JP2009260315A - Soi基板の作製方法及び半導体装置の作製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】単結晶半導体層の結晶欠陥が低減されたSOI基板の作製方法を提供する。
【解決手段】単結晶半導体基板と、単結晶半導体基板から分離した単結晶半導体層が設けられた半導体基板と、の表面に、ハロゲンを含有する酸化膜を形成することで、基板表面又は内部に存在する不純物を減少させる。また、半導体基板上に設けられた単結晶半導体層に、レーザ光を照射することで、単結晶半導体層の結晶性を向上させ、平坦性を回復する。
【選択図】図1

Description

本発明は、絶縁膜上に形成された半導体層を有するSOI基板の作製方法及び半導体装置の作製方法に関する。
近年、バルク状のシリコンウエハに代わり、SOI(Silicon On Insulator)基板を使った集積回路が開発されている。絶縁膜上に形成された薄いシリコンウエハの特長を生かすことで、集積回路中のトランジスタの半導体層を完全に分離して形成することができ、またトランジスタを完全空乏型とすることができるため、高集積、高速駆動、低消費電力など付加価値の高い半導体集積回路が実現できる。
SOI基板として、SIMOX基板、貼り合わせ基板が知られている。例えば、SIMOX基板は、シリコンウエハに酸素イオンを注入し、1300℃以上で熱処理して埋め込み酸化膜(BOX)を形成することにより、基板表面にシリコンウエハを形成してSOI構造を得ている。
貼り合わせ基板は、酸化膜を介して2枚のシリコンウエハ(ベース基板及びボンド基板)を貼り合わせ、一方のシリコンウエハ(ボンド基板)を裏面(貼り合わせた面と対向する面)から薄膜化することにより、シリコンウエハを形成してSOI構造を得ている。研削や研磨では均一なシリコンウエハを形成することが難しいため、イオン注入剥離法と呼ばれる水素イオン注入を利用する技術が提案されている(例えば、特許文献1)。また、イオン注入剥離法は、スマートカット(登録商標)法と呼ぶこともある。
このSOI基板の作製方法の概要を説明すると、イオンインプランテーション法によりシリコンウエハに水素イオンを注入することによって、シリコンウエハ表面から所定の深さに脆化領域を形成する。次に、ベース基板となる別のシリコンウエハを酸化して酸化シリコン膜を形成する。その後、水素イオンを注入したシリコンウエハとベース基板となるシリコンウエハの酸化シリコン膜とを接合させて、2枚のシリコンウエハを貼り合わせる。そして、熱処理によって、イオン注入層を劈開面としてシリコンウエハを劈開させることで、ベース基板となるシリコンウエハに薄い単結晶シリコン層が貼りつけられた基板が形成される。
イオンインプランテーション法は、真空中で試料に注入したい粒子をイオン化し、電界により加速して、試料に注入する方法である。イオン注入法に用いられるイオン注入装置は、イオン源、質量分離部、加速部、ビーム操作部(静電スキャン)、注入室(エンドステーション)、及び真空排気装置から構成される。また、イオンビームの断面は不均一であるため、試料面上での均一性を得るために、イオンビームを電気的に走査する。また、注入した粒子は深さ方向にガウス分布を示す。
また、SOI基板を用いた半導体装置の一例として、スマートカット法を利用して耐熱性の高い基板を支持基板として用いる半導体装置の作製方法が開示されている(特許文献2参照)。
特開平5−211128号公報 特開2000−012864号公報
上述したイオン注入剥離法を用いて単結晶半導体膜を形成する場合、イオンの添加により、単結晶半導体膜中の欠陥が増大する。単結晶半導体膜中に欠陥が多数存在する場合には、例えば、ゲート絶縁層との界面に欠陥の準位が形成されやすくなるため、これを用いて作製した半導体素子の特性は良好なものではない。また、分離後の単結晶半導体膜の表面は、結晶性及び平坦性も損なわれている。
また、従来のSOI基板の作製方法において脆化領域の形成に用いられてきたイオン注入法に代えて、イオンドーピング法を用いることで、脆化領域形成のタクトタイムが短縮できる。ここで、イオン注入法とは、ソースガスをプラズマ化し、このプラズマに含まれるイオン種を引き出し、質量分離をして、所定の質量を有するイオン種を加速して、イオンビームとして、被処理物に注入する方法である。また、イオンドーピング法とは、ソースガスをプラズマ化し、所定の電界の作用によりプラズマからイオン種を引き出し、引き出したイオン種を質量分離をせずに加速し、イオンビームとして被処理物に注入する方法である。
しかしながら、イオンドーピング法では、質量分離を行わないため、イオンドーピング装置の電極などの材料に含まれている金属等の不純物が、水素イオンと共にシリコンウエハに打ち込まれる恐れがある。不純物に汚染されたSOI基板は、トランジスタのしきい値電圧の変動、リーク電流の増加等、トランジスタの電気的特性の低下、及び信頼性の低下を招く要因となる。
上述した問題に鑑み、本発明の一態様は、単結晶半導体層の結晶欠陥が低減されたSOI基板の作製方法を提供することを目的の一とする。
また、本発明の一態様は、金属等の不純物による汚染の影響を抑えることが可能なSOI基板の作製方法を提供することを目的の一とする。
また、このようなSOI基板を用いて優れた電気特性を有する半導体装置の作製方法を提供することを目的の一とする。
本発明の一態様のSOI基板の作製方法は、単結晶半導体基板と、単結晶半導体基板から分離した単結晶半導体層が設けられた半導体基板と、の表面に、ハロゲンを含有する酸化膜を形成することを特徴の一とする。また、半導体基板上に設けられた単結晶半導体層に、レーザ光を照射することを特徴の一とする。以下に、本発明の一態様の具体的な構成について説明する。
本発明の一態様のSOI基板の作製方法は、単結晶半導体基板に第1の熱酸化処理を行い、単結晶半導体基板の表面に第1の酸化膜を形成し、第1の酸化膜を介して、単結晶半導体基板にイオンを照射することにより、単結晶半導体基板中に脆化領域を形成し、単結晶半導体基板上の第1の酸化膜の表面と半導体基板の表面とを接着させ、熱処理によって、脆化領域を境として単結晶半導体基板を分離することにより、半導体基板上に第1の酸化膜を介して単結晶半導体層を形成し、単結晶半導体層にレーザ光を照射し、半導体基板に第2の熱酸化処理を行うことにより、単結晶半導体層上に第2の酸化膜を形成した後、第2の酸化膜を除去する。
本明細書において、「単結晶」とは、結晶面又は結晶軸が揃っている結晶であり、それを構成している原子又は分子が空間的に規則正しい配列になっているものをいう。もっとも、単結晶は原子が規則正しく配列することによって構成されるものであるが、一部にこの配列の乱れがある格子欠陥を含むもの、意図的又は非意図的に格子歪みを有するものも含まれる。
なお、本明細書中において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を指し、電気光学装置、半導体回路及び電子機器は全て半導体装置である。
また、本明細書において表示装置とは、液晶表示装置や発光装置を含む。液晶表示装置は液晶素子を含み、発光装置は、発光素子を含む。発光素子は、電流又は電圧によって輝度が制御される素子をその範疇に含んでおり、具体的には無機EL(Electro Luminescence)素子、有機EL素子等が含まれる。
本発明の一態様は、SOI基板の製造時や半導体装置の製造時において、単結晶半導体層に発生する結晶欠陥が低減されたSOI基板を製造することができる。また、本発明の一態様は、不純物による汚染の影響が抑制されたSOI基板を製造することができる。また、本発明の一態様は、このようなSOI基板を用いて、優れた電気特性を有する半導体装置を製造することができる。
SOI基板の作製方法の一例を示す図。 (A)計算モデル、(B)(A)のYZ平面の断面図。 計算による構造変化の様子(YZ平面の断面図)。 計算による構造変化の様子(YZ平面の断面図)。 SOI基板の構成の一例を示す図。 SOI基板の構成の一例を示す図。 SOI基板の構成の一例を示す図。 水素イオン種のエネルギーダイアグラムについて示す図。 イオンの質量分析結果を示す図。 イオンの質量分析結果を示す図。 加速電圧を80kVとした場合の水素元素の深さ方向のプロファイル(実測値及び計算値)を示す図。 加速電圧を80kVとした場合の水素元素の深さ方向のプロファイル(実測値、計算値、及びフィッティング関数)を示す図。 加速電圧を60kVとした場合の水素元素の深さ方向のプロファイル(実測値、計算値、及びフィッティング関数)を示す図。 加速電圧を40kVとした場合の水素元素の深さ方向のプロファイル(実測値、計算値、及びフィッティング関数)を示す図。 フィッティングパラメータの比(水素元素比及び水素イオン種比)をまとめた図。 SOI基板の作製方法の一例を示す図。 SOI基板を用いた半導体装置の作製方法の一例を示す図。 SOI基板を用いた半導体装置の作製方法の一例を示す図。 SOI基板を用いた半導体装置の作製方法の一例を示す図。 SOI基板を用いた半導体装置の作製方法の一例を示す図。 SOI基板を用いた半導体装置の一例を示す図。 SOI基板を用いた半導体装置の一例を示す図。 SOI基板を用いた半導体装置の一例を示す図。 SOI基板を用いた電子機器の一例を示す図。 SOI基板を用いた電子機器の一例を示す図。
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(実施の形態1)
本実施の形態では、SOI基板の作製方法の一例に関して図面を参照して説明する。
まず、単結晶半導体基板101を準備し、単結晶半導体基板101を硫酸過酸化水素水混合溶液(SPM)、アンモニア過酸化水素水混合溶液(APM)、塩酸過酸化水素水混合溶液(HPM)、希フッ酸(DHF)、オゾン水などを適宜使って洗浄する。単結晶半導体基板101は、市販の単結晶半導体基板を用いることができ、例えば、単結晶のシリコン基板やゲルマニウム基板、ガリウムヒ素やインジウムリン等の化合物半導体基板が挙げられる。市販のシリコン基板としては、直径5インチ(125mm)、直径6インチ(150mm)、直径8インチ(200mm)、直径12インチ(300mm)、直径18インチ(450mm)サイズの円形のものが代表的である。なお、形状は円形に限られず矩形状等に加工したシリコン基板を用いることも可能である。以下の説明では、単結晶半導体基板101として、単結晶シリコン基板を用いる場合について説明する。
次いで、単結晶半導体基板101に、熱酸化処理(第1の熱酸化処理とも表記する)を行うことにより酸化膜102(第1の酸化膜とも表記する)を形成する(図1(A))。熱酸化処理は、酸化性雰囲気中にハロゲンを添加した酸化を行うことが好ましい。酸化性雰囲気中にハロゲンを添加するためのガスとして、HCl、HF、NF、HBr、Cl、DCE(dichloroethylene)、ClF、BCl、F、Brなどから選ばれた一種又は複数種を用いることができる。このような熱酸化処理の一例としては、酸素に対しHClを0.5〜10体積%(好ましくは3体積%)の割合で含む雰囲気中で、900℃〜1150℃の温度(例えば1000℃)で熱酸化処理を行うと良い。処理時間は0.1〜6時間、好ましくは0.5〜1時間とすればよい。形成される酸化膜の膜厚としては、10nm〜1000nm(好ましくは50nm〜300nm)、例えば200nmの厚さとする。なお、ジクロロエチレンを用いる場合、トランス−1,2−ジクロロエチレンは熱分解する温度が低いため、熱酸化処理の温度を低温で行いたい場合に有効となる。なお、トランス−1,2−ジクロロエチレンにかえて、シス−1,2−ジクロロエチレン、1,1−ジクロロエチレンや、これらの中から二種類以上のガスの混合ガスを用いてもよい。
このような温度範囲で熱処理を行うことで、単結晶半導体基板101中の、不純物を除去する効果が得られる。すなわち、単結晶半導体基板101に不純物(例えば金属)が存在したとしても、ハロゲン(例えば、塩素)の作用によって不純物は揮発性のハロゲン化物(例えば、塩化物)となり、気相中へ離脱して除去される。この効果は、単結晶半導体基板101の表面を化学的機械研磨処理したものに対して有効である。なお、化学機械研磨(Chemical Mechanical Polishing、略称:CMP)とは、アルカリ性溶液と研磨砥粒を混合させたスラリーを用いて化学的、かつ、機械的に研磨して表面を平坦化する処理である。
また、ハロゲンを添加して熱酸化を行うことにより、形成される酸化膜102中にはハロゲンが含まれている。なお、ハロゲンは1×1016atoms/cm以上2×1021atoms/cm以下の濃度で含まれることにより金属等の不純物を捕獲して単結晶半導体基板101の汚染を防止する保護膜としての機能を発現させることができる。
また、酸化膜102中に含まれるハロゲンは、塩素に加えてフッ素も含ませることもできる。この場合フッ素は、塩素よりも少量含まれていることが好ましい。
また、熱酸化処理のガスに水素を含有させることにより、単結晶半導体基板101と酸化膜102の界面の欠陥を補償して界面の局在準位密度を低減する作用を奏する。そのため、酸化膜102中に水素原子が1×1018atoms/cm以上含まれるようにすることが好ましい。
