JP2009504650A - Tpo受容体と結合するペプチドの使用 - Google Patents

Tpo受容体と結合するペプチドの使用 Download PDF

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Abstract

トロンボポイエチン受容体(c−mplまたはTPO−R)と結合してそれを活性化するか或は他の様式でTPO作動薬として働くペプチドおよび化合物を開示する。

Description

関連出願との関係
2004年8月13日付けで出願した米国出願連続番号10/918,561の一部継続出願である本出願は、米国出願連続番号10/918,561および60/498,740(これらの内容は全体が引用することによって本明細書に組み入れられる)に対する優先権を主張するものである。
本発明は、トロンボポイエチン受容体(c−mplまたはTPO−R)と結合してそれを活性化させるか或はさもなければTPO作動薬として働くペプチド化合物を提供するものである。本発明は、生化学および医薬化学の分野に用途を有し、特に人の病気の治療で用いるためのTPO作動薬を提供するものである。
巨核球は骨髄由来細胞であり、循環する血小板の産生に関与している。大部分の種でそれらが骨髄細胞を構成している度合は<0.25%であるが、それの体積は典型的な骨髄細胞の体積の>10倍である。非特許文献1を参照。巨核球は核内***として知られるプロセスを起こすことで、それらは核を複製するが、細胞***を起こさず、それによって倍数細胞がもたらされる。血小板の数が減少すると、それに反応して核内***速度が増し、倍数性がより高い巨核球が生じかつ巨核球の数が3倍にまで多くなる可能性がある。非特許文献2を参照。逆に、血小板の数が多くなると、それに反応して核内***速度が低下し、倍数性がより低い巨核球が生じかつ巨核球の数が50%まで少なくなる可能性がある。
循環している血小板の質量によって核内***速度および骨髄巨核球数が調節される正確な生理学的フィードバック機構は未知である。そのようなフィードバックループの媒介に関与する循環しているトロンボポイエチン因子はトロンボポイエチン(TPO)であると現在のところ考えられている。より具体的には、TPOは血小板減少症を伴う状況における主ホルモン調節因子であることが示された。例えば非特許文献3を参照。いくつかの研究で、TPOは血小板数を増加させ、血小板の大きさを増大させかつ受容動物の血小板への同位体取り込みを向上させることが示された。具体的には、TPOは巨核球形成に下記のいくつかの様式で影響を与えると考えられている:(1)それが巨核球の大きさおよび数を増加させること、(2)それが巨核球の中の倍数形態のDNA含有量を多くすること、(3)それが巨核球核内***を増加させること、(4)これが巨核球の成熟を早めること、そして(5)それが骨髄の中のアセチルコリンエステラーゼ陽性小細胞の形態の前駆体細胞のパーセントを高くすること。
血小板(トロンボサイト)は血液の凝固に必要である。それの数が非常に低いと、そのような患者は重篤な出血によって死亡する重大な危険状態になる。従って、TPOはいろいろな血液学的疾患、例えば主に血小板欠乏が原因の病気などの診断および治療の両方で潜在的に有用な用途を有する。TPOを用いた進行中の臨床試験によって、TPOを患者に安全に投与することができることが示された。加うるに、最近の研究によって、血小板減少症の治療、特に癌またはリンパ腫を治療する時の化学療法、放射線療法または骨髄移植の結果としてもたらされる血小板減少症を治療する時にTPO治療が有効であると言った予測の基礎が与えられた。例えば非特許文献4を参照。
TPOをコードする遺伝子のクローン化および特徴付けが行われた。非特許文献1、5、6、7および8を参照。トロンボポイエチンは糖蛋白質であり、見かけ分子質量が25kDaおよび31kDaの少なくとも2つの形態を伴うが、共通のN末端アミノ酸配列を
有する。非特許文献5を参照。トロンボポイエチンは潜在的Arg−Arg開裂部位で分離されている2つの個別領域を有すると思われる。アミノ末端領域はヒトおよびマウスで高度に保存される領域であり、エリスロポイエチンおよびインターフェロン−aおよびインターフェロン−bとある程度の相同性を示す。カルボキシ末端領域は幅広い種間相違を示す。
ヒトTPO−R(またc−mplとしても知られる)のDNA配列およびコードされたペプチド配列が記述された。非特許文献9を参照。TPO−Rは、ヘマトポイエチン成長因子受容体ファミリー、即ち細胞外ドメインの共通構造デザイン[N末端部分の中の4個の保存C残基および膜貫通領域近くに位置するWSXWSモチーフ(配列識別番号1)を包含]を有することを特徴とするファミリーの一員である。非特許文献10を参照。そのような受容体が造血で機能的役割を果たすと言った証拠には、それの発現がマウスでは脾臓、骨髄または胎児肝臓に限定され(非特許文献11を参照)そしてヒトでは巨核球、血小板およびCD34+細胞に限定される(非特許文献12を参照)と言った観察が含まれる。その上、mpl RNAに対してアンチセンスの合成オリゴヌクレオチドにCD34+細胞を接触させると、赤血球のコロニー形成にも骨髄細胞のコロニー形成にも影響が生じることなく巨核球コロニーの発現が有意に抑制される。数人の研究者は、その受容体はG−CSFの受容体およびエリスロポイエチンの受容体を用いた時の状況と同様にホモ二量体として機能すると仮定している。
クローン化したTPO−R遺伝子を利用することができると、そのような重要な受容体の作動薬の研究が助長される。組換え型受容体蛋白質を利用することができると、いろいろな無作為および半無作為的なペプチドの多様な発生系における受容体−リガンドの相互作用を研究することが可能になる。そのような系が特許文献1、2、3、4、5、6および7および非特許文献13に開示されている(前記特許出願および出版物は各々引用することによって本明細書に組み入れられる)。
血小板減少症に苦しんでいる患者では血小板濃度回復の速度が遅いことが重大な問題であり、血小板再生を加速させ得る血液成長因子作動薬を見つけだすことが緊急に求められている。本発明はそのような作動薬を提供するものである。
米国特許第6,251,864号 米国特許第6,083,913号 米国特許第6,121,238号 米国特許第5,932,546号 米国特許第5,869,451号 米国特許第5,506,362号 米国特許第6,465,403号 Kuter他、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:11104−11108(1994) Harker、J.Clin.Invest.、47:458−465(1968) Metcalf、Nature、369:519−520(1994) McDonald、Am.J.Ped.Hematology/Oncology、14:8−21(1992) Barley他、Cell 77:1117−1124(1994) Kaushansky他、Nature 369:568−571(1994) Wendling他、Nature 369:571−574(1994) Sauvage他、Nature 369:533−538(1994) Vigon他、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、89:5640−5644(1992) Bazan、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、87:6934−6938(1990) Souri他、Cell 63:1137−1147(1990) Methia他、Blood 82:1395−1401(1993) Cwirla他、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、87:6378−6382(1990)
発明の要約
本発明は、TPO−Rと強力に結合する特性を有し、TPO−Rを活性化させる能力を有し、かつ、もたらし得る副作用の度合が公知TPO作動薬に比べて低い限定された低分子量ペプチド化合物に向けたものである。従って、本ペプチド化合物はTPOが媒介する病気(例えば化学療法、放射線療法または骨髄移入の結果としてもたらされる血小板減少症)を治療する時の治療目的ばかりでなく造血機構を研究する時の診断目的および巨核球および前駆細胞のインビトロ拡張(in vitro expansion)の目的で用いるに有用であり得る。
治療および/または診断目的で用いるに適切であるペプチド化合物は、それらを例えば米国特許第5,868,451号の実施例3に示されている結合親和性アッセイなどで測定した時のIC50が約2mM以下の化合物であり、ここで、IC50が低いことはTPO−Rに対する結合親和性が高いことと相互に関係している。米国特許第5,868,451号に示されているアッセイは下記の通りである:ペプチド化合物が示す結合親和性を競合結合アッセイで測定する。ミクロタイタープレートのウェルに1mgのストレプトアビジンを用いた被覆を受けさせ、PBS/1%BSAを用いたブロッキングを受けさせた後、ビオチニル化抗−受容体固定化抗体(Ab179)を50ng添加する。次に、前記ウェルを可溶TPO−R収穫物の1:10希釈液で処理する。いろいろな濃度のペプチド化合物を一定量の短縮型TPO[マルトース結合蛋白質のC末端と融合している残基1−156(MBP−TPO156)からなる]と混合する。そのペプチドMBP−TPO156混合物を前記TPO−R被覆ウェルに加え、4℃で2時間インキュベートした後、PBSで洗浄する。平衡状態で結合しているMBP−TPOの量を、MBPに対するウサギ
抗血清を加え、次いでアルカリ性ホスファターゼ複合化ヤギ抗−ウサギIgGを添加することにより測定する。次に、各ウェルの中のアルカリ性ホスファターゼの量を標準的方法で測定する。このアッセイをある範囲のペプチド化合物濃度範囲に渡って実施し、その結果をグラフ(y軸が結合したMBP−TPOの量を表しそしてx軸がペプチド化合物の濃度を表す)にする。次に、当該ペプチド化合物が固定化TPO−Rと結合するMBP−TPOの量を50%減少させる時の濃度(IC50)を決定することができる。そのようなアッセイ条件を用いる時には、当該ペプチドが示す解離定数(Kd)は測定IC50と同様であるべきである。製薬学的目的のペプチド化合物が示すIC50は好適には約100μM以下、より好適には500nM以下である。好適な態様におけるペプチド化合物が示す分子量は約250から約8,000ダルトンである。本発明のペプチド化合物にオリゴマー化、二量化および/または誘導体化を本明細書に記述する如き親水性重合体を用いて受けさせると、前記ペプチド化合物の分子量が実質的に高くなり、約500から約120,000ダルトン、より好適には約8,000から約80,000ダルトンの範囲の中のどこかになり得る。
本発明のペプチド化合物を診断の目的で用いる場合、好適には、これに検出可能標識による標識を付け、従って、そのような標識を付けていない本ペプチド化合物を標識付きペプチド化合物を調製する時の中間体として用いる。
分子量およびTPO−Rへの結合親和性に関して規定した判断基準を満たすペプチド化合物が含有するアミノ酸の数は9以上であり、そのアミノ酸は天然に存在するアミノ酸または合成(天然には存在しない)アミノ酸である。
従って、好適なペプチド化合物には、
(1)分子量が約5000ダルトン未満であり、かつ
(2)TPO−Rに対する結合親和性がIC50により表したとき約100μM以下である、
