JP2009234009A - 積層フィルム - Google Patents

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裕 原田
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Abstract

【課題】初期の接着性、耐湿熱接着性、UV照射後の接着性に優れ、透明性、フィルム外観にも優れる積層フィルムを提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に、アクリル・ウレタン共重合樹脂(A)、ポリエステル樹脂(B)、架橋剤(C)を含有する積層膜を設け、該架橋剤(C)がイソシアネート系架橋剤および/またはカルボジイミド系架橋剤であり、該積層膜中のアクリル・ウレタン共重合樹脂(A)の含有量とポリエステル樹脂(B)の含有量の合計を100重量部としたとき、該積層膜中の架橋剤(C)の含有量が5〜70重量部であり、該積層膜が2種類の不活性粒子a、bを含有し、該不活性粒子aの粒子径φa(nm)、該不活性粒子bの粒子径φb(nm)、積層膜の厚さd(nm)が下記式を満たし、該積層膜表面の突起個数が1個/μm以上20個/μm2以下である。1≦φa/d≦3、2≦φb/d≦10、φa<φb。
【選択図】なし

Description

本発明は、特定の樹脂と架橋剤からなる積層膜を設けた積層フィルムに関するものであり、更に詳しくは、液晶テレビ、プラズマディスプレイテレビ、リアプロジェクションテレビなどのディスプレイ用途の光学用易接着フィルムや各種被覆物との接着性、フィルム外観に優れた易接着フィルムに関するものである。
熱可塑性樹脂フィルム、中でも、二軸配向ポリエステルフィルムは、機械的性質、電気的性質、寸法安定性、耐熱性、透明性、耐薬品性などに優れた性質を有することから磁気記録材料、包装材料、電気絶縁材料、各種写真材料、感光材料、感熱材料、グラフィックアーツ材料などの多くの用途の基材フィルムとして広く使用されている。特に、近年のIT技術の進歩と相まって、ディスプレイ関係の表示用部材をはじめとした各種の光学用フィルムとして使用頻度が高まってきている。
中でも、液晶テレビ(LCD)、プラズマディスプレイテレビ(PDP)、リアプロジェクションテレビ(RP−TV)などに用いられるハードコートフィルム、反射防止フィルム、プリズムレンズフィルム、レンチキュラーレンズフィルム、光拡散フィルム、集光フィルムなどの基材フィルムとして、その優れた機械的性質や寸法安定性や透明性などからポリエステルフィルムが用いられている。多くの場合、50μm以上の厚いフィルムが用いられているが、上記した用途などに用いる場合、例えば、ハードコート層との接着性、プリズムレンズ層との接着性、レンチキュラーレンズ層との接着性、光拡散層との接着性などが要求される。これらの層は一般的に紫外線(UV)硬化型樹脂が用いられる場合が多く、該層との接着性が要求される。
一方、一般に二軸配向ポリエステルフィルム表面は高度に結晶配向しているため、各種塗料、接着剤、インキなどとの接着性に乏しいという欠点を持っており、上記した光学用途で用いる場合も例外ではなく、例えばハードコート層やプリズムレンズ層を構成するUV硬化型樹脂などとは全く接着しないため、該機能層形成後の加工工程や、実使用時に該機能層が基材フィルムから剥離するなどの問題が発生する。そのため、従来からポリエステルフィルム表面に種々の方法で易接着性を与える方法が検討されており、例えば、フィルム表面にアクリル変性ポリウレタンをプライマー層として設ける方法(特許文献1、特許文献2)、共重合ポリエステルをプライマー層として設ける方法(特許文献3)、共重合ポリエステル樹脂とイソシアネート系架橋剤をプライマー層として設ける方法(特許文献4、特許文献5、特許文献6)、架橋剤としてカルボジイミド系架橋剤をプライマー層として用いる方法(特許文献7)などが提案されている。特に、塗布によって上記プライマー層を設け易接着性を付与する方法、中でも、結晶配向が完了する前のポリエステルフィルムに必要に応じてコロナ放電処理を施し、上記樹脂成分を含有する塗液を塗布し、乾燥後、延伸、熱処理を施して結晶配向を完了させる方法(インラインコート法)が当業界で盛んに行われている。
特開平6−346019号公報(特許請求の範囲) 特開2000−229394号公報(特許請求の範囲) 特開2001−138465号公報(特許請求の範囲) 特開平9−11423号公報(特許請求の範囲) 特開2002−53687号公報(特許請求の範囲) 特開2003−49135号公報(特許請求の範囲) 特開2001−79994号公報(特許請求の範囲)
しかし、前述した従来の技術には次のような問題点がある。
接着性付与に関して、例えば、フィルム表面にアクリル変性ポリウレタンをプライマー層として設ける方法や共重合ポリエステルをプライマー層として設ける方法などは、UV硬化型樹脂との接着性が不十分であったり、架橋剤を用いない場合などは湿熱環境下で保管後の接着性(耐湿熱接着性)が全く得られないなどの問題が発生しやすい。また、共重合ポリエステル樹脂とイソシアネート系架橋剤をプライマー層として設ける方法や、架橋剤としてカルボジイミド系架橋剤をプライマー層として用いる方法など積極的に架橋剤を用いたものは上記した耐湿熱接着性の向上効果は認められるものの、UV硬化型樹脂、中でもプリズムレンズ層を構成する無溶媒型UV硬化型樹脂などのとの接着性が不十分である場合が多い。
また、プリズムレンズ層、レンチキュラーレンズ層、光拡散層など特異な表面形状を賦形した機能フィルムなどは、その製造時にポリエチレンテレフタレート(以下「PET」)フィルム側からUV照射され、該無溶媒型UV硬化型樹脂を硬化させる場合が多い。特に、両面に設ける場合など、一方の面の賦形硬化時の照射UVによって、PETフィルム上に設けた易接着層のUV劣化が発生し、次に反対面に設ける無溶媒型UV硬化型樹脂との接着性が得られないなど、本来の易接着機能が発現しないという大きな問題をかかえている。もちろん、両面に同じUV硬化型樹脂を設ける場合のみならず、反対面に、例えば粘着剤などを設ける場合でも、易接着層のUV劣化という現象は、製品特性上、問題を引き起こす可能性がある。
さらに、製膜されたフィルムは、通常、ロール状に巻取られるが、巻取り工程において積層膜表面にかかる圧力によって、積層膜表面が白くなる(白化)する現象が発生することがあり、フィルムの外観を損ねていた。
そこで、本発明の目的は、上記した欠点を解消せしめ、初期の接着性のみならず、耐湿熱接着性、UV照射後の接着性にも優れ、かつ、透明性、フィルム外観にも優れた積層フィルムを提供することを目的とするものである。
熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に、アクリル・ウレタン共重合樹脂(A)、ポリエステル樹脂(B)、架橋剤(C)を含有する積層膜を設け、
かつ、該架橋剤(C)がイソシアネート系架橋剤および/またはカルボジイミド系架橋剤であり、
かつ、該積層膜中のアクリル・ウレタン共重合樹脂(A)の含有量とポリエステル樹脂(B)の含有量の合計を100重量部としたとき、該積層膜中の架橋剤(C)の含有量が5〜70重量部であり、
かつ、該積層膜が2種類の不活性粒子a、bを含有し、
かつ、該不活性粒子aの粒子径φa(nm)、該不活性粒子bの粒子径φb(nm)、積層膜の厚さd(nm)が下記式を満たし、
かつ、該積層膜表面の突起個数が1個/μm以上20個/μm2以下であることを特徴とする積層フィルム。
1≦φa/d≦3
2≦φb/d≦10
φa<φb。
本発明の積層フィルムは、初期の接着性のみならず、耐湿熱接着性、UV照射後の接着性にも優れ、かつ、透明性、ロール外観にも優れるものである。
本発明でいう熱可塑性樹脂フィルムとは、熱によって溶融もしくは軟化するフィルムの総称であって、特に限定されるものではないが、代表的なものとしては、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルムやポリエチレンフィルムなどのポリオレフィンフィルム、ポリ乳酸フィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルムやポリスチレンフィルムなどのアクリル系フィルム、ナイロンなどのポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリウレタンフィルム、フッ素系フィルム、ポリフェニレンスルフィドフィルムなどを用いることができる。
これらは、ホモポリマーでも共重合ポリマーであってもよい。これらのうち、機械的特性、寸法安定性、透明性などの点で、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリアミドフィルムなどが好ましく、更に、機械的強度、汎用性などの点で、ポリエステルフィルムが特に好ましい。
