JP2009283072A - アクチュエータ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】対物レンズがフォーカス方向へ駆動される際に誘発される不要な共振を好適に低減する。
【解決手段】アクチュエータ装置は、対物レンズ71を少なくともフォーカス方向に沿って駆動するべく、対物レンズを上面で担持するレンズホルダ72と、該レンズホルダの側面と対向して配置される磁石と、該磁石と対向するレンズホルダの側面に配置されるフォーカスコイル74a,74bとを備える。そして、磁石と対向する側面72b,72dの圧縮伸張方向は、当該側面に配置されるフォーカスコイルへの通電時に発生する推力Fの方向に応じて定められている。
【選択図】図8

Description

本発明は、例えば情報記録再生装置のピックアップ装置に搭載されるアクチュエータ装置、或いはカメラ用レンズを駆動するためのアクチュエータ装置の技術分野に関する。
この種のアクチュエータ装置には、対物レンズを保持するためのレンズホルダが備わる。レンズホルダの側面に関しては、例えば特許文献1〜3に係る各種技術が提案されている。
特許文献1(特に、明細書段落0037、及び図6)には、アクチュエータ可動部の一部品であるレンズホルダの側面のうちマグネットに対面する側面には、ヨークに近づくに従ってマグネットから離れるようなテーパ面が形成される技術が開示されている。この技術によると、アクチュエータ可動部の上部側を回転中心としてアクチュエータ可動部の位置調整(すなわち、スキュー調)を行う際に、下半分にあるレンズホルダが大きく振れても、レンズホルダがマグネットに接触又は衝突することが回避されるという。しかしながら、特許文献1では、対物レンズがフォーカス方向へ駆動される際にレンズホルダに生じる不要な共振についての開示がない。
特許文献2(特に、明細書段落0013、0019、図24、及び図42)には、トラッキングコイルを対物レンズ1の光軸に対して、傾けて取り付ける技術が開示されている。この技術によると、トラッキング駆動時の推力発生のアンバランスを軽減することが可能という。しかしながら、特許文献2では、フォーカスコイルではなくトラッキングコイルの傾きについて開示されているにすぎず、やはり、対物レンズがフォーカス方向へ駆動される際にレンズホルダに生じる不要な共振についての開示はない。
一方で、特許文献3(特に、明細書段落0054〜0058、図10〜13、図19、及び図25)には、レンズホルダが支持部側に対して略円弧状に駆動される際に、フォーカスコイルと対向するマグネットとの対向間隔が変化して磁界の強さが変化してしまい、相対する2つのフォーカスコイルの各々に生じる推力のバランスがくずれてヨーイング及びピッチングによる不要な共振が生じることに鑑みて、フォーカスコイルと対向するマグネットを傾斜させる技術が開示されている。この技術によると、レンズホルダが支持部側に対して略円弧状に駆動変位される際の、フォーカスコイルに対して形成される磁界の強さの変化を低減し、もってヨーイング及びピッチングによる不要な共振が低減されるという。しかしながら、特許文献3では、マグネットを傾斜させることについて開示されているにすぎない。しかも、相対する2つのフォーカスコイルの各々に生じる推力のバランスのくずれに起因する不要な共振を想定しているにすぎず、各々のフォーカスコイルにおいて発生する推力によって誘発される不要な共振までは想定されていない。
特開2007−95230号公報 特開2006−40415号公報 特開2007−149302号公報
以上説明したように、特許文献1〜特許文献3に開示されている技術には、対物レンズがフォーカス方向へ駆動される際にレンズホルダに生じる不要な共振、とりわけ、各々のフォーカスコイルにおいて発生する推力及び各々のフォーカスコイルの各々の部分において発生する推力によって誘発される不要な共振までは想定されていない。そうすると、例えば比較的高密度の光ディスクを記録・再生するための要求の一つ、すなわち、作動距離WDが比較的短いなかでも比較的高いサーボ帯域を実現せよとの要求を好適に満たすことができない虞がある。
本発明は、例えば上述した問題点に鑑みてなされたものであり、対物レンズがフォーカス方向へ駆動される際に、各々のフォーカスコイルにおいて発生する推力によって誘発される不要な共振を好適に低減可能なアクチュエータ装置を提供することを課題とする。
本発明の請求項1に記載のアクチュエータ装置は上記課題を解決するために、対物レンズを少なくともフォーカス方向に沿って駆動するアクチュエータ装置であって、前記対物レンズを上面で担持するレンズホルダと、該レンズホルダの側面と対向して配置される磁石と、該磁石と対向する前記レンズホルダの側面に配置されるフォーカスコイルとを備え、前記磁石と対向する前記側面の圧縮伸張方向は、当該側面に配置されるフォーカスコイルへの通電時に発生する推力の方向に応じて定められている。
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施するための最良の形態から明らかにされよう。
以下、発明を実施するための最良の形態としての本発明の実施形態に係るアクチュエータ装置について順に説明する。
本実施形態に係るアクチュエータ装置は上述の課題を解決するために、対物レンズを少なくともフォーカス方向に沿って駆動するアクチュエータ装置であって、前記対物レンズを上面で担持するレンズホルダと、該レンズホルダの側面と対向して配置される磁石と、該磁石と対向する前記レンズホルダの側面に配置されるフォーカスコイルとを備え、前記磁石と対向する前記側面の圧縮伸張方向は、当該側面に配置されるフォーカスコイルへの通電時に発生する推力の方向に応じて定められている。
