JP2009299542A - 内燃機関の燃料供給装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】始動開始後における内燃機関で最初に燃料噴射の行われる気筒が第2気筒群の気筒である場合において、その最初の燃料噴射が遅れることを抑制できるようにする。
【解決手段】内燃機関31においては、第1気筒群の気筒と第2気筒群の気筒とが交互に燃料噴射タイミングを迎える。第1気筒群とは燃料噴射タイミング前での高圧燃料ポンプ4の圧送行程の期間が同タイミング後での圧送行程の期間よりも長くなる気筒群であり、第2気筒群とは燃料噴射タイミング前での圧送行程の期間が同タイミング後での圧送行程の期間よりも短くなる気筒群である。始動開始時における内燃機関31での最初の燃料噴射は関しては、燃料圧力が目標値以上となった状態で燃料噴射タイミングを迎えたときに許可される。そして、第1気筒群では上記目標値が第1の目標値に設定され、第2気筒群では上記目標値が第1の目標値よりも小さい第2の目標値に設定される。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の燃料供給装置に関する。
各気筒の燃焼室内に直接燃料を噴射供給する筒内噴射式の内燃機関においては、高圧となる燃焼室内の圧力に抗して燃料噴射弁からの燃料噴射を可能とするために、その燃料噴射弁に高圧の燃料を供給する燃料供給装置が設けられている。
こうした燃料供給装置は、燃料タンクからフィードポンプにより汲み上げられた燃料を昇圧して吐出する高圧燃料ポンプと、その高圧燃料ポンプから吐出された燃料を蓄えて各気筒の燃料噴射弁に分配するデリバリパイプとを備えている。上記高圧燃料ポンプは、内燃機関のクランクシャフトの回転に伴って回転するカムにより駆動されて吸入行程と圧送行程とを繰り返し、その圧送行程中にデリバリパイプに向けて高圧燃料を吐出するものである。そして、内燃機関の各気筒に設けられた燃料噴射弁は、高圧燃料ポンプから吐出された高圧燃料の蓄えられるデリバリパイプからの燃料供給を受ける。高圧燃料の蓄えられたデリバリパイプ内の燃料圧力は、上記燃料噴射弁から燃焼室内に向けて適正に燃料を噴射することの可能な最小限の値(燃焼可能燃圧)よりも大きい値である目標値(例えば6MPa程度)とされる。従って、デリバリパイプから燃料噴射弁に高圧燃料を供給することにより、その燃料噴射弁から燃焼室内への燃料の噴射供給が可能になる。
上記燃料供給装置の設けられた内燃機関の始動時であって、その始動開始直後のクランクシャフトの回転時には、同機関における各気筒の燃料噴射タイミングを迎える毎にデリバリパイプ内の燃料圧力が上記目標値まで上昇した状態にあるか否かが判断される。そして、同燃料圧力が目標値に達していなければ、そのときに燃料噴射タイミングを迎えた気筒では燃料噴射弁からの燃料噴射が許可されない。一方、上記燃料圧力が目標値に達していれば、内燃機関での燃料噴射弁からの燃料噴射が許可され、上記燃料噴射タイミングを迎えた気筒にて機関始動開始後の最初の燃料噴射が行われることとなる。なお、こうした機関始動開始後における最初の燃料噴射弁からの燃料噴射に関しては、そのときの燃料噴射量が機関始動開始時の機関温度等によって定められる値に調整される。
ところで、燃料供給装置に設けられる高圧燃料ポンプがクランクシャフトの回転時に燃料噴射タイミングを二回迎える毎に一回分の圧送行程の行われるものである場合、内燃機関の各気筒が第1気筒群と第2気筒群とに分けられる。
ここで、第1気筒群とは、燃料噴射タイミングを迎えたときに今回の燃料噴射タイミングと前回の燃料噴射タイミングとの間における高圧燃料ポンプの圧送行程の期間が上記今回の燃料噴射タイミングと次回の燃料噴射タイミングとの間における高圧燃料ポンプの圧送行程の期間よりも長くなる気筒群である。また、第2気筒群とは、燃料噴射タイミングを迎えたときに今回の燃料噴射タイミングと前回の燃料噴射タイミングとの間における高圧燃料ポンプの圧送行程の期間が上記今回の燃料噴射タイミングと次回の燃料噴射タイミングとの間における高圧燃料ポンプの圧送行程の期間よりも短くなる気筒群である。
なお、内燃機関の各気筒が上述した第1気筒群及び第2気筒群に分けられるように高圧燃料ポンプの設けられる燃料供給装置としては、例えば特許文献1に示されるものがあげられる。同文献の燃料供給装置では、4気筒の内燃機関における気筒#1及び気筒#4が第1気筒群となり、同機関における気筒#3及び気筒#2が第2気筒群となるよう、圧送行程の設定された高圧燃料ポンプが設けられている。そして、上記燃料供給装置の設けられた内燃機関では、クランクシャフトの回転に伴って、第1気筒群の気筒と第2気筒群の気筒とが交互に燃料噴射タイミングを迎えることとなる。
上記燃料供給装置においては、内燃機関の始動開始後、最初に同機関で燃料噴射の行われる気筒が第1気筒群の気筒#1,#4である場合に、始動開始後の二回目の燃料噴射の行われる第2気筒群の気筒#3,#2での燃料噴射が適正に行われないおそれがある。こうした不具合の発生には次の[1]及び[2]の点が関係している。[1]機関始動開始後にデリバリパイプの燃料圧力が上記目標値まで上昇した状態で第1気筒群の気筒が燃料噴射タイミングを迎え、その燃料噴射タイミングで同気筒の燃料噴射弁から機関始動開始後における最初の内燃機関での燃料噴射が行われると、それに伴い燃料圧力が燃焼可能燃圧未満に低下する。[2]上第1気筒群の気筒において機関始動開始後における内燃機関の最初の燃料噴射が行われてから、次回の燃料噴射(機関始動開始後における内燃機関での二回目の燃料噴射)が行われるまでの間に、上記燃料圧力を上記燃焼可能燃圧以上に上昇させることができない。
なお、上記[2]の点が生じる理由としては、燃料噴射タイミング間における高圧燃料ポンプの圧送行程の行われる期間が、燃料噴射タイミングの第1気筒群から第2気筒群への移行時には、同燃料噴射タイミングの第2気筒群から第1気筒群への移行時に比べて、短くなるということがあげられる。燃料噴射タイミングの第1気筒群から第2気筒群への移行時、高圧燃料ポンプでの圧送行程の行われる期間が上記のように短くなるということは、同期間中に高圧燃料ポンプから圧送される燃料の量が少なくなることを意味し、そのことが原因となって上記燃料圧力を上記燃焼可能燃圧まで上昇させることができなくなる。
こうした不具合の回避を図るべく、燃料圧力の目標値をより大きい値に設定することが考えられる。具体的には、上記目標値として、始動開始後における内燃機関での最初の燃料噴射が第1気筒群の気筒で行われる場合に、その最初の燃料噴射後に上記燃料圧力が次回の燃料噴射タイミング(第2気筒群の気筒での燃料噴射タイミング)での適正な燃料噴射にとって不足した値となることのないよう、大きい値に設定することが考えられる。このように目標値を大きい値に設定することで、内燃機関の始動開始後、最初に同機関で燃料噴射の行われる気筒が第1気筒群の気筒である場合に、始動開始後の二回目の燃料噴射の行われる第2気筒群の気筒での燃料噴射が適正に行われない、という上述した不具合の発生を回避することができる。
特開2006−188971公報(図2)
上述したように燃料圧力の目標値を大きい値に設定することで、上記不具合を回避することができるようにはなる。ただし、始動開始後における内燃機関で最初に燃料噴射の行われる気筒が第2気筒群の気筒である場合にも、その最初の燃料噴射の行われる条件が上記大きい値に設定された目標値への燃料圧力の到達ということになる。このため、上記燃料噴射を適正に行うという観点において燃料圧力が無駄に大きい値とされてから上記第2の気筒群の気筒での最初の燃料噴射が行われるようになる。
ここで、第2気筒群の気筒において始動開始後における内燃機関での最初の燃料噴射が行われる場合、上記最初の燃料噴射に伴い燃料圧力が低下するとしても、その燃料圧力を次回の燃料噴射(第1気筒群の気筒での燃料噴射)までに上記燃焼可能燃圧以上に上昇させることが容易である。これは、燃料噴射タイミング間において高圧燃料ポンプの圧送行程の行われる期間が、燃料噴射タイミングの第2気筒群から第1気筒群への移行時には、同燃料噴射タイミングの第1気筒群から第2気筒群への移行時に比べて、長くなるためである。燃料噴射タイミングの第2気筒群から第1気筒群への移行時、高圧燃料ポンプでの圧送行程の行われる期間が上記のように長くなるということは、同期間中に高圧燃料ポンプから圧送される燃料の量が多くなることを意味し、それにより上記燃料圧力を上記燃焼可能燃圧まで上昇させることが可能になる。
