JP2009509700A - 親水性領域及び疎水性領域を含む吸収性物品 - Google Patents

親水性領域及び疎水性領域を含む吸収性物品 Download PDF

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Abstract

本発明は、おむつ、おむつパンツ、パンティーライナー、サニタリーナプキン、又は失禁防汚用品などの吸収性物品に関するものであり、当該吸収性物品の少なくとも一部分が、少なくとも1つの親水性領域及び少なくとも1つの疎水性領域のパターンを含み、前記少なくとも1つの親水性領域及び/又は少なくとも1つの疎水性領域が前記吸収性物品の一部分上のコーティングとして存在することを特徴とする。その被覆された部分は、好ましくは液体透過性のトップシートである。

Description

本発明は、おむつ、おむつパンツ、パンティーライナー、サニタリーナプキン、又は失禁防汚用品などの吸収性物品に関するものであり、当該吸収性物品の少なくとも一部分は、親水性領域及び疎水性領域のパターンを含む。
現在において存在する吸収性物品は、多くの場合において着用者の身体の近接に配置される液体透過性のカバーシート、着用者の身体から離れて配置され、且つ、着用者の被服に近接して配置されている液体非透過性のカバーシート(バックシート)、並びに液体透過性トップシートと液体非透過性バックシートとの間に介在する吸収層を備えている。
トップシートとして不織布及び有孔フィルム材料を使用することは通例である。双方の材料は、本質的に疎水性の合成ポリマー、例えば、ポリエチレン又はポリプロピレンから一般的に製造される。
疎水性材料は、表面上で体液を吸収する傾向をほとんど示さず、体液が通過して吸収層に吸収された後に、その表面は使用者にとって非常に気持ちが良い乾燥した感触を生じさせる。疎水性材料は頻繁に不十分な湿潤性に悩まされているため、それらを湿潤剤、例えば、水との接触及び液体透過性を促進する界面活性剤で処理することが知られている。しかしながら、それらの水に結合する能力により、親水性材料は、体液の放出で望ましくない濡れた感触を生じさせる傾向がある。
完全に親水性又は疎水性の材料は、かくして、吸収性物品の着用者の矛盾する要求を満足することができない。その様な材料は、多くの場合に必要とされる、それらの有益な特性を使用させない。さらに、完全に疎水性ではなく、且つ、完全に親水性でもない材料は、吸収性材料において健康的な環境を促進しうる。健康的な環境としては、体液又は汗を放出しながら、着用者の皮膚が、おむつかぶれの最も頻度の高い要因の一つである水分過剰になる傾向がない、特に低湿度な環境であると解される。
さらに、自己集合性ポリマーのナノスケールのフィルムは、各種の技術分野において既知であり、近年では非常に興味深いものとして注目されている。これらのナノスケールのフィルムは、典型的には、互いに相互作用することが可能な官能基を有する2つのポリマーの単分子層の交互の堆積によって形成される。これらの研究の多数が、各々の堆積後の表面電荷の逆転に基づく、カチオン性ポリマーとアニオン性ポリマーとのレイヤーバイレイヤー堆積(LBL堆積と略称される)を用いて実施されており、最も良好な試験されたシステムは、ポリ(スチレンスルホネート)/(ポリアリルアミン塩酸)(PSS/PAH)である。
US 2005/0069950 A1は、オリゴペプチドの適切な設計に基づく薄膜、コーティング、及びマイクロカプセルの微細加工法を開示している。薬剤送達がマイクロカプセルとの関連で議論されている。さらに、使い捨ておむつが、この文献によって意図されたペプチドについての多数の可能性がある用途の中の1つとして言及されている。生物医学的な用途がより詳細に記載されている。
US 5,807,636、US 5,700,559、及びUS 5,837,377は、基材、前記基材上のイオン性ポリマー層、及び前記ポリマー層にイオン結合した不規則なポリ電解質コーティングを含む水性環境において使用するための親水性物品に関する。おむつ及び他のライナーが、この教示の多数の潜在的な用途の内の1つとして言及されている。
WO 00/32702は、例えば、2つの相互作用するポリマー、好ましくは製紙において乾燥強度剤及び湿潤強度剤として典型的に使用されるアニオン性ポリ電解質及びカチオン性ポリ電解質のレイヤーバイレイヤー堆積によって製造される繊維、フィラー粒子、又は他の粒子を含有する紙又は不織製品を開示している。したがって、この文献は、紙製品の引張強度も評価している。
LBL技術に関するさらに別の文献は、例えば、WO 2005/058199 Al; US 5,208,111; US 5,518,767; US 5,536,573; US 6,114,099; US 6,451,871; US 6,492,096; US 2003/152703; US 2004/0086709; WO 2005/032512; US 2004/0137039; "A. A. Antipov et al . , Sustained Release Properties of Polyelectrolyte Multilayer Capsules; J. Phys . Chem. B 2001, 105, 2281−2284"; "M. Freemantle, Polyelectrolyte Multilayers; Science & Technology (2002), 44−48"; US 2004/0047979 Al; US 5,885,753;及びWO 2004/07677. A2である。
LBLとは関係なく、おむつにおける多層構造に関する1つの文献も存在する。WO 2005/023536は、液体取り入れ機能を有する少なくとも1つの第一のミクロ層フィルム領域、液体取り込み及び分配機能を有する少なくとも1つの第二のミクロ層フィルム領域、液体保持機能を有する少なくとも1つの第三のミクロ層フィルム領域、及び液体障壁機能を有する少なくとも1つの第四のミクロ層フィルム領域を含む吸収性物品を開示している。これら第一、第二、第三、及び第四のミクロ層フィルム領域を共押出加工し、互いに集合させて、単一のミクロ層フィルムシステムを形成させる。しかしながら、これらの層は明らかに、nmの範囲を超える厚みを有し、自己集合しない。
WO 2005/058199 Al; US 5,208,111 US 5,518,767 US 5,536,573 US 6,114,099 US 6,451,871 US 6,492,096 US 2003/152703 US 2004/0086709 WO 2005/032512 US 2004/0137039 US 2004/0047979 Al US 5,885,753 WO 2004/07677 WO 00/32702 US 5,807,636 US 5,700,559 US 5,837,377 US 2005/0069950 A1 A. A. Antipov et al . , Sustained Release Properties of Polyelectrolyte Multilayer Capsules; J. Phys . Chem. B 2001, 105, 2281−2284 M. Freemantle, Polyelectrolyte Multilayers; Science & Technology (2002), 44−48
上述の観点から、本発明の1つの技術的な主題は、完全に疎水性又は完全に親水性の材料を用いる欠点を避けるか又は緩和して吸収性材料を提供することである。
本発明の1つの更なる技術的な主題は、親水性及び疎水性材料の特性をより有効的に使用することである。
本発明の1つの更なる技術的な主題は、吸収性物品のある部分が有益な様式で材料の感触、液体透過、又は吸収性物品内の健康的な環境などの少なくとも1つの関連する特性に寄与し得る、吸収性物品を提供することである。
本発明は、おむつ、おむつパンツ、パンティーライナー、サニタリーナプキン、又は失禁防汚用品などの吸収性物品であって、前記吸収性物品の少なくとも一部分が、少なくとも1つの親水性領域と少なくとも1つの疎水性領域とのパターンを含み、前記少なくとも1つの親水性領域及び/又は前記少なくとも1つの疎水性領域が、前記吸収性物品の部分上のコーティングとして存在する、吸収性物品に関する。
本発明によれば、親水性領域及び疎水性領域、特にそれらのパターンを含むコーティングを有する吸収性物品の部分を提供することによって、完全に親水性又は疎水性の材料の欠点が克服できるか又は緩和できることが見出された。それによって、特に、使用者に最大限の利益を生じさせるように親水性及び疎水性領域を配置することができるため、親水性及び疎水性材料の特性を経済的な様式で利用する。親水性領域は、吸収性物品内で頻繁に生じる湿っぽい空気から水滴を凝縮させ、且つ、固定することが可能であり、疎水性領域は、完全に親水性材料と多くの場合に関連する不快な濡れた感触の低減に寄与する。
本発明は、おむつ、おむつパンツ、パンティーライナー、サニタリーナプキン、又は失禁防汚用品などの吸収性物品であって、前記吸収性物品の少なくとも一部分が、少なくとも1つの親水性領域と少なくとも1つの疎水性領域とのパターンを含み、前記少なくとも1つの親水性領域及び/又は前記少なくとも1つの疎水性領域が、前記吸収性物品の部分上のコーティングとして存在する、吸収性物品に関する。
前記コーティングは、吸収性物品の処理した部分の表面全体又はその一部分のみを被覆して良い。親水性及び疎水性領域があるパターンに配置される。
本明細書で使用する用語「パターン」は、親水性領域及び疎水性領域のいずれもが表面全体を被覆するのではないような、表面上の要素の意図的な配置を意味する。パターンは、幾何学的又は反復的あるいはその双方であって良い。前記パターンは規則的又は不規則的であって良く、前者が好ましい。前記パターンは、少なくとも1つの親水性及び2以上(例えば、少なくとも2、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも50など)の疎水性領域あるいは少なくとも1つの疎水性領域及び2以上(例えば、少なくとも2、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも50など)の親水性領域を含んで良い。
