JP2009242725A - 粘着剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 粘着特性のバランス、特に粘着力と凝集力の両立性に優れ、温度依存性が小さく高温下での耐クリープ性が良好な粘着剤を与える粘着剤組成物を提供する。
【解決手段】 少なくとも1個の活性水素原子を有する、ハイドロカルビル(メタ)アクリレート共重合体、および1分子中に2個〜6個またはそれ以上のイソシアネート基を有し、31,000〜100,000の重量平均分子量を有するイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを含有してなることを特徴とする粘着剤組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は粘着剤組成物に関する。さらに詳しくは、粘着特性のバランス、特に粘着力と凝集力の両立性に優れ、温度依存性が小さく高温下での耐クリープ性が良好な粘着剤を与える粘着剤組成物に関する。
従来、粘着テープまたは粘着シート用等の粘着剤としては天然ゴム系粘着剤またはアクリル系粘着剤が使用されている。これらのうち天然ゴム系粘着剤は安価であり、かつ粘着特性のバランスに富んでいる点で優れているが、透明性、耐熱性、耐候性が十分でないこと、天然ゴムに含有されるタンパク質に起因するアレルギー問題が指摘されていることから、アクリル系粘着剤が多用されている。
一方、アクリル系粘着剤としては、2−エチルヘキシルアクリレート等のハイドロカルビル(メタ)アクリレートを主成分とし、凝集力を付与する成分として、極性基を有するエチレン性不飽和基含有モノマー[(メタ)アクリル酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、アクリルアミド等]を共重合させた、ガラス転移点(以下、Tgと略記)が比較的低く粘着性を有する共重合体が使用されている。さらに凝集力を向上させる場合は、該共重合体中のカルボキシル基や水酸基の一部をポリイソシアネート、エポキシドまたは多価金属化合物等で架橋させたものが使用されている(例えば、特許文献1参照)。
特開昭48−89234号公報
しかしながら、上記アクリル系粘着剤では、粘着特性のバランス、特に粘着力と凝集力(耐クリープ性で表される)の両立を図ることが難しく、また粘着特性の温度依存性が大きい。すなわち、5〜20℃の低温域で粘着力が良好であっても60℃程度の高温域では凝集力が劣る、60℃程度の高温域で凝集力が良好であっても5〜20℃の低温域では粘着力が劣る、あるいはそれぞれの温度領域において各粘着特性が逆の傾向を示す等、低温から高温にわたって粘着力と凝集力をバランス良く両立させることが難しいという問題があった。
本発明者らは、上記問題点を解決するため鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち本発明は、少なくとも1個の活性水素原子を有する、ハイドロカルビル(メタ)アクリレート共重合体(A)および1分子中に2個〜6個またはそれ以上のイソシアネート基を有し、31,000〜100,000の重量平均分子量を有するウレタンプレポリマー(B1)を含有してなることを特徴とする粘着剤組成物;少なくとも1個の活性水素原子を有する、ハイドロカルビル(メタ)アクリレート共重合体(A)、1分子中に2個〜6個またはそれ以上のヒドロキシル基を有し、31,000〜100,000の重量平均分子量を有するウレタンプレポリマー(B2)および反応性官能基を1分子中に2〜5個有する架橋剤(C)を含有してなることを特徴とする粘着剤組成物;該組成物を硬化させてなる粘着剤;並びに、支持体の片面もしくは両面の少なくとも一部に、該粘着剤を有する粘着テープまたは粘着シートである。
本発明の粘着剤組成物は、下記の効果を奏する。
(1)本発明の粘着剤組成物を硬化させてなる粘着剤は、粘着特性のバランス(とくに、粘着
力と凝集力の両立)に優れ、温度依存性が小さい。
(2)剥離時における被着体汚染が少ない。
(3)高温下でも耐クリープ性が良好である。
[ハイドロカルビル(メタ)アクリレート共重合体(A)]
本発明におけるハイドロカルビル(メタ)アクリレート共重合体(A)は、ハイドロカルビル(メタ)アクリレート(a1)、該(a1)を除く活性水素原子を有するエチレン性不飽和基含有モノマー(a2)、および必要によりその他の活性水素原子を有しないエチレン性不飽和基含有モノマー(a3)を構成単位とする共重合体である。
ハイドロカルビル(メタ)アクリレート(a1)には、炭素数(以下Cと略記)3以上かつ数平均分子量(以下Mnと略記)2,000以下、例えば下記の(a11)〜(a13)が含まれる。ここにおいて、ハイドロカルビルとは、酸素原子または窒素原子等のヘテロ原子を含有してもよい炭化水素基を表す。また、上記Mnは後述の重量平均分子量(以下Mwと略記)と同様にゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)法(ポリスチレン換算)で求められる値である。
(a11)ヘテロ原子を含有しないハイドロカルビル(メタ)アクリレート
ヘテロ原子を含有しないハイドロカルビル基が、脂肪族〔C1〜25(好ましくは4〜18)、例えばアルキル基[メチル、エチル、n−およびi−プロピル、n−、i−、sec−およびt−ブチル、n−、i−、sec−、t−およびネオペンチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ラウリル、トリデシル、ミリスチル、セチルおよびステアリル基等]、アルケニル基[エテニル、プロペニル、ブテニル、ヘキセニル、デセニルおよびオレイル基等]〕、脂環式[C4〜18、例えばシクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシル基]、芳香脂肪族[C7〜18、例えばベンジルおよびフェニルエチル基]および芳香族[C6〜15、例えばフェニル基]カルビル基であるもの等;
(a12)ポリ(n=2〜30)オキシアルキレンアルキル(C1〜18)エーテル(メタ)アクリレート
メタノールのエチレンオキシド(以下、EOと略記)10モル付加物の(メタ)アクリレート、メタノールのプロピレンオキシド(以下、POと略記)10モル付加物の(メタ)アクリレート等;
(a13)窒素含有(メタ)アクリレート
(1)3級窒素含有(メタ)アクリレート
ジアルキル(C1〜4)アミノアルキル(C1〜4)(メタ)アクリレート[N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等]、複素環含有(メタ)アクリレート[モルホリノエチル(メタ)アクリレート等]等
(2)4級窒素含有(メタ)アクリレート
上記3級アミノ基含有(メタ)アクリレートの4級化物[4級化剤(メチルクロライド、ジメチル硫酸、ベンジルクロライド、ジメチルカーボネート等)を用いて4級化したもの]等
(3)ニトリル基含有(メタ)アクリレート
C5〜15、例えばシアノアルキル(C1〜4)(メタ)アクリレート等
上記(a1)のうち粘着剤のタック、粘着力および凝集力の観点から好ましいのは、(a11)、(a13)、さらに好ましいのはn−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートおよびn−オクチル(メタ)アクリレートである。
該(a1)を除く活性水素原子を有するエチレン性不飽和基含有モノマー(a2)には、後述する架橋剤(C)と反応する活性水素原子を有する官能基(例えばカルボキシル基、水酸基、アミノ基、メチロール基およびアミド基)を有するモノマーであり、下記の(a21)〜(a25)が挙げられる。
(a21)α,β−不飽和カルボン酸
一塩基酸[C3〜10、例えば(メタ)アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸およびビニル安息香酸]、二塩基酸[C4〜8、例えばマレイン酸、イタコン酸、フマル酸、シトラコン酸およびメサコン酸]、二塩基酸のモノエステル[上記二塩基酸のモノハイドロカルビル(C1〜18)エステル]、下記の一般式で表される水酸基含有(メタ)アクリレートのコハク酸モノエステル

CH2=C(R’)-COO(AO)n(CO-L-O)m-CO-CH2CH2COOH

(式中、AはC2〜4のアルキレン基、LはC3〜19のアルキレン基、mは0〜5の整数、nは1〜30の整数、R’はHまたはメチル基を表す。)
[C8〜130、例えば2−ヒドロキシアルキル(アルキル基はC2〜3)(メタ)アクリレートの無水コハク酸開環付加体、(ポリ)(n=1〜30)オキシアルキレン(C2〜4)モノ(メタ)アクリレートの無水コハク酸開環付加体、2−ヒドロキシアルキル(アルキル基はC2〜3)(メタ)アクリレートのカプロラクトン(1〜5モル)付加体に無水コハク酸を開環付加させた化合物]、およびこれらの2種以上の混合物等;
(a22)水酸基含有化合物
(1)C5〜12の不飽和カルボン酸エステル
(1−1)ヒドロキシアルキル(C2〜6)(メタ)アクリレート[ヒドロキシエチル−、ヒドロキシプロピル−およびヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等]、およびそのラクトン(C4〜20、例えばブチロラクトン、バレロラクトン、カプロラクトンおよびラウロラクトン)1〜5モル付加体
(1−2)ポリ(n=2〜30)オキシアルキレン(C2〜4)(メタ)アクリレート[ポリ(n=10)オキシエチレンモノ(メタ)アクリレート等]
(1−3)ポリ(n=2〜30)オキシアルキレン(C2〜4)不飽和カルボン酸ジエステル[ポリ(n=10)オキシエチレンマレイン酸ジエステル等]、ポリ(n=2〜30)オキシアルキレン(C2〜4)(メタ)アリルエーテル[ポリ(n=10)オキシエチレン(メタ)アリルエーテル等]
(2)C3〜8の不飽和アルコール[(メタ)アリルアルコール、クロチルアルコール、1−ブテン−3−オール、2−ブテン−1,4−ジオール等]
(3)C8〜15のスチレン化合物[ヒドロキシスチレン等]
(4)C5〜20のエーテル[ヒドロキシアルキル(C2〜6)アルケニル(C3〜6)エーテル、例えば2−ヒドロキシエチルプロぺニルエーテル]
(5)メチロール基含有化合物〔C4〜10の水酸基含有(メタ)アクリルアミド[N−メチロール(メタ)アクリルアミド等]等〕等;
(a23)アミノ基含有化合物
(1)C5〜15の1級−、2級アミノ基含有(メタ)アクリレート
アミノアルキル(C2〜6)(メタ)アクリレート[アミノエチル(メタ)アクリレート等]、アルキル(C1〜6)アミノアルキル(C1〜6)(メタ)アクリレート[t−ブチルアミノエチルメタクリレート等]等
(2)C5〜10の1級−および2級アミノ基含有(メタ)アクリルアミド