以下、本発明の積層フィルムについてポリエステルフィルムを代表例として説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明の積層フィルムとして好ましく用いられるポリエステルフィルムにおいて、ポリエステルとは、エステル結合を主鎖の主要な結合鎖とする高分子の総称であって、エチレンテレフタレート、プロピレンテレフタレート、エチレン−2,6−ナフタレート、ブチレンテレフタレート、プロピレン−2,6−ナフタレート、エチレン−α,β−ビス(2−クロロフェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボキシレートなどから選ばれた少なくとも1種の構成成分を主要構成成分とするものを好ましく用いることができる。これら構成成分は、1種のみ用いても、2種以上併用してもよいが、中でも品質、経済性などを総合的に判断すると、エチレンテレフタレートを主要構成成分とするポリエステル、すなわち、ポリエチレンテレフタレートを用いることが特に好ましい。また、基材に熱や収縮応力などが作用する場合には、耐熱性や剛性に優れたポリエチレン−2,6−ナフタレートが更に好ましい。これらポリエステルには、更に他のジカルボン酸成分やジオール成分が一部、好ましくは20モル%以下共重合されていてもよい。
また、このポリエステル中には、各種添加剤、例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機の易滑剤、顔料、染料、有機または無機の微粒子、充填剤、帯電防止剤、核剤などがその特性を悪化させない程度に添加されていてもよい。
上述したポリエステルの極限粘度(25℃のo−クロロフェノール中で測定)は、0.4〜1.2dl/gが好ましく、より好ましくは0.5〜0.8dl/gの範囲にあるものが本発明を実施する上で好適である。
上記ポリエステルを使用したポリエステルフィルムは、積層膜が設けられた状態においては二軸配向されたものであるのが好ましい。二軸配向ポリエステルフィルムとは、一般に、未延伸状態のポリエステルシートまたはフィルムを長手方向および幅方向に各々2.5〜5倍程度延伸され、その後、熱処理が施されて、結晶配向が完了されたものであり、広角X線回折で二軸配向のパターンを示すものをいう。
ポリエステルフィルムの厚みは、特に限定されるものではなく、本発明の積層フィルムが使用される用途や種類に応じて適宜選択されるが、機械的強度、ハンドリング性などの点から、通常は好ましくは1〜500μm、より好ましくは5〜250μm、最も好ましくは25〜200μmである。また、ポリエステルフィルム基材は、共押出による複合フィルムであってもよい。特に2層以上の複合フィルムとしたとき、例えば、スキン層に易滑性の微粒子を添加し、コア層は無粒子とするなど、透明性を保持した状態で、易滑性と平滑性を両立しやすい。一方、得られたフィルムを各種の方法で貼り合わせて用いることもできる。
本発明の積層フィルムは、熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に、アクリル・ウレタン共重合樹脂(A)、ポリエステル樹脂(B)、架橋剤(C)を含有する積層膜を設けることが必要である。
本発明において、積層膜とは、基材となる熱可塑性樹脂フィルムの表面に積層構造的に形成されて存在する膜状のものをいう。該膜自体は、単一層であっても複数層からなるものであってもよい。
本発明の積層フィルムの積層膜は、アクリル・ウレタン共重合樹脂(A)、ポリエステル樹脂(B)、架橋剤(C)を含有する組成物であり、かつ、該架橋剤(C)がイソシアネート系架橋剤および/またはカルボジイミド系架橋剤からなる組成物である。本発明においては、上記した組成物が、積層膜全体の50重量%以上であることが好ましく、より好ましくは70重量%以上、最も好ましくは80重量%以上である。
本発明では、接着性、耐UV性(UV照射後の接着性)の観点からアクリルとウレタンとを共重合させたものを用いる。本発明の積層フィルムの積層膜に用いることのできるアクリル・ウレタン共重合樹脂(A)は、アクリル成分とウレタン成分が共重合された樹脂であれば特に限定されないが、特にアクリルをスキン層とし、ウレタンをコア層とするアクリル・ウレタン共重合樹脂が好ましい。このとき、コア層が完全にスキン層によって包み込まれた状態ではなく、コア層が露出した形態を有しているものが好ましい。すなわち、該コア層がスキン層によって完全に包み込まれた状態の場合、該樹脂を塗布、乾燥して被膜を形成した場合、アクリルの特徴のみを有する表面状態となり、コア層由来のウレタンの特徴を有する表面状態を得ることができにくくなる。一方、該コア層がスキン層によって包み込まれていない状態、すなわち、両者が分離している状態は、単にアクリルとウレタンを混合した状態であり、一般的には樹脂の表面エネルギーが小さいアクリルが表面側に選択的に配位するため、該樹脂を塗布、乾燥して被膜を形成した場合、該被膜はアクリルの特徴のみを有する表面状態となる。
上記したアクリル・ウレタン共重合樹脂は、例えば、水性ウレタンの存在下でアクリルを構成するアクリル系モノマーを共重合させることによって得られるが、これらの水性ウレタンは通常のウレタン樹脂に水への親和性を高める官能基、例えば、カルボン酸塩基、スルホン酸塩基、硫酸半エステル塩基などアニオン性官能基、第4級アンモニウム塩基などのカチオン性官能基を導入したものが例示できる。これらの官能基の中では、水中での分散性、合成時の反応制御のしやすさからアニオン性官能基が好ましく、更にカルボン酸塩基やスルホン酸塩基が好ましい。
カルボン酸塩基の導入は、例えばウレタン共重合時に原料となるポリヒドロキシ化合物の1成分としてカルボン酸基含有ポリヒドロキシ化合物を用いたり、未反応イソシアネート基を有するウレタンの該イソシアネート基に水酸基含有カルボン酸やアミノ基含有カルボン酸を反応させ、次いで反応生成物を高速撹拌下でアルカリ水溶液中に添加し、中和することなどによって行なうことができる。
また、スルホン酸塩基または硫酸半エステル塩基の導入は、例えば、ポリヒドロキシ化合物、ポリイソシアネートおよび鎖延長剤からプレポリマーを生成させ、これに末端イソシアネート基と反応しうるアミノ基または水酸基とスルホン酸塩基または硫酸半エステル塩基とを分子内に有する化合物を添加、反応させ、最終的に分子内にスルホン酸塩基または硫酸半エステル塩基を有する水性ウレタンを得ることなどによって行うことができる。
その際、生成反応は有機溶剤中で行ない、次いで水を加えてから該有機溶剤を除去することが好ましい。また、他の方法としては、スルホン酸基を有する化合物を原料の一つとして使用してスルホン酸基を有するウレタンを重合し、次いで該ウレタンを高速撹拌下でアルカリ水溶液中に添加し、中和する方法、ウレタンの主鎖または側鎖の第1級または第二級アミノ基にアルカリの存在下で、スルホン酸アルカリ塩(例えばスルホン化ナトリウム塩基など)を導入する方法などが挙げられる。アルカリ水溶液としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、アルキルアミンなどの水溶液を用いることが好ましいが、塗布乾燥後に該アルカリが塗布膜中に残留しないアンモニア、乾固条件で揮発するアミンなどが特に好ましい。カルボン酸塩基、スルホン酸塩基、硫酸半エステル塩基などの塩基の量は0.5×10-4〜20×10-4当量/gが好ましく、更には1×10-4〜10×10-4当量/gが好ましい。塩基の割合が少なすぎるとウレタンの水に対する親和性が不足して水分散液の調製が難しくなり、また多すぎるとウレタン本来の特性が損なわれるので、好ましくない。もちろん、該水性ウレタンは、必要に応じて分散助剤を用いて、安定な水分散液を形成するもの、あるいは水溶液を形成するものである。
ウレタンの合成に用いるポリヒドロキシ化合物としては、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレン・プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、テトラメチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリカプロラクトン、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリヘキサメチレンセバケート、ポリテトラメチレンアジペート、ポリテトラメチレンセバケート、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、グリセリンなどを用いることができる。
ポリイソシアネート化合物としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの付加物、ヘキサメチレンジイソ
シアネートとトリメチロールエタンの付加物などを用いることができる。カルボン酸含有ポリオールとしては、例えばジメチロールプロピオン酸、ジメチロール酪酸、ジメチロール吉草酸、トリメリット酸ビス(エチレングリコール)エステルなどを用いることができる。