本実施形態によれば、対物レンズがフォーカス方向へ駆動される際に、各々のフォーカスコイルにおいて発生する推力によって誘発される不要な共振が、次のように低減される。
まず、当該アクチュエータ装置は、例えばピックアップ装置に搭載されており、対物レンズを少なくともフォーカス方向に沿って駆動する。ここで、「フォーカス方向」とは、対物レンズによって集光されるレーザ光の光軸方向、あるいは、該集光されるレーザ光が照射される光ディスクの記録面に垂直な方向である。なお、対物レンズを他の方向、例えばトラッキング方向に沿って駆動することができてもよいのは勿論である。
レンズホルダは、例えば概略直方体、円筒形、多角柱状の筐体であり、光ビームを通す為に部分的に中空構造になっていて、その上面で対物レンズを担持する。ここで「上面」とは、レンズホルダの表面を構成する複数の面のうち、光ディスクの記録面と対向する面である。
磁石は、該レンズホルダの側面と対向して配置される。ここで「磁石」とは、N極およびS極が着磁されてその周囲に磁界を形成する物体の総称であり、磁石の着磁方向(磁化方向)は、レンズ駆動方向と直行しており、磁石から出た磁束が対向しているコイルを貫く配置が成される。一般的な2極着磁の磁石においては、N極およびS極は、典型的には、フォーカス方向に沿って配列されるが、後述するフォーカスコイルにおいて、フォーカス方向成分を有する推力を発生させることが可能な限り、その配列態様は特に問わない。レンズホルダの「側面」とは、レンズホルダの表面を構成する複数の面のうち、フォーカス方向に沿った面である。なお、すべての側面に対向して磁石を対向する必要はない。
フォーカスコイルは、上述の磁石と対向するレンズホルダの側面に配置される。フォーカスコイルへの通電時には、当該フォーカスコイルを流れる電荷が上記磁石によって形成される磁場中を所定の速度で運動するので、この電荷がその運動方向および磁場方向に直交する方向のローレンツ力を受ける。このローレンツ力のフォーカスコイルでの合計を推力として、アクチュエータ装置は、対物レンズをフォーカス方向に沿って駆動する。
ここで、フォーカスコイルを流れる電荷の運動方向、および上記磁石によって形成される磁場の方向のうち少なくとも一方が、フォーカス方向と直交していないのが通常であり、特に、図16のように磁石の場所によって発生する磁束の向きが異なるので、対物レンズの位置(すなわちフォーカスの位置)によって対物レンズがフォーカス方向微小振動(すなわちサーボ動作)される際にフォーカスコイルで発生する推力は、フォーカス駆動方向以外の成分も有する。本願発明者の研究によれば、フォーカスコイルで発生する推力のうちフォーカス方向以外の成分が、当該フォーカスコイルが配置されている側面(特に肉薄化されており変形しやすい個所)の圧縮伸張方向と交わる方向に作用すると、不要な共振が誘発されてしまうことが判明している。ここで、側面の「圧縮伸長方向」とは、狭義には側面が圧縮または伸長している方向を示し、広義には単に側面の方向を示す。
そこで、本実施形態では、磁石と対向するレンズホルダの側面の圧縮伸張方向は、当該側面に配置されるフォーカスコイルへの通電時に発生する推力の方向に応じて定められている。例えば、レンズホルダの側面の圧縮伸張方向は、当該側面に作用する推力の方向と略平行となるように(言い換えれば、推力の方向に沿って)傾けられている。これにより、フォーカスコイルで発生する推力のうちフォーカス方向以外の成分の大半が、当該フォーカスコイルが配置されている側面の圧縮伸張方向に作用する一方で、該側面の圧縮伸張方向と交わる方向に作用してしまうことが回避ないし抑制されるので、不要な共振が誘発することを回避ないし抑制できる。
本実施形態の一態様では、前記フォーカスコイルが配置される前記レンズホルダの一の側面において、前記推力が発生する推力発生部位が複数ある場合には、該複数の推力発生部位のうち、当該一の側面の圧縮伸張方向と交わる方向に比較的変形しやすい部位で発生する前記推力の方向に応じて、当該一の側面の圧縮伸張方向が定められている。
この一態様によれば、複数の推力発生部位のうち、当該一の側面の圧縮伸張方向と交わる方向に比較的変形しやすい部位で発生する推力のうちフォーカス方向以外の成分の大半が、該側面の圧縮伸張方向と交わる方向に作用してしまうことが回避ないし抑制されるので、不要な共振が誘発することを回避ないし抑制できる。
この一態様では、前記フォーカスコイルが配置される前記レンズホルダの一の側面において、前記推力が発生する推力発生部位が複数ある場合には、該複数の推力発生部位のうち、当該一の側面の圧縮伸張方向と交わる方向に比較的変形しやすい部位で発生する前記推力の方向に当該一の側面の圧縮伸張方向が沿うように、当該一の側面の圧縮伸張方向が定められている。
この態様によれば、複数の推力発生部位のうち、当該一の側面の圧縮伸張方向と交わる方向に比較的変形しやすい部位で発生する推力のうちフォーカス方向以外の成分の大半が、該側面の圧縮伸張方向と交わる方向に作用してしまうことが回避ないし抑制されるので、不要な共振が誘発することを回避ないし抑制できる。ここで、「比較的変形しやすい部位」とは、推力発生部位が2つの場合には最も変形しやすい部位を示すが、3つ以上の場合には最も変形しにくい部位以外のいずれかの部位を示してもよい。なお、「比較的変形しやすい部位」がどれであるか、或いは当該一の側面のどの部位がどの程度「変形しやすい」かは、第1に、片側に開放した中空直方体側面の断面を梁とみなした場合、直方体の他の側面と接続している端は固定端であり即ち変形し難く、他の側面と接続していない端は自由端であり即ち変形し易い、ということが形状より定性的に把握でき、第2に、有限要素法を用いた構造解析及び、試験品のモーダル解析によって定量的に特定可能である。このようにして当該一の側面の圧縮伸張方向が定められた結果、レンズホルダを一の側面から見ると、典型的には台形又は逆台形に見え、フォーカスコイルが配置される1対の側面が、前記台形又は逆台形の4辺のうち互いに平行でない2辺を構成する。なお、この2辺は、典型的には、光軸に対して対称である。