従って、始動開始後における内燃機関で最初に燃料噴射の行われる気筒が第2気筒群の気筒である場合、燃料圧力の目標値が上述したように大きい値に設定されていると、燃料噴射を適正に行うという観点において燃料圧力が無駄に大きい値とされてから同燃料噴射が行われるようになり、その燃料噴射の開始が遅れることは避けられなくなる。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、始動開始後における内燃機関で最初に燃料噴射の行われる気筒が第2気筒群の気筒である場合において、その最初の燃料噴射が遅れることを抑制できる内燃機関の燃料供給装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明では、機関始動開始後のクランクシャフトの回転時、各気筒の燃料噴射タイミングを迎えたときに同気筒での燃料噴射弁からの燃料噴射を実行する内燃機関の燃料供給装置であって、前記クランクシャフトの回転に伴って回転するカムにより駆動されて吸入行程と圧送行程とを繰り返すとともに前記燃料噴射タイミングを二回迎える毎に前記圧送行程が一回行われる高圧燃料ポンプと、その高圧燃料ポンプの圧送行程中に同ポンプから吐出される高圧燃料を蓄えて前記燃料噴射弁に供給するデリバリパイプとを備え、機関始動開始から前記デリバリパイプ内の燃料圧力が上昇して目標値に達するまでは前記燃料噴射弁からの燃料噴射を禁止し、前記燃料圧力が前記目標値に達したことを条件に前記燃料噴射弁からの燃料噴射を許可する内燃機関の燃料供給装置において、前記各気筒に関しては、燃料噴射タイミングを迎えたときに今回の燃料噴射タイミングと前回の燃料噴射タイミングとの間における前記高圧燃料ポンプの圧送行程の期間が前記今回の燃料噴射タイミングと次回の燃料噴射タイミングとの間における前記高圧燃料ポンプの圧送行程の期間よりも長くなる第1気筒群と、燃料噴射タイミングを迎えたときに今回の燃料噴射タイミングと前回の燃料噴射タイミングとの間における前記高圧燃料ポンプの圧送行程の期間が前記今回の燃料噴射タイミングと次回の燃料噴射タイミングとの間における前記高圧燃料ポンプの圧送行程の期間よりも短くなる第2気筒群とに分けられ、前記クランクシャフトの回転に伴って前記第1気筒群の気筒と前記第2気筒群の気筒とが交互に燃料噴射タイミングを迎えるものであり、機関始動開始後に燃料噴射タイミングを迎えたとき、その燃料噴射タイミングを迎えた気筒が前記第1気筒群の気筒であれば前記デリバリパイプ内の燃料圧力が第1の目標値以上に上昇していることを条件に前記気筒の前記燃料噴射弁からの燃料噴射が許可され、前記燃料噴射タイミングを迎えた気筒が第2気筒群であれば前記燃料圧力が第2の目標値以上に上昇していることを条件に前記気筒の前記燃料噴射弁からの燃料噴射が許可され、前記第1の目標値と前記第2の目標値とは、その第2の目標値が前記第1の目標値よりも小さい値となるように設定されていることを要旨とした。
上記構成によれば、第1の目標値及び第2の目標値をそれぞれ、以下のように設定することができる。すなわち、始動開始後における内燃機関での最初の燃料噴射が第1気筒群の気筒で行われる場合に、その最初の燃料噴射後に上記燃料圧力が次回の燃料噴射タイミング(第2気筒群の気筒での燃料噴射タイミング)での適正な燃料噴射にとって不足した値となることのないよう、上記第1の目標値を大きい値に設定する。そして、このように第1の目標値を設定したうえで、第2の目標値を上記第1の目標値よりも小さい値に設定することができる。従って、始動開始後における内燃機関で最初に燃料噴射の行われる気筒が第2気筒群の気筒である場合には、その最初の燃料噴射の行われる条件が上記第1の目標値よりも小さい値である上記第2の目標値への燃料圧力の到達ということになる。このため、燃料噴射を適正に行うという観点において燃料圧力が無駄に大きい値とされてから上記第2の気筒群の気筒での最初の燃料噴射が行われるようになるということはない。仮に、燃料圧力が無駄に大きい値とされるまで、第2気筒群の気筒での最初の燃料噴射が行われないとすると、その最初の燃料噴射の開始が遅くなることは避けられない。しかし、上述したように第2の目標値を上記第1の目標値よりも小さい値に設定することで、燃料圧力が無駄に大きい値とされるまで、第2気筒群の気筒での最初の燃料噴射が行われないという状況が生じることは抑制され、その状況の発生に起因して上記最初の燃料噴射の開始が遅くなることを抑制できるようになる。
請求項2記載の発明では、請求項1記載の発明において、前記第1気筒群の気筒に関しては、その気筒が燃料噴射タイミングを迎えたときに今回の燃料噴射タイミングと前回の燃料噴射タイミングとの間に前記高圧燃料ポンプの圧送行程が存在し、前記今回の燃料噴射タイミングと次回の燃料噴射タイミングとの間に前記高圧燃料ポンプの圧送行程が存在しないものであり、前記第2気筒群の気筒に関しては、その気筒が燃料噴射タイミングを迎えたときに今回の燃料噴射タイミングと前回の燃料噴射タイミングとの間に前記高圧燃料ポンプの圧送行程が存在せず、前記今回の燃料噴射タイミングと次回の燃料噴射タイミングとの間に前記高圧燃料ポンプの圧送行程が存在するものであることを要旨とした。
上記構成によれば、始動開始後における内燃機関での最初の燃料噴射が第1気筒群の気筒で行われる場合には、次回の燃料噴射(第2気筒群の気筒での燃料噴射)までに高圧燃料ポンプからの燃料の圧送が行われないため、上記最初の燃料噴射が行われた後の燃料圧力の低下が大きなものとなる。従って、次回の燃料噴射において同燃料噴射を適正に行ううえで燃料圧力が不足する可能性が高くなる。しかし、こうした燃料圧力の不足が生じないように第1の目標値を大きい値に設定することができる。
ここで、仮に、機関始動開始後の最初の燃料噴射が第1気筒群の気筒で行われる場合と第2気筒群の気筒で行われる場合とにおいて、それぞれ燃料圧力の目標値として共通の値が用いられたとすると、言い換えれば第2の目標値が第1の目標値と等しい値にされたとすると、次のような不具合が生じることとなる。すなわち、機関始動開始後の最初の燃料噴射が第2気筒群の気筒で行われる場合に、燃料噴射を適正に行うという観点において燃料圧力が無駄に大きい値まで上昇されてから上記最初の燃料噴射が行われ、同燃料圧力の無駄な上昇分が一層大きくなる。そして、同燃料圧力の無駄な上昇分が大きくなることに起因して、上記最初の燃料噴射の開始がより一層遅くなる。
しかし、上記構成によれば、第2の目標値が上記第1の目標値よりも小さい値に設定されるため、上述した燃料圧力の無駄な上昇分が少なくされる。その結果、第2気筒群の気筒での上記最初の燃料噴射がより一層遅くなるという、上述した不具合の発生を抑制することができるようになる。
請求項3記載の発明では、請求項1又は2記載の発明において、前記第1の目標値に関しては、機関始動開始後に前記第1気筒群の気筒が燃料噴射タイミングを迎えて内燃機関での始動開始後の最初の燃料噴射弁からの燃料噴射が行われた後、その燃料噴射に伴い低下した前記燃料圧力が燃料噴射弁からの燃料噴射を適正に行うことの可能な値となるよう設定されており、前記第2の目標値に関しては、機関始動開始後に前記第2気筒群の気筒が内燃機関での最初の燃料噴射タイミングを迎えて内燃機関での始動開始後の最初の燃料噴射弁からの燃料噴射が行われるとき、その燃料噴射を適正に行うことの可能な最小限の値に設定されていることを要旨とした。