アミノ基含有カルボン酸としては、例えばβ−アミノプロピオン酸、γ−アミノ酪酸、P−アミノ安息香酸などを用いることができる。水酸基含有カルボン酸としては、例えば3−ヒドロキシプロピオン酸、γ−ヒドロキシ酪酸、P−(2−ヒドロキシエチル)安息香酸、リンゴ酸などを用いることができる。
アミノ基または水酸基とスルホン基を有する化合物としては、例えばアミノメタンスルホン酸、2−アミノエタンスルホン酸、2−アミノ−5−メチルベンゼン−2−スルホン酸、β−ヒドロキシエタンスルホン酸ナトリウム、脂肪族ジ第1級アミン化合物のプロパ
ンサルトン、ブタンサルトン付加生成物などを用いることができ、好ましくは脂肪族ジ第1級アミン化合物のプロパンサルトン付加物である。
更に、アミノ基または水酸基と硫酸半エステルを含有する化合物としては、例えばアミノエタノール硫酸、エチレンジアミンエタノール硫酸、アミノブタノール硫酸、ヒドロキシエタノール硫酸、γ−ヒドロキシプロパノール硫酸、α−ヒドロキシブタノール硫酸などを用いることができる。
これら化合物を用いたウレタンの重合は、従来から用いられている方法で重合することができる。
上記した水性ウレタンの存在下で重合させるアクリル系モノマーとしては、例えばアルキルアクリレート(アルキル基としてはメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、2−エチルヘキシル、シクロヘキシルなど)、アルキルメタクリレート(アルキル基としてはメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、2−エチルヘキシル、シクロヘキシルなど)、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどのヒドロキシ基含有モノマー、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N,N−ジメチロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−メトキシメチルメタクリルアミド、N−フェニルアクリルアミドなどのアミド基含有モノマー、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレートなどのアミノ基含有モノマー、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどのグリシジル基含有モノマー、アクリル酸、メタクリル酸およびそれらの塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩など)などのカルボキシル基またはその塩を含有するモノマーなどを用いることができる。
これらは他種モノマーと併用して用いることもできる。他種モノマーとしては、例えばアリルグリシジルエーテルなどのグリシジル基含有モノマー、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸およびそれらの塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩など)などのスルホン酸基またはその塩を含有するモノマー、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸およびそれらの塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウムなど)などのカルボキシル基またはその塩を含有するモノマー、無水マレイン酸、無水イタコン酸などの酸無水物基を含有するモノマー、ビニルイソシアネート、アリルイソシアネート、スチレン、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルトリスアルコキシシラン、アルキルマレイン酸モノエステル、アルキルフマール酸モノエステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アルキルイタコン酸モノエステル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、塩化ビニル、ビニルピロリドンなどを用いることができる。
アクリル系モノマーは1種または2種以上を用いて重合させるが、他種モノマーを併用する場合、全モノマー中、アクリル系モノマーの割合が50重量%以上、さらには70重量%以上となることが好ましい。
アクリル・ウレタン共重合体(A)を構成するアクリル系樹脂のガラス転移温度(Tg)は20℃以上が好ましく、より好ましくは40℃以上である。このガラス転移温度が20℃未満になると耐熱性が不足し、例えば、室温でもブロッキングしやすくなる傾向がある。
またアクリル・ウレタン共重合体(A)中のアクリル系樹脂/ウレタンの割合は、重量比で、1/9〜7/3が好ましく、更に好ましくは2/8〜5/5である。アクリル系樹脂の割合が1/9より小さくなると塗布乾燥後に得られた積層膜のUV劣化後の接着性が悪くなる傾向があり、また、7/3より大きくなると該積層膜の表面がアクリルで覆われる比率が大きくなるため、初期接着性が悪くなる傾向がある。
アクリル・ウレタン共重合体(A)の製造方法としては、例えば前述の水性ウレタンの水分散液中に少量の分散剤と重合開始剤を添加し、一定温度に保ちながら前述のアクリル系モノマーを撹拌しながら徐々に添加し、その後必要に応じて温度を上昇させ一定時間反応を続けてアクリル系モノマーの重合を完結させ、アクリル・ウレタン共重合体の水分散体として得る方法などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
本発明の積層フィルムの積層膜に用いることのできるポリエステル樹脂(B)としては、 主鎖あるいは側鎖にエステル結合を有するもので、ジカルボン酸とジオールを重縮合して得られるものである。
該ポリエステル樹脂を構成するカルボン酸成分としては、芳香族、脂肪族、脂環族のジカルボン酸や3価以上の多価カルボン酸を使用することができる。
芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、フタル酸、2,5−ジメチルテレフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,2−ビスフェノキシエタン−p,p’−ジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸などを用いることができる。積層膜の強度や耐熱性の点から、これらの芳香族ジカルボン酸が、好ましくは全ジカルボン酸成分の30モル%以上、より好ましくは35モル%以上、最も好ましくは40モル%以上を占めるポリエステルを用いることが好ましい。
また、脂肪族および脂環族のジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸など、およびそれらのエステル形成性誘導体を用いることができる。
ポリエステル樹脂のグリコール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、2,4−ジメチル−2−エチルヘキサン−1,3−ジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−イソブチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、4,4’−チオジフェノール、ビスフェノールA、4,4’−メチレンジフェノール、4,4’−(2−ノルボルニリデン)ジフェノール、4,4’−ジヒドロキシビフェノール、o−,m−,およびp−ジヒドロキシベンゼン、4,4’−イソプロピリデンフェノール、4,4’−イソプロピリデンビンジオール、シクロペンタン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオールなどを用いることができる。
また、ポリエステル樹脂を水系液にして塗液として用いる場合には、ポリエステル樹脂の水溶性化あるいは水分散化を容易にするため、スルホン酸塩基を含む化合物や、カルボン酸塩基を含む化合物を共重合することが好ましい。
カルボン酸塩基を含む化合物としては、例えば、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、4−メチルシクロヘキセン−1,2,3−トリカルボン酸、トリメシン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4−ペンタンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフルフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフルフリル)−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、エチレングリコールビストリメリテート、2,2’,3,3’−ジフェニルテトラカルボン酸、チオフェン−2,3,4,5−テトラカルボン酸、エチレンテトラカルボン酸など、あるいはこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
