JP2009255305A - 記録装置及び記録制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】シリアルタイプのインクジェット記録装置において、レーザドップラ速度計による記録媒体の移動速度の測定に欠落が発生し、これが原因で搬送ローラの偏芯等の影響で記録媒体の搬送量に誤差が生じ、記録ドット位置がずれて画像劣化が発生する。
【解決手段】搬送ローラに取付けたロータリーエンコーダの出力情報と、記録紙の移動速度を検出するレーザドップラ速度計の出力から低周波成分を抽出した情報とから、記録紙搬送量を検出して記録ドット位置のずれを低減するような制御を行う。
【選択図】 図4

Description

本発明は記録装置及び搬送制御方法に関する。本発明は、特に、例えば、ロータリーエンコーダションを用いて記録媒体の搬送位置を検出しながら記録媒体の搬送制御を行う記録装置及び記録制御方法に関するものである。
近年、デジタル方式の複写機、プリンタの実用化が急速に進んでおり、特に、デジタル方式のカラープリンタ、カラー複写機は、色調整、画像加工等が容易というデジタルの特徴が生かされるため、カラープリンタ、カラー複写機の分野では主流となりつつある。
これら記録装置の記録方式としては、電子写真方式、インクジェット方式、熱転写方式等、種々の方式がある。その中でもインクジェット方式の記録装置は、記録ヘッドから記録媒体にインクを吐出して記録を行うものであり、記録ヘッドのコンパクト化が容易であり、高精細な画像を高速で記録することができる。加えて、ランニングコストが安く、ノンインパクト方式であるため騒音が少なく、多色のインクを使用してカラー画像を記録するのが容易であるなどの利点を有している。
さて、従来のインクジェット記録装置(以下、記録装置)は記録媒体を高精度に搬送するために、記録媒体を搬送する搬送ローラの一端にはロータリーエンコーダが備えられ、記録媒体の搬送位置を検出している。
ロータリーエンコーダは、一定角毎に目盛りが備えられたエンコーダホイールとエンコーダホイールの目盛りを検知するためのエンコーダセンサとからなる。搬送モータの回転に伴って搬送ローラが駆動されると、エンコーダセンサから目盛りに同期したパルス信号が出力される。記録媒体を搬送する際には、エンコーダセンサから出力されるパルス信号を計数し、所望の距離だけ記録媒体が搬送されるように搬送モータを駆動する。なお、記録媒体の種類によって、記録媒体と搬送ローラとの摩擦係数が異なることなどの影響で、エンコーダパルスを同数計数しても搬送量が異なるものも存在する。その場合には、記録媒体の種類に応じて、搬送量とエンコーダパルスの関係を補正して搬送モータを駆動することで対応している。
前述したように、記録媒体を搬送する場合には、搬送ローラの軸上に設けられたロータリーエンコーダで検出される搬送ローラの角変位に基づいて搬送モータを駆動する。例えば、外周が25.4mmの搬送ローラ、1周あたりの出力が1200パルスのロータリーエンコーダを用いた場合、記録媒体を4.23mm搬送するためには、エンコーダから200パルス出力されるだけ搬送モータを駆動することになる。
しかし、現実には搬送ローラの製造誤差(偏芯、真円度など)等の影響により、搬送ローラを一定角度だけ回転させても、記録媒体の搬送距離にはばらつきが発生する。
図9は、外周50.8mmの搬送ローラを約125rpmで等角速度回転させて記録媒体を連続搬送したときの、記録媒体の速度変動の測定結果を示す図である。
この図では、理想的な記録媒体の速度V(=50.8×125/60≒105.8mm/sec)に対する変動比率を示している。即ち、変動比率0[%]が理想的な記録媒体の搬送速度を示すことになる。
さて、図9からは0.48sec周期の大きな速度変動が存在することが読み取れる。一方、理想的な記録媒体の速度Vと搬送ローラの外周Lとの関係は、L/V=50.8/105.8=0.48である。従って、0.48secという値は搬送ローラ1回転の周期であり、図示された0.48sec周期の速度変動が搬送ローラの偏芯に起因することがわかる。また、図示された速度変動は0.48sec周期の変動が最も顕著であるが、それだけではないので、搬送ローラ偏芯以外の要因による速度変動(例えば、記録媒体と搬送ローラの微少なすべりに起因すると考えられる)があることも読み取れる。
このように、搬送ローラを等角速度で駆動したとしても、記録媒体の搬送速度は等速度にはならない。つまり、搬送ローラの角変位を検出するロータリーエンコーダの出力と記録媒体の搬送距離との関係は一定ではなく、変動する。従って、搬送ローラの軸上に設けられたロータリーエンコーダの出力パルスを計数して記録媒体の搬送量を制御すると記録媒体の搬送量には誤差が生じることになる。また、搬送ローラを駆動する搬送モータにパルスモータを用い、パルスモータに入力するパルス数により記録媒体の搬送量を制御する場合にも全く同様の問題が生じる。
記録媒体の搬送量に誤差が生じた場合、あるタイミングで記録媒体搬送前に記録された記録ドットと記録媒体搬送後に記録された記録ドットとの位置関係は、記録媒体の搬送量に生じた誤差分ずれてしまう。記録ドットの位置がずれると白スジ、黒スジ、濃度ムラが発生し、記録画像が劣化してしまう。
このように、搬送ローラの角変位に基づいて記録媒体の搬送制御を行なう場合、搬送ローラの偏芯等の影響により、画像劣化が発生してしまう。
このような問題を改善するために、従来からも記録装置でテストパターンを記録し、そのパターンから搬送ローラの偏芯量を推定し、記録媒体の搬送を行う際に推定された偏芯量に基づいて搬送ローラの駆動量を補正する方法が提案されている(特許文献1)。
また、搬送ローラの偏芯量を推定するのではなく、記録媒体の速度を検出することで記録ドットの位置ずれを防ぐ方法も提案されている(特許文献2)。特許文献2では、搬送ベルトを用いて記録媒体を搬送するラインタイプの記録装置において、搬送ベルトの移動速度をレーザドップラ速度計により検出する方法が提案されている。特許文献2では主にラインタイプの記録装置について述べられているが、シリアルタイプの記録装置においても記録媒体の搬送速度を検出するという点では適用可能である。
特開2006−224380号公報 特許第3039703号公報
しかしながら上記従来例では、以下に述べるような問題点があった。
特許文献1で開示された方法は、過去に検出して記憶された情報に基づくフィードフォワード制御である。従って、記録媒体の搬送が過去の検出時と同様に搬送ローラの回転周期に同期して変動している場合には有効な方法であるが、その変動の原因が過去の検出時と異なる場合にはその影響を除去することができない。
例えば、装置の継続使用に伴う搬送ローラの変形や装置内部の温度変化に伴う搬送ローラ等の膨張、収縮、或いは、搬送ローラの回転周期とは同期しない搬送ローラと記録媒体との微少なすべりなどが発生すると、記録媒体の搬送の誤差を十分に補正できない。記録媒体の搬送変動の検出頻度を高くすれば、装置の継続使用に伴う搬送ローラの変形や装置内部の温度変化に伴う搬送ローラ等の膨張・収縮などに対しては補正精度を向上させることが可能である。しかしながら、その場合には記録装置のダウンタイムを増大させてスループットを低下させてしまうことに加えて、検出に用いる記録用紙やインクの消費量が増大してしまうという別の問題が生じてしまう。
さらに、記録媒体の種類によって搬送ローラの回転角度と記録媒体の搬送距離の関係が異なる場合にはその補正処理が必要となるが、記録媒体の種類が正確に認識できなかった時には、所望の距離だけ記録媒体を搬送して補正することができない。
また、特許文献2で開示された方法は、記録媒体の搬送の速度変動を直接的に検出しながらフィードバック制御を行うため前述のような問題は生じない。しかしながら、特許文献2の方法に採用しているレーザドップラ速度計には以下のような問題がある。
その問題について述べる前に、レーザドップラ速度計について説明する。
図10はレーザドップラ速度計の構成を示すブロック図である。
