JP2009235352A - ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ペンタメチレンジアミンとジカルボン酸とを主な単量体成分として用いる重縮合反応により得られるポリアミド樹脂とハロゲン化第一銅とを含み、当該単量体成分中の硫黄の合計含有量が1.2重量ppm以下であることを特徴とするポリアミド樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
しかし、バイオマス由来の原料を使用したポリアミド樹脂は、例えば、石化原料から合成される66ナイロン等と比べ、ハロゲン化銅等の熱安定剤を配合した場合であっても、耐熱老化性が不十分であることが判明している。
かくして本発明によれば、ペンタメチレンジアミンとジカルボン酸とを主な単量体成分として用いる重縮合反応により得られるポリアミド樹脂とハロゲン化第一銅とを含み、単量体成分中の硫黄の合計含有量が1.2重量ppm以下であることを特徴とするポリアミド樹脂組成物が提供される。
また、重縮合反応に用いられる単量体成分中のメチオニンの合計含有量が5重量ppm以下であることが好ましい。
さらに、重縮合反応に用いられる単量体成分の一つであるジカルボン酸が、アジピン酸であることが好ましい。
また、ペンタメチレンジアミンを産出する際に用いるリジンは、グルコースを発酵させて得られたものであることが好ましい。
尚、ペンタメチレンジアミンは、グルコースを発酵させ、直接得てもよい。
また、ハロゲン化第一銅に由来する銅の含有量と重縮合反応に用いられる単量体成分中の硫黄の含有量との比(銅含有量/硫黄含有量)が30を超えることが好ましい。
また、ポリアミド樹脂を得る重縮合反応の重縮合触媒として燐含有化合物を用い、且つ重縮合触媒として用いられた燐含有化合物に由来する燐の含有量が1重量ppm〜90重量ppmであることが好ましい。
この場合、強化材が、ガラス繊維であることが好ましい。
本実施の形態で使用するポリアミド樹脂は、ペンタメチレンジアミンに由来する構造単位を少なくとも含む構造を有する。
さらに、本実施の形態において、ポリアミド樹脂は、ペンタメチレンジアミンを含む脂肪族ジアミンとジカルボン酸とを単量体成分とし、これらを用いた重縮合反応により得られたものであることが好ましい。
本実施の形態において、単量体成分である脂肪族ジアミン中のペンタメチレンジアミンの濃度は、通常、90重量%以上、好ましくは95重量%以上、さらに好ましくは100重量%である。
ここで、ペンタメチレンジアミン(1,5−ジアミノペンタン)以外の他の脂肪族ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、1,13−ジアミノトリデカン、1,14−ジアミノテトラデカン、1,15−ジアミノペンタデカン、1,16−ジアミノヘキサデカン、1,17−ジアミノヘプタデカン、1,18−ジアミノオクタデカン、1,19−ジアミノノナデカン、1,20−ジアミノエイコサン、2−メチル−1,5−ジアミノペンタン等が挙げられる。
ポリアミド樹脂の単量体成分として、このようなペンタメチレンジアミンを用いることにより、ポリアミド樹脂の単量体成分に占めるバイオマス由来原料の割合(バイオマス比率)を高くすることができる。
本実施の形態では、ポリアミドにおけるバイオマス比率が2.51%以上であることが好ましい。バイオマス比率が2.51%以上の場合、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の発生を抑制する効果が得られる。
本実施の形態では、リジンの酵素的脱炭酸反応において、アジピン酸等のジカルボン酸を使用することにより、ポリアミドの単量体成分としてペンタメチレンジアミン・ジカルボン酸塩を直接採取することができる。以下、酸としてアジピン酸を用いて、リジンの酵素的脱炭酸反応により、ペンタメチレンジアミン・アジピン酸塩を製造する方法について説明する。
原料として用いるリジンは、通常、遊離塩基(リジンベース)であることが好ましい。さらに、リジンはグルコースを発酵させて得られたものであることが好ましい。また、リジンのアジピン酸塩を原料として用いてもよい。酵素的脱炭酸反応によりペンタメチレンジアミンを生成するリジンとして、L−リジン、D−リジンが挙げられる。中でも、L−リジンが好ましい。また、リジンの形態としては、精製されたリジン、グルコースを含む合成培地を用いて生成したリジンを含む発酵液が挙げられる。但し、発酵液の場合は、酵素的脱炭酸反応により生成するペンタメチレンジアミンがアジピン酸と塩を形成することが可能であることが必要である。リジン溶液を調製する溶媒としては、好適には水が用いられる。