スルホン酸塩基を含む化合物としては、例えば、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、4−スルホイソフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸、スルホ−p−キシリレングリコール、2−スルホ−1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼンなどあるいはこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩を用いることができるが、これに限定されるものではない。
好ましいポリエステル樹脂としては、酸成分としてテレフタル酸、イソフタル酸、セバシン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、グリコール成分としてエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコールから選ばれる共重合体などが挙げられる。耐湿熱接着性や耐水性が必要とされる場合は、側鎖にカルボキシル基を有することが好ましい。側鎖にカルボキシル基を有する構造とするには、5−ナトリウムスルホイソフタル酸の代わりに、トリメリット酸、ピロメリット酸などの3価以上の多価カルボン酸をその共重合成分とした共重合体なども好適に用いることができる。
本発明の積層フィルムにおいて、積層膜に用いられるポリエステル樹脂は、以下の製造法によって製造することができる。例えば、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸、イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、グリコール成分としてエチレングリコール、ネオペンチルグリコールからなるポリエステル樹脂について説明すると、テレフタル酸、イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸とエチレングリコール、ネオペンチルグリコールとを直接エステル化反応させるか、テレフタル酸、イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸及びエチレングリコール、ネオペンチルグリコールとをエステル交換反応させる第一段階と、この第一段階の反応生成物を重縮合反応させる第二段階とによって製造する方法などにより製造することができる。
この際、反応触媒として、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、マンガン、コバルト、亜鉛、アンチモン、ゲルマニウム、チタン化合物などを用いることができる。
また、カルボン酸を末端および/または側鎖に多く有するポリエステル樹脂を得る方法としては、特開昭54−46294号公報、特開昭60−209073号公報、特開昭62−240318号公報、特開昭53−26828号公報、特開昭53−26829号公報、特開昭53−98336号公報、特開昭56−116718号公報、特開昭61−124684号公報、特開昭62−240318号公報などに記載の3価以上の多価カルボン酸を共重合した樹脂により製造することができるが、むろんこれら以外の方法であってもよい。
また、本発明にかかる積層膜に用いられるポリエステル樹脂の固有粘度は、特に限定されないが、接着性の点で0.3dl/g以上であることが好ましく、より好ましくは0.35dl/g以上、最も好ましくは0.4dl/g以上であることである。ポリエステル樹脂のガラス転移点(以後、「Tg」と略称する)は、0〜130℃であることが好ましく、より好ましくは10〜85℃である。Tgが0℃未満では、例えば耐熱接着性が劣ったり、積層膜同士が固着するブロッキング現象が発生したりし、逆に130℃を超える場合、樹脂の安定性や水分散性が劣る場合があるので好ましくない。
本発明においては、積層膜を構成する樹脂として、上記したアクリル・ウレタン共重合樹脂(A)やポリエステル樹脂(B)以外に、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂(B)とは異なるポリエステル樹脂、ウレタン樹脂などを併用して用いてもよく、3種類あるいは4種類以上併用して用いてもよい。
本発明の積層フィルムの積層膜に用いることのできるイソシアネート系架橋剤としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、1,6−ジイソシアネートヘキサン、トリレンジイソシアネートとヘキサントリオールの付加物、トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの付加物、ポリオール変性ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、カルボジイミド変性ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、3,3’−ビトリレン−4,4’ジイソシアネート、3,3’ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、メタフェニレンジイソシアネートなどを用いることができる。
更に、積層膜を形成する塗液として水性塗液を用いる場合など、イソシアネート基が該水と反応し易く、塗剤のポットライフなどの点で、該イソシアネート基をブロック剤などでマスクしたブロックイソシアネート系化合物などを好適に用いることができる。ブロック剤は塗布後の加熱、乾燥工程の熱によって、該ブロック剤が揮散したりして、イソシアネート基が露出し、架橋反応を起こすシステムが代表的である。また、該イソシアネート基は単官能タイプでも多官能タイプでもよいが、多官能タイプのブロックポリイソシアネート系化合物の方が架橋密度を上げやすいなどの点で好適に用いることができる。
ブロックポリイソシアネート系化合物としては、下記の一般式(I)で示されるブロックイソシアネート基を2基以上有する低分子または高分子化合物を用いることができる。またコーティングする際の塗剤安定性の観点からは、イソシアネート基を2基以上有する高分子化合物である高分子型架橋剤であることが好ましい。
Figure 2009234009
上記式(I)で、−R0 は−OR1 、−N=CR23、−NR45 、−SR678 および−SiR91011 で示される基、Rは有機残基、nは2〜4の整数である。式(I)の[ ]内で示されるブロックイソシアネート基は、加熱により下記式(II)で示されるイソシアネート基に分解し、このイソシアネート基が積層膜を構成する他の樹脂成分の活性水素と結合することにより、架橋が進行し、例えば、接着性や耐湿接着性などが向上する。尚、上記の活性水素とは、水酸基(−OH)、カルボキシル基(−COOH)などに含まれる水素元素のことである。
Figure 2009234009
上記のブロックイソシアネート基の例を下記式(I−1)〜式(I−5)に示す。
Figure 2009234009
上記式(I−1)でR1 は炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基または芳香族炭化水素基である。
Figure 2009234009
上記式(I−2)でR2 、R3 は炭素数1〜7の脂肪族炭化水素基またはスルフィン酸塩基(−SO2M、Mはアルカリ金属)である。
Figure 2009234009
上記式(I−3)でR4 、R5 は水素元素または炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基または芳香族炭化水素基であり、R4〜R5 はこれに結合するラクタム環であってもよい。
Figure 2009234009
上記式(I−4)でR6 、R7 、R8 は水素元素または炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基または芳香族炭化水素基であり、R6〜R7 はこれに結合する環状メルカプタン環であってもよい。
Figure 2009234009
上記式(I−5)でR9 、R10 、R11 は水素元素、炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基または−OR12で示される基(R12 は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基)である。