化合物およびこれの生理学的に受け入れられる塩が含まれ、ここでは、
−CHOC(O)NR−結合、ホスホネート結合、−CHS(O)NR−結合、−CHNR−結合および−C(O)NR−結合および−NHC(O)NH−結合[ここで、Rは水素または低級アルキルでありそしてRは低級アルキルである]から成る群から選択された結合に置き換える前記ペプチド化合物が有する−C(O)NH−結合の数をゼロから結合の総数にし、更にここでは、
前記ペプチド化合物のN末端を−NRR基、−NRC(O)R基、−NRC(O)OR基、−NRS(O)R基、−NHC(O)NHR基、スクシニミド基、ベンジルオキシカルボニル−NH−基、およびフェニル環上に低級アルキル、低級アルコキシ、クロロおよびブロモから成る群から選択される置換基を1から3個有するベンジルオキシカルボニル−NH−基[ここで、RおよびRは、独立して、水素および低級アルキルから成る群から選択される]から成る群から選択し、更にその上ここでは、
前記ペプチド化合物のC末端に式−C(O)R[式中、Rは、ヒドロキシ、低級アルコキシおよび−NR(ここで、RおよびRは、独立して、水素および低級アルキルから成る群から選択され、そしてここで、−NR基の窒素原子は、場合により、環式ペプチドを形成するように当該ペプチドのN末端のアミン基であってもよい)から成る群から選択される]を持たせる。
関連した態様において、本発明は、この上に記述した如きペプチド化合物が検出可能な標識と共有結合している標識付きペプチド化合物に向けたものである。
1つの態様における中心のペプチド化合物は、アミノ酸:(配列識別番号2)

GX

[ここで、XはA、C、E、G、I、L、M、P、R、Q、S、TまたはVであり、そしてXはA、C、D、E、K、L、Q、R、S、TまたはVであり、そしてXはβ−(2−ナフチル)アラニン(本明細書では「2−Nal」と呼ぶ)残基である]
で表される配列を含有して成る。より好適には、XはAまたはIであり、そしてXはD、EまたはKである。更に、XはC、L、M、P、Q、Vであり、XはF、K、L、N、Q、R、S、TまたはVであり、XはC、F、I、L、M、R、S、VまたはWであり、Xは、遺伝的にコードされる20種のL−アミノ酸の中のいずれかであり、XはA、D、E、G、K、M、Q、R、S、T、VまたはYであり、そしてXはC、G、I、K、L、M、N、RまたはVである。
特に好適なペプチド化合物は、アミノ酸配列IEGPTLRQ(2−Nal)LAAR(Sar)[ここで、(2−Nal)はβ−(2−ナフチル)アラニンでありそして(Sar)はサルコシンである](配列識別番号7)を含有する。
別の態様では、本発明のペプチド化合物を好適には二量体またはオリゴマーにすることで、本化合物が示す親和性および/または活性を向上させる。好適な二量体化ペプチド化合物の例には、これらに限定するものでないが、下記:
Figure 2009504650
[ここで、X10はサルコシンまたはβ−アラニン残基である](配列識別番号7)が含まれる。前記構造はまた下記の構造:(H−IEGPTLRQ(2−Nal)LAARX10K−NHでも表され得る。
10がサルコシンの場合の化合物は下記の構造;
Figure 2009504650
[ここで、(2−Nal)はβ−(2−ナフチル)アラニンでありそして(Sar)はサルコシンである](配列識別番号7)で表される。このペプチド化合物[これはまた下記の構造(H−IEGPTLRQ(2−Nal)LAAR(Sar))K−NHでも表され得る]を本明細書では「TPO化合物番号1」と呼ぶ。
さらなる態様において、本発明で用いる好適なペプチド化合物には、多様な親水性重合体の中の1種以上と共有結合されているペプチド化合物が含まれる。適切な親水性重合体には、これらに限定するものでないが、米国特許第5,869,451号(これの内容は全体が引用することによって本明細書に組み入れられる)に記述されているように、ポリアルキルエーテル(これの例はポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコール
である)、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリオキシアルケン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、セルロースおよびセルロース誘導体、デキストランおよびデキストラン誘導体などが含まれる。
本明細書に記述するペプチド化合物は、TPOが媒介する病気の予防および治療、特に血液学的疾患の治療で用いるに有用であり、そのような疾患には、これらに限定するものでないが、化学療法、放射線療法または骨髄移入の結果としてもたらされる血小板減少症が含まれる。従って、本発明は、また、TPO作動薬による治療に反応する疾患を有する患者に本発明のペプチド化合物を治療的に有効な用量もしくは量で与えるか或は投与する治療方法も提供する。
本発明は、また、本明細書に記述するペプチド化合物の中の1種以上および生理学的に受け入れられる担体を含有して成る製薬学的組成物も提供する。そのような製薬学的組成物の形態はいろいろであり、それには、経口投薬形態物ばかりでなく吸入可能粉末および溶液、および注射可能もしくは輸液可能溶液が含まれ得る。
具体的態様の説明
I. 定義および一般的パラメーター
以下の定義は本明細書に示す発明の記述で用いるいろいろな用語の意味および範囲を説明しかつ定義する目的で示すものである。
「作動薬」は、生物学的活性を示す相補的受容体と結合して後者を活性化させることで前記受容体に生物学的反応を引き起こさせるか或は前記受容体が前以て有する生物学的活性を向上させる生物学的活性を示すリガンドを指す。
「ペプチド化合物」は、加水分解を起こしてアミノ酸および/またはアミノ酸誘導体および/またはアミノ酸置換基になる分子を指す。
「製薬学的に受け入れられる塩」は、製薬学的産業で通常用いられる無毒のアルカリ金属、アルカリ土類金属およびアンモニウム塩を指し、それにはナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、バリウム、アンモニウムおよびプロタミン亜鉛塩が含まれ、それらの調製を本技術分野で良く知られた方法を用いて実施する。その用語には、また、無毒の酸付加塩も含まれ、それらを一般的には本発明の化合物を適切な有機もしくは無機酸と反応させることで生じさせる。代表的塩には、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、酢酸塩、しゅう酸塩、吉草酸塩、オレイン酸塩、ラウリン酸塩、ホウ酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、燐酸塩、トシル酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、こはく酸塩、酒石酸塩、ナプシル酸塩などが含まれる。
「製薬学的に受け入れられる酸付加塩」は、遊離塩基が有する生物学的効果および特性を保持していて生物学的または他の様式で望ましい塩を指し、それらを、無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、燐酸など、および有機酸、例えば酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、しゅう酸、リンゴ酸、マロン酸、こはく酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸などを用いて生じさせる。プロドラッグとしての製薬学的に受け入れられる酸付加塩の説明に関しては上記Bundgaard,H.を参照のこと。
「製薬学的に受け入れられるエステル」は、エステル結合が加水分解を起こした時にカルボン酸もしくはアルコールの生物学的効果および特性を保持しかつ生物学的または他の様式で望ましいエステルを指す。プロドラッグとしての製薬学的に受け入れられるエステ
ルの説明に関しては、Bundgaard,H.編集、Design of Prodrugs、Elsevier Science Publishers、Amsterdam(1985)を参照のこと。そのようなエステルを典型的には相当するカルボン酸とアルコールから生じさせる。一般的には、通常の合成技術を用いてエステルの生成を達成することができる[例えばMarch、Advanced Organic Chemistry、第4版、John Wiley & Sons、New York(1992)、393−396およびそこに引用されている文献、およびMark他、Encyclopedia of Chemical Technology、John Wiley & Sons、New York(1980)を参照のこと]。そのようなエステルのアルコール成分には、一般に、(i)二重結合を1個以上含有していてもよいか或は含有していなくてもよくかつ分枝炭素を含有していてもよいか或は含有していなくてもよいC−C12脂肪族アルコール、または(ii)C−C12芳香族もしくは複素環芳香族アルコールが含まれる。本発明は、また、本明細書に記述する如きエステルである組成物の使用と同時にそれの製薬学的に受け入れられる酸付加塩である組成物の使用の両方を意図する。
「製薬学的に受け入れられるアミド」は、アミド結合が加水分解を起こした時にカルボン酸もしくはアミンの生物学的効果および特性を保持しかつ生物学的または他の様式で望ましいアミドを指す。プロドラッグとしての製薬学的に受け入れられるアミドの説明に関しては、Bundgaard,H.編集、Design of Prodrugs、Elsevier Science Publishers、Amsterdam(1985)を参照のこと。そのようなアミドを典型的には相当するカルボン酸とアミンから生じさせる。一般的には、通常の合成技術を用いてアミドの生成を達成することができる[例えばMarch、Advanced Organic Chemistry、第4版、John Wiley & Sons、New York(1992)、393頁およびMark他、Encyclopedia of Chemical Technology、John Wiley & Sons、New York(1980)を参照のこと]。本発明は、また、本明細書に記述する如きアミドである組成物の使用と同時にそれの製薬学的に受け入れられる酸付加塩である組成物の使用の両方を意図する。
「製薬学的もしくは治療的に受け入れられる担体」は、有効成分が有する生物学的活性の有効さを妨害せずかつ宿主または患者にとって無毒である担体媒体を指す。
「立体異性体」は、もう一方と同じ分子量、化学的組成および構成を有するが原子の集まりが異なる化学的化合物を指す。即ち、特定の同じ化学部分が空間的に異なる配向にあり、従って、それが高純度の場合、偏光面を回転させる能力を有する。しかしながら、ある種の高純度立体異性体が示す旋光は、現在の装置を用いたのでは検出不能であるほど非常に僅かのみであり得る。本発明の化合物は不斉炭素原子を1個以上有する可能性があり、従って、いろいろな立体異性体を包含する。あらゆる立体異性体を本発明の範囲内に含める。
本発明の組成物に用いる如き「治療的もしくは製薬学的に有効な量」は、所望の生物学的結果を誘発するに充分な組成物量を指す。そのような結果は、病気の兆候、症状または原因の軽減、または生物学的系の他の所望改変のいずれかであってもよい。本発明における結果は、典型的に、感染または組織損傷に対する免疫学的および/または炎症反応の低下を伴うであろう。