上記構成によれば、第2の目標値が上記燃料噴射を適正に行うことの可能な最小限の値に設定されているため、機関始動開始後にデリバリパイプの燃料圧力が第2の目標値まで上昇するために要する時間を可能な限り短くすることができる。従って、機関始動開始後の最初の燃料噴射が第2気筒群の気筒で行われる場合に、その最初の燃料噴射を可能な限り早期に行うことができる。また、上記最初の燃料噴射に伴い燃料圧力が低下したとしても、次回の燃料噴射までに燃料圧力を適正な燃料噴射に必要な最小限の値以上まで上昇させることができ、その次回の燃料噴射を適正に行えなくなるということはない。これは、機関始動開始後の最初の燃料噴射が第2気筒群の気筒で行われる場合、次回の燃料噴射が行われるまでの間における高圧燃料ポンプの圧送行程の期間が長くなるためである。
請求項4記載の発明では、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明において、機関始動開始後に最初に燃料噴射の行われる気筒が前記第1気筒群の気筒であるとき、その最初の燃料噴射における燃料噴射量を減量補正する補正手段を更に備えた。
上記構成によれば、機関始動開始後における最初の燃料噴射が第1気筒群の気筒で行われる際、その最初の燃料噴射に伴いデリバリパイプの燃料圧力が低下するとしても、その低下を上記最初の燃料噴射における燃料噴射量の減量補正を通じて小さく抑えることができる。従って、次回の燃料噴射(第2気筒群の気筒での燃料噴射)の際、その燃料噴射が上記燃料圧力の低下から悪影響を受けることは抑制されるようになる。
請求項5記載の発明では、請求項4記載の発明において、前記補正手段は、機関始動開始後の最初の燃料噴射が前記第1気筒群の気筒で行われる際、そのときの前記燃料圧力が小さい値であるほど前記燃料噴射量を減量補正する際の補正量を大きくするものであることを要旨とした。
機関始動開始後における最初の燃料噴射が第1気筒群の気筒で行われる際、そのときの燃料圧力が小さい値であるほど、上記最初の燃料噴射の実行に伴う燃料圧力の低下が生じた後に同燃料圧力が小さい値になり、次回の燃料噴射(第2気筒群の気筒での燃料噴射)に悪影響を及ぼす可能性が高くなる。上記構成によれば、上記最初の燃料噴射が第1気筒群の気筒で行われる際の燃料圧力が小さい値であるほど、その最初の燃料噴射における燃料噴射量を減量補正する際の補正量が大きくされるため、同燃料噴射に伴う燃料圧力の低下が小さく抑えられるようになる。従って、第1気筒群の気筒での上記最初の燃料噴射に起因する燃料圧力の低下が、次回の燃料噴射(第2気筒群の気筒での燃料噴射)に悪影響を及ぼすことを的確に抑制できるようになる。
[第1実施形態]
以下、本発明を自動車に搭載されるV型6気筒の筒内噴射式内燃機関に適用した第1実施形態について、図1〜図6を参照して説明する。
図1に示される内燃機関31においては、六つの気筒#1〜#6のそれぞれに燃焼室32に向けて燃料を噴射供給する燃料噴射弁3が設けられており、その燃料を燃焼室32内で燃焼させたときの燃焼エネルギにより同機関31の出力軸であるクランクシャフト33が回転する。
こうした筒内噴射式の内燃機関31では、高圧となる燃焼室32内の圧力に抗して燃料噴射弁3からの燃料噴射を可能とするために、その燃料噴射弁3に高圧の燃料を供給する燃料供給装置が設けられている。同装置には、燃料タンク1からフィードポンプ2により汲み上げられた燃料を昇圧して吐出する高圧燃料ポンプ4と、その高圧燃料ポンプ4から吐出された燃料を蓄えて各気筒#1〜#6の燃料噴射弁3に分配するデリバリパイプ13とが設けられている。
上記高圧燃料ポンプ4は、内燃機関31のクランクシャフト33の回転に伴って回転する排気カムシャフト5に取り付けられたカム6の回転及びコイルスプリング7の付勢力に基づき、シリンダ9内で往復移動するプランジャ8を備えている。プランジャ8を往復移動させるための上記カム6が取り付けられた排気カムシャフト5に対しては、内燃機関31のクランクシャフト33の2回転につき1回転するよう、同クランクシャフト33からの回転伝達が行われる。また、上記カム6には排気カムシャフト5の回転方向に等間隔をおいて三つのカム山が形成されている。
高圧燃料ポンプ4には、プランジャ8及びシリンダ9により区画されて同プランジャ8の往復移動に伴い容積の変化する加圧室10が形成されている。そして、上記カム6の回転に伴い、プランジャ8が加圧室10を拡大する方向に移動する吸入行程と、同プランジャ8が加圧室10を縮小する方向に移動する圧送行程とが、交互に繰り返される。上記吸入行程はフィードポンプ2からの燃料が吸入通路11を介して加圧室10に吸入される行程であり、上記圧送行程は加圧室10内の燃料が加圧されて吐出通路12に吐出される行程である。この圧送行程で高圧燃料ポンプ4から吐出された高圧燃料は、吐出通路12及びその途中に設けられたチェック弁16を介して、上記デリバリパイプ13に供給されることとなる。
なお、こうした圧送行程及び吸入行程に関しては、上記カム6に三つのカム山が形成されていることから、排気カムシャフト5の1回転につき、言い換えれば内燃機関31のクランクシャフト33の720°の回転(2回転)につき、それぞれ3回行われる。ちなみに、V型6気筒の内燃機関31においては、クランクシャフト33の720°の回転につき各気筒#1〜#6でそれぞれ1回ずつ燃料噴射タイミングを迎え、その燃料噴射タイミングを迎える毎に燃料噴射弁3からの燃料噴射が行われる。従って、同内燃機関31では、燃料噴射タイミングを2回迎える毎に高圧燃料ポンプ4の上記圧送行程及び吸入行程が1回ずつ行われることとなる。
高圧燃料ポンプ4には、吸入通路11と加圧室10との間を連通・遮断すべく開閉動作する電磁スピル弁14が設けられている。この電磁スピル弁14は、電磁ソレノイド15を備え、同ソレノイド15への電圧印加を制御することにより開閉動作するものである。即ち、電磁ソレノイド15に対する通電が停止された状態にあっては、電磁スピル弁14がコイルスプリング17の付勢力によって開き、吸入通路11と加圧室10とが連通した状態になる。また、電磁ソレノイド15に対する通電が行われると、電磁スピル弁14がコイルスプリング17の付勢力に抗して閉弁され、吸入通路11と加圧室10とが遮断された状態になる。
そして、高圧燃料ポンプ4において、吸入行程では電磁スピル弁14が開弁され、これにより吸入通路11から加圧室10内への燃料の流入が許可される。また、圧送行程においては、電磁スピル弁14が所定の期間だけ閉弁されることになり、同スピル弁14の開弁中は加圧室10内の燃料が吸入通路11に溢流し、同スピル弁14の閉弁中は上記溢流が禁止される。このように燃料の溢流が禁止されているとき、加圧室10内の燃料が加圧された状態で吐出通路12に吐出される。従って、圧送行程での電磁スピル弁14の閉弁時間を制御し、加圧室10から吸入通路11に溢流される燃料の量を調節することで、高圧燃料ポンプ4の燃料吐出量を調節することができる。
こうした高圧燃料ポンプ4を含む燃料供給装置の駆動制御は、自動車に搭載された各種機器の制御を行う電子制御装置18により実施される。電子制御装置18は、上記制御に係る各種演算を実行するCPU、その制御に必要なプログラムやデータの記憶されたROM、CPUの演算結果が一時的に記憶されるRAM、外部との間で信号を入出力するための入出力ポート等を備えて構成されている。
電子制御装置18の入力ポートには、以下に示されるセンサを含む各種センサが接続されている。
・デリバリパイプ13内の燃料圧力(燃料噴射弁3に供給される燃料の圧力)を検出する燃圧センサ19。
・内燃機関31のクランクシャフト33の回転に対応したパルス状の信号を出力し、機関回転速度の検出等に用いられるクランクポジションセンサ20。
・内燃機関31の排気カムシャフト5の回転に対応して、同シャフト5の回転位置に対応した信号を出力するカムポジションセンサ21。
・内燃機関31の冷却水温を検出する水温センサ22。
電子制御装置18の出力ポートには、燃料噴射弁3や電磁スピル弁14といった各種機器の駆動回路が接続されている。
電子制御装置18は、上記各種センサからの検出信号により把握される機関運転状態に応じて、上記出力ポートに接続された各種機器の駆動回路に指令信号を出力し、それら機器の制御を実行する。こうして内燃機関31における燃料噴射弁3の燃料噴射制御、及び、デリバリパイプ13の燃料圧力制御といった各種制御が電子制御装置18により実施される。