リジン溶液にLDCを添加して反応を開始した後は、反応の進行に伴い、リジンから遊離される炭酸ガスが反応液から放出され、pHが上昇する。従って、反応液のpHが前記範囲となるように、アジピン酸を反応液に添加する。アジピン酸は連続的に添加してもよく、pHが前記範囲に維持される限り、分割して添加してもよい。反応条件は、LDCがリジンに作用してペンタメチレンジアミンを生成させる条件であれば特に制限されず、濃度は、通常20℃以上、好ましくは30℃以上、通常60℃以下、好ましくは40℃以下で行う。
酵素反応は、バッチ式によって行うと、アジピン酸の添加を容易に行うことができる。また、LDC、LDCを産生する細胞又はその処理物を固定化した担体を用いた移動床カラムクロマトグラフィーによって、反応を行うこともできる。その場合は、反応系のpHが所定の範囲に維持されたまま反応が進行するように、リジン及びアジピン酸をカラムの適当な部位に注入すればよい。
含硫アミノ酸に由来する硫黄の、ポリアミド樹脂組成物中の含有量を低減させることにより、硫黄の含有量が過度に多い場合と比較して、ポリアミド樹脂組成物の耐熱老化性を向上させることができる。
以下に、リジンの酵素的脱炭酸反応により得られたペンタメチレンジアミン・アジピン酸塩を、晶析により反応液から単離・精製する一例について説明する。
通常、リジンの酵素的脱炭酸反応により得られたペンタメチレンジアミン・アジピン酸塩水溶液は着色しているため、晶析前に脱色することが好ましい。脱色剤としては活性炭、合成吸着剤、活性白土、シリカ、ゼオライト等が挙げられ、中でも活性炭が好ましい。
脱色後のペンタメチレンジアミン・アジピン酸塩水溶液は、窒素バブリングにより溶存酸素を追い出した後、ペンタメチレンジアミン・アジピン酸塩濃度が50重量%〜69重量%、好ましくは60重量%〜67重量%まで濃縮する。ペンタメチレンジアミン・アジピン酸塩濃度が過度に小さいと、晶析後の収率が低下し、過度に大きいと、ペンタメチレンジアミン・アジピン酸塩に混入するアミノ酸等の不純物濃度が高くなる傾向がある。
脱塩水量は、wetケーキ(若干の水を含んだペンタメチレンジアミン・アジピン酸塩)に対して、通常1重量%以上、好ましくは5重量%以上、又通常40重量%以下、好ましくは30重量%以下である。脱塩水量が過度に少ないと、洗浄効果が小さくなる傾向がある。脱塩水量が過度に多いと、収率が低下する傾向がある。このようにして得られた結晶を1番晶と称する。
前述した1番晶を1回晶析品とすると、これを再度脱塩水に溶解し、濃縮、晶析、ふりかけ洗浄及び固液分離を行うことにより、より精製度の高い2回晶析品を得ることができる。同様にして、さらに精製度の高い3回晶析品、4回晶析品も得ることができる。
次に、リジンの酵素的脱炭酸反応により得られたペンタメチレンジアミン・アジピン酸塩水溶液を、蒸留により反応液から単離・精製する一例について説明する。
本実施の形態では、ペンタメチレンジアミン・アジピン酸塩水溶液にアルカリを添加・混合してペンタメチレンジアミンを遊離させ、その後、(1)溶媒で抽出した上で蒸留する方法、(2)そのまま蒸留する方法、が挙げられる。
(1)の方法の具体例としては、例えば、特開2004−000114号公報に記載された方法が挙げられる。また、(2)の方法を用いる場合は、蒸留に先立って脱水蒸留を行い、アジピン酸のアルカリ塩を析出・分離しておくことが好ましい。
次に、本実施の形態において、ポリアミド樹脂を得るために使用する単量体成分としてのジカルボン酸の具体例は、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ブラシリン酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、オクタデカン二酸等の脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸が挙げられる。これらの中でも、アジピン酸が好ましい。また、ジカルボン酸としてアジピン酸を用いる場合、ジカルボン酸中のアジピン酸の濃度は、通常、90重量%以上、好ましくは95重量%以上、さらに好ましくは100重量%である。
本実施の形態において、脂肪族ジアミン及びジカルボン酸の重縮合方法は特に限定されず、従来公知の方法から適宜選択することが出来る。重縮合方法の一例としては、例えば、脂肪族ジアミン及びジカルボン酸を含む水溶液を高温高圧下で、脱水反応を進行させる加熱重縮合法;脂肪族ジアミン及びジカルボン酸を加圧加熱下で重縮合して得られた低次縮合物(オリゴマー)を高分子量化する方法;脂肪族ジアミンを溶解した水溶液と、ジカルボン酸塩を水性溶媒又は有機溶媒に溶解させた溶液とを接触させ、これらの界面で重縮合反応させる界面重縮合法等が挙げられる。
本実施の形態において、脂肪族ジアミン及びジカルボン酸の重縮合反応は、重縮合触媒として下記式(1)で表される燐含有化合物と脱塩水とを用いて行われることが好ましい。
MxHyPOz 式(1)