ペプチドの中のアミノ酸残基を下記の如き省略形で示す:フェニルアラニンはPheまたはFであり、ロイシンはLeuまたはLであり、イソロイシンはIleまたはIであり、メチオニンはMetまたはMであり、バリンはValまたはVであり、セリンはSer
またはSであり、プロリンはProまたはPであり、トレオニンはThrまたはTであり、アラニンはAlaまたはAであり、チロシンはTyrまたはYであり、ヒスチジンはHisまたはHであり、グルタミンはGlnまたはQであり、アスパラギンはAsnまたはNであり、リシンはLysまたはKであり、アスパラギン酸はAspまたはDであり、グルタミン酸はGluまたはEであり、システインはCysまたはCであり、トリプトファンはTrpまたはWであり、アルギニンはArgまたはRであり、そしてグリシンはGlyまたはGである。加うるに、t−Buoはt−ブリルオキシであり、Bzlはベンジルであり、CHAはシクロヘキシルアミンであり、Acはアセチルであり、Meはメチルであり、Penはペニシルアミンであり、Aibはアミノイソ酪酸であり、Nvaはノルバリンであり、Abuはアミノ酪酸であり、Thiはチエニルアラニンであり、OBnはO−ベンジルでありそしてhypはヒドロキシプロリンである。
製薬学的産業では、一般に、ペプチド類似物が鋳型ペプチドが有する特性に類似した特性を有する非ペプチド薬剤として用いられる。そのような種類の非ペプチド化合物は「ペプチド模倣物(peptidemimeticsまたはpeptide mimeticsまたはpeptidomimetics)」と呼ばれる[Luthman他、A Textbook of Drug Design and Development、14:386−406、第2版、Harwood Academic Publishers(1996);Joachim Grante、Angew.Chem.Int.Ed.Engl.、33:1699−1720(1994);Fauchere,J.、Adv.Drug Res.、15:29(1986);VeberおよびFreidinger TINS、392頁(1985)およびEvans他、J.Med.Chem.30:1229(1987)(これらは引用することによって本明細書に組み入れられる)]。治療的に有効なペプチドと構造的に類似しているペプチド模倣物を用いて相当するか或は向上した治療もしくは予防効果をもたらすことができる。一般に、ペプチド模倣物は模範ポリペプチド(即ち生物学的もしくは薬理学的活性を有するポリペプチド)、例えば天然に存在する受容体結合ポリペプチドなどと構造的に類似しているが、1個以上のペプチド結合が場合により代替結合、例えば−CHNH−、−CHS−などに置き換わっていてもよく[本技術分野で公知の方法を用いて置き換えることができ、下記の文献に更に説明されている:Spatola,A.F.、Chemistry and Biochemistry of Amino Acids,Peptides,and Proteins、B.Weinstein編集、Marcel Dekker、New York、267頁(1983);Spatola,A.F.、Vega Data(1983年3月)、第1巻、Issue 3、Peptide Backbone Modifications(一般的論評);Morley、Trends Pharm.Sci.463−368頁(1980)(一般的論評);Hudson他、Int.J.Pept.Prot.Res.、14:177−185(1979);Spatola他、Life
Sci.、38:1243−1249(1986);Hann.J.、Chem.Soc.Perkin Trans.I、307−314(1982);Almquist他、J.Med.Chem.、23:1392−1398(1980);Jennings−White他、Tetrahedron Lett.23:2533(1982);Szelke他、European Appln.EP 45665(1982);Holladay他、Tetrahedron Lett.、24:4401−4404(1983);およびHruby、Life Sci.、31:189−199(1982)(これらは各々引用することによって本明細書に組み入れられる)]。特に好適な非ペプチド結合は−CHNH−である。そのようなペプチド模倣物はポリペプチド態様に比べて有意な利点を有する可能性があり、そのような利点には、例えば生産がより経済的なこと、化学的安定性がより高いこと、薬理学的特性(半減期、吸収、効果、効力など)が向上していること、特異性(例えば幅広いスペクトルの生物学的活性)が改変していること、抗原性が低下していることなどが含まれる。ペプチド模倣物の標識付けは、一般に、1種
以上の標識を当該ペプチド模倣物上の非妨害位置1個または2個以上に直接またはスペーサー(例えばアミド基)を通して共有結合させることを伴い、それらを定量的構造活性データおよび/または分子モデリングで予測する。そのような非妨害位置は、一般に、当該ペプチド模倣物が治療効果をもたらすように、それと結合させる巨大分子1種または2種以上(例えば免疫グロブリンスーパーファミリー分子)との直接的な接触を生じない位置である。ペプチド模倣物の誘導体化(例えば標識付け)によって当該ペプチド模倣物が有する所望の生物学的もしくは薬理学的活性が実質的に妨害されないようにすべきである。一般に、受容体結合ペプチドのペプチド模倣物は当該受容体と高い親和性で結合しかつ検出可能な生物学的活性を有する(即ち、1種以上の受容体媒介表現型変化に対して作動性または拮抗性である)。
コンセンサス配列の中の1個以上のアミノ酸を同じ種類のD−アミノ酸と意図的に置き換える(例えばL−リシンの代わりにD−リシン)ことを利用して、より安定なペプチドを生じさせることができる。加うるに、コンセンサス配列または実質的に同じコンセンサス配列変異体を含有して成る拘束されたペプチドを本技術分野で公知の方法[Rizo他、Ann.Rev.Biochem.、61−387(1992)(引用することによって本明細書に組み入れられる)]、例えば当該ペプチドを環化させる分子内ジスルフィドブリッジを形成し得る内部システイン残基を付加させる方法などで生じさせることも可能である。
「検出可能標識」は、本発明のペプチド化合物と共有結合させた時に本ペプチド化合物を投与した患者の中で本ペプチド化合物を生体内で検出することを可能にする材料を指す。適切な検出可能標識は本技術分野で良く知られており、それらには、例として、放射性同位体、蛍光標識(例えばフルオレセイン)などが含まれる。用いる個々の検出可能標識は決定的でなく、用いる標識の量ばかりでなく用いる標識量の時に当該標識が示す毒性を基準にして選択する。そのような要因を基準にした標識の選択は充分に本分野の技術の範囲内である。
そのような検出可能標識を本ペプチド化合物と共有結合させる時、これを当該技術分野で良く知られた通常方法を用いて達成する。例えば、125I放射性同位元素を検出可能標識として用いる場合、125Iと本ペプチド化合物の共有結合は、アミノ酸であるチロシンを本ペプチド化合物に組み込んだ後に前記ペプチド化合物にヨウ素化を受けさせることで達成可能である[例えばWeaner他、Synthesis and Applications of Isotopically Labelled Compounds、137−140頁(1994)を参照]。本ペプチド化合物のNもしくはC末端へのチロシンの組み込みは良く知られた化学を用いて達成可能である。同様に、32Pを本ペプチド化合物にホスフェート部分として取り込ませることも可能であり、例えば通常の化学を用いて本ペプチド化合物が有するヒドロキシル基を通して取り込ませることができる。
II. 概説
本発明は、TPO−Rと結合してそれを活性化させるか或は他の様式でTPO作動薬として機能するペプチド化合物を提供する。本ペプチド化合物には、「主要」ペプチド化合物および前記主要ペプチド化合物と同じまたは同様な分子構造もしくは形状を持つが加水分解または蛋白分解に対する感受性および/または他の生物学的特性、例えば当該受容体への高い親和性などに関して前記主要ペプチド化合物とは異なるように構築した「誘導」ペプチド化合物が含まれる。本発明は、また、ペプチド化合物、より詳細には、血液学的疾患、特に化学療法、放射線療法または骨髄移入に伴う血小板減少症の治療で用いるに有用なペプチド化合物を有効量で含有して成る組成物も提供する。
中心のペプチド化合物にアミノ酸配列(配列識別番号2):XGX[ここで、Xはβ−(2−ナフチル)アラニンであってもよく、そしてXはA、C、E、G、I、L、M、P、R、Q、S、TまたはVであり、そしてXはA、C、D、E、K、L、Q、R、S、TまたはVである]を含有させることができることを見いだした。より好適には、XはAまたはIであり、そしてXはD、EまたはKである。更に、XはC、L、M、P、Q、Vであり、XはF、K、L、N、Q、R、S、TまたはVであり、XはC、F、I、L、M、R、S、VまたはWであり、Xは、遺伝的にコードされる20種のL−アミノ酸の中のいずれかであり、XはA、D、E、G、K、M、Q、R、S、T、VまたはYであり、そしてXはC、G、I、K、L、M、N、RまたはVである。
しかしながら、本明細書に更に記述するように、Xをβ−(2−ナフチル)アラニンに置き換えるとβ−(1−ナフチル)アラニンを含有する化合物に比べて異なる特性を有する化合物がもたらされることを見いだした。従って、特に好適なペプチド化合物は、アミノ酸配列(配列識別番号7):IEGPTLRQ(2−Nal)LAAR(Sar)を含有する。
別の態様では、本発明のペプチド化合物を好適には二量体またはオリゴマーにすることで、本化合物が示す親和性および/または活性を向上させる。好適な二量化ペプチド化合物の例には、これらに限定するものでないが、下記:
Figure 2009504650
[ここで、X10はサルコシンまたはβ−アラニン残基である](配列識別番号7)が含まれる。一方のX10残基がサルコシンでありそしてもう一方の残基がβ−アラニンであることを注目すべきである。前記構造はまた下記:(H−IEGPTLRQ(2−Nal)LAARX10K−NHでも表され得る。
好適なペプチド化合物は下記である:
Figure 2009504650
[ここで、(2−Nal)はβ−(2−ナフチル)アラニンでありそして(Sar)はサルコシンである](配列識別番号7)。このペプチド化合物を本明細書では「TPO化合物番号1」と呼ぶ。
IC50値が約100mM以上のペプチド化合物は本発明の診断の面でも治療の面でも使用するに充分な結合を示さない。好適には、診断目的に適したペプチド化合物が示すIC50は約2mM以下であり、そして製薬学的目的に適したペプチド化合物が示すIC
は約100μM以下である。
図1では、標準的相対発光単位アッセイ技術を用いた時に異なる3バッチのTPO化合物番号1が示した活性を1バッチの従来技術ペプチド化合物が示した活性と比較する。このアッセイでは、ヒトTPO受容体を安定に発現するように改変を受けさせたマウス細胞およびfosプロモーターによって機能するルシフェラーゼレポーター構築物を用いる。TPO化合物番号1と従来技術のペプチド化合物の間の相違は、従来技術のペプチド化合物はβ−(1−ナフチル)アラニン(1−Nal)を有するがTPO化合物番号1は(2−Nal)を有する点にある。図1では、TPO化合物番号1を2−Nalと呼び、従来技術のペプチド化合物を1−Nal(従来技術)と呼ぶ。図1に示すように、各化合物が示した活性は同様である。