なお、本実施の形態では、ハロゲンを含有する酸化膜102の形成方法として、塩化水素やジクロロエチレンを含有させた酸化性雰囲気中で熱酸化処理を行う場合を示したが、本発明の実施はこれに限られない。例えば、単結晶半導体基板101にドライ酸化等の酸化性雰囲気での熱酸化処理を行い、単結晶半導体基板101表面に酸化膜102(例えば、SiOx)を形成した後、イオンドーピング装置又はイオン注入装置を用いて、電界で加速された塩素イオン等のハロゲン化物イオンを添加することにより酸化膜102中に塩素原子等のハロゲン原子を含有させてもよい。他にも、表面を塩化水素(HCl)溶液で処理した後に酸化性雰囲気中で熱酸化処理を行ってもよい。
次いで、酸化膜102を介して、単結晶半導体基板にイオンを照射することにより、イオンを単結晶半導体基板に導入し、単結晶半導体基板101の一方の面から所定の深さの領域に脆化領域103を形成する(図1(B)参照)。
脆化領域103が形成される深さは、イオン種、イオンの運動エネルギーとイオンの入射角によって調節することができる。運動エネルギーは加速電圧などにより調節できる。イオンの平均侵入深さとほぼ同じ深さの領域に脆化領域103が形成される。イオンを導入する深さで、後の工程において単結晶半導体基板101から分離される単結晶半導体層の厚さが決定される。脆化領域103が形成される深さは10nm以上500nm以下であり、好ましい深さの範囲は、50nm以上200nm以下である。
イオンを単結晶半導体基板101に導入するには、イオンドーピング装置を用いることができる。イオンドーピング装置は、ソースガスを励起しプラズマを生成し、プラズマ中からイオンを引き出し、イオンを質量分離をせずに被処理物に導入する。イオンドーピング装置を用いることにより、単結晶半導体基板101に対して均一なドーピングを行うことができる。なお、質量分離装置を備えているイオンドーピング装置では、質量分離を伴うイオン注入を行うことができる。
イオンドーピング法を用いる場合、イオンの添加の際に用いるソースガスとしては、水素ガス、希ガス等があるが、本実施の形態では水素ガスを用いることが好ましい。ソースガスとして水素ガスを用いた場合、生成されるイオンは、H、H 及びH であるが、H が最も多く導入されることが好ましい。H は、H、H よりも導入効率が良く、導入時間の短縮を図ることができる。また、後の工程において脆化領域103に亀裂が生じやすくなる。
また、H は、H、H に比べて質量が大きい。そのため、イオンビームにおいて、H の割合が多い場合と、H、H の割合が多い場合とでは、ドーピングの際の加速電圧が同じであっても、前者の場合の方が、単結晶半導体基板101の浅い領域に水素を導入することができる。また前者の場合、単結晶半導体基板101に導入される水素の、厚さ方向における濃度分布が急峻となるため、脆化領域103の厚さ自体も薄くすることができる。
前述したように、イオンドーピング法を用いる場合、イオンドーピング装置は質量分離を行わずイオンを導入するため、水素イオンの他に金属も同時に単結晶半導体基板101へ導入される場合がある。金属は質量数が大きいので、イオンが導入される側の最表面に多く分布する。本実施の形態では単結晶半導体基板101の表面に酸化膜102が形成されている。この酸化膜102の膜厚を金属の導入される深さよりも厚く形成することで、当該金属の分布を酸化膜102中に止めておくことができる。また、酸化膜102にハロゲンを含ませることにより、重金属など単結晶半導体基板101に悪影響を与える不純物を固定する作用がある。それにより単結晶半導体基板101の汚染を防ぐことができる。
次いで、単結晶半導体基板101と貼り合わせるための半導体基板111を準備する。半導体基板111は、単結晶半導体基板101として用いる基板と同様の基板を用いることができる。さらには、多結晶半導体基板、太陽電池の製造に用いられる太陽電池級シリコン基板(SOG−Si:Solar grade Silicon、例えばSi純度が99.9999%のもの)等も用いることができる。本明細書に示す多結晶半導体基板とは、多結晶シリコン基板に加え、多結晶化合物半導体基板も含み、さらには微量にゲルマニウムを含む多結晶シリコン基板、微量にボロンを含む多結晶シリコン基板を指すものとする。
また、半導体基板111と酸化膜102との接着を良好に行うために、接着面を活性化しておいてもよい。例えば、接着する面の一方又は双方に原子ビーム若しくはイオンビームを照射する。原子ビーム若しくはイオンビームを利用する場合には、アルゴン等の不活性ガス中性原子ビーム若しくは不活性ガスイオンビームを用いることができる。その他に、プラズマ照射若しくはラジカル処理を行うことで接着面を活性化することもできる。このような活性化処理により、400℃以下の温度であっても単結晶半導体基板と半導体基板との接着をすることが容易となる。
次いで、酸化膜102と半導体基板111の一方の面とが向かい合うようにボンディング(接着)する(図1(C))。酸化膜102と半導体基板111とを密着させることにより、ファン・デル・ワールス力で基板同士が引き合う。そして、基板の表面にできたSi−OH同士が水素結合で接着する。低温(例えば、150℃〜200℃)の熱処理により脱水縮合反応が起こり、水分子が離脱してシリコン原子間に酸素原子を介した結合(Si−O−Si)が形成される。さらに高温で熱処理(例えば600℃)を行うことにより、酸素が拡散し界面はSi同士が結合し、単結晶半導体基板101と半導体基板111との接着がより強固なものとなる。本実施の形態において、単結晶半導体基板101と半導体基板111との接着膜として、熱酸化処理により得られる酸化膜102を用いている。熱酸化処理により得られる酸化膜102は平滑性を有しているため、単結晶半導体基板101と半導体基板111との接着を良好に行うことができる。
なお、単結晶半導体基板101と半導体基板111を接着させる前に、単結晶半導体基板101上に形成された酸化膜102及び半導体基板111の表面処理を行うことが好ましい。表面処理としては、オゾン処理(例えば、オゾン水洗浄)、又はメガソニック洗浄及びオゾン水洗浄を行うことができる。また、オゾン水洗浄とフッ酸による洗浄を複数回繰り返し行ってもよい。このような表面処理を行うことにより、酸化膜102及び半導体基板111の表面の有機物等のゴミを除去し、酸化膜102の表面を親水性にすることができる。
単結晶半導体基板101と半導体基板111とを貼り合わせた後は、熱処理と加圧処理の一方又は両方を行うことが好ましい。熱処理や加圧処理を行うことにより単結晶半導体基板101と半導体基板111との接着強度を向上させることが可能である。熱処理は、脆化領域103に添加した元素又は分子が析出しない温度とし、その加熱温度は350℃以下が好ましい。言い換えれば、この加熱温度は脆化領域103からガスが抜けない温度である。加圧処理は、接着面に対して垂直な方向に圧力が加わるように行い、単結晶半導体基板101及び半導体基板111の耐圧性を考慮して行う。
次いで、単結晶半導体基板101に熱処理を行うことにより、脆化領域103を境として単結晶半導体基板101を分割して、単結晶半導体層112が接着された半導体基板111と単結晶半導体基板105とに分離する(図1(D))。ここでの熱処理には、RTA(Rapid Thermal Anneal)装置、ハロゲンランプ若しくは赤外線ランプで加熱するRTA(LRTA:Lamp Rapid Thermal Anneal)装置等を用いることができる。この熱処理で、単結晶半導体層112が貼りつけられた半導体基板111の温度が550℃以上650℃以下の範囲に上昇させることが好ましい。
本実施の形態では、抵抗加熱を有する縦型炉を用いた熱処理を行う。単結晶半導体基板101が貼りつけられた半導体基板111を縦型炉のボートに載置する。ボートを縦型炉のチャンバーに搬入する。単結晶半導体基板101の酸化を抑制するため、まずチャンバー内を排気して真空状態とする。真空度は、5×10−3Pa程度とする。真空状態にした後、窒素をチャンバー内に供給して、チャンバー内を窒素雰囲気にする。この間、温度を200℃に上昇させる。
チャンバー内を窒素雰囲気にした後、温度200℃で2時間加熱する。その後、1時間かけて400℃に温度上昇させる。加熱温度400℃の状態が安定したら、1時間かけて600℃に温度上昇させる。加熱温度600℃の状態が安定したら、600℃で2時間熱処理する。その後、1時間かけて400℃まで下げ、10分〜30分間後に、チャンバー内からボートを搬出する。大気雰囲気下で、ボート上の単結晶半導体基板101、及び半導体基板111を冷却する。
上記の抵抗加熱炉を用いた熱処理は、単結晶半導体基板101と半導体基板111との結合力を強化するための熱処理と、脆化領域103に分離を生じさせる熱処理が連続して行われる。この2つの熱処理を異なる装置で行う場合は、例えば、抵抗加熱炉において、処理温度200℃、処理時間2時間の熱処理を行った後、貼り合わされた半導体基板111と単結晶半導体基板101を炉から搬出する。次いで、RTA装置で、処理温度600℃以上700℃以下、処理時間1分以上30分以下の熱処理を行い、単結晶半導体基板101を脆化領域103で分割させる。
このように、熱処理を行い脆化領域103において分離(劈開)することにより、半導体基板111上に、酸化膜102を介して単結晶半導体層112を設けることができる(図1(D))。また、単結晶半導体層112を分離した単結晶半導体基板105を再利用することで、コストを削減することが可能である。図1(D)に示す熱処理工程は、加熱温度が700℃以下と比較的低温であるため、単結晶半導体基板105への熱によるダメージを抑制することができ、単結晶半導体基板105を再利用する場合に効果的である。
図1(D)に示す単結晶半導体層112は、脆化領域103の形成のためのイオン導入工程や、分離工程による結晶欠陥が存在し、単結晶半導体層表面の平坦性は損なわれている。また、単結晶半導体層112に、COP(Crystal Originated Particle)、FPD(Flow Pattern Particle)と呼ばれる単結晶半導体基板製造時の結晶欠陥が存在していることがある。単結晶半導体層112に結晶欠陥が存在する場合には、ゲート絶縁層との界面における局在準位密度が高くなるなど、トランジスタの性能及び信頼性に悪影響を与える要因となる。また、平坦性の損なわれた単結晶半導体層112の表面に、薄く、且つ、高い絶縁耐圧のゲート絶縁層を形成することは困難である。
そこで、単結晶半導体層112に存在する欠陥を除去するために、単結晶半導体層112の表面にレーザ光を照射する(図1(E)参照)。単結晶半導体層112にレーザ光を照射することにより、単結晶半導体層112を溶融させることができる。単結晶半導体層112は、レーザ光によって溶融された部分が冷却し、固化するため、平坦性が向上される。また、レーザ光の照射により平坦性の向上とともに、単結晶半導体層112の結晶欠陥が減少し、単結晶半導体層112の結晶性を向上させることができる。レーザ光を用いることにより、半導体基板111が直接加熱されないため、半導体基板111の温度上昇を抑えることができる。
なお、レーザ光の照射による単結晶半導体層112の溶融は部分溶融とすることが好ましい。完全溶融させた場合には、液相となった後の無秩序な核発生により微結晶化し、結晶性が低下する可能性が高いためである。一方で、部分溶融させることにより、溶融されていない固相部分から結晶成長が進行する。これにより、半導体膜中の結晶欠陥を減少させることができる。ここで、完全溶融とは、単結晶半導体層112が下部界面まで溶融されて、液体状態になることをいう。他方、部分溶融とは、この場合、単結晶半導体層112の上部は溶融して液相となるが、下部は溶融せずに固相のままであることをいう。
レーザ光を発振するレーザは、連続発振レーザ、疑似連続発振レーザ及びパルス発振レーザのいずれでもよいが、パルス発振レーザを用いることが好ましい。これは瞬間的に高エネルギーのパルスレーザ光を発振することができ、溶融状態を作り出すことが容易となるためである。発振周波数は、1Hz以上10MHz以下とすることが好ましい。
レーザ発振器としては、例えば、KrFレーザなどのエキシマレーザ、Arレーザ、Krレーザ等の気体レーザがある。その他、固体レーザとして、YAGレーザ、YVOレーザ、YLFレーザ、YAlOレーザ、GdVOレーザ、KGWレーザ、KYWレーザ、アレキサンドライトレーザ、Ti:サファイアレーザ、Yレーザ等がある。なお、エキシマレーザはパルス発振レーザであるが、YAGレーザなどの固体レーザには、連続発振レーザにも、疑似連続発振レーザにも、パルス発振レーザにもなるものがある。
レーザ光の波長は、単結晶半導体層112に吸収される波長であり、レーザ光に対する単結晶半導体層112の表皮深さ(skin depth)等を考慮して決定することができる。例えば、波長は250nm以上700nm以下の範囲とすることができる。また、レーザ光のエネルギーも、レーザ光の波長、レーザ光に対する単結晶半導体層112の表皮深さ、単結晶半導体層112の膜厚等を考慮して決定することができる。レーザ光のエネルギーは、例えば、300mJ/cm以上800mJ/cm以下の範囲とすることができる。またレーザ光の照射は、大気雰囲気のような酸素を含む雰囲気、または窒素雰囲気のような不活性雰囲気で行うことができる。窒素などの不活性雰囲気のほうが、大気雰囲気よりも単結晶半導体層112の平坦性を向上させる効果が高く、またクラックの発生を抑える効果が高い。
ここで、レーザ光の照射により、単結晶半導体層の表面凹凸及びナノスケールの結晶欠陥が回復する様子を古典分子動力学計算により計算する。具体的には、表面凹凸及びナノスケールの結晶欠陥を有する単結晶半導体層の上部を加熱して、当該単結晶半導体層を部分溶融させ、下部に残存した固相を種結晶として原子が再配列する様子を示す。なお、本計算においては、単結晶半導体層として単結晶シリコン層を形成した場合を例に計算した。