(但し、式(1)中、Mは、アルカリ金属又はアルカリ土類金属である。X及びYは、式(1)の化合物が全体として電気的に中性となり、かつ、X+Y=3を満たす0〜3の整数である。Zは2〜4の整数である。)
また、燐酸種としては、正燐酸、亜燐酸または次亜燐酸が挙げられる。
さらに、ナトリウム塩の場合、(Na原子数)/(P原子数)が0.1以上が好ましく、1以上がより好ましく、2以上が特に好ましい。具体的には、X=1又は2、Y=2又は1、Z=2又は3若しくは4であるナトリウム塩が好ましく、中でもX=2、Y=1、Z=2又は3若しくは4であるナトリウム塩がより好ましく、特に、Na2HPO3が最も好ましい。
また、式(1)で表される燐含有化合物と併せて使用する脱塩水の使用量は、通常、単量体成分に対し、1重量%〜200重量%、好ましくは50重量%〜150重量%の割合である。脱塩水の使用量が過度に少ない場合、及び過度に多い場合、脂肪族ジアミン及びジカルボン酸の重縮合反応における反応速度が低下することがある。
かかるポリアミド樹脂における、式(1)で表される燐含有化合物に由来する燐化合物の含有量は、燐原子換算で1重量ppm〜90重量ppm、好ましくは、3重量ppm〜50重量ppmの範囲である。
このように、式(1)で表される燐含有化合物を含む重縮合触媒を使用して脂肪族ジアミン及びジカルボン酸を重縮合することにより、得られたポリアミド樹脂の耐衝撃性を向上させることができる。
本実施の形態が適用されるポリアミド樹脂組成物には、熱安定剤としてハロゲン化第一銅が含まれる。
ここで、ハロゲン化第一銅としては、例えば、ヨウ化第一銅、臭化第一銅、塩化第一銅等が挙げられる。これらの中でも、ポリアミド樹脂の熱安定性の点で、ヨウ化第一銅、塩化第一銅が好ましい。ハロゲン化第一銅は、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリアミド樹脂組成物に配合されるハロゲン化第一銅の配合量は、銅原子に換算した含有量として、通常5重量ppm以上、好ましくは20重量ppm以上、特に好ましくは80重量ppm以上であり、上限は、通常500重量ppm以下、好ましくは300重量ppm以下、特に好ましくは150重量ppm以下である。
銅含有量が過度に少ないと、耐熱老化性が低下する傾向がある。
ハロゲン化アルカリ金属塩としては、例えば、ヨウ化カリウム、臭化カリウム、塩化カリウム、ヨウ化ナトリウム、臭化ナトリウム、塩化ナトリウム等が挙げられる。これらの中でも、ヨウ化カリウムの使用が好ましい。ハロゲン化アルカリ金属塩はそれぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
ハロゲン化アルカリ金属塩の配合量は、下限が、通常0.01重量%以上、好ましくは0.05重量%以上、特に好ましくは0.1重量%以上であり、上限は、通常、1重量%以下、好ましくは0.6重量%以下、特に好ましくは0.2重量以下である。
本実施の形態が適用されるポリアミド樹脂組成物に強化材を配合することにより、ポリアミド樹脂組成物の実用的強度をさらに向上させることができる。
強化材の配合量は、ポリアミド樹脂100重量部に対し、下限は、通常5重量部以上、好ましくは20重量部以上、特に好ましくは40重量部以上であり、上限は、通常150重量部以下、好ましくは120重量部以下、特に好ましくは100重量部以下である。強化材の配合量が過度に多いと、ポリアミド樹脂組成物の流動性が低下する傾向がある。
本実施の形態が適用されるポリアミド樹脂には、必要に応じて、各種の添加剤が配合される。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、耐候剤、離型剤、滑剤、顔料、染料、結晶核剤、可塑剤、帯電防止剤、難燃剤、充填剤、他の重縮合体等が挙げられる。
実施例および比較例において使用したポリアミド樹脂とその単量体成分、ポリアミド樹脂組成物の評価方法は以下の通りである。
重縮合反応に使用する単量体成分であるペンタメチレンジアミン・アジピン酸塩中の硫黄含有量、アミノ酸含有量、メチオニン含有量は、アミノ酸分析計(株式会社日立製作所製L−8900)を用いて測定した。
先ず、試料を水に溶かし所定の濃度の水溶液とし分析試料とした。分析条件は、生体アミノ酸分離条件、分析法はニンヒドリン発色法(570nm、440nm)とした。標準品には、アミノ酸混合液(和光純薬工業株式会社製ANII型及びB型)を希釈したものを用い、試料注入量は10μLとした。定量計算として、Proは440nm、他のアミノ酸は570nmのピーク面積から一点外部標準法にてアミノ酸の含有量を算出した(単位:重量ppm)。
ペンタメチレンジアミン・アジピン酸塩中の硫黄の含有量は、得られた含硫アミノ酸の測定値に基づき算出した(単位:重量ppm)。