図10に示すレーザドップラ速度計400では、まず、レーザ光源401からレーザ光LAを照射する。照射されたレーザ光LAは、ビームスプリッタ402において二分される。一方のレーザ光L1は、ビームスプリッタ402を透過して被測定物410に直接照射される。これに対して、他方のレーザ光L2は、ビームスプリッタ402で反射され、更に反射用ミラー403でも反射されて被測定物410に照射される。レーザ光L1とL2は、図10に示すように、被測定物410に対する垂線に対してそれぞれ入射角θの角度で入射、つまり、垂線に関して対称に被測定物410を照射する。
ここで、速度Vで移動している被測定物410にレーザ光L1とL2が入射すると、被測定物410はレーザ光L1、L2を散乱し、散乱光LBを発する。散乱光LBは集光レンズ404等の光学系を通過して受光センサ405へ到達する。受光センサ405は、散乱光LBを検出し、光電変換する。これにより、散乱光の振幅は電気信号に変換されてアンプ406に入力される。アンプ406は、受光センサ405でピックアップした電気信号の振幅を増幅し、バンドパスフィルタ407へ出力する。バンドパスフィルタ407はヘテロダイン検波を行い、その結果、アナログ信号であるドップラ信号Dを得る。
ドップラ信号Dは、2つのレーザ光L1、L2が速度Vで移動している被測定物410によって散乱されたことによって生じるビート信号(うなり)を電気的に抽出したものである。ドップラ信号Dの周波数fDは、被測定物410の速度V、入射角θ、レーザ光の波長λから、式(1)によって表される。
fD=2V・sinθ/λ ……(1)
式(1)から、設定した入射角θ、レーザ光の波長λ、ドップラ信号Dの波形から観測される周波数fDを用いることにより、被測定物410の速度を求めることができる。
一方、レーザドップラ速度計400は、ドップラ信号Dを信号処理回路408に入力する。信号処理回路408では、周波数をfDとするドップラ信号Dを、同じく周波数をfDとするパルス信号へと変換し、この信号を速度信号として出力する。
即ち、図10のOUTPUTに示すように、この信号は周期が式(2)で表わされるパルス信号となる。
T(=1/fD) ……(2)
周期Tは、式(1)と式(2)式より、式(3)と書ける。
T=λ/(2V・sinθ) ……(3)
従って、周期Tは被測定物410の速度Vに反比例する。
また、式(3)を変形すると、式(4)が得られる。
T・V=λ/(2・sinθ) ……(4)
速度Vと周期Tをかけた値は長さ(距離)の次元を持ち、かつ式(4)の右辺のλ/(2・sinθ)はレーザドップラ速度計400の設計仕様で決まる一定値(一定距離L)となる。
よって、Lを式(5)であるとすれば、
L≡λ/(2・sinθ) ……(5)
パルス信号の周期Tは被測定物410が一定距離Lを進むための時間を示すことになる。
言い換えれば、被測定物410が一定距離Lを進むごとにパルス信号の立上りエッジが発生することとなる。一定距離Lの大きさは、例えば、レーザ波長λ=800nm、sinθ=1/4とすると、L=1.6μmとなる。即ち、パルス信号の立上りエッジはL=1.6μm毎の変位を示しており、非常に精密な変位を検知できることとなる。
このようにして、レーザドップラ速度計400は、精密な変位を検知しうるパルス信号を速度信号としてリアルタイムに出力し、言い換えれば、被測定物410が一定距離Lを進む間の時間(周期T)を示すパルス信号を速度信号としてリアルタイムに出力する。
特許文献2では、以上説明したレーザドップラ速度計を使用して搬送ベルトの速度を検出している。しかし、特許文献2では詳細に言及されていないが、レーザドップラ速度計は非接触で速度を検出するために、被測定物の表面状態によってドップラ信号が一瞬弱まり、出力が欠落(以下、ドロップアウ)してしまうという欠点がある。
レーザドップラ速度計のドロップアウトについて、図を参照しながら説明する。
図11は、外周50.8mmの搬送ローラを約125rpmで等角速度回転させて記録媒体を搬送したときの、出力分解能1.25μmのレーザドップラ速度計の測定結果を示す図である。
ここで、図11(a)はレーザドップラ速度計から出力されるパルス波形であり、図11(b)は出力されたパルス波形の立上りと立下りエッジとの間の時間をプロットしたものである。
この測定に使用したレーザドップラ速度計の出力は、1.25μmごとに“High”から“Low”へ、または“Low”から“High”へレベル変化する。よって、正常時のパルス半周期T(“High”または“Low”の期間)は、ローラの偏芯等を無視すれば次のようになる。
T=f/V
=1.25(μm)/{50.8(mm)×125(rpm)/60(sec)}
≒11.8(μsec)
ここで、fは出力分解能、Vは記録媒体の移動速度である。
別に行った測定によると、測定に使用した搬送ローラの偏芯等による速度変動は±5%以内に収まっている。一方、図11に示されている150μsecから900μsecの間の速度変動は±5%以上であるので、この原因は記録媒体の速度変動ではなく、ドロップアウトによる影響であることがわかる。
このようにレーザドップラ速度計は一般的にドロップアウトが発生するため、特許文献2のようにレーザドップラ速度計で検出された搬送ベルトの速度は、ドロップアウトの影響による誤差を含むことになってしまう。
また、レーザドップラ速度計ではなく、搬送ベルトに目盛りを設けて光学センサで読み取る方式であっても、搬送ベルトの目盛り部分が汚れてしまった場合には、やはり検出信号に欠落が発生し、検出速度に誤差が生じてしまう。
本発明は上記従来例に鑑みてなされたもので、記録媒体の移動速度検出に欠落が発生した場合にも記録媒体の搬送速度変動を検出し、高精度の搬送制御と高品質な画像記録が可能な記録装置及び記録制御方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために本発明の記録装置は、以下のような構成からなる。
即ち、複数の記録素子からなる記録素子の列を有する記録ヘッドを走査させて記録媒体に対して記録を行う記録装置であって、前記記録媒体を搬送する搬送ローラと、前記搬送ローラの駆動力を発生する搬送モータと、前記搬送モータを駆動する駆動手段と、前記搬送ローラの一端に設けられ、前記搬送ローラの回転に応じて搬送ローラの位置を示す回転信号を出力するロータリーエンコーダと、前記記録媒体の移動速度を検出する検出手段と、前記回転信号と前記移動速度と前記駆動手段から出力されるモータ制御情報とに基づいて、前記移動速度を表わす移動信号を補正する補正手段と、前記補正手段により補正された移動信号と、前記モータ制御情報とに基づいて、前記移動速度についての長い周期の変動情報を生成する生成手段と、前記生成手段によって生成された長い周期の変動情報と、前記回転信号とに基づいて前記記録媒体の搬送のずれ量を算出する算出手段と、前記算出手段によって算出された前記記録媒体の搬送のずれ量に基づいて、前記複数の記録素子の中から記録に用いる記録素子を決定し、該決定された記録素子により前記記録媒体に記録を行うよう制御する制御手段とを有することを特徴とする。
また他の発明によれば、複数の記録素子からなる記録素子の列を有する記録ヘッドを走査させる一方、搬送モータが発生する駆動力を用いて搬送ローラによって記録媒体を搬送させながら前記記録媒体に対して記録を行う記録装置の記録制御方法であって、前記搬送ローラの一端に設けられ、前記搬送ローラの回転に応じて搬送ローラの位置を検出するロータリーエンコーダからの回転信号と検出手段により検出された前記記録媒体の移動速度と前記搬送モータを駆動するモータドライバから出力されるモータ制御情報とに基づいて、前記移動速度を表わす移動信号を補正する補正工程と、前記補正工程において補正された移動信号と、前記モータ制御情報とに基づいて、前記移動速度についての長い周期の変動情報を生成する生成工程と、前記生成工程において生成された長い周期の変動情報と、前記回転信号とに基づいて前記記録媒体の搬送のずれ量を算出する算出工程と、前記算出工程において算出された前記記録媒体の搬送のずれ量に基づいて、前記複数の記録素子の中から記録に用いる記録素子を決定し、該決定された記録素子により前記記録媒体に記録を行うよう制御する制御工程とを有することを特徴とする記録制御方法を備える。