このように一の側面の圧縮伸張方向が定められている一態様では、当該一の側面の圧縮伸張方向は、更に、前記比較的変形しやすい部位において前記磁石が形成する磁界の強さが他の部位よりも小さくなるように、定められてもよい。
この態様によれば、更に、比較的変形しやすい部位において電荷が受けるローレンツ力が、磁界の強さに応じて、他の部位よりも小さくされるので、不要な共振が誘発することを一層効果的に回避ないし抑制できる。
或いは、このように一の側面の圧縮伸張方向が定められている態様では、当該一の側面における前記複数の推力発生部位のうち、当該一の側面の圧縮伸張方向と交わる方向に比較的変形しやすい部位において前記推力を発生させるために有効な第1の有効部の線長が、他の部位における第2の有効部の線長よりも短くなるように、前記フォーカスコイルの巻き形状が定められてもよい。
この態様によれば、更に、比較的変形しやすい部位において電荷が受けるローレンツ力が、第1の有効部の線長に応じて、他の部位よりも小さくされるので、不要な共振が誘発することを一層効果的に回避ないし抑制できる。
或いは、このように一の側面の圧縮伸張方向が定められている態様では、前記第1の有効部の線長と、前記第2の有効部の線長との和が、前記対物レンズを駆動するために必要とされる所定の大きさの推力を発生させる一定の長さとなり、かつ、前記第2の有効部の線長は当該一の側面において所定長さ閾値よりも長くなるように、前記フォーカスコイルの巻き形状が定められてもよい。
この態様によれば、対物レンズを駆動するという必要最低限の要件を満たしつつも、第1の有効部の線長を極力短くすることができるので、不要な共振が誘発することを一層効果的に回避ないし抑制できる。なお、「所定長さ閾値」とは、当該一の側面の幅に略等しい距離、或いは当該一の側面において設計上許容される距離として予め定められる、第2の有効部の線長の下限値である。
或いは、このように一の側面の圧縮伸張方向が定められている態様では、前記レンズホルダにおいて前記上面とは反対側の底面から前記上面に向かって所定深さの中空が形成されている場合には、該複数の推力発生部位のうち、前記一の側面のうち前記底面側に位置する部位で発生する前記推力の方向に応じて、当該一の側面の圧縮伸張方向が定められてもよい。
この態様によれば、軽量化等のためにかような中空が形成されている場合には、一の側面のうち前記底面側に位置する部位の方が上面側よりも肉薄化されているので、一の側面の圧縮伸張方向と交わる方向に比較的変形しやすいと考えられる。かかる場合にも、不要な共振が誘発することを好適に回避ないし抑制できる。なお、「中空」とは、レンズホルダの内部がその構成材料によって満たされていないことをいい、レンズホルダの剛性を低下させる一因となる構造である。
本実施形態の他態様では、前記複数の推力発生部位のうち、当該一の側面の圧縮伸張方向と交わる方向に比較的変形しやすい部位が2以上ある場合には、該2以上の部位の各々で発生する各推力の方向に当該一の側面の圧縮伸張方向が夫々沿うように、当該一の側面の圧縮伸張方向が定められている。
この他態様によれば、当該一の側面の圧縮伸張方向と交わる方向に比較的変形しやすい部位が2以上ある場合であっても、何れか一つの部位に限ることなく、各部位において適切な方向に、当該一の側面の圧縮伸張方向が定められるので、不要な共振が誘発することを一層効果的に回避ないし抑制できる。「比較的変形しやすい部位が2以上ある場合」に該当するために、各部位の変形しやすさは必ずしも同一である必要なく、各部位が一定以上に変形しやすければよい趣旨である。このようにして当該一の側面の圧縮伸張方向が定められた結果、レンズホルダを一の側面から見ると、典型的には縦棒が折れ曲がった略H字形(具体的に例えば、「<->」形)に見え、フォーカスコイルが配置される1対の側面が、H字の両側の2本の縦棒を構成する。
本実施形態の他態様では、当該アクチュエータ装置は、異なる記録密度の光ディスクに対する情報の記録又は再生に対応するために、前記対物レンズをその可動範囲のいずれかの位置において偏倚させることが可能であり、前記磁石と対向する前記側面の圧縮伸張方向は、前記対物レンズが可動範囲の上側に偏倚した状態で当該側面に配置されるフォーカスコイルへの通電時に発生する推力の方向に応じて定められている。
この態様によれば、対物レンズが可動範囲の上側に偏倚した状態、言い換えれば、作動距離が比較的短いゆえに不要な共振を取り除く必要が最もある状態に合わせて、磁石と対向する前記側面の圧縮伸張方向を定めることが可能となる。
以上詳細に説明したように、本実施形態のアクチュエータ装置によれば、レンズホルダと、磁石と、フォーカスコイルとを備え、磁石と対向する前記側面の圧縮伸張方向は、当該側面に配置されるフォーカスコイルへの通電時に発生する推力の方向に応じて定められているので、対物レンズがフォーカス方向へ駆動される際に、各々のフォーカスコイルにおいて発生する推力によって誘発される不要な共振を好適に低減可能となる。