図2では、異なる数バッチのPEG化TPO化合物番号1(本発明の化合物のPEG化を以下により詳細に記述する)が示した活性を比較する。PEG化従来技術ペプチド化合物は両バッチとも高い活性を示し、PEG化を受けさせていない従来技術のペプチド化合物が示した活性レベルと本質的に同じである。残りの線は、いろいろなバッチのPEG化TPO化合物番号1が示した活性を示している。図2に示すように、このモデルでは、後者が示す活性の方がPEG化従来技術ペプチド化合物のそれよりも低く、図2では、PEG化TPO化合物番号1をPEG−2−Nalと呼び、そしてPEG化従来技術ペプチド化合物をPEG−1−Nal(従来技術)と呼ぶ。
図3に、PEG化従来技術ペプチド化合物とPEG化TPO化合物番号1の相対的効力を示す。図3は、PEG化従来技術ペプチド化合物およびPEG化合物TPO化合物番号1をラットモデルに投与した後の血小板数の生体内変化を示している。図3に示すように、用量が最も高い時のPEG化TPO化合物番号1が示した活性と用量が最も低い時のPEG化従来技術ペプチド化合物が示した活性が同じである。効力が低い化合物は標的細胞に対する劇的な刺激が低い可能性があることから、標的細胞を過度に刺激することによって引き起こされる副作用、例えば次の化学療法サイクル後に生じる血小板減少症が悪化することなどの危険性が低下する可能性がある。図3では、PEG化TPO化合物番号1をPEG−2−Nalと呼び、そしてPEG化従来技術ペプチド化合物をPEG−1−Nal(従来技術)と呼ぶ。
図4および5に、正常なマウスを用いたPEG化従来技術ペプチド化合物およびPEG化TPO化合物番号1の直接対比用量反応アッセイの結果を示す。図4および5では、PEG化TPO化合物番号1をPEG−2−Nalと呼び、そしてPEG化従来技術ペプチド化合物をPEG−1−Nal(従来技術)と呼ぶ。図4は、血小板濃度の増加を示しており、そして図5は処置してから6日後の平均血小板体積を示している。用量の範囲を10から3000ug/kgにした。両方のペプチド化合物とも循環している血小板の数を用量に依存した様式で増加させ、両方の化合物とも、30ug/kgの如き低い用量でも対照グループに比べて増加させることを観察した。これらのペプチド化合物が最大の反応を引き出した時に血小板数を対照値よりも4倍以上高いレベルにまで高くした。これらのペプチド化合物が示した用量反応曲線は非常に類似しており、このことは、そのようなモデルを用いた時には前記2種類の試験品の間の差は終点を基にして本質的に全くないことを示している。
IV. ペプチド化合物の調製
A. 固相合成
本発明のペプチド化合物の調製は本技術分野で公知の古典的な方法、例えば標準的固相技術などを用いて実施可能である。このような標準的方法には、排他的固相合成、部分固相合成方法、フラグメント縮合、古典的な溶液合成および組換え型DNA技術による方法
さえ含まれる。例えばMerrifield、J.Am.Chem.Soc.、85:2149(1963)(引用することによって本明細書に組み入れられる)を参照。固相を用いた合成では、典型的に、アルファ−アミノ酸保護樹脂を用いて当該ペプチドのC末端から合成を開始する。適切な出発材料の調製は、例えば必要なアルファ−アミノ酸をクロロメチル化樹脂、ヒドロキシメチル樹脂またはベンズヒドリルアミン樹脂と結合させることなどを通して実施可能である。そのようなある種のクロロメチル化樹脂をBio Rad Laboratories(Richmond、CA)が商標BIO−BEADS SX−1の下で販売しており、そのヒドロキシメチル樹脂の調製はBodonszky他、Chem.Ind.(London)、38:1597(1966)に記述されている。ベンズヒドリルアミン(BHA)樹脂はPietta and Marshall、Chem.Commn.、650(1970)に記述されており、Beckman Instruments,Inc.(Palo Alto、Calif)から塩酸塩形態で商業的に入手可能である。
このように、本発明のペプチド化合物の調製は、Gisin、Helv.Chim.Acta.、56:1467(1973)に記述されている方法に従って、アルファ−アミノ保護アミノ酸とクロロメチル化樹脂の連成を例えば重炭酸セシウム触媒を用いて起こさせることを通して実施可能である。この最初の連成後、選択した反応体を用いて前記アルファ−アミノ保護基を室温の有機溶媒中で除去するが、そのような反応体には、トリフルオロ酢酸(TFA)または塩酸(HCl)溶液が含まれる。
そのようなアルファ−アミノ保護基は、ペプチドの段階的合成技術で用いるに有用であることが知られている保護基である。それにはアシル型保護基(例えばホルミル、トリフルオロアセチル、アセチル)、芳香族ウレタン型保護基[例えばベンジルオキシカルボニル(Cbz)および置換Cbz]、脂肪族ウレタン型保護基[例えばt−ブチルオキシカルボニル(Boc)、イソプロピルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル]およびアルキル型保護基(例えばベンジル、トリフェニルメチル)が含まれる。BocおよびFmocが好適な保護基である。そのような側鎖保護基は連成中脱離しないままでありかつアミノ末端保護基の脱保護中または連成中にも脱離しない。そのような側鎖保護基は、終末ペプチドの合成が完了した後に目標ペプチドを変化させない反応条件下で除去可能であるべきである。
Tyr用側鎖保護基には、テトラヒドロピラニル、t−ブチル、トリチル、ベンジル、Cbz、Z−Br−Cbzおよび2,5−ジクロロベンジルが含まれる。Asp用側鎖保護基には、ベンジル、2,6−ジクロロベンジル、メチル、エチルおよびシクロヘキシルが含まれる。ThrおよびSer用の側鎖保護基には、アセチル、ベンゾイル、トリチル、テトラヒドロピラニル、ベンジル、2,6−ジクロロベンジルおよびCbzが含まれる。ThrおよびSer用の側鎖保護基はベンジルである。Arg用の側鎖保護基には、ニトロ、トシル(Tos)、Cbz、アダマンチルオキシカルボニルメシトイルスルホニル(Mts)またはBocが含まれる。Lys用側鎖保護基には、Cbz、2−クロロベンジルオキシカルボニル(2−Cl−Cbz)、2−ブロモベンジルオキシカルボニル(2−BrCbz)、TosまたはBocが含まれる。
前記アルファ−アミノ保護基を除去した後、残存する保護されたアミノ酸を所望順で段階的に連成させる。一般的には、保護されたアミノ酸の各々を適切なカルボキシル基活性化剤、例えばジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)などと一緒に過剰量で溶液中、例えば塩化メチレン(CHCl)、ジメチルホルムアミド(DMF)混合物など中で用いる。
所望のアミノ酸配列が完了した後、前記樹脂から当該ペプチドを開裂させるばかりでな
くまた残りの側鎖保護基全部を開裂させる反応体、例えばトリフルオロ酢酸またはフッ化水素(HF)などを用いた処理を実施することで、所望のペプチドを樹脂担体から切り離す。クロロメチル化樹脂を用いた場合にはフッ化水素による処理を実施すると結果として遊離ペプチド酸が生じる。ベンズヒドリルアミン樹脂を用いた場合にフッ化水素による処理を実施すると結果として遊離ペプチドアミドが直接生じる。別法として、クロロメチル化樹脂を用いた場合に当該ペプチド樹脂にアンモニアによる処理を受けさせることで所望の側鎖保護アミドを生じさせるか或はアルキルアミンによる処理を受けさせることで側鎖保護アルキルアミドまたはジアルキルアミドを生じさせることを通して、側鎖保護ペプチドを切り離すことも可能である。次に、フッ化水素を用いた処理で遊離アミド、アルキルアミドまたはジアルキルアミドを生じさせることによる通常様式で側鎖保護を除去する。
そのような固相ペプチド合成手順は本技術分野で良く知られており、更に、John Morrow StewartおよびJanis Dillaha Young、Solid Phase Peptide Syntheses(第2版、Pierce Chemical Company、1984)にも記述されている。
B. 合成アミノ酸
そのような手順を用いて、また、天然に存在していて遺伝的にコードされる20種類のアミノ酸以外のアミノ酸が本発明の化合物のいずれかが有する1、2またはそれ以上の箇所に代わりに位置するペプチドを合成することも可能である。
遺伝的にコードされる20種類のアミノ酸(またはDアミノ酸)が有する天然に存在する側鎖を他の側鎖、例えばアルキル、低級アルキル、4員、5員、6員もしくは7員の環式アルキル、アミド、アミド低級アルキル、アミドジ(低級アルキル)、低級アルコキシ、ヒドロキシ、カルボキシおよびこれの低級エステル誘導体および4員、5員、6員もしくは7員の複素環などの基に置き換えることができる。特に、プロリン残基の環の大きさが5員から4員、6員もしくは7員に変化しているプロリン類似物を用いることができる。環式基は飽和もしくは不飽和であってもよく、そして不飽和の場合、芳香または非芳香であってもよい。複素環式基は好適には窒素、酸素および/または硫黄ヘテロ原子を1個以上含有する。そのような基の例には、フラザニル、フリル、イミダゾリジニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、モルホリニル(例えばモルホリノ)、オキサゾリル、ピペラジニル(例えば1−ピペラジニル)、ピペリジル(例えば1−ピペリジル、ピペリジノ)、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリジニル(例えば1−ピロリジニル)、ピロリニル、ピロリル、チアジアゾリル、チアゾリル、チエニル、チオモルホリニル(例えばチオモルホリノ)およびトリアゾリルが含まれる。そのような複素環式基は置換または非置換であってもよい。ある基が置換されている場合、その置換基はアルキル、アルコキシ、ハロゲン、酸素または置換もしくは非置換フェニルであってもよい。
また、燐酸化[例えばW.Bannwarth他、Biorganic and Medicinal Chemistry Letters、6(17):2141−2146(1996)を参照]を用いて本発明のペプチドに容易に修飾を受けさせることも可能であり、かつ本発明の化合物のペプチド誘導体を製造する他の方法がHruby他、Biochem.J.、268(2):249−262(1990)に記述されている。このように、本発明のペプチド化合物をまた同様な生物学的活性を有するペプチド模倣物を調製する時の基礎としても用いる。
C. 末端修飾
本分野の技術者は、溶解性、安定性、および加水分解および蛋白分解に対する感受性に
関して相当するペプチド化合物と同じまたは同様な所望の生物学的活性を有するが前記ペプチド化合物とは異なるより好ましい活性を有するペプチド化合物を構築しようとする時にいろいろな技術を利用することができることを認識するであろう。例えばMorgan他、Ann.Rep.Med.Chem.、24:243−252(1989)を参照。以下に、N末端アミノ基、C末端カルボキシル基が修飾されておりそして/または当該ペプチドの中のアミド結合の中の1個以上がアミド以外の結合に変わっているペプチド化合物を調製する方法を記述する。1つのペプチド化合物構造の中に2つ以上のそのような修飾を一緒に存在させることも可能であると理解する(例えば、C末端カルボキシル基に修飾を受けさせかつペプチド化合物の中の2個のアミノ酸の間に−CH−カルバメート結合を含有させることなど)。
1. N末端修飾
