JP2009232514A - 保護回路、半導体装置、電気機器 - Google Patents

保護回路、半導体装置、電気機器 Download PDF

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Abstract

【課題】過電流保護機能の精度を向上させる。
【解決手段】被保護回路を流れる電流を電圧として検出する検出抵抗と、前記被保護回路を流れる設定電流と、前記設定電流に対応して前記検出抵抗に発生する実測電圧と、に基づいて、前記被保護回路を過電流から保護するための基準電圧の値を補正する補正回路と、前記実測電圧と前記基準電圧とを比較し、前記実測電圧が前記基準電圧を超えたか否かを検出する過電流検出回路と、前記過電流検出回路において前記実測電圧が前記基準電圧を超えた場合、前記被保護回路を過電流から保護するべく制御する制御回路と、を備える保護回路。
【選択図】図1

Description

本発明は、保護回路、半導体装置、電気機器に関する。
例えば、インバータ回路に用いられるパワー半導体デバイスは、3相モータのロック等といった異常が発生した場合、極めて短時間で破壊に至る恐れがある。そこで、パワー半導体デバイスを流れる電流が基準電流を超える過電流となる場合には、インバータ回路の動作を停止させる過電流保護機能を適切に設ける必要がある。
パワー半導体デバイス等に流れる電流が基準電流を超える過電流であるか否かを検出して、過電流保護機能を実現するため、例えば、パワー半導体デバイス等に流れる電流を電圧として検出する電流検出抵抗などが用いられる。そして、電流検出抵抗が検出する電圧と、基準電流の大きさに対応する大きさの基準電圧とを差動増幅器等によって比較し、検出電圧が基準電圧を越えたとき、インバータ回路の動作を停止させる。
このような電流検出抵抗として、例えばシャント抵抗が用いられる。
特開2003−319546号公報
ところで、電流検出抵抗として用いられる、シャント抵抗は、過電流が流れても両端に発生する電圧が大きくならないようにするため比較的小さな抵抗値を有する。このため、シャント抵抗が検出する電圧は、シャント抵抗の配線パターン等から生じる配線インピーダンスの電圧降下の影響等を受けやすい。係る影響等を受けた場合、パワー半導体デバイス等に流れる電流として、シャント抵抗が検出する電圧の大きさは、パワー半導体デバイス等に実際に流れる電流の大きさに対応しない虞がある。このような場合、過電流の検出に誤差が生じてしまい、十分に過電流保護機能を発揮することが出来ないといった虞があった。
前記課題を解決する為の主たる発明は、保護回路であって、被保護回路を流れる電流を電圧として検出する検出抵抗と、前記被保護回路を流れる設定電流と、前記設定電流に対応して前記検出抵抗に発生する実測電圧と、に基づいて、前記被保護回路を過電流から保護するための基準電圧の値を補正する補正回路と、前記実測電圧と前記基準電圧とを比較し、前記実測電圧が前記基準電圧を超えたか否かを検出する過電流検出回路と、前記過電流検出回路において前記実測電圧が前記基準電圧を超えた場合、前記被保護回路を過電流から保護するべく制御する制御回路と、を備える。
本発明の他の特徴については、添付図面及び本明細書の記載により明らかとなる。
本発明によれば、過電流保護機能の精度を向上させることが可能となる。
本明細書および添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
<<過電流保護機能を持つ集積回路を用いた装置>>
===インバータ回路===
本実施形態に係る、過電流保護機能を実現する保護回路を備えるインバータ装置100について、図1を参照して説明する。
本実施形態に係る過電流保護機能とは、3相モータ130のロック等によって検出対象の電流が所定電流を超える過電流となる場合に、3相モータ130を停止させて、スイッチング回路121の過電流破壊や3相モータ130などの被保護対象の故障を防止する機能である。
本実施形態に係るインバータ装置100とは、空気調和機、洗濯機、冷蔵庫などのパワーエレクトロニクス機器に用いられ、交流電力をインバータ負荷に応じて別の大きさ、周波数、位相の交流電力に変換するための装置のことである。具体的には、インバータ装置100は、R相コイル、S相コイル、T相コイルを具備した3相交流電源105の交流電圧をコンバータ回路110によって直流電圧に一旦変換した後、インバータ回路120によって、U相コイル、V相コイル、W相コイルを具備した3相モータ130(インバータ負荷)をインバータ駆動するための交流電圧を、当該直流電圧に基づいて作るものである。
図1において、インバータ装置100は、インバータ回路120と、マイクロコンピュータ140(補正回路)と、3相モータ130と、コンバータ回路110と、3相交流電源105と、を含んで構成される。尚、本実施形態に係る保護回路は、マイクロコンピュータ140と、インバータ回路120を含んで構成される。
インバータ回路120は、V+端子、V−端子、U端子、V端子、W端子、電圧モニター用端子Lu、Lv、Lw、電圧調整用端子Mu、Mv、Mwを少なくとも具備した集積回路として提供される。
V+端子とV−端子の間には、コンバータ回路110によって変化された直流電圧が印加される。尚、V+端子とV−端子とコンバータ回路110の間には平滑用コンデンサCXが接続され、コンバータ回路110からV+端子とV−端子の間に印加される直流電圧が平滑用コンデンサCXによって安定化する。
U端子、V端子、W端子は、3相モータ130のU相コイル、V相コイル、W相コイルとそれぞれ接続される。
電圧モニター用端子Lu、Lv、Lwは、シャント抵抗Ru、Rv、Rw(検出抵抗)の検出電圧を、インバータ回路120外部のマイクロコンピュータ140によってモニターするための端子である。
電圧調整用端子Mu、Mv、Mwは、マイクロコンピュータ140によって個別に調整された基準電圧Vru、Vrv、Vrwが過電流検出回路123に向けてそれぞれ供給されるための端子である。