ここで、デリバリパイプ13内の燃料圧力制御は、高圧燃料ポンプ4を駆動する際の駆動指令値であるポンプデューティDTに基づき高圧燃料ポンプ4の圧送行程中における電磁スピル弁14の閉弁時間を制御し、高圧燃料ポンプ4からの燃料吐出量を調整することによって実現される。
図2は、上記ポンプデューティDTについて説明するためのタイミングチャートであり、カム6のカム角の変化に対するプランジャ8のリフト量の変化を示している。同図において、「θ0 」は高圧燃料ポンプ4の圧送行程全体に対応するカム6のカム角度(最大カム角度)を表し、「θ」は上記圧送行程中における電磁スピル弁14の閉弁時間の目標値に対応するカム6のカム角度(目標カム角度)を表している。上記ポンプデューティDTは、最大カム角度θ0 に対する目標カム角度θの割合を示すものであり、0〜100%という範囲内で可変とされる値である。
このポンプデューティDTが「0%」に近づくほど、同ポンプデューティDTに基づいて制御される電磁スピル弁14の圧送行程中における閉弁時間が短くなる。その結果、高圧燃料ポンプ4からの燃料吐出量が少なくなり、デリバリパイプ13の燃料圧力が低下する。逆に、ポンプデューティDTが「100%に近づくほど、同ポンプデューティDTに基づいて制御される電磁スピル弁14の圧送行程中における閉弁時間が短くなる。その結果、高圧燃料ポンプ4からの燃料吐出量が多くなり、デリバリパイプ13の燃料圧力が上昇する。
そして、ポンプデューティDTに関しては、デリバリパイプ13の燃料圧力が目標値となるよう0%〜100%の間で可変設定される。なお、上記目標値としては、燃料噴射弁3から燃焼室32内に向けて直接燃料を噴射供給することの可能な値(例えば6MPa程度)以上の値に設定される。従って、ポンプデューティDTに基づき高圧燃料ポンプ4の圧送行程中における電磁スピル弁14の閉弁時間を制御し、高圧燃料ポンプ4からの燃料吐出量を調整することにより、デリバリパイプ13内の燃料圧力が目標値に制御されて燃料噴射弁3から燃焼室32内に向けて直接燃料を噴射供給することが可能になる。
ところで、内燃機関31の停止中であって高圧燃料ポンプ4の駆動が停止されているときには、デリバリパイプ13への高圧燃料の供給が行われないことから、吐出通路12の途中に設けられたチェック弁16におけるデリバリパイプ13側から加圧室10側への燃料漏れ等に起因して、デリバリパイプ13内の燃料圧力が落ち込むことは避けられない。従って、内燃機関31の停止中には、デリバリパイプ13内の燃料圧力が目標値未満の値に低下することとなる。このような状態で内燃機関31が始動される場合、内燃機関31のクランクシャフト33の回転に伴い高圧燃料ポンプ4が駆動されて同ポンプ4の駆動に基づきデリバリパイプ13内の燃料圧力が目標値へと上昇するまでは、燃料噴射弁3から燃焼室32内への適正な燃料噴射を行うことが困難になる。
ちなみに、内燃機関31の始動開始直後におけるクランクシャフト33の回転時には、所定クランク角毎に設定された燃料噴射タイミングにて燃料噴射弁3からの燃料噴射が行われることとなる。従って、機関始動開始後に上記燃料噴射タイミングを迎えて燃料噴射弁3からの燃料噴射が行われたとしても、そのときにデリバリパイプ13内の燃料圧力が目標値に達していなければ、上記燃料噴射弁3からの適正な燃料噴射を行うことはできない。なお、機関始動開始後にデリバリパイプ13内の燃料圧力が目標値に達するまでの間は、燃料圧力の目標値への到達を可能な限り早期に実現すべく、ポンプデューティDTが「100%」に設定され、圧送行程(図2参照)全体で高圧燃料ポンプ4からの高圧燃料の吐出が行われる。しかし、このように高圧燃料ポンプ4の全能力を用いて燃料圧力を上昇させたとしても、同燃料圧力が機関始動開始後の最初の燃料噴射タイミングまでに目標値に到達するとは限らない。
このため、機関始動開始からデリバリパイプ13内の燃料圧力が上昇して目標値に達するまでは、燃料噴射弁3からの燃料噴射を禁止し、上記燃料圧力が目標値に達したことを条件に燃料噴射弁3からの燃料噴射を許可することが行われる。この場合、機関始動開始後、デリバリパイプ13内の燃料圧力が目標値へと上昇する前においては、燃料噴射タイミングを迎えたとしても燃料噴射弁3からの燃料噴射が行われることはない。従って、上記燃料圧力が目標値まで上昇しておらず燃焼室32内への適正な燃料噴射を行えない状況のまま、燃料噴射タイミングにて燃料噴射弁3からの燃料噴射が実施されるということを回避できるようになる。
次に、本実施形態におけるクランクシャフト33に対するカム6の相対回転位相の設定、言い換えれば燃料噴射タイミングに対する高圧燃料ポンプ4の圧送行程の設定について、図3を参照して説明する。
同図において、横軸は内燃機関31の1サイクル分におけるクランク角の変化(0〜720°CA)を示しており、その横軸における#1inj 〜#6inj はそれぞれ機関始動開始直後での各気筒における燃料噴射タイミングを示している。従って、この実施形態の内燃機関31における上記燃料噴射タイミングは、510°CA(#1inj )、630°CA(#2inj )、30°CA(#3inj )、150°CA(#4inj )、270°CA(#5inj )、390°CA(#6inj )となっている。
同図(a)から分かるように、高圧燃料ポンプ4のカム6のカム山の外形に関しては、高圧燃料ポンプ4の一回の圧送行程がクランクシャフト33の90°回転分で生じ、且つ高圧燃料ポンプ4の一回の吸入行程がクランクシャフト33の150°回転分で生じるように形成されている。また、クランクシャフト33に対するカム6の相対回転位相に関しては、570〜660°CA、90〜180°CA、及び330〜420°CAで高圧燃料ポンプ4が圧送行程となるように設定されている。このため、高圧燃料ポンプ4の圧送行程に関しては、内燃機関31における各気筒#1〜#6の燃料噴射タイミングを2回迎える毎に1回行われることとなる。
このように燃料噴射タイミングを2回迎える毎に高圧燃料ポンプ4の圧送行程が1回行われる場合、内燃機関31の各気筒#1〜#6が後述する第1気筒群と第2気筒群とに分けられる。
ここで、第1気筒群とは、燃料噴射タイミングを迎えたときに今回の燃料噴射タイミングと前回の燃料噴射タイミングとの間における高圧燃料ポンプ4の圧送行程の期間が上記今回の燃料噴射タイミングと次回の燃料噴射タイミングとの間における高圧燃料ポンプ4の圧送行程の期間よりも長くなる気筒群である。従って、図3の例では、気筒#2,#4,#6が第1気筒群の気筒となる。この第1気筒群の気筒においては、燃料噴射タイミングを迎えたとき、今回の燃料噴射タイミングと前回の燃料噴射タイミングとの間における上記圧送行程の期間がクランクシャフト33の60°回転分となり、上記今回の燃料噴射タイミングと次回の燃料噴射タイミングとの間における上記圧送行程の期間がクランクシャフト33の30°回転分となる。
また、第2気筒群とは、燃料噴射タイミングを迎えたときに今回の燃料噴射タイミングと前回の燃料噴射タイミングとの間における高圧燃料ポンプ4の圧送行程の期間が上記今回の燃料噴射タイミングと次回の燃料噴射タイミングとの間における高圧燃料ポンプ4の圧送行程の期間よりも短くなる気筒群である。従って、図3の例では、気筒#1,#3,#5が第2気筒群の気筒となる。この第2気筒群の気筒においては、燃料噴射タイミングを迎えたとき、今回の燃料噴射タイミングと前回の燃料噴射タイミングとの間における上記圧送行程の期間がクランクシャフト33の30°回転分となり、今回の燃料噴射タイミングと次回の燃料噴射タイミングとの間における上記圧送行程の期間がクランクシャフト60°回転分となる。
次に、上述した第1気筒群と第2気筒群とに分けられる内燃機関31の始動時にデリバリパイプ13の燃料圧力に関係して生じる不具合について説明する。
内燃機関31の始動開始後、デリバリパイプ13の燃料圧力が上昇して目標値Pt以上になると、燃料噴射弁3からの燃料噴射が許可されて内燃機関31のいずれかの気筒#1〜#6が燃料噴射タイミングを迎えたとき、同タイミングにて内燃機関31での始動開始後における最初の燃料噴射弁3からの燃料噴射が行われる。なお、図3(b)の例では、気筒#4の燃料噴射タイミング#4inj にて、燃料圧力が目標値Pt以上になって燃料噴射弁3からの燃料噴射が許可されるとともに、気筒#4の燃料噴射弁3から内燃機関31における始動開始後の最初の燃料噴射が行われる。
