JP2009296954A - 香味の優れたコーヒーエキスの製造法及びこれを含む飲食品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】コーヒー原料を温水で抽出して抽出液を回収し、之とは別のアルカリ溶液処理を施したコーヒー原料を、80〜120℃と130〜150℃の温度で2段階で水蒸気蒸留し、得られた留出物をそれぞれ回収し、抽出液と留出物を混合するか、之にさらに水蒸気蒸留残渣を抽出した抽出物を混合するか或いは上記留出物と水蒸気蒸留残渣を抽出した抽出物を混合してコーヒーエキスを製造する。之により、伸びがよく、香味と呈味が強化され、香味の質をバランスよく高め木搾味を低減した嗜好性飲料エキスを得ることができる。
【選択図】なし
Description
(2)粉砕焙煎コーヒー豆を有機溶剤により抽出してコーヒーオイルとして得る方法では、用いた有機溶剤を減圧下で回収する際に軽いトップノートが散失しやすく、残留溶剤について食品衛生法上厳しい制限がある。
るコーヒーエキスの効率的経済的な方法はなかった。そこで、この課題を解決するため、本発明者は先に新たなコーヒーエキスの製造方法を提案した(特許文献13)。
叉はフレーク状のキトサンと接触させて主としてクロロゲン酸を脱酸し、そのpHを
調節するものがある(特許文献14)。
(16)また、コーヒー抽出液を電気透析し、陰極抽出物と非陰極抽出物とを採取し、非陰極抽出物をキトサンと接触させ、得られた非陰極抽出物を陰極抽出物と混合するものがある(特許文献15)。
(18)さらに、陰イオン交換樹脂と接触させてクロロゲン酸を減少させるものがある(特許文献17)。
しかしながら、イオン交換樹脂で吸着させると、クロロゲン酸以外にもコーヒー中の有効成分たとえばカフェイン等をも除去してしまう問題がある。
(21)抽出コーヒーエキスの風味を維持させるために抽出コーヒーエキスに重曹、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、クエン酸ナトリウムのようなpH調節剤及び叉はビタミンCを加えるものもある(特許文献11)。
しかしながら、抽出コーヒーエキスにアルカリ性中和剤を添加することは、クロロゲン酸陰イオンが溶液中に残り、さらに全体の塩含有量が増加するので、好ましい解決方法ではない。
(24)非陰イオン交換樹脂、5酸化りん、水酸化カリおよび脱イオン水からなる溶液をコーヒー豆に噴霧するか、これにコーヒー生豆を浸漬し、その後コーヒー豆を焙煎して抽出用の豆とするものがある(特許文献21)。
抽出コーヒーエキスの呈味成分としてカフェインとクロロゲン酸が良く知られており、カフェインは水に良く溶け後に残らないマイルドな苦味を呈する。クロロゲン酸はコーヒー中に存在する酸のうち最も重要であり、量的にも主要なものである。コーヒーの芳香性物質は、焙煎工程で生成するから、焙煎後に脱酸をするときに、芳香性成分に悪影響を与えないでクロロゲン酸の減少をさせることは難しい。その意味で、焙煎前にクロロゲン酸を減少させることも試みられている。
1.2〜2.0M/Lの炭酸水素ナトリウム水溶液を、噴霧して酸味を減少させ、こ
のコーヒー豆を粉砕してから温水でコーヒー抽出液を得るものがある(特許文献22)。
しかしながら、この抽出は、温水による抽出であるため、コーヒー原料を有効に効率よく利用するものではない。
この方法は、あくまでも、抽出残渣の利用であって、コーヒー原料全体を利用するものではない。
以上のように、種々の方法が試みられてきたが、いずれも缶コーヒーやペットボトル製品を開発する飲料メーカーの求める品質面において、満足出来るものではなかった。
(1)アルカリ溶液で処理する原料の産地とアルカリの種類を変える(表1)、
(2)アルカリ溶液処理のアルカリ溶液濃度を変える(表2)、
(3)アルカリ溶液処理後の静置時間を変える(表3)、
