との反応;および
(iii)THF中、少なくとも35℃の温度における、リチウムアルミニウムを用いた(R)−3−アミノピペリジン−2−オン 塩酸塩の還元、
を包含してなる方法によって合成される。この態様の一つの実施態様は、この方法を用いて製造される(R)−3−アミノピペリジン 二塩酸塩である。
他の態様においては、上記方法で製造される、(R)−3−アミノピペリジン 二塩酸塩のピリミジン誘導体との反応を包含する、DPP−IV阻害剤の合成方法が挙げられる。この方法の一つの態様では、ピリミジン誘導体は下記式
Figure 2009531456
[式中:
Qは、CO、SO、SOおよびC=NRからなる群から選択され;
Z’は、脱離基であり;
およびRは、それぞれ置換または無置換の、水素、ハロ、ペルハロ(C1−10)アルキル、アミノ、シアノ、ニトロ、チオ、(C1−10)アルキル、アルケン、アルキン、(C3−12)シクロアルキル、ヘテロ(C3−12)シクロアルキル、アリール(C1−10)アルキル、ヘテロアリール(C1−5)アルキル、(C9−12)ビシクロアリール、ヘテロ(C8−12)ビシクロアリール、カルボニル(C1−3)アルキル、チオカルボニル(C1−3)アルキル、スルホニル(C1−3)アルキル、スルフィニル(C1−3)アルキル、イミノ(C1−3)アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アルケニル、アルキニル、カルボニル基、イミン基、スルホニル基およびスルフィニル基からなる群からそれぞれ独立して選択され;
は、それぞれ置換または無置換の、水素、(C1−10)アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、ビシクロアリール、ヘテロビシクロアリールからなる群から選択され;
Lは、XとLが結合する環との間の0〜6原子分離を与えるリンカーであり;そして
Xは、それぞれ置換または無置換の、(C1−10)アルキル、(C3−12)シクロアルキル、ヘテロ(C3−12)シクロアルキル、アリール(C1−10)アルキル、ヘテロアリール(C1−5)アルキル、(C9−12)ビシクロアリール、ヘテロ(C4−12)ビシクロアリール、カルボニル(C1−3)アルキル、チオカルボニル(C1−3)アルキル、スルホニル(C1−3)アルキル、スルフィニル(C1−3)アルキル、イミノ(C1−3)アルキル、アミノ、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アルケニル、アルキニル、カルボニル基、シアノ、イミノ基、スルホニル基およびスルフィニル基からなる群から選択される]に対応する構造を有する化合物を含んでなる。
更なる、または代替の実施態様では、Z’はハロゲンであり、これはまた、ハロとして参照される。また更なる、または代替の実施態様では、上記方法で製造される(R)−3−アミノピペリジン 二塩酸塩のピリミジン誘導体との反応により、下記式
Figure 2009531456
[式中:
Qは、CO、SO、SOおよびC=NRからなる群から選択され;
およびRは、それぞれ置換または無置換の、水素、ハロ、ペルハロ(C1−10)アルキル、アミノ、シアノ、ニトロ、チオ、(C1−10)アルキル、アルケン、アルキン、(C3−12)シクロアルキル、ヘテロ(C3−12)シクロアルキル、アリール(C1−10)アルキル、ヘテロアリール(C1−5)アルキル、(C9−12)ビシクロアリール、ヘテロ(C8−12)ビシクロアリール、カルボニル(C1−3)アルキル、チオカルボニル(C1−3)アルキル、スルホニル(C1−3)アルキル、スルフィニル(C1−3)アルキル、イミノ(C1−3)アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アルケニル、アルキニル、カルボニル基、イミン基、スルホニル基およびスルフィニル基からなる群からそれぞれ独立して選択され;
は、それぞれ置換または無置換の、水素、(C1−10)アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、ビシクロアリール、ヘテロビシクロアリールからなる群から選択され;
Lは、XとLが結合する環との間の0〜6原子分離を与えるリンカーであり;そして
Xは、それぞれ置換または無置換の、(C1−10)アルキル、(C3−12)シクロアルキル、ヘテロ(C3−12)シクロアルキル、アリール(C1−10)アルキル、ヘテロアリール(C1−5)アルキル、(C9−12)ビシクロアリール、ヘテロ(C4−12)ビシクロアリール、カルボニル(C1−3)アルキル、チオカルボニル(C1−3)アルキル、スルホニル(C1−3)アルキル、スルフィニル(C1−3)アルキル、イミノ(C1−3)アルキル、アミノ、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アルケニル、アルキニル、カルボニル基、シアノ、イミノ基、スルホニル基およびスルフィニル基からなる群から選択される]による構造を有する化合物を含んでなる生成物が提供される。
更なる、または代替の実施態様においては、上記方法で製造される(R)−3−アミノピペリジン 二塩酸塩のピリミジン誘導体との反応により、
Figure 2009531456
からなる群から選択される化合物を含む生成物が提供される。
また、更なる、または代替の実施態様においては、ピリミジン誘導体は、式:
Figure 2009531456
[式中:
は、−C−LX、NまたはCRであり;
Z’は脱離基であり;
およびQは、CO、CS、SO、SOおよびC=NRからなる群からそれぞれ独立して選択され;
は、Rまたは−LXであり(但し、RおよびMの一方だけが−LXである);
は水素であるか、それぞれ置換または無置換の、ハロ、ペルハロ(C1−10)アルキル、アミノ、シアノ、チオ、(C1−10)アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、カルボニル(C1−3)アルキル、チオカルボニル(C1−3)アルキル、スルホニル(C1−3)アルキル、スルフィニル(C1−3)アルキル、イミノ(C1−3)アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、カルボニル基、イミノ基、スルホニル基およびスルフィニル基からなる群から選択され;
は水素であるか、それぞれ置換または無置換の、(C1−10)アルキル、(C3−12)シクロアルキル、(C3−12)シクロアルキル(C1−5)アルキル、ヘテロ(C3−12)シクロアルキル(C1−5)アルキル、ヘテロ(C3−12)シクロアルキル、アリール(C1−10)アルキル、ヘテロアリール(C1−5)アルキル、(C9−12)ビシクロアリール、ヘテロ(C4−12)ビシクロアリール、ヘテロ(C4−12)ビシクロアリール(C1−5)アルキル、カルボニル(C1−3)アルキル、チオカルボニル(C1−3)アルキル、スルホニル(C1−3)アルキル、スルフィニル(C1−3)アルキル、イミノ(C1−3)アルキル、アミノ、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、カルボニル基、イミノ基、スルホニル基およびスルフィニル基からなる群から選択され;
は水素であるか、それぞれ置換または無置換の、ハロ、ペルハロ(C1−10)アルキル、アミノ、シアノ、チオ、(C1−10)アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、カルボニル(C1−3)アルキル、チオカルボニル(C1−3)アルキル、スルホニル(C1−3)アルキル、スルフィニル(C1−3)アルキル、イミノ(C1−3)アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、カルボニル基、イミノ基、スルホニル基およびスルフィニル基からなる群から選択され;
は水素であるか、それぞれ置換または無置換の、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、ビシクロアリールおよびヘテロビシクロアリールからなる群から選択され;
Lは、XとLが結合する環との間の1、2または3原子分離を与えるリンカーであり(ここで、分離を与えるリンカーの原子は、炭素、酸素、窒素および硫黄からなる群から選択される);そして
Xは、それぞれ置換または無置換の、(C1−10)アルキル、(C3−12)シクロアルキル、ヘテロ(C3−12)シクロアルキル、アリール(C1−10)アルキル、ヘテロアリール(C1−5)アルキル、(C9−12)ビシクロアリール、ヘテロ(C4−12)ビシクロアリール、カルボニル(C1−3)アルキル、チオカルボニル(C1−3)アルキル、スルホニル(C1−3)アルキル、スルフィニル(C1−3)アルキル、イミノ(C1−3)アルキル、アミノ、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アルケニル、アルキニル、カルボニル基、シアノ、イミノ基、スルホニル基およびスルフィニル基からなる群から選択される]の化合物を含む。
これらの化合物の更なる、または代替の実施態様では、Z’はハロゲンであり、これはまた、ハロとして言及される。また更なる、または代替の実施態様では、上記方法で製造される(R)−3−アミノピペリジン 二塩酸塩と、ピリミジン誘導体との反応により、下記式
Figure 2009531456
[式中:
は、−C−LX、NまたはCRであり;
およびQは、CO、CS、SO、SOおよびC=NRからなる群からそれぞれ独立して選択され;
は、Rまたは−LXであり(但し、RおよびMの一方だけが−LXである);
は、水素であるか、それぞれ置換または無置換の、ハロ、ペルハロ(C1−10)アルキル、アミノ、シアノ、チオ、(C1−10)アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、カルボニル(C1−3)アルキル、チオカルボニル(C1−3)アルキル、スルホニル(C1−3)アルキル、スルフィニル(C1−3)アルキル、イミノ(C1−3)アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、カルボニル基、イミノ基、スルホニル基およびスルフィニル基からなる群から選択され;
は、水素であるか、それぞれ置換または無置換の、(C1−10)アルキル、(C3−12)シクロアルキル、(C3−12)シクロアルキル(C1−5)アルキル、ヘテロ(C3−12)シクロアルキル(C1−5)アルキル、ヘテロ(C3−12)シクロアルキル、アリール(C1−10)アルキル、ヘテロアリール(C1−5)アルキル、(C9−12)ビシクロアリール、ヘテロ(C4−12)ビシクロアリール、ヘテロ(C4−12)ビシクロアリール(C1−5)アルキル、カルボニル(C1−3)アルキル、チオカルボニル(C1−3)アルキル、スルホニル(C1−3)アルキル、スルフィニル(C1−3)アルキル、イミノ(C1−3)アルキル、アミノ、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、カルボニル基、イミノ基、スルホニル基およびスルフィニル基からなる群から選択され;
は、水素であるか、それぞれ置換または無置換の、ハロ、ペルハロ(C1−10)アルキル、アミノ、シアノ、チオ、(C1−10)アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、カルボニル(C1−3)アルキル、チオカルボニル(C1−3)アルキル、スルホニル(C1−3)アルキル、スルフィニル(C1−3)アルキル、イミノ(C1−3)アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、カルボニル基、イミノ基、スルホニル基およびスルフィニル基からなる群から選択され;
は、水素であるか、それぞれ置換または無置換の、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、ビシクロアリールおよびヘテロビシクロアリールからなる群から選択され;
Lは、XとLが結合する環との間の1、2または3原子分離を与えるリンカーであり(ここで、分離を与えるリンカーの原子は、炭素、酸素、窒素および硫黄からなる群から選択される);そして
Xは、それぞれ置換または無置換の、(C1−10)アルキル、(C3−12)シクロアルキル、ヘテロ(C3−12)シクロアルキル、アリール(C1−10)アルキル、ヘテロアリール(C1−5)アルキル、(C9−12)ビシクロアリール、ヘテロ(C4−12)ビシクロアリール、カルボニル(C1−3)アルキル、チオカルボニル(C1−3)アルキル、スルホニル(C1−3)アルキル、スルフィニル(C1−3)アルキル、イミノ(C1−3)アルキル、アミノ、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アルケニル、アルキニル、カルボニル基、シアノ、イミノ基、スルホニル基およびスルフィニル基からなる群から選択される]による構造を有する化合物を含んでなる、生成物が提供される。
更なる、または代替の実施態様においてさえも、上記方法で製造される、(R)−3−アミノピペリジン 二塩酸塩とピリミジン誘導体との反応により、
Figure 2009531456
からなる群から選択される化合物を含んでなる、生成物が提供される。
本明細書記載の方法および組成物のこれらの態様および他の態様は、以下の詳細な説明を参照することで明らかになるだろう。
用語について
他に言及されない限り、明細書および特許請求の範囲を含む本願で用いられる次の用語は以下の定義を意味する。明細書および添付した特許請求の範囲で用いられる場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文中に明記されていない場合であっても、複数形を含むことに留意しなければならない。標準的な化学用語の定義は、Carey and Sundberg “ADVANCED ORGANIC CHEMISTRY 4TH ED.” Vols. A (2000) and B (2001), Plenum Press, New Yorkを含む参考文献に示されるだろう。他に言及されない限り、質量分析、NMR、HPLC、タンパク質化学、生化学、組替DNA技術および薬理学の定法が、当該技術分野の技術の範囲内で用いられる。
「脂環式」とは、非芳香族環構造を含んでなる部分を意味する。脂環式部分は、飽和、または、1、2もしくはそれ以上の二重結合または三重結合を有する部分的に不飽和の部分であり得る。また、脂環式部分は場合によっては、窒素、酸素および硫黄といったヘテロ原子を含んでもよい。窒素原子は、場合によっては四級化(quaternerized)されていても、酸化されてもよく、硫黄原子は、場合によっては酸化されていてもよい。脂環式部分の例としては、(C3−8)環(シクロプロピル、シクロヘキサン、シクロペンタン、シクロペンテン、シクロペンタジエン、シクロヘキサン、シクロヘキセン、シクロヘキサジエン、シクロヘプタン、シクロヘプテン、シクロヘプタジエン、シクロオクタン、シクロオクテンおよびシクロオクタジエンなど)を有する部分が挙げられるが、それらに制限されない。
「脂肪族」は、構成炭素原子の直鎖または分枝鎖配列によって特徴付けられる部分を意味し、飽和であるか、部分的に1、2またはそれ以上の二重結合もしくは三重結合により不飽和であり得る。
「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合(−CR=CR’−または−CR=CR’R’’(式中、R、R’およびR’’はそれぞれ独立して水素または更なる置換基である))を含む直鎖または分枝鎖の炭素鎖を意味する。アルケニルの例としては、ビニル、アリル、イソプロペニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、1−プロペニル、2−ブテニル、2−メチル−2−ブテニルなどが挙げられる。特定の実施態様において、「アルケニル」は、単独で、または別の基と共に表されて、(C2−20)アルケニル、(C2−15)アルケニル、(C2−10)アルケニル、(C2−5)アルケニルまたは(C2−3)アルケニルであり得る。あるいは、「アルケニル」は、単独で、または別の基と共に表されて、(C)アルケニル、(C)アルケニルまたは(C)アルケニルであり得る。
「アルケニレン」は、1つまたはそれ以上の炭素−炭素二重結合(−CR=CR’−(式中、RおよびR’それぞれ独立して水素または更なる置換基である))を有する直鎖または分枝鎖の二価の炭素鎖を意味する。アルケニレンの例としては、エテン−1,2−ジイル、プロペン−1,3−ジイル、メチレン−1,1−ジイル、などが挙げられる。特定の実施態様において、「アルケニレン」は、単独で、または別の基と共に表されて、(C2−20)アルケニレン、(C2−15)アルケニレン、(C2−10)アルケニレン、(C2−5)アルケニレンまたは(C2−3)アルケニレンであり得る。あるいは、「アルケニレン」は、単独で、または別の基と共に表されて、(C)アルケニレン、(C)アルケニレンまたは(C)アルケニレンであり得る。
「アルコキシ」は、更なるアルキル置換基を有する酸素部分を意味する。本発明のアルコキシ基は置換されていてもよい。
「アルキル」それ自体は、直鎖または分枝鎖の、飽和または不飽和の脂肪族基であって、炭素原子鎖を有し、場合により1つまたはそれ以上の炭素原子が、酸素(「オキサアルキル」参照)、カルボニル基(「オキソアルキル」参照)、硫黄(「チオアルキル」参照)、および/または窒素(「アザアルキル」参照)と置換される、脂肪族基を意味する。(CX)アルキルおよび(CX−Y)アルキルが典型的に用いられ、XおよびYは鎖内の炭素原子数を示す。例えば、(C1−6)アルキルとしては、炭素原子数1〜6の鎖を有するアルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ビニル、アリル、1−プロペニル、イソプロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−メチルアリル、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニルなど)が挙げられる。他の基と共に示されるアルキル(例、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキルなど)とは、示された原子数を有する直鎖または分枝鎖の、飽和または不飽和の二価の脂肪族基を意味するか、または、いかなる原子も示されていない場合には、結合を意味する(例えば、(C6−10)アリール(C1−3)アルキルとしては、ベンジル、フェネチル、1−フェニルエチル、3−フェニルプロピル、2−チエニルメチル、2−ピリジニルメチルなどが挙げられる)。特定の実施態様において、単独で、または別の基と共に表される「アルキル」は、(C1−20)アルキル、(C1−15)アルキル、(C1−10)アルキル、(C1−5)アルキルまたは(C1−3)アルキルであり得る。あるいは、単独で、または別の基と共に表される「アルキル」は、(C1)アルキル、(C2)アルキルまたは(C3)アルキルであり得る。
他に示されない限り、「アルキレン」は、直鎖または分枝鎖の、飽和または不飽和の、二価の脂肪族基を意味する。(CX)アルキレンおよび(CX−Y)アルキレンが、典型的に用いられ、XおよびYは鎖内の炭素原子数を示す。例えば、(C1−6)アルキレンとしては、メチレン(−CH2−)、エチレン(−CH2CH2−)、トリメチレン(−CH2CH2CH2−)、テトラメチレン(−CH2CH2CH2CH2−)2−ブテニレン(−CH2CH=CHCH2−)、2−メチルテトラメチレン(−CH2CH(CH3)CH2CH2−)、ペンタメチレン(−CH2CH2CH2CH2CH2−)などが挙げられる。特定の実施態様において、単独で、または別の基と共に表される「アルキレン」は、(C1−20)アルキレン、(C1−15)アルキレン、(C1−10)アルキレン、(C1−5)アルキレンまたは(C1−3)アルキレンであり得る。あるいは、単独で、または別の基と共に表される「アルキレン」は、(C1)アルキレン、(C2)アルキレンまたは(C3)アルキレンであり得る。
「アルキリデン」は、直鎖または分枝鎖の、飽和または不飽和の脂肪族基であって、二重結合で親分子と結合する脂肪族基を意味する。(CX)アルキリデンおよび(CX−Y)アルキリデンが典型的に用いられ、XおよびYは鎖内の炭素原子数を示す。例えば、(C1−6)アルキリデンとしては、メチレン(=CH2)、エチリデン(=CHCH3)、イソプロピリデン(=C(CH3)2)、プロピリデン(=CHCH2CH3)、アリリデン(=CH−CH=CH2)などが挙げられる。特定の実施態様において、単独で、または別の基と共に表される「アルキリデン」は、(C1−20)アルキリデン、(C1−15)アルキリデン、(C1−10)アルキリデン、(C1−5)アルキリデンまたは(C1−3)アルキリデンであり得る。あるいは、単独で、または別の基と共に表される「アルキリデン」は、(C1)アルキリデン、(C2)アルキリデンまたは(C3)アルキリデンであり得る。