上記目標値Ptとしては、燃料噴射弁3からの燃料噴射を適正に行って燃焼室32内での燃料の燃焼を適正に行うことの可能な最小限の値(以下、燃焼可能燃圧という)に対し、所定値aだけ大きい値を採用することが考えられる。また、内燃機関31の始動開始から始動完了後の自立運転開始までの燃料噴射量に関しては、同機関31の始動性を良好なものとするため、燃料を燃焼させることのできる範囲で可能な限り多くの燃料を噴射すべく同範囲の最大値(リッチ限界値)に調整することが考えられる。
ここで、内燃機関31の始動開始後、デリバリパイプ13の燃料圧力が目標値Pt以上となることに基づき、燃料噴射弁3からの燃料噴射の行われる気筒が第1気筒群の気筒(例えば気筒#4)である場合、始動開始後の二回目の燃料噴射の行われる第2気筒群の気筒(上記の例では気筒#5)での燃料噴射が適正に行われないおそれがある。こうした不具合の発生には[背景技術]の欄にも記載した以下の[1]及び[2]の点が関係している。
[1]第1気筒群の気筒(図3(b)の例では気筒#4)で燃料噴射弁3から始動開始後の内燃機関31における最初の燃料噴射が行われると、それに伴い燃料圧力が燃焼可能燃圧未満に低下する。なお、図3(b)の例では、上記最初の燃料噴射が実行されてからクランクシャフト33の30°回転分は、高圧燃料ポンプ4の圧送行程となるため、上記最初の燃料噴射に伴う燃料圧力の低下は抑えられるものの、同低下を回避することはできない。このため、上記最初の燃料噴射に伴い燃料圧力が燃焼許可燃圧未満に低下する。
[2]上第1気筒群の気筒(上記の例では気筒#4)において、始動開始後における内燃機関31での最初の燃料噴射が行われてから、第2気筒群の気筒(上記の例では気筒#5)にて行われる次回(始動開始後の二回目)の燃料噴射までの間に、上記燃料圧力を上記燃焼可能燃圧以上に上昇させることができない。これは、燃料噴射タイミング間において高圧燃料ポンプ4の圧送行程の行われる期間が、燃料噴射タイミングの第1気筒群から第2気筒群への移行時(上記の例では#4inj→#5inj )には、同燃料噴射タイミングの第2気筒群から第1気筒群への移行時(#5inj →#6inj 等)に比べて、短くなるためである。燃料噴射タイミングの第1気筒群から第2気筒群への移行時、高圧燃料ポンプ4での圧送行程の行われる期間が上記のように短くなるということは、同期間中に高圧燃料ポンプ4から圧送される燃料の量が少なくなることを意味する。そのことが原因となって上記燃料圧力を上記燃焼可能燃圧まで上昇させることができなくなる。
以上の[1]及び「2」の点の関係から、始動開始後の内燃機関31において、最初に燃料噴射弁3からの燃料噴射の行われる気筒が第1気筒群の気筒である場合、始動開始後の二回目の燃料噴射の行われる第2気筒群の気筒において燃料噴射弁3からの燃料噴射が適正に行われないおそれがある。こうした不具合の対策としては、燃料圧力の目標値を上記目標値Ptよりも大きい値に設定することが考えられる。
具体的には、始動開始後における内燃機関31での最初の燃料噴射が第1気筒群の気筒で行われる場合に、その最初の燃料噴射後に上記燃料圧力が次回の燃料噴射タイミング(第2気筒群の気筒での燃料噴射タイミング)での適正な燃料噴射にとって不足した値となることのないよう、上記目標値を目標値Ptよりも大きい値に設定する。このときの目標値を図3(c)に示される目標値Pt1とすると、始動開始後の内燃機関31における最初の燃料噴射が第1気筒群の気筒(気筒#4等)で行われる場合に、その燃料噴射に伴い燃料圧力が目標値Pt1から低下したときに上記燃焼可能燃圧未満となることはない。このため、内燃機関31における始動開始後の二回目の燃料噴射の行われる第2気筒群の気筒(気筒#5等)において同燃料噴射が適正に行われない、という上述した不具合の発生を回避することができる。
ただし、燃料圧力の目標値を上述した目標値Pt1という大きい値に設定すると、始動開始後における内燃機関31で最初に燃料噴射の行われる気筒が第2気筒群の気筒である場合にも、その最初の燃料噴射の行われる条件が上記大きい値に設定された目標値Pt1への燃料圧力の到達ということになる。このため、上記燃料噴射を適正に行うという観点において燃料圧力が無駄に大きい値とされてから上記第2の気筒群の気筒での最初の燃料噴射が行われるようになる。
ここで、第2気筒群の気筒において始動開始後における内燃機関31での最初の燃料噴射が行われる場合、上記最初の燃料噴射に伴い燃料圧力が低下するとしても、その燃料圧力を次回の燃料噴射(第1気筒群の気筒での燃料噴射)までに上記燃焼可能燃圧以上に上昇させることが容易である。これは、燃料噴射タイミング間において高圧燃料ポンプ4の圧送行程の行われる期間が、燃料噴射タイミングの第2気筒群から第1気筒群への移行時には、同燃料噴射タイミングの第1気筒群から第2気筒群への移行時に比べて、長くなるためである。燃料噴射タイミングの第2気筒群から第1気筒群への移行時、高圧燃料ポンプ4での圧送行程の行われる期間が上記のように長くなるということは、同期間中に高圧燃料ポンプ4から圧送される燃料の量が多くなることを意味し、それにより上記燃料圧力を上記燃焼可能燃圧まで上昇させることが可能になる。
従って、燃料圧力の目標値を上述した目標値Pt1という大きい値に設定すると、始動開始後における内燃機関31で最初に燃料噴射の行われる気筒が第2気筒群の気筒である場合、燃料噴射を適正に行うという観点において燃料圧力が無駄に大きい値とされてから同燃料噴射が行われるようになり、その燃料噴射の開始が遅れることは避けられない。
具体例として、内燃機関31の始動開始後、燃料圧力が上記目標値Pt1まで上昇し、図3(d)に示されるように第2気筒群の気筒#5における燃料噴射タイミング#5inj にて、始動開始後における内燃機関31での最初の燃料噴射が行われる場合について考えてみる。この場合、燃料噴射を適正に行う観点では、第2気筒群の気筒#3における燃料噴射タイミング#3inj において、始動開始後における内燃機関31での最初の燃料噴射を行うことの可能な程度まで燃料圧力が上昇している可能性がある。それにも関わらず、燃料圧力の目標値を上記目標値Pt1に設定した場合には第2気筒群の気筒#5における燃料噴射タイミング#5inj でしか上記最初の燃料噴射が行われないという状況が生じ、燃料噴射タイミング#3inj から燃料噴射タイミング#5inj に至るまでの期間だけ、始動開始後における内燃機関31での最初の燃料噴射の開始が遅れる。
次に、始動開始後における内燃機関31で最初に燃料噴射の行われる気筒が第2気筒群の気筒である場合において、その最初の燃料噴射が遅れるという不具合に関する本実施形態の対策について、図4を参照して説明する。なお、同図において、(a)はクランク角の変化に対する高圧燃料ポンプ4での圧送行程と吸入行程との切り替わり態様を示しており、(b)及び(c)は内燃機関31の始動開始後における燃料圧力の時間経過に伴う変化を示している。
内燃機関31の始動開始後に燃料噴射タイミングを迎えたとき、その燃料噴射タイミングを迎えた気筒が第1気筒群の気筒であるか、あるいは第2気筒群の気筒であるかに応じて、燃料噴射弁3からの燃料噴射を許可するか否かを決めるために用いられる燃料圧力の目標値が異なる値に設定される。
より詳しくは、内燃機関31の始動開始後に燃料噴射タイミングを迎えたとき、その燃料噴射タイミングを迎えた気筒が第1気筒群の気筒である場合には、燃料圧力の目標値が上記目標値Pt1と等しい値である第1の目標値Pt1に設定される。このときの第1の目標値Pt1を図4(b)に示す。一方、内燃機関31の始動開始後に燃料噴射タイミングを迎えたとき、その燃料噴射タイミングを迎えた気筒が第2気筒群の気筒である場合には、燃料圧力の目標値が上記第1の目標値Pt1よりも小さい値である第2の目標値Pt2に設定される。ちなみに、第2の目標値Pt2に関しては、始動開始後に第2気筒群の気筒にて内燃機関31での最初の燃料噴射が行われるとき、その燃料噴射を適正に行うことの可能な最小限の値である燃焼可能燃圧に設定されている。このときの第2の目標値Pt2を図4(c)に示す。