(4)アルカリ溶液処理の温度を変える(表4)、
(5)アルカリ溶液中のアルカリ量を一定とし、溶液濃度を変える(表5)。
(1)アルカリ溶液未処理コーヒー原料の2段階水蒸気蒸留の留出液の製造
コーヒー原料を粗挽きし、2段階水蒸気蒸留を行い、温度100℃で留出液を回収し、さらに温度150℃で留出液を回収し、両者を合わせて試料とした。
(1)のアルカリ溶液未処理コーヒー原料を粗挽きし、コーヒー原料100部と5%アルカリ溶液20部とを混合し、40℃で20分静置後、これを2段階水蒸気蒸留し、温度100℃で留出液を回収し、さらに蒸留を続け、温度150℃で留出液を回収し、両者を合わせて試料とした。
試験結果は留出液のBrixとpHによって測定した。
可溶性固形分(Brix)の測定は、(株)アタゴRefractmeterα-5000で測定した。
pHの測定は堀場製作所製のpH METER F-11で測定した。
また、pHは、コーヒー抽出液の水素イオン濃度を示し、その数値が高いほどコーヒー抽出液中の酸成分の量が減少していることを示す。
コーヒー原料のアルカリ溶液処理後、2段階水蒸気蒸留前の静置の温度を変え、2段階水蒸気蒸留を行い、静置温度が留出液に与える影響を調査した。その結果を表4に示す。
2段階水蒸気蒸留前のコーヒー原料のアルカリ溶液処理を、重曹使用量を一定にしてその濃度を変化させ、それを2段階水蒸気蒸留しその留出液についてBrix及びpHを測定し、アルカリ溶液の濃度の影響を調査した。その結果を表5に示す。
コーヒー原料の種類としては大きく「アラビカ種」と「ロブスタ種」の2種があり、原産地によりモカ、ケニア、キリマンジャロ、マンデリン、ハワイ・コナ、グァテマラ、ブルーマウンテン、コロンビア、ブラジルなどを挙げることができ、種類における組み合わせなど特に限定されるものではない。
また、焙煎度合いとしてはライト・ロースト(浅煎り)、シナモン・ロースト(浅煎り)、ミディアム・ロースト(中煎り)、ハイ・ロースト(中煎り)、シティ・ロースト(中煎り)、フルシティ・ロースト(深煎り)、フレンチ・ロースト(深煎り)、イタリアン・ロースト(深煎り)など挙げることができ、焙煎度合いにおいてはコーヒー中の糖質、特に澱粉質を不溶化する深煎り又は深煎りに近いミディアム・ロースト乃至フレンチ・ローストが好ましく、その焙煎程度に付いては特に限定されるものではない。
更に、挽き方は10メッシュ〜42メッシュ程度の範囲で挽き、一般的には抽出方法によって粗挽き、中粗挽き、中挽き、中細挽き、細挽きなど2メッシュ間隔で引く方法を挙げることができ、粗挽き〜中細挽きがよく、特に水蒸気蒸留に用いるコーヒー原料の挽き方は粗い方が、蒸留塔内で抽出原料自身が充填塔の充填物の役割を担う傾向があり、より精製されたアロマを得ることができ、その挽き方に付いては限定されるものではない。
アルカリ溶液処理は、アルカリ溶液をコーヒー原料に噴霧するか、コーヒー原料とアルカリ溶液を混合して行う。噴霧はコーヒー原料をホッパーから落下させながら行うことが工業的に便利であるが、攪拌しながら噴霧しても良い。混合はコーヒー原料を攪拌しながら、アルカリ溶液を少量ずつ添加することが勧められる。コーヒー原料は、豆の状態でも、粉末の状態でも良いが、豆であると、アルカリ溶液処理後粉砕する場合に、一旦乾燥しなければならないことや、粉砕機がアルカリで腐食する惧れが在る等で不便である。粉末であれば、アルカリ溶液処理後直ちに水蒸気蒸留にかけることができるので有利である。コーヒー原料の挽き方が、粗挽き、中粗挽き、中挽き、中細挽き、細挽きであるかによって、アルカリ溶液の使用量は調節することが好ましい。しかしながら、この挽き方は、アルカリ溶液処理よりも、主として、抽出工程における使い勝手のよさで決定するのが有利である。