古典分子動力学法では、現実の原子の動きに合致する関数(原子間ポテンシャル)を作成し、当該関数を用いて各原子に働く力を評価し、ニュートンの運動方程式を解くことで、各原子の運動(時間発展)を追跡することができる。実際の計算手順では、以下のようなサイクルを繰り返すことになる。(1)計算系の原子に対して、初期座標、初期速度(温度)などの初期条件を与える。(2)原子間ポテンシャルより原子間力を求める。(3)時間刻みΔt後の原子の位置、速度を求める。(4)(2)に戻る。
上記手順により、各原子の時間軌跡を求めることができる。なお、上記計算を行うための古典分子動力学計算ソフトウェアとして、富士通株式会社製のMaterials Explorer5.0を用いた。
シリコンの原子間ポテンシャルとしては、様々なモデルが提唱されているが、本計算では、現状、実験から求まる物性値を最も良く再現できるTersoffポテンシャルを用いた。なお、Tersoffモデルにおける温度と、現実の温度との間には一定のずれが存在するが、これは計算上の問題に過ぎないため、融点を基準に現実の温度に換算することが可能である。シリコンの融点の実験値は約1414℃であり、これは、Tersoffモデルでは約2327℃にあたる。以下において、現実のシリコンの融点を基準に換算した温度を、便宜上、換算温度と呼ぶことにする。
次に、単結晶シリコン層((100)面)の平坦化及び再単結晶化の計算モデルと、その計算条件について説明する。計算に係る単位胞(計算単位胞)のサイズは、x軸方向に3.26nm、y軸方向に3.26nm、z軸方向に6.52nmとした。ここで、x軸及びy軸は、単結晶シリコン層に平行な方向であり、z軸は単結晶シリコン層の膜厚方向である。なお、計算に当たって、x軸方向及びy軸方向に周期境界条件を適用することで、x軸方向及びy軸方向に十分広い膜を想定することとした。
計算モデルとしては、表面に凹凸があり、内部にナノスケールの結晶欠陥が存在する単結晶シリコン層として、以下の条件のものを採用した。・単結晶シリコン層の表面にはピラミッド型の凸部分が存在する。・凸部分の高さ(単結晶シリコン層表面の高低差)は1.36nmである。・座標(1.63、1.63、2.17)を中心として、半径1nm以内の領域に存在するシリコン原子(合計191原子)を取り除き、直径約2nmの球状の結晶欠陥を形成する。なお、上記の座標の各パラメータは、原点からの距離(nm)に対応している。・計算単位胞内のシリコン原子の数は、1706個である。・単結晶シリコン層の下側7層(合計504原子)は、種結晶とするため、原子の位置を固定する(固相状態を想定)。
yz平面に垂直な方向から見た上記計算モデルの様子を図2(A)に示す。また、上記計算モデルにおいて、球状の結晶欠陥の中心部を通り、且つ、yz平面に平行な平面における断面図を図2(B)に示す。なお、図2(B)は、x軸方向に0.65nmの厚みを持たせて上記計算モデルを示したものであり、厳密には、球状の結晶欠陥の中心部を通る断面のみを示しているわけではない。
上記の計算モデルを用い、温度の初期条件を換算温度1458℃(融点以上)として、古典分子動力学計算を行った。なお、本計算においては、初期状態(0sec)から700psecまでは、温度条件を一定(換算温度1458℃)として計算を行っている。
単結晶シリコン層の経時的な構造変化の様子を図3(A)から図3(F)に示す。図3(A)から図3(F)は、初期状態(0sec)から50psec後までの単結晶シリコン層の構造変化の様子を、10psec間隔で示している。図3により、50psec程度で表面の凸部分が融解し、結晶欠陥が消滅し、単結晶シリコン層が平坦化することがわかる。
本計算では、700psec以降、融点以下である換算温度1276℃に引き下げて古典分子動力学計算を行った。ここでも、700psecから1400psecまでは、温度条件を一定(1276℃)としている。図4には、700psec以降の単結晶シリコン層の経時的な構造変化の様子を示す。図4(A)から図4(C)は、700psecから1400psecまでの単結晶シリコン層の構造変化の様子を、350psec間隔で示すものである。
図4に示すように、時間経過とともに固液界面が単結晶シリコン層の表面方向へと上昇しており、固相部分を種結晶として溶融シリコンが結晶シリコンへと変化することがわかる。1400psec後には表面付近まで再単結晶化された。
以上のように、表面凹凸及びナノスケールの結晶欠陥を有する単結晶シリコン層の上部を加熱し、溶融させることで、結晶欠陥の消滅と共に表面凹凸が低減する様子が確認された。また、下部に残存した固相を種結晶としてシリコン原子が再配列して、結晶成長が進行する様子が確認された。
上記古典分子動力学計算の結果より、直径2nm程度の結晶欠陥及び高低差1.5nm程度の表面凹凸であれば、溶融時間が50psec程度でも十分に回復可能であることが分かる。また、少なくとも700psec程度の溶融時間があれば、下部に残存した固相を種結晶としてシリコン原子の再配列(再単結晶化)が可能であることが分かる。一般に、パルスレーザ光を用いた場合の半導体膜の溶融時間は、レーザ光のパルス幅と同程度であるから、パルス幅が50psec以上であれば、2nm程度の結晶欠陥及び高低差1.5nm程度の表面凹凸を回復させることができると言える。同様に、パルス幅が700psec以上であれば、シリコン原子の再配列(再単結晶化)が可能であると言える。すなわち、上記の結晶欠陥、表面凹凸の低減、及びシリコン原子の再配列(再単結晶化)を実現するためには、700psec以上のパルス幅を有するパルスレーザ光を用いるとよい。本実施の形態では、例えば25nsecのパルス幅を有するレーザ光を用いるものとする。
なお、レーザ光を照射する際に、半導体基板111に固定された単結晶半導体層112を加熱し、単結晶半導体層112の温度を上昇させてもよい。加熱温度は400℃以上670℃以下が好ましく、450℃以上650℃以下がより好ましい。
また、レーザ光を単結晶半導体層112に照射する前に、単結晶半導体層112の表面に形成されている自然酸化膜などの酸化膜を除去する処理を行うことが好ましい。単結晶半導体層112表面に酸化膜が残存した状態で、レーザ光を照射しても、平坦化の効果が十分に得られにくいからである。酸化膜の除去処理は、フッ酸で単結晶半導体層112を処理することで行うことができる。フッ酸による処理は、単結晶半導体層112の表面が撥水性を示すまで行うことが望ましい。撥水性があることで、単結晶半導体層112から酸化膜が除去されたことが確認できる。
また、単結晶半導体層112にレーザ光を照射する前に、単結晶半導体層112をエッチングして、単結晶半導体層112の分離面に残存する脆化領域103を除去することが好ましい。脆化領域103を除去することで、レーザ光の照射による、表面の平坦化の効果、および結晶性の回復の効果を高めることができる。
このエッチングには、ドライエッチング処理、またはウェットエッチング処理を用いることができる。ドライエッチング処理では、エッチングガスとして、塩化硼素、塩化珪素または四塩化炭素などの塩化物ガス、塩素ガス、弗化硫黄、弗化窒素などの弗化物ガス、酸素ガスなどを用いることができる。ウェットエッチング処理では、エッチング液として、例えば、水酸化テトラメチルアンモニウム(tetramethylammonium hydroxide、略称;TMAH)溶液等を用いることができる。
レーザ光を照射した後に、単結晶半導体層112に対してさらに平坦化処理を行ってもよい。平坦化処理としては、CMP、ドライエッチング処理、またはウェットエッチング処理のいずれか一、又は複数の方法を組み合わせて用いることができる。なお、この平坦化処理を行う前に、単結晶半導体層112にレーザ光を照射して表面を平坦化しているため、レーザ光を照射せずにCMPやエッチングを適用する場合と比較して研削量を低減させることができる。したがって、研削による減少を考慮して単結晶半導体層の膜厚を設定する必要がなくなるため、単結晶半導体基板から一回の分離工程によって分離される単結晶半導体層を薄くすることができ、単結晶半導体基板を節約することが可能となる。
また、この平坦化処理によって、単結晶半導体層112を所望の膜厚まで薄膜化しても良い。単結晶半導体層112の厚さは、単結晶半導体層112から形成される素子の特性に合わせて決めることができる。半導体素子の活性層やゲート絶縁層が薄膜化されると、移動度の向上、S値の向上、短チャネル効果抑制を図ることができる。半導体基板111に貼り付けられた単結晶半導体層112の表面に、薄いゲート絶縁層を段差被覆性良く形成するには、単結晶半導体層112の膜厚は、50nm以下とすることが望ましく、その厚さは50nm以下5nm以上とすればよい。
図1(E)に示した工程によって、単結晶半導体層112の結晶欠陥を修復し、且つ、平坦性を向上させることが可能となる。しかしながら、レーザ光の照射によって、大気中の不純物が単結晶半導体層112中に混入することがある。また、CMPやエッチングによる平坦化処理を行うと、CMPの研磨剤やエッチャントなどが単結晶半導体層112表面に残存する場合がある。そこで、これらの単結晶半導体層112中又は表面の不純物を除去するために、半導体基板111に熱酸化処理(第2の熱酸化処理とも表記する)を行って酸化膜113(第2の酸化膜とも表記する)を形成する(図1(F))。半導体基板111への熱酸化処理は、図1(A)に示した第1の熱酸化処理と同様に行うことができる。
熱酸化処理は、900℃乃至1150℃で行われる。このような温度範囲で熱処理を行うことで、単結晶半導体層112の、不純物を除去する効果が得られる。したがって、単結晶半導体層112に不純物が存在したとしても、ハロゲンの作用によって不純物は揮発性の塩化物となり、気相中へ離脱して除去される。また、酸化膜113中にはハロゲンが含まれており、ハロゲンは1×1016atoms/cm〜5×1021atoms/cmの濃度で含まれることにより単結晶半導体層112中または表面に存在する不純物を捕獲して単結晶半導体層112の汚染を防止する保護膜としての機能を発現させることができる。
図1(F)に示した工程によって、レーザ光照射工程又は、平坦化工程おいて単結晶半導体層112に不純物が混入した場合であっても、当該不純物を除去又は減少させることができる。また、図1(B)に示したイオンドーピング工程よって、単結晶半導体層112中に金属等の不純物が混入した場合であっても、当該金属を除去又は減少させることができる。
次いで、酸化膜113を除去する(図1(G))。酸化膜113を除去する手法としては、酸化膜113を除去できる手法であれば特に限定はないが、例えば、バッファーフッ酸、その他フッ酸系のエッチャントを用いて行うことができる。
以上の工程により、半導体基板111上に酸化膜102を介して単結晶半導体層112が設けられたSOI基板114を作製することができる。本実施の形態で示した作製方法を用いることによって、結晶欠陥及び不純物濃度が低減され、且つ平坦性の良好な単結晶半導体層112を有するSOI基板114を提供することができる。このSOI基板を用いることで、特性の優れた半導体素子を形成することができる。
また本実施の形態は図1に示した構成に限られず、例えば、図5乃至図7に示す構成としてもよい。図5に、半導体基板111上に絶縁膜106と酸化膜102を介して単結晶半導体層112を設けた構成を示す。絶縁膜106は、半導体基板111上に、酸化珪素、酸化窒化珪素、窒化珪素、窒化酸化珪素等の酸化性を有する材料を用いて形成することができる。絶縁膜106は、単数の膜を用いたものであっても、複数の膜を積層して用いたものであってもよい。
例えば、酸化珪素を絶縁膜106として用いる場合、絶縁膜106はシランと酸素、TEOS(テトラエトキシシラン)と酸素等の混合ガスを用い、熱CVD、プラズマCVD、常圧CVD、バイアスECRCVD等の気相成長法によって形成することができる。絶縁膜106の膜厚は、10nm〜1000nm(好ましくは50nm〜300nm)の厚さとすることができる。絶縁膜106の表面は、酸素プラズマ処理で緻密化してもよい。また、窒化珪素を絶縁膜106として用いる場合、シランとアンモニアの混合ガスを用い、プラズマCVD法等の気相成長法によって形成することができる。また、窒化酸化珪素膜を絶縁膜106として用いる場合、シランとアンモニアの混合ガス、又はシランと酸化窒素の混合ガスを用いてプラズマCVD等の気相成長法によって形成することができる。
また絶縁膜106として、有機シランガスを用いて化学気相成長法により作製される酸化珪素を用いても良い。有機シランガスとしては、珪酸エチル(TEOS:化学式Si(OC)、テトラメチルシラン(TMS:化学式Si(CH)、テトラメチルシクロテトラシロキサン(TMCTS)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTS)、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、トリエトキシシラン(SiH(OC)、トリスジメチルアミノシラン(SiH(N(CH)等のシリコン含有化合物を用いることができる。