親水性領域及び疎水性領域の被覆率は特に限定されないが、例えば、1/99から99/1、5/95から95/5、10/90から90/10、又は20/80から80/20であって良い。
「疎水性」としては、好ましくは、水を用いて当該物質のみからなる滑らかな平面を濡らすと90°より大きい液滴接触角を生じる特定の物質からなる分子の材料又は部分であると解される。逆に言えば、90°未満の水滴接触角を生じるか又は水滴が表面に自然と広がる滑らかな平面(表面の粗さによる効果は生じない)は、典型的には「親水性」であると解される。接触角が、以下の事項を考慮に入れて、TAPPAI method T558PM−95 (1995)に従って測定して良い:
1.試験しようとする材料は、23℃、50%の相対湿度に適切な期間(少なくとも4時間)に亘って測定前に順応させる。測定は、温度と湿度が調節された(23℃及び50%の相対湿度)部屋で実施する必要がある;
2.試験しようとする材料は、例えば業者による推奨に従って、両面接着テープを用いて標準的なサンプルホルダーに貼り付けることが可能な材料の単層として存在するべきである;
3.適切な測定パラメーターは:
a)液体、試薬品質の水
b)5μlの液滴容量
c)結果を平均化するために測定するべき液滴の数:25
d)T558PM−95及び本解説が本明細書で特定の測定条件を扱えないという仮想的な場合には、試験装置の製造業者によって推奨されているデフォルト値を使用して良い。適切な試験装置の業者の名称は、TAPPEI試験方法の装丁本において認められるか、又はTAPPI情報資源センターから得ても良い。好ましい装置は、Fibro System AB,Stockholmによって製造されており、FibroDat(登録商標)で市販されている、例えば、FibroDat 1100接触角試験装置である;
4.接触角値が時間と共に変化する材料(例えば、親水性の吸収性物品)については、液滴を供した0.05秒後に測定を実施する;
5.非常に疎水性の表面については、液滴が玉のようになり試験装置の表面を転がるため、接触角測定は上手くいかない。これらの表面は超疎水性であると解される。
「吸収性物品」として、としては、尿、水様便、女性の分泌物、又は月経液などの体液を吸収可能な物品であると解する。これらの吸収性物品は、おむつ、おむつパンツ、パンティーライナー、サニタリーナプキン、又は失禁防汚用品を含むが、それらに限らない。
その様な吸収性物品は、使用の間に着用者の身体に面する液体透過性のカバーシート(トップシート)を有する。それらは液体不透過性のカバーシート(バックシート)、例えばプラスチックフィルム、プラスチック被覆不織布、又は疎水性不織布、及び一般的には液体透過性トップシートと液体非透過性バックシートとの間に吸収層(コア)をさらに含むが、常に含むわけではない。吸収層がない幾つかの吸収性製品、例えば、商品名「Freshness everyday」と関連する各種の商標で本出願人によって市販されている特定のパンティーライナーでは、トップシート及びバックシートの吸収能が、少量の女性の分泌物を吸収するには十分である。
本発明の好ましい実施態様によれば、少なくとも1つの疎水性領域及び少なくとも1つの親水性領域を含む部分は液体透過性カバーシートである。
任意に、織材料又は発泡材料の少なくとも1つの更なる層を、吸収層とトップシートとの間に配置する。少なくとも1つの更なる層は、例えば、
・多層トップシートを形成するトップシートに結合し、
・いわゆる「捕捉/分配層」として、トップシートを透過する体液の除去、及び/又は吸収層の表面全体に亘る体液の取り込みの助力となるか、又は
・吸収層のコアラップに属する
ものであって良い。
適切なトップシートは、織材料及び不織材料(例えば、繊維の不織布)、開口プラスチックフィルムなどのポリマー材料、例えば、開口形成熱可塑性フィルム及びハイドロフォーム熱可塑性フィルム;多孔質発泡体;網状発泡体;網状熱可塑性フィルム;並びに熱可塑性スクリムなどの広範な材料から製造されて良い。適切な織材料及び不織材料は、天然繊維あるいは天然繊維と合成繊維との組み合わせを含んで良い。トップシートの全体又は一部を含んで良い適切な合成繊維の例は、ポリアミド(例えば、ナイロン)、アクリル(例えば、ポリアクリロニトリル)、芳香族ポリアミド(例えば、アラミド)、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン及びポリプロピレン)、ポリエステル、ブタジエン−スチレンブロックコポリマー、天然ゴム、ラテックス、スパンデックス(ポリウレタン)、及びそれらの組み合わせを含むが、それらに限らない。2つ以上のタイプの反復単位を含有する合成繊維は、各高分子鎖内において(例えば、コポリマー)、高分子鎖の間で(例えば、ホモポリマーブレンド)、あるいはそれらの組み合わせ(コポリマーブレンド)において分子レベルで反復単位を結合させることにより生じるか、又はそれらは、異なるナノスケール、ミクロスケール、又はマクロスケールの相で最も高いスケールのレベルで反復単位を結合させることにより生じる(例えば、多成分繊維)。多成分繊維の各成分は、ホモポリマー、コポリマー、又はそれらのブレンドを含んで良い。二成分繊維は、多成分繊維の一般的な種類である。コポリマー中の二以上の反復単位を無作為に配列させるか、又は各タイプを交互に配列させる。異なるタイプの反復単位のブロックは、各々の末端で他方と結合するか(ブロックコポリマー)、又は反復末端と少なくとも1つのブロックとの間で結合して良い(グラフトコポリマー)。
不織材料は、繊維及び不織材料がほぼ同時に形成される直接押出加工法によって、又は異なる後の時点に不織材料に事前に作られた繊維を配置することによって形成されて良い。直接押出加工の例は、スパンボンドウェブ(Spunbonded web)、メルトブロウイング(meltblowing)、ソルベントスピニング(solvent spinning)、電気紡績(electrospinning)、及び典型的に層を形成するそれらの組み合わせを含むが、それらに限らない。「配置する」工程の例は、湿式レイイング又は乾式レイイングを含む。乾式レイイング工程の例は、空気レイイング(air laying)、カーディング(carding)、及び典型的に相を形成するそれらの組み合わせを含むが、それらに限らない。上述の工程の組み合わせによって、混成物又は複合材料と一般的に称される不織布を生産する。
不織布中の繊維は、典型的には、重複する分岐の幾つかにおいて1つ以上の近接する繊維と結合している。これは、各層内の繊維の結合、及び2つ以上の層が存在する際における層の間の繊維の結合を含む。繊維は、機械的な絡み合い、化学的な結合、又はそれらの組み合わせによって結合しても良い。本発明に応用して良く、参照によって本明細書に取り込む適切なトップシート材料のより詳細な説明は、US 2004/0158214 A1、具体的には段落[0043]から[0051]において認められる。
本発明によれば、開口プラスチックフィルム(例えば、熱可塑性フィルム)又は合成繊維に基づく不織材料を使用することが好ましく、好ましい材料は、ポリオレフィン、例えば、ポリエチレン又はポリプロピレンホモ若しくはコポリマー、及び好ましくは重量において主要な成分としてそれらを含有するポリマー組成物である。
存在する場合には、吸収層とトップシートとの間に存在する少なくとも1つの更なる層が、疎水性及び親水性の繊維又は発泡体材料からなって良い。「繊維材料」としては、織っているか又は織っていないタイプの、ペーパーティッシュ(paper tissue)の密着した平らな繊維に基づく構造であると解する。不織材料は、トップシートについて上述したものと同じ特徴を有して良い。
具体的には、少なくとも1つの更なる層は、例えば少なくとも1つの捕捉/分配層の形態で、流体管理に寄与して良い。その様な構造は、例えば、US 5,558,655、EP 0 640 330 A1、EP 0 631 768 A1、又はWO 95/01147に教示されている。
「気泡体材料」は当該技術分野において周知であり、例えば、本願と同じ名義のEP 0 878 481 A1又はEP 1 217 978 A1に開示されている。
コアラップによって部分的又は全体的に覆われて良い吸収層は、一般的に圧縮性の、快適な、着用者の皮膚に対して非刺激性の、尿及び他の身体の浸出液などの液体を吸収及び保持することが可能な任意の吸収性材料を含んで良い。
吸収層は、使い捨ておむつ及び他の吸収性物品において一般的に使用されている各種の液体吸収性材料、例えば、エアフェルト又はフラフと一般的に称される粉砕木材パルプを含んで良い。他の好適な吸収性材料の例としては、捲縮セルロース詰め物、コフォーム(co−form)を含むメルトブローポリマー、化学的に剛化、修飾、若しくは架橋されたセルロース繊維、ティッシュラップとティッシュラミネートとを含むティッシュ、吸収性発泡体、吸収性スポンジ、超吸収性ポリマー(例えば、超吸収性繊維)、吸収性ゲル材料、又は他のいかなる既知の吸収材料、あるいはこれらの材料の組み合わせなども挙げられる。適切な吸収性材料の幾つかの組み合わせの例は、フラフと共に、吸収性ゲル化材料及び/又は超吸収性ポリマー、並びに吸収性ゲル化材料及び超吸収性繊維などである。
バックシートは、吸収層によって吸収されて物品に含有された浸出液が、吸収性物品に接触する可能性がある他の外部の物品、例えば、ベッドシーツ及び下着を汚すことを防ぐ。好ましい実施態様では、バックシートは、液体(例えば、尿)に対して実質的に非透過性であり、不織布及びプラスチック薄膜、例えば、約0.012mmから約0.051mmの厚みを有する熱可塑性フィルムを含む。適切なバックシートフィルムは、Terre Haute, Ind.のTredegar Industries Inc.社によって製造されているものであり、X15306、X10962、及びX10964という商標で市販されているものを含む。他の適切なバックシート材料は、吸収性材料から蒸気を逃がすことを可能にしながら、バックシートから浸出液が通過することを妨げる通気性材料を含んで良い。例示的な通気性材料は、織布、不織布、複合材料、例えば、フィルム被覆不織布、及び細孔性フィルムなどの材料を含んで良い。
本発明の1つの実施態様によれば、疎水性領域は、親水性領域の面に対して上部にある。反対に、本実施態様と一致して、親水性領域は、疎水性領域の面に対して下部にあると解されて良い。この配置は、例えば、疎水性分子の部分を有するポリマーの後述のポリマーオンポリマー(polymer−on−polymer)スタンプ又は疎水性の柱(hydrophobic pillar)の形成によるものである。