始動開始後における内燃機関31で最初に燃料噴射の行われる気筒が第2気筒群の気筒である場合、その最初の燃料噴射の行われる条件が上記第1の目標値Pt1よりも小さい値である上記第2の目標値Pt2への燃料圧力の到達ということになる。このため、燃料噴射を適正に行うという観点において燃料圧力が無駄に大きい値とされてから上記第2の気筒群の気筒での最初の燃料噴射が行われるようになるということはない。このように、燃料圧力が無駄に大きい値とされるまで第2気筒群の気筒での最初の燃料噴射が行われないという状況が生じることは抑制されるため、その状況の発生に起因して上記最初の燃料噴射の開始が遅くなることを抑制できるようになる。始動開始後に内燃機関31での最初の燃料噴射が第2気筒群の気筒で行われる際、燃料圧力の目標値を第1の目標値Pt1に設定すると上記燃料噴射が例えば燃料噴射タイミング#5inj にて行われるのに対し、上記目標値を第2の目標値Pt2に設定することで上記燃料噴射を燃料噴射タイミング#3inj にて行うことが可能になる場合がある。
次に、内燃機関31の始動開始から自立運転開始(始動完了)までにおける同機関の燃料噴射制御について、始動時燃料噴射制御ルーチンを示す図5のフローチャートを参照して説明する。この始動時燃料噴射制御ルーチンは、電子制御装置18を通じて、例えば30°毎といった所定クランク角毎の角度割り込みにて周期的に実行される。
同ルーチンにおいては、内燃機関31の自立運転開始前であるか否か(S101)、例えばエンジン回転速度がアイドル回転速度よりも所定量だけ低い値未満であるか否かが判断される。ここで行程判定であれば、内燃機関31の始動開始時における機関温度を表す同機関31の冷却水温に基づき、同機関31の始動開始から自立運転開始前までの燃料噴射量の指令値としてベース噴射量Bが算出される(S102)。このように算出されるベース噴射量Bは、上記冷却水温に応じて、燃料を燃焼させることのできる範囲の最大値(リッチ限界値)となるよう可変とされる。
続いて、内燃機関31の始動開始後に最初の燃料噴射が行われていない状態か否かが判断される(S103)。ここで否定判定であれば、燃料噴射タイミングを迎える毎に、同燃料噴射タイミングを迎えた気筒の燃料噴射弁3から上記ベース噴射量B分の燃料が噴射されるよう、その燃料噴射弁3の駆動が行われる(S111)。
一方、ステップS103で肯定判定であれば、始動開始後における内燃機関31での最初の燃料噴射が第2気筒群の気筒にて行われる場合において、上記最初の燃料噴射を実行するための処理(S104〜S106)が行われる。この一連の処理では、第2気筒群の気筒#1,#3,#5での燃料噴射タイミング#1ing ,#3ing ,#5ing を迎えたか否か(S104)、燃料圧力が第2の目標値Pt2以上であるか否か(S105)が判断される。そして、これらステップS104とステップS105とで共に肯定判定であれば、同燃料噴射タイミングを迎えた気筒#1,#3,#5の燃料噴射弁3から上記ベース噴射量B分の燃料が噴射されるよう、その燃料噴射弁3の駆動が行われる(S106)。
一方、ステップS104で否定判定であれば、始動開始後における内燃機関31での最初の燃料噴射が第1気筒群の気筒にて行われる場合において、上記最初の燃料噴射を実行するための処理(S107〜S110)が行われる。この一連の処理では、第1気筒群の気筒#2,#4,#6での燃料噴射タイミング#2ing ,#4ing ,#6ing を迎えたか否か(S107)、燃料圧力が第1の目標値Pt1以上であるか否か(S108)が判断される。そして、これらステップS107とステップS108とで共に肯定判定であれば、そのときの燃料圧力に基づき上記最初の燃料噴射での燃料噴射量を減量補正するために用いられる減量係数Kが算出される(S109)。そして、その減量係数Kを上記ベース噴射量Bに乗算した値である補正後噴射量B・K分の燃料が上記燃料噴射タイミングを迎えた気筒#2,#4,#6の燃料噴射弁3から噴射されるよう、その燃料噴射弁3の駆動が行われる(S110)。
従って、始動開始後における内燃機関31での最初の燃料噴射が第1気筒群の気筒にて行われる場合、その燃料噴射の際の燃料噴射量には上記減量係数K分の減量補正が施されることとなる。このように上記燃料噴射量に対し減量補正を施すのは、上記第1気筒群の気筒での最初の燃料噴射に伴う燃料圧力の低下を小さく抑え、次回の燃料噴射(第2気筒群の気筒での燃料噴射)の際、その燃料噴射が上記燃料圧力の低下から悪影響を受けることを抑制するためである。
上記減量係数Kに関しては、図6に示されるように、上記燃料圧力の高い領域である高圧領域Rでは「1.0」となり、上記燃料圧力が高圧領域Rの最小値から第1の目標値Pt1までの間にあるときには同燃料圧力の低下に伴い徐々に小さい値となってゆく。従って、上記燃料圧力が第1の目標値Pt1と高圧領域Rの最小値との間にあるときには、補正後噴射量B・Kがベース噴射量Bに対し減量係数K分の減量補正が施された値となる。なお、こうした減量補正では、減量係数Kが「1.0」に対し小さくなるほど同減量補正の補正量が大きくなる。また、燃料圧力が第1の目標値Pt1と高圧領域Rの最小値との間にあるとき減量係数K、すなわち「1.0」未満となるときの減量係数Kに関しては、その減量係数Kを用いた燃料噴射量の減量補正が内燃機関31の始動性に悪影響を及ぼすことのない範囲内の値となるように算出される。
以上詳述した本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)内燃機関31の始動開始後に燃料噴射タイミングを迎えたとき、その燃料噴射タイミングを迎えた気筒が第1気筒群の気筒である場合には燃料圧力の目標値が第1の目標値Pt1に設定され、上記燃料噴射タイミングを迎えた気筒が第2気筒群の気筒である場合には燃料圧力の目標値が第2の目標値Pt2に設定される。そして、第1の目標値Pt1と第2の目標値Pt2とは、その第2の目標値Pt2が第1の目標値Pt1よりも小さい値となるように設定されている。
より詳しくは、上記第1の目標値Pt1に関しては、始動開始後における内燃機関31での最初の燃料噴射が第1気筒群の気筒で行われる場合に、その最初の燃料噴射後に燃料圧力が次回の燃料噴射タイミング(第2気筒群の気筒での燃料噴射タイミング)での適正な燃料噴射にとって不足した値となることのないよう、大きい値に設定される。そして、このように設定された第1の目標値Pt1よりも小さい値となるよう上記第2の目標値Pt2が設定される。
従って、始動開始後における内燃機関31で最初に燃料噴射の行われる気筒が第2気筒群の気筒である場合には、その最初の燃料噴射の行われる条件が上記第1の目標値Pt1よりも小さい値である上記第2の目標値Pt2への燃料圧力の到達ということになる。このため、上記状況下で燃料圧力の目標値を第1の目標値Pt1に設定した場合のように、燃料噴射を適正に行うという観点において燃料圧力が無駄に大きい値とされてから上記第2の気筒群の気筒での最初の燃料噴射が行われるようになるということはない。
仮に、燃料圧力が無駄に大きい値とされるまで、第2気筒群の気筒での最初の燃料噴射が行われないとすると、その最初の燃料噴射の開始が遅くなることは避けられない。しかし、上述したように第2の目標値Pt2を上記第1の目標値Pt1よりも小さい値に設定することで、燃料圧力が無駄に大きい値とされるまで、第2気筒群の気筒での最初の燃料噴射が行われないという状況が生じることは抑制され、その状況の発生に起因して上記最初の燃料噴射の開始が遅くなることを抑制できるようになる。