本実施形態の作用及び他の利得は次に説明する実施例から明らかにされよう。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
(1)第1実施例
図1は、第1実施例に係るピックアップ装置100を示す斜視図である。
図1に示すように、ピックアップ装置100は、ヨーク10と、ヨーク10上に配置されたアクチュエータ固定部20と、ヨーク10及びアクチュエータ固定部20に関し微少変位可能に構成されたアクチュエータ可動部70とを有している。ここでは、アクチュエータ固定部20とアクチュエータ可動部70が、ピックアップ装置100のアクチュエータ装置を構成している。ヨーク10上には、一対の磁石111がアクチュエータ可動部70を挟むように光ディスクの円周方向に沿って対向配置されている。
図2は、アクチュエータ固定部20とアクチュエータ可動部70とを分解した様子を示す斜視図である。なお、図2において、x軸はトラッキング方向に沿い、y軸はディスク状の光ディスクの半径方向に沿い、z軸は光軸方向もしくはフォーカス方向に沿っている。
図2に示すように、アクチュエータ可動部70は、4本の長手状弾性部材21a〜21dによりアクチュエータ固定部20に接続されている。これらの長手状弾性部材21a〜21dは、アクチュエータ可動部70を光ディスク5に近づく方向(すなわち、フォーカス方向)及び光ディスク5の径方向(すなわち、トラッキング方向)にアクチュエータ可動部70を微少変位可能に保持している。また、これらの長手状弾性部材21a〜21dは、導電性の素材から構成されアクチュエータ可動部70に電力を供給する配線としても機能する。長手状弾性部材21a〜21dのアクチュエータ固定部20側端部は、それぞれアクチュエータ固定部20に形成された配線パターンに半田付けされており、駆動源から電力を長手状弾性部材21a〜21dを介してアクチュエータ可動部70に供給可能に構成されている。
アクチュエータ可動部70は、レンズホルダ72、対物レンズ71、トラッキングコイル73a,73b、フォーカスコイル74a,74b、及び接続用基板75a,75bにより構成されている。
レンズホルダ72は、外形が概ね直方体形状の樹脂製の部材で構成されており、内部に中空が形成されている。レンズホルダ72は、4つの側面72a〜72dを有し、側面72a及び72cはx軸に直交するように配置され、側面72b及び72dはy軸に直行するように配置されている。
対物レンズ71は、レンズホルダ72の上面に、z軸と対物レンズ光軸が一致するように接着固定されている。対物レンズ71は、上面視円形形状を有し、レンズホルダ72の下方に位置する図視せぬ光源から出射した所定の波長の光を集光し、光ディスク5の情報記録面51(後述の図4を参照)上に形成されたトラックに沿って照射する。また、対物レンズ71は、光ディスク5の情報記録面にて反射した光を透過し、図示せぬ受光素子を有する受光部に送る。
トラッキングコイル73a,73bは、レンズホルダ72の側面72a,72c上に夫々配置されている。フォーカスコイル74a,74bは、レンズホルダ72の側面72b,72d上に夫々配置されている。トラッキングコイル73aと73bとは、例えば、互いに同一線径で同一の直流抵抗となるように同一巻数で巻回されている。同様に、フォーカスコイル74aと74bとは、例えば、互いに同一線径で同一の直流抵抗となるように、同一巻数で巻回されている。トラッキングコイル73a,73bは、直列に接続されており、導通時には互いに同一の電流が流される。フォーカスコイル74a,74bは、直列に接続されており、導通時には、互いに同一の電流が流れる。
図3は、アクチュエータ可動部70と磁石111との位置関係を示す図である。図3(a)はz軸の正方向から見たアクチュエータ可動部70の上面図、図3(b)は矢印Aの方向すなわちy軸の正方向から見たアクチュエータ可動部70の側面図、図3(c)はy軸の正方向から見た磁石111の側面図、図3(d)は矢印Bの方向すなわちy軸の負方向から見たアクチュエータ可動部70の側面図、及び図3(e)はy軸の負方向から見た磁石111の側面図を夫々示す。
図3(c)及び図3(e)の磁極の表示は、磁石111のコイル近接面上の磁極を示している。各磁石111は、N極111aが、トラッキングコイル73a,73bそれぞれの短辺部分に対向し、かつ各フォーカスコイル74a,74bの2つの長辺(すなわちx軸に沿った2辺)が互いに異なる磁極(すなわち、N極111a及びS極111b)と対向するように配置されている。
トラッキングコイル73a,73bの短辺部分は、磁石111が形成する磁場成分に直交する方向にコイル線が配置されている。トラッキングコイル73a及び73bに電流を流すと、各コイルの短辺部分を流れる電流と磁石111が形成する磁場成分の相互作用により推力が生じる。各トラッキングコイル73a及び73bに流れる電流は、アクチュエータ可動部70に対し同一方向に推力を発生させるように流される。アクチュエータ可動部70は、この電流の流れる方向によりトラッキング方向に往復駆動される。
フォーカスコイル74a,74bの長辺部分は、磁石111が形成する磁場成分に直交する方向にコイル線が配置されており、トラッキングコイル74a及びトラッキングコイル74bに電流を流すことにより、各コイルの長辺部分を流れる電流と磁石111が形成する磁場成分の相互作用により推力が生じる。各フォーカスコイル74a及び74bに流れる電流は、アクチュエータ可動部70に対し同一方向に推力を発生させるように流される。アクチュエータ可動部70は、この電流の流れる方向によりフォーカス方向に往復駆動される。