また、インバータ回路120は、スイッチング回路121と、シャント抵抗Ru、Rv、Rw(検出抵抗)と、RCフィルタ122a、122b、122cと、過電流検出回路123と、増幅回路124a、124b、124cと、ドライバ回路125(制御回路)と、を含んで構成される。
スイッチング回路121は、スイッチング素子Q1〜Q6と、スイッチング素子Q1〜Q6と逆並列に接続される回生ダイオードD1〜D6とにより構成され、V+端子とV−端子を介して印加された直流電圧を電源電圧として動作する。スイッチング素子Q1〜Q6は、パワーMOSFETやIGBT等のパワー半導体デバイスが採用される。
スイッチング素子Q1、Q2、Q3は、電流吐出側(V+端子側)に設けられ、ソーストランジスタと呼ばれる。スイッチング素子Q4、Q5、Q6は、電流吸込側(V−端子側)に設けられ、シンクトランジスタと呼ばれる。スイッチング素子Q1、Q4は直列接続され、スイッチング素子Q1、Q4の接続点はU端子と接続される。また、スイッチング素子Q2、Q5は直列接続され、スイッチング素子Q2、Q5の接続点はV端子と接続される。また、スイッチング素子Q3、Q6は直列接続され、スイッチング素子Q3、Q6の接続点はW端子と接続される。
シャント抵抗Ru、Rv、Rwは、スイッチング素子Q4、Q5、Q6のエミッタとV−端子との間にそれぞれ設けられ、過電流検出回路123における過電流検出に用いられる抵抗素子である。尚、シャント抵抗RuはU相コイルを介してU端子から入力される電流についての過電流検出に用いられる抵抗素子である。シャント抵抗RvはV相コイルを介してV端子から入力される電流についての過電流検出に用いられる抵抗素子である。シャント抵抗RwはW相コイルを介してW端子から入力される電流についての過電流検出に用いられる抵抗素子である。
RCフィルタ122aは、スイッチング素子Q4とシャント抵抗Ruの接続点naに発生する電圧が信号ライン127aを介して印加され、この電圧を平滑化した電圧Vuを過電流検出回路123に出力するフィルタである。RCフィルタ122bは、スイッチング素子Q5とシャント抵抗Rvの接続点nbに発生する電圧が信号ライン127bを介して印加され、この電圧を平滑化した電圧Vvを過電流検出回路123に出力するフィルタである。RCフィルタ122cは、スイッチング素子Q6とシャント抵抗Rwの接続点ncに発生する電圧が信号ライン127cを介して印加され、この電圧を平滑化した電圧Vwを過電流検出回路123に出力するフィルタである。
過電流検出回路123は、信号ライン127a〜127cを介して供給される電圧Vu、Vv、Vwと、マイクロコンピュータ140の後述のデジタルアナログ変換器405から供給される基準電圧Vru、vrv、Vrwと、をそれぞれ比較することにより、シャント抵抗Ru、Rv、Rwの何れかに過電流が流れたか否かを検出する回路である。過電流検出回路123は、インバータ回路120内の過電流を検出した場合はLowレベルの検出信号DETを出力する。また、検出信号DETがハイインピーダンスの場合、過電流が検出されなかった場合を表す。尚、過電流検出回路123の詳細構成例については後述する。
増幅回路124aは、スイッチング素子Q4とシャント抵抗Ruの接続点naに発生する電圧が信号ライン128aを介して印加され、この電圧をインピーダンス変換したモニター電圧Vsuをマイクロコンピュータ140へ出力するボルテージフォロワとしての機能を有するものである。増幅回路124bは、スイッチング素子Q5とシャント抵抗Rvの接続点nbに発生する電圧が信号ライン128bを介して印加され、この電圧をインピーダンス変換したモニター電圧Vsvをマイクロコンピュータ140へ出力するボルテージフォロワとしての機能を有するものである。増幅回路124cは、スイッチング素子Q6とシャント抵抗Rwの接続点ncに発生する電圧が信号ライン128cを介して印加され、この電圧をインピーダンス変換したモニター電圧Vswをマイクロコンピュータ140へ出力するボルテージフォロワとしての機能を有するものである。
ドライバ回路125(制御回路)は、スイッチング回路121に対し、マイクロコンピュータ140などからの指示に応じて、3相モータ130の回転速度を制御するための制御信号を出力する。ドライバ回路125が過電流検出回路123からハイインピーダンスの検出信号DETを受信したとき、ドライバ回路125は、例えば、それぞれ120度の位相差を有しておりスイッチング素子Q1〜Q3のオン・オフを制御する3つのパルス幅変調された第1の矩形波と、第1の矩形波に対して一般的に180度位相が遅れておりスイッチング素子Q4〜Q6のオン・オフを制御する3つのパルス幅変調された第2の矩形波と、からなる制御信号(スイッチング素子Q1〜Q6の各ベース信号)を出力する。
また、ドライバ回路125は、過電流検出回路123からLowレベルの検出信号DETを受信したとき、スイッチング素子Q1〜Q6全てをオフさせるための制御信号を出力する。これにより、スイッチング回路121に対する過電流保護機能が実行される。尚、過電流検出回路123からハイインピーダンスの検出信号DETが出力されるときの制御信号としては、スイッチング素子Q1〜Q6全てをオフさせることに限らず、スイッチング素子Q1〜Q6を過電流による破壊から保護できる程度の制御を指示する信号であればよい。
===過電流検出回路===
本実施形態に係る過電流検出回路123の詳細構成例について、図1を参照して説明する。過電流検出回路123は、3つのオープンコレクタ出力コンパレータ1233a、1233b、1233cと、オープンコレクタ出力コンパレータ1233aの+端子に接続される信号ライン129aと接地の間に接続されたコンデンサCaと、オープンコレクタ出力コンパレータ1233bの+端子に接続される信号ライン129bと接地の間に接続されたコンデンサCbと、オープンコレクタ出力コンパレータ1233cの+端子に接続される信号ライン129cと接地の間に接続されたコンデンサCcと、により構成される。