(2)第2の目標値Pt2に関しては、始動開始後に第2気筒群の気筒にて内燃機関31での最初の燃料噴射が行われるとき、その燃料噴射を適正に行うことの可能な最小限の値である燃焼可能燃圧に設定されている。このため、機関始動開始後にデリバリパイプ13の燃料圧力が上記第2の目標値Pt2まで上昇するために要する時間を可能な限り短くすることができる。従って、機関始動開始後の最初の燃料噴射が第2気筒群の気筒で行われる場合に、その最初の燃料噴射を可能な限り早期に行うことができる。また、上記最初の燃料噴射に伴い燃料圧力が低下したとしても、次回の燃料噴射までに燃料圧力を適正な燃料噴射に必要な最小限の値(燃焼可能燃圧)以上まで上昇させることができ、その次回の燃料噴射を適正に行えなくなるということはない。これは、機関始動開始後の最初の燃料噴射が第2気筒群の気筒で行われる場合、次回の燃料噴射が行われるまでの間における高圧燃料ポンプの圧送行程の期間が長くなるためである。
(3)始動開始後における内燃機関31での最初の燃料噴射が第1気筒群の気筒にて行われる場合、その燃料噴射の際の燃料噴射量には減量係数K分の減量補正が施される。このように上記燃料噴射量に対し減量補正を施すことにより、上記第1気筒群の気筒での最初の燃料噴射に伴う燃料圧力の低下を小さく抑え、次回の燃料噴射(第2気筒群の気筒での燃料噴射)の際、その燃料噴射が上記燃料圧力の低下から悪影響を受けることを抑制できるようになる。
(4)上記減量係数Kに関しては、内燃機関31の始動開始後に第1気筒群の気筒における燃料噴射タイミングを迎えたとき、燃料圧力が高圧領域Rの最小値から第1の目標値Pt1に向けて低くなるほど、「1.0」に対し徐々に小さい値となってゆく。このように燃料圧力が小さい値となるほど、上記燃料噴射タイミングにて行われる機関始動開始後における最初の燃料噴射での燃料噴射量に対し減量係数K分の減量補正を施す際の補正量が大きくなる。ここで、機関始動開始後における最初の燃料噴射が第1気筒群の気筒で行われる際、そのときの燃料圧力が小さい値であるほど、上記最初の燃料噴射の実行に伴う燃料圧力の低下が生じた後に同燃料圧力が小さい値になり、次回の燃料噴射(第2気筒群の気筒での燃料噴射)に悪影響を及ぼす可能性が高くなる。しかし、上記最初の燃料噴射における燃料噴射量の減量補正に用いられる減量係数Kが上述したように燃料圧力に応じて可変とされることにより、同燃料噴射に伴う燃料圧力の低下が小さく抑えられるようになる。従って、第1気筒群の気筒での上記最初の燃料噴射に起因する燃料圧力の低下が、次回の燃料噴射(第2気筒群の気筒での燃料噴射)に悪影響を及ぼすことを的確に抑制できるようになる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を図7に基づき説明する。
この実施形態では、クランクシャフト33に対するカム6の相対回転位相の設定、言い換えれば燃料噴射タイミングに対する高圧燃料ポンプ4の圧送行程の設定が第1実施形態と異なっている。なお、図7において、(a)はクランク角の変化に対する高圧燃料ポンプ4での圧送行程と吸入行程との切り替わり態様を示しており、(b)及び(c)は内燃機関31の始動開始後における燃料圧力の時間経過に伴う変化を示している。
同図から分かるように、この実施形態でのクランクシャフト33に対するカム6の相対回転位相に関しては、510〜600°CA、30〜120°CA、及び270〜360°CAで高圧燃料ポンプ4が圧送行程となるように設定されている。
この場合、第1気筒群の気筒#2,#4,#6に関しては、それら気筒#2,#4,#6が燃料噴射タイミング#2inj ,#4inj ,#6inj を迎えたときに今回の燃料噴射タイミングと前回の燃料噴射タイミングとの間に圧送行程が存在し、上記今回の燃料噴射タイミングと次回の燃料噴射タイミングとの間には圧送行程が存在しないものとなる。言い換えれば、今回の燃料噴射タイミングと前回の燃料噴射タイミングとの間に存在する圧送行程の期間がクランクシャフト33の90°回転分になるとともに、上記今回の燃料噴射タイミングと次回の燃料噴射タイミングとの間に存在する圧送行程の期間がクランクシャフト33の0°回転分となる。
また、第2気筒群の気筒#1,#3,#5に関しては、それら気筒#1,#3,#5が燃料噴射タイミング#1inj ,#3inj ,#5inj を迎えたときに今回の燃料噴射タイミングと前回の燃料噴射タイミングとの間に圧送行程が存在せず、上記今回の燃料噴射タイミングと次回の燃料噴射タイミングとの間に圧送行程が存在するものとなる。言い換えれば、今回の燃料噴射タイミングと前回の燃料噴射タイミングとの間に存在する圧送行程の期間がクランクシャフト33の0°回転分になるとともに、上記今回の燃料噴射タイミングと次回の燃料噴射タイミングとの間に存在する圧送行程の期間がクランクシャフト33の90°回転分となる。
上記のように高圧燃料ポンプ4の圧送行程が設定されると、始動開始後における内燃機関31での最初の燃料噴射が第1気筒群の気筒(図7(b)の例では気筒#4)で行われる場合には、次回の燃料噴射(第2気筒群の気筒#5での燃料噴射)までに高圧燃料ポンプ4からの燃料の圧送が行われなくなる。このため、上記最初の燃料噴射が行われた後の燃料圧力の低下が図7(b)に示されるように大きなものとなり、次回の燃料噴射において同燃料噴射を適正に行ううえで燃料圧力が不足する可能性が高くなる。従って、この実施形態の第1の目標値Pt1に関しては、上述した燃料圧力の不足が生じないように第1実施形態よりも大きい値に設定される。また、この実施形態の第2の目標値Pt2に関しては、第1実施形態と同様、図7(c)に示されるように、第1の目標値Pt1よりも小さい値に設定される。更に、同第2の目標値Pt2に関しては、始動開始後における内燃機関31での最初の燃料噴射が第2気筒群の気筒(図7(c)の例では気筒#3)で行われる場合に、同最初の燃料噴射を適正に行うことの可能な最小限の値である燃焼可能燃圧に設定されることともなる。
ここで、仮に、機関始動開始後の最初の燃料噴射が第1気筒群の気筒で行われる場合と第2気筒群の気筒で行われる場合とにおいて、それぞれ燃料圧力の目標値として共通の値が用いられたとすると、言い換えれば第2の目標値Pt2が第1の目標値Pt1と等しい値にされたとすると、次のような不具合が生じることとなる。すなわち、機関始動開始後の最初の燃料噴射が第2気筒群の気筒で行われる場合に、燃料噴射を適正に行うという観点において燃料圧力が無駄に大きい値まで上昇されてから上記最初の燃料噴射が行われるようになり、同燃料圧力の無駄な上昇分が一層大きくなる。そして、同燃料圧力の無駄な上昇分が大きくなることに起因して、上記最初の燃料噴射の開始がより一層遅くなる。
しかし、第2の目標値Pt2が第1の目標値Pt1よりも小さい値であって、且つ上記最初の燃料噴射を適正に行うことの可能な最小限の値である燃焼可能燃圧に設定されることで、上述した燃料圧力の無駄な上昇分が可能な限り少なくされる。その結果、第2気筒群の気筒での上記最初の燃料噴射がより一層遅くなるという、上述した不具合の発生が抑制されるようになる。
この実施形態では、第1実施形態における(1)〜(4)の効果に加え、以下に示す効果が得られる。
(5)上述したように高圧燃料ポンプ4の圧送行程が設定されると、始動開始後における内燃機関31での最初の燃料噴射が第1気筒群の気筒で行われる場合に、上記最初の燃料噴射が行われた後の燃料圧力の低下が大きなものとなるため、第1の目標値Pt1が第1実施形態に比べてより大きい値に設定される。このような状況のもと、仮に第2の目標値Pt2が第1の目標値Pt1と等しい値にされたとすると、機関始動開始後の最初の燃料噴射が第2気筒群の気筒で行われる場合に、燃料圧力が無駄に大きい値まで上昇されてから上記最初の燃料噴射が行われる際の同燃料圧力の無駄な上昇分が一層大きくなる。そして、同燃料圧力の無駄な上昇分が上記のように一層大きくなることに起因して、上記最初の燃料噴射の開始がより一層遅くなる。しかし、こうした不具合の発生は、第2の目標値Pt2を第1の目標値Pt1に対し上述したように小さく設定することによって抑制されるようになる。
[その他の実施形態]
なお、上記各実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。
・減量係数Kを固定値としてもよい。この場合、同減量係数Kを実験等によって定められる「1.0」未満の最適値に固定することが好ましい。