ペプチド化合物の合成を典型的には遊離酸として実施するが、この上に示したように、それの調製をアミドまたはエステルとして実施するのも容易であり得る。また、本発明のペプチド化合物が有するアミノおよび/またはカルボキシ末端に修飾を受けさせることで本発明の他の化合物を生じさせることも可能である。アミノ末端修飾には、メチル化、アセチル化、ベンジルオキシカルボニル基の付加、またはRCOO−[ここで、Rはナフチル、アクリジニル、ステロイジルおよび同様な基から成る群から選択される]で定義されるカルボキシレート官能を含有するブロッキング基のいずれかを用いてアミノ末端にブロッキングを受けさせることが含まれる。カルボキシ末端修飾には、遊離酸をカルボキサミド基に置き換えること、またはカルボキシ末端の所に環式ラクタムを形成させることで構造的拘束を導入することが含まれる。
アミノ末端修飾はこの上に示した如きであり、それにはアルキル化、アセチル化、カルボベンゾイル基の付加、スクシニミド基の形成などが含まれる[例えばMurray他、Burger’s Medicinal Chemistry and Drug Discovery、第5版、第1巻、Manfred E.Wolf編集、John Wiley and Sons,Inc.(1995)を参照]。具体的には、N末端アミノ基を次に下記の如く反応させることができる:
(a)酸ハロゲン化物または対称的無水物と反応させることで式RC(O)NH−[式中、Rはこの上で定義した通りである]で表されるアミド基を生じさせる。この反応は、典型的に、当該ペプチドにほぼ等モル量または過剰量(例えば約5当量)の酸ハロゲン化物を不活性希釈剤(例えばジクロロメタン)中で好適には反応中に生じる酸を捕捉させる目的で前記希釈剤に過剰量(例えば約10当量)の第三級アミン、例えばジイソプロピルエチルアミンを入れて接触させることで実施可能である。その他の反応条件は通常通りである(例えば室温で30分間)。末端アミノにアルキル化を受けさせることで低級アルキルN置換を起こさせた後にこの上に記述した如き酸ハロゲン化物との反応を実施することで式RC(O)NR−で表されるN−アルキルアミド基を生じさせる。
(b)無水こはく酸と反応させることでスクシニミド基を生じさせる。この上に示したように、無水こはく酸をほぼ等モル量または過剰量(例えば約5当量)で用いてもよく、そして本技術分野で良く知られている方法を用いてアミノ基をスクシニミドに変化させるが、そのような方法には、過剰量(例えば10当量)の第三級アミン、例えばジイソプロピルエチルアミンなどを適切な不活性溶媒(例えばジクロロメタン)などに入れて用いることが含まれる。例えばWollenberg他、米国特許第4,612,132号(これは引用することによって全体が本明細書に組み入れられる)を参照のこと。そのこはく酸基は例えばアルキルまたは−SR置換基で置換されていてもよいと理解し、それの調製を通常の様式で実施することで、当該ペプチドのN末端に置換スクシニミドを生じさせる。低級オレフィンと無水マレイン酸を上記Wollenberg他に記述されている様式で
反応させることでそのようなアルキル置換基を生じさせ、そしてRSH[ここで、Rはこの上で定義した通りである]と無水マレイン酸を反応させることで−SR置換基を生じさせる。
(c)ほぼ等モル量または過剰量のCBZ−Cl(即ち、ベンジルオキシカルボニルクロライド)または置換CBZ−Clと適切な不活性希釈剤(例えばジクロロメタン)中で好適には反応中に生じる酸を捕捉させる目的で前記希釈剤に第三級アミンを入れて反応させることでベンジルオキシカルボニル−NH−または置換ベンジルオキシカルボニル−NH−基を生じさせる。
(d)等モル量または過剰量(例えば5当量)のR−S(O)[式中、Rはこの上で定義した通りである]と適切な不活性希釈剤(例えばジクロロメタン)中で反応させて末端アミンをスルホンアミドに変化させることでスルホンアミド基を生じさせる。好適には、反応中に生じる酸を捕捉させる目的で前記不活性希釈剤に過剰量(例えば10当量)の第三級アミン、例えばジイソプロピルエチルアミンなどを入れる。その他の反応条件は通常通りである(例えば室温で30分間)。
(e)等モル量または過剰量(例えば5当量)のR−OC(O)ClまたはR−OC(O)OC−p−NO[式中、Rはこの上で定義した通りである]と適切な不活性希釈剤(例えばジクロロメタン)中で反応させて末端アミンをカルバメートに変化させることでカルバメート基を生じさせる。好適には、反応中にいくらか生じる酸を捕捉させる目的で前記不活性希釈剤に過剰量(例えば約10当量)の第三級アミン、例えばジイソプロピルエチルアミンなどを入れる。その他の反応条件は通常通りである(例えば室温で30分間)。
(f)等モル量または過剰量(例えば5当量)のR−N=C=O[式中、Rはこの上で定義した通りである]と適切な不活性希釈剤(例えばジクロロメタン)中で反応させて末端アミンを尿素(即ち、RNHC(O)NH−)基に変化させることで尿素基を生じさせる。好適には、前記不活性希釈剤に過剰量(例えば約10当量)の第三級アミン、例えばジイソプロピルエチルアミンなどを入れる。その他の反応条件は通常通りである(例えば室温で約30分間)。
2. C末端修飾
C末端のカルボキシル基がエステル[即ち−C(O)OR(ここで、Rはこの上で定義した通りである)]に置き換わっているペプチド化合物を調製しようとする時には、ペプチド酸の調製で用いられる樹脂を用い、そして塩基および適切なアルコール、例えばメタノールなどを用いて、側鎖が保護されたペプチドを開裂させる。次に、フッ化水素を用いた処理を実施する通常様式で側鎖保護基を除去することで所望のエステルを得る。
C末端のカルボキシル基がアミド−C(O)NRに置き換わっているペプチド化合物を調製しようとする時には、ベンズヒドリルアミン樹脂をペプチド合成用固体状担体として用いる。合成が完了した後、フッ化水素による処理で当該ペプチドを前記担体から放出させることで遊離ペプチドアミド(即ちC末端が−C(O)NHである)を直接生じさせる。別法として、ペプチド合成中にクロロメチル化樹脂を用いることに加えてアンモニアとの反応で側鎖が保護されたペプチドを担体から開裂させることによって遊離ペプチドアミドを生じさせ、そしてアルキルアミンまたはジアルキルアミンと反応させることで側鎖が保護されたアルキルアミドまたはジアルキルアミド[即ち、C末端が−C(O)NRR(ここで、RおよびRはこの上で定義した通りである)である]を生じさせる。次に、フッ化水素を用いた処理を実施して遊離アミド、アルキルアミドまたはジアルキルアミドを生じさせることによる通常様式で側鎖保護を除去する。
また、本発明のペプチド化合物を環化させるか或はアミノもしくはカルボキシを持たない残基を本ペプチド化合物の末端に組み込むことで末端のアミノもしくはカルボキシ基を存在させないことも可能であり、それによって、蛋白分解酵素に対する感受性を低下させるか或は当該ペプチド化合物の配座を制限することができる。本発明のペプチド化合物のC末端官能基には、アミド、アミド低級アルキル、アミドジ(低級アルキル)、低級アルコキシ、ヒドロキシおよびカルボキシおよびこれの低級エステル誘導体および製薬学的に受け入れられる塩が含まれる。
この上に示したN末端およびC末端修飾に加えて、有利には、本発明のペプチド化合物(ペプチド模倣物を包含)にいろいろな親水性重合体の中の1種以上を用いた修飾を受けさせてもよいか或はそれらを共有結合させてもよい。本ペプチド化合物に親水性重合体を用いた誘導体化を受けさせると溶解性および循環半減期が向上しかつ免疫原性が遮蔽されることを見いだした。これを結合活性の低下(もしあるとしても)がほとんどないように達成することができる。本発明に従って用いるに適した非蛋白系重合体には、これらに限定するものでないが、ポリアルキルエーテル(これの例はポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールである)、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリオキシアルケン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、セルロースおよびセルロース誘導体、デキストランおよびデキストラン誘導体などが含まれる。そのような親水性重合体の平均分子量は一般に約500から約100,000ダルトン、より好適には約2,000から約40,000ダルトン、更により好適には約5,000から約20,000ダルトンの範囲である。好適な態様における前記親水性重合体の平均分子量は約5,000ダルトン、10,000ダルトンおよび20,000ダルトンである。
本発明のペプチド化合物に前記重合体を用いた誘導体化または連成をZallipsky,S.、Bioconjugate Chem.、6:150−165(1995);Monfardini,C.他、Bioconjugate Chem.、6:62−69(1995);米国特許第4,640,835号、米国特許第4,496,689号、米国特許第4,301,144号、米国特許第4,670,417号、米国特許第4,791,192号、米国特許第4,179,337号またはWO 95/34326(これらは全部引用することによって全体が本明細書に組み入れられる)に示されている方法の中のいずれかを用いて受けさせることができる。
現在のところ好適な態様では、本発明のペプチド化合物にポリエチレングリコール(PEG)を用いた誘導体化を受けさせる。PEGは、エチレンオキサイド繰り返し単位で出来ていて2つの末端ヒドロキシル基を伴う水溶性の直鎖重合体である。PEGは分子量で分類分けされ、分子量は典型的に約500ダルトンから約40,000ダルトンの範囲である。現在のところ好適な態様で用いるPEGの分子量は5,000ダルトンから約20,000ダルトンの範囲である。本発明のペプチド化合物と連成させるPEGは分枝もしくは非分枝のいずれであってもよい[例えばMonfardini,C.他、Bioconjugate Chem.、6:62−69(1995)を参照]。PEGは、Shearwater Polymers,Inc.(Huntsville、Ala)[現在はNektar Therapeutics(San Carlo、CA)の一部である]、Sigma Chemical Co.および他の会社から商業的に入手可能である。そのようなPEGには、これらに限定するものでないが、モノメトキシポリエチレングリコール(MePEG−OH)、モノメトキシポリエチレングリコール−スクシネート(MePEG−S)、モノメトキシポリエチレングリコール−スクシニミジルスクシネート(MePEG−S−NHS)、モノメトキシポリエチレングリコール−アミン(MePEG−NH2)、モノメトキシポリエチレングリコール−トレシレート(MePEG−TRES)およびモノメトキシポリエチレングリコール−イミダゾリル−カルボニル(MeP
EG−IM)が含まれる。
簡単に述べると、1つの態様では、好適には、用いる親水性重合体、例えばPEGなどの1つの末端を非反応性基、例えばメトキシまたはエトキシ基などでキャップする。その後、その重合体のもう一方の末端部を適切な活性化剤、例えばシアヌル酸ハライド(例えばシアヌル酸クロライド、ブロマイドまたはフルオライド)、ジイミダゾール、無水反応体(例えば無水ジハロこはく酸、例えば無水ジブロモこはく酸)、アシルアジド、p−ジアゾイウムベンジルエーテル、3−(p−ジアゾニウムフェノキシ)−2−ヒドロキシプロピルエーテル)などと反応させることで活性化させる。次に、その活性重合体を本発明のペプチド化合物と反応させることで、重合体による誘導体化を受けたペプチド化合物を生じさせる。別法として、本発明のペプチド化合物が有する官能基を当該重合体と反応させることで活性化させてもよいか、或は2つの基を公知連成方法を用いた協奏的連成反応で連結させてもよい。本分野の技術者に公知でありかつ本分野の技術者が用いる多数の他の反応スキームを用いて本発明のペプチド化合物にPEGを用いた誘導体化を受けさせることができることは容易に理解されるであろう。