「アルキニル」は、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合(−C≡C−または−C≡CR(式中、Rは水素または更なる置換基である))を含む、直鎖または分枝鎖の炭素鎖を意味する。アルキニルの例としては、エチニル、プロパルギル、3−メチル−1−ペンチニル、2−ヘプチニルなどが挙げられる。特定の実施態様において、単独で、または別の基と共に表される「アルキニル」は、(C2−20)アルキニル、(C2−15)アルキニル、(C2−10)アルキニル、(C2−5)アルキニルまたは(C2−3)アルキニルであり得る。あるいは、単独で、または別の基と共に表される「アルキニル」は、(C2)アルキニル、(C3)アルキニルまたは(C4)アルキニルであり得る。
「アルキニレン」は、1つまたはそれ以上の炭素−炭素三重結合(−CR≡CR’−(式中、RおよびR’はそれぞれ独立して水素または更なる置換基である))を有する、直鎖または分枝鎖の二価の炭素鎖を意味する。アルキニレンの例としては、エチレン−1,2−ジイル、プロピン−1,3−ジイルなどが挙げられる。特定の実施態様において、単独で、または別の基と共に表される「アルキニレン」は、(C2−20)アルキニレン、(C2−15)アルキニレン、(C2−10)アルキニレン、(C2−5)アルキニレンまたは(C2−3)アルキニレンであり得る。あるいは、単独で、または別の基と共に表される「アルキニレン」は、(C2)アルキニレン、(C3)アルキニレンまたは(C4)アルキニレンであり得る。
「アミノ」は、2個の更なる置換基(例えば、水素原子または炭素原子が窒素原子に結合している)を有する窒素部分を意味する。例えば、代表的なアミノ基としては、−NH2、−NHCH3、−N(CH3)2、−NH((C1−10)アルキル)、−N((C1−10)アルキル)2、−NH(アリール)、−NH(ヘテロアリール)、−N(アリール)2、−N(ヘテロアリール)2などが挙げられる。任意に、2個の置換基が窒素原子と共に環を形成してもよい。他に言及されない限り、アミノ部分を含む本発明の化合物は、保護されたそれらの誘導体を含んでいてもよい。アミノ部分の好適な保護基としては、アセチル、tert−ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルなどが挙げられる。
「アミノアルキル」は、1つまたはそれ以上の置換または無置換の窒素原子(−N−)がアルキルの炭素原子間に存在する以外は、上で定義したようなアルキルを意味する。例えば、(C2−6)アミノアルキルとは、2から6個の炭素および炭素原子間に存在する1つまたはそれ以上の窒素原子からなる鎖のことをいう。
「動物」としては、ヒト、非ヒト哺乳動物(例、イヌ、ネコ、ウサギ、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、シカなど)および非哺乳動物(例、トリなど)が挙げられる。
「芳香族」は、構成原子が不飽和の環系を構成し、当該環系の全ての原子がsp2混成であり、かつ、全π電子が4n+2と等しい部分を意味する。芳香族環は、環原子が炭素原子だけであってもよいし、炭素原子および非炭素原子を含むことも可能である(「ヘテロアリール」参照)。
「アリール」は、単環式構造、または多環式構造を意味し、それぞれの環は芳香族環であるか、1つまたはそれ以上の環と縮合している場合には、芳香族環構造を形成する。1つまたはそれ以上の環原子が炭素でない場合(例、N、S)は、アリールは、ヘテロアリールである。(CX)アリールおよび(CX−Y)アリールが典型的に用いられ、XおよびYは、環内の炭素原子数を示す。特定の実施態様において、単独で、または別の基と共に表される「アリール」は、(C3−14)アリール、(C3−10)アリール、(C3−7)アリール、(C8−10)アリールまたは(C5−7)アリールであり得る。あるいは、単独で、または別の基と共に表される「アリール」は、(C5)アリール、(C6)アリール、(C7)アリール、(C8)アリール、(C9)アリールまたは(C10)アリールであり得る。
「アザアルキル」は、アルキル鎖を形成する1つまたはそれ以上の炭素原子が置換または無置換の窒素原子(−NR−または−NRR’(式中、RおよびR’はそれぞれ独立して水素または更なる置換基である))で置換される以外は、上で定義したようなアルキルを意味する。例えば、(C1−10)アザアルキルは、1から10個の炭素および1つまたはそれ以上の窒素原子からなる鎖のことをいう。
「ビシクロアルキル」は、飽和または部分的に不飽和の、縮合した、スピロのまたは架橋した二環式環構造を意味する。特定の実施態様において、単独で、または別の基と共に表される「ビシクロアルキル」は、(C4−15)ビシクロアルキル、(C4−10)ビシクロアルキル、(C6−10)ビシクロアルキルまたは(C8−10)ビシクロアルキルであり得る。あるいは、単独で、または別の基と共に表される「ビシクロアルキル」は、(C8)ビシクロアルキル、(C9)ビシクロアルキルまたは(C10)ビシクロアルキルであり得る。
「ビシクロアリール」は、縮合した、スピロのまたは架橋した二環式構造を意味し、ここで、構造を含んでなる少なくとも1個の環は芳香族である。(CX)ビシクロアリールおよび(CX−Y)ビシクロアリールが典型的に用いられ、XおよびYは二環式構造内の炭素原子数を示し、2つの環は直接環に結合している。特定の実施態様において、単独で、または別の基と共に表される「ビシクロアリール」は、(C4−15)ビシクロアリール、(C4−10)ビシクロアリール、(C6−10)ビシクロアリールまたは(C8−10)ビシクロアリールであり得る。あるいは、単独で、または別の基と共に表される「ビシクロアルキル」は、(C8)ビシクロアリール、(C9)ビシクロアリールまたは(C10)ビシクロアリールであり得る。
「架橋している環(bridging ring)」および「架橋した環(bridged ring)」は、本明細書で用いる場合、別の環と結合して、二環式構造または多環式構造を有する化合物を形成する環のことをいい、両方の環に共通する2個の環原子は互いに直接結合されることはない。架橋環を有する一般的な化合物の非限定的な例としては、ボルネオール、ノルボルナン、7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタンなどが挙げられる。二環式系の一方または両方の環は、ヘテロ原子を含むこともできる。
「カルバモイル」は、−OC(O)NRR’基(RおよびR’はそれぞれ独立して水素または更なる置換基である)を意味する。
「炭素環」は、炭素原子からなる環を意味する。
「カルボニル」は、−C(=O)−基および/または−C(=O)R基(Rは水素または更なる置換基である)を意味する。カルボニル基は、種々の置換基で更に置換されて、酸、酸ハロゲン化物、アルデヒド、アミド、エステルおよびケトンを含む様々なカルボニル基を形成してもよいことに留意すべきである。
「カルボキシ」は、−C(=O)−O−基および/または−C(=O)−OR基(Rは水素または更なる置換基である)を意味する。カルボキシ部分を含む本発明の化合物は、保護されたそれらの誘導体(即ち、その酸素が保護基で置換された誘導体)を含み得ることに留意すべきである。カルボキシ部分に対する適切な保護基の例としては、ベンジル、tert−ブチルなどが挙げられる。
「シアノ」は、−CN基を意味する。
「シクロアルキル」は、芳香族でない、飽和または部分的に不飽和の、単環式、二環式または多環式環構造を意味する。(CX)シクロアルキルおよび(CX−Y)シクロアルキルが典型的に用いられ、XおよびYは環構造内の炭素原子数を示す。例えば、(C3−10)シクロアルキルとしては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、2,5−シクロヘキサジエニル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、アダマンタン−1−イル、デカヒドロナフチル、オキソシクロヘキシル、ジオキソシクロヘキシル、チオシクロヘキシル、2−オキソビシクロ[2.2.1]ヘプト−1−イルなどが挙げられる。特定の実施態様では、単独で、または別の基と共に表される「シクロアルキル」は、(C3−14)シクロアルキル、(C3−10)シクロアルキル、(C3−7)シクロアルキル、(C8−10)シクロアルキルまたは(C5−7)シクロアルキルであり得る。あるいは、単独で、または別の基と共に表される「シクロアルキル」は、(C5)シクロアルキル、(C6)シクロアルキル、(C7)シクロアルキル、(C8)シクロアルキル、(C9)シクロアルキルまたは(C10)シクロアルキルであり得る。
「シクロアルキレン」は、二価の、飽和または部分的に不飽和の、単環式、二環式または多環式環構造を意味する。(CX)シクロアルキレンおよび(CX−Y)シクロアルキレンが典型的に用いられ、XおよびYは環構造上の炭素原子数を示す。特定の実施態様において、単独で、または別の基と共に表される「シクロアルキレン」は、(C3−14)シクロアルキレン、(C3−10)シクロアルキレン、(C3−7)シクロアルキレン、(C8−10)シクロアルキレンまたは(C5−7)シクロアルキレンであり得る。あるいは、単独で、または別の基と共に表される「シクロアルキレン」は、(C5)シクロアルキレン、(C6)シクロアルキレン、(C7)シクロアルキレン、(C8)シクロアルキレン、(C9)シクロアルキレンまたは(C10)シクロアルキレンであり得る。
「疾患」は、具体的には、動物またはその一部のあらゆる不健康な状態を含み、これらの動物に適用される医学的または獣医学的治療によって引き起こされ得るか、またはそれに付随し得る不健康な状態(即ち、このような治療の「副作用」)を含む。
「縮合環」は、本明細書で用いる場合、別の環と結合して、二環式構造を有する化合物を形成する環を意味し、ここで、両方の環に共通する環原子は互いに直接結合している。一般的な縮合環の非制限的な例としては、デカリン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、インドール、フラン、ベンゾフラン、キノリンなどが挙げられる。縮合環系を有する化合物は、飽和または部分的に不飽和の、炭素環、ヘテロ環、芳香族、ヘテロ芳香族などであり得る。
「ハロ」および「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードを意味する。
「ヘテロアルキル」は、本願で定義される場合、アルキル鎖内の1つまたはそれ以上の原子がヘテロ原子であるようなアルキルを意味する。特定の実施態様において、単独で、または別の基と共に表される「ヘテロアルキル」は、ヘテロ(C1−20)アルキル、へテロ(C1−15)アルキル、ヘテロ(C1−10)アルキル、へテロ(C1−5)アルキル、へテロ(C1−3)アルキルまたはヘテロ(C1−2)アルキルであり得る。あるいは、単独で、または別の基と共に表される「ヘテロアルキル」は、ヘテロ(C1)アルキル、へテロ(C2)アルキルまたはヘテロ(C3)アルキルであり得る。
「ヘテロアリール」は、少なくとも1個の環原子がヘテロ原子であり、残りの環原子が炭素である、単環式、二環式または多環式芳香族基を意味する。単環式ヘテロアリール基としては、5または6個の環原子を有する芳香族環基が挙げられ、ここで、少なくとも1個の環原子はヘテロ原子であり、残りの環原子は炭素原子であるが、これに限定されない。窒素原子は場合により四級化(quaternerized)されていてもよく、硫黄原子は場合により酸化されていてもよい。本発明のヘテロアリール基としては、フラン、イミダゾール、イソチアゾール、イソオキサゾール、オキサジアゾール、オキサゾール、1,2,3−オキサジアゾール、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロリン、チアゾール、1,3,4−チアジアゾール、トリアゾールおよびテトラゾールから誘導される置換基が挙げられるが、これらに限られない。また、「ヘテロアリール」としては、ヘテロアリール環が、アリール環、シクロアルキル環、シクロアルケニル環および別の単環式ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキル環からなる群から独立して選択される1つまたは2つの環と縮合している、二員環または三員環も挙げられるが、これらに限られない。これらの二環式または三環式ヘテロアリールとしては、ベンゾ[b]フラン、ベンゾ[b]チオフェン、ベンゾイミダゾール、イミダゾ[4,5−c]ピリジン、キナゾリン、チエノ[2,3−c]ピリジン、チエノ[3,2−b]ピリジン、チエノ[2,3−b]ピリジン、インドリジン、イミダゾ[1,2a]ピリジン、キノリン、イソキノリン、フタラジン、キノキサリン、ナフチリジン、キノリジン、インドール、イソインドール、インダゾール、インドリン、ベンゾオキサゾール、ベンゾピラゾール、ベンゾチアゾール、イミダゾ[1,5−a]ピリジン、ピラゾロ[1,5−a]ピリジン、イミダゾ[1,2−a]ピリミジン、イミダゾ[1,2−c]ピリミジン、イミダゾ[1,5−a]ピリミジン、イミダゾ[1,5−c]ピリミジン、ピロロ[2,3−b]ピリジン、ピロロ[2,3−c]ピリジン、ピロロ[3,2−c]ピリジン、ピロロ[3,2−b]ピリジン、ピロロ[2,3−d]ピリミジン、ピロロ[3,2−d]ピリミジン、ピロロ[2,3−b]ピラジン、ピラゾロ[1,5−a]ピリジン、ピロロ[1,2−b]ピリダジン、ピロロ[1,2−c]ピリミジン、ピロロ[1,2−a]ピリミジン、ピロロ[1,2−a]ピラジン、トリアゾ[1,5−a]ピリジン、プテリジン、プリン、カルバゾール、アクリジン、フェナジン、フェノチアゼン、フェノキサジン、1,2−ジヒドロピロロ[3,2,1−hi]インドール、インドリジン、ピリド[1,2−a]インドールおよび2(1H)−ピリジノンから誘導されるものが挙げられるが、これらに限られない。二環式または三環式ヘテロアリール環は、ヘテロアリール基自体、またはそれが縮合している、アリール基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基もしくはヘテロシクロアルキル基のどちらかを介して、親分子と結合し得る。本発明のヘテロアリール基は、置換または無置換であり得る。特定の実施態様において、単独で、または別の基と共に表される「ヘテロアリール」は、ヘテロ(C1−13)アリール、へテロ(C2−13)アリール、へテロ(C2−6)アリール、へテロ(C3−9)アリールまたはヘテロ(C5−9)アリールであり得る。あるいは、単独で、または別の基と共に表される「ヘテロアリール」は、ヘテロ(C3)アリール、へテロ(C4)アリール、へテロ(C5)アリール、へテロ(C6)アリール、へテロ(C7)アリール、へテロ(C8)アリールまたはヘテロ(C9)アリールであり得る。
「ヘテロ原子」は、炭素原子でない原子のことをいう。ヘテロ原子の特定の例としては、窒素、酸素および硫黄が挙げられるが、これらに限られない。
「ヘテロ原子部分」としては、当該部分が結合している原子が炭素でない部分を含む。ヘテロ原子部分の例としては、−NR−、−N+(O−)=、−O−、−S−または−S(O)2−(Rは水素または更なる置換基である)が挙げられる。
「ヘテロビシクロアルキル」は、本願で定義されたようなビシクロアルキルであって、環の1つまたはそれ以上の原子がヘテロ原子であるようなものを意味する。例えば、本願で用いるヘテロ(C9−12)ビシクロアルキルとしては、3−アザ−ビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イル、2−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキシ−2−イル、3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキシ−3−イルなどが挙げられるが、これらに限られない。特定の実施態様において、単独で、または別の基と共に表される「ヘテロビシクロアルキル」は、ヘテロ(C1−14)ビシクロアルキル、へテロ(C4−14)ビシクロアルキル、へテロ(C4−9)ビシクロアルキルまたはヘテロ(C5−9)ビシクロアルキルであり得る。あるいは、単独で、または別の基と共に表される「ヘテロビシクロアルキル」は、ヘテロ(C5)ビシクロアルキル、ヘテロ(C6)ビシクロアルキル、ヘテロ(C7)ビシクロアルキル、ヘテロ(C8)ビシクロアルキルまたはヘテロ(C9)ビシクロアルキルであり得る。
「ヘテロビシクロアリール」は、本願で定義される場合、1つまたはそれ以上の環上の原子がヘテロ原子であるようなビシクロアリールを意味する。例えば、ヘテロ(C4−12)ビシクロアリールとしては、本願で用いられる場合、2−アミノ−4−オキソ−3,4−ジヒドロプテリジン−6−イル、テトラヒドロイソキノリニルなどが挙げられるが、これらに限られない。特定の実施態様において、単独で、または別の基と共に表される「ヘテロビシクロアリール」は、ヘテロ(C1−14)ビシクロアリール、へテロ(C4−14)ビシクロアリール、へテロ(C4−9)ビシクロアリールまたはヘテロ(C5−9)ビシクロアリールであり得る。あるいは、単独で、または別の基と共に表される「ヘテロビシクロアリール」は、ヘテロ(C5)ビシクロアリール、ヘテロ(C6)ビシクロアリール、ヘテロ(C7)ビシクロアリール、ヘテロ(C8)ビシクロアリールまたはヘテロ(C9)ビシクロアリールであり得る。
「ヘテロシクロアルキル」は、本願で定義される場合、環を形成する1つまたはそれ以上の原子がN、OまたはSから独立して選択されるヘテロ原子であるような、シクロアルキルを意味する。ヘテロシクロアルキルの非制限的な例としては、ピペリジル、4−モルホニル、4−ピペラジニル、ピロリジニル、ペルヒドロピロリジニル、1,4−ジアザペルヒドロエピニル、1,3−ジオキサニル、1,4−ジオキサニルなどが挙げられる。特定の実施態様において、単独で、または別の基と共に表される「ヘテロシクロアルキル」は、ヘテロ(C1−13)シクロアルキル、へテロ(C1−9)シクロアルキル、へテロ(C1−6)シクロアルキル、へテロ(C5−9)シクロアルキルまたはヘテロ(C2−6)シクロアルキルであり得る。あるいは、単独で、または別の基と共に表される「ヘテロシクロアルキル」は、ヘテロ(C2)シクロアルキル、へテロ(C3)シクロアルキル、へテロ(C4)シクロアルキル、へテロ(C5)シクロアルキル、へテロ(C6)シクロアルキル、ヘテロ(C7)シクロアルキル、ヘテロ(C8)シクロアルキルまたはヘテロ(C9)シクロアルキルであり得る。
「ヘテロシクロアルキレン」は、本願で定義される場合、1つまたはそれ以上の環員炭素原子がヘテロ原子に置換されたシクロアルキレンを意味する。特定の実施態様において、単独で、または別の基と共に表される「ヘテロシクロアルキレン」は、ヘテロ(C1−13)シクロアルキレン、へテロ(C1−9)シクロアルキレン、へテロ(C1−6)シクロアルキレン、へテロ(C5−9)シクロアルキレンまたはへテロ(C2−6)シクロアルキレンであり得る。あるいは、単独で、または別の基と共に表される「ヘテロシクロアルキレン」は、ヘテロ(C2)シクロアルキレン、へテロ(C3)シクロアルキレン、へテロ(C4)シクロアルキレン、へテロ(C5)シクロアルキレン、へテロ(C6)シクロアルキレン、ヘテロ(C7)シクロアルキレン、ヘテロ(C8)シクロアルキレンまたはヘテロ(C9)シクロアルキレンであり得る。
「ヒドロキシ」は、−OH基を意味する。
「イミノ」は、−CR(=NR’)基および/または−C(=NR’)−基(RおよびR’はそれぞれ独立して水素または更なる置換基である)を意味する。
「異性体」は、同一の分子式を有するが、その原子の性質または結合順序が異なるか、あるいはその原子の空間配置が異なる化合物を意味する。原子の空間配置が異なる異性体のことを「立体異性体」という。互いが鏡像でない立体異性体を「ジアステレオマー」といい、重ね合わせることができない鏡像である立体異性体を「エナンチオマー」といい、「光学異性体」という場合もある。4個の異なる置換基と結合している炭素原子を「キラル中心」という。1個のキラル中心をもつ化合物は、対掌的なキラリティを有する2つのエナンチオマー形態を有する。2つのエナンチオマーの混合物を「ラセミ混合物」という。1つ以上のキラル中心をもつ化合物は、2n−1個(nはキラル中心の数)のエナンチオマー対を有する。1つ以上のキラル中心をもつ化合物は、個々のジアステレオマーとして、あるいはジアステレオマーの混合物(「ジアステレオマー混合物」と呼ばれる)として存在してもよい。1個のキラル中心が存在する場合、立体異性体はキラル中心の絶対配置により特徴付けられる。絶対配置とは、キラル中心に結合した置換基の空間配置のことをいう。エナンチオマーは、そのキラル中心の絶対配置により特徴付けられ、Cahn,IngoldおよびPrelogのR−およびS−配列則で記載される。立体化学命名法の慣習、立体化学の決定に関する方法および立体異性体の分離法は、当該技術分野で周知である(例、“Advanced Organic Chemistry”, 4th edition, March, Jerry, John Wiley & Sons, New York, 1992参照)。