従って本発明によれば、たとえ記録媒体の移動速度の検出に欠落が発生した場合にも、その影響を軽減し、記録媒体の搬送速度を高精度に検出することができるという効果がある。これにより、例えば、搬送ローラの偏芯等による記録媒体の搬送速度変動のために発生する記録ドットの位置ずれを低減し、高品質な画像記録を実現することができる。
以下添付図面を参照して本発明の好適な実施例について、さらに具体的かつ詳細に説明する。なお、既に説明した部分には同一符号を付し重複説明を省略する。
なお、この明細書において、「記録」(「プリント」という場合もある)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わない。また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も表すものとする。
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものも表すものとする。
さらに、「インク」(「液体」と言う場合もある)とは、上記「記録(プリント)」の定義と同様広く解釈されるべきものである。従って、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成または記録媒体の加工、或いはインクの処理(例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され得る液体を表すものとする。
またさらに、「記録要素」とは、特にことわらない限り吐出口ないしこれに連通する液路およびインク吐出に利用されるエネルギーを発生する素子を総括して言うものとする。
<インクジェット記録装置の説明(図1)>
図1は本発明の代表的な実施例であるインクジェット記録装置1の構成の概要を示す外観斜視図である。
図1に示すように、インクジェット記録装置(以下、記録装置という)は、インクジェット方式に従ってインクを吐出して記録を行なう記録ヘッド3をキャリッジ2に搭載している。キャリッジ2には、キャリッジモータM1によって発生する駆動力を伝達機構4より伝え、キャリッジ2を矢印A方向に往復移動させる。記録時には、例えば、記録紙などの記録媒体Pを給紙機構5を介して給紙し、記録位置まで搬送し、その記録位置において記録ヘッド3から記録媒体Pにインクを吐出することで記録を行なう。
また、記録ヘッド3の状態を良好に維持するためにキャリッジ2を回復装置10の位置まで移動させ、間欠的に記録ヘッド3の吐出回復処理を行う。
記録装置1のキャリッジ2には記録ヘッド3を搭載するのみならず、記録ヘッド3に供給するインクを貯留するインクカートリッジ6を装着する。インクカートリッジ6はキャリッジ2に対して着脱自在になっている。
図1に示した記録装置1はカラー記録が可能であり、そのためにキャリッジ2にはマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロ(Y)、ブラック(K)のインクを夫々、収容した4つのインクカートリッジを搭載している。これら4つのインクカートリッジは夫々独立に着脱可能である。
さて、キャリッジ2と記録ヘッド3とは、両部材の接合面が適正に接触されて所要の電気的接続を達成維持できるようになっている。記録ヘッド3は、記録信号に応じてエネルギーを印加することにより、複数の吐出口からインクを選択的に吐出して記録する。特に、この実施例の記録ヘッド3は、熱エネルギーを利用してインクを吐出するインクジェット方式を採用している。このため、記録ヘッド3には熱エネルギーを発生するために電気熱変換体を備えている。その電気熱変換体に印加される電気エネルギーが熱エネルギーへと変換され、その熱エネルギーをインクに与えることにより生じる膜沸騰による気泡の成長、収縮によって生じる圧力変化を利用して、吐出口よりインクを吐出させる。この電気熱変換体は各吐出口のそれぞれに対応して設けられ、記録信号に応じて対応する電気熱変換体にパルス電圧を印加することによって対応する吐出口からインクを吐出する。
図1に示されているように、キャリッジ2はキャリッジモータM1の駆動力を伝達する伝達機構4の駆動ベルト7の一部に連結されており、ガイドシャフト13に沿って矢印A方向に摺動自在に案内支持されるようになっている。従って、キャリッジ2は、キャリッジモータM1の正転及び逆転によってガイドシャフト13に沿って往復移動する。また、キャリッジ2の移動方向(矢印A方向、走査方向)に沿ってキャリッジ2の絶対位置を示すためのスケール8が備えられている。この実施例では、スケール8は透明なPETフィルムに必要なピッチで黒色のバーを印刷したものを用いており、その一方はシャーシ9に固着され、他方は板バネ(不図示)で支持されている。
また、記録装置1には、記録ヘッド3の吐出口(不図示)が形成された吐出口面に対向してプラテン(不図示)が設けられている。そして、キャリッジモータM1の駆動力によって記録ヘッド3を搭載したキャリッジ2が往復移動されると同時に、記録ヘッド3に記録信号を与えてインクを吐出することによって、プラテン上に搬送された記録媒体Pの全幅にわたって記録が行われる。
さらに、図1において、14は記録媒体Pを搬送するために搬送モータM2によって駆動される搬送ローラ、15はバネ(不図示)により記録媒体Pを搬送ローラ14に当接するピンチローラである。また、16はピンチローラ15を回転自在に支持するピンチローラホルダ、17は搬送ローラ14の一端に固着された搬送ローラギアである。そして、搬送ローラギア17に中間ギア(不図示)を介して伝達された搬送モータM2の回転により、搬送ローラ14が駆動される。
なお、搬送ローラ14の一端には、後述するように、一定角毎に目盛りが備えられたエンコーダホイールとエンコーダホイールの目盛りを検知するためのエンコーダセンサとからなるロータリーエンコーダが備えられている。そして、搬送モータM2の回転に伴って搬送ローラ14が駆動されると、エンコーダセンサから目盛りに同期したパルス信号が出力される。記録媒体Pを搬送する際には、エンコーダセンサから出力されるパルス信号に基づいて搬送制御がなされる。
またさらに、20は記録ヘッド3によって画像が形成された記録媒体Pを記録装置外ヘ排出するための排出ローラであり、搬送モータM2の回転が伝達されることで駆動されるようになっている。なお、排出ローラ20は記録媒体Pをバネ(不図示)により圧接する拍車ローラ(不図示)により当接する。22は拍車ローラを回転自在に支持する拍車ホルダである。
またさらに、記録装置1には、記録ヘッド3を搭載するキャリッジ2の記録動作のための往復運動の範囲外(記録領域外)の所望位置(例えば、ホームポジションに対応する位置)に、記録ヘッド3の吐出不良を回復するための回復装置10が配設されている。
回復装置10は、記録ヘッド3の吐出口面をキャッピングするキャッピング機構11と記録ヘッド3の吐出口面をクリーニングするワイピング機構12を備えている。そして、キャッピング機構11による吐出口面のキャッピングに連動して回復装置内の吸引手段(吸引ポンプ等)により吐出口からインクを強制的に排出させ、記録ヘッド3のインク流路内の粘度の増したインクや気泡等を除去するなどの吐出回復処理を行う。
また、非記録動作時等には、記録ヘッド3の吐出口面をキャッピング機構11によるキャッピングすることによって、記録ヘッド3を保護するとともにインクの蒸発や乾燥を防止することができる。一方、ワイピング機構12はキャッピング機構11の近傍に配され、記録ヘッド3の吐出口面に付着したインク液滴を拭き取るようになっている。
これらキャッピング機構11及びワイピング機構12により、記録ヘッド3のインク吐出状態を正常に保つことが可能となっている。
<インクジェット記録装置の制御構成(図2)>