親水性領域が疎水性領域の面に対して上部であるという逆の配置が、後述のいわゆる「親水性の柱(hydrophilic pillar)」と共に生じる。
「親水性領域及び疎水性領域のパターン」という表現は、疎水性領域のパターン(島)を取り囲む単独の連続する親水性領域(海)の場合及びその逆の場合も含むと解されるべきである。それに対応して、これらの疎水性領域及び親水性領域の形状及び大きさに関しては特に限定されない。それらの好ましい実施態様は、いかに説明されるであろう。
本発明の1つの実施態様によれば、規則的なパターンが形成される。本実施態様の1つの更なる態様によれば、疎水性領域は親水性領域の面に対して上部にあるか又はその逆である。
親水性領域又は疎水性領域は、任意の適切な形状、例えば、円形、四角形、長方形、楕円形、又は縞状を利用して良い。既に述べたように、そのサイズに関して特に制限は無く、例えば、100nmから10cmの範囲であって良く、又は更に別の実施態様に従えば、1μmから1cm、10μmから1μm、又は100μmから10,000μmの範囲である。後者3つの範囲は、海−島の構造における島に、特に適用されて良い。
本発明の1つの好ましい実施態様によれば、少なくとも1つの親水性領域、親水性領域の少なくとも一部分、親水性領域全体の少なくとも5%、好ましくは少なくとも20%、特に少なくとも50%(例えば、少なくとも70%又は少なくとも90%)が、1mm未満の寸法、好ましくは100μm未満の(円の)直径、より好ましくは20μm未満、更に好ましくは10μm未満、特に5μm未満の直径を有する。1つの想到し得る下限は、100nmである。規則的な多角形(四角形、五角形など)の場合には、「直径」は、1つの角から反対の角又は縁までの距離であると解され、他の形状(例えば縞状など)の場合には、最も小さい軸(幅)であると解される。代替的な好ましい実施態様によれば、上記の事項は「少なくとも1つの疎水性領域」に当てはまる。
親水性領域の最も小さい寸法は、親水性領域に水滴を固定するのに寄与する。非常に効果的な固定が、例えば、US 2004/0086709 Al (P. T. Hammond) and X.Yiang, H. Zheng, S. Gourdin and P. T. Hammond in "Polymer−on−Polymer stamping: "Universal approaches to chemically patterned surfaces " in Langmuir 2002, 18, 2607−2615"に10μmの寸法を有するポリアミン表面の円形の親水性領域上の水滴の凝縮について報告されている。
本発明の1つの実施態様によれば、親水性領域は、100nmから1mm未満の(円の)直径、例えば、1μmから100μm未満の直径を有する。規則的な多角形(例えば、四角形、五角形など)の場合には、「直径」は、1つの角から反対の角尼は縁までの距離であると解され、他の形状(例えば、縞状など)の場合には、最も小さい軸(幅)であると解される。
本発明の1つの実施態様によれば、親水性領域は、1つの連続的な疎水性領域(海)に取り囲まれ、好ましくは疎水性領域の面よりも上部にある規則正しい形状(島、例えば、円形)である。そこで、親水性領域は、上記の寸法を有して良い。
本明細書及び特許請求の範囲のいずれにおいて「パターン」、「少なくとも1つの親水性領域」、又は「少なくとも1つの疎水性領域」、あるいはそれらの同義語に言及する場合においても、これまでの記載が好ましい特徴を示している。
本発明の1つの実施態様によれば、前記パターンを含む吸収性物品の部分は、規則的な穿孔パターンを有する有孔トップシート(例えば、プラスチックフィルム又は不織布)であって、親水性領域の少なくとも一部分、好ましくは親水性領域の大半又は全てが、前記穿孔に一致して適用される。
好ましくは、親水性領域は、前記穿孔を取り囲むか又は包み込む。この実施態様によれば、水滴の凝縮をカバーシートのそれらの領域に位置させて、吸収層を含むカバーシートの下の層への体液の通過を可能にする。それと一致して、この実施態様は、着用者の皮膚から吸収性物品への湿度のより効率的な除去に寄与するだけではない。トップシート材料の穿孔を介する体液の流れを助けることもする可能性がある。同様に、フィルム様トップシート材料の穿孔の少なくとも一部、好ましくは大半を包み込む多数の縞に親水性領域を配置して、体液の流れを促進及び誘導することも想到し得る。同様に、不織布をトップシート材料として使用する場合には、より大きな間隙率を示す部分又は適用可能な場合には穿孔に親水性領域を適用することも好ましい。
親水性領域は、好ましくは、水素供与体/受容体ポリマー(水素結合供与体を含むポリマー及び/又は水素結合受容体を含むポリマー)あるいはポリ電解質ポリマー(ポリアニオン性及び/又はポリカチオン性ポリマー)から形成される。双方のシステムは、好ましくは、自己集合性のタイプであり、好ましくは交互の(典型的には単分子)層に基づく。
親水性領域(例えば、交互のポリマーの多層)は、好ましくは、ナノスケール、すなわち1μm未満の厚みを有する。好ましくは、親水性コーティングは、250nm未満、より好ましくは100nm未満、更に好ましくは50nm未満(例えば、20nm未満)の厚みを有する。フィルムの厚みが50%の相対湿度及び20℃の条件下で平衡に達した後に、50%の相対湿度で20℃において測定を実施する。
2つ以上の層、より好ましくは3から100の層、特に4から50の層(例えば、5から20の層)からなる多層(例えば、水素供与体/受容体又はポリ電解質タイプの多層)を提供することが好ましい。
水素供与体/受容体又はポリ電解質多層は、好ましくは、多層薄膜の製造業界において周知のレイヤーバイレイヤー(LBL)堆積技術で形成される(参照によって取り込む"Background of the invention" or "G. Decher and J.B. Schlenoff (ed) , Multilayer Thin Films, Sequential Assembly of Nanocomposite Materials, Wiley VCH 2003"を参照)。
1つの実施態様(水素供与体/受容体ポリマー)によれば、使用しようとする1つのポリマーは、水素結合供与体を含む中性のポリマー(「水素結合ドナーポリマー」)であり、好ましくは、自己集合性の交互の層(典型的には単分子層)において水素受容体を含む第二の(異なる)中性のポリマー(「水素結合受容体ポリマー」)と組み合わせる。
水素結合供与体は、水素結合の形成に参加し得る少なくとも1つの水素原子及び水素原子に結合するより電気陰性の原子を含有する部分である。これらの部分の例は、O−H、N−H、P−H、及びS−Hを含むが、それらに限らない。炭素原子が三重結合によって他の原子に結合している場合、炭素原子が二重結合によってOに結合している場合、又は炭素原子が、O、F、Cl、及びBrから選択される少なくとも2つの原子に結合している場合には、C−H部分が水素結合供与体であっても良い。
水素結合受容体は、水素よりも電気陰性である原子を含有する部分であり、孤立電子対を含有しても良い。その様な原子の例は、N、O、F、Cl、Br、I、S、及びPを含むが、それらに限らない。
水素結合供与体ポリマーは、好ましくは、ポリカルボン酸、例えば、ポリアクリル酸(PAA)又はポリメタクリル酸、ポリヌクレオチド、ビニル核酸のポリマー、ポリアミノ酸、例えば、ポリグルタミン酸及びポリ(E−N−カルボベンゾキシ−L−リジン)、並びにポリアルコール、例えば、ポリ(ビニルアルコール)、並びにそれらのコポリマーから選択される。
水素結合受容体の好ましい例は、ポリエーテル、ポリケトン、ポリアルデヒド、ポリアクリルアミド、他のポリアミド、ポリアミン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリホスファゼン、又はポリサッカリド、あるいはそれらのコポリマーを含む。具体的な例は、ポリエチレンオキシド、ポリ−1,2−ジメチオキシエチレン、ポリ(ビニルメチルエーテル)、ポリ(ビニルベンゾ−18−クラウン−6)、ポリビニルブチラール、ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)、ポリアクリルアミド(PAAm)、ポリメタクリルアミド、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(4−アミン)スチレン、ポリ(シクロヘキセン−1,4−ジメチレンテレフタレート)、ポリヒドロキシメチルアクリレート、ポリ(ビス(メチルアミノ)ホスファゼン)、ポリ(ビス(メトキシエトキシエトキシ)ホスファゼン)、カルボキシメチルセルロース、又はそれらのコポリマーを含む。
水素供与体/受容体ポリマーの1つの好ましい組み合わせは、PAA/PAAmである。
これらのポリマーは、当該技術分野において既知の条件下で水溶液から堆積する。酸性官能基を備えた水素結合供与体ポリマー、例えば、PAAは、非イオン化形態で存在する酸性基が水素結合形成に利用可能である条件(典型的には酸性条件)で堆積させる必要がある。同様に、水素受容体ポリマーは、水素受容体が非イオン化形態で存在するpH条件下で堆積させるべきである。水素結合供与体と水素結合受容体との適切な組み合わせを選択する際に、この事も考慮すべきである。
水素結合供与体及び/又は受容体ポリマーを含む親水性コーティング(領域)、特に、酸性基(例えば、COOH)を有するものは、中性及びそれよりも高いpHの値で溶解する傾向がある。吸収性物品の位置及び意図する機能に依存して、それらを架橋することも好ましい。
架橋は、多層を単純に加熱することによって生じさせて良い。適切な温度(例えば、60から100℃)及び期間は、吸収性物品の処理する部分の化学的性質に依存する。熱架橋は、官能基(例えば、水素供与体及び/又は水素受容体官能基)がカルボキシ又はアミド基のように水の放出条件下で結合を形成することが可能な場合に好ましい。架橋工程は、異なるポリマーの間の結合に制限されることは無いが、例えばカルボキシ基を有する1つの層内で同様に進行して良い。8時間に亘る90℃(又はより高い温度でより短い時間)におけるPAA/PAAm層の熱処理が、例えば、無水及びイミド結合の形成を生じさせる。