「脱離基」は、合成有機化学で慣習的に関連する意味をもつ置換基、即ち、反応(例、アルキル化)条件下で置換される原子または基を意味する。脱離基の例としては、ハロ(例、F、Cl、BrおよびI)、アルキル(例、メチルおよびエチル)、スルホニルオキシ(例、メシルオキシ、エタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシおよびトシルオキシ)、チオメチル、チエニルオキシ、ジハロホスフィノイルオキシ、テトラハロホスホキシ(tetrahalophosphoxy)、ベンジルオキシ、イソプロピルオキシ、アシルオキシなどが挙げられるが、これらに限られない。
2個の他の部分間の「X原子分離を与える部分」および「X原子分離を与えるリンカー」は、2個の他の部分を直接結合している原子鎖がX原子の長さであることを意味する。Xが範囲で示される場合(例、X1−X2)、原子鎖は長さにおいて少なくともX1原子であり、X2原子以下である。原子鎖は、例えば、炭素原子、窒素原子、硫黄原子および酸素原子を含む原子と組み合わせて形成され得ることが理解されるべきである。更に、それぞれの原子は、任意に1つまたはそれ以上の置換基と許容される原子価で結合してもよい。更に、原子鎖は環の部分を形成し得る。従って、一つの実施態様において、2個の他の部分(RおよびR’)間のX原子分離を与える部分は、R−(L)X−R’(各Lは、CR’’R’’’、NR’’’’、O、S、CO、CS、C=NR’’’’’、SO、SO2などからなる群から独立して選択され、2つまたはそれ以上のR’’、R’’’、R’’’’およびR’’’’’のいくつかは、共に置換または無置換の環を形成し得る)で表すことができる。
「ニトロ」は、−NO2基を意味する。
「オキサアルキル」は、上で定義したようなアルキルであって、アルキル鎖を形成する1つ以上の炭素原子が酸素原子(−O−または−OR(ここでRは水素または更なる置換基である))で置換されたアルキルを意味する。例えば、オキサ(C1−10)アルキルは、1から10個の炭素および1つまたはそれ以上の酸素原子を含む鎖のことをいう。
「オキソアルキル」は、上で定義したようなアルキルであって、アルキル鎖を形成する1つまたはそれ以上の炭素原子がカルボニル基(−C(=O)−または−C(=O)−R(ここでRは水素または更なる置換基である))と置換されたアルキルを意味する。カルボニル基は、アルデヒド、ケトン、エステル、アミド、酸または酸ハロゲン化物であってもよい。例えば、オキソ(C1−10)アルキルは、1から10個の炭素原子および1つまたはそれ以上のカルボニル基を含む鎖のことをいう。
「オキシ」は、−O−基または−OR基(Rは水素または更なる置換基である)を意味する。従ってオキシ基は、種々の置換基で更に置換されて、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシまたはカルボニルオキシを含む異なるオキシ基を形成してもよいことに留意すべきである。
「医薬的に許容される」とは、医薬組成物の製造に有用であることを意味し、この医薬組成物は、一般的に安全であり、無毒性であり、そして生物学的にもその他の点でも望ましく、かつ獣医学的用途と同様にヒトの医学的用途のために許容される組成物を包含する。
「医薬的に許容される塩」とは、上で定義したように、医薬的に許容され、かつ所望の薬理活性を有する本発明の化合物の塩を意味する。そのような塩としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などといった無機酸と形成された酸付加塩;または酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、o−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタンジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、4−メチルビシクロ[2.2.2]オクト−2−エン−1−カルボン酸、グルコヘプトン酸、4,4’−メチレンビス(3−ヒドロキシ−2−エン−1−カルボン酸)、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、tert−ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸などといった有機酸と形成された酸付加塩を含む。
医薬的に許容される塩としてはまた、存在する酸性プロトンが無機または有機塩基と反応できる場合に形成され得る塩基付加塩類が挙げれる。許容される無機塩基としては、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アルミニウムおよび水酸化カルシウムが挙げられる。許容される有機塩基としては、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N−メチルグルカミンなどが挙げられる。
「多環式環」としては、二環式および多環式環が挙げられる。多環式環を包含してなる個々の環は、縮合環、スピロ環または架橋環であり得る。
「プロドラッグ」とは、インビボで代謝的に本発明の阻害剤に変換可能な化合物を意味する。また、プロドラッグそれ自体は、所定の標的タンパク質に対する活性を有していてもよいし、または有していなくてもよい。例えば、ヒドロキシ基を含む化合物は、インビボの加水分解によってヒドロキシ化合物に変換されるエステルとして投与されてもよい。インビボでヒドロキシ化合物に変換され得る好適なエステルとしては、アセテート、シトレート、乳酸、酒石酸、マロン酸、シュウ酸、サリチル酸、プロピオン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、メチレン−ビス−b−ヒドロキシナフトエート、ゲンチジン酸、イセチオン酸、ジ−p−トルオイル酒石酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、シクロヘキシルスルファメート、キナ酸、アミノ酸のエステルなどが挙げられる。同様に、アミン基を含む化合物は、インビボで加水分解されてアミン化合物に変換されるアミドとして投与されてもよい。
「保護された誘導体」は、反応性部位(単数または複数)が保護基でブロックされた阻害剤の誘導体を意味する。保護された誘導体は、阻害剤の製造に有用であるか、またはそれ自体が阻害剤として活性であってもよい。好適な保護基の包括的リストは、T.W. Greene, Protecting Groups in Organic Synthesis, 3rd edition, John Wiley & Sons, Inc. 1999に見受けられ得る。
「環」および「環構造」は、炭素環系またはヘテロ環系を意味し、芳香族系および非芳香族系を包含する。当該系は、単環式、二環式または多環式系であり得る。更に、二環式系および多環式系において、多環式環を包含してなる個々の環は、縮合環、スピロ環または架橋環であり得る。
「対象」および「患者」としては、ヒト、非ヒト哺乳動物(例、イヌ、ネコ、ウサギ、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、シカなど)および非哺乳動物(例、鳥類など)が挙げられる。
「インビボで水素に変換可能な置換基」とは、加水分解および水素化分解を含むがこれらに限定されない酵素的または化学的手段によって、水素原子に変換可能なあらゆる基を意味する。例としては、アシル基、オキシカルボニル基を有する基、アミノ酸残基、ペプチド残基、o−ニトロフェニルスルフェニル、トリメチルシリル、テトラヒドロ−ピラニル、ジフェニルホスフィニルなどといった加水分解性基が挙げられる。アシル基の例としては、ホルミル、アセチル、トリフルオロアセチルなどが挙げられる。オキシカルボニルを有する基の例としては、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル[(CH3)3C−OCO−]、ベンジルオキシカルボニル、p−メトキシベンジルオキシカルボニル、ビニルオキシカルボニル、β−(p−トルエンスルホニル)エトキシカルボニルなどが挙げられる。好適なアミノ酸残基の例としては、アミノ酸残基自体および保護基で保護されているアミノ酸残基が挙げられる。好適なアミノ酸残基としては、Gly(グリシン)、Ala(アラニン;CH3CH(NH2)CO−)、Arg(アルギニン)、Asn(アスパラギン)、Asp(アスパラギン酸)、Cys(システイン)、Glu(グルタミン酸)、His(ヒスチジン)、Ile(イソロイシン)、Leu(ロイシン;(CH3)2CHCH2CH(NH2)CO−)、Lys(リジン)、Met(メチオニン)、Phe(フェニルアラニン)、Pro(プロリン)、Ser(セリン)、Thr(スレオニン)、Trp(トリプトファン)、Tyr(チロシン)、Val(バリン)、Nva(ノルバリン)、Hse(ホモセリン)、4−Hyp(4−ヒドロキシプロリン)、5−Hyl(5−ヒドロキシリジン)、Orn(オルニチン)およびβ−Alaの残基が挙げられるが、これらに限られない。好適な保護基の例としては、アシル基(例、ホルミルおよびアセチル)、アリールメチルオキシカルボニル基(例、ベンジルオキシカルボニルおよびp−ニトロベンジルオキシカルボニル)、t−ブトキシカルボニル基[(CH3)3C−OCO−]などを含む、ペプチド合成で典型的に用いられる保護基が挙げられる。好適なペプチド残基としては、2から5個の、好ましくは2から3個の上記アミノ酸残基を含んでなるペプチド残基が挙げられる。そのようなペプチド残基の例としては、Ala−Ala[CH3CH(NH2)CO−NHCH(CH3)CO−]、Gly−Phe、Nva−Nva、Ala−Phe、Gly−Gly、Gly−Gly−Gly、Ala−Met、Met−Met、Leu−MetおよびAla−Leuのようなペプチド残基が挙げられるが、これらに限られない。これらのアミノ酸残基またはペプチド残基は、D−体、L−体またはそれらの混合物の立体化学配置で存在し得る。更に、当該アミノ酸残基またはペプチド残基は、不斉炭素原子を有してもよい。不斉炭素原子を有するアミノ酸残基の好適な例としては、Ala、Leu、Phe、Trp、Nva、Val、Met、Ser、Lys、ThrおよびTyrの残基が挙げられる。不斉炭素原子を有するペプチド残基としては、不斉炭素原子を有する1つまたはそれ以上の構成アミノ酸残基を持つ、ペプチド残基が挙げられる。アミノ酸保護基の好適な例としては、アシル基(例、ホルミルおよびアセチル)、アリールメチルオキシカルボニル基(例、ベンジルオキシカルボニルおよびp−ニトロベンジルオキシカルボニル)、t−ブトキシカルボニル基[(CH3)3C−OCO−]などを含む、ペプチド合成で典型的に用いられる保護基が挙げられる。「インビボで水素に変換可能」な置換基の他の例としては、還元的に除去可能な、水素化分解できる基が挙げられる。還元的に除去可能な、水素化分解できる基の好適な例としては、アリールスルホニル基(例、o−トルエンスルホニル);フェニルまたはベンジルオキシで置換されたメチル基(例、ベンジル、トリチルおよびベンジルオキシメチル);アリールメトキシカルボニル基(例、ベンジルオキシカルボニルおよびo−メトキシ−ベンジルオキシカルボニル);およびハロゲノエトキシカルボニル基(例、β,β,β−トリクロロエトキシカルボニルおよびβ−ヨードエトキシカルボニル)が挙げられるが、これらに限定されない。
「置換または無置換」とは、所定の部分が、利用可能な原子価にわたって、水素置換基のみから構成されてもよいこと(無置換)、あるいは、所定の部分の名称によって他のように特定されていない、利用可能な原子価にわたって非水素置換基を1つ以上さらに含んでいてもよいこと(置換)を意味する。例えば、イソプロピルは、−CHによって置換されたエチレン部分の例である。一般的に、非水素置換基は、置換されることが明記された所定の部分の1つの原子に結合し得る任意の置換基であってもよい。置換基の例としては、アルデヒド、脂環式、脂肪族、(C1−10)アルキル、アルキレン、アルキリデン、アミド、アミノ、アミノアルキル,芳香族、アリール、ビシクロアルキル、ビシクロアリール、カルバモイル、炭素環、カルボキシル、カルボニル基、シクロアルキル、シクロアルキレン、エステル、ハロ、ヘテロビシクロアルキル、ヘテロシクロアルキレン、ヘテロアリール、ヘテロビシクロアリール、ヘテロシクロアルキル、オキソ、ヒドロキシ、イミノケトン、ケトン、ニトロ、オキサアルキルおよびオキソアルキル部分が挙げられるが、これらに限られない。それぞれは、また、場合によって置換または無置換であってもよい。一つの特定の実施態様において、置換基の例としては、水素、ハロ、ニトロ、シアノ、チオ、オキシ、ヒドロキシ、カルボニルオキシ、(C1−10)アルコキシ、(C4−12)アリールオキシ、ヘテロ(C1−10)アリールオキシ、カルボニル、オキシカルボニル、アミノカルボニル、アミノ、(C1−10)アルキルアミノ、スルホンアミド、イミノ、スルホニル、スルフィニル(C1−10)アルキル、ハロ(C1−10)アルキル、ヒドロキシ(C1−10)アルキル、カルボニル(C1−10)アルキル、チオカルボニル(C1−10)アルキル、スルホニル(C1−10)アルキル、スルフィニル(C1−10)アルキル、(C1−10)アザアルキル、イミノ(C1−10)アルキル、(C3−12)シクロアルキル(C1−5)アルキル、ヘテロ(C3−12)シクロアルキル(C1−10)アルキル、アリール(C1−10)アルキル、ヘテロ(C1−10)アリール(C1−5)アルキル、(C9−12)ビシクロアリール(C1−5)アルキル、ヘテロ(C8−12)ビシクロアリール(C1−5)アルキル、(C3−12)シクロアルキル、ヘテロ(C3−12)シクロアルキル、(C9−12)ビシクロアルキル、ヘテロ(C3−12)ビシクロアルキル、(C4−12)アリール、ヘテロ(C1−10)アリール、(C9−12)ビシクロアリールおよびヘテロ(C4−12)ビシクロアリールが挙げられるが、これらに限られない。更に、置換基はそれ自体、更なる置換基で置換されていてもよい。一つの特定の実施態様において、更なる置換基の例としては、水素、ハロ、ニトロ、シアノ、チオ、オキシ、ヒドロキシ、カルボニルオキシ、(C1−10)アルコキシ、(C4−12)アリールオキシ、ヘテロ(C1−10)アリールオキシ、カルボニル、オキシカルボニル、アミノカルボニル、アミノ、(C1−10)アルキルアミノ、スルホンアミド、イミノ、スルホニル、スルフィニル(C1−10)アルキル、ハロ(C1−10)アルキル、ヒドロキシ(C1−10)アルキル、カルボニル(C1−10)アルキル、チオカルボニル(C1−10)アルキル、スルホニル(C1−10)アルキル、スルフィニル(C1−10)アルキル、(C1−10)アザアルキル、イミノ(C1−10)アルキル、(C3−12)シクロアルキル(C1−5)アルキル、ヘテロ(C3−12)シクロアルキル(C1−10)アルキル、アリール(C1−10)アルキル、ヘテロ(C1−10)アリール(C1−5)アルキル、(C9−12)ビシクロアリール(C1−5)アルキル、ヘテロ(C8−12)ビシクロアリール(C1−5)アルキル、(C3−12)シクロアルキル、ヘテロ(C3−12)シクロアルキル、(C9−12)ビシクロアルキル、ヘテロ(C3−12)ビシクロアルキル、(C4−12)アリール、ヘテロ(C1−10)アリール、(C9−12)ビシクロアリールおよびヘテロ(C4−12)ビシクロアリールが挙げられるが、これらに限られない。
「スルフィニル」は、−SO−基および/または−SO−R基(Rは水素または更なる置換基である)を意味する。スルフィニル基は、種々の置換基で更に置換されて、スルフィン酸、スルフィンアミド、スルフィニルエステルおよびスルホキシドを含む様々なスルフィニル基を形成し得ることに留意すべきである。
「スルホニル」は、−SO−基および/または−SO−R基(Rは水素または更なる置換基である)を意味する。スルホニル基は、種々の置換基で更に置換されて、スルホン酸、スルホンアミド、スルホン酸エステルおよびスルホンを含む様々なスルホニル基を形成し得ることに留意する。
「治療有効量」は、ある疾患を治療するために動物に投与した場合に、当該疾患の治療を達成するのに有効な十分な量を意味する。
「チオ」は、硫黄による酸素の置換を表し、−SR、−S−および=Sを含んでなる基が挙げられるが、これらに限られない。
「チオアルキル」は、アルキル鎖を形成する1つまたはそれ以上の炭素原子が硫黄原子(−S−または−S−R(Rは水素または更なる置換基である))で置換される以外は上で定義したようなアルキルを意味する。例えば、チオ(C1−10)アルキルは、1から10個の炭素および1つ以上の硫黄原子を含む鎖のことをいう。
「チオカルボニル」は、−C(=S)−基および/または−C(=S)−R基(Rは水素または更なる置換基である)を意味する。チオカルボニル基は、種々の置換基で更に置換されて、チオ酸、チオアミド、チオエステルおよびチオケトンを含む様々なチオカルボニル基を形成し得ることに留意すべきである。
「治療」または「治療する」は、本発明化合物のいずれの投与をも意味し:
(1)当該疾患にかかりやすくなっていてもよいが、その疾患の病理または症候をまだ経験していない、または示していない動物における、疾患の発生の予防、
(2)当該疾患の病理または症候を経験している、または示している動物における、その疾患の阻害(即ち、病理および/または症候の更なる進行の停止)、あるいは
(3)当該疾患の病理または症候を経験している、または示している動物における、その疾患の改善(即ち、病理および/または症候の逆転)、
を含む。
本明細書の全ての定義に関して、明記した置換基以外に更なる置換基を含み得るという意味で、オープンエンドとして解釈されるべきであることに留意すべきである。よって、Cアルキルは、1個の炭素原子が存在することを示すが、炭素原子上の置換基が何であるかを示すものではない。従って、(C)アルキルは、メチル(即ち、−CH)と同様に−CRR’R’’(R、R’およびR’’は、それぞれ独立して水素、または炭素原子に結合する原子がヘテロ原子である更なる置換基、あるいはシアノであってもよい)を含む。従って、例えばCF、CHOHおよびCHCNは、全て(C)アルキルである。同様に、アルキルアミノなどといった用語は、ジアルキルアミノなどを含む。
本明細書で用いるとき、本明細書記載の方法、スキームおよび実施例で用いられる記号および定義は、公知技術文献(例、the Journal of the American Chemical Society or the Journal of Biological Chemistry)で用いられるものと一致している。他に記載されない限り、L−立体配置と推定されるアミノ酸残基を命名するために、標準的な1文字または3文字(thee−letter)の略記法が、一般的に用いられる。他に記載されない限り、全ての出発原料は、市販品を入手し、更に精製することなく用いた。特に、下記の略語は実施例および明細書全体を通して用いられ得る:g(グラム);L(リットル);mL(ミリリットル);min(分);h(時間);RT(外気温);MeOH(メタノール);THF(テトラヒドロフラン);Ac(アセチル);TLC(薄層クロマトグラフィー);MTBE(メチル tert−ブチルエーテル);HPLC(高速液体クロマトグラフィー)。そして、他に言及されない限り、全ての温度は℃(摂氏度)で示す。
本明細書記載の方法および組成物の他の対象、特徴および利点は、下記の詳細な説明で明らかになるだろう。しかしながら、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、様々な改良および変更ができることが、詳細な説明から当業者に明らかであるので、詳細な説明および特定の実施例は、特定の実施態様を示す一方で、説明の目的だけに記載されていると理解されるべきである。特許、特許出願および刊行物を含む本明細書で引用される全ての参考文献は、全体を参照することにより本明細書中に援用されるものである。
発明の詳細な説明
ジペプチジルペプチダーゼIV(IUBMB酵素命名法 EC.3.4.14.5)は、DPP4、DP4、DAP−IV、FAPβ、アデノシンデアミナーゼ複合化タンパク質2、アデノシンデアミナーゼ結合タンパク質(ADAbp)、ジペプチジルアミノペプチダーゼIV;Xaa−Pro−ジペプチジルアミノペプチダーゼ;Gly−Proナフチルアミダーゼ;postプロリンジペプチジルアミノペプチダーゼIV;リンパ球抗原CD26;グリコプロテインGP110;ジペプチジルペプチダーゼIV;グリシルプロリンアミノペプチダーゼ;グリシルプロリンアミノペプチダーゼ;X−プロリルジペプチジルアミノペプチダーゼ;pepX;白血球抗原CD26;グリシルプロリルジペプチジルアミノペプチダーゼ;ジペプチジル−ペプチドヒドロラーゼ;グリシルプロリルアミノペプチダーゼ;ジペプチジルアミノペプチダーゼIV;DPP IV/CD26;アミノアシル−プロピルジペプチジルアミノペプチダーゼ;T細胞トリガー分子Tp103;およびX−PDAPを含む、多岐に渡る名称で文献中に言及されている、II型膜タンパク質である。ジペプチジルペプチダーゼIVは、本明細書では「DPP−IV」と呼ぶ。