ポリアミド樹脂の相対粘度(ηr)は、ポリアミド樹脂の98%硫酸溶液(濃度:0.01g/ml)を調製し、25℃で、オストワルド式粘度計を使用して測定した(単位:dl/g)。
ポリアミド樹脂に含まれる燐化合物の含有量は、ポリアミド樹脂を、硫酸−硝酸で湿式分解し、その後、ICP質量分析法により測定した燐原子量として求めた(単位:重量ppm)。
燐含有化合物を含む重縮合触媒を用いたペンタメチレンジアミン及びアジピン酸の重縮合により調製したポリアミド樹脂に、後述する表1に示す組成で、塩化第1銅(関東化学株式会社製)、ガラス繊維(日本電気硝子株式会社製T249H)を配合し、ポリアミド樹脂組成物を調製した。
ポリアミド樹脂組成物の調製には、二軸混練機(東芝機械株式会社製:TEM−35B型二軸混練機)を用いた。設定温度は、実施例1、実施例3及び比較例1は270℃であり、実施例2、実施例4及び比較例2は280℃である。尚、ガラス繊維は折損抑制のためサイドフィードした。
後述する表1に示す配合組成のポリアミド樹脂組成物を使用し、それぞれISO規格に準じ、射出成形機(日本製鋼所株式会社社製:J75EII型射出成形機)を使用してISO試験片を成形した。
ガラス繊維を配合した実施例2、実施例4及び比較例2の場合、射出成形機の樹脂温度は270℃、金型温度は80℃である。ガラス繊維を配合しない実施例1、実施例3及び比較例1の場合は、射出成形機の樹脂温度は265℃、金型温度は80℃である。
得られたISO試験片を使用し、それぞれISO規格に準じ、120℃×1,000時間放置後の試験片の引張り強さの、放置前の試験片の引張り強さに対する割合を求めた。数値が大きいほど、耐熱老化性が良好である(単位:%)。
<遺伝子破壊用ベクターの構築>
(A)枯草菌ゲノムDNAの抽出
LB培地[組成:トリプトン10g、イーストエキストラクト5g、NaCl 5gを蒸留水1lに溶解]10mlに、枯草菌(Bacillus subtilis ISW1214)を対数増殖期後期まで培養し、菌体を集めた。得られた菌体を10mg/mlの濃度のリゾチームを含む10mM NaCl/20mMトリス緩衝液(pH8.0)/1mM EDTA・2Na溶液0.15mlに懸濁した。
枯草菌SacB遺伝子の取得は、上記(A)で調製したDNAを鋳型とし、既に報告されている該遺伝子の塩基配列(GenBank Database Accession No.X02730)を基に設計した合成DNA(配列番号1および配列番号2)を用いたPCRによって行った。
鋳型DNA1μl、PfxDNAポリメラーゼ(インビトロジェン株式会社製) 0.2μL、1倍濃度添付バッファー、0.3μM各々プライマー、1mM MgSO4、0.25μM dNTPsを混合し、全量を20μlとした。
DNAサーマルサイクラー PTC−200(MJResearch株式会社製)を用い、94℃で20秒、68℃で2分からなるサイクルを35回繰り返した。但し、1サイクル目の94℃での保温は1分20秒、最終サイクルの68℃での保温は5分とした。
大腸菌プラスミドベクターpHSG396(宝酒造株式会社:クロラムフェニコール耐性マーカー)500ngに制限酵素PshBI10unitsを37℃で一時間反応させた後、フェノール/クロロフォルム抽出およびエタノール沈殿により回収した。これを、クレノウフラグメント(Klenow Fragment:宝酒造株式会社製)により両末端を平滑化した後、ライゲーションキットver.2(宝酒造株式会社製)を用いてMluIリンカー(宝酒造株式会社製)を連結、環状化させ、大腸菌(DH5α株)を形質転換した。この様にして得られた組換え大腸菌を34μg/mlクロラムフェニコールを含むLB寒天培地に塗抹した。得られたクローンから常法によりプラスミドDNAを調製し、制限酵素MluIの切断部位を有するクローンを選抜し、pHSG396Mluと命名した。
カナマイシン耐性遺伝子の取得は、大腸菌プラスミドベクターpHSG299(宝酒造株式会社:カナマイシン耐性マーカー)のDNAを鋳型とし、配列番号3および配列番号4で示した合成DNAをプライマーとしたPCR法によって行った。反応液組成:鋳型DNA1ng、PyrobestDNAポリメラーゼ(宝酒造株式会社製)0.1μl、1倍濃度添付バッファー、0.5μM各々プライマー、0.25μM dNTPsを混合し、全量を20μlとした。
DNAサーマルサイクラー PTC−200(MJResearch株式会社製)を用い、94℃で20秒、62℃で15秒、72℃で1分20秒からなるサイクルを20回繰り返した。但し、1サイクル目の94℃での保温は1分20秒、最終サイクルの72℃での保温は5分とした。
上記(C)で構築したpCMB1を制限酵素Van91IおよびScaIで切断して得られた約3.5kbのDNA断片を0.75%アガロースゲル電気泳動により分離、回収した。これを上記(D)で調製したカナマイシン耐性遺伝子と混合し、ライゲーションキットver.2(宝酒造株式会社製)を用いて連結し、得られたプラスミドDNAで大腸菌(DH5α株)を形質転換した。この様にして得られた組換え大腸菌を50μg/mlカナマイシンを含むLB寒天培地に塗抹した。