図2は図1に示した記録装置の制御構成を示すブロック図である。
図2に示すように、コントローラ600は、MPU601、ROM602、特殊用途集積回路(ASIC)603、RAM604、システムバス605、A/D変換器606などで構成される。ここで、ROM602は後述する制御シーケンスに対応したプログラム、所要のテーブル、その他の固定データを格納する。ASIC603は、キャリッジモータM1の制御、搬送モータM2の制御、及び、記録ヘッド3の制御のための制御信号を生成する。RAM604は、画像データの展開領域やプログラム実行のための作業用領域等として用いられる。システムバス605は、MPU601、ASIC603、RAM604を相互に接続してデータの授受を行う。A/D変換器606は以下に説明するセンサ群からのアナログ信号を入力してA/D変換し、デジタル信号をMPU601に供給する。
また、図2において、610は画像データの供給源となるコンピュータ(或いは、画像読取り用のリーダやデジタルカメラなど)でありホスト装置と総称される。ホスト装置610と記録装置1との間ではインタフェース(I/F)611を介して画像データ、コマンド、ステータス信号等を送受信する。この画像データは、例えば、ラスタ形式で入力される。
さらに、620はスイッチ群であり、電源スイッチ621、プリントスイッチ622、回復スイッチ623などから構成される。
630は装置状態を検出するためのセンサ群であり、位置センサ631、温度センサ632等から構成される。
さらに、640はキャリッジ2を矢印A方向に往復走査させるためのキャリッジモータM1を駆動させるキャリッジモータドライバ、642は記録媒体Pを搬送するための搬送モータM2を駆動させる搬送モータドライバである。
ASIC603は、記録ヘッド3による記録走査の際に、RAM604の記憶領域に直接アクセスしながら記録ヘッドに対して記録素子(吐出ヒータ)の駆動データ(DATA)を転送する。
なお、図1に示す構成は、インクカートリッジ6と記録ヘッド3とが分離可能な構成であるが、これらが一体的に形成されて交換可能なヘッドカートリッジを構成しても良い。
次に、以上の構成の記録装置において実行される搬送制御のいくつかの実施例について説明する。
図3は実施例1に従う搬送制御の構成を示すブロック図である。
図3において、記録ヘッド3は、記録媒体Pの搬送方向と略平行方向に並べて配置された複数のノズルからなるノズル列を備え、図面奥行き方向に走査しながらノズル列からインク滴を吐出して記録を行う。なお、図3において、既に図1で説明したのと同じ構成要素には同じ参照番号を付し、その説明は省略する。
さて、搬送ローラ14は駆動力伝達手段としてのベルト部材105を介して伝達された搬送モータM2の回転により駆動され、これに伴って記録媒体Pが搬送される。搬送ローラ14の一端には、一定角毎に目盛りが備えられたエンコーダホイール108とエンコーダホイール108の目盛りを検知するためのエンコーダセンサ109とからなるローラ回転信号生成手段としてのロータリーエンコーダ110が備えられている。搬送ローラ14が駆動されると、ロータリーエンコーダ110から一定角回転毎にパルス信号が出力される。
図1に示した記録装置は、搬送モータドライバ642は所望の速度プロファイルに従って搬送モータM2に対して回転指令信号を出力し、搬送モータM2を回転させる。また、搬送モータドライバ642にはロータリーエンコーダ110から出力されたパルス信号が入力され、その入力されたパルス信号を計数して搬送モータM2の回転量を制御する。このようにして搬送モータM2を所定量回転させることで記録媒体Pを所定量搬送し、その後に記録ヘッド3を走査しながらインク滴を吐出して1回の記録動作を行う。
また、記録媒体Pは拍車ローラ107により排出ローラ20に当接している。
図3に示すように、記録ヘッドのノズル形成面と対向する位置には開口部を備えたプラテン部材112が配置されている。さらに、記録媒体の移動信号生成手段としてのレーザドップラ速度計111が備えられ、プラテン部材112の開口部からレーザ光を照射してプラテン部材上を搬送される記録媒体Pの搬送速度を検出する。レーザドップラ速度計111からは記録媒体Pが一定距離進む毎にパルス信号が出力される。
なお、プラテン部材112の開口部には開閉可能なシャッター部材(不図示)を備え、レーザドップラ速度計111が記録媒体Pの搬送速度を検出していないときにはシャッター部材を閉める。これにより、記録ヘッド3から吐出されるインク滴や記録装置内を浮遊するインクミストによりレーザドップラ速度計110が汚染されるのを防止する。
さて、ロータリーエンコーダ110から出力された信号とレーザドップラ速度計111から出力された信号は、コントローラ600へと入力される。また、コントローラ600へは搬送モータドライバ642からモータ制御情報が入力されている。
コントローラ600には機能的には、信号補正手段としての記録媒体移動信号補正部120、変動情報生成手段としての長周期情報生成部130、搬送量情報生成手段としての搬送量情報演算部140とが備えられ、記録媒体の搬送制御に用いられる。これらの機能部はMPU601で実行される制御プログラムの一部、或いは、ASIC603で実行される論理回路の一部として実現される。
搬送情報生成部113については後に詳細に説明する。
搬送情報生成部113からは搬送量誤差情報が出力され、ヘッドドライバ644へと入力される。ここで、搬送量誤差情報とは、理想的な(搬送ローラの偏芯等がない場合の)搬送量に対するずれ量を表す情報である。
ヘッドドライバ644では、入力された搬送量誤差情報に従って、ノズル列の駆動範囲を決定し、記録ヘッド3を駆動して記録を行う。
例えば、記録ヘッドに512個のノズルが1200dpi間隔で並べられたノズル列が備えられている場合を想定する。ここで説明のために各ノズルを記録媒体の搬送方向上流側から順番にノズル1、ノズル2、……、ノズル512と呼ぶ。
まず、搬送量誤差情報が“0μm”の場合、つまり理想的な搬送量からのずれ量が0μmだった場合には、ノズル列の駆動範囲をノズル17からノズル496までの480ノズルに決定する。そして、この480ノズルから画像データに基づいてインク滴を吐出させて記録を行う。
一方、搬送量誤差情報が“+63μm”の場合、つまり理想的な搬送量に比べて63μmだけ多く搬送してしまった場合には、ノズル列の駆動範囲をノズル20からノズル499までの480ノズルに決定する。そして、この480ノズルから画像データに基づいてインク滴を吐出させて記録を行う。
搬送量誤差情報が他の値の場合にも同様に理想的な記録ドット位置に最も近い位置に記録を行えるようにノズル列の駆動範囲を決定する。こうすることで、記録ドットの理想位置からのずれ量をノズル列の解像度の1/2以下に抑えることができ、記録ドットの位置ずれに起因する画像劣化を低減している。
さてここで、この実施例の特徴的な構成であるコントローラ600の搬送情報生成機能部について詳しく説明する。
図4は搬送情報生成機能部の機能構成を示すブロック図である。
図4に示すように、第1入力端子101には、レーザドップラ速度計111から出力される記録媒体移動信号(以下、移動信号)が入力される。移動信号は、記録媒体Pが一定量移動する毎に立上りエッジが発生するパルス信号である。なお、移動信号はレーザドップラ速度計111の出力信号であるため、前述したようにドロップアウトが発生する可能性がある。第2入力端子102には、搬送モータドライバ642から出力されるモータ制御情報が入力される。モータ制御情報はモータをどのような速度で駆動しているかを示す情報である。第3入力端子103には、ロータリーエンコーダ110から出力されるローラ回転信号が入力される。ローラ回転信号は、搬送ローラ14が一定角回転する毎に立上りエッジが発生するパルス信号である。なお、ロータリーエンコーダ110はホームポジションを有しており、ロータリーエンコーダ110が1周する毎にホームポジションを示すパルス信号が発生する。