DPP−IVは、Xaa−Proジペプチドを、ポリペプチドおよびタンパク質のアミノ末端(N−末端)から除去する、非古典的なセリンアミノジペプチダーゼである。X−Gly型またはX−Ser型のジペプチドのDPP−IV依存性の緩慢な放出もまた、いくつかの天然ペプチドで報告されている。
DPP−IVは、インビボにおいて内因性ペプチド(GLP−l(7−36)、グルカゴン)の代謝的な開裂に関与し、またインビトロで他の種々のペプチド(GHRH、NPY、GLP−2、VIP)に対するタンパク質分解活性を有することが立証されている。DPP−IVは、種々の異なる組織(腸、肝臓、肺、腎臓および胎盤)の上皮および内皮細胞上に構成的に発現され、また体液にも見出されている。DPP−IVはまた、循環するT−リンパ球上にも発現し、細胞表面抗原CD−26と同義であることが示されている。
DPP−IVは、阻害による対象内のDPP−IVの活性低下が、これらの疾患状態を治療に導くために用いられ得るような、いくつかの異なる疾患の病理および/または症候に寄与すると考えられている。当該DPP−IV阻害剤を用いて治療または予防されてもよい様々な状態または疾患の例としては、糖尿病、2型糖尿病、糖尿病性脂質代謝異常(diabetic dislipidemia)、耐糖能障害(IGT)の状態、空腹時血糖値障害(IFG)の状態、代謝性アシドーシス、ケトン症、食欲抑制、肥満症、種々の癌(乳癌、肺癌および前立腺癌を含む)、臓器移植拒絶反応;自己免疫疾患(例、炎症性腸疾患、多発性硬化症およびリウマチ性関節炎)、エイズ、皮膚疾患(例、乾せん、リウマチ性関節炎(RA)および扁平苔癬)、不妊症および無月経症が挙げられるが、これらに限られない。
DPP−IV阻害剤は、様々なサイトカイン(刺激した造血細胞)、増殖因子およびニューロペプチドの開裂を調製するために用いられてもよい。例えば、そのような状態は、例えば癌の化学療法および/または放射線療法の結果、免疫抑制されている患者にしばしば起こる。DPP−IV阻害剤は、成長ホルモン放出因子におけるN−末端のTyr−Ala開裂を防ぐか、または減少させ得る。従って、これらの阻害剤は、成長ホルモン欠乏症が原因の低身長(低身長症)の治療や、GH−依存性の組織増殖または組織再生を促進するために用いてもよい。更に、ニューロペプチドの開裂に関連する疾患状態にDPP−IV阻害剤を用いて対処してもよいし、それゆえDPP−IV阻害剤は、神経障害の調節または正常化に有用であり得る。
腫瘍学的表示のためには、DPP−IV阻害剤は、所望しない、無制御な細胞増殖を阻害するために、他の薬剤と併用されてもよい。そのようなDPP−IV阻害剤と併用されてもよい他の抗細胞増殖剤の例としては、レチノイド酸およびその誘導体、2−メトキシエストラジオール、ANGIOSTATINTMタンパク質、ENDOSTATINTMタンパク質、スラミン、スクアラミン、メタロプロテイナーゼIの組織阻害剤、メタロプロテイナーゼ2の組織阻害剤、プラスミノーゲン活性化因子阻害剤1、プラスミノーゲン活性化因子阻害剤2、軟骨由来阻害剤、パクリタキセル、血小板第4因子、プロタミン硫酸塩(クルペイン)、硫酸化キチン誘導体(ズワイガニの甲羅から製造される)、硫酸化多糖ペプチドグリカン複合体(sp−pg)、スタウロスポリン、マトリックス代謝の修飾薬(例えば、プロリン類似体((l−アゼチジン−2−カルボン酸(LACA))、シスヒドロキシプロリン、d,l−3,4−デヒドロプロリン、チアプロリン、beta.−アミノプロピオニトリルフマレート、4−プロピル−5−(4−ピリジニル)−2(3H)−オキサゾロン、メトトレキサート、ミトキサントロン、ヘパリン、インターフェロン、2マクログロブリン血清、チンプ−3、キモスタチン(chymostatin)、beta.−シクロデキストリンテトラデカサルフェート、エポネマイシン(eponemycin)が挙げられる);フマギリン、金チオリンゴ酸ナトリウム、d−ペニシラミン(CDPT)、beta.−1−抗コラゲナーゼ血清、alpha.2−抗プラスミン、ビサントレン(bisantrene)、ロベンザリット二ナトリウム、n−2−カルボキシフェニル−4−クロロアントラニル酸(chloroanthronilic acid)二ナトリウムまたは「CCA」、サリドマイド;血管新生ステロイド(angostatic steroid)、BB94といったカルボキシアミノイミダゾール;メタロプロテイナーゼ阻害剤が挙げられるが、これらに限られない。用いられてもよい他の抗血管新生剤としては、血管新生増殖因子(bFGF、aFGF、FGF−5、VEGFアイソフォーム、VEGF−C、HGF/SFおよびAng−1/Ang−2)に対する抗体、好ましくはモノクローナル抗体が挙げられる。Ferrara N. and Alitalo, K. “Clinical application of angiogenic growth factors and their inhibitors” (1999) Nature Medicine 5:1359−1364。
一つのクラスのDPP−IV阻害剤は、式(I)
Figure 2009531456
[式中:
Qは、CO、SO、SO、およびC=NRからなる群から選択され;
およびRは、それぞれ置換または無置換の、水素、ハロ、ペルハロ(C1−10)アルキル、アミノ、シアノ、ニトロ、チオ、(C1−10)アルキル、アルケン、アルキン、(C3−12)シクロアルキル、ヘテロ(C3−12)シクロアルキル、アリール(C1−10)アルキル、ヘテロアリール(C1−5)アルキル、(C9−12)ビシクロアリール、ヘテロ(C8−12)ビシクロアリール、カルボニル(C1−3)アルキル、チオカルボニル(C1−3)アルキル、スルホニル(C1−3)アルキル、スルフィニル(C1−3)アルキル、イミノ(C1−3)アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アルケニル、アルキニル、カルボニル基、イミン基、スルホニル基およびスルフィニル基からなる群からそれぞれ独立して選択され;
は、それぞれ置換または無置換の、水素、(C1−10)アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、ビシクロアリール、ヘテロビシクロアリールからなる群から選択され;
Lは、XとLが結合する環との間の0〜6原子分離を与えるリンカーであり;そして
Xは、それぞれ置換または無置換の、(C1−10)アルキル、(C3−12)シクロアルキル、ヘテロ(C3−12)シクロアルキル、アリール(C1−10)アルキル、ヘテロアリール(C1−5)アルキル、(C9−12)ビシクロアリール、ヘテロ(C4−12)ビシクロアリール、カルボニル(C1−3)アルキル、チオカルボニル(C1−3)アルキル、スルホニル(C1−3)アルキル、スルフィニル(C1−3)アルキル、イミノ(C1−3)アルキル、アミノ、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アルケニル、アルキニル、カルボニル基、シアノ、イミノ基、スルホニル基およびスルフィニル基からなる群から選択される]の構造を有する化合物である。
また、式(I)の化合物のプロドラッグ、医薬的に許容される塩および溶媒和物もまた、本明細書中に記載される。
式(I)の化合物としては、(R)−3−アミノピペリジニル部分が挙げられ、これは、本明細書中に記載の方法を用いて製造することができる。式(I)の化合物は、米国特許公開公報番号2005/0070535、2005/0070530、2005/0070706、2005/0065148、2005/0070531および2005/0075330、ならびにPCT公開公報番号WO 2005/016911に記載される方法で合成されてもよく、それらの開示は、それらの全体を参照することにより本明細書中に援用されるものである。例えば、式(I)の化合物は、(R)−3−アミノピペリジン二塩酸塩を適当なピリミジン誘導体と反応させることによって製造されてもよい。一つの実施態様において、適当なピリミジン誘導体には、構造:
Figure 2009531456
[式中:
Qは、CO、SO、SOおよびC=NRからなる群から選択され;
Z’は、脱離基であり;
およびRは、それぞれ置換または無置換の、水素、ハロ、ペルハロ(C1−10)アルキル、アミノ、シアノ、ニトロ、チオ、(C1−10)アルキル、アルケン、アルキン、(C3−12)シクロアルキル、ヘテロ(C3−12)シクロアルキル、アリール(C1−10)アルキル、ヘテロアリール(C1−5)アルキル、(C9−12)ビシクロアリール、ヘテロ(C8−12)ビシクロアリール、カルボニル(C1−3)アルキル、チオカルボニル(C1−3)アルキル、スルホニル(C1−3)アルキル、スルフィニル(C1−3)アルキル、イミノ(C1−3)アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アルケニル、アルキニル、カルボニル基、イミン基、スルホニル基およびスルフィニル基からなる群からそれぞれ独立して選択され;
は、それぞれ置換または無置換の、水素、(C1−10)アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、ビシクロアリール、ヘテロビシクロアリールからなる群から選択され;
Lは、XとLが結合する環との間の0〜6原子分離を与えるリンカーであり;そして
Xは、それぞれ置換または無置換の、(C1−10)アルキル、(C3−12)シクロアルキル、ヘテロ(C3−12)シクロアルキル、アリール(C1−10)アルキル、ヘテロアリール(C1−5)アルキル、(C9−12)ビシクロアリール、ヘテロ(C4−12)ビシクロアリール、カルボニル(C1−3)アルキル、チオカルボニル(C1−3)アルキル、スルホニル(C1−3)アルキル、スルフィニル(C1−3)アルキル、イミノ(C1−3)アルキル、アミノ、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アルケニル、アルキニル、カルボニル基、シアノ、イミノ基、スルホニル基およびスルフィニル基からなる群から選択される]を有する化合物が含まれる。
ある実施態様において、Z’はハロである。更なる、または代替の実施態様において、式(I)の化合物は下記方法で製造される:
Figure 2009531456
上記のこの例で示されるR、RおよびR22X基を変更することによって、様々な異なったDPP−IV阻害剤が合成され得る。
例として、本明細書中に記載の方法で製造される(R)−3−アミノピペリジン 二塩酸塩は、下記のDPP−IV阻害剤
Figure 2009531456
の合成に用いられ得る。
他のクラスのDPP−IV阻害剤は、式(II)を有する化合物である、
Figure 2009531456
[式中:
は、−C−LX、NまたはCRであり;
およびQは、CO、CS、SO、SOおよびC=NRからなる群からそれぞれ独立して選択され;
は、Rまたは−LXであり(但し、RおよびMの一方だけが−LXである);
は、水素であるか、あるいはそれぞれ置換または無置換の、ハロ、ペルハロ(C1−10)アルキル、アミノ、シアノ、チオ、(C1−10)アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、カルボニル(C1−3)アルキル、チオカルボニル(C1−3)アルキル、スルホニル(C1−3)アルキル、スルフィニル(C1−3)アルキル、イミノ(C1−3)アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、カルボニル基、イミノ基、スルホニル基およびスルフィニル基からなる群から選択され;
は、水素であるか、あるいはそれぞれ置換または無置換の、(C1−10)アルキル、(C3−12)シクロアルキル、(C3−12)シクロアルキル(C1−5)アルキル、ヘテロ(C3−12)シクロアルキル(C1−5)アルキル、ヘテロ(C3−12)シクロアルキル、アリール(C1−10)アルキル、ヘテロアリール(C1−5)アルキル、(C9−12)ビシクロアリール、ヘテロ(C4−12)ビシクロアリール、ヘテロ(C4−12)ビシクロアリール(C1−5)アルキル、カルボニル(C1−3)アルキル、チオカルボニル(C1−3)アルキル、スルホニル(C1−3)アルキル、スルフィニル(C1−3)アルキル、イミノ(C1−3)アルキル、アミノ、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、カルボニル基、イミノ基、スルホニル基およびスルフィニル基からなる群から選択され;
は、水素であるか、あるいはそれぞれ置換または無置換の、ハロ、ペルハロ(C1−10)アルキル、アミノ、シアノ、チオ、(C1−10)アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、カルボニル(C1−3)アルキル、チオカルボニル(C1−3)アルキル、スルホニル(C1−3)アルキル、スルフィニル(C1−3)アルキル、イミノ(C1−3)アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、カルボニル基、イミノ基、スルホニル基およびスルフィニル基からなる群から選択され;
は、水素であるか、あるいはそれぞれ置換または無置換の、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、ビシクロアリールおよびヘテロビシクロアリールからなる群から選択され;
Lは、XとLが結合する環との間の1、2または3原子分離を与えるリンカーであり(分離を与えるリンカーの原子は、炭素、酸素、窒素および硫黄からなる群から選択される);そして
Xは、それぞれ置換または無置換の、(C1−10)アルキル、(C3−12)シクロアルキル、ヘテロ(C3−12)シクロアルキル、アリール(C1−10)アルキル、ヘテロアリール(C1−5)アルキル、(C9−12)ビシクロアリール、ヘテロ(C4−12)ビシクロアリール、カルボニル(C1−3)アルキル、チオカルボニル(C1−3)アルキル、スルホニル(C1−3)アルキル、スルフィニル(C1−3)アルキル、イミノ(C1−3)アルキル、アミノ、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アルケニル、アルキニル、カルボニル基、シアノ、イミノ基、スルホニル基およびスルフィニル基からなる群から選択される]を有する化合物である。
式(II)の化合物としては、(R)−3−アミノピペリジニル部分が挙げられ、これは、本明細書中に記載の方法を用いて製造され得る。式(II)の化合物は、米国特許出願番号11/080,992(出願日2005年3月15日)およびPCT出願番号PCT/US04/42209(国際出願日2004年12月15日)に記載の方法で合成されてもよく、これらの開示は、全体を参照することにより本明細書に援用される。例えば、式(II)の化合物は、(R)−3−アミノピペリジン 二塩酸塩を、適当なピリミジン誘導体と反応させることで製造してもよい。一つの実施態様において、適当なピリミジン誘導体は、構造:
Figure 2009531456
[式中:
は、−C−LX、NまたはCRであり;
Z’は、脱離基であり;
およびQは、CO、CS、SO、SOおよびC=NRからなる群からそれぞれ独立して選択され;
は、Rまたは−LXであり(但し、RおよびMの一方だけが−LXである);
は、水素であるか、あるいはそれぞれ置換または無置換の、ハロ、ペルハロ(C1−10)アルキル、アミノ、シアノ、チオ、(C1−10)アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、カルボニル(C1−3)アルキル、チオカルボニル(C1−3)アルキル、スルホニル(C1−3)アルキル、スルフィニル(C1−3)アルキル、イミノ(C1−3)アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、カルボニル基、イミノ基、スルホニル基およびスルフィニル基からなる群から選択され;
は、水素であるか、あるいはそれぞれ置換または無置換の、(C1−10)アルキル、(C3−12)シクロアルキル、(C3−12)シクロアルキル(C1−5)アルキル、ヘテロ(C3−12)シクロアルキル(C1−5)アルキル、ヘテロ(C3−12)シクロアルキル、アリール(C1−10)アルキル、ヘテロアリール(C1−5)アルキル、(C9−12)ビシクロアリール、ヘテロ(C4−12)ビシクロアリール、ヘテロ(C4−12)ビシクロアリール(C1−5)アルキル、カルボニル(C1−3)アルキル、チオカルボニル(C1−3)アルキル、スルホニル(C1−3)アルキル、スルフィニル(C1−3)アルキル、イミノ(C1−3)アルキル、アミノ、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、カルボニル基、イミノ基、スルホニル基およびスルフィニル基からなる群から選択され;
は、水素であるか、あるいはそれぞれ置換または無置換の、ハロ、ペルハロ(C1−10)アルキル、アミノ、シアノ、チオ、(C1−10)アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、カルボニル(C1−3)アルキル、チオカルボニル(C1−3)アルキル、スルホニル(C1−3)アルキル、スルフィニル(C1−3)アルキル、イミノ(C1−3)アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、カルボニル基、イミノ基、スルホニル基およびスルフィニル基からなる群から選択され;
は、水素であるか、あるいはそれぞれ置換または無置換の、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、ビシクロアリールおよびヘテロビシクロアリールからなる群から選択され;
Lは、XとLが結合する環との間の1、2または3原子分離を与えるリンカーであり(分離を与えるリンカーの原子は、炭素、酸素、窒素および硫黄からなる群から選択される);そして
Xは、それぞれ置換または無置換の、(C1−10)アルキル、(C3−12)シクロアルキル、ヘテロ(C3−12)シクロアルキル、アリール(C1−10)アルキル、ヘテロアリール(C1−5)アルキル、(C9−12)ビシクロアリール、ヘテロ(C4−12)ビシクロアリール、カルボニル(C1−3)アルキル、チオカルボニル(C1−3)アルキル、スルホニル(C1−3)アルキル、スルフィニル(C1−3)アルキル、イミノ(C1−3)アルキル、アミノ、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アルケニル、アルキニル、カルボニル基、シアノ、イミノ基、スルホニル基およびスルフィニル基からなる群から選択される]を有する化合物を含む。
更なる実施態様において、Z’はハロである。更なる、または代替の実施態様において、式(II)の化合物は、下記方法:
Figure 2009531456
で製造される。
一例として、本明細書中に記載の方法で合成される(R)−3−アミノピペリジン 二塩酸塩を、適当なピリミジン誘導体と反応させて、
Figure 2009531456
から選択されるDPP−IV阻害剤が製造される。
上記で表される式(I)および(II)の化合物は、(R)−3−アミノピペリジニル部分を所有するのだが、本明細書中に記載の方法および技術を用いて、対掌的なエナンチオマー立体配置を有する化合物を製造してもよい。即ち、(R)−3−アミノピペリジニル部分を(S)−3−アミノピペリジニル部分に置換してもよい。そのようなものとして、(R)−3−アミノピペリジニル部分に代わって、(S)−3−アミノピペリジニル部分が置換されている式(I)および(II)の化合物もまた、本明細書中に記載の方法、組成物および技術に包含されている。
本明細書中に記載の種々の方法を用いて合成することができる、追加のDPP−IV阻害剤は、米国特許公開公報番号2005/0004117、2004/0259870、2004/0242568および2004/0242566に見い出すことができ、それらの開示は全体を参照することにより本明細書中に援用される。
(R)−3−アミノピペリジン化合物の合成
本明細書中に記載の方法によって、キラル精製技術の必要性が最小限にされ、少なくとも95%、好ましくは少なくとも97%、好ましくは少なくとも98%および好ましくは少なくとも99%の収率で、鏡像異性的に純粋な(R)−3−アミノピペリジン 二塩酸塩が得られる。更に本明細書中に記載の方法は、容易に利用可能な試薬および技術を利用するが、これは、少量、大量いずれの(R)−3−アミノピペリジン 二塩酸塩の製造のためにも拡大縮小可能である。更に本明細書中に記載の方法は、少なくとも約1キログラムの(R)−3−アミノピペリジン 二塩酸塩、少なくとも約2キログラムの(R)−3−アミノピペリジン 二塩酸塩、少なくとも約4キログラムの(R)−3−アミノピペリジン 二塩酸塩、少なくとも約10キログラムの(R)−3−アミノピペリジン 二塩酸塩または少なくとも約100キログラムの(R)−3−アミノピペリジン 二塩酸塩を製造するために用いられ得る。更に本明細書中に記載の方法は、薬物および医薬製品の規制当局の許可が必要な良好な製造プラクティスの下、(R)−3−アミノピペリジン 二塩酸塩の製造に関して、再現性が良好で、信頼性に足り、かつ適用し易いものである。
