JP2009226425A - 異種板材のスポット溶接方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アルミニウム合金板(6a)側を陰極側電極5として、高張力鋼板(10a)側を陽極側電極4とすると、高張力鋼板(10a)側に生成される鋼板側ナゲットFN(溶融部)は、アルミニウム合金板(6a)側に突出することなく、高張力鋼板(10a)側でのみ成形されることになる。このため、アルミニウム側ナゲットAN(溶融部)も局所的に生じることなく、広い範囲で均一に生じる
【選択図】図3
Description
しかし、自動車の車体等を溶接する場合には、一般に電気抵抗によるスポット溶接が主として用いられるため、アルミニウム合金と鋼材とを接合するためには、別途、サブラインを設けなければならず、生産性が悪化するという問題がある。
そして、こうしたスポット溶接を行なう場合には、発熱効率が高い直流型溶接機を用いることが考えられる。
また、例えば、特許文献2にも記載されるように、鋼板二枚とアルミニウム合金板一枚を重ね合わせて溶接することで、抵抗発熱量を増加させて、比較的低い電流値でも溶接できるように構成することが考えられる。
この断面図では、最上層にアルミニウム合金板、次層に亜鉛メッキ鋼板、最下層に高張力鋼板を積層している。そして、一点鎖線で示すように、上面側に陽極側電極を位置させて、下面側に陰極側電極を位置させて、合計三枚の溶接を行なうように構成している。
このため、陽極側電極が当接する鋼板側に発熱中心が移動して、鋼板側ナゲットの生成を抑えることができる。これにより、鋼板側ナゲットがアルミニウム合金側に盛り上がらないため、アルミニウム合金側には、局所的な溶融が生じにくくなり、金属間化合物の発生を抑えることができる。
また、付随的な効果として、アルミニウム合金側の発熱を抑えることで、陰極側電極へのアルミニウム合金への溶着を抑えることができる。これにより、生産性の向上も図ることができる。
なお、この金属間化合物は、適正な量(例えば、化合物厚さ1〜13μm)が発生しなければ、アルミニウム合金と鋼材との間の接合力が発生しないため、アルミニウム合金側をある程度溶融させる必要もある。
上記構成によれば、二枚の鋼材を、アルミニウム合金板側が亜鉛メッキ層を備えた軟鋼板として、陽極側電極側が高張力鋼板とすることにより、スポット溶接の発熱中心を、より確実に、アルミニウム合金板から離れた高張力鋼板側に発生させて、アルミニウム合金側の局所的な溶融を防ぐことができる。
すなわち、高張力鋼板と軟鋼板とを比較すると、高張力鋼板の方が電流抵抗値が高いため、同じ電流を流した場合には、高張力鋼板の方が発熱しやすくなり、発熱中心が高張力鋼板側に生じやすくなるからである。
また、亜鉛メッキ層を軟鋼板が備えていることにより、軟鋼板の表面には酸化皮膜が形成されないため、アルミニウム合金板と軟鋼板との境界には、不純物が混入しにくく、金属間化合物の性質を一定のものにでき、接合力を安定して確保することができる。
よって、アルミニウム合金板と鋼板との間の金属間化合物の発生をより抑制することができ、より確実に、接合力を高めることができる。
よって、異種板材のスポット溶接方法において、直流型溶接機を用いることにより発熱効率を高めつつ、鋼材二枚とアルミニウム合金板一枚を重ね合わせ接合することで、必要電流値を抑えつつも、アルミニウム合金と鋼材との間の界面に生成される金属間化合物を発生を抑えて、十分な接合力を発揮できる。
図1は本発明の異種板材のスポット溶接を行なう溶接機の全体模式図である。このスポット溶接を行なう電気抵抗スポット溶接装置Mは、溶接ガン1を装備したロボット2と、この溶接ガン1とロボット2とを駆動制御する制御装置3と、溶接ガン1でスポット接合する際に金属板材を重ね合わせた状態で位置決め保持する位置決め治具(図示略)とを備えている。
この電気抵抗スポット溶接装置Mは、いわゆる直流型の溶接機であり、溶接ガン1の先端に取り付けられる電極は、陽極側電極4と、陰極側電極5とで構成される。
なお、その他の構成要素については、周知であるため、詳細な説明は省略する。
図2に示す車体構造は、ルーフパネルとルーフサイドレールの間の接合部位を示したものである。
車幅方向に延びるルーフパネル6の側端には、一段下方側に落ち込んだ接合フランジ6aを設けている。この接合フランジ6aの下方には、ルーフサイドレール7の車幅内方側フランジ7Aを、重ね合わせて配置している。
そして、前述の溶接ガン1を駆動することで、陰極側電極5と陽極側電極4によって、前記三枚の板材(6a,8a,10a)を挟持して加圧する。
その後、この加圧状態で、比較的高電流(例えば11kA)の電流値を通電することで、前記三枚の板材(6a,8a,10a)をスポット溶接する。
以上の工程により、スポット溶接作業は完了する。