記録媒体移動信号補正部(以下、補正部)120は、レーザドップラ速度計111で発生するドロップアウトを補正する処理部である。補正部120では、入力された移動信号のパルス周期が想定される範囲外の場合に異常と判断して補正処理を行う。
補正部120は、記録媒体移動信号周期検出部(以下、周期検出部)121と、記録媒体移動信号状態判定部(以下、状態判定部)122と、記録媒体移動信号状態判定基準記憶部(以下、状態判定基準記憶部)123とを含む。さらに、補正部120は、記録媒体移動信号周期補正部(以下、周期補正部)124と、記録媒体移動信号周期補正値記憶部(周期補正値記憶部)125とを含む。またさらに、補正部120は、記録媒体移動信号補正情報生成部(補正情報生成部)126と、ローラ位相検出部127と、ローラ位相情報記憶制御部128と、ローラ位相情報記憶部129とを含む。
周期検出部121は、入力された移動信号の立上りエッジの発生周期を検出し、移動信号の立上りエッジが発生する毎にこれをパルス周期情報として出力する。
周期検出部121から出力されたパルス周期情報は、状態判定部122へ入力される。状態判定部122では、状態判定基準記憶部123に記憶されている判定基準情報(パルス周期の上限値と下限値)と、入力されたパルス周期情報とを比較する。そして、入力パルス周期情報が範囲内であるときは正常であると判定し、範囲外であるときは異常と判定する記録媒体移動信号状態判定情報を出力する。
周期補正部124では、状態判定部122から出力された記録媒体移動信号状態判定情報が“正常”を示す場合には、入力されたパルス周期情報をそのまま補正後パルス周期情報として出力する。一方、その記録媒体移動信号状態判定情報が“異常”を示す場合には、入力されたパルス周期情報を周期補正値記憶部125に記憶された補正周期情報に置換して、これを補正後パルス周期情報として出力する。
なお、状態判定基準記憶部123に記憶される判定基準情報と、周期補正値記憶部125に記憶される補正周期情報とは、補正情報生成部126で生成される。
まず、ローラ位相検出部127では第3入力端子103から入力されたローラ回転信号から搬送ローラ14のローラ位相情報を検出して出力する。出力されたローラ位相情報はローラ変動情報記憶制御部128に入力される。ローラ変動情報記憶制御部128では、入力されるローラ位相情報と周期補正部124から入力される補正後パルス周期情報とに従って、各ローラ位相におけるパルス周期情報をローラ変動情報としてローラ変動情報記憶部129に記憶する。さらにローラ変動情報記憶制御部128では、入力されるローラ位相情報に従って、搬送ローラの1周前に記憶されたローラ変動情報をローラ変動情報記憶部129から読み出して補正情報生成部126へと出力する。
補正情報生成部126では、入力されるローラ変動情報と第2入力端子102から入力されるモータ制御情報とから、判定基準情報と補正周期情報とを生成する。具体的には、例えば、ローラ変動情報記憶制御部128から入力されたローラ変動情報の±5%の値を判定基準の上限値および下限値とし、ローラ変動情報そのものを補正周期情報として、それぞれ状態判定基準記憶部123、周期補正値記憶部125に格納する。
このように、記録媒体の搬送における加速時と減速時にも、記録媒体移動信号状態判定に使用される基準値と、記録媒体移動信号周期補正に使用される記録媒体移動信号周期補正値とを搬送モータドライバ642に同期して更新・参照する。これにより、移動信号の補正処理が行われる。
なお、ここでは高精度に記録媒体移動信号状態判定が行える構成を説明したが、簡易的にはモータ制御情報のみから判定基準情報と補正周期情報を生成することも可能である。
また、搬送ローラ14の加減速時には、搬送モータドライバ642からの回転指令に対して搬送ローラ14が反応するまでに遅延が生じるため、特に加減速時の判定基準情報は正常と判定する範囲を大きくするなどの例外処理を行うことが好ましい。
このようにして、補正部120は、レーザドップラ速度計111で発生するドロップアウトの補正処理を行い、補正後パルス周期情報を出力する。
補正部120から出力された補正後パルス周期情報は、長周期情報生成部130へと入力される。長周期情報生成部130では、入力された補正後パルス周期情報から比較的長い周期の変動情報を検出する。
長周期情報生成部130は、記録媒体移動信号周期平均値算出部(以下、周期平均値算出部)131と、記録媒体移動信号平均化区間記憶部(以下、平均化区間記憶部)132と、記録媒体移動信号変動情報算出部(以下、変動情報算出部)133とを含む。
周期平均値算出部131では、平均化区間記憶部132に記憶されている記録媒体移動信号平均化区間情報(以下、平均化区間情報)に基づいて、補正部120から入力された補正後パルス周期情報の平均値を算出する。例えば、平均化区間記憶部132に記憶されている平均化区間情報が“200μm”、レーザドップラ速度計111の出力分解能が“2μm”である場合、補正後パルス周期情報100個分についてその平均値を算出する。そして、この平均値を記録媒体移動信号周期平均値情報(以下、周期平均値情報)として出力する。なお、平均化区間記憶部132に記憶されている平均化区間情報は、常に一定値でもよいし、或いは記録媒体の搬送速度に応じて異なる値としてもよい。
周期平均値算出部131から出力された周期平均値情報は、変動情報算出部133へ入力される。変動情報算出部133では、第2入力端子102から入力されるモータ制御情報から算出される理想的な記録媒体移動信号のパルス周期と、周期平均値算出部131から出力された周期平均値情報とから、記録媒体の移動量変動率情報を算出して出力する。r理想的なパルス周期とは、搬送ローラの偏芯等がない場合の周期である。
このようにして、長周期情報生成部130では記録媒体の移動量変動の長周期成分が抽出され、移動量変動率情報として出力される。
長周期情報生成部130から出力された移動量変動率情報は、搬送量情報演算部140へと入力される。搬送量情報演算部140では、第3入力端子103から入力されたローラ回転信号と長周期情報生成部130から入力された移動量変動率情報とから、記録媒体の理想的な搬送量に対するずれ量を表す搬送量誤差情報を出力する。
搬送量情報演算部140は、ローラ回転信号エッジ検出部141、搬送移動量誤差値算出部142、搬送移動量誤差積算部143とから構成される。
ローラ回転信号エッジ検出部141は、第3入力端子103から入力されたローラ回転信号の立上りエッジの検出を行い、立上りエッジが検出される毎にパルス信号を出力する。搬送移動量誤差値算出部142は、長周期情報生成部130から入力された移動量変動率情報に基づいて、ローラ回転信号1パルスあたりの記録媒体移動量誤差値を算出し、出力する。搬送移動量誤差積算部143は、ローラ回転信号エッジ検出部141からパルス信号が入力される毎に、搬送移動量誤差値算出部142から出力されている記録媒体移動量誤差値を積算する。記録動作中の記録媒体の搬送を一回行う期間について、搬送移動量誤差積算部143で記録媒体移動量誤差値を積算することにより、搬送動作一回の搬送量のずれ量が算出される。
このようにして算出された搬送量誤差情報が出力端子104から出力される。
出力された搬送量誤差情報は、図3に示したヘッドドライバ644に入力され、前述したように搬送量誤差情報に基づいてノズル列の駆動範囲を決定することで、記録ドットの位置ずれを低減する。
従って以上説明した実施例に従えば、記録媒体の速度変動の長周期成分を抽出し、搬送ローラの回転量と合わせて記録媒体の搬送量を算出する。これにより、搬送ローラの偏芯等の影響を低減し、記録媒体の速度検出に欠落が発生した場合でもその影響を軽減して記録ドットの位置制御を行うことができるので、高品質な画像形成が可能となる。
また、この実施例では、記録媒体の移動速度を直接的に検出しているため、ロータリーエンコーダから記録媒体の搬送量を制御している場合のような記録媒体の種類に応じた搬送量の補正が不要になるという利点もある。