架橋は化学的な手段によって生じさせても良い。適切な架橋剤は、親水性コーティングに存在する官能基(例えば、水素結合供与体及び/又は受容体)の縮合条件下において、当業者によって決定されて良い。多価金属イオンは、例えば、WO 2001/015649に教示のカルボキシ基の架橋に寄与して良い。ジビニルスルホン(DVS)は、ポリサッカリドに基づくポリマー、例えば、セルロース又はデンプン誘導体の架橋に適切である。
親水性領域は、ポリ電解質単層、好ましくは多層によって形成されても良い。これらは、上述の条件下において架橋されても良い。多層は、好ましくはポリカチオン性ポリマーとポリアニオン性ポリマーとのレイヤーバーレイヤー(LBL)堆積によって堆積される。吸収性物品の一部分にこれらのポリマーを提供する順序は制限されない。個々の層は、典型的には単分子である。利用可能な表面全体を単分子層で被覆したら直ぐに、反発する電荷が、更なる同じタイプの電解質の堆積を妨げる。
LBL技術によれば、用語「層」は、二次元伸長のみを示す材料の区域及び近接する層に対する厳密な境界という厳密な意味で理解されるべきではない。測定によって、LBL堆積層が、例えば、平均の層の厚みの7倍(好ましくは4倍)までの一定の広がりを示す。換言すると、単一のポリマー層が近接の層に浸透して良い。
それにもかかわらず、これらのナノスケールフィルムの層構造及びそれらの厚みが、UV/Vis分光分析、偏光解析法、水晶発振子センサー(quartz crystal microbalance:QCM)、X線回折、中性子反射率測定、in situ原子顕微鏡(AFM)、表面力測定、及び"G. Decher and J. B. Schlenoff, Multilayer Thin Films"に記載の他のものを含む各種の分析技術によって確認されて良い。フィルムの厚みの測定のための好ましい方法は偏光解析法である。
レイヤーバイレイヤー堆積によって得られ得る親水性領域、特にポリ電解質に基づくものは、強力な、好ましくは耐久性のある親水性コーティングを疎水性材料、例えば、不織布又は疎水性フィルム又は発泡材に形成する。LBLフィルムに使用する材料は表面に強力に接着するため、それらは体液に殆ど又は全く溶解しない。これらは、体液の吸収層への通過の間に体液によって取り込まれることを妨げる。これとは対照的に、おむつ材料を親水性化するために典型的に使用される低分子量の界面活性剤は、体液に溶解し、体液の表面張力を低減して、吸収性材料の吸上作用を低下させる傾向がある。さらに、非常に少量のみが、柔軟性、可撓性、多孔性、又は吸収性などの重要な特性が望ましくない程度に影響を受けないこと確実にするフィルムの形成に必要とされる。1μm未満の厚みは、基礎をなす基材の動きに従うために必要な可撓性を有する親水性領域を提供する。本発明で使用するLBL技術は、さらに、吸収性材料に頻繁に存在するものなどの不規則な表面を処理するために最も適切である。LBL技術の更なる利点は、特に反対電荷の非架橋ポリ電解質ポリマーを使用する場合に、例えば機械的負担によって結合が壊れた場合に再配列によって新しい結合を形成するという自己集合性ポリマーの能力にある。例えば、小さな亀裂又は小孔がLBLフィルムに機械的な力の結果として生じた場合には、機械的な力が働かなくなり、ポリマーと相互作用する官能基とが再び近接したあとに、これらの欠陥部位は「修復」され得る。さらに、LBL技術は水に基づく物であり、潜在的に危険な有機溶媒を使用せずにコーティングフィルムの形成を可能にすることが有利である。
LBL堆積に使用するポリマーは、好ましくは、少なくとも10,000、好ましくは少なくとも50,000、特に、少なくとも100,000(例えば、光散乱で測定する)の重量平均分子量を有する。一般的には、より大きい分子量は、LBL堆積に好ましいようである。完全に水系のコーティング技術の望ましい使用を考慮すると、ポリマーが水様性のままである事が好ましいが、分子量に関する特定の上限は存在しない。
弱又は強ポリ電解質がLBL堆積に使用されて良い。ポリスチレンスルホネートなどの強電解質では、イオン化が完了又は殆ど完了しており、pHが明確には変化しない。ポリアクリル酸などの弱電解質では、pHを変化させる事によって、電荷密度を調整し得る。弱電解質は、典型的には、約2から約10のpKa値を有する(追加で5mmolのNaClを含有する1重量%のポリ電解質水溶液を用いて20℃で測定)。PAA及びPAHの文献値は、約5.0及び9.0の各々である。これらのポリ電解質はホモポリマー又はコポリマーであって良く、全ポリマー形成単位の一定の割合(例えば、少なくとも50モル%又は50モル%未満)のみが、カチオン性基又はアニオン性基を有する(出発物質についての以下の記載において常に言及されるわけではないが、ポリアニオン性ポリマーのアニオン性基は、電荷の中性のために、同数の水素原子及び/又は金属原子及び/又はオニウム原子(例えば、アンモニウム)などの正の対イオンを有するであろう。さらに、塩基性基は、厳密に言うとプロトン酸の添加がカチオン電荷の発生に必要とされるが、カチオン性基として参照されるであろう。したがって、堆積は、アニオン電荷及びカチオン電荷が層間結合に利用可能であるpH条件下で進められる必要がある。)。ポリ電解質は、生物学的に活性なポリマー(DNA、RNA、タンパク質、オリゴ若しくはポリペプチド、及び酵素など)から選択されても良いが、これらを含まないポリ電解質多層が好ましいようである。
好ましいポリカチオン性ポリマーは、好ましくは、プロトン化され得る窒素原子を含む官能基を含む少なくとも1つのモノマーのホモ若しくはコポリマーから選択される。それらは、直鎖又は分枝鎖の構造を有して良い。
カチオン性ポリ電解質は、以下のものから選択される:
a)カチオン性又はカチオン変性ポリサッカリド、例えば、カチオン性デンプン誘導体、セルロース誘導体、ペクチン、ガラクトグルコマンナン、キチン、キトサン、又はアルギネート;
b)任意に変性単位(例えば、WO 00/31150から既知のポリアリルアミンの適切な変性単位)を含むポリアリルアミンホモ又はコポリマー、特に、ポリアリルアミン塩酸(PAH);
c)ポリエチレネミン(PEI);
d)任意に変性単位を含むポリビニルアミンホモ又はコポリマー;
e)ポリ(ビニルピリジン)又はポリ(ビニルピリジニウム塩)ホモ又はコポリマー、それらのN−アルキル誘導体を含む;
f)ポリビニルピロリドンホモ又はコポリマー、ポリジアリルジアルキル、例えば、US 2004/0047979 A1に示されているようなポリ(N,N−ジアリル−N,N−ジ−C−C−アルキル−アンモニウムハライド)、特に、ポリ(N,N−ジアリル−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド)(PDDA);
g)四級化ジ−C−C−アルキル−アミノエチルアクリレート又はメタクリレートのホモ又はコポリマー、例えば、ポリ(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルプロピルトリメチルアンモニウムクロリド)などのポリ(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルプロピルトリ−C−C−アルキルアンモニウム塩)ホモポリマー、又は四級化ポリ(2−ジメチルアミノエチルメタクリレート)、又は四級化ポリ(ビニルピロリドン−コ−2−ジメチルアミノエチルメタクリレート);
h)ポリ(ビニルベンジル−トリ−C−C−アルキルアンモニウム塩)、例えば、ポリ(ビニルベンジル−トリ−メチルアンモニウムクロリド);
i)ジ四級アミン又は二級アミンとジハロアルカンとの間の反応によって形成されるポリマー、脂肪族又はアル脂肪族(araliphatic)ジハライド及び脂肪族N,N,N’,N’−テトラ−C−C−アルキル−アルキレンジアミンのポリマー、例えば、(a)プロピレン−1,3−ジクロリド又はジブロミド、あるいはp−キシレンジクロリド又はジブロミドと、(b)N,N,N’,N’−テトラメチル−1,4−テトラメチレンジアミンとのポリマー;
j)EP−A−456,467に開示されているPOLYQUAD(登録商標);
k)ポリアミノアミド(PAMAM)、例えば、直鎖PAMAM又はPAMAMデンドリマー、例えば、アミノ末端Starburst(商標)PAMAMデンドリマー(Aldrich);
l)カチオン性アクリルアミドホモ又はコポリマー、及びそれらの変性生成物、例えば、ポリ(アクリルアミド−コ−ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)又はグリオキサル−アクリルアミド樹脂;
m)N−(ジアルキルアミノアルキル)アクリルアミドモノマーの重合によって形成されるポリマー;
n)ジシアンジアミド、ホルムアルデヒド、及びアンモニウム塩の間の縮合生成物;
o)製紙業において使用される典型的な湿潤強度剤、例えば、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ポリビニルアミン、ポリウレイド−ホルムアルデヒド樹脂、グリオキサル−アクリルアミド樹脂、及びポリアルキレンポリアミンと、ポリサッカリド、例えば、デンプン及び各種の天然ゴムとの反応によって得られるカチオン性物質、並びに窒素含有化合物(例えば、アンモニア、一級及び二級アミン、又はN含有ポリマー)とエピクロロヒドリンとから得られる3−ヒドロキシアゼチジニウムイオン含有樹脂、例えば、ポリアミノアミドエピクロロヒドリン樹脂、ポリアミン−エピクロロヒドリン樹脂、及び例えばUS 3,998,690において言及されているアミノポリマー−エピクロロヒドリン樹脂。
好ましいポリカチオン性ポリマーは、カチオン性又はカチオン変性ポリサッカリド、例えば、デンプン又はセルロース誘導体、キチン、キトサン又はアルギネート、ポリアリルアミンホモ又はコポリマー、ポリビニルアミンホモ又はコポリマー、あるいはポリエチレネミンである。
適切なポリアニオン性ポリマーの例は、例えば、合成ポリマー、バイオポリマー、又はカルボキシ、スルホ、スルファト、ホスホノ、若しくはホスフェート基を含む変性バイオポリマー、又はそれらの混合物、あるいはそれらの塩を含む。それらは、直鎖又は分枝鎖の構造を有して良い。