オープンコレクタ出力コンパレータ1233aは、+端子にマイクロコンピュータ140から信号ライン129aを介して基準電圧Vruが印加され、−端子にRCフィルタ122aより出力される電圧Vuが印加される。オープンコレクタ出力コンパレータ1233aは、電源電圧Vccによって動作する。電圧Vuが基準電圧Vruよりも低い場合、オープンコレクタ出力コンパレータ1233aの比較信号UOはハイインピーダンスとなり、電圧Vuが基準電圧Vruよりも高い場合にはオープンコレクタ出力コンパレータ1233aの比較信号UOはLowレベルとなる。
オープンコレクタ出力コンパレータ1233bは、+端子にマイクロコンピュータ140から信号ライン129bを介して基準電圧Vrvが印加され、−端子にRCフィルタ122bより出力される電圧Vvが印加される。オープンコレクタ出力コンパレータ1233bは、電源電圧Vccによって動作する。電圧Vvが基準電圧Vrvよりも低い場合、オープンコレクタ出力コンパレータ1233bの比較信号VOはハイインピーダンスとなり、電圧Vvが基準電圧Vrvよりも高い場合にはオープンコレクタ出力コンパレータ1233bの比較信号VOはLowレベルとなる。
オープンコレクタ出力コンパレータ1233cは、+端子にマイクロコンピュータ140から信号ライン129cを介して基準電圧Vrwが印加され、−端子にRCフィルタ122cより出力される電圧Vwが印加される。オープンコレクタ出力コンパレータ1233cは、電源電圧Vccによって動作する。電圧Vwが基準電圧Vrwよりも低い場合、オープンコレクタ出力コンパレータ1233cの比較信号WOはハイインピーダンスとなり、電圧Vwが基準電圧Vrwよりも高い場合にはオープンコレクタ出力コンパレータ1233cの比較信号WOはLowレベルとなる。
尚、オープンコレクタ出力コンパレータ1233a、1233b、1233cの各比較信号UO、VO、WOは、ワイヤードORによって接続点Pに接続される。接続点Pから各比較信号UO、VO、WOを合成して得られる合成出力信号が検出信号DETとして、ドライバ回路125に入力される。
===マイクロコンピュータ===
マイクロコンピュータ140の構成について、図2を参照して説明する。
シャント抵抗Ruに流れる電流と、スイッチング素子Q4とシャント抵抗Ruの接続点naに発生する電圧(シャント抵抗検出電圧)との関係は、例えば、図3の実線aに示すように、オームの法則に基づいて、シャント抵抗Ruの抵抗値に応じた傾きを有する比例直線となる。よって、図3aに示す、シャント抵抗Ruの抵抗値に応じた、シャント抵抗Ruに流れる電流と、接続点naに発生する電圧との関係に基づいて、接続点naに発生する電圧の値から、シャント抵抗Ruに流れる電流の値を検出することが出来る。言い換えると、図3aに示す関係に基づき、基準電流の値を電圧の値に変換して基準電圧の値(初期値)とすることが出来る。尚、ここで、基準電流とは、過電流保護機能を実行させるか否かを判断するための基準とする大きさの電流である。つまり、基準電流は、スイッチング回路121に流れる電流が基準電流より大きい場合を過電流とするための閾値となる電流である。
しかし、接続点naに発生する電圧の実測値は、シャント抵抗Ruをインバータ装置100に組み込む際の配線パターン等に応じ、配線インピーダンスによる電圧降下の影響(図3破線b)や、シャント抵抗Ruに流れる電流が0Aのときに伝送系等によって発生するオフセット電圧の影響(図3一点鎖線c)を受ける場合がある。この場合、シャント抵抗Ruに流れる電流と、接続点naに発生する電圧の実測値と、は例えば、図3の実線dに示す関係となるため、図3の実線aに示す関係と一致しない。よって、図3の実線aに示す関係に基づいて設定された基準電圧(初期値)は、接続点naに発生する電圧の実測値との関係においては、基準電流の値に対応する電圧の値とならない。よって、図3の実線aに示す関係に基づいて設定された基準電圧(初期値)と、接続点naに発生する電圧の実測値とを比較して過電流を検出する、過電流検出回路123では、過電流の検出に誤差が生じる場合がある。尚、シャント抵抗Rv、Rwに関しても同様である。
そこで、マイクロコンピュータ140は、例えば、インバータ装置100の製品出荷前や初期設定時のキャリブレーション運転の際等に、電流値が予め定められている複数の設定電流をそれぞれ個別にシャント抵抗Ru、Rv、Rwに流したときに、スイッチング素子Q4とシャント抵抗Ruの接続点na、スイッチング素子Q5とシャント抵抗Rvの接続点nb、スイッチング素子Q6とシャント抵抗Rwの接続点ncにそれぞれ発生する複数の電圧の実測値をモニターする。そして、設定電流とモニターした電圧とに基づいて、シャント抵抗Ruに流れる電流と接続点naに発生する電圧の実測値との関係、シャント抵抗Rvに流れる電流と接続点nbに発生する電圧の実測値との関係、シャント抵抗Rwに流れる電流と接続点ncに発生する電圧の実測値との関係を求める。求めたそれぞれの関係から、接続点na、nb、ncに発生する電圧の実測値との関係において、基準電流の大きさに対応する基準電圧Vru、Vrv、Vrvを過電流検出回路123に出力し、過電流検出回路123の過電流検出誤差を校正する回路である。
尚、本実施形態に係る保護回路が、端子Uから入力される電流に関して行う処理を、以下、U相についての処理と称する。また、本実施形態に係る保護回路が、端子Vから入力される電流に関して行う処理を、以下、V相についての処理と称する。また、本実施形態に係る保護回路が、端子Wから入力される電流に関して行う処理を、以下、W相についての処理と称する。
また、図2に示す、DVs0(Dvs1)は、本実施形態に係る保護回路がU相についての処理を行う場合、モニター電圧データDVsu0(DVsu1)を示し、V相についての処理を行う場合、モニター電圧データDVsv0(DVsv1)を示し、W相についての処理を行う場合、モニター電圧データDVsw0(DVsvw1)を示す。
また、図2に示す、DVrは、本実施形態に係る保護回路がU相についての処理を行う場合、基準電圧データDVruを示し、V相についての処理を行う場合、基準電圧データDVrvを示し、W相についての処理を行う場合、基準電圧データDVrwを示す。
マイクロコンピュータ140は、アナログデジタル変換器401と、メモリ部402と、パラメータ演算部403(演算処理部)と、基準電圧演算部404(演算処理部)と、デジタルアナログ変換器405と、によって構成される。