本ペプチド化合物に親水性重合体を用いた誘導体化を受けさせると溶解性および循環半減期が向上しかつ免疫原性が低下する。これを生物学的活性の損失(もしあるとしても)がほとんどないように達成することができる。好適な態様における誘導体化ペプチドが示す活性は未修飾ペプチドが示すそれの0.1から0.01倍である。より好適な態様における誘導体化ペプチドが示す活性は未修飾ペプチドが示すそれの0.1から1倍である。更により好適な態様における誘導体化ペプチドが示す活性は未修飾のペプチドが示す活性よりも高い。
D. バックボーン修飾
本発明の化合物のペプチド誘導体を生じさせる他の方法がHruby他、Biochem.J.、268(2):249−262(1990)(引用することによって本明細書に組み入れられる)に記述されている。このように、本発明のペプチド化合物をまた同様な生物学的活性を有する非ペプチド化合物用の構造モデルとしても用いる。本分野の技術者は、溶解性、安定性、および加水分解および蛋白分解に対する感受性に関して主要ペプチド化合物と同じまたは同様な所望の生物学的活性を有するが前記主要ペプチド化合物とは異なるより好ましい活性を有する化合物を構築しようとする時にいろいろな技術を利用することができることを認識するであろう。Morgan他、Ann.Rep.Med.Chem.、24:243−252(1989)(引用することによって本明細書に組み入れられる)を参照。そのような技術には、当該ペプチドのバックボーンをホスホネート、アミデート、カルバメート、スルホンアミド、第二級アミンおよびN−メチルアミノ酸を含有するバックボーンに置き換えることが含まれる。
適切な反応体には、例えばアミノ酸のカルボキシル基がこの上に示した結合の中の1つを生じさせるに適した部分に置き換わっているアミノ酸類似物が含まれる。
同様に、ペプチドの中のアミド結合をホスホネート結合に置き換えることも米国特許第5,359,115号および5,420,328号(これらの開示は引用することによって全体が本明細書に組み入れられる)に示されている様式で達成可能である。
E. ジスルフィド結合形成
本発明の化合物を環化した形態で存在させることも可能であり、システインを組み込んだ場合、その存在するシステインのチオール基の間に分子内ジスルフィド結合を生じさせることで環化させることができる。別法として、システインのチオール基の間に分子間ジスルフィド結合を形成させることで二量体(またはより高級なオリゴマー)化合物を生じ
させることも可能である。また、システイン残基の中の1個以上をホモシステインに置き換えることも可能である。
V. 実用性
本発明のペプチド化合物は、TPOが果たす生物学的役割を理解しようとする時のユニークなツールとしてインビトロで用いるに有用であり、それには、TPOの産生および受容体結合プロセスに影響を与えそしてそれの影響を受けると考えられるいろいろな要因の評価が含まれる。本ペプチド化合物は、また、TPO−Rと結合してそれを活性化させる他の化合物を開発しようとする時に用いるにも有用である、と言うのは、本ペプチド化合物はそのような開発を容易にするであろう構造と活性の間の関係に関して重要な情報を与えるからである。
本ペプチド化合物は、また、新規なTPO受容体作動薬を選別するアッセイで競合結合因子として用いるにも有用である。そのようなアッセイ態様では、本発明のペプチド化合物を修飾無しに用いてもよいか或はそれにいろいろな方法で修飾を受けさせることも可能であり、例えば標識付け、例えば直接的または間接的に検出可能なシグナルを与える部分を共有または非共有結合させることなどによる修飾を受けさせることも可能である。そのようなアッセイのいずれにおいても、それの材料に標識を直接または間接的に付けてもよい。直接的標識付けの可能性には、標識基、例えば放射線標識、例えば125 Iなど、酵素(米国特許第3,645,090号)、例えばペルオキシダーゼおよびアルカリ性ホスファターゼなど、および蛍光強度の変化、波長のシフトまたは蛍光偏光を監視することを可能にする蛍光標識(米国特許第3,940,475号)が含まれる。間接的標識付けの可能性には、ある成分にビオチニル化を受けさせた後にこの上に示した標識基の中の1つと連成させておいたアビジンと結合させることが含まれる。本ペプチド化合物に、また、本ペプチド化合物を固体状担体と結合させる場合のスペーサーまたはリンカーを含有させることも可能である。
その上、本発明のペプチド化合物がTPO受容体と結合する能力を有することを基にして、それらを生きている細胞、固定した細胞、生物学的流体、組織ホモジネート、精製した天然の生物学的材料などにおけるTPO受容体を検出するための試薬として用いることも可能である。例えば、そのようなペプチド化合物に標識を付けることで、TPO−Rを表面に有する細胞を同定することができる。加うるに、本発明のペプチド化合物がTPO受容体と結合する能力を有することを基にして、それらをインシトゥ染色、FACS(蛍光活性化細胞分類分け)、ウエスタンブロット、ELISAなどで使用することも可能である。加うるに、本発明のペプチド化合物がTPO受容体と結合する能力を有することを基にして、それらを受容体を精製する時またはTPO受容体を細胞表面(または透過性細胞の内側)に発現する細胞を精製する時に用いることも可能である。
本発明のペプチド化合物を、また、いろいろな医学研究および診断用途用の商業的試薬として用いることも可能である。そのような使用には、これらに限定するものでないが、(1)いろいろな機能アッセイにおける候補品であるTPO作動薬が示す活性を量化するための較正標準としての使用、(2)TPO依存性細胞株の増殖および成長を維持するための使用、(3)TPO受容体を共結晶化で構造分析する時の使用、(4)TPOシグナル伝達/受容体活性化の機構を調査する時の使用、および(5)TPO受容体を好適には活性化させるか或はそのような活性化に既知量のTPO作動薬に対する較正を便利に受けさせる他の研究および診断用途などが含まれる。
本発明のペプチド化合物は巨核球および付随前駆細胞(両方とも追加的サイトカインと一緒にか或はそれら自身)のインビトロ拡張の目的で使用可能である。例えばDiGiusto他、PCT公開番号95/05843(これは引用することによって本明細書に組
み入れられる)を参照のこと。化学療法および放射線療法では、***を急速に起こす成熟した巨核球集団の細胞死をもたらすことで血小板減少症が引き起こされる。しかしながら、そのような治療処置は、また、***活性が低い未成熟巨核球前駆細胞の数および生存能力も低下させる可能性もある。このように、TPOまたは本発明の化合物を用いて、巨核球および未成熟前駆体をインビトロ培養で豊富にしておいた患者自身の細胞集団を化学療法もしくは放射線療法後の患者に注入することを通して、血小板減少症の改善を速めることができる。
また、本発明のペプチド化合物を温血動物(ヒトを包含)に投与することでTPO−Rを生体内で活性化させることも可能である。このように、本発明は、TPO関連疾患を治療処置する方法を包含し、この方法は、本発明のペプチド化合物をTPOがTPO−Rに対して生体内で示す効果を模倣するに充分な量で投与することを含んで成る。例えば、本発明のペプチド化合物をいろいろな血液学的疾患の治療の目的で投与することができ、そのような疾患には、これらに限定するものでないが、血小板障害および血小板減少症、特に骨髄移入、放射線療法および化学療法に関連したそれらが含まれる。
本発明のいくつかの態様では、化学療法もしくは放射線療法を受けた患者に好適には最初にTPO拮抗薬を投与した後、本発明のTPO作動薬を投与する。
本発明のペプチド化合物が示す活性の評価は、McDonald、Am.J.of Pediatric Hematology/Oncology、14:8−21(1992)(これは引用することによって本明細書に組み入れられる)に記述されているいろいろな方法の中の1つを用いてインビトロまたはインビボのいずれかで実施可能である。
1つの態様に従い、本発明の組成物は、骨髄移入、放射線療法または化学療法に伴う血小板減少症の治療で用いるに有用である。本ペプチド化合物を典型的には化学療法、放射線療法または骨髄移植を実施する前に予防的に投与するか或はそのような暴露を実施した後に投与する。
従って、本発明は、また、本発明のペプチド化合物の中の少なくとも1種を有効成分として製薬学的担体もしくは希釈剤と一緒に含有して成る製薬学的組成物も提供する。本発明のペプチド化合物は経口、肺、非経口[筋肉内、腹腔内、静脈内(IV)または皮下注射]、吸入(微粉末製剤を用いた)、経皮、鼻、膣、直腸または舌下投与経路で投与可能であり、かつ各投与経路に適した投薬形態に調製可能である。例えばBernstein他、PCT特許公開番号WO 93/25221;Pitt他、PCT特許公開番号WO
94/17784およびPitt他、ヨーロッパ特許出願613,683(これらは各々引用することによって本明細書に組み入れられる)を参照のこと。
経口投与用の固体状投薬形態物にはカプセル、錠剤、ピル、粉末および顆粒が含まれる。そのような固体状投薬形態物の場合には、本活性ペプチド化合物を少なくとも1種の不活性な製薬学的に受け入れられる担体、例えばスクロース、ラクトースまたは澱粉などと混合する。そのような投薬形態物にまた通常の実施と同様に不活性希釈剤以外の追加的物質、例えば滑剤、例えばステアリン酸マグネシウムなどを含有させることも可能である。カプセル、錠剤およびピルの場合の投薬形態物には、また、緩衝剤を含有させることも可能である。錠剤およびピルの調製を追加的に腸溶性被膜を持つように実施することも可能である。
経口投与用の液状投薬形態物には、製薬学的に受け入れられる乳液、溶液、懸濁液、シロップに加えてエリキシルが含まれ、それらに本技術分野で通常用いられる不活性希釈剤、例えば水などを含有させてもよい。そのような不活性希釈剤に加えて、組成物にまたア
ジュバント、例えば湿潤剤、乳化および懸濁剤、および甘味、風味および香味剤などを含有させることも可能である。
非経口投与用の本発明に従う製剤には、無菌の水性もしくは非水性溶液、懸濁液もしくは乳液が含まれる。非水性溶媒もしくは媒体の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油、例えばオリーブ油およびトウモロコシ油など、ゼラチンおよび注射可能有機エステル、例えばオレイン酸エチルなどである。そのような投薬形態物にまた防腐、湿潤、乳化および分散剤などの如き助剤を含有させることも可能である。それらに滅菌を例えば細菌を保持するフィルターに通す濾過でか、殺菌剤を当該組成物に添加することでか、当該組成物に照射を受け入れられることでか、或は当該組成物を加熱することなどで受けさせてもよい。また、無菌水または他のある種の注射可能無菌媒体を用いて使用直前にそれらを生じさせることも可能である。
直腸または膣投与用組成物は好適には座薬であり、これに本活性物質に加えて賦形剤、例えばココアバターまたは座薬用ワックスなどを含有させてもよい。また、鼻もしくは舌下投与用の組成物の調製も本技術分野で良く知られている標準的賦形剤を用いて実施する。