<コリネバクテリウム・グルタミカムATCC13032株アスパルトキナーゼ遺伝子のクローニング>
コリネバクテリウム・グルタミカムATCC13032(以下ATCC13032)株のアスパルトキナーゼ遺伝子(以下lysC)の取得は、対象とする菌をATCC13032とすること以外上記(A)と同様の操作により調製したATCC13032のDNAを鋳型とし、全ゲノム配列が報告されているATCC13032株の該遺伝子の配列(GenBank Database Accession No.AP005276)を基に設計した合成DNA(配列番号6および配列番号7)を用いたPCRによって行った。
鋳型DNA1μl、Ex−TaqDNAポリメラーゼ(宝酒造株式会社製)0.2μL、1倍濃度添付バッファー、0.2μM 各々プライマー、0.2μM dNTPsを混合し、全量を20μlとした。
DNAサーマルサイクラー PTC−200(MJResearch株式会社製)を用い、94℃で20秒、60℃で20秒、72℃で1分からなるサイクルを30回繰り返した。但し、1サイクル目の94℃での保温は4分とした。
次に、上記シークエンス解析に基づき、クローニングしたlysC遺伝子の931番目から933番目のACC(Thr)をATC(Ile)に変異させるためにクロスオーバーPCRを行った。遺伝子前半部分を増幅させるオリゴヌクレオチドプライマー(配列番号8および配列番号9)および後半部分を増幅させるオリゴヌクレオチドプライマー(配列番号10および配列番号11)を合成し、増幅断片を鋳型としてPCRを行った。
この培地上で白色のコロニーを形成したクローンを、常法により液体培養した後、プラスミドDNAを精製した。得られたプラスミドをシークエンス解析により、1286kbの挿入断片が認められることを確認した。このプラスミドをpKMB1−lysCT311Iと命名した。
大腸菌JM110にpKMB1−lysCT311Iを、電気パルス法により導入した。この組換え大腸菌を50μg/mlカナマイシンを含むLB寒天培地上で培養した。培地上にコロニーを形成したクローンを、常法により液体培養した後、プラスミドDNAを精製した。
ATCC13032株にpKMB1−lysCT311Iを、電気パルス法により導入し、得られた形質転換体をカナマイシン 50μg/mlを含むLBG寒天培地[トリプトン10g、イーストエキストラクト5g、NaCl 5g、グルコース 20g、及び寒天15gを蒸留水1lに溶解]に塗抹した。
この様にして得られた株の中には、そのlysC遺伝子がpKMB1−lysCT311Iに由来する変異型に置き換わったものと野生型に戻ったものが含まれる。lysC遺伝子が変異型であるか野生型であるかの確認は、L−リジンとL−スレオニンによる協奏的フィードバック阻害が解除されたことによるS−(2−アミノエチル)−L−システイン耐性を指標に選択し、得られた変異株をAL1と命名した。
<ホモセリンデヒドロゲナーゼ(以下hom)遺伝子のクローニング>
コリネバクテリウム・グルタミカムATCC13032(以下ATCC13032)ATCC13032株のホモセリン脱水素酵素(以下hom)遺伝子の取得は、対象とする菌をATCC13032とすること以外上記(A)と同様の操作により調製したATCC13032のDNAを鋳型とし、全ゲノム配列が報告されているコリネバクテリウム・グルタミカムATCC13032株の該遺伝子の配列(GenBank Database Accession No.AP005276)を基に設計した合成DNA(配列番号12および配列番号13)を用いたPCRによって行った。
次に、上記シークエンス解析に基づき、クローニングしたhom遺伝子配列の175番目から177番目の配列をGTT(Val)からGCT(Ala)に変異させるためにクロスオーバーPCRを行った。
大腸菌JM110にpKMB3ALhom59を、電気パルス法により導入した。この組換え大腸菌を50μg/mlカナマイシンを含むLB寒天培地上で培養した。培地上にコロニーを形成したクローンを、常法により液体培養した後、プラスミドDNAを精製した。
コリネバクテリウム・グルタミカムAL1株にpKMB3ALhom59を電気パルス法により導入し、得られた形質転換体をカナマイシン 50μg/mlを含むLBG寒天培地[トリプトン10g、イーストエキストラクト5g、NaCl 5g、グルコース 20g、及び寒天15gを蒸留水1lに溶解]に塗抹した。