この図3に示すように、アルミニウム合金板(6a)側を陰極側電極5として、高張力鋼板(10a)側を陽極側電極4とすると、高張力鋼板(10a)側に生成される鋼板側ナゲットFN(溶融部)は、アルミニウム合金板(6a)側に突出することなく、高張力鋼板(10a)側でのみ成形されることになる。
これは、前述したように、金属間化合物が均一に生じるため、比較的低い電流値でも接合力を高くできると考えられるからである。
これは、金属間化合物が局所的に生じることで、低い電流値の場合には、接合力が高まらず、金属間化合物で剥離等が生じるからだと考えられる。
この実施形態のスポット溶接方法は、アルミニウム合金板(6a)と重ねた軟鋼板(8a)と高張力鋼板(10a)とを重ね合わせて、直流式抵抗スポット溶接機の陰極側電極5をアルミニウム合金板(6a)に当接させる共に、陽極側電極4を高張力鋼板(10a)に当接させて、陽極側電極4から陰極側電極5に電流を通電することで、軟鋼板(8a)と高張力鋼板(10a)とを溶接すると共にアルミニウム合金板(6a)と軟鋼板(8a)との境界を溶接するスポット溶接方法である。
このため、陽極側電極4が当接する高張力鋼板(10a)側に発熱中心Pが移動して、鋼板側ナゲットFNの生成を抑えることができる。これにより、鋼板側ナゲットFNがアルミニウム合金板(6a)側に盛り上がらないため、アルミニウム合金板(6a)側には、局所的な溶融が生じにくくなり、金属間化合物X1の発生を抑えることができる。
また、付随的な効果として、アルミニウム合金板(6a)側の発熱を抑えることで、陰極側電極5へのアルミニウム合金板(6a)への溶着を抑えることができる。これにより、スポット溶接の連続打点性が向上し、生産性の向上も図ることができる。
よって、異種板材のスポット溶接方法において、直流型スポット溶接機を用いることにより発熱効率を高めつつ、軟鋼板(8a)と高張力鋼板(10a)とアルミニウム合金板(6a)を重ね合わせ接合することで、必要電流値を抑えつつも、アルミニウム合金板(6a)と軟鋼板(8a)との間の界面に生成される金属間化合物X1を発生を抑えて、十分な接合力を発揮できる。
これにより、スポット溶接の発熱中心Pを、より確実に、アルミニウム合金板(6a)から離れた高張力鋼板(10a)側に発生させて、アルミニウム合金板(6a)側の局所的な溶融を防ぐことができる。
また、軟鋼板(8a)が亜鉛メッキ層を備えていることにより、軟鋼板(8a)の表面には酸化皮膜が形成されないため、アルミニウム合金板(6a)と軟鋼板(8a)との境界には、不純物が混入しにくく、金属間化合物X1の性質を一定のものにでき、接合力を安定して確保することができる。
よって、アルミニウム合金板(6a)と軟鋼板(8a)との間の金属間化合物X1の発生をより抑制することができ、より確実に、接合力を高めることができる。
これにより、車体側の要求を達成する適切な板組みとすることができる。
すなわち、アルミニウム合金板(6a)では車体の軽量化が図れ、軟鋼板(8a)ではプレスの成形性が向上し、亜鉛メッキ層では耐食性が向上すると共に、高張力鋼板(10a)では車体の剛性向上を図ることができるからである。
なお、亜鉛メッキ層は、前述の合金化亜鉛メッキに限らず、単に溶融亜鉛メッキ層でもよく、亜鉛合金メッキ層でもよい。
この発明の鋼板は、実施形態の軟鋼板(8a)と高張力鋼板(10a)に対応し、
以下、同様に、
車体の外板は、ルーフパネル6、アウターパネル8に対応し、
車体の補強板は、ルーフレールレインフォースメント10に対応するも、
この発明は、前述の実施形態に限定されるものではなく、あらゆる異種板材のスポット溶接方法に適用する実施形態を含むものである。
4…陽極側電極
5…陰極側電極
6a…アルミニウム合金板
8a…軟鋼板
10a…高張力鋼板
Claims (3)
- アルミニウム合金板と鋼板を重ね合わせて電気抵抗スポット溶接する方法において、
アルミニウム合金板と重ねた二枚の鋼板とを重ね合わせて、
直流式抵抗スポット溶接機の陰極側電極をアルミニウム合金板に当接させる共に、
陽極側電極を鋼板に当接させて、
前記陽極側電極から前記陰極側電極に電流を通電することで、二枚の鋼板同士を溶接すると共にアルミニウム合金板と鋼板との境界を溶接する
異種板材のスポット溶接方法。 - 前記二枚の鋼板は、
アルミニウム合金板側が亜鉛メッキ層を備えた軟鋼板であり、
陽極側電極側が高張力鋼板である
請求項1記載の異種板材のスポット溶接方法。 - 前記アルミニウム合金板及び前記亜鉛メッキ層を備えた軟鋼板が、車体の外板であり、
前記高張力鋼板が、車体の補強板である
請求項2記載の異種板材のスポット溶接方法。
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JP2008072804A JP2009226425A (ja) | 2008-03-21 | 2008-03-21 | 異種板材のスポット溶接方法 |
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