本ペプチド化合物を含有させた組成物の投与は予防および/または治療処置の目的で実施可能である。治療用途の場合、この上に記述した如き病気に既に苦しんでいる患者に組成物を前記病気またはこれの合併症を治癒するか或はそれの症状を少なくともある程度阻止するに充分な量で投与する。それを達成するに充分な量は「治療的に有効な用量」であると定義する。この使用に有効な量は、当該病気のひどさおよび当該患者の体重および一般的状態に依存するであろう。
本発明の組成物をまたミクロカプセルの中に封じ込めることも可能であり、例えばTiceおよびBibi(Treatise on Controlled Drug Delivery、A.Kydonieus編集、Marcel Dekker、New York(1992)、315−339頁)の方法を用いることなどで可能である。
予防用途の場合、本発明のペプチド化合物を含有させておいた組成物を特定の病気にかかり易いか或は他の様式でそれにかかる危険性のある患者に投与する。そのような量は「予防的に有効な用量」であると定義する。この使用における正確な量も再び患者の健康状態および体重に依存する。
有効な治療に必要な本ペプチド化合物の量は多種態様な要因に依存し、そのような要因には、投与手段、標的部位、患者の生理学的状態および他の薬剤が投与されているか否かが含まれる。このように、安全性および効力が最適になるように治療用量を決定すべきである。典型的には、インビトロで用いた量は、そのような薬剤をインシトゥで投与する時に有用な量の有効な指針を与え得る。特定の疾患を治療する時の有効用量を試験する動物試験は、ヒトに投与する時のさらなる予測指標を与えるであろう。いろいろな考慮が例えばGilman他(編集)、Goodman and Gilman’s:The Pharmacological Basis of Therapeutics、第8版、Pergamon Press(1990)およびRemington’s Pharmaceutical Sciences、第7版、Mack Publishing Co.、Easton、PA(1985)(これらは各々引用することによって本明細書に組み入れられる)に記述されている。
本発明のペプチド化合物は、これをTPO媒介病の治療で体重1kg当たり約0.001mgから10mg/日の用量範囲で投与した時に有効である。治療すべき個々の状態、
投与経路ばかりでなく主治医の判断(これは患者の状態のひどさ、年齢および一般的状態などの如き要因に依存する)によって、用いる特定用量を調節する。
ペプチド化合物の固相合成
本発明のペプチド化合物の合成は、例えばMerrifield固相合成技術(StewardおよびYoung、Solid Phase Peptide Synthesis、第2版、Pierce Chemical、Rockford、Ill.(1984)およびMerrifield、J.Am.Chem.Soc.、85:2149(1963)またはApplied Biosystems Inc.のModel 431Aまたは433Aペプチド合成装置を用いることなどで実施可能である。Applied
Biosystems Inc.Synth Assist(商標)1.0.0またはSynth Assist(商標)2.0.2の標準的プロトコルを用いてペプチド化合物の組み立てを実施することができる。各連成をHBTU(ヘキサフルオロ燐酸2−(1H−ベゾザトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム)およびHOBt(1−ヒドロキシベンゾトリアゾール)を用いて2x30分間実施してもよい。
使用する樹脂はHMP樹脂(p−ヒドロキシメチルフェノキシメチル)ポリスチレン樹脂またはPAL(Milligen/Biosearch)[これは5−(4’−Fmoc−アミノメチル−3,5’−ジメトキシフェノキシ)吉草酸をリンカーとして用いて架橋させたポリスチレン樹脂である]であってもよい。PAL樹脂を用いると結果として当該ペプチドを前記樹脂から開裂させた時にカルボキシ末端アミド官能性がもたらされる。HMP樹脂を用いると、開裂させた時に最終生成物のC末端の所にカルボン酸部分がもたらされる。大部分の反応体、樹脂および保護されたアミノ酸(遊離または樹脂上)はMilliporeまたはApplied Biosystems Inc.から購入可能である。
連成手順中にアミノを保護する目的でFmoc基を用いることができる。アミノ酸が有する第一級アミンの保護はFmocを用いて達成可能であり、そして側鎖保護基、例えばセリン、チロシン、グルタミン酸およびトレオニンの場合にはt−ブチル、グルタミンの場合にはトリチル、アルギニンの場合にはPmc(2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルホニル)、トリプトファンの場合にはN−t−ブチルオキシカルボニル、ヒスチジンの場合にはN−トリチルそしてシステインの場合にはS−トリチルを用いることができる。
当該ペプチド化合物を前記樹脂から取り出すと同時に実施する前記側鎖官能の脱保護は、反応体Kもしくはこれに若干修飾を受けさせたものを用いた処理で達成可能である。別法として、アミデート化カルボキシル末端を有するそのようなペプチドを合成しようとする時には、トリフルオロ酢酸が90%でエタンジチオールが5%で水が5%の混合物を最初は4℃で用いそして徐々に高くして室温にすることで、完全に組み立てられたペプチドを開裂させることができる。その保護基が取り除かれたペプチド化合物をジエチルエーテルを用いて沈澱させることができる。C18結合シリカゲルカラムが備わっている調製用逆相高性能液クロを用い、アセトニトリル/水(0.1%のトリフルオロ酢酸中)の勾配を用いることで、精製を実施することができる。均一なペプチド化合物の特徴付けを高速原子衝撃質量分析またはエレクトロスプレー質量分析およびアミノ酸分析(適用可能な場合)を用いて実施することができる。
好適な態様では、本分野の技術者に公知でありかつ本分野の技術者が使用する標準的合成手順を用いて本発明のペプチド化合物を二量化する。本分野の技術者は、そのような合
成スキームに従うことで、本発明に従う二量体ペプチド化合物を容易に調製することができるであろう。加うるに、公知の方法およびリンカーを用いて二量体サブユニットを容易に連結させることができることも本分野の技術者に容易に明らかであろう。
ペプチド化合物のPEG化
本発明のペプチド化合物のPEG化は良く知られた技術を用いて実施可能である。例えば、本発明のペプチド化合物を100mMのビシン(bicine)(pH8.0)に10mg/mlの濃度で溶解させ、1.25倍モル過剰量の粉末状PEG2[Shearwater Polymers,Inc.(Huntsville、Ala.、現在はNektar Therapeutics(San Carlo、CA)から商業的に入手可能]に加えた後、室温で反応が完了するまで、典型的には1−2時間撹拌する。YMC ODS AQカラムが備わっている逆相HPLCを用い、40−65%のアセトニトリル勾配を用いることで、反応を監視する。反応が完了した時点の溶液を2番目の1.25モル過剰量の粉末状PEG2に加え、そしてこの過程をポリペプチド1モル当たり全体で5モルのPEGを用いて4回繰り返す。その溶液をPBSで2倍に希釈することで粘度を低くし、前以て平衡状態にしておいたsuperdex 200カラム(Pharmacia)に充填した後、PBSで溶離させる。そのサイズエクスクルージョンカラムから出てきた画分に逆相HPLCを用いた分析を受けさせてもよい。如何なるモノ−PEGペプチド化合物より先に溶出して来るジ−PEG−ポリペプチドを含有する画分を集めて、5℃で貯蔵するか或は凍結乾燥させる。
PEG化TPO化合物番号1が示すトロンボポイエチン活性に関する臨床前動物アッセイ
TPO化合物番号1は、内因性TPOと配列相同性を全く共有しないことから、内因性TPOと交差反応する抗体が生じる危険性を軽減する。TPO化合物番号1にPEG化を受けさせることで***の度合を低下させかつ抗原性を更に低下させた。この実施例では、PEG化TPO化合物番号1が動物において示すトロンボポイエチン活性に関する臨床前アッセイを記述する。
このアッセイでは正常なオスWistarラット(源)を用いた。この臨床前アッセイではまた他の動物、例えばイヌ、マウス、サルなどを用いることも可能である。動物が関係する手順を全部American Association for Assessment and Accreditation of Laboratory Animal Care(AAALAC)が完全に認可した動物施設の中でThe Guide for the Care and Use of Laboratory Animals(NIH)に従って実施した。
正常なオスWistarラット(投与時に10週齢で230から367グラムの範囲の体重)にTPO化合物番号1を30、100または300ug/kg(40匹のラット/グループ)の用量で1回静脈内投与することによる処置を受けさせた。投与前、投与してから96、144、192、240、288および312時間後にラットの頸静脈に麻酔無しにウェルを開けることを通して血液を約0.5mL採取し(各時間点毎に5匹、EDTAを抗凝血剤として)、そして自動化血液分析装置を用いて血小板数を評価した。各サンプル採取を行う前に動物を一晩に渡って絶食状態にしたが、水は飲めるようにした。
正常なオスWistarラットにPEG化TPO化合物番号1(30、100または300μg/kg)を1回静脈内投与すると結果として投与してから最も早い評価日である4日目までに抹消血小板数が増加した(図6)。2週間の追跡調査中に血小板数を2日毎に評価して、投与前の数と比較した。用量を300μg/kgにした時に誘発された血小
板数増加度が最大であり、それは14日目までにベースラインに戻った。
PEG化TPO化合物番号1が示すトロンボポイエチン活性に関するフェーズI臨床試験
PEG化TPO化合物番号1が示す許容性、薬力学および薬物動態を調査する目的でフェーズI試験を実施した。この実施例にPEG化TPO化合物番号1を健康な男性志願者に1回静脈内注射することによるフェーズI試験を記述する。PEG化TPO化合物番号1および本発明に従う他の化合物を複数回静脈内注射するか或は他の投与手段で投与しそして/または治療を必要としている患者に投与することによるフェーズI試験を本分野の技術者に公知のプロトコルを用いて実施してもよい。
40人の志願者に6:2の比率で無作為にPEG化TPO化合物番号1またはプラセボを1回静脈内注射することで投与した。8人の被験体に無作為に6:2の比率でPEG化TPO化合物番号1またはプラセボを0.375、0.75、1.5、2.25または3μg/kgの用量範囲で1回注射することで投与した。PEG化TPO化合物番号1の薬力学反応を血小板数増加として測定した。有効酵素免疫測定法を用いて血小板欠乏血漿中のPEG化TPO化合物番号1濃度を測定した。標準的免疫アッセイを用いて内因性TPO、EPO、IL−6およびIL−11の濃度を示した時間点で測定した。PEG化TPO化合物番号1が有するペプチド部分に対する抗体の生成を測定する目的でバイオセンサー免疫アッセイ(BiaCore technology)を用いた。PEG化TPO化合物番号1を投与してから4時間目および12日目にコラーゲン誘発血小板凝固を監視することで血小板機能に対する効果を測定した。