図5は実施例2に従う搬送制御の構成を示すブロック図である。
図5において、既に図1と実施例1で説明したのと同じ構成要素には同じ参照番号を付し、その説明は省略する。
図5に示されているように、この実施例のコントローラ600の搬送情報生成機能部は、信号補正手段としての補正部120と、変動情報生成手段としての長周期情報生成部130と、搬送量情報生成手段としての搬送量情報演算部140′とを含む。これらの機能部はMPU601で実行される制御プログラムの一部、或いは、ASIC603で実行される論理回路の一部として実現される。
この搬送情報生成機能へはロータリーエンコーダ110の出力信号とレーザドップラ速度計111の出力信号とが入力され、搬送量補正情報が出力される。出力された搬送量補正情報は、搬送モータドライバ642へと入力される。搬送モータドライバ642は、入力された搬送量補正情報に基づいて搬送モータM2の制御を行う。ここで、搬送量補正情報とは、搬送モータドライバ642が回転させる搬送モータM2の回転量を補正するための情報である。
続いて、搬送量誤差情報の生成について、図を参照して説明する。
図6は搬送情報生成機能部の機能構成を示すブロック図である。
図6において、補正部120と長周期情報生成部130は、実施例1と同様の機能を備えているため説明を省略する。また、搬送量情報演算部140′を構成する機能ブロックの内、ローラ回転信号エッジ検出部141、搬送移動量誤差値算出部142、搬送移動量誤差積算部143についても実施例1と同様である。
さて、実施例1で述べたように、搬送移動量誤差積算部143からは搬送移動量の誤差の積算値が出力される。この実施例では、搬送移動量誤差積算部143から出力された搬送移動量誤差積算値がローラ回転信号目標補正値算出部744へと入力される。
ローラ回転信号目標補正値算出部744では、入力された搬送移動量誤差積算値に従って、搬送モータM2の回転量を補正するための搬送量補正情報を生成する。搬送量補正情報は出力端子104から出力され、搬送モータドライバ642へと入力される。搬送モータドライバ642では、その搬送量補正情報に基づいて、搬送モータM2の回転量を補正しながら搬送モータM2の駆動制御を行う。
例えば、搬送ローラ14の外周を50.8mm、ロータリーエンコーダ110の出力を1周あたり10000パルスとした場合、その出力パルスの立上りエッジ間の時間では、記録媒体は理想的には、50.8mm/10000=5.08μmだけ移動する。従って、例えば、記録媒体を10.16mm搬送するには、エンコーダ信号出力が2000パルス分に相当するだけ搬送モータM2を回転させることになる。
しかし実際には、搬送ローラ偏芯等による搬送移動量の誤差が存在するため、ローラ回転信号目標補正値算出部744で、ロータリーエンコーダの目標パルス数の補正値を算出する。例えば、搬送移動量誤差積算部143から出力される搬送移動量誤差積算値が+178μmの場合、ローラ回転信号目標補正値算出部744で算出される搬送量補正情報は−(178/2.54)≒−35パルスとなる。
従って、搬送量補正情報として“−35パルス”がローラ回転信号目標補正値算出部744から入力された搬送モータドライバ642では、ロータリーエンコーダの目標パルス数を2000−35=1965パルスに変更して搬送ローラの回転量を制御する。こうすることで、搬送ローラの偏芯等による搬送量誤差を補正することが可能である。
従って以上説明した実施例に従えば、記録媒体の速度変動の長周期成分を抽出し、搬送ローラの回転量と合わせて記録媒体の搬送量を算出し、さらに搬送誤差を加味した情報に基づいてモータの駆動制御を行う。これにより、搬送ローラの偏芯等の影響を低減し、記録媒体の速度検出に欠落が発生した場合でも、その影響を軽減して記録媒体の搬送量を制御できるので、高品質な画像形成が可能となる。
なお、本発明の主題とするところではないので詳細な説明は行わないが、従来から記録媒体の停止精度を向上させるために停止直前には低速で記録媒体を搬送するなど搬送速度プロファイルには様々な工夫が施されている。本発明はそのような様々な速度プロファイルにおいても適用可能であり、目的とする効果を得ることができる。
さらに、ロータリーエンコーダの分解能があまり高くない場合にはその出力パルス信号を処理回路で電気的に分割して擬似的に高分解能のパルス信号を生成することもあるが、そうした場合にも本発明を適用し、目的とする効果を得ることが可能である。
図7は実施例3に従う搬送制御の構成を示すブロック図である。
図7において、既に図1と実施例1、2で説明したのと同じ構成要素には同じ参照番号を付し、その説明は省略する。
図7に示されているように、実施例1、2と同じようにロータリーエンコーダ110(第1ローラ回転信号生成手段)が備えられているのに加えて、排出ローラ20の一端にもロータリーエンコーダ903(第2ローラ回転信号生成手段)が備えられている。ロータリーエンコーダ903は、エンコーダホイール901とエンコーダセンサ902とからなる。
ロータリーエンコーダ110の出力信号とロータリーエンコーダ903の出力信号とレーザドップラ速度計111の出力信号とは、コントローラ600の搬送情報生成機能部へと入力されている。さらに、搬送情報生成機能部へは搬送モータドライバ642からモータ制御情報が入力されている。
この実施例に従う搬送情報生成機能部は、信号補正手段としての記録媒体移動信号補正部(以下、補正部)120′、変動情報生成手段としての長周期情報生成部130、搬送量情報生成手段としての搬送量情報演算部140″とから構成される。そして、搬送情報生成機能部は、搬送量誤差情報を出力する。
ここで、搬送量誤差情報の生成について、図を参照して説明する。
図10は搬送情報生成機能部の構成を示すブロック図である。
図10において、第1入力端子101からはレーザドップラ速度計111から出力される記録媒体移動信号が、第2入力端子102からは搬送モータドライバ642から出力されるモータ制御情報が入力される。これらは、実施例1、2と同様である。一方、この実施例では、入力端子103aからはロータリーエンコーダ110から出力される第1のローラ回転信号が、入力端子103bからはロータリーエンコーダ903から出力される第2のローラ回転信号がそれぞれ入力される。
補正部120′を構成する機能ブロックにおいて、周期検出部121、状態判定部122、状態判定基準記憶部123、周期補正部124、周期補正値記憶部125は、実施例1と同様である。
また、第1ローラ位相検出部921と第2ローラ位相検出部924とは、実施例1におけるローラ位相検出部127と同様の機能を備えている。第1ローラ変動情報記憶制御部922と第2ローラ変動情報記憶制御部925とは、実施例1におけるローラ変動情報記憶制御部128と同様の機能を備えている。第1ローラ変動情報記憶部923と第2ローラ変動情報記憶部926は実施例1におけるローラ変動情報記憶部129と同様の機能を備えている。
記録媒体移動信号補正情報生成部(以下、補正情報生成部)126′では、第1及び第2ローラ変動情報記憶制御部922、925から夫々出力される第1及び第2ローラ変動情報の2つから選択された1つの情報を入力する。さらに、補正情報生成部126′は第2入力端子102からモータ制御情報を入力し、これらの情報から、判定基準情報と補正周期情報を生成し、それぞれを状態判定基準記憶部123と周期補正値記憶部125に格納する。
第1ローラ変動情報と第2ローラ変動情報の選択切り替えについては後に説明する。
このようにして補正部120′は、レーザドップラ速度計111で発生するドロップアウトの補正処理を行い、補正後パルス周期情報を出力する。
長周期情報生成部130は実施例1と同様の機能を備えており、移動量変動率情報を出力する。長周期情報生成部130から出力された移動量変動率情報は搬送量情報演算部140″へ入力される。