N−アミノアルキル(C2〜6)(メタ)アクリルアミド[例えばN−アミノエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミドアルキル(C2〜6)アルキル(C1〜6)アミン[例えば(メタ)アクリルアミドエチルブチルアミン]等
(3)アルケニルアミン化合物
C3〜15、例えばモノ−およびジ−(メタ)アリルアミン、クロチルアミン等;
これらの(a2)のうち粘着剤のタックと凝集力のバランスの観点から好ましいのは、(a21)、(a22)および(a24)、さらに好ましいのは(メタ)アクリル酸、ポリ(n=2〜30)オキシアルキレン(C2〜4)モノ(メタ)アクリレートの無水コハク酸開環付加体、2−ヒドロキシアルキル(アルキル基のC2〜3)(メタ)アクリレートのカプロラクトン(1〜5モル)付加体に無水コハク酸を開環付加させた化合物、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミドおよびN−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドである。
その他の活性水素原子を有しないエチレン性不飽和基含有モノマー(a3)としては、下記の(a31)〜(a33)が挙げられる。
(a31)窒素含有モノマー
(1)C3〜20の3級または4級窒素含有(メタ)アクリルアミド化合物
(1−1)3級窒素含有(メタ)アクリルアミド化合物
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等
(1−2)4級窒素含有(メタ)アクリルアミド化合物
上記(1−1)の4級化物(メチルクロライド、ジメチル硫酸、ベンジルクロライド、ジメチルカーボネート等の4級化剤を用いて4級化したもの)等
(2)複素環含有ビニル化合物
ピリジン化合物(C7〜14、例えば2−および4−ビニルピリジン)、イミダゾール化合物(C5〜12、例えばN−ビニルイミダゾール)、ピロール化合物(C6〜13、例えばN−ビニルピロール)等
(a32)不飽和炭化水素
(1)脂肪族不飽和炭化水素
C2〜18またはそれ以上のオレフィン[エチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレ
ン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン、オクタデセン等]、C4〜10またはそれ以上のジエン[ブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,6−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン等]等
(2)脂環含有不飽和炭化水素
C4〜18またはそれ以上の脂環含有不飽和炭化水素、例えばシクロヘキセン、(ジ)シクロペンタジエン、ピネン、リモネン、インデン
(3)芳香環含有不飽和炭化水素
C8〜20またはそれ以上の芳香環含有不飽和炭化水素、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチレン、シクロヘキシルスチレン、ベンジルスチレン
(a33)ビニルエステル、ビニルエーテル、ビニルケトン、不飽和ジカルボン酸ジエステル
(1)ビニルエステル
(1−1)脂肪族ビニルエステル(C4〜15、例えば酢酸ビニル、ビニルブチレート、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ジアリルアジペート、イソプロペニルアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルベンゾエート)
(1−2)芳香族ビニルエステル(C9〜20、例えばジアリルフタレート、メチル−4−ビニルベンゾエート、アセトキシスチレン)
(2)ビニルエーテル
(2−1)脂肪族ビニルエーテル
C3〜15、例えばビニルアルキル(C1〜10)エーテル[ビニルメチルエーテル、ビニルブチルエーテル、ビニル2−エチルヘキシルエーテル等]、ビニルアルコキシ(C1〜6)アルキル(C1〜4)エーテル[ビニル−2−メトキシエチルエーテル、メトキシブタジエン、3,4−ジヒドロ−1,2−ピラン、2−ブトキシ−2’−ビニロキシジエチルエーテル、ビニル−2−エチルメルカプトエチルエーテル等]、ポリ(2〜4)(メタ)アリロキシアルカン(C2〜6)[ジアリロキシエタン、トリアリロキシエタン、テトラアリロキシブタン、テトラメタアリロキシエタン等]
(2−2)芳香族ビニルエーテル
C8〜20、例えばビニルフェニルエーテル、フェノキシスチレン
(3)ビニルケトン
(3−1)脂肪族ビニルケトン
C4〜25、例えばビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン
(3−2)芳香族ビニルケトン
C9〜21 、例えばビニルフェニルケトン
(4)不飽和ジカルボン酸ジエステル
C4〜34の不飽和ジカルボン酸ジエステル、例えばジ(シクロ)アルキルフマレート、ジ(シクロ)アルキルマレエート[いずれにおいても2個の(シクロ)アルキル基は、C1〜22の、直鎖、分枝鎖もしくは脂環式の基を表す。]
上記(a3)として例示したもののうち粘着剤のタック、粘着力および凝集力の観点から好ましいのは、(a31)中の(1)、(a32)中の(3)および(a33)である。
(A)の重量に基づく(a1)の割合は、粘着剤の粘着力およびタックの観点から好ましい下限は70%、さらに好ましくは85%、特に好ましくは90%、粘着剤の凝集力の観点から好ましい上限は99.9%、さらに好ましくは99.5%、とくに好ましくは99.0%;(A)の重量に基づく(a2)の割合は、粘着剤の凝集力の観点から好ましい下限は0.1%、さらに好ましくは0.5%、とくに好ましくは1.0%、粘着剤の粘着力およびタックの観点から好ましい上限は30%、さらに好ましくは15%、とくに好ましくは10%である。
また、必要により用いられる(a3)の割合は、(A)の重量に基づいて、通常20%以下、粘着剤の粘着力およびタックの観点から好ましい上限は20%、さらに好ましくは15%、とくに好ましくは10%、粘着剤の凝集力の観点から好ましい下限は0.1%、さらに好ましくは1%である。
(A)の重量平均分子量(以下、Mwと略記)は、粘着剤の凝集力の観点から好ましい下限は100,000、さらに好ましくは200,000、とくに好ましくは300,000、後述の粘着剤組成物に溶剤を加えてなる塗工液の粘度の観点から好ましい上限は2,000,000、さらに好ましくは1,500,000、とくに好ましくは1,000,000である。
ここにおいて、Mwは、例えば以下のGPC条件で測定して求められる値である。
測定装置 :HLC−8120[東ソー(株)製]
カラム :Guardcolumn HXL−H、TSKgel GMHXL×2、
TSKgel MultiporeHXL−M
測定温度 :40℃
試料溶液 :0.25%のテトラヒドロフラン(THF)溶液
溶液注入量 :100μl
検出装置 :屈折率検出器
基準物質 :標準ポリスチレン[東ソー(株)製]
(A)は少なくとも1個の活性水素原子を有し、その活性水素当量は、粘着剤の粘着力および凝集力の観点から好ましくは300〜80,000(さらに好ましくは700〜40,000、とくに好ましくは1,000〜20,000)である。ここにおいて活性水素当量とは、滴定法(末端基定量法)で求められる(A)の数平均分子量を(A)中の活性水素の数で除した値である。
(A)のガラス転移温度(以下Tgと略記)は、粘着剤の粘着力の観点から好ましい下限は−100℃、さらに好ましくは−90℃、とくに好ましくは−80℃、粘着剤のタックの観点から好ましい上限は30℃、さらに好ましくは0℃、とくに好ましくは−10℃である。
また、(A)は、粘着剤組成物と後述の支持体との密着力の観点から、2種以上の混合物として使用してもよい。
(A)は、種々の重合方法(塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合等)により製造することができる。
溶液重合において用いられる溶媒としては、エステル(C2〜8、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル)、アルコール(C1〜8、例えばメタノール、エタノール、オクタノール)、炭化水素(C4〜8、例えばn−ブタン、シクロヘキサン、トルエン)、ケトン(C3〜9、例えばメチルエチルケトン)等が挙げられる。
溶媒の使用量は、(A)を構成するモノマーの合計重量に基づいて通常5〜900%、好ましくは10〜400%であり、モノマー濃度(重量%)としては、通常10〜95、好ましくは20〜90である。
乳化重合および懸濁重合における分散媒としては、水、アルコール(C1〜12、例えばエタノール、ブタノール、2−エチルヘキサノール)、エステル(C4〜10、例えば酢酸エチル、プロピオン酸エチル)、軽ナフサ等が挙げられる。
乳化重合および懸濁重合における分散媒の使用量は、(A)を構成するモノマーの合計重量に基づいて通常10〜900%、好ましくは40〜250%であり、モノマー濃度(重量%)としては、通常10〜90、好ましくは30〜70である。
乳化重合における乳化剤としては、アニオン界面活性剤[金属石けん(オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム等)、硫酸エステル(ラウリル硫酸ナトリウム等)等]、ノニオン界面活性剤〔アルキレンオキシド(以下AOと略記)(C2〜15、好ましくは2〜4)付加型界面活性剤[ノニルフェノールのEO40モル付加物等]、多価アルコール型界面活性剤(エトキシ化テトラメチルデシンジオール、ラウリン酸モノグリセライド等)等〕、ビニル重合性乳化剤[アニオン化合物(メタクリル酸スルホエチルナトリウム等)、カチオン化合物(メタクリル酸ジメチルアミノメチル等)等]等が挙げられる。
乳化剤の使用量は、(A)を構成するモノマーの合計重量に基づいて通常0.01〜15%、好ましくは0.5〜10%である。
懸濁重合における分散安定剤としては、水溶性高分子[例えば、ポリビニルアルコール(重合度200〜5,000)、ポリビニルピロリドン(Mw2,000〜1,000,000)等]および水に難溶性の無機化合物(例えば、ヒドロキシアパタイト、リン酸マグネシウム、硫酸バリウム等)が挙げられる。
また、分散安定剤の使用量は、(A)を構成するモノマーの合計重量に基づいて通常0.01〜15%、好ましくは0.1〜10%である。
上記重合は、種々の重合開始剤〔アゾ化合物[2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル等)]、パーオキシド(ベンゾイルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、ラウリルパーオキシド等)等〕を使用して行なうことができる。