この様にして得られた株の中には、そのhom遺伝子がpKMB3ALhom59に由来する変異型に置き換わったものと野生型に戻ったものが含まれる。hom遺伝子が変異型であるか野生型であるかの確認は、変異導入箇所増幅用のオリゴヌクレオチドプライマー(配列16および配列17)およびHybridization probeを用いた融解曲線分析(ロシュ・ダイアグノスティック株式会社製ライトサイクラー1.5)による変異検出によって行った。この結果V59A変異が導入されたdouble crossover組換え体であることが確認された。こうして得られた変異株をAL2と命名した。
次いで、後述するカダベリン塩酸塩水溶液の調製に用いるリジン脱炭酸酵素遺伝子(cadA)増幅株の作製手順について説明する。
LB培地[組成:トリプトン10g、イーストエキストラクト5g、塩化ナトリウム(NaCl)5gを蒸留水1Lに溶解]10mlに、大腸菌JM109株を対数増殖期後期まで培養し、得られた菌体を、10mg/mlのリゾチームを含む10mMNaCl/20mMトリス緩衝液(pH8.0)/1mMエチレンジアミン四酢酸ジナトリウム(EDTA・2Na)水溶液0.15mlに懸濁した。
大腸菌cadAの取得は、上記手順で調製したDNAを鋳型とし、全ゲノム配列が報告されている大腸菌K12−MG1655株の該遺伝子の配列(GenBank Database Accession No.U00096)を基に設計した合成DNA(下記の配列番号18及び配列番号19で表わされる配列からなるDNA)をプライマーとして用いたポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって行なった。
この培地上で白色のコロニーを形成したクローンを、常法により液体培養した後、プラスミドDNAを精製した。得られたプラスミドDNAを制限酵素KpnI及び制限酵素SphIで切断することにより、約2.5kbの挿入断片が認められることを確認した。このプラスミドをpCAD1と命名し、pCAD1を含む大腸菌株をJM109/pCAD1と命名した。
上記手順により得られた大腸菌株JM109/pCAD1をLB培地入り500ml容フラスコ1本で前培養した後、10mlの培養液を200mlの2倍濃度LB培地が入った1l容フラスコに接種し、温度35℃、通気なし(0vvm)、振とう回転数160rpmの条件下で培養を行なった。培養4時間目に、滅菌したIPTG(イソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド)を終濃度で0.5mMになるように加え、その後14時間培養を継続した。
次に、6000rpm、10分の条件で遠心分離を行い培養液からの菌体回収を行なった。この湿菌体を10mMの酢酸ナトリウム溶液に懸濁して保存、または、後述のリジン脱炭酸反応に使用した。
<コリネバクテリウム・グルタミカム AL2株によるリジンの発酵生産>
コリネバクテリウム・グルタミカム AL2株を、滅菌LB培地を200ml含む1L容フラスコ5本に1白金耳ずつ植菌し、30℃で24時間振とうし、前々培養液(計1L)を得た。この前々培養液の全量を、99LのLPG1培地(表1参照)を入れた全容200Lの培養タンクに植菌し、30℃、pH7.2、滅菌した空気を1vvmで通気、撹拌回転数はDOが3ppm以上になるように可変させて6時間培養した。この全量を、2.5m3のLPG培地を含む全容5m3の発酵槽に無菌的に移送し、滅菌空気を1vvmで通気、30℃で培養を開始した。
尚、表1にLPG1培地を示す。
上述した操作により作成したリジンを含む発酵溶液に、ピリドキサルリン酸を0.1mMの濃度となるように加え、更に、大腸菌株JM109/pCAD1の菌体を、OD660が0.5になるように加えてリジン脱炭酸反応を開始した。
反応時の条件は、温度37℃、通気量なし(0vvm)、撹拌回転数70rpmとした。反応中の溶液のpHは、250kgのアジピン酸をイオン交換水400Lに懸濁したスラリーを加え、pH6.5になるように制御し、合計22時間反応させた。
反応終了時には、リジン残存濃度が0.03g/L以下であり、ほぼ100%のリジンがペンタメチレンジアミンに変換されていた。反応後の溶液(約4m3)は、菌体の不活化処理(80℃、30分)を実施した後、分子量13,000カットのUF膜モジュール(旭化成工業株式会社製ACP−3053)を通して高分子量の不純物除去を行なった。
(配列番号)
1 CCTTTTTAACCCATCACATATACCTGCCGTTCAC
2 AAAGGTTAGGAATACGGTTAGCCATTTGCCTG
3 GAGGTCTGCCTCGTGAAGAAG
4 CTCATTAGAAAAACTCATCGAGCATCA
5 GGATATCC
6 GTGTGCGTGAAGCACTCGATG
7 GCCTGAGTAATGTCTTCTACCTCGA
8 GTTTTCCCAGTCACGACGTTG
9 AGCGAGGGCAGGTGAAGATGATGTCGGTGGTGCCGT
10 ACGGCACCACCGACATCATCTTCACCTGCCCTCGCT