合成ポリアニオン性ポリマーの例は、直鎖ポリアクリル酸(PAA)、分枝鎖ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸(PMA)、ポリアクリル酸又はポリメタクリル酸コポリマー、直鎖又は分枝鎖のポリシアノアクリレート、マレイン酸又はフマル酸コポリマー、ポリアミド酸、ジアミンのカルボキシ末端ポリマー、並びにジ又はポリカルボン酸(例えば、Aldrich社製のカルボキシ末端Starburst(商標)PAMAMデンドリマー)である。分枝鎖ポリアクリル酸の例は、Goodrich Corp.社製のCarbophil(登録商標)又はCarbopol(登録商標)タイプを含む。アクリル酸又はメタクリル酸のコポリマーの例は、例えば、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、又はN−ビニルピロリドンを含むビニルモノマーと、アクリル酸又はメタクリル酸との共重合生成物を含む。
スルホ又はスルファト基を有するポリマーの例は、ポリ(アネトールスルホン酸)、ポリ(ビニルスルフェート)(PVS)、ポリ(ビニルスルホン酸)、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)(ポリ−(AMPS))、又はポリ(スチレンスルホン酸)(例えば、ナトリウムポリ(スチレンスルホネート);PSS)であり、ホスフェート又はホスホネート基を有するポリマーの例は、アルキレンポリホスフェート、アルキレンポリホスホネート、炭化水素ポリホスフェート、又は炭化水素ポリホスホネート(例えば、タイコ酸)を含む。
ポリアニオン性バイオポリマー又は変性バイオポリマーの例は、ヒアルロン酸、グリコサミノグリカン、例えば、ヘパリン又はコンドロイチンスルフェート、フコイダン、ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルデキストラン、アルギネート、ペクチン、ゲラン、カルボキシアルキルキチン、カルボキシメチルキトサン、硫酸ポリサッカリドである。
ポリアニオン性ポリマーの1つの更なる種類は、上述のポリマーと部分的に重複する、製紙業において乾燥強度剤として多くの場合に使用されるものである。これらは、ポリカルボン酸及び無水物、例えば、アニオン性デンプン誘導体、(メタ)アクリル酸誘導ポリマー及びコポリマー、無水マレイン酸誘導コポリマー、カルボン酸のビニルコポリマー、及びアニオン性セルロース誘導体を含む。これらは、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、無水マレイン酸−ビニルアセテートポリマー、ポリビニルメチルエーテル−無水マレイン酸コポリマー、メタクリル酸−アクリルアミドコポリマー、イソプロペニルアセテート−無水マレイン酸コポリマー、イタコン酸−ビニルアセテートコポリマー、α−メチルスチレン−無水マレイン酸コポリマー、スチレン−無水マレイン酸コポリマー、メチルメタクリレート−無水マレイン酸コポリマー、アクリル酸−スチレンコポリマー、カルボキシメチルセルロース、セルロースのコハク酸半エステル、グラフトポリマー化したポリアクリレート−ポリサッカリドコポリマー、デンプンのコハク酸半エステル、及び上述のポリサッカリドの酸化生成物によって更に例示されて良い。カルボキシアルキル化ポリサッカリドは、カルボキシメチルセルロース(CMC)、カルボキシメチルヒドロキシセルロース(CMHEC)、カルボキシメチルヒドロキシプロピルセルロース(CMHPC)、カルボキシメチルグァー(CMG)、カルボキシメチル化ローカストビーンガム、及びカルボキシメチルデンプンなど、並びにそれらのアルカリ金属塩又はアンモニウム塩を含む。
好ましくは、ポリアニオンポリマーは、(メタ)アクリル酸のホモ及びコポリマー並びにアニオン性又はアニオン変性ポリサッカリド、例えばアニオン性デンプン又はCMC等のセルロース誘導体から選択される。
ポリカチオン性ポリマー及びポリアニオン性ポリマーの適切な組み合わせ(及び濃度)を選択する際、双方のポリマーが同一の溶媒に可溶性である場合には、堆積を実施する前に、溶液中において潜在的な候補の相互作用を試験する。双方の溶液を混合して綿状沈殿が生じる際には、それが、多層を作り出すことが可能であるという良好な兆候である。化学反応のように、各層の正確な構造は、当業者に既知の調節パラメーター、例えば、濃度、pH、吸収時間、イオン強度、又は温度の設定に依存するが、一般的には加工ウィンドウはかなり広い。
LBLフィルムの製造のための1つの方法は、以下:
(i)ポリアニオン性ポリマー又はポリカチオン性ポリマーの第一の水溶液と基材(例えば、処理しようとするおむつの部分)とを接触させ、続いて、前記第一の水溶液を除去する工程、
(ii)吸収性物品の前記部分を任意に水ですすぐ工程、
(iii)工程(i)で使用したポリマーに対して反対電荷を有するポリイオン性ポリマーの第二の水溶液と吸収性物品の前記部分を接触させ、続いて前記第二の水溶液を除去する工程、
(iv)吸収性物品の前記部分を任意に水ですすぐ工程、
(v)同様に少なくとも1つの更なる交互の層を任意に形成する工程
を当該順序で含む。
「接触」という用語は、全ての既知のコーティング技術を対象とする。これらは、スプレー、プリント、及びローラーコーティング、好ましくは基材を水溶液に浸すことによる水溶液の適用を含む。
「水溶液」は、容量において水を主要な溶媒として、好ましくは50容量%超の量で含有する溶液であると解する。水溶液は、水混和性アルコール(例えば、メタノール又はエタノール)、エーテル(例えば、THF)、又はケトン(例えば、アセトン)などの水混和性有機溶媒も含有して良い。有機溶媒を含めて、ポリ電解質ポリマーの堆積、それによって層の厚みを調節して良い。所定の条件下では、50容量%以下の水と少なくとも1つの水混和性溶媒との混合物も有用であって良い。LBLフィルムの膨張傾向を最小にするために、さらなる成分(NaClなどの水溶性の塩を除いて良い)を含有しない水溶液から個々の層を堆積させることが好ましいようである。
第一の水溶液及び第二の水溶液中のポリ電解質ポリマーの濃度に関して特に制限は存在しない。好ましくは、前記濃度は、0.001から5g/l、特に0.01から0.5g/lの範囲である。
層の堆積は、比較的広範な温度範囲で実施して良いが、簡便には、フィルム形成は典型的に室温で生じる。
同様の工程および条件を、水素供与体及び受容体ポリマーのLBL堆積に使用して良い。しかしながら、水の代わりに適切なpHを有する水溶液を用いて任意のすすぎ工程を実施することが必要になる可能性がある。
疎水性おむつ材料、例えばトップシートに対するLBLフィルムの固定を促進するために、それらをプライマーで処理し、及び/又はそれらを表面修飾工程に供することが好ましい可能性がある。疎水性材料に対する良好な接着を示すことが既知のプライマー材料を使用することが好ましいが、同時にLBL技術において使用して良い。このタイプのプライマーは当業者に適当に選択され、例えば、双方とも正の表面電荷を生じさせるポリエチレンイミン(PEI)又はポリアリルアミン(PAH)を含んで良い。
好ましい表面修飾技術は、高エネルギー処理を含む。この高エネルギー処理は、コロナ放電処理、プラズマ処理(好ましくは空気中)、UV照射、イオンビーム処理、電子ビーム処理、及びそれらの組み合わせを含むが、それらに限らない。プラズマ又はコロナ処理は、例えばWO99/001099に開示されており、0.19を超える酸素/炭素分子比を生じさせて良い。双方の技術は、不織布又はフィルム表面の親水性度を増大させる。プラズマ処理した材料は、液体透過性トップシートとしての使用に適切であり、US 4,743,494、WO 94/28568、EP 0 483 858 A1、及びUS 4,351,784にも開示されている。コロナ及びプラズマ処理を含む大半の高エネルギーの表面技術は表面に負に荷電した基を導入するため、後に続くLBL堆積ではポリカチオン性ポリマーを第一の層として使用することが好ましい。
1つの実施態様では、上述の高エネルギー処理が、処理しようとする疎水性表面の選択された部分(吸収性物品、特にそのトップシートの任意の部分)にパターンを適用する。この目的のために、導電性マスキング材料を使用して、疎水性表面の部分を高エネルギー処理から保護して良い。2以上の電極、回転電極又は電極の断続的なスイッチングを使用して、処理の被覆率を変化させながらパターン領域を作製して良い。1つの適切な技術は、例えば、US 6,250,250 B1から既知である。本実施態様によれば、疎水性領域と親水性領域とのパターンは、高エネルギー処理を受けた部分上における選択的堆積(例えば、水素供与体ポリマー及び/又は水素受容体ポリマーあるいは交互のポリ電解質のLBL堆積)によって作製されて良い。この堆積技術は、好ましくは、親水性領域を作製するために使用され、疎水性領域は高エネルギー処理によって修飾されていない疎水性表面の部分に相当する。適切な堆積技術及び親水性領域の他の特徴(ポリマー他のタイプ、大きさ、及び厚みなど)に関しては、本願の他の部分を参照する。
本発明の1つの実施態様(A)によれば、少なくとも1つの疎水性領域は、親水性コーティング上の部分的な被覆として存在する。親水性コーティングは、好ましくは、吸収性物品の部分(トップシート)の処理しようとする表面全体を被覆する。かくして、それは連続的及び粘着コーティングを表わす。疎水性領域によって被覆されておらず、依然として露出している親水性コーティングの領域は、「少なくとも1つの親水性領域」を形成する。少なくとも1つの親水性領域は、上述の特徴を有する。
実施態様(A)及び本発明の他の実施態様では、疎水性領域は、親水性領域に、少なくとも1つの疎水性分子部分及び前記親水性コーティングと相互作用可能な少なくとも1つの官能基を有するポリマー分子を適用することによって得られて良い。この親水性コーティングは、上述のような、水素供与体及び/又は受容基を有するポリマー、又は好ましくはポリ電解質多層コーティングによって構成されて良い。