本明細書中に記載の3−アミノピペリジンの鏡像体過剰率を更に改善する必要があるならば、異なる立体異性体の混合物を分割および/または分離する、当該技術分野で公知の、種々の方法が用いられてもよい。例えば、化合物のラセミ混合物は、任意の活性分割剤と反応させて、ジアステレオ異性体の対を形成してもよい。その後ジアステレオマーは、光学的に純粋なエナンチオマーを回収するために、分離されてもよい。また、解離性の複合体は、エナンチオマー(例、結晶性のジアステレオ異性体の塩)を分割するために用いられてもよい。ジアステレオマーは、通常十分に、異なる物性(例、融点、沸点、溶解度、反応性など)を有しており、これらの相違を有効に利用して容易に分離することができる。例えば、ジアステレオマーは、典型的には、キラルクロマトグラフィーによって、または溶解度の違いに基づく分離/分割技術によって分離され得る。その後、光学的に純粋なエナンチオマーが、分割剤とともに、ラセミ化をもたらさない任意の実用的手段によって回収される。ラセミ混合物から化合物の立体異性体を分割するために用いられ得る手法のより詳細な説明は、Jean Jacques andre Collet, Samuel H. Wilen, Enantiomers, Racemates and Resolutions, John Wiley & Sons, Inc. (1981)に見い出すことができ、これらは全体を参照することにより本明細書中に援用される。
一例として(R)−3−アミノピペリジンの合成を利用した、キラル 3−アミノピペリジンを合成する代表的な方法を下記のスキーム1に示す。
反応スキーム1
Figure 2009531456
反応スキーム1の第一工程は、アミノ酸をアミノアシルクロリドに変換できる試薬を用いて変換することによって、(R)−2,5−ジアミノペンタン酸 塩酸塩(D−オルニチンとしても知られる)をエステル化することを含む。一つの実施態様において、アセチルクロリドが当該変換に用いられるが、他の適当な試薬が用いられてもよい。この変換に従って、アルコールをアミノアシルクロライドと反応させ、所望のエステルを形成させる。種々のアルコールを本工程で用いて、対応するエステルを得てもよい。そのようなアルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノールおよびヘキサノールが挙げられるが、これらに限られない。例において、エステル化の工程には、(R)−2,5−ジアミノペンタン酸 塩酸塩とアルコールを共に混合する工程、RT以下(一例として約0℃から約15℃までの温度)まで冷却し、続いてRT以下(一例として約0℃から約15℃までの温度)の温度で約1.5から約2.5当量のアセチルクロリドを加える工程を含む。次いで、得られる混合物を加熱(一例として約45℃から約65℃の温度で)し、得られるエステルは単離、精製してもよく、後の合成工程で単離、精製せずに用いてもよい。本エステル化工程のための非制限のアプローチは、(R)−2,5−ジアミノペンタン酸 塩酸塩をメタノールに溶解し、混合物を約5℃から約10℃まで冷却することである。次いで、約2.0当量のアセチルクロリドを約5℃から約10℃の温度に維持しながら制御可能に加えた。アセチルクロリドの添加が完了したら、反応が完結またはほぼ完結するまで混合物を約50℃から60℃の間の温度に加熱し、測定技術(一例としてH NMR分光法)で決定した。次いで、得られたメチルエステル、(R)−メチル 2,5−ジアミノペンタノエート 二塩酸塩(D−オルニチンメチルエステル 二塩酸塩としても知られる)を、単離、精製してもよく、後の合成工程で単離、精製せずに用いてもよい。本エステル化方法は、2,5−ジアミノペンタン酸 塩酸塩の誘導体、2,5−ジアミノペンタン酸 塩酸塩の(S)−エナンチオマーおよびその誘導体と、HCl以外の酸付加塩および当該化合物の保護された型とが併用されてもよい。
反応スキーム1の第一工程で形成されるエステルは、反応スキーム1の工程2で示されるように、(R)−3−アミノピペリジン−2−オン 塩酸塩の形成に用いられる。反応スキーム1の工程2で、(R)−3−アミノピペリジン−2−オン 塩酸塩が、反応スキーム1の第一工程で形成されるエステルの環化反応によって形成され、続いて塩が形成される。環化することによって(R)−3−アミノピペリジン−2−オンが形成されるが、これは、アルコールにエステルを溶解し、約0℃以下の温度(一例として、約−10℃から約0℃の温度で)まで混合物を冷却し、次いで約1.5から3.0当量の金属アルコキシドを約0℃以下の温度(一例として、約−10℃から約0℃の温度で)でゆっくりと加えることによって形成される。あるいは、あらゆる類似の、非樹脂性アニオン供給原料が用いられてもよい。
環化反応に続いて、有機溶媒中の約1.0から約1.5当量の酸を、約0℃から約20℃の温度で加え、対応する(R)−3−アミノピペリジン−2−オン塩を形成する。酸を有機溶媒に加えることで、有機溶媒中の酸を形成してもよいし、あるいは、酸をin situで形成してもよい。例えば、アセチルクロリドをMeOHのMTBE溶液に加えて、1M HClのMTBE溶液を形成してもよい。用いられる有機溶媒は、得られる塩の溶解性が低く、濾過して単離できるような沈殿を容易に生じるものである。適当な塩としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などといった無機酸と形成される酸付加塩;または酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸(tartatic acid)、クエン酸、安息香酸、o−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタンジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、4−メチルビシクロ[2.2.2]オクト−2−エン−1−カルボン酸、グルコヘプトン酸、4,4’−メチレンビス(3−ヒドロキシ−2−エン−1−カルボン酸)、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、三級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸などといった有機酸と形成される酸付加塩が挙げられる。
反応スキーム1の工程2の非制限のアプローチは、(R)−メチル 2,5−ジアミノペンタノエート 二塩酸塩をメタノールに溶解し、約−10℃から約−5℃まで溶液を冷却し、続いて約−10℃から約−5℃の温度で、約2.6当量のナトリウムメトキシドを制御しながら加えるものである。次いでこの反応混合物を、約−10℃から約−5℃の温度に維持しながら、反応が完結またはほぼ完結するまで撹拌する。反応の完結は一例として、H NMR分光法のような測定技術によって決定される。完結時に、約5℃から約15℃の温度に維持しながら、1M HClのMTBE溶液を加えることによって、生じた(R)−3−アミノピペリジン−2−オン 塩酸塩を得てもよい。HCl付加塩を溶液から沈殿させ、簡易な濾過で単離してもよい。HCl付加塩は、更に(R)−3−アミノピペリジン 塩酸塩を製造するために用いてもよい。このような環化方法および酸付加塩形成方法は、2,5−ジアミノペンタン酸の他のエステル、そのようなエステルの他の酸付加塩、そのようなエステルおよび酸付加塩の(S)−エナンチオマー、そのエステルおよび酸付加塩の他の誘導体、ならびにそれらの保護された型と併用され得る。
次の反応工程で用いる前に、(R)−3−アミノピペリジン−2−オンを塩に変換することで、(R)−3−アミノピペリジン 塩酸塩の合成が容易になる。例えば、そのような塩を使用することによって、蒸留工程や、本明細書中に記載したような簡易な濾過と比較した特別な機器を必要とした、(R)−3−アミノピペリジン−2−オンを単離、精製する必要性が除去される。一例として、そのような蒸留方法には、減圧蒸留を含んでもよく、簡易濾過よりも更に複雑性を有するものであり得る。濾過システムの利用とは対照的に、本明細書中に記載したように、減圧蒸留には効率的に蒸留されるまで正確な減圧および正確な温度を維持することが要求される。
本明細書中に記載の方法は、一連の連続反応において、複数のキログラム量の(R)−3−アミノピペリジン 塩酸塩を製造するために用いられてもよい。これに関して、本明細書中に記載の方法では、少量の(R)−3−アミノピペリジン−2−オン(10グラム未満)の生産に限られるアニオン交換樹脂を使用しない。更に、本明細書中に記載の方法では樹脂の再生(および/または廃棄)は必要ではない。
反応スキーム1の第三工程では、(R)−3−アミノピペリジン−2−オン 塩酸塩を還元剤で還元して、(R)−3−アミノピペリジンを形成させる。約1.0から約2.5当量の還元剤を、溶媒中の(R)−3−アミノピペリジン−2−オン 塩酸塩に約10℃から約45℃の温度でゆっくりと加える。還元剤の添加完了時に、得られた混合物を約45℃から70℃の温度で加熱する。反応スキーム1の工程3の非制限のアプローチは、(R)−3−アミノピペリジン−2−オン 塩酸塩をTHFに溶解し、混合物を約25℃から約35℃に冷却し、続いてTHF中、約1.6当量の水素化アルミニウムリチウムを制御しながら加えるものである。次いで、この反応混合物を、反応が完結またはほぼ完結するまで、約55℃から約65℃で加熱する。反応が完結したことは、TLC分析のような測定技術によって決定される。
得られた(R)−3−アミノピペリジンを、続いてHClで処理し(反応スキーム1の第四工程)、(R)−3−アミノピペリジン 二塩酸塩を得る。形成され得る他の塩としては、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などといった無機酸と形成される酸付加塩;および酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸(tartatic acid)、クエン酸、安息香酸、o−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタンジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、4−メチルビシクロ[2.2.2]オクト−2−エン−1−カルボン酸、グルコヘプトン酸、4,4’−メチレンビス(3−ヒドロキシ−2−エン−1−カルボン酸)、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、三級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸などといった有機酸と形成される酸付加塩が挙げられる。(R)−3−アミノピペリジン 塩酸塩は、後にDPP−IV阻害剤の合成に用いるために、濾過して単離してもよい。
このような還元方法および酸付加物の形成方法は、3−アミノピペリジン−2−オンの他の誘導体、3−アミノピペリジン−2−オンおよびその誘導体の他の酸付加塩、3−アミノピペリジン−2−オン、その誘導体およびその酸付加塩の(S)−エナンチオマーと併用されてもよいし、それと同様にそれらの保護された型と併用されてもよい。
発明の効果
本明細書中に記載されるように、(R)−3−アミノピペリジン 塩酸塩を得るために用いられる合成方法は、有益な特徴を有している。第一に、工程2および4の生成物の塩型を産生および利用することで、合成方法を有意に単純化できる。それは、簡易な濾過技術を用いて生成物を単離、精製すること、それゆえ、特別な機器を必要とする蒸留方法を含む、より複雑な方法で生成物を精製する必要がなくなることによる。第二に、本明細書中に記載の合成方法は、容易に入手できるD−オルニチンから、大量の(R)−3−アミノピペリジン 塩酸塩を費用的に効率の良い方法で得るために用いることができる。第三に、本明細書中に記載の合成方法は、溶液をベースとしたものであり、界面ベースの反応(例、イオン交換樹脂)ではない。界面化学的促進反応(surface−chemistry−driven reactions)のためには、所望の生成物を再現性よく合成することを確実にするために、界面の状態/反応性がそれぞれの使用に再現性よく生産/再生されている必要がある。更に、界面ベースの反応は、高い価格、貯蔵、および廃棄関係の理由で、キログラム量の生成物を製造するのに実用的ではない。更に、本明細書中で開示した合成方法は、界面の再現性に依存することがないので、大量の生成物が再現性よく合成される。第四に、本明細書中に記載の合成方法は、原料において最初に存在する立体化学を保持する。従って、(R)−3−アミノピペリジン 塩酸塩は、低いエナンチオマー純度の3−アミノピペリジン 塩酸塩の混合物を更に精製、分割する必要がなく、様々なDPP−IV阻害剤の合成に直接用いられ得る。
以下の実施例で、(R)−3−アミノピペリジン 塩酸塩および反応スキーム1に記載の様々な中間体化合物の合成方法を説明する。本実施例は説明のためだけに示され、本明細書で示される特許請求の範囲の範囲を限定するものではない。更に、一貫して記載されるように、以下の方法は当該化合物の他のエナンチオマー、誘導体、酸付加塩およびエステルと併用されてもよく、同様にそれらの保護形態と併用されてもよい。
実施例1
D−オルニチンメチルエステル 塩酸塩((R)−メチル 2,5−ジアミノペンタノエート 二塩酸塩)の合成
Figure 2009531456
還流冷却器、温度プローブおよび付加漏斗またはヘッドカラムを備えた、清潔で乾燥したジャケット付き反応容器に、窒素ガスを15分間封入した後、反応容器に5000gのD−オルニチン 塩酸塩および25Lのメタノールを加えた。次いで、反応容器を5〜10℃に冷却した。バッチを5〜10℃にした時点で、4.2Lのアセチルクロリド(4700g、60mol)を、反応容器の温度を5から20℃の間で上昇させ、次いでその温度に維持しながら、付加漏斗を用いてゆっくりと3時間かけて加えた。添加完了時点で、バッチを50〜60℃まで加熱し、スラリーが均一溶液になるまで3時間その温度で撹拌した。反応が完結するまで、反応の進行をH NMR分光法を用いてモニターした。反応が完結した時点で、(R)−3−アミノピペリジン−2−オン 塩酸塩の合成に備えて、混合物を−10から−5℃まで冷却した。生成物の(R)−メチル 2,5−ジアミノペンタノエート 二塩酸塩は、単離せずに反応容器に残した。
実施例2
(R)−3−アミノピペリジン−2−オン 塩酸塩の合成
Figure 2009531456
実施例1で合成された(R)−メチル 2,5−ジアミノペンタノエート 二塩酸塩を単離することなく、実施例1のものと同じ反応容器を用いて、(R)−3−アミノピペリジン−2−オン 塩酸塩の合成を続けた。(R)−メチル 2,5−ジアミノペンタノエート 二塩酸塩を含む溶液を、−10から−5℃まで冷却し、16,571gのナトリウムメトキシド(25重量%MeOH溶液、15L、66mol)を、添加している間、−10から−0℃(between−10−0℃)の温度に維持しながら、3時間かけて付加漏斗を用いて加えた。反応混合物のpHを、加える間pHが10を超えないようにチェックした。ナトリウムメトキシドを加える間に、濃い白色スラリーが形成された。添加完了後、混合物を−10から0℃の温度で1.5時間撹拌し、反応が明らかに完結するまで、H NMR分光法を用いて反応の進行をモニターした。反応が明らかに完結した時に、10から25℃の温度に維持しながら、40LのMTBEを混合物に加えた。30分後、当該混合物をHastelloy Nutscheフィルターを用いてセライト濾過し、当該フィルターを5LのMTBEおよび5Lのメタノールの1:1混合溶液で洗浄した。得られた濾液を、ロータバップバスの温度を約30℃に維持しながら、元の濾液の体積の20%まで、ロータリーエバポレーターを用いて減圧濃縮した。得られた(R)−3−アミノピペリジン−2−オンを含む溶液を、塩である(R)−3−アミノピペリジン−2−オン 塩酸塩(下記参照)の合成に備えて、清潔で乾燥した反応容器に移し、5から10℃まで冷却した。
1M HClのMTBE溶液の調製および(R)−3−アミノピペリジン−2−オンとの反応
第二の反応容器を、30LのMTBEおよび3Lのメタノールで満たし、次いで2.3Lのアセチルクロリド(2600g、33mol)を、2時間かけて、15から25℃の温度に維持しながら加えた。(R)−3−アミノピペリジン−2−オン溶液を含む反応容器を5から10℃の温度まで冷却し、MTBE、メタノールおよびアセチルクロリドを含む反応容器から、塩酸溶液をゆっくり加えることによって、当該溶液のpHをpH4〜5の間に調製した。温度を5から15℃に維持し、HCl溶液を加える間pHをずっとモニターした。次いで38LのMTBEを、温度を5から15℃に維持しながら混合物に加え、当該混合物を60分間撹拌した。得られた塩を溶液から沈殿させて、スラリーを作成し、それを10から25℃で30〜60分間撹拌した。後で、得られた塩をHastelloy Nutscheフィルターを用いて濾過し、13LのMTBEで洗浄した。得られた(R)−3−アミノピペリジン−2−オン 塩酸塩は、次いで真空乾燥機中、20〜25℃で一定重量まで乾燥し、H NMR(DMSO−d)を用いて分析した。生成物の光学純度は、モッシャーの酸クロリド(Mosher’s acid chloride)で誘導体化することによって決定した。
実施例3
(R)−3−アミノピペリジンの合成
Figure 2009531456
実施例2で得られた(R)−3−アミノピペリジン−2−オン 塩酸塩の4000gを、窒素ガスを15分間封入した、清潔で乾燥したジャケット付き反応容器に加えた。また、当該反応容器に、syltherm還流冷却器、温度プローブおよび付加漏斗を備え付けた。また、クライゼンアダプター(Claisen adaptor)をコンデンサーの上部に取り付け、窒素封入口を一方のポートに取り付け、排出口を他方のポートに取り付けた。次いで、60LのTHFを、反応容器に窒素ガスを封入している間、(R)−3−アミノピペリジン−2−オン 塩酸塩を含む反応容器に加えた。その後、17Lの2.4M水素化アルミニウムリチウム(LiAH)のTHF溶液を、付加漏斗を用い、2.2時間かけて滴下した。本添加工程中、温度を35℃以下に維持した。添加完了後、得られた不均一な混合物を58〜60℃で加熱し、1.2時間撹拌した。1時間後この温度で、反応が明らかに完結するまで、反応の進行をTLC(50%MeOH/CHClまたは60%MeOH:DCM、I染色またはニンヒドリン染色)を用いて試験した。反応完結後、混合物を20〜25℃まで一晩かけて冷却した後、0〜5℃で冷却した。一方、12LのDI水を、注意深く反応容器に設置した清潔な付加漏斗に加えた。DI水を加える前に反応容器に窒素を封入し、加える間一定の窒素雰囲気を維持した。DI水をバッチの温度が50℃以下に維持されるような速度で滴下しながら、混合物を撹拌した。水の添加完了と同時に、20Lのメタノールを、付加漏斗を用いて10分かけて混合物に加え、温度を45〜50℃で維持しながら、バッチを45分間撹拌した。次いで、混合物を35〜45℃まで冷却し、得られたスラリーを清潔なフィルター(グラスまたはヌッチェ)を用いてセライト濾過した後、15LのTHF(全量40L)で2回洗浄した。その後、生成物である(R)−3−アミノピペリジンを含む混合濾液を塩形成工程(実施例4)に備えて反応容器に戻し、当該混合物を0〜10℃まで冷却した。
実施例4
(R)−3−アミノピペリジン 二塩酸塩の合成
Figure 2009531456
実施例3で合成された(R)−3−アミノピペリジンを含む混合物を、(R)−3−アミノピペリジン 二塩酸塩の合成に備えて、反応容器に戻し、混合物を0〜10℃まで冷却した。この温度に達すると同時に、温度を15〜25℃に維持しながら、5.2Lの濃HClを付加漏斗を通してゆっくりと加えた。二相性混合物を濃縮し、残った水をアルコール試薬(2X36L)で共沸して除去し、最小限のアルコール量(4〜5L)で希釈した。残ったTHF内容物を、容認できるレベル(<5%)に達するまで、H NMRでモニターした。エタノール溶液に残存しているTHFの量が、H NMRによる決定で5%未満であった場合は、エタノール溶液をジャケット付き反応容器に戻し、25〜30℃まで冷却した。溶液の温度が25〜30℃になった後、混合物を30℃以下の温度で撹拌しながら、30Lのアセトニトリルを反応容器にゆっくりと加えた。得られた混合物を0〜5℃まで冷却し、1時間撹拌した。(R)−3−アミノピペリジン 二塩酸塩を、アセトニトリルを加えながら溶液から沈殿させた。その後、得られたスラリーをHastelloyフィルターで濾過し、得られた(R)−3−アミノピペリジン 二塩酸塩の固体を20〜35℃で減圧乾燥し、H、13C NMR(DMSO−d)、キラルHPLCおよびカールフィッシャー分析を用いて分析した。
本明細書中に記載された実施例および実施態様は、単に説明を目的としているものであって、当業者に示される様々な修飾または変更は、本願の精神および範囲内にあり、また添付した特許請求の範囲の範囲に包含される。本明細書に引用される全ての刊行物、特許および特許出願は、あらゆる目的のために、これを参考にすることにより本明細書中に援用される。