11 ACACAGGAAACAGCTATGACCATG
12 CACCATCTCAATGGTCATGGTGAA
13 GATGGATGCCAAAATTGCAGCCTT
14 GAGATATCAGAAGCAGCAATGCCA
15 TGGCATTGCTGCTTCTGATATCTC
16 CGAGTACGGTGATGAACTTG
17 CTTCAGAGCTGCGAGAACTAC
18 GTTGCGTGTTCTGCTTCATCGCGCTGATG
19 ACCAAGCTGATGGGTGAGATAGAGAATGAGTAAG
(1)活性炭による脱色
直径700mmの活性炭塔に活性炭(三菱化学カルゴン株式会社製MM−11)105kg(約440L)を仕込み、2日間脱塩水を通水した。次に、前記ペンタメチレンジアミン・アジピン酸塩水溶液(約4m3)を1.32m3/hの速度で通液し、最後に500Lの脱塩水を通水した。初期460Lをパージした後、活性炭処理したペンタメチレンジアミン・アジピン酸塩水溶液を採取した。
PPプリーツカートリッジフィルターTCP−JXを通して、前記活性炭処理後のペンタメチレンジアミン・アジピン酸塩水溶液を2m3撹拌槽に仕込み、ジャケット温度110℃、内温57℃、真空度140Torr〜150Torrにて濃縮を開始し、適宜、活性炭処理後のペンタメチレンジアミン・アジピン酸塩水溶液を仕込みながら濃縮を行った。
ペンタメチレンジアミン・アジピン酸塩濃度は63.5重量%であった。
次に、同一の2m3撹拌槽にて晶析を行った。撹拌翼は3枚後退翼、撹拌速度は40rpm、降温速度は8℃/hである。
内温37.4℃のときに、予め作成したペンタメチレンジアミン・アジピン酸塩を種晶として1kg添加して結晶を析出させ、内温10.5℃で晶析終了として、ペンタメチレンジアミン・アジピン酸塩スラリーを得た。尚、種晶としてのペンタメチレンジアミン・アジピン酸塩は、本実施例に準じてラボスケールにて準備した。
直径1.22mの遠心濾過器を用い、前記ペンタメチレンジアミン・アジピン酸塩スラリーを3回に分けて遠心濾過した。回転数は980rpm、母液振り切り時間は15分、母液振り切り後に10℃の脱塩水約12kgをシャワー状に振りかけて洗浄し、その脱塩水の振り切り時間は15分間とした。
尚、上記ペンタメチレンジアミン・アジピン酸塩重量は、wetケーキの水分量を水分計(三菱化学株式会社製:電量滴定式水分測定装置CA−06型)と、水分気化装置(三菱化学株式会社製:VA−06型)とを使用して測定し、測定値から算出した。
1回晶析品の一部を脱塩水に溶解し50重量%のペンタメチレンジアミン・アジピン酸塩水溶液とし、これに1回晶析品を得たのと同様の操作を加えて、より精製度の高い2回晶析品(wetケーキ約40kg)を得た。
前述した[ペンタメチレンジアミン・アジピン酸塩の精製・単離]の(4)遠心濾過において、遠心濾過後の濾液であるペンタメチレンジアミン・アジピン酸塩水溶液を回収した。次に、回収したペンタメチレンジアミン・アジピン酸塩水溶液中のペンタメチレンジアミン濃度を測定し、水溶液中のペンタメチレンジアミンのモル数を算出した。続いて、この水溶液に、算出したペンタメチレンジアミンのモル数の2倍のモル数に相当する水酸化ナトリウム(濃度48重量%水溶液)を添加し、ペンタメチレンジアミン・アジピン酸塩水溶液からペンタメチレンジアミンを遊離させた。同時に、アジピン酸ナトリウムが析出した。
次に、遊離したペンタメチレンジアミンを含むスラリーを60℃、50Torrにて脱水蒸留を行った。さらに、析出したアジピン酸ナトリウムを遠心濾過にて固液分離した。
次に、得られた濾液を80℃、30Torrにて単蒸留してペンタメチレンジアミンを得た。得られたペンタメチレンジアミンの数量は約90kgであった。
<ポリアミド樹脂の製造>
上記ペンタメチレンジアミン・アジピン酸塩の精製・単離にて調製したペンタメチレンジアミン・アジピン酸塩の2回晶析品25kgに脱塩水25kgを添加した後、ペンタメチレンジアミン・アジピン酸塩に対して燐原子換算で30重量ppmの亜燐酸水素2ナトリウム・5水和物を添加し、窒素雰囲気下で混合物を溶解させ、原料水溶液を得た。
プランジャーポンプにて予め窒素置換したオートクレーブに、上記の原料水溶液を移送した。ジャケット温度を280℃に、オートクレーブの圧力を1.47MPaにそれぞれ調節し、内容物を270℃に昇温した。
続いて、このポリアミド樹脂(PA56)に、表1に示すように銅含有量30重量ppmで塩化第一銅を配合し、ポリアミド樹脂組成物を調製した。
実施例1で得られたポリアミド樹脂(PA56)に、さらに、後述する表2に示すように、銅含有量100重量ppmとなるような塩化第一銅とガラス繊維43重量部を配合し、ポリアミド樹脂組成物を調製した。