本発明の温水抽出、あるいは水蒸気蒸留後のコーヒー残渣の抽出に用いる抽出装置の形体は、特に限定されるものではなく、通常のドリップ抽出装置もしくは浸漬抽出装置でもよく、また以後の水蒸気蒸留を行う蒸留塔と兼用してもよい。その場合に好ましい蒸留塔は通常の水蒸気蒸留塔とは異なり、上部に温水を散布する装置が備わった耐圧性を有するものであり、尚且つ縦長の蒸留塔を用いることで高温の水蒸気蒸留において、好ましくない余分なアロマ物質を共沸留分として含むことを抑制できるとともに、原料の挽き方と充填率によっては原料が充填物となり、精留効果を出すことも可能である。
水蒸気蒸留前の抽出工程
本発明の抽出液の抽出方法は、40〜80℃の温水で、ドリップ抽出または浸漬抽出を行えばよい。ドリップ抽出の場合、コーヒー原料全体に行渡る程度の温水で充分に蒸らしてから行うようにすると、抽出効率が上がる。40℃以下では抽出効率が悪く、所望の固形量を得るのに長時間を要し作業性も悪い。また、90℃を超える場合には雑味成分が溶出し好ましくない。抽出する際、抽出と水蒸気蒸留とを別の装置で行うことも出来るが、水蒸気蒸留に使用する蒸留塔を用いる方法もある。
蒸留後のコーヒー残渣には、クロロゲン酸、カフェインなどのコーヒー特有の有効な呈味成分、もしくは香気及び呈味を増強しうると考えられるような補助成分が残留しており、水又は温水による固−液抽出することで、これらを効率よく回収することが出来る。また、水蒸気蒸留後のコーヒー残渣に対しての抽出は、残渣が熱安定性を有し充分に膨潤しているため、水又は熱水で固形分の高い抽出液が得られる。また、蒸留直後は残渣自体が高温を保っているので、冷却することを考えると水での抽出でもよい。抽出方法としてはドリップ抽出もしくは浸漬抽出を挙げることができ、抽出時間については特に限定されるものではなく、所望の固形量及び液量が得られる時間を任意に設定することができる。
温水抽出された抽出液及び蒸留後残渣抽出液は低温殺菌を行うことで、マイルドでクリアな香味と呈味を維持することができる。好ましくは60〜85℃前後の温度で30分間加熱殺菌し、その後直ちに5℃以下に冷却する方法であり、95℃以上の高温で温水抽出された抽出液の殺菌を行うと加熱臭が付き好ましいコーヒーエキスとはならない。
アルカリ溶液処理を施したコーヒー原料を蒸留塔に投入し、80〜120℃と130〜150℃の異なる温度範囲で2段階水蒸気蒸留して得られる凝縮液を、本発明に係わるコーヒーエキス用の留出液として回収することが出来る。この際、良質な留出液を得るためには、酸化による香質の劣化や重合を避ける必要があり、蒸留に用いる水蒸気は、脱酸素されたものが好ましい。
抽出液、蒸留後抽出液は殺菌後5℃以下に冷却し、留出液は回収後直ちに5℃以下に冷却し、両方とも5℃以下にて6時間以上保持し熟成(エージング)するとともに、保持中に発生した沈殿物を取り除く濾過を行うことにより、余分な異味を含むアロマの部分を取り除き、芳醇な香りと味の濃いクリアなコーヒーエキスを得ることができる。また、留出液、抽出液及び蒸留後抽出液は別々に精製し混合することが好ましいが、混合後精製しても良く、順序には限定されない。
上記工程によって得られるコーヒーエキスはコーヒーの風味を強化する目的で使用され、インスタントコーヒー、濃縮コーヒー、缶コーヒー、PETコーヒーをはじめチルド商品乃至レトルト商品に対してその添加量は、好ましくは0.01〜5%であるが、これに限定されるものではなく、また、コーヒー以外の各種飲料やパン、ケーキ、菓子、デザート類などにおいても、その商品の特徴を強調でき、その添加量は、好ましくは0.01〜5%であるが、これに限定されるものではない。
(抽出)
浅煎り焙煎したコーヒー豆(グアテマラ)を粗挽きに粉砕し、0.1kgを蒸留塔に仕込み、60℃の温水0.4kgでドリップ抽出しBrix4.5のコーヒー抽出液0.3kgを回収し残渣を排出した。
別途に同じコーヒー原料0.9kgに5.0%重曹水0.18kgを常温で攪拌しながら注ぎ、20分間吸水させる。