アナログデジタル変換器401は、インバータ回路120の電圧モニター用端子Lu、Lv、Lwと接続される。アナログデジタル変換器401は、電圧モニター用端子Luから、モニター電圧Vsu0及びモニター電圧Vsu1が入力される。また、電圧モニター用端子Lvから、モニター電圧Vsv0及びモニター電圧Vsv1が入力される。また、電圧モニター用端子Lwから、モニター電圧Vsw0及びモニター電圧Vsw1が入力される。
ここで、モニター電圧Vsu0(Vsu1)とは、スイッチング回路121のスイッチング素子Q4及びQ2、又は、スイッチング素子Q4及びQ3のオンによって、電流値が予め定められている設定電流As0(As1)がシャント抵抗Ruに流れた際に、接続点naに発生する電圧が増幅回路124aを介して出力されるモニター電圧である。また、モニター電圧Vsv0(Vsv1)とは、スイッチング回路121のスイッチング素子Q5及びQ1、又は、スイッチング素子Q5及びQ3のオンによって、電流値が予め定められている設定電流As0(As1)がシャント抵抗Rvに流れた際に、接続点nbに発生する電圧が増幅回路124bを介して出力されるモニター電圧である。また、モニター電圧Vsw0(Vsw1)とは、スイッチング回路121のスイッチング素子Q6及びQ1、又は、スイッチング素子Q6及びQ3のオンによって、電流値が予め定められている設定電流As0(As1)がシャント抵抗Rwに流れた際に、接続点ncに発生する電圧が増幅回路124cを介して出力されるモニター電圧である。
そして、アナログデジタル変換器401は、入力されたモニター電圧Vsu0、Vsu1、Vsv0、Vsv1、Vsw0、Vsw1をそれぞれデジタル値に変換し、モニター電圧データDVsu0、Dvsu1、DVsv0、DVsv1、DVsw0、DVsw1をメモリ部402に格納する。
尚、本実施形態では、設定電流As0は0Aに設定され、モニター電圧データDVsu0、DVsv0、DVsw0はそれぞれオフセット電圧としてメモリ部402に格納される。
メモリ部402は、アナログデジタル変換器401から入力されるモニター電圧データDVsu0、DVsu1、DVsv0、DVsv1、DVsw0、DVsw1と、設定電流As0、As1のデジタル値に対応する設定電流データDAs0、DAs1と、パラメータ演算部403が出力するパラメータSu、Sv、Swと、基準電流の値のデジタル値であり、マイクロコンピュータ140の外部から入力される基準電流データISDと、を格納する。尚、メモリ部402は、例えば、電気的に一括消去して書き込み及び読み出しが可能な不揮発性フラッシュメモリや、1バイト単位で電気的に書き込み及び読み出しが可能な不揮発性EEPROMなどにより構成できる。
パラメータ演算部403は、メモリ部402に格納されるデータのうち、設定電流データDAs0、DAs1と、モニター電圧データDVsu0、DVsu1と、に基づいて、設定電流値の変化(DAs1−DAs0)に対するモニター電圧値の変化(DVsu1−DVsu0)の割合をパラメータSuとして算出し、メモリ部402へ格納する。同様に、設定電流データDAs0、DAs1と、モニター電圧データDVsv0、DVsv1と、に基づいて、パラメータSvを算出し、メモリ部402へ格納する。同様に、設定電流データDAs0、DAs1と、モニター電圧データDVsw0、DVsw1と、に基づいて、パラメータSwを算出し、メモリ部402へ格納する。
基準電圧演算部404は、メモリ部402に格納されるデータのうち、基準電流データISDと、パラメータSu、Sv、Swと、モニター電圧データDVs0、DVv0、DVw0(オフセット電圧)と、から、シャント抵抗Ru、Rv、Rwに流れる電流と、接続点na、nb、ncに発生する電圧の実測値と、の関係をそれぞれ求め、当該関係に基づいて、基準電流データISDに対応する電圧値である基準電圧データDVru、DVrv、DVrwを出力する。
デジタルアナログ変換器405は、基準電圧演算部404が算出する基準電圧データDVru、DVrv、Dvrwをそれぞれアナログ値の基準電圧Vru、Vrv、Vrwに変換して電圧調整用端子Mu、Mv、Mwに出力する。
尚、例えば、マイクロコンピュータ140の不図示の制御によって、ドライバ回路125は、スイッチング回路121のスイッチング素子Q1〜Q6のそれぞれのソース−シンク電極間に設定電流As0(As1)が流れるように、スイッチング素子Q1〜Q6のそれぞれのベース電極に電流I0(I1)を供給する。これによって、設定電流As0(As1)はスイッチング回路121を介して、シャント抵抗Ru、Rv、Rwに流れ、接続点na、nb、ncの電圧が設定電流As0(As1)に対応する電圧となる。
===インバータ装置の演算処理動作===
本実施形態に係る補正動作のため、例えば、インバータ装置100の製品出荷前等に予め行われる、インバータ装置100の演算処理動作に関し、図4を参照して説明する。
尚、図4において、破線で囲まれたS103〜S104、S108〜S109、S111〜S112はマイクロコンピュータ140側の処理を示し、S114はマイクロプロセッサ140の外部からマイクロプロセッサ140へ設定される処理を示し、その他のステップはインバータ回路120側の処理を示している。
また、図4のS101、S107に示す、スイッチング素子のベース電極は、U相についての処理の場合はスイッチング回路121のスイッチング素子Q4及びQ2、又は、スイッチング素子Q4及びQ3のベース電極を示し、V相についての処理の場合はスイッチング回路121のスイッチング素子Q5及びQ1、又は、スイッチング素子Q5及びQ3のベース電極を示し、W相についての処理の場合はスイッチング回路121のスイッチング素子Q6及びQ2、又は、スイッチング素子Q6及びQ1のベース電極を示す。
また、図4のS103(S108)に示す、モニター電圧Vs0(Vs1)は、U相についての処理の場合はモニター電圧Vsu0(Vsu1)を示し、V相についての処理の場合はモニター電圧Vsv0(Vsv1)を示し、W相についての処理の場合はモニター電圧Vsw0(Vsvw1)を示す。