なお、本明細書において、酸化窒化物とは、その組成として、窒素原子よりも酸素原子の数が多い物質とし、また、窒化酸化物とは、その組成として、酸素原子より窒素原子の数が多い物質とする。なお、酸化窒化シリコン膜とは、その組成として、窒素よりも酸素の含有量が多いものであって、ラザフォード後方散乱法(RBS:Rutherford Backscattering Spectrometry)及び水素前方散乱法(HFS:Hydrogen Forward Scattering)を用いて測定した場合に、濃度範囲として酸素が50〜70原子%、窒素が0.5〜15原子%、Siが25〜35原子%、水素が0.1〜10原子%の範囲で含まれるものをいう。また、窒化酸化シリコン膜とは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多いものであって、RBS及びHFSを用いて測定した場合に、濃度範囲として酸素が5〜30原子%、窒素が20〜55原子%、Siが25〜35原子%、水素が10〜30原子%の範囲で含まれるものをいう。但し、酸化窒化シリコンまたは窒化酸化シリコンを構成する原子の合計を100原子%としたとき、窒素、酸素、Si及び水素の含有比率が上記の範囲内に含まれるものとする。
半導体基板111上に絶縁膜106を形成した後に、表面に酸化膜102が形成され、表面から所定の深さの領域に脆化領域103が形成された単結晶半導体基板101(図1(A)及び(B)参照)と半導体基板111とを酸化膜102及び絶縁膜106を介して接着する。次に、熱処理を行い脆化領域103を境として分割することにより、半導体基板111上に絶縁膜106及び酸化膜102を介して単結晶半導体層112を形成することができる。また、分離後の単結晶半導体層112は、レーザ光の照射及び熱酸化処理を行い、結晶性及び平坦性を回復させ、且つ不純物濃度を低減させる。なお、単結晶半導体層112に対してさらに平坦化処理を行ってもよい。これらの方法は、図1(E)(F)(G)において示した方法を用いればよいため、詳しい説明を省略する。
以上により、図5に示すSOI基板を作製することができる。なお、絶縁膜106を半導体基板111側に設ける例を示したが、本発明はこれに限定されず、単結晶半導体基板101側に設けることもできる。その場合は、単結晶半導体基板101の表面に形成されている酸化膜102上に形成することができる。
熱酸化処理により得られる酸化膜は平滑性を有しているため、該酸化膜上に絶縁膜106を形成した場合は、絶縁膜106の平滑性も向上させることができる。よって、単結晶半導体基板と半導体基板との接着を良好に行うことができる。また、半導体基板111側に絶縁膜106を形成した場合は、半導体基板111の表面に凹凸があったとしても、平坦化する膜として機能させることができる。よって、単結晶半導体基板と半導体基板との接着を良好に行うことができる。
図6に、半導体基板111上に酸化膜115と酸化膜102を介して単結晶半導体層112を設けた構成を示す。酸化膜115は、酸化膜102と同様にして、半導体基板111に熱酸化処理を行うことにより形成することができる。熱酸化処理はドライ酸化で行っても良いが、酸化性雰囲気中にハロゲンを添加した酸化を行うことが好ましい。酸化性雰囲気中にハロゲンを添加するためのガスとして、HCl、HF、NF、HBr、Cl、DCE(Dichloroethene)、ClF、BCl、F、Brなどから選ばれた一種又は複数種を用いることができる。酸化膜115の膜厚は、10nm〜1000nm(好ましくは50nm〜300nm)とする。
このようにして半導体基板111の表面に形成された酸化膜115は、酸化性雰囲気に含まれるハロゲンの作用により、酸化膜115中に金属等の不純物が固定され、半導体基板111中の金属等の不純物の濃度が低下する。
半導体基板111の表面に酸化膜115を形成した後に、表面に酸化膜102が形成され、表面から所定の深さの領域に脆化領域103が形成された単結晶半導体基板101(図1(A)及び(B)参照)と半導体基板111とを酸化膜102及び酸化膜115を介して接着する。次に、熱処理を行い脆化領域103において分割することにより、半導体基板111上に酸化膜115及び酸化膜102を介して単結晶半導体層112を形成することができる。また、分離後の単結晶半導体層112は、レーザ光の照射及び熱酸化処理を行い、結晶性及び平坦性を回復させ、且つ不純物濃度を低減させる。なお、該単結晶半導体層112に対して平坦化処理を行ってもよい。これらの方法は、図1(E)(F)(G)において示した方法を用いればよいため、詳しい説明を省略する。以上により、図6に示すSOI基板を作製することができる。
単結晶半導体基板及び半導体基板111の表面に熱酸化処理による酸化膜を形成することによって、半導体基板111から単結晶半導体層112へ不純物が拡散し、単結晶半導体層112が汚染することを防ぐブロッキング層として機能する。また、熱酸化処理により得られる酸化膜は平滑性を有しているため、単結晶半導体基板と半導体基板との接着を良好に行うことができる。
図7に、半導体基板111上に酸化膜115、絶縁膜106及び酸化膜102を介して単結晶半導体層112を設けた構成を示す。酸化膜115及び絶縁膜106は、上記に示した方法で形成することができる。なお、絶縁膜106は、単結晶半導体基板101及び半導体基板111のどちらか一方又は両方に設けることができる。
半導体基板111に酸化膜115を形成し、該酸化膜115上に絶縁膜106を形成した後に、図1(C)で示した工程と同様にして酸化膜102が形成されて、脆化領域103が形成された単結晶半導体基板101と貼り合わせる。その後、図1(D)乃至(G)で示した工程と同様の工程を行うことにより、図7に示すSOI基板を作製することができる。
単結晶半導体基板101及び半導体基板111の表面に熱酸化処理による酸化膜を形成することで、半導体基板111から単結晶半導体層112へ不純物が拡散し、単結晶半導体層112が汚染することを防ぐブロッキング層として機能する。また、熱酸化処理により得られる酸化膜は平滑性を有しているため、該酸化膜上に絶縁膜106を形成することによって、絶縁膜106の平滑性も向上させることができる。さらに絶縁膜106を形成することによって、単結晶半導体基板101または半導体基板111の表面に凹凸がある場合にも、平坦化することができる。よって、単結晶半導体基板と半導体基板との接着を良好に行うことができる。
なお、本実施の形態では、塩素原子を含有する酸化膜115の形成方法として、塩化水素やジクロロエチレンを含有させた酸化性雰囲気中で熱酸化処理を行う場合を示したが、本発明の実施はこれに限られない。例えば、半導体基板111に酸化性雰囲気で熱酸化処理を行い、半導体基板111表面に酸化膜115(例えば、SiOx)を形成した後、イオンドーピング装置又はイオン注入装置を用いて、電界で加速された塩素イオンを添加することにより酸化膜115中に塩素原子を含有させてもよい。他にも、表面を塩化水素(HCl)溶液で処理した後に酸化性雰囲気中で熱酸化処理を行ってもよい。
本実施の形態で示したSOI基板の作製方法は、本明細書の他の実施の形態で示す作製方法と適宜組み合わせて行うことができる。
以下において、本発明の特徴の一であるイオンの照射方法について考察する。
本実施の形態では、水素(H)に由来するイオン(以下「水素イオン種」と呼ぶ)を単結晶半導体基板に対して照射している。より具体的には、水素ガス又は水素を組成に含むガスを原材料として用い、水素プラズマを発生させ、該水素プラズマ中の水素イオン種を単結晶半導体基板に対して照射している。
(水素プラズマ中のイオン)
上記のような水素プラズマ中には、H、H 、H といった水素イオン種が存在する。ここで、各水素イオン種の反応過程(生成過程、消滅過程)について、以下に反応式を列挙する。
e+H→e+H+e ・・・・・ (1)
e+H→e+H +e ・・・・・ (2)
e+H→e+(H→e+H+H ・・・・・ (3)
e+H →e+(H →e+H+H ・・・・・ (4)
+H→H +H ・・・・・ (5)
+H→H+H+H ・・・・・ (6)
e+H →e+H+H+H ・・・・・ (7)
e+H →H+H ・・・・・ (8)
e+H →H+H+H ・・・・・ (9)
図8に、上記の反応の一部を模式的に表したエネルギーダイアグラムを示す。なお、図8に示すエネルギーダイアグラムは模式図に過ぎず、反応に係るエネルギーの関係を厳密に規定するものではない点に留意されたい。なお、以下の反応式は、実験的に観測されていないため、図8では、バツ印で示している。
+H→H ・・・・・ (10)
+H→H ・・・・・ (11)
(H の生成過程)
上記のように、H は、主として反応式(5)により表される反応過程により生成される。一方で、反応式(5)と競合する反応として、反応式(6)により表される反応過程が存在する。H が増加するためには、少なくとも、反応式(5)の反応が、反応式(6)の反応より多く起こる必要がある(なお、H が減少する反応としては他にも(7)、(8)、(9)が存在するため、(5)の反応が(6)の反応より多いからといって、必ずしもH が増加するとは限らない。)。反対に、反応式(5)の反応が、反応式(6)の反応より少ない場合には、プラズマ中におけるH の割合は減少する。
上記反応式における右辺(最右辺)の生成物の増加量は、反応式の左辺(最左辺)で示す原料の密度や、その反応に係る速度係数などに依存している。ここで、H の運動エネルギーが約11eVより小さい場合には(5)の反応が主要となり(すなわち、反応式(5)に係る速度係数が、反応式(6)に係る速度係数と比較して十分に大きくなり)、H の運動エネルギーが約11eVより大きい場合には(6)の反応が主要となることが実験的に確認されている。
荷電粒子は電場から力を受けて運動エネルギーを得る。該運動エネルギーは、電場によるポテンシャルエネルギーの減少量に対応している。例えば、ある荷電粒子が他の粒子と衝突するまでの間に得る運動エネルギーは、その間に通過した電位差分のポテンシャルエネルギーに等しい。つまり、電場中において、他の粒子と衝突することなく長い距離を移動できる状況では、そうではない状況と比較して、荷電粒子の運動エネルギー(の平均)は大きくなる傾向にある。このような、荷電粒子に係る運動エネルギーの増大傾向は、粒子の平均自由行程が大きい状況、すなわち、圧力が低い状況で生じ得る。
また、平均自由行程が小さくとも、その間に大きな運動エネルギーを得ることができる状況であれば、荷電粒子の運動エネルギーは大きくなる。すなわち、平均自由行程が小さくとも、電位差が大きい状況であれば、荷電粒子の持つ運動エネルギーは大きくなると言える。
これをH に適用してみる。プラズマの生成に係るチャンバー内のように電場の存在を前提とすれば、該チャンバー内の圧力が低い状況ではH の運動エネルギーは大きくなり、該チャンバー内の圧力が高い状況ではH の運動エネルギーは小さくなる。つまり、チャンバー内の圧力が低い状況では(6)の反応が主要となるため、H は減少する傾向となり、チャンバー内の圧力が高い状況では(5)の反応が主要となるため、H は増加する傾向となる。また、プラズマ生成領域における電場(又は電界)が強い状況、すなわち、ある二点間の電位差が大きい状況ではH の運動エネルギーは大きくなり、反対の状況では、H の運動エネルギーは小さくなる。つまり、電場が強い状況では(6)の反応が主要となるためH は減少する傾向となり、電場が弱い状況では(5)の反応が主要となるため、H は増加する傾向となる。
(イオン源による差異)
ここで、イオン種の割合(特にH の割合)が異なる例を示す。図9は、100%水素ガス(イオン源の圧力:4.7×10−2Pa)から生成されるイオンの質量分析結果を示すグラフである。なお、上記質量分析は、イオン源から引き出されたイオンを測定することにより行った。横軸はイオンの質量である。スペクトル中、質量1、2、3のピークは、それぞれ、H、H 、H に対応する。縦軸は、スペクトルの強度であり、イオンの数に対応する。図9では、質量が異なるイオンの数量を、質量3のイオンを100とした場合の相対比で表している。図9から、上記イオン源により生成されるイオンの割合は、H:H :H =1:1:8程度となることが分かる。なお、このような割合のイオンは、プラズマを生成するプラズマソース部(イオン源)と、当該プラズマからイオンビームを引き出すための引出電極などから構成されるイオンドーピング装置によっても得ることが出来る。
図10は、図9とは異なるイオン源を用いた場合であって、イオン源の圧力がおおよそ3×10−3Paの時に、PHから生成したイオンの質量分析結果を示すグラフである。上記質量分析結果は、水素イオン種に着目したものである。また、質量分析は、イオン源から引き出されたイオンを測定することにより行った。図10は、図9と同様、横軸はイオンの質量を示し、質量1、2、3のピークは、それぞれH、H 、H に対応する。縦軸はイオンの数量に対応するスペクトルの強度である。図10から、プラズマ中のイオンの割合はH:H :H =37:56:7程度であることが分かる。なお、図10はソースガスがPHの場合のデータであるが、ソースガスとして100%水素ガスを用いたときも、水素イオン種の割合は同程度になる。
図10のデータを得たイオン源の場合には、H、H 及びH のうち、H が7%程度しか生成されていない。他方、図9のデータを得たイオン源の場合には、H の割合を50%以上(上記の条件では80%程度)とすることが可能である。これは、上記考察において明らかになったチャンバー内の圧力及び電場に起因するものと考えられる。
(H の照射メカニズム)