また、重合反応における系内温度は通常−5〜150℃、温度制御の容易さの観点から好ましくは30〜120℃、反応時間は通常0.1〜50時間、残存モノマー低減および工業上の観点から好ましくは2〜24時間である。反応の終点は、残存モノマー量(重量%)が通常5以下、好ましくは1以下となることをガスクロマトグラフィー等で測定すること等により確認できる。
[ウレタンプレポリマー(B)]
本発明における(B)には、1分子中に2個〜6個(好ましくは2〜4個)またはそれ以上のイソシアネート基を有し、31,000〜100,000(好ましくは40,000〜70,000)のMwを有するイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(B1)、および、1分子中に2個〜6個(好ましくは2〜4個)またはそれ以上のヒドロキシル基(以下においてOH基という場合がある)を有し、31,000〜100,000(好ましくは40,000〜70,000)のMwを有するOH基末端ウレタンプレポリマー(B2)が含まれる。
イソシアネート基またはヒドロキシル基が2個未満では粘着剤の凝集力が低下する。また、Mwが31,000未満では粘着剤の凝集力が低下し、Mwが100,000を超えると塗工性が悪化する。
ウレタンプレポリマー(B)は、ポリイソシアネート(b1)と活性水素原子含有化合物(b2)とから形成される。
(b1)としては、従来からポリウレタン製造に使用されているものが使用でき、C2〜18(NCO基中の炭素を除く、以下同様)の脂肪族ポリイソシアネート、C4〜15の脂環式ポリイソシアネート、C6〜20の芳香族ポリイソシアネート、C8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネート、およびこれらのポリイソシアネートの変性物からなる群より選ばれる1種以上の化合物が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、ジイソシアネート[エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート等]、トリイソシアネート[1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネートおよびリジンエステルトリイソシアネート(リジンとアルカノールアミンとの反応生成物のホスゲン化物、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート、2−および/または3−イソシアナトプロピル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート等)、および上記ジイソシアネートの後述する変性物等]等が挙げられる。
脂環式ポリイソシアネートとしては、ジイソシアネート[イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、ノルボルナンジイソシアネート等]、トリイソシアネート[ビシクロヘプタントリイソシアネート、および上記ジイソシアネートの後述する変性物等]等が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、ジイソシアネート〔トリレンジイソシアネート(TDI)[2,4−および/または2,6−TDI]、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)[4,4’−および/または2,4’−MDI]、ナフチレンジイソシアネート(NDI)等〕、3官能またはそれ以上のポリイソシアネート[粗製TDI、粗製MDI(ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート)、および上記ジイソシアネートの後述する変性物等]等が挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、ジイソシアネート[キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、ジイソシアナトエチルベンゼン等]、トリイソシアネート[上記ジイソシアネートの後述する変性物等]等が挙げられる。
上記ポリイソシアネートの変性物としては、該ポリイソシアネートのNCO基の一部をカルボジイミド基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、ウレア基、ビュレット基、イソシアヌレート基および/またはウレタン基等に変性した化合物が挙げられる。
上記ウレタン基変性物としては、過剰量の上記に例示したポリイソシアネートおよびこれらの変性物から選ばれる少なくとも1種と、活性水素原子含有化合物とを反応させて得られるイソシアネート(以下においてNCOという場合がある)基末端ウレタンプレポリマー(遊離のポリイソシアネートが含まれる擬プレポリマーを含む)またはOH基末端ウレタンプレポリマーが挙げられる。該活性水素原子含有化合物としては、低分子多価アルコール[C2〜20の脂肪族および脂環含有ジオール(後述の脂肪族および脂環含有2価アルコール等)、C8〜15の芳香環含有ジオール(後述の芳香脂肪族2価アルコール等)、C3〜8のトリオール(後述の3価アルコール等)、4価〜6価またはそれ以上の多価アルコール(後述のもの)等]、2〜3価のポリ(n=2〜30)オキシアルキレン(C2〜4)等が挙げられる。
ウレタンプレポリマー(B)を構成する活性水素原子含有化合物(b2)としては、(b1)のイソシアネート基と反応可能な活性水素原子を含有する化合物であれば、特に限定はなく、従来からポリウレタン製造に使用されているもの、例えばポリオール(Mn200〜100,000)、アミン(C2以上かつMn100,000以下)、カルボン酸(C4以上かつMn100,000以下)等が挙げられ、これらは単独 でも2種以上を併用してもよい。
これらのうちで好ましいのはポリオール、並びに、ポリオールと、アミンおよび/またはカルボン酸との併用、さらに好ましいのはポリオールである。
該ポリオールとしては、ポリエーテルポリオール(b21)、ポリエステルポリオール(b22)、ポリオレフィンポリオール(b23)、アクリルポリオール(b24)、多価アルコール(b25)およびポリウレタンポリオール(b26)等が挙げられる。
これらのうち好ましいのは(b21)、(b22)、(b23)および(b25)、さらに好ましいのは、(b21)および(b22)である。
ポリエーテルポリオール(b21)は、下記一般式(1)で表される。

1−[(R2O)p−H]q (1)

[式中、R1は、q個の活性水素原子を有する化合物(b021)から水素原子を除いたq価の残基;R2は、ハロゲン、アリール基、ハロゲン置換アリール基もしくはシクロアルキル(C6〜10)基で置換されていてもよいC2〜12のアルキレン基;qは2〜16(好ましくは2〜6)の整数;pは1〜200(好ましくは2〜100、さらに好ましくは2〜80)の整数を表す。]
式中、q個の活性水素原子を有する化合物(b021)としては、アルコール(b021−1)、フェノール(b021−2)、アミン(b021−3)、カルボン酸、(b021−4)、チオール(b021−5)、リン含有酸(b021−6)、ポリビニルアルコール(b021−7)および(水添)ポリアルカジエンポリオール(b021−8)が挙げられる。
アルコール(b021−1)としては、C2以上かつMn100,000の多価アルコール、例えば下記のものが挙げられる。
(i)脂肪族アルコール
2価アルコール〔エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,2−、1,3−および1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール(以下NPGと略記)、1,3−、1,4−、1,6−および2,5−ヘキサンジオール(以下それぞれEG、PG、BD、NPG、HDと略記)、1,2−および1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオール、ジ(チオ)アルキレン(C2〜4)グリコール[ジエチレングリコール(以下DEGと略記)、チオジエチレングリコール等)等〕、3価アルコール[グリセリン(以下GRと略記)、トリメチロールプロパン(以下TMPと略記)等]、4価〜6価またはそれ以上の多価アルコール[ペンタエリスリトール(以下PEと略記)、ポリ(2〜6)グリセリン、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、ジペンタエリスリトール等]等;
(ii)糖類およびその誘導体
グルコース、フラクトース、ショ糖、マンノース、ラクトース、およびグリコシド(メチルグルコシド等)等;
(iii)脂環含有アルコール
2価アルコール[1−ヒドロキシメチル−1−シクロブタノール、1,2−、1,3−および1,4−シクロヘキサンジオール(以下CHDと略記)、1−メチル−3,4−シクロヘキサンジオール、2−および4−ヒドロキシメチルシクロヘキサノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビシクロアルキレン(シクロアルキレンのC6〜20)グ
リコール(1,1’−ジヒドロキシ−1,1’−ジシクロヘキシルメタン等)等]、3価アルコール[1,3,5−シクロヘキサントリメタノール等]等;
(iv)芳香脂肪族アルコール
1,4−ジヒドロキシメチルベンゼン、2−フェニル1,3−プロパンジオール、2−フェニル1,4−ブタンジオール、2−ベンジル1,3−プロパンジオール、トリフェニルエチレングリコール、テトラフェニルエチレングリコール、ベンゾピナコール等;
(v)その他の多価アルコール
ヒドロキシアルキル(C2〜4)(メタ)アクリレートの(共)重合体(Mn10,000〜100,000)等の2価〜10価またはそれ以上の多価アルコール等が挙げられる。
フェノール(b021−2)としては、単環多価フェノール[C6〜30、例えば2価(カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、ウルシオール等)、3価(ピロガロール等)、4価(1,2,4,5−テトラヒドロキシベンゼン等)];縮合多環2価フェノール[C10〜30、例えばジヒドロキシナフタレン、ビナフトール];ビスフェノール化合物[C13〜30、例えばビスフェノールA、−F、−C、−B、−ADおよび−S];ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−ブタン等が挙げられる。