上記したブロックイソシアネート基を2基以上有する低分子または高分子化合物としては、例えばジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート3モル付加物、ポリビニルイソシアネート、ビニルイソシアネート共重合体、ポリウレタン末端ジイソシアネート、トリレンジイソシアネートのメチルエチルケトンオキシムブロック体、ヘキサメチレンジイソシアネートの次亜硫酸ソーダブロック体、ポリウレタン末端ジイソシアネートのメチルエチルケトンオキシムブロック体、トリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート3モル付加物へのフェノールブロック体などを用いることができる。
本発明の積層フィルムの積層膜に用いることのできるカルボジイミド系架橋剤としては、例えば、下記一般式(2)で表されるカルボジイミド構造を1分子当たり少なくとも1つ以上有する低分子または高分子化合物であれば特に限定されないが、耐湿熱接着性などの点で、1分子中に2つ以上を有するポリカルボジイミド系架橋剤が好ましい。またコーティングする際の塗剤安定性の観点からは、高分子化合物である高分子型架橋剤であることが好ましい。
-N=C=N- (2)。
ポリカルボジイミド系架橋剤の製造は公知の技術を適用することができ、例えば特公昭47−33279号公報、特開平09−235508号公報記載の方法などを用いることができ、一般的には、ジイソシアネート化合物を触媒存在下で重縮合することにより得られる。該ポリカルボジイミド系架橋剤の出発原料であるジイソシアネート化合物としては、芳香族、脂肪族、脂環式ジイソシアネートなどを用いることができ、具体的にはトリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルジイソシアネートなどを用いることができる。更に本発明の効果を消失させない範囲において、ポリカルボジイミド系架橋剤の水溶性や水分散性を向上するために、界面活性剤を添加することや、ポリアルキレンオキシド、ジアルキルアミノアルコールの四級アンモニウム塩、ヒドロキシアルキルスルホン酸塩などの親水性モノマーを添加しても用いてもよい。
また、本発明においては、架橋剤(C)として、イソシアネート系架橋剤および/またはカルボジイミド系架橋剤を用いるものであるが、該架橋剤に加え、他の架橋剤、例えば、メラミン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アジリジン系架橋剤、アミドエポキシ化合物、チタンキレートなどのチタネート系カップリング剤、オキサゾリン系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、メチロール化あるいはアルキロール化した尿素系、アクリルアミド系などを用いることもできる。
本発明の積層フィルムの積層膜は、積層膜中に、固形分重量比で、「アクリル・ウレタン共重合樹脂(A)/ポリエステル樹脂(B)」が、「95/5」〜「60/40」であることが、接着性、特にUV照射後の接着性の点で好ましく、より好ましくは「90/10」〜「60/40」、最も好ましくは「80/20」〜「70/30」である。
本発明では、積層膜中のアクリル・ウレタン共重合樹脂(A)の含有量とポリエステル樹脂(B)の含有量の合計を100重量部としたとき、積層膜中の架橋剤(C)の含有量が5〜70重量部であることが必要である。該架橋剤(C)の添加量が5重量部未満あるいは70重量部を越える場合は、耐湿熱接着性やUV照射後の接着性が悪くなる。本発明においては、該架橋剤(C)の添加量は、15〜70重量部が好ましく、より好ましくは25〜45重量部である。この添加量にした場合、接着性、耐湿接着性やUV照射後の接着性が極めて良好となる。
更に本発明においては、架橋剤(C)はイソシアネート系架橋剤および/またはカルボジイミド系架橋剤を用い、特に両者の併用が好ましい。すなわち、架橋剤(C)がイソシアネート系架橋剤およびカルボジイミド系架橋剤であることが好ましい。その場合、イソシアネート系架橋剤およびカルボジイミド系架橋剤の含有量の合計は上記の通りであることが好ましいが、積層膜中のアクリル・ウレタン共重合樹脂(A)の含有量とポリエステル樹脂(B)の含有量の合計を100重量部としたとき、積層膜中のイソシアネート系架橋剤が10〜40重量部、カルボジイミド系架橋剤が5〜30重量部であることがより好ましく、耐UV照射後の接着性の点で、イソシアネート系架橋剤は15〜30重量部、カルボジイミド系架橋剤は5〜20重量部がさらに好ましい。特に、カルボジイミド系架橋剤が5〜20重量部、最も好ましくは10〜20重量部の場合、上記した接着性に加え、透明性の点でも極めて優れた積層フィルムとすることができる。
また、本発明において上記架橋剤(C)は高分子型架橋剤であることが好ましい。
本発明の積層フィルムには、積層膜中に2種類の不活性粒子a,bが含有され、不活性粒子aの粒子径φa(nm)、不活性粒子bの粒子径φb(nm)、積層膜の厚さをd(nm)とした際に、下記式を満たすことが必要である。
1≦φa/d≦3
2≦φb/d≦10
φa<φb(すなわちφa/φb<1)
(ただし、φa、φb、dの単位は何れも[nm]とする)。
上記式を満たすことによって、フィルムロール巻取り中のすべり性とエア抜け性を両立させることができ、さらに、巻取り中のフィルムに部分的な応力がかかることを抑制し、積層膜表面の白化を抑えることができる。これによって、フィルム外観に優れた積層フィルムを得ることができる。φa,φb、dの関係が上記式を満たさないと、フィルムロール巻取り中に積層膜表面にかかった圧力によって、積層膜表面が白くなる(白化)する現象が発生する。
本発明において、φa/dは、1以上2以下であることが好ましく、さらに好ましくは1以上1.5以下である。
また、φb/dは、2以上6以下であることが好ましく、さらに好ましくは2以上4以下である。
本発明における不活性粒子a,bとは、代表的には、シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、アルミナゾル、カオリン、タルク、マイカ、炭酸カルシウムなどを用いることができる。
不活性粒子aの粒子径φaは、5〜300nmであるものが好ましく、より好ましくは20〜150nm、最も好ましくは40〜100nmである。φaをかかる範囲内とすることにより、白化現象を抑制することができるという効果がある。
不活性粒子bの粒子径φbは、10〜1000nmであるものが好ましく、より好ましくは40〜800nm、最も好ましくは60〜600nmである。φbをかかる範囲内とすることにより、白化現象を抑制することができる。
粒子aの積層膜樹脂固形分に対する不活性粒子の配合比も、特に限定されないが、積層膜樹脂固形分100重量部に対して0.05〜20重量部が好ましく、より好ましくは0.1〜10重量部である。配合比をかかる範囲内とすることによって、後述する積層膜表面の突起個数をより容易に調節することができる。なお、固形分とは、固体として含有する重量成分を示す。
本発明では積層膜表面の突起個数が1個/μm以上20個/μm以下であることが必要であり、1個/μm以上10個/μm以下がより好ましい。1個/μm未満ではフィルムロールとして巻き取った際に白化し、20個よりも多いと、フィルムロールとして巻き取る際にフィルムがずれてしまい巻き取りが困難となる。
表面突起個数を上記範囲とするためには、不活性粒子a、不活性粒子bの粒子径、添加量を調整する。積層膜樹脂固形分に対する不活性粒子aの配合比としては、積層膜樹脂固形分100重量部に対して0.1〜20重量部が好ましく、より好ましくは0.5〜10重量部である。不活性粒子bの配合比としては、0.01〜10重量部が好ましく、より好ましくは0.05〜5重量部である。
本発明の積層フィルムは、白化度が0.8以下であることが好ましい。ここで、白化度では、上述した白化現象によって生じるフィルムの白化の程度を数値化したものであり、詳細な測定法は後述する。白色度は0.6以下であることがより好ましく、さらに好ましくは0.4以下である。フィルムの白化度を上記範囲内とすることより、外観に優れたフィルムとなる。また、フィルムの白化度を上記範囲内とするためには、φa/d、φb/d、表面突起の個数を上述した範囲内とすることにより、達成することができる。なお、白化度の下限は0である。
積層膜中には本発明の効果が損なわれない範囲内で各種の添加剤、例えば酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機の易滑剤、顔料、染料、充填剤、帯電防止剤、核剤などが配合されてもよい。
本発明においては、積層フィルムのヘイズが3%以下であることが好ましく、さらに好ましくは2%以下であり、最も好ましくは1%以下である。3%よりも大きいと、ディスプレイ用などの光学用フィルムとして用いる場合、積層フィルムの濁りが大きくなり、例えばディスプレイが白濁したり、解像度が低下したりするなど好ましくない。一方、拡散フィルムなどに用いる場合、上記したヘイズは特に限定されず、用いることができる。