アルカリ溶液で前処理した上記コーヒー原料を、蒸留塔に仕込み、100℃で水蒸気蒸留し、留出液0.8kgを回収した。次に、150℃に達したところから再び留出液を回収し、Brix0.3のコーヒー留出液1.8kgを得た。
(コーヒー原料のアルカリ溶液による前処理)
実施例1に使用したコーヒー原料1kgに5.0%重曹水0.18kgを常温で攪拌しながら注ぎ、20分間吸水させる。
アルカリ溶液で前処理した上記コーヒー原料を、蒸留塔に仕込み、100℃で水蒸気蒸留し、留出液0.6kgを回収する。次に、150℃に達したところから再び留出液の回収を続け、Brix0.3のコーヒー留出液1.8kgを得た。
蒸留後のコーヒー残渣を60℃の温水1.3kgで5分間浸漬抽出し、Brix17のコーヒー蒸留後残渣抽出液1.0kgを回収した。
(抽出)
実施例試験1に使用したコーヒー原料0.1kgを蒸留搭に仕込み、60℃の温水.4kgで5分間浸漬抽出しBrix5のコーヒー抽出液0.18kgを回収した。
別途に同じコーヒー原料0.9kgに5.0%重曹水0.18kgを常温で攪拌しながら注ぎ、20分間吸水させる。
アルカリ溶液で前処理した上記コーヒー原料を、蒸留塔に仕込み、100℃で水蒸気蒸留し、留出液0.6kgを回収した。次に、150℃に達したところから再び留出液の回収を続け、Brix0.3のコーヒー留出液1.8kgを得た。
蒸留後のコーヒー残渣を60℃の温水1.3kgで浸漬抽出し、Brix17のコーヒー蒸留後残渣抽出液1.0kgを回収した。
(抽出、別途アルカリ溶液未処理原料の2段階水蒸気蒸留)
(抽出)
実施例1に使用したコーヒー原料0.1kgを蒸留塔に仕込み、60℃の温水0.4kgでドリップ抽出し、Brix4.5のコーヒー抽出液0.3kgを回収し残渣を排出した。
その後、別途に同じアルカリ溶液未処理コーヒー原料0.9kgを蒸留塔に仕込み、00℃で水蒸気蒸留し、留出液0.8kgを回収した。次に、150℃に達したところから再び留出液を回収し、Brix0.3のコーヒー留出液1.8kgを得た。抽出液と留出液を混合し、得られたBrix0.6のコーヒーエキス2kgを比較例1の試料とした。
(アルカリ溶液未処理原料の2段階水蒸気蒸留、蒸留残渣抽出)
(アルカリ溶液未処理原料の2段階水蒸気蒸留)
実施例1に使用したアルカリ溶液未処理コーヒー原料1kgを蒸留塔に仕込み、100℃で水蒸気蒸留し、留出液0.6kgを回収する。次に、150℃に達したところから再び留出液の回収を続け、Brix0.3のコーヒー留出液1.8kgを得た。
蒸留後のコーヒー残渣を60℃の温水1.5kgで5分間浸漬抽出しBrix13のコーヒー蒸留後残渣抽出液1.0kgを回収した。
(抽出、別途アルカリ溶液未処理原料の2段階水蒸気蒸留、蒸留残渣抽出)
(抽出)
実施例1に使用したアルカリ溶液未処理コーヒー原料0.1kgを蒸留搭に仕込み、60℃の温水0.4kgで5分間浸漬抽出しBrix4.5のコーヒー抽出液0.18kgを回収した。
別途にアルカリ溶液未処理コーヒー原料0.9kgを蒸留塔に仕込み、100℃で水蒸気蒸留し、留出液0.6kgを回収した。次に、150℃に達したところから再び留出液の回収を続け、Brix0.3のコーヒー留出液1.8kgを得た。
蒸留後のコーヒー残渣を60℃の温水1.3kgで浸漬抽出しBrix13のコーヒー蒸留後残渣抽出液1.0kgを回収した。
(コーヒー飲料に本発明のコーヒーエキスと比較例のコーヒーエキスを添加して使用した例)
本発明のコーヒーエキスをコーヒー飲料に添加して使用した場合の効果を比較例のコーヒーエキスを使用した場合のそれと比較する。
この場合に使用する対照試料の製造方法と比較方法は下記のとおりである。
粗挽きコーヒー豆0.3kgに熱湯4.5kgを注いでBrix2.1のコーヒー液4.8kgを得た。このコーヒー57%に、牛乳10%、グラニュー糖5.2%、乳化剤0.08%、pH調整剤として重曹0.17%を加えて対照試料のコーヒー飲料を得た。これを、使用例1の対照試料(ブランク)とした。