アミン(b021−3)としては、2〜10個の活性水素原子を有する、C2以上かつMn2,000以下の、ポリアミンおよびアミノアルコール等、例えば下記のものが挙げられる。
(i) 脂肪族ポリアミン[2価(C2〜10、例えばエチレンジアミン、トリメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン)、3価(C4〜6、例えばジエチレントリアミン)等];
(ii) 複素環式ポリアミン(C4〜10、例えばピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、トリエチレンジアミン);
(iii) 脂環含有ポリアミン[2価(C6〜15、例えばジシクロヘキシルメタンジアミン、イソホロンジアミン)等];
(iv) 芳香環含有ポリアミン[2価(C6以上かつMn1,000以下、例えばフェニレンジアミン、トリレンジアミン、ジエチルトリレンジアミン、キシリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、ジフェニルエ−テルジアミン)、3価またはそれ以上(ポリフェニルメタンポリアミン等);
(v) アルカノールアミン(水酸基とアミノ基の合計数が2〜10のもので、C2〜12、例えばモノ−、ジ−およびトリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等);
(vi)ジカルボン酸(C2〜20)と過剰のポリアミン(C2〜20、例えば2〜10価の上記のもの)との縮合ポリアミドポリアミン(縮合度2〜20);
(vii)ポリエーテルポリアミン〔Mn200〜2,000、例えばポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキシエチレンジアミン、[N,N−ビス(2−アミノエチル)−N−ヒドロキシプロピル]アミン等〕。
カルボン酸(b021−4)としては、C2〜20のポリ(2〜10)カルボン酸、例えば脂肪族(コハク酸、アジピン酸等)、芳香族(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸等)および脂環含有ポリカルボン酸(シクロヘキサンジカルボン酸等)が挙げられる。
チオール(b021−5)としては、C2〜20のポリ(2〜8)チオール、例えばエチレンジチオール、プロピレンジチオール、1,3−および1,4−ブタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、3−メチルペンタンジチオール等が挙げられる。
リン含有酸(b021−6)としては、燐酸、亜燐酸、縮合リン酸(ピロリン酸、ポリリン酸等)、ホスホン酸、および部分アルキル(C1〜20)エステル(ジブチルピロリン酸等)等が挙げられる。
ポリビニルアルコール(b021−7)としては、Mn1,000〜50,000のポリビニルアルコールが挙げられる。
(水添)ポリアルカジエンポリオール(b021−8)としては、Mn200〜2,000、例えばポリブタジエンジオール、ポリイソプレンジオールおよびこれらの水素添加物が挙げられる。
これらの活性水素原子含有化合物(b021)のうち、(A)との相溶性の観点から好ましいのはアルコール(b021−1)およびフェノール(b021−2)、さらに好ましいのは2〜8価の、アルコールおよびビスフェノール、とくに好ましいのは2〜3価かつC2〜12のアルコールおよびビスフェノールである。
上記式(1)中、R2としては、エチレン、1,2−および1,3−プロピレン、1,2−,2,3−、1,3−、1,4−およびイソブチレン、オクチルエチレン、デシルエチレン、1−クロロ−2,3−プロピレン、ブロモプロピレン、フェニルエチレン、クロロフェニルエチレン、シクロヘキシルエチレンおよび1,2−シクロヘキシレン基等が挙げられる。これらのうち好ましいのはエチレン、プロピレンおよびブチレン基である。
ポリエーテルポリオール(b21)は、上記活性水素原子含有化合物(b021)にAOを付加させることにより得られ、該付加は、無触媒または触媒[アルカリ触媒(苛性アルカリ、例えば水酸化カリウム)、アミン触媒(C3〜12、例えばトリエチルアミン)、酸性触媒(トリフルオロホウ酸等)等]の存在下(とくにAO付加反応の後半の段階)、常圧または加圧下、1段階または多段階にて行なわれる。
AOとしては、EO、PO、1,2−,2,3−、1,3−および1,4−ブチレンオキシド(以下、BOと略記)、イソブチレンオキシド、1−クロロ−2,3−プロピレンオキシド、ブロモプロピレンオキシド、フェニルエチレンオキシド、クロロフェニルエチレンオキシド、シクロヘキシルエチレンオキシド、1,2−シクロヘキシレンオキシド、スチレンオキシド、α−オレフィンオキシドおよびこれらの2種以上の併用が挙げられる。これらのうち低温での粘着力および(A)との相溶性の観点から好ましいのはEO、POおよびBOである。
AOを2種以上併用する場合は、ブロック付加(チップ型、バランス型、活性セカンダリー型等)および/またはランダム付加のいずれでもよい。
(b21)のMnは、粘着特性の観点から好ましい下限は200、さらに好ましくは300、溶融粘度の観点から好ましい上限は20,000、さらに好ましくは10,000である。
ポリエステルポリオール(b22)としては、下記(1)〜(3)からなる群より選ばれる少なくとも1種のポリエステル形成性モノマー(b022)から構成されるものが使用できる。
(1)炭酸、もしくはジカルボン酸(b022−1)および/またはそのエステル形成性誘導体(b022−2)と、ジヒドロキシ化合物(b022−3)
(2)ラクトン(b022−4)
(3)ヒドロキシカルボン酸(b022−5)
(b022−1)のうちジカルボン酸としては、C2〜50のジカルボン酸、例えば下記の脂肪族、芳香環含有ジカルボン酸、脂環含有ジカルボン酸およびその他のジカルボン酸が挙げられる。
(i)脂肪族ジカルボン酸
飽和ジカルボン酸(C2〜25、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、メチルコハク酸、ジメチルマロン酸、β−メチルグルタル酸、エチルコハク酸、イソプロピルマロン酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジ酸、ウンデカンジ酸、ドデカンジ酸、トリデカンジ酸、テトラデカンジ酸、ヘキサデカンジ酸、オクタデカンジ酸およびイコサンジ酸)、不飽和ジカルボン酸(C4〜10、例えばマレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸);
(ii)芳香環含有ジカルボン酸
C8〜15、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、フェニルマロン酸、フェニルコハク酸、β−フェニルグルタル酸、α−フェニルアジピン酸、β−フェニルアジピン酸、ビフェニル−2,2’−および4,4’−ジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、5−スルホイソフタル酸ナトリウムおよび5−スルホイソフタル酸カリウム等;
(iii)脂環含有ジカルボン酸
C6〜20、例えば1,3−および1,2−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−、1,3−および1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−、1,3−および1,4−シクロヘキサンジ酢酸およびジシクロヘキシル−4,4’−ジカルボン酸等;
(iv)その他のジカルボン酸
C16〜50、例えばダイマー酸[高級脂肪酸(C8〜24、例えばオレイン酸リノール酸、リノレン酸)の二量体]およびこれらのカルボキシアルキル化物。
エステル形成性誘導体(b022−2)としては、上記ジカルボン酸の、エステル、酸無水物および酸ハライドが挙げられ、例えば、炭酸もしくは上記ジカルボン酸のジアルキル(C1〜4)エステル(ジメチルエステル、ジエチルエステル、ジブチルエステル等)およびジフェニルエステル、並びに酸無水物(無水フタル酸等)が挙げられる。
上記炭酸、ジカルボン酸およびそれらのエステル形成性誘導体はそれぞれ単独でも2種以上を併用してもよい。
これらのうち、(A)との相溶性の観点から好ましいのは、脂肪族ジカルボン酸では、アジピン酸、セバシン酸およびイコサンジ酸、芳香環含有ジカルボン酸では、テレフタル酸、イソフタル酸およびフタル酸、脂環含有ジカルボン酸では、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸および5−スルホイソフタル酸ナトリウム、エステル形成性誘導体では、炭酸ジメチル、炭酸ジフェニル、アジピン酸ジメチル、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチル、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩ジメチルエステルおよび5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩ジエチルエステル、さらに好ましいのは、アジピン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、5−スルホイソフタル酸ナトリウム、炭酸ジメチル、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチルおよび5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩ジメチルエステルである。
ジヒドロキシ化合物(b022−3)としては、グリコール(C2〜20)、フェノール、ポリオキシアルキレン(Mn200〜10,000)および上記グリコールもしくは前記フェノール(b021−2)のAO付加物(Mn200〜10,000)が挙げられる。
グリコールとしては、脂肪族(C2〜20)、脂環式(C5〜12)、および芳香脂肪族グリコール(C8〜26)等が挙げられ、これらのグリコールの具体例としては、前記の脂肪族、脂環式および芳香脂肪族2価アルコールが挙げられる。
フェノールとしては、前記例示したものが挙げられる。
ポリオキシアルキレンおよびグリコールもしくはフェノール化合物のAO付加物としては、前記(b21)を表す一般式(1)においてqが2である、2個の活性水素原子を有するもの、およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。上記ジオールは、それぞれ単独でも2種以上を併用してもよい。