また、図4のS104、S111(S109、S111)に示す、モニター電圧データDVs0(Dvs1)は、U相についての処理の場合はモニター電圧データDVsu0(DVsu1)を示し、V相についての処理の場合はモニター電圧データDVsv0(Dvsv1)を示し、W相についての処理の場合はモニター電圧データDVsw0(DVsw1)を示す。
また、図4のS111、S112に示す、パラメータSは、U相についての処理の場合はパラメータSuを示し、V相についての処理の場合はパラメータSvを示し、W相についての処理の場合はパラメータSwを示す。
また、図4においては、U相、V相、W相の各相についての処理をU相、V相、W相の順に行うこととするが、いずれの相に対する処理から行われても良い。
まず、インバータ装置100の演算処理動作開始によって、マイクロコンピュータ140からドライバ回路125に、スイッチング素子Q1〜Q6のベース電極に電流I0を供給させる指示が送られる(S101)。
次に、U相についての処理に対応する、スイッチング回路121のスイッチング素子のベース電極に、ドライバ回路125から電流I0が供給される(S102)。
次に、マイクロコンピュータ140にモニターされたモニター電圧Vs0が、アナログデジタル変換器401によって、デジタル値のモニター電圧データDVs0に変換される(S103)。
次に、S103において得られたモニター電圧データDVs0がオフセット電圧としてメモリ部402に格納される(S104)。
次に、V相についてのモニター電圧DVs0がオフセット電圧としてメモリ部402に格納されていない場合(S105:NO)、V相についてS102〜S104の処理が行われる。
次に、W相についてのモニター電圧DVs0がオフセット電圧としてメモリ部402に格納されていない場合(S105:NO)、W相についてS102〜S104の処理が行われる。
U相、V相、W相各相についてのモニター電圧DVs0がそれぞれメモリ部402に格納されると(S105:YES)、マイクロコンピュータ140からドライバ回路125に、スイッチング素子Q1〜Q6のベース電極に電流I1を供給させる指示が送られる(S106)。
次に、U相についての処理に対応する、スイッチング回路121のスイッチング素子のベース電極に、ドライバ回路125から電流I1が供給される(S107)。
次に、マイクロコンピュータ140にモニターされたモニター電圧Vs1が、アナログデジタル変換器401によって、デジタル値のモニター電圧データDVs1に変換される(S108)。
次に、S108において得られたモニター電圧データDVs1がメモリ部402に格納される(S109)。
次に、V相についてのモニター電圧DVs1がメモリ部402に格納されていない場合(S110:NO)、V相についてS107〜S109の処理が行われる。
次に、W相についてのモニター電圧DVs1がメモリ部402に格納されていない場合(S110:NO)、W相についてS107〜S109の処理が行われる。
U相、V相、W相各相についてのモニター電圧DVs1がそれぞれメモリ部402に格納されると(S110:YES)、パラメータ演算部403によって、U相について、メモリ部402に格納されたデータから、つぎの演算式(1)の演算処理が行われ、パラメータSが算出される(S111)。
S=(DVs1−DVs0)/As1 ・・・(1)
そして、S111において得られたパラメータSがメモリ部402に格納される(S112)。
次に、V相についてのパラメータSがメモリ部402に格納されていない場合(S113:NO)、V相について、S111〜S112の処理が行われる。
次に、W相についてのパラメータSがメモリ部402に格納されていない場合(S113:NO)、W相について、S111〜S112の処理が行われる。
U相、V相、W相各相についてのパラメータSがそれぞれメモリ部402に格納されると(S113:YES)、メモリ部402に、マイクロコンピュータ140の外部から、任意に設定される基準電流の値のデジタル値である基準電流データISDが入力される(S114)。S114において入力された基準電流データISDがメモリ部402に格納され(S115)、インバータ装置100演算処理動作を終了する。
===インバータ装置の補正動作===
本実施形態に係る、インバータ装置100の基準電圧補正動作について、図5、図6を参照して説明する。
尚、図5において、破線で囲まれるS201〜S205は、インバータ装置100によるモータ130の通常駆動制御を行う前のイニシャライズ動作を示す処理である。本実施形態に係る、インバータ装置100は、セット電源投入直後のイニシャライズ動作時に、マイクロコンピュータ140により補正された基準電圧Vru、Vrv、Vrwがそれぞれ過電流検出回路123へ供給される。
また、図5のS202、S203に示す、基準電圧データDVrは、U相についての処理の場合は基準電圧データDVruを示し、V相についての処理の場合は基準電圧データDVrvを示し、W相についての処理の場合は基準電圧データDVrwを示す。
また、図5のS202に示す、パラメータSは、U相についての処理の場合はパラメータSuを示し、V相についての処理の場合はパラメータSvを示し、W相についての処理の場合はパラメータSwを示す。
また、図5のS202に示す、DVs0は、U相についての処理の場合はDVsu0を示し、V相についての処理の場合はDVsv0を示し、W相についての処理の場合はDVsw0を示す。
また、図5のS203に示す、電圧調整用端子Mは、U相についての処理の場合は電圧調整用端子Muを示し、V相についての処理の場合は電圧調整用端子Mvを示し、W相についての処理の場合は電圧調整用端子Mwを示す。
また、図5においては、U相、V相、W相の各相についての処理をU相、V相、W相の順に行うこととするが、いずれの相に対する処理から行われても良い。
先ず、インバータ装置100の駆動開始により、マイクロコンピュータ140のセット電源が投入される(S201)。次に、U相についての処理に対応する、前述のキャリブレーション運転によってメモリ部402に格納されたデータから、基準電圧演算部404により、つぎの演算式(2)に基づいて基準電圧データDVrが算出される(S202)。