長周期情報生成部140″を構成する機能ブロックにおいて、第1ローラ回転信号エッジ検出部941と第2ローラ回転信号エッジ検出部944とは実施例1におけるローラ回転信号エッジ検出部141と同様の機能を備えている。また、第1搬送移動量誤差値算出部942と第2搬送移動量誤差値算出部945とは実施例1における搬送移動量誤差値算出部142と同様の機能を備えている。第1搬送移動量誤差積算部943と第2搬送移動量誤差積算部946は実施例1における搬送移動量誤差積算部143と同様の機能を備えている。
従って、第1搬送移動量誤差積算部943からは、レーザドップラ速度計111の出力である記録媒体移動信号とロータリーエンコーダ110の出力である第1ローラ回転信号とから、実施例1で説明したようにして第1搬送移動量誤差積算値が出力される。また、第2搬送移動量誤差積算部946からは、レーザドップラ速度計111の出力である記録媒体移動信号とロータリーエンコーダ903の出力である第2ローラ回転信号とから、同じようにして第2搬送移動量誤差積算値が出力される。
信号選択合成部947では、これら2つの出力の内1つが選択され、出力端子104から搬送量誤差情報として出力される。なお、記録媒体の1回の搬送途中で選択切り替えが行われる場合には、信号選択合成部947で切り替え前の搬送移動量誤差の積算値と切り替え後の搬送移動量誤差の積算値とを合成した値を搬送移動量誤差の積算値として出力する。また、第1搬送移動量誤差積算値と第2搬送移動量誤差積算値の選択切り替えは、前述した第1ローラ変動情報と第2ローラ変動情報の選択切り替えと同じタイミングで行われる。
このようにして生成された搬送量誤差情報は出力端子104から出力され、ヘッドドライバ644に入力され、実施例1で説明したのと同様にしてノズル列の駆動範囲の決定に用いられる。
ここで、補正情報生成部126′と信号選択合成部947における選択切り替えタイミングについて説明する。
図1に示したような記録装置において、記録媒体Pの全面に記録する所謂縁なし記録を行う場合、記録媒体Pの後端部に記録を行うために記録媒体を搬送する時には、記録媒体Pは搬送ローラ14の位置を通過して排出ローラ20のみで搬送される状態になる。
通常、即ち、記録媒体Pが搬送ローラ14と排出ローラ20の両方によって担持されている場合には、一般的に排出ローラ20の搬送力に比べて搬送ローラ14の搬送力が大きく設定されていて支配的である。このため、搬送ローラ14の一端に備えられたロータリーエンコーダ110を記録媒体Pの搬送量検出に使用する。
一方、前述したように、記録媒体Pが排出ローラ20によってのみ担持され、排出ローラ20でのみ搬送されている場合には、排出ローラ20の一端に備えられたロータリーエンコーダ903を記録媒体Pの搬送量検出に使用する。
記録媒体Pが搬送ローラ14の位置を通過するタイミングは、記録媒体Pの先端を検出してからの搬送移動量と記録媒体のサイズから決定される。この実施例ではロータリーエンコーダ110から出力される第1ローラ回転信号とレーザドップラ速度計111から出力される記録媒体移動信号を用いて記録媒体の搬送移動量を検出している。従って、搬送移動量を積算しておくことで記録媒体Pの後端部が搬送ローラ14の位置を通過するタイミング、即ち、補正情報生成部126′と信号選択合成部947における選択切り替えタイミングが決定される。
また、搬送ローラ14と排出ローラ20の表面線速度は、排出ローラ20の方が搬送ローラ14に比べてわずかに速く設定されていることが一般的である。これは、搬送ローラ14と排出ローラ20との間で張力を生じさせて、記録ヘッド3のノズル形成面と記録媒体Pとの距離を一定に保つためである。従って、記録媒体Pの後端部が搬送ローラ14の位置を通過して排出ローラ20のみで搬送される状態になると、搬送ローラ14と排出ローラ20の両方によって担持されている時に比べて、搬送速度がわずかに速くなる。この特性を利用すれば、レーザドップラ速度計111から出力される記録媒体移動信号の変動を測定することで、補正情報生成部126′と信号選択合成部947における選択切り替えタイミングを決定することも可能である。
またさらに、上記2つの方法を組み合わせて補正情報生成部126′と信号選択合成部947における選択切り替えタイミングを決定することも可能である。
従って以上説明した実施例に従えば、搬送ローラと排出ローラの夫々にロータリーエンコーダを設け、夫々のエンコーダ信号を入力し、記録媒体の進行状況に合わせて、2つのエンコーダ信号のいずれかを選択して、その選択された信号により搬送制御を行なう。これにより、例えば、縁なし記録を行う場合でも、搬送ローラの偏芯等の影響を低減し、記録媒体の速度検出に欠落が発生した場合でもその影響を軽減して記録ドットの位置制御を行うことができる。その結果、高品質な画像形成が可能となる。
さらに、記録媒体の搬送速度を直接的に測定するため、縁なし記録において、記録媒体Pが搬送ローラのみ、搬送ローラと排出ローラとの両方で、そして、排出ローラのみで担持される場合の切り替わりで発生する記録媒体の搬送速度変動にも対応できる。これにより、より正確な記録ドットの位置制御を行うことが可能となる。
以上、本発明を適用できる3つの実施例について説明してきたが、その他以下に述べるような例も本発明を適用可能である。
即ち、実施例3のように搬送ローラと排出ローラとに夫々ロータリーエンコーダを備え、それらとレーザドップラ速度計とから記録媒体の搬送移動量を検出し、検出搬送移動量情報に基づき、実施例2のように搬送量誤差を低減するようにモータ制御を行う。
また、実施例1〜3では、レーザドップラ速度計を記録ヘッドの対向する位置に配置していたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、記録ヘッドの対向する位置よりも搬送上流側に位置してもよいし、搬送下流側に位置してもよい。また、そのように記録ヘッドの対向する位置以外に配置する場合には、記録媒体の先端から後端まで常に移動速度を検出できるように2つ以上のレーザドップラ速度計を配置することがより好ましい。
またさらに、記録媒体の搬送速度を検出する手段はレーザドップラ速度計に限定されるものではない。例えば、記録媒体にスケールを形成しておいてこれを光学的に検出しても良いし、記録媒体の表面の散乱光を用いることによりスケールレスで光学的に検出しても良い。或いは、エリアセンサで画像認識をしながら移動速度を検出しても良い。
またさらに、記録媒体移動信号の長周期成分を抽出するために、上記の実施例では複数の周期情報の平均値を求めていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、より複雑な構成の低域通過フィルタを用いてもよいし、あるいは抽出したい周期でサンプリングして長周期成分を抽出することも可能である。
なお、以上の実施例において、記録ヘッドから吐出される液滴はインクであるとして説明し、さらにインクタンクに収容される液体はインクであるとして説明したが、その収容物はインクに限定されるものではない。例えば、記録画像の定着性や耐水性を高めたり、その画像品質を高めたりするために記録媒体に対して吐出される処理液のようなものがインクタンクに収容されていても良い。
以上の実施例は、特にインクジェット記録方式の中でも、インク吐出のために熱エネルギーを発生する手段(例えば電気熱変換体等)を備え、その熱エネルギーによりインクの状態変化を生起させる方式を用いて記録の高密度化、高精細化が達成できる。
さらに加えて、本発明のインクジェット記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力装置として用いられるものの他、リーダ等と組合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