また、本発明を実施するにあたり、水系樹脂の塗布の方法は、例えばリバースコート法、スプレーコート法、バーコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、ダイコート法などを用いることができる。
積層膜の厚みdは、特に限定されないが、通常は5〜200nmの範囲が好ましく、より好ましくは10〜100nm、最も好ましくは10〜80nmである。積層膜の厚みが薄すぎると接着性不良となる場合がある。
本発明にかかる積層フィルムを製造するに際して、積層膜を設けるのに好ましい方法としては、ポリエステルフィルムの製造工程中に塗布し、基材フィルムと共に延伸する方法が最も好適である。例えば、溶融押し出しされた結晶配向前のポリエステルフィルムを長手方向に2.5〜5倍程度延伸し、一軸延伸されたフィルムに連続的に塗液を塗布する。塗布されたフィルムは段階的に加熱されたゾーンを通過しつつ乾燥され、幅方向に2.5〜5倍程度延伸される。更に、連続的に150〜250℃の加熱ゾーンに導かれ結晶配向を完了させる方法(インラインコート法)によって得ることができる。この場合に用いる塗布液は環境汚染や防爆性の点で水系のものが好ましい。また、未延伸フィルム上に連続的に塗液を塗布し、縦横方向に同時に延伸する同時二軸延伸法なども採用することができ、この場合は、ロールとの接触が少ないためフィルムにキズがつきにくいなど、優位な方法である。
本発明においては、塗液を塗布する前に、基材フィルムの表面(上記例の場合、一軸延伸フィルムもしくは未延伸フィルム)にコロナ放電処理などを施し、該表面の濡れ張力を、好ましくは47mN/m以上、より好ましくは50mN/m以上とするのが、積層膜の基材フィルムとの接着性を向上させることができるので好ましく用いることができる。また、イソプロピルアルコール、ブチルセロソルブ、N−メチル−2−ピロリドンなどの有機溶媒を塗液中に若干量含有させて、濡れ性や基材フィルムとの接着性を向上させることも好適である。
次に、本発明の積層フィルムの製造方法について、ポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」と略称する)を基材フィルムとした例について更に詳細に説明するが、これに限定されるものではない。
本発明の積層フィルムの製造方法をより具体的に例示して説明する。極限粘度0.5〜0.8dl/gのPETペレットを真空乾燥した後、押し出し機に供給し、260〜300℃で溶融し、T字型口金よりシート状に押し出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度10〜60℃の鏡面キャスティングドラムに巻き付けて、冷却固化させて未延伸PETフィルムを作製する。この未延伸フィルムを70〜120℃に加熱されたロール間で縦方向(フィルムの進行方向で、「長手方向」ともいう。)に2.5〜5倍延伸する。このフィルムの少なくとも片面にコロナ放電処理を施し、該表面の濡れ張力を47mN/m以上とし、その処理面に本発明にかかる水性塗液を塗布する。この塗布されたフィルムをクリップで把持して70〜150℃に加熱された熱風ゾーンに導き、乾燥した後、幅方向(縦方向に直行する方向で、「横方向」ともいう)に2.5〜5倍延伸し、引き続き160〜250℃の熱処理ゾーンに導き、1〜30秒間の熱処理を行い、結晶配向を完了させる。この熱処理工程中において、必要に応じて幅方向あるいは長手方向に1〜10%の弛緩処理を施してもよい。二軸延伸は、縦、横逐次延伸あるいは同時二軸延伸のいずれでもよく、また縦、横延伸後、縦、横いずれかの方向に再延伸してもよい。また、ポリエステルフィルムの厚みは特に限定されないが、1〜500μmが好ましい。
なお、積層膜が設けられる基材フィルム中に、積層膜形成組成物、あるいは積層膜形成組成物の反応生成物から選ばれる少なくとも1種の物質を含有させることにより、積層膜と基材フィルムとの接着性を向上させたり、易滑性を向上させることができる。積層膜形成組成物、あるいはこれらの反応生成物の添加量は、その添加量の合計が5ppm以上20重量%未満であるのが、接着性、易滑性の点で好ましい。特に、環境保護、生産性を考慮すると、該積層膜形成組成物を含む再生ペレットを用いる方法が好適である。
このようにして得られた本発明の積層フィルムは、初期の接着性のみならず、耐湿熱接着性、UV照射後の接着性にも優れ、かつ、透明性にも優れ、特に、液晶テレビ、プラズマディスプレイテレビ、リアプロジェクションテレビなどのディスプレイ用途の光学用易接着フィルムや、各種被覆物との接着性に優れた易接着フィルムに好適に用いることができる。
[特性の測定方法および効果の評価方法]
本発明における特性の測定方法および効果の評価方法は次のとおりである。
(1)積層膜の厚みd、積層膜中の粒子径φa、φb
サンプル、例えば積層ポリエステルフィルムの断面を超薄切片に切り出し、RuO染色、OsO染色、あるいは両者の二重染色による染色超薄切片法により、TEM(透過型電子顕微鏡)で観察、写真撮影を行った。その断面写真から積層膜の厚み測定を行い、測定視野中の10カ所の平均値を用いた。また、その断面写真から積層膜中の粒子径(球相当径)の測定を行い、100視野において観察された粒子aの粒子径をそれぞれ求め、平均値を粒子径φaとした。粒子bの粒子径φbについても同様に求める。なお、積層膜の厚みd、および粒子径φa、φbの単位は全て[nm]とする
観察方法
・装置:透過型電子顕微鏡(日立(株)製H−7100FA型)
・測定条件:加速電圧 100kV
・試料調整:超薄切片法
・観察倍率:20万倍。
(2)積層膜表面の突起個数
走査型電子顕微鏡で積層フィルムの積層膜の表面を10000倍で100μm2分の視野を観察し、突起個数を計測し1μm2に換算した。得られた像の中で直径が10nm以上の突起を突起としたカウントした。
(3)接着性(常態下での接着性)
常態下で下記に示した無溶媒型紫外線硬化型樹脂インキを調整した。
・三洋化成(株)製“サンラッド”RC−610:60重量部
・三菱レイヨン(株)製“ダイヤビーム”UR−6530:20重量部
・日本化薬(株)製DPHA:20重量部。
上記インキを、本発明の積層フィルムの積層膜面に、ワイヤーバーコート法で厚み約25μmに塗布し、その後、照射強度120W/cmの紫外線ランプを用い、照射距離(ランプとインキ面の距離)12cmで、コンベア速度2m/分、積算強度約550mJ/cmでUV照射し、該無溶媒型透明紫外線硬化型樹脂を硬化させた。接着性評価は以下の方法で行った。
紫外線硬化型インキの硬化膜に1mmのクロスカットを100個入れ、ニチバン(株)製セロハンテープ(登録商標)をその上に貼り付け、ゴムローラーを用いて、荷重19.6Nで3往復させ、押し付けた後、90度方向に剥離し、該硬化膜の残存した個数により4段階評価(◎:100、○:80〜99、△:50〜79、×:0〜49)した。(◎)と(○)を接着性良好とした。
(4)耐湿熱接着性
上記(3)のインキを塗布したもの対して、70℃、相対湿度90%で240時間放置したものに対し、前述と同様の接着性評価を行った。
(5)UV照射後の接着性(耐UV接着性)
上記(3)のインキを塗布し、硬化させたフィルムに対し、再度、照射強度120W/cmの紫外線ランプを用い、照射距離(ランプとインキ面の距離)12cmで、コンベア速度2m/分、積算強度約550mJ/cmでUV照射した後、(3)と同様に接着性評価を行った。
(6)透明性(ヘイズ)
透明性の指標として、ヘイズを用いた。ヘイズの測定は、常態(23℃、相対湿度65%)において、積層フィルムを2時間放置した後、スガ試験機(株)製全自動直読ヘイズコンピューター「HGM−2DP」を用いて行った。3回測定した平均値を該サンプルのヘイズ値とした。
(7)ガラス転移温度(Tg)
セイコー電子工業(株)製ロボットDSC(示差走査熱量計)RDC220にセイコー電子工業(株)製SSC5200ディスクステーションを接続して測定した。DSCの測定条件は次のとおりである。即ち、試料10mgをアルミニウムパンに調整後、DSC装置にセットし(リファレンス:試料を入れていない同タイプのアルミニウムパン)、300℃の温度で5分間加熱した後、液体窒素中を用いて急冷処理をする。この試料を10℃/分で昇温し、そのDSCチャートからガラス転移点(Tg)を検知する。なおガラス転移温度(Tg)としてはJIS K7121−1987の中間点ガラス転移温度(Tmg)を採用する。
(8)フィルム外観(白化度)
得られたフィルムを、フィルム巻取り装置(スリッタ)を用いて、フィルム幅を1000mm、フィルム巻長さを1000mとなるように、巻取速度を200m/分で、ガラス繊維強化樹脂性のコアにフィルムロールとして巻取った。そのフィルムロールを24時間保管した後に、フィルムロール表層からサンプリングし、ヘイズを測定した(ヘイズa)。
次に、フィルムロールを巻きほぐして巻芯から50mの位置において、フィルム幅方向を11等分するようなA1〜A10なる点を決定する。
次いで、A1地点から、フィルム長さ方向に20cm間隔となるよう巻芯方向に向かってA1−1〜A1−10なる点を決定する。A2〜A10についても同様にし、A2−1〜A10−10なる点を決定する。