図9のような複数のイオン種を含むプラズマを生成し、生成されたイオン種を質量分離をしないで単結晶半導体基板に照射する場合、単結晶半導体基板の表面には、H、H 、H の各イオンが照射される。イオンの照射からイオン導入領域形成にかけてのメカニズムを再現するために、以下の5種類のモデルを考える。1.照射されるイオン種がHで、照射後もH(H)である場合2.照射されるイオン種がH で、照射後もH (H)のままである場合3.照射されるイオン種がH で、照射後に2個のH(H)に***する場合4.照射されるイオン種がH で、照射後もH (H)のままである場合5.照射されるイオン種がH で、照射後に3個のH(H)に***する場合
(シミュレーション結果と実測値との比較)
上記のモデルを基にして、水素イオン種をSi基板に照射する場合のシミュレーションを行った。シミュレーション用のソフトウェアとしては、SRIM(the Stopping and Range of Ions in Matter:モンテカルロ法によるイオン導入過程のシミュレーションソフトウェア、TRIM(the Transport of Ions in Matter)の改良版)を用いている。なお、計算の関係上、モデル2ではH を質量2倍のHに置き換えて計算した。また、モデル4ではH を質量3倍のHに置き換えて計算した。さらに、モデル3ではH を運動エネルギー1/2のHに置き換え、モデル5ではH を運動エネルギー1/3のHに置き換えて計算を行った。
なお、SRIMは非晶質構造を対象とするソフトウェアではあるが、高エネルギー、高ドーズの条件で水素イオン種を照射する場合には、SRIMを適用可能である。水素イオン種とSi原子の衝突により、Si基板の結晶構造が非単結晶構造に変化するためである。
図11に、モデル1乃至モデル5を用いて水素イオン種をシリコン基板に照射した場合(H換算で10万個照射時)のシリコン基板中の水素原子数の計算結果を示す。また、図9の水素イオン種を照射したSi基板中の水素濃度(SIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry)のデータ)をあわせて示す。モデル1乃至モデル5を用いて行った計算の結果については、縦軸を水素原子の数で表しており(右軸)、SIMSデータについては、縦軸を水素原子の密度で表している(左軸)。横軸はSi基板表面からの深さである。実測値であるSIMSデータと、計算結果とを比較した場合、モデル2及びモデル4は明らかにSIMSデータのピークから外れており、また、SIMSデータ中にはモデル3に対応するピークも見られない。このことから、モデル2乃至モデル4の寄与は、相対的に小さいことが分かる。イオンの運動エネルギーが数keV程度であるのに対して、H−Hの結合エネルギーは数eV程度に過ぎないことを考えれば、モデル2及びモデル4の寄与が小さいのは、Si原子との衝突により、大部分のH やH が、HやHに分離しているためと思われる。
以上より、モデル2乃至モデル4については、以下では考慮しない。図12乃至図14に、モデル1及びモデル5を用いて水素イオン種を照射した場合(H換算で10万個照射時)の計算結果を示す。また、図9の水素イオン種を照射したSi基板中の水素濃度(SIMSデータ)及び、上記シミュレーション結果をSIMSデータにフィッティングさせたもの(以下フィッティング関数と呼ぶ)を合わせて示す。ここで、図12は加速電圧を80kVとした場合を示し、図13は加速電圧を60kVとした場合を示し、図14は加速電圧を40kVとした場合を示している。なお、モデル1及びモデル5を用いて行った計算の結果については、縦軸を水素原子の数で表しており(右軸)、SIMSデータ及びフィッティング関数については、縦軸を水素原子の密度で表している(左軸)。横軸はSi基板表面からの深さである。
フィッティング関数はモデル1及びモデル5を考慮して以下の計算式により求めることとした。なお、計算式中、X、Yはフィッティングに係るパラメータであり、Vは体積である。 [フィッティング関数] =X/V×[モデル1のデータ]+Y/V×[モデル5のデータ]
現実に照射されるイオン種の割合(H:H :H =1:1:8程度)を考えればH の寄与(すなわち、モデル3)についても考慮すべきであるが、以下に示す理由により、ここでは除外して考えた。
・モデル3に示される照射過程により導入される水素は、モデル5の照射過程と比較して僅かであるため、除外して考えても大きな影響はない(SIMSデータにおいても、ピークが現れていない)。
・モデル5とピーク位置の近いモデル3は、モデル5において生じるチャネリング(結晶の格子構造に起因する原子の移動)により隠れてしまう可能性が高い。すなわち、モデル3のフィッティングパラメータを見積もるのは困難である。これは、本シミュレーションが非晶質Siを前提としており、結晶性に起因する影響を考慮していないことによるものである。
図15に、上記のフィッティングパラメータをまとめる。いずれの加速電圧においても、導入されるHの数の比は、[モデル1]:[モデル5]=1:42〜1:45程度(モデル1におけるHの数を1とした場合、モデル5におけるHの数は42以上45以下程度)であり、照射されるイオン種の数の比は、[H(モデル1)]:[H (モデル5)]=1:14〜1:15程度(モデル1におけるHの数を1とした場合、モデル5におけるH の数は14以上15以下程度)である。モデル3を考慮していないことや非晶質Siと仮定して計算していることなどを考えれば、実際の照射に係るイオン種の比(H:H :H =1:1:8程度)に近い値が得られていると言える。
(H を用いる効果)
図9に示すようなH の割合を高めた水素イオン種を基板に照射することで、H に起因する複数のメリットを享受することができる。例えば、H はHやHなどに分離して基板内に導入されるため、主にHやH を照射する場合と比較して、イオンの導入効率を向上させることができる。これにより、半導体基板の生産性向上を図ることができる。また、同様に、H が分離した後のHやHの運動エネルギーは小さくなる傾向にあるから、薄い半導体層の製造に向いている。
なお、本明細書では、H を効率的に照射するために、図9に示すような水素イオン種を照射可能なイオンドーピング装置を用いる方法について説明している。イオンドーピング装置は廉価で、大面積処理に優れているため、このようなイオンドーピング装置を用いてH を照射することで、半導体特性の向上、大面積化、低コスト化、生産性向上などの顕著な効果を得ることができる。一方で、H の照射を第一に考えるのであれば、イオンドーピング装置を用いることに限定して解釈する必要はない。
(実施の形態2)
本実施の形態では、上記実施の形態と異なるSOI基板の作製方法に関して図面を参照して説明する。具体的には、角(端部)に丸みを帯びている(エッジロールオフ(ERO)を有する)単結晶半導体基板を用いてSOI基板を作製する場合について説明する。また、単結晶半導体基板を繰り返し利用する(再利用)する場合に関して図面を参照して説明する。
まず、表面に酸化膜102が設けられ、表面から所定の深さの領域に脆化領域103が形成された単結晶半導体基板101(ここでは、単結晶シリコン基板)を準備する(図16(A)参照)。図16(A)については、上述した図1(A)及び図1(B)において示した方法を用いればよいため、詳しい説明を省略する。
本実施の形態では、図16(A)に示すように、単結晶半導体基板101の角(端部)は丸みを帯びているため、当該端部の表面に酸化膜102が形成される。
次いで、半導体基板111を準備し(図16(B))、酸化膜102と半導体基板111の一方の面とが向かい合うようにボンディング(接着)する(図16(C))。
次いで、熱処理を行い脆化領域103にて分離することにより、半導体基板111上に酸化膜102を介して単結晶半導体層112を形成する(図16(D))。
以上の工程により、半導体基板111上に酸化膜102を介して単結晶半導体層112を形成することができる。また、図1(E)乃至(G)で示した方法によって、分離後の単結晶半導体層112にレーザ光の照射及び熱酸化処理を行う。これによって、結晶性及び平坦性が回復し、且つ不純物濃度を低減された単結晶半導体層112を有するSOI基板114を形成することができる(図16(E))。
図16(A)乃至図16(E)については、実施の形態1において示した方法と同様の方法を用いれば良いため、詳しい説明を省略する。
次いで、分離された単結晶半導体基板105を繰り返し利用する工程(半導体基板再生処理)について説明する。
分離された単結晶半導体基板105は、エッジロールオフの影響により、単結晶半導体基板101の端部において半導体基板111との貼り合わせが十分に行われない場合がある。その結果、単結晶半導体基板105の端部においては、脆化領域103にて分離されず、酸化膜102等が残存する場合がある(図16(F))。
次いで、単結晶半導体基板105の端部における残渣部107を除去する(図16(G))。残渣部107は、ウェットエッチング処理を行うことにより除去することができる。具体的には、フッ化水素酸とフッ化アンモニウムと界面活性剤を含む混合溶液(例えば、ステラケミファ社製、商品名:LAL500)をエッチャントとして用いてウェットエッチングを行う。
また、水素イオンが導入された脆化領域103は、TMAH(Tetra Methyl Ammonium Hydroxide、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)に代表される有機アルカリ性水溶液を用いてウェットエッチングすることにより、除去することができる。このような処理を行うことにより、単結晶半導体基板105の端部における残渣物による段差が緩和される。
次いで、単結晶半導体基板105を熱酸化することにより、酸化膜108を形成し(図16(H))、その後当該酸化膜108を除去する。なお、当該熱酸化は、ハロゲンを添加した雰囲気で行うとより好ましい。ハロゲン雰囲気を作製する材料としては例えば、HClを用いることができる。このように熱酸化処理により酸化膜108を形成した後、当該酸化膜108の除去を行うことによって、金属等の不純物を除去する効果が得られる。すなわち、HClを用いる場合、塩素の作用により、金属等の不純物が揮発性の塩化物となって気相中へ離脱して除去される。
次いで、単結晶半導体基板に平坦化処理を行う(図16(I))。平坦化処理としては、CMP、ドライエッチング処理、またはウェットエッチング処理、レーザ光の照射、のいずれか一、又は複数の方法を組み合わせて行うことができる。本実施の形態では、CMPによって平坦化するものとする。その結果、単結晶半導体基板105の端部における段差を除去し、単結晶半導体基板105の表面を平坦にすることができる。また、平坦化処理によって、単結晶半導体基板105の表面における結晶欠陥を低減することができる。その後、得られた単結晶半導体基板105を再度利用することができる。
以上の工程により得られた単結晶半導体基板105は、結晶欠陥が低減され、結晶性の高く、且つ平坦性を回復した単結晶半導体基板として再利用することができる。また、単結晶半導体基板の再生処理工程により単結晶半導体基板を繰り返し利用することによって、低コスト化を図ることができる。また、本実施の形態で示した単結晶半導体基板の再生面を十分に平坦化することができるため、単結晶半導体基板と半導体基板との密着性を向上させ、貼り合わせ不良を低減することができる。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と組み合わせて用いることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態1又は実施の形態2で作製したSOI基板を用いた半導体装置の作製方法について説明する。ここでは、半導体装置としてCMOS構造を作製する一例を、図17を用いて説明する。なお、図17中、図1乃至図16と同じ部分は、図1乃至図16と同じ符号を付し、説明を省略する。
上記実施の形態に示した作製方法を用いることで、SOI基板の単結晶半導体層112の厚さを100nm又はそれ以下とすることができる。単結晶半導体層112の厚さを100nm又はそれ以下とすると、トランジスタのチャネル形成領域の空乏層の最大深さより薄くなり、顕著なトランジスタの電気特性をもたらす。トランジスタのチャネル形成領域が十分に空乏層化されることにより良好なS値、しきい値電圧などを得ることができる。さらに、例えば、nチャネル型トランジスタとpチャネル型トランジスタとを相補的に組み合わせることによってCMOS構造を作製した場合、速いスイッチング速度を得ることができる。
まず、上記実施の形態に従ってSOI基板を得た後、単結晶半導体層112上に素子分離絶縁層を形成するためのマスクとなる保護層206を形成する。この段階の工程断面図が図17(A)に相当する。保護層206は酸化シリコン膜や窒化シリコン膜などを用いる。
なお、しきい値電圧を制御するために、硼素、アルミニウム、ガリウムなどのp型不純物を単結晶半導体層112に添加しておくことが好ましい。例えば、p型不純物として硼素を5×1017cm−3以上1×1018cm−3以下の濃度で添加してもよい。
次いで、保護層206をマスクとしてエッチングを行い、露呈している単結晶半導体層112及びその下方の酸化膜102の一部を除去する。次いで、TEOSを用いて酸化シリコン膜を化学気相成長法で堆積する。この酸化シリコン膜は、単結晶半導体層112が埋め込まれるように厚く堆積する。次いで、単結晶半導体層112に重なる酸化シリコン膜を研磨により除去した後、保護層206を除去して、素子分離絶縁層207を残存させる。この段階の工程断面図が図17(B)に相当する。