これらのうち、取り扱いの容易さの観点から好ましいのはEG、PG、BD(とくに1,4−BD)、NPG、HD(とくに1,6−HD)、CHD、ポリエチレングリコール(以下PEGと略記)、ポリプロピレングリコール(以下PPGと略記)、ポリテトラメチレングリコール(以下PTMGと略記)、ビスフェノールAのEO付加物およびビスフェノールAのPO付加物、さらに好ましいのはEG、1,4−BD、1,6−HD、PEG、PTMG、ビスフェノールAのEO付加物およびビスフェノールAのPO付加物である。
上記ジオールの分子量は、塗工の容易さの観点から好ましくは10,000以下、さらに好ましくは4,000以下、とくに好ましくは62〜3,000である。
ラクトン(b022−4)としては、C4〜20のラクトン、例えばγ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、γ−ピメロラクトン、γ−カプリロラクトン、γ−デカノラクトン、エナントラクトン、ラウロラクトン、ウンデカノラクトン、エイコサノラクトンおよびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
これらのうち取り扱いの容易さの観点から好ましいのはγ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、エナントラクトンおよびラウロラクトンである。
ヒドロキシカルボン酸(b022−5)としては、C2〜20のヒドロキシカルボン酸、例えばヒドロキシ酢酸、乳酸、ω−ヒドロキシカプロン酸、ω−ヒドロキシエナント酸、ω−ヒドロキシカプリル酸、ω−ヒドロキシペルゴン酸、ω−ヒドロキシカプリン酸、11−ヒドロキシウンデカン酸、12−ヒドロキシドデカン酸、20−ヒドロキシエイコサン酸およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
これらのうち取り扱いの容易さの観点から好ましいのはω−ヒドロキシカプロン酸、11−ヒドロキシウンデカン酸および12−ヒドロキシドデカン酸である。
ポリエステルポリオール(b22)は、上記ポリエステル形成性モノマー(b022)を用い、特公昭58−19696号公報に記載の方法等の方法で製造することができる。
ポリエステル形成反応に際しては、無触媒でも、エステル化触媒を使用してもよい。
エステル化触媒としては、プロトン酸(リン酸等)、金属(アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、IIB、IVA、IVBおよびVA金属等)の、塩(有機酸塩、炭酸塩、硫酸塩、リン酸塩等)、酸化物、塩化物、水酸化物およびアルコキシド等が挙げられる。
これらのうち反応生成物の色調の観点から好ましいのは、三酸化アンチモン、モノブチルスズオキシド、テトラブチルチタネート、テトラブチルジルコネート、酢酸ジルコニルおよび酢酸亜鉛である。
エステル化触媒の使用量は、所望の分子量が得られる量であれば特に制限はないが、反応性および反応生成物の色調の観点から、(b22)の重量に基づいて、好ましい下限は0.005、さらに好ましくは0.1、好ましい上限は5%、さらに好ましくは1.0%である。
(b22)のMnは、粘着剤の粘着力および粘着剤組成物の塗工の容易さの観点から、下限は好ましくは500、さらに好ましくは800、上限は好ましくは20,000、さらに好ましくは10,000である。
ポリオレフィンポリオール(b23)としては、炭化水素を主鎖とし、末端に水酸基を有する炭化水素ポリオールであり、オレフィンおよび/またはジエンモノマーを重合して末端を水酸基化したものおよびその二重結合部分に水添して得られるものが使用できる。
オレフィンまたはジエンモノマーとしては、C2〜16、例えばオレフィン(エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン等)、ジエンモノマー(ブタジエン、イソプレン等)が挙げられる。
(b23)のMnは、粘着剤の粘着力および粘着剤組成物の塗工の容易さの観点から、下限は好ましくは500、さらに好ましくは1,000、上限は好ましくは10,000、さらに好ましくは6,000である。
アクリルポリオール(b24)としては、ヒドロキシル基を含有する(メタ)アクリレート単量体の(共)重合体が使用できる。
ヒドロキシル基を含有する(メタ)アクリレート単量体の具体例としては、前記(a22)として例示したものが使用できる。また、これらの単量体を重合する際に、ヒドロキシル基を含有しないビニル単量体を任意に共重合させてもよい。
ヒドロキシル基を含有しないビニル単量体としては、(A)を構成する前記(a1)が使用できる。
(b24)のMnは、特に限定されないが、粘着剤の粘着力および粘着剤組成物の塗工の容易さの観点から、下限は好ましくは500、さらに好ましくは1,000、上限は好ましくは10,000、さらに好ましくは6,000である。
多価アルコール(b25)としては、前記(b021−1)として例示したものが使用できる。
これらのうち、(A)との相溶性の観点から好ましいのはEG、PG、BD、HD、3−メチルペンタンジオール、NPG、GR、TMP、PE、ジGR、α−メチルグルコシド、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、ジPE、グルコース、フラクトース、ショ糖、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4,4’−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンおよび1,4−ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン、さらに好ましいのはEG、PG、1,4−BD、HD、NPG、GRおよびTMPである。
ポリウレタンポリオール(b26)としては、前記ポリイソシアネート(b1)のうちのジイソシアネートと、(b2)のうちのヒドロキシル基を2個含有するものをウレタン化反応により、伸長し両末端ヒドロキシル化したものが使用できる。
(b26)のMnは、特に限定されないが、粘着剤の粘着力の観点から、下限は好ましくは500、さらに好ましくは1,000であり、上限は好ましくは10,000、さらに好ましくは6,000である。
(b2)のうち、アミンとしては、上記(b21)〜(b26)のヒドロキシル基をアミノ基に変性したものおよび前記(b021−3)として例示したもの等が挙げられる。 (b21)〜(b26)のヒドロキシル基をアミノ基に変性する方法としては、例えば、(b21)のヒドロキシル基をシアノアルキル化して得られるシアノアルキル基を還元しアミノアルキル化する方法[例えば、ヒドロキシル基を有する(b21)とアクリロニトリルまたはノネンニトリルとを反応させ、得られるシアノエチル化物を水素添加する方法]等が挙げられる。
本発明における、1分子中に2個〜6個またはそれ以上の、イソシアネート基もしくはヒドロキシル基を有するウレタンプレポリマー(B)は、ポリイソシアネート(b1)と活性水素原子含有化合物(b2)とをウレタン化反応させることにより得られ、(b1)と(b2)の当量比(NCO/OH当量比)を調整することで、(B)のうち末端にイソシアネート基を有するもの(B1)と、末端にヒドロキシル基を有するもの(B2)とを作り分けることができる。
(B1)の場合、NCO%は、粘着剤の凝集力および塗工性の観点から好ましくは0.08〜1.5%、さらに好ましくは0.1〜0.8%である。
(B)のTgは、粘着剤の粘着力の観点から、下限は好ましくは−70℃、さらに好ましくは−60℃、粘着剤のタックの観点から上限は好ましくは80℃、さらに好ましくは50℃である。
(B)を製造する際には、ウレタン化触媒を使用してもよく、ウレタン化触媒としては、金属化合物、アミン(塩)およびこれらの混合物等、種々のものが使用できる。
金属化合物としては、錫触媒[トリメチルチンラウレート、トリメチルチンヒドロキシド、ジメチルチンジラウレート、ジブチルチンジアセテート、−マレエートおよび−ラウレート、スタナスオクトエート等]、鉛触媒[オレイン酸鉛、2−エチルヘキサン酸鉛、ナフテン酸鉛、オクテン酸鉛等]、その他の金属触媒[ナフテン酸金属塩(ナフテン酸コバルト等)、フェニル水銀プロピオン酸塩等]等;アミンとしては、脂肪族アミン(C4〜20、例えばトリエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチルヘキシレンジアミン)、アルカノールアミン(C4〜20、例えばジエチルエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン)、複素環アミン(C6〜30、例えばトリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン)、ジアザビシクロアルケン{1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7〔DBU[登録商標、サンアプロ(株)製]〕等}等;アミン塩としては、アミン〔C3〜30、例えばジアルキル(アルキル基のC1〜6)アミノアルキル(C2〜12)アミン[ジメチルアミノエチルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジブチルアミノエチルアミン、ジメチルアミノオクチルアミン、ジプロピルアミノプロピルアミン等]、複素環式アミノアルキルアミン[2−(1−アジリジニル)エチルアミン,4−(1−ピペリジニル)−2−ヘキシルアミン等]〕の炭酸塩および有機酸(ギ酸等)塩等が挙げられる。
ウレタン化触媒の使用量は、(B)の重量に基づいて、通常1%以下、本発明の粘着剤組成物の塗工性の観点から、好ましくは0.001〜0.1%、とくに好ましくは0.002〜0.05%である。
イソシアネート基を有する(B)のイソシアネート基は、ブロック剤でブロックされていてもよい。ブロック剤としては、フェノール化合物、活性メチレン化合物、ラクタム、オキシム、アルコール、2級芳香族アミン、メルカプト化合物、イミダゾール化合物、酸アミド、酸イミドおよび重亜硫酸塩等が挙げられる。