上記によりA1−1からA10−10の100点が得られるが、それぞれの点を重心とする長さ5cm×幅5cmの正方形状の切片サンプルを得る。このとき、切片サンプルの長さ方向とフィルムロールの長さ方向は一致させるものとする。
上記により得られた100枚の切片サンプルのヘイズをそれぞれ測定し、最大値をヘイズbとする。ヘイズbとヘイズaの差(ヘイズb−ヘイズa)を白化度とする。なお、ヘイズbとヘイズaの差が0以下となるときは、白化度0とする。また、ヘイズの測定は(6)透明性の測定方法に準じるものとする。
次に、実施例に基づいて本発明を説明する。
(実施例1)
外部粒子を含有しないPETペレット(極限粘度0.63dl/g)を十分に真空乾燥した後、押し出し機に供給し285℃の温度で溶融し、T字型口金からシート状に押し出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度25℃の鏡面キャスティングドラムに巻き付けて冷却固化させた。このようにして得られた未延伸フィルムを、88℃の温度に加熱して長手方向に3.3倍延伸し、一軸延伸フィルムとした。この一軸延伸フィルムに空気中でコロナ放電処理を施し、その処理面に下記の積層膜形成塗液を塗布した。積層膜形成塗液が塗布された一軸延伸フィルムを、クリップで把持しながら予熱ゾーンに導き、95℃の温度で乾燥後、引き続き連続的に110℃の温度の加熱ゾーンで幅方向に3.4倍延伸し、更に、235℃の温度の加熱ゾーンで熱処理を施し、結晶配向の完了した積層PETフィルムを得た。得られたPETフィルム厚みは100μmであり、積層膜の厚み30nmであった。結果を表に示す。透明性に優れ、かつ、接着性、耐湿熱接着性、UV照射後の接着性にも優れたものであった。
「積層膜形成塗液」。
・液A1:
アクリル・ウレタン共重合樹脂アニオン性水分散体(山南合成化学(株)製“サンナロン”WG−353(試作品))。なお、アクリル樹脂成分/ウレタン樹脂成分の固形分重量比は12/23、トリエチルアミンを2重量部用いて水分散体化している。なお、該アクリル・ウレタン共重合樹脂は、アクリル層をスキン層とし、ウレタン層をコア層とするものである。
・塗液B1:
下記の共重合組成からなる側鎖にカルボキシル基を有するポリエステル樹脂(ガラス転移温度:37℃)のアンモニウム塩型の水分散体。
<共重合成分>
テレフタル酸 30モル%
イソフタル酸 60モル%
トリメリット酸 10モル%
エチレングリコール 50モル%
ネオペンチルグリコール 50モル%。
・塗液C1:
ブロックイソシアネート水分散体(第一工業製薬(株)製“エラストロン”E−37)。
・塗液C2:
多価カルボジイミドの水溶液(日清紡(株)製“カルボジライト”V−04、カルボジイミド当量334)。
・塗液Z1:
粒子aとして平均粒子径φaが40nmであるコロイダルシリカの水性塗液(日産化学工業(株)製“スノーテックス”OL)。
・塗液Z2:
粒子bとして平均粒子径φbが80nmであるコロイダルシリカの水性塗液(触媒化成工業(株)製“カタロイド”SI80P)。
上記した塗液A1と塗液B1を固形分重量比で、塗液A1/塗液B1=70/30で混合し、この100重量部に対して、塗液C1を25重量部、塗液C2を10重量部、塗液Z1を3重量部、Z2を1重量部混合したもの、積層膜形成塗液とした。なお、このとき、各塗液の固形分重量比は、塗液A1/塗液B2/塗液C1/塗液C2/塗液Z1/塗液Z2=70/30/25/10/5/2であった。結果を表に示す。ヘイズ、全光線透過率などの透明性に極めて優れ、かつ、接着性、耐湿熱接着性、UV照射後の接着性にも極めて優れ、かつ白化もなくフィルム外観にも極めて優れたものであった。
(実施例2)
実施例1で用いた積層膜形成塗液に代え、下記の積層膜形成塗液を用い、積層膜の厚みを60nmにしたこと以外は、実施例1と同様にして積層PETフィルムを得た。
「積層膜形成塗液」
・塗液A1、塗液C1、塗液C2、塗液Z2は実施例1と同じものを用いた。なお、本実施例では、塗液Z2に含まれる粒子が粒子aとなる。
・塗液B2:
下記の共重合組成からなる側鎖にカルボキシル基を有するポリエステル樹脂(ガラス転移温度:20℃)のアンモニウム塩型の水分散体。
<共重合成分>
テレフタル酸 60モル%
イソフタル酸 14モル%
トリメリット酸 20モル%
エチレングリコール 28モル%
ネオペンチルグリコール 38モル%
1,4−ブタンジオール 34モル%。
・塗液Z3:
粒子bとして平均粒子径φbが140nmであるコロイダルシリカの水性塗液(触媒化成工業(株)製“スフェリカ”140)。
上記した塗液A1と塗液B2を固形分重量比で、塗液A1/塗液B2=80/20で混合し、この100重量部に対して、塗液C1を30重量部、塗液C2を10重量部、塗液Z2を3重量部、塗液Z3を1重量部混合したもの、積層膜形成塗液とした。なお、このとき、各塗液の固形分重量比は、塗液A1/塗液B2/塗液C1/塗液C2/塗液Z2/塗液Z3=80/20/30/10/3/1であった。透明性に優れ、かつ、接着性、耐湿熱接着性、UV照射後の接着性にも極めて優れ、かつ白化もなくフィルム外観にも極めて優れたものであった。
(実施例3)
実施例1で用いた積層膜形成塗液に代え、下記の積層膜形成塗液を用い、積層膜厚さを100nmにしたこと以外は、実施例1と同様にして積層PETフィルムを得た。
「積層膜形成塗液」
・塗液A1、塗液B1、塗液C2は実施例1と同じものを用いた。
・塗液Z3は実施例2と同じものを用いた。
・塗液C3:
ブロックイソシアネートの水分散体(武田薬品工業(株)製“プロミネート”XC−915)。
・塗液Z4:
粒子bとして平均粒子径φbが300nmであるコロイダルシリカの水性塗液((株)日本触媒製“シーホスター”KE−W30)。なお、本実施例では、塗液Z3に含まれる粒子が粒子aとなる。
上記した塗液A1と塗液B1を固形分重量比で、塗液A1/塗液B2=70/30で混合し、この100重量部に対して、塗液C3を5重量部、塗液C2を10重量部、塗液Z3を2重量部、塗液Z4を0.5重量部混合したものを積層膜形成塗液とした。なお、このとき、各塗液の固形分重量比は、塗液A1/塗液B1/塗液C3/塗液C2/塗液Z3/塗液Z4=70/30/5/10/2/0.5であった。結果を表に示す。透明性に優れ、かつ、接着性、耐湿熱接着性、UV照射後の接着性に極めて優れ、かつ白化もなくフィルム外観にも優れたものであった。
(実施例4)
実施例1で用いた積層膜形成塗液に代え、下記の積層膜形成塗液を用い、積層膜の厚みを70nmにしたこと以外は、実施例1と同様にして積層PETフィルムを得た。
「積層膜形成塗液」
・塗液A1、塗液C1、塗液C2、塗液Z2は実施例1と同じものを用いた。なお、本実施例では、Z2に含まれる粒子が粒子aとなる。
・塗液Z3は実施例2と同じものを用いた。
・塗液B3:
下記の共重合組成からなる側鎖にカルボキシル基を有しないポリエステル樹脂(ガラス転移温度:38℃)の水分散体。
<共重合成分>
イソフタル酸 90モル%
5−Naスルホイソフタル酸 10モル%
エチレングリコール 2モル%
ジエチレングリコール 78モル%
シクロヘキサンジメタノール 20モル%。
上記した塗液A1と塗液B3を固形分重量比で、塗液A1/塗液B3=30/70で混合し、この100重量部に対して、塗液C1を25重量部、塗液C2を5重量部、塗液Z2を3重量部、塗液Z3を1重量部混合したもの、積層膜形成塗液とした。なお、このとき、各塗液の固形分重量比は、塗液A1/塗液B3/塗液C1/塗液C2/塗液Z2/塗液Z3=30/70/25/10/3/1であった。透明性に優れ、かつ、接着性、耐湿熱接着性、UV照射後の接着性にも優れ、かつ白化もなくフィルム外観にも極めて優れたものであった。
(実施例5)
実施例1で用いた積層膜形成塗液に代え、下記の積層膜形成塗液を用い、積層膜の厚みを60nmにしたこと以外は、実施例1と同様にして積層PETフィルムを得た。
「積層膜形成塗液」
・塗液B1、塗液C1、塗液Z2は実施例1と同じものを用いた。なお、本実施例では、Z2に含まれる粒子が粒子aとなる。
・塗液Z3は実施例2と同じものを用いた。
・塗液A2:
カルボキシル基を含有した水性ポリウレタン(大日本インキ工業(株)製“ハイドラン”AP−40)の水分散体を、更に水を添加して10重量%に希釈した液90重量部に対し、重合開始剤としてアゾイソブチロニトリル0.1重量部を溶解し、更に下記のアクリルモノマーを添加し(最終的にアクリル樹脂成分/ウレタン樹脂成分の固形分重量比は50/50となるに調整)、80〜82℃の温度で2時間重合反応させ、アクリル・ウレタン共重合樹脂の水分散体を得た。なお、該アクリル・ウレタン共重合樹脂は、アクリル層をスキン層とし、ウレタン層をコア層としないものである。
<共重合成分>
メチルメタクリレート 61重量%
エチルアクリレート 35重量%
アクリル酸 2重量%
N−メチロールアクリルアミド 2重量%。