好ましい実施態様によれば、少なくとも1つの疎水性領域が、ブロックコポリマーの少なくとも1つの疎水性部分によって形成される。好ましくは、ブロックコポリマーが、基礎となる親水性コーティングの最上部の層の性質に依存して、カチオン性又はアニオン性基あるいは水素供与体又は受容基を含む少なくとも1つの親水性部分も含む。ブロックコポリマーは、ジブロック又はマルチブロックタイプであって良い。親水性部分は、好ましくは、親水性領域の形成及びLBL技術との関連で上述したようなポリカチオン性又はポリアニオン性ポリマーのポリマー部分に基づく。具体的には、親水性部分は、好ましくは、上述のポリカチオン性及びポリアニオン性ポリマーを構成するタイプのカチオン性又はアニオン性基を含む、少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーを重合させることによって得られる。ほんの僅かな非限定的な例を挙げると、カチオン性エチレン性不飽和モノマーは、アリルアミン、ビニルアミン、ビニルピリジン、アルキルアミノエチル(メタ)アクリレート、アクリルアミド、及びそれらの誘導体並びにそれらの塩から選択されて良い。アニオン性基を有するモノマーの非制限的な例は、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、又はフマル酸、スルホ又はスルファト基を有するモノマー、例えば、ビニルスルフェート、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、スチレンスルホネートなどである。
疎水性部分は、極性を有さず、特に非イオン性官能基を有するエチレン性不飽和モノマー、例えば、オレフィン(エチレン、プロピレンなど)、芳香族ビニル化合物、例えば、スチレン、又はC及びH原子からなる他のモノマーから好適に得られる。
1つの好ましい実施態様によれば、ブロックコポリマーは、ポリスチレン(PS)−ポリアクリル酸(PAA)ブロックコポリマー、特にジブロックコポリマーである。
ブロックコポリマーの分子量に関しては、特に制限は存在しないようである。より大きい分子量は堆積を促進するが、従来の溶媒における可溶性を低減させる。例えば、10,000から500,000の重量平均分子量が選択されて良い。疎水性部分と親水性部分との重量比は、達成しようとする疎水性度に従って調節して良い。一般的には、より大きい重量比の疎水性部分、特に5/1または10/1を超える比で使用することが好ましいようである。
疎水性領域の形成のために適切な1つのブロックコポリマーは、Paula T. Hammondによる上述の参照した文献に開示されており、Polysource,Inc,USから得られるポリスチレン−ポリ(アクリル酸)ジブロックコポリマー(PSブロック Mw=66500、PAAブロック Mw=4500)である。
上述のブロックコポリマーの代わりに、カチオン性又はアニオン性基あるいは水素供与体又は受容基を含む少なくとも1つの親水性側鎖がグラフト化された疎水性主鎖を含むグラフトポリマーを使用しても良い。これらのグラフトコポリマーでは、主鎖は、好ましくは、2つ以上の極性を有さないエチレン性不飽和単位、特にブタジエンなどの非イオン性基を有するモノマーを重合することによって好適に形成される。上述のように、前記モノマーは、好ましくは、要素を構成するものとして炭素及び水素からなる。部分的な加水分解によって、残存する不飽和単位の数が調節されて良い。
残存する不飽和単位上では、親水性側鎖が、アニオン性又はカチオン性基あるいは水素供与体又は水素受容体を有するエチレン性不飽和モノマーの重合によってグラフト化される。アニオン性又はカチオン性モノマーあるいは水素供与体/受容基の適切な例は、上述のものと同一である。
実施態様(A)の一態様によれば、少なくとも1つの疎水性領域が、適切なプリント工程、例えばインクジェットプリント、ロールプリント、又はマイクロコンタクトプリントによって、基礎をなす親水性コーティングに適用されて良い。小さな領域の処理については、マイクロコンタクトプリントを使用して、所望の場合はマイクロメートル又はナノメートルの正確さで非常に正確なプリントを形成して良い。適切なプリント技術の詳細は、G.Decher and J.B. Schlenoff(ibid)によって編集された「Multilayer thin films」において確認できる。
より好ましくは、少なくとも1つの疎水性領域が、
(i)少なくとも1つの疎水性部分とカチオン性又はアニオン性基を含む少なくとも1つの親水性部分とを有する上述のブロックコポリマー、あるいは
(ii)カチオン性又はアニオン性基を含む少なくとも1つの親水性側鎖がグラフト化した疎水性主鎖を含む上述のグラフトポリマー
の層の、前記親水性部分又は前記親水性側鎖に対して反対電荷を示すポリ電解質ポリマーを上層として有するポリ電解質多層に対するスタンプによって実施態様(A)で得られて良い。
上述の技術は、「ポリマーオンポリマー」スタンプとして当該技術分野において周知であり、例えば、Paula T. Hammondによる上述の参照文献、並びにUS 2003/0152703 Al (Paula T. Hammond et al . ) and X. Jiang and P. T. Hammond "Selective deposition in layer−by−layer assembly: Functional graft copolymers as molecular templates", Langmuir 2000, 16, 8501−8509 and "G. Decher and J.B. Schlenoff" (ibid, pages 282 to 299 and the references cited therein)に開示されている。
疎水性領域を形成するポリマー(以下、「疎水性ポリマー」と略称する)を適用するために使用するスタンプは、上部の領域が、作製しようとする疎水性領域のパターンに相当するパターンに配置されている三次元構造表面を有する。その様なスタンプは、当該技術分野において既知の技術、例えば、PDMS(ポリ(ジメチルシロキサン)、例えば、Sylguard,184 シリコンエラストマーキット、市販の二成分硬化性シロキサン)などの適切なポリシロキサンを用いて所望のパターンにエッチング処理されたシリコンマスタをコーティングすることによって製造して良い。
ポリマーオンポリマースタンプの一般的な手法は、US 2004/0086709 A1の図7に示されている。疎水性ポリマー、例えば、PS−b−PAAブロックコポリマーをポリ電解質多層又は単層に適用するための詳細な条件として、当該文献の明細書、特に参照によって組み込む実施例2を参照する。PS−b−PAAを使用して、THFなどの適切な有機溶媒に前記ポリマーを溶解した後に、未処理のPDMSスタンプに塗布して良い。他の疎水性ポリマーについては、当業者は、適切な溶媒及び当該溶媒中の適切なポリマー濃度を容易に決定し得る。溶媒を蒸発させた後に、好ましくは、例えば窒素気流条件下においてスタンプを乾燥させ、次いで、基材、すなわち、親水性ポリ電解質コーティングを有するおむつの部分と接触させる。
例えば秒から時間の範囲の広範なスタンプ時間が、所望の結果を生じさせて良い。Paura T.Hammondによって試験された具体的なシステムについては、10から15分のスタンプ時間が最適であると決定された。P.T.Hammondによる参照文献は、さらに、転写しようとする疎水性ポリマーのための溶媒、ポリマー濃度、及びスタンプ時間などを含むスタンプ条件がどのように調節され、スタンプ効率が変化して最適な結果を達成することを示している。P,T,Hammondのみが、アミンに基づくポリ電解質を上層(又は唯一の層)として有するポリ電解質の層にカルボン酸官能基を含む疎水性ブロックコポリマーのポリマーオンポリマースタンプを試験した場合であっても、他のイオン性基を有する疎水性ポリマーと、反対電荷の他の官能基を有する上層(唯一の層)に含まれる親水性の層との間の相互作用が、疎水性ポリマーの転写を可能にする強力な静電気的相互作用を生じさせるであろう。
適用しようとする疎水性領域の大きさに依存して、他のプリント技術、例えば、インクジェットプリント又はロールプリントを、上述の疎水性部分を有する(両親媒性)コポリマーまたは疎水性主鎖を有する(両親媒性)グラフトポリマーを提供するために使用しても良い。
本発明の1つの実施態様によれば、更に別のポリ電解質多層の1つ以上の柱を、ポリマーオンポリマースタンプ又は他のプリント技術の後に残存する親水性領域にLBLによって堆積させる。ポリ電解質多層の親水性の「柱」の当該堆積は、例えば、P.T.Hammond(et al)による上述の参照文献、例えば、US 2003/0152703 A1に開示されている。この追加のポリ電解質多層は、基礎をなすポリ電解質多層とおなじ化学組成を有して良いが、必須ではない。これらの親水性の柱の説明については(例えば、化学組成、堆積条件など)、基礎をなすポリ電解質多層に関する上述の説明を参照する。ポリ電解質多層の柱及び基礎をなすポリ電解質多層の層の総数及び全体の厚みは、好ましくは上に示した範囲を満足する。前記柱は、好ましくは、親水性の島/疎水性の海のタイプのものである。
結果として得られる表面は、水滴を捕捉するのに良好である。特に、親水性の柱の非常に小さい寸法が以下のように効果的であると解される。本発明のこの実施態様によれば、親水性の柱は、1μm以下、好ましくは100nm未満(下限は10nm以下であって良い)の直径(例えば、円又は四角形)を有する。柱の間の間隔は特に限定されないが、例えば、1μm超、例えば、10μm超から数〜1mmまでの範囲であって良い。液滴が形成されると直ぐに、おむつなどの吸収性物品の湿っぽい空気から多くの水蒸気の凝縮によって成長し始めるであろう。ある時点で、前記液滴が大きくなって、親水性の柱には付着することができず、次いで、吸収性製品の下層に容易に排出させることが可能な周囲の疎水性表面に転がり落ちる。例えば、開口フィルムを基材(トップシート)として使用して、トップシートが底部で疎水性であっても、流動体をおむつに進入させて良い。かくして、上述の表面は、空気から水蒸気を除去し、それによっておむつ内により快適な環境を作り出すことが可能である。
1つの更なる実施態様によれば、疎水性ポリマーの1つ以上の柱を、ポリマーオンポリマースタンプによって作製した疎水性領域に堆積させる。
結果として得られた表面は、皮膚に対して非常に乾燥した感覚を生じさせる。
本発明の上述の実施態様は、比較的滑らかな表面を有する吸収性物品のシート又はフィルム様の部分、例えば、ポリマーオンポリマースタンプを元も効果的に使用し得る有孔フィルムに特に適切である。