次いで、第1の絶縁膜を形成し、第1の絶縁膜上に導電材料を含むポリシリコン膜を有するゲート電極209を形成し、ゲート電極をマスクとして第1の絶縁膜をエッチングしてゲート絶縁層208を形成する。ゲート絶縁層208は、PECVD法又はスパッタリング法等を用いて得られる酸化珪素、窒化酸化珪素、窒化珪素、酸化ハフニウム、酸化アルミニウム又は酸化タンタルを含む膜の単層、又はこれらの積層である。ゲート絶縁層208は、PECVD法を行うことにより単結晶半導体層112の表面を覆って薄い膜厚、例えば20nmの膜厚で形成することができる。また、高密度プラズマ処理により単結晶半導体層112の表面を酸化又は窒化することで形成してもよい。高密度プラズマ処理は、例えばHe、Ar、Kr、Xeなどの希ガス、酸素、酸化窒素、アンモニア、窒素、水素などの混合ガスを用いて行う。この場合プラズマの励起をマイクロ波により行うことで、低電子温度で高密度のプラズマを生成することができる。このような高密度のプラズマで生成された酸素ラジカル(OHラジカルを含む場合もある)や窒素ラジカル(NHラジカルを含む場合もある)によって、単結晶半導体層112の表面を酸化又は窒化することにより、1〜50nm、望ましくは5〜30nmの絶縁膜が単結晶半導体層112に接するように形成される。
上記実施の形態に示す作製方法で作製された単結晶半導体層は結晶欠陥が低減されているため、ゲート絶縁層との界面において、局在準位密度を低減させることが可能となる。すなわち、単結晶半導体層112とゲート絶縁層208との界面が不活性化されて電気的特性が安定化する。また、単結晶半導体層の表面が十分に平坦化されるため、厚さ20nmの絶縁膜をゲート絶縁層208として用いても、十分なゲート耐圧を得ることができる。この段階の工程断面図が図17(C)に相当する。
次いで、ゲート電極209を覆う第2の絶縁膜210を形成する。そして、nFET(Field Effect Transistor)となる領域に、リン(P)や砒素(As)などをドーピングして第1不純物領域211を形成し、pFETとなる領域に硼素(B)などをドーピングして第2の不純物領域212を形成する。さらに、サイドウォール絶縁層213、214を形成する。pFETとなる領域のサイドウォール絶縁層214は、nFETとなる領域のサイドウォール絶縁層213よりも幅を広くする。この段階の工程断面図が図17(C)に相当する。
次いで、第2の絶縁膜210を部分的にエッチングしてゲート電極209の上面と、第1不純物領域211及び第2不純物領域212の表面を露出させる。そして、nFETとなる領域にリン(P)や砒素(As)などをドーピングして第3不純物領域215を形成し、pFETなる領域に硼素(B)などをドーピングして第4不純物領域216を形成する。次いで、活性化のための熱処理(好ましくは800℃〜1100℃)を行う。次いで、シリサイドを形成するための金属膜を成膜する。ここでは金属膜としてコバルト膜を成膜する。次いで、RTAなどの熱処理(500℃、1分)を行い、コバルト膜に接する部分のシリコンをシリサイド化させる。その後、コバルト膜を選択的に除去することにより、シリサイド217、218、219を形成する。次いで、シリサイド化の熱処理よりも高い温度で熱処理を行い、シリサイド部分の低抵抗化を図る。この段階の工程断面図が図17(D)に相当する。
その後、層間絶縁膜220を形成し、シリサイド217及びシリサイド218に達するコンタクトプラグ221を形成する。以上により、半導体基板111に固定された単結晶半導体層112を用いてnFET222とpFET223とが作製できる。この段階の工程断面図が図17(E)に相当する。
これらのnFET222とpFET223を相補的に組み合わせることによってCMOS構造を構成することができる。また、このような半導体素子を用いることで、様々な半導体装置を作製することができる。
上記実施の形態に示した方法で作製された単結晶半導体層は不純物濃度が低減され、且つ、結晶欠陥が低減されているため、実施の形態1又は2で示したSOI基板を用いることで、優れた電気特性を有する半導体素子を製造することができる。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、実施の形態3と異なる高性能及び高信頼性な半導体素子を有する半導体装置を、歩留まりよく作製することを目的とした半導体装置の作製方法の一例について説明する。なお、本実施の形態に示す半導体装置の作製方法では、半導体層と配線との接続に係る開口が自己整合的に形成されることを特徴としている。
はじめに、実施の形態1又は2に示した方法を用いて作製したSOI基板を用意する(図示せず)。そして、該半導体基板における単結晶半導体層を島状にパターニングして島状半導体層606を形成した後、ゲート絶縁層として機能する絶縁層608、及びゲート電極(又は配線)として機能する導電層を順に形成する。本実施の形態では、ゲート電極として機能する導電層を二層構造で形成するが、本実施の形態はこれに限定されるものではない。ここで、絶縁層608は、酸化珪素、酸化窒化珪素、窒化酸化珪素、窒化珪素などの材料を用いて、CVD法やスパッタリング法などにより形成することができる。絶縁層608の厚さは5nm以上100nm以下程度とすれば良い。また、導電層は、タンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、クロム(Cr)、ニオブ(Nb)等の材料を用いて、CVD法やスパッタリング法などにより形成することができる。導電層の厚さは、100nm以上500nm以下程度となるようにすれば良い。なお、本実施の形態では、絶縁層608を酸化珪素(厚さ20nm)にて形成し、導電層(下層)を窒化タンタル(厚さ50nm)にて形成し、導電層(上層)をタングステン(厚さ200nm)にて形成する場合について説明する。
なお、上記の単結晶半導体層には、薄膜トランジスタの閾値電圧を制御するために、硼素、アルミニウム、ガリウムなどのp型を付与する不純物や、リン、砒素などのn型を付与する不純物を添加しても良い。例えば、p型を付与する不純物として硼素を添加する場合、5×1016cm−3以上1×1017cm−3以下の濃度で添加すれば良い。また、単結晶半導体層に対して水素化処理を行っても良い。水素化処理は、例えば、水素雰囲気中において350℃、2時間程度行う。
次に、上記のゲート電極として機能する導電層をパターニングする。なお、本実施の形態における薄膜トランジスタの製造方法では、上記の導電層に対して少なくとも二度のパターニングを行うが、ここでは、そのうちの一度目のパターニングを行う。これにより、最終的に形成されるゲート電極より一回り大きい導電層610、及び導電層612が形成される。ここで、「一回り大きい」とは、二度目のパターニング工程において用いられるゲート電極形成用のレジストマスクを、導電層610、及び導電層612の位置に合わせて形成できる程度の大きさをいうものとする。なお、上記二度のパターニングは、導電層の島状半導体層606と重なる領域に対して行えば良いものであり、導電層全面に対して二度のパターニングを行う必要はない。
その後、上記の絶縁層608、導電層610、及び導電層612を覆うように、絶縁層614を形成する(図18(A)、図20(A)参照)。ここで、絶縁層614は、酸化珪素、酸化窒化珪素、窒化酸化珪素、窒化珪素、酸化ハフニウム、酸化アルミニウムなどの材料を用いて、CVD法やスパッタリング法などにより形成することができる。絶縁層614の厚さは0.5μm以上2μm以下程度とすることが好ましい。本実施の形態では、一例として、絶縁層614を酸化珪素(厚さ1μm)にて形成する場合について説明する。なお、本実施の形態においては、半導体基板111上に、酸化膜115、酸化膜102、及び半導体層606が順に設けられた構造のSOI基板を用いて説明しているが、これに限定して解釈されるものではない。
なお、図18(A)は、平面図である図20(A)のP−Qにおける断面に対応する図である。同様に、図18(B)と図20(B)が対応し、図18(D)と図20(C)が対応し、図18(C)と図20(D)が対応する。図20に示す平面図では、簡単のため、対応する断面図における一部の構成要素を省略している。
次に、上記の絶縁層614上に、パターニング工程において用いるゲート電極形成用のレジストマスク616を形成する。該パターニング工程は、上記導電層に対する二度のパターニングのうち、二度目のパターニング工程に当たるものである。レジストマスク616は、感光性物質であるレジスト材料を塗布した後、パターンを露光することで形成できる。レジストマスク616の形成後には、該レジストマスク616を用いて、導電層610、導電層612、及び絶縁層614をパターニングする。具体的には絶縁層614を選択的にエッチングして絶縁層622を形成した後、導電層610、及び導電層612を選択的にエッチングしてゲート電極として機能する導電層618、導電層620を形成する(図18(B)、図20(B)参照)。ここで、絶縁層614を選択的にエッチングする際には、ゲート絶縁層として機能する絶縁層608の一部も同時にエッチングされる。
次に、レジストマスク616を除去した後、島状半導体層606、絶縁層608、導電層618、導電層620、絶縁層622などを覆うように、絶縁層624を形成する。絶縁層624は後のサイドウォール形成時のバリア層として機能する。絶縁層624は、酸化珪素、酸化窒化珪素、窒化酸化珪素、窒化珪素、酸化ハフニウム、酸化アルミニウム、酸化タンタルなどの材料を用いて形成することができるが、バリア層として機能させるためには、後のサイドウォールに用いられる材料とエッチング時の選択比が取れる材料を用いて形成することが好ましいと言える。絶縁層624の厚さは10nm以上200nm以下程度とすれば良い。本実施の形態では、絶縁層624を、窒化珪素(厚さ50nm)を用いて形成することとする。
絶縁層624の形成後には、導電層618、導電層620、絶縁層622等をマスクとして、一導電型を付与する不純物元素を島状半導体層606に添加する。本実施の形態では、島状半導体層606にn型を付与する不純物元素(例えばリンや砒素)を添加する。該不純物の添加により、島状半導体層606に不純物領域626が形成される(図18(C)参照)。なお、本実施の形態においては、絶縁層624を形成した後に、n型を付与する不純物元素を添加する構成としたが、本実施の形態はこれに限られない。例えば、レジストマスクを除去した後、又は除去する前に上記の不純物元素を添加し、その後、絶縁層624を形成する構成としてもよい。また、添加する不純物元素を、p型を付与する不純物元素とすることもできる。
次に、サイドウォール628を形成する(図18(D)、図20(C)参照)。サイドウォール628は、絶縁層624を覆うように絶縁層を形成し、該絶縁層に対して垂直方向を主体とした異方性エッチングを適用することで形成することができる。上記異方性エッチングにより、絶縁層が選択的にエッチングされることになるためである。絶縁層は、酸化珪素、酸化窒化珪素、窒化酸化珪素、窒化珪素、酸化ハフニウム、酸化アルミニウム、酸化タンタルなどの材料を用いて、CVD法やスパッタリング法などにより形成することができる。また、有機材料を含む膜を、スピンコートなどにより形成しても良い。本実施の形態においては、絶縁層の材料として酸化珪素を用いることとする。すなわち、サイドウォール628は酸化珪素により形成される。また、上記エッチングガスとしては、例えば、CHFとヘリウムの混合ガスを用いることができる。なお、サイドウォール628を形成する工程はこれらに限定されない。
次に、絶縁層622、サイドウォール628などをマスクとして、島状半導体層606に一導電型を付与する不純物元素を添加する。なお、島状半導体層606には、先の工程で添加した不純物元素と同じ導電型の不純物元素をより高い濃度で添加する。つまり、本実施の形態においては、n型を付与する不純物元素を添加することになる。
上記不純物元素の添加により、島状半導体層606に、チャネル形成領域630と、低濃度不純物領域632と、高濃度不純物領域634が形成される。低濃度不純物領域632はLDD(Lightly Doped Drain)領域として機能し、高濃度不純物領域634はソース又はドレインとして機能する。
次に、絶縁層624をエッチングして、高濃度不純物領域に達する開口(コンタクトホール)を形成する(図19(A)参照)。本実施の形態においては、酸化珪素を用いて絶縁層622、及びサイドウォール628を形成し、窒化珪素を用いて絶縁層624を形成しているため、絶縁層624を選択的にエッチングして開口を形成することができる。
上記高濃度不純物領域に達する開口を形成した後、絶縁層614を選択的にエッチングすることにより、開口636を形成する(図19(B)参照)。開口636は、高濃度不純物領域に達する開口と比較して大きく形成されることになる。これは、開口636は、プロセスルールやデザインルールに従ってその最小線幅が決まるのに対して、高濃度不純物領域に達する開口は、自己整合的に形成されることでより微細化されるためである。