図4は、光ディスク5の種類に応じてアクチュエータ可動部70をフォーカス方向に駆動する様子を示す、アクチュエータ可動部70の側面図である。図4(a)は光ディスク5の記録密度が比較的低い場合を、図4(b)は光ディスク5の記録密度が比較的高い場合を夫々示す。
図4(a)及び図4(b)において、対物レンズ71によって集光された光LBが、光ディスク5の情報記録面51上に形成されたトラックに沿って照射されている。ここで、光ディスク5の種類に応じて密度もしくは容量が異なる場合には、対物レンズ71の焦点距離が異なることにより、実使用状態での対物レンズ71から光ディスク5の表面までの距離である作動距離WDが、光ディスク5の種類に応じて異なる数字に設計される。例えば、図4(a)に示すように、光ディスク5の記録密度が比較的低い場合、作動距離WDが比較的長く設計されることが多く、可動範囲の下側に偏倚した状態で光ディスク5の記録・再生が行われる。これに対して、図4(b)に示すように、光ディスク5の記録密度が比較的高い場合、例えば、光ディスク5がBlu−rayディスクのような短波長・高NAによる高容量のメディアである場合には、作動距離WDが比較的短く設計されることが多く、可動範囲の上側に偏倚した状態で光ディスク5の記録・再生が行われる。
ところが、図4(b)に示す光ディスク5への記録・再生時には、図4(a)に示す光ディスク5への記録・再生時に比べて、光ディスク5が高密度・高転送レートであるが故のサーボ追従仕様が厳しく、所望の記録・再生性能を満たすためには、相対的に高いサーボ帯域が要求される。
そうすると、図4(b)に示すように、アクチュエータ可動部70が可動範囲の上側に偏倚した状態では、フォーカスコイル74a及び74bが磁石の設計センターからずれた場所であるにもかかわらず、高いサーボ帯域が要求されるという極めて厳しい要件が突きつけられている。
それにもかかわらず、図4(b)に示すような場合には、後述する図5及び図6のように、光ディスク5やピックアップ装置100の振動によるフォーカス方向の微小変位にアクチュエータ可動部70が追従するので、推力F,Fが発生し、特に図7の解析によると変形しやすい部位の推力Fによって不要な共振が誘発され、もって相対的に高いサーボ帯域の実現を妨げうるという問題がある。
この問題について、図5〜図7を参照して詳述する。
図5は、比較例に係るアクチュエータ可動部70をZ軸の正方向へ駆動する様子を示す、(a)y軸の負方向から見た側面図、及び(b)x軸の正方向から見た直線L1−L2における断面図である。
図6は、比較例に係るアクチュエータ可動部70をZ軸の負方向へ駆動する様子を示す、(a)y軸の負方向から見た側面図、及び(b)x軸の正方向から見た直線L1−L2における断面図である。
図5(a)に示すように、フォーカスコイル74bの長辺部分は、N極111a及びS極111bが形成する磁場B成分に直交する方向にコイル線が配置されており、フォーカスコイル74bの時計回りの方向(つまり、矢印⇒の方向)に電流Iを流すことにより、フォーカスコイル74bのそれぞれの位置で矢印→の方向に推力が発生する。全体として、z軸の正方向の推力F+Fが発生し、アクチュエータ可動部70はz軸の正方向に駆動される。
逆に、図6(a)に示すように、フォーカスコイル74bの反時計回りの方向に電流Iを流すことにより、全体として、z軸の負方向の推力F+Fが発生し、アクチュエータ可動部70はz軸の負方向に駆動される。
このようにして、アクチュエータ可動部70は、光ディスク5やピックアップ装置100の振動によるフォーカス方向の微小変位に追従する。
このとき、図5(a)及び図6(a)を夫々別の方向から見ると、図5(b)及び図6(b)のような位置関係にあり、フォーカスコイル74b上における磁束Bの方向は、必ずしもフォーカス方向(すなわちz軸)と直交するわけではないので、推力F,Fにはフォーカス方向以外の成分が存在し、この成分が対物レンズ71を支持する構造体であるレンズホルダ72の変形を誘発し、それによってレンズホルダ72のうち対物レンズ71の搭載面が変形し、対物レンズ71の不要な共振として現れ、サーボ信号に影響を及ぼし、影響が多大な場合はサーボの高帯域化の妨げとなる。
ここで図7は、比較例に係るレンズホルダ72の持つ固有振動の状態を解析したものであり、どの部位が変形し易い/し難い状態かが表現されている。
図7において、高い輝度で示されている部位ほど、変形の程度も相対的に高い。図5,図6の推力Fは図7の比較的変形していない部位にあり、推力Fは比較的変形の程度が大きい部位にあるので、推力Fよりも推力Fに起因するフォーカス方向以外の力が、レンズホルダの変形に最も寄与していると考えられる。この理由は、高速化に対応するべくレンズホルダ72が薄肉化され、中空が形成されているからである。より詳しくは、推力Fの発生部位は、レンズホルダ72の側面72bの根元であるため、十分な肉厚構造をとることが可能であるのに対して、推力Fの発生部位は、レンズホルダ72の側面72bの先端であるため、十分な肉厚構造をとることができないからである。
以上示したように、比較例においては、レンズホルダ72の構造上、特に図7の解析によると変形しやすい部位の推力Fによって不要な共振が誘発され、もって相対的に高いサーボ帯域の実現を妨げうるという問題がある。
これに対して、第1実施例では、推力Fによる不要な共振を低減するべく、レンズホルダ72の構造を図8及び図9に示すように工夫する。
図8は、第1実施例に係るアクチュエータ可動部70をZ軸の正方向へ駆動する様子を示す、(a)y軸の負方向から見た側面図、及び(b)x軸の正方向から見た直線L1−L2における断面図である。