本発明の実施態様(B)によれば、吸収性物品の部分(トップシート)のコーティングは、少なくとも1つの疎水性又は少なくとも1つの親水性領域のみによって形成される。したがって、前記コーティングは、前記部分の表面全体を被覆せず、それ自体がパターンを形成する。これと関連して、用語「コーティング」は、吸収性物品の前記部分の任意のプライマー処理を含まない。
実施態様(B)の一態様によれば、少なくとも1つの親水性領域が、吸収性物品の疎水性部分にパターンを形成する。
実施態様(B)のこの態様によれば、吸収性物品の任意の疎水性部分、例えば、疎水性材料からなるトップシートを、少なくとも1つの親水性領域で被覆する前に上述の高エネルギー表面処理に供することが好ましい。この高エネルギー表面処理は、吸収性物品の基礎をなす疎水性部分に対する親水性領域(部分的なコーティング)の固定を増大させることを意図する。
基本的に、コロナ放電又はプラズマ処理のような、高エネルギー表面処理を実施する2つの技術を想到し得る。まず、高エネルギー表面処理は、一時的な(負)電荷の発生を疎水性表面上に生じさせる条件下で適用する。次いで、上述のプリント技術を、少なくとも1つの親水性領域のパターンを荷電した表面に提供するために使用する。例えば、マイクロコンタクトプリント、特に、ポリマーオンポリマースタンプも、少なくとも1つの親水性領域のパターン、特にポリ電解質のパターンの作製に使用しても良い。詳細は、G. Decher and J.B. Schlenoff(Ibid)によって編集された「Multilayer thin films」、例えば、146頁から始まる章及びこの章で引用されている文献を参照する。親水性領域を有さない疎水性表面の領域では、負電荷がしばらくして消え、それによって表面が部分的又は完全に本来の疎水性の状態に戻る傾向がある。
代替的に、高エネルギー表面処理を上述のパターンに適用する。次いで、特定のプリント工程を適用する必要は無い。親水性領域は、高エネルギー処理を受けた領域に選択的に結合して良い。さらに、疎水性部分(例えば、トップシート)の表面を、PEI又はPAHなどの適切なプライマーのパターンを適用することによって事前に処理して良い。
使用する事前の処理に関係なく、少なくとも1つの親水性領域を、ポリ電解質層、特にポリ電解質多層によって形成することが好ましい。このポリ電解質多層は、好ましくは、少なくとも1つのポリカチオン性ポリマーとポリアニオン性ポリマーとのレイヤーバイレイヤー(LBL)堆積によって得られる。これと関連して、適切な堆積条件、使用するポリ電解質、及び他の特徴に関するLBL堆積について上述した事項を参照して良い。
上の段落は、おむつの疎水性部分に少なくとも1つの親水性領域のパターンを選択的に適用するための技術を説明した。連続的な親水性コーティングの選択的な溶解を使用して、同じ目的を達成しても良い。これは以下により詳細に記載する。
したがって、吸収性物品の任意の疎水性部分、例えば、疎水性材料からなるトップシートは、上述の高エネルギー表面処理又はプライマー処理に任意に供される。次いで、好ましくは、水素供与体及び/又は受容体ポリマーあるいはポリ電解質、つまりポリアニオン性及び/又はポリカチオン性ポリマーのLBL堆積によって、連続的な親水性コーティングを形成する。この親水性コーティングは、上述の条件下で形成され、好ましくは、上述の特徴を示す。好ましくは、親水性コーティングは、上述の水素受容体ポリマー及び酸性基を含む水素供与体ポリマーのいずれかを含む。その様な水素供与体ポリマーは、上述のポリマーの種類で選択されて良く、ポリアクリル酸及びポリメタクリル酸の使用が好ましい。これらの水素供与体及び水素受容体ポリマーは、水素供与基がそれらの非イオン化形態で存在し、そのため水素結合の形成が得られる酸性条件下で堆積させる。PAA及びPAAmを使用して、浸ける溶液及びすすぐ溶液の双方のpHを、例えば、HClを用いて3.0に調節する。塩を前記溶液に添加しない。
以下の工程では、親水性コーティングを水又は水溶液、好ましくは堆積を進行させるpHよりも高いpH(好ましくは、少なくとも1.5pH単位、好ましくは少なくとも3pH単位の差)を有する緩衝水溶液に接触させることによって、選択された領域のパターンを処理する。前記水溶液の好ましいpH値は、例えば、4.5から9、特に、6から8である。PAA/PAAm多層は、例えば、pH4.5以上の水溶液に即時に溶解し、又はpH7.0のリン酸緩衝溶液ではより急速に溶解する。インクジェットプリントは、水溶液、特に緩衝水溶液のパターンを正確に適用するために適切である。詳細は、G. Decher and J.B. Schlenoff(Ibid)によって編集された「Multilayer thin films」、例えば、148頁から始まる章及びこの章で引用されている文献を参照する。この文献の150ページの図5.11は、減法インクジェットプリント工程をより図式的に開示する。
インクジェットプリントの後に、親水性コーティングを乾燥させ、例えば、上述の熱架橋工程によって架橋する。(緩衝)水溶液は水素供与基、例えば、カルボキシ基をイオン化するため、残存する(プリントされていない)領域はそのままの状態であり、架橋する傾向がある。
以下の工程では、コーティングの非架橋(すなわち、プリントされた)領域を水で洗浄し、それによって吸収性物品の被覆した部分(例えば、トップシート)の疎水性表面を新たに露出させる。
適切な疎水性材料に関しては、合成繊維に関連して開示されたポリマーの種類を含む、トップシート材料についての上述の事項を参照して良い。好ましい疎水性材料は、ポリオレフィン、例えば、ポリエチレン又はポリプロピレンホモ又はコポリマー及び好ましくはそれらを重量において主要な成分として含有するポリマー組成物である。
実施態様(B)の第二の態様によれば、少なくとも1つの疎水性領域が、吸収性物品の親水性部分上のパターンを形成する。
親水性部分は、例えば、トップシート、又は吸収層とトップシートとの間の天然繊維、特にセルロースパルプとして存在するセルロース性繊維からなる層(「少なくとも1つの更なる層」)であって良い。代替的に、トップシートと関連して開示した上述の疎水性材料は、疎水性領域のパターンを適用する前に、親水性化処理に供される。
適切な親水性化処理は、界面活性剤の適用、又は上述のプライマー処理を含む。パターンを生じさせる少なくとも1つの疎水性領域が、好ましくは、上述のプリント技術の1つによって適用される。少なくとも1つの疎水性領域は、好ましくは、ブロックコポリマーの少なくとも1つの疎水性部分又は疎水性主鎖を含むグラフトポリマーによって形成される。この目的のために、ポリマーオンポリマースタンプと関連して上述したものと同じブロックコポリマー又はグラフトポリマーを使用して良い。
どの様な特徴(材料、条件、及び用途など)が好ましいものとして参照されても、本願の開示は、それによって矛盾が生じない限り、少なくとも2つのこの様な特徴の組み合わせまで拡張されることが理解されるべきである。
より好ましい実施態様
より好ましい実施態様によって本発明を説明する。これらの実施態様は、本発明を実施するために有利に使用される特徴の組み合わせを反映する。
実施態様1
吸収性物品、例えば、おむつのトップシート(例えば、ポリエチレン不織布又は開口フィルム)又は同様の部分を、任意にコロナ処理又はプラズマ処理して、一時的に負電荷を生じさせた。この処理は、トップシート全体又はトップシートの一部分(濡れている部分、トップシートの中部3分の1)に亘って適用されて良い。任意に処理したポリエチレン不織布又はフィルムをPEI及びPAA溶液に浸けて(又はスプレー、プリント、ロールコーティングして、PEI(ポリエチレンイミン)とPAA(ポリアクリル酸)との交互の自己集合性の層を形成する。少なくとも1つの、好ましくは少なくとも2つの相が適用される。すすぎ工程を、コーティング段階の間に使用して良く、必要であれば過剰なポリマーを除去して良い。代替的には、PEIの代わりに、ポリアリルアミン塩酸(PAH)又は任意の他のアミン系ポリマーを使用して良い。コーティング工程は、PEI又はポリアミン層の堆積によって終了する。
次いで、PEIまたはポリアミノ表面に対する適切なブロックコポリマー、例えば、PAA−PSのポリマーオンポリマースタンプによって、疎水性領域のパターンを生じさせる。結果として得られた表面は、親水性領域に水滴を固定することが可能である。
実施態様2
実施態様1で作製したパターンを有する表面に、親水性領域上におけるポリ電解質多層の更なる堆積によって、親水性の柱を形成して良い。この目的のために、LBL技術と関連して上述したものと同じポリアニオン性及びポリカチオン性ポリマー及び対応する堆積条件を使用して良い。
結果として得られる表面は、十分に大きくなった際に表面へと転がり落ちる水滴を捕捉するために良好である。さらに、これらの表面は、空気から水蒸気を除去して、おむつ内のより快適な環境を作り出すことが可能である。この場合において、開口フィルムを基材として使用して、トップシートが底部において疎水性であっても、流動体をおむつに進入させて良い。
実施態様3
疎水性の基材、例えば、トップシートとして使用されるポリオレフィンに基づく不織布又は有孔フィルムは、高エネルギー表面処理(例えば、コロナ放電)に任意に供されて、表面全体に(負の)表面電荷を生じさせる。好ましくは、負電荷の一時的な形成を生じさせる高エネルギー処理のための条件を選択する。
正に荷電したポリマーとして、好ましくは、上述のポリカチオン性ポリマーの1つを、所望のパターンにおいてプリント工程によって適用する。好ましいプリント工程は、達成する高い正確性の観点から、微細なパターンのためのインクジェットプリントであるが、他のプリント工程、例えば、ロールプリントをより大きなパターンに使用して良い。非常に小さいパターンを作製するために、マイクロコンタクトプリント(ポリマーオンポリマースタンプ)を使用して良い。水溶液からのポリカチオン性ポリマーの堆積後に、基材を任意に水ですすぐ。
所望の場合には、反対電荷の第二のポリマー層、つまり、ポリアニオン層を、その水溶液に基材を浸けるか又はスプレー、ロールコーティングなどによって適用して良い。ポリアニオン性ポリマーは、プリントした領域にのみ接着するであろう。
結果として得られるポリ電解質二層パターンを有する基材を、任意に水で再びすすぐ。この堆積サイクルを繰り返して、更なる層を作製する。