フェノール化合物としては、C6〜24、例えばフェノール、クレゾール、キシレノール、トリメチルフェノール、エチルフェノール、プロピルフェノール、クロロフェノール、ニトロフェノール、チモール、モノ−、ジ−およびトリ−α−フェニルエチルフェノールt−ブチルフェノールおよびヒドロキシナフタレン等;活性メチレン化合物としては、C4〜20、例えばアセト酢酸エステル(アセト酢酸エチル、アセト酢酸ブチル等)、マロン酸ジエステル(マロン酸ジエチル、マロン酸エチルブチル、マロン酸エチルベンジル等)、アセチルアセトン、および1−フェニル−3−メチル−5−ピラゾロン;ラクタムとしては、C4〜12、例えばε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタムおよびβ−プロピオラクタム;オキシムとしては、C3〜12、例えばアセトオキシム、メチルエチルケトンオキシム、シクロヘキサノンオキシム、マルドオキシム、アセトアルドオキシム、ベンゾフェノンオキシムおよびジエチルグリオキシム;アルコールとしては、C1〜24、例えばメタノール、エタノール、n−ブタノール、t−ブチルアルコール、t−アミルアルコール、ジメチルエチニルカルビノール、ジメチルフェニルカルビノール、メチルジフェニルカルビノール、トリフェニルカルビノール、1−ニトロ−t−ブチルカルビノール、1−クロロ−t−ブチルカルビノールおよびトリフェニルシリノール;2級芳香族アミンとしては、C6〜20、例えばジフェニルアミン、o−、m−、p−ジトルイルアミン、N−ナフチルトルイジン、N−ナフチルキシリジン、フェニルα−ナフチルアミン、フェニルβ−ナフチルアミン、カルバゾール、2,2’−ジニトロジフェニルアミンおよび2,2’−ジクロロフェニルアミン;メルカプト化合物としては、C1〜18、例えば2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトチアゾリン、ドデシルメルカプタン、エチル2−メルカプトチアゾール、2−メルカプト5−クロロベンゾチアゾール、メチルメルカプタン、エチルメルカプタン、プロピルメルカプタン、ブチルメルカプタン、フェニルメルカプタン、トルイルメルカプタン、エチルフェニルメルカプタンおよびエチニルジメチルチオカルビノール;イミダゾール化合物としては、C3〜10、例えばイミダゾールおよび2−エチルイミダゾール;酸アミド化合物としては、C3〜50、例えばアセトアニリド、アクリルアミドおよびダイマー酸アミド;酸イミドとしては、C4〜10、例えばコハク酸イミド、フタル酸イミドおよびグルタル酸イミド;重亜硫酸塩としては、二亜硫酸ナトリウム亜硫酸水素ナトリウム亜硫酸水素アンモニウム水溶液重亜硫酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
(B)の製造方法としては、例えば、温度制御機能を備えた反応槽に(b1)、(b2)および必要によりウレタン化触媒を仕込み、30分〜12時間にわたって、好ましくは反応温度50〜200℃で連続的に反応させる方法や、(b1)、(b2)および必要によりウレタン化触媒を2軸エクストルーダーに流し込み、好ましくは温度100〜220℃で連続的に反応させる方法等が挙げられる。
(B)のMwは31,000〜100,000、凝集力の観点から下限は好ましくは40,000、塗工性の観点から上限は好ましくは70,000である。
(B)のMwの測定法は、(B)がイソシアネート基末端を有する場合、すなわち(B1)の場合は、(B)に過剰のメタノールを加えイソシアネート基をブロックした後、未反応のメタノールを減圧留去したものについて、また、OH基末端を有する場合、すなわち(B2)の場合はそのまま、前記のGPC条件で測定することができる。
本発明の粘着剤組成物は、ウレタンプレポリマー(B)がイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(B1)である場合は、前記ハイドロカルビル(メタ)アクリレート共重合体(A)、(B1)、および必要により後述する架橋剤(C)を含有してなり、ウレタンプレポリマー(B)がOH基末端ウレタンプレポリマー(B2)である場合は、該(A)、(B2)および後述する架橋剤(C)を含有してなる。
ウレタンプレポリマー(B)がイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(B1)である場合、粘着剤組成物中の(A)と(B1)の合計含有量(重量%)は、粘着剤の粘着力およびタックの観点から好ましくは10%以上、さらに好ましくは20〜100%、とくに好ましくは40〜100%である。
また、ウレタンプレポリマー(B)がOH基末端ウレタンプレポリマー(B2)である場合、粘着剤組成物中の(A)および(B2)の合計含有量(重量%)は、粘着力およびタックの観点から好ましくは10%以上、さらに好ましくは20〜99.9%、とくに好ましくは40〜99%である。
本発明における(A)と(B)の重量比[(A)/(B1)または(A)/(B2)]は、(A)/(B1)の場合は、粘着力、タックおよび剥離性の観点から好ましくは60/40〜99/1、さらに好ましくは70/30〜95/5、とくに好ましくは85/15〜93/7、(A)/(B2)の場合は、粘着力、タックおよび剥離性の観点から好ましくは82/18〜99/1、さらに好ましくは85/15〜98/2、とくに好ましくは90/10〜97/3である。
本発明の粘着剤組成物は、ウレタンプレポリマー(B)がOH基末端ウレタンプレポリマー(B2)である場合は、(A)および(B2)中の活性水素原子と反応する反応性官能基を1分子中に2〜5(好ましくは2〜4)個有する架橋剤(C)がさらに加えられる。
該(C)を加えることにより、粘着剤の凝集力が発現されることとなる。
また、ウレタンプレポリマー(B)がイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(B1)である場合は、該(C)をさらに加えてもよい。該(C)を加えることにより、粘着剤の凝集力をさらに向上させることができる。
架橋剤(C)としては、(B)を除くポリ(2〜3またはそれ以上)イソシアネート、ポリエポキシド、多価金属化合物、ヒドラジド、オキサゾリン化合物およびアジリジン化合物からなる群より選ばれる1種以上の化合物が挙げられる。
上記ポリイソシアネートとしては、(b1)として例示した脂肪族、脂環式、芳香(脂肪)族ポリイソシアネートおよびこれらのポリイソシアネートの変性物からなる群より選ばれる1種以上の化合物が挙げられる。
ポリイソシアネートの変性物としては、該ポリイソシアネートのNCO基の一部をカルボジイミド基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、ウレア基、ビュレット基および/またはイソシアヌレート基等に変性したものが挙げられる。
上記ポリイソシアネートまたはその変性物はブロック剤でブロックされていてもよい。ブロック剤としては、(B)のブロック剤として例示したものが使用できる。
上記ポリエポキシドとしては、エポキシ当量80〜2,500のもの、例えばグリシジルエーテル(ビスフェノールAおよび−Fジグリシジルエーテル、ピロガロールトリグリシジルエーテル、EGジグリシジルエーテル、PGジグリシジルエーテル、NPGジグリシジルエーテル、TMPトリグリシジルエーテル、GRトリグリシジルエーテル、PEG(Mn200〜2,000)ジグリシジルエーテル、PPG(Mn200〜2,000)ジグリシジルエーテル、ビスフェノールAのAO1〜20モル付加物のジグリシジルエーテル等];グリシジルエステル(フタル酸、ダイマー酸およびアジピン酸ジグリシジルエステル、トリメリット酸トリグリシジルエステル等);グリシジルアミン[N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジルトルイジン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルキシリレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルヘキサメチレンジアミン等];脂肪族エポキシド(エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化大豆油等);脂環式エポキシド(リモネンジオキシド、ジシクロペンタジエンジオキシド等)等が挙げられる。
上記多価金属化合物としては、多価(2〜3価)金属[IB族(Cu等)、IIA族(Mg、Ca等)、IIB族(Zn等)、IIIA族(Al等)、IVA族(Sn、Pb等)、IVB族(Zr等)、VIII族(Fe、Co、Ni等)等]のキレート化合物(βジケトン、アセチルアセトン、アセト酢酸エステル等のキレーターとのキレート化合物){アルミニウムキレート化合物〔アルミニウムアセチルアセトナート[川研ファインケミカル(株)製「アルミキレートA(W)」等]等〕;ロジン金属塩(Ca、Zn等の硬化ロジン);(ポリ)カルボン酸(C4〜20)金属塩[(ポリ)カルボン酸(酢酸、ステアリン酸、コハク酸等)の金属(上記多価金属に同じ。)塩]等が挙げられる。
上記ヒドラジドとしては、カルボン酸(C2〜15、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸)のジヒドラジド、アルキレン(C2〜6)ジヒドラジド(エチレン−1,2−ジヒドラジド、プロピレン−1,3−ジヒドラジド等)等が挙げられる。
上記オキサゾリン化合物としては、C3〜10、例えば2−オキサゾリン、2−メチル−オキサゾリン、2−エチル−2−オキサゾリン、2−イソプロピル−2−オキサゾリン、2−n−プロピル−2−オキサゾリンが挙げられる。
上記アジリジン化合物としては、C10〜50、例えば1,1’−(メチレン−ジ−p−フェニレン)ビス−3,3−アジリジニル尿素、1,1’−(ヘキサメチレン)ビス−3,3−アジリジニル尿素、エチレンビス−(2−アジリジニルプロピオネート)、2,
4,6−トリアジリジニル−1,3,5−トリアジン、TMP−トリス−(2−アジリジニルプロピオネート)が挙げられる。
(C)のうち凝集力の観点から好ましいのは、オキサゾリン化合物、およびさらに好ましいのはポリエポキシド、多価金属化合物およびアジリジン化合物である。
(C)の使用量は特に限定されないが、粘着剤のタックおよび凝集力の観点から、(B)がイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(B1)である場合は、(A)中の活性水素原子含有基と(C)中の反応性官能基との当量比が、好ましくは1/0.01〜1/1.5、さらに好ましくは1/0.02〜1/1となる量であり;(B)がOH基末端ウレタンプレポリマー(B2)である場合は、(A)および(B2)中の活性水素原子含有基と(C)中の反応性官能基との当量比が好ましくは1/0.01〜1/1.5、さらに好ましくは1/0.02〜1/1となる量である。
本発明の粘着剤組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて粘着付与樹脂(D1)、可塑剤(D2)、充填剤(D3)、顔料(D4)、紫外線吸収剤(D5)および酸化防止剤(D6)からなる群から選ばれる少なくとも1種の添加剤(D)をさらに含有させることができる。