蒸留により単離したペンタメチレンジアミン、アジピン酸(旭化成ケミカルズ株式会社製)及び脱塩水を用い、濃度約50重量%のペンタメチレンジアミン・アジピン酸塩水溶液を調製し、pH8.0〜pH8.1に調整した。このペンタメチレンジアミン・アジピン酸塩に対して燐原子換算で30重量ppmの亜リン酸水素2ナトリウム・5水和物を添加し、実施例1と同様な条件で重縮合を行い、ポリアミド樹脂(PA56)を得た。相対粘度(ηr)は2.8であった。
続いて、このポリアミド樹脂(PA56)に、表2に示すように銅含有量30重量ppmで塩化第一銅を配合し、ポリアミド樹脂組成物を調製した。
実施例3で使用したポリアミド樹脂(PA56)に、表2に示すように、銅含有量が100重量ppmとなるような塩化第一銅とガラス繊維43重量部を配合し、ポリアミド樹脂組成物を調製した。
実施例1において、ペンタメチレンジアミン・アジピン酸塩の2回晶析品に代えて、1番晶(1回晶析品)を使用した以外は、実施例1と同様な条件で重縮合を行い、ポリアミド樹脂(PA56)を得た。相対粘度(ηr)は2.8であった。
続いて、このポリアミド樹脂(PA56)に、表2に示すように銅含有量30重量ppmで塩化第一銅を配合し、ポリアミド樹脂組成物を調製した。
比較例1で用いたポリアミド樹脂(PA56)に、表2に示すように、銅含有量が100重量ppmとなるような塩化第一銅とガラス繊維43重量部を配合し、ポリアミド樹脂組成物を調製した。
実施例1〜実施例4、比較例1、比較例2において得られたペンタメチレンジアミン・アジピン酸塩に含まれる硫黄含有量、アミノ酸含有量、メチオニン含有量を測定した。
またこれらのポリアミド樹脂組成物について耐熱老化性の評価を行った。結果を表2に示す。
一方、硫黄の含有量が1.2重量ppm以上であるペンタメチレンジアミンとアジピン酸との重縮合反応により得られたポリアミド樹脂を含むポリアミド樹脂組成物(比較例1,2)は、120℃×1,000時間放置後の試験片の引張り強さが大幅に低下し、耐熱老化性が改善されないことが分かる。
Claims (11)
- ペンタメチレンジアミンとジカルボン酸とを主な単量体成分として用いる重縮合反応により得られるポリアミド樹脂とハロゲン化第一銅とを含み、当該単量体成分中の硫黄の合計含有量が1.2重量ppm以下であることを特徴とするポリアミド樹脂組成物。
- 重縮合反応に用いられる単量体成分中のアミノ酸の合計含有量が100重量ppm以下であることを特徴とする請求項1に記載のポリアミド樹脂組成物。
- 重縮合反応に用いられる単量体成分中のメチオニンの合計含有量が5重量ppm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリアミド樹脂組成物。
- 重縮合反応に用いられる単量体成分の一つであるジカルボン酸が、アジピン酸であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂組成物。
- 重縮合反応に用いられる単量体成分の一つであるペンタメチレンジアミンは、リジン脱炭酸酵素、リジン脱炭酸酵素活性の向上した組み換え微生物又はリジン脱炭酸酵素を産生する細胞または当該細胞の処理物を使用し、リジンから産出されたものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂組成物。
- ペンタメチレンジアミンを産出する際に用いるリジンは、グルコースを発酵させて得られたものであることを特徴とする請求項5に記載のポリアミド樹脂組成物。
- ハロゲン化第一銅に由来する銅の含有量が5重量ppm〜500重量ppmであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂組成物。
- ハロゲン化第一銅に由来する銅の含有量と重縮合反応に用いられる単量体成分中の硫黄の含有量との比(銅含有量/硫黄含有量)が30を超えることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂組成物。
- ポリアミド樹脂を得る重縮合反応の重縮合触媒として燐含有化合物を用い、且つ当該重縮合触媒として用いられた燐含有化合物に由来する燐の含有量が1重量ppm〜90重量ppmであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂組成物。
- 請求項1乃至9のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂組成物において当該ポリアミド樹脂組成物のポリアミド樹脂100重量部に対し、強化材5重量部〜150重量部をさらに含むことを特徴とするポリアミド樹脂組成物。
- 前記強化材が、ガラス繊維であることを特徴とする請求項10に記載のポリアミド樹脂組成物。
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