図9は、第1実施例に係るアクチュエータ可動部70をZ軸の負方向へ駆動する様子を示す、(a)y軸の負方向から見た側面図、及び(b)x軸の正方向から見た直線L1−L2における断面図である。
図8(b)及び図9(b)に示すように、第1実施例では、側面72bをz軸方向よりも推力F方向側に傾斜させる。そうすると、比較例に比べて、推力Fを構成する各成分のうち側面72bと垂直に交わる方向の成分が低減するので、側面72b及び対物レンズ71の搭載面の変形が夫々抑制される。或いは、側面72bの下側(すなわち、z軸の負方向)にいけばいくほど、磁石111とフォーカスコイル74bとの距離が離れ、推力FよりもFの絶対値が小さくなるので、側面72b及び対物レンズ71の搭載面の変形が夫々抑制される。その結果、比較例に比べて、対物レンズ71の不要な共振が抑制され、もってアクチュエータ可動部70が可動範囲の上側に偏倚した状態であってもサーボ帯域を比較的高く設定することが可能となる。
続いて、側面72bの最適な傾斜角度についての解析結果を、図10及び図11を用いて検討する。
図10は、第1実施例に係るアクチュエータ可動部70の側面のうち、磁石111と相対する側面を振動特性解析のために傾斜させた様子を示す斜視図である。
図10の振動特性解析において、側面72bをz軸方向よりも推力F方向側に傾斜させてある。側面72bとz軸とのなす角(すなわち、傾斜角度)をθとし、このように傾斜させた場合における側面72bの最下部のy座標値の、基準位置(つまり、傾斜角度θ=0度のときの位置)からの変位をDaとする。そして、推力Fの傾斜比率に関しては、「推力Fの絶対値|F|:推力Fのy成分の絶対値|F2y|=1:0.3」であると仮定している。因みに、この推力Fの傾斜比率は、標準設計位置〜実使用位置(例えば、BDやDVD)における対物レンズ71の駆動量によって計算することが可能である。この条件で、基準位置からの変位Daを徐々に増加させた場合の振動特性解析を行う。
図11は、第1実施例に係るアクチュエータ可動部70における振動特性解析の結果を示す、振動振幅の周波数特性図である。
図11において、基準位置からの変位Daを、0[mm]、0.1[mm]、0.15[mm]、及び0.2[mm]…と変化させた場合の振動振幅の周波数特性が、夫々異なる太さの線で示されている。いずれの場合も、共振周波数は8.0〜9.0×10[Hz]近傍であるが、その手前の5.0〜7.0×10[Hz]近傍において各々の特性に乱れが生じている。この周波数特性の乱れの程度は、基準位置からの変位Da=0[mm]、0.2[mm]の場合に、比較的大きいのに対して、基準位置からの変位Da=0.1[mm]、0.15[mm]の場合に、比較的小さいことが視認される。そうすると、「推力Fの絶対値|F|:推力Fのy成分の絶対値|F2y|=1:0.3」であると仮定した場合には、「側面72bの斜辺長:基準位置からの変位Da=1.8[mm]:0.1[mm]〜0.15[mm]付近=1:0.56〜0.83付近」になるように、側面72bをz軸方向よりも推力F方向側に傾斜させることが好ましいといえる。
以上詳述したように、第1実施例では、側面72bをz軸方向よりも推力F方向側に傾斜させるので、側面72bが側面72bと略平行になり、もって、比較例に比べて、対物レンズ71の不要な共振が抑制されることとなる。これにより、アクチュエータ可動部70が可動範囲の上側に偏倚した状態であってもサーボ帯域を比較的高く設定することが可能となるので、実践上極めて有効である。なお、反対側の側面72dについても、同様に、傾斜させることが好ましい。
因みに、アクチュエータ可動部70が可動範囲の上側に偏倚した状態で高密度の光ディスク5に対する記録又は再生を行うことを避けることは極めて困難である。なぜなら各種制約、すなわちピックアップ装置100の小型・薄型化による寸法制約、光ディスク5の記録密度によって決まる光学条件から導き出される対物レンズ71の設計制約、及び光ディスク5の高速記録・再生に必要な高感度化のためのアクチュエータ固定部20及びアクチュエータ可動部70の設計制約があるからである。
因みに、アクチュエータ可動部70が可動範囲の下側に偏倚した状態であれば、光ディスク5の記録密度及びサーボ帯域が比較的低いので、不要な共振があっても問題にならない場合が多い。
(2)第2実施例
続いて、第2実施例に係るピックアップ装置100について、図1〜図4に加えて、図12及び図13を参照して説明する。なお、第2実施例において、第1実施例と同様の構成については、同一の符号を付し詳細な説明を適宜省略する。
第2実施例では、第1実施例のように側面72b,72dをz軸方向よりも推力F方向側に傾斜させることに加えて、各側面に配置されたフォーカスコイル74b,74aの巻き形状を工夫することによって、対物レンズ71の不要な共振を更に抑制することを目的とする。
図12は、第2実施例に係るアクチュエータ可動部70をZ軸の正方向へ駆動する様子を示す、(a)y軸の負方向から見た側面図、及び(b)x軸の正方向から見た直線L1−L2における断面図である。
図13は、第2実施例に係るアクチュエータ可動部70において、フォーカスコイル74bを台形状に変形した際の、上底h1と下底h2との関係を示す図である。
図12(a)、及び図13に示すように、フォーカスコイル74b,74aの巻き形状は、第1実施例では非台形(具体的には、長方形)であったのに対して、第2実施例では台形である。より詳しくは、第2実施例では、磁石111と相対する側面72b,72dに配置されるフォーカスコイル74b,74aにおいて推力F,Fを発生させる有効部線長のうち、対物レンズ71に近接しており推力Fを発生させる側の有効部線長hよりも、対物レンズ71に対し離間しており推力Fを発生させる側の有効部線長hの方が短いことを特徴とする。