・減量係数Kによる燃料噴射量の減量補正については必ずしも実施する必要はない。
・第1の目標値Pt1に関しては、始動開始後における内燃機関31での最初の燃料噴射が第1気筒群の気筒で行われる場合に、その最初の燃料噴射後に上記燃料圧力が次回の燃料噴射タイミング(第2気筒群の気筒での燃料噴射タイミング)での適正な燃料噴射にとって不足した値となることのない最小限の値に設定してもよい。このように第1の目標値Pt1を設定すれば、始動開始後における内燃機関31での最初の燃料噴射が第1気筒群の気筒で行われる場合に、その最初の燃料噴射の開始を可能な限り早期に行いつつ、次回の燃料噴射を適正に行えなくなることを回避できるようになる。
・第2の目標値Pt2に関しては、始動開始後に第2気筒群の気筒にて内燃機関31での最初の燃料噴射が行われるとき、その燃料噴射を適正に行うことの可能な最小限の値に設定されるが、必ずしもこうした最小限の値に設定する必要はなく、その最小限の値よりも大きく且つ第1の目標値Pt1よりも小さい値に設定してもよい。この場合も、第1実施形態における(1)と同等の効果は得られる。
・V型6気筒以外の形式の内燃機関であって、燃料噴射タイミングを2回迎える毎に高圧燃料ポンプ4の圧送行程が1回行われるよう高圧燃料ポンプ4を駆動するためのカム6のカム山の数などが調整された内燃機関に、本発明を適用してもよい。
第1実施形態の燃料供給装置、及び同装置が適用される内燃機関を示す概略図。 カム角の変化に対する高圧燃料ポンプのプランジャリフト量の推移を示すタイミングチャート。 (a)〜(d)は、クランク角の変化に対する高圧燃料ポンプ4での圧送行程と吸入行程との切り替わり態様、及び内燃機関31の始動開始後における燃料圧力の時間経過に伴う変化を示すタイムチャート。 (a)〜(c)は、クランク角の変化に対する高圧燃料ポンプ4での圧送行程と吸入行程との切り替わり態様、及び内燃機関31の始動開始後における燃料圧力の時間経過に伴う変化を示すタイムチャート。 内燃機関の始動開始から自立運転開始(始動完了)までにおける同機関の燃料噴射制御の実行手順を示すフローチャート。 機関始動開始後における最初の燃料噴射での燃料噴射量の減量補正に用いられる減量係数についての燃料圧力の変化に対する推移を示すグラフ。 (a)〜(c)は、第2実施形態におけるクランク角の変化に対する高圧燃料ポンプ4での圧送行程と吸入行程との切り替わり態様、及び内燃機関31の始動開始後における燃料圧力の時間経過に伴う変化を示すタイムチャート。
符号の説明
1…燃料タンク、2…フィードポンプ、3…燃料噴射弁、4…高圧燃料ポンプ、5…排気カムシャフト、6…カム、7…コイルスプリング、8…プランジャ、9…シリンダ、10…加圧室、11…吸入通路、12…吐出通路、13…デリバリパイプ、14…電磁スピル弁、15…電磁ソレノイド、16…チェック弁、17…コイルスプリング、18…電子制御装置(補正手段)、19…燃圧センサ、20…クランクポジションセンサ、21…カムポジションセンサ、22…水温センサ、31…内燃機関、32…燃焼室、33…クランクシャフト。

Claims (5)

  1. 機関始動開始後のクランクシャフトの回転時、各気筒の燃料噴射タイミングを迎えたときに同気筒での燃料噴射弁からの燃料噴射を実行する内燃機関の燃料供給装置であって、前記クランクシャフトの回転に伴って回転するカムにより駆動されて吸入行程と圧送行程とを繰り返すとともに前記燃料噴射タイミングを二回迎える毎に前記圧送行程が一回行われる高圧燃料ポンプと、その高圧燃料ポンプの圧送行程中に同ポンプから吐出される高圧燃料を蓄えて各気筒の燃料噴射弁に分配するデリバリパイプとを備え、機関始動開始から前記デリバリパイプ内の燃料圧力が上昇して目標値に達するまでは前記燃料噴射弁からの燃料噴射を禁止し、前記燃料圧力が前記目標値に達したことを条件に前記燃料噴射弁からの燃料噴射を許可する内燃機関の燃料供給装置において、
    前記各気筒に関しては、燃料噴射タイミングを迎えたときに今回の燃料噴射タイミングと前回の燃料噴射タイミングとの間における前記高圧燃料ポンプの圧送行程の期間が前記今回の燃料噴射タイミングと次回の燃料噴射タイミングとの間における前記高圧燃料ポンプの圧送行程の期間よりも長くなる第1気筒群と、燃料噴射タイミングを迎えたときに今回の燃料噴射タイミングと前回の燃料噴射タイミングとの間における前記高圧燃料ポンプの圧送行程の期間が前記今回の燃料噴射タイミングと次回の燃料噴射タイミングとの間における前記高圧燃料ポンプの圧送行程の期間よりも短くなる第2気筒群とに分けられ、前記クランクシャフトの回転に伴って前記第1気筒群の気筒と前記第2気筒群の気筒とが交互に燃料噴射タイミングを迎えるものであり、
    機関始動開始後に燃料噴射タイミングを迎えたとき、その燃料噴射タイミングを迎えた気筒が前記第1気筒群の気筒であれば前記デリバリパイプ内の燃料圧力が第1の目標値以上に上昇していることを条件に前記気筒の前記燃料噴射弁からの燃料噴射が許可され、前記燃料噴射タイミングを迎えた気筒が第2気筒群であれば前記燃料圧力が第2の目標値以上に上昇していることを条件に前記気筒の前記燃料噴射弁からの燃料噴射が許可され、
    前記第1の目標値と前記第2の目標値とは、その第2の目標値が前記第1の目標値よりも小さい値となるように設定されている
    ことを特徴とする内燃機関の燃料供給装置。
  2. 前記第1気筒群の気筒に関しては、その気筒が燃料噴射タイミングを迎えたときに今回の燃料噴射タイミングと前回の燃料噴射タイミングとの間に前記高圧燃料ポンプの圧送行程が存在し、前記今回の燃料噴射タイミングと次回の燃料噴射タイミングとの間に前記高圧燃料ポンプの圧送行程が存在しないものであり、
    前記第2気筒群の気筒に関しては、その気筒が燃料噴射タイミングを迎えたときに今回の燃料噴射タイミングと前回の燃料噴射タイミングとの間に前記高圧燃料ポンプの圧送行程が存在せず、前記今回の燃料噴射タイミングと次回の燃料噴射タイミングとの間に前記高圧燃料ポンプの圧送行程が存在するものである
    請求項1記載の内燃機関の燃料供給装置。
  3. 前記第1の目標値に関しては、機関始動開始後に前記第1気筒群の気筒が燃料噴射タイミングを迎えて内燃機関での始動開始後の最初の燃料噴射弁からの燃料噴射が行われた後、その燃料噴射に伴い低下した前記燃料圧力が燃料噴射弁からの燃料噴射を適正に行うことの可能な値となるよう設定されており、
    前記第2の目標値に関しては、機関始動開始後に前記第2気筒群の気筒が内燃機関での最初の燃料噴射タイミングを迎えて内燃機関での始動開始後の最初の燃料噴射弁からの燃料噴射が行われるとき、その燃料噴射を適正に行うことの可能な最小限の値に設定されている
    請求項1又は2記載の内燃機関の燃料供給装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関の燃料供給装置において、
    機関始動開始後に最初に燃料噴射の行われる気筒が前記第1気筒群の気筒であるとき、その最初の燃料噴射における燃料噴射量を減量補正する補正手段を更に備える
    ことを特徴とする内燃機関の燃料供給装置。
  5. 前記補正手段は、機関始動開始後の最初の燃料噴射が前記第1気筒群の気筒で行われる際、そのときの前記燃料圧力が小さい値であるほど前記燃料噴射量を減量補正する際の補正量を大きくするものである
    請求項4記載の内燃機関の燃料供給装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015183601A (ja) * 2014-03-25 2015-10-22 富士重工業株式会社 筒内噴射エンジンの燃料圧力制御装置

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JP2015183601A (ja) * 2014-03-25 2015-10-22 富士重工業株式会社 筒内噴射エンジンの燃料圧力制御装置

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