DVr=ISD×S+DVs0 ・・・(2)
そして、S202においてえられた基準電圧データDVrは、マイクロコンピュータ140のデジタルアナログ変換器405によって、アナログ値の基準電圧Vrに変換され、端子Mに出力される(S203)。
次に、V相についての基準電圧Vrが端子Mに出力されていない場合(S204:NO)、V相について、S202〜S203の処理が行われる。
次に、W相についての基準電圧Vrが端子Mに出力されていない場合(S204:NO)、W相について、S202〜S203の処理が行われる。
U相、V相、W相各相についての基準電圧Vrがそれぞれ端子Mに出力されると(S204:YES)、インバータ装置100のその他のイニシャライズ処理が行われる(S205)。S205のイニシャライズ処理が終了すると、インバータ装置100によって、補正された基準電圧Vrに基づく、モータ130の通常駆動制御が行われる(S206)。その後、マイクロコンピュータ140の電源がOFFされて(S207)、インバータ装置100のモータ130の通常駆動制御を終了する。
ここで、例えば、設定電流As0の値を0A、設定電流As1の値を15A、基準電流の値を35Aとした場合に得られる、シャント抵抗Ru、Rv、Rwに流れる電流と、モニター電圧Vsu、Vsv、Vswとの関係の一例を、それぞれ、図6の直線U、V、Wに示す。
尚、パラメータ演算部403によって算出されるパラメータSu、Sv、Swに基づいて、配線インピーダンス成分の影響を考慮した、直線U、V、Wの傾きに相当する値が得られる。
また、インバータ回路120に流れる電流を0Aとすることで、モニター電圧Vsu0、Vsv0、Vsw0からオフセット電圧が得られる。
よって、パラメータSu、Sv、Swと、モニター電圧データDVsu0、DVsv0、DVsw0と、から、直線U、V、Wを示す関数が算出できる。この、直線U、V、Wを示す関数に基づいて、基準電流データISDに対応する、基準電圧データDVru、DVrv、Dvrwが求められるため、接続点na、nb、ncにそれぞれ発生する電圧の実測値との関係において、基準電流の値に対応する基準電圧Vru、Vrv、Vrvを求めることができる。過電流検出回路123は、接続点na、nb、ncに発生する電圧がそれぞれRCフィルタ122a、122b、122cを介してなる電圧Vu、Vv、Vwと、基準電圧Vru、Vrv、Vrvと、比較することで、過電流検出誤差を補正することが出来る。
以上より、本実施形態に係る保護回路を備える、インバータ装置100では、マイクロコンピュータ140によって、過電流検出回路123の過電流検出の基準とする基準電圧を、スイッチング回路121とシャント抵抗Ru、Rv、Rwの接続点na、nb、ncに発生する電圧の実測値との関係において、基準電流の値を示す電圧の値となるように補正する。よって、過電流検出回路123の過電流検出誤差を校正することが可能となり、過電流保護機能の精度を向上させることが出来る。
また、本実施形態に係る保護回路を備える、インバータ装置100は、複数相の電流それぞれの過電流検出を、複数のシャント抵抗を用いて行う場合であっても、複数のシャント抵抗に流れる電流と複数のシャント抵抗が検出する電圧の実測値との関係を個別に求め、各相について個別に基準電圧を補正することが出来る。よって、複数相の間で、過電流保護機能を実行させるタイミングのずれを生じさせず、過電流保護機能の精度を向上させることが出来る。
また、本実施形態に係る過電流検出回路123は、オープンコレクタ出力コンパレータ1233を含んで構成され、過電流保護機能は検出信号DETがドライバ回路125に入力されることで実現される。このように、本実施形態に係るインバータ装置100では、演算処理を経由するソフト的な処理によらず、検出信号DETによる過電流検出を契機に直接過電流保護動作を行うことが出来るため、過電流保護動作の高速化が可能となる。
<<絶縁金属基板技術を用いた半導体装置>>
===半導体装置===
図7は、絶縁金属基板技術を用いた半導体装置10の構造を示した図である。尚、図7(a)は半導体装置10の断面図であり、図7(b)は半導体装置10の正面図である。また、図8は、図7に示した半導体装置10の斜視図である。
ケース材3は、4枚の側壁3A、3B、3C、3Dで取り囲まれた四角い筒が形成され、下側(紙面C−C’軸のC’に向かう方向)の開口部20と上側(紙面C−C’軸のCに向かう方向)の開口部21が設けられる。
ケース材3の側壁3C、3Dの内側において、開口部20から若干上がった位置に、ケース材3の内側に向かった凸部22が設けられる。また、ケース材3の側壁3C、3Dの内側において、開口部21から若干下がった位置に、第2の基板2の側面側の裏面(紙面C−C’軸のC’に向かう方向の面)と当接する当接部23が設けられる。
一方、ケース材3の側壁3A、3Bの内側において、ねじ止め孔24を確保するため、第2の基板2の裏面(紙面C−C’軸のC’に向かう方向の面)と当接させる当接部25と、第2の基板2の紙面B−B’軸の方向に向けて離間させる離間部26が設けられる。離間部26を介して、第2の基板2と第1の基板1Aの間の空間に発生する熱は、外部に放出される。尚、循環作用を得るために、離間部26は少なくとも2つ形成されることが好ましい。
ベース基板1B、第1の基板1Aは、導電材料、例えばCu、AlまたはFeを主材料とするもの、またはそれらの合金により構成される。また、熱伝導性の優れた材料より成り、窒化アルミニウム、窒化ボロン等の絶縁材料でも良い。一般にはコストの観点によりCu、Alが採用され、両者ともに、導電性があるため、絶縁処理が必要になる。尚、以下では、ベース基板1B、第1の基板1Aは、Alを採用したものとして説明する。
ベース基板1Bの表面(紙面C−C’軸のCに向かう方向の面)には、ベース基板1Bよりもサイズの小さい第1の基板1Aが絶縁性接着剤27により固定される。尚、ベース基板1B、第1の基板1Aの表裏両面は、傷防止のために陽極酸化膜が施されている。