この構成によると、図12(a)及び図12(b)に示すように、推力Fの絶対値を推力Fのそれよりも小さくし、推力Fを構成する成分のうち対物レンズ71を駆動する方向(すなわち、z軸方向)以外の成分を小さくすることができるので、レンズホルダ72の変形に対する寄与を抑え、もって比較例や第1実施例に比べて、対物レンズ71の不要な共振を抑制することができる。
また、レンズホルダ72を変形させる絶対長さが短くなることにより、より変形に対する寄与を抑える効果もある。
なお、図13に示すように、有効部線長h、hの和は、所望の推力に相当する所定長にするとよい。つまり、発生する推力F,Fを構成する成分のうち対物レンズ71を駆動する方向(すなわち、z軸方向)の成分が所望の値になるように、有効部線長h、hの長さを調整するとよい。
(3)第3実施例
続いて、第3実施例に係るピックアップ装置100について、図1〜図4に加えて、図14を参照して説明する。なお、第3実施例において、第1実施例と同様の構成については、同一の符号を付し詳細な説明を適宜省略する。
図14は、第3実施例に係るアクチュエータ可動部70をZ軸の正方向へ駆動する様子を示す、(a)y軸の負方向から見た側面図、及び(b)x軸の正方向から見た直線L1−L2における断面図である。
図14(b)に示すように、第3実施例のレンズホルダ72には、第1実施例とはz軸方向反対向きに中空が形成されている。このため、推力Fではなく推力Fの発生部位が、十分な肉厚構造をとることができず変形しやすい。そこで、第3実施例では、側面72b,72dをz軸方向よりも推力F方向側に傾斜させている。このように、中空が、第1実施例とはz軸方向反対向きに形成されていようとも、推力発生部位のうち比較的変形しやすい部位の傾斜が、当該部位で発生する推力と略同じ方向になるようにすることで、対物レンズ71の不要な共振を抑制できる。
(4)第4施例
続いて、第4実施例に係るピックアップ装置100について、図1〜図4に加えて、図15を参照して説明する。なお、第4実施例において、第1実施例と同様の構成については、同一の符号を付し詳細な説明を適宜省略する。
図15は、第4実施例に係るアクチュエータ可動部70をZ軸の正方向へ駆動する様子を示す、(a)y軸の負方向から見た側面図、及び(b)x軸の正方向から見た直線L1−L2における断面図である。
図15(b)に示すように、第4実施例のレンズホルダ72には、z軸の正負両方向から中空が形成されており、断面がH文字状になっている。このため、推力F及び推力F双方の発生部位が、十分な肉厚構造をとることができず変形しやすい。そこで、第4実施例では、推力Fの発生部位近傍では、側面72b,72dをz軸方向よりも推力F方向側に傾斜させている一方で、推力Fの発生部位近傍では、側面72b,72dをz軸方向よりも推力F方向側に傾斜させている。このように、中空が如何なる方向に形成されていようとも、推力発生部位のうち比較的変形しやすい部位の傾斜が、当該部位で発生する推力と略同じ方向になるようにすることで、対物レンズ71の不要な共振を抑制できる。
尚、上述の各実施例において、
「対物レンズ71」は、本発明に係る「対物レンズ」の一例であり、「z軸方向」は、本発明に係る「フォーカス方向」の一例であり、「アクチュエータ固定部20」と「アクチュエータ可動部70」とが、本発明に係る「アクチュエータ装置」の一例であり、「レンズホルダ72」は、本発明に係る「レンズホルダ」の一例であり、「磁石111」は、本発明に係る「磁石」の一例であり、「側面72b及び72d」は、本発明に係る「該磁石と対向する前記レンズホルダの側面」の一例であり、「フォーカスコイル74a,74b」は、本発明に係る「フォーカスコイル」の一例であり、「下底h2」は、本発明に係る「第1の有効部の線長」の一例であり、「上底h1」は、本発明に係る「第2の有効部の線長」の一例である。
尚、本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨、或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うアクチュエータ装置もまた、本発明の技術的範囲に含まれるものである。
第1実施例に係るピックアップ装置100を示す斜視図である。 アクチュエータ固定部20とアクチュエータ可動部70とを分解した様子を示す斜視図である。 アクチュエータ可動部70と磁石111との位置関係を示す図である。 光ディスク5の種類に応じてアクチュエータ可動部70をフォーカス方向に駆動する様子を示す、アクチュエータ可動部70の側面図である。 比較例に係るアクチュエータ可動部70をZ軸の正方向へ駆動する様子を示す、(a)y軸の負方向から見た側面図、及び(b)x軸の正方向から見た直線L1−L2における断面図である。 比較例に係るアクチュエータ可動部70をZ軸の負方向へ駆動する様子を示す、(a)y軸の負方向から見た側面図、及び(b)x軸の正方向から見た直線L1−L2における断面図である。 比較例に係るレンズホルダ72のどの部位が変形し易い/し難いかを示す、固有振動状態の解析図である。 第1実施例に係るアクチュエータ可動部70をZ軸の正方向へ駆動する様子を示す、(a)y軸の負方向から見た側面図、及び(b)x軸の正方向から見た直線L1−L2における断面図である。 第1実施例に係るアクチュエータ可動部70をZ軸の負方向へ駆動する様子を示す、(a)y軸の負方向から見た側面図、及び(b)x軸の正方向から見た直線L1−L2における断面図である。 