Claims (64)

  1. テトラヒドロフランを含む溶媒中で、(R)−3−アミノピペリジン−2−オン 塩酸塩および((R)−3−アミノピペリジン−2−オン 塩酸塩に対して)1.0から2.5当量の水素化アルミニウムリチウムを含む反応混合物を形成する工程;
    当該反応混合物を45℃から70℃の温度で(R)−3−アミノピペリジンを形成するのに十分な時間維持する工程;および
    (R)−3−アミノピペリジン 二塩酸塩を少なくとも95%のエナンチオマー純度で形成するのに十分な条件下で、(R)−3−アミノピペリジンを塩酸と反応させる工程
    を含む(R)−3−アミノピペリジン 二塩酸塩を製造する方法。
  2. 反応混合物中の溶媒がテトラヒドロフランである請求項1記載の方法。
  3. 反応混合物が1.5から2.0当量の水素化アルミニウムリチウムを用いて形成される請求項1記載の方法。
  4. 反応混合物が1.5から1.7当量の水素化アルミニウムリチウムを用いて形成される請求項1記載の方法。
  5. 反応混合物が1.6当量の水素化アルミニウムリチウムを用いて形成される請求項1記載の方法。
  6. 反応混合物が少なくとも1キログラムの(R)−3−アミノピペリジン−2−オン 塩酸塩を用いて形成される請求項1記載の方法。
  7. 反応混合物が少なくとも2キログラムの(R)−3−アミノピペリジン−2−オン 塩酸塩を用いて形成される請求項1記載の方法。
  8. 形成された(R)−3−アミノピペリジン 二塩酸塩が少なくとも95%の光学純度を有する請求項1記載の方法。
  9. 形成された(R)−3−アミノピペリジン 二塩酸塩が少なくとも97%の光学純度を有する請求項1記載の方法。
  10. 形成された(R)−3−アミノピペリジン 二塩酸塩が少なくとも98%の光学純度を有する請求項1記載の方法。
  11. 形成された(R)−3−アミノピペリジン 二塩酸塩が少なくとも99%の光学純度を有する請求項1記載の方法。
  12. 反応混合物が少なくとも1キログラムの(R)−3−アミノピペリジン−2−オン 塩酸塩を用いて形成される請求項1記載の方法。
  13. 反応混合物が少なくとも2キログラムの(R)−3−アミノピペリジン−2−オン 塩酸塩を用いて形成される請求項1記載の方法。
  14. 反応混合物が少なくとも4キログラムの(R)−3−アミノピペリジン−2−オン 塩酸塩を用いて形成される請求項1記載の方法。
  15. 反応混合物が少なくとも10キログラムの(R)−3−アミノピペリジン−2−オン 塩酸塩を用いて形成される請求項1記載の方法。
  16. 反応混合物が少なくとも100キログラムの(R)−3−アミノピペリジン−2−オン 塩酸塩を用いて形成される請求項1記載の方法。
  17. 反応混合物が15℃から35℃の温度で形成される請求項1記載の方法。
  18. 反応混合物が25℃から35℃の温度で形成される請求項1記載の方法。
  19. 反応混合物が(R)−3−アミノピペリジン形成時に55℃から65℃の温度で維持される請求項1記載の方法。
  20. 形成された(R)−3−アミノピペリジン 二塩酸塩が濾過を含む方法で単離される請求項1記載の方法。
  21. (R)−3−アミノピペリジン−2−オン 塩酸塩が、
    メタノールを含む溶媒中で、(R)−メチル−2,5−ジアミノペンタノエート 二塩酸塩および((R)−メチル−2,5−ジアミノペンタノエート 二塩酸塩に対して)1.5から3当量のナトリウムメトキシドを含む混合物を形成する工程;
    −10℃から0℃の温度で、(R)−3−アミノピペリジン−2−オンを形成するのに十分な時間当該混合物を維持する工程;
    メタノールを含む溶媒中で、(R)−3−アミノピペリジン−2−オンおよび((R)−3−アミノピペリジン−2−オンに対して)1.0から3.0当量の塩酸を含む混合物を形成する工程;および
    0℃から20℃の温度で、(R)−3−アミノピペリジン−2−オン 塩酸塩を形成するのに十分な時間当該混合物を維持する工程
    を含む方法で形成される請求項1記載の方法。
  22. (R)−メチル−2,5−ジアミノペンタノエート 二塩酸塩を含む混合物が形成される溶媒が、メチル tert−ブチルエーテルおよびメタノールを含む請求項19記載の方法。
  23. 2.5から2.7当量のナトリウムメトキシドが混合物を形成するために用いられる請求項19記載の方法。
  24. 2.6当量のナトリウムメトキシドが混合物を形成するために用いられる請求項19記載の方法。
  25. (R)−メチル−2,5−ジアミノペンタノエート 二塩酸塩を含む混合物を形成する工程が、−10℃から−5℃の温度で実施される請求項19記載の方法。
  26. (R)−3−アミノピペリジン−2−オンを形成する工程が、−10℃から−5℃の温度で実施される請求項19記載の方法。
  27. (R)−3−アミノピペリジン−2−オンを塩酸と反応させる工程が5℃から15℃の温度で実施される請求項19記載の方法。
  28. (R)−3−アミノピペリジン−2−オン 塩酸塩が濾過を含む方法で単離される請求項19記載の方法。
  29. (R)−メチル−2,5−ジアミノペンタノエート 二塩酸塩が、
    メタノールを含む溶媒中で、(R)−2,5−ジアミノペンタン酸 塩酸塩および((R)−2,5−ジアミノペンタン酸 塩酸塩に対して)1.5から2.5当量のアセチルクロリドを含む混合物を形成する工程;および
    45℃から65℃の温度で、(R)−メチル−2,5−ジアミノペンタノエート 二塩酸塩を形成するのに十分な時間当該混合物を維持する工程
    を含む方法で合成される請求項19記載の方法。
  30. (R)−2,5−ジアミノペンタン酸 塩酸塩を含む混合物が形成される溶媒がメタノールである請求項27記載の方法。
  31. 1.9から2.1当量のアセチルクロリドが(R)−2,5−ジアミノペンタン酸 塩酸塩を含む混合物を形成するために用いられる請求項27記載の方法。
  32. 2当量のアセチルクロリドが(R)−2,5−ジアミノペンタン酸 塩酸塩を含む混合物を形成するために用いられる請求項27記載の方法。
  33. (R)−2,5−ジアミノペンタン酸 塩酸塩を含む混合物が少なくとも1キログラムの(R)−2,5−ジアミノペンタン酸 塩酸塩を含む請求項27記載の方法。
  34. (R)−2,5−ジアミノペンタン酸 塩酸塩を含む混合物を形成する工程が0℃から約15℃の温度で実施される請求項27記載の方法。
  35. (R)−2,5−ジアミノペンタン酸 塩酸塩を含む混合物を形成する工程が5℃から約10℃の温度で実施される請求項27記載の方法。
  36. (R)−メチル−2,5−ジアミノペンタノエート 二塩酸塩の形成が50℃から約60℃の温度で実施される請求項27記載の方法。
  37. 形成された(R)−3−アミノピペリジン−2−オン 塩酸塩が少なくとも95%の光学純度を有する請求項19記載の方法。
  38. 形成された(R)−3−アミノピペリジン−2−オン 塩酸塩が少なくとも97%の光学純度を有する請求項19記載の方法。
  39. 形成された(R)−3−アミノピペリジン−2−オン 塩酸塩が少なくとも98%の光学純度を有する請求項19記載の方法。
  40. 形成された(R)−3−アミノピペリジン−2−オン 塩酸塩が少なくとも99%の光学純度を有する請求項19記載の方法。
  41. 反応混合物が少なくとも1キログラムの(R)−メチル−2,5−ジアミノペンタノエート 二塩酸塩を用いて形成される請求項19記載の方法。
  42. 反応混合物が少なくとも2キログラムの(R)−メチル−2,5−ジアミノペンタノエート 二塩酸塩を用いて形成される請求項19記載の方法。
  43. 反応混合物が少なくとも4キログラムの(R)−メチル−2,5−ジアミノペンタノエート 二塩酸塩を用いて形成される請求項19記載の方法。
  44. 反応混合物が少なくとも10キログラムの(R)−メチル−2,5−ジアミノペンタノエート 二塩酸塩を用いて形成される請求項19記載の方法。
  45. 反応混合物が少なくとも100キログラムの(R)−メチル−2,5−ジアミノペンタノエート 二塩酸塩を用いて形成される請求項19記載の方法。
  46. (R)−2,5−ジアミノペンタン酸 塩酸塩をメタノールおよびアセチルクロリドとエステル化反応することによって、(R)−メチル 2,5−ジアミノペンタノエート 二塩酸塩を形成する工程、
    アルコール中、(R)−メチル 2,5−ジアミノペンタノエート 二塩酸塩を金属アルコキシドを用いて環化反応し、次いでメチル tert−ブチルエーテル中で塩酸と反応することによって、(R)−3−アミノピペリジン−2−オン 塩酸塩を形成する工程、
    (R)−3−アミノピペリジン−2−オン 塩酸塩を少なくとも35℃の温度でTHF中リチウムアルミニウムで還元する工程、および
    (R)−3−アミノピペリジンを塩酸と反応させることによって、(R)−3−アミノピペリジン 二塩酸塩を形成する工程
    を含む(R)−3−アミノピペリジン 二塩酸塩を製造する方法。
  47. 形成された(R)−3−アミノピペリジン 二塩酸塩が少なくとも95%の光学純度を有する請求項46記載の方法。
  48. 形成された(R)−3−アミノピペリジン 二塩酸塩が少なくとも97%の光学純度を有する請求項46記載の方法。
  49. 形成された(R)−3−アミノピペリジン 二塩酸塩が少なくとも98%の光学純度を有する請求項46記載の方法。
  50. 形成された(R)−3−アミノピペリジン 二塩酸塩が少なくとも99%の光学純度を有する請求項46記載の方法。
  51. 少なくとも1キログラムの(R)−3−アミノピペリジン 二塩酸塩が形成される請求項46記載の方法。
  52. 少なくとも2キログラムの(R)−3−アミノピペリジン 二塩酸塩が形成される請求項46記載の方法。
  53. 少なくとも4キログラムの(R)−3−アミノピペリジン 二塩酸塩が形成される請求項46記載の方法。
  54. 少なくとも10キログラムの(R)−3−アミノピペリジン 二塩酸塩が形成される請求項46記載の方法。
  55. 少なくとも100キログラムの(R)−3−アミノピペリジン 二塩酸塩が形成される請求項46記載の方法。
  56. 更に(R)−3−アミノピペリジン 二塩酸塩をピリミジン誘導体と反応することを含む請求項1〜55のいずれか一項に記載の方法。
  57. ピリミジン誘導体が式:
    Figure 2009531456
    [式中:
    Qは、CO、SO、SOおよびC=NRからなる群から選択され;
    Z’は、脱離基であり;
    およびRは、それぞれ置換または無置換の、水素、ハロ、ペルハロ(C1−10)アルキル、アミノ、シアノ、ニトロ、チオ、(C1−10)アルキル、アルケン、アルキン、(C3−12)シクロアルキル、ヘテロ(C3−12)シクロアルキル、アリール(C1−10)アルキル、ヘテロアリール(C1−5)アルキル、(C9−12)ビシクロアリール、ヘテロ(C8−12)ビシクロアリール、カルボニル(C1−3)アルキル、チオカルボニル(C1−3)アルキル、スルホニル(C1−3)アルキル、スルフィニル(C1−3)アルキル、イミノ(C1−3)アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アルケニル、アルキニル、カルボニル基、イミン基、スルホニル基およびスルフィニル基からなる群からそれぞれ独立して選択され;
    は、それぞれ置換または無置換の、水素、(C1−10)アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、ビシクロアリール、ヘテロビシクロアリールからなる群から選択され;
    Lは、XとLが結合する環との間の0〜6原子分離を与えるリンカーであり;そして
    Xは、それぞれ置換または無置換の、(C1−10)アルキル、(C3−12)シクロアルキル、ヘテロ(C3−12)シクロアルキル、アリール(C1−10)アルキル、ヘテロアリール(C1−5)アルキル、(C9−12)ビシクロアリール、ヘテロ(C4−12)ビシクロアリール、カルボニル(C1−3)アルキル、チオカルボニル(C1−3)アルキル、スルホニル(C1−3)アルキル、スルフィニル(C1−3)アルキル、イミノ(C1−3)アルキル、アミノ、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アルケニル、アルキニル、カルボニル基、シアノ、イミノ基、スルホニル基およびスルフィニル基からなる群から選択される]
    の化合物を含む請求項56記載の方法。
  58. Z’がハロである請求項57記載の方法。
  59. (R)−3−アミノピペリジン 二塩酸塩とピリミジン誘導体を反応させる工程により、式:
    Figure 2009531456
    [式中:
    Qは、CO、SO、SOおよびC=NRからなる群から選択され;
    およびRは、それぞれ置換または無置換の、水素、ハロ、ペルハロ(C1−10)アルキル、アミノ、シアノ、ニトロ、チオ、(C1−10)アルキル、アルケン、アルキン、(C3−12)シクロアルキル、ヘテロ(C3−12)シクロアルキル、アリール(C1−10)アルキル、ヘテロアリール(C1−5)アルキル、(C9−12)ビシクロアリール、ヘテロ(C8−12)ビシクロアリール、カルボニル(C1−3)アルキル、チオカルボニル(C1−3)アルキル、スルホニル(C1−3)アルキル、スルフィニル(C1−3)アルキル、イミノ(C1−3)アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アルケニル、アルキニル、カルボニル基、イミン基、スルホニル基およびスルフィニル基からなる群からそれぞれ独立して選択され;
    は、それぞれ置換または無置換の、水素、(C1−10)アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、ビシクロアリール、ヘテロビシクロアリールからなる群から選択され;
    Lは、XとLが結合する環との間の0〜6原子分離を与えるリンカーであり;そして
    Xは、それぞれ置換または無置換の、(C1−10)アルキル、(C3−12)シクロアルキル、ヘテロ(C3−12)シクロアルキル、アリール(C1−10)アルキル、ヘテロアリール(C1−5)アルキル、(C9−12)ビシクロアリール、ヘテロ(C4−12)ビシクロアリール、カルボニル(C1−3)アルキル、チオカルボニル(C1−3)アルキル、スルホニル(C1−3)アルキル、スルフィニル(C1−3)アルキル、イミノ(C1−3)アルキル、アミノ、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アルケニル、アルキニル、カルボニル基、シアノ、イミノ基、スルホニル基およびスルフィニル基からなる群から選択される]
    を含む化合物が形成されることを特徴とする、請求項56〜58のいずれか一項に記載の方法。
  60. (R)−3−アミノピペリジン 二塩酸塩をピリミジン誘導体と反応させる工程により、
    Figure 2009531456
    からなる群から選択される式を含む化合物が形成されることを特徴とする請求項56〜59のいずれか一項に記載の方法。
  61. (R)−3−アミノピペリジン 二塩酸塩とピリミジン誘導体を反応させる工程によって、式:
    Figure 2009531456
    [式中:
    は、−C−LX、NまたはCRであり;
    Z’は、脱離基であり;
    およびQは、CO、CS、SO、SOおよびC=NRからなる群からそれぞれ独立して選択され;
    は、Rまたは−LX(但し、RおよびMの一方だけが−LXである)であり;
    は、水素であるか、あるいはそれぞれ置換または無置換の、ハロ、ペルハロ(C1−10)アルキル、アミノ、シアノ、チオ、(C1−10)アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、カルボニル(C1−3)アルキル、チオカルボニル(C1−3)アルキル、スルホニル(C1−3)アルキル、スルフィニル(C1−3)アルキル、イミノ(C1−3)アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、カルボニル基、イミノ基、スルホニル基およびスルフィニル基からなる群から選択され;
    は、水素であるか、あるいはそれぞれ置換または無置換の、(C1−10)アルキル、(C3−12)シクロアルキル、(C3−12)シクロアルキル(C1−5)アルキル、ヘテロ(C3−12)シクロアルキル(C1−5)アルキル、ヘテロ(C3−12)シクロアルキル、アリール(C1−10)アルキル、ヘテロアリール(C1−5)アルキル、(C9−12)ビシクロアリール、ヘテロ(C4−12)ビシクロアリール、ヘテロ(C4−12)ビシクロアリール(C1−5)アルキル、カルボニル(C1−3)アルキル、チオカルボニル(C1−3)アルキル、スルホニル(C1−3)アルキル、スルフィニル(C1−3)アルキル、イミノ(C1−3)アルキル、アミノ、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、カルボニル基、イミノ基、スルホニル基およびスルフィニル基からなる群から選択され;
    は、水素であるか、あるいはそれぞれ置換または無置換の、ハロ、ペルハロ(C1−10)アルキル、アミノ、シアノ、チオ、(C1−10)アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、カルボニル(C1−3)アルキル、チオカルボニル(C1−3)アルキル、スルホニル(C1−3)アルキル、スルフィニル(C1−3)アルキル、イミノ(C1−3)アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、カルボニル基、イミノ基、スルホニル基およびスルフィニル基からなる群から選択され;
    は、水素であるか、あるいはそれぞれ置換または無置換の、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、ビシクロアリールおよびヘテロビシクロアリールからなる群から選択され;
    Lは、XとLが結合する環との間の1、2または3原子分離を与えるリンカーであり、分離を与えるリンカーの原子は、炭素、酸素、窒素および硫黄からなる群から選択され;そして
    Xは、それぞれ置換または無置換の、(C1−10)アルキル、(C3−12)シクロアルキル、ヘテロ(C3−12)シクロアルキル、アリール(C1−10)アルキル、ヘテロアリール(C1−5)アルキル、(C9−12)ビシクロアリール、ヘテロ(C4−12)ビシクロアリール、カルボニル(C1−3)アルキル、チオカルボニル(C1−3)アルキル、スルホニル(C1−3)アルキル、スルフィニル(C1−3)アルキル、イミノ(C1−3)アルキル、アミノ、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アルケニル、アルキニル、カルボニル基、シアノ、イミノ基、スルホニル基およびスルフィニル基からなる群から選択される]
    を含む化合物が形成されることを特徴とする、請求項56〜58のいずれか一項に記載の方法。
  62. Z’がハロである、請求項61記載の方法。
  63. (R)−3−アミノピペリジン 二塩酸塩とピリミジン誘導体の反応により、式
    Figure 2009531456
    [式中:
    は、−C−LX、NまたはCRであり;
    およびQは、CO、CS、SO、SOおよびC=NRからなる群からそれぞれ独立して選択され;
    は、Rまたは−LX(但し、RおよびMの一方だけが−LXである)であり;
    は、水素であるか、あるいはそれぞれ置換または無置換の、ハロ、ペルハロ(C1−10)アルキル、アミノ、シアノ、チオ、(C1−10)アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、カルボニル(C1−3)アルキル、チオカルボニル(C1−3)アルキル、スルホニル(C1−3)アルキル、スルフィニル(C1−3)アルキル、イミノ(C1−3)アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、カルボニル基、イミノ基、スルホニル基およびスルフィニル基からなる群から選択され;
    は、水素であるか、あるいはそれぞれ置換または無置換の、(C1−10)アルキル、(C3−12)シクロアルキル、(C3−12)シクロアルキル(C1−5)アルキル、ヘテロ(C3−12)シクロアルキル(C1−5)アルキル、ヘテロ(C3−12)シクロアルキル、アリール(C1−10)アルキル、ヘテロアリール(C1−5)アルキル、(C9−12)ビシクロアリール、ヘテロ(C4−12)ビシクロアリール、ヘテロ(C4−12)ビシクロアリール(C1−5)アルキル、カルボニル(C1−3)アルキル、チオカルボニル(C1−3)アルキル、スルホニル(C1−3)アルキル、スルフィニル(C1−3)アルキル、イミノ(C1−3)アルキル、アミノ、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、カルボニル基、イミノ基、スルホニル基およびスルフィニル基からなる群から選択され;
    は、水素であるか、あるいはそれぞれ置換または無置換の、ハロ、ペルハロ(C1−10)アルキル、アミノ、シアノ、チオ、(C1−10)アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、カルボニル(C1−3)アルキル、チオカルボニル(C1−3)アルキル、スルホニル(C1−3)アルキル、スルフィニル(C1−3)アルキル、イミノ(C1−3)アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、カルボニル基、イミノ基、スルホニル基およびスルフィニル基からなる群から選択され;
    は、水素であるか、あるいはそれぞれ置換のまたは無置換の、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、ビシクロアリールおよびヘテロビシクロアリールからなる群から選択され;
    Lは、XとLが結合する環との間の1、2または3原子分離を与えるリンカーであり、分離を与えるリンカーの原子は、炭素、酸素、窒素および硫黄からなる群から選択され;そして
    Xは、それぞれ置換または無置換の、(C1−10)アルキル、(C3−12)シクロアルキル、ヘテロ(C3−12)シクロアルキル、アリール(C1−10)アルキル、ヘテロアリール(C1−5)アルキル、(C9−12)ビシクロアリール、ヘテロ(C4−12)ビシクロアリール、カルボニル(C1−3)アルキル、チオカルボニル(C1−3)アルキル、スルホニル(C1−3)アルキル、スルフィニル(C1−3)アルキル、イミノ(C1−3)アルキル、アミノ、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アルケニル、アルキニル、カルボニル基、シアノ、イミノ基、スルホニル基およびスルフィニル基からなる群から選択される]
    の化合物を含む生成物が与えられることを特徴とする、請求項56、61および62のいずれか一項に記載の方法。
  64. (R)−3−アミノピペリジン 二塩酸塩とピリミジン誘導体の反応により、
    Figure 2009531456
    からなる群から選択される化合物を含む生成物が与えられることを特徴とする、請求項56および61〜63のいずれか一項に記載の方法。
JP2009503202A 2006-03-28 2007-03-26 (r)−3−アミノピペリジン二塩酸塩の調製 Pending JP2009531456A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US78705806P 2006-03-28 2006-03-28
PCT/US2007/064958 WO2007112368A1 (en) 2006-03-28 2007-03-26 Preparation of (r)-3-aminopiperidine dihydrochloride