その後、上記高濃度不純物領域に達する開口及び開口636を介して、島状半導体層606の高濃度不純物領域634及び導電層612に接する導電層を形成する。該導電層は、CVD法やスパッタリング法等により形成することができる。材料としては、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、マンガン(Mn)、ネオジム(Nd)、炭素(C)、珪素(Si)等を用いることができる。また、上記金属を主成分とする合金を用いても良いし、上記金属を含む化合物を用いても良い。また、上記導電層は、単層構造としても良いし、積層構造としても良い。本実施の形態においては、チタンとアルミニウムとチタンとの三層構造とする場合を示す。
上記導電層を選択的にエッチングすることにより、ソース電極又はドレイン電極(ソース配線又はドレイン配線)として機能する導電層638、導電層640及び導電層642、導電層620と接続されて配線として機能する導電層644、導電層646及び導電層648を形成する(図19(C)、図20(D)参照)。以上の工程により、島状半導体層606と、ソース電極又はドレイン電極として機能する導電層との接続を自己整合的に形成した薄膜トランジスタが完成する。
上記実施の形態に示した方法で作製された単結晶半導体層は不純物濃度及び結晶欠陥が低減されており、さらに高い平坦性を有する。従って、実施の形態1又は2で示したSOI基板を用いることで、信頼性が高く、優れた電気特性を有する半導体素子を製造することができる。
また、本実施の形態において示した方法により、ソース電極又はドレイン電極の接続関係を自己整合的に形成することができるため、トランジスタの構造を微細化することができる。つまり、半導体素子の集積度を向上することができるようになる。また、チャネル長や低濃度不純物領域の長さを自己整合的に規定することができるため、微細化において問題となるチャネル抵抗のばらつきを抑制することができる。すなわち、特性の優れたトランジスタを提供することができる。
従って、実施の形態1又は2で示したSOI基板を用いてTFT、FETなど各種の半導体素子を形成することで、高付加価値の半導体装置を作製することができる。
(実施の形態5)
実施の形態3及び実施の形態4を参照してトランジスタの作製方法を説明したが、トランジスタの他、容量、抵抗などトランジスタと共に各種の半導体素子を形成することで、高付加価値の半導体装置を作製することができる。以下、図面を参照しながら半導体装置の具体的な態様を説明する。
まず、半導体装置の一例として、マイクロプロセッサについて説明する。図21はマイクロプロセッサ500の構成例を示すブロック図である。
マイクロプロセッサ500は、演算回路501(Arithmetic logic unit。ALUともいう。)、演算回路制御部502(ALU Controller)、命令解析部503(Instruction Decoder)、割り込み制御部504(Interrupt Controller)、タイミング制御部505(Timing Controller)、レジスタ506(Register)、レジスタ制御部507(Register Controller)、バスインターフェース508(Bus I/F)、読み出し専用メモリ509、およびメモリインターフェース510を有している。
バスインターフェース508を介してマイクロプロセッサ500に入力された命令は、命令解析部503に入力され、デコードされた後、演算回路制御部502、割り込み制御部504、レジスタ制御部507、タイミング制御部505に入力される。演算回路制御部502、割り込み制御部504、レジスタ制御部507、タイミング制御部505は、デコードされた命令に基づき様々な制御を行う。
演算回路制御部502は、演算回路501の動作を制御するための信号を生成する。また、割り込み制御部504は、マイクロプロセッサ500のプログラム実行中に、外部の入出力装置や周辺回路からの割り込み要求を処理する回路であり、割り込み制御部504は、割り込み要求の優先度やマスク状態を判断して、割り込み要求を処理する。レジスタ制御部507は、レジスタ506のアドレスを生成し、マイクロプロセッサ500の状態に応じてレジスタ506の読み出しや書き込みを行う。タイミング制御部505は、演算回路501、演算回路制御部502、命令解析部503、割り込み制御部504、およびレジスタ制御部507の動作のタイミングを制御する信号を生成する。例えば、タイミング制御部505は、基準クロック信号CLK1を元に、内部クロック信号CLK2を生成する内部クロック生成部を備えている。図21に示すように、内部クロック信号CLK2は他の回路に入力される。
次に、非接触でデータの送受信を行う機能、および演算機能を備えた半導体装置の一例を説明する。図22は、このような半導体装置の構成例を示すブロック図である。図22に示す半導体装置は、無線通信により外部装置と信号の送受信を行って動作するコンピュータ(以下、「RFCPU」という)と呼ぶことができる。
図22に示すように、RFCPU511は、アナログ回路部512とデジタル回路部513を有している。アナログ回路部512として、共振容量を有する共振回路514、整流回路515、定電圧回路516、リセット回路517、発振回路518、復調回路519と、変調回路520を有している。デジタル回路部513は、RFインターフェース521、制御レジスタ522、クロックコントローラ523、インターフェース524、中央処理ユニット525、ランダムアクセスメモリ526、読み出し専用メモリ527を有している。
RFCPU511の動作の概要は以下の通りである。アンテナ528が受信した信号は共振回路514により誘導起電力を生じる。誘導起電力は、整流回路515を経て容量部529に充電される。この容量部529はセラミックコンデンサーや電気二重層コンデンサーなどのキャパシタで形成されていることが好ましい。容量部529は、RFCPU511を構成する基板に集積されている必要はなく、他の部品としてRFCPU511に組み込むこともできる。
リセット回路517は、デジタル回路部513をリセットし初期化する信号を生成する。例えば、電源電圧の上昇に遅延して立ち上がる信号をリセット信号として生成する。発振回路518は、定電圧回路516により生成される制御信号に応じて、クロック信号の周波数とデューティー比を変更する。復調回路519は、受信信号を復調する回路であり、変調回路520は、送信するデータを変調する回路である。
例えば、復調回路519はローパスフィルタで形成され、振幅変調(ASK)方式の受信信号を、その振幅の変動をもとに、二値化する。また、送信データを振幅変調(ASK)方式の送信信号の振幅を変動させて送信するため、変調回路520は、共振回路514の共振点を変化させることで通信信号の振幅を変化させている。
クロックコントローラ523は、電源電圧または中央処理ユニット525における消費電流に応じてクロック信号の周波数とデューティー比を変更するための制御信号を生成している。電源電圧の監視は電源管理回路530が行っている。
アンテナ528からRFCPU511に入力された信号は復調回路519で復調された後、RFインターフェース521で制御コマンドやデータなどに分解される。制御コマンドは制御レジスタ522に格納される。制御コマンドには、読み出し専用メモリ527に記憶されているデータの読み出し、ランダムアクセスメモリ526へのデータの書き込み、中央処理ユニット525への演算命令などが含まれている。
中央処理ユニット525は、インターフェース524を介して読み出し専用メモリ527、ランダムアクセスメモリ526、制御レジスタ522にアクセスする。インターフェース524は、中央処理ユニット525が要求するアドレスより、読み出し専用メモリ527、ランダムアクセスメモリ526、制御レジスタ522のいずれかに対するアクセス信号を生成する機能を有している。
中央処理ユニット525の演算方式は、読み出し専用メモリ527にOS(オペレーティングシステム)を記憶させておき、起動とともにプログラムを読み出し実行する方式を採用することができる。また、専用回路で演算回路を構成して、演算処理をハードウェア的に処理する方式を採用することもできる。ハードウェアとソフトウェアを併用する方式では、専用の演算回路で一部の演算処理を行い、プログラムを使って、残りの演算を中央処理ユニット525が処理する方式を適用できる。
次に、表示装置の一例として、エレクトロルミネセンス表示装置(以下、EL表示装置という。)について図23を参照して説明する。図23(A)はEL表示装置の画素の平面図であり、図23(B)は、J−K切断線による図23(A)の断面図である。実施の形態3又は4に係るトランジスタを用いることで、いわゆるトップエミッション型のEL表示装置を作製することができる。
図23(A)に示すように、画素は、選択用トランジスタ401、表示制御用トランジスタ402、走査線405、信号線406、および電流供給線407、画素電極408を含む。エレクトロルミネセンス材料を含んで形成される層(EL層)が一対の電極間に挟んだ構造の発光素子が各画素に設けられている。発光素子の一方の電極が画素電極408である。選択用トランジスタ401及び表示制御用トランジスタ402の活性層は、半導体基板111上に設けられた単結晶半導体層を用いて形成されている。
選択用トランジスタ401において、ゲート電極は走査線405に含まれ、ソース電極またはドレイン電極の一方は信号線406に含まれ、他方は電極411として形成されている。表示制御用トランジスタ402は、ゲート電極412が電極411と電気的に接続され、ソース電極またはドレイン電極の一方は、画素電極408に電気的に接続される電極413として形成され、他方は、電流供給線407に含まれている。
本実施の形態において、表示制御用トランジスタ402はpチャネル型のFETである。詳細は、上記実施の形態において説明したpFET223と同様であるから、ここでは具体的な説明は省略する。なお、本実施の形態においては、表示制御用トランジスタとしてpチャネル型のFETを用いているが、これに限定されるものではなく、nチャネル型のFETを用いても良い。また、選択用トランジスタについても同様に、nチャネル型のFETあるいはpチャネル型のFETのいずれかを用いることができる。
表示制御用トランジスタ402のゲート電極412等を覆って、層間絶縁膜420が形成されている。層間絶縁膜420上に、信号線406、電流供給線407、電極411、413などが形成されている。また、層間絶縁膜420上には、電極413に電気的に接続されている画素電極408が形成されている。画素電極408は周辺部が絶縁性の隔壁層428で囲まれている。画素電極408上にはEL層429が形成され、EL層429上には対向電極430が形成されている。補強板として対向基板431が設けられており、対向基板431は樹脂層432により半導体基板111に固定されている。
実施の形態1又は2で示したSOI基板は、単結晶半導体層の結晶欠陥及び不純物濃度が低減されているため、当該SOI基板を用いることで、素子間において特性のばらつきが小さい半導体素子を歩留まり良く作製することが可能になる。この半導体素子をEL表示装置の駆動回路に適用することにより、動作速度の向上や、リーク電流低減効果による電圧保持能力の向上がはかれ、高精細、高性能な表示装置を製造することができる。また、この半導体素子をEL表示装置の画素回路に適用することで、各画素間の特性のばらつきを抑制することができ、表示品位を向上させることができる。
また、EL表示装置の階調の制御は、発光素子の輝度を電流で制御する電流駆動方式と、電圧でその輝度を制御する電圧駆動方式とがあるが、電流駆動方式は、画素ごとでトランジスタの特性値の差が大きい場合、採用することは困難であり、そのためには特性のばらつきを補正する補正回路が必要になる。実施の形態1又は2で示したSOI基板は、作製工程において単結晶半導体層の結晶欠陥及び不純物濃度を低減させているため、当該SOI基板を用いてEL表示装置を作製することで、選択用トランジスタ401および表示制御用トランジスタ402は画素ごとに特性のばらつきがなくなるため、電流駆動方式を採用することができる。
(実施の形態6)
実施の形態1又は2で示したSOI基板を用いてトランジスタ等の半導体装置を作製し、この半導体装置を用いてさまざまな電子機器を完成することができる。実施の形態1又は2で示したSOI基板に設けられた単結晶半導体層は不純物濃度が低減されているため、活性層として用いることで、リーク電流が低減し、電気的特性が向上した半導体素子を製造することができる。また、当該単結晶半導体層は結晶欠陥が低減されているため、ゲート絶縁層との界面において、局在準位密度を低減させることが可能となる。さらに、単結晶半導体層が高い平坦性を有するため、単結晶半導体層上に、薄く、且つ高い絶縁耐圧を有するゲート絶縁層を形成することができ、作製される半導体素子の移動度の向上、S値の向上または短チャネル効果抑制を実現することができる。すなわち、実施の形態1又は2で示したSOI基板を用いることで、電流駆動能力が高く、かつ信頼性の高い半導体素子を作製することが可能になり、結果として、最終製品としての電子機器をスループット良く、良好な品質で作製することが可能になる。本実施の形態では、図面を用いて具体的な電子機器への適用例を説明する。
図24(A)は表示装置であり、筐体901、支持台902、表示部903、スピーカ部904、ビデオ入力端子905などを含む。この表示装置は、他の実施の形態で示した作製方法により形成したトランジスタを駆動ICや表示部903などに用いることにより作製される。なお、表示装置には液晶表示装置、発光表示装置などがあり、用途別にはコンピュータ用、テレビ受信用、広告表示用などの全ての情報表示用表示装置が含まれる。具体的には、ディスプレイ、ヘッドマウントディスプレイ、反射型プロジェクターなどを挙げることができる。