第1実施例に係るアクチュエータ可動部70の側面のうち、磁石111と相対する側面を振動特性解析のために傾斜させた様子を示す斜視図である。 第1実施例に係るアクチュエータ可動部70における振動特性解析の結果を示す、振動振幅の周波数特性図である。 第2実施例に係るアクチュエータ可動部70をZ軸の正方向へ駆動する様子を示す、(a)y軸の負方向から見た側面図、及び(b)x軸の正方向から見た直線L1−L2における断面図である。 第2実施例に係るアクチュエータ可動部70において、フォーカスコイル74bを台形状に変形した際の、上底h1と下底h2との関係を示す図である。 第3実施例に係るアクチュエータ可動部70をZ軸の正方向へ駆動する様子を示す、(a)y軸の負方向から見た側面図、及び(b)x軸の正方向から見た直線L1−L2における断面図である。 第4実施例に係るアクチュエータ可動部70をZ軸の正方向へ駆動する様子を示す、(a)y軸の負方向から見た側面図、及び(b)x軸の正方向から見た直線L1−L2における断面図である。 磁石の場所によって発生する磁束の向きが異なる様子を示す、2極磁石の部分的な側面図である。
符号の説明
100 ピックアップ装置
10 ヨーク
111 磁石
111a N極
111b S極
20アクチュエータ固定部
21a、21b、21c、21d 長手状弾性部材
5 光ディスク
51 情報記録面
70 アクチュエータ可動部
71 対物レンズ
72 レンズホルダ
72a、72b、72c、72d 側面
73a、73b トラッキングコイル
74a、74b フォーカスコイル
75a,75b 接続用基板

Claims (9)

  1. 対物レンズを少なくともフォーカス方向に沿って駆動するアクチュエータ装置であって、
    前記対物レンズを上面で担持するレンズホルダと、
    該レンズホルダの側面と対向して配置される磁石と、
    該磁石と対向する前記レンズホルダの側面に配置されるフォーカスコイルとを備え、
    前記磁石と対向する前記側面の圧縮伸張方向は、当該側面に配置されるフォーカスコイルへの通電時に発生する推力の方向に応じて定められている
    ことを特徴とするアクチュエータ装置。
  2. 前記フォーカスコイルが配置される前記レンズホルダの一の側面において、前記推力が発生する推力発生部位が複数ある場合には、該複数の推力発生部位のうち、当該一の側面の圧縮伸張方向と交わる方向に比較的変形しやすい部位で発生する前記推力の方向に応じて、当該一の側面の圧縮伸張方向が定められている
    ことを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ装置。
  3. 前記フォーカスコイルが配置される前記レンズホルダの一の側面において、前記推力が発生する推力発生部位が複数ある場合には、該複数の推力発生部位のうち、当該一の側面の圧縮伸張方向と交わる方向に比較的変形しやすい部位で発生する前記推力の方向に当該一の側面の圧縮伸張方向が沿うように、当該一の側面の圧縮伸張方向が定められている
    ことを特徴とする請求項2に記載のアクチュエータ装置。
  4. 当該一の側面の圧縮伸張方向は、更に、前記比較的変形しやすい部位において前記磁石が形成する磁界の強さが他の部位よりも小さくなるように、定められている
    ことを特徴とする請求項2に記載のアクチュエータ装置。
  5. 当該一の側面における前記複数の推力発生部位のうち、当該一の側面の圧縮伸張方向と交わる方向に比較的変形しやすい部位において前記推力を発生させるために有効な第1の有効部の線長が、他の部位における第2の有効部の線長よりも短くなるように、前記フォーカスコイルの巻き形状が定められている
    ことを特徴とする請求項2に記載のアクチュエータ装置。
  6. 前記第1の有効部の線長と、前記第2の有効部の線長との和が、前記対物レンズを駆動するために必要とされる所定の大きさの推力を発生させる一定の長さとなり、かつ、前記第1の有効部の線長は当該一の側面において所定長さ閾値よりも長くなるように、前記フォーカスコイルの巻き形状が定められている
    ことを特徴とする請求項5に記載のアクチュエータ装置。
  7. 前記レンズホルダにおいて前記上面とは反対側の底面から前記上面に向かって所定深さの中空が形成されている場合には、該複数の推力発生部位のうち、前記一の側面のうち前記底面側に位置する部位で発生する前記推力の方向に応じて、当該一の側面の圧縮伸張方向が定められている
    ことを特徴とする請求項2に記載のアクチュエータ装置。
  8. 前記複数の推力発生部位のうち、当該一の側面の圧縮伸張方向と交わる方向に比較的変形しやすい部位が2以上ある場合には、該2以上の部位の各々で発生する各推力の方向に当該一の側面の圧縮伸張方向が夫々沿うように、当該一の側面の圧縮伸張方向が定められている
    ことを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ装置。
  9. 当該アクチュエータ装置は、異なる記録密度の光ディスクに対する情報の記録又は再生に対応するために、前記対物レンズをその可動範囲のいずれかの位置において偏倚させることが可能であり、
    前記磁石と対向する前記側面の圧縮伸張方向は、前記対物レンズが可動範囲の上側に偏倚した状態で当該側面に配置されるフォーカスコイルへの通電時に発生する推力の方向に応じて定められている
    ことを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ装置。
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