上記した塗液A2と塗液B1を固形分重量比で、塗液A2/塗液B1=60/40で混合し、この100重量部に対して、塗液C1を25重量部、塗液Z2を3重量部、塗液Z3を1重量部混合したもの、積層膜形成塗液とした。なお、このとき、各塗液の固形分重量比は、塗液A2/塗液B1/塗液C1/塗液Z2/塗液Z3=60/40/25/3/1であった。透明性に優れ、かつ、接着性、耐湿熱接着性、UV照射後の接着性にも優れ、かつ白化もなくフィルム外観にも極めて優れたものであった。
(実施例6)
実施例1で用いた積層膜形成塗液に代え、下記の積層膜形成塗液を用い、積層膜の厚みを70nmにしたこと以外は、実施例1と同様にして積層PETフィルムを得た。
「積層膜形成塗液」
・塗液A1、塗液B1、塗液C2、塗液Z2は実施例1と同じものを用いた。
・塗液Z3は実施例2と同じものを用いた。
上記した塗液A1と塗液B1を固形分重量比で、塗液A1/塗液B1=60/40で混合し、この100重量部に対して、塗液C2を20重量部、塗液Z2を3重量部、塗液Z3を1重量部混合したもの、積層膜形成塗液とした。なお、このとき、各塗液の固形分重量比は、塗液A1/塗液B1/塗液C2/塗液Z2/塗液Z3=60/40/20/3/1であった。透明性に優れ、かつ、接着性、耐湿熱接着性、UV照射後の接着性にも優れかつ白化もなくフィルム外観にも極めて優れたものであった。
(比較例1)
実施例1で用いた積層膜形成塗液に代え、下記の積層膜形成塗液を用い、積層膜の厚みを100nmにしたこと以外は、実施例1と同様にして積層PETフィルムを得た。
「積層膜形成塗液」
・塗液A1、塗液B1、塗液C1、塗液C2、塗液Z2は実施例1と同じものを用いた。なお、本実施例では、Z2に含まれる粒子が粒子aとなる。
・塗液Z4は実施例3と同じものを用いた。
上記した塗液A1と塗液B1を固形分重量比で、塗液A1/塗液B1=70/30で混合し、この100重量部に対して、塗液C1を25重量部、塗液C2を10重量部、塗液Z2を3重量部、塗液Z4を0.5重量部混合したもの、積層膜形成塗液とした。なお、このとき、各塗液の固形分重量比は、塗液A1/塗液B1/塗液C1/塗液C2/塗液Z2/塗液Z4=70/30/25/10/3/0.5であった。評価結果を表に示す。白化しておりフィルム外観が大きく劣るものであった。
(比較例2)
実施例1で用いた積層膜形成塗液に代え、下記の積層膜形成塗液を用い、積層膜の厚みを60nmにしたこと以外は、実施例1と同様にして積層PETフィルムを得た。
「積層膜形成塗液」
・塗液A1、塗液B1、塗液C1、塗液C2、塗液Z2は実施例1と同じものを用いた。
上記した塗液A1と塗液B1を固形分重量比で、塗液A1/塗液B1=70/30で混合し、この100重量部に対して、塗液C1を25重量部、塗液C2を10重量部、塗液Z2を6重量部混合したもの、積層膜形成塗液とした。なお、このとき、各塗液の固形分重量比は、塗液A1/塗液B1/塗液C1/塗液C2/塗液Z2=70/30/25/10/6であった。評価結果を表に示す。白化しておりフィルム外観が大きく劣るものであった。
(比較例3)
実施例1で用いた積層膜形成塗液に代え、下記の積層膜形成塗液を用い、積層膜の厚みを20nmにしたこと以外は、実施例1と同様にして積層PETフィルムを得た。
「積層膜形成塗液」
・塗液A1、塗液B1、塗液C1、塗液C2、塗液Z2は実施例1と同じものを用いた。なお、本実施例では、Z2に含まれる粒子が粒子aとなる。
・塗液Z4は実施例3と同じものを用いた。
上記した塗液A1と塗液B1を固形分重量比で、塗液A1/塗液B1=70/30で混合し、この100重量部に対して、塗液C1を25重量部、塗液C2を10重量部、塗液Z2を3重量部、塗液Z4を0.5重量部混合したもの、積層膜形成塗液とした。なお、このとき、各塗液の固形分重量比は、塗液A1/塗液B1/塗液C1/塗液C2/塗液Z2/塗液Z4=70/30/25/10/3/0.5であった。評価結果を表に示す。白化しておりフィルム外観が劣るものであった。
(比較例4)
実施例1で用いた積層膜形成塗液に代え、下記の積層膜形成塗液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして積層PETフィルムを得た。
「積層膜形成塗液」
・塗液A1、塗液C1、塗液C2、塗液Z1、塗液Z2は実施例1と同じものを用いた。
上記した塗液A1の100重量部に対して、塗液C1を5重量部、塗液C2を10重量部、塗液Z1を5重量部、塗液Z2を2重量部混合したものを積層膜形成塗液とした。なお、このとき、各塗液の固形分重量比は、塗液A1/塗液C1/塗液C2/塗液Z1/塗液Z2=100/5/10/5/2であった。結果を表に示す。UV照射後の接着性に劣るものであった。
(比較例5)
実施例1で用いた積層膜形成塗液に代え、下記の積層膜形成塗液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして積層PETフィルムを得た。
「積層膜形成塗液」
・塗液B1、塗液C1、塗液C2、塗液Z1、塗液Z2は実施例1と同じものを用いた。
上記した塗液B1の100重量部に対して、塗液C1を10重量部、塗液C2を10重量部、塗液Z1を5重量部、塗液Z2を2重量部混合したものを積層膜形成塗液とした。なお、このとき、各塗液の固形分重量比は、塗液B1/塗液C1/塗液C2/塗液Z1/塗液Z2=100/10/10/5/2であった。結果を表に示す。接着性、耐湿熱接着性、UV照射後の接着性に劣るものであった。
上記実施例・比較例で得られたフィルムの特性等を表に示す。
Figure 2009234009
Figure 2009234009
本発明は、液晶テレビ、プラズマディスプレイテレビ、リアプロジェクションテレビなどのディスプレイ用途の光学用易接着フィルムとして好適に用いられ、各種被覆物との接着性、フィルム外観に優れたフィルムを得ることができた。しかし、本発明の利用可能性は上記に限定されるものではなく、光学用途に好適に使用され、それ以外でも高透明、低ヘイズを要求するあらゆる部材に対して好適に使用可能である。

Claims (8)

  1. 熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に、アクリル・ウレタン共重合樹脂(A)、ポリエステル樹脂(B)、架橋剤(C)を含有する積層膜を設け、
    かつ、該架橋剤(C)がイソシアネート系架橋剤および/またはカルボジイミド系架橋剤であり、
    かつ、該積層膜中のアクリル・ウレタン共重合樹脂(A)の含有量とポリエステル樹脂(B)の含有量の合計を100重量部としたとき、該積層膜中の架橋剤(C)の含有量が5〜70重量部であり、
    かつ、該積層膜が2種類の不活性粒子a、bを含有し、
    かつ、該不活性粒子aの粒子径φa(nm)、該不活性粒子bの粒子径φb(nm)、積層膜の厚さd(nm)が下記式を満たし、
    かつ、該積層膜表面の突起個数が1個/μm以上20個/μm2以下であることを特徴とする積層フィルム。
    1≦φa/d≦3
    2≦φb/d≦10
    φa<φb。
  2. 架橋剤(C)がイソシアネート系架橋剤およびカルボジイミド系架橋剤であることを特徴とする請求項1に記載の積層フィルム。
  3. 架橋剤(C)が高分子型架橋剤であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の積層フィルム。
  4. ポリエステル樹脂(B)が、側鎖にカルボキシル基を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の積層フィルム。
  5. アクリル・ウレタン共重合樹脂(A)が、アクリルをスキン層とし、ウレタンをコア層とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の積層フィルム。
  6. 積層膜におけるアクリル・ウレタン共重合樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)の固形分重量比((A)/(B))が、95/5〜60/40であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の積層フィルム。
  7. 積層膜中のアクリル・ウレタン共重合樹脂(A)の含有量とポリエステル樹脂(B)の含有量の合計を100重量部としたとき、積層膜中のイソシアネート系架橋剤の含有量が10〜40重量部、カルボジイミド系架橋剤の含有量が5〜30重量部であることを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の積層フィルム。
  8. 熱可塑性樹脂フィルムが、ポリエチレンテレフタレートフィルムまたはポリエチレン−2,6−ナフタレートフィルムであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の積層フィルム。
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