第1の基板1Aは、表面の陽極酸化膜の上に絶縁被膜28が被覆され、この上にCuからなる第1の導電パターン7が形成される。第1の導電パターン7は、アイランド、配線、電極パッド等から成る。例えば、第1の導電パターン7のアイランドには、パワー半導体デバイス4としてのスイッチング素子Q1〜Q6を含むインバータ回路120が電気的に接続される。他には、ダイオード、抵抗、コンデンサ等が、第1の基板1Aに実装される。
第1の基板1Aの側面(紙面A−A’軸のA、A’側にある面)の側にはリード固着用のパッドが設けられ、外部リード29をロウ材によって固着させる。外部リード29は、ケース材3の頭部から飛び出すような長さで、実装基板のスルーホール32に挿入される。
ベース基板1Bの表面に固定された第1の基板1Aは、ケース材3の下側(紙面C−C’軸のC’に向かう方向)の開口部29に嵌合される。ケース材3の側壁3A、3B、3C、3Dの内側にはL字型の段差が設けられ、ベース基板1Bの側面(紙面A−A’軸のA、A’側にある面と、紙面B−B’軸のB、B’側にある面)並びに表面(紙面C−C’軸のCに向かう方向の面)が当接して固着される。よって、ケース材3と嵌合された第1の基板1Aによって、開口部29は封止される。尚、上記のとおり、第2の基板2はケース材3の側壁3C、3Dに保持されるので、第1の基板1Aと第2の基板2は平行に並列配置される。
第2の基板2は、樹脂製の基板より成り、例えばプリント基板と呼ばれるガラスエポキシ基板が好ましい。第2の基板2の表面(紙面C−C’軸のCに向かう方向の面)には、少なくとも一層以上の第2の導電パターン30が形成されている。第2の導電パターン30は、第1の導電パターン7と同様に、アイランド、配線、電極パッド等から成る。例えば、第2の導電パターン30の一つのアイランドには、インバータ回路120の動作を制御するためのマイクロコンピュータ140やDSP(Digital Signal Processor)等の集積回路31が電気的に接続される。マイクロコンピュータ140やDSPなどの集積回路31は、熱の影響を避けることが望ましいため、インバータ回路120を配置する基板とは異なる基板に配置することにより、正確な動作を行うことが可能となる。他には、トランジスタ、ダイオード、抵抗、コンデンサ等が第2の基板2に実装される。
尚、第2の基板2がケース材2に設けられる前に、第1の基板1Aに実装された回路部品を完全に封止する樹脂がポッティングなどで設けられる。また、必要に応じて、第2の基板2に実装された回路部品を完全に封止する樹脂が設けられる。第2の基板2の側辺近傍には、外部リード29を挿入するスルーホール32が設けられる。スルーホール32によって、第1の基板1Aに実装された回路と、第2の基板2に実装された回路が電気的に接続される。
図1に示したインバータ回路120は、図7、図8に示した絶縁金属基板技術を用いた半導体装置10として実現できる。図9は、半導体装置10の主要な回路部品の実装例を示した図である。尚、図9(a)は、第1の基板1Aの実装例を示した図であり、図9(b)は、第2の基板2の実装例を示した図である。尚、本実装例では、第1の基板1Aが金属基板であり、第2の基板2がプリント基板であることとする。
図9(a)に示すように、第1の基板1A上では、インバータ回路120が少なくとも実装されている。そして、電圧モニター用端子Lu、Lv、Lwや電圧調整用端子Mu、Mv、Mw等が、図7に示された外部リード29として実現される。尚、第1の基板1Aは熱伝導性の良い金属基板であるため、シャント抵抗Ru、Rv、Rwの温度特性のばらつきを考慮する必要性が少なくなり、過電流保護を適切に行えることになる。
また、図9(b)に示すように、第2の基板2上では、マイクロコンピュータ140やDSPなどの集積回路31として制御回路200が実装される。このように、制御回路200に関しては、半導体装置10の全体的な制御を司る一番重要な回路部品であるため、第1の基板1Aに実装された回路部品とは別の第2の基板2の方に実装することが好ましい。この結果、制御回路200は、第1の基板1Aに実装されたスイッチング回路121及びドライバ回路125の温度上昇の影響を受けずに済む。尚、ケース材3は必ずしも制御回路200を配置した第2の基板2を第1の基板1Aとともに保持しなくても良い。制御回路200をケース材3とは異なるケース材(不図示)で保持しても良い。
また、第1の基板1Aの熱膨張によるケース材3の変形や、第1の基板1Aに実装された回路部品より発する熱による第2の基板2の変形を考慮して、第1の基板1A、第2の基板2において一番湾曲する中心位置からずらして回路部品を実装することが好ましい。
===半導体装置の適用例===
半導体装置10(以下、インバータ回路モジュール60と呼ぶ)は、例えば、図10に示すエアコン室外機50(筐体)に取り付けられる。尚、図10は、インバータ回路モジュール60を用いたエアコン室外機50の内部構造を示した図である。
エアコン室外機50は、ファン51、フレーム52、コンプレッサ53、放熱フィン55、そしてインバータ回路モジュール60を備えている。
ファン51は、空気循環を行うものであり、裏側(紙面Y軸の負方向)には熱交換器がある。フレーム52は、ファン51と隣接して紙面X軸の正方向に並列に配置される。フレーム52の中敷板52Aの下側(紙面Z軸の負方向)にはコンプレッサ53が設けられ、フレーム52の中敷板52Aの上側(紙面Z軸の正方向)には、回路部品が実装されたプリント基板等が取り付けられる。
さらに、フレーム52の紙面X軸の負方向側の側壁板54には、インバータ回路モジュール60が実装される。尚、インバータ回路モジュール60は、第2の基板2側がフレーム52の側壁板54と向かい合うように取り付けられる。また、インバータ回路モジュール60のベース基板1B側には、放熱フィン55が取り付けられる。
図10に示す符号56は、空気が暖められて上昇するために発生する気流路A〜Bを示している。放熱フィン55の溝は、気流路A〜Bに沿った方向(紙面Z軸方向)に設けられる。従って、インバータ回路モジュール60の方にも、図8に示す気流路A〜Bに沿った切欠部が設けられていれば、更に放熱性が向上することになる。尚、図8に示される符号70〜73は、図10に示す気流路A〜Bに沿った切欠部の一例を示している。