本発明の代表的な実施の形態であるインクジェット記録装置の構成の概要を示す外観斜視図である。 記録装置の制御回路の構成を示すブロック図である。 実施例1に従う搬送制御の構成を示すブロック図である。 実施例1に従う搬送情報生成機能部の機能構成を示すブロック図である。 実施例2に従う搬送制御の構成を示すブロック図である。 実施例2に従う搬送情報生成機能部の機能構成を示すブロック図である。 実施例3に従う搬送制御の構成を示すブロック図である。 実施例3に従う搬送情報生成機能部の機能構成を示すブロック図である。 記録媒体の搬送速度変動を示す図である。 レーザドップラ速度計の原理を示す図である。 レーザドップラ速度計の信号欠落状態を示す図である。
符号の説明
M2 搬送モータ
3 記録ヘッド
14 搬送ローラ
15 ピンチローラ
20 排出ローラ
105 ベルト部材
107 拍車ローラ
108 エンコーダホイール
109 エンコーダセンサ
110 ロータリーエンコーダ
111 レーザドップラ速度計
112 プラテン部材
120 記録媒体移動信号補正部(補正部)
121 記録媒体移動信号周期検出部(周期検出部)
122 記録媒体移動信号状態判定部(状態判定部)
123 記録媒体移動信号状態判定基準記憶部(状態判定基準記憶部)
124 記録媒体移動信号周期補正部(周期補正部)
125 記録媒体移動信号周期補正値記憶部(周期補正値記憶部)
126 記録媒体移動信号補正情報生成部(補正情報生成部)
127 ローラ位相検出部
128 ローラ変動情報記憶制御部
129 ローラ変動情報記憶部
130 長周期情報生成部
131 記録媒体移動信号周期平均値算出部(周期平均値算出部)
132 記録媒体移動信号平均化区間記憶部(平均化区間記憶部)
133 記録媒体移動信号変動情報算出部(変動情報算出部)
140 搬送量情報演算部
141 ローラ回転信号エッジ検出部
142 搬送移動量誤差値算出部
143 搬送移動量誤差積算部
642 搬送モータドライバ
644 ヘッドドライバ
947 信号選択合成部

Claims (10)

  1. 複数の記録素子からなる記録素子の列を有する記録ヘッドを走査させて記録媒体に対して記録を行う記録装置であって、
    前記記録媒体を搬送する搬送ローラと、
    前記搬送ローラの駆動力を発生する搬送モータと、
    前記搬送モータを駆動する駆動手段と、
    前記搬送ローラの一端に設けられ、前記搬送ローラの回転に応じて搬送ローラの位置を示す回転信号を出力するロータリーエンコーダと、
    前記記録媒体の移動速度を検出する検出手段と、
    前記回転信号と前記移動速度と前記駆動手段から出力されるモータ制御情報とに基づいて、前記移動速度を表わす移動信号を補正する補正手段と、
    前記補正手段により補正された移動信号と、前記モータ制御情報とに基づいて、前記移動速度についての長い周期の変動情報を生成する生成手段と、
    前記生成手段によって生成された長い周期の変動情報と、前記回転信号とに基づいて前記記録媒体の搬送のずれ量を算出する算出手段と、
    前記算出手段によって算出された前記記録媒体の搬送のずれ量に基づいて、前記複数の記録素子の中から記録に用いる記録素子を決定し、該決定された記録素子により前記記録媒体に記録を行うよう制御する制御手段とを有することを特徴とする記録装置。
  2. 前記搬送のずれ量に基づいて、前記回転信号を補正する回転信号の補正手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記記録媒体を前記記録装置の外に排出する排出ローラと、
    前記排出ローラの一端に設けられ、前記排出ローラの回転に応じて排出ローラの位置を示す回転信号を出力する別のロータリーエンコーダとをさらに備え、
    前記補正手段と前記算出手段とは前記別のロータリーエンコーダから出力される回転信号をさらに入力し、
    前記補正手段と前記算出手段とはそれぞれ、前記記録媒体の搬送の進行に従って、前記2つのロータリーエンコーダからの2つの回転信号のいずれかを選択し、該選択された回転信号を用いて、前記移動信号の補正と、前記搬送のずれ量の算出を行うことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  4. 前記検出手段は前記記録媒体にレーザ光を照射し、前記レーザ光の散乱光から前記記録媒体の移動速度を求めるレーザドップラ速度計を用いることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の記録装置。
  5. 前記補正手段は、
    前記レーザドップラ速度計から出力されるパルス信号の周期を検出する周期検出手段と、
    前記搬送ローラ、或いは、前記排出ローラの1周ごとの前記回転信号と、前記モータ制御情報とに基づいて、前記パルス信号の周期が正常であるかどうかを判定する判定の情報を生成し、該判定の情報に基づいて、前記パルス信号の周期が基準の範囲内にあるかどうかを判定する状態判定手段と、
    前記状態判定手段による判定の結果に基づいて、前記パルス信号の周期を補正する周期補正手段とを含むことを特徴とする請求項4に記載の記録装置。
  6. 前記生成手段は、
    前記レーザドップラ速度計の出力分解能より長い期間にわたって前記周期補正手段により補正された前記パルス信号の周期の平均値をもとめる平均値算出手段と、
    前記モータ制御情報と前記パルス信号の周期の平均値とに基づいて、前記移動速度についての長い周期の変動情報を生成する変動情報算出手段とを含むことを特徴とする請求項5に記載の記録装置。
  7. 前記算出手段は、
    前記搬送ローラ、或いは、前記排出ローラの前記回転信号の立上りエッジの検出を行うエッジ検出手段と、
    前記変動情報とに基づいて、前記回転信号の1パルスあたりの記録媒体の移動量の誤差値を算出する誤差値算出手段と、
    前記エッジ検出手段から前記立上りエッジの検出が入力される毎に、前記誤差値算出手段から出力される誤差値を、記録動作中の記録媒体の搬送を一回行う期間について、積算し、前記搬送動作一回の搬送量のずれ量が算出する誤差値の積算手段とを含むことを特徴とする請求項6に記載の記録装置。
  8. 前記補正手段と前記算出手段とはそれぞれ、前記搬送ローラと前記排出ローラが前記記録媒体を担持している場合には、前記搬送ローラに設けられたロータリーエンコーダからの回転信号を選択し、前記排出ローラによってのみ前記記録媒体を担持している場合には、前記排出ローラに設けられたロータリーエンコーダからの回転信号を選択することを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
  9. 前記記録ヘッドと対向する位置に設けられるプラテンをさらに有し、
    前記レーザドップラ速度計は前記記録ヘッドの対向する位置に設けられ、前記プラテンの開口部よりレーザ光が通過するようになっていることを特徴とする請求項4に記載の記録装置。
  10. 複数の記録素子からなる記録素子の列を有する記録ヘッドを走査させる一方、搬送モータが発生する駆動力を用いて搬送ローラによって記録媒体を搬送させながら前記記録媒体に対して記録を行う記録装置の記録制御方法であって、
    前記搬送ローラの一端に設けられ、前記搬送ローラの回転に応じて搬送ローラの位置を検出するロータリーエンコーダからの回転信号と検出手段により検出された前記記録媒体の移動速度と前記搬送モータを駆動するモータドライバから出力されるモータ制御情報とに基づいて、前記移動速度を表わす移動信号を補正する補正工程と、
    前記補正工程において補正された移動信号と、前記モータ制御情報とに基づいて、前記移動速度についての長い周期の変動情報を生成する生成工程と、
    前記生成工程において生成された長い周期の変動情報と、前記回転信号とに基づいて前記記録媒体の搬送のずれ量を算出する算出工程と、
    前記算出工程において算出された前記記録媒体の搬送のずれ量に基づいて、前記複数の記録素子の中から記録に用いる記録素子を決定し、該決定された記録素子により前記記録媒体に記録を行うよう制御する制御工程とを有することを特徴とする記録制御方法。
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