PK分析は、PEG化TPO化合物番号1が用量に関係した動力学を示すことを示していたが、用量が0.75μg/kg以下の時のPEG化TPO化合物番号1の血漿中濃度は一般に6.25ng/mLの定量限界未満であった(図7)。PEG化TPO化合物番号1の用量が0.375μg/kgのグループの中の4人の被験体および用量が3.0μg/kgのグループの中の一人の被験体は定量可能な血漿中濃度を全く示さなかった。平均Cmax値は、PEG化TPO化合物番号1が0.75μg/kgの時の10.9ng/mLからPEG化TPO化合物番号1が3.0μg/kgの時の61.7ng/mLの範囲であった(表1)。TPO化合物番号1が0.375μg/kg(i.v.)の時にはPKデータを全く測定することができなかった。PEG化TPO化合物番号1が示す平均終末半減期(terminal half−life)は約18から36時間の範囲であった。tmax中央値は0.09から2時間の範囲であった。用量を多くするにつれてtmaxが高くなることはほぼ用量に比例していたが、用量を多くするにつれて正規化AUC0−24値が明らかに高くなり、このことは、用量に比例して増加する度合よりも高いことを示唆している。
Figure 2009504650
PEG化TPO化合物番号1を投与した時の血小板反応はrhTPOおよびAMG531に関して公開された結果と同様であった。血小板数が用量に依存して増加して10−12日目にピーク濃度に到達しそして3−4週以内に数がベースラインにまで戻った(図8)。平均ピーク血小板数は0.375μg/kg i.v.の時の315x10/Lから3μg/kg i.v.の時の685x10/Lの範囲であり、そしてベースラインから増加した平均最大血小板数は0.375μg/kgの時の1.4倍から3.0μg/kgの時の3.2倍の範囲であった(表2)。PEG化TPO化合物番号1を0.75ug/kgの用量で投与した6人の被験体の中の4人に血小板が少なくとも50%増加することを観察した一方、用量が1.5ug/kgの6人の被験体の中の約3人に血小板数が少なくとも2倍増加することを観察した、等々。フェーズII臨床試験の出発用量として0.75μg/kg i.v.の用量を選択した。
血小板数が変化する以外、循環している成熟した他の血液細胞は影響を受けなかった(データは示していない)。加うるに、PEG化TPO化合物番号1を投与しても血小板の機能には投与した時にも新しく産生された血小板が現れる時間である投与してから12日後にも影響が生じなかった。
Figure 2009504650
トロンボポイエチン活性を有することが知られている成長因子に対してPEG化TPO化合物番号1の投与が示す効果を評価した。内因性TPOの濃度が用量に依存して増加し、投与してから3日目にピーク濃度に到達した(図9)。IL−6、IL−11およびEPOの血中濃度レベルには有意な変化は全く観察されなかった。
全血中のコラーゲン誘発血小板凝固として評価した血小板機能には処置間に全く差が存在しなかった。前記被験体はいずれも重大な副作用も用量規定毒性も受けなかった。最も高い頻度で観察した副作用には軽度頭痛および疲労が含まれるが、それらは有効成分処置およびプラセボ処置の両方に起こった。PEG化TPO化合物番号1に対する抗体は全く検出されなかった。このような結果は、PEG化TPO化合物番号1は試験した用量範囲で良好に許容されることを示している。
この上に本発明の好適な態様のみを具体的に記述してきたが、本発明の精神および意図した範囲から逸脱しない限り本発明の修飾および変更を行うことができることは理解されるであろう。
図1に、TPO化合物番号1が示した活性を示しかつそれを従来技術のペプチド化合物(本明細書全体に渡って「従来技術のペプチド化合物」と呼ぶ)のそれと比較する。TPO化合物番号1と従来技術のペプチド化合物の間の差は、従来技術のペプチド化合物はβ−(1−ナフチル)アラニン(1−Nal)を有するが、TPO化合物番号1は(2−Nal)を有する点にある。 図2に、PEG化TPO化合物番号1が示した活性を示しかつそれをPEG化従来技術ペプチド化合物と比較する。 図3に、PEG化TPO化合物番号1とPEG化従来技術ペプチド化合物の相対的効力を実証する目的でラットにおける血小板数の生体内変化を示しかつそれらを比較する。 図4および5に、PEG化従来技術ペプチド化合物を使用した時およびPEG化TPO化合物番号1を使用した時のそれぞれにおける循環している血小板の数および体積を用量依存様式で示しかつそれらを比較する。 図6に、PEG化TPO化合物番号1を正常なオスWistarラットに1回静脈内投与(30、100または300μg/kg)すると結果として抹消血小板数が増加することを示す。 図7に、PEG化TPO化合物番号1を健康な男性志願者に用いた時のPK、濃度−時間プロファイルを示し、ここで、黒四角−PEG化TPO化合物番号1が0.75μg/kg i.v.の時、白ひし形−PEG化TPO化合物番号1が1.5μg/kg i.v.の時、上向きの黒三角−PEG化TPO化合物番号1が2.25μg/kg i.v.の時、下向きの白三角−PEG化TPO化合物番号1が3μg/kg i.v.の時。 図8に、PEG化TPO化合物番号1を健康な男性志願者に投与した後に血小板数が用量に依存して増加することを示す。 図9に、PEG化TPO化合物番号1を健康な男性志願者に投与した後に内因性TPO濃度が用量に依存して高くなることを示す。

Claims (30)

  1. トロンボポイエチン作動薬による治療に感受性の疾患に苦しんでいる患者を治療する方法であって、前記患者に下記の配列:(H−IEGPTLRQ(2−Nal)LAARX10)−K(NH)−(X10RAAL(2−Nal)QRLTPGEI)−H(配列識別番号7)[ここで、X10はサルコシンである]を含んで成るペプチド化合物を治療的に有効な用量もしくは量を投与することを含んで成る方法。
  2. 前記ペプチド化合物を約0.1から約5mg/kgの範囲の用量範囲で投与する請求項1記載の方法。
  3. 前記ペプチド化合物をそれぞれ約0.375、0.75、1.5、2.25または3mg/kgの用量範囲で投与する請求項1記載の方法。
  4. 前記ペプチド化合物の投与が約0.75μg/kgのペプチド化合物量で実施された時に約10ng/mLの平均Cmax値をもたらす請求項1記載の方法。
  5. 前記ペプチド化合物の投与が約3.0μg/kgのペプチド化合物量で実施された時に約60ng/mLの平均Cmax値をもたらす請求項1記載の方法。
  6. 前記ペプチド化合物の投与が約18時間から約36時間の前記ペプチド化合物の平均終末半減期をもたらす請求項1記載の方法。
  7. 前記ペプチド化合物の投与が約0.09時間から約2時間のtmax中央値をもたらす請求項1記載の方法。
  8. 前記ペプチド化合物の投与が約0.75ug/kgの用量で実施された時に約50%増大した血小板数をもたらす請求項1記載の方法。
  9. 前記ペプチド化合物の投与が約0.75ug/kgより多い用量で実施された時に約2倍増大した血小板数をもたらす請求項1記載の方法。
  10. 前記ペプチド化合物の投与が内因性TPOレベルの増大をもたらす請求項1記載の方法。
  11. 前記ペプチド化合物が親水性重合体と共有結合されている請求項1記載の方法。
  12. 前記親水性重合体の平均分子量が約500から約40,000ダルトンの範囲である請求項11記載の方法。
  13. 前記親水性重合体の平均分子量が約5,000から約20,000ダルトンの範囲である請求項12記載の方法。
  14. 前記親水性重合体がポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ乳酸およびポリグリコール酸から成る群から選択される請求項11記載の方法。
  15. 前記親水性重合体がポリエチレングリコールである請求項14記載の方法。
  16. 前記ペプチド化合物が二量化されている請求項1記載の方法。
  17. 前記ペプチド化合物の二量体サブユニットの各々を親水性重合体と共有結合させておく請求項16記載の方法。
  18. 前記親水性重合体がポリエチレングリコールである請求項17記載の方法。
  19. 前記ポリエチレングリコールをモノメトキシポリエチレングリコール(MePEG−OH)、モノメトキシポリエチレングリコール−スクシネート(MePEG−S)、モノメトキシポリエチレングリコール−スクシニミジルスクシネート(MePEG−S−NHS)、モノメトキシポリエチレングリコール−アミン(MePEG−NH2)、モノメトキシポリエチレングリコール−トレシレート(MePEG−TRES)およびモノメトキシポリエチレングリコール−イミダゾリル−カルボニル(MePEG−IM)から成る群から選択する請求項18記載の方法。
  20. 前記ペプチド化合物が下記の式:
    Figure 2009504650
    [式中、(2−Nal)はβ−(2−ナフチル)アラニンでありそして(Sar)はサルコシンである]
    で表される請求項1記載の方法。
  21. 前記ペプチド化合物が親水性重合体と共有結合されている請求項20記載の方法。
  22. 前記親水性重合体がポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ乳酸およびポリグリコール酸から成る群から選択される請求項21記載のペプチド化合物。
  23. 前記親水性重合体がポリエチレングリコールである請求項22記載のペプチド化合物。
  24. 前記ポリエチレングリコールの平均分子量が約5,000から約20,000ダルトンの範囲である請求項23記載のペプチド化合物。
  25. 前記ポリエチレングリコールがモノメトキシポリエチレングリコール(MePEG−OH)、モノメトキシポリエチレングリコール−スクシネート(MePEG−S)、モノメトキシポリエチレングリコール−スクシニミジルスクシネート(MePEG−S−NHS)、モノメトキシポリエチレングリコール−アミン(MePEG−NH2)、モノメトキシポリエチレングリコール−トレシレート(MePEG−TRES)およびモノメトキシポリエチレングリコール−イミダゾリル−カルボニル(MePEG−IM)から成る群から選択される請求項23記載のペプチド化合物。
  26. 前記ペプチド化合物の二量体サブユニットの各々が親水性重合体と共有結合している請求項21記載のペプチド化合物。
  27. 前記親水性重合体がポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ乳酸およびポリグリコール酸から成る群から選択される請求項26記載のペプチド化合物。
  28. 前記親水性重合体がポリエチレングリコールである請求項27記載のペプチド化合物。
  29. 前記ポリエチレングリコールの平均分子量が約5,000から約20,000ダルトンの範囲である請求項28記載のペプチド化合物。
  30. 前記ポリエチレングリコールがモノメトキシポリエチレングリコール(MePEG−OH)、モノメトキシポリエチレングリコール−スクシネート(MePEG−S)、モノメトキシポリエチレングリコール−スクシニミジルスクシネート(MePEG−S−NHS)、モノメトキシポリエチレングリコール−アミン(MePEG−NH2)、モノメトキシポリエチレングリコール−トレシレート(MePEG−TRES)およびモノメトキシポリエチレングリコール−イミダゾリル−カルボニル(MePEG−IM)から成る群から選択される請求項28記載のペプチド化合物。
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