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009531456A true JP2009531456A (ja) 2009-09-03
JP2009531456A5 JP2009531456A5 (ja) 2010-05-13

Family

ID=38353397

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009503202A Pending JP2009531456A (ja) 2006-03-28 2007-03-26 (r)−3−アミノピペリジン二塩酸塩の調製

Country Status (4)

Country Link
US (1) US20100029941A1 (ja)
EP (1) EP1999108A1 (ja)
JP (1) JP2009531456A (ja)
WO (1) WO2007112368A1 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010511063A (ja) * 2006-11-29 2010-04-08 武田薬品工業株式会社 2−[6−(3−アミノ−ピペリジン−1−イル)−3−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2h−ピリミジン−1−イルメチル]−4−フルオロ−ベンゾニトリルのコハク酸塩の多形及びこれらの使用方法
JP2018168194A (ja) * 2013-02-20 2018-11-01 ロイター ヒェミッシャー アパラーテバウ コマンディートゲゼルシャフトReuter Chemischer Apparatebau KG エナンチオマー濃縮された3−アミノピペリジンの調製のためのプロセス
WO2022138987A1 (ja) * 2021-04-14 2022-06-30 塩野義製薬株式会社 ウイルス増殖阻害作用を有するトリアジン誘導体およびそれらを含有する医薬組成物

Families Citing this family (26)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CL2008002427A1 (es) 2007-08-16 2009-09-11 Boehringer Ingelheim Int Composicion farmaceutica que comprende 1-cloro-4-(b-d-glucopiranos-1-il)-2-[4-((s)-tetrahidrofurano-3-iloxi)bencil]-benceno combinado con 1-[(4-metilquinazolin-2-il)metil]-3-metil-7-(2-butin-1-il)-8-(3-(r)-aminopiperidin-1-il)xantina; y su uso para tratar diabetes mellitus tipo 2.
UY32030A (es) 2008-08-06 2010-03-26 Boehringer Ingelheim Int "tratamiento para diabetes en pacientes inapropiados para terapia con metformina"
WO2010018217A2 (en) 2008-08-15 2010-02-18 Boehringer Ingelheim International Gmbh Organic compounds for wound healing
AR074990A1 (es) 2009-01-07 2011-03-02 Boehringer Ingelheim Int Tratamiento de diabetes en pacientes con un control glucemico inadecuado a pesar de la terapia con metformina
TWI466672B (zh) 2009-01-29 2015-01-01 Boehringer Ingelheim Int 小兒科病人糖尿病之治療
AU2010212867B2 (en) 2009-02-13 2013-05-16 Boehringer Ingelheim International Gmbh Pharmaceutical composition comprising a SGLT2 inhibitor, a DPP-IV inhibitor and optionally a further antidiabetic agent and uses thereof
EA029759B1 (ru) 2009-02-13 2018-05-31 Бёрингер Ингельхайм Интернациональ Гмбх Антидиабетические лекарственные средства, содержащие ингибитор dpp-4 (линаглиптин) необязательно в комбинации с другими антидиабетическими средствами
EP3646859A1 (en) 2009-11-27 2020-05-06 Boehringer Ingelheim International GmbH Treatment of genotyped diabetic patients with dpp-iv inhibitors such as linagliptin
US8648073B2 (en) 2009-12-30 2014-02-11 Fochon Pharma, Inc. Certain dipeptidyl peptidase inhibitors
US20130109703A1 (en) 2010-03-18 2013-05-02 Boehringer Ingelheim International Gmbh Combination of a GPR119 Agonist and the DPP-IV Inhibitor Linagliptin for Use in the Treatment of Diabetes and Related Conditions
AU2011249722B2 (en) 2010-05-05 2015-09-17 Boehringer Ingelheim International Gmbh Combination therapy
BR112012032579B1 (pt) 2010-06-24 2021-05-11 Boehringer Ingelheim International Gmbh uso de linagliptina e composição farmacêutica compreendendo linagliptina e insulina basal de longa duração
CN102532037B (zh) * 2010-12-16 2015-05-20 上海医药工业研究院 新型嘧啶衍生物及其制备方法和应用
WO2012118945A2 (en) 2011-03-03 2012-09-07 Merck Sharp & Dohme Corp. Fused bicyclic heterocycles useful as dipeptidyl peptidase-iv inhibitors
WO2013174767A1 (en) 2012-05-24 2013-11-28 Boehringer Ingelheim International Gmbh A xanthine derivative as dpp -4 inhibitor for use in modifying food intake and regulating food preference
CN103274993A (zh) * 2013-06-13 2013-09-04 南京工业大学 二氢吡啶和吡咯类杂环的新合成方法
JO3517B1 (ar) 2014-01-17 2020-07-05 Novartis Ag ان-ازاسبيرو الكان حلقي كبديل مركبات اريل-ان مغايرة وتركيبات لتثبيط نشاط shp2
WO2016024224A1 (en) * 2014-08-11 2016-02-18 Sun Pharmaceutical Industries Limited A process for the preparation of 4-fluoro-2-methylbenzonitrile
CN104402832A (zh) * 2014-11-04 2015-03-11 广东东阳光药业有限公司 一种二氢嘧啶衍生物的制备方法
JP6878316B2 (ja) * 2015-06-19 2021-05-26 ノバルティス アーゲー Shp2の活性を阻害するための化合物および組成物
WO2017076349A1 (zh) * 2015-11-05 2017-05-11 四川科伦博泰生物医药股份有限公司 长效二肽基肽酶-iv抑制剂、其用途及其制备方法
ES2810852T3 (es) 2016-06-14 2021-03-09 Novartis Ag Compuestos y composiciones para inhibir la actividad de shp2
CN108017614A (zh) * 2018-01-25 2018-05-11 中国科学院海洋研究所 Dpp-4抑制剂及其在制备治疗2型糖尿病药物中的应用
TR202022144A1 (tr) 2020-12-29 2022-07-21 Sanovel Ilac Sanayi Ve Ticaret Anonim Sirketi Alogli̇pti̇n i̇çeren farmasöti̇k kompozi̇syonlar
TR202022612A2 (tr) 2020-12-31 2022-07-21 Sanovel Ilac Sanayi Ve Ticaret Anonim Sirketi Alogli̇pti̇ni̇n farmasöti̇k kapsül kompozi̇syonlari
CN116482280A (zh) * 2023-05-22 2023-07-25 北京北陆益康医药研发有限公司 一种测定氨基哌啶双盐酸盐异构体的方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1229024A1 (en) * 1999-10-08 2002-08-07 Meiji Seika Kaisha Ltd. m-SUBSTITUTED BENZOIC ACID DERIVATIVES EXHIBITING INTEGRIN ALPHA-V BETA-3 ANTAGONISM
WO2004087053A2 (en) * 2003-03-25 2004-10-14 Syrrx, Inc. Dipeptidyl peptidase inhibitors
WO2004096806A1 (ja) * 2003-04-30 2004-11-11 Sumitomo Pharmaceuticals Co. Ltd. 縮合イミダゾール誘導体