粘着付与樹脂(D1)としては、例えばテルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、フェノール樹脂、芳香族炭化水素変性テルペン樹脂、ロジン樹脂、変性ロジン樹脂、合成石油樹脂(脂肪族、芳香族および脂環式合成石油樹脂等)、クマロン−インデン樹脂、キシレン樹脂、スチレン系樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、およびこれらのうちの水素添加可能な不飽和二重結合を有するものの水素添加物等が挙げられる。(D1)は1種でも2種以上組み合わせて用いてもよい。
(D1)の使用量は、(A)および(B)の合計重量に基づいて、通常100%以下、粘着剤の粘着力とタックの観点から好ましくは5〜50%である。
可塑剤(D2)としては、炭化水素[プロセスオイル、液状ポリブタジエン、液状ポリイソブチレン、液状ポリイソプレン、流動パラフィン、塩素化パラフィン、パラフィンワックス、エチレンとα−オレフィン(C3〜20)の共重合(重量比99.9/0.1〜0.1/99.9)オリゴマー(Mw5,000〜100,000)、プロピレンとエチレンを除くα−オレフィン(C4〜20)の共重合オリゴマー(重量比99.9/0.1〜0.1/99.9)オリゴマー(Mw5,000〜100,000)];塩素化パラフィン;エステル〔フタル酸エステル[ジエチルフタレート(DEP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジ−2−エチルヘキシルフタレート(DOP)、ジデシルフタレート、ジラウリルフタレート、ジステアリルフタレート、ジイソノニルフタレート等]、アジピン酸エステル[ジ(2−エチルヘキシル)アジペート(DOA)、ジオクチルアジペート等]およびセバチン酸エステル(ジオクチルセバケート等)等〕;動植物油脂(リノール酸、リノレン酸等);およびこれらのうちの水素添加可能な不飽和二重結合を有するものの水素添加物等が挙げられる。可塑剤は1種でも2種以上組み合わせて用いてもよい。
可塑剤の使用量は、(A)および(B)の合計重量に基づいて、通常100%以下、粘着材の粘着力と凝集力の観点から好ましくは2〜30%である。
充填剤(D3)としては、炭酸塩(炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等)、硫酸塩(硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等)、亜硫酸塩(亜硫酸カルシウム等)、二硫化モリブデン、けい酸塩(けい酸アルミニウム、けい酸カルシウム等)、珪藻土、珪石粉、タルク、シリカ、ゼオライト等が挙げられる。
上記充填剤は、体積平均粒径が好ましくは0.01〜5μm程度の微粒子であり、1種でも2種以上組み合わせて用いてもよい。
充填剤の使用量は、(A)および(B)の合計重量に基づいて、通常250%以下、粘着剤のタックと凝集力の観点から好ましくは5〜100%である。
顔料(D4)としては、無機顔料(アルミナホワイト、グラファイト、酸化チタン、超微粒子酸化チタン、亜鉛華、黒色酸化鉄、雲母状酸化鉄、鉛白、ホワイトカーボン、モリブデンホ
ワイト、カーボンブラック、リサージ、リトポン、バライト、カドミウム赤、カドミウム水銀赤、ベンガラ、モリブデン赤、鉛丹、黄鉛、カドミウム黄、バリウム黄、ストロンチウム黄、チタン黄、チタンブラック、酸化クロム緑、酸化コバルト、コバルト緑、コバルト・クロム緑、群青、紺青、コバルト青、セルリアン青、マンガン紫、コバルト紫等)、および有機顔料(シェラック、不溶性アゾ顔料、溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、フタロシアニンブルー、染色レーキ等)が挙げられる。
上記顔料は、体積平均粒径が好ましくは0.01〜5μm程度の微粒子であり、1種でも2種以上組み合わせて用いてもよい。
顔料の使用量は、(A)および(B)の合計重量に基づいて、通常250%以下、粘着剤のタックと凝集力の観点から好ましくは1〜100%である。
紫外線吸収剤(D5)としては、サリチル酸誘導体(サリチル酸フェニル、サリチル酸−P−オクチルフェニル、サリチル酸−P−第三ブチルフェニル等)、ベンゾフェノン化合物[2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−5−スルホベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン・トリヒドレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロキシ)プロポキシベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニル)メタン等]、ベンゾトリアゾール化合物{2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチル−フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ−ル、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチル−フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−n−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾ―ル、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(3”,4”,5”,6”−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]等}、シアノアクリレート化合物(2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート等)等が挙げられる。 紫外線吸収剤は、1種でも2種以上組み合わせて用いてもよい。
(D5)の使用量は、(A)および(B)の合計重量に基づいて、通常5%以下、紫外線吸収効果および粘着剤の粘着力の観点から好ましくは0.1〜1%である。
酸化防止剤(D6)としては、ヒンダードフェノール化合物〔トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等〕および亜リン酸エステル化合物[トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレン−ジ−ホスホナイト等]が挙げられる。これらの酸化防止剤は、1種でも2種以上組み合わせて用いてもよい。
(D6)の使用量は、(A)および(B)の合計重量に基づいて、通常5%以下、酸化防止効果および粘着剤の粘着力の観点から好ましくは0.05〜1%である。
上記各種添加剤の合計含量は、(A)および(B)の合計重量に基づいて、通常60%以下、粘着材の粘着力およびタックの観点から好ましくは30%以下、さらに好ましくは0.1〜20%である。
本発明の粘着剤組成物には、塗工時の取り扱い易さの観点から溶剤を加えて塗工液とすることが好ましい。溶剤としては、エステル(C2〜8、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル)、アルコール(C1〜8、例えばメタノール、エタノール、オクタノール)、炭化水素(C4〜8、例えばn−ブタン、シクロヘキサン、トルエン)、ケトン(C3〜9、例えばメチルエチルケトン)およびこれらの混合物等が挙げられる。
溶剤の使用量は、(A)および(B)の合計重量に基づいて、通常1,000重量%以下、塗工時の取り扱い易さの観点から好ましくは10〜500重量%である。
また、該塗工液の粘度(mPa・s/0〜40℃)は塗工時の取り扱い易さの観点から、好ましくは100〜100,000、さらに好ましくは500〜70,000、とくに好ましくは1,000〜50,000である。
本発明の粘着剤組成物は、(A)、(B1)および必要により(C)、もしくは(A)、(B2)および(C)、並びに各種添加剤を種々の混合装置(撹拌機を付した混合槽、スタティックミキサー等)で均一に混合することにより製造できる。
該組成物は種々の塗工装置(グラビアコータ、ロールコータ、リバースコータ、ドクターブレード、バーコータ、コンマコータ、ファウンテンダイコータ、リップコータ、ナイフコータ等)を用いて塗布することができる。
該組成物を塗布する支持体としては、各種プラスチック[ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、レーヨン、ポリアミド等]のフィルム、シート、フォームおよびフラットヤーン、紙(和紙、クレープ紙等)、金属板もしくは金属箔、織布、不織布および木材が挙げられる。本発明の粘着剤組成物はこれらの支持体の片面もしくは両面の少なくとも一部に直接塗布される。
該塗布物を熱風(60〜150℃)、(近)赤外線、高周波等のエネルギーにより加熱(60〜150℃)して溶剤あるいは分散媒の乾燥を行うとともに、該組成物中での反応を進行させ、さらに室温で3〜7日間程度または45℃で12〜72時間程度養生を行うことにより、該組成物を硬化させてなる粘着剤を、支持体の片面もしくは両面の少なくとも一部に有する粘着テープまたは粘着シートを製造することができる。
あるいは、本発明の粘着剤組成物を離型フィルム等に上記と同様に塗布した後、乾燥し、硬化させて得られる粘着剤を上記支持体に(加圧)転写する方法でも、該粘着テープまたは粘着シートを製造することができる。
乾燥・硬化後の粘着剤の塗膜厚さは、通常5〜250μm、粘着剤の粘着力の観点から好ましくは10〜100μmである。
本発明の粘着テープまたは粘着シートは、可塑剤(DOP等)の溶解性が低く、支持体および/または被着体として可塑剤を含有するプラスチック(ポリ塩化ビニル等)を使用した場合でも、可塑剤移行による粘着性の経時変化が少ない。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下において、「部」は重量部、「%」は重量%を示す。
製造例1
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロートおよび窒素ガス導入管を付した反応容器に、酢酸エチル197部を仕込み78℃に昇温した。次いで2−エチルヘキシルアクリレート280部、n−ブチルアクリレート140部、アクリル酸47部を配合したモノマー配合液と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.1部を酢酸エチル90部に溶解した開始剤溶液とを反応容器内に窒素を吹き込みながら、別々の滴下ロートから4時間かけて連続的に滴下してラジカル重合させた。 滴下終了後、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.4部を酢酸エチル43部に溶解した開始剤溶液を滴下ロートを用いて2時間かけて連続的に追加した。さらに、沸点で重合反応を2時間継続した後、酢酸エチル372部を加え均一にしてハイドロカルビルアクリレート共重合体(A−1)の溶液を得た。(A−1)の溶液の粘度は25℃で2,700mPa・s、固形分濃度は40%、(A−1)のMwは53万、活性水素当量は710であった。