図24(B)はコンピュータであり、筐体911、表示部912、キーボード913、外部接続ポート914、ポインティングデバイス915などを含む。上記実施の形態を用いて作製されたトランジスタは、表示部912の画素部だけではなく、表示用の駆動IC、本体内部のCPU、メモリなどの半導体装置にも適用が可能である。
また、図24(C)は携帯電話であり、携帯用の情報処理端末の1つの代表例である。この携帯電話は筐体921、表示部922、操作キー923などを含む。上記実施の形態を用いて作製されたトランジスタは表示部922の画素部やセンサ部924だけではなく、表示用の駆動IC、メモリ、音声処理回路などに用いることができる。センサ部924は光センサ素子を有しており、センサ部924で得られる照度に合わせて表示部922の輝度コントロールを行うことや、センサ部924で得られる照度に合わせて操作キー923の照明を抑えることによって、携帯電話の消費電力を抑えることができる。
上記の携帯電話を初めとして、PDA(Personal Digital Assistants、情報携帯端末)、デジタルカメラ、小型ゲーム機、携帯型の音響再生装置などの電子機器に、実施の形態3又は4を用いて形成した半導体素子を用いることもできる。例えば、CPU、メモリ、センサなどの機能回路を形成することや、これらの電子機器の画素部や、表示用の駆動ICにも適用することが可能である。
また、図24(D)、(E)はデジタルカメラである。なお、図24(E)は、図24(D)の裏側を示す図である。このデジタルカメラは、筐体931、表示部932、レンズ933、操作キー934、シャッターボタン935などを有する。上記実施の形態を用いて作製されたトランジスタは、表示部932の画素部、表示部932を駆動する駆動IC、メモリ、受光素子などに用いることができる。
図24(F)はデジタルビデオカメラである。このデジタルビデオカメラは、本体941、表示部942、筐体943、外部接続ポート944、リモコン受信部945、受像部946、バッテリー947、音声入力部948、操作キー949、接眼部950などを含む。上記実施の形態を用いて作製されたトランジスタは、表示部942の画素部、表示部942を制御する駆動IC、メモリ、デジタル入力処理装置、受光素子などに用いることができる。
この他にも、例えば、ナビゲーションシステム、音響再生装置、記録媒体を備えた画像再生装置などに用いることが可能である。これらの表示部の画素部や、表示部を制御する駆動IC、メモリ、デジタル入力処理装置、センサ部などの用途に、上記実施の形態を用いて作製されたトランジスタを用いることができる。
また、図25は、上記実施の形態を用いて作製されたトランジスタを適用した携帯電話の別の一例であり、図25(A)が正面図、図25(B)が背面図、図25(C)が2つの筐体をスライドさせたときの正面図である。携帯電話700は、携帯電話と携帯情報端末の双方の機能を備えており、コンピュータを内蔵し、音声通話以外にも様々なデータ処理が可能な所謂スマートフォンである。
携帯電話700は、筐体701及び筐体702で構成されている。筐体701においては、表示部703、スピーカ704、マイクロフォン705、操作キー706、ポインティングデバイス707、カメラ用レンズ708、外部接続端子709及びイヤホン端子710等を備え、筐体702においては、キーボード711、外部メモリスロット712、裏面カメラ713、ライト714等により構成されている。また、アンテナは筐体701に内蔵されている。上記実施の形態を用いて作製された半導体素子は、表示部703の画素部、表示部703を駆動する駆動IC、メモリ、音声処理回路などに用いることができる。また、表示部703に、図23で説明したEL表示装置を適用することで、表示むらが少なく画質の優れた表示部とすることができる。
また、携帯電話700には、上記の構成に加えて、非接触型ICチップ、小型記録装置等を内蔵していてもよい。
重なり合った筐体701と筐体702(図25(A)に示す。)は、スライドさせることが可能であり、スライドさせることで図25(C)のように展開する。表示部703とカメラ用レンズ708を同一の面に備えているため、テレビ電話としての使用が可能である。また、表示部703をファインダーとして用いることで、裏面カメラ713及びライト714で静止画及び動画の撮影が可能である。
スピーカ704及びマイクロフォン705を用いることで、携帯電話700は、音声記録装置(録音装置)又は音声再生装置として使用することができる。また、操作キー706により、電話の発着信操作、電子メール等の簡単な情報入力操作、表示部に表示する画面のスクロール操作、表示部に表示する情報の選択等を行うカーソルの移動操作等が可能である。
また、書類の作成、携帯情報端末としての使用等、取り扱う情報が多い場合は、キーボード711を用いると便利である。更に、重なり合った筐体701と筐体702(図25(A))をスライドさせることで、図25(C)のように展開させることができる。携帯情報端末として使用する場合には、キーボード711及びポインティングデバイス707を用いて、円滑な操作が可能である。外部接続端子709はACアダプタ及びUSBケーブル等の各種ケーブルと接続可能であり、充電及びパーソナルコンピュータ等とのデータ通信が可能である。また、外部メモリスロット712に記録媒体を挿入し、より大量のデータ保存及び移動が可能になる。
筐体702の裏面(図25(B))には、裏面カメラ713及びライト714を備え、表示部703をファインダーとして静止画及び動画の撮影が可能である。
また、上記の機能構成に加えて、赤外線通信機能、USBポート、テレビワンセグ受信機能、非接触ICチップ又はイヤホンジャック等を備えたものであってもよい。
以上のように、上記実施の形態により作製された半導体装置の適用範囲は極めて広く、実施の形態1又は2で示したSOI基板を材料として、あらゆる分野の電子機器に用いることができる。
101 単結晶半導体基板
102 酸化膜
103 脆化領域
105 単結晶半導体基板
106 絶縁膜
107 残渣部
108 酸化膜
111 半導体基板
112 単結晶半導体層
113 酸化膜
114 SOI基板
115 酸化膜
206 保護層
207 素子分離絶縁層
208 ゲート絶縁層
209 ゲート電極
210 絶縁膜
211 不純物領域
212 不純物領域
213 サイドウォール絶縁層
214 サイドウォール絶縁層
215 不純物領域
216 不純物領域
217 シリサイド
218 シリサイド
219 シリサイド
220 層間絶縁膜
221 コンタクトプラグ
222 nFET
223 pFET
401 選択用トランジスタ
402 表示制御用トランジスタ
405 走査線
406 信号線
407 電流供給線
408 画素電極
410 電極
411 電極
412 ゲート電極
413 電極
420 層間絶縁膜
428 隔壁層
429 EL層
430 対向電極
431 対向基板
432 樹脂層
500 マイクロプロセッサ
501 演算回路
502 演算回路制御部
503 命令解析部
504 制御部
505 タイミング制御部
506 レジスタ
507 レジスタ制御部
508 バスインターフェース
509 専用メモリ
510 メモリインターフェース
511 RFCPU
512 アナログ回路部
513 デジタル回路部
514 共振回路
515 整流回路
516 定電圧回路
517 リセット回路
518 発振回路
519 復調回路
520 変調回路
521 RFインターフェース
522 制御レジスタ
523 クロックコントローラ
524 インターフェース
525 中央処理ユニット
526 ランダムアクセスメモリ
527 専用メモリ
528 アンテナ
529 容量部
530 電源管理回路
606 島状半導体層
608 絶縁層
610 導電層
612 導電層
614 絶縁層
616 レジストマスク
618 導電層
620 導電層
622 絶縁層
624 絶縁層
626 不純物領域
628 サイドウォール
630 チャネル形成領域
632 低濃度不純物領域
634 高濃度不純物領域
636 開口
638 導電層
640 導電層
642 導電層
644 導電層
646 導電層
648 導電層
700 携帯電話
701 筐体
702 筐体
703 表示部
704 スピーカ
705 マイクロフォン
706 操作キー
707 ポインティングデバイス
708 カメラ用レンズ
709 外部接続端子
710 イヤホン端子
711 キーボード
712 外部メモリスロット
713 裏面カメラ
714 ライト
901 筐体
902 支持台
903 表示部
904 スピーカ部
905 ビデオ入力端子
911 筐体
912 表示部
913 キーボード
914 外部接続ポート
915 ポインティングデバイス
921 筐体
922 表示部
923 操作キー
924 センサ部
931 筐体
932 表示部
933 レンズ
934 操作キー
935 シャッターボタン
941 本体
942 表示部
943 筐体
944 外部接続ポート
945 リモコン受信部
946 受像部
947 バッテリー
948 音声入力部
949 操作キー
950 接眼部

Claims (10)

  1. 単結晶半導体基板に第1の熱酸化処理を行うことにより、前記単結晶半導体基板の表面に第1の酸化膜を形成し、
    前記第1の酸化膜を介して、前記単結晶半導体基板にイオンを照射して、前記単結晶半導体基板中に脆化領域を形成し、
    前記単結晶半導体基板上の前記第1の酸化膜の表面と半導体基板の表面とを接着させ、
    熱処理によって、前記脆化領域を境として前記単結晶半導体基板を分離することにより、前記半導体基板上に前記第1の酸化膜を介して単結晶半導体層を形成し、
    前記単結晶半導体層にレーザ光を照射し、
    前記半導体基板に第2の熱酸化処理を行うことにより、前記単結晶半導体層上に第2の酸化膜を形成し、
    前記第2の酸化膜を除去することを特徴とするSOI基板の作製方法。
  2. 単結晶半導体基板に第1の熱酸化処理を行うことにより、前記単結晶半導体基板の表面に第1の酸化膜を形成し、
    前記第1の酸化膜を介して、前記単結晶半導体基板にイオンを照射して、前記単結晶半導体基板中に脆化領域を形成し、
    前記単結晶半導体基板上の前記第1の酸化膜の表面と半導体基板の表面とを接着させ、
    熱処理によって、前記脆化領域を境として前記単結晶半導体基板を分離することにより、前記半導体基板上に前記第1の酸化膜を介して単結晶半導体層を形成し、
    前記単結晶半導体層にレーザ光を照射し、
    前記レーザ光を照射した前記単結晶半導体層に平坦化処理を行い、
    前記半導体基板に第2の熱酸化処理を行うことにより、前記単結晶半導体層上に第2の酸化膜を形成し、
    前記第2の酸化膜を除去することを特徴とするSOI基板の作製方法。
  3. 請求項1又は請求項2において、
    前記脆化領域の形成のためのソースガスに水素ガスを用い、
    前記水素ガスを励起して、H を含むプラズマを生成し、前記プラズマに含まれるイオンを加速して、前記単結晶半導体基板に照射することで、前記脆化領域を形成することを特徴とするSOI基板の作製方法。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一において、
    前記第1の熱酸化処理は、ハロゲンを含む雰囲気下において行われ、
    前記第1の酸化膜は、1×1016atoms/cm以上2×1021atoms/cm以下のハロゲンを含有することを特徴とするSOI基板の作製方法。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一において、
    前記第2の熱酸化処理は、ハロゲンを含む雰囲気下において行われ、
    前記第2の酸化膜は、1×1016atoms/cm以上2×1021atoms/cm以下のハロゲンを含有することを特徴とするSOI基板の作製方法。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一において、
    前記第1の熱酸化処理は、塩素を含む雰囲気下において行われることを特徴とするSOI基板の作製方法。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか一において、
    前記第2の熱酸化処理は、塩素を含む雰囲気下において行われることを特徴とするSOI基板の作製方法。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか一において、
    前記半導体基板は、単結晶シリコン基板、多結晶シリコン基板、又は太陽電池級シリコン基板であることを特徴とするSOI基板の作製方法。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれか一において、
    不活性雰囲気で前記レーザ光を照射することを特徴とするSOI基板の作製方法。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれか一に記載の作製方法で作製されたSOI基板を用いて、半導体装置を作製する方法であり、
    前記半導体基板上の前記単結晶半導体層を用いて半導体素子を作製することを特徴とする半導体装置の作製方法。
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