上記実施例1〜3及び比較例1〜3で得られたコーヒーエキスを、上記対照試料コーヒー飲料(ブランク)にそれぞれ1%ずつ添加し、それぞれを190gづつホットパックし缶詰にした。次に、125℃で20分間殺菌し、1週間常温保管したものを、それぞれ10名の専門パネラーによって、香りの強弱、香味のバランス、香りの嗜好性について使用例1の対照試料のコーヒー飲料(ブランク)と比較する形で以下の表6の基準で官能評価を行い優位差の確認をした。
コーヒーケーキへのエキスの添加
[コーヒーケーキ生地の調整]
小麦粉500g、上白糖600g、全卵600g、食用油脂としてサラダ油300g、乳化油脂として月島食品工業(株)クレマトルテ(R)7.5g、ベーキングパウダー7.5g、インスタントコーヒー5gを加え、混合攪拌しコーヒーケーキ生地を作る。これを使用例2の試料とする。
上記の実施例1〜2及び比較例1〜2で得たコーヒーエキスを使用例2のコーヒーケーキ生地に3%ずつ添加し、泡立て器で粉っぽさが無くなるまで混ぜ合わせ、バターを塗った焼き型に入れ、170℃のオーブンで約35分間焼いて、コーヒーケーキを得た。
このケーキを用いそれぞれ10名の専門パネラーに、香りの強弱、香りの嗜好性、風味のバランスについて試料コーヒーケーキ(ブランク)と比較する形で以下の表8の基準で評価をお願いした。
10名の専門パネラーによる実施例及び比較例のコーヒーエキスを添加したコーヒーケーキを比較した結果を表9に示す。各評価項目の結果は、全パネラーの評価点の合計であり、全項目の評価点の合計を総合評価とした。
実施例1及び比較例1のコーヒーエキスを多孔質樹脂からなる吸着剤(「ウォーターズ社 ポラパック(R) タイプQ50−80メッシュ」)を充填したガラスカラムに通し、エキスの香気成分を吸着させ、吸着樹脂を取り出し、吸着樹脂からジエチルエーテルで香気成分を溶出させた後、濃縮したものを、カラム抽出法により調整し、参考例1の試料とした。これらについてガスクロマトグラフ質量分析法(以下GCマスと略す)による香気分析を行った。専門の分析者により解析された成分比較をそれぞれ図1及び図2に示す。
したがって、表10の結果から本発明の有効性が確認できた。
Claims (6)
- コーヒー原料を温水で抽出し、得られた抽出液を回収し、これとは別にアルカリ溶液で処理したコーヒー原料を80〜120℃と130〜150℃の温度で2段階に水蒸気蒸留し、得られた留出液をそれぞれ回収し、抽出液と留出液とを混合することを特徴とするコーヒーエキスの製造方法。
- アルカリ溶液で処理したコーヒー原料を80〜120℃と130〜150℃の温度で2段階に水蒸気蒸留し、得られた留出液をそれぞれ回収し、この残渣を水又は温水で抽出し、得られた蒸留残渣抽出液を回収し、留出液と蒸留残渣抽出液とを混合することを特徴とするコーヒーエキスの製造方法。
- コーヒー原料を温水で抽出し、得られた抽出液を回収し、これとは別にアルカリ溶液で処理したコーヒー原料を80〜120℃と130〜150℃の温度で2段階に水蒸気蒸留し、得られた留出液をそれぞれ回収し、更にこの残渣を水又は温水で抽出し、得られた蒸留残渣抽出液を回収し、抽出液と留出液及び蒸留残渣抽出液を混合することを特徴とするコーヒーエキスの製造方法。
- アルカリ溶液濃度2.5〜10.0%のアルカリ溶液をコーヒー原料の100部に対して10〜80部量を噴霧又は混合してアルカリ処理を行う、請求項1〜3記載のコーヒーエキスの製造方法。
- アルカリ溶液として炭酸水素ナトリウムの溶液を使用する請求項1〜4記載のコーヒーエキスの製造方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項の方法で製造されたコーヒーエキスを含む飲食品。
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