更なる堆積サイクルを実施する場合には、基材をポリカチオン性ポリマー溶液に新しく接触させる前に、疎水性の基材上の負電荷が消えるのを待つことが好ましい。この前提条件下において、ポリカチオン性ポリマーが、最上層としてポリアニオン性ポリマーを有する多層パターンに最大の接着を示すであろう。
他の疎水性の基材、例えば、ポリオレフィン系有孔フィルム材料を同じ様式で処理して良い。
実施態様4(選択的な溶解及び架橋)
実施態様3に例示した疎水性の基材を、高エネルギー表面処理、例えば、コロナ放電処理に任意に供して、負の表面電荷を生じさせる。
基材を、塩酸でpH3に調節したポリ(アクリル)酸の水溶液及びポリ(アクリルアミド)の水溶液に次々に浸けて、PAA及びPAAmの交互の層を作製する。その層を任意に塩酸の希釈溶液(pH3.0)で任意にすすいで、過剰なポリマーを除去して良い。
所望の数の層を適用した後に、除去するために選択した領域のパターンを、3.0より高いpHを有する水溶液/水と接触させる。好ましくは、中性の水又はpH7の緩衝液(例えば、リン酸環漿液)を使用する。原則として、除去する領域の大きさに依存して、架橋工程の前に、例えば、集中的な水の噴出によって、水溶液/水との接触及び除去を1つの工程で実施して良い。
しかしながら、一般的には、まずコーティングを乾燥及び架橋工程に供することが好ましい。架橋は、被覆した基材を90℃に少なくとも8時間に亘って加熱することによって熱的に生じさせて良い。この架橋工程の間において、水と接触していないコーティング領域のみが、無水物又はイミド結合の形成などの架橋化学反応を起こすことが可能である。
続いて、コーティングを水で洗浄して、水と事前に接触していない非架橋領域を除去し、それによって基礎をなす疎水性の基材を露出させる。この様式において、少なくとも1つの親水性及び疎水性領域のパターンが形成されて良い。この工程の詳細に関しては、G. Decher and J.B. Schlenoff(Ibid)によって編集された「Multilayer thin films」及びここに引用されている文献を参照して良い。
親水性化高エネルギー表面処理にもかかわらず、表面上に生じた(負)電荷が、時間の経過と共に消える傾向があり、表面が本来の疎水性状態に戻るか又は近くなることに注意すべきである。
実施態様5
処理した基材(例えば、親水性の不織布又はティッシュペーパー)が本来親水性である場合には、高エネルギー表面処理は必要ではない。次いで、親水性/疎水性パターンは、少なくとも1つの疎水性領域を有する適切なブロックポリマー又は疎水性の主鎖を含むグラフトポリマーの最終的な層を、連続するポリ電解多層コーティングに対して、1つのパターンで選択的に適用することによって達成して良い。親水性ポリマーは、ポリマーオンポリマースタンプとの関連で上述したポリマーによって例示されて良い。前記親水性ポリマーは、反対電荷を示すことによって上部のポリ電解質ポリマー層に選択的に結合する官能基、例えば、カチオン性又はアニオン性基を好ましく含む。
実施態様6(パターン化コロナ処理)
(任意に有孔の)ポリエチレン系不織布又は有孔フィルム、好ましくはトップシートの製造に使用するタイプのものを、高エネルギー表面処理、例えば、コロナ放電又はプラズマ処理に供して、疎水性表面上に負電荷のパターンを作り出す。前記パターンは、好ましくは、処理した領域が穿孔を包み込むか又は取り囲むような様式で穿孔に一致するように適用する。
結果として得られた不織負又はフィルムを、次いで、適切なポリカチオンポリマー、例えばポリアクリル酸(PAA)の水溶液、及びポリアニオン性ポリマー、例えばポリ(アリルアミン塩酸)(PAH)の水溶液に交互に浸けて、少なくとも2つのコーティング層を堆積させる。各々の水溶液に浸ける工程の後に、不織布又はフィルムを水で任意にすすぐ。この堆積サイクルを繰り返して、所望の数の層を形成して良い。最終的な堆積工程の後に、不織布又はフィルムを再び水で任意にすすぎ、次いで乾燥させる。

Claims (26)

  1. おむつ、おむつパンツ、パンティーライナー、サニタリーナプキン、又は失禁防汚用品などの吸収性物品であって、当該吸収性物品の少なくとも一部分が、少なくとも1つの親水性領域と少なくとも1つの疎水性領域とのパターンを含み、前記少なくとも1つの親水性領域及び/又は前記少なくとも1つの疎水性領域が、吸収性物品の前記部分上にコーティングとして存在することを特徴とする、吸収性物品。
  2. 前記部分が液体透過性カバーシートである、請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記パターンが規則的である、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
  4. 前記少なくとも1つの疎水性領域が、少なくとも1つの親水性領域の面に対して上部にある、請求項1から3のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  5. 前記親水性領域が1つの連続する疎水性領域に取り囲まれている、請求項1又は4に記載の吸収性物品。
  6. 前記親水性領域が円の形状を有する、請求項5に記載の吸収性物品。
  7. 前記親水性領域又は疎水性領域の少なくとも一部分が100μm未満の直径を有する、請求項1、4、5、又は6に記載の吸収性物品。
  8. 前記パターンを含む吸収性物品の部分が、規則的なパターンの穿孔を有する有孔プラスチックフィルム又は不織布であり、親水性領域が前記穿孔に一致して適用されている、請求項2に記載の吸収性物品。
  9. 前記少なくとも1つの親水性領域が、ポリ電解質の層、特にポリ電解質の多層によって形成される、請求項1から8のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  10. 前記親水性領域が、水素供与基を含む少なくとも1つのポリマー及び/又は水素受容基を含む少なくとも1つのポリマーによって形成される、請求項1から8のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  11. 前記ポリ電解質の多層が、少なくとも1つのポリカチオン性ポリマーと少なくとも1つのポリアニオン性ポリマーとのレイヤーバイレイヤー(LBL)堆積によって得られる、請求項9に記載の吸収性物品。
  12. 前記ポリカチオン性ポリマーが、カチオン性又はカチオン変性ポリサッカリド、ポリアリルアミンホモ又はコポリマー、ポリビニルアミンホモ又はコポリマー、あるいはポリエチレネミンから選択される、請求項11に記載の吸収性物品。
  13. 前記ポリアニオン性ポリマーが、(メタ)アクリル酸ホモ又はコポリマー、及びアニオン性又はアニオン変性ポリサッカリド誘導体から選択される、請求項11に記載の吸収性物品。
  14. 前記親水性領域を構成するポリマーが架橋されている、請求項9から13のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  15. 前記少なくとも1つの疎水性領域が、吸収性物品の前記部分が有する親水性コーティング上の部分的なコーティングとして存在し、少なくとも1つの疎水性領域によって被覆されていない親水性コーティングの領域が、少なくとも1つの親水性領域を形成する、請求項1から14のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  16. 前記少なくとも1つの疎水性領域が、ブロックコポリマーの少なくとも1つの疎水性部分又は疎水性の主鎖を含むグラフトポリマーによって形成される、請求項1から15のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  17. 前記少なくとも1つの親水性領域及び少なくとも1つの疎水性領域のパターンが、(i)少なくとも1つの疎水性部分とカチオン性又はアニオン性基を含む少なくとも1つの親水性部分とを有するブロックコポリマー、あるいは(ii)カチオン性又はアニオン性基を含む少なくとも1つの親水性側鎖がグラフト化された、疎水性の主鎖を含むグラフトポリマーの層を、ポリ電解質の層、特に前記親水性部分又は親水性側鎖に対して反対電荷を示すポリ電解質ポリマー層を上層として有する多層の上にスタンプすることによって得られる、請求項1から9及び11から13のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  18. 更に別のポリ電解質多層の1つ以上の柱が、少なくとも1つの親水性領域に堆積されている、請求項15又は17に記載の吸収性物品。
  19. 少なくとも1つの親水性領域が、吸収性物品の疎水性部分上でパターンを形成する、請求項1から14のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  20. 前記吸収性物品の疎水性部分が、少なくとも1つの親水性領域でコーティングする前に、高エネルギー表面処理に供される、請求項19に記載の吸収性物品。
  21. 前記高エネルギー処理がパターン形状で適用される、請求項20に記載の吸収性物品。
  22. 前記少なくとも1つの親水性領域が、水素供与基を有する1つの中性ポリマーと水素受容基を有する1つの中性基との交互の層によって形成される、請求項20に記載の吸収性物品。
  23. 前記少なくとも1つの親水性領域が、架橋された親水性ポリマーを含む、請求項20又は22に記載の吸収性物品。
  24. 少なくとも1つの疎水性領域が、吸収性物品の親水性部分上にパターンを形成する、請求項1から7及び16のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  25. おむつ、おむつパンツ、パンティーライナー、サニタリーナプキン、又は失禁防汚用品などの吸収性物品用の液体透過性カバーシートであって、当該カバーシートが、少なくとも1つの親水性領域と少なくとも1つの疎水性領域とのパターンを含み、前記少なくとも1つの親水性領域及び/又は前記少なくとも1つの疎水性領域が、吸収性物品の前記部分上のコーティングとして存在することを特徴とする、吸収性物品用の液体透過性カバーシート。
  26. 前記コーティングが請求項2から24のいずれか一項に規定のものである、請求項25に記載のカバーシート。
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