Family Cites Families (87)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE1249281B (ja) * 1963-05-18
US4494978A (en) * 1976-12-30 1985-01-22 Chevron Research Company Herbicidal N-(N'-hydrocarbyloxycarbamylalkyl)-2,6-dialkyl-alpha-haloacetanilides
EP0842925A1 (en) * 1987-09-04 1998-05-20 Beecham Group Plc Substituted thiazolidinedione derivatives
US5387512A (en) * 1991-06-07 1995-02-07 Merck & Co. Inc. Preparation of 3-[z-benzoxazol-2-yl)ethyl]-5-(1-hydroxyethyl)-6-methyl-2-(1H)-pyridinone by biotransformation
IL106998A0 (en) * 1992-09-17 1993-12-28 Univ Florida Brain-enhanced delivery of neuroactive peptides by sequential metabolism
IL111785A0 (en) * 1993-12-03 1995-01-24 Ferring Bv Dp-iv inhibitors and pharmaceutical compositions containing them
US5601986A (en) * 1994-07-14 1997-02-11 Amgen Inc. Assays and devices for the detection of extrahepatic biliary atresia
US5614379A (en) * 1995-04-26 1997-03-25 Eli Lilly And Company Process for preparing anti-obesity protein
US5885997A (en) * 1996-07-01 1999-03-23 Dr. Reddy's Research Foundation Heterocyclic compounds, process for their preparation and pharmaceutical compositions containing them and their use in the treatment of diabetes and related diseases
US6011155A (en) * 1996-11-07 2000-01-04 Novartis Ag N-(substituted glycyl)-2-cyanopyrrolidines, pharmaceutical compositions containing them and their use in inhibiting dipeptidyl peptidase-IV
US20030060434A1 (en) * 1997-02-18 2003-03-27 Loretta Nielsen Combined tumor suppressor gene therapy and chemotherapy in the treatment of neoplasms
US6235493B1 (en) * 1997-08-06 2001-05-22 The Regents Of The University Of California Amino acid substituted-cresyl violet, synthetic fluorogenic substrates for the analysis of agents in individual in vivo cells or tissue
US6485955B1 (en) * 1997-10-06 2002-11-26 The Trustees Of Tufts University Quiescent cell dipeptidyl peptidase: a novel cytoplasmic serine protease
US6342611B1 (en) * 1997-10-10 2002-01-29 Cytovia, Inc. Fluorogenic or fluorescent reporter molecules and their applications for whole-cell fluorescence screening assays for capsases and other enzymes and the use thereof
WO1999025719A1 (fr) * 1997-11-18 1999-05-27 Zaidan Hojin Biseibutsu Kagaku Kenkyu Kai Substance physiologiquement active, la sulphostine, procede de fabrication et utilisation
FR2771004B1 (fr) * 1997-11-19 2000-02-18 Inst Curie Utilisation de derives de benzhydryl sulfinyle pour la fabrication de medicaments ayant un effet eveillant dans des situations de troubles de la vigilance d'origine medicamenteuse
US6380357B2 (en) * 1997-12-16 2002-04-30 Eli Lilly And Company Glucagon-like peptide-1 crystals
EP1042457B1 (en) * 1997-12-16 2006-03-08 Novozymes A/S Polypeptides having aminopeptidase activity and nucleic acids encoding same
US20020061839A1 (en) * 1998-03-09 2002-05-23 Scharpe Simon Lodewijk Serine peptidase modulators
ES2189423T3 (es) * 1998-06-05 2003-07-01 Point Therapeutics Inc Compuestos ciclicos de boroprolina.
DE19828113A1 (de) * 1998-06-24 2000-01-05 Probiodrug Ges Fuer Arzneim Prodrugs von Inhibitoren der Dipeptidyl Peptidase IV
GB9906715D0 (en) * 1999-03-23 1999-05-19 Ferring Bv Compositions for promoting growth
US6548529B1 (en) * 1999-04-05 2003-04-15 Bristol-Myers Squibb Company Heterocyclic containing biphenyl aP2 inhibitors and method
ATE252601T1 (de) * 1999-05-17 2003-11-15 Conjuchem Inc Lang wirkende insulinotrope peptide
US6172081B1 (en) * 1999-06-24 2001-01-09 Novartis Ag Tetrahydroisoquinoline 3-carboxamide derivatives
US6528486B1 (en) * 1999-07-12 2003-03-04 Zealand Pharma A/S Peptide agonists of GLP-1 activity
DE19940130A1 (de) * 1999-08-24 2001-03-01 Probiodrug Ges Fuer Arzneim Neue Effektoren der Dipeptidyl Peptidase IV zur topischen Anwendung
US6414002B1 (en) * 1999-09-22 2002-07-02 Bristol-Myers Squibb Company Substituted acid derivatives useful as antidiabetic and antiobesity agents and method
GB9928330D0 (en) * 1999-11-30 2000-01-26 Ferring Bv Novel antidiabetic agents
AU2020501A (en) * 1999-12-08 2001-06-18 1149336 Ontario Inc. Chemotherapy treatment
US7598222B2 (en) * 2000-01-27 2009-10-06 Eli Lilly And Company Process for solubilizing glucagon-like peptide 1 compounds
US6395767B2 (en) * 2000-03-10 2002-05-28 Bristol-Myers Squibb Company Cyclopropyl-fused pyrrolidine-based inhibitors of dipeptidyl peptidase IV and method
US6555519B2 (en) * 2000-03-30 2003-04-29 Bristol-Myers Squibb Company O-glucosylated benzamide SGLT2 inhibitors and method
DK2055302T3 (da) * 2000-03-31 2014-10-27 Royalty Pharma Collection Trust Fremgangsmåde til forbedring af signalering af øceller ved diabetes mellitus og til forebyggelse deraf
US6545170B2 (en) * 2000-04-13 2003-04-08 Pharmacia Corporation 2-amino-5, 6 heptenoic acid derivatives useful as nitric oxide synthase inhibitors
SI2223922T1 (sl) * 2000-04-25 2016-04-29 Icos Corporation Inhibitorji humane fosfatidil-inositol 3-kinazne delta izoforme
GB0010188D0 (en) * 2000-04-26 2000-06-14 Ferring Bv Inhibitors of dipeptidyl peptidase IV
US6783757B2 (en) * 2000-06-01 2004-08-31 Kirkman Group, Inc. Composition and method for increasing exorphin catabolism to treat autism
MXPA02012272A (es) * 2000-07-04 2003-04-25 Novo Nordisk As Compuestos heterociclicos que son inhibidores de la enzima dipeptidilpeptidasa-iv.
JP2002042960A (ja) * 2000-07-25 2002-02-08 Yazaki Corp コネクタ支持機構
US20020037829A1 (en) * 2000-08-23 2002-03-28 Aronson Peter S. Use of DPPIV inhibitors as diuretic and anti-hypertensive agents
KR100526091B1 (ko) * 2000-10-06 2005-11-08 다나베 세이야꾸 가부시키가이샤 지방족 질소 함유 오원환 화합물
AUPR107800A0 (en) * 2000-10-27 2000-11-23 University Of Sydney, The Peptide and nucleic acid molecule ii
BR0115055A (pt) * 2000-10-30 2003-12-30 Ortho Mcneil Pharm Inc Terapia de combinação compreendendo agentes anticonvulsantes e antidiabéticos
TWI243162B (en) * 2000-11-10 2005-11-11 Taisho Pharmaceutical Co Ltd Cyanopyrrolidine derivatives
US20030055052A1 (en) * 2000-11-10 2003-03-20 Stefan Peters FAP-activated anti-tumor compounds
PL364221A1 (en) * 2001-02-02 2004-12-13 Takeda Chemical Industries, Ltd. Fused heterocyclic compounds
PT1368349E (pt) * 2001-02-24 2007-04-30 Boehringer Ingelheim Pharma Derivados de xantina, sua preparação e sua utilização como medicamento
US6337069B1 (en) * 2001-02-28 2002-01-08 B.M.R.A. Corporation B.V. Method of treating rhinitis or sinusitis by intranasally administering a peptidase
FR2822826B1 (fr) * 2001-03-28 2003-05-09 Servier Lab Nouveaux derives sulfonyles d'alpha-amino-acides, leur procede de preparation et les compositions pharmaceutiques qui les contiennent
FR2824825B1 (fr) * 2001-05-15 2005-05-06 Servier Lab Nouveaux derives d'alpha-amino-acides, leur procede de preparation et les compositions pharmaceutiques qui les contiennent
US7105556B2 (en) * 2001-05-30 2006-09-12 Bristol-Myers Squibb Company Conformationally constrained analogs useful as antidiabetic and antiobesity agents and method
US6794379B2 (en) * 2001-06-06 2004-09-21 Tularik Inc. CXCR3 antagonists
UA74912C2 (en) * 2001-07-06 2006-02-15 Merck & Co Inc Beta-aminotetrahydroimidazo-(1,2-a)-pyrazines and tetratriazolo-(4,3-a)-pyrazines as inhibitors of dipeptylpeptidase for the treatment or prevention of diabetes
US6673829B2 (en) * 2001-09-14 2004-01-06 Novo Nordisk A/S Aminoazetidine,-pyrrolidine and -piperidine derivatives
CN1596253A (zh) * 2001-10-01 2005-03-16 布里斯托尔-迈尔斯斯奎布公司 用作抗炎药的螺-乙内酰脲化合物
GB0125445D0 (en) * 2001-10-23 2001-12-12 Ferring Bv Protease Inhibitors
US6861440B2 (en) * 2001-10-26 2005-03-01 Hoffmann-La Roche Inc. DPP IV inhibitors
EP1442028A4 (en) * 2001-11-06 2009-11-04 Bristol Myers Squibb Co SUBSTITUTED ACID DERIVATIVES, WHICH APPRECIATE AS ANTIDIBILICS AND AGENTS AGAINST OBESITAS, AND METHODS
US20030125304A1 (en) * 2001-11-09 2003-07-03 Hans-Ulrich Demuth Substituted amino ketone compounds
US20030089935A1 (en) * 2001-11-13 2003-05-15 Macronix International Co., Ltd. Non-volatile semiconductor memory device with multi-layer gate insulating structure
US6727261B2 (en) * 2001-12-27 2004-04-27 Hoffman-La Roche Inc. Pyrido[2,1-A]Isoquinoline derivatives
PL371678A1 (en) * 2002-02-13 2005-06-27 F.Hoffmann-La Roche Ag Novel pyridin- and pyrimidin-derivatives
TW200307667A (en) * 2002-05-06 2003-12-16 Bristol Myers Squibb Co Sulfonylaminovalerolactams and derivatives thereof as factor Xa inhibitors
US7057046B2 (en) * 2002-05-20 2006-06-06 Bristol-Myers Squibb Company Lactam glycogen phosphorylase inhibitors and method of use
US6710040B1 (en) * 2002-06-04 2004-03-23 Pfizer Inc. Fluorinated cyclic amides as dipeptidyl peptidase IV inhibitors
WO2003101449A2 (en) * 2002-06-04 2003-12-11 Pfizer Products Inc. Process for the preparation of 3,3,4,4-tetrafluoropyrrolidine and derivatives thereof
WO2003106628A2 (en) * 2002-06-17 2003-12-24 Bristol-Myers Squibb Company Benzodiazepine inhibitors of mitochondial f1f0 atp hydrolase and methods of inhibiting f1f0 atp hydrolase
US20040054171A1 (en) * 2002-07-04 2004-03-18 Jensen Anette Frost Polymorphic forms of a 4H-thieno[3,2-E]-1,2,4-thiadiazine 1,1-dioxide derivative
US6998502B1 (en) * 2002-09-05 2006-02-14 Sabinsa Corporation Convenient process of manufacture for difluoromethylornithine and related compounds
US20040058876A1 (en) * 2002-09-18 2004-03-25 Torsten Hoffmann Secondary binding site of dipeptidyl peptidase IV (DP IV)
US6869966B2 (en) * 2002-09-30 2005-03-22 Banyu Pharmaceutical Co., Ltd. N-substituted-2-oxodihydropyridine derivatives
US7109192B2 (en) * 2002-12-03 2006-09-19 Boehringer Ingelheim Pharma Gmbh & Co Kg Substituted imidazo-pyridinones and imidazo-pyridazinones, the preparation thereof and their use as pharmaceutical compositions
US20050014732A1 (en) * 2003-03-14 2005-01-20 Pharmacia Corporation Combination of an aldosterone receptor antagonist and an anti-diabetic agent
EP2206496B1 (en) * 2003-05-05 2014-09-17 Probiodrug AG Screening of inhibitors of formation of pyroglutamic acid in amyloid beta peptide
US7566707B2 (en) * 2003-06-18 2009-07-28 Boehringer Ingelheim International Gmbh Imidazopyridazinone and imidazopyridone derivatives, the preparation thereof and their use as pharmaceutical compositions
JO2625B1 (en) * 2003-06-24 2011-11-01 ميرك شارب اند دوم كوربوريشن Phosphoric acid salts of dipeptidyl betidase inhibitor 4
US6995183B2 (en) * 2003-08-01 2006-02-07 Bristol Myers Squibb Company Adamantylglycine-based inhibitors of dipeptidyl peptidase IV and methods
MXPA06001601A (es) * 2003-08-13 2006-08-25 Takeda Pharmaceutical Derivados de 4-pirimidona y su uso como inhibidores de dipeptidilpeptidasa.
WO2005019168A2 (en) * 2003-08-20 2005-03-03 Pfizer Products Inc. Fluorinated lysine derivatives as dipeptidyl peptidase iv inhibitors
US20050065144A1 (en) * 2003-09-08 2005-03-24 Syrrx, Inc. Dipeptidyl peptidase inhibitors
WO2005026148A1 (en) * 2003-09-08 2005-03-24 Takeda San Diego, Inc. Dipeptidyl peptidase inhibitors
CN102079743B (zh) * 2004-03-15 2020-08-25 武田药品工业株式会社 二肽基肽酶抑制剂
PL1931350T5 (pl) * 2005-09-14 2021-11-15 Takeda Pharmaceutical Company Limited Podanie inhibitorów dipeptydylo-peptydazy
PE20070622A1 (es) * 2005-09-14 2007-08-22 Takeda Pharmaceutical Administracion de inhibidores de dipeptidil peptidasa
WO2007033350A1 (en) * 2005-09-14 2007-03-22 Takeda Pharmaceutical Company Limited Dipeptidyl peptidase inhibitors for treating diabetes
TW200745079A (en) * 2005-09-16 2007-12-16 Takeda Pharmaceuticals Co Polymorphs of benzoate salt of 2-[[6-[(3R)-3-amino-1-piperidinyl]-3,4-dihydro-3-methyl-2,4-dioxo-1(2H)-pyrimidinyl]methyl]-benzonitrile and methods of use therefor

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1229024A1 (en) * 1999-10-08 2002-08-07 Meiji Seika Kaisha Ltd. m-SUBSTITUTED BENZOIC ACID DERIVATIVES EXHIBITING INTEGRIN ALPHA-V BETA-3 ANTAGONISM
WO2004087053A2 (en) * 2003-03-25 2004-10-14 Syrrx, Inc. Dipeptidyl peptidase inhibitors
WO2004096806A1 (ja) * 2003-04-30 2004-11-11 Sumitomo Pharmaceuticals Co. Ltd. 縮合イミダゾール誘導体

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6012042782; SUZUKI,E. et al: 'Three-step synthesis of (R)- and (S)-thalidomides from ornithine' Enantiomer Vol.6, No.5, 2001, p.275-279 *

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010511063A (ja) * 2006-11-29 2010-04-08 武田薬品工業株式会社 2−[6−(3−アミノ−ピペリジン−1−イル)−3−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2h−ピリミジン−1−イルメチル]−4−フルオロ−ベンゾニトリルのコハク酸塩の多形及びこれらの使用方法
JP2018168194A (ja) * 2013-02-20 2018-11-01 ロイター ヒェミッシャー アパラーテバウ コマンディートゲゼルシャフトReuter Chemischer Apparatebau KG エナンチオマー濃縮された3−アミノピペリジンの調製のためのプロセス
WO2022138987A1 (ja) * 2021-04-14 2022-06-30 塩野義製薬株式会社 ウイルス増殖阻害作用を有するトリアジン誘導体およびそれらを含有する医薬組成物

Also Published As

Publication number Publication date
US20100029941A1 (en) 2010-02-04
WO2007112368A1 (en) 2007-10-04
EP1999108A1 (en) 2008-12-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2009531456A (ja) (r)−3−アミノピペリジン二塩酸塩の調製
US11426364B2 (en) Immunomodulator compounds
JP2009531456A5 (ja)
JP5122462B2 (ja) ジペプチジルペプチダーゼ阻害剤
US7790734B2 (en) Dipeptidyl peptidase inhibitors
EP2805953B1 (en) Dipeptidyl peptidase inhibitors
AU2004318013B8 (en) Dipeptidyl peptidase inhibitors
US8022057B2 (en) MAPK/ERK kinase inhibitors
US7960384B2 (en) Dipeptidyl peptidase inhibitors
EP2113500A1 (en) MAPK/ERK kinase inhibitors
US20090246198A1 (en) Mapk/erk kinase inhibitors and methods of use thereof
US20050065144A1 (en) Dipeptidyl peptidase inhibitors
CN102317289A (zh) 作为β分泌酶抑制剂的内酰胺
US7169926B1 (en) Dipeptidyl peptidase inhibitors
JP4851328B2 (ja) 新規なピリジン誘導体
JP2007506692A6 (ja) 新規なピリジン誘導体
US20080312307A1 (en) Mapk/erk kinase inhibitors
EP2297148B8 (fr) NOUVEAUX DERIVES DE (PIPERAZINYL PONTE)-1-ALCANONE ET LEUR UTILISATION COMME INHIBITEURS DE p75
KR20220024199A (ko) Ccr2/ccr5 길항제로서의 헤테로시클로알킬류 화합물
US8129538B1 (en) Renin inhibitors
WO2022228365A1 (zh) 六元杂芳并脲环的衍生物及其应用

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100324

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100324

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120821

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20121218