以上、本実施の形態について説明したが、前述した実施例は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得るととともに、本発明にはその等価物も含まれる。
例えば、上記実施形態では、過電流保護機能を持つ回路、回路モジュールとして、インバータ回路120、インバータ回路モジュール60の場合を例に挙げたが、その他に、モータドライバとその回路モジュール、オーディオ機器向けの信号処理回路とその回路モジュールや、プラズマディスプレイ向けの表示駆動回路とその回路モジュール等、過電流保護機能を持つ必要がある回路、回路モジュールであればよい。
また、インバータ回路モジュール60の適用例として、エアコン室外機50を例に挙げたが、洗濯機、冷蔵庫、自動車、ロボット、FA(Frectory Automation)、NC(Numerical Control)工作機等、各産業界においてインバータ制御が必要な電気機器に適用することができる。
本実施形態に係る保護回路を含むインバータ装置の構成例を示す図である。 図1に示すマイクロコンピュータの構成例を示す図である。 シャント抵抗に流れる電流とシャント抵抗が検出する電圧の関係を示す図である。 本実施形態に係るインバータ装置の演算処理動作例を示す図である。 本実施形態に係るインバータ装置の補正動作例を示す図である。 本実施形態に係るインバータ回路に流れる電流とモニター電圧の関係を示す図である。 (a)は本実施形態に係る半導体装置の断面図であり(b)は本実施形態に係る半導体装置の表面図である。 図7に示す半導体装置の斜視図である。 (a)は図7に示す半導体装置の第1の基板の実装例を示した図であり(b)は、図7に示す半導体装置の第2の基板の実装例を示した図である。 本実施形態に係るインバータ回路モジュールを用いたエアコン室外機の内部構造を示した図である。
符号の説明
Ru、Rv、Rw シャント抵抗
123 過電流検出回路
125 ドライバ回路
140 マイクロコンピュータ
1A 第1の基板
2 第2の基板
3 ケース材
10 半導体装置
31 集積回路
60 インバータ回路モジュール
50 エアコン室外機

Claims (6)

  1. 被保護回路を流れる電流を電圧として検出する検出抵抗と、
    前記被保護回路を流れる設定電流と、前記設定電流に対応して前記検出抵抗に発生する実測電圧と、に基づいて、前記被保護回路を過電流から保護するための基準電圧の値を補正する補正回路と、
    前記実測電圧と前記基準電圧とを比較し、前記実測電圧が前記基準電圧を超えたか否かを検出する過電流検出回路と、
    前記過電流検出回路において前記実測電圧が前記基準電圧を超えた場合、前記被保護回路を過電流から保護するべく制御する制御回路と、
    を備えることを特徴とする保護回路。
  2. 前記補正回路は、
    前記被保護回路を個別に流れる複数の設定電流と、前記複数の設定電流に対応して前記検出抵抗に個別に発生する複数の実測電圧と、に基づいて、前記検出抵抗を流れる電流及び前記検出抵抗に発生する電圧の関係を求め、前記関係に基づいて前記基準電圧を補正する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の保護回路。
  3. 前記補正回路は、
    前記関係に基づいて、初期値として用意される前記基準電圧を補正する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の保護回路。
  4. 被保護回路を流れる複数の電流を複数の電圧として検出する複数の検出抵抗と、
    前記被保護回路を流れる複数の設定電流と、前記複数の設定電流に対応して前記複数の検出抵抗に発生する複数の実測電圧と、に基づいて、前記被保護回路を過電流から保護するための複数の基準電圧を個別に補正する補正回路と、
    前記複数の実測電圧と前記複数の基準電圧とをそれぞれ比較し、一以上の前記実測電圧が対応する前記基準電圧を超えたか否かを検出する過電流検出回路と、
    前記過電流検出回路において一以上の前記実測電圧が対応する前記基準電圧を超えた場合、前記被保護回路を過電流から保護するべく制御する制御回路と、
    を備えることを特徴とする保護回路。
  5. 表面に導電パターンを有する基板と、
    前記導電パターンに電気的に接続され前記基板上に配置される一以上の集積回路と、
    前記基板を保持するケースと、を備え、
    前記集積回路は、
    被保護回路と、
    前記被保護回路を流れる電流を電圧として検出する検出抵抗と、
    前記被保護回路を流れる設定電流と、前記設定電流に対応して前記検出抵抗に発生する実測電圧と、に基づいて、前記被保護回路を過電流から保護するための基準電圧の値を補正する補正回路と、
    前記実測電圧と前記基準電圧とを比較し、前記実測電圧が前記基準電圧を超えたか否かを検出する過電流検出回路と、
    前記過電流検出回路において前記実測電圧が前記基準電圧を超えた場合、前記被保護回路を過電流から保護するべく制御する制御回路と、を含む、
    ことを特徴とする半導体装置。
  6. 表面に導電パターンを有する基板と、
    前記導電パターンに電気的に接続され前記基板上に配置される一以上の集積回路と、
    前記基板を保持するケースと、
    前記ケースが内部に配置される筐体と、を備え、
    前記集積回路は、
    被保護回路と、
    被保護回路を流れる電流を電圧として検出する検出抵抗と、
    前記被保護回路を流れる設定電流と、前記設定電流に対応して前記検出抵抗に発生する実測電圧と、に基づいて、前記被保護回路を過電流から保護するための基準電圧の値を補正する補正回路と、
    前記実測電圧と前記基準電圧とを比較し、前記実測電圧が前記基準電圧を超えたか否かを検出する過電流検出回路と、
    前記過電流検出回路において前記実測電圧が前記基準電圧を超えた場合、前記被保護回路を過電流から保護するべく制御する制御回路と、を含む、
    ことを特徴とする電気機器。
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