製造例2
製造例1において2−エチルヘキシルアクリレート280部、n−ブチルアクリレート140部、アクリル酸47部に代えて、2−エチルヘキシルアクリレート140部、n−ブチルアクリレート280部、アクリル酸37部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート10部を用いたこと以外は製造例1と同様にして、ハイドロカルビル(メタ)アクリレート共重合体(A−2)の溶液を得た。(A−2)の溶液の粘度は25℃で3,100mPa・s、固形分濃度は40%、(A−2)のMwは60万、活性水素当量は910であった。
製造例3
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロートおよび窒素ガス導入管を付した反応容器に、酢酸エチル292部を仕込み78℃に昇温した。次いでn−ブチルアクリレート592部、アクリル酸6部を配合したモノマー配合液と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.3部を酢酸エチル74部に溶解した開始剤溶液とを反応容器内に窒素を吹き込みながら、別々の滴下ロートから4時間かけて連続的に滴下してラジカル重合させた。 滴下終了後、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.8部を酢酸エチル73部に溶解した開始剤溶液を滴下ロートを用いて2時間かけて連続的に追加した。さらに、沸点で重合反応を2時間継続した後、酢酸エチル265部を加え均一にしてハイドロカルビルアクリレート共重合体(A−3)の溶液を得た。(A−3)の溶液の粘度は25℃で9,700mPa・s、固形分濃度は46%、(A−3)のMwは88万、活性水素当量は7,200であった。
製造例4
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロートおよび窒素ガス導入管を付した反応容器に、酢酸エチル402部を仕込み78℃に昇温した。次いでn−ブチルアクリレート510部、アクリル酸90部を配合したモノマー配合液と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.3部を酢酸エチル50部に溶解した開始剤溶液とを反応容器内に窒素を吹き込みながら、別々の滴下ロートから4時間かけて連続的に滴下してラジカル重合させた。 滴下終了後、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.9部を酢酸エチル50部に溶解した開始剤溶液を滴下ロートを用いて2時間かけて連続的に追加した。さらに、沸点で重合反応を2時間継続した後、酢酸エチル325部を加え均一にしてハイドロカルビルアクリレート共重合体(A−4)の溶液を得た。(A−4)の溶液の粘度は25℃で7,600mPa・s、固形分濃度は42%、(A−4)のMwは69万、活性水素当量は480であった。
製造例5
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロートおよび窒素ガス導入管を付した反応容器にIPDI 55部とPPG[商品名「サンニックスPP−2000」、三洋化成工業(株)製、Mn2,000、以下同じ。]445部を仕込み、さらにウレタン化触媒[商品名「ネオスタン U−600」、日東化成(株)製、以下同じ]IPDIとPPGの合計重量に対して20ppmを仕込み90℃で6時間かけてウレタン化反応を行いイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(B−1)を得た。(B−1)のMwは10万、NCO%は0.3であった。
製造例6
製造例5において、PPG 445部に代えて同444部を用い、さらにTDI(3モル)とTMP(1モル)との反応物の75%酢酸エチル溶液[商品名「コロネートL」、日本ポリウレタン(株)製、以下同じ。]を1部用いたこと以外は製造例5と同様にして、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(B−2)を得た。(B−2)のMwは7.2万、NCO%は0.5であった。
製造例7
製造例5において、IPDI 55部に代えて水添MDI[商品名「デスモジュールW」、住化バイエルウレタン(株)製、以下同じ。] 51部、PPG 445部に代えて同449部を用いたこと以外は製造例5と同様にして、ヒドロキシル基末端ウレタンプレポリマー(B−3)を得た。(B−3)のMwは3.1万であった。
製造例8
製造例7において、水添MDI 51部に代えて同56部、PPG449部に代えて同443部、さらにグリセリンPO付加物(Mn3,000)[商品名「サンニックスGP−3000」、三洋化成工業(株)製]を1部用いたこと以外は製造例7と同様にして、ヒドロキシル基末端ウレタンプレポリマー(B−4)を得た。(B−4)のMwは6.3万であった。
製造例9
製造例7において、水添MDI 51部に代えて同 69部、PPG449部に代えて同431部を用いたこと以外は製造例7と同様にして、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(比B−1)を得た。(比B−1)のMwは2.7万、NCO%は0.8であった。
製造例10
製造例7において、水添MDI 51部に代えてIPDI 49部、PPG449部に代えて同451部を用いたこと以外は製造例7と同様にして、ヒドロキシル基末端ウレタンプレポリマー(比B−2)を得た。(比B−2)のMwは11万であった。
実施例1
(A−1)の溶液225部(固形分90部)と(B−2)10部を混合して、粘着剤組成物(X−1)を得た。
(X−1)をポリエステルフィルム[商品名「ルミラー タイプT」、東レ(株)製]支持体の片面に乾燥後の膜厚が30μmになるようにアプリケーターを用いて塗工し、100℃で2分間熱風乾燥し、さらに40℃で2日間養生し粘着テープの試験片を作成した。
実施例2〜8、比較例1〜6
表1の配合組成に従って、実施例1と同様にして各粘着テープの試験片を作成した。また、架橋剤としては、コロネートL(C−1)、MDI[商品名「MILLIONATE MT」、日本ポリウレタン工業(株)製](C−2)、ソルビトールポリグリシジルエーテル[商品名「デナコール EX−612」、ナガセケムテックス(株)製](C−3)を用いた。
上記得られた粘着テープの試験片について下記の方法で性能評価した。結果を表1に示す。
表1の結果から、本発明の粘着剤組成物から得られる粘着テープ(実施例1〜8)は比較例の粘着テープに比べて、粘着特性のバランス、とくに粘着力と保持力(耐クリープ性)の両立に優れ、温度依存性が小さいこと、剥離時における被着体汚染が少ないこと、および高温下でも耐クリープ性が良好であることがわかる。
[性能評価方法]
(1)粘着力
JIS−Z−0237に従い、常温(23℃)および低温(5℃)で、貼り付け1時間後の粘着力を測定した。被着体にはステンレス板(SUS304)を用いた。
(2)剥離性
ステンレス板(SUS304)を基材として、貼り付け面積が幅25mm×長さ100mmとなるように試験片を2kg荷重のローラーで1往復させて貼り付け、60℃で6時間保管した後、常温(23℃)×2時間後に、同温度で試験片を、300mm/分の速度で180°剥離を行い基材表面の曇り、糊残り等の汚染の有無、程度を目視で下記の基準により判定した。

○ 基材表面に曇りおよび糊残りなし。
× 基材表面に曇りまたは糊残りが認められる。
(3)保持力(耐クリープ性)
JIS−Z−0237に従い60℃で24時間保持力(凝集力)を測定した。被着体にはステンレス板(SUS304)を用いた。ここにおいて保持力は耐クリープ性の指標となる。
本発明の粘着剤組成物を硬化させて得られる粘着剤は、粘着特性のバランス(特に、粘着力と凝集力の両立)に優れ、温度依存性が小さく、高温下での耐クリープ性にも優れることから、包装用(冷凍食品の包装、野菜等の結束等)、マーキング用(自動車のモール類、エンブレム・マーク等)、マスキング用(ガラスシーリング、建築養生等)、表面保護用(塗装面保護等)、医療用(絆創膏等)および事務用等の幅広い用途に好適に用いることができ、極めて有用である。

Claims (8)

  1. 少なくとも1個の活性水素原子を有する、ハイドロカルビル(メタ)アクリレート共重合体(A)および1分子中に2個〜6個またはそれ以上のイソシアネート基を有し、31,000〜100,000の重量平均分子量を有するイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(B1)を含有してなることを特徴とする粘着剤組成物。
  2. さらに、反応性官能基を1分子中に2〜5個有する架橋剤(C)を含有させてなる請求項1記載の組成物。
  3. 少なくとも1個の活性水素原子を有する、ハイドロカルビル(メタ)アクリレート共重合体(A)、1分子中に2個〜6個またはそれ以上のヒドロキシル基を有し、31,000〜100,000の重量平均分子量を有するヒドロキシル基末端ウレタンプレポリマー(B2)および反応性官能基を1分子中に2〜5個有する架橋剤(C)を含有してなることを特徴とする粘着剤組成物。
  4. (A)が、ハイドロカルビル(メタ)アクリレート(a1)を70〜99.9重量%、該(a1)を除く活性水素原子を有するエチレン性不飽和基含有モノマー(a2)を0.1〜30重量%含有するモノマーを構成単位とする共重合体である請求項1〜3のいずれか記載の組成物。
  5. (A)/(B1)の重量比が60/40〜99/1、または(A)/(B2)の重量比が82/18〜99/1である請求項1〜4のいずれか記載の組成物。
  6. さらに、粘着付与樹脂、可塑剤、充填剤、顔料、紫外線吸収剤および酸化防止剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の添加剤(D)を含有させてなる請求項1〜5のいずれか記載の組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか記載の組成物を硬化させてなる粘着剤。
  8. 支持体の片面もしくは両面の少なくとも一部に、請求項7記載の粘着剤を有する粘着